JP2013014667A - インナーライナー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びを向上できるインナーライナー用ゴム組成物、及び該インナーライナー用ゴム組成物をタイヤのインナーライナーに用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ブチル系ゴムの含有量が30〜95質量%、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムの合計含有量が5〜70質量%であるゴム成分と、ハイドロタルサイトと、有機樹脂と、無水フタル酸、及び無水マレイン酸からなる群より選択される少なくとも1種の酸とを含むインナーライナー用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インナーライナー用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来から、タイヤのインナーライナー用ゴム組成物には、インナーライナーの空気非透過性を向上させるためにブチル系ゴムが使用されている(例えば、特許文献1)。
また、インナーライナー用ゴム組成物には、未加硫時のロール加工性とタイヤ成形性を向上させる観点から、ミネラルオイルが適量配合されている。しかしながら、得られるインナーライナーの空気非透過性が十分でなく、さらなる改善が求められていた。このように、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性のすべての特性に優れたインナーライナー用ゴム組成物は得られていなかった。
特開2005−113027号公報
本発明は、前記課題を解決し、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びを向上できるインナーライナー用ゴム組成物、並びに該インナーライナー用ゴム組成物をタイヤのインナーライナーに用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、層状の化合物であるハイドロタルサイトを配合することにより、得られるゴム組成物(加硫ゴム)の空気非透過性、未加硫状態におけるロール加工性が向上することを見出した。しかし、ハイドロタルサイトを配合すると、未加硫状態におけるタイヤ成形性、加硫ゴムの破断時伸びが低下するという新たな問題が生じた。そこで、本発明者は、鋭意検討を行った結果、タイヤ成形性、破断時伸びの低下は、ハイドロタルサイトの分散不良が原因であり、ハイドロタルサイトと共に特定の酸を配合することにより、ハイドロタルサイトの分散性が向上することを見出した。更に、特定のゴム成分と、ハイドロタルサイトと、有機樹脂と、特定の酸とを配合することにより、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく向上できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ブチル系ゴムの含有量が30〜95質量%、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムの合計含有量が5〜70質量%であるゴム成分と、ハイドロタルサイトと、有機樹脂と、無水フタル酸、及び無水マレイン酸からなる群より選択される少なくとも1種の酸とを含むインナーライナー用ゴム組成物に関する。
上記有機樹脂が芳香族炭化水素系樹脂及び/又は混合樹脂であることが好ましい。
上記混合樹脂が芳香族炭化水素系樹脂と脂肪族炭化水素系樹脂の混合物であることが好ましい。
上記ハイドロタルサイトが下記式(1);
8−x (OH)16CO・nHO (1)
(式中、Mは、同一若しくは異なって、Mg2+、Fe2+、Zn2+、Ca2+、Ni2+、Co2+、又はCu2+を表す。Mは、同一若しくは異なって、Al3+、Fe3+、又はMn3+を表す。xは2≦x≦5を満たす数、nは0以上の数を表す。)
で表される化合物及びその焼成物であることが好ましい。
上記インナーライナー用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、ハイドロタルサイトの含有量が10〜70質量部、有機樹脂の含有量が5〜30質量部、ハイドロタルサイト100質量部に対して、無水フタル酸、及び無水マレイン酸の合計含有量が2〜30質量部であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したインナーライナーを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ブチル系ゴムの含有量が30〜95質量%、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムの合計含有量が5〜70質量%であるゴム成分と、ハイドロタルサイトと、有機樹脂と、無水フタル酸、及び無水マレイン酸からなる群より選択される少なくとも1種の酸とを含むインナーライナー用ゴム組成物であるので、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びを向上できる。該ゴム組成物をタイヤのインナーライナーに使用することにより、空気非透過性、破断時伸び(耐久性)に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のインナーライナー用ゴム組成物は、ブチル系ゴムの含有量が30〜95質量%、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムの合計含有量が5〜70質量%であるゴム成分と、ハイドロタルサイトと、有機樹脂と、無水フタル酸、及び無水マレイン酸からなる群より選択される少なくとも1種の酸とを含む。
特定のゴム成分と、ハイドロタルサイトと、有機樹脂と、特定の酸とを配合することにより、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく向上できる。
ブチル系ゴムとしては、例えば、ブチルゴム(IIR);臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、フッ素化ブチルゴム(F−IIR)等のハロゲン化ブチルゴム等が使用できる。なかでも、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく向上できるという理由から、ハロゲン化ブチルゴムが好ましく、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴムがより好ましい。
ゴム成分100質量%中のブチル系ゴムの含有量は、30質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。30質量%未満であると、加硫ゴムの空気非透過性、耐屈曲疲労性が充分に得られないおそれがある。該ブチル系ゴムの含有量は、95質量%以下、好ましくは90質量%以下である。95質量%を超えると、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びがバランスよく得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物は、イソプレン系ゴム及び/又はブタジエンゴム(BR)を含む。なかでも、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく向上できるという理由から、イソプレン系ゴムが好ましい。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)等が挙げられる。なかでも、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく向上できるという理由から、NR、IRが好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、5質量%以上、好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びがバランスよく得られないおそれがある。該イソプレン系ゴムの含有量は、70質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。70質量%を超えると、加硫ゴムの空気非透過性、耐屈曲疲労性が充分に得られないおそれがある。
BRとしては特に限定されず、例えば、高シス含有量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBRなどを使用できる。なかでも、シス含有量が95質量%以上のBRが好ましい。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴム及びBRの合計含有量は、5質量%以上、好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びがバランスよく得られないおそれがある。該合計含有量は、70質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。70質量%を超えると、加硫ゴムの空気非透過性、耐屈曲疲労性が充分に得られないおそれがある。
ブチル系ゴム、イソプレン系ゴム、BR以外に本発明に使用されるゴム成分としては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、ハイドロタルサイトが使用される。ハイドロタルサイトは層状構造を有する粘土鉱物の1種である。ハイドロタルサイトを配合することにより、未加硫状態におけるロール加工性、加硫ゴムの空気非透過性を向上でき、更に、特定のゴム成分、有機樹脂、特定の酸と併用することにより、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく向上できる。
ハイドロタルサイトは、合成物、天然物のいずれでもよく特に限定されない。例えば、下記式(1);
8−x (OH)16CO・nHO (1)
(式中、Mは、同一若しくは異なって、Mg2+、Fe2+、Zn2+、Ca2+、Ni2+、Co2+、又はCu2+を表す。Mは、同一若しくは異なって、Al3+、Fe3+、又はMn3+を表す。xは2≦x≦5を満たす数、nは0以上の数を表す。)で表される化合物及びその焼成物を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
としては、Mg2+が好ましい。Mとしては、Al3+が好ましい。xとしては、2≦x≦4を満たす数が好ましく、2がより好ましい。nは0〜3が好ましく、1がより好ましい。
ハイドロタルサイトとしては、例えば、MgAlCO(OH)16・HOで表される化合物(化薬アクゾ(株)製のPerkalite)やこれを焼成して結晶水を除いたもの等を市販品として入手できる。
上記ハイドロタルサイトの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは25質量部以上である。10質量部未満であると、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく得られないおそれがある。また、該含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは70質量部以下、より好ましくは55質量部以下、更に好ましくは45質量部以下である。70質量部を超えると、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく得られないおそれがある。
本発明では、有機樹脂が使用される。有機樹脂を、特定のゴム成分、ハイドロタルサイト、特定の酸と併用することにより、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく向上できる。
有機樹脂としては、例えば、クマロン樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、石油系炭化水素樹脂、ロジン誘導体などが挙げられる。また、良好な空気非透過性が得られるという理由から、アルキルフェノール樹脂などの芳香族炭化水素系樹脂、C、C8、などの脂肪族炭化水素系樹脂などの2種以上を混合した混合樹脂や上記芳香族炭化水素系樹脂を好適に使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、混合樹脂、芳香族炭化水素系樹脂が好ましく、芳香族炭化水素系樹脂と脂肪族炭化水素系樹脂とを混合した混合樹脂、芳香族炭化水素系樹脂がより好ましく、芳香族炭化水素系樹脂と脂肪族炭化水素系樹脂とを混合した混合樹脂と、芳香族炭化水素系樹脂(特に、アルキルフェノール樹脂)との併用が更に好ましい。
混合樹脂としては、具体的には、Schill&Seilacher社製のストラクトール40MS、ラインケミー社(Rhein Chemie Corp.)のレノジン145A、フローポリマー社(Flow Polymers Inc.)のプロミックス400などがあげられる。
有機樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上である。5質量部未満であると、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく得られないおそれがある。また、含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。30質量部を超えると、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく得られないおそれがある。
本発明では、無水フタル酸、及び無水マレイン酸からなる群より選択される少なくとも1種の酸が使用される。これにより、ハイドロタルサイトの分散性を向上でき、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びを向上できる。更に、無水フタル酸、及び無水マレイン酸からなる群より選択される少なくとも1種の酸を、特定のゴム成分、ハイドロタルサイト、有機樹脂と併用することにより、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく向上できる。なかでも、上記性能(特に、空気非透過性、破断時伸び)の向上効果が高いことから、無水フタル酸が好ましい。
無水フタル酸、及び無水マレイン酸の合計含有量は、ハイドロタルサイト100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは4.5質量部以上である。2質量部未満であると、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをバランスよく得られないおそれがある。該合計含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。30質量部を超えると、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性をバランスよく得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。これにより、加硫ゴムの破断時伸びが向上し、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをよりバランスよく得られる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなどを用いることができる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は10m/g以上が好ましく、20m/g以上がより好ましい。10m/g未満であると、加硫ゴムの破断時伸びが低下するおそれがある。また、カーボンブラックのNSAは100m/g以下が好ましく、40m/g以下がより好ましい。100m/gを超えると、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性が悪化するおそれがある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001に準拠して測定される。
カーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。20質量部未満では、加硫ゴムの破断時伸びが低下するおそれがある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。120質量部を超えると、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、加工助剤を含むことが好ましい。これにより、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性が向上し、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをよりバランスよく得られる。
加工助剤としては、n−ブチル・ステアレート等の脂肪酸エステル、脂肪酸カルシウム塩等の脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルと脂肪酸金属塩の混合物、ステアロアミド、オレイルアミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸等の脂肪酸、パラフィン・ワックス、ポリエチレン・ワックス等のワックス類等が挙げられる。脂肪酸エステルとしては、商品名「エキセパールBS」(花王(株)社製)、商品名「テルコール」(川研ファインケミカル(株)社製、商品名「ストラクトールWB222」、「ストラクトールWB212」、「ストラクトールWB215」(いずれも、Schill&Seilacher社製)等が挙げられる。また、脂肪酸エステルと脂肪酸金属塩の混合物としては、商品名「ストラクトールWB16」、商品名「ストラクトールWA48」、商品名「ストラクトールHT204」(Schill&Seilacher社製)等が挙げられる。なかでも、脂肪酸エステルと脂肪酸金属塩の混合物が好ましい。
加工助剤を配合する場合、加工助剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。0.5質量部未満では、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性が低下するおそれがある。また、加工助剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。5質量部を超えると、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びが低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、パラフィン系ワックスを含むことが好ましい。これにより、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性が向上し、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びをよりバランスよく得られる。なお、パラフィン系ワックスとは、直鎖状の炭化水素を主成分とする石油由来のワックスであり、例えば、従来から公知のパラフィン系ワックスを用いることができる。
パラフィン系ワックスを配合する場合、パラフィン系ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。0.5質量部未満では、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性が低下するおそれがある。また、パラフィン系ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。5質量部を超えると、ブルームによりタイヤ成形性が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ等の充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル等の軟化剤、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤのインナーライナーに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのインナーライナーの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
ブチル系ゴム:エクソン化学社製のクロロブチルHT1066(塩素化ブチルゴム)
NR:RSS#3
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含有量:97質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のN660(NSA:28m/g)
混合樹脂:Schill&Seilacher社製のストラクトール40MS(芳香族炭化水素系樹脂及び脂肪族炭化水素系樹脂の混合物(混合樹脂))
アルキルフェノール樹脂:Schenectady Chemicals社製のSP1068(芳香族炭化水素系樹脂)
ハイドロタルサイト:化薬アクゾ(株)製のPerkalite(MgAlCO(OH)16・HO)
無水フタル酸:和光純薬工業(株)製の無水フタル酸
無水マレイン酸:和光純薬工業(株)製の無水マレイン酸
老化防止剤(石油系樹脂):ランクセス(株)製のVulkanoxHS/LG
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸「椿」
パラフィン系ワックス:日本精鑞(株)製のオゾエース0355
ミネラルオイル:ジャパンエナジー(株)製のプロセスP200
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:細井化学(株)製のHK−200−5(5%オイル硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM−P
加工助剤:Schill&Seilacher社製のストラクトールWB16(脂肪酸エステルと脂肪酸金属塩の混合物)
実施例1〜9及び比較例1〜2
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を140℃で5分間混練した。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加して90℃で3分間混練し、未加硫ゴム組成物を得た。未加硫ゴム組成物を170℃で12分間加硫することにより加硫ゴム組成物を得た。
次に、得られた未加硫ゴム組成物をタイヤ成型機上でインナーライナー形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせて未加硫タイヤを作製した。未加硫タイヤを150℃で30分間加硫することにより試験用タイヤ(215/45R17)を製造した。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物、試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(破断時伸び)
得られた加硫ゴム組成物を用いて、3号ダンベル型ゴム試験片を作製し、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験を行い、破断時伸び(EB)を測定した。比較例1のEBを100として、各配合のEBを指数表示した。なお、EBが大きいほど、破断時伸び(ゴム強度)に優れることを示す。
(ロール加工性)
得られた未加硫ゴム組成物を、熱入れされたロール(温度80℃)にかけ、未加硫ゴム組成物がロールに密着しやすいかどうかを目視によって、下記のロール加工性の評価基準に基づいて評価した。
<ロール加工性の評価基準>
1:ロールへの未加硫ゴム組成物の密着性が大きかった。
2:ロールへの未加硫ゴム組成物の密着性がやや大きかった。
3:ロールへの未加硫ゴム組成物の密着性は見られるがロール作業は行なうことができた。
4:ロール加工性に優れていた。
5:ロールと未加硫ゴム組成物とが容易に離れ、ロール加工性に大変優れていた。
(タイヤ成形性)
得られた未加硫ゴム組成物をインナーライナー用のゴムシートとして用いて215/45R17サイズのタイヤの成形を行ない、未加硫ゴム組成物の成形性を下記のタイヤ成形性の評価基準に基づいて評価した。なお、C<B<Aの順にタイヤ成形性に優れている(評価Aが最もタイヤ成形性に優れている)ことを示している。
<タイヤ成形性の評価基準>
A:タイヤの成形を容易に行なうことができた。
B:何とかタイヤの成形を実施することができた。
C:タイヤの成形が困難であった。
(空気非透過性)
得られた試験用タイヤをそれぞれリム組みした後、その内圧を230kPaに設定した。その後、試験用タイヤを21℃の室内に60日間入れて試験用タイヤの内圧の低下を測定した。そして、結果を比較例1の試験用タイヤの内圧の低下量を100として、指数表示した(ガスバリア指数)。指数が大きいほど空気透過量が少なく、空気非透過性に優れていることを示す。
(ガスバリア指数)=(比較例1の試験用タイヤの内圧の低下量)/(各配合の試験用タイヤの内圧の低下量)×100
Figure 2013014667
ブチル系ゴムの含有量が30〜95質量%、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムの合計含有量が5〜70質量%であるゴム成分と、ハイドロタルサイトと、有機樹脂と、無水フタル酸、及び無水マレイン酸からなる群より選択される少なくとも1種の酸とを含む実施例は、未加硫状態におけるロール加工性、タイヤ成形性、及び、加硫ゴムの空気非透過性、破断時伸びに優れていた。

Claims (6)

  1. ブチル系ゴムの含有量が30〜95質量%、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムの合計含有量が5〜70質量%であるゴム成分と、ハイドロタルサイトと、有機樹脂と、無水フタル酸、及び無水マレイン酸からなる群より選択される少なくとも1種の酸とを含むインナーライナー用ゴム組成物。
  2. 有機樹脂が芳香族炭化水素系樹脂及び/又は混合樹脂である請求項1記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  3. 混合樹脂が芳香族炭化水素系樹脂と脂肪族炭化水素系樹脂の混合物である請求項2記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  4. ハイドロタルサイトが下記式(1);
    8−x (OH)16CO・nHO (1)
    (式中、Mは、同一若しくは異なって、Mg2+、Fe2+、Zn2+、Ca2+、Ni2+、Co2+、又はCu2+を表す。Mは、同一若しくは異なって、Al3+、Fe3+、又はMn3+を表す。xは2≦x≦5を満たす数、nは0以上の数を表す。)
    で表される化合物及びその焼成物である請求項1〜3のいずれかに記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  5. ゴム成分100質量部に対して、ハイドロタルサイトの含有量が10〜70質量部、有機樹脂の含有量が5〜30質量部、ハイドロタルサイト100質量部に対して、無水フタル酸、及び無水マレイン酸の合計含有量が2〜30質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のインナーライナー用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したインナーライナーを有する空気入りタイヤ。
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