JP2011116819A - タイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】高弾性率を有し、低発熱性であり、かつ耐屈曲疲労性に優れたタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が60〜110m2/gのカーボンブラックを60〜85質量部;分子量が1,000,000〜4,000,000の超高分子量ポリエチレンを3〜15質量部;およびパラオクチルフェノール樹脂、変性ガムロジン、1,3−ペンタジエン樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂を0.5〜7質量部配合してなることを特徴とするタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物。該タイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物を下ビードフィラー(64)に使用した空気入りタイヤ。
【選択図】図1
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が60〜110m2/gのカーボンブラックを60〜85質量部;分子量が1,000,000〜4,000,000の超高分子量ポリエチレンを3〜15質量部;およびパラオクチルフェノール樹脂、変性ガムロジン、1,3−ペンタジエン樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂を0.5〜7質量部配合してなることを特徴とするタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物。該タイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物を下ビードフィラー(64)に使用した空気入りタイヤ。
【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、高弾性率を有し、低発熱性であり、かつ耐屈曲疲労性に優れたタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
車両においてタイヤの下ビードフィラーはビード部およびカーカスターンナップエッジの動きを抑え、エッジセパレーションを防止するために高剛性とする必要がある。またタイヤ軽量化、操縦安定性向上等の要求から高弾性であることも求められる。一般的に、下ビードフィラーを高剛性にするためには、カーボンブラック等の補強剤を増量することが考えられるが、低発熱性が得られず、耐久性が悪化してしまう。
一方、老化による破断伸びの低下を抑制するために、樹脂を配合する技術が知られているが、更なる改善のために樹脂を増量すると低発熱性が得られず、耐久性が悪化するとともに、剛性も低下してしまう。
一方、老化による破断伸びの低下を抑制するために、樹脂を配合する技術が知られているが、更なる改善のために樹脂を増量すると低発熱性が得られず、耐久性が悪化するとともに、剛性も低下してしまう。
なお、空気入りタイヤに超高分子量ポリエチレンを使用する技術が知られている(例えば特許文献1、2参照)。しかしながら、当該従来技術は、高分子量ポリエチレンそのものを空気入りタイヤの所定の箇所に使用するものであって、下記で説明する本発明の構成および効果、すなわちゴム組成物中に高分子量ポリエチレンを一成分として配合し、これをタイヤの下ビードフィラーに利用して高弾性率、低発熱性、耐屈曲疲労性を獲得することについては何ら開示または示唆がない。
したがって本発明の目的は、高弾性率を有し、低発熱性であり、かつ耐屈曲疲労性に優れたタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに特定の特性を有するカーボンブラックの特定量、超高分子量ポリエチレンの特定量および特定種類の樹脂を特定量配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が60〜110m2/gのカーボンブラックを60〜85質量部;分子量が1,000,000〜4,000,000の超高分子量ポリエチレンを3〜15質量部;およびパラオクチルフェノール樹脂、変性ガムロジン、1,3−ペンタジエン樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂を0.5〜7質量部配合してなることを特徴とするタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物。
2.前記1に記載のタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物を下ビードフィラーに使用した空気入りタイヤ。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が60〜110m2/gのカーボンブラックを60〜85質量部;分子量が1,000,000〜4,000,000の超高分子量ポリエチレンを3〜15質量部;およびパラオクチルフェノール樹脂、変性ガムロジン、1,3−ペンタジエン樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂を0.5〜7質量部配合してなることを特徴とするタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物。
2.前記1に記載のタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物を下ビードフィラーに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、ジエン系ゴムに特定の特性を有するカーボンブラックの特定量、超高分子量ポリエチレンの特定量および特定種類の樹脂を特定量配合したので、高弾性率を有し、低発熱性であり、かつ耐屈曲疲労性に優れたタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、空気入りタイヤの一例の部分断面図である。
図1において、空気入りタイヤは左右一対のビード部1およびサイドウォール2と、両サイドウォール2に連なるトレッド3からなり、ビード部1、1間にスチールコードが埋設されたカーカス層4が装架され、カーカス層4の端部がビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。ビードフィラー6は2つの部材から構成され、その上部は上ビードフィラー62であり、下部は下ビードフィラー64である。トレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。ベルト層7の両端部には、ベルトクッション8が配置されている。また、トレッド3の内周側には、アンダートレッド31が配置されている。空気入りタイヤの内面には、タイヤ内部に充填された空気がタイヤ外部に漏れるのを防止するために、インナーライナー9が設けられ、インナーライナー9を接着するためのタイゴム10が、カーカス層4とインナーライナー9との間に積層されている。また、ビード部1においてはリムに接する部分にリムクッション11が配置されている。
図1において、空気入りタイヤは左右一対のビード部1およびサイドウォール2と、両サイドウォール2に連なるトレッド3からなり、ビード部1、1間にスチールコードが埋設されたカーカス層4が装架され、カーカス層4の端部がビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。ビードフィラー6は2つの部材から構成され、その上部は上ビードフィラー62であり、下部は下ビードフィラー64である。トレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。ベルト層7の両端部には、ベルトクッション8が配置されている。また、トレッド3の内周側には、アンダートレッド31が配置されている。空気入りタイヤの内面には、タイヤ内部に充填された空気がタイヤ外部に漏れるのを防止するために、インナーライナー9が設けられ、インナーライナー9を接着するためのタイゴム10が、カーカス層4とインナーライナー9との間に積層されている。また、ビード部1においてはリムに接する部分にリムクッション11が配置されている。
本発明のゴム組成物は、下ビードフィラー64の形成にとくに有用に用いられる。次に、本発明のゴム組成物の各成分について説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴム成分は、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはNR、SBRが好ましい。
本発明で使用されるジエン系ゴム成分は、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはNR、SBRが好ましい。
(カーボンブラック)
本発明で使用されるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が60〜110m2/gであることが必要である。好ましくは、60〜95m2/gであるのがよい。窒素吸着比表面積(N2SA)が60m2/g未満では、高硬度とした場合屈曲疲労性が低下し好ましくなく、逆に110m2/gを超えると、高硬度と低発熱性を両立させるのに好ましくない。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
本発明で使用されるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が60〜110m2/gであることが必要である。好ましくは、60〜95m2/gであるのがよい。窒素吸着比表面積(N2SA)が60m2/g未満では、高硬度とした場合屈曲疲労性が低下し好ましくなく、逆に110m2/gを超えると、高硬度と低発熱性を両立させるのに好ましくない。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2に準拠して求めた値である。
(超高分子量ポリエチレン)
本発明で使用される超高分子量ポリエチレンは、分子量が1,000,000〜4,000,000の範囲である必要がある。好ましくは、分子量が1,000,000〜3,000,000の範囲であるのがよい。分子量が1,000,000未満では、弾性率及び屈曲疲労性の改善効果が小さく、逆に分子量が4,000,000を超えると、ゴム中の分散性が悪化するので好ましくない。なお、本発明でいう分子量とは、粘度平均分子量を意味し、固有粘度法(ASTM D4020)により測定された値である。
本発明で使用される超高分子量ポリエチレンは、市販されているものを利用することもでき、例えば三井化学(株)製ミペロンXM−220(分子量=2,000,000)、三井化学(株)製ハイゼックスミリオン240S(分子量=2,000,000)、ハイゼックスミリオン320MU(分子量=3,000,000)、ハイゼックスミリオン341L(分子量=4,000,000)等が挙げられる。
本発明で使用される超高分子量ポリエチレンは、分子量が1,000,000〜4,000,000の範囲である必要がある。好ましくは、分子量が1,000,000〜3,000,000の範囲であるのがよい。分子量が1,000,000未満では、弾性率及び屈曲疲労性の改善効果が小さく、逆に分子量が4,000,000を超えると、ゴム中の分散性が悪化するので好ましくない。なお、本発明でいう分子量とは、粘度平均分子量を意味し、固有粘度法(ASTM D4020)により測定された値である。
本発明で使用される超高分子量ポリエチレンは、市販されているものを利用することもでき、例えば三井化学(株)製ミペロンXM−220(分子量=2,000,000)、三井化学(株)製ハイゼックスミリオン240S(分子量=2,000,000)、ハイゼックスミリオン320MU(分子量=3,000,000)、ハイゼックスミリオン341L(分子量=4,000,000)等が挙げられる。
(樹脂)
本発明で使用される樹脂は、パラオクチルフェノール樹脂、変性ガムロジン、1,3−ペンタジエン樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂から選択された少なくとも一種である。
パラオクチルフェノール樹脂は、イソブチレンを原料とした樹脂であり、例えば日立化成工業(株)製、ヒタノール1502Z等を使用することができる。
ガムロジンは松の幹に切り傷をつけ、そこから流れ出てくる生松油をろ過精製し、次いで水蒸気蒸留によりテレピン油を除くことで得られる、いくつかの樹脂酸の混合物であり、分子内にカルボキシル基と二重結合を有している。本発明では、ガムロジン変性マレイン酸樹脂等の変性ガムロジン、例えばハリマ化成工業(株)製、ハリタックAQ−90A等を使用することができる。
1,3−ペンタジエン樹脂としては、例えばC5留分から抽出された高純度の1,3−ブタジエンを主原料に製造された石油樹脂、例えば日本ゼオン(株)製、クイントンA100等を使用することができる。
ジシクロペンタジエン樹脂としては、例えばC5留分から抽出された高純度のジシクロペンタジエンを主原料に製造された石油樹脂、例えば日本ゼオン(株)製、クイントン1100等を使用することができる。
本発明で使用される樹脂は、パラオクチルフェノール樹脂、変性ガムロジン、1,3−ペンタジエン樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂から選択された少なくとも一種である。
パラオクチルフェノール樹脂は、イソブチレンを原料とした樹脂であり、例えば日立化成工業(株)製、ヒタノール1502Z等を使用することができる。
ガムロジンは松の幹に切り傷をつけ、そこから流れ出てくる生松油をろ過精製し、次いで水蒸気蒸留によりテレピン油を除くことで得られる、いくつかの樹脂酸の混合物であり、分子内にカルボキシル基と二重結合を有している。本発明では、ガムロジン変性マレイン酸樹脂等の変性ガムロジン、例えばハリマ化成工業(株)製、ハリタックAQ−90A等を使用することができる。
1,3−ペンタジエン樹脂としては、例えばC5留分から抽出された高純度の1,3−ブタジエンを主原料に製造された石油樹脂、例えば日本ゼオン(株)製、クイントンA100等を使用することができる。
ジシクロペンタジエン樹脂としては、例えばC5留分から抽出された高純度のジシクロペンタジエンを主原料に製造された石油樹脂、例えば日本ゼオン(株)製、クイントン1100等を使用することができる。
(充填剤)
本発明のタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物は、各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、用途により適宜選択すればよいが、例えば無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばシリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
本発明のタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物は、各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、用途により適宜選択すればよいが、例えば無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばシリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
(タイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物の配合割合)
本発明のタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物は、窒素吸着比表面積(N2SA)が60〜110m2/gのカーボンブラックを60〜85質量部;分子量が1,000,000〜4,000,000の超高分子量ポリエチレンを3〜15質量部;およびパラオクチルフェノール樹脂、変性ガムロジン、1,3−ペンタジエン樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂を0.5〜7質量部配合してなることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が60質量部未満であると、硬度及び弾性率が低下し好ましくなく、逆に85質量部を超えると、低発熱性が得られず、耐屈曲疲労性も悪化する。
前記超高分子量ポリエチレンの配合量が3質量部未満であると、配合量が少なすぎて本発明の効果を奏することができず、逆に15質量部を超えると、弾性率が高くなりすぎて好ましくない。
前記樹脂の配合量が0.5質量部未満であると、配合量が少なすぎて本発明の効果を奏することができず、逆に7質量部を超えると、低発熱性が得られず、硬度および弾性率が悪化する。
本発明のタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物は、窒素吸着比表面積(N2SA)が60〜110m2/gのカーボンブラックを60〜85質量部;分子量が1,000,000〜4,000,000の超高分子量ポリエチレンを3〜15質量部;およびパラオクチルフェノール樹脂、変性ガムロジン、1,3−ペンタジエン樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂を0.5〜7質量部配合してなることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が60質量部未満であると、硬度及び弾性率が低下し好ましくなく、逆に85質量部を超えると、低発熱性が得られず、耐屈曲疲労性も悪化する。
前記超高分子量ポリエチレンの配合量が3質量部未満であると、配合量が少なすぎて本発明の効果を奏することができず、逆に15質量部を超えると、弾性率が高くなりすぎて好ましくない。
前記樹脂の配合量が0.5質量部未満であると、配合量が少なすぎて本発明の効果を奏することができず、逆に7質量部を超えると、低発熱性が得られず、硬度および弾性率が悪化する。
さらに好ましい前記カーボンブラックの配合割合は、ジエン系ゴム100質量部に対し、70〜80質量部である。
さらに好ましい前記超高分子量ポリエチレンの配合割合は、ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜10質量部である。
さらに好ましい前記樹脂の配合割合は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜4質量部である。
さらに好ましい前記超高分子量ポリエチレンの配合割合は、ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜10質量部である。
さらに好ましい前記樹脂の配合割合は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜4質量部である。
本発明のタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜6および比較例1〜7
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫系(加硫促進剤、硫黄)を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物を同バンバリーミキサーに再度入れ、加硫系を加えて混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で150℃で30分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。得られた加硫ゴム試験片について以下に示す試験法で物性を測定した。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫系(加硫促進剤、硫黄)を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物を同バンバリーミキサーに再度入れ、加硫系を加えて混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で150℃で30分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。得られた加硫ゴム試験片について以下に示す試験法で物性を測定した。
硬度:JIS K6253に準拠して20℃で測定した。比較例1で得られた値を100として、指数が大きいほど硬度が高いことを示す。
老化後の破断伸び低下率:JIS K6251に準拠し、サンプルの20℃における破断時の伸びと70℃、96時間熱老化させたサンプルの20℃における破断時の伸びの変化量率((熱老化前−熱老化後)/熱老化前)を計算し、変化量率の逆数をとり、この値について、比較例1の値を100とする指数で表示した。指数が大きいほど老化による破断伸びの低下が抑制され、耐屈曲疲労性に優れていることを示す。
発熱性:JIS K6394に準拠し、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hzにて20℃におけるtanδを測定した。測定値の逆数をとり、この値について、比較例1の値を100とする指数で表示した。指数が大きいほど低発熱性であることを示す。
弾性率:東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用い、温度20℃、伸長変形率10±2%、振動数20Hzの条件で測定した。比較例1の値を100とする指数で示した。指数が大きいほど弾性率が良好であることを示す。
結果を表1に示す。
老化後の破断伸び低下率:JIS K6251に準拠し、サンプルの20℃における破断時の伸びと70℃、96時間熱老化させたサンプルの20℃における破断時の伸びの変化量率((熱老化前−熱老化後)/熱老化前)を計算し、変化量率の逆数をとり、この値について、比較例1の値を100とする指数で表示した。指数が大きいほど老化による破断伸びの低下が抑制され、耐屈曲疲労性に優れていることを示す。
発熱性:JIS K6394に準拠し、初期歪10%、振幅±2%、周波数20Hzにて20℃におけるtanδを測定した。測定値の逆数をとり、この値について、比較例1の値を100とする指数で表示した。指数が大きいほど低発熱性であることを示す。
弾性率:東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用い、温度20℃、伸長変形率10±2%、振動数20Hzの条件で測定した。比較例1の値を100とする指数で示した。指数が大きいほど弾性率が良好であることを示す。
結果を表1に示す。
*1:NR(タイ製STR20)
*2:SBR(日本ゼオン(株)製、Nipol 1502)
*3:カーボンブラック(東海カーボン(株)製、シーストN、N2SA=74m2/g)
*4:超高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製、ミペロンXM−220、分子量=2,000,000)
*5:超高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製、ハイゼックスミリオン030S、分子量=500,000)
*6:亜鉛華(正同化学工業(株)製、酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(千葉脂肪酸(株)製、工業用ステアリン酸)
*8:パラオクチルフェノール樹脂(日立化成工業(株)製、ヒタノール1502Z)
*9:変性ガムロジン(ハリマ化成工業(株)製、ハリタックAQ−90A)
*10:1,3−ペンタジエン樹脂(日本ゼオン(株)製、クイントンA100)
*11:ジシクロペンタジエン樹脂(日本ゼオン(株)製、クイントン1100)
*12:アロマティックオイル(出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルAH−20)
*13:老化防止剤(住友化学(株)製、アンチゲンRD−G)
*14:不溶性硫黄(FLEXSYS社製、クリステックスHS OT 20)
*15:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製、ノクセラーNS−F)
*2:SBR(日本ゼオン(株)製、Nipol 1502)
*3:カーボンブラック(東海カーボン(株)製、シーストN、N2SA=74m2/g)
*4:超高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製、ミペロンXM−220、分子量=2,000,000)
*5:超高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製、ハイゼックスミリオン030S、分子量=500,000)
*6:亜鉛華(正同化学工業(株)製、酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(千葉脂肪酸(株)製、工業用ステアリン酸)
*8:パラオクチルフェノール樹脂(日立化成工業(株)製、ヒタノール1502Z)
*9:変性ガムロジン(ハリマ化成工業(株)製、ハリタックAQ−90A)
*10:1,3−ペンタジエン樹脂(日本ゼオン(株)製、クイントンA100)
*11:ジシクロペンタジエン樹脂(日本ゼオン(株)製、クイントン1100)
*12:アロマティックオイル(出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルAH−20)
*13:老化防止剤(住友化学(株)製、アンチゲンRD−G)
*14:不溶性硫黄(FLEXSYS社製、クリステックスHS OT 20)
*15:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製、ノクセラーNS−F)
上記の表1から明らかなように、実施例1〜6で調製されたタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物は、ジエン系ゴムに特定の特性を有するカーボンブラックの特定量、超高分子量ポリエチレンの特定量および特定種類の樹脂を特定量配合したので、従来の代表的な比較例1に対し、高弾性率を有し、低発熱性であり、かつ耐屈曲疲労性に優れ、タイヤの下ビードフィラーに使用するのにとくに好適であることが分かる。
これに対し、比較例2は、比較例1のゴム組成物においてカーボンブラックを増量した例であり、低発熱性が得られず、耐屈曲疲労性も悪化している。
比較例3は、比較例1のゴム組成物において樹脂の配合量を増量した例であり、硬度が低くなり、低発熱性も得られなかった。
比較例4は、超高分子量ポリエチレンの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、弾性率が非常に高くなり、実用に供し得ない。
比較例5は、樹脂の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、低発熱性が得られなかった。
比較例6は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、低発熱性が得られなかった。
比較例7は、超高分子量ポリエチレンの分子量が本発明で規定する下限未満であるので、いずれの物性も十分に改善されなかった。
これに対し、比較例2は、比較例1のゴム組成物においてカーボンブラックを増量した例であり、低発熱性が得られず、耐屈曲疲労性も悪化している。
比較例3は、比較例1のゴム組成物において樹脂の配合量を増量した例であり、硬度が低くなり、低発熱性も得られなかった。
比較例4は、超高分子量ポリエチレンの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、弾性率が非常に高くなり、実用に供し得ない。
比較例5は、樹脂の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、低発熱性が得られなかった。
比較例6は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、低発熱性が得られなかった。
比較例7は、超高分子量ポリエチレンの分子量が本発明で規定する下限未満であるので、いずれの物性も十分に改善されなかった。
1 ビード部
2 サイドウォール
3 トレッド
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトクッション
9 インナーライナー
11 リムクッション
62 上ビードフィラー
64 下ビードフィラー
2 サイドウォール
3 トレッド
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトクッション
9 インナーライナー
11 リムクッション
62 上ビードフィラー
64 下ビードフィラー
Claims (2)
- ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が60〜110m2/gのカーボンブラックを60〜85質量部;分子量が1,000,000〜4,000,000の超高分子量ポリエチレンを3〜15質量部;およびパラオクチルフェノール樹脂、変性ガムロジン、1,3−ペンタジエン樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂から選択された少なくとも一種の樹脂を0.5〜7質量部配合してなることを特徴とするタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物。
- 請求項1に記載のタイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物を下ビードフィラーに使用した空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009273437A JP2011116819A (ja) | 2009-12-01 | 2009-12-01 | タイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009273437A JP2011116819A (ja) | 2009-12-01 | 2009-12-01 | タイヤ下ビードフィラー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011116819A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015089784A (ja) * | 2013-11-07 | 2015-05-11 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
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KR20200024722A (ko) | 2018-08-28 | 2020-03-09 | 아사히 가세이 가부시키가이샤 | 변성 공액 디엔계 중합체 조성물, 고무 조성물, 및 고무 조성물의 제조 방법 |
CN111183049A (zh) * | 2017-10-06 | 2020-05-19 | 株式会社普利司通 | 轮胎用胎圈构件、轮胎以及轮胎用胎圈构件的制造方法 |
-
2009
- 2009-12-01 JP JP2009273437A patent/JP2011116819A/ja active Pending
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