JP2013014239A - ハイブリッド自動車の制御装置、ハイブリッド自動車およびハイブリッド自動車の制御方法、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】アクセルペダルの操作に伴う減速感のドライバビリティを改善すること。
【解決手段】エンジン10と電動機13とを有し、エンジン10もしくは電動機13により走行可能であり、またはエンジン10と電動機13とが協働して走行可能であり、少なくとも減速中に、電動機13により回生発電可能であり、回生発電中には、回生発電量に応じて生じる回生トルクが制動力として作用するハイブリッド自動車1のハイブリッドECU18において、アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施するように制御するトルク制御部を有するようにする。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン10と電動機13とを有し、エンジン10もしくは電動機13により走行可能であり、またはエンジン10と電動機13とが協働して走行可能であり、少なくとも減速中に、電動機13により回生発電可能であり、回生発電中には、回生発電量に応じて生じる回生トルクが制動力として作用するハイブリッド自動車1のハイブリッドECU18において、アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施するように制御するトルク制御部を有するようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハイブリッド自動車の制御装置、ハイブリッド自動車およびハイブリッド自動車の制御方法、並びにプログラムに関する。
ハイブリッド自動車は、エンジンと電動機とを有し、エンジンもしくは電動機により走行可能であり、またはエンジンと電動機とが協働して走行可能である。また、ハイブリッド自動車は、減速中などに電動機によるバッテリへの回生発電が可能である。この回生発電中には、回生発電量に応じて生じる回生トルクがハイブリッド自動車の制動力として作用する(たとえば特許文献1参照)。
従来のハイブリッド自動車では、バッテリへの回生電力の確保が最優先的に考慮されている。このため、ハイブリッド自動車が減速を開始すると、まだ運転者がアクセルペダルを完全に解放していないにも係わらず即座に電動機の回生電力が最大になるように制御される。これにより最大の回生トルクがハイブリッド自動車の制動力として作用する。その後、運転者がアクセルペダルを完全に解放したときに、回生トルクは既に最大に制御されているため、ハイブリッド自動車の制動力に回生トルクがさらに追加されることはない。
一方、一般的な自動車では、アクセルペダルを踏み込んだ状態から徐々に踏み込みを浅くするにしたがって減速力も徐々に増加するので、アクセルペダルを完全に解放したときに、最大の減速感が得られる。このような一般的な自動車の運転感覚に慣れている運転者が上述したハイブリッド自動車を運転する際には、アクセルペダルの操作に伴う減速感のドライバビリティに違和感を覚えることになる。
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、アクセルペダルの操作に伴う減速感のドライバビリティを改善させることができるハイブリッド自動車の制御装置、ハイブリッド自動車およびハイブリッド自動車の制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明のひとつの観点は、ハイブリッド自動車の制御装置としての観点である。本発明のハイブリッド自動車の制御装置は、エンジンと電動機とを有し、エンジンもしくは電動機により走行可能であり、またはエンジンと電動機とが協働して走行可能であり、少なくとも減速中に、電動機により回生発電可能であり、回生発電中には、回生発電量に応じて生じる回生トルクが制動力として作用するハイブリッド自動車の制御装置において、アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施するように制御する制御手段を有するものである。
たとえば、制御手段は、アクセル開度とエンジン回転速度と回生トルクとが対応付けられたマップ情報を有することができる。
本発明の他の観点は、ハイブリッド自動車としての観点である。本発明のハイブリッド自動車は、本発明の制御装置を有するものである。
本発明のさらに他の観点は、ハイブリッド自動車の制御方法としての観点である。本発明のハイブリッド自動車の制御方法は、エンジンと電動機とを有し、エンジンもしくは電動機により走行可能であり、またはエンジンと電動機とが協働して走行可能であり、少なくとも減速中に、電動機により回生発電可能であり、回生発電中には、回生発電量に応じて生じる回生トルクが制動力として作用するハイブリッド自動車の制御方法において、アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施するように制御する制御ステップを有するものである。
本発明のさらに他の観点は、プログラムとしての観点である。本発明のプログラムは、コンピュータ装置に、エンジンと電動機とを有し、エンジンもしくは電動機により走行可能であり、またはエンジンと電動機とが協働して走行可能であり、少なくとも減速中に、電動機により回生発電可能であり、回生発電中には、回生発電量に応じて生じる回生トルクが制動力として作用するハイブリッド自動車の制御機能を実現させるプログラムにおいて、制御機能として、アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施するように制御する制御機能を実現させるものである。
本発明によれば、アクセルペダルの操作に伴う減速感のドライバビリティを改善させることができる。
以下、本発明の実施の形態のハイブリッド自動車について、図1〜図9を参照しながら説明する。
(概要について)
図1は、ハイブリッド自動車1の構成の例を示すブロック図である。ハイブリッド自動車1は、車両の一例である。ハイブリッド自動車1は、半自動トランスミッションの変速機を介したエンジン(内燃機関)10および/または電動機13によって駆動される。ハイブリッド自動車1は、アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施し、アクセル開度が0%であるときには、最大の回生トルクで回生発電を実施する。これにより、アクセル開度が0%のときに、回生トルクによる制動力が最も大きくなるように制御される。なお、半自動トランスミッションとは、マニュアルトランスミッションと同じ構成を有しながら自動化されたクラッチ12と協働して変速操作を自動的に行うことができるトランスミッションである。
図1は、ハイブリッド自動車1の構成の例を示すブロック図である。ハイブリッド自動車1は、車両の一例である。ハイブリッド自動車1は、半自動トランスミッションの変速機を介したエンジン(内燃機関)10および/または電動機13によって駆動される。ハイブリッド自動車1は、アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施し、アクセル開度が0%であるときには、最大の回生トルクで回生発電を実施する。これにより、アクセル開度が0%のときに、回生トルクによる制動力が最も大きくなるように制御される。なお、半自動トランスミッションとは、マニュアルトランスミッションと同じ構成を有しながら自動化されたクラッチ12と協働して変速操作を自動的に行うことができるトランスミッションである。
(ハイブリッド自動車1の構成について)
ハイブリッド自動車1は、エンジン10、エンジンECU(Electronic Control Unit)11、クラッチ12、電動機13、インバータ14、バッテリ15、トランスミッション16、電動機ECU17、ハイブリッドECU18(請求項でいう制御装置)、車輪19、シフト部20、およびキースイッチ21を有して構成される。なお、トランスミッション16は、上述した半自動トランスミッションを有し、ドライブレンジ(以下では、D(Drive)レンジと記す)を有するシフト部20により操作される。シフト部20がDレンジにあるときには、半自動トランスミッションの変速操作が自動化される。
ハイブリッド自動車1は、エンジン10、エンジンECU(Electronic Control Unit)11、クラッチ12、電動機13、インバータ14、バッテリ15、トランスミッション16、電動機ECU17、ハイブリッドECU18(請求項でいう制御装置)、車輪19、シフト部20、およびキースイッチ21を有して構成される。なお、トランスミッション16は、上述した半自動トランスミッションを有し、ドライブレンジ(以下では、D(Drive)レンジと記す)を有するシフト部20により操作される。シフト部20がDレンジにあるときには、半自動トランスミッションの変速操作が自動化される。
エンジン10は、内燃機関の一例であり、エンジンECU11によって制御され、ガソリン、軽油、CNG(Compressed Natural Gas)、LPG(Liquefied
Petroleum Gas)、または代替燃料等を内部で燃焼させて、軸を回転させる動力を発生させ、発生した動力を、電動機13を介してクラッチ12に伝達する。
Petroleum Gas)、または代替燃料等を内部で燃焼させて、軸を回転させる動力を発生させ、発生した動力を、電動機13を介してクラッチ12に伝達する。
エンジンECU11は、ハイブリッドECU18からの指示に従うことにより、電動機ECU17と連携動作するコンピュータであり、燃料噴射量やバルブタイミングなど、エンジン10を制御する。たとえば、エンジンECU11は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、内部に、演算部、メモリ、およびI/O(Input/Output)ポートなどを有する。
クラッチ12は、ハイブリッドECU18からの変速指示信号に基づき電動機13の回転軸とトランスミッション16の入力軸とを接状態または断状態にするものである。なお、クラッチ12の機構自体は、運転者がクラッチペダルを操作して電動機13の回転軸とトランスミッション16の入力軸とを接状態または断状態に操作するものと同じものである。また、ハイブリッドECU18による制御の他に、運転者が不図示のクラッチペダルを操作することにより、電動機13の回転軸とトランスミッション16の入力軸とを接状態または断状態に操作できるようにしてもよい。
電動機13は、いわゆる、モータジェネレータであり、インバータ14から供給された電力により、軸を回転させる動力を発生させて、その軸出力をクラッチ12を介してトランスミッション16に供給するか、またはトランスミッション16からクラッチ12を介して供給された軸を回転させる動力によって発電し、その電力をインバータ14に供給する。たとえば、ハイブリッド自動車1が加速しているとき、または定速で走行しているときにおいて、電動機13は、軸を回転させる動力を発生させて、その軸出力を、クラッチ12を介してトランスミッション16に供給し、エンジン10と協働してハイブリッド自動車1を走行させる。また、たとえば、電動機13がエンジン10によって駆動されているとき、またはハイブリッド自動車1が減速しているとき、もしくは下り坂を走行しているときなどにおいて、電動機13は、発電機として動作し、この場合、トランスミッション16からクラッチ12を介して供給された軸を回転させる動力によって発電して、電力をインバータ14に供給し、バッテリ15が充電される。このとき、電動機13は、回生電力に応じた大きさの回生トルクを発生する。
インバータ14は、電動機ECU17によって制御され、バッテリ15からの直流電圧を交流電圧に変換するか、または電動機13からの交流電圧を直流電圧に変換する。電動機13が動力を発生させる場合、インバータ14は、バッテリ15の直流電圧を交流電圧に変換して、電動機13に電力を供給する。電動機13が発電する場合、インバータ14は、電動機13からの交流電圧を直流電圧に変換する。すなわち、この場合、インバータ14は、バッテリ15に直流電圧を供給するための整流器および電圧調整装置としての役割を果たす。
バッテリ15は、充放電可能な二次電池であり、電動機13が動力を発生させるとき、電動機13にインバータ14を介して電力を供給するか、または電動機13が発電しているとき、電動機13が発電する電力によって充電される。バッテリ15には、適切なSOCの範囲が決められており、SOCがその範囲を外れないように管理されている。
トランスミッション16は、ハイブリッドECU18からの変速指示信号に従って、複数のギア比(変速比)のいずれかを選択する半自動トランスミッション(図示せず)を有し、変速比を切り換えて、変速されたエンジン10の動力および/または電動機13の動力を車輪19に伝達する。また、減速しているとき、もしくは下り坂を走行しているときなど、トランスミッション16は、車輪19からの動力をクラッチ12を介して電動機13に伝達する。また、トランスミッション16が変速する際には、クラッチ12がいったん断状態に制御される。このように、ハイブリッドECU18は、トランスミッション16とクラッチ12とを協働させてハイブリッド自動車1の自動変速を実施する。なお、半自動トランスミッションは、運転者がシフト部20を操作して手動で任意のギア段にギア位置を変更することもできる。
電動機ECU17は、ハイブリッドECU18からの指示に従うことにより、エンジンECU11と連携動作するコンピュータであり、インバータ14を制御することによって電動機13を制御する。たとえば、電動機ECU17は、CPU、ASIC、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSPなどにより構成され、内部に、演算部、メモリ、およびI/Oポートなどを有する。
ハイブリッドECU18は、コンピュータの一例であり、ハイブリッド走行のために、アクセル開度情報、ブレーキ操作情報、車速情報、ギア位置情報、エンジン回転速度情報、およびSOC情報を取得する。取得したこれらの情報に基づいて、ハイブリッドECU18は、変速指示信号を供給することでクラッチ12およびトランスミッション16を制御し、電動機ECU17に対して電動機13およびインバータ14の制御指示を与え、エンジンECU11に対してエンジン10の制御指示を与える。たとえば、ハイブリッドECU18は、CPU、ASIC、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSPなどにより構成され、内部に、演算部、メモリ、およびI/Oポートなどを有する。
なお、エンジンECU11、電動機ECU17、およびハイブリッドECU18によって実行されるプログラムは、エンジンECU11、電動機ECU17、およびハイブリッドECU18の内部の不揮発性のメモリにあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータであるエンジンECU11、電動機ECU17、およびハイブリッドECU18にあらかじめインストールしておくことができる。
エンジンECU11、電動機ECU17、およびハイブリッドECU18は、CAN(Control Area Network)などの規格に準拠したバスなどにより相互に接続されている。
車輪19は、路面に駆動力を伝達する駆動輪である。なお、図1には、1つの車輪19のみが図示されているが、実際には、ハイブリッド自動車1は、複数の車輪19を有する。
シフト部20は、既に説明したように、トランスミッション16の半自動トランスミッションに運転者からの指示を与えるものであり、シフト部20がDレンジにあるときには、半自動トランスミッションの変速操作が自動化される。
キースイッチ21は、運転を開始するときにユーザにより、たとえばキーが差し込まれてON/OFFされるスイッチであり、これがON状態になることによってハイブリッド自動車1の各部は起動し、キースイッチ21がOFF状態になることによってハイブリッド自動車1の各部は停止する。
図2は、プログラムを実行するハイブリッドECU18において実現される機能の構成の例を示すブロック図である。すなわち、ハイブリッドECU18がプログラムを実行すると、ハイブリッドECU18に、トルク制御部30(請求項でいう制御手段)の機能が実現される。
トルク制御部30は、トルク制御マップ31(請求項でいうマップ情報)を有し、エンジン回転速度情報、アクセル開度情報、および車速情報に基づいてエンジンECU11にエンジン制御指示を行い、電動機ECU17に電動機制御指示を行う機能である。
トルク制御マップ31は、ハイブリッドECU18が有するメモリの一部の領域に予め記憶されている。トルク制御マップ31は、電動機13が回生発電する際の回生トルクを、トルク制御部30が決定する際にメモリから読み出されて使用される情報である。トルク制御マップ31は、ハイブリッド自動車1のメーカ側で、テスト走行またはシミュレーションなどによって作成されたものである。なお、トルク制御マップ31については詳しく後述する。
(ハイブリッドECU18の動作について)
次に、図3のフローチャートを参照して、プログラムを実行するハイブリッドECU18において行われるエンジン制御および電動機制御の処理を説明する。なお、この例の場合、図3のステップS1〜S3の手続きによる処理は1周期分の処理であり、キースイッチ21がON状態である限り処理は繰り返し実行されるものとする。
次に、図3のフローチャートを参照して、プログラムを実行するハイブリッドECU18において行われるエンジン制御および電動機制御の処理を説明する。なお、この例の場合、図3のステップS1〜S3の手続きによる処理は1周期分の処理であり、キースイッチ21がON状態である限り処理は繰り返し実行されるものとする。
図3の「START」では、キースイッチ21がON状態であり、ハイブリッドECU18がプログラムを実行し、ハイブリッドECU18にトルク制御部30の機能が実現されている状態である。また、トルク制御部30は、車速情報からハイブリッド自動車1が減速中であることを検出している。このような状態であるときに、手続きはステップS1に進む。
ステップS1において、トルク制御部30は、アクセル開度情報に基づいてアクセル開度が0%か否かを判定する。ステップS1において、アクセル開度が0%であると判定されると、手続きはステップS2に進む。一方、ステップS1において、アクセル開度が0%でないと判定されると、手続きはステップS3に進む。
ステップS2において、トルク制御部30は、回生最大トルクまで回生発電を実施して1周期分の処理を終了する(END)。
ステップS3において、トルク制御部30は、所定の回生トルクまで回生発電を実施して1周期分の処理を終了する(END)。
図4に、トルク制御マップ31の例を示す。トルク制御マップ31は、一般的に、ガバナマップと呼ばれるアクセル開度に応じてエンジン10の回転速度を制御するためのマップを応用したものである。トルク制御マップ31の横軸に、エンジン回転速度を示し、縦軸は、トルクを示している。図4の例では、アクセル開度が0%,5%,10%、15%・・・(図面の左側から右側に向かうに従って、開度が大きくなっている)のときのエンジン回転速度とトルクとの関係を示す曲線と共に、エンジン回転速度における最大回生トルクを示す曲線が示されている(アクセル開度0%=最大回生トルク)。なお、アクセル開度を示す曲線は、トルク制御マップ31の縦軸の上半分は、正側のアシストトルクであり、下半分は、負側の回生トルクである。正側のアシストトルクは、ハイブリッド自動車1を加速させるトルクであり、負側の回生トルクは、ハイブリッド自動車1を減速させるトルクである。
トルク制御マップ31は、所定のアクセル開度に対して予め決められたエンジン10の回転速度になるように、アクセル開度に応じて自動的に、エンジン10のトルクを調節するものである。たとえば所定のアクセル開度に対してエンジン回転速度が低下し過ぎた場合、トルク制御部30は、正側のアシストトルクを発生させるように、電動機ECU17に対して電動機制御指示を行う。その結果、エンジン10の回転速度が上がり所定のエンジン回転速度となる。一方、所定のアクセル開度に対してエンジン回転速度が上昇し過ぎた場合、トルク制御部30は、負側の回生トルクを発生させるように、電動機ECU17に対して電動機制御指示を行う。その結果、エンジン10の回転速度が下がり所定のエンジン回転速度となる。すなわちトルク制御部30は、このようにしてトルクが0(Nm:ニュートンメートル)(加速も減速もしない状態)に収束するように制御する。
以下では、ハイブリッド自動車1が減速中におけるトルク制御部30の負側の回生トルクの制御について説明し、正側のアシストトルクの制御についての説明は省略する。
図4の例では、運転者が、それまで深く踏み込んでいたアクセルペダルを徐々に浅く踏み込むように操作することにより、ハイブリッド自動車1が減速を開始し、エンジン回転速度が減速時回生開始点Sまで達すると、電動機13は回生発電を開始する。減速時回生開始点Sから発生を始めた回生発電の回生トルクは徐々に大きくなり、これによりエンジン10のエンジン回転速度が低下する。やがてエンジン10のエンジン回転速度がさらに低下すると、回生発電量の減少に伴って回生トルクも減少し、減速時回生終了点Eで回生発電は終了する。
図5は、図4のトルク制御マップ31において、アクセル開度が5%の場合の例を示している。トルク制御マップ31では、アクセル開度が5%以上の範囲では、回生トルクがα(Nm)を最大値として制御される。
図6は、図4のトルク制御マップ31において、アクセル開度が0%の場合の例を示している。トルク制御マップ31では、アクセル開度が0%になると、回生トルクが最大回生トルクであるβ(Nm)を最大値として制御される。なお、β(Nm)は、α(Nm)よりも大きな回生トルクである。
(効果について)
トルク制御部30の制御によれば、アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施するように制御するので、アクセル開度が0%でないときと、アクセル開度が0%のときとで、回生トルクの大きさに差を持たせるように制御が行われる。これにより、運転者がアクセルペダルを完全に解放したときに最大の回生トルクが得られるようになり、アクセルペダルの操作に伴う減速感のドライバビリティを改善させることができる。
トルク制御部30の制御によれば、アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施するように制御するので、アクセル開度が0%でないときと、アクセル開度が0%のときとで、回生トルクの大きさに差を持たせるように制御が行われる。これにより、運転者がアクセルペダルを完全に解放したときに最大の回生トルクが得られるようになり、アクセルペダルの操作に伴う減速感のドライバビリティを改善させることができる。
比較例として、従来のトルク制御マップ100を図7に示す。図8は、図7のトルク制御マップ100において、アクセル開度が5%の場合の例を示している。また、図9は、図7のトルク制御マップ100において、アクセル開度が0%〜25%の場合の例を示している。
図8および図9に示すように、トルク制御マップ100では、アクセル開度が0%であっても5%以上であっても最大回生トルクを最大値として制御が行われる。これによれば、図9に示すように、たとえばアクセル開度が25%であってエンジン回転速度がR1(rpm:ラウンドパーミニッツ)である時点から、アクセル開度が0%であってエンジン回転速度がR2(rpm)である時点まで、ほぼ同じ回生トルクβ(Nm)になる。
たとえば運転者が、エンジン回転速度がR1(rpm)のときに、アクセル開度が25%となるようにアクセルペダルを踏み込んだ状態から一気にアクセルペダルを解放し、これによりアクセル開度が0%になったとしても回生トルクは既に上限値に達しているので、減速感に変化はなく、ドライバビリティに違和感を覚えることになる。
一方、図4に示すトルク制御マップ31によれば、アクセル開度が5%以上のときと、アクセル開度が0%のときとでは、明らかに回生トルクに差が生じる。これにより、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ状態から一気にアクセルペダルを解放すれば、回生トルクも一気に増加するため、運転者は、アクセルペダルの操作に見合った良好なドライバビリティの減速感を得ることができる。
(その他の実施の形態)
エンジン10は、内燃機関であると説明したが、外燃機関を含む熱機関であってもよい。
エンジン10は、内燃機関であると説明したが、外燃機関を含む熱機関であってもよい。
また、ハイブリッドECU18によって実行されるプログラムは、ハイブリッドECU18にあらかじめインストールされると説明したが、プログラムが記録されている(プログラムを記憶している)リムーバブルメディアを図示せぬドライブなどに装着し、リムーバブルメディアから読み出したプログラムをハイブリッドECU18の内部の不揮発性のメモリに記憶することにより、または、有線または無線の伝送媒体を介して送信されてきたプログラムを、図示せぬ通信部で受信し、ハイブリッドECU18の内部の不揮発性のメモリに記憶することで、コンピュータであるハイブリッドECU18にインストールすることができる。
また、各ECUは、これらを1つにまとめたECUにより実現してもよいし、あるいは、各ECUの機能をさらに細分化したECUを新たに設けてもよい。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1…ハイブリッド自動車、10…エンジン、11…エンジンECU、12…クラッチ、13…電動機、14…インバータ、15…バッテリ、16…トランスミッション、17…電動機ECU、18…ハイブリッドECU(制御装置)、30…トルク制御部(制御手段)、31…トルク制御マップ(マップ情報)
Claims (5)
- エンジンと電動機とを有し、前記エンジンもしくは前記電動機により走行可能であり、または前記エンジンと前記電動機とが協働して走行可能であり、少なくとも減速中に、前記電動機により回生発電可能であり、回生発電中には、回生発電量に応じて生じる回生トルクが制動力として作用するハイブリッド自動車の制御装置において、
アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施するように制御する制御手段を有する、
ことを特徴とする制御装置。 - 請求項1記載の制御装置であって、
前記制御手段は、アクセル開度とエンジン回転速度と回生トルクとが対応付けられたマップ情報を有する、
ことを特徴とする制御装置。 - 請求項1または2記載の制御装置を有することを特徴とするハイブリッド自動車。
- エンジンと電動機とを有し、前記エンジンもしくは前記電動機により走行可能であり、または前記エンジンと前記電動機とが協働して走行可能であり、少なくとも減速中に、前記電動機により回生発電可能であり、回生発電中には、回生発電量に応じて生じる回生トルクが制動力として作用するハイブリッド自動車の制御方法において、
アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施するように制御する制御ステップを有する、
ことを特徴とする制御方法。 - コンピュータ装置に、
エンジンと電動機とを有し、前記エンジンもしくは前記電動機により走行可能であり、または前記エンジンと前記電動機とが協働して走行可能であり、少なくとも減速中に、前記電動機により回生発電可能であり、回生発電中には、回生発電量に応じて生じる回生トルクが制動力として作用するハイブリッド自動車の制御機能を実現させるプログラムにおいて、
前記制御機能として、アクセル開度が0%でないときには、最大回生トルク未満の所定値以下の回生トルクで回生発電を実施するように制御する制御機能を実現させる、
ことを特徴とするプログラム。
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