JP2013013511A - 撹拌装置及びそれを用いた洗濯機 - Google Patents

撹拌装置及びそれを用いた洗濯機 Download PDF

Info

Publication number
JP2013013511A
JP2013013511A JP2011147670A JP2011147670A JP2013013511A JP 2013013511 A JP2013013511 A JP 2013013511A JP 2011147670 A JP2011147670 A JP 2011147670A JP 2011147670 A JP2011147670 A JP 2011147670A JP 2013013511 A JP2013013511 A JP 2013013511A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stirring
blade
fluid
tank
stirring blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011147670A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5406888B2 (ja
Inventor
Yui KUMON
ゆい 公文
Masao Otsuka
大塚  雅生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2011147670A priority Critical patent/JP5406888B2/ja
Priority to PCT/JP2012/064359 priority patent/WO2013005517A1/ja
Priority to CN 201220310774 priority patent/CN202717973U/zh
Publication of JP2013013511A publication Critical patent/JP2013013511A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5406888B2 publication Critical patent/JP5406888B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)

Abstract

【課題】撹拌翼から離れた撹拌槽の上部に位置する被撹拌物の撹拌効果の向上を図ることができる撹拌装置を提供する。
【解決手段】底壁30aと底壁30aの周縁から上方に起立する周壁30bを備える撹拌槽30と、底壁30aに回転可能に配される円盤状の撹拌翼70とを備える撹拌装置1であって、撹拌翼70は裏面に放射状に延びて周壁30bに面する開放端77aを有する複数の溝部77と溝部77の底面から突設して径方向に延びるブレード部78とを備え、撹拌翼70を正逆反転して流体を撹拌する。
【選択図】図4

Description

本発明は流体物を撹拌する撹拌装置及びそれを用いた洗濯機に関する。
従来の洗濯機は特許文献1に開示される。この洗濯機は脱水槽と水槽を撹拌槽として共通化したタイプの洗濯機であり、撹拌槽は上部にしか脱水孔がない孔なしタイプの撹拌槽である。撹拌槽の底部には撹拌翼が回転可能に配置されている。洗濯時において洗濯物を収容した撹拌槽に水を貯留し、撹拌翼の回転によって流体である水を撹拌して洗濯物を洗濯する。この洗濯機は撹拌翼が生み出す水流は回転方向が支配的である。しかし、回転方向のみの水流では十分な撹拌効果及び洗浄効果を得ることができなかった。
そこで、特許文献1以外に正逆反転を繰り返し洗濯物にねじりを加えて洗浄する洗濯機が知られている。また、撹拌翼の上面に隆起形状を設けて撹拌翼の回転により水を隆起形状に沿って持ち上げ、落とす動作を繰り返す洗濯機が提案されている。隆起形状を上面に設けた撹拌翼は上下方向の水流を発生させ、上下往復水流により洗濯物を洗濯することができる。
特公昭61−9878号公報 特開平6−296794号公報
しかしながら、上記従来の洗濯機によると、正逆反転を繰り返し洗濯物にねじりを加える洗濯機は正転で生じた水流が逆転で生じた水流により打ち消されて回転方向の水流が弱まる。また、撹拌翼の上面に隆起形状を設けた洗濯機は回転方向の水流が弱く、回転方向のせん断力が小さい。このため、従来の洗濯機では十分な撹拌効果及び洗浄効果が得られない問題があった。
本発明は撹拌効果及び洗浄効果の向上を図ることができる撹拌装置及び洗濯機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、底壁と前記底壁の周縁から上方に起立する周壁とを有して流体を貯留する撹拌槽と、前記底壁に回転可能に配される円盤状の撹拌翼とを備える撹拌装置であって、前記撹拌翼が下面に放射状に延びて前記周壁に面する開放端を有する複数の溝部と前記溝部の底面から突設して径方向に延びるブレード部とを有し、前記撹拌翼を正逆反転して流体を撹拌することを特徴としている。
この構成によると、撹拌翼の回転によってブレード部は撹拌翼と撹拌槽の底壁との間の流体を掻いて溝部に沿って径方向の外側に強い流体の流れを発生する。この流体の流れは溝部の開放端から撹拌槽の周壁に沿って撹拌槽上部へ上昇する。これにより、水面には上下に振動する波が発生し、溝部の数に応じた隆起部が形成される。また、撹拌翼を正逆反転して流体を撹拌することにより、進行方向が逆向きの波が衝突して上下方向に振動する流体の定常波が発生する。これにより、流体内に上下方向のせん断力が発生する。
また、本発明の撹拌装置は、上記構成において、前記周壁の下端を曲面に形成して前記底壁に連接したことを特徴としている。この構成によると、開放端から周壁へ向かう流体の流れが曲面に沿って上昇する。
また、本発明の撹拌装置は、上記構成において、前記撹拌翼の上面の前記溝部に対応する位置に軸方向に突出する羽根部を設けたことを特徴としている。この構成によると、撹拌翼の回転により撹拌翼表面に流体の流れが発生する。
また、本発明の撹拌装置は、上記構成において、前記ブレード部は内周側に対して外周側の高さが徐々に低く形成されていることを特徴としている。
また、本発明の撹拌装置は、上記構成において、前記撹拌翼の中心近傍に貫通孔を設けたことを特徴としている。この構成によると、撹拌翼の回転時、負圧となった撹拌翼裏側の空間へ貫通孔を介して流体が吸い込まれ、撹拌翼の中心近傍では下方向に下降する流体の流れが発生する。
また、本発明の洗濯機は、上記構成の撹拌装置を備えたことを特徴としている。
また、本発明の撹拌方法は、撹拌槽の底面に配した撹拌翼の回転によって流体を撹拌する撹拌方法であって、前記撹拌翼の正転により流体に発生した上下に振動する複数の波と逆転により流体に発生した上下に振動する複数の波とを衝突させて定常波を形成することを特徴としている。
また、本発明の撹拌方法は、上記構成において、前記撹拌槽の外周側に上方向の流体の流れを発生させ、前記撹拌槽の内周側に下方向の流体の流れを発生させることを特徴としている。
また、本発明の撹拌方法は、上記構成において、前記撹拌翼の回転方向に流体の流れを発生させることを特徴としている。
本発明によると、撹拌翼は下面に放射状に延びて周壁に面する開放端を有する複数の溝部と溝部の底面から突設して径方向に延びるブレード部とを設けたので、上下方向に振動する流体の定常波を発生させることができる。これにより、流体にせん断力が発生し、撹拌効果を向上させることができる。また、撹拌槽内に投入された洗濯物に水流の反転によるねじり効果と定常波による上下方向のもみ洗いのようなせん断力によって、洗浄効果を向上させることができる。これにより、洗浄時間を短縮して洗濯機の消費電力を低減することができる。
本発明の実施形態に係る洗濯機の概略構造を示す正面断面図 本発明の実施形態に係る撹拌翼の上面を示す斜視図 本発明の実施形態に係る撹拌翼を示す上面図 本発明の実施形態に係る撹拌翼の下面を示す斜視図 本発明の実施形態に係る撹拌翼を示す底面図 本発明の実施形態に係る撹拌翼の表面上で生じる現象を模式的に示す概略断面図 本発明の実施形態に係る撹拌槽内で発生する水流を模式的に示す概略断面図 本発明の実施形態に係る撹拌槽内における洗濯物の運動を模式的に示す概略断面 本発明の実施形態に係る撹拌槽内における洗濯物の運動を模式的に示す概略断面
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る洗濯機1の概略構造を示す正面断面図である。なお、図1の手前側が洗濯機1の正面であり、奥側が背面である。
洗濯機1は全自動型のものであり、金属又は合成樹脂製の外箱10を備える。外箱10は直方体形状に成形され、その上面及び底面は開口部となっている。外箱10の上面開口部には操作パネル等が設けられた合成樹脂製の上面板11が固定されている。外箱10の底面開口部には合成樹脂製のベース12がネジで固定されている。ベース12の四隅には外箱10を床の上に支えるための脚部13が設けられている。
上面板11には洗濯機1内に洗濯物を投入するための洗濯物投入口14が開設されている。上蓋15は洗濯機1の奧側で水平回動軸により上面板11に枢支されている。上蓋15を手前側に上下に回動させて洗濯物投入口14を開閉することにより、後述する撹拌槽30に洗濯物を投入したり、撹拌槽30から洗濯物を取り出すことができる。
外箱10の内部には撹拌槽30と撹拌槽30を収納する水槽20が収容されている。撹拌槽30は洗剤を溶かした水またはすすぎ用の水(以下これらを総称して「洗濯水」という)を溜める。水槽20及び撹拌槽30はともに上面が開口した有底筒状のカップの形状を呈しており、各々軸線を垂直にして水槽20を外側、撹拌槽30を内側とする形で同心的に配置される。
水槽20は外箱10に対してサスペンション部材(不図示)によって吊り下げられる。サスペンション部材は水槽20の外面下部と外箱10の内面コーナー部とを連結する形で計4箇所に配備され、水槽20を水平部内で揺動できるように支持している。
撹拌槽30は底壁30aから上方に向かってテーパ状に広がる周壁30bを有し、この周壁30bにはその最上部に環状に配置した複数個の脱水孔31を除いて液体を通すための開口部はない。即ち、撹拌槽30はいわゆる「孔なし」タイプに形成される。撹拌槽30の上部開口部の縁には、洗濯物の脱水のため脱水槽30を高速回転させたときに振動を抑制する働きをする環状のバランサ32が装着される。脱水槽30の内部底面には槽内で洗濯水の流動を生じさせるための撹拌翼70が回転可能に配置される。このとき、撹拌翼70の周縁部70aと周壁30bとの間には隙間34が形成されている。また、周壁30bの下端は曲面に形成されて底壁30aの周縁と連接している。
水槽20の下面には駆動ユニット40が取り付けられる。駆動ユニット40はモータ41、モータ41の回転出力を伝道するベルト伝道機構42及びクラッチ・ブレーキ機構43を含んでおり、その中心部から同軸に配される脱水軸44と撹拌翼軸45とが上方に突出している。脱水軸44と撹拌翼軸45とは脱水軸44が外側に配置され、撹拌翼軸45が内側に配置された二重軸構造となっている。脱水軸44は下方から上方に向かって水槽20底面を貫き、撹拌槽30を支持している。撹拌翼軸45は、下方から上方に向かって水槽20を貫通し更に撹拌槽30の底壁30aを貫き、撹拌翼70を支持している。
撹拌翼70は55〜300rpmの回転を行い、洗濯又は濯ぎを行う。脱水時には撹拌槽30と一緒に0〜1200rpmで回転して脱水を行う。脱水軸44と水槽20との間及び脱水軸44と撹拌翼軸45の間には、各々、水漏れを防ぐためのシール部材が配置されている。
上面板11内の空間には電磁的に開閉する給水弁(不図示)が配置されている。給水弁の上流側に接続され、且つ上面板11を貫通して上方に突き出す接続管51には水道水などの上水を供給する給水ホース(不図示)が接続される。また、給水弁の下流側は撹拌槽30の内部に臨む位置に配置された容器状の給水口(不図示)に接続されている。
また、上面板11内には制御部(不図示)が設けられている。制御部は上面板11の上面に設けられた操作表示部(不図示)を通じて使用者からの操作指令を受け、駆動ユニット40、給水弁及び排水弁68に動作指令を発する。また、制御部は操作表示部に運転コース、各工程の所用時間等の運転内容の表示指令を発する。
水槽20の底部には水槽20及び撹拌槽30の中の水を外箱10の外に排水する排水ホース60が取り付けられている。排水ホース60には水槽20底部に開口する排水口61から水が流れ込むようになっている。脱水時に撹拌槽30の外側へ排出された水は配水管(不図示)を通じて排水ホース60に流される。
撹拌槽30と水槽20の間にはパッキン(不図示)が挟み込まれ、中心部からの水漏れを防止している。水槽20の底面中心部にはシールホルダ63が取り付けられ、水槽20との間で排水口61までを含めて排水経路が形成されている。撹拌槽30の底部には排水孔67が円周上に4箇所設けられ、排水孔67は撹拌槽30内部の水を排水口61から電磁的に開閉する排水弁68に導く。シールホルダ63には内側においてオイルシール(不図示)が圧入されており、オイルシールが撹拌槽30をシールすることによって、撹拌槽30は回転可能で且つ水密構造となり、水槽20と撹拌槽30との間に独立した排水空間66が形成されている。
上記した構造によって、撹拌翼70が回転する洗濯時には撹拌槽30内の水は排水弁68で止水され、撹拌槽30内にのみ水が貯められる。このとき、撹拌槽30と水槽20の間には水が貯まらない。これにより、洗濯時の節水性を実現している。脱水を行うときは排水弁68が開かれ、撹拌槽30内の水は外部に排水される。このとき、脱水軸44,撹拌翼軸45と撹拌槽30がモータ41の駆動により回転するが、上記したオイルシールにより撹拌槽30とシールホルダ63は相対回転可能で且つ水密構造を取り続けることができる。
次に、撹拌翼70について説明する。図2は撹拌翼70の斜視図であり、図3は撹拌翼70の上面図である。撹拌翼70は円盤状であり、撹拌翼70の上面は周縁部70aに対して中心に行くほど深くなる盆状に形成されている。撹拌翼70の上面には中心角90°で放射状に配される4つの羽根部71が突出して形成されている。また、羽根部71に対して周方向に隣接する凹部72が設けられている。洗濯時、羽根部71は撹拌翼70の回転によって撹拌槽30内に流体である洗濯水の流れを発生させる。
図4は撹拌翼70の下面を示す斜視図であり、図5は撹拌翼70の底面図である。撹拌翼70の下面は中心に軸孔76を有する。軸孔76は撹拌翼軸45の先端に固定される。また、撹拌翼70の表面に形成された羽根部71の裏側には溝部77が形成されている。これにより、羽根部71と溝部77とは表裏一体の関係にある。また、溝部77の外周側の開放端77aは撹拌槽30の周壁30bに面する。
溝部77の底面には径方向に延びる薄板状のブレード部78が突設されている。ブレード部78は撹拌翼70の中心に近い内端から径方向に一定の高さで水平に延びた後、外端に行くほど内周側に対して外周側の高さが徐々に低く形成されている。このような形状のブレード部78は径方向に水を掻くのに適する。したがって、撹拌翼70の回転によってブレード部78は撹拌翼70と撹拌槽30の底壁30aとの間の洗濯水を掻いて溝部77に沿って径方向の外側に強い水流を発生させる。
撹拌翼70を回転させると、羽根部71の表面には周方向に水流が発生する。また、凹部72内には回転方向後方の羽根部71の壁面に沿って径方向の外側に向かう水流が発生する。
撹拌翼70の表面には複数のリブ73a、73bが設けられている。リブ73a、73bは撹拌翼70の表面における洗濯水の流れる方向に並設して該方向に直交する方向に延びている。また、撹拌翼70の表面において洗濯水の水流の平均の速さが大きい領域のリブ73a、73bの間隔は水流の平均の速さが遅い領域のリブ73a、73bの間隔よりも狭く形成されている。
具体的には、羽根部71の上面には撹拌翼70の径方向に延びる複数のリブ73aが周方向に並設されている。このとき、外周側のリブ73aの間隔が内周側よりも狭く形成されている。凹部72の上面には撹拌翼70の周方向に延びる複数のリブ73bが径方向に並設される。このとき、リブ73bは回転中心を中心とする円弧に対して湾曲し、羽根部71に近い位置で回転中心からの距離が小さく、離れた位置で回転中心からの距離が大きくなっている。また、羽根部71に近い位置のリブ73bの間隔が離れた位置よりも狭く形成される。
図6は撹拌翼70の表面上で生じる現象を模式的に示す概略断面図である。撹拌翼70の回転により流体である洗濯水の流れが発生すると、撹拌翼70の表面上において洗濯水の境界層が生じ、境界層には粘性の高い領域が存在する。そこで、撹拌翼70の表面にリブ73を並設することにより、境界層を破壊して摩擦抵抗を低減することができる。図6に示すように、撹拌翼70表面のリブ73間において洗濯水の一部が渦となり停滞して停滞部(渦)75が形成される。リブ73の上方を流れる流体(矢印A)はリブ73の上面及びリブ73間に停滞する停滞部75上を流通する。このとき、流体とリブ73の上面との接触面積が小さいことに加えて停滞部75によるベアリング効果によって流体の摩擦抵抗を低減することができる。
また、撹拌翼70の表面において洗濯水の水流の平均の速さが大きい領域のリブ73の間隔は水流の平均の速さが遅い領域のリブ73の間隔よりも狭く形成することにより、撹拌翼70表面のレイノルズ数が一定になる。これにより、流体の撹拌翼70に対する作用が均質化する。したがって、撹拌翼70表面の流体に対する摩擦抵抗低減効果が均質化する。このため、撹拌翼70表面の複数の領域においてレイノルズ数が一定になるようにリブ73の配置及び形状を設計することにより、広範囲にわたる撹拌翼70表面において摩擦抵抗低減効果を最大限に発揮させることができる。
また、隣接するリブ73の間隔とリブ73の高さの比は100:1〜5:1の範囲内に形成され、50:1〜15:1の範囲内にあることがより好ましい。リブ73の間隔がリブ73の高さに対して広すぎると撹拌翼70表面のリブ73間に停滞部(渦)75が形成され難く、撹拌翼70の摩擦抵抗を十分に低減することができない。一方、リブ73の間隔に対してリブ73の高さが高すぎるとリブ73と洗濯物が衝突して洗濯物を傷める。
隣接するリブ73の間に撹拌翼70を貫通する多数の小孔74が設けられている。小孔74は羽根部71にも設けられている。小孔74は、撹拌翼70の回転時、負圧となる撹拌翼70裏側の空間へ吸い込まれる水流を発生させる。この水流によって、径方向外向きの流れが強化され、撹拌翼70裏面全体にわたって放射状に径方向外向きの水流が発生する。
以上のように構成された洗濯機は洗濯物を撹拌槽30の中に投入し、制御装置によって、運転開始を指令すると、給水弁を制御し所定水位まで給水を行う。洗濯工程に入ると、モータ41の動力をベルト伝道機構42、撹拌翼軸45を通じて撹拌翼70に伝達し、撹拌翼70を右回転・左回転交互に動作させる。撹拌翼70の動作に応じて、撹拌槽30内の洗濯物と洗濯水が撹拌され、洗濯物の洗浄が進行する。
図7は撹拌槽30内で発生する水流を模式的に示す概略断面図である。撹拌翼70が回転すると、撹拌翼70の上面の羽根部71によって周方向に水流Xが発生する。また、撹拌翼70の下面では溝部77が水路を形成し、遠心力によって溝部77の内周側から外周側に向かって径方向に水が流れる(矢印C参照)。このとき、薄板状のブレード部78がオールのように機能して水が外側に掻き出され、撹拌槽30の周壁30bに向かって強い水流が形成される。撹拌翼70の溝部77から流出した水は撹拌翼70と周壁30bとの隙間34を通り(図1参照)、周壁30bに沿って上昇する水流Yとなる。このとき、周壁30bの下端が曲面に形成されるため、円滑に水流を上昇させることができる。
撹拌翼70の正転と逆転とを繰り返すことにより、進行方向が反転する波が衝突して撹拌槽30内には上下に振動する定常波Uが形成される。なお、定常波の腹の数は水柱の発生と同様にブレード部78の数に比例しており、撹拌槽30の回転数によって発生する定常波Uの腹の数を可変することができる。
撹拌翼70裏側の空間は、洗濯水が外側に押し出された後、負圧の状態となるため、撹拌翼70の中心近傍の小孔(貫通孔)74から新たな洗濯水が流入し、撹拌翼70の上方の回転中心付近では下方向に下降する水流Zが発生する。これにより、下降する水流Zと上昇する水流Yにより撹拌槽30内で洗濯水が継続して循環する。
図8、図9は洗濯物Wの運動を模式的に示す概略断面図である。図8に示すように、定常波Uは水面に対して上下方向に振幅する往復水流であり、洗濯物Wに互い違いに上下方向の往復運動(矢印E、F参照)が働く。これにより、洗濯物Wに上下方向のせん断力が働き、洗濯物Wに対してもみ洗いのような機械的動作が働く。したがって、定常波Uが洗濯物Wの洗浄効果の向上に寄与する。
また、図9に示すように、周方向の水流である回転水流Xにより洗濯物Wにはねじりの動作が働く。撹拌槽30内では回転水流Xと定常波Uの水流が同時に洗濯物Wに働く。これにより、上下方向のせん断力に加えて周方向のねじりが加わり洗浄効果が向上する。また、撹拌槽30の外周側を上昇する上昇水流Yと回転中心付近で下方向に流れる下降水流Zにより洗濯物Wが適切に移動し、洗濯物W全体に均一な洗浄力が働く。したがって、洗濯物Wの撹拌作用が増大して洗浄力が向上する。これにより、洗浄時間を短縮して洗濯機1の省電力化を図ることができる。また、撹拌翼70の水流作用が大幅に改善されることに付随して洗剤の溶解性も良くなることで洗浄効果の向上に寄与する。
次に本実施形態に係るブレード部78を有する撹拌翼70を備えた洗濯機1の洗浄性能について評価を行った。表1、表2に評価結果を示す。
Figure 2013013511
Figure 2013013511
表1は下面にブレード部78を設けた撹拌翼70を本実施形態とし、ブレード部78を設けていない撹拌翼を比較例とし、0.5kgの洗濯物を85rpm又は120rpmで所定時間回転させて洗浄率を比較した結果を示している。また、表2は同様の方法により、4.5kgの洗濯物を85rpm又は120rpmで所定時間回転させて洗浄率を比較した結果を示している。
洗浄性能の評価はJIS C 9606の方法に従って、洗浄前後の汚染布の反射率から洗浄率を算出した。洗浄率とは、JIS C 9606で規定される標準洗濯機での洗濯した洗浄度を基準として、各洗濯機で測定した洗浄度を比率で示したものである。また、洗濯物は、1枚100gの試験布を5枚(負荷0.5kg)又は1枚500gの試験布9枚(負荷4.5kg)使用して実施した。
表1に示すように、85rpmの回転において負荷0.5kgの洗濯物に対して本実施形態の撹拌翼70を用いることにより、比較例に対して洗浄率は0.849から0.890に上昇し、上昇率は+4.8%であった。また、120rpmの回転において洗浄率は0.857から0.968に上昇し、上昇率は+13.0%であった。また、本実施形態において回転数を85rpmから120rpmに上げることによって洗浄率は0.890から0.968に上昇し、上昇率は+8.8%であった。一方、比較例において回転数を85rpmから120rpmに上げることによって洗浄率は0.849から0.857に上昇し、上昇率は+0.9%であった。
また、表2に示すように、85rpmの回転において負荷4.5kgの洗濯物に対して本実施形態の撹拌翼70を用いることにより、比較例に対して洗浄率は0.868から0.882に上昇し、上昇率は+1.6%であった。また、120rpmの回転において洗浄率は0.880から0.986に上昇し、上昇率は+12.0%であった。また、本実施形態において回転数を85rpmから120rpmに上げることによって洗浄率は0.882から0.986に上昇し、上昇率は+11.8%であった。一方、比較例において回転数を85rpmから120rpmに上げることによって洗浄率は0.868から0.880に上昇し、上昇率は+1.4%であった。
これにより、本実施形態の撹拌翼70を用いることにより明らかな洗浄率の向上が見られた。また、本実施形態は撹拌翼70の回転数を上げて水流を強化することにより大幅な洗浄率の向上が見られた。なお、本実施形態における撹拌ではいずれにおいても撹拌槽30の水面に定常波が確認された。
本実施形態によると、撹拌翼70が下面に放射状に延びて周壁30bに面する開放端77aを有する複数の溝部77と溝部77の底面から突設して径方向に延びるブレード部78とを有し、撹拌翼70を正逆反転して流体を撹拌することにより、撹拌翼70の回転によってブレード部78は撹拌翼70と撹拌槽30の底壁30aとの間の流体を掻いて溝部77に沿って径方向の外側に強い流体の流れを発生させる。この流体の流れは溝部77の開放端77aから撹拌槽30の周壁30bに沿って撹拌槽30上部へ上昇する。これにより、水面には上下に振動する波が発生し、溝部77の数に応じた隆起部が形成される。また、撹拌翼70を正逆反転して流体を撹拌することにより、進行方向が逆向きの波が衝突して上下方向に振動する流体の定常波が発生する。これにより、流体内に上下方向のせん断力が発生して撹拌効果を向上させることができる。また、撹拌槽30内に投入された洗濯物に水流の反転によるねじり効果と定常波による上下方向のもみ洗いのようなせん断力によって、洗濯機1の洗浄効果を向上させることができる。これにより、洗浄時間を短縮して洗濯機1の省電力化を図ることができる。また、洗濯機1が乾燥機能付き洗濯機である場合、撹拌翼70の下面にブレード部78を設けることにより、乾燥工程における撹拌翼70の回転によってブレード部78が撹拌翼70と底壁30aとの間の気体を掻いて溝部77に沿って径方向の外側に強い気体の流れを発生させる。この気体の流れは溝部77の開放端77aから撹拌槽30の周壁30bに沿って撹拌槽30上部へ上昇する。これにより、撹拌槽30内の温風の循環を促して効率よく洗濯物を乾燥することができる。また、乾燥時間を短縮して乾燥機能付き洗濯機の省電力化を図ることができる。
また、周壁30bの下端を曲面に形成して底壁30aに連接したことにより、開放端77aから周壁30bへ向かう流体の流れが曲面に沿って上昇し、より強く上昇する流体の流れを発生することができる。これにより、流体内に上下方向のせん断力がより大きく発生して撹拌効果をさらに向上させることができる。
また、撹拌翼70の上面の溝部77に対応する位置に軸方向に突出する羽根部71を設けることにより、撹拌翼70の回転により撹拌翼70表面に流体の流れが発生し、流体の反転によるねじり効果がより大きくなる。
また、ブレード部78は内周側に対して外周側の高さが徐々に低く形成されることにより、ブレード部78がオールのように機能して水が外側に掻き出され、撹拌槽30の周壁30bに向かって強い水流が形成される。
また、撹拌翼70の中心近傍に小孔(貫通孔)74を設けたことにより、撹拌翼70の回転時、負圧となった撹拌翼70裏側の空間へ小孔(貫通孔)74を介して流体が吸い込まれ、撹拌翼70の中心近傍では下方向に下降する流体の流れが発生する。これにより、下降する水流Zと上昇する水流Yにより撹拌槽30内で洗濯水が継続して循環する。
また、撹拌槽30の底面に配した撹拌翼70の回転によって流体を撹拌する撹拌方法であって、撹拌翼70の正転により流体に発生した上下に振動する複数の波と逆転により流体に発生した上下に振動する複数の波とを衝突させて定常波を形成することにより、流体内に上下方向のせん断力が発生して撹拌効果を向上させることができる。
また、撹拌槽30の外周側に上方向の流体の流れを発生させ、撹拌槽30の内周側に下方向の流体の流れを発生させることにより、下降する水流Zと上昇する水流Yにより撹拌槽30内で洗濯水が継続して循環する。これにより、流体が撹拌槽内を適切に移動し、撹拌槽内全体に均一な撹拌することができる。撹拌槽内の洗濯物は適切に移動し、洗濯物全体に均一な洗浄力が働く。したがって、洗濯物の撹拌作用が増大して洗浄力が向上する。
また、撹拌翼70の回転方向に流体の流れを発生させることにより、回転方向の流体の反転によるねじり効果がより大きくなる。
本発明は洗濯機に利用することができる。
1 洗濯機
10 外箱
11 上面板
11a 出入口
12 ベース
13 脚部
14 洗濯物投入口
15 上蓋
16 延設部
16a 鉛直部
16b 水平部
20 水槽
30 撹拌槽
30a 底壁
30b 周壁
31 脱水孔
32 バランサ
40 駆動ユニット
41 モータ
42 ベルト伝導機構
43 クラッチ・ブレーキ機構
44 脱水軸
45 撹拌翼軸
51 接続管
60 排水ホース
61 排水口
63 シールホルダ
66 排水空間
67 排水孔
68 排水弁
70 撹拌翼
71 羽根部
72 凹部
73 リブ
75 停滞部
76 軸孔
77 溝部
78 ブレード部

Claims (9)

  1. 底壁と前記底壁の周縁から上方に起立する周壁とを有して流体を貯留する撹拌槽と、前記底壁に回転可能に配される円盤状の撹拌翼とを備える撹拌装置であって、前記撹拌翼が下面に放射状に延びて前記周壁に面する開放端を有する複数の溝部と前記溝部の底面から突設して径方向に延びるブレード部とを有し、前記撹拌翼を正逆反転して流体を撹拌することを特徴とする撹拌装置。
  2. 前記周壁の下端を曲面に形成して前記底壁に連接したことを特徴とする請求項1に記載の撹拌装置。
  3. 前記撹拌翼の上面の前記溝部に対応する位置に軸方向に突出する羽根部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撹拌装置。
  4. 前記ブレード部は内周側に対して外周側の高さが徐々に低く形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の撹拌装置。
  5. 前記撹拌翼の中心近傍に貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の撹拌装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の撹拌装置を備えたことを特徴とする洗濯機。
  7. 撹拌槽の底面に配した撹拌翼の回転によって流体を撹拌する撹拌方法であって、前記撹拌翼の正転により流体に発生した上下に振動する複数の波と逆転により流体に発生した上下に振動する複数の波とを衝突させて定常波を形成することを特徴とする撹拌方法。
  8. 前記撹拌槽の外周側に上方向の流体の流れを発生させ、前記撹拌槽の内周側に下方向の流体の流れを発生させることを特徴とする請求項7に記載の撹拌方法。
  9. 前記撹拌翼の回転方向に流体の流れを発生させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の撹拌方法。
JP2011147670A 2011-07-01 2011-07-01 撹拌装置及びそれを用いた洗濯機 Active JP5406888B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011147670A JP5406888B2 (ja) 2011-07-01 2011-07-01 撹拌装置及びそれを用いた洗濯機
PCT/JP2012/064359 WO2013005517A1 (ja) 2011-07-01 2012-06-04 撹拌翼及びそれを用いた撹拌装置、洗濯機
CN 201220310774 CN202717973U (zh) 2011-07-01 2012-06-29 搅拌翼和使用搅拌翼的搅拌装置、洗衣机

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011147670A JP5406888B2 (ja) 2011-07-01 2011-07-01 撹拌装置及びそれを用いた洗濯機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013013511A true JP2013013511A (ja) 2013-01-24
JP5406888B2 JP5406888B2 (ja) 2014-02-05

Family

ID=47686802

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011147670A Active JP5406888B2 (ja) 2011-07-01 2011-07-01 撹拌装置及びそれを用いた洗濯機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5406888B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110219127A (zh) * 2018-03-02 2019-09-10 青岛海尔洗衣机有限公司 波轮组件

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4730495U (ja) * 1971-05-01 1972-12-06
JPS60179293U (ja) * 1984-05-08 1985-11-28 三洋電機株式会社 洗濯機
JPH06304376A (ja) * 1993-04-22 1994-11-01 Sanyo Electric Co Ltd 洗濯機
JPH0884886A (ja) * 1994-09-19 1996-04-02 Toshiba Corp 洗濯機

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4730495U (ja) * 1971-05-01 1972-12-06
JPS60179293U (ja) * 1984-05-08 1985-11-28 三洋電機株式会社 洗濯機
JPH06304376A (ja) * 1993-04-22 1994-11-01 Sanyo Electric Co Ltd 洗濯機
JPH0884886A (ja) * 1994-09-19 1996-04-02 Toshiba Corp 洗濯機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110219127A (zh) * 2018-03-02 2019-09-10 青岛海尔洗衣机有限公司 波轮组件

Also Published As

Publication number Publication date
JP5406888B2 (ja) 2014-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013005517A1 (ja) 撹拌翼及びそれを用いた撹拌装置、洗濯機
US9115452B2 (en) Laundry treating appliance impeller
US8429939B2 (en) Static basket washing machine
JPH10127972A (ja) 電気洗濯機
JP6590555B2 (ja) 洗濯機用の攪拌翼および洗濯機
JP5767282B2 (ja) 洗濯機
JP5184678B2 (ja) 撹拌翼及びそれを用いた撹拌装置、洗濯機
JP5406888B2 (ja) 撹拌装置及びそれを用いた洗濯機
JP5542013B2 (ja) 洗濯方法、その方法を実施する洗濯機及びこの洗濯機に用いる回転翼
US10077524B2 (en) Washing machine appliance and suspension assembly for same
JP2015223318A (ja) 洗濯機
JP6250212B2 (ja) 洗濯機用の攪拌翼
JP6349387B2 (ja) 洗浄方法、洗濯機
JP2016185267A (ja) 洗濯機用の撹拌翼およびそれを用いた洗濯機
JP2012170680A (ja) ドラム式洗濯機
WO2016158164A1 (ja) 撹拌翼およびそれを用いた撹拌装置、洗濯機
JP6550249B2 (ja) 撹拌翼およびそれを用いた撹拌装置、洗濯機
EP3850147B1 (en) Water transmission device and washing machine including the same
JP5789238B2 (ja) 撹拌翼及びそれを用いた撹拌装置、洗濯機
JP2018175256A (ja) 洗濯機
WO2015019639A1 (ja) 洗濯機
JP2004313233A (ja) 洗濯機
JP6225337B2 (ja) 洗濯機
JP2014050502A (ja) 洗濯機
JP6250204B2 (ja) 洗濯機用の攪拌翼

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130312

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130606

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130903

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5406888

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03