JP2013012635A - バッファ層の製造方法および光電変換素子の製造方法 - Google Patents

バッファ層の製造方法および光電変換素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コロイド粒子の生成に使われる原料を減らして被覆性の良好な光電変換素子のバッファ層を製造する
【解決手段】化合物半導体系光電変換素子のバッファ層の製造方法において、少なくとも1種の亜鉛源である成分(Z)、少なくとも1種の硫黄源である成分(S)、少なくとも1種のクエン酸化合物である成分(C)、少なくとも1種のアンモニア及び/又はアンモニウム塩である成分(N)、及び水を含有し、成分(Z)の濃度が0.001〜0.02Mであり、成分(C)の濃度が0.001〜0.25Mであり、成分(N)の濃度が0.001〜0.40Mある反応液を調製する工程と、反応温度を70〜95℃として少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物層を液相法により成膜する工程とを有し、調製工程において、成分(Z)と成分(S)と成分(C)と水との混合液中に成分(N)を混合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子のバッファ層の製造方法、および光電変換素子の製造方法関するものである。
光電変換層とこれに導通する電極とを備えた光電変換素子が、太陽電池等の用途に使用されている。従来、太陽電池においては、バルクの単結晶Si又は多結晶Si、あるいは薄膜のアモルファスSiを用いたSi系太陽電池が主流であったが、Siに依存しない化合物半導体系太陽電池の研究開発がなされている。化合物半導体系太陽電池としては、GaAs系等のバルク系と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなるCISあるいはCIGS系等の薄膜系とが知られている。CI(G)Sは、一般式Cu1−zIn1−xGaSe2−y(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)で表される化合物半導体であり、x=0のときがCIS系、x>0のときがCIGS系である。本明細書では、CISとCIGSとを合わせて「CI(G)S」と表記してある。
CI(G)S系等の従来の薄膜系光電変換素子においては一般に、光電変換層とその上に形成される透光性導電層(透明電極)との間にCdSバッファ層が設けられている。かかる系では通常、バッファ層は化学浴析出(CBD:Chemical Bath Deposition)法により成膜されている。
バッファ層の役割としては、(1)光生成キャリアの再結合の防止、(2)バンド不連続の整合、(3)格子整合、及び(4)光電変換層の表面凹凸のカバレッジ等が考えられる。CI(G)S系等では光電変換層の表面凹凸が比較的大きく、特に(4)の条件を良好に充たすために、液相法であるCBD法が好ましいと考えられる。
CBD法による成膜では、光電変換層上への目的化合物の析出(不均一核生成を伴う反応)と、反応溶液中へのコロイド粒子の生成(均一核生成を伴う反応)とが同時に進行する。溶液中に生成したコロイド粒子が凝集し、析出膜表面へ付着すると、光電変換素子を形成した際にリークパスの原因となるため、CI(G)S系薄膜系光電変換素子の性能劣化に繋がりうる。なお、均一核生成や不均一核生成については、例えば非特許文献1に詳細が記載されている。
環境負荷を考慮してバッファ層のCdフリー化が検討されている。Cdフリーのバッファ層の主成分として、ZnO系やZnS系等の亜鉛系が検討されている。
特許文献1には、硫化亜鉛バッファ層をCBD法により施与する方法が記載されている(請求項1)。特許文献1には、バッファ層形成後にアンモニア/水‐溶液で洗浄を行う工程が記載されている(請求項4)。
特許文献2には、バッファ層と同種または異種の粒子である核を付与し、これを起点として/又は触媒としてバッファ層を形成する方法が開示されている(請求項1)。核となる粒子及びバッファ層の主成分としては、ZnSが具体的に挙げられている(請求項8)。
特許文献3には、酢酸亜鉛、チオ尿素、及びアンモニアを含有する反応液を用いたZn(S,O)バッファ層の製造方法が記載されている(実施例3)。特許文献2の実施例3では、酢酸亜鉛の濃度は0.025M、チオ尿素の濃度は0.375M、アンモニアの濃度は2.5Mとされている。
特許文献4には、酢酸亜鉛、チオ尿素、酢酸アンモニウム、及びアンモニアを混合した反応液を用いZn(O,OH,S)バッファ層を製造する方法が記載されている(実施例4)。特許文献4の実施例4では、酢酸亜鉛の濃度は0.02M、チオ尿素の濃度は0.3M、酢酸アンモニウムの濃度は0.1M、アンモニアの濃度は0.5Mとされている。
また、特許文献5には、バッファ層形成後に粒子状固形物をリンス液(純水)により洗浄除去するリンス工程が記載されている(請求項8)。特許文献5には、リンス工程におけるリンス液として純水を用いることが記載されている(請求項9)。特許文献5には、リンス工程においてリンス液中でエアまたは窒素ガスを泡立てる洗浄工程が記載されている(請求項10)。
非特許文献2には、硫酸亜鉛、チオ尿素、アンモニア、及びクエン酸Naを含む反応液を用いたZnS薄膜の製造方法が記載されている。非特許文献2では、反応温度60〜80℃の条件で成膜が行われている。
特表2008−510310号公報 特開2007−242646号公報 特開2001−196611号公報 特開2000−332280号公報 WO2008/120306号公報
B. C. Bunker, P. C. Rieke, B. J. Tarasevich, A. A. Campbell, G. E. Fryxell, G. L. Graff, L. Song, J. Liu, J. W. Vriden, G. L. McVay, Science, 264 (1994) 48-55. D. A. Johnston, M. H. Carletto, K. T. R. Reddy, I. Forbes, and R. W. Miles, Thin Solid Films, 403 (2002) 102-106.
バッファ層をCBD法により成膜するにあたっては、下地を良好に被覆する膜を成膜することが必要である。また、生産効率と生産コストとを考慮すれば、CBD法によるバッファ層の成膜速度は速いことが好ましい。
特許文献1の方法では、反応溶液中の原料濃度が高いため成膜速度は速いが、反応溶液中に多量のコロイド粒子が発生し、析出膜表面への粒子状固形物の付着量が多くなってしまう。このため、バッファ層形成後に、アンモニア/水‐溶液での洗浄を行わなければならなくなっている。
特許文献2に記載されているように、結晶成長の核あるいは触媒等として機能する微粒子層を形成してからCBD法により膜を成長させることで、CBD法による成膜工程の反応速度を速くすることができると共に、CBD反応の結晶成長を制御して、下地を良好に被覆する膜を安定的に成膜することができる。しかしながら、かかる方法では、微粒子層を形成する工程が増える。
既に述べたように、CBD工程における、析出膜表面への粒子状固形物の付着は、太陽電池におけるリークパスとなって効率低下の要因となる。また、反応溶液の白濁は、反応溶液繰り返しの使用を制限してしまう。
特許文献3のように、CBD後にバッファ層の洗浄工程を導入すれば、析出面へ付着した粒子をある程度除去することができる。しかしながら、かかる方法では粒子を完全に除去することはできず、かつ、バッファ層を洗浄する工程数が増えてしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、化学浴析出法による光電変換素子のバッファ層の製造において、下地を良好に被覆し、析出膜表面への粒子状固形物の付着が少ないZn系バッファ層を簡易なプロセスで製造することを目的とするものである。
本発明のバッファ層の製造方法は、少なくとも1種の亜鉛源である成分(Z)、少なくとも1種の硫黄源である成分(S)、少なくとも1種のクエン酸化合物である成分(C)、アンモニア及びアンモニウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種である成分(N)、及び水を含有し、
前記成分(Z)の濃度が0.001〜0.02Mであり、
前記成分(C)の濃度が0.001〜0.25Mであり、
前記成分(N)の濃度が0.001〜0.40Mある反応液を調製する調製工程と、
反応温度を70〜95℃として、少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物層を液相法により成膜する成膜工程とを有し、
前記調製工程において、前記成分(Z)と、前記成分(S)と、前記成分(C)と水とが混合された混合液中に前記成分(N)を混合することを特徴とするものである。
本発明のバッファ層は、基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子におけるバッファ層であって、バッファ層の前記透光性導電層側の表面に、
該表面の100μm×100μmあたり0個以上30個以下の粒子状固形物と、カルボニルイオンとを備えてなり、
少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物を主成分とすることを特徴とするものである。
本明細書において主成分とは、含量80質量%以上の成分とする。
本発明のバッファ層において、前記粒子状固形物の主成分が、バッファ層の主成分と同一の化合物である態様が挙げられる。また、前記粒子状固形物としては、直径数十から数百nmである一次粒子が複数凝集した、円相当径1μm以上の凝集体が挙げられる。ここで、1次粒子の直径は、SEM(走査型電子顕微鏡)にてバッファ層の表面上を観察した際に確認できる微粒子の直径とする。
本発明のバッファ層の製造方法によれば、下地を良好に被覆し、析出膜表面への粒子状固形物の付着が少ないバッファ層を簡易なプロセスで製造することができる。
本発明に係る一実施形態の光電変換素子の概略断面図 陽極酸化基板の概略断面図(その1) 陽極酸化基板の概略断面図(その2)
以下、本発明について詳細に説明する。
「バッファ層の製造方法」
本発明は、少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物層からなるバッファ層を液相法により製造する方法に関するものである。
本発明のバッファ層は、少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物層のみからなるものでもよいし、その他の任意の層と少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物層との積層でもよい。
上記のように、本発明では、バッファ層を液相法により成膜する。液相法による成膜方法は、特に制限されず、CBD法等が好ましい。
「CBD法」とは、一般式 [M(L)] m+ ⇔ Mn++iL(式中、M:金属元素、L:配位子、m,n,i:正数を各々示す。)で表されるような平衡によって過飽和条件となる濃度とpHを有する金属イオン溶液を反応液として用い、金属イオンMの錯体を形成させることで、安定した環境で適度な速度で基板上に金属化合物薄膜を析出させる方法である。
CBD工程の実施形態は特に限定されないが、CBD工程は反応溶液の撹拌や液循環、反応溶液への超音波の印加を行わずに実施することが好ましい。反応溶液の撹拌や液循環、反応溶液への超音波の印加は反応溶液中でのコロイド粒子の発生を促進させ、その結果、反応溶液中に浮遊するコロイド粒子の量が増加してしまうので、析出膜表面への粒子状固形物の付着の可能性が高くなってしまう。さらに、反応溶液中にコロイド粒子が多量に発生すると、同一の反応溶液をCBD工程に再度利用することができない。
ここで、粒子状固形物とは、直径数十から数百nmである一次粒子が複数凝集した円相当径1μm以上の凝集体である。
概ね円相当径1μm以上の粒子状固形物がバッファ層表面に付着したまま、光電変換素子を作製すると、粒子状固形物はリークパスとなり、その光電変換素子の性能劣化に繋がる可能性がある。そこで、本発明の製造方法においては、用いる反応液の組成と反応温度を好適化することにより、コロイド粒子の生成および成長に使われる原料の割合の抑制している。
本発明者は、少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物層を液相法により成膜する成膜工程において、用いる反応液の組成と反応温度を好適化することによりコロイド粒子の生成および成長に使われる原料の割合の抑制することに成功し、下地を良好に被覆し、かつ、析出膜表面への粒子状固形物の付着が少ないバッファ層を簡易なプロセスにて成膜することができることを見出した。
すなわち、本発明のバッファ層の製造方法は、少なくとも1種の亜鉛源である成分(Z)、少なくとも1種の硫黄源である成分(S)、少なくとも1種のクエン酸化合物である成分(C)、アンモニア及びアンモニウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種である成分(N)、及び水を含有し、
前記成分(Z)の濃度が0.001〜0.02Mであり、
前記成分(C)の濃度が0.001〜0.25Mであり、
前記成分(N)の濃度が0.001〜0.40Mある反応液を調製する調製工程と、
反応温度を70〜95℃として、少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物層を液相法により成膜する成膜工程とを有し、
前記調製工程において、前記成分(Z)と、前記成分(S)と、前記成分(C)と水とが混合された混合液中に前記成分(N)を混合することを特徴とするものである。
本発明のバッファ層の製造方法は、成膜工程の前に結晶成長の核あるいは触媒等として機能する微粒子層を形成する微粒子層形成工程を必須としないが、成膜工程の前に微粒子層形成工程を有していてもよい。本発明のバッファ層の製造方法が微粒子層形成工程を有する場合、成膜工程の反応速度をより速めることができる。
<微粒子層形成工程>
微粒子層の組成は特に制限されない。微粒子層の組成は半導体が好ましく、後工程で成膜する層がZn系であるので、Zn系が好ましく、少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物を主成分とする1種若しくは2種以上の複数の微粒子からなる微粒子層が特に好ましい。
微粒子層の形成方法は特に制限なく、複数の微粒子を含む分散液を付与する方法、若しくはCBD法によって複数の微粒子を析出する方法等が好ましい。
<調製工程>
調製工程では、少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物層の成膜に用いる反応液を調製する。本発明のバッファ層の製造方法における反応液は、少なくとも1種の亜鉛源である成分(Z)、少なくとも1種の硫黄源である成分(S)、少なくとも1種のクエン酸化合物である成分(C)、アンモニア及びアンモニウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種である成分(N)、及び水を含有している。
成分(Z)としては特に制限されず、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、及びこれらの水和物からなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。本発明において、成分(Z)の濃度は0.001〜0.02Mとする。成分(Z)の濃度がこの範囲内であれば下地を良好に被覆し、析出面への粒子状固形物の付着が少ない膜を安定的に成膜することができる。成分(Z)の濃度が0.02M超では、成膜速度は早くなるが、その反面、析出面への粒子状固形物の付着が増加してしまう。
成分(S)としては特に制限されず、チオ尿素を含むことが好ましい。成分(S)の濃度は特に制限されず、0.01〜1.0Mが好ましい。
成分(C)は錯形成剤等として機能する成分であり、成分(C)の種類と濃度を好適化することで、錯体が形成されやすくなる。少なくとも1種のクエン酸化合物である成分(C)を用いることで、アンモニアを過剰に用いなくても、錯体が形成されやすく、CBD反応による結晶成長が良好に制御され、下地を良好に被覆する膜を安定的に成膜することができる。
成分(C)としては特に制限されず、クエン酸ナトリウム及び/又はその水和物を含むことが好ましい。本発明において、成分(C)の濃度は0.001〜0.25Mとする。成分(C)の濃度がこの範囲内であれば錯体が良好に形成され、下地を良好に被覆する膜を安定的に成膜することができる。成分(C)の濃度が0.25M超では、錯体が良好に形成された安定な水溶液となるが、その反面、基板上への析出反応の進行が遅くなったり、反応が全く進行しなくなる場合がある。成分(C)の濃度は好ましくは0.001〜0.1Mである。
成分(N)はpH調整剤等として機能する成分であるが、錯形成剤等として機能する成分でもある。成分(N)としては特に制限されないが、アンモニアであることが好ましい。
本発明において、成分(N)の濃度は0.001〜0.40Mとする。成分(N)によってpHを調整して、金属イオンの溶解度や過飽和度を調整することができる。成分(N)の濃度が0.001〜0.40Mの範囲内であれば反応速度が速く、成膜工程の前に微粒子層形成工程を設けなくても実用的な生産速度で成膜を実施することができる。成分(N)の濃度が0.40M超では反応速度が遅くなり、成膜工程の前に微粒子層を付けるなどの工夫が必要となる。成分(N)の濃度は好ましくは0.01〜0.30Mである。
本発明において、調製工程では、上記各成分の混合する際に、成分(Z)と、成分(S)と、成分(C)と水とが混合された混合液中に成分(N)を混合する。この混合順序は本発明において重要であり、かかる順序の混合により、少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物層の成膜において、成膜工程前のコロイド生成を抑制し、析出膜表面への粒子状固形物の付着を抑制して透明性の高いバッファ層を成膜可能とすることができる。
非特許文献2には、クエン酸三ナトリウム濃度を0.05−0.5M、水酸化アンモニウムの濃度を0.05−0.25M(最適条件は0.15M)、硫酸亜鉛の濃度を0.01−0.03M、チオ尿素の濃度を0.01−0.05Mとして、反応温度60−80℃としてCBD法によりガラス基板上にZnSバッファ層を成膜することが記載されている。また、非特許文献2には、反応液の調製工程において、アンモニア水を用意し、その中に他の反応液の成分を添加していく調製方法をとっており、103ページ左欄最下段から右欄5行目までの箇所に、ZnSOの溶解性の改良の観点から各成分の添加順序及びその順序の重要性が記載されている。このように、非特許文献2は、本願発明のバッファ層とは構成成分も異なる上、その目的とするバッファ層の物性も異なるものである。従って、非特許文献2と本願発明の調製方法とは異なるものである。
<成膜工程>
上記調製方法によって調整された反応液を用いて、液相法によりバッファ層を成膜する。成膜工程は、液相法により実施されれば特に制限されないが、既に述べたように、CBD法が好ましい。
反応温度は70〜95℃とする。反応温度が70℃未満では反応速度が遅くなり、薄膜が成長しない、あるいは薄膜成長しても実用的な反応速度で所望の厚み(例えば20nm以上)を得るのが難しくなる。反応温度が95℃超では、反応液中で気泡等の発生が多くなり、それが膜表面に付着したりして平坦で均一な膜が成長しにくくなる。さらに、反応が開放系で実施される場合には、溶媒の蒸発等による濃度変化などが生じ、安定した薄膜析出条件を維持することが難しくなる。反応温度は好ましくは80〜90℃である。
「光電変換素子の製造方法」
図1に本発明の光電変換素子の製造方法により製造される一実施形態の光電変換素子の概略断面図を示す。視認しやすくするため、図中、各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。
図1に示す光電変換素子1は、基板10上に、下部電極(裏面電極)20と光電変換層30とバッファ層40と窓層50と透光性導電層(透明電極)60と上部電極(グリッド電極)70とが順次積層された素子である。
本発明の光電変換素子の製造方法は、基板10上に少なくとも下部電極20と光吸収により電流を発生する光電変換層30とバッファ層40と透光性導電層60との積層構造を有する光電変換素子の製造方法において、バッファ層40を、本発明のバッファ層の製造方法により製造することを特徴とするものである。
バッファ層以外の各層の成膜方法等は特に制限はない。以下に基板および各層の成膜方法について簡単に説明する。
(基板)
基板は、特に制限されず、具体的には、
ガラス基板、
表面に絶縁膜が成膜されたステンレス等の金属基板、
Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
及びポリイミド等の樹脂基板等が挙げられる。
連続的に成膜を行う方法として、長尺な可撓性基板をロール状に巻回してなる供給ロールと、成膜済の基板をロール状に巻回する巻取りロールとを用いるいわゆるロール・トゥ・ロール(Roll to Roll)の成膜工程が知られているが、この方法による生産が可能であることから、表面に絶縁膜が成膜された金属基板、陽極酸化基板、及び樹脂基板等の可撓性基板が好ましい。
熱膨張係数、耐熱性、及び基板の絶縁性等を考慮すれば、
Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
及びFeを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板からなる群より選ばれた陽極酸化基板が特に好ましい。
図2は、Alを主成分とするAl基材11の少なくとも一方の面側を陽極酸化して得られた基板10の断面模式図である。基板10は、図2の左図に示すように、Al基材11の両面側に陽極酸化膜12が形成されたものでもよいし、図2の右図に示すように、Al基材11の片面側に陽極酸化膜12が形成されたものでもよい。陽極酸化膜12はAlを主成分とする膜である。
デバイスの製造過程において、AlとAlとの熱膨張係数差に起因した基板の反り、及びこれによる膜剥がれ等を抑制するには、図2の左図に示すようにAl基材11の両面側に陽極酸化膜12が形成されたものが好ましい。
陽極酸化は、必要に応じて洗浄処理・研磨平滑化処理等が施されたAl基材11を陽極とし陰極と共に電解質に浸漬させ、陽極陰極間に電圧を印加することで実施できる。陰極としてはカーボンやアルミニウム等が使用される。電解質としては制限されず、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、及びアミドスルホン酸等の酸を、1種又は2種以上含む酸性電解液が好ましく用いられる。
陽極酸化条件は使用する電解質の種類にもより特に制限されない。条件としては例えば、電解質濃度1〜80質量%、液温5〜70℃、電流密度0.005〜0.60A/cm、電圧1〜200V、電解時間3〜500分の範囲にあれば適当である。
電解質としては、硫酸、リン酸、シュウ酸、若しくはこれらの混合液が好ましい。かかる電解質を用いる場合、電解質濃度4〜30質量%、液温10〜30℃、電流密度0.05〜0.30A/cm、及び電圧30〜150Vが好ましい。
Al基材11及び陽極酸化膜12の厚みは特に制限されない。基板10の機械的強度及び薄型軽量化等を考慮すれば、陽極酸化前のAl基材11の厚みは例えば0.05〜0.6mmが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。基板の絶縁性、機械的強度、及び薄型軽量化を考慮すれば、陽極酸化膜12の厚みは例えば0.1〜100μmが好ましい。
図3に示す基板10’は、基材13の一方の面にAl材11’が一体化されたものを金属基板14とし、そのAl材11’の表面を陽極酸化することによりポーラス構造を有するAlの陽極酸化膜12’が電気絶縁層として形成されてなるものである。したがって、基板10’は、基材13/Al材11’/陽極酸化膜12’の3層構造を有する。
金属基板14は、Alよりも線熱膨張係数が小さく、かつ剛性が高く、かつ耐熱性が高い金属からなる基材13の一方の面にAl材11’が一体化されてなるものであることが好ましい。基材13としては、Feを主成分とするFe材が好ましい。
(下部電極)
下部電極(裏面電極)20の主成分としては特に制限されず、Mo,Cr,W,及びこれらの組合せが好ましく、Mo等が特に好ましい。下部電極(裏面電極)20の膜厚は制限されず、200〜1000nm程度が好ましい。例えば、基板上にスパッタ法により成膜することができる。
(光電変換層)
光電変換層30の主成分としては特に制限されず、高光電変換効率が得られることから、Cu及びAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素を含む少なくとも1種の化合物半導体であることが好ましい。
上記化合物半導体としては、
CuAlS,CuGaS,CuInS
CuAlSe,CuGaSe
AgAlS,AgGaS,AgInS
AgAlSe,AgGaSe,AgInSe
AgAlTe,AgGaTe,AgInTe
Cu(In,Al)Se,Cu(In,Ga)(S,Se)
Cu1−zIn1−xGaSe2−y(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)(CI(G)S),
Ag(In,Ga)Se,Ag(In,Ga)(S,Se)
CuZnSnS,CuZnSnSe,CuZnSn(S,Se)等が挙げられる。
光電変換層30の膜厚は特に制限されず、1.0〜4.0μmが好ましく、1.5〜3.5μmが特に好ましい。
光電変換層30の成膜方法も特に制限はなく、真空蒸着法、MOCVD法等により成膜することができる。
(バッファ層)
バッファ層40は、(1)光生成キャリアの再結合の防止、(2)バンド不連続の整合、(3)格子整合、及び(4)光電変換層の表面凹凸のカバレッジ等を目的として、設けられる層であり、上記の本発明のバッファ層の製造方法により製造される。
バッファ層40の導電型は特に制限されず、n型等が好ましい。
バッファ層40の膜厚は特に制限されず、10nm〜2μmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。
上記本発明のバッファ層の製造方法によって製造されたバッファ層40は、少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物を主成分とするものであり、バッファ層40の透光性導電層60側の表面に、カルボニルイオンを備えたものとなる。また、本発明のバッファ層の製造方法によれば、下地を良好に被覆し、析出膜表面への粒子状固形物の付着が少ないバッファ層40を得ることができるので、後記実施例にて示されるように、バッファ層40の表面の100μm×100μmあたりに付着している粒子状固形物は30個以下となっている。
(窓層)
窓層50は、光を取り込む中間層である。窓層50の組成としては特に制限されず、i−ZnO等が好ましい。窓層50の膜厚は特に制限されず、10nm〜2μmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。窓層50の成膜方法は、特に制限されないが、スパッタ法やMOCVD法が適している。一方で、バッファ層40を液相法により製造するため、製造プロセスを簡易にするためには液相法を用いることも好ましい。窓層50は必須ではなく、窓層50のない光電変換素子もある。
(透光性導電層)
透光性導電層(透明電極)60は、光を取り込むと共に、下部電極20と対になって、光電変換層30で生成された電流が流れる電極として機能する層である。
透光性導電層60の組成としては特に制限されず、ZnO:Al、ZnO:Ga、ZnO:B等のn−ZnO等が好ましい。透光性導電層60の膜厚は特に制限されず、50nm〜2μmが好ましい。透光性導電層60の成膜方法としては特に制限されないが、窓層と同様、スパッタ法やMOCVD法が適している。一方で、製造プロセスを簡易にするためには液相法を用いることも好ましい。
(上部電極)
上部電極(グリッド電極)70の主成分としては特に制限されず、Al等が挙げられる。上部電極70膜厚は特に制限されず、0.1〜3μmが好ましい。
なお、多数の光電変換素子(セル)が集積化されてなる集積化太陽電池においては、上部電極は直列接続されたセルのうち、電力取出し端となるセルに設けられている。◎
本実施形態の製造方法により製造される光電変換素子1は、以上のように構成されている。
光電変換素子1は、太陽電池等に好ましく使用することができる。光電変換素子1に対して必要に応じて、カバーガラス、保護フィルム等を取り付けて、太陽電池とすることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
<基板−光電変換層>
基板として、Mo電極層付きソーダライムガラス(SLG)基板上にCIGS層を成膜した基板を用意した。30mm×30mm角のソーダライムガラス(SLG)基板上に、スパッタ法によりMo下部電極を0.8μm厚で成膜し、さらにMo下部電極上に多元蒸発法の一種である3段階法を用いて膜厚1.8μmのCu(In0.7Ga0.3)Se層を成膜した。
<表面処理>
KCN10%水溶液の入った反応槽を用意し、基板上に成膜されたCIGS層の表面を室温で3分間分浸漬させてCIGS層表面の不純物除去を行った。取り出した後に十分に水洗を行った。
(実施例1)
<反応溶液(CBD溶液)の調製>
水溶液(I)として硫酸亜鉛水溶液(0.006[M])、水溶液(II)としてチオ尿素水溶液(チオ尿素0.30[M])、水溶液(III)としてクエン酸三ナトリウム水溶液(0.18[M])、及び水溶液(IV)としてアンモニア水(0.30[M])をそれぞれ調製した。次に、これらの水溶液のうち、I,II,IIIを同体積ずつ混合して、硫酸亜鉛0.002[M],チオ尿素0.10[M],クエン酸三ナトリウム0.06[M]となる混合溶液を完成させ、この混合溶液と,0.30[M]のアンモニア水を同体積ずつ混合してCBD溶液を得た。水溶液(I)〜(IV)を混合する際には、水溶液(IV)を最後に添加するようにした。透明な反応液とするには、水溶液(IV)を最後に添加することが重要である。
<CBD工程>
次に、上記のようにして調製したCBD溶液を用い、CBD法により、少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物層をバッファ層として上記表面処理がなされた後のCIGS層上に成膜した。具体的には、90℃に調温した反応溶液200ml中にCIGS層を形成した基板を180分間浸漬させることでバッファ層を成膜した。反応溶液中に基板を浸漬する工程においては、反応溶液の容器の底面に対して基板面が垂直になるように、基板を設置した。なお、このCBD工程は、反応溶液を撹拌せずに実施した。前記CBD工程にてバッファ層を成膜した後、基板を取り出し、これを室温乾燥させた。
(実施例2)
水溶液(I)として0.03[M]の硫酸亜鉛水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様の方法でバッファ層を成膜した。
(実施例3)
水溶液(I)として0.06[M]の硫酸亜鉛水溶液を用い、CBD溶液中へ基板を90分間浸漬したこと以外は実施例1と同様の方法でバッファ層を成膜した。
(実施例4)
水溶液(I)として0.12[M]の硫酸亜鉛水溶液を用い、CBD溶液中へ基板を45分間浸漬したこと以外は実施例1と同様の方法でバッファ層を成膜した。
(比較例1)
水溶液(I)として0.18[M]の硫酸亜鉛水溶液を用い、CBD溶液中へ基板を30分間浸漬したこと以外は実施例1と同様の方法でバッファ層を成膜した。
(比較例2)
水溶液(I)として0.0006[M]の硫酸亜鉛水溶液を用い、CBD溶液中へ基板を240分間浸漬したこと以外は実施例1と同様の方法でバッファ層を成膜した。
<評価1:バッファ層の膜厚測定>
実施例1〜4、比較例1及び2について、XRF(蛍光X線分析)によるバッファ層の膜厚測定を行った。各サンプルのXRFのシグナル強度と、膜厚が既知のサンプルを用いて予め作成しておいた検量線とを用いてバッファ層の膜厚を算出した。測定結果を表1にまとめた。実施例1〜4および比較例1では、20nm以上の膜厚を有するバッファ層を成膜することができた。比較例2の膜厚は、240分間の成膜時間においても10nmに満たないものであった。
<評価2:バッファ層の組成分析>
実施例1〜4及び比較例1について、バッファ層の組成分析を行った。組成分析はXPS(X線光電子分光法)を用い、バッファ層中の酸素と硫黄の比率を算出した。結果を表1に示す。実施例1〜4及び比較例1では、酸素および硫黄を含有したZn化合物層を成膜することができた。
<評価3:バッファ層の表面状態の評価>
実施例1〜4及び比較例1について、バッファ層の表面状態の評価を行った。評価はSEM(走査型電子顕微鏡)を用い、100μm×100μmの視野内に存在する直径数十から数百nmである一次粒子が複数凝集した円相当径1μm以上の凝集体である粒子状固形物の数を数えた。評価結果を表1にまとめた。
<光電変換効率の評価>
実施例1〜4、比較例1及び2で作製したバッファ層を200℃にて1時間アニール処理を施し、次いでバッファ層上に、スパッタ法にてアルミニウムドープZnO(ZnO:Al)層(透明電極層)(厚み 300nm)を成膜した。次いで、上部電極としてAl電極を蒸着法により形成して光電変換素子(単セルの太陽電池、受光面積0.516cm2)を作製した。各実施例及び比較例につき8個のセルを作製してそれぞれにつき評価を行った。
得られた5つの光電変換素子(各8セル)の電流電圧特性の評価を、ソーラーシミュレーターを用いて、Air Mass(AM)=1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を用いた条件下で、エネルギー変換効率を測定した。本発明の規定を充足する実施例1〜4では、8セル全てにおいて10%以上の変換効率が得られた。
本発明の規定を充足しない比較例1及び2では、8セルの中に発電しないセルが複数個存在した(表1)。光電変換効率の評価から、本発明の有効性が確認された。
1 光電変換素子(太陽電池)
10,10' 基板
11 Al基材
11' Al材
12,12' 陽極酸化膜
13 基材
14 金属基板
20 下部電極(裏面電極)
30 光電変換層
40 バッファ層
50 窓層
60 透光性導電層(透明電極)
70 上部電極(グリッド電極)

Claims (8)

  1. 基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子における前記バッファ層の製造方法において、
    少なくとも1種の亜鉛源である成分(Z)、少なくとも1種の硫黄源である成分(S)、少なくとも1種のクエン酸化合物である成分(C)、アンモニア及びアンモニウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1種である成分(N)、及び水を含有し、
    前記成分(Z)の濃度が0.001〜0.02Mであり、
    前記成分(C)の濃度が0.001〜0.25Mであり、
    前記成分(N)の濃度が0.001〜0.40Mある反応液を調製する調製工程と、
    反応温度を70〜95℃として、少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物層を液相法により成膜する成膜工程とを有し、前記調製工程において、前記成分(Z)と、前記成分(S)と、前記成分(C)と水とが混合された混合液中に前記成分(N)を混合することを特徴とするバッファ層の製造方法。
  2. 前記調製工程において、
    前記成分(Z)として、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、及びこれらの水和物からなる群より選ばれた少なくとも1種の亜鉛源を用いることを特徴とする請求項1に記載のバッファ層の製造方法。
  3. 基板上に下部電極と光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子の製造方法において、
    前記バッファ層を、請求項1又は2のいずれかに記載のバッファ層の製造方法により製造することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  4. 前記光電変換半導体層の主成分が、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体であることを特徴とする請求項3に記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記光電変換半導体層の主成分が、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることを特徴とする請求項4に記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 前記光電変換半導体層の主成分が、
    Cu及びAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、
    Al,Ga及びInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、
    S,Se,及びTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることを特徴とする請求項5に記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 前記基板として、
    Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
    Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
    及び、Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板からなる群より選ばれた陽極酸化基板を用いることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
  8. 基板上に下部電極と光吸収により電流を発生する光電変換半導体層とバッファ層と透光性導電層との積層構造を有する光電変換素子における前記バッファ層であって、
    バッファ層の前記透光性導電層側の表面に、
    該表面の100μm×100μmあたり0個以上30個以下の粒子状固形物と、
    カルボニルイオンとを備えてなり、
    少なくとも酸素および硫黄を含有するZn化合物を主成分とすることを特徴とするバッファ層。
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