JP2011165900A - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換半導体層の表面処理にKCNを用いることなく、光電変換素子の変換効率を向上させる。
【解決手段】基板10上に、下部電極20、光電変換半導体層30、バッファ層40、透光性導電層60が順次積層された光電変換素子1の製造方法であって、アミノ基を有する化合物と過酸化水素とを含有する表面処理液により光電変換半導体層30表面の表面処理を行った後、この表面処理をした光電変換半導体層30上にバッファ層40を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池等の光電変換素子の製造方法に関するものである。
光電変換層とこれに導通する電極とを備えた光電変換素子が、太陽電池等の用途に使用されている。従来、太陽電池においては、バルクの単結晶Siまたは多結晶Si、あるいは薄膜のアモルファスSiを用いたSi系太陽電池が主流であったが、Siに依存しない化合物半導体系太陽電池の研究開発がなされている。化合物半導体系太陽電池としては、GaAs系等のバルク系と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなるCISあるいはCIGS系等の薄膜系とが知られている。CI(G)Sは、一般式Cu1-zIn1-xGaxSe2-yy(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)で表される化合物半導体であり、x=0のときがCIS系、x>0のときがCIGS系である。以下、CISとCIGSとを合わせて「CI(G)S」と表記する。
CI(G)S系等の従来の薄膜系光電変換素子においては一般に、光電変換層とその上に形成される透光性導電層(透明電極)との間にバッファ層が形成されるが、このバッファ層の形成前に、光電変換層の表面凹凸の影響を緩和したり、表面の不純物を除去し、変換効率を向上する等の目的で光電変換層の表面処理が行われている。
溶液法による表面処理として、例えば、特許文献1にはKCNの表面処理により、硫化銅やセレン化銅の除去を行うことが、非特許文献1にはNH3水溶液の表面処理によりセレン化銅の除去が可能であることが記載されている。また、特許文献2にはBr2水溶液によりエッチングを行うことが記載され、非特許文献2および3には、Br2水溶液による表面処理後にKCN水溶液により表面処理を施すことにより太陽電池の変換効率が向上できることが記載されている。さらに、溶液法以外の表面処理として、特許文献3には、イオンビームスパッタによる異相除去が記載されている。
特許第3777281号公報 特許第3100692号公報 特開2000−150931号公報
Yasuhiro Hashimoto, Naoki Kohara, Takayuki Negami, Mikihiko Nishitani, and Takahiro Wada; Japanese Journal of Applied Physics 35, 4760-4764(1996) B.Canava, O.Roussel, J.F.Guillemoles, D.Lincot, and A.Etcheberry; Physica Status Solidi, C 3, 2551-2554(2006) A.Darga, D.Mencaraglia, Z.Djebbour, A.Migan Dubois, J.F.Guillemoles, J.P.Connolly, O.Roussel, D.Lincot, B.Canave, A.Etheberry; Thin Solid Films 517, 2550-2553(2009)
上記特許文献1、非特許文献2および3に記載されているKCNは致死性の化合物であり使用には安全上問題があるため、使用に際しては毒物を取り扱うための設備対策や、廃棄物処理のためのコストが発生し製造コストが高くなる。一方で、非特許文献1や特許文献2に記載されている表面処理では変換効率の向上は期待できない。さらに、特許文献3に記載されているイオンビームスパッタによる異相除去方法は高価な真空装置が必要となるため、製造コストアップに繋がり好ましくない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、光電変換半導体層の表面処理にKCNを用いることなく、変換効率を向上させることが可能な光電変換素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の光電変換素子の製造方法は、基板上に、下部電極、光電変換半導体層、バッファ層、透光性導電層が順次積層された光電変換素子の製造方法であって、アミノ基を有する化合物と過酸化水素とを含有する表面処理液により前記光電変換半導体層表面の表面処理を行った後、該表面処理をした光電変換半導体層上に前記バッファ層を形成することを特徴とするものである。
前記アミノ基を有する化合物は一分子中に少なくとも二つのアミノ基を有する化合物であることが好ましく、該二つのアミノ基を有する化合物がエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンの中から選ばれる少なくとも1つであることがより好ましい。
前記二つのアミノ基を有する化合物は前記表面処理液中に1質量%〜30質量%含まれることが好ましい。
前記過酸化水素は前記表面処理液中に0.01質量%〜10質量%含まれることがより好ましい。
本発明の光電変換素子の製造方法は、アミノ基を有する化合物と過酸化水素とを含有する表面処理液により光電変換半導体層表面の表面処理を行うため、KCNを用いる表面処理に比べて安全である上、アミノ基を有する化合物と過酸化水素とを含有する表面処理液によって光電変換半導体層表面の不純物が除去されるため、変換効率の向上を図ることができる。また、KCNを用いる表面処理のような毒物を取り扱うための設備対策や、廃棄物処理のためのコストが発生しないため製造コストを抑えて光電変換素子を製造することが可能である。
本発明の製造方法によって製造される光電変換素子の概略断面図である。 陽極酸化基板の構成を示す概略断面図である。 ロール・トゥ・ロール方式により製造する場合の一実施の形態を示す概略断面フロー図である。
以下図面を参照して、本発明の光電変換素子の製造方法について説明する。図1は、本発明の製造方法によって製造される光電変換素子の一実施の形態の示す概略断面図である。なお、視認しやすくするため、各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。
光電変換素子1は、図1に示されるように、基板10上に、下部電極20と光吸収により正孔・電子対を発生する光電変換半導体層30と、バッファ層40と、窓層50と、透光性導電層(透明電極)60と、上部電極(グリッド電極)70とが順次積層された素子である。
本発明の光電変換素子の製造方法は、基板10上に下部電極20を形成し、下部電極20上に光電変換半導体層30を形成後、光電変換半導体層30の表面をアミノ基を有する化合物と過酸化水素とを含有する表面処理液により表面処理を行い、その後、表面処理をした光電変換半導体層30の上にバッファ層40を形成するものである。
上記表面処理液に含まれるアミノ基を有する化合物は、一分子中に少なくとも二つのアミノ基を有する化合物(以下、単にアミノ基含有化合物ともいう)であることが好ましく、具体的には、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)の中から選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、これらは単独で用いても、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
これらのアミノ基含有化合物は表面処理液中に1質量%〜30質量%、好ましくは5質量%〜25質量%、さらには10質量%〜20質量%含まれることが好ましい。
過酸化水素は表面処理液中に0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.05質量%〜8質量%、さらには0.1質量%〜5質量%含まれることが好ましい。
表面処理液は上記アミノ基含有化合物と過酸化水素を水に溶解することにより調製することができる。光電変換半導体層30の表面処理は、基板10上に下部電極20と光電変換半導体層30とを形成した後、表面処理液を光電変換半導体層30に塗布したり、あるいは光電変換半導体層30が形成された基板を表面処理液に浸漬する等して行うことができる。光電変換半導体層と表面処理液を接触させる時間は表面処理液の濃度にもよるが、概ね数秒〜十数分程度とすることが好ましい。表面処理後、光電変換半導体層が形成された基板は水により洗浄して表面処理液を除去し、乾燥することが好ましい。
光電変換半導体層30の成膜後の表面には、不純物、例えばCI(G)S系光電変換層の場合にはセレン化銅や硫化銅等の有害な不純物が残存している可能性が高いが、上記のような光電変換半導体層30の表面処理(不純物除去)を行うことによって、光電変換素子の光電変換効率の面内のばらつきを小さくして変換効率を高めることができる。
上記表面処理後、その表面を水洗する工程、及び水洗された表面を乾燥させる工程を、バッファ層40の形成の前に実施する必要があるが、表面処理後の水洗工程および乾燥工程は、温水および温風を用いて行うことが好ましい。通常バッファ層40はCBD法により形成することが好ましいが、CBD法において、後述するバッファ層の構成物質の析出温度は70℃以上であることが好ましいとされている。このため、上記表面処理後、バッファ層の形成前に、水洗工程および乾燥工程によって光電変換半導体層が形成された基板を温めることにより、バッファ層のCBD用反応液に浸漬させた際に、バッファ層の析出温度に調温されている反応液の温度低下を抑制することができ、製造工程におけるタイムロスを軽減することができる。
次に本発明の光電変換素子の各部の構成および形成方法について説明する。
基板10としては特に制限されず、ガラス基板、表面に絶縁膜が成膜されたステンレス等の金属基板、Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、及びポリイミド等の樹脂基板等が挙げられる。なお、主成分とは20質量%以上の成分を意味し、以下、主成分とはこの意味で用いるものとする。
連続工程による生産が可能であることから、表面に絶縁膜が成膜された金属基板、陽極酸化基板、及び樹脂基板等の可撓性基板が好ましい。
熱膨張係数、耐熱性、及び基板の絶縁性等を考慮すれば、Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、及びFeを主成分とするFe材の少なくとも一方の面にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面にAl23を主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板からなる群より選ばれた陽極酸化基板が特に好ましい。
図2は、陽極酸化基板10の構成を示す概略断面図である。陽極酸化基板10はAlを主成分とするAl基材11の少なくとも一方の面を陽極酸化して得られた基板である。基板10は、図2の左図に示すように、Al基材11の両面に陽極酸化膜12が形成されたものでもよいし、図2の右図に示すように、Al基材11の片面に陽極酸化膜12が形成されたものでもよい。陽極酸化膜12はAl23を主成分とする膜である。デバイスの製造過程において、AlとAl23との熱膨張係数差に起因した基板の反り、及びこれによる膜剥がれ等を抑制するには、図2の左図に示すようにAl基材11の両面に陽極酸化膜12が形成されたものがより好ましい。
陽極酸化は、必要に応じて洗浄処理・研磨平滑化処理等が施されたAl基材11を陽極とし陰極と共に電解質に浸漬させ、陽極陰極間に電圧を印加することで実施できる。陰極としてはカーボンやアルミニウム等が使用される。電解質としては制限されず、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、及びアミドスルホン酸等の酸を、1種又は2種以上含む酸性電解液が好ましく用いられる。
陽極酸化条件は使用する電解質の種類にもより特に制限されない。条件としては例えば、電解質濃度1〜80質量%、液温5〜70℃、電流密度0.005〜0.60A/cm2、電圧1〜200V、電解時間3〜500分の範囲にあれば適当である。
電解質としては、硫酸、リン酸、シュウ酸、若しくはこれらの混合液が好ましい。かかる電解質を用いる場合、電解質濃度4〜30質量%、液温10〜30℃、電流密度0.05〜0.30A/cm2、及び電圧30〜150Vが好ましい。
Al基材11及び陽極酸化膜12の厚みは特に制限されない。基板10の機械的強度及び薄型軽量化等を考慮すれば、陽極酸化前のAl基材11の厚みは例えば0.05〜0.6mmが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。基板の絶縁性、機械的強度、及び薄型軽量化を考慮すれば、陽極酸化膜12の厚みは例えば0.1〜100μmが好ましい。
基板10上に下部電極20を形成する。下部電極20の主成分は特に制限されず、Mo,Cr,W,及びこれらの組合せが好ましく、Moが特に好ましい。下部電極(裏面電極)20の膜厚は制限されず、200〜1000nm程度が好ましい。下部電極20の成膜方法としては特に制限されず、スパッタ法や蒸着等の気相成膜が好ましい。
下部電極20上に光電変換半導体層30を形成する。光電変換半導体層30の主成分としては特に制限されず、高光光電変換効率が得られることから、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体であることが好ましく、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることがより好ましい。
光電変換半導体層30の主成分としては、
CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、
Al,GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、
S,Se,およびTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることが好ましい。
上記化合物半導体としては、
CuAlS2,CuGaS2,CuInS2
CuAlSe2,CuGaSe2
AgAlS2,AgGaS2,AgInS2
AgAlSe2,AgGaSe2,AgInSe2
AgAlTe2,AgGaTe2,AgInTe2
Cu(In,Al)Se2,Cu(In,Ga)(S,Se)2
Cu1-zIn1-xGaxSe2-yy(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)(CI(G)S),
Ag(In,Ga)Se2,およびAg(In,Ga)(S,Se)2等が挙げられる。
光電変換半導体層30の膜厚は特に制限されず、1.0〜3.0μmが好ましく、1.5〜2.0μmが特に好ましい。
光電変換半導体層30の形成後、光電変換半導体層30の表面をアミノ基を有する化合物と過酸化水素とを含有する表面処理液により表面処理を行い、その後、バッファ層40を形成する。バッファ層40はCBD法により形成されることが好ましい。
「CBD法」とは、一般式 [M(X)i] m+ ⇔ Mn++iX(式中、M:金属元素、X:配位子、m,n,i:正数を各々示す。)で表されるような平衡によって過飽和条件となる濃度とpHを有する金属イオン溶液を反応液として用い、金属イオンMの錯体を形成させることで、安定した環境で適度な速度で基板上に結晶を析出させる方法である。基板上にCBD法により複数の微粒子を析出する方法としては、例えばPhysical Chemistry Chemical Physics, 9, 2181-2196 (2007). 等に記載の方法が挙げられる。
バッファ層40としては特に制限されないが、CdS、ZnS,Zn(S,O)及び/又はZn(S,O,OH)、SnS,Sn(S,O)及び/又はSn(S,O,OH)、InS,In(S,O)及び/又はIn(S,O,OH)等の、Cd,Zn,Sn,Inからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属硫化物を含むことが好ましい。バッファ層40の膜厚は、10nm〜2μmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。
バッファ層40を析出させるための反応液はCdまたはZnの金属(M)と硫黄源を含むものである。これによって、上記のバッファ層を形成することができる。硫黄源としては硫黄を含有する化合物、例えばチオ尿素(CS(NH22、チオアセトアミド(C25NS)等を用いることができる。
CdSバッファ層の場合には、上記硫黄源と、Cd化合物(例えば硫酸カドミウム、酢酸カドミウム、硝酸カドミウム、クエン酸カドミウムおよびこれらの水和物等)と、アンモニア水あるいはアンモニウム塩(例えばCH3COONH4、NH4Cl、NH4Iおよび(NH42SO4等)との混合溶液を反応液として用いることができる。
ZnS、Zn(S,O)、Zn(S,O,OH)などのZn化合物層からなるバッファ層の場合には、上記硫黄源と、Zn化合物(例えば硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、クエン酸亜鉛およびこれらの水和物等)と、アンモニア水あるいはアンモニウム塩(上記と同様)との混合溶液を反応液として用いることができる。
なお、Zn化合物層からなるバッファ層を形成する場合には、反応液にはクエン酸化合物(クエン酸ナトリウムおよび/またはその水和物)を含有させることが好ましい。クエン酸化合物を含有させることによって錯体が形成されやすく、CBD反応による結晶成長が良好に制御され、膜を安定的に成膜することができる。
上記バッファ層の構成物質の析出温度は、70℃以上であることが好ましい。反応温度が70℃未満では反応速度が遅くなり、薄膜が成長しない、あるいは薄膜成長しても実用的な反応速度で所望の厚み(例えば50nm以上)を得るのが難しくなる。反応液が水系の液体であるため、反応温度が95℃超では、反応液中で気泡等の発生が多くなり、それが膜表面に付着したりして平坦で均一な膜が成長しにくくなる。さらに、反応が開放系で実施される場合には、溶媒の蒸発等による濃度変化などが生じ、安定した薄膜析出条件を維持することが難しくなる。反応温度は好ましくは80〜90℃である。
バッファ層40を形成後、必要に応じて窓層(保護層)50を成膜する。窓層50は、光を取り込む中間層である。窓層50としては、光を取り込む透光性を有していれば特に制限されないが、その組成としてはバンドギャップを考慮すれば、i−ZnO等が好ましい。窓層50の膜厚は特に制限されず、10nm〜2μmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。窓層50の成膜方法は、特に制限されないが、バッファ層40を液相法により製造するため、製造プロセスを簡易にするためには液相法であることが好ましい。窓層50は必須ではなく、窓層50のない光電変換素子もある。
窓層50を形成後、窓層50上に透光性導電層(透明電極)60を設ける。透光性導電層60は、光を取り込むと共に、下部電極20と対になって、光電変換半導体層30で生成された正孔・電子対が流れる電極として機能する層である。透光性導電層60の組成としては特に制限されず、ZnO:Al等のn−ZnO等が好ましい。透光性導電層60の膜厚は特に制限されず、50nm〜2μmが好ましい。
透光性導電層60の成膜方法としては特に制限されないが、窓層と同様、製造プロセスを簡易にするためには液相法であることが好ましい。
透光性導電層60を形成後、透光性導電層60上に上部電極70を設ける。上部電極70の主成分としては特に制限されず、Al等が挙げられる。上部電極70の膜厚は特に制限されず、0.1〜3μmが好ましい。
本発明の光電変換素子1の製造方法は、基板10として可撓性を有する基板を用いる場合は、光電変換半導体層30の表面処理からバッファ層40の成膜を、大面積の基板上に連続成膜可能なロール・トゥ・ロール(Roll-to-Roll)方式で行うことができる。
ロール・トゥ・ロール方式とは、ロール状に巻かれた可撓性基板を繰り出して、間欠的あるいは連続的に搬送しながら、巻き取りロールにより巻き取られるまでの間のプロセスを実施する方式であり、kmオーダの長尺基板を一括処理することが可能であるため、簡易に量産が可能であり好ましい。ロール・トゥ・ロール方式と、個別に切り離された基材を工程毎に搬送する枚葉方式とを比較すると、枚葉方式では、それぞれの工程に基材の搬入部、搬出部を設ける必要があり、工程毎の装置規模が大きくなりやすいが、ロール・トゥ・ロール方式では、基材は各工程間を間欠的あるいは連続的に流れるため各工程を互いに連結でき、基材搬送に伴う作業の削減や装置の小型化が可能となる。
図3に光電変換半導体層の表面処理からバッファ層の形成までをロール・トゥ・ロール方式により製造する場合の一実施の形態を概略断面フロー図で示す。図3に示す製造工程は、光電変換半導体層を成膜後の長尺基板A(図1のAで示す構成部分が長尺となったもの)が、巻き出しロール101にロール状に巻回されており、長尺基板Aの表面処理を液相で実施した後、水洗、乾燥をし、次いでバッファ層を成膜した後、さらに水洗、乾燥を実施して巻き取りロール102により巻き取るもので、表面処理工程からバッファ層の成膜後の洗浄・乾燥工程までをインラインにて実施する態様である。
図3において、巻き出しロール101から巻き出された基板Aは、ガイドロール103により導かれて各工程のゾーンに搬送される。複数のガイドロール103は、長尺基板Aの搬送方向の調整が必要な箇所に適宜配置されている。
また、上流側の反応層Pには本発明における表面処理液L1が、下流側の反応層Pには、バッファ層をCBD法で成膜する際の反応液L2がそれぞれ備えられており、反応槽Pには、長尺基板Aの処理領域を表面処理液あるいは反応液中に浸漬させるためのドラムDが配置されている。反応液L2は、バッファ層の析出温度に調温されている(調温手段は図示せず)。また、各工程後に基板の洗浄および乾燥を行うために、各反応槽Pの下流側には、洗浄シャワー111,121及び、ドライヤー112,122が備えられている。
まず、基板Aは、処理液L1中に供給され、基板Aの光電変換半導体層30の表面処理された後、洗浄シャワー111により表面を水洗され、ドライヤー112により乾燥される。この際、洗浄シャワー111の洗浄液として温水を、ドライヤー112に温風を用いることにより、所定の温度に調製された反応液L2の温度を下げることなく次工程のバッファ層の析出を行うことができる。
続いて基板Aは、反応液L2が備えられたCBD法の反応層Pに供給されてバッファ層が成膜される。バッファ層が成膜された積層基板Aは、洗浄シャワー121によりバッファ層の表面を水洗された後、ドライヤー122により乾燥され、巻き取りロール102により巻き取られる。
光電変換素子は太陽電池等に好ましく使用することができる。光電変換素子に対して必要に応じて、カバーガラス、保護フィルム等を取り付けて、太陽電池とすることができる。
以下、本発明のバッファ層の製造方法および光電変換素子を実施例によりさらに詳細に説明する。
(基板〜光電変換層の製造)
実施例1〜6および比較例1〜3は、30mm×30mm角のソーダライムガラス(SLG)基板上に、スパッタ法によりMo下部電極を0.8μm厚で成膜した。この基板上にCIGS層の成膜法の一つとして知られている3段階法を用いて膜厚1.8μmのCu(In0.7Ga0.3)Se2層を成膜した。実施例7〜11は、100μmのステンレス(SUS)基板上に、スパッタ法により30μm厚でAl層を形成し、その上にアルミニウム陽極酸化膜(AAO)を形成し、さらにその上にスパッタ法によりソーダライムガラス(SLG)層およびMo下部電極を成膜した。この基板上にCIGS層の成膜法の一つとして知られている3段階法を用いて膜厚1.8μmのCu(In0.7Ga0.3)Se2層を成膜した。
(実施例1〜11)
表1に示す表面処理化合物1(アミノ基を有する化合物)および表面処理化合物2(H22)を水に添加して表1に示す濃度となるように表面処理液を調製した。この表面処理液に光電変換半導体層を形成した基板を10分間浸漬し光電変換半導体層の表面処理を行った。
(比較例2)
表面処理液をEDAのみとした以外は実施例と同様にして光電変換半導体層の表面処理を行った。
(比較例3)
表面処理液をH22のみとした以外は実施例と同様にして光電変換半導体層の表面処理を行った。
(評価)
(エネルギー変換効率の測定)
水中にCdSO4が0.0001M、チオ尿素が0.10M、アンモニアが2Mとなるように添加・混合してバッファ層の反応液を調製した。上記で表面処理を行った光電変換半導体層(実施例1〜11、比較例2および3)と表面処理を行わなかった光電変換半導体層(比較例1とした)をバッファ層の反応液に浸漬し、CdSバッファ層を形成した。形成したバッファ層上にスパッタ法で窓層としてi−ZnO層および透明導電層としてAlをドープしたn−ZnO層を成膜した。さらにその上に蒸着法によりAl上部電極の成膜を行い、太陽電池特性を評価するためのセルとした。同一の構成のセルを10個作製し、変換効率のばらつきを評価した。作製したセルにAir Mass(AM)=1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を用いてエネルギー変換効率を測定した。
実施例1〜11、比較例1〜3の表面処理液の詳細とともに変換効率の測定結果を表1に示す。なお、変換効率は比較例1を基準とした相対値で示した。
Figure 2011165900
表1に示すように、本発明の製造方法により製造した光電変換素子は、光電変換半導体層表面処理を行わなかった比較例1の光電変換素子に比べて高い変換効率が得られた。とりわけ、アミノ基含有化合物を表面処理液中に1質量%〜30質量%含み、過酸化水素を表面処理液中に0.01質量%〜10質量%含む実施例1〜7の光電変換素子は平均20%以上の際立った変換効率の向上となった。実際の太陽電池は、実施例で用いたセルを直列に100〜200個接続した構成となっており、このような太陽電池モジュールにおいて、この変換効率の向上は、太陽電池モジュールにすればセル数に乗じた飛躍的な特性向上となる。
1 光電変換素子
10 陽極酸化基板
11 Al基材
12 陽極酸化膜
20 下部電極(裏面電極)
30 光電変換半導体層
40 バッファ層
50 窓層
60 透光性導電層(透明電極)
70 上部電極(グリッド電極)
A 積層基板
L1 表面処理液
L2 反応液

Claims (5)

  1. 基板上に、下部電極、光電変換半導体層、バッファ層、透光性導電層が順次積層された光電変換素子の製造方法であって、アミノ基を有する化合物と過酸化水素とを含有する表面処理液により前記光電変換半導体層表面の表面処理を行った後、該表面処理をした光電変換半導体層上に前記バッファ層を形成することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  2. 前記アミノ基を有する化合物が一分子中に少なくとも二つのアミノ基を有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記二つのアミノ基を有する化合物がエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンの中から選ばれる少なくとも1つであること特徴とする請求項2記載の光電変換素子の製造方法。
  4. 前記二つのアミノ基を有する化合物が前記表面処理液中に1質量%〜30質量%含まれることを特徴とする請求項3記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記過酸化水素が前記表面処理液中に0.01質量%〜10質量%含まれることを特徴とする請求項4記載の光電変換素子の製造方法。
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