JP2013012409A - 透明導電膜の生成方法及び透明導電膜生成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】In−Sn合金膜120をガラス基板12上に成膜し、成膜されたIn−Sn合金膜120を、エッチングしてパターニングした後、水蒸気生成装置42の処理室400に格納する。水蒸気生成装置42によって水蒸気を生成させて、その基板12を格納する処理室400に水蒸気を導入する。In−Sn合金膜120が水蒸気に曝された状態を所定の時間保持することで、ITO膜140となるようにIn−Sn合金膜120を酸化反応させる。
【選択図】図1
Description
導電膜材料を基板上に成膜する成膜工程と、
前記基板上に成膜された導電膜を酸化させるために前記導電膜を水蒸気に曝す水蒸気処理工程と、を備える、
ことを特徴とする。
前記パターニング工程は、前記水蒸気処理工程の前にあるようにしてもよい。
導電膜材料を基板上に成膜する成膜部と、
水蒸気を生成する水蒸気生成装置と、
前記基板上に成膜された導電膜を酸化させるために前記導電膜を水蒸気に曝す水蒸気処理部と、を備える、
ことを特徴とする。
また、成膜室300は、成膜室300内を高真空状態にするための真空ポンプ310及びバルブ312に繋がる配管に接続されている。また、成膜室300は、Arガスを導入するためのバルブ340に繋がる配管に接続されている。
なお、以下の動作は、コントローラ32の制御により実行される。
まず、搬送装置の処理により、未処理のガラス基板12が仕込室20に搬入される(ステップS101)。
次に、搬送装置は、仕込み室20に搬入されたガラス基板12を成膜室300のアノード320上に搬送し、載置する(ステップS102)。
次に、コントローラ32に真空ポンプ310及びバルブ312等が制御されることによって、成膜室300内が高真空の状態にされ、次に、バルブ340が制御されて、成膜室300内の圧力が0.1〜10Paの範囲における所定の圧力となるようにArガスが導入される。続いて、アノード320とカソード306との間の空間に磁界を生成する、これにより、アノード320とカソード306との間にプラズマが生成される。このプラズマ中で加速されたAr+イオンが、数百ev〜数十kev程度のエネルギーで、カソード306上に固定されたインジウムから成るInターゲット301及び錫からなるSnターゲット302に衝突する。この衝突によって、図2に模式的に示すように、Inターゲット301からIn原子311が放出され、Snターゲット302からSn原子312が放出される。放出されたIn原子311とSn原子312とがガラス基板12上に付着するとともに、In原子311とSn原子312とが融合してIn−Sn合金膜120が成膜される(ステップS103)。なお、この成膜処理中のガラス基板12の温度は100℃以内であり、このため、ガラス基板12上に成膜されたIn−Sn合金膜120は、結晶の粗大化を抑制される。
パターニング装置50は、フォトレジストをIn−Sn合金膜120の全面を覆うように塗布し、フォトマスクを用いてフォトレジスト膜を露光し、これを現像することによってパターンを転写する。次に、残存しているフォトレジストをマスクとしてIn−Sn合金膜120を所定パターンにエッチングする。その後、フォトレジストを除去する(ステップS105)。
ガラス基板12が処理室400内へ搬送されると、コントローラ32が、水蒸気生成装置42のヒータ422を制御することで、貯水槽420内の純水から水蒸気を発生させる。更に、コントローラ32の制御によってバルブ424が開放され、水蒸気が配管を通して処理室400内に導入される(ステップS106)。コントローラ32は、ヒータ422及びバルブ424の開度を制御することによって、処理室400内を、ほぼ相対湿度90%に維持する。更に、コントローラ32は、ヒータ/クーラ440を制御することによって、処理室400内の温度を約80℃に保ち、In−Sn合金膜120を、最大96時間水蒸気に曝すことで酸化させる(ステップS107)。
なお、本実施形態においては、この水蒸気処理中の処理室400内は、相対湿度90%であり、コントローラ32のヒータ/クーラ440の制御によって、温度80℃に保たれている。しかしこれに限定せず、温度45〜95℃、相対湿度50〜95%で水蒸気処理を実施可能である。
(1)In−Sn合金膜120の水蒸気処理前後の特性値確認
水蒸気処理によって、In−Sn合金膜120から検出される特性値(回折角度2θ(deg)におけるX線相対強度(a.u.))がITO膜140から検出される特性値に変化したかどうかをXRD(X-ray Diffraction)回折分析(以下、XRDと記載)によって確認する。この比較データを図4に示す。なお、本実施形態に係るXRDにおいては、水蒸気処理前後に、40kV、40mAの環境で、入射X線にはCuKα線(波長(α)=1.5418Å)を入射角1°でIn−Sn合金膜120に照射したものである。
また、この図5のデータのうち、(a)は、In−Sn合金膜120におけるスパッタリング時(水蒸気処理前)のデータであり、(b)は、水蒸気処理を96時間施した後のデータである。
In−Sn合金膜120の水蒸気処理後の透過率は、紫外可視分光光度計460によって測定される。図5は、波長(nm)を横軸として、透過率(%)を縦軸として、In−Sn合金膜120の各波長における光透過率を示す図である。この図5のデータのうち、点線で示されたデータは、スパッタリング時(水蒸気処理前)のデータであり、破線で示されたデータは、水蒸気処理を24時間施した後のデータ、実線で示されたデータは、水蒸気処理を96時間施した後のデータである。
この結果から、In−Sn合金膜120が水蒸気処理によって透明になったことが、透過率の値で定量的に確認された。
また、本実施形態においては、ハの字状に並列に配置されたインジウムから成るInターゲット301と錫から成るSnターゲット302を同時にスパッタして、ガラス基板12表面にインジウムと錫を同時に付着させている。このように、インジウム、錫を同時スパッタすることにより、膜厚及び組成比の調整が容易にできることで、真空蒸着による成膜方法よりも緻密で高精度な薄膜を再現性よく形成でき、且つ、低コスト化につながる。また、インジウム、錫ではないその他の材料を同時スパッタするようにして、金属膜を成膜してもよい。
また、従来技術として、高真空中に不活性ガス(主にArガス)と微量の酸素ガスを導入しながらスパッタリング(反応性スパッタリング)することで、酸化反応させながら透明導電膜を基板上に成膜する技術がある。しかし、この反応性スパッタリングによる成膜方法は、ターゲット材料をスパッタリングすると同時にターゲット材料を酸化させるという性質上、スパッタリング速度が速い場合には均一に酸化反応させることが難しい。つまり、均一に酸化反応させるためには、スパッタリング速度を所定の速さに制限する必要があり、結果的に成膜スピードが遅くなっていた。
12 :ガラス基板
120:In−Sn合金膜
140:ITO膜
20 :仕込室
30 :金属膜成膜装置(成膜部)
300:成膜室
301,302:ターゲット
306:カソード
32 :コントローラ
320:アノード
40 :水蒸気処理装置(水蒸気処理部)
400:処理室
42 :水蒸気生成装置
420:貯水槽
422:ヒータ
440:ヒータ/クーラ
46 :光学モニタ
460:紫外可視分光光度計
48 :電気抵抗モニタ
480:センサ
50 :パターニング装置
Claims (5)
- 導電膜材料を基板上に成膜する成膜工程と、
前記基板上に成膜された導電膜を酸化させるために前記導電膜を水蒸気に曝す水蒸気処理工程と、を備える、
ことを特徴とする透明導電膜の生成方法。 - 前記導電膜をエッチングするパターニング工程を更に備え、
前記パターニング工程は、前記水蒸気処理工程の前にある、ことを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜の生成方法。 - 前記成膜工程は、それぞれ別種類の金属から成る2個以上のターゲットをスパッタリングすることによって基板上に導電膜材料を成膜する工程である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電膜の生成方法。
- 前記導電膜は、In−Sn合金膜又はNb−Ti合金膜である、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の透明導電膜の生成方法。
- 導電膜材料を基板上に成膜する成膜部と、
水蒸気を生成する水蒸気生成装置と、
前記基板上に成膜された導電膜を酸化させるために前記導電膜を水蒸気に曝す水蒸気処理部と、を備える、
ことを特徴とする透明導電膜生成装置。
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JP2011144757A JP2013012409A (ja) | 2011-06-29 | 2011-06-29 | 透明導電膜の生成方法及び透明導電膜生成装置 |
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JP2011144757A Pending JP2013012409A (ja) | 2011-06-29 | 2011-06-29 | 透明導電膜の生成方法及び透明導電膜生成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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