JP2013011485A - 台秤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】計量皿が複数の重量センサユニットで支えられた台秤であって、重量センサユニットの計量皿に当接する箇所に、回転可能な複数のボール141が円周上に保持されたボールユニット142と、ボールユニット142を間に挟んで相対移動が可能な上板143及び下板144とを備える分力緩衝装置140が配置され、下板144が重量センサユニット側に固定される。上板143は円錐台状の頂部を備えるボス150を有し、ボスと被覆部の内側に設けられた擂鉢状凹部とが係合して、上板143に対する計量皿の位置が規制される。計量皿の撓みに起因する測定誤差を効果的に除くことができ、高い精度での計量が可能である。
【選択図】図6
Description
この台秤は、図12に示すように、平坦な計量皿(不図示)を支える上側フレーム10と、二本の並行する基礎フレーム20、20と、基礎フレーム20、20間に掛け渡された重量センサユニット30とを備えている。図13に示すように、重量センサユニット30のセンサケース33内には、音叉振動子41と、加えられた荷重を縮小して音叉振動子41に伝えるブロック体42とを備える重量センサ40が収納されており、ブロック体42の内部には、ブロックを削り込んでロバーバル機構や梃子機構が形成されている。
重量物を計量皿に載せると、その重みで上側フレーム10が撓み、そのため、重量センサ40に水平方向の応力が作用する。この水平方向の力は、垂直方向の荷重を検出する重量センサ40にとって誤差となり、検出精度を低下させる。こうした誤差を減らすため、分力緩衝装置32は、上側フレーム10の撓みに起因する水平方向の応力を逃がし、重量センサ40に水平方向の応力が及ばないようにしている。
こうした要請に応えて、例えば、秤量300kg、分解能30万分の1の台秤を製造する場合には、重量物を載せたときの計量皿の撓みや、計量皿に加わる衝撃などが高精細な重量センサに悪影響を及ぼさないように、構造上の細心の配慮が必要になる。
台秤に重量物を載せると、計量皿に、縦方向、横方向及び対角線方向などの撓みが発生するが、この台秤では、分力緩衝装置のボールユニットが、いずれの方向の撓みによる水平方向の応力をも逃がすことができるため、高精度の計量が可能になる。また、計量皿と重量センサユニットとの位置関係は、分力緩衝装置の上板に設けられたボスと計量皿の内側に設けられた擂鉢状凹部との係合によって自動的に調整される。
この台秤は、計量皿として、重量センサユニットを覆う被覆部よりも被計量物の載置面を一段低くした低床化構造を採用しているため、被計量物が載せ易い。この構造では、重量物を載せる際の計量皿の安定性が確保できるように、少なくとも4個の重量センサユニットを矩形位置に配置して計量皿を支える必要があり、重量物を載せた計量皿には、縦方向、横方向及び対角線方向の撓みが発生するが、分力緩衝装置のボールユニットは、いずれの方向の撓みによる水平方向の応力をも逃がすことができる。
本発明は、平らな計量皿を有する標準的な台秤にも適用できる。
このように、分力緩衝装置は、分力緩衝機能と計量皿支持機能とを併せ持つ形でユニット化されているため、台秤の組立て工数が削減できる。
計量皿に固定した受部材と分力緩衝装置の上板のボスとが係合して、分力緩衝装置の上板に対する計量皿の位置が規制される
このように擂鉢状凹部及びボスの形状を設定することで、台秤に計量皿をセットする際の位置決めが容易になる。また、計量皿に側面から衝撃が加わったときには、計量皿がボスの上方に滑り上がり、それにより重量センサに加わる衝撃を減じることができる。
擂鉢状凹部の傾斜角度を30°を中心に±1°の範囲内に設定すると、計量皿の安定的な位置決めが可能であるとともに、計量皿の側面に加わる衝撃が大きい場合に、上方への滑り上がりで、重量センサに加わる衝撃を効果的に減じることができる。
また、分力緩衝機能と計量皿支持機能とを併せ持つ分力緩衝装置を用いているため、台秤の組立てが容易であり、製造コストの低減を図ることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る低床台秤の全体形状を示し、図2は、その分解斜視図を示している。
この台秤の計量皿100は、被計量物を載置する載置面101と、載置面101の両側で重量センサユニット120を覆うボックス状の被覆部102とを有し、載置面101が被覆部102の頂面よりも一段低くなるように載置面101と被覆部102とが一体化されている。なお、一枚の板を成形して載置面101と被覆部102とを備える計量皿100を構成しても良い。
また、被覆部102の側面には、計量皿100をセットしたり、取り外したりするときに使用する把手103が固定されている。また、載置面101の裏側には、図9に示すように、補強桟104が裏打ちされている。
台秤のベースは、重量センサユニット120を固定する一対の取付けフレーム130と、取付けフレーム130間を接続する一対の接続フレーム131とから成る。
重量センサユニット120は、一本の取付けフレーム130に二つずつ取付けられており、合計4個の重量センサユニット120が矩形状を成す位置に固定されている。
重量センサユニット120のセンサケース121には、特許文献1に記載されたものと同様の重量センサが収容されている。センサケース121の開口は蓋板122で閉じられているが、計量皿100に加わる荷重を重量センサの可動部に伝達する4本のボルト123は、蓋板122を貫いてセンサケース121の外に導出されている。
このボルト123は、固定板124と機械的に結合されており、また、固定板124には、分力緩衝ユニット140が固定されている。
この分力緩衝ユニット140は、転動可能な複数のボール141をリテーナで円周上に保持したボールユニット142と、ボールユニット142の上側に配置された上板143と、ボールユニット142の下側に配置された下板144と、ボールユニット142を間に挟んで上板143及び下板144が相対移動できるように結合する鍋頭ネジなどの有頭ネジ145とを有している。
下板144は、さらに、凹部146から外れた位置(外壁部材148の外側)に、ネジ孔を備えた筒状部149を有している。このネジ孔は、下板144の裏面にまで達しており、このネジ孔に有頭ネジ145の軸部が螺合される。
上板143は、さらに、筒状部149に対応する位置に長孔151を有している。長孔151の長手方向に直交する幅は、有頭ネジ145の軸部の直径よりも広く、有頭ネジ145の頭部の直径よりも狭くなるように設定されている。
この分力緩衝ユニット140では、有頭ネジ145の軸部が上板143の長孔151に遊嵌し、また、図8に示すように、ボールユニット142のボール141が下板144の凹部146の底面と上板143とに接しているため、上板143と下板144との水平方向の相対移動が全ての方向において許容される。
また、有頭ネジ145の頭部が長孔151の幅よりも大きい直径を有しているため、有頭ネジ145の軸部を下板144のネジ孔に螺合すれば、上板143は上方に脱出できず、ユニット化した状態が維持される。
また、下板144を貫通した有頭ネジ145の軸部の先端を重量センサユニット120の固定板124に螺合すれば、分力緩衝ユニット140を重量センサユニット120に簡単に結合することができる。
受部材152は、分力緩衝ユニット140のボス150が係合する擂鉢状凹部153を有している。この擂鉢状凹部153の底面の面積は、ボス150の頂面の面積よりも広く設定されている。例えば、擂鉢状凹部153の底面の直径を12mm、ボス150の頂面の直径を8mmとしている。また、擂鉢状凹部153の傾斜面の傾斜角度は、ボス150の円錐面の傾斜角度と同じ角度に設定している。この傾斜角度は、後述するように30°を中心に±1°の範囲内に設定することが望ましい。
この受部材152は、重量センサユニット120の固定板124に固定された分力緩衝ユニット140のボス150の位置に対応付けて、計量皿100の被覆部102の内側に装着される。
この低床台秤では、受部材152を装着した計量皿100を重量センサユニット120の上にセットしたとき、受部材152の擂鉢状凹部153の底面位置がボス150の頂面位置から外れていると、擂鉢状凹部153の傾斜面とボス150の円錐面とが当接して、受部材152は、計量皿100の自重でボス150の円錐面に沿って下方に移動する。その結果、受部材152の擂鉢状凹部153の底面位置は、ボス150の頂面位置に自動的に一致することになる。
このとき、擂鉢状凹部153の傾斜面の傾斜角度が大き過ぎると、計量皿100の上方への滑り上がりが果たせず、衝撃が軽減できない。一方、擂鉢状凹部153の傾斜面の傾斜角度が小さ過ぎると、僅かな衝撃でボス150と受部材152との係合が外れ、計量皿100を安定的に保持することができない。
また、この低床台秤では、計量皿100の被覆部102がボックス状の構造を有し、機械的強度が強いため、この被覆部102に固定した受部材152と重量センサユニット120側のボス150とを係合させるだけで、計量皿100を支えることができる。
なお、ここでは、4個の重量センサユニットを配置する場合について説明したが、組み込む重量センサユニットの数は、4個より多くても良い。
また、ここでは、計量皿の載置面が他の部分より一段低くなった低床台秤について説明したが、本発明は、平坦な計量皿を備える標準的な台秤にも適用可能である。
また、本発明では、計量皿を除くベース部分(分力緩衝ユニットを備える重量センサユニットと、その保持フレーム)を共通にし、計量皿の部分だけを低床用または標準型に変更して、低床台秤及び標準台秤を得ることも可能である。この場合、部品の共通化により低床台秤及び標準台秤の製造コストを低減できる。
101 載置面
102 被覆部
103 把手
104 補強桟
120 重量センサユニット
121 センサケース
122 蓋板
123 ボルト
124 固定板
130 取付けフレーム
131 接続フレーム
140 分力緩衝ユニット
141 ボール
142 ボールユニット
143 上板
144 下板
145 有頭ネジ
146 凹部
147 規制部材
148 外壁部材
149 筒状部
150 ボス
151 長孔
152 受部材
153 擂鉢状凹部
Claims (7)
- 計量皿が複数の重量センサユニットで支えられた台秤であって、
前記重量センサユニットの前記計量皿に当接する箇所に、回転可能な複数のボールが円周上に保持されたボールユニットと、該ボールユニットを間に挟んで相対移動が可能な上板及び下板とを備える分力緩衝装置が配置され、
前記分力緩衝装置の下板が、前記重量センサユニットの側に固定され、
前記分力緩衝装置の上板は、前記計量皿の側に円錐台状の頂部を備えるボスを有し、前記ボスと前記計量皿の内側に設けられた擂鉢状の凹部とが係合して、前記上板に対する前記計量皿の位置が規制されることを特徴とする台秤。 - 請求項1に記載の台秤であって、前記計量皿が、被計量物を載置する載置面と、該載置面の両側で重量センサユニットを覆う被覆部とを有し、前記載置面が前記被覆部の頂面よりも低く設定され、
前記分力緩衝装置の上板の前記ボスが、前記被覆部の内側に設けられた擂鉢状の凹部と係合することを特徴とする台秤。 - 請求項1に記載の台秤であって、前記計量皿が、平坦な上面を有することを特徴とする台秤。
- 請求項1から3のいずれかに記載の台秤であって、前記分力緩衝装置の前記下板は、深さが前記ボールユニットの厚さより浅い、前記ボールユニットを収容するための凹部と、前記凹部から外れた位置に設けられたネジ孔とを具備し、前記ボスが立設された前記上板は、前記下板の前記ネジ孔に対向する位置に設けられた長孔を具備し、前記凹部に収容された前記ボールユニットを間に挟んで対向する前記下板と前記上板とが、前記長孔に遊嵌されて前記ネジ孔に螺合された有頭ネジにより、相対移動可能な状態で結合されていることを特徴とする台秤。
- 請求項1から4のいずれかに記載の台秤であって、前記計量皿の内側に、前記擂鉢状凹部を有する受部材が固定されていることを特徴とする台秤。
- 請求項1から5のいずれかに記載の台秤であって、前記擂鉢状凹部の底面の面積が、前記ボスの頂面の面積より広く、前記擂鉢状凹部の傾斜面の傾斜角度が、前記ボスの円錐面の傾斜角度に対応していることを特徴とする台秤。
- 請求項6に記載の台秤であって、前記擂鉢状凹部の傾斜面の傾斜角度が(30−1)°以上、(30+1)°以下であることを特徴とする台秤。
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