JP2013010379A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン自動停止時における送風機の風量を低下させるようにしても乗員が不快感を感じ難くし、エンジンが空調の影響によって再始動されてしまうのを抑制し、エンジンが自動停止している時間をできるだけ長くする。
【解決手段】送風機と熱交換器と日射センサとを有する空調装置と、所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させるとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止させたエンジンを再始動させるエンジン自動停止制御装置とを備えた車両の制御装置は、エンジンの自動停止中でかつ空調装置の作動中において、冷房時には、暖房時よりも風量が多くなるように送風機を制御するとともに、日射センサにより検出された日射量が所定日射量以上である場合には、所定日射量よりも少ない場合に比べて風量が多くなるように上記送風機を制御するように構成されている(ステップSD2)。
【選択図】図8

Description

本発明は、所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させるとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止させたエンジンを再始動させるように構成された車両の制御装置に関するものである。
近年、燃費向上や排気ガス低減等の目的で、車両が信号待ち等で停止したときに、車両に搭載されたエンジンを自動停止(アイドリング自動停止)させるように構成されたエンジン自動停止機能付車両が増加しつつある。このような車両では、例えばブレーキペダルの踏み込み操作がなされ、かつ、車速が0になる等といった所定のエンジン停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させるとともに、その後に、例えばブレーキペダルの踏み込みが開放されたりアクセルペダルが踏み込まれたりする等といった所定のエンジン再始動条件が成立したときに、該自動停止させたエンジンを再始動させるようにしている。
一方、車両には、通常、該車両の室内の空調を行う空調装置が搭載されている。この空調装置は、熱媒体(エンジン冷却水や冷媒)が流れる熱交換器(加熱用熱交換器としてのヒータコアや冷却用熱交換器としてのエバポレータ)と、熱媒体を熱交換器へ供給するウオータポンプやコンプレッサと、熱交換器に空調用空気を送風する送風機とを有しており、送風機から送風された空調用空気が熱交換器を通過して熱媒体と熱交換を行うことによって加熱又は冷却されて車室内へ供給され、このことで車室内の空調が行われるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
上記ウオータポンプやコンプレッサは、通常、エンジンにより駆動されるようになっているので、エンジンが自動停止した場合には、ウオータポンプやコンプレッサも停止する。このため、自動停止が長時間続くと空調性能が低下して乗員に対し不快感を与えてしまう。
そこで、特許文献1の空調装置では、エンジン自動停止後の送風機風量をエンジン自動停止前の送風機風量よりも低下させるようにしている。これにより、エンジンが自動停止して例えばエバポレータの温度が上昇するような状況において、風量が自動的に低下するので、車室内に供給される空気の体感上の温度変動が抑制される。
特開2002−192933号公報
しかしながら、特許文献1の空調装置では、エンジンが自動停止した後に風量を一律に低下させるようにしているので、特に夏場の冷房が必要な場合に乗員が暑さによって不快感を感じやすくなる。すなわち、冬場、乗員は寒さを想定して厚着しているため、衣服を脱ぐことによって調整することが可能である一方、夏場は一般に乗員が薄着であり、日射が強くても衣服を脱ぐことによって調整することは困難であり、不快感を感じやすくなる場面が多い。
乗員が不快感を感じると、車両停止中であるにも関わらずエンジンを再始動させてしまい、ひいては、エンジン自動停止機能の効果を十分に得ることができなくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジン自動停止時に乗員が不快感を感じ難くし、エンジンが空調の影響によって再始動されてしまうのを抑制し、エンジンが自動停止している時間をできるだけ長くすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、冷房時及び暖房時のそれぞれで日射量に応じて風量を変えるようにした。
第1の発明は、空調用空気を送風する送風機と、車両のエンジンにより駆動される補機から供給される熱媒体と上記送風機により送風される空調用空気とを熱交換させる熱交換器と、日射量を検出する日射センサとを有する空調装置と、所定のエンジン停止条件が成立したときに上記エンジンを自動停止させるとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止させたエンジンを再始動させるエンジン自動停止制御装置とを備え、上記エンジン自動停止制御装置は、上記エンジンの自動停止中でかつ上記空調装置の作動中において、上記所定のエンジン再始動条件とは別に定めた、上記熱交換器の温度に関する所定の条件が成立したときには、該所定のエンジン再始動条件が不成立であっても、上記エンジンを再始動させるように構成された車両の制御装置であって、上記エンジンの自動停止中でかつ上記空調装置の作動中において、冷房時には、暖房時よりも風量が多くなるように上記送風機を制御するとともに、上記日射センサにより検出された日射量が所定日射量以上である場合には、所定日射量よりも少ない場合に比べて風量が多くなるように上記送風機を制御するように構成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、冷房時には暖房時よりも風量が多くなるので、夏場であっても乗員の不快感が低減される。また、冷房時に日射が強い場合には風量が多くなるので、このことによっても乗員の不快感が軽減される。
第2の発明は、第1の発明において、暖房時には、上記日射センサにより検出された日射量が所定日射量以上であると検出された場合に、所定日射量よりも少ない場合に比べて風量が少なくなるように上記送風機を制御するように構成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、暖房時に日射が強いということは、暖房能力が低くてもよい状況であり、このときに風量が少なくなるので、熱源が無駄に利用されてしまうのが回避される。
第3の発明は、第1または2の発明において、上記エンジンの自動停止中でかつ上記空調装置の作動中には、所定の下限値以上の風量となるように上記送風機を制御することを特徴とするものである。
この構成によれば、エンジンの自動停止中に少なくとも必要最小限の空調性能を確保することが可能になる。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、上記エンジンの自動停止中でかつ上記空調装置の作動中には、所定の上限値以下の風量となるように上記送風機を制御することを特徴とするものである。
この構成によれば、エンジンが自動停止して熱交換媒体の供給が停止した状態で、大風量の送風がなされなくなる。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、空調装置は、空調用空気を冷却する冷却用熱交換器と、空調用空気を加熱する加熱用熱交換器と、上記冷却用熱交換器を通過した空気及び上記加熱用熱交換器を通過した空気の混合量を変化させるエアミックスドアと、車両の外気温を検出する外気温センサとを備え、上記エアミックスドアの開度と、上記外気温センサにより検出された外気温との少なくとも一方に基づいて、冷房と暖房のいずれであるかを判定することを特徴とするものである。
この構成によれば、空調装置が冷房と暖房のいずれを行っているかを正確に判定することが可能になる。
第1の発明によれば、冷房時に暖房時よりも風量が多くなるようにするとともに、日射が強い場合にも風量を多くするので、乗員が不快感を感じ難くなる。これにより、エンジンが空調の影響によって再始動されてしまうのを抑制でき、エンジンが自動停止している時間を長くすることができる。
第2の発明によれば、暖房時に日射が強い場合に風量を少なくするようにしたので、熱源が無駄に利用されてしまうのを回避でき、熱交換器の温度に関する条件によってエンジンが再始動されてしまう頻度を低減できる。よって、エンジン自動停止機能の効果を十分に得ることができる。
第3の発明によれば、アイドリングの自動停止中に、少なくとも必要最小限の空調性能を確保できるので、乗員の快適性を確保できる。
第4の発明によれば、エンジンが自動停止して熱交換媒体の供給が停止した状態で大風量の送風がなされなくなるので、車室内に供給される空気の体感上の温度変動を抑制できる。
第5の発明によれば、エアミックスドアの開度と外気温とに基づいて冷房と暖房のいずれであるか判定するようにしたので、正確に判定することができる。
本発明の実施形態に係る制御装置が搭載された車両の空調装置の概略構成を示す図である。 上記車両の車室前側を示す斜視図である。 上記車両の制御装置の構成を示すブロック図である。 エアコン制御ユニットの制御動作を示すフローチャートである。 ブロアの風量設定を行うグラフである。 ブロアの風量補正の手順を示すフローチャートである。 曇り抑制風量補正の手順を示すフローチャートである。 通常時風量補正の手順を示すフローチャートである。 アイドリング自動停止の許可/禁止判定の手順を示すフローチャートである。 吹出空気温度の予測に用いるエアミックスドア開度補正の手順を示すフローチャートである。 外気温度(Ta)とエアミックスドアの開度補正量(Tia)との関係を示す表である。 第1アイドリング停止判定の手順を示すフローチャートである。 吹出空気の予測手順を示すフローチャートである。 第2アイドリング停止判定の手順を示すフローチャートである。 エアミックスドアの開度(エアミックスドアによる加熱通路入口の開度)と吹出モードとの関係を示す図である。 エアミックスドアの開度(エアミックスドアによる加熱通路入口の開度)と温度−時間換算係数γとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図3は、本発明の実施形態に係る車両(本実施形態では、乗用自動車)の制御装置100を示す。この車両の制御装置100は、図1にも示す空調装置1と、上記車両のエンジンの点火装置4や燃料噴射装置5等を制御するエンジン制御ユニット3と、このエンジン制御ユニット3に対しエンジンの停止及び再始動信号を出力する車両制御ユニット6とを備えている。空調装置1は、当該空調装置1の作動を制御するエアコン制御ユニット2を含んでいる。
また、車両には、図3にのみ示すが、フロントウインド用のワイパー装置11が設けられている。このワイパー装置11は、ON/OFFの切り替え及び間欠動作モードの切り替えを行うワイパースイッチ12を備えている。ワイパー装置11は、エアコン制御ユニット2にも接続されており、ワイパー装置11の作動状態がエアコン制御ユニット2に入力されるようになっている。
上記空調装置1は、図2に示す、上記車両の車室の前端部に配設されたインストルメントパネルIP内に収容されている。このインストルメントパネルIPの車幅方向略中央部には、空調装置1を操作するための操作パネルBが配設されている。そして、インストルメントパネルIPの車両後方における車両右側には、運転席(図示せず)が配設され、その車両左側には、助手席(図示せず)が配設されている。
インストルメントパネルIP上面の前端部には、上記車室内におけるフロントウインド(図示せず)の内面に向けて、空調装置1で生成された調和空気が吹き出すデフロスタ口7が開口している。また、インストルメントパネルIP上面の車幅方向両端部には、上記車室内におけるサイドウインド(図示せず)の内面に向けて、上記調和空気が吹き出すデミスタ口8がそれぞれ開口している。さらに、インストルメントパネルIPの車幅方向略中央部には、上記車室内における乗員の上半身に向けて、上記調和空気が吹き出すセンタベント口9が開口しているとともに、インストルメントパネルIPの車幅方向両端部にも、上記車室内における乗員の上半身に向けて、上記調和空気が吹き出すサイドベント口10が開口している。
図1に示すように、上記空調装置1は、樹脂材を成形してなるケース20を備えている。このケース20には、空気導入部21と温度調節部22と調和空気分配部23とが設けられている。尚、ケース20は、例えば、空気導入部21と温度調節部22と調和空気分配部23とに3分割されたものや、空気導入部21と、温度調節部22及び調和空気分配部23とに2分割されたもの(送風ユニットと空調ユニットとに2分割されたもの)、空気導入部21と温度調節部22と調和空気分配部23とが車幅方向中央部に一体的に設けられたもの(いわゆるフルセンタタイプ)であってもよい。
上記空気導入部21には、上記車室内で開口し車室内の空気をケース20内に取り入れるための内気導入口25と、車室外に連通するダクト(図示せず)に接続されて車室外の空気をケース20内に取り入れるための外気導入口26とが形成されている。空気導入部21の内部には、上記内気導入口25及び外気導入口26の一方を開いて他方を閉じる内外気切替ドア27が設けられている。この内外気切替ドア27は、ケース20の外面に固定された内外気アクチュエータ28(図3参照)により動作して、内気導入口25及び外気導入口26の一方を開き他方を閉じるようになっている。この内外気アクチュエータ28は、サーボモータを内蔵した周知の構造のものである。この内外気アクチュエータ28により、空気の導入モードを、内気のみをケース20に導入する内気導入モードと、外気のみをケース20に導入する外気導入モードとに切り替えることができるようになっている。
上記空気導入部21内における内外気切替ドア27の近傍には、ケース20内に取り入れられた空気を濾過するためのエアフィルタ31が配設され、このエアフィルタ31よりもケース20内の奥側には、内気導入口25又は外気導入口26より空気をケース20の空気導入部21内に導入して、そこから該空気を温度調節部22及び調和空気分配部23へと流すためのブロア32が配設されている。
ブロア32は遠心式ファンであって、その回転軸が上下方向に延びるように配置されている。ブロア32の下部には、該ブロア32を回転駆動するためのブロアモータ33が配置されている。このブロアモータ33は、一部がケース20の外部に突出した状態で該ケース20に固定されている。
以下、上記空気の流れ方向の上流側及び下流側をそれぞれ、単に上流側及び下流側という。
上記空気導入部21の下流側(図1の右側)に位置する温度調節部22内の上流部分には、冷却通路22aが形成されていて、この冷却通路22aには、ケース20内に導入された空気(つまり上記車室内への送風空気)を冷却する冷却用熱交換器としてのエバポレータ35が収容配置されている。このエバポレータ35と、上記エンジンにより駆動される補機としてのコンプレッサー36(図3参照)と、冷媒凝縮器(図示せず)と、膨張弁(図示せず)とで、周知の冷凍サイクルが構成されている。
エバポレータ35は、複数のチューブとフィン(共に図示せず)とを交互に並べて一体化したチューブアンドフィンタイプの熱交換器である。エバポレータ35には、熱媒体としての冷媒がクーラパイプ(図示せず)を介して給排され、この冷媒がチューブを流通するようになっている。エバポレータ35のフィン間を通過する空気がチューブを流通する冷媒と熱交換し、これによって該空気が冷却される。
エバポレータ35の直下流側には、エバポレータ35を通過した直後の空気の温度(エバポレータ35の表面温度と見做すことができる)を検出するための温度センサであるエバセンサ37が配設されている。エバセンサ37により、エバポレータ35による空気の冷却状態を検出することができる。このエバセンサ37は、冷却状態検出手段を構成することになる。尚、冷却状態検出手段としては、エバポレータ35の表面から下流側に若干離れて配置された温度センサであってもよい。
上記温度調節部22内における冷却通路22aの下流側には、冷却通路22aを流れてきた空気(エバポレータ35により冷却された空気)の一部又は全部が流れる加熱通路22bが形成されている。この加熱通路22bの上流端(加熱通路22bの入口)は、冷却通路22aの下流端に接続されている。加熱通路22bには、冷却通路22aを流れてきた空気(上記車室内への送風空気)を加熱する加熱用熱交換器としてのヒータコア43が収容配置されている。
ヒータコア43は、エバポレータ35と同様のチューブアンドフィンタイプの熱交換器である。ヒータコア43には、上記エンジンにより駆動される補機としてのウォーターポンプ(図示せず)から熱媒体としてのエンジン冷却水がヒータパイプ(図示せず)を介して給排されるようになっている。このヒータコア43を通過する空気がチューブを流通するエンジン冷却水と熱交換し、これによって該空気が加熱される。
ヒータコア43の直下流側には、ヒータコア43を通過した直後の空気の温度(ヒータコア43の温度と見做すことができる)を検出するための温度センサからなるヒータコアセンサ38が配設されている。ヒータコアセンサ38により、ヒータコア43による空気の加熱状態を検出することができる。このヒータコアセンサ38は、ヒータコア38の外部温度を検出する外部温度センサを構成することになる。尚、外部温度センサとしては、ヒータコア43の表面から下流側に若干離れて配置された温度センサであってもよい。
加熱通路22bの側方には、冷却通路22aを流れてきた空気の一部又は全部を、加熱通路22b(ヒータコア43)をバイパスして流すバイパス通路44が形成されている。このバイパス通路44の上流端も冷却通路22aの下流端に接続されている。そして、冷却通路22aを流れてきた空気の一部が加熱通路22bへと流れた場合、その残りの空気がバイパス通路44を流れることになる。バイパス通路44は、冷却通路22aの一部と見做すことができ、この場合、加熱通路22bは、冷却通路22aにおけるエバポレータ35の下流側の部分から分岐したことになる。
上記加熱通路22b及びバイパス通路44(冷却通路22a)の下流端は、該加熱通路22b及びバイパス通路44(冷却通路22a)からの空気が混合されて上記車室内へ送風される調和空気が生成されるエアミックス空間45に連通している。このエアミックス空間45で混合されて得られた調和空気の温度は、バイパス通路44(冷却通路22a)を流れてきた空気と、加熱通路22bを流れてきた空気との流量割合で決まる。この流量割合は、加熱通路22bの入口に設けられかつ該入口の開度を変更するエアミックスドア46により調節することができる。すなわち、エアミックスドア46は、加熱通路22bの入口の開度を変更することによってエバポレータ35を通過した空気とヒータコア43を通過した空気の混合量を変化させ、これにより上記調和空気の温度を調整するように構成されている。
エアミックスドア46は、ケース20の外面に固定されたエアミックスアクチュエータ48(図3参照)により動作するようになっている。エアミックスアクチュエータ48は、上記内外気アクチュエータ28と同様に構成されている。エアミックスアクチュエータ48を動作させてエアミックスドア46による加熱通路22b入口の開度(以下、エアミックスドア46の開度(MIXac)という)を変更することにより、バイパス通路44の空気流量と加熱通路22bの空気流量との割合が変更され、その結果、エアミックス空間45で混合されて得られる上記調和空気の温度が変更される。エアミックスドア46の開度(MIXac)が0%であるとき(図1に実線で示す)には、加熱通路22b入口が全閉とされて、冷却通路22aを流れてきた空気の全部がバイパス通路44へと流れる。一方、エアミックスドア46の開度(MIXac)が100%であるとき(図1に仮想線で示す)には、加熱通路22b入口が全開とされて、冷却通路22aを流れてきた空気の全部が加熱通路22bへと流れる。エアミックスドア46の開度(MIXac)は、0%〜100%の間で任意の値に設定することが可能である。
上記温度調節部22(エアミックス空間45)の下流側には、エアミックス空間45における上記調和空気をデフロスタ口7やセンタベント口9等に分配する調和空気分配部23が位置している。調和空気分配部23の内部には、エアミックス空間45から分岐して延びるベント通路47、ヒート通路49及びデフロスタ通路59が形成されている。ベント通路47の下流端は、ケース20の外面にベント吹出口50として開口し、ヒート通路49の下流端は、ケース20の外面にヒート吹出口51として開口し、デフロスタ通路59の下流端は、ケース20の外面にデフロスタ吹出口52として開口している。
ベント吹出口50には、インストルメントパネルIPのセンタベント口9及びサイドベント10に連通するベントダクト53の上流端が接続されている。また、ヒート吹出口51には、複数のヒートダクト54(図2にその一部を示す)の上流端が接続され、こられヒートダクト54の下流端(開口)は、前席乗員(運転席乗員及び助手席乗員)の足下及び後席乗員の足下近傍に位置している。また、デフロスタ吹出口52には、インストルメントパネルIPのデフロスタ口7及びデミスタ口8に連通するデフロスタダクト55の上流端が接続されている。上記ベント通路47、ヒート通路49及びデフロスタ通路59は、調和空気分配部23の内部に配設されたベントドア56、ヒートドア57及びデフロスタドア58によりそれぞれ開閉されるようになっている。
上記ベントドア56、ヒートドア57及びデフロスタドア58は、図示しないが、リンク部材によって互いに連結されており、後述の吹出モードを切り替えるための吹出モードアクチュエータ60(図3参照)により互いに連動して動作するようになっている。上記吹出モードアクチュエータ60は、上記内外気アクチュエータ28と同様にサーボモータを内蔵した周知の構造のものであり、ケース20の外面に固定されている。
上記空調装置1は、図3に示すように、エンジン水温センサ64、外気温センサ65、内気センサ66及び日射センサ67を備えている。エンジン水温センサ64は、エンジン冷却水の温度を検出するための温度センサである。エンジン水温センサ64は、ヒータコア43を流通するエンジン冷却水の温度を検出する。これにより、ヒータコア43による空気の加熱状態を検出できる。
エンジン水温センサ64と、上記ヒータコアセンサ38とは、ヒータコア43による空気の加熱状態を検出する加熱状態検出手段を構成している。
外気温センサ65は、車両周囲の外気温度を検出するための温度センサであって、フロントグリル(図示せず)近傍やドアミラー(図示せず)近傍等の車室外に配設されている。上記内気センサ66は、車室内温度を検出するための温度センサであって、インストルメントパネルIPの運転席側に配設されている(図2参照)。上記日射センサ67は、車室内に差し込んでくる太陽光の強さである日射量を検出するためのものであって、インストルメントパネルIPの前端部に配設されている(図2参照)。
上記インストルメントパネルIPの操作パネルBには、図3に示すように、温度設定スイッチ68、吹出モードスイッチ69、エアコンスイッチ70、内外気切替スイッチ71、ブロアスイッチ72、エアコン優先スイッチ73、DEFスイッチ80及びオートスイッチ81が配設されている。
上記温度設定スイッチ68は、上記車両の乗員が車室内温度を所望の温度に設定するために操作するスイッチである。この温度設定スイッチ68は、上記車両の乗員の操作により設定された設定温度を検出する設定温度検出手段を構成する。
上記吹出モードスイッチ69は、上記調和空気の吹出モードを乗員が選択するために操作するスイッチである。この吹出モードとしては、センタベント口9及びサイドベント口10から調和空気が吹き出すベントモードと、センタベント口9及びサイドベント口10に加えて、ヒートダクト54の下流側開口からも調和空気が吹き出すバイレベルモードと、ヒートダクト54の下流側開口から調和空気が吹き出すヒートモードと、デフロスタ口7、デミスタ口8及びヒートダクト54の下流側開口から調和空気が吹き出すヒートデフモードと、デフロスタ口7及びデミスタ口8から調和空気が吹き出すデフロスタモードとがある。後述の自動空調モードでは、ヒートデフモード及びデフロスタモードになるのは、上記エンジン水温センサ64により検出されたエンジン冷却水の温度が所定値以下であるエンジン冷間時であり、エンジン冷却水の温度が上記所定値よりも高いエンジン温間時であるときには、ベントモード、バイレベルモード及びヒートモードのいずれかとなる(但し、DEFスイッチ80がONになったときには、デフロスタモードになる)。上記エンジン冷間時には、後述のエンジンの自動停止はなされない。このため、後に説明するエアコン制御ユニット2の制御では、エンジン温間時の制御について説明する。尚、エンジン温間時であっても、DEFスイッチ80がONであるとき等のように、後述の第1アイドリング停止判定によりアイドリング停止禁止と判定されたときにも、エンジンの自動停止はなされない。
上記エアコンスイッチ70は、上記車両の乗員が、冷凍サイクルのコンプレッサー36の動作モードを設定するために操作するスイッチであって、コンプレッサー36を通常運転させるA/Cモードを選択するためのA/Cポジションと、弱冷房でよい場合のエコノミーモード(ECOモード)を選択するためのECOポジションと、コンプレッサー36を運転させないOFFモードを選択するためのOFFポジションとを備えており、乗員が3つのポジションから任意の1つを選択できるようになっている。
上記内外気切替スイッチ71は、上記車両の乗員が、空気の導入モードを内気導入モードと外気導入モードとに切り替えるために操作するスイッチである。
上記ブロアスイッチ72は、上記車両の乗員が、空調装置1を作動状態にするか、又は非作動状態にするかを選択するために操作するスイッチである。ブロアスイッチ72をONにすると、空調装置1が作動し、OFFにすると、空調装置1の作動が停止する。また、ブロアスイッチ72は、ON状態であるときに、上記車両の乗員が操作することで、ブロア32による風量を多段階に増減させることも可能である。
上記エアコン優先スイッチ73は、上記車両の乗員が、空調装置1の作動を優先して上記エンジンを後述の如く自動停止させないようにする(エアコン優先モードにする)ために操作するスイッチである。すなわち、この車両においては、エアコン優先モードにすることで、エンジンの自動停止機能を解除することができるようになっている。
上記DEFスイッチ80は、上記車両の乗員が、フロントウインドやサイドウインドが曇ったときにその曇を晴らすために操作するスイッチであって、該DEFスイッチ80をONにすると、吹出モードがデフロスタモードとなりかつ風量が増大されるようになっている。
上記オートスイッチ81は、上記車両の乗員が、自動空調モードと手動モードとの一方を選択するために操作するスイッチである。自動空調モードが選択されたときには、吹出モード、導入モード及び風量が、車室の空調状態に応じて自動的に設定される。一方、手動モードが選択されたときには、吹出モード、導入モード及び送量が、それぞれ、吹出モードスイッチ69、内外気切替スイッチ71及びブロアスイッチ72により設定(選択)された吹出モード、導入モード及び風量となる。
上記エアコン制御ユニット2は、図示しないが、中央演算処理装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、入出力ポート等を有しており、車載バッテリー(図示せず)から電力の供給を受けて作動するようになっている。
エアコン制御ユニット2の入出力ポートには、上記各スイッチ68〜73,80,81、上記各センサ37,38,64〜67及びワイパー装置11が信号線を介して接続されているとともに、ブロアモータ33及び各アクチュエータ28,48,60が信号線を介して接続されている。そして、エアコン制御ユニット2は、上記各スイッチ68〜73,80,81、上記各センサ37,38,64〜67及びワイパー装置11からの情報を入力して、該入力情報に基づいて、ブロアモータ33及び各アクチュエータ28,48,60の作動を制御する。
上記エンジン制御ユニット3には、点火装置4、燃料噴射装置5及びコンプレッサー36が信号線を介して接続されている。コンプレッサー36には、エンジンに対して機械的に連結したり非連結にしたりする電磁クラッチが設けられており、この電磁クラッチの断接制御がエンジン制御ユニット3により行われる。電磁クラッチが接続状態にあるときには、エンジンの動力がコンプレッサー36に伝達される一方、電磁クラッチが切断状態にあるときには、エンジンの動力がコンプレッサー36に伝達されないようになっている。
エアコン制御ユニット2とエンジン制御ユニット3とは、信号線を介して接続されている。エアコン制御ユニット2がコンプレッサー36を作動させる必要があると判断したときには、コンプレッサーON信号をエンジン制御ユニット3に送信し、このコンプレッサーON信号を受けたエンジン制御ユニット3が、コンプレッサー36の電磁クラッチを接続状態にする一方、エアコン制御ユニット2がコンプレッサー36を作動させる必要がないと判断したときには、コンプレッサーOFF信号をエンジン制御ユニット3に送信し、このコンプレッサーOFF信号を受けたエンジン制御ユニット3が、電磁クラッチを切断状態にするようになっている。
エアコン制御ユニット2は、オートスイッチ81により自動空調モードが選択されている場合には、所定のプログラムに従って、主として温度設定スイッチ68、外気温センサ65、内気センサ66及び日射センサ67からの入力情報に基づいて、エアミックスドア46の開度(MIXac)を決定して、この開度になるようにエアミックスアクチュエータ48を制御するとともに、該開度に対応して予め定められた吹出モードになるように吹出モードアクチュエータ60を制御する。尚、エアミックスドア46の開度(MIXac)の決定は、少なくとも温度設定スイッチ68からの入力情報に基づいて行えばよい(特に、手動モードでは、温度設定スイッチ68からの入力情報に基づいてエアミックスドア46の開度を決定すればよい)。
図15に示すように、上記吹出モードの切替えのために、エアミックスドア46の開度(MIXac)として、第1設定開度A、第2設定開度B及び第3設定開度Cが予め設定されている。これら値の大きさは、第1設定開度A、第2設定開度B及び第3設定開度Cの順に大きくなる。そして、エアミックスドア46の開度(MIXac)が第1設定開度A以下であるときには、ベントモードとなり、上記開度が第1設定開度Aよりも大きくかつ第2設定開度B以下であるときには、ベントモード又はバイレベルモードとなり、上記開度が第2設定開度Bよりも大きくかつ第3設定開度C以下であるときには、バイレベルモード又はヒートモードとなり、上記開度が第3設定開度Cよりも大きいときには、ヒートモードとなる。
ここで、ベントモードとバイレベルモードとの間の切替えにあたっては、乗員の空調フィーリングを向上させるために、吹出モードの切替えの境界値にヒステリシスが設けられており、バイレベルモードからベントモードへの切替えは、上記開度が第1設定開度A以下になったときに行われ、ベントモードからバイレベルモードへの切替えは、上記開度が第2設定開度Bよりも大きくなったときに行われる。また、バイレベルモードとヒートモードとの間の切替えについても、同様であり、ヒートモードからバイレベルモードへの切替えは、上記開度が第2設定開度B以下になったときに行われ、バイレベルモードからヒートモードへの切替えは、上記開度が第3設定開度Cよりも大きくなったときに行われる。第2設定開度Bは、50%ないしそれに近い値であり、上記開度が第2設定開度B以下であるときには、基本的に冷房を行い、第2設定開度Bよりも大きいときには、基本的に暖房を行うことになる。尚、ヒートモードからバイレベルモードへの切替えを、上記開度が第4設定開度D(第2設定開度Bよりも大きくかつ第3設定開度Cよりも小さい値に設定される)以下になったときに行うようにしてもよい。ヒステリシスの幅は、エアミックスドア46の開度(MIXac)で、例えば5%〜10%程度である。
また、エアコン制御ユニット2は、後述の如くエンジンが自動停止されているときに、エバセンサ37及びヒータコアセンサ38並びに温度設定スイッチ68からの入力情報と、吹出空気(上記調和空気)温度の予測値(Ti)とに基づいて、エンジンを再始動させるか否かを決定する。
上記車両制御ユニット6には、上記車両の車速を検出する車速センサ76及びブレーキペダルの踏み込み操作を検出するブレーキスイッチ77が信号線を介して接続されている。また、車両制御ユニット6と上記エアコン制御ユニット2とは信号線で接続されており、エアコン制御ユニット2からは、該エアコン制御ユニット2で生成されたアイドリング停止許可信号及び禁止信号のうちの一方の信号が出力されて車両制御ユニット6に入力されるようになっている。ブロアスイッチ72がOFF状態では、アイドリング停止許可信号がエアコン制御ユニット2から車両制御ユニット6へ出力される。また、車両制御ユニット6からは、エンジンが自動停止しているか否かの判別信号がエアコン制御ユニット2に対し出力されるようになっている。
車両制御ユニット6は、所定のエンジン停止条件が成立したときにおいて、エアコン制御ユニット2からのアイドリング停止許可信号を入力している限り、上記エンジンを自動停止させる。上記所定のエンジン停止条件は、本実施形態では、ブレーキスイッチ77によりブレーキペダルの踏み込み操作が検出され、かつ車速センサ76により検出された車速が0であるという条件である。尚、車両制御ユニット6がエンジンを自動停止させる場合には、エンジン制御ユニット3に対して停止信号を出力して、点火装置4や燃料噴射装置5を非作動状態にさせる。
また、車両制御ユニット6は、エンジンを自動停止させた後、例えばブレーキペダルの踏み込みが解放されたり、アクセルペダルが踏み込まれたりする等といった、車両のアクセルペダル又はブレーキペダルの操作に関する所定のエンジン再始動条件が成立したときには、該自動停止させたエンジンを再始動させる。
本実施形態では、所定のエンジン再始動条件は、ブレーキスイッチ77によりブレーキペダルの踏み込みが解放されたという条件である。車両制御ユニット6は、所定のエンジン再始動条件が成立したときには、エンジン制御ユニット3に対して再始動信号を出力して、エンジンを再始動させる。
さらに、車両制御ユニット6は、エンジンの自動停止中でかつ空調装置1の作動中(ブロアスイッチ72がON状態)において、エアコン制御ユニット2からアイドリング停止禁止信号を入力したときには、上記所定のエンジン再始動条件が不成立であっても、エンジンを再始動させる(エンジン制御ユニット3に対して再始動信号を出力する)。一方、エンジンの自動停止中でかつ空調装置1の作動中において、エアコン制御ユニット2からアイドリング許可信号を入力したときには、そのまま自動停止を継続する。但し、アイドリング停止許可信号に拘わらず、上記所定のエンジン再始動条件が成立したときには、エンジンを再始動させる。
次に、空調装置1の作動中におけるエアコン制御ユニット2の具体的な制御動作を、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。この制御は、所定時間(例えば数十ms)毎に繰り返し行われる。
最初のステップSA1において、エアコン制御ユニット2は、上記各センサ37,38,64〜67や上記各スイッチ68〜73,80,81からの信号を読み込む。
その後、ステップSA2に進んで、エアミックスドア46の制御を行う。すなわち、温度設定スイッチ68による設定温度を含む空調状態(自動空調モードでは、外気温センサ65、内気センサ66及び日射センサ67による検出値を考慮する)に基づいて、目標車室内温度を演算して、この目標車室内温度からエアミックスドア46の開度(MIXac)を演算し、この開度になるようにエアミックスアクチュエータ48を作動させる。
しかる後、ステップSA3に進んで、吹出モード及び導入モード制御を行う。すなわち、自動空調モードでは、上記エアミックスドア46の開度(MIXac)に対応して上記の如く予め定められた吹出モードになるように吹出モードアクチュエータ60を作動させる。また、外気温度や車室内温度を考慮して、導入モードを決定して、その決定した導入モードになるように内外気アクチュエータ28を作動させる。
例えば、夏場のように、外気温センサ65により検出された外気温度が30℃以上と高くて強めの冷房が必要な場合には、吹出モードがベントモードとなり、導入モードが内気導入モードとなる。吹出モードをベントモードにすることで、冷風が乗員の上半身に向けて直接供給され、また、導入モードを内気導入モードとすることで、車室外の空気よりも目標車室内温度に近い車室内の空気をケース20に取り込むことができ、効率の良い冷房が可能になる。また、外気温度が約20℃であって比較的弱めの冷房でよい場合には、吹出モードがバイレベルモードとなり、導入モードが外気導入モードとなる。一方、冬場のように、外気温センサ65により検出された外気温度が10℃以下の低温であって暖房が必要な場合には、吹出モードがヒートモードとなり、導入モードが外気導入モードとなる。導入モードを外気導入モードとすることで、乾燥した外気を車室に取り込んでウインドガラスの曇りを防止することができる。
次いで、ステップSA4に進み、冷房状態であるか暖房状態であるかを判定する。これは、外気温センサ65により検出された外気温と、エアミックスドア46の開度との少なくとも一方に基づいて判定する。外気温センサ65により検出された外気温が例えば30℃以上である場合には、冷房状態であると判定し、例えば10℃以下である場合には、暖房状態であると判定する。また、エアミックスドア46の開度が50%以下であるときには冷房状態であると判定し、50%よりも大きいときには暖房状態であると判定する。冷房状態と暖房状態の判定にあたっては、外気温と、エアミックスドア46の開度との両方を用いてもよく、例えば、外気温が25℃以上で、かつ、エアミックスドア46の開度が50%以下のときに冷房状態であると判定し、外気温が25℃未満で、かつ、エアミックスドア46の開度が50%よりも大きいときに暖房状態であると判定してもよい。
ステップSA4に続くステップSA5では、ブロアモータ33の制御を行う。すなわち、自動空調モードでは、内気センサ66により検出された車室内温度と上記目標車室内温度との差から風量を演算し、この風量となるように、ブロアモータ33に印加される電圧を変更する。上記風量は、上記車室内温度と上記目標車室内温度との差が大きいほど大きくされるが、バッテリー電圧の上限から定まる上限値が設定されている。
具体的には、図5に示すように、風量は冷房領域と暖房領域とのそれぞれで設定されるようになっており、冷房領域の最大風量が暖房領域の最大風量に比べて大きくなっている。また、冷房時における熱負荷が小さい(例:外気温が低い、日射量が少ない、設定温度が高め)場合には、熱負荷が大きい場合に比べて風量が少なくなる。また、暖房時における熱負荷が小さい(例:外気温が高い、日射量が多い、設定温度が低め)場合には、大きい場合に比べて風量が少なくなる。
その後、図6のフローチャートで示す制御が行われる。このフローチャートでは、スタート後のステップSB1でエンジンがアイドリング自動停止中であるか否かを判定する。ステップSB1でNOを判定されてエンジンがアイドリング中である場合や車両走行中である場合には、ステップSB2に進み、図5のグラフに基づいて得られたブロア風量となる電圧値を出力する。
一方、ステップSB1でYESと判定されてエンジンがアイドリング自動停止中である場合には、ステップSB3に進み、外気温(Ta)、日射量(SR)、エアミックスドア開度(MIXac)、ワイパー作動状態(ワイパー装置11のON、OFF)、アイドリング自動停止直前のブロア風量(電圧値)を読み込む。
ステップSB3に続くステップSB4では、外気温(Ta)がT1以下であるか否か判定する。T1は、例えば22℃である。外気温が22℃以下である場合には、フロントウインドに曇りが発生しやすい温度状態であり、この場合には、YESと判定されてステップSB5に進む。
ステップSB5では、ワイパー装置11がONであるか否か判定する。ワイパー装置11がONであれば、雨が降っていて湿度が高いと推定されるので、フロントウインドに曇りが発生しやすい状態であり、この場合には、ステップSB6に進み、後述する曇り抑制風量補正が行われる。
一方、ステップSB4でNOと判定されて外気温が22℃よりも高い場合には、ステップSB7に進み、後述する通常時風量補正が行われる。また、ステップSB5においてワイパー装置11がOFFであると判定された場合も、ステップSB7に進む。
つまり、ステップSB4及びステップSB5は、フロントウインドが曇り易い状況であるか否かを判定するための手段を構成している。そして、外気温が22℃以下で、かつ、ワイパー装置11がONであり、フロントウインドが曇り易い状況では、曇りを抑制すべく曇り抑制風量補正が行われ、それ以外のフロントウインドが曇りにくい状況では、通常時であるとして、通常時風量補正が行われる。
尚、ステップSB4のT1は、22℃以外の温度に設定してもよい。また、フロントウインドが曇り易い状況であるか否かを判定するにあたっては、湿度センサ等を用いてもよい。
次に、曇り抑制風量補正の詳細について図7に基づいて説明する。スタート後のSC1では、Vis1a、Vis2a、Vis3a、Vis4a、Vis5aを読み込む。これらは、アイドリング自動停止直前のブロア風量に基づいて曇り抑制補正風量を得るための数値である。Vis1aは所定の固定値1とし、Vis2aはVis1aに所定の固定値2を加えた値とし、Vis3aは所定の固定値3とし、Vis4aは所定の固定値4とし、Vis5aは所定の固定値5とする。固定値1〜5は、エアコン制御ユニット2に予め記憶されている。
ステップSC1に続くステップSC2では、アイドリング自動停止直前のブロア風量を横軸に取り、曇り抑制補正風量を縦軸に取ったグラフに基づいて曇り抑制補正風量を得る。Vis1aは、ブロアモータ33に印加する最低電圧であり、Vis1aよりも小さい電圧は印加されないようになっている。Vis2aは、Vis1aよりも大きくなるように設定してある。Vis3aは、Vis2aよりも大きく設定してある。Vis4aは、Vis3aよりも大きく設定してある。Vis5aは、曇り抑制風量補正を行う場合にブロアモータ33に印加する最大電圧であり、Vis5aよりも大きい電圧は印加されないようになっている。Vis5aは、Vis4aよりも小さい。尚、図7中に破線で示すグラフは、比例定数1の正比例グラフである。
図中に太線で示すグラフに基づいて曇り抑制補正風量を得る。このグラフに基づいて得られる曇り抑制補正風量は、アイドリング自動停止直前の風量よりも少なくなる。
例えば、アイドリング自動停止直前のブロア風量がVisAである場合には、曇り抑制補正風量はVisB1となる。VisB1は、比例定数1の正比例グラフにおける風量よりも低い値である。これにより、アイドリング自動停止中のブロア風量が停止直前のブロア風量に比べて低下するように補正される。従って、熱媒体の供給が停止した状態で車室内に供給される空気量が少なくなるので、体感上の温度変動が抑制される。
また、アイドリング自動停止直前のブロア風量がVis1a〜Vis2aの間にあるときには、補正風量はVis1aのまま変化せず、最低風量が確保される。さらに、アイドリング自動停止直前のブロア風量がVis3a〜Vis4aの間にあるときには、補正風量はVis5aのまま変化しない。このようにして得られた曇り抑制補正風量は、図6に示すステップSB2において出力処理される。
次に、通常時風量補正の詳細について図8に基づいて説明する。スタート後のSD1では、Vis1b、Vis2b、Vis3b、Vis4b、Vis5bを読み込む。これらは、アイドリング自動停止直前のブロア風量に基づいて通常時補正風量を得るための数値である。
Vis1bはfis1とし、Vis2bはVis1bにfis2を加えた値とし、Vis3bはfis3とし、Vis4bは固定値4とし、Vis5bはfis5とする。fis1〜3、5は、外気温(Ta)、日射量(SR)、エアミックスドア開度(MIXac)に基づいて得られるものであり、それぞれ所定幅で変動する。
fis1は、外気温(Ta)が高いほど大きくなり、また、日射量(SR)が多いほど大きくなり、また、エアミックスドア開度(MIXac)が大きいほど小さくなる。
fis2は、外気温(Ta)が低いほど大きくなり、また、エアミックスドア開度(MIXac)が小さいほど小さくなる。
fis3は、外気温(Ta)が低いほど大きくなり、また、日射量(SR)が多いほど大きくなり、また、エアミックスドア開度(MIXac)が小さいほど小さくなる。
fis5は、外気温(Ta)が高いほど大きくなり、また、日射量(SR)が多いほど大きくなり、また、エアミックスドア開度(MIXac)が大きいほど小さくなる。
ステップSD1に続くステップSD2では、図7のステップSC2と同様に、アイドリング自動停止直前のブロア風量を横軸に取り、通常時補正風量を縦軸に取ったグラフに基づいて通常時補正風量を得る。Vis1bは、ブロアモータ33に印加する最低電圧である。グラフIは、冷房時で、外気温が高く(例えば30℃以上)、かつ、日射量が所定以上(強い日射)である場合に選択されるグラフであり、グラフIIは、冷房時で、外気温が高く、かつ、日射量が所定よりも少ない場合(例えば夜)に選択されるグラフである。また、グラフIIIは、暖房時で、外気温が低く(例えば0℃)、かつ、日射量が所定よりも少ない場合に選択されるグラフであり、グラフIVは、暖房時で、外気温が低く、かつ、日射量が所定以上である場合に選択されるグラフである。冷房であるか暖房であるかは、図4におけるフローチャートにて判定された結果を用いる。
冷房時で、高外気、かつ、日射量が多い場合には、グラフIに示すように、アイドリング自動停止直前のブロア風量と通常時補正風量との差は小さくなる。また、冷房時で、高外気であっても日陰のように日射量が少なければ、グラフIIに示すように、アイドリング自動停止直前のブロア風量と通常時補正風量との差は大きくなり、風量が減少する。
また、暖房時は、冷房時に比べて全体的に補正風量が少なくなり、低外気で、日射量が少なければ、日射量が多い場合に比べて全体的に補正風量が少なくなる。
また、乗員が冷房時に温度設定を上げた場合や、暖房時に下げた場合には、アイドリング自動停止を優先した空調を望んでいると判定して、通常時補正風量を低い値(最低風量)にする。
このようにして得られた通常時補正風量B1は、図6に示すステップSB2において出力処理される。
上記のようにして風量補正が行われた後、図4に示すステップSA6に進み、コンプレッサー36を作動させるか停止させるかを決定する。すなわち、エアコンスイッチ70により設定されたエアコンモードがA/Cモード又はECOモードとされているときにはコンプレッサー36を作動させ、OFFモードとされているときには、コンプレッサー36を停止させる。ステップSA6においてコンプレッサー36を作動させるとした場合には、コンプレッサーON信号がエアコン制御ユニット2からエンジン制御ユニット3に出力され、このエンジン制御ユニット3によりコンプレッサー36の電磁クラッチが接続状態とされる。一方、コンプレッサー36を停止させるとした場合には、コンプレッサーOFF信号がエアコン制御ユニット2からエンジン制御ユニット3に出力されて、電磁クラッチが切断状態となる。
エアコンモードがA/Cモード又はECOモードとされているとき、コンプレッサー36を常時作動させるのではなく、エバセンサ37による検出温度に応じて、コンプレッサー36の作動(コンプレッサーON信号の出力)と停止(コンプレッサーOFF信号の出力)とを繰り返す。
図4のステップSA6に続くステップSA7では、アイドリング自動停止の許可/禁止判定を行う。このアイドリング自動停止の許可/禁止判定の詳細なフローチャートは、図9に示すようになっている。ステップSA7の判定結果は、続くステップSA8で出力される。
次に、アイドリング自動停止の許可/禁止判定の手順について図9に基づいて説明する。
図9における最初のステップSE1では、エアミックスドア46の開度補正が行われる。このエアミックスドア46の開度補正の詳細なフローチャートは、図10に示すようになっている。図10のフローチャートにおける最初のステップSF1では、エアミックスドア46の開度(MIXac)を得る。この開度(MIXac)は、図4に示すステップSA2で求めた値であり、これを読み込む。
ステップSF1に続くステップSF2では、外気温センサ65の出力値を読み込み、外気温(Ta)を得る。
ステップSF2に続くステップSF3では、エアミックスドア開度補正量(Tia)を読み込む。図11に示すように、エアミックスドア開度補正量(Tia)は、外気温(Ta)により異なっている。外気温(Ta)が−32℃以下、又は70℃以上であれば、エアミックスドア開度補正量(Tia)は0%である。
ステップSF3に続くステップSF4では、エアミックスドア開度補正を行う。エアミックスドア開度補正とは、ステップSF1で読み込んだエアミックスドアの開度(MIXac)に、ステップSF3で読み込んだエアミックスドア開度補正量(Tia)を加算する。
外気温(Ta)が−32℃以下、又は70℃以上であれば、エアミックスドア開度補正量(Tia)は0%であるので、実質的にエアミックスドア開度補正は行われないことになる。一方、外気温(Ta)が−32℃よりも高く、かつ、10℃よりも低い場合には、エアミックスドア開度補正量(Tia)は−5%であるので、エアミックスドア46の開度(MIXac)から5%を減算した値に補正される。また、外気温(Ta)が10℃以上、かつ、25℃よりも低い場合には、エアミックスドア開度補正量(Tia)は−10%であるので、エアミックスドア46の開度(MIXac)から10%を減算した値に補正される。また、外気温(Ta)が25℃以上で、かつ、70℃よりも低い場合には、エアミックスドア開度補正量(Tia)は5%であるので、エアミックスドア46の開度(MIXac)に5%を加算した値に補正される。
上記した外気温度(Ta)とエアミックスドア開度補正量(Tia)との関係は、本実施形態にかかる空調装置1に特有のものである。すなわち、空調装置1を外気導入モードとして導入空気の温度(外気温度)を−32℃〜70℃まで変化させると、外気温度によっては、エアミックスドア46の開度(MIXac)に比例して吹出空気の温度が変化しないことがある。
本実施形態では、後述するように、吹出空気温度の予測値(Ti)を得るのにエアミックスドア46の開度(MIXac)を用いているので、吹出空気温度の予測値(Ti)が正確に得られないとエンジン自動停止制御に悪影響を及ぼしてしまう。従って、外気温度が−32℃〜70℃までの範囲で、吹出空気温度の予測値(Ti)を得るにあたって、エアミックスドア46の開度と吹出空気温度の予測値(Ti)とが比例するように、エアミックスドア開度補正量(Tia)を設定している。例えば、外気温(Ta)が10℃以上、かつ、25℃よりも低い場合には、エアミックスドアの開度(MIXac)から10%を減算した値を用いて吹出空気温度の予測値(Ti)を得ることで、エアミックスドア46の開度(MIXac)と吹出空気温度の予測値(Ti)とが比例関係となる。他の温度域でも同様である。これは予め実験した結果に基づくものである。
次いで、図9のフローチャートにおけるステップSE2に進む。ステップSE2ではアイドリング停止最短時間(ISMIN)が設定される。このアイドリング停止最短時間は、通常は、予め決められた基準時間に設定されるが、後述の如く、基準時間にISset(秒)を加えた時間に設定される場合がある。上記基準時間は、エンジンの自動停止後直ぐに上記所定の条件が成立して乗員が不快感を感じ始めても、我慢ができる程度の比較的短い時間に設定されるとともに、エンジンの自動停止直後の再始動によってエンジンや始動装置が損傷しないようにすることも考慮して設定される。例えば、基準時間は、外気温センサ65により検出された外気温度が0℃未満か又は35℃以上であれば、5秒とされ、0℃以上35℃未満であれば、10秒程度に設定される。
図9に示すフローチャートのステップSE2に続くステップSE3では、詳細は後述するが、第1アイドリング停止判定が行われる。ステップSE3でアイドリング停止許可と判定されれば、続くステップSE4に進む。ステップSE3でアイドリング停止禁止と判定されれば、ステップSE9に進む。
ステップSE3に続くステップSE4では、ベント吹出口50、ヒート吹出口51又はデフロスタ吹出口52から吹き出す吹出空気温度の予測値(Ti)を算出する。これについては後述する。
ステップSE4で吹出空気温度の予測値(Ti)を算出した後、ステップSE5に進む。ステップSE5では、アイドリング自動停止中(エンジンの自動停止中)であるか否かを判定する。ステップSE5でNOと判定されてアイドリング自動停止中でない場合には、ステップSE8に進む。
一方、ステップSE5でYESと判定されてアイドリング自動停止中である場合には、ステップSE6に進み、後述する第2アイドリング停止判定を行う。ステップSE6の第2アイドリング停止判定でアイドリング停止禁止と判定されれば、ステップSE7に進む。一方、ステップSE6でアイドリング停止許可と判定されれば、ステップSE8に進む。ステップSE8では、アイドリング停止許可信号の出力値を設定する。そして、このアイドリング停止許可信号が、図4のフローチャートのステップSA7に続くステップSA8で車両制御ユニット6へ出力される。
また、図9に示すフローチャートのステップSE6でアイドリング停止禁止と判定されて進んだステップSE7では、エンジンの自動停止からの時間であるアイドリング停止時間(IS)がアイドリング停止最短時間(ISMIN)以上であるか否かが判定される。ISがISMIN以上であれば、ステップSE9に進み、このステップSE9では、アイドリング停止禁止信号の出力値を設定する。そして、このアイドリング停止禁止信号が、図4のフローチャートのステップSA7に続くステップSA8で車両制御ユニット6へ出力される。
ステップSE7でNOと判定されれば、ステップSE8に進む。すなわち、上記所定のエンジン再始動条件が不成立の状態で、第2アイドリング停止判定でアイドリング停止禁止と判定されても、エンジンの自動停止からアイドリング停止最短時間(ISMIN)が経過していないときには、該エンジンの自動停止を該アイドリング停止最短時間が経過するまで継続させる。
次に、図9のフローチャートのステップSE3で行われる第1アイドリング停止判定の詳細について、図12のフローチャートに基づいて説明する。
図12に示すフローチャートの最初のステップSG1では、エバセンサ37、ヒータコアセンサ38、エンジン水温センサ64、外気温センサ65、内気センサ66及び日射センサ67に異常がなく、信号が正規の状態で出力されているか否かを判定する。
ステップSG1でYESと判定されて、これらセンサ37,38,64〜67の1つでも異常がある場合には、正常な制御が行えないので、アイドリング停止禁止と判定する。ステップSG1でNOと判定されれば、センサ37,38,64〜67が正常であるので、続くステップSG2に進む。ここで、他のセンサから明らかに異常であると見なせる検出値を示したり全くあり得ない検出値を示したりするセンサや、検出値が全く変化しないセンサを、異常であると判定する。
ステップSG2においては、外気温センサ65で検出された外気温度がTa1よりも高く、かつ、Ta2よりも低いか否かが判定される。Ta1は、例えば氷点下近傍の低い値に設定され、また、Ta2は、例えば50℃程度の高い値に設定されている。したがって、ステップSG2においては、冬場で強めの暖房が必要な状況であるか否か、又は、炎天下のように強めの冷房が必要であるか否かが判定されることになる。外気温度がTa1以下であれば、ステップSG2でNOと判定され、強めの暖房を行うための熱源を確保すべく、アイドリング停止禁止と判定する。また、外気温度がTa2以上であれば、ステップSG2でNOと判定され、強めの冷房を行うために、アイドリング停止禁止と判定する。
一方、ステップSG2において、外気温度がTa1よりも高く、かつ、Ta2よりも低いYESと判定されると、ステップSG3に進む。
ステップSG3においては、エアコン優先スイッチ73がONであるか否かが判定される。ステップSG3において、エアコン優先スイッチ73がONであるYESと判定されると、乗員が空調を優先したい状況であるため、アイドリング停止禁止と判定する。一方、ステップSG3において、エアコン優先スイッチ73がOFFであるNOと判定されると、ステップSG4に進む。
ステップSG4では、DEFスイッチ80がONであるか否かが判定される。ステップSG4において、DEFスイッチ80がONであるYESと判定されると、窓の曇を晴らしたい状況であるため、アイドリング停止禁止と判定する。一方、ステップSG4において、DEFスイッチ80がOFFであるNOと判定されると、ステップSG5に進む。
ステップSG5においては、目標車室内温度から、内気センサ66により検出された車室内温度を引いた値が−5℃以上であるか否かが判定される。ステップSG5でNOと判定されると、目標車室内温度と車室内温度との差が大きく車室が快適な状態となっていないため、アイドリング停止禁止と判定する。一方、ステップSG5でYESと判定されると、ステップSG6に進む。
ステップSG6においては、目標車室内温度から、内気センサ66により検出された車室内温度を引いた値が+5℃以下であるか否かが判定される。ステップSG6でNOと判定されると、目標車室内温度と車室内温度との差が大きく車室が快適な状態となっていないため、アイドリング停止禁止と判定する。一方、ステップSG6でYESと判定されると、アイドリング停止許可と判定する。
上記第1アイドリング停止判定でアイドリング停止禁止と判定された場合には、エアコン制御ユニット2から車両制御ユニット6へアイドリング停止禁止信号が出力されて、車両制御ユニット6は、所定のエンジン停止条件が成立しても、エンジンを自動停止させないことになる。
次に、図9のフローチャートにおけるステップSE4で行われる吹出空気温度の予測値(Ti)を得る手順について、図13のフローチャートに基づいて説明する。
図13に示すフローチャートの最初のステップSH1では、エアミックスドア46の開度(MIXac)を読み込む。これは、図10のステップSF1と同様である。続くステップSH2では、エンジン水温センサ64の出力値であるエンジン水温(Tw)を読み込む。ステップSH2に続くステップSH3では、ヒータコアセンサ値(Th)を読み込む。
ステップSH4では、ステップSH1で読み込んだエアミックスドア46の開度(MIXac)が30%以下であるか否かを判定する。エアミックスドア46の開度(MIXac)が50%よりも小さいと、エアミックス空間45に流入する冷風量と温風量とを比較したときに、冷風量の方が大きい状態である。このエアミックス空間45に流入する冷風量が多いと、エアミックス空間45に一旦流入した冷風が加熱通路22b内へ入り込んでしまうことがある。すると、ヒータコアセンサ38の周囲に冷風が存在することになり、ヒータコアセンサ38が検出した温度が、ヒータコア43による空気の加熱状態ではない、不適切な値になる。エアミックスドア46の開度(MIXac)が30%以下であると、この現象が起こりやすい。本発明では、エアミックスドア46の開度(MIXac)が30%以下のときには、ステップSH5に進んでヒータコア側の制御値(後の制御に用いる値)をエンジン水温(Tw)とするようにしている。一方、エアミックスドア46の開度(MIXac)が30%より大きいときには、加熱通路22bへの冷風の入り込みが殆ど起こらない。従って、ステップSH6に進んでヒータコア側の制御値をヒータコアセンサ値(Th)とする。
尚、この実施形態では、ステップSH4における判定値を30%にしているが、これに限られるものではなく、空調装置1の構造に応じ、例えば開度40%でエアミックス空間45の冷風が加熱通路22b内へ入り込む場合には、40%とすればよく、また、開度20%でエアミックス空間45の冷風が加熱通路22b内へ入り込む場合には、20%とすればよい。
ステップSH7では、図示するような右上がりの直線グラフに基づいて、吹出空気温度の予測値(Ti)を得る。このグラフの横軸は、エアミックスドア46の開度を百分率で表しており、縦軸は、温度(℃)を表している。
A点のエアミックスドア46の開度は0%で、温度はコンプレッサーOFF信号を出力するときの温度Te(例えば、4℃)である。エアミックスドア46の開度が0%ということは、最大冷房時であって加熱通路22b入口が全閉となっており、ケース20内に導入された空気はエバポレータ35のみを通過することになる。この予測時には、温度をTe(エバポレータ側の制御値)に固定してA点が動かないようにしている。
その理由は、コンプレッサー36が作動と停止とを繰り返すとエバポレータ35の温度状態が変化することになるが、その変化する温度状態を吹出空気の温度予測に使うと、予測ロジックが煩雑になることが考えられ、これを回避するためである。
また、B点のエアミックスドア46の開度は100%で、温度は、ステップSH5で決定したヒータコア側の制御値、即ち、エンジン水温(Tw)である。エアミックスドア46の開度が100%ということは、最大暖房時であり、加熱通路22b入口が全開とされているので、吹出空気の温度は、ヒータコアセンサ38による検出温度と略同じになる。
そして、吹出空気温度の予測値(Ti)は、次式で算出することができる。
Ti(℃)=Te+tanθ1×(MIXac+Tia)
tanθ1=(Tw−Te)/100
ここで、(MIXac+Tia)(%)は、図9のステップSE1で求めた補正後のエアミックスドア46の開度である。
ステップSH7に続くステップSH9において、ステップSH7で算出された温度を、自動停止前の吹出空気温度の予測値(Ti)として決定する。
一方、ステップSH8では、図示するような右上がりの直線グラフに基づいて吹出空気の温度を予測する。このグラフの横軸及び縦軸は、ステップSH7のものと同じである。C点のエアミックスドア46の開度は0%で、温度は、温度Teである。エアミックスドア46の開度が0%のときの吹出空気の温度は、エバセンサ37による検出温度と略同じになる。また、D点のエアミックスドア46の開度は、ステップSH7におけるB点と同じ100%である。D点の温度は、ステップSH6で決定したヒータコアセンサ値(Th)である。
そして、吹出空気温度の予測値(Ti)は、次式で算出することができる。
Ti(℃)=Te+tanθ2×(MIXac+Tia)
tanθ2=(Th−Te)/100
ステップSH7及びステップSH8では、エアミックスドア46の開度を補正後の開度(MIXac+Tia)としているので、エアミックスドア46の開度と吹出空気温度の予測値(Ti)とが比例関係となる。これにより、吹出空気温度の予測値(Ti)が、外気温度の影響を排除した正確な値になる。
ステップSH8に続くステップSH9において、ステップSH8で算出された温度を、吹出空気温度の予測値(Ti)として決定する。
上記のようにして得られた吹出空気温度の予測値(Ti)は、図9に示すフローチャートのステップSE6の第2アイドリング停止判定で用いられる。
次に、図9に示すフローチャートのステップSE6の第2アイドリング判定の詳細手順について、図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
最初のステップSJ1では、エアミックスドア46の開度が所定開度以下であるか否かを判定する。本実施形態では、上記所定開度は、上記第2設定開度Bと同じ値に設定される。すなわち、エアミックスドア46の開度が所定開度以下である場合には、基本的に冷房中である。ステップSJ1でYESと判定されると、ステップSJ2に進む。
ステップSJ2では、コンプレッサー36の動作モードを判定する。ステップSJ2でコンプレッサー36の動作モードがA/Cモード又はECOモードであると判定されると、ステップSJ3に進み、エバセンサ37により検出されたエバポレータ35の温度と、吹出空気温度の予測値(Ti)にα3(正の値)を加えた値とを比較し、エバポレータ35の温度(エンジンの自動停止から徐々に上昇していく)がTi+α3以上であるか否か判定する。
尚、α3は、乗員の空調フィーリング等に基づいて、予測値(Ti)を微調整するための温度であり、0としてもよい。尚、後述のα4及びβ8(いずれも正の値)も、α3と同様である。
ステップSJ3でYESと判定されてエバポレータ35の温度がTi+α3以上であるときには、アイドリング停止禁止と判定する。すなわち、エバポレータ35の温度がTi+α3以上であるということは、ケース20内に導入した空気を十分に冷却できないということであり、乗員が望む冷房を行うことができないので、乗員に不快感を与えないようにするべくエンジンを再始動させる。
ステップSJ3でNOと判定されると、ステップSJ5に進んで内外気モードを判定する。ステップSJ5で内外気モードが外気モードであると判定されるとステップSJ6に進み、エバセンサ37により検出されたエバポレータ35の温度が所定温度Te1以上であるか否かを判定する。この所定温度Te1は、25℃程度に設定しておくのが好ましい。ステップSJ6でYESと判定されてエバポレータ35の温度が所定温度Te1以上であるときには、十分な冷房が行えないので、アイドリング停止禁止と判定する。
また、ステップSJ5で内外気モードが内気モードであると判定されるとステップSJ7に進み、エバセンサ37で検出されたエバポレータ35の温度が所定温度Te2以上であるか否かを判定する。この所定温度Te2は、Te1よりも低い20℃程度に設定しておくのが好ましい。ステップSJ7でYESと判定されてエバポレータ35の温度が所定温度Te2以上であるときには、十分な冷房が行えないので、アイドリング停止禁止と判定する。
ステップSJ6でNOと判定されると、アイドリング停止許可と判定する。また、ステップSJ7でNOと判定された場合も、アイドリング停止許可と判定する。
尚、ステップSJ5〜SJ7の処理は必ずしも行う必要はなく、ステップSJ3でNOと判定されれば、アイドリング停止許可と判定するようにしてもよい。すなわち、エバポレータ35の温度について吹出空気温度の予測値(Ti)との比較だけでは、アイドリング停止の許可/禁止の判定を正確に行えない可能性があるので、ステップSJ6及びSJ7の判定を行っている。
上記ステップSJ2でコンプレッサー36の動作モードがOFFモードであると判定されると、ステップSJ4に進む。ステップSJ4では、ステップSJ3と同様に、エバポレータ35の温度と吹出空気温度の予測値(Ti)にα4を加えた値とを比較し、エバポレータ35の温度がTi+α4以上であるか否か判定する。ステップSJ4でYESと判定された場合には、アイドリング停止禁止と判定し、ステップSJ4でNOと判定された場合には、アイドリング停止許可と判定する。
上記ステップSJ1でNOと判定された場合(エアミックスドア46の開度が上記所定開度よりも大きい場合、つまり基本的に暖房中の場合)には、ステップSJ8に進み、ステップSJ8で、ヒータコアセンサ38により検出されたヒータコア43の温度(エンジンの自動停止から徐々に低下していく)がTi−β8以下であるか否か判定する。ステップSJ8でYESと判定されれば、アイドリング停止禁止とする。
すなわち、ヒータコア43の温度が、空気を加熱するのに十分な温度ではないということであり、乗員が望む暖房を行うことができないので、乗員に不快感を与えないようにするべくアイドリング停止禁止とする。
ステップSJ8でNOと判定されれば、ステップSJ9に進み、このステップSJ9では、ヒータコアセンサ38により検出されたヒータコア43の温度が所定温度Th1以下であるか否かを判定する。ステップSJ9でYESと判定されれば、ヒータコア43の温度が空気を加熱するのに十分な温度ではないので、アイドリング停止禁止とする。ステップSJ9でNOと判定されれば、アイドリング停止許可とする。
尚、ステップSJ9の処理は、ステップSJ5〜SJ7の処理と同様に、必ずしも行う必要はなく、ステップSJ8でNOと判定されれば、アイドリング停止許可と判定するようにしてもよい。
上記第2アイドリング停止判定でアイドリング停止禁止と判定された場合(この場合には、既にエンジンが自動停止されている)には、エアコン制御ユニット2から車両制御ユニット6へアイドリング停止禁止信号が出力されて、車両制御ユニット6は、上記所定のエンジン再始動条件が不成立であっても、エンジンを再始動させることになる。すなわち、エンジンの自動停止中でかつ空調装置1の作動中において、上記所定のエンジン再始動条件とは別に定めた第2アイドリング停止判定での、エバポレータ35及びヒータコア43の温度に関する所定の条件(図14のフローチャートにおけるステップSJ3、SJ4、SJ6及びSJ7〜SJ9に記載の条件)が成立したときに、上記所定のエンジン再始動条件が不成立であっても、エンジンを再始動させることになる。一方、上記所定の条件が成立しないときには、エンジンは再始動されず、自動停止を続行する。
上記所定の条件は、エアミックスドア46の開度が上記所定開度以下である場合には、エバポレータ35の温度が第1所定温度以上であるという条件に相当し、エアミックスドア46の開度が上記所定開度よりも大きい場合には、ヒータコア43の温度が第2所定温度以下であるという条件に相当する。図14のフローチャートにおけるステップSJ3のTi+α3、ステップSJ4のTi+α4、ステップSJ6のTe1、及び、ステップSF7のTe2が、上記第1所定温度に相当し、ステップSJ8のTi−β8、及び、ステップSJ9のTh1が、上記第2所定温度に相当する。上記第1所定温度がTi+α3又はTi+α4である場合、該第1所定温度は、エアミックスドア46の開度によって変化することになる。また、上記第2所定温度がTi−β8である場合、該第2所定温度は、エアミックスドア46の開度によって変化することになる。
本実施形態では、上記エアコン制御ユニット2は、エンジンの自動停止中でかつ空調装置1の作動中において、エアミックスドア46の開度が上記所定開度以下でかつ温度設定スイッチ68による設定温度が上昇したときには、エンジンの自動停止の時間が長くなるように上記所定の条件を変更する。また、エアコン制御ユニット2は、エンジンの自動停止中でかつ空調装置1の作動中において、エアミックスドア46の開度が上記所定開度よりも大きくかつ上記設定温度が低下したときにも、エンジンの自動停止の時間が長くなるように上記所定の条件を変更する。すなわち、基本的に冷房中に乗員が設定温度を上昇させたとき、又は、基本的に暖房中に乗員が設定温度を低下させたときに、エンジンの自動停止の時間が長くなるように上記所定の条件を変更することになる。
具体的には、エアコン制御ユニット2は、エンジンの自動停止中でかつ空調装置1の作動中において、エアミックスドア46の開度が上記所定開度以下でかつ上記設定温度が上昇したときには、上記第1所定温度を上昇させるとともに、エアミックスドア46の開度が上記所定開度よりも大きくかつ上記設定温度が低下したときには、上記第2所定温度を低下させる。本実施形態では、エアミックスドア46の開度が上記所定開度以下でかつ上記設定温度が上昇したときには、図14のフローチャートにおけるステップSJ3のTi+α3、及び、ステップSJ4のTi+α4に、後述の如く算出したTiset(℃)をそれぞれ加え、エアミックスドア46の開度が上記所定開度よりも大きくかつ上記設定温度が低下したときには、ステップSJ8のTi−β8に、後述の如く算出したTiset(℃)を加える(この場合のTisetは後述の如く負の値であるので、Ti−β8+Tisetの値はTi−β8の値よりも小さくなる)。
すなわち、ステップSJ3では、エバポレータ35の温度がTi+α3+Tiset以上であるか否か判定し、ステップSJ4では、エバポレータ35の温度がTi+α4+Tiset以上であるか否か判定し、ステップSJ8では、ヒータコア43の温度がTi−β8+Tiset以下であるか否かを判定することになる。尚、本実施形態では、Te1、Te2及びTh1の値は変更しないが、これらの値も変更するようにしてもよい。
上記のTisetの値は、例えば、変更後の設定温度(℃)から、冷房と暖房との境目となる基準温度(例えば25℃)を引いた値又は該値に所定係数を掛けた値である。上記所定係数は、車両の乗員に対して不快感を与えないように微調整するための係数である。ステップSJ3及びSJ4では、Tisetの値が正の値となる場合にTisetを加え、Tisetの値が0以下である場合には、Tisetを加えない。また、ステップSJ8では、Tisetの値が負の値となる場合にTisetを加え、Tisetの値が0以上である場合には、Tisetを加えない。
したがって、冷房中に乗員が設定温度を上昇させたときには、ステップSJ3又はSJ4で、YESと判定され難くなり、その分だけエンジンの自動停止時間が長くなる。また、暖房中に乗員が設定温度を低下させたときには、ステップSJ8で、YESと判定され難くなり、その分だけエンジンの自動停止時間が長くなる。すなわち、乗員の設定温度の変更から、冷房能力や暖房能力を低下させてもよいことになるので、その分だけエンジンの自動停止時間を長くしても、乗員に不快感を与えないようにすることができる。
尚、上記所定の条件としては、上記のものに限らず、エバポレータ35及びヒータコア43の温度に関するものであればよい。また、Tisetの値は、上記の算出方法には限られず、例えば、予め設定した値であってもよい。
また、本実施形態では、上記エアコン制御ユニット2は、上記所定のエンジン再始動条件が不成立の状態で、上記所定の条件が成立しても、エンジンの自動停止からアイドリング停止最短時間(ISMIN)が経過していないときには、該エンジンの自動停止を該アイドリング停止最短時間が経過するまで継続させるようになっているが、エンジンの自動停止中でかつ空調装置1の作動中において、エアミックスドア46の開度が上記所定開度以下でかつ温度設定スイッチ68による設定温度が上昇したときには、上記所定の条件の変更に加えて、上記アイドリング停止最短時間(ISMIN)を長くする。また、エアコン制御ユニット2は、エンジンの自動停止中でかつ空調装置1の作動中において、エアミックスドア46の開度が上記所定開度よりも大きくかつ上記設定温度が低下したときにも、上記所定の条件の変更に加えて、上記アイドリング停止最短時間を長くする。尚、このようにアイドリング停止最短時間を長くすることは必須ではない。
具体的には、図9のフローチャートにおけるステップSE2で設定される基準時間(秒)に、ISset(秒)を加える。ISsetの値は、例えば、冷房と暖房との境目となる基準温度(例えば25℃)から、変更後の設定温度(℃)を引いた値に、温度−時間換算係数γ(s/℃)を掛けた値である。この温度−時間換算係数γは、図16のグラフに示すように、エアミックスドア46の開度に応じて決まる値である。このグラフにおけるエアミックスドア46の開度のA、B及びCは、それぞれ上記第1設定開度、上記第2設定開度及び上記第3設定開度である。そして、ISsetの値が正の値となる場合に、基準時間にISsetを加える。例えば、エアミックスドア46の開度が上記第1設定開度Aであるときに、設定温度が30℃に上昇した場合、ISsetの値は、基準温度を25℃とすると、(25−30)×(−5)=+25(秒)となり、基準時間に25秒を加えた時間がアイドリング停止最短時間となる。
したがって、冷房中に乗員が設定温度を上昇させるか、又は、暖房中に乗員が設定温度を低下させたときには、アイドリング停止最短時間が長くなる。この場合、エンジンの自動停止後直ぐに上記所定の条件が成立したときの、エンジンの再始動までの時間が長くなるが、乗員の設定温度の変更を考慮すれば、乗員に不快感を与えるようなことはない。
このように、エンジンの自動停止中でかつ空調装置1の作動中において、エバポレータ35及びヒータコア43の温度に関する所定の条件が成立したときには、所定のエンジン再始動条件が不成立であっても、エンジンを再始動させるとともに、エンジンの自動停止中でかつ空調装置1の作動中において、エアミックスドア46の開度が所定開度以下でかつ温度設定スイッチ68による設定温度が上昇したとき、又は、エアミックスドア46の開度が上記所定開度よりも大きくかつ上記設定温度が低下したときに、エンジンの自動停止の時間が長くなるように上記所定の条件を変更したので、車両の乗員に対して不快感を与えないようにしつつ、エンジンの自動停止時間を出来る限り長くすることができる。
また、エンジンの自動停止中でかつ空調装置1の作動中において、エアミックスドア46の開度が上記所定開度以下でかつ温度設定スイッチ68による設定温度が上昇したとき、又は、エアミックスドア46の開度が上記所定開度よりも大きくかつ上記設定温度が低下したときに、上記所定の条件の変更に加えて、アイドリング停止最短時間を長くするようにしたので、エンジンの自動停止後直ぐに上記所定の条件が成立しても、車両の乗員に対して不快感を与えることなく、エンジンの自動停止時間を長くすることができる。
また、車両用空調装置1においては、エアミックス空間45に流入する温風量よりも冷風量の方が多いと、エアミックス空間45に一旦流入した冷風が加熱通路22bに流入し易くなり、その結果、ヒータコアセンサ38の検出温度が実際の温度よりも低温になる。この実施形態では、このような場合に実際の空気の加熱状態に近いエンジン水温センサ64の出力値を選択して吹出空気温度の予測値(Ti)を得るようにしている。これにより、吹出温度の予測値(Ti)が適切な値になる。一方、エアミックスドア46の開度がエアミックス空間45に流入する温風量よりも冷風量の方を少なくする開度である場合には、加熱通路22bへの冷風の流入は無いので、ヒータコアセンサ38の出力値を選択して吹出空気温度の予測値(Ti)を得ることが可能になる。
このことによっても、車両の乗員に対して不快感を与えないようにしつつ、エンジンの自動停止時間を出来る限り長くできる。
また、車室外の気温に基づいてエアミックスドア46の開度を補正することで、車室外の気温の影響を排除してエアミックスドア46の開度と吹出空気温度の予測値(Ti)とが比例関係になる。これにより、予測値(Ti)が適正な値になるので、エンジンの自動停止時間が短くならないようにすることが可能になる。このことによっても、車両の乗員に対して不快感を与えないようにしつつ、エンジンの自動停止時間を出来る限り長くできる。
また、冷房時に暖房時よりも風量が多くなるようにするとともに、日射が強い場合にも風量を多くするので、乗員が不快感を感じ難くなる。これにより、エンジンが空調の影響によって再始動されてしまうのを抑制でき、エンジンが自動停止している時間を長くすることができる。
また、暖房時に日射が強い場合に風量を少なくするようにしたので、熱源が無駄に利用されてしまうのを回避でき、エバポレータ35及びヒータコア43の温度に関する条件によってエンジンが再始動されてしまう頻度を低減できる。よって、エンジン自動停止機能の効果を十分に得ることができる。
また、アイドリングの自動停止中に最低風量を設定しているので、少なくとも必要最小限の空調性能を確保でき、乗員の快適性を確保できる。
また、最大風量を設定しているので、エンジンが自動停止して冷媒の供給が停止した状態で大風量による送風がなされなくなるので、車室内に供給される空気の体感上の温度変動を抑制できる。
また、エアミックスドア46の開度と外気温とに基づいて冷房と暖房のいずれであるか判定するようにしたので、正確に判定することができる。
本実施形態では、エアコン制御ユニット2及び車両制御ユニット6が、本発明のエンジン自動停止制御装置を構成することになるが、これには限られず、例えば、エアコン制御ユニット2と車両制御ユニット6とを一体化(又は、更にエンジン制御ユニット3も一体化)した1つのユニットがエンジン自動停止制御装置を構成するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、エンジンにより駆動される補機から供給される熱媒体との熱交換によって車室内への送風空気を加熱又は冷却する熱交換器を有する空調装置を備えた車両のエンジンを自動停止させるようにする場合に有用である。
1 空調装置
2 エアコン制御ユニット(エンジン自動停止制御装置)
6 車両制御ユニット(エンジン自動停止制御装置)
22a 冷却通路
22b 加熱通路
32 ブロア
33 ブロアモータ
35 エバポレータ(冷却用熱交換器)
36 コンプレッサー(補機)
37 エバセンサ
38 ヒータコアセンサ
43 ヒータコア(加熱用熱交換器)
44 エアミックス空間
46 エアミックスドア
65 外気温センサ
67 日射センサ
68 温度設定スイッチ
100 車両の制御装置

Claims (5)

  1. 空調用空気を送風する送風機と、車両のエンジンにより駆動される補機から供給される熱媒体と上記送風機により送風される空調用空気とを熱交換させる熱交換器と、日射量を検出する日射センサとを有する空調装置と、
    所定のエンジン停止条件が成立したときに上記エンジンを自動停止させるとともに、所定のエンジン再始動条件が成立したときに該自動停止させたエンジンを再始動させるエンジン自動停止制御装置とを備え、
    上記エンジン自動停止制御装置は、上記エンジンの自動停止中でかつ上記空調装置の作動中において、上記所定のエンジン再始動条件とは別に定めた、上記熱交換器の温度に関する所定の条件が成立したときには、該所定のエンジン再始動条件が不成立であっても、上記エンジンを再始動させるように構成された車両の制御装置であって、
    上記エンジンの自動停止中でかつ上記空調装置の作動中において、冷房時には、暖房時よりも風量が多くなるように上記送風機を制御するとともに、上記日射センサにより検出された日射量が所定日射量以上である場合には、所定日射量よりも少ない場合に比べて風量が多くなるように上記送風機を制御するように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制御装置において、
    暖房時には、上記日射センサにより検出された日射量が所定日射量以上であると検出された場合に、所定日射量よりも少ない場合に比べて風量が少なくなるように上記送風機を制御するように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両の制御装置において、
    上記エンジンの自動停止中でかつ上記空調装置の作動中には、所定の下限値以上の風量となるように上記送風機を制御することを特徴とする車両の制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
    上記エンジンの自動停止中でかつ上記空調装置の作動中には、所定の上限値以下の風量となるように上記送風機を制御することを特徴とする車両の制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の車両の制御装置において、
    空調装置は、空調用空気を冷却する冷却用熱交換器と、空調用空気を加熱する加熱用熱交換器と、上記冷却用熱交換器を通過した空気及び上記加熱用熱交換器を通過した空気の混合量を変化させるエアミックスドアと、車両の外気温を検出する外気温センサとを備え、
    上記エアミックスドアの開度と、上記外気温センサにより検出された外気温との少なくとも一方に基づいて、冷房と暖房のいずれであるかを判定することを特徴とする車両の制御装置。
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