JP2013008924A - 半導体発光素子の製造方法及び半導体発光素子 - Google Patents

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博之 米田
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Abstract

【課題】 光の出射効率を高めながらも、耐食性に優れた半導体発光素子やその製造方法を提供する。
【解決手段】 電力を供給することで発光する発光層12を有した半導体積層構造11〜14を形成し、さらにその上に、発光層12が出射する光の少なくとも一部を反射する反射膜2bを有した電極21,22を形成する。そして、電極21,22の露出面を酸化することで、少なくとも反射膜2bの表面に酸化被膜2bxを形成する。これにより、反射膜2bの耐食性を高めることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などに代表される半導体発光素子や、その製造方法に関する。
LEDなどに代表される半導体発光素子は、低消費電力や、小型、高輝度、長寿命などの利点があるため、近年様々な用途で利用されている。例えば、消費電力の大きい白熱灯の代替として、照明装置に利用されるようになってきている。
また、半導体発光素子の光の出射効率をより高くするために、発光層から出射される光を反射し得る電極を備えるものがある。例えば、特許文献1や特許文献2では、反射率が大きいAlから成る層を電極に備えた半導体発光素子が提案されている。
特開2008−244161号公報 特開2002−26392号公報
しかしながら、上記の半導体発光素子では、半導体発光素子の製造工程や実装工程、さらにその後の使用期間において、電極の一部を構成するAlが腐食して、動作に障害が生じ得るため、問題になる。
具体的に例えば、Alは、半導体発光素子(特に、半導体層)を加工する際に行われる、ハロゲン系のガスなどを用いた反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)によって、腐食され得る。また、Alは、リードフレーム等の支持基体に半導体発光素子を封止して実装する封止樹脂に含まれるハロゲンによっても、腐食され得る。さらに、Alは、半導体発光素子と封止樹脂との界面から侵入してくる水分によっても、腐食され得る。
本発明は、上記の問題点に鑑み、光の出射効率を高めながらも、耐食性に優れた半導体発光素子やその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、電力を供給することで発光する発光層を有した半導体積層構造を形成する工程と、
当該工程で形成された前記半導体積層構造上に、前記発光層が出射する光の少なくとも一部を反射する反射膜を有した電極を形成する工程と、
当該工程で形成された前記電極の露出面を酸化することで、少なくとも前記反射膜の表面に酸化被膜を形成する工程と、
を備えることを特徴とする半導体発光素子の製造方法を提供する。
なお、酸化被膜を形成する工程とは、例えば何らかの手法を用いて電極の露出面を積極的に酸化することで、自然酸化膜とは異なる酸化被膜を形成する工程である。
さらに、上記特徴の半導体発光素子の製造方法は、前記酸化被膜を形成する工程が、前記反射膜の前記酸化被膜の表面から深さ5nmにおける酸素の原子割合が50%以上である前記酸化被膜を、形成するものであると、好ましい。
さらに、上記特徴の半導体発光素子の製造方法は、前記酸化被膜を形成する工程が、酸素プラズマに前記電極を曝露するものであると、好ましい。
さらに、上記特徴の半導体発光素子の製造方法は、前記酸化被膜を形成する工程が、600W以上の高周波電力を用いて発生させた前記酸素プラズマに、前記電極を10分以上曝露するものであると、好ましい。
このように構成すると、反射膜の表面に、十分な酸化被膜を形成することができる。
さらに、上記特徴の半導体発光素子の製造方法は、前記酸化被膜を形成する工程の後に、前記半導体積層構造の少なくとも一部の露出面に絶縁体から成る保護膜を形成する工程を、
さらに備えると、好ましい。
さらに、上記特徴の半導体発光素子の製造方法は、前記酸化被膜を形成する工程の後に、ハロゲンの元素が含まれるガスを用いたドライエッチングによって、少なくとも前記半導体積層構造を加工する工程を、
さらに備えると、好ましい。
この場合、ハロゲンの元素を含むガスによって、反射膜が腐食されることが懸念されるが、酸化被膜を形成することで反射膜の耐食性が改善されているため、腐食を抑制することができる。
さらに、上記特徴の半導体発光素子の製造方法は、前記電極を形成する工程で、Alを含む前記反射膜を形成すると、好ましい。
このように、反射率は大きいが耐食性が悪いAlであっても、上記特徴の半導体発光素子には適用することができる。
さらに、上記特徴の半導体発光素子の製造方法は、前記電極を形成する工程で、前記半導体積層構造上に接触する接触層を形成した後に、当該接触層上に前記反射膜を形成すると、好ましい。
このように、接触層を設けることによって、電極と半導体積層構造とを好適に接触(例えば、オーミック接触)させることができる。
さらに、上記特徴の半導体発光素子の製造方法は、前記電極を形成する工程で、Niを含む前記接触層を形成すると、好ましい。
さらに、上記特徴の半導体発光素子の製造方法は、前記電極を形成する工程で、厚さが1.25nm以下の前記接触層を形成すると、好ましい。
このように構成すると、接触層を設けることで、反射膜による光の反射率が低下することを、好適に抑制することができる。
また、本発明は、電力を供給することで発光する発光層を有した半導体積層構造と、
前記半導体積層構造上に形成される、前記発光層が出射する光の少なくとも一部を反射する反射膜を有した電極と、
前記電極の少なくとも前記反射膜の表面に形成される酸化被膜と、を備え、
前記反射膜の前記酸化被膜の表面から深さ5nmにおける酸素の原子割合が、50%以上であることを特徴とする半導体発光素子を提供する。
上記特徴の半導体発光素子やその製造方法によれば、発光層が出射する少なくとも一部の光を反射する反射膜を設けることで、光の出射効率を高めるとともに、当該反射膜の表面に酸化被膜を形成することで、耐食性を向上することが可能になる。
本発明の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一例を示す断面図。 半導体発光装置の動作例を示すグラフ。 Al膜表面のXPS(X-ray photoelectron spectroscopy)分析結果を示すグラフ。 Al膜の深さ方向に対するAl原子とO原子の原子割合の変化を示すグラフ。 第1Ni膜の厚さが異なる場合における波長と反射率との関係を示すグラフ。 第1Ni膜の厚さと反射率との関係を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態として、本発明をLEDに適用する場合を例示する。ただし、本発明が適用可能な半導体発光素子は、LEDに限られない。例えばレーザダイオードなど、電極を介して供給される電力により発光する半導体発光素子の全般に対して、本発明を適用することが可能である。
<半導体発光素子の製造方法>
最初に、本発明の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一例について、図1〜図3を参照して説明する。図1〜図3は、本発明の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の一例を示す断面図である。図1は、各種半導体層の積層方法(半導体積層構造の作製方法)について例示したものである。また、図2は、図1の後の工程を示したものであり、電極の形成方法について例示したものである。また、図3は、図2の後の工程を示したものであり、保護膜の形成方法について例示したものである。
最初に、図1(a)に示すように、サファイアなどから成る基板10を用意する。そして、図1(b)に示すように、基板10の一方の主面(以下、表面とする)を凹凸状に加工する。例えば、このような凹凸状は、凹部(溝)を形成すべき部分を除いて基板10の表面上にレジストを形成し、ハロゲン系ガス(例えば、BCl、Cl及びArの混合ガス)を用いたICP(Inductively Coupled Plasma)等のエッチングを行うことで、形成することができる。なお、エッチングで使用したレジストは、当該エッチングの後に除去する。
次に、図1(c)に示すように、凹凸状になった基板10の表面上に、n型のGaNから成るnクラッド層11、GaNから成る障壁層とInGa1−xN(0<x≦1)から成る井戸層とが交互に積層されるとともに最初及び最後の層が障壁層となる多重量子井戸構造を備えた発光層(活性層)12、p型のGaNから成るpクラッド層13を、この順番で積層する。
nクラッド層11、発光層12及びpクラッド層13は、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)などによって積層することができる。また、n型のGaNのドーパントとして、例えばSiを用いることができる。また、p型のGaNのドーパントとして、例えばMgを用いることができる。また、このpクラッド層13の積層後、p型ドーパンドを活性化するべくアニールを行ってもよい。また、nクラッド層11、発光層12及びpクラッド層13を構成するGaNやInGa1−xNに、Alなどの他の元素が含まれていてもよい。
次に、図1(d)に示すように、pクラッド層13上に、ITO(Indium Tin Oxide)から成る透明電極14を形成する。この透明電極14は、例えばスパッタなどによって形成することができる。
本例の半導体発光素子の製造方法では、後の工程でnクラッド層11に電極を形成するため、当該電極を形成する領域についてはnクラッド層11を露出させる必要がある。そこで、図1(e)に示すように、当該領域における透明電極14と、pクラッド層13と、発光層12と、nクラッド層11の一部と、を除去する。
例えば、透明電極14は、王水等によるエッチングによって除去することができる。さらに例えば、pクラッド層13、発光層12及びnクラッド層11は、ハロゲン系ガス(例えば、SiCl)を用いたICP等のエッチングによって除去することができる。ただし、これらのエッチングを行う場合、除去すべき部分を除いてレジストを形成する必要がある。なお、それぞれのエッチングで使用したそれぞれのレジストは、それぞれのエッチングの終了後に除去する。
次に、図2(a)に示すように、透明電極14の一部の上に設けられるp電極21と、上述の工程によって露出させたnクラッド層11の一部の上に設けられるn電極22と、を形成する。p電極21及びn電極22のそれぞれは、透明電極14上またはnクラッド層11上に形成されNiから成る第1Ni膜2aと、第1Ni膜2a上に形成されAlから成るAl膜2bと、Al膜2b上に形成されNiから成る第2Ni膜2cと、第2Ni膜2c上に形成されPtから成るPt膜2dと、Pt膜2d上に形成されAuから成るAu膜2eと、Au膜2e上に形成されNiから成る第3Ni膜2fと、を備える。
各膜2a〜2fの厚さは、例えば、第1Ni膜2aが1.25nm、Al膜2bが200nm、第2Ni膜2cが40nm、Pt膜2dが100nm、Au膜2eが700nm、第3Ni膜が20nmである。
第1Ni膜2aは、透明電極14及びnクラッド層11のそれぞれとオーミック接触する。また、Al膜2b(反射膜に相当)は、発光層12が出射する光の少なくとも一部を好適に反射する。また、第2Ni膜2cは、Al膜2b及びPt膜2dを強固に結びつける。また、Au膜2e及び第3Ni膜2fは、電力を供給する外部の電源装置と電気的に接続するためのワイヤ等と、電気的及び物理的に接続する。なお、Al膜2b以外の膜(例えば、Pt膜2d)も、発光層12が出射する光を反射し得る。
p電極21及びn電極22は、例えばp電極21及びn電極22を形成すべき部分を除いてレジストを形成し、蒸着等によって金属膜を順次形成した後に当該レジストをリフトオフすることで、同時に形成することができる。なお、p電極21及びn電極22を同時に形成する場合について例示したが、別々に形成してもよい。
次に、図2(b)に示すように、p電極21及びn電極22の露出している表面の酸化を行い、少なくともAl膜2bについては、酸化被膜2bxを形成する。この酸化被膜2bxは、自然に形成され得る酸化膜(以下、自然酸化膜とする)とは、異なるものである。
本発明の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法では、この酸化被膜2bxを敢えて形成する工程を備える。なお、Al膜2bに限られず、他の膜2a,2c〜2fの露出している表面にも酸化被膜が形成される可能性があるが、以下ではAl膜2bに形成される酸化被膜2bxに着目する。また、酸化被膜2bxを形成するための酸化方法の詳細は、後述する。
次に、図3に示すように、p電極21が形成されていない透明電極14上と、n電極22が形成されていないnクラッド層11上と、をそれぞれ覆うように、SiOから成る保護膜30を形成する。なお、図3に示すように、p電極21及びn電極22の上面の一部(端部)や側面に、保護膜30が形成され得る。また、後述する分割工程において、分割溝を形成する位置には、保護膜30が形成されないようにすると、好ましい。
保護膜30は、例えばプラズマCVD等によりSiOを全面的に形成した後、除去すべき部分を除いてレジストを形成し、フッ酸等のエッチャントを用いて当該部分のSiOを除去することで、形成することができる。なお、エッチングで使用したレジストは、エッチングの終了後に除去する。
以上の工程によって、半導体発光素子1が形成される。ただし、この段階ではウエハの状態(基板10及びnクラッド層11が共通となり、複数の半導体発光素子1が一体となっている状態)であるため、必要に応じてチップへの分割を行う。この分割は、半導体発光素子1を単位として行われ、1つのチップには少なくとも1つの半導体発光素子1が含まれる。
この分割工程では、まず、nクラッド層11に対して分割溝を形成する。この分割溝は、例えば分割溝を形成すべき部分を除いてレジストを形成し、ハロゲン系ガス(例えば、SiCl)を用いたICP等のエッチングを行うことで、形成することができる。なお、エッチングで使用したレジストは、エッチングの終了後に除去する。
次に、基板10の凹凸が形成されていない方の面(以下、裏面とする)を、研磨等によって薄くする。そして、当該基板10の裏面に対して、レーザスクライブ等によってスクライブ溝を形成する。このとき、基板10におけるスクライブ溝を、nクラッド層11における分割溝と対向する位置に形成する。そして、例えば基板10の裏面側に形成されたスクライブ溝に刃を押し当てることで、スクライブ溝と分割溝との間が割れ、ウエハが分割される。
上記の分割によって生成される、チップ化された半導体発光素子1(以下、チップとする)は、例えばワイヤボンディング実装により、半導体発光装置に実装される。このように実装される場合、発光層12が出射する光は、p電極21及びn電極22側から取り出される。
発光層12が出射する光は、基板10側と、p電極21及びn電極22側と、にそれぞれ向かう。p電極21及びn電極22側に向かう光は、そのまま電極側に向かうだけでなく、p電極21及びn電極22が備えるAl膜2bやPt膜2dなど(特に、Al膜2b)によって反射されることで、基板10側にも向かう。基板10側に向かう光は、凹凸状の基板10の表面で反射され、p電極21及びn電極22側に向かう。そのため、効率よくチップから光を出射することが可能になる。
この半導体発光装置の動作例について、図面を参照して説明する。図4は、半導体発光装置の動作例を示すグラフである。図4のグラフは、半導体発光装置に対して所定の電流(例えば、30mA)を供給し、出射される光を積分球により集光して計測した結果を、波長毎の光出力として表したものである。図4のグラフには、上述の製造方法により得られた半導体発光素子1を適用した半導体発光装置(以下、「実施例」とする)の動作例(図中の○)と、当該半導体発光素子1のp電極21及びn電極22に第1Ni膜2a及びAl膜2bを設けない半導体発光素子を適用した半導体発光装置(以下、「比較例」とする)の動作例(図中の×)と、を併せて表示している。なお、図4のグラフの横軸は波長(nm)であり、縦軸は光出力(mW)である。
図4に示すように、波長の全体において、実施例が出射する光の光出力が、比較例が出射する光の光出力よりも大きくなる。即ち、実施例の方が、比較例よりも効率よく光を出射することが可能である。
<酸化被膜を形成するための酸化方法>
上述した酸化被膜2bxを形成するための酸化方法や、形成される酸化被膜2bxの特性について説明する。最初に、酸化被膜2bxを形成するための酸化方法について、説明する。
以下では説明の具体化のために、酸素プラズマにp電極21及びn電極22を曝露することで、p電極21及びn電極22の露出した表面を酸化して、少なくとも酸化被膜2bxを形成する酸化方法について、例示する。ただし、酸化被膜2bxを形成可能な酸化方法であれば、酸素プラズマへの曝露に限られず、どのような酸化方法を採用してもよい。
例えば、酸素プラズマは、高周波(例えば、13.56MHz)電力を酸素ガスに印加することで、発生させることができる。具体的に例えば、高周波電力を600W以上1300W以下、酸素の流量を500sccm以上1500sccm以下、酸素プラズマを発生させるチャンバー内の圧力が400mTorr以上1300mTorr以下となる条件で、酸素プラズマを発生させることができる。また、この条件で発生させた酸素プラズマに対して、p電極21及びn電極22を、例えば10分以上30分以下曝露することで、酸化被膜2bxを形成することができる。
なお、以下では説明の具体化のために、高周波電力が1000W、酸素流量が900sccm、チャンバー内の圧力が800mTorr、曝露時間が15分の条件で、p電極21及びn電極22の表面に酸化被膜2bxを形成する場合について、例示する。
この酸化被膜2bxについて、図面を参照して説明する。図5は、Al膜表面のXPS分析結果を示すグラフである。図6は、Al膜の深さ方向に対するAl原子とO原子の原子割合の変化を示すグラフである。
図5のグラフは、酸素プラズマに曝露する前後のAl膜2bの表面のXPS分析結果を示したものであり、Alの2pの結合エネルギーについて分析したものである。図5(a)が酸素プラズマに曝露する前のグラフであり、図5(b)が酸素プラズマに曝露した後のグラフである。なお、図5(a)及び図5(b)のグラフの横軸は結合エネルギー(eV)であり、縦軸は規格化した強度である。
また、図6のグラフは、Arプラズマを用いてAl膜2bを表面から掘り込みながら、図5と同様にXPS分析を順次行うことによって求めたAlの原子割合(図中の細線)及びOの原子割合(図中の太線)を示したものである。また、図6のグラフには、酸素プラズマに曝露する前の原子割合(図中の破線)と酸素プラズマに曝露した後の原子割合(図中の実線)とを併せて表示している。なお、図6のグラフの横軸はAl膜2bの表面(即ち、自然酸化膜または酸化被膜2bxの表面)からの深さ(nm)であり、縦軸は原子割合(%)である。
図5(a)に示すように、酸素プラズマに曝露する前のAl膜2bの表面のXPS分析結果では、自然酸化膜に起因するAl−Oのピークと、金属のAlに起因するAl−Alのピークと、の双方が確認される。即ち、酸素プラズマ曝露前のAl膜2bの表面には、純粋な金属のAlの他に、自然に酸化したAlも含まれている。
一方、図5(b)に示すように、酸素プラズマに曝露した後のAl膜2bの表面のXPS分析結果では、Al−Oのピークは確認されるが、金属のAlに起因するAl−Alのピークは埋没し(相対的に弱くなり)、確認し難くなっている。即ち、酸素プラズマ曝露後のAl膜2bの表面には、酸化したAlが十分に含まれている(酸化被膜2bxが形成されている)。
また、図6に示すように、酸素プラズマに曝露する前のAl膜2bでは、Alが自然に酸化するため、表面近傍に酸素原子が存在する。ただし、表面からの深さが5nmで、酸素の原子割合が25%以下になる程度である。
一方、酸素プラズマに曝露した後のAl膜2bでは、酸化被膜2bxが形成されるため、表面近傍に十分な酸素原子が存在する。特に、表面からの深さが5nmで、酸素の原子割合が50%以上になっている。なお、表面からの深さが20nm以上では、酸素の原子割合が限りなく0に近づいている(金属のAlになっている)。
Al膜2bの表面に形成される酸化被膜2bxは、不動態皮膜として作用する。したがって、酸化被膜2bxを形成することで、ハロゲンや水分等によって腐食され得るAl膜2bの耐食性を、向上することができる。
以上のように、本発明の実施形態における半導体発光素子1では、発光層12が出射する少なくとも一部の光を反射するAl膜2bを設けることで、光の出射効率を高めるとともに、当該Al膜2bの表面に酸化被膜2bxを形成することで、耐食性を向上することが可能になる。
<第1Ni膜の厚さ>
次に、上述したp電極21及びn電極22における第1Ni膜2aの最適な厚さについて、図面を参照して説明する。図7は、第1Ni膜の厚さが異なる場合における波長と反射率との関係を示すグラフである。図8は、第1Ni膜の厚さと反射率との関係を示すグラフである。
図7のグラフは、Al膜2bの厚さを上述の200nmで固定して、第1Ni膜2aの厚さを変えた場合において、第1Ni膜2a側から入射させた光の反射率を、波長毎に測定して得られたものである。また、図7のグラフでは、第1Ni膜2aの厚さが、0nm(図中の破線)、1.25nm(図中の極太線)、2.5nm(図中の灰色線)、5nm(図中の細線)、10nm(図中の中太線)の各場合について、併せて表示している。なお、図7のグラフの横軸は波長(nm)であり、縦軸は反射率(%)である。
図8のグラフは、図7の測定結果について、ある波長(450nm)に注目した場合における第1Ni膜2aの厚さと反射率との関係を示すものである。なお、図8のグラフの横軸は第1Ni膜2aの厚さ(nm)であり、縦軸は反射率(%)である。
図7に示すように、半導体発光素子1が出射し得る光の波長全体において、第1Ni膜2aの厚さを1.25nmにすることで、第1Ni膜2aを設けない場合(厚さが0nm)よりも、反射率を改善することができる。一方、第1Ni膜2aの厚さを2.5nm以上に厚くすると、第1Ni膜2aを設けない場合よりも、反射率が悪くなる。
さらに、図8に示すように、第1Ni膜2aの厚さを1.25nm以下にすると、第1Ni膜2aを設けない場合よりも、確実に反射率を改善することができる。
したがって、本発明の実施形態に係る半導体発光素子1では、第1Ni膜2aの厚さを1.25nm以下にすることで、光の出射効率を高めることが可能である。
<変形等>
上述した半導体発光素子1の構成は一例に過ぎず、適宜変更してもよい。例えば、半導体積層構造11〜14については、周知のどのような構造を採用してもよい。ただし、半導体発光素子が、発光層と、当該発光層が出射する光の少なくとも一部を反射する反射膜を備えた電極と、を備えた構成であると、好ましい。
また、上述したp電極21及びn電極22の構成は一例に過ぎず、発光層12が出射する光の少なくとも一部を反射する膜を備える限り、どのような構成にしてもよい。例えば、上述の例では、p電極21及びn電極22を構成するそれぞれの膜2a〜2fが、1種類の金属から成る場合について例示したが、これらの少なくとも1つが複数種類の金属を含むものであってもよい。また、p電極21及びn電極22を構成するそれぞれの膜2a〜2fの一部または全部が、異なっても良い。
本発明に係る半導体発光素子やその製造方法は、照明装置等に搭載されるLED等に、好適に利用され得る。
1 : 半導体発光素子
10 : 基板
11 : nクラッド層
12 : 発光層
13 : pクラッド層
14 : 透明電極
21 : p電極
22 : n電極
2a : 第1Ni膜
2b : Al膜
2c : 第2Ni膜
2d : Pt膜
2e : Au膜
2f : 第3Ni膜
30 : 保護膜

Claims (11)

  1. 電力を供給することで発光する発光層を有した半導体積層構造を形成する工程と、
    当該工程で形成された前記半導体積層構造上に、前記発光層が出射する光の少なくとも一部を反射する反射膜を有した電極を形成する工程と、
    当該工程で形成された前記電極の露出面を酸化することで、少なくとも前記反射膜の表面に酸化被膜を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記酸化被膜を形成する工程が、前記反射膜の前記酸化被膜の表面から深さ5nmにおける酸素の原子割合が50%以上である前記酸化被膜を、形成するものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記酸化被膜を形成する工程が、酸素プラズマに前記電極を曝露するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記酸化被膜を形成する工程が、600W以上の高周波電力を用いて発生させた前記酸素プラズマに、前記電極を10分以上曝露するものであることを特徴とする請求項3に記載の半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記酸化被膜を形成する工程の後に、前記半導体積層構造の少なくとも一部の露出面に絶縁体から成る保護膜を形成する工程を、
    さらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記酸化被膜を形成する工程の後に、ハロゲンの元素が含まれるガスを用いたドライエッチングによって、少なくとも前記半導体積層構造を加工する工程を、
    さらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  7. 前記電極を形成する工程で、Alを含む前記反射膜を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  8. 前記電極を形成する工程で、前記半導体積層構造上に接触する接触層を形成した後に、当該接触層上に前記反射膜を形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  9. 前記電極を形成する工程で、Niを含む前記接触層を形成することを特徴とする請求項8に記載の半導体発光素子の製造方法。
  10. 前記電極を形成する工程で、厚さが1.25nm以下の前記接触層を形成することを特徴とする請求項8または9に記載の半導体発光素子の製造方法。
  11. 電力を供給することで発光する発光層を有した半導体積層構造と、
    前記半導体積層構造上に形成される、前記発光層が出射する光の少なくとも一部を反射する反射膜を有した電極と、
    前記電極の少なくとも前記反射膜の表面に形成される酸化被膜と、を備え、
    前記反射膜の前記酸化被膜の表面から深さ5nmにおける酸素の原子割合が、50%以上であることを特徴とする半導体発光素子。
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