JP2013007300A - ギヤポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】閉込み空間の圧力変化によってダイヤフラムが変形しても、ギヤの噛み合い部を介した吐出室から吸入室への流体洩れを抑制することができるギヤポンプを提供すること。
【解決手段】ギヤポンプにおいて、サイドプレート17と、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面との間にはダイヤフラム31が配設されている。サイドプレート17には、ギヤ33,34同士の噛み合いによって形成された吐出側閉込み空間K1に対向する位置に、吐出側閉込み空間K1から洩れた流体がダイヤフラム31を押圧することによって、サイドプレート17に向けて変形したダイヤフラム31を逃がすための逃がし部17bが凹設されている。また、サイドプレート17には、逃がし部17bの周囲にダイヤフラム31の変形を規制する規制部17cが形成されている。
【選択図】図3
【解決手段】ギヤポンプにおいて、サイドプレート17と、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面との間にはダイヤフラム31が配設されている。サイドプレート17には、ギヤ33,34同士の噛み合いによって形成された吐出側閉込み空間K1に対向する位置に、吐出側閉込み空間K1から洩れた流体がダイヤフラム31を押圧することによって、サイドプレート17に向けて変形したダイヤフラム31を逃がすための逃がし部17bが凹設されている。また、サイドプレート17には、逃がし部17bの周囲にダイヤフラム31の変形を規制する規制部17cが形成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、ハウジングに形成されたポンプ室形成体と、このポンプ室形成体の一側面に接合されたサイドプレートとの間にポンプ室が区画されるとともに、ポンプ室内に、互いに噛み合って回転するギヤが収容されるとともに、ギヤの回転によって移送された流体の吐出室が区画されたギヤポンプ関する。
この種のギヤポンプにおいて、ポンプ室内には流体の吐出室と吸入室が形成されるとともに、この吐出室と吸入室の間にはギヤ同士の噛み合い部が形成される。噛み合い部には流体の閉込み空間が形成され、ポンプ室内の吐出室側に形成される閉込み空間では、ギヤの回転と共に容積が減少し、吸入室側に形成される閉込み空間ではギヤの回転と共に容積が拡大する。このため、吐出室側の閉込み空間では、流体が圧縮されて非常に高圧になり、吸入室側の閉込み空間では、流体が膨張して低圧になる。
よって、吐出室側に形成される閉込み空間では流体の洩れが発生しやすく、吸入室側に形成される閉込み空間では、キャビテーションが発生してしまい好ましくない。このため、ギヤポンプには、吐出室側の閉込み空間を吐出室に連通させる逃がし溝、及び吸入室側の閉込み空間を吸入室に連通させる逃がし溝が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
また、ギヤポンプにおいては、吐出室の流体が、ギヤの端面に沿って吸入室に洩れると体積効率が低下してしまう。このようなギヤの端面に沿った流体洩れを抑制するため、例えば、特許文献2に開示のようにダイヤフラムでシールすることが考えられる。
図6に示すように、特許文献2の回転式流体ポンプ80において、筒状をなすハウジング本体81の両側面には、側体82が固定されるとともに、このハウジング本体81と側体82によって形成されるロータ室83内には、回転軸84によりロータ85が支持されている。また、ハウジング本体81と各側体82との間には、それぞれダイヤフラム86が介在している。さらに、各側体82には、それぞれダイヤフラム86と対向する面に凹部82aが環状に形成されるとともに、ダイヤフラム86と凹部82aとの間に分離室87が形成されている。各分離室87は大気に連通している。
そして、回転式流体ポンプ80においては、分離室87の圧力をロータ室83の圧力より大きくし、ダイヤフラム86に背圧を作用させることにより、両ダイヤフラム86をロータ85の両端面に圧接させている。この圧接により、吐出室(図示せず)の流体が、ロータ85の端面に沿って吸入室(図示せず)に洩れることが抑制される。
ところが、ギヤポンプにおいて、特許文献2のようにダイヤフラムが配置されている場合、吐出室側の閉込み空間の圧力が上昇すると、閉込み空間から洩れた流体によってダイヤフラムがギヤから離れる方向へ押圧される。すると、ギヤの噛み合い部において、ギヤの端面とダイヤフラムとの間に隙間が形成されてしまい、この隙間を介して吐出室の流体が吸入室へ洩れてしまう。このようなダイヤフラムの変形を防止するためには、ダイヤフラムにおいて、吐出室側の閉込み空間に対向した位置に、特許文献1のような逃がし溝を形成することが考えられる。しかし、逃がし溝は、吐出室と常時連通しており、雰囲気圧力は吐出圧となる。このため、吐出圧力の空間と吸入圧力の空間(吸入室)との間において、ギヤの端面とダイヤフラムとが密接してシールする距離が短くなることから、吐出室から吸入室に流体が洩れやすくなる。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、閉込み空間の圧力変化によってダイヤフラムが変形しても、ギヤの噛み合い部を介した吐出室から吸入室への流体洩れを抑制することができるギヤポンプを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングに形成されたポンプ室形成体と、該ポンプ室形成体の一側面に接合されたサイドプレートとの間にポンプ室が区画され、前記ポンプ室内に、互いに噛み合って回転するギヤが収容されるとともに、前記ギヤの回転によって移送された流体の吐出室、及び前記ギヤの回転によって流体が吸入される吸入室が区画されたギヤポンプに関する。このギヤポンプにおいて、前記サイドプレートと、該サイドプレートに対向する前記ギヤの一端面との間にはダイヤフラムが配設され、該ダイヤフラムは、前記サイドプレートとの間に、前記吐出室の流体が導入されることで変形して前記一端面に圧接する。また、前記サイドプレートには、前記ギヤ同士の噛み合いによって形成された前記流体の閉込み空間から前記吐出室に対向する位置に、該閉込み空間から洩れた前記流体が前記ダイヤフラムを押圧することによって、前記サイドプレートに向けて変形した前記ダイヤフラムを逃がすための逃がし部が凹設されるとともに、前記逃がし部の周囲に前記ダイヤフラムの変形を規制する規制部が形成されている。
これによれば、ギヤの噛み合い部において、吐出室側の閉込み空間の容積が減少し、この閉込み空間から流体が洩れると、その流体によって押圧されたダイヤフラムは、逃がし部に対向する部位だけがサイドプレートに向けて変形し、逃げたダイヤフラムの内側を介して閉込み空間と吐出室とが連通する。すなわち、ダイヤフラムは、吐出室側の閉込み空間の容積が減少し圧力が上昇したときだけ変形して閉込み空間と吐出室を連通させ、それ以外のときは閉込み空間と吐出室との連通を遮断している。そして、ダイヤフラムが逃がし部に向けて変形したとき、噛み合い部では、規制部によってダイヤフラムがサイドプレートに向けて変形することが規制され、噛み合い部でのギヤの端面とダイヤフラムとの間のシールを維持することができる。したがって、ダイヤフラムに逃がし溝を形成し、吐出室と閉込み空間とが常時連通する場合と異なり、閉込み空間と吸入室との間をダイヤフラムで適宜シールして、吐出室から吸入室への流体洩れを抑制することができる。
また、前記サイドプレートには、前記ギヤの回転に伴い容積が減少する前記閉込み空間から前記吐出室に対向する位置に前記逃がし部が形成されるとともに、前記ギヤの回転に伴い前記容積が減少する閉込み空間と、前記ギヤの回転に伴い前記容積が拡大する前記閉込み空間との間に対向する位置に前記規制部が形成されていてもよい。
これによれば、容積が減少する閉込み空間と、容積が拡大する閉込み空間との間が、ダイヤフラムによってシールされ、吐出室から吸入室への流体洩れを抑制することができる。
また、前記サイドプレートには前記閉込み空間から前記吸入室に対向する位置に収容凹部が形成されるとともに、前記ダイヤフラムには、前記収容凹部内に向けて突設した予変形部が設けられていてもよい。
これによれば、予変形部内を介して吸入室側の閉込み空間と吸入室とを連通させることができる。このため、ギヤの回転に伴い吸入室側の閉込み空間の容積が拡大して行くのに連れて、吸入室側の閉込み空間には吸入室の流体が吸入される。このため、吸入室側の閉込み空間の圧力が低下することがなく、また、ダイヤフラムによって吸入室側の閉込み空間が密閉されることが防止される。その結果、ギヤポンプにキャビテーションが発生することを防止することができる。
また、前記ギヤの回転に伴い容積が減少する閉込み空間と、該閉込み空間の容積が減少した後に容積が拡大する閉込み空間と、に跨る位置に前記逃がし部が形成されていてもよい。
これによれば、閉込み空間の容積が減少し、流体圧力が上昇すると、その閉込み空間から押し出された流体によりダイヤフラムは逃がし部に対向する部位だけがサイドプレートに向けて変形する。そして、閉込み空間から押し出された流体は、ギヤの端面とダイヤフラムとの間に一旦蓄積される。その後、閉込み空間の容積が拡大していくと、逃がし部に向けて変形したダイヤフラムは、閉込み空間に向けて引寄せられ、原形状に復帰する。すると、蓄積された流体が、容積の拡大する閉込み空間へ流れ込む。すなわち、ダイヤフラムは逃がし部により変形可能とされ、容積が減少する閉込み空間から、容積が拡大する閉込み空間への流体の移動を許容する。よって、1つの逃がし部を形成するだけで、容積が減少する閉込み空間からの流体洩れによりダイヤフラム全体が変形してダイヤフラムのシール機能が損なわれることを防止できするとともに、容積が拡大する閉込み空間においてキャビテーションの発生を防止することができる。
また、前記閉込み空間の前記容積が減少していく際には、前記容積が拡大する前記閉込み空間と前記吸入室との間に対向する位置に前記規制部が形成されてもよい。
これによれば、閉込み空間の容積が減少しくいく際に、その閉込み空間の流体を吐出室に逃がすことができるとともに、規制部によってダイヤフラムの変形を規制することで、吐出室が閉込み空間を介して吸入室に連通することが防止される。
これによれば、閉込み空間の容積が減少しくいく際に、その閉込み空間の流体を吐出室に逃がすことができるとともに、規制部によってダイヤフラムの変形を規制することで、吐出室が閉込み空間を介して吸入室に連通することが防止される。
本発明によれば、閉込み空間の圧力変化によってダイヤフラムが変形しても、ギヤの噛み合い部を介した吐出室から吸入室への流体洩れを抑制することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明のギヤポンプを、ランキンサイクル装置に用いられる複合流体機械のギヤポンプに具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
以下、本発明のギヤポンプを、ランキンサイクル装置に用いられる複合流体機械のギヤポンプに具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、複合流体機械11のハウジング12は、筒状をなすセンタハウジング13と、このセンタハウジング13の一端(図1では左端)に接合されたフロントハウジング14と、センタハウジング13の他端(図1では右端)に接合されたリヤハウジング15と、から形成されている。センタハウジング13の内周面には、ポンプ室形成体としての仕切壁13aがセンタハウジング13内に向けて延びるように形成されるとともに、この仕切壁13aによってハウジング12内が2つの空間に仕切られている。
フロントハウジング14、及びリヤハウジング15には、駆動軸21が軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されるとともに、駆動軸21の周面と摺接するシール(図示せず)が配設されている。駆動軸21にはモータ・ジェネレータ20が設けられている。モータ・ジェネレータ20は、駆動軸21を回転させる電動機としての機能と、駆動軸21が回転されることで電力を生じさせる発電機としての機能とを併せ持つ。なお、モータ・ジェネレータ20にはインバータ22を介してバッテリ23が接続されるとともに、モータ・ジェネレータ20で生じた電力はインバータ22を介してバッテリ23に蓄電されるようになっている。
仕切壁13aのリヤハウジング15側(図1では右側)の面には、駆動軸21を取り囲むように長円状のポンプ室形成凹部13cが形成されている。そして、仕切壁13aのリヤハウジング15側の面(一側面)に、サイドプレート17が接合されることにより、ポンプ室形成凹部13cが閉鎖されて仕切壁13aとサイドプレート17との間にポンプ室18が区画されている。
ポンプ室18内には、駆動軸21に取着された駆動ギヤ34が収容されている。この駆動ギヤ34の外周面には複数のギヤ歯34aが設けられている。また、図2に示すように、仕切壁13aとサイドプレート17とには、従動軸19の周面と摺接するシール部材が配設されている。ポンプ室18内には従動軸19に取着されたポンプ部材としての従動ギヤ33が収容されている。この従動ギヤ33の外周面には複数のギヤ歯33aが設けられている。そして、ポンプ室18では、従動ギヤ33と駆動ギヤ34とが、ギヤ歯33a,34aを噛み合わせた状態で配設されるとともに、ポンプ室18と、従動ギヤ33と、駆動ギヤ34とからギヤポンプ30が形成されている。
ギヤポンプ30においては、従動ギヤ33と駆動ギヤ34の回転により、流体は各ギヤ33,34のギヤ歯33a,34aとポンプ室18の内周面との間に閉じ込められる。閉じ込められた流体は、各ギヤ33,34の回転により移送され、ポンプ室18内で吐出される。なお、ポンプ室18内において、移送された流体が吐出される空間を吐出室Dとし、吸入される流体が存在する空間を吸入室Sとする。
ギヤ歯33a,34a同士の噛み合い部では、それらギヤ歯33a,34aの間に、複数箇所で閉込み空間が形成される。ポンプ室18において、従動ギヤ33と駆動ギヤ34のギヤ歯33a,34aの噛み合い部よりも、各ギヤ33,34の回転方向の先方側には吸入室Sが形成されている。また、ポンプ室18において、上記噛み合い部よりも、各ギヤ33,34の回転方向の手前側には吐出室Dが形成されている。
吐出室Dの流体を閉じ込み、容積減少する閉込み空間を吐出側閉込み空間K1とし、容積拡大し、閉じ込んだ流体を吸入室Sに放出する閉込み空間を吸入側閉込み空間K2とする。また、流体が閉じ込まれ、容積が最小となるときの閉込み空間を閉込み空間K3とする。
そして、吐出側閉込み空間K1の容積は、両ギヤ33,34の回転に伴い流体の閉じ込み開始直後から徐々に減少するため、吐出側閉込み空間K1の流体の圧力は徐々に上昇していく。また、吸入側閉込み空間K2の容積は、両ギヤ33,34の回転に伴い流体の閉じ込み開始直後から徐々に増加していく。このため、吸入側閉込み空間K2の流体の圧力は徐々に低下していく。
なお、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34において、従動軸19及び駆動軸21の中心軸に直交する2つの端面のうち、サイドプレート17側を一端面とし、ポンプ室形成凹部13cの内面側を他端面とする。また、仕切壁13aには吸入室Sに連通する吸入通路13dが形成されるとともに、吐出室Dに連通する吐出通路13eが形成されている。
図1に示すように、複合流体機械11において、駆動軸21の他端側には機構部としての膨張機41が設けられ、この膨張機41は仕切壁13aとリヤハウジング15との間の空間に収容されている。そして、複合流体機械11は、駆動軸21の軸方向に沿ってモータ・ジェネレータ20、ギヤポンプ30、及び膨張機41が並設されて構成されている。
複合流体機械11において、ギヤポンプ30の吐出通路13eには第1流路60aを介して熱交換器62の導入側が接続されるとともに、この熱交換器62は、エンジン64に接続された冷却水循環経路65上に設けられている。冷却水循環経路65上にはラジエータ65aが設けられている。車両のエンジン64を冷却した冷却水は、冷却水循環経路65を循環して熱交換器62及びラジエータ65aで放熱する。そして、ギヤポンプ30から吐出された流体は、熱交換器62においてエンジン64を冷却した冷却水との熱交換により加熱される。
熱交換器62の導出側には、第2流路60bを介して膨張機41の吸入側が接続されるとともに、この膨張機41で、熱交換器62で加熱された流体が膨張するようになっている。膨張機41の吐出側には、第3流路60cを介して凝縮器61の導入側が接続されている。凝縮器61の導出側には第4流路60dを介してギヤポンプ30の吸入通路13dが接続されている。そして、ギヤポンプ30、熱交換器62、膨張機41、及び凝縮器61が第1〜第4流路60a〜60dによって環状に接続されてランキンサイクル装置60が構成されている。したがって、複合流体機械11のギヤポンプ30及び膨張機41は、ランキンサイクル装置60の一部を構成している。
ランキンサイクル装置60においては、バッテリ23からの電力がモータ・ジェネレータ20に供給されるとモータ・ジェネレータ20が電動機として駆動され、ギヤポンプ30が駆動される。このギヤポンプ30において、従動ギヤ33と駆動ギヤ34の回転により、吸入通路13dを介して吸入室Sに流体が吸入されるとともに、この吸入室Sの流体は、各ギヤ33,34のギヤ歯33a,34aとポンプ室18の内周面との間に閉じ込められる。閉じ込められた流体は、各ギヤ33,34の回転により吐出室Dに向けて移送され、吐出室Dに吐出される。
そして、吐出室Dの流体は、吐出通路13eを介して熱交換器62に導出され、この熱交換器62において、エンジン64を冷却した冷却水との熱交換により加熱されるとともに、熱エネルギーを受け取る。加熱後の流体は、膨張機41で膨張し、この膨張により膨張機41が機械的エネルギー(駆動力)を出力する。そして、この駆動力によって膨張機41が駆動され、モータ・ジェネレータ20が駆動されるとともにギヤポンプ30が駆動される。このとき、エンジン64からの廃熱量に応じてモータ・ジェネレータ20の回転数を制御し、ギヤポンプ30の駆動分を差し引いた膨張機41の発生動力が電力に変換され、バッテリ23に充電される。
膨張を終えて圧力が低下した流体は、凝縮器61で冷却されて液化し、膨張機41の出力に応じてギヤポンプ30に吸入される。以後、上述したように、流体は、膨張機41、凝縮器61、ギヤポンプ30、及び熱交換器62を流れて、ランキンサイクル装置60の回路を循環する。
次に、ギヤポンプ30のシール構造について詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、仕切壁13aの一側面と、サイドプレート17との間には、ダイヤフラム31が介装されている。ダイヤフラム31は、金属製の薄板によって弾性変形可能に形成されるとともに、ポンプ室形成凹部13c全体を被覆する大きさに形成されている。また、ダイヤフラム31には、駆動軸21及び従動軸19が挿通されている。ダイヤフラム31の外縁部31bは、ポンプ室形成凹部13c(ポンプ室18)の周囲で、仕切壁13aの一側面と、サイドプレート17とによって挟持されている。したがって、ダイヤフラム31の外縁部31bは、仕切壁13aとサイドプレート17によって表裏両面が金属シールされている。
図1及び図2に示すように、仕切壁13aの一側面と、サイドプレート17との間には、ダイヤフラム31が介装されている。ダイヤフラム31は、金属製の薄板によって弾性変形可能に形成されるとともに、ポンプ室形成凹部13c全体を被覆する大きさに形成されている。また、ダイヤフラム31には、駆動軸21及び従動軸19が挿通されている。ダイヤフラム31の外縁部31bは、ポンプ室形成凹部13c(ポンプ室18)の周囲で、仕切壁13aの一側面と、サイドプレート17とによって挟持されている。したがって、ダイヤフラム31の外縁部31bは、仕切壁13aとサイドプレート17によって表裏両面が金属シールされている。
ダイヤフラム31は、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面と、サイドプレート17との間に介在している。また、サイドプレート17において、ダイヤフラム31に対向する端面には、円環状をなす装着溝17aが従動軸19及び駆動軸21を取り囲むように形成されるとともに、各装着溝17aには、弾性変形可能なシールリング35が装着されている。このシールリング35は、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34のギヤ歯33a,34aの底面を各ギヤ33,34の周方向に繋いだ円(歯底円Q)と、従動軸19及び駆動軸21の周面との間に位置している。そして、シールリング35は、ダイヤフラム31において、各ギヤ33,34の歯底円Qと各軸19,21との間に位置する部位に圧接している。
また、ダイヤフラム31において、吐出室Dと対向する位置には、導入孔31cが形成される。導入孔31cにより吐出室Dの流体が、ダイヤフラム31と、サイドプレート17との間のクリアランスに導入可能になっている。そして、ダイヤフラム31は、吐出室Dの流体圧を受けて従動ギヤ33及び駆動ギヤ34に向けて変形可能になっている。
図2及び図3に示すように、サイドプレート17のダイヤフラム31側の端面には、矩形溝状の逃がし部17bが凹設されている。逃がし部17bは、サイドプレート17において、吐出側閉込み空間K1から吐出室Dに対向する位置に形成されている。詳細には、逃がし部17bは、吐出室Dにおける両ギヤ歯33a,34aが噛み合い(閉じ込み)を開始する前の位置から吐出側閉込み空間K1が形成される位置まで延びるように形成されている。なお、逃がし部17bは、閉込み空間K3が形成される位置には対応していない。また、逃がし部17bの側縁は、各ギヤ33,34の歯先を各ギヤ33,34の周方向に繋いだ円(歯先円)と、各歯底円Qの間に位置しており、逃がし部17bは、サイドプレート17において、両歯底円Qに挟まれた領域と対向する位置に形成されている。さらに、サイドプレート17において、閉込み空間K3と吸入側閉込み空間K2、及び各歯底円Qより内径側に対向する位置には、ダイヤフラム31の変形を規制する規制部17cが形成されている。
次に、複合流体機械11の作用について説明する。
さて、複合流体機械11が駆動され、ギヤポンプ30が駆動されると、吐出室Dの流体が、導入孔31cを介してダイヤフラム31と、サイドプレート17との間に導入される。すると、ダイヤフラム31は、吐出室の流体圧を受けて従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面に向けて変形する。
さて、複合流体機械11が駆動され、ギヤポンプ30が駆動されると、吐出室Dの流体が、導入孔31cを介してダイヤフラム31と、サイドプレート17との間に導入される。すると、ダイヤフラム31は、吐出室の流体圧を受けて従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面に向けて変形する。
すると、ダイヤフラム31の変形により、ダイヤフラム31が従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面に圧接し、それら一端面とダイヤフラム31との間はシールされる。このシールにより、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面側における吐出室Dから吸入室Sへの流体洩れが抑制される。
また、ダイヤフラム31が従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面に圧接すると、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面が、ポンプ室18の内面に押し付けられる。すると、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面とポンプ室18の内面との間がシールされ、このシールにより、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面側における吐出室Dから吸入室Sへの流体洩れが抑制される。
両ギヤ33,34の回転に伴い、吐出側閉込み空間K1の容積が減少し圧力が上昇すると、吐出側閉込み空間K1から洩れた流体によりダイヤフラム31は各ギヤ33,34から離れる方向へ押圧される。このとき、図3(b)に示すように、サイドプレート17には、容積が減少した吐出側閉込み空間K1と対向する位置に逃がし部17bが形成されているため、ダイヤフラム31は押圧されながらも、吐出側閉込み空間K1と対向する部位のみが各ギヤ33,34から離れる方向へ変形する。すると、吐出側閉込み空間K1の容積が広がるとともに、吐出側閉込み空間K1の流体は、変形したダイヤフラム31の内側に逃げ込む。このため、吐出側閉込み空間K1のそれ以上の圧力上昇が抑えられる。
同時に、ダイヤフラム31において、逃がし部17bに逃げた部位よりも吸入室S側の部位は、規制部17cに当接することで各ギヤ33,34から離れる方向への変形が規制される。このため、ダイヤフラム31全体が各ギヤ33,34の一端面から離れることが抑制される。よって、両ギヤ33,34の噛み合い部において、吐出側閉込み空間K1と吸入室Sとの間がダイヤフラム31によってシールされる。
ダイヤフラム31の一部が、逃がし部17bに変形することで、吐出側閉込み空間K1の流体は、変形したダイヤフラム31の内側を通って吐出室Dに戻される。その後、両ギヤ33,34の回転により、ダイヤフラム31は逃がし部17bに逃げた状態から各ギヤ33,34の一端面に向けて変形し、変形する前の状態に戻る。
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面とサイドプレート17との間にダイヤフラム31を介装した。そして、吐出室Dからダイヤフラム31とサイドプレート17との間に導入した流体圧により、ダイヤフラム31を変形させ、ダイヤフラム31と各ギヤ33,34の一端面との間をシールするようにした。また、ダイヤフラム31の変形に伴い両ギヤ33,34の他端面をポンプ室18内面に圧接させ、ポンプ室18内面と各ギヤ33,34の他端面との間をシールするようにした。
(1)従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面とサイドプレート17との間にダイヤフラム31を介装した。そして、吐出室Dからダイヤフラム31とサイドプレート17との間に導入した流体圧により、ダイヤフラム31を変形させ、ダイヤフラム31と各ギヤ33,34の一端面との間をシールするようにした。また、ダイヤフラム31の変形に伴い両ギヤ33,34の他端面をポンプ室18内面に圧接させ、ポンプ室18内面と各ギヤ33,34の他端面との間をシールするようにした。
このようなギヤポンプ30において、サイドプレート17には、吐出側閉込み空間K1に対向する位置に逃がし部17bが形成されている。そして、吐出側閉込み空間K1の容積が減少し、この吐出側閉込み空間K1から流体が洩れると、ダイヤフラム31は逃がし部17bに対向する部位だけがサイドプレート17に向けて変形する。すなわち、ダイヤフラム31は、吐出側閉込み空間K1の容積が減少し圧力が上昇したときだけ変形し、それ以外のときは吐出側閉込み空間K1と吐出室Dとの連通を遮断している。したがって、ダイヤフラム31に逃がし溝を形成し、吐出室Dと吐出側閉込み空間K1が常時連通する場合と比べると、吐出側閉込み空間K1から吸入室Sへ流体を洩れにくくすることができる。
さらに、サイドプレート17には、逃がし部17bに加え、規制部17cが形成されている。このため、ダイヤフラム31が逃がし部17bに向けて変形しても、規制部17cにより、閉込み空間K3及び歯底円Qの内径側に対向する位置のダイヤフラム31の変形を規制することができる。よって、ダイヤフラム31によって各ギヤ33,34の一端面とダイヤフラム31との間のシールを維持することができる。さらに、両ギヤ33,34の噛み合い部においても、ダイヤフラム31の変形は間欠的なので、吐出圧力の空間と吸入圧力の空間との距離(吐出圧力の空間と吸入圧力の空間との間においてギヤ33,34の端面とダイヤフラム31とが密接してシールする距離)が減少し、シール機能が低下する時間を最小限とすることができる。その結果として、ダイヤフラム31に逃がし溝を形成した場合と異なり、吐出側閉込み空間K1と吸入室Sとの間をダイヤフラム31で適宜シールして、吐出室Dから吸入室Sへの流体洩れを抑制することができる。
(2)逃がし部17bをサイドプレート17に形成した。サイドプレート17は、ダイヤフラム31に比べて厚みがあるため、ダイヤフラム31に逃がし部を形成する場合と比べて、ギヤポンプ30の製造を容易とすることができる。
(3)吐出側閉込み空間K1の容積が減少すると、ダイヤフラム31を変形させて、吐出側閉込み空間K1の容積を大きくし、吐出側閉込み空間K1の流体を逃がすようにした。このため、吐出側閉込み空間K1の圧力が非常に高圧になることが無くなり、各ギヤ33,34の耐圧設計を過度な高圧用とする必要が無くなる。また、吐出側閉込み空間K1の圧力が非常に高圧とならないため、その高圧になるまでの動力的ロスが無くなる。
(第2の実施形態)
次に、本発明のギヤポンプを、ランキンサイクル装置に用いられる複合流体機械のギヤポンプに具体化した第2の実施形態を図4(a)及び(b)にしたがって説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
次に、本発明のギヤポンプを、ランキンサイクル装置に用いられる複合流体機械のギヤポンプに具体化した第2の実施形態を図4(a)及び(b)にしたがって説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
サイドプレート17のダイヤフラム31側の端面には、矩形溝状の逃がし部17bに加え、収容凹部17dが形成されている。収容凹部17dは、サイドプレート17において、ポンプ室18内の吸入室Sに対向する位置に形成されている。詳細には、収容凹部17dは、吸入側閉込み空間K2から、吸入室Sにおける両ギヤ歯33a,34aが噛み合い(閉じ込み)を終了する位置まで延びるように形成されている。
また、収容凹部17dの側縁は、各ギヤ33,34の歯先円と各歯底円Qとの間に位置しており、収容凹部17dは、サイドプレート17において、両歯底円Qに挟まれた領域と対向する位置に形成されている。また、ダイヤフラム31において、収容凹部17dと対向する部位には予変形部31dが、収容凹部17dに入り込むように膨出形成されている。サイドプレート17において、閉込み空間K3と各歯底円Qより内径側とに対向する位置には、ダイヤフラム31の変形を規制する規制部17cが形成されている。
第2の実施形態では、吐出室D側では、逃がし部17bにダイヤフラム31の一部が逃げ、かつ規制部17cによってダイヤフラム31の変形が規制されることで、両ギヤ33,34の噛み合い部での吐出室Dから吸入室Sへの流体洩れが抑制されている。
吸入室S側においては、両ギヤ33,34の回転に伴い吸入側閉込み空間K2の容積が拡大していくが、吸入側閉込み空間K2は予変形部31dの内側を介して吸入室Sに連通している。このため、吸入側閉込み空間K2の圧力は低下せず、ダイヤフラム31においては、予変形部31dが吸入側閉込み空間K2側に引寄せられることがない。
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の(1)〜(3)と同様の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(4)サイドプレート17において、吸入側閉込み空間K2から吸入室Sに対向する位置に収容凹部17dを形成するとともに、ダイヤフラム31において、収容凹部17dと対向する位置に予変形部31dを形成した。そして、予変形部31d内を介して吸入側閉込み空間K2と吸入室Sとを連通させた。このため、吸入側閉込み空間K2の容積が減少しても、吸入側閉込み空間K2の圧力が低下することがなく、また、ダイヤフラム31によって吸入側閉込み空間K2が密閉されることが防止される。その結果、ギヤポンプ30にキャビテーションが発生することを防止することができる。
(4)サイドプレート17において、吸入側閉込み空間K2から吸入室Sに対向する位置に収容凹部17dを形成するとともに、ダイヤフラム31において、収容凹部17dと対向する位置に予変形部31dを形成した。そして、予変形部31d内を介して吸入側閉込み空間K2と吸入室Sとを連通させた。このため、吸入側閉込み空間K2の容積が減少しても、吸入側閉込み空間K2の圧力が低下することがなく、また、ダイヤフラム31によって吸入側閉込み空間K2が密閉されることが防止される。その結果、ギヤポンプ30にキャビテーションが発生することを防止することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明のギヤポンプを、ランキンサイクル装置に用いられる複合流体機械のギヤポンプに具体化した第3の実施形態を図5(a)及び(b)にしたがって説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
次に、本発明のギヤポンプを、ランキンサイクル装置に用いられる複合流体機械のギヤポンプに具体化した第3の実施形態を図5(a)及び(b)にしたがって説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
サイドプレート17のダイヤフラム31側の端面には、矩形溝状の逃がし部17eが形成されている。この逃がし部17eは、サイドプレート17において、吐出側閉込み空間K1、閉込み空間K3、及び吸入側閉込み空間K2に対向する位置に形成されている。逃がし部17eの側縁は、各ギヤ33,34の歯先円と各歯底円Qの間に位置している。なお、サイドプレート17において、吐出室Dと連通可能となる状態の吐出側閉込み空間K1、及び吸入室Sと連通可能となる状態の吸入側閉込み空間K2に対向する位置には、吐出側規制部17fと吸入側規制部17gが形成されている。各規制部17f,17gにより、後述する逃がし部17e側へのダイヤフラム31の変形によって各閉込み空間K1,K2,K3が吐出室Dや吸入室Sと連通しないようにダイヤフラム31の変形が規制される。サイドプレート17において、各歯底円Qより内径側に対向する位置においても規制部が形成され、各閉込み空間K1,K2,K3の流体が各歯底円Qの内径側に洩れることが防止される。
さて、第3の実施形態では、両ギヤ33,34の回転に伴い、吐出側閉込み空間K1の容積が減少していき、吐出側閉込み空間K1から流体が洩れると、ダイヤフラム31は洩れた流体によって各ギヤ33,34から離れる方向へ押圧される。このとき、サイドプレート17には、吐出側閉込み空間K1、閉込み空間K3、及び吸入側閉込み空間K2と対向する位置に逃がし部17eが形成されているため、ダイヤフラム31は押圧されながらも、逃がし部17eと対向する部位のみが各ギヤ33,34から離れる方向へ変形する。すると、吐出側閉込み空間K1の容積が広がるとともに、吐出側閉込み空間K1の流体は、変形したダイヤフラム31内に逃げ込み、一旦蓄積される。
また、このとき、吐出側規制部17fと吸入側規制部17gによりダイヤフラム31が各ギヤ33,34から離れる方向へ変形することが規制される。このため、ダイヤフラム31と各ギヤ33,34の一端面との間がシールされ、両ギヤ33,34の噛み合い部において、各閉込み空間K1,K2,K3が、吐出室Dや吸入室Sと連通することが防止される。
その後、両ギヤ33,34の回転により、吸入側閉込み空間K2の容積が拡大していくと、逃がし部17eに向けて変形したダイヤフラム31は原形状に復帰する。すると、変形したダイヤフラム31内に逃げた流体が、吸入側閉込み空間K2側へ移動する。
従って、第3の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(5)吐出側閉込み空間K1の容積が減少し、この吐出側閉込み空間K1の流体圧力が増大すると、ダイヤフラム31は逃がし部17eに対向する部位だけがサイドプレート17に向けて変形する。吐出側閉込み空間K1から洩れた流体は、各ギヤ33,34の一端面と、変形したダイヤフラム31との間に一端蓄積され、吸入側閉込み空間K2の容積の拡大に伴い、吸入側閉込み空間K2に流れ込む。ダイヤフラム31は逃がし部17eにより変形可能とされ、吐出側閉込み空間K1から吸入側閉込み空間K2への流体の移動を許容する。よって、吐出側閉込み空間K1からの流体洩れによりダイヤフラム31全体が変形し、ダイヤフラム31のシール機能が損なわれることを防止するとともに、吸入側閉込み空間K2においてキャビテーションが発生することを防止する。
(5)吐出側閉込み空間K1の容積が減少し、この吐出側閉込み空間K1の流体圧力が増大すると、ダイヤフラム31は逃がし部17eに対向する部位だけがサイドプレート17に向けて変形する。吐出側閉込み空間K1から洩れた流体は、各ギヤ33,34の一端面と、変形したダイヤフラム31との間に一端蓄積され、吸入側閉込み空間K2の容積の拡大に伴い、吸入側閉込み空間K2に流れ込む。ダイヤフラム31は逃がし部17eにより変形可能とされ、吐出側閉込み空間K1から吸入側閉込み空間K2への流体の移動を許容する。よって、吐出側閉込み空間K1からの流体洩れによりダイヤフラム31全体が変形し、ダイヤフラム31のシール機能が損なわれることを防止するとともに、吸入側閉込み空間K2においてキャビテーションが発生することを防止する。
また、吐出側規制部17fと吸入側規制部17gにより、各閉込み空間K1,K2,K3が吐出室Dや吸入室Sと連通しないようにダイヤフラム31の変形が規制される。サイドプレート17において、各歯底円Qより内径側に対向する位置においても、規制部が形成されており、ダイヤフラム31が逃がし部17eに向けて変形しても、各歯底円Qの内径側に流体が洩れるのを防止する。このように、逃がし部17e側にダイヤフラム31が変形しても、各ギヤ33,34の一端面とダイヤフラム31との間のシールを維持することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、ダイヤフラム31を金属板で形成したが、樹脂板で形成してもよい。
○ 実施形態では、ダイヤフラム31を金属板で形成したが、樹脂板で形成してもよい。
○ 実施形態では、ポンプ室形成体としてセンタハウジング13に一体形成した仕切壁13aに具体化したが、ポンプ室形成体は、センタハウジング13の内周面に別体形成したブロック体であってもよい。
○ 実施形態では、ギヤポンプ30を備える複合流体機械11をランキンサイクル装置60のみに用いたが、複合流体機械11に圧縮部及びクラッチ機構を一体に設けて、冷凍サイクルを並設してもよい。
○ 実施形態では、ギヤポンプ30を複合流体機械11に設けられるものに具体化したが、膨張機41を有しないギヤポンプそのものに本発明を適用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)ハウジングに形成されたポンプ室形成体と、該ポンプ室形成体の一側面に接合されたサイドプレートとの間にポンプ室が区画され、前記ポンプ室内に、互いに噛み合って回転するギヤが収容されるとともに、前記ギヤの回転によって移送された流体の吐出室、及び前記ギヤの回転によって流体が吸入される吸入室が区画されたギヤポンプであって、
前記サイドプレートと、該サイドプレートに対向する前記ギヤの一端面との間にはダイヤフラムが配設され、該ダイヤフラムは、前記サイドプレートとの間に、前記吐出室の流体が導入されることで変形して前記一端面に圧接し、
前記サイドプレートには、前記閉込み空間から前記吸入室に対向する位置に収容凹部が形成されるとともに、前記ダイヤフラムには、前記収容凹部内に向けて突設した予変形部が設けられているギヤポンプ。
前記サイドプレートと、該サイドプレートに対向する前記ギヤの一端面との間にはダイヤフラムが配設され、該ダイヤフラムは、前記サイドプレートとの間に、前記吐出室の流体が導入されることで変形して前記一端面に圧接し、
前記サイドプレートには、前記閉込み空間から前記吸入室に対向する位置に収容凹部が形成されるとともに、前記ダイヤフラムには、前記収容凹部内に向けて突設した予変形部が設けられているギヤポンプ。
この種のギヤポンプにおいて、ポンプ室内には流体の吐出室と吸入室が形成されるとともに、この吐出室と吸入室の間にはギヤ同士の噛み合い部が形成される。噛み合い部には流体の閉込み空間が形成され、ポンプ室内の吐出室側に形成される閉込み空間では、ギヤの回転と共に容積が減少し、吸入室側に形成される閉込み空間ではギヤの回転と共に容積が拡大する。このため、吐出室側の閉込み空間では、流体が圧縮されて非常に高圧になり、吸入室側の閉込み空間では、流体が膨張して低圧になる。よって、吐出室側に形成される閉込み空間では流体の洩れが発生しやすく、吸入室側に形成される閉込み空間では、キャビテーションが発生してしまい好ましくない。このため、ギヤポンプには、吐出室側の閉込み空間を吐出室に連通させる逃がし部、及び吸入室側の閉込み空間を吸入室に連通させる逃がし部が設けられている(実開昭54−122402号公報参照)。
また、ギヤポンプにおいては、吐出室の流体が、ギヤの端面に沿って吸入室に洩れると体積効率が低下してしまう。このようなギヤの端面に沿った流体洩れを抑制するため、例えば、特許文献2に開示のようにギヤの端面をダイヤフラムでシールすることが考えられる(特開昭53−58807号公報参照)。
ところが、ギヤポンプにおいて、特許文献2のようにダイヤフラムが配置されていると、吸入室側の閉込み空間での圧力が低下すると、ダイヤフラムがギヤの端面に密着し、吸入室側の閉込み空間では真空引きが発生してしまう。すると、閉込み空間では、流体(液体)が気化して気泡が発生してしまい、その気泡をギヤが噛み込んで流体の吸入量が低下してしまう。
そこで、本技術的思想のように、サイドプレートに収容凹部が形成されるとともに、ダイヤフラムに予変形部が設けられていると、予変形部内を介して吸入室側の閉込み空間と吸入室とを連通させることができる。このため、吸入室側の閉込み空間の容積が増大しても、吸入室側の閉込み空間の圧力が低下することがなく、また、ダイヤフラムによって吸入室側の閉込み空間がシールされることが防止される。その結果、ギヤポンプにキャビテーションが発生することを防止することができる。
(ロ)前記閉込み空間の流体は、前記逃がし部に向けて変形したダイヤフラムの内側を介して前記吐出室に戻される請求項1に記載のギヤポンプ。
(ハ)前記逃がし部は、前記ギヤのギヤ歯の底面を該ギヤの周方向に繋いだ歯底円によって囲まれた領域に形成される請求項1〜請求項5、及び技術的思想(ロ)のうちいずれか一項に記載のギヤポンプ。
(ハ)前記逃がし部は、前記ギヤのギヤ歯の底面を該ギヤの周方向に繋いだ歯底円によって囲まれた領域に形成される請求項1〜請求項5、及び技術的思想(ロ)のうちいずれか一項に記載のギヤポンプ。
D…吐出室、K1…容積が減少する閉込み空間としての吐出側閉込み空間、K2…容積が拡大する閉込み空間としての吸入側閉込み空間、K3…閉込み空間、S…吸入室、12…ハウジング、13a…ポンプ室形成体としての仕切壁、17…サイドプレート、17b,17e…逃がし部、17c…規制部、17d…収容凹部、17f…吐出側規制部、17g…吸入側規制部、18…ポンプ室、30…ギヤポンプ、31…ダイヤフラム、31d…予変形部、33…ギヤとしての従動ギヤ、34…ギヤとしての駆動ギヤ。
Claims (5)
- ハウジングに形成されたポンプ室形成体と、該ポンプ室形成体の一側面に接合されたサイドプレートとの間にポンプ室が区画され、前記ポンプ室内に、互いに噛み合って回転するギヤが収容されるとともに、前記ギヤの回転によって移送された流体の吐出室、及び前記ギヤの回転によって流体が吸入される吸入室が区画されたギヤポンプであって、
前記サイドプレートと、該サイドプレートに対向する前記ギヤの一端面との間にはダイヤフラムが配設され、該ダイヤフラムは、前記サイドプレートとの間に、前記吐出室の流体が導入されることで変形して前記一端面に圧接し、
前記サイドプレートには、前記ギヤ同士の噛み合いによって形成された前記流体の閉込み空間から前記吐出室に対向する位置に、該閉込み空間から洩れた前記流体が前記ダイヤフラムを押圧することによって、前記サイドプレートに向けて変形した前記ダイヤフラムを逃がすための逃がし部が凹設されるとともに、前記逃がし部の周囲に前記ダイヤフラムの変形を規制する規制部が形成されているギヤポンプ。 - 前記サイドプレートには、前記ギヤの回転に伴い容積が減少する前記閉込み空間から前記吐出室に対向する位置に前記逃がし部が形成されるとともに、前記ギヤの回転に伴い前記容積が減少する閉込み空間と、前記ギヤの回転に伴い前記容積が拡大する前記閉込み空間との間に対向する位置に前記規制部が形成されている請求項1に記載のギヤポンプ。
- 前記サイドプレートには前記閉込み空間から前記吸入室に対向する位置に収容凹部が形成されるとともに、前記ダイヤフラムには、前記収容凹部内に向けて突設した予変形部が設けられている請求項1に記載のギヤポンプ。
- 前記ギヤの回転に伴い容積が減少する閉込み空間と、該閉込み空間の容積が減少した後に容積が拡大する閉込み空間と、に跨る位置に前記逃がし部が形成されている請求項1に記載のギヤポンプ。
- 前記閉込み空間の前記容積が減少していく際には、前記容積が拡大する前記閉込み空間と前記吸入室との間に対向する位置に前記規制部が形成される請求項4に記載のギヤポンプ。
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JP2011139449A JP2013007300A (ja) | 2011-06-23 | 2011-06-23 | ギヤポンプ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019138303A (ja) * | 2014-04-01 | 2019-08-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 液体用ポンプ及びランキンサイクル装置 |
-
2011
- 2011-06-23 JP JP2011139449A patent/JP2013007300A/ja not_active Withdrawn
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