JP5565382B2 - 流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプ室内に、ハウジングに支持された回転軸に連結されたポンプ部材が収容されてなるポンプ部を有する流体機械に関する。
この種の流体機械としては、例えば、特許文献1の回転式流体ポンプが挙げられる。図6に示すように、この回転式流体ポンプ80において、筒状をなすハウジング本体81の両側面には、側体82が固定されるとともに、このハウジング本体81と側体82によって形成されるロータ室83内には、回転軸84によりロータ85が支持されている。また、ハウジング本体81と各側体82との間には、それぞれシールプレート86が介在している。さらに、各側体82には、それぞれシールプレート86と対向する面に凹部82aが環状に形成されるとともに、シールプレート86と凹部82aとの間に分離室87が形成されている。各分離室87は大気に連通している。
そして、回転式流体ポンプ80においては、分離室87の圧力をロータ室83の圧力より大きくすることにより、両シールプレート86をロータ85の両端面に圧接させている。この圧接により、ロータ85の外周側の流体が、ロータ85の端面に沿って回転軸84の周りに達することが抑制され、回転軸84の軸方向に沿って流体が洩れることが抑制される。
特開昭53−58807号公報
ところで、特許文献1の回転式流体ポンプ80においては、2つのシールプレート86をロータ85の各端面に圧接させるため、各シールプレート86と各側体82との間に分離室87を設けなければならない。さらに、分離室87とロータ室83との間に圧力差を付けるためには、分離室87の圧力がロータ室83に洩れることを防止しなければならず、分離室87のシール性を確保する必要がある。このため、2つのシールプレート86を、それぞれハウジング本体81と側体82とで挟持しなければならない。よって、特許文献1の回転式流体ポンプ80は、ロータ85の外周側の流体が回転軸84の周りに達することを抑制するための構造が複雑であるという問題があった。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単な構造でポンプ部材の外周側の流体が回転軸の周りに洩れることを抑制することができる流体機械を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングに形成されたポンプ室形成体と、該ポンプ室形成体の一側面に接合されたサイドプレートとの間にポンプ室が区画されるとともに、前記ポンプ室内に、前記ハウジングに支持された回転軸に連結されたポンプ部材が収容され、前記ポンプ部材の回転によって流体を移送するポンプ部を有する。この流体機械において、前記サイドプレートと、該サイドプレートに対向する前記ポンプ部材の一端面との間には変形可能な背圧シールプレートが配設され、該背圧シールプレートの外縁部は、前記ポンプ室の周囲で前記ポンプ室形成体の一側面と前記サイドプレートとの間に挟持されており、前記背圧シールプレートは、前記サイドプレートと前記背圧シールプレートとの間に、前記ポンプ室の高圧が導入されることで変形して前記一端面に圧接する。また、前記ポンプ部材の他端面と、該他端面に対向する前記ポンプ室の内面との間には変形可能なシールプレートが配設されるとともに、前記背圧シールプレートと前記シールプレートとの間では前記ポンプ部材が前記回転軸の軸方向に沿って移動可能に収容されている。そして、前記背圧シールプレートの変形に伴う前記ポンプ部材の前記シールプレートに向けた移動に伴い、前記他端面が前記シールプレートに圧接するように構成されている。
これによれば、背圧シールプレートは、サイドプレートとの間に導入された高圧によって変形してポンプ部材の一端面に圧接し、この圧接によりポンプ部材の一端面と背圧シールプレートとの間がシールされる。その結果、ポンプ部材の一端面を経路として、ポンプ部材の外周側の流体が、回転軸の周りに洩れることが抑制される。また、背圧シールプレートの変形に伴いポンプ部材がシールプレートに向けて移動すると、そのポンプ部材の他端面がシールプレートに圧接し、この圧接によりポンプ部材の他端面とシールプレートとの間がシールされる。その結果、ポンプ部材の他端面を経路として、ポンプ部材の外周側の流体が、回転軸の周りに洩れることが抑制される。そして、ポンプ部材の外周側の流体が、回転軸の周りに洩れるのを抑制するための構造においては、背圧シールプレートのみをポンプ形成体とサイドプレートで挟持してシールし、さらに、背圧シールプレートとサイドプレートとの間に高圧が導入できるようにすればよい。したがって、背圧シールプレートとシールプレートの両方を、それぞれサイドプレートとポンプ形成体との間に挟持し、しかも高圧で変形させる構成とする場合と比べて流体機械の構造を簡単にすることができる。
また、前記シールプレートには、該シールプレートを前記他端面に向けて膨出させてなる環状のポンプ室側シール部が形成されていてもよい。
これによれば、背圧シールプレートがポンプ部材の一端面に圧接するのに伴い、ポンプ部材がシールプレートに向けて移動すると、ポンプ室側シール部は、ポンプ室内面とポンプ部材の他端面との間で押し潰されるように変形する。ポンプ部材の他端面に対して環状のポンプ室側シール部が高い面圧で接触することが可能となり、シールプレートとポンプ部材の他端面との間のシール性を高めることができる。
また、前記ポンプ部材は外周面に複数のギヤ歯が形成されてなるギヤであり、前記背圧シールプレートには、前記一端面において前記ポンプ部材の歯底円と前記回転軸との間をシールする環状の背圧側シール部が設けられていてもよい。
これによれば、この背圧側シール部は、ポンプ部材の一端面のうち、歯底円と回転軸の周面との間となる位置で、背圧シールプレートに圧接している。このため、背圧シールプレートとポンプ部材の一端面との間のシール性を高めることができる。
また、前記回転軸の一端側には駆動源が連結されるとともに、前記回転軸の他端側には該回転軸の回転によって駆動される機構部が設けられ、前記ポンプ部材は前記駆動源と前記機構部との間に配置されていてもよい。
これによれば、背圧シールプレート及びシールプレートにより、ポンプ部材の外周側から回転軸周りに流体が洩れることを抑制することができる。このため、回転軸に沿って流体が機構部に洩れることが抑制され、この機構部への流体洩れ防止のための軸シールを設ける必要がなくなる。
本発明によれば、簡単な構造でポンプ部材の外周側の流体が回転軸の周りに洩れることを抑制することができる。
実施形態の複合流体機械及びランキンサイクル装置を示す図。 シールプレート及び背圧シールプレートが変形する前の状態を示す断面図。 ポンプ部及びシールプレートを示す図1の3−3線断面図。 シールプレート及び背圧シールプレートが変形した後の状態を示す断面図。 別例のポンプ部を示す側断面図。 背景技術を示す断面図。
以下、本発明の流体機械を、ランキンサイクル装置に用いられる複合流体機械に具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、複合流体機械11のハウジング12は、筒状をなすセンタハウジング13と、このセンタハウジング13の一端(図1では左端)に接合されたフロントハウジング14と、センタハウジング13の他端(図1では右端)に接合されたリヤハウジング15と、から形成されている。センタハウジング13の内周面には、ポンプ室形成体としての仕切壁13aがセンタハウジング13内に向けて延びるように形成されるとともに、この仕切壁13aによってハウジング12内が2つの空間に仕切られている。
フロントハウジング14、及び仕切壁13aには、回転軸としての駆動軸21が軸受16を介して回転可能に支持されている。駆動軸21の一端側には、一体回転可能にモータロータ20aが固定されている。また、センタハウジング13の内周面には、ステータ20bがモータロータ20aを取り囲むように固定されている。モータロータ20aとステータ20bとはモータ・ジェネレータ20を構成する。
モータ・ジェネレータ20は、ステータ20bのコイル20cへの通電によりモータロータ20aを回転させる電動機としての機能と、モータロータ20aが回転されることでステータ20bのコイル20cに電力を生じさせる発電機としての機能とを併せ持つ。よって、本実施形態では、モータ・ジェネレータ20が電動機として機能するとき、複合流体機械11の駆動源として機能する。なお、モータ・ジェネレータ20にはインバータ22を介してバッテリ23が接続されるとともに、モータ・ジェネレータ20で生じた電力はインバータ22を介してバッテリ23に蓄電されるようになっている。
仕切壁13aのリヤハウジング15側(図1では右側)の面には、駆動軸21を取り囲むように長円状の凹部13cが形成されている。そして、仕切壁13aのリヤハウジング15側の面(一側面)に、サイドプレート17が接合されることにより内部にポンプ室18が区画される。
ポンプ室18内には、駆動軸21にキー等による一体回転可能に連結されたポンプ部材としての駆動ギヤ34が収容されている。駆動軸21は仕切壁13aとサイドプレート17とを貫通している。駆動ギヤ34の外周面には複数のギヤ歯34aが設けられている。また、図3に示すように、仕切壁13aとサイドプレート17とには、回転軸としての従動軸19が回転可能に支持されるとともに、ポンプ室18内には従動軸19に取着されたポンプ部材としての従動ギヤ33が収容されている。この従動ギヤ33の外周面には複数のギヤ歯33aが設けられている。そして、ポンプ室18では、従動ギヤ33と駆動ギヤ34とが、ギヤ歯33a,34aを噛み合わせた状態で配設されるとともに、ポンプ室18と、従動ギヤ33と、駆動ギヤ34とからポンプ部としてのギヤポンプ30が形成されている。なお、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34において、従動軸19及び駆動軸21の中心軸に直交する2つの端面のうち、サイドプレート17側を一端面とし、凹部13cの内面側を他端面とする。
ギヤポンプ30においては、従動ギヤ33と駆動ギヤ34の回転により、流体は各ギヤ33,34のギヤ歯33a,34aとポンプ室18の内周面との間に閉じ込められる。閉じ込められた流体は、各ギヤ33,34の回転により移送され、ポンプ室18内で吐出される。なお、ポンプ室18内において、移送された流体が吐出される空間を吐出室Dとし、吸入される流体が存在する空間を吸入室Sとする。
ポンプ室18において、従動ギヤ33と駆動ギヤ34のギヤ歯33a,34aの噛み合い部よりも、各ギヤ33,34の回転方向の先方側が吸入室Sとなり、回転方向の手前側が吐出室Dとなる。仕切壁13aには吸入室Sに連通する吸入通路13dが形成されるとともに、吐出室Dに連通する吐出通路13eが形成されている。
図1に示すように、複合流体機械11において、駆動軸21の他端側には機構部としての膨張機41が設けられ、この膨張機41は仕切壁13aとリヤハウジング15との間の空間に収容されている。そして、複合流体機械11は、駆動軸21の軸方向に沿ってモータ・ジェネレータ20、ギヤポンプ30、及び膨張機41が直列に配置されている。
複合流体機械11において、ギヤポンプ30の吐出通路13eには第1流路60aを介して熱交換器62の導入側が接続されるとともに、この熱交換器62は、エンジン64に接続された冷却水循環経路65上に設けられている。冷却水循環経路65上にはラジエータ65aが設けられている。車両のエンジン64を冷却した冷却水は、冷却水循環経路65を循環して熱交換器62で放熱する。そして、ギヤポンプ30から吐出された流体は、熱交換器62においてエンジン64を冷却した冷却水との熱交換により加熱される。
熱交換器62の導出側には、第2流路60bを介して膨張機41の吸入側が接続されるとともに、この膨張機41で、熱交換器62で加熱された流体が膨張するようになっている。膨張機41の吐出側には、第3流路60cを介して凝縮器61の導入側が接続されている。凝縮器61の導出側には第4流路60dを介してギヤポンプ30の吸入通路13dが接続されている。そして、ギヤポンプ30、熱交換器62、膨張機41、及び凝縮器61が第1〜第4流路60a〜60dによって環状に接続されてランキンサイクル装置60が構成されている。したがって、複合流体機械11のギヤポンプ30及び膨張機41は、ランキンサイクル装置60の一部を構成している。
ランキンサイクル装置60においては、バッテリ23からの電力がモータ・ジェネレータ20に供給されるとモータ・ジェネレータ20が電動機として駆動され、ギヤポンプ30が駆動される。このギヤポンプ30において、従動ギヤ33と駆動ギヤ34の回転により、吸入通路13dを介して吸入室Sに流体が吸入されるとともに、吸入室Sの流体は、各ギヤ33,34のギヤ歯33a,34aとポンプ室18の内周面との間に閉じ込められる。閉じ込められた流体は、吐出室Dに向けて移送され、吐出される。
吐出室Dに吐出された流体は、吐出通路13eを介して熱交換器62に導出され、この熱交換器62において、エンジン64を冷却した冷却水との熱交換により加熱される。加熱後の流体は、膨張機41で膨張し、膨張機41は機械的エネルギー(駆動力)を出力する。出力された駆動力によって、モータ・ジェネレータ20及びギヤポンプ30が駆動される。膨張機41の駆動力からギヤポンプ30の駆動分を差し引いた動力がモータ・ジェネレータ20の発電に供され、バッテリ23が充電される。
膨張を終えて圧力が低下した流体は、凝縮器61で冷却されて液化し、膨張機41の出力に応じてギヤポンプ30に吸入される。以後、上述したように、流体は、膨張機41、凝縮器61、ギヤポンプ30、及び熱交換器62を流れて、ランキンサイクル装置60の回路を循環する。
次に、ギヤポンプ30のシール構造について詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、仕切壁13aの一側面と、サイドプレート17との間には、背圧シールプレート31が介装されている。背圧シールプレート31は、金属製の薄板より形成されるとともに、凹部13c全体を被覆する大きさに形成されている。また、背圧シールプレート31には、駆動軸21及び従動軸19が挿通される挿通孔31aがそれぞれ形成されている。背圧シールプレート31の外縁部31bは、凹部13c(ポンプ室18)の周囲で、仕切壁13aの一側面と、サイドプレート17とによって挟持されている。よって、背圧シールプレート31の外縁部31bは、仕切壁13aとサイドプレート17によって表裏両面が金属シールされている。
そして、背圧シールプレート31は、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面と、サイドプレート17との間に介在している。また、サイドプレート17において、背圧シールプレート31に対向する端面には、円環状をなす装着溝17aが従動軸19及び駆動軸21を取り囲むように形成されるとともに、各装着溝17aには、弾性変形可能なシールリング35が装着されている。このシールリング35は、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34のギヤ歯33a,34aの底面を各ギヤ33,34の周方向に繋いだ円(図3の2点鎖線に示す歯底円Q)と、従動軸19及び駆動軸21の周面との間に位置している。そして、シールリング35は、背圧シールプレート31において、各ギヤ33,34の歯底円Qと各軸19,21との間に位置する部位に圧接している。
シールリング35は、背圧シールプレート31と装着溝17aとの間で圧縮状態で介装されている。このため、シールリング35の原形状への復帰力により、背圧シールプレート31は、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面のうち、歯底円Qと各軸19,21との間に位置する部位に圧接している。したがって、背圧シールプレート31において、シールリング35と対向する部位が背圧側シール部を構成している。
また、背圧シールプレート31において、吐出室Dと対向する位置には、導入孔31cが形成されるとともに、この導入孔31cによりポンプ室18における吐出室Dの圧力が、背圧シールプレート31と、サイドプレート17との間に形成された背圧室に導入可能になっている。そして、背圧シールプレート31は、吐出室Dの圧力を受けて従動ギヤ33及び駆動ギヤ34に向けて変形可能になっている。
一方、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面と、この他端面に対向するポンプ室18の内面との間にはシールプレート36が介装されている。シールプレート36は、金属製の薄板より形成されるとともに、外形形状が凹部13cの内周形状と同じに形成されている。そして、シールプレート36は、凹部13c内に収容されている。また、シールプレート36には、駆動軸21と従動軸19が挿通される挿通孔36aが形成されている。
さらに、シールプレート36には、挿通孔36aの周囲にポンプ室側シール部36bが形成されている。ポンプ室側シール部36bは、シールプレート36から従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面に向けて円環状に膨出するように形成されるとともに、先端側には各ギヤ33,34の他端面に対して面接触する当接部36cが形成されている。そして、ポンプ室側シール部36bは、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面のうち、歯底円Qと各軸19,21の周面との間に位置する端面に対向するように形成されている。
駆動軸21及び従動軸19の軸方向に沿ったポンプ室側シール部36bの膨出量は、ポンプ室側シール部36bの先端が従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面に密接するように設定されている。また、シールプレート36におけるポンプ室側シール部36b以外の部位と、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面との間には、ポンプ室側シール部36bの膨出量分だけの隙間Hが形成されている。そして、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34は、背圧シールプレート31とシールプレート36の間では、各軸19,21の軸方向に沿って隙間H分だけ移動可能になっている。
次に、複合流体機械11の作用について説明する。
さて、複合流体機械11が駆動され、ギヤポンプ30が駆動されると、吐出室Dの圧力が、導入孔31cを介して背圧シールプレート31と、サイドプレート17との間に導入される。すると、図4に示すように、背圧シールプレート31は、吐出室Dの圧力に加え、シールリング35の原形状への復帰力を受けて従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面に向けて変形する。この背圧シールプレート31の変形により、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34が押圧され、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34が隙間H分だけシールプレート36に向けて移動する。
すると、背圧シールプレート31の変形及びシールリング35の復帰力により、背圧シールプレート31が従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面に圧接し、それら一端面と背圧シールプレート31との間は気密にシールされる。このシールにより、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面側では、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の外周側から従動軸19及び駆動軸21の周りに流体が達することが抑制される。
また、シールプレート36に向けて従動ギヤ33及び駆動ギヤ34が移動すると、それらの他端面が、シールプレート36のポンプ室側シール部36bに押し付けられる。すると、ポンプ室側シール部36bは、ポンプ室18内面と、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面との間で押し潰されるように変形する。
図4の拡大図に示すように、ポンプ室側シール部36bが押し潰されると、ポンプ室側シール部36bの内周縁付近、及び外周縁付近は、接触線Pで円環状に凹部13cの内底面に圧接するとともに、その内周縁と外周縁の間の当接部36cの端縁が、接触線Pで従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面に円環状に圧接する。その結果、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面とシールプレート36との間には線接触した箇所が形成され、気密にシールされる。このシールにより、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面側では、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の外周側から従動軸19及び駆動軸21の周りに流体が達することが抑制される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)仕切壁13aにサイドプレート17を接合してポンプ室18を形成した。また、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面とサイドプレート17との間に背圧シールプレート31を介装するとともに、ポンプ室18の内面と従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面との間にシールプレート36を介装した。そして、背圧シールプレート31とサイドプレート17との間の背圧室に導入した圧力により、背圧シールプレート31を変形させ、背圧シールプレート31と各ギヤ33,34の一端面との間をシールするようにした。また、背圧シールプレート31の変形に伴い両ギヤ33,34の他端面をシールプレート36に圧接させ、シールプレート36と各ギヤ33,34の他端面との間をシールするようにした。このため、背圧シールプレート31のみを仕切壁13aとサイドプレート17で挟持してシールし、背圧シールプレート31とサイドプレート17との間の背圧室に圧力を導入できるように背圧シールプレート31のみに導入孔31cを形成すればよい。したがって、背圧シールプレート31とシールプレート36の両方を、それぞれサイドプレート17と仕切壁13aとの間に挟持し、しかも両シールプレート31,36に導入孔を形成する場合と比べて複合流体機械11の構造を簡単にすることができる。
(2)背圧シールプレート31を従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面に圧接させるとともに、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の他端面をポンプ室側シール部36bに圧接させることで、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の外周側から従動軸19及び駆動軸21の周りに流体が洩れることを抑制することができる。したがって、駆動軸21に沿って流体が膨張機41及びモータ・ジェネレータ20に洩れることを抑制することができる。その結果として、駆動軸21の周面と仕切壁13aの内周面との間をシールする軸シール部材を不要とすることができ、複合流体機械11の部品点数を減らすことができる。加えて、軸シール部材の配置スペースが不要となるため、複合流体機械11の軸方向の長さを短縮することができる。
(3)背圧シールプレート31及びシールプレート36を用いることで、各ギヤ33,34の外周側から各軸19,21の周りに流体が洩れることを抑制することができる。したがって、駆動軸21に沿って流体が膨張機41及びモータ・ジェネレータ20に洩れることを抑制することができ、この洩れ抑制のための軸シール部材を不要とすることができる。したがって、軸シール部材の緊迫力に起因した駆動軸21の損失トルクを無くすことができる。
(4)シールプレート36にポンプ室側シール部36bを予め膨出形成しておき、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34がポンプ室側シール部36bに押し付けられることで、ポンプ室側シール部36bを、ポンプ室18の内面と各ギヤ33,34の他端面との間で押し潰すように変形させることができる。そして、ポンプ室側シール部36bが変形することで、ポンプ室側シール部36bの各ギヤ33,34の他端面に対する面圧を高めることができる。したがって、ポンプ室側シール部36bが形成されておらず、単に従動ギヤ33及び駆動ギヤ34をシールプレート36に押し付ける場合と比べると、シールプレート36と従動ギヤ33及び駆動ギヤ34との間のシール性を高めることができる。
(5)背圧シールプレート31の外縁部31bは、ポンプ室18の周囲で仕切壁13aの一側面とサイドプレート17との間に挟持されている。このため、背圧シールプレート31の外縁部31bの表裏両面は、仕切壁13aの一側面及びサイドプレート17の圧接によってシールされている。このため、背圧室の流体が、背圧シールプレート31の外縁部31bの外周側を介して、ポンプ室18に洩れることを抑制することができ、背圧シールプレート31とサイドプレート17との間の圧力が、ポンプ室18と同じ圧力になってしまうことを防止することができる。その結果、背圧シールプレート31をポンプ室18から導入された圧力によって変形させることができる。
(6)背圧シールプレート31とサイドプレート17との間にはシールリング35が圧縮状態で介装され、このシールリング35の原形状への復帰力により、背圧シールプレート31を従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面に向けて付勢することができる。したがって、背圧シールプレート31とサイドプレート17との間に導入される圧力に加え、シールリング35の付勢力により、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の一端面と、背圧シールプレート31との間のシール性を高めることができる。
(7)複合流体機械11においては、駆動軸21の一端側にモータ・ジェネレータ20が設けられ、駆動軸21の他端側に膨張機41が設けられている。そして、ギヤポンプ30では、背圧シールプレート31及びシールプレート36により、従動ギヤ33及び駆動ギヤ34の外周側の流体が、従動軸19及び駆動軸21の周りに洩れることが抑制される。このため、駆動軸21に沿って流体が膨張機41に洩れることが抑制され、この流体洩れを抑制するための軸シールを設ける必要がなくなる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、背圧側シール部の一部としてシールリング35を用いたが、このシールリング35の代わりに、図5に示すように、背圧シールプレート31に形成したビード31dに具体化してもよい。
○ 実施形態では、ポンプ室側シール部36bの先端側に当接部36cを形成し、各ギヤ33,34が移動する前は、各ギヤ33,34の他端面に対し当接部36cが面接触するようにポンプ室側シール部36bを形成した。これに限らず、図5に示すように、ポンプ室側シール部36dを、挿通孔36a周りで円環状に延びる突条状に形成してもよい。
○ 実施形態では、複合流体機械11を、駆動軸21の他端側に機構部としての膨張機41を有するタイプとしたが、駆動軸21の他端側に機構部を設けず、駆動軸21の他端を自由端としたタイプとしてもよい。すなわち、流体機械を駆動部とポンプ部とからなるギヤポンプとしてもよい。このように構成すると、駆動軸21の周面に沿った他端側への流体の洩れがあっても、その流体の洩れにより機構部が影響を受けることがない。
○ 実施形態では、機構部として膨張機41に具体化したが、機構部はその他のものに変更してもよい。
○ 実施形態では、背圧シールプレート31及びシールプレート36を金属板で形成したが、樹脂板で形成してもよい。
○ 実施形態では、ポンプ室形成体としてセンタハウジング13に一体形成した仕切壁13aに具体化したが、ポンプ室形成体は、センタハウジング13の内周面に別体形成したブロック体であってもよい。
○ ポンプ部はギヤポンプ30と異なる形態のポンプ、例えばベーンタイプのポンプとしてもよい。
○ 実施形態では、複合流体機械11をランキンサイクル装置60のみに用いたが、複合流体機械11に圧縮部及びクラッチ機構を一体に設けて、冷凍サイクルを並設してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記ポンプ部材は外周面に複数のギヤ歯が形成されてなるギヤであり、前記ポンプ室側シール部は、前記他端面において前記ポンプ部材の歯底円と前記回転軸との間に設けられている請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の流体機械。
Q…歯底円、12…ハウジング、13a…ポンプ室形成体としての仕切壁、17…サイドプレート、18…ポンプ室、19…回転軸としての従動軸、20…駆動源として機能するモータ・ジェネレータ、21…回転軸としての駆動軸、30…ポンプ部としてのギヤポンプ、31…背圧シールプレート、31b…外縁部、33…ポンプ部材としての従動ギヤ、34…ポンプ部材としての駆動ギヤ、33a,34a…ギヤ歯、35…背圧側シール部としてのシールリング、36…シールプレート、36b,36d…ポンプ室側シール部、41…機構部としての膨張機。

Claims (4)

  1. ハウジングに形成されたポンプ室形成体と、該ポンプ室形成体の一側面に接合されたサイドプレートとの間にポンプ室が区画されるとともに、前記ポンプ室内に、前記ハウジングに支持された回転軸に連結されたポンプ部材が収容され、前記ポンプ部材の回転によって流体を移送するポンプ部を有し、
    前記サイドプレートと、該サイドプレートに対向する前記ポンプ部材の一端面との間には変形可能な背圧シールプレートが配設され、該背圧シールプレートの外縁部は、前記ポンプ室の周囲で前記ポンプ室形成体の一側面と前記サイドプレートとの間に挟持されており、前記背圧シールプレートは、前記サイドプレートと前記背圧シールプレートとの間に、前記ポンプ室の高圧が導入されることで変形して前記一端面に圧接し、
    前記ポンプ部材の他端面と、該他端面に対向する前記ポンプ室の内面との間には変形可能なシールプレートが配設されるとともに、前記背圧シールプレートと前記シールプレートとの間では前記ポンプ部材が前記回転軸の軸方向に沿って移動可能に収容されており、前記背圧シールプレートの変形に伴う前記ポンプ部材の前記シールプレートに向けた移動に伴い、前記他端面が前記シールプレートに圧接するように構成された流体機械。
  2. 前記シールプレートには、該シールプレートを前記他端面に向けて膨出させてなる環状のポンプ室側シール部が形成されている請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記ポンプ部材は外周面に複数のギヤ歯が形成されてなるギヤであり、前記背圧シールプレートには、前記一端面において前記ポンプ部材の歯底円と前記回転軸との間をシールする環状の背圧側シール部が設けられている請求項1又は請求項2に記載の流体機械。
  4. 前記回転軸の一端側には駆動源が連結されるとともに、前記回転軸の他端側には該回転軸の回転によって駆動される機構部が設けられ、前記ポンプ部材は前記駆動源と前記機構部との間に配置されている請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の流体機械。
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