JP2013194596A - スクロール式膨張機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクロール式膨張機に設けられたワンウェイクラッチの効率の良い潤滑をする。
【解決手段】ハウジング1内に、膨張機構16の高圧領域である吸入室25から、連通路44、プレート29の絞り通路、第1背圧室45a、メイン軸受11、第2背圧室45b、ワンウェイクラッチ10、第3背圧室45c、軸内通路48、半径方向通路50、空間49、連通路51、52、プレート29の連通孔31及び導出路46の順に流れ、低圧領域である吐出室27に連通する潤滑流路を形成する。潤滑流路にワンウェイクラッチ10を配設し、回転軸6に軸内通路48を設けた構成であるため、袋小路となるキャップ8内に作動流体の循環が生じ、ワンウェイクラッチ10の潤滑が効率よく行なわれる。また、軸内通路48は回転軸6の軸シール40まで延長しているため、軸シール40の潤滑性能を高め、軸シール40の耐久性を向上することができる。
【選択図】図1

Description

本願発明は、スクロール式膨張機に関する。
例えば、特許文献1には、冷凍サイクルの圧縮機とランキンサイクルのポンプ及び膨張機を一体化し、圧縮機、ポンプ及び膨張機に共通な回転軸をエンジンに連結した自動車用廃熱利用システムが開示されている。
特許文献1のランキンサイクルに使用される膨張機は、スクロール式膨張機で構成され、ハウジング内にスクロールユニットが収容されている。スクロールユニットは、固定スクロールと、固定スクロールに対して公転旋回運動する可動スクロールとから構成されている。可動スクロールの固定スクロールと反対側の背面にはボス部が形成され、ボス部内にラジアルベアリングを介して偏心ブッシュが挿入されている。
偏心ブッシュには、クランクピンが挿入され、クランクピンは回転軸の端部に、回転軸の軸心から偏心した位置で連結されており、これにより可動スクロールは自転することなく公転旋回運動する。また、回転軸の端部とクランクピンとはワンウェイクラッチを介して連結されている。具体的には、クランクピンを備えた有底筒状のキャップが回転軸の端部に嵌合され、回転軸と有底筒状のキャップとの間にワンウェイクラッチが介在されている。また、有底筒状のキャップはラジアルベアリングを介してハウジングの内周面に支持されている。
このため、回転軸の回転速度が可動スクロールの旋回速度よりも速い場合に、回転軸の回転は可動スクロール、即ち膨張機に伝達されず、可動スクロールの旋回速度が回転軸の回転速度よりも速い場合にのみ可動スクロール、即ち膨張機側から回転軸に回転が伝達される。この構成により、例えば、エンジンの起動時のように膨張機に供給される作動流体が高温高圧に達していないような場合、膨張機がエンジン側への負荷にならないように工夫している。
特開2011−94590号公報
特許文献1に開示されるように、回転軸と可動スクロールとの間にワンウェイクラッチを介在する膨張機では、回転軸がエンジンによって回転されている場合、膨張機側との間に滑りが生じるため、ワンウェイクラッチやラジアルベアリングへの潤滑が必要である。ワンウェイクラッチやラジアルベアリングへの潤滑は、膨張機に供給される作動流体をハウジング内に導入し、作動流体に含まれるオイルを利用して行なわれている。
しかし、特にワンウェイクラッチは、回転軸の端部に嵌合した有底筒状のキャップ内に配設された構成であるため、有底筒状のキャップ内が袋小路となり、作動流体が充満していても作動流体の流動性に乏しく、ワンウェイクラッチが潤滑不良になるという問題がある。
本願発明は、スクロール式膨張機に設けられたワンウェイクラッチの効率の良い潤滑を目的とする。
請求項1は、ハウジング内に固定スクロール及び旋回スクロールを備え、負荷機に連結された回転軸の端部に有底筒状のキャップを嵌合し、前記キャップに備えた偏心軸により前記旋回スクロールを支持し、前記キャップと前記回転軸との間に前記キャップから前記回転軸への方向にのみ回転が伝達されるワンウェイクラッチを設けたスクロール式膨張機において、前記ハウジング内に前記膨張機の高圧領域から低圧領域に連通する潤滑流路を形成し、前記潤滑流路に前記ワンウェイクラッチを配設したことを特徴とする。
請求項1によれば、潤滑流路にワンウェイクラッチを配設することにより、ワンウェイクラッチの潤滑を効率良く行うことができる。
請求項2は、前記旋回スクロールの基板に対して前記固定スクロールと反対側に背圧室を形成するとともに、前記背圧室が前記潤滑流路の一部となり、前記ワンウェイクラッチは前記背圧室内に配置されることを特徴とする。請求項2によれば、旋回スクロールに掛かるスラスト荷重とのバランスを取る機能を有するために設けられる背圧室内の作動流体の流れを利用してワンウェイクラッチの潤滑を効率よく行うことができる。
請求項3は、前記潤滑流路は、前記高圧領域から、前記ワンウェイクラッチ、前記回転軸に形成された軸内通路、前記回転軸の軸シール、前記ハウジングに形成された連通路及び前記低圧領域の順に作動流体が流れるように形成されていることを特徴とする。請求項3によれば、オイルを含む作動流体がワンウェイクラッチ及び回転軸の軸シールの配設位置を流れるため、ワンウェイクラッチ及び回転軸の軸シールの潤滑性能を高め、耐久性を向上することができる。
請求項4は、前記潤滑流路は、前記キャップを支持するメイン軸受に対して前記旋回スクロール側に隣接する第1背圧室、前記メイン軸受、前記メイン軸受に対して前記旋回スクロールとは反対側に隣接する第2背圧室、前記ワンウェイクラッチの順に前記作動流体が流れるように形成されていることを特徴とする。請求項4によれば、オイルを含む作動流体がメイン軸受、ワンウェイクラッチを流れるため、メイン軸受及びワンウェイクラッチ潤滑性能を高め、耐久性を向上することができる。
請求項5は、前記潤滑流路は、前記高圧領域から前記旋回スクロールの基板背面と前記偏心軸との間に形成される旋回スクロール中央背面室、前記偏心軸に形成された連通路、前記ワンウェイクラッチ及び前記低圧領域の順に前記作動流体が流れるように形成されていることを特徴とする。請求項5によれば、ワンウェイクラッチの潤滑が良好に行なわれ、ワンウェイクラッチの信頼性を高めることができる。
請求項6は、前記高圧領域は、前記膨張機における前記作動流体の吸入室であることを特徴とする。請求項6によれば、背圧室への作動流体の導入が膨張機の機能に関わることなく容易に行うことができる。
請求項7は、前記高圧領域は、前記膨張機における前記作動流体の膨張室であることを特徴とする。請求項7によれば、ワンウェイクラッチの潤滑性能の向上に加え、背圧室と膨張室の膨張力による旋回スクロールに掛かるスラスト荷重とのバランスが取り易い。
請求項8は、一端が前記固定スクロールの基板と接触する前記旋回スクロールの渦巻壁の端面に開口し、他端が前記旋回スクロールの基板を貫通し、前記旋回スクロールの基板背面と前記偏心軸との間に形成される旋回スクロール中央背面室に開口している連通路を設けることを特徴とする。請求項8によれば、ワンウェイクラッチの潤滑性能を向上することができる。また、背圧室と膨張室の膨張力による旋回スクロールに掛かるスラスト荷重とのバランスが取り易い。
請求項9は、前記膨張室と前記旋回スクロールの基板背面と前記偏心軸との間に形成される旋回スクロール中央背面室との間は、旋回スクロールの基板に形成した絞り通路を介して連通されていることを特徴とする。請求項9によれば、ワンウェイクラッチの潤滑性能を向上することができる。
請求項10は、前記旋回スクロール中央背面室の外周側に流路抵抗付与部を設けたことを特徴とする。請求項10によれば、作動流体を偏心軸の連通路に集中して導入し、ワンウェイクラッチの潤滑性能を向上することができる。
請求項11は、前記キャップと前記偏心軸とは一体形成されていることを特徴とする。請求項11によれば構造が簡単となる。
本願発明は、スクロール式膨張機に設けたワンウェイクラッチを効率よく潤滑することができる。
第1の実施形態におけるランキンサイクルに利用したスクロール式膨張機の縦断面図である。 第1の実施形態の要部を示す拡大断面図である。 作動流体の絞り通路を設けたプレートの平面図である。 第2の実施形態を示すスクロール式膨張機の縦断面図である。 第2の実施形態の要部を示す拡大断面図である。 第3の実施形態の要部を示す拡大断面図である。 第4の実施形態の要部を示す拡大断面図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態であるランキンサイクルに利用したスクロール式膨張機を図1〜図3に基づいて説明する。図1及び図2において、スクロール式膨張機のハウジング1は、筒状に形成されたセンタハウジング2と、センタハウジング2の一端(図1の左端)に接合されたフロントハウジング3と、センタハウジング2の他端(図1の右端)に接合されたリヤハウジング4とから形成されている。
センタハウジング2内には、支持ブロック5が設けられている。ハウジング1内には、回転軸6が配設されている。回転軸6の一端はフロントハウジング3に支持されるとともにフロントハウジング3を貫通してハウジング1の外部へ突出され、回転軸6の他端は支持ブロック5に支持されている。
回転軸6の他端には、回転軸6の中心軸から一定量偏心させた偏心軸7を備えた有底筒状のキャップ8がワンウェイクラッチ10を介して嵌合されている。また、キャップ8は複列のラジアル軸受からなるメイン軸受11を介して支持ブロック5に回転可能に支持されている。ワンウェイクラッチ10は、一方向にのみ運動を伝えるもので、キャップ8の回転を回転軸6に伝達し、回転軸6の回転がキャップ8に伝達されないように構成されている。なお、支持ブロック5の内周面には、Oリング製の軸シール12が装着され、軸シール12は回転軸6の外周面と支持ブロック5の内周面との間をシールしている。
偏心軸7には、偏心軸7と共に回転軸6の周りを公転するブッシュ13が固定されている。ブッシュ13は、カウンタウェイト14を備えるとともに、単列のラジアルベアリングからなるサブ軸受15を介して膨張機構16を構成する旋回スクロール17を支持している。
旋回スクロール17の渦巻壁18は、リヤハウジング4に固定して設けられた膨張機構16を構成する固定スクロール19の渦巻壁20と所定角度ずらせて歯合され、固定スクロール19の基板22と接合する。また、固定スクロール19の渦巻壁20は旋回スクロール17の基板21に接合し、渦巻壁18と渦巻壁20との間に閉鎖された膨張室23が形成される。
固定スクロール19における基板22の中央部には吸入口24が形成され、基板22とリヤハウジング4との間には、膨張機構16の高圧領域となる吸入室25が区画されている。吸入室25は吸入口24を介して膨張室23に連通するとともに、リヤハウジング4に形成された吸入ポート26に連通する。また、固定スクロール19の内周面と旋回スクロール17における渦巻壁18の最外周面との間、及び吸入室25の外周側には吐出室27が区画形成され、吐出室27はセンタハウジング2に形成された吐出ポート28に連通している。
従って、加熱された高温高圧の作動流体が吸入ポート26から膨張機構16の吸入室25に供給されると、吸入室25の作動流体は吸入口24を介して膨張室23に導入されて膨張する。作動流体が膨張室23において膨張することにより旋回スクロール17が旋回し、偏心軸7、キャップ8及びワンウェイクラッチ10を介して回転軸6が回転される。膨張室23において膨張し、圧力が低下した作動流体は膨張機構16の低圧領域となる吐出室27に吐出された後、吐出ポート28から膨張機構16の外部へ吐出される。
支持ブロック5と固定スクロール19との間には、旋回スクロール17の基板21と接触する環状のプレート29が挟持されている。プレート29は、図3に示すように、プレート29の周方向に沿って半円状に延びるとともに、プレート29の厚み方向に貫通させた細幅の絞り通路30を有する。また、プレート29には、絞り通路30と異なる位置にプレート29を貫通する連通孔31が穿設されている。絞り通路30は、プレート29が支持ブロック5と固定スクロール19の間に挟持され、旋回スクロール17の外周部に設けたOリング製のシール部材32によりシールされている。
フロントハウジング3の内面には、回転軸6を取り囲むように長円状の凹部33が形成されている。凹部33はフロントハウジング3の内面に固着されたサイドプレート34により閉鎖され、ポンプ室35を形成している。また、ポンプ室35には、回転軸6に固定された駆動ギヤ36が設けられ、ポンプ室35内に設けられた被動ギヤ(図示せず)と歯合させることによりギヤポンプが形成される。ポンプ室35の下方には、吸入通路37が形成され、吸入通路37の一端はフロントハウジング3の外部に開口するとともに、他端はポンプ室35に開口している。また、ポンプ室35の上方には、吐出通路38が形成され、吐出通路38の一端はポンプ室35に開口するとともに、他端はフロントハウジング3の外部に開口している。
回転軸6の一端はフロントハウジング3との間に介在されたラジアル軸受39により支持されるとともに、リップシール等の軸シール40によりシールされ、ハウジング1の内部を密閉している。回転軸6の他端は、ワンウェイクラッチ10の旋回スクロール17側に隣接して配設されるラジアル軸受66により支持されている。また、フロントハウジング3の外部に突出した回転軸6の端部には、ベルトあるいはチェーン、ギヤ等の動力伝達部材41により負荷機としてのエンジン42に連結されたプーリ43が固定されている。
従って、ランキンサイクル53の起動時には、回転軸6はエンジン42の駆動力により回転され、ギヤポンプの駆動ギヤ36を回転してポンプ室35内の作動流体の送り出しを行なう。しかし、エンジン42による回転軸6の回転は、ワンウェイクラッチ10により遮断され、旋回スクロール17側へ伝達されることはない。一方、旋回スクロール17の回転数が増大して回転軸6の回転数に到達した場合は、旋回スクロール17の回転が回転軸6に伝達され、駆動ギヤ36が旋回スクロール17により駆動されるとともに動力伝達部材41及びプーリ43を介してエンジン42へ動力が回生される。
一方、固定スクロール19には、作動流体の連通路44が形成され、連通路44の一端は高圧領域である吸入室25に開口し、他端はプレート29の絞り通路30に開口している。従って、絞り通路30には、吸入室25の高温高圧の作動流体が導入可能となる。旋回スクロール17の基板21に対して固定スクロール19と反対側には、支持ブロック5と旋回スクロール17及びプレート29とにより囲まれる第1背圧室45a、第2背圧室45b、第3背圧室45c及び旋回スクロール中央背面室67が形成されている。
第1背圧室45aは、メイン軸受11に対して旋回スクロール17側に隣接し、プレート29の絞り通路30と連通している。第2背圧室45bは、メイン軸受11に対して第1背圧室45aとは反対側に形成されている。第3背圧室45cは、回転軸6の端部とキャップ8の内面との間に形成されている。旋回スクロール中央背面室67は、旋回スクロール17の基板21の背面と偏心軸7との間に形成されている。なお、旋回スクロール中央背面室67は背圧室の機能を備えることができる。
第1背圧室45aは、絞り通路30から導入される作動流体の圧力(背圧)により、旋回スクロール17に掛かるスラスト荷重とのバランスを取る機能を有する。また、第1背圧室45a、第2背圧室45b、第3背圧室45c及び旋回スクロール中央背面室67は、旋回スクロール17に設けられたシール部材32と、支持ブロック5に設けられた軸シール12とによってシールされた空間として形成されている。
固定スクロール19と旋回スクロール17の外周側との間に区画された吐出室27の外側には、導出路46が形成されている。導出路46は、一端がプレート29の連通孔31に接続するとともに、他端が吸入室25の外周側に区画された吐出室27に連通している。導出路46には、導出路46をプレート29側から吐出室27に向けて拡径させることで形成された段差に、コイルバネとボールバルブからなるチェック弁47が形成されている。チェック弁47は、第1背圧室45aの圧力が予め設定された適正値を越えると開き、第1背圧室45aの作動流体を吐出室27に逃すように設定され、第1背圧室45aと吐出室27との差圧が予め設定された適正値に調整されるように構成されている。
回転軸6には、中心部に軸内通路48が穿設されている。軸内通路48は、一端が回転軸6の端部とキャップ8の内面との間に形成されている第3背圧室45cに開口するとともに、他端が軸シール40を配設した空間49に開口する半径方向通路50に連通している。また、空間49は、フロントハウジング3に設けた連通路51及びセンタハウジング2に設けた連通路52に連通し、プレート29の連通孔31を介して導出路46に接続されている。
従って、ハウジング1内には、膨張機構16の高圧領域である吸入室25から、連通路44、プレート29の絞り通路30、第1背圧室45a、メイン軸受11、第2背圧室45b、ワンウェイクラッチ10、ラジアル軸受66、第3背圧室45c、軸内通路48、半径方向通路50、空間49、連通路51、52、プレート29の連通孔31及び導出路46の順に作動流体が流れ、低圧領域である吐出室27に連通する潤滑流路が形成される。なお、第1背圧室45aからサブ軸受15を通って旋回スクロール中央背面室67に作動流体が流れることで、旋回スクロール中央背面室67にも背圧が付与される。
なお、膨張機構16を使用したランキンサイクル53は、作動流体の流れ方向から見て順に、熱交換器54、膨張機構16、凝縮器55、ポンプ室35を経由する閉回路により構成される。熱交換器54には、エンジン42とラジエータ56とを繋ぐ冷却水循環経路57が接続され、エンジン42を経由した高温の冷却水と作動流体との間で熱交換が行なわれる。
第1の実施形態では、第1背圧室45a、第2背圧室45b、第3背圧室45c内の潤滑流路にワンウェイクラッチ10やラジアル軸受66が配設され、回転軸6に軸内通路48を設けた構成であるため、袋小路となるキャップ8内に作動流体の循環が生じ、ワンウェイクラッチ10やラジアル軸受66の潤滑が効率よく行なわれる。また、軸内通路48は回転軸6の軸シール40まで延長しているため、軸シール40の潤滑性能を高め、軸シール40の耐久性を向上することができる。
(第2の実施形態)
図4及び図5は第2の実施形態を示したもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第2の実施形態は、膨張機構16の高圧領域である膨張室23の作動流体をスラストバルブ機構58により導入するように構成したものである。スラストバルブ機構58は、図5の拡大図に示すように、最も中心側に位置する膨張室23を形成する旋回スクロール17の渦巻壁18に形成された連通路59により構成される。連通路59は、一端が固定スクロール19の基板22と接触する渦巻壁18の端面に開口し、他端が旋回スクロール17の基板21を貫通し、旋回スクロール中央背面室67に開口している。
膨張機構16の運転中、膨張室23の圧力が高まると、旋回スクロール17が固定スクロール19から離反する方向に変位する。旋回スクロール17の変位は渦巻壁18の端面と固定スクロール19の基板22との間に隙間を発生し、膨張室23内の作動流体が連通路59から旋回スクロール中央背面室67に流出する。
一方、偏心軸7には、連通路60が形成されている。連通路60は、一端が連通路59と連通する旋回スクロール中央背面室67に開口し、他端がワンウェイクラッチ10を配設したキャップ8内の第3背圧室45cに開口する。従って、膨張室23から連通路59を介して旋回スクロール中央背面室67に導入された作動流体は連通路60を通り、キャップ8内の第3背圧室45cに導入される。第3背圧室45cに導入された作動流体は、ラジアル軸受66、ワンウェイクラッチ10、第2背圧室45b、メイン軸受11を通って第1背圧室45aに導入される。
また、図4に示すように、第1背圧室45aは支持ブロック5とプレート29との間に形成された通路61及びプレート29に形成した連通孔31を介して導出路46に連通している。なお、第2の実施形態におけるプレート29は、第1の実施形態の図3に示した絞り通路30を備えていない構成である。
従って、第2の実施形態におけるハウジング1内には、膨張機構16の高圧領域である膨張室23から、スラストバルブ機構58の連通路59、旋回スクロール中央背面室67、偏心軸7の連通路60、第3背圧室45c、ラジアル軸受66、ワンウェイクラッチ10、第2背圧室45b、メイン軸受11、第1背圧室45a、通路61、プレート29の連通孔31及び導出路46の順に流れ、低圧領域である吐出室27に連通する潤滑流路が形成される。
第2の実施形態では、潤滑流路にワンウェイクラッチ10やラジアル軸受66が配設され、旋回スクロール17の渦巻壁18及び偏心軸7にそれぞれ連通路59、60を設けた構成である。このため、袋小路となるキャップ8内に作動流体の循環が生じ、第1の実施形態と同様に、ワンウェイクラッチ10やラジアル軸受66の潤滑が効率よく行なわれる。
(第3の実施形態)
図6に示す第3の実施形態は、第2の実施形態の一部を変更したもので、第2の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第3の実施形態は、旋回スクロール17の基板21とブッシュ13との間に形成される旋回スクロール中央背面室67の外周側に流路抵抗付与部としてのスラスト軸受62を設けた構成である。スラスト軸受62はスラストプレーン63と皿ばね64から構成されている。スラストプレーン63は旋回スクロール17の基板21に接触するように配置され、皿ばね64はスラストプレーン63とブッシュ13との間に配置されてスラストプレーン63を押圧する。スラストプレーン63及び皿ばね64は、ドーナツ状に形成され、連通路59、旋回スクロール中央背面室67及び連通路60が常時連通状態となるように配設されている。
スラスト軸受62は旋回スクロール17のスラスト荷重を軸受するとともに、旋回スクロール中央背面室67に供給された作動流体のサブ軸受15側(第1背圧室45a側)への流れを抑制し、作動流体を連通路60へ集中的に導入する機能を有する。従って、ワンウェイクラッチ10へ向けて大容量の作動流体が流れる潤滑流路を形成することができ、ワンウェイクラッチ10を効率よく潤滑することができる。
(第4の実施形態)
図7に示す第4の実施形態は、第2の実施形態の一部を変更したもので、第2の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第4の実施形態は、旋回スクロール17の基板21とブッシュ13との間に形成される旋回スクロール中央背面室67が旋回スクロール17の基板21に穿設した絞り通路65により、高圧領域である膨張室23に連通した構成である。
絞り通路65は、膨張室23内の高圧の作動流体を減圧した状態で旋回スクロール中央背面室67に供給することができる。従って、第4の実施形態では、高圧領域である膨張室23から、絞り通路65、旋回スクロール中央背面室67、偏心軸7の連通路60、第3背圧室45c、ラジアル軸受66及びワンウェイクラッチ10の順に流れる潤滑流路が形成される。このため、第2の実施形態と同様に、ワンウェイクラッチ10を効率よく潤滑することができる。
本願発明は、前記した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本願発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、次のように実施することができる。
(1)第1の実施形態において、第1背圧室45aと高圧領域との連通は、吸入室25に連通する連通路44を設ける構成に代えて、第2の実施形態に示した膨張室23に連通するスラストバルブ機構58の構成を用いても良い。この場合、潤滑流路は、スラストバルブ機構58の連通路59、旋回スクロール中央背面室67、サブ軸受15、第1背圧室45a、メイン軸受11、第2背圧室45b、ワンウェイクラッチ10、第3背圧室45c及び回転軸6の軸内通路48の順に流れるように形成される。
(2)第2及び第3の実施形態において、偏心軸7の連通路60に導入する潤滑流路は、スラストバルブ機構58あるいは絞り通路65により膨張室23に連通する構成に代えて、他の連通路により吸入室25と連通するように構成しても良い。
(3)第3の実施形態におけるスラスト軸受62は、スラストプレーン63及び皿ばね65からなる構成に限らず、スラスト荷重を受けることができる他の軸受を用いても良い。また、流路抵抗付与部として、軸受ではなく、ブッシュ13又はサブ軸受15の内輪と旋回スクロール17の基板21との間にラビリンス構成を設けてもよい。
(4)第4の実施形態において、旋回スクロール17の基板21とブッシュ13との間に形成される旋回スクロール中央背面室67に、第3の実施形態に示したスラスト軸受62やその他の流路抵抗付与部を設けても良い。
(5)ラジアル軸受66をワンウェイクラッチ10と隣接配置せず、潤滑流路とは他の箇所に設けてもよい。
(6)第1〜第4の実施形態において、第3背圧室45cを省略してもよい。例えば、第1の実施形態においてラジアル軸受66と軸内通路48とを連通する径方向通路を回転軸6の端部に形成してもよいし、第2〜第4の実施形態において偏心軸7の連通路60を直接ラジアル軸受66に接続するようにしてもよい。
(7)第1背圧室45a、第2背圧室45b及び第3背圧室45cを設けないスクロール式膨張機に本発明を適用してもよい。例えば、第1の実施形態において、第1背圧室45a、第2背圧室45b及び第3背圧室45cを介さずに吸入室25又は膨張室23からワンウェイクラッチ10に直接高圧の作動流体を流すような潤滑流路を形成してもよい。また、吐出室27からワンウェイクラッチ10を介して吐出ポート28へ低圧の作動流体を流すような潤滑流路を形成してもよい。この場合、高圧領域としての吸入室25から低圧領域としての吐出ポート28までの流路が潤滑流路を構成する。
(8)第2〜第4実施形態において、旋回スクロール17の基板21の背面と偏心軸7との間に形成される旋回スクロール中央背面室67に、膨張室23の作動流体が絞りを介さず直接流れるように構成してもよい。この場合、旋回スクロール中央背面室67は背圧室の機能を有しない。
(9)負荷機として、エンジン42ではなくモータジェネレータを回転軸6と連結してもよい。
1 ハウジング
5 支持ブロック
6 回転軸
7 偏心軸
8 キャップ
10 ワンウェイクラッチ
11 メイン軸受
13 ブッシュ
15 サブ軸受
16 膨張機構
17 旋回スクロール
18、20 渦巻壁
19 固定スクロール
21、22 基板
23 膨張室(高圧領域)
25 吸入室(高圧領域)
27 吐出室(低圧領域)
42 エンジン(負荷機)
44、51、52、59、60 連通路(潤滑流路)
45a 第1背圧室
45b 第2背圧室
45c 第3背圧室
46 導出路(潤滑流路)
48 軸内通路(潤滑流路)
53 ランキンサイクル
58 スラストバルブ機構
59 連通路(潤滑流路)
61 通路(潤滑流路)
62 スラスト軸受(流路抵抗付与部)
65 絞り通路(潤滑流路)
67 旋回スクロール中央背面室

Claims (11)

  1. ハウジング内に固定スクロール及び旋回スクロールを備え、負荷機に連結された回転軸の端部に有底筒状のキャップを嵌合し、前記キャップに備えた偏心軸により前記旋回スクロールを支持し、前記キャップと前記回転軸との間に前記キャップから前記回転軸への方向にのみ回転が伝達されるワンウェイクラッチを設けたスクロール式膨張機において、
    前記ハウジング内に前記膨張機の高圧領域から低圧領域に連通する潤滑流路を形成し、前記潤滑流路に前記ワンウェイクラッチを配設したことを特徴とするスクロール式膨張機。
  2. 前記旋回スクロールの基板に対して前記固定スクロールと反対側に背圧室を形成するとともに、前記背圧室が前記潤滑流路の一部となり、前記ワンウェイクラッチは前記背圧室内に配置されることを特徴とする請求項1に記載のスクロール式膨張機。
  3. 前記潤滑流路は、前記高圧領域から、前記ワンウェイクラッチ、前記回転軸に形成された軸内通路、前記回転軸の軸シール、前記ハウジングに形成された連通路及び前記低圧領域の順に作動流体が流れるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール式膨張機。
  4. 前記潤滑流路は、前記キャップを支持するメイン軸受に対して前記旋回スクロール側に隣接する第1背圧室、前記メイン軸受、前記メイン軸受に対して前記旋回スクロールとは反対側に隣接する第2背圧室、前記ワンウェイクラッチの順に前記作動流体が流れるように形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のスクロール式膨張機。
  5. 前記潤滑流路は、前記高圧領域から前記旋回スクロールの基板背面と前記偏心軸との間に形成される旋回スクロール中央背面室、前記偏心軸に形成された連通路、前記ワンウェイクラッチ及び前記低圧領域の順に前記作動流体が流れるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール式膨張機。
  6. 前記高圧領域は、前記膨張機における前記作動流体の吸入室であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のスクロール式膨張機。
  7. 前記高圧領域は、前記膨張機における前記作動流体の膨張室であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のスクロール式膨張機。
  8. 一端が前記固定スクロールの基板と接触する前記旋回スクロールの渦巻壁の端面に開口し、他端が前記旋回スクロールの基板を貫通し、前記旋回スクロールの基板背面と前記偏心軸との間に形成される旋回スクロール中央背面室に開口している連通路を設けることを特徴とする請求項7に記載のスクロール式膨張機。
  9. 前記膨張室と前記旋回スクロールの基板背面と前記偏心軸との間に形成される旋回スクロール中央背面室との間は、旋回スクロールの基板に形成した絞り通路を介して連通されていることを特徴とする請求項7に記載のスクロール式膨張機。
  10. 前記旋回スクロール中央背面室の外周側に流路抵抗付与部を設けたことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のスクロール式膨張機。
  11. 前記キャップと前記偏心軸とは一体形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のスクロール式膨張機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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