JP2013006732A - 窒素含有グラフェン構造体及び蛍光体分散液 - Google Patents

窒素含有グラフェン構造体及び蛍光体分散液 Download PDF

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Abstract

【課題】相対的に高い発光効率を示す新規な窒素含有グラフェン構造体及びこれを用いた蛍光体分散液を提供すること。
【解決手段】単層又は多層のグラフェンナノシートからなり、シートの端部にアームチェア型端面部を含むシート部と、前記アームチェア型端面部と1辺のみを共有して結合している末端6員環と、前記末端6員環を構成する炭素原子の内、前記アームチェア型端面部と結合していない炭素原子、及び、前記シート部を構成する炭素原子から選ばれるいずれか1以上の炭素原子に結合している窒素含有官能基とを備えた窒素含有グラフェン構造体、及び、これを溶媒に分散させた蛍光体分散液。
【選択図】図2

Description

本発明は、窒素含有グラフェン構造体及び蛍光体分散液に関し、さらに詳しくは、生化学反応を検出するためのプローブ、発光素子、LED、ディスプレイ、蛍光タグなどに用いることができる新規な窒素含有グラフェン構造体及びこれを用いた蛍光体分散液に関する。
蛍光体とは、特定の波長の光を吸収することで電子が励起され、励起された電子が基底状態に戻る際に光(蛍光、燐光)を発する物質をいう。
蛍光体としては、
(1)酸化物、窒化物、硫化物などを母体とし、発光中心となるイオンがドープされた無機蛍光体、
(2)希土類錯体などの有機蛍光体、
(3)カーボンナノ粒子、グラフェンナノシートなどのカーボン蛍光体、
などが知られている。
これらの中でも、グラフェンをベースとするカーボン蛍光体は、電気的特性、熱的特性及び機械的特性に優れ、かつ、化学的にも安定であるという特徴を持つ。
このようなグラフェン系材料からなる蛍光体に関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、
(1)出発原料として、グラフェン酸化物(GO)の熱還元により得られるマイクロメートルサイズの波形のグラフェンナノシート(GSs)を用い、
(2)GSsを高濃度のH2SO4及びHNO3で酸化処理することにより、エッジ及び基底面上にC=O/COOH、OH、C−O−Cなどの酸素含有官能基を導入し、
(3)酸化処理されたGSsを200℃で水熱処理し、
(4)得られたコロイド溶液をろ過及び透析する
ことにより得られるグラフェン量子ドット(GQDs)が開示されている。
同文献には、
(a)水熱処理によって脱酸素が生じ、GQDsの(002)面間隔は、バルクのグラファイトに近づく点、
(b)水熱処理によってGSsの大きさが著しく小さくなり、透析によって極めて微細なGQDs(平均直径:9.6nm)を分離することができる点、
(c)酸化処理されたGSsは、フォトルミネセンス(PL)挙動を示さないのに対し、GQDsは、中性の媒体中においても、明るい青色のルミネセンスを放出する点、
(d)GQDsは、320nmの励起によって、430nmに強いピークを持つPLスペクトルを示す点、及び、
(e)GQDsのPL量子効率は6.9%であり、発光性のカーボンナノ粒子と同等である点、
が記載されている。
非特許文献2には、ヒドラジン蒸気で還元処理されたGO薄膜が開示されている。
同文献には、
(a)GOのPL特性は、sp3マトリックス中に埋め込まれた小さなsp2カーボンクラスターの中に局在している電子−ホール(e−h)対の再結合に由来する点、
(b)GOの吸光度は、ヒドラジン暴露時間と共に増加し、酸素の変化(出発原料のGOの〜39at%から還元処理されたGOの7〜8at%まで)と一致する点、
(c)GO薄膜のPLピーク位置は、還元処理による変化が少なく、390nm付近に中心がある点、及び、
(d)形成直後のGO薄膜のPL強度は弱いのに対し、短時間のヒドラジン蒸気の暴露はPL強度の劇的な増加をもたらす点、
が記載されている。
さらに、非特許文献3には、溶液化学により合成されたグラフェン量子ドットであって、132個の共役炭素を含み、かつ、3方向が溶解を促進させる3個の2'、4'、6'−トリアルキルフェニル基で囲まれているものが開示されている。
同文献には、
(a)このグラフェンは、種々の有機溶媒中において凝集することなく安定である点、
(b)このグラフェンをトルエン中に分散させ、室温において、510nmで励起すると、670nmと740nmに発光ピークが現れる点、
(c)740nmの発光は、燐光であり、その時間依存挙動は、室温において、4μsの時定数を持つ単一の指数関数減衰で表される点、及び、
(d)670nmの発光は、蛍光であり、5.4nsと1.7nsの時定数を持つ双指数間数減衰に適合する点、
が記載されている。
グラフェンナノシートをベースとするカーボン蛍光体は、非特許文献1〜2に記載されているように、青色のルミネセンスを放出する。また、従来の蛍光体の中には、カドミウムのような有害元素を含むものも知られているが、カーボン蛍光体は、PL特性を得るためにこのような有害元素を必要としない。
しかしながら、これまでに報告されているカーボン蛍光体の発光効率は、非特許文献1に記載されているように、最大で6.9%である。また、従来の方法により得られるカーボン蛍光体は、非特許文献2に記載されているように、発光波長の制御が難しい。
D.Pan et al., Adv.Mater. 2010, 22, 734-738 G.Eda et al., Adv.Mater. 2010, 22, 505-509 M.L.Mueller et al., Nano Lett. 2010, 10, 2679-2682
本発明が解決しようとする課題は、相対的に高い発光効率を示す新規な窒素含有グラフェン構造体を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、発光波長の制御が容易な新規な窒素含有グラフェン構造体を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、このような窒素含有グラフェン構造体を含む蛍光体分散液を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る窒素含有グラフェン構造体は、
単層又は多層のグラフェンナノシートからなり、シートの端部にアームチェア型端面部を含むシート部と、
前記アームチェア型端面部と1辺のみを共有して結合している末端6員環と、
前記末端6員環を構成する炭素原子の内、前記アームチェア型端面部と結合していない炭素原子、及び、前記シート部を構成する炭素原子から選ばれるいずれか1以上の炭素原子に結合している窒素含有官能基と
を備えている。
また、本発明に係る蛍光体分散液は、本発明に係る窒素含有グラフェン構造体を溶媒に分散させたものからなる。
シート部又は末端6員環を構成する炭素原子のいずれか1以上に窒素含有官能基を導入すると、発光効率が増大する。これは、窒素の導入によって、非輻射再結合が抑制されるためと考えられる。
また、シート部又は末端6員環を構成する炭素原子のいずれか1以上に窒素含有官能基を導入すると、発光波長が長波長化する。これは、窒素の導入によって、励起電子がπ*励起状態からよりエネルギーが低いn*励起状態へエネルギー移動するためと考えられる。
導入される窒素含有官能基の量が多いほど、グラフェンシートとの相互作用が大きくなり、発光波長の変化量が大きくなる。従って、窒素含有官能基の量によって発光波長を制御することができる。末端6員環に窒素含有官能基が導入されないと発光波長の変化量は小さくなり、末端6員環に窒素含有官能基が導入されると変化量が大きくなる。シート部よりも窒素含有官能基の結合サイトが大きい末端6員環を有することで、波長変化量を増大化させることができる。
図1(a)は、アームチェア型端面構造の模式図である。図1(b)は、ジグザグ型端面構造の模式図である。 実施例1で合成された窒素含有グラフェン構造体の質量スペクトルである。 図3(a)は、実施例1及び比較例1で得られた窒素含有グラフェン構造体の酸素含有官能基(C 1s)の結合状態を示すXPS(X線光電子分光法)スペクトルである。図3(b)は、実施例1で得られた窒素含有グラフェン構造体の窒素含有官能基(N 1s)の結合状態を示すXPSスペクトルである。 実施例1で合成された窒素含有グラフェン構造体の蛍光スペクトルである。 実施例2で合成された窒素含有グラフェン構造体の質量スペクトルである。 図6(a)は、実施例2及び比較例1で得られた窒素含有グラフェン構造体の酸素含有官能基(C 1s)の結合状態を示すXPSスペクトルである。図6(b)は、実施例1で得られた窒素含有グラフェン構造体の窒素含有官能基(N 1s)の結合状態を示すXPSスペクトルである。 実施例2で合成された窒素含有グラフェン構造体の蛍光スペクトルである。 実施例2で合成された窒素含有グラフェン構造体の赤外吸収スペクトルである。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 窒素含有グラフェン構造体]
本発明に係る窒素含有グラフェン構造体は、シート部と、末端6員環と、窒素含有官能基とを備えている。
[1.1. 窒素含有グラフェン構造体の構成]
[1.1.1. シート部]
本発明において「シート部」とは、単層又は多層のグラフェンナノシートからなり、シートの端部にアームチェア型端面部(図1(a)参照)を含むものをいう。シート部の端部は、アームチェア型端面部のみからなるものが望ましいが、一部にジグザグ型端面部(図1(b)参照)を含んでいても良い。
また、本発明において「シート部」というときは、グラフェンナノシートを構成する6員環の内、1辺を介してアームチェア型端面部に結合している末端6員環(図1(a)中、点線で表示)は含まれない。
シート部は、単層のグラフェンナノシートからなるものでも良く、あるいは、多層のグラフェンナノシートからなるものでも良い。
本発明において「グラフェンナノシート」とは、炭素の環構造及びsp2結合性の芳香環で構成された2次元のシート状構造を有するものをいう。グラフェンナノシートは、不可避的不純物としての窒素を0.5wt%未満含有しているもの(狭義の「グラフェンナノシート」)でも良く、あるいは、窒素を0.5wt%以上含有しているもの(窒素含有グラフェンナノシート)でも良い。
PL特性を示すためには、グラフェンナノシートは、sp3型の混成軌道をもつ炭素からなる絶縁性のマトリックス(sp3マトリックス)中に、sp2型の混成軌道をもつ炭素からなる微細なクラスター(sp2クラスター)が埋め込まれた構造を備えている必要があると考えられている。すなわち、PL特性を示すグラフェンナノシートにおいて、sp2クラスターは、発光中心として機能すると考えられている。
本発明において「窒素含有グラフェンナノシート」とは、グラフェンナノシートに意図的に窒素が導入されたものであって、窒素含有量が0.5wt%以上であるものをいう。
本発明において、「窒素が導入されている」とは、
(1)グラフェンナノシートを構成する炭素の一部が窒素で置換されていること、
(2)グラフェンナノシートのエッジ(末端6員環と共有している辺上の原子を含む)及び/又は基底面に窒素含有官能基が結合していること、又は、
(3)グラフェンナノシートの表面又はシート間に窒素含有化合物が吸着していること、
をいう。
グラフェンナノシートに導入された窒素は、置換、結合又は吸着のいずれか1種の形態で存在していても良く、あるいは、2種以上の形態で存在していても良い。また、窒素含有グラフェンナノシートは、これらのいずれか1種の窒素含有官能基又は窒素含有化合物が置換、結合又は吸着しているものでも良く、あるいは、2種以上が置換、結合又は吸着してるものでも良い。
窒素含有官能基及び窒素含有化合物については、後述する。
[1.1.2. 末端6員環]
本発明において「末端6員環」とは、シート部のアームチェア型端面部と1辺のみを共有して結合している炭素6員環をいう。
図1(a)に、アームチェア型端面部に結合している末端6員環を示す。図1(a)中、シート部は実線で表され、末端6員環は破線で表されている。高い発光特性を得るためには、1個のシート部に含まれる末端6員環の数は、多いほど良い。
[1.1.3. 窒素含有官能基]
本発明に係る窒素含有グラフェン構造体は、
(a)末端6員環を構成する炭素原子の内、アームチェア型端面部と結合していない炭素原子、及び、
(b)シート部を構成する炭素原子(末端6員環と共有している辺上の炭素原子を含む)
から選ばれるいずれか1以上の炭素原子に結合している窒素含有官能基を備えている。
本発明において「窒素含有官能基」とは、窒素を構成元素として含む官能基をいう。窒素含有官能基としては、例えば、アミノ基、イミノ基、N−オキシド基、N−ヒドロキシ基、ヒドラジン基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基などがある。
末端6員環又はシート部は、これらのいずれか1種の窒素含有官能基が結合しているものでも良く、あるいは、2種以上が結合しているものでも良い。また、末端6員環に窒素含有官能基が結合している場合、末端6員環の一部に窒素含有官能基が結合していても良く、あるいは、すべての末端6員環に窒素含有官能基が結合していても良い。
[1.2. 窒素含有量]
窒素含有グラフェン構造体に含まれる窒素含有量は、発光効率及び発光波長に影響を与える。一般に、窒素含有量が多くなるほど、発光波長の変化量が大きくなる。このような効果を得るためには、窒素含有量は、0.5wt%以上である必要がある。窒素含有量は、さらに好ましくは1wt%以上、さらに好ましくは2wt%以上、さらに好ましくは5wt%以上である。
一方、窒素含有量が多くなりすぎると、電子状態が大幅に変化し、PL特性が得られない。従って、窒素含有量は、50wt%以下が好ましい。窒素含有量は、さらに好ましくは40wt%以下、さらに好ましくは30wt%以下、さらに好ましくは20wt%以下、さらに好ましくは10wt%以下である。
[1.3. 平均質量]
窒素含有グラフェン構造体の平均質量は、発光効率及び発光波長に影響を与える。
ここで、「平均質量」とは、質量スペクトルを測定することにより得られる単位電荷当たりの窒素含有グラフェン構造体の質量の平均値をいう。平均質量と窒素含有グラフェン構造体のサイズには相関があり、平均質量が小さくなるほど、窒素含有グラフェン構造体のサイズが小さくなることを表す。
一般に、窒素含有グラフェン構造体のサイズが小さくなるほど、量子サイズ効果により、発光波長は短くなる。可視光領域で発光させるためには、窒素含有グラフェン構造体の平均質量は、500m/z以上が好ましい。平均質量は、さらに好ましくは、1000m/z以上である。
一方、窒素含有グラフェン構造体のサイズが大きくなりすぎると、可視光領域で発光しなかったり、あるいは、発光中心からの蛍光がシートに再吸収される、いわゆる「消光」が起こるため、発光効率が低下する。従って、窒素含有グラフェン構造体の平均質量は、50000m/z以下が好ましい。平均質量は、さらに好ましくは10000m/z以下、さらに好ましくは5000m/z以下、さらに好ましくは3000m/z以下である。
[1.4. 平均厚さ]
窒素含有グラフェン構造体の厚さ(すなわち、シート部の積層数)は、発光効率及び発光波長に影響を与える。
シート部が単層であっても、蛍光体として機能する。単層のグラフェンナノシートの厚さは、約0.3nmである。すなわち、窒素含有グラフェン構造体の平均厚さは、0.3nm以上であれば良い。
窒素含有グラフェン構造体の厚さが厚くなるほど、発光波長が長くなる。これは、sp2クラスターのシート積層方向のサイズが大きくなることにより、π−π*エネルギーギャップが小さくなるためと考えられる。
しかしながら、窒素含有グラフェン構造体の厚さが厚くなりすぎると、電子構造がバルクに近づくため、効率的な発光が得られない。従って、窒素含有グラフェン構造体の平均厚さは、50nm以下が好ましい。平均厚さは、さらに好ましくは、10nm以下、さらに好ましくは、5nm以下である。
ここで、「窒素含有グラフェン構造体の平均厚さ」とは、無作為に選んだn個(n≧5)の窒素含有グラフェン構造体の厚さの平均値をいう。
厚さの測定方法としては、
(1)原子間力顕微鏡(AFM)を用いてシートの厚さを直接測定する方法、
(2)透過電子顕微鏡(TEM)写真で観察されるシートの層数から理想的な1層分の厚み(0.34nm)を考慮して厚さを求める方法、
などがある。いずれの方法を用いても、ほぼ同等の結果が得られる。
[1.5. 発光効率]
本発明に係る窒素含有グラフェン構造体は、1%以上の発光効率を示す。平均厚さ(シート部の層数)、平均サイズ、窒素含有量などを最適化すると、発光効率は、さらに増大する。具体的には、これらを最適化することによって、カーボン蛍光体の発光効率は、7%以上、10%以上、15%以上、あるいは、20%以上となる。
ここで、「発光効率」とは、吸収された光子数に対する蛍光として発光される光子数の割合をいう。
[1.6. 酸素含有官能基]
「酸素含有官能基」とは、酸素を構成元素として含む官能基をいう。酸素含有官能基は、酸素原子を含んでいるため、電子吸引性が高い。酸素含有官能基としては、例えば、=O(キノン基)などがある。
シート部又は末端6員環を構成する炭素原子に酸素含有官能基の酸素原子が直接結合していると、発光効率が低下することが知られている。この点は、本願の窒素含有グラフェン構造体も同様である。高い発光効率を得るためには、酸素含有官能基の量は、少ないほど良く、酸素含有官能基を含まないのが好ましい。
ここで、「酸素含有官能基を含まない」とは、XPS(X線光電子分光法)C 1sスペクトルをピーク分離したときに、全ピーク面積に対するC−Oに相当するピーク面積の比率が1%以下であることをいう。
[2. 窒素含有グラフェン構造体の製造方法]
本発明に係る窒素含有グラフェン構造体の製造方法は、
窒素含有化合物を溶解させた水溶液に酸化グラファイト又はグラフェン酸化物を分散させる分散工程と、
前記水溶液を60℃以上で加熱する加熱工程と
を備えている。
[2.1. 分散工程]
[2.1.1. 窒素含有化合物]
「窒素含有化合物」とは、窒素を構成元素として含む化合物であって、水に溶解又は分散可能なものをいう。
窒素含有化合物としては、例えば、
(1)尿素、アンモニア、チオ尿素、ヒドラジン、硝酸エステル、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン、ピリジンN−オキシド、N−ヒドロキシルアルキレンイミン、アジ化ナトリウム、ナトリウムアミド、カルボン酸アジド、
(2)メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミンなどのアルキルアミンやそのハロゲン酸塩、
(3)エチレンジアミン、プロパンジアミンなどのジアミン類、
などがある。
出発原料には、いずれか1種の窒素含有化合物を用いても良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
窒素含有化合物は、水に溶解又は分散させた水溶液の状態で使用される。水溶液に含まれる窒素含有化合物の濃度は、特に限定されるものではなく、出発原料の種類や要求される特性などに応じて最適な濃度を選択すれば良い。窒素含有化合物の濃度は、通常、0.1〜10mol/Lである。
[2.1.2. 酸化グラファイト及びグラフェン酸化物]
「酸化グラファイト」とは、グラファイトを構成するグラフェン層のエッジ及び/又は基底面上に酸素含有官能基(例えば、−COOH基、−OH基、−C−O−C−基など)が結合しているものをいう。酸化グラファイトは、例えば、強酸(濃硫酸)中で酸化剤(過マンガン酸カリウム、硝酸カリウムなど)を用いてグラファイトを酸化させることにより得られる。
「グラフェン酸化物」とは、酸化グラファイトの層間を剥離させることにより得られるシート状物質をいう。グラフェン酸化物は、例えば、酸化グラファイトを水溶液中に分散させ、超音波を照射することにより得られる。
本発明において、出発原料には、層間剥離を行う前の酸化グラファイト又は層間剥離させたグラフェン酸化物のいずれか一方を用いても良く、あるいは、双方を用いても良い。
酸化グラファイト及び/又はグラフェン酸化物は、窒素含有化合物を含む水溶液に添加される。水溶液に含まれる酸化グラファイト及び/又はグラフェン酸化物の量は、特に限定されるものではなく、出発原料の種類や要求される特性などに応じて最適な量を選択すれば良い。酸化グラファイト及び/又はグラフェン酸化物の量は、通常、0.1〜50g/Lである。
[2.2. 加熱工程]
窒素含有化合物を分散させた水溶液に酸化グラファイト及び/又はグラフェン酸化物を分散させた後、水溶液を加熱する。加熱は、反応速度を速くするために行う。加熱温度が水溶液の沸点を超える場合、加熱は、密閉容器内で行う。
加熱温度が低すぎると、現実的な時間内に反応が十分進行しない。従って、加熱温度は、60℃以上である必要がある。加熱温度は、さらに好ましくは、70℃以上、さらに好ましくは、80℃以上である。
一方、加熱温度が高くなりすぎると、置換や結合した窒素が脱離するおそれがある。また、高価な耐圧容器が必要となり、製造コストが増大する。従って、加熱温度は、260℃以下が好ましい。加熱温度は、さらに好ましくは、240℃以下、さらに好ましくは、220℃以下である。
加熱時間は、加熱温度に応じて、最適な時間を選択する。一般に、加熱温度が高くなるほど、短時間で反応を進行させることができる。加熱時間は、通常、1〜20時間である。
加熱条件を最適化すると、窒素含有グラフェン構造体の窒素含有量、平均厚さ、及び、平均サイズを制御できる。一般に、加熱温度が高くなるほど、及び/又は、加熱時間が長くなるほど、窒素含有量が減少し、平均厚さが薄くなり、あるいは、平均サイズが小さくなる。
得られた窒素含有グラフェン構造体は、そのまま各種の用途に用いても良く、あるいは、必要に応じて、洗浄、ろ過及び/又は透析を行っても良い。
[3. 蛍光体分散液]
本発明に係る蛍光体分散液は、本発明に係る窒素含有グラフェン構造体を溶媒に分散させたものからなる。
溶媒は、特に限定されるものではなく、窒素含有グラフェン構造体を均一に分散できるものであれば良い。溶媒には、水、有機溶剤、これらの混合物などを用いることができる。
例えば、窒素含有グラフェン構造体は、通常、親水性である。この場合、溶媒には、水及び極性有機溶剤から選ばれるいずれか1種以上を含むもの好ましい。
一方、窒素含有量が多くなるほど、窒素含有グラフェン構造体の疎水性が大きくなる。このような場合には、溶媒として1種又は2種以上の非極性有機溶剤を含むものを用いても良い。
蛍光体分散液の濃度は、特に限定されるものではなく、用途に応じて、最適な濃度を選択すれば良い。
[4. 窒素含有グラフェン構造体及びその製造方法、並びに、蛍光体分散液の作用]
非特許文献1には、酸素含有官能基が導入されたグラフェンナノシート(GSs)を水熱処理すると、青色のルミネセンスを放出するグラフェン量子ドット(GQDs)が得られる点が記載されている。しかしながら、同文献に記載された方法では、430nmに蛍光波長ピークを持つGQDsしか得られない。これは、発光波長を決定するsp2クラスターのサイズを制御できないためである。また、このGQDsは、発光効率が低い。これは、発光中心サイトが少ないためである。
一方、非特許文献2には、グラフェン酸化物の薄膜をヒドラジン蒸気で処理すると、発光強度が増大する点が記載されている。
しかしながら、同文献に記載された方法では、近紫外光である390nmに蛍光波長ピークを持つGSs薄膜しか得られない。これは、発光波長を決定するsp2クラスターのサイズを制御できないためである。また、ヒドラジン蒸気で処理すると、グラフェン酸化物表面のカルボニル基とヒドラジンの反応により窒素がわずかに結合することが知られているが、蛍光波長に影響を与えるほどの結合量または結合状態にはならない。
これに対し、酸化グラファイト及び/又はグラフェン酸化物を水に分散させ、所定の温度で加熱すると、酸化グラファイトの層間剥離、及び剥離したシート状のグラフェン酸化物のナノサイズ化が起こる。これと同時に、酸化グラファイト又はグラフェン酸化物に結合している酸素含有官能基(例えば、エポキシド基)の還元反応が起こり、発光中心となるsp2クラスターの濃度が増加する。
この時、水溶液中に窒素含有化合物を添加すると、酸化グラファイト又はグラフェン酸化物に結合している酸素含有官能基の還元と同時に、末端6員環が生成する。また、これに加えて、末端6員環への窒素含有官能基の結合、並びに、シート部への窒素の置換、結合及び吸着のいずれか1以上が起こる。その結果、窒素含有化合物を添加しない場合に比べて、高い発光効率が得られる。また、窒素含有量、シート部の厚さ、シート部の積層数等を制御することにより、発光波長を比較的容易に制御できる。
窒素の導入によって発光効率が増大するのは、
(1)末端6員環への窒素含有官能基の導入によって、非輻射再結合が抑制されるため、
(2)粒径分布が小さく、かつ、電子吸引性の高い酸素含有官能基(例えば、キノン基)を構造中に有していないため、
(3)sp3マトリックス中の炭素が窒素で置換されることによって、置換領域がsp2クラスターに類似する発光中心となり、発光中心の濃度が増加するため、又は、
(4)sp3マトリックス中の炭素に窒素含有官能基が結合することによって、結合領域がsp2クラスター領域に類似する発光中心となり、発光中心の濃度が増加するため、
と考えられる。
窒素の導入によって発光波長が変化するのは、
(1)末端6員環への窒素含有官能基の導入が起こり、
(2)sp2クラスター中の炭素が窒素で置換され、
(3)sp3マトリックス中の炭素に窒素含有官能基が結合し、又は、
(4)sp2クラスターの近傍に窒素含有化合物が吸着する
ことによって、電子が、カーボンの電子励起状態であるπ*励起状態から、よりエネルギーの低い窒素のn*励起状態へエネルギー移動するためと考えられる。
本発明に係る窒素含有グラフェン構造体は、発光効率が高く、発光波長が可変であるため、LED、ディスプレイ等への応用が可能である。また、有害元素を含まず、親水性が高いため、生体物質との親和性が高いため、生体内での特定の生体物質を検出するための生体物質蛍光標識剤への応用が可能である。
(実施例1)
[1. 蛍光体分散液の作製]
0.1gの酸化グラファイトを30%アンモニア水溶液:5mLに分散させた。得られた水溶液を密閉容器中、120℃×10時間で加熱した。加熱後、十分に洗浄を行い、窒素含有グラフェン構造体を分離した。得られた窒素含有グラフェン構造体を再度、水に分散させ、蛍光体分散液を得た。
[2. 試験方法]
[2.1. 質量分析]
飛行時間型質量分析計を用いて、窒素含有グラフェン構造体の質量分析を行った。質量スペクトルから、平均質量を測定した。
[2.2. 組成分析]
X線光電子分光計(Quantera SXM、ULVUC PHI(株)製)を用いて、酸素含有官能基の含有量及び窒素の含有量を測定した。
[2.3. 蛍光スペクトル]
分光蛍光光度計(FP−6500、日本分光(株)製)を用いて、蛍光体分散液の蛍光スペクトルを測定した。
[2.4. 発光効率]
分光蛍光光度計(FP−6500、日本分光(株)製)及び紫外可視近赤外分光光度計(UV−3600、島津製作所(株)製)を用いて、発光効率を測定した。発光効率が既知であるキニーネ硫酸塩(0.1モル硫酸水溶液中での発光効率が54%)色素を含む色素分子溶液と蛍光体分散液について、それぞれ、励起波長での吸光度と蛍光強度を測定した。両者の吸光度と蛍光強度の比較から、発光効率を算出した。
[3. 結果]
図2に、実施例1で得られた窒素含有グラフェン構造体の質量スペクトルを示す。図2より、平均質量1483m/zの窒素含有グラフェン構造体が生成していることがわかる。スペクトルは、質量+74m/zの繰り返しの規則的なパターンであり、グラフェン構造体のアームチェア型端面に辺を共有して炭素6員環が結合していることを示している。また、後述するように、図2と図5の比較から、実施例1で得られた窒素含有グラフェン構造体の末端6員環には、窒素含有官能基が結合していないことがわかる。
図3(a)及び図3(b)に、それぞれ、実施例1で得られた窒素含有グラフェン構造体中に含まれる酸素含有官能基(C 1sスペクトル)及び窒素含有官能基(N 1sスペクトル)の結合状態を示すXPSスペクトルを示す。なお、図3(a)には、後述する比較例1で得られたグラフェン構造体のXPSスペクトルも併せて示した。
図3(a)より、実施例1で得られた構造体は、発光効率の低下を示す酸素含有官能基由来の結合状態(C−O)に起因したピークが観測されていないことがわかる。C 1sスペクトルをピーク分離した時の全ピーク面積に対するC−Oのピーク面積の比率は、0.03%であった。また、図3(b)より、実施例1で得られた構造体は、N 1sスペクトルから、アミノ基に起因したピークが観測されていることがわかる。すなわち、図2及び図3より、実施例1で得られた窒素含有グラフェン構造体において、窒素含有官能基は、シート部を構成する炭素原子にのみ結合していると考えられる。
図4に、実施例1で得られた窒素含有グラフェン構造体の蛍光スペクトルを示す。実施例1の場合、スペクトルのピーク位置は447nmであり、半値幅は66nmであった。また、実施例1の発光効率は24%であり、非特許文献1に比べて非常に高い値であった(表1参照)。さらに、実施例1の窒素含有量は、1.4wt%であった(表1参照)。
(実施例2)
[1. 蛍光体分散液の作製]
加熱条件を80℃×10時間とした以外は、実施例1と同様にして、蛍光体分散液を得た。
[2. 試験方法]
[2.1. 質量分析、XPSスペクトル、蛍光スペクトル、発光効率及び窒素含有量]
実施例1と同一条件下で、質量分析、並びに、XPSスペクトル、蛍光スペクトル、発光効率及び窒素含有量の測定を行った。
[2.2. 赤外吸収スペクトル]
フーリエ変換赤外分光光度計を用いて、窒素含有グラフェン構造体の赤外吸収スペクトルを測定した。
[3. 結果]
図5に、実施例2で得られた窒素含有グラフェン構造体の質量スペクトルを示す。図5より、平均質量1512m/zの窒素含有グラフェン構造体が生成していることがわかる。スペクトルは、実施例1と比較して質量が+29m/z大きい質量1236.4m/zを起点として、質量+74m/zの繰り返しの規則的なパターンを示している。この+29m/zの質量は、末端6員環に窒素含有官能基が導入されたことに起因している。従って、実施例2で得られた窒素含有グラフェン構造体の末端6員環には窒素含有官能基が結合しているが、実施例1で得られた窒素含有グラフェン構造体の末端6員環には窒素含有官能基が結合していない。
図6(a)及び図6(b)に、それぞれ、実施例2で得られたグラフェン構造体中に含まれる酸素含有官能基(C 1sスペクトル)及び窒素含有官能基(N 1sスペクトル)の結合状態を示すXPSスペクトルを示す。なお、図6(a)には、後述する比較例1で得られたグラフェン構造体のXPSスペクトルも併せて示した。
図6(a)より、実施例2で得られた構造体は、発光効率の低下を示す酸素含有官能基由来の結合状態(C−O)に起因したピークが観測されていないことがわかる。C 1sスペクトルをピーク分離した時の全ピーク面積に対するC−Oのピーク面積の比率は、0.2%であった。また、図6(b)より、実施例2で得られた構造体は、N 1sスペクトルから、アミノ基に起因したピークが観測されていることがわかる。
図7に、実施例2で得られた窒素含有グラフェン構造体の蛍光スペクトルを示す。実施例2の場合、スペクトルのピーク位置は521nmであり、半値幅は87nmであった。また、実施例2の発光効率は19%であり、非特許文献1に比べて非常に高い値であった(表1参照)。さらに、実施例2の窒素含有量は、13.9wt%であった(表1参照)。
図8に、実施例2で得られた窒素含有グラフェン構造体中に含まれる官能基の振動状態を示す赤外吸収スペクトルを示す。なお、図8中、下向きの矢印は、いずれも−CONH2基由来のピークを示す。窒素含有官能基であるアミド基(−CONH2)に起因したピークが観測されていることがわかる。これは、末端6員環に結合した窒素含有官能基よりも質量が大きく、末端6員環以外のシート部にも窒素含有官能基が結合していることを示している。
(比較例1)
[1. 蛍光体分散液の作製]
アンモニア水溶液に代えて水を用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン構造体が水に分散している蛍光体分散液を得た。
[2. 試験方法]
実施例1と同一条件下で、質量分析、並びに、XPSスペクトル、蛍光スペクトル、発光効率及び窒素含有量の測定を行った。
[3. 結果]
比較例1の場合、スペクトルのピーク位置は450nmであり、半値幅は127nmであった。しかしながら、発光効率は1%未満であった。さらに、比較例1の窒素含有量は、検出限界以下であった。
表1に、実施例1〜2及び比較例1で得られた蛍光体分散液の蛍光波長、半値幅、発光効率及び窒素含有量を示す。
Figure 2013006732
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る窒素含有グラフェン構造体及び蛍光体分散液は、生化学反応を検出するためのプローブ、発光素子、LED、ディスプレイ、蛍光タグなどに用いることができる。

Claims (7)

  1. 単層又は多層のグラフェンナノシートからなり、シートの端部にアームチェア型端面部を含むシート部と、
    前記アームチェア型端面部と1辺のみを共有して結合している末端6員環と、
    前記末端6員環を構成する炭素原子の内、前記アームチェア型端面部と結合していない炭素原子、及び、前記シート部を構成する炭素原子から選ばれるいずれか1以上の炭素原子に結合している窒素含有官能基と
    を備えた窒素含有グラフェン構造体。
  2. 窒素含有量は、0.5wt%以上50wt%以下である請求項1に記載の窒素含有グラフェン構造体。
  3. 平均質量が500m/z以上50000m/z以下である請求項1又は2に記載の窒素含有グラフェン構造体。
  4. 発光効率が1%以上である請求項1から3までのいずれかに記載の窒素含有グラフェン構造体。
  5. 前記シート部又は前記末端6員環を構成する炭素原子に酸素原子が直接結合している酸素含有官能基を構造中に含まない請求項1から4までのいずれかに記載の窒素含有グラフェン構造体。
  6. 窒素含有化合物を溶解させた水溶液に酸化グラファイト及び/又はグラフェン酸化物を分散させ、前記水溶液を60℃以上で加熱する
    ことにより得られる請求項1から5までのいずれかに記載の窒素含有グラフェン構造体。
  7. 請求項1から6までのいずれかに記載の窒素含有グラフェン構造体を溶媒に分散させた蛍光体分散液。
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