JP2013006153A - ガイド装置及びそれを用いた塗工システム - Google Patents
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Abstract
【課題】上下両面に塗工された基材に対し、塗工部に接触することなく、より安定的に基材を走行させることができるガイド装置を提供する。
【解決手段】上下両面に塗工部54を有する長尺状の基材1を上面から押さえるガイド装置16であって、塗工部が形成されていない基材1の両耳部58,58の上面にそれぞれ配され、両耳部58,58を押さえる左右一対の押さえローラ72,76を有している。
【選択図】 図2
【解決手段】上下両面に塗工部54を有する長尺状の基材1を上面から押さえるガイド装置16であって、塗工部が形成されていない基材1の両耳部58,58の上面にそれぞれ配され、両耳部58,58を押さえる左右一対の押さえローラ72,76を有している。
【選択図】 図2
Description
本発明は、長尺状の基材を上面から押さえるガイド装置に関するものである。
従来、長尺状の基材の上面に第1のダイによって塗工液を塗工した後、この基材の下面に第2のダイによって塗工液を塗工し、このように上下両面が塗工された基材を熱処理装置に搬入して塗工液を乾燥させる塗工システムがある。
この場合に、上下両面が塗工された基材を熱処理装置に搬入する前に、この基材の走行を安定させるために、第2のダイの後に、基材の下面に対し常温の空気を安定用ノズルから吹き付けて、その基材の走行を安定させる塗工システムが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、上記のような塗工システムにおいて、熱処理装置の内部で基材に対し熱風を吹き付けて、基材を略正弦波の状態でフローティングしながら走行させた場合には、この基材の振動が第2のダイまで伝わり、上記安定用ノズルから吹き付られた空気だけでは基材の走行を安定させることができないという問題点があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、上下両面に塗工された基材に対し、塗工部に接触することなく、より安定的に基材を走行させることができるガイド装置を提供することを目的とする。
本発明は、上面及び下面に塗工部を有する長尺状の基材を上面から押さえるガイド装置であって、前記塗工部が形成されていない前記基材の両耳部の上方にそれぞれ配され、前記両耳部を押さえる左右一対の押さえローラを有し、前記左右一対の押さえローラは、一つの軸棒にそれぞれ回動自在に取り付けられ、前記押さえローラの周方向が、前記基材の走行方向と平行である、ことを特徴とするガイド装置である。
本発明によれば、塗工部が形成されていない基材の両耳部において左右一対の押さえローラが基材を押さえて走行させるため、基材を安定良く走行させることができる。
以下、本発明の一実施形態の塗工システム10について、図1〜図4に基づいて説明する。
本実施形態の塗工システム10は、フィルム、布帛、金属箔、メッシュ状の金属箔、金属製網等の長尺状の基材1の上下両面に塗工液をストライプ塗工して2つの塗工部を形成する。すなわち、図2に示すように、基材1の上下両面において、走行方向に沿って2つの塗工部54,54が形成され、両耳部58,58及び中央部分は未塗工部56である。
(1)塗工システム10の構成
本実施形態の塗工システム10の構成について図1に基づいて説明する。
本実施形態の塗工システム10の構成について図1に基づいて説明する。
図1に示すように、塗工システム10は、基材1の走行路に沿って第1の塗工装置12、第2の塗工装置14、ガイド装置16、及び、熱処理装置18を有している。
以下、各装置を順番に説明する。
(2)第1の塗工装置12
図1に示すように、第1の塗工装置12は、基材1を搬送するためのバックアップロール20の側方にダイ22が配され、バックアップロール20によって搬送される基材1の上面に、塗工液をストライプ塗工する。この場合に、ダイ22内部には、液溜め部24が設けられ、この液溜め部24から吐出口26に向かって吐出通路28が設けられている。そして、ストライプ塗工を行うために液溜め部24、吐出通路28を左右方向に仕切るための仕切り壁が設けられ、この仕切り壁によって、基材1に対しストライプ塗工が可能となっている。
図1に示すように、第1の塗工装置12は、基材1を搬送するためのバックアップロール20の側方にダイ22が配され、バックアップロール20によって搬送される基材1の上面に、塗工液をストライプ塗工する。この場合に、ダイ22内部には、液溜め部24が設けられ、この液溜め部24から吐出口26に向かって吐出通路28が設けられている。そして、ストライプ塗工を行うために液溜め部24、吐出通路28を左右方向に仕切るための仕切り壁が設けられ、この仕切り壁によって、基材1に対しストライプ塗工が可能となっている。
この第1の塗工装置12によって、上面がトライプ塗工された基材1は、案内ロール30を経て第2の塗工装置14に搬送される。
(3)第2の塗工装置14
図1に示すように、第2の塗工装置14は、毛細管現象によって塗工液を基材1の下面に塗工する。例えば、特開2001−321709号、特開2001−70854号公報に記載されているように、第2の塗工装置14は、上端部が塗工液の吐出口32となった毛管状隙間34を備えた左右方向に延びる塗工ノズル36を有し、この塗工ノズル36の毛管状隙間34へ塗工液を供給する不図示のタンクが設けられている。塗工する場合には、タンクを上下動させてタンク中の塗工液の液高さを調整し、毛管状隙間34の液高さを決定し、そして、吐出口32から走行する基材1の下面へ塗工液を塗工する。塗工ノズル36の毛管状隙間34には、ストライプ塗工用の仕切り壁が設けられ、また、塗工ノズル36は、塗工時のみ基材1の下面に接近するように上下動自在となっている。
図1に示すように、第2の塗工装置14は、毛細管現象によって塗工液を基材1の下面に塗工する。例えば、特開2001−321709号、特開2001−70854号公報に記載されているように、第2の塗工装置14は、上端部が塗工液の吐出口32となった毛管状隙間34を備えた左右方向に延びる塗工ノズル36を有し、この塗工ノズル36の毛管状隙間34へ塗工液を供給する不図示のタンクが設けられている。塗工する場合には、タンクを上下動させてタンク中の塗工液の液高さを調整し、毛管状隙間34の液高さを決定し、そして、吐出口32から走行する基材1の下面へ塗工液を塗工する。塗工ノズル36の毛管状隙間34には、ストライプ塗工用の仕切り壁が設けられ、また、塗工ノズル36は、塗工時のみ基材1の下面に接近するように上下動自在となっている。
(4)熱処理装置18
図1に示すように、熱処理装置18は、断熱性を有する熱処理室38を有し、この熱処理室38には、基材1の搬入口48が設けられている。熱処理室38の内部には、基材1の走行路に沿って上ノズル40と下ノズル42とが千鳥状に配され、上ノズル40と下ノズル42の間を基材1が一定の張力で走行する。この上ノズル40は、上ダクト44から熱風が供給され、下ノズル42は、下ダクト46から熱風が供給される。
図1に示すように、熱処理装置18は、断熱性を有する熱処理室38を有し、この熱処理室38には、基材1の搬入口48が設けられている。熱処理室38の内部には、基材1の走行路に沿って上ノズル40と下ノズル42とが千鳥状に配され、上ノズル40と下ノズル42の間を基材1が一定の張力で走行する。この上ノズル40は、上ダクト44から熱風が供給され、下ノズル42は、下ダクト46から熱風が供給される。
そして、上ノズル40と下ノズル42から熱風が吹き付けられると、熱処理室38の搬入口48から搬入された基材1は、略正弦波の状態でフローティングしながら走行する。
(5)ガイド装置16
ガイド装置16の構成について図1〜図4に基づいて説明する。
ガイド装置16の構成について図1〜図4に基づいて説明する。
ガイド装置16は、第2の塗工装置14の塗工ノズル36よりも前方に配された前方ガイド装置50と、塗工ノズル36よりも後方に配された後方ガイド装置52とより構成されている。
まず、後方ガイド装置52について説明する。
図2に示すように、この後方ガイド装置52が配されている位置においては、基材1の上下両面に塗工部54がストライプ状に形成され、この左右の塗工部54,54の間に未塗工部56が形成されている。また、この左右の塗工部54,54の両側、すなわち基材1の両耳部58には、塗工液が塗工されておらず未塗工部となっている。
基材1の上方には、軸棒60が基材1の走行方向と直交する方向、すなわち、基材1の左右方向に沿って配され、軸棒60の両端部には、この軸棒60を回転させないで固定した状態で水平に支持する左右一対の支持部62が設けられている。この左右一対の支持部62の中央部には、垂直方向(縦方向)に雌ネジ孔64が刻設されている。雄ネジ棒66が雌ネジ孔64と螺合し、この雄ネジ棒66は、回転自在に、かつ、垂直方向(縦方向)にコの字状の固定部68に配されている。雄ネジ棒66の上端部には、この雄ネジ棒66を回転させるためのハンドル70が設けられている。
固定部68に回転自在に固定された雄ネジ棒66をハンドル70によって回転させることによって、この雄ネジ棒66に螺合した雌ネジ孔64を有する支持部62が、上下動し、それに伴って軸棒60も基材1の上方で上下動する。
軸棒60には、3個の押さえローラ72,74,76が設けられている。押さえローラ72が設けられている位置は、基材1の左側の耳部58の上方であり、押さえローラ74が設けられている位置は、基材1の中央部にある未塗工部56の上方であり、押さえローラ76が設けられている位置は、基材1の右側の耳部58の上方である。
押さえローラ72は、図4に示すように、軸棒60に固定されている筒部78と、この筒部78に対してベアリング80を介して取り付けられたローラ部82とを有している。筒部78は、軸棒60が挿入され、ボルト84によって固定される。軸棒60は回転しないため、この筒部78も回転しない。一方、ローラ部82はベアリング80を介して取り付けられているため、基材1の耳部58に接触している場合は、基材1の移動と共に回転する。そして、このローラ部82の周方向は、基材1の走行方向と平行となっている。これによって、押さえローラ72が基材1と共に回転しても、基材1に対し左方向又は右方向に対して力を与えることなくスムーズに基材1を走行させることができる。押さえローラ74及び押さえローラ76も同様の構成となっている。
なお、押さえローラ72,74,76は、ボルト84を緩めると軸棒60に沿って移動自在となるため、基材1の両耳部58,58の位置及び未塗工部56の位置が変更されても、それに対応して配置できる。
次に、前方ガイド装置50について説明する。
前方ガイド装置50は、上記で説明した後方ガイド装置52と同様の構成を有すると共に、押さえローラ72,74,76に対応する基材1の下方に支持ロール86を有し、基材1を下面から支持している。この前方ガイド装置50は、塗工ノズル36によって塗工液が塗工される前であるため、支持ローラ86によって支持可能となる。
また、前方ガイド装置50は、支持ローラ86と塗工ノズル36との間に、走行路に沿ってガイド板88を有している。このガイド板88は、塗工されていない基材1の下面を塗工ノズル36の方向にガイドするための板である。
(6)ガイド装置16の動作状態
ガイド装置16の動作状態について説明する。
ガイド装置16の動作状態について説明する。
塗工システム10によって塗工を開始する前に、前方ガイド装置50と後方ガイド装置52の左右一対のハンドル70,70をそれぞれ回転させて、押さえローラ72,74,76が、基材1の上面に接触するように軸棒60を下方に移動させる。
塗工が開始されると、基材1が走行を開始し、基材1の走行と共に押さえローラ72,74,76が他動で回転し、基材1の振動を抑える。この場合に、塗工ノズル36の前方と後方にそれぞれ押さえローラ72,74,76が配置され、かつ、前方の押さえローラ72,74,76の下方には支持ローラ86が配されているため、塗工ノズル36を通過するときの基材1は全く上下に振動することなく、塗工ノズル36によって均一に塗工液を下面に塗工できる。また、ガイド板88も前方に有しているため、より安定して基材1が走行できる。
塗工が終了すると、前方ガイド装置50と後方ガイド装置52の左右一対のハンドル70,70をそれぞれ回転させて、押さえローラ72,74,76を上方に移動させる。
(7)効果
ガイド装置16の効果について説明する。
ガイド装置16の効果について説明する。
走行する基材1は、塗工ノズル36の前方と後方でそれぞれ押さえローラ72,74,76で押さえられ、前方においては支持ローラ86及びガイド板88によっても支持されている。熱処理装置18において、基材1が上下方向に振動して、後方ガイド装置52付近までその振動が伝わっても、押さえローラ72,74,76によって基材1の上面が押さえられているため、その振動が塗工ノズル36によって塗工されている基材1まで伝わることがない。そのため、塗工ノズル36によって塗工液が塗工される場合に、その塗工厚さを均一に塗工できる。
また、押さえローラ72,74,76は、基材1の未塗工部分である両耳部58及び未塗工部56を押さえているため、第1の塗工装置12によって塗工された塗工部分に接触することなく、このストライプ塗工の状態を乱すことはない。
さらに、押さえローラ72,74,76は、その周方向と基材1の走行方向とが平行であるため、基材1を蛇行させたり拡幅させたりすることがなく、安定して走行させることができる。
(8)変更例
上記実施形態では、基材1に対しストライプ塗工を行ったが、基材1の上面全てに塗工部が形成されている場合でも、両耳部58,58には塗工液が塗工されない。そのため、押さえローラは、この塗工されていない両耳部58,58にのみ配するだけでも、基材1の振動を押さえることができる。
上記実施形態では、基材1に対しストライプ塗工を行ったが、基材1の上面全てに塗工部が形成されている場合でも、両耳部58,58には塗工液が塗工されない。そのため、押さえローラは、この塗工されていない両耳部58,58にのみ配するだけでも、基材1の振動を押さえることができる。
また、上記実施形態では、未塗工部56は1箇所であったが、これに限らず複数箇所であってもよい。この場合には、全ての未塗工部に対し押さえローラを設けたもよいし、その中の1個だけに押さえローラを設けても、基材1の上下方向の振動を防止できる。
また、上記実施形態では、第1の塗工装置12としては、ダイ22を用い、第1の塗工装置14としては、毛管現象を利用した塗工ノズル36を用いたが、これに限らず、他の塗工装置を用いてもよい。
また、上記実施形態では、ガイド装置16として、基材1をより安定して走行させるために、前方ガイド装置50と後方ガイド装置52を設けたが、少なくとも後方ガイド装置52だけを設ければ、基材1を安定して走行させることができる。
上記実施形態では、軸棒60の両端にある支持部62を雄ネジ棒66で上下動させたが、これに限らず、他の上下動装置を用いてもよい。例えば、モータによって上下動させてもよい。
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10・・・塗工システム、12・・・第1の塗工装置、14・・・第2の塗工装置、16・・・ガイド装置、18・・・熱処理装置、50・・・前方ガイド装置、52・・・後方ガイド装置、54・・・塗工部、56・・・未塗工部、58・・・耳部、60・・・軸棒、62・・・支持部、64・・・雌ネジ孔、66・・・雄ネジ棒、68・・・固定部、70・・・ハンドル、72・・・押さえローラ、74・・・押さえローラ、76・・・押さえローラ
Claims (4)
- 上面及び下面に塗工部を有する長尺状の基材を上面から押さえるガイド装置であって、
前記塗工部が形成されていない前記基材の両耳部の上方にそれぞれ配され、前記両耳部を押さえる左右一対の押さえローラを有し、
前記左右一対の押さえローラは、一つの軸棒にそれぞれ回動自在に取り付けられ、前記押さえローラの周方向が、前記基材の走行方向と平行である、
ことを特徴とするガイド装置。 - 前記基材の上面の塗工が、前記塗工部が一又は複数の未塗工部を隔てて形成されたストライプ塗工であって、
前記軸棒には、前記未塗工部の上面を押さえる押さえローラがさらに設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。 - 前記各押さえローラは、前記軸棒に対し固定された筒部と、前記筒部に対しベアリングを介して回転自在に取り付けられたロール部とをそれぞれ有し、
前記軸棒の両端部には左右一対の支持部が設けられ、
前記左右一対の支持部には縦方向に雌ネジ孔が設けられ、
前記各雌ネジ孔と螺合する左右一対の雄ネジ棒が設けられ、
前記左右一対の雄ネジ棒を回動自在に、かつ、縦方向に支持する固定部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガイド装置。 - 長尺状の基材の走行路において、
前記基材の下面に第1の塗工液を塗工する第1の塗工装置が設けられ、
前記第1の塗工装置の次に、前記基材の上面に第2の塗工液を塗工する第2の塗工装置が設けられ、
前記第2の塗工装置の次に、請求項1に記載されたガイド装置が設けられ、
前記ガイド装置の次に、前記基材に熱風を当てて熱処理を行う熱処理装置が設けられた、
ことを特徴とする塗工システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011140853A JP2013006153A (ja) | 2011-06-24 | 2011-06-24 | ガイド装置及びそれを用いた塗工システム |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003100286A (ja) * | 2001-09-19 | 2003-04-04 | Toyota Motor Corp | 帯状電極の製造方法と製造装置 |
JP2007029789A (ja) * | 2005-07-22 | 2007-02-08 | Toray Eng Co Ltd | 両面塗工基材の搬送装置 |
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2011
- 2011-06-24 JP JP2011140853A patent/JP2013006153A/ja active Pending
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