JP2013004024A - 複製防止2次元コード - Google Patents
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Abstract
【課題】コピー機を利用した2次元コードの複製を確実に防止する。
【解決手段】本発明による複製防止2次元コード1は、サーマル紙10のサーマル層12の上に、ファインダパターン2を赤外線吸収インキで印刷し、それ以外のタイミングパターン4とデータセル5をサーマルプリンタでサーマル層12に感熱印字したものである。
【選択図】図2
【解決手段】本発明による複製防止2次元コード1は、サーマル紙10のサーマル層12の上に、ファインダパターン2を赤外線吸収インキで印刷し、それ以外のタイミングパターン4とデータセル5をサーマルプリンタでサーマル層12に感熱印字したものである。
【選択図】図2
Description
本発明は、コピー機による複製を防止することが可能な2次元コードに関する。
光学読み取りが可能な2次元コードとして、例えばQRコード(登録商標、以下同じ。)が広く知られている。通常このQRコードのシンボルは、紙やラベル等からなる基材の上に、トナー印字、サーマル印字、墨インキや色インキによる印刷等の方法を用いて形成されている(例えば、下記の特許文献1を参照。)。また、QRコードのデータを読み取る方法としては、一般的にはCCDカメラで画像を撮影し、コントラスト値(背景セルと色セルとの差異)を取得して読み取る方法がある。
ところが、上記QRコードが付された帳票をコピー機で複写すると、複写後の帳票のQRコードは、上記方法によりそのデータが読み取れてしまう。このため、コピー機を利用すれば、正規のQRコードが付された帳票と同じものを簡単に複製することができるという問題があった。
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、コピー機を利用した2次元コードの複製を防止することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係る複製防止2次元コードは、基材の上に、2次元コードのシンボルのうち、少なくとも固定パターンのいずれかが赤外線吸収インキで印刷され、それ以外の部分がプリンタで印字されていることを特徴とする。
基材は、使用するプリンタに合わせて、例えば上質紙、再生紙、サーマル紙、熱転写用コート紙、ラベルなどの紙類や、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの樹脂フィルムを使用することができる。プリンタについては、例えばインクジェットプリンタ、レーザープリンタ、サーマルプリンタ、熱転写プリンタ等、各種印字方式のプリンタを使用することができる。具体的には、基材がサーマル紙で構成され、赤外線吸収インキで印刷された固定パターン以外の部分がサーマルプリンタで感熱印字されている構成を採用することができる。
また、赤外線吸収インキは、照射された赤外線を吸収する特性を備えたインキであり、コードリーダーで認識可能なものである。使用可能な赤外線吸収インキとしては、IRインキ(赤外線乾燥型インキ)のほか、炭素系の黒色顔料を含有したインキや、補助剤として赤外線吸収剤を添加したインキなどが挙げられる。なお、インキに含有する顔料や色などは特に限定されない。
ここで、上記構成における「少なくとも固定パターンのいずれか」とは、2次元コードのシンボルの中で、コード毎に異なる可変データを除いた部分であって、各コードに共通して設けられる複数の固定パターンのうちの1つであっても複数であっても良いことを意味する。例を挙げると、QRコードであればシンボルを構成する3種類の固定パターン(ファインダパターン、タイミングパターン、アライメントパターン)のうち、いずれか1つのパターンか任意に選択した複数のパターンが赤外線吸収インキで印刷されていれば良い。
また「それ以外の部分」とは、2次元コードのシンボルの中で、赤外線吸収インキで印刷された固定パターンを除いた領域にあるすべてのセルを指す。先に挙げたQRコードの例でいえば、ファインダパターンが赤外線吸収インキで印刷されている場合には、それ以外のタイミングパターン、アライメントパターン、及びデータセルのそれぞれを構成するセルがプリンタで印刷される。
なお、本発明の適用対象となる2次元コードは、可変データとは別に固定パターンを備えたものであれば良い。例えば、QRコード(モデル1、モデル2、マイクロQRコード)、Data Matrix(データ・マトリクス)、Maxi Code(マキシコード)等に適用することができる。
本発明の複製防止2次元コードは、コピー機で複写しようとすると、プリンタで印字した部分は複写されるが、赤外線吸収インキで印刷した固定パターンの部分が正確に複写されない。このため、複写後の2次元コードでは固定パターンの形状を明確に認識できないので、コード化されたデータをコードリーダーで読み取ることができなくなる。よって、本発明の複製防止2次元コードによれば、これをコピー機で複写してもコードリーダーで読み取ることができないので、複製されたものであることを容易に判別でき、複写による偽造を確実に防止することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、願書に添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示す第1実施形態は、本発明をモデル1のQRコードに適用した例である。この複製防止2次元コード1は、基材の上にインキによる印刷とプリンタによる印字を併用してQRコードを形成し、その複製を防ぐようにしたものである。QRコードのデータサイズは、縦21セル×横21セルで構成されたバージョン1である。
プリンタについては、例えばインクジェットプリンタ、レーザープリンタ、サーマルプリンタ、熱転写プリンタ等の、各種印字方式のプリンタを使用することができる。基材は使用するプリンタで印字可能なものを選択すれば良く、例えば上質紙、再生紙、サーマル紙、熱転写用コート紙、ラベルなどの紙類や、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの樹脂フィルムを使用することができる。
本実施形態ではサーマルプリンタで印字できるように、基材にサーマル紙を使用している。図2に示すように、サーマル紙10は、紙材11の上にサーマル層12を積層一体化したものである。サーマル層12は、樹脂バインダ中に無色のロイコ染料(電子供与体)と酸性物質(電子受容体)を固体微粒子として分散させ、紙材11に均一に塗布して構成されている。サーマル層12をプリンタのサーマルヘッドで加熱すると、ロイコ染料と酸性物質の両成分が互いに反応して発色するようになっている。
本実施形態において、QRコードのシンボルのうち、固定パターンであるファインダパターン(切り出しシンボル)2のみが赤外吸収インキで印刷されている。ファインダパターン2は、QRコードの3つの角に配置された位置検出用のパターンである。このパターンは、横(X)、縦(Y)、斜め(Z)のいずれの方向を通過しても、黒セル2aと白セル2bの比率が「1:1:3:1:1」となるように「回」字形になっており、3個のファインダパターン2を読み取ることで、QRコードが傾いていても、その傾斜角度、位置、バージョンを高速で認識することができる。ファインダパターン2を構成するセルのうち、黒セル2aの部分はサーマル層12の上に赤外線吸収インキを塗布することによって形成されている。
印刷された赤外線吸収インキは、照射された赤外線を吸収する特性を有しており、QRコードリーダーでは認識できるが、コピー機による複写では忠実に再現しにくいものである。使用可能な赤外線吸収インキとしては、IRインキ(赤外線乾燥型インキ)、炭素系の黒色顔料を含有したインキ、あるいは赤外線吸収剤を補助剤として添加したインキ等が挙げられる。インキに含有する顔料や色については、背景セルとのコントラストを良好に維持できれば特に限定されない。なお、本実施形態では、IRインキ(淡色・赤外線吸収あり)を使用している。
ファインダパターン2以外の部分については、サーマル紙10にサーマルプリンタで感熱印字してある。すなわち、ファインダパターン2,2の間には、空白領域のセパレータ3を介して、タイミングパターン4が設けられている。タイミングパターン4は、黒セル4aと白セル4bを1個ずつ交互に配置した固定パターンであり、シンボル内の各セルの中心座標を決定するものである。タイミングパターン4を構成するセルのうち、黒セル4aは、プリンタのサーマルヘッドでサーマル層12を感熱発色させることによって印字されている。
ファインダパターン2、セパレータ3、及びタイミングパターン4に囲まれた領域内には、コード毎に異なるデータセル5が設けられている。データセル5は、数字、英文字、漢字、カナ文字等からなる各種データを2値化してコード変換したものであり、不規則に配置された黒セル5aと白セル5bとから構成されている。データセル5を構成するセルのうち、黒セル5aも同様に、プリンタのサーマルヘッドでサーマル層12を感熱発色させることによって印字されている。なお、QRコードを読み取りやすくするため、QRコードのシンボルの周囲には、4セル分の空白領域としてマージン6が設けられている。
本実施形態の複製防止2次元コード1は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
この複製防止2次元コード1を読み取る場合、QRコードのシンボルの中で、サーマル層12を感熱発色させた黒色の部分(タイミングパターン4の黒セル4a、データセル5の黒セル5a)は、QRコードリーダーから照射された赤外光を吸収するので明確に認識される。また、IRインキを塗布した淡色の部分(ファインダパターン2の黒セル2a)も赤外線吸収特性を有しているため、同じく赤外光を吸収して明確に認識される。したがって、QRコードのシンボル全体を認識することができるので、データセル5に印字されたデータを正確に読み取ることができる。
一方、この複製防止2次元コード1をコピー機で複写した場合、感熱発色による黒セル4aと黒セル5aは、共にトナーによって濃く複写される。これに対し、IRインキで印刷した黒セル2aは、トナーの濃度が薄く複写されてしまい、正確な形状を再現することができない。このため、複写後のQRコードでは、トナーに若干の赤外線吸収特性があったとしても、ファインダパターン2の形状を明確に認識できない。これにより、QRコードリーダーで読み取る際に、赤外領域ではQRコードの傾斜角度、位置、バージョンを認識できず、データセル5に印字されたデータを正確に読み取ることができなくなる。それだけでなく、可視領域においてもQRコードのコントラストが3段階(白セル、黒セル、IRインキの淡色)に分かれるため、閾値を引けず、シンボルを構成するセルの細かな形状を認識できない。
したがって、本実施形態の複製防止2次元コード1によれば、これをコピー機で複写してもコード化されたデータをQRコードリーダーで読み取ることができないので、複製されたものであることを容易に判別でき、コピー機を利用した偽造を確実に防止することができる。
また、本実施形態のようにファインダパターン2のみを赤外線吸収インキで予め印刷しておけば、その後サーマルプリンタによってデータセル5に印字するデータを可変させることができる。ここでQRコードの印字に際し、印字方向(コードのX、Y方向)が決まっている場合には、固定パターンの一部(例えばY方向のファインダパターン2を2個)を認識し、QRコードの位置、方向、バージョン、及びセルの大きさを判断して可変データを印字すれば良い。これに対し、印字方向が決まっていない場合には、固定パターンのすべて(タイミングマークとして機能するパターン、例えば3個のファインダパターン2のすべて)を認識し、QRコードの位置、方向、バージョン、及びセルの大きさを判断して可変データを印字すれば良い。
図3に示す第2実施形態は、本発明をモデル2のQRコードに適用した例である。この複製防止2次元コード1において、QRコードのデータサイズは、縦25セル×横25セルで構成されたバージョン2である。このバージョン2のQRコードは、バージョン1のQRコードに比べてデータセル5の領域が広いため、アライメントパターン7が設けられている。
アライメントパターン7は、中心の黒セル7aを白セル7bと黒セル7aで囲んだ形状の固定パターンであり、歪みによって生じるセルの位置ズレを補正するものである。本実施形態では、QRコードのシンボルを構成する固定パターンのうち、ファインダパターン2とアライメントパターン7がそれぞれ赤外線吸収インキで印刷されている。すなわち、ファインダパターン2の黒セル2aとアライメントパターン7の黒セル7aは、サーマル層12の上にIRインキを塗布することによって形成されており、タイミングパターン4の黒セル4aとデータセル5の黒セル5aは、サーマル層12を感熱発色させることによって印字されている。
本実施形態の複製防止2次元コード1によると、第1実施形態と同様の理由により、コピー機で複写するとファインダパターン2とアライメントパターン7の形状を明確に認識できなくなる。よって、複写後のQRコードのデータをQRコードリーダーで読み取ることができないので、複製されたものであることを容易に判別でき、コピー機を利用した偽造を確実に防止することができる。
また、本実施形態ではファインダパターン2だけでなく、アライメントパターン7も赤外線吸収インキで印刷されている。このため、アライメントパターン7に対し、QRコードリーダーで読み取る際の、歪みによるセルの位置ズレを補正する機能だけでなく、データセル5に可変データを印字する際の、セルの印字位置を正確に決定するタイミングマークとしての機能を兼用させることができる。
図4に示す第3実施形態は、本発明をマイクロQRコードに適用した例である。この複製防止2次元コード1において、QRコードのデータサイズは、縦11セル×横11セルで構成されたバージョン1である。このマイクロQRコードは、ファインダパターン2を1個だけ配置し、シンボルの周囲に2セル分のマージン6を設けたものであり、シンボル全体のサイズがモデル1、モデル2に比べて小さく構成されている。そして本実施形態では、ファインダパターン2とタイミングパターン4が赤外線吸収インキで印刷され、データセル5がサーマル層12の感熱発色により印字されている。
したがって、本実施形態の複製防止2次元コード1によれば、上述した実施形態と同様の理由により、コピー機による複製を確実に防止することができるとともに、タイミングパターン4に対しタイミングマークとしての機能を兼用させることもできる。
以上のとおり、上述の実施形態では本発明を3種類のQRコードに適用した例を挙げて説明したが、これらはあくまで例示列挙であって、QRコードのバージョンについても特に限定されない。また、QRコード以外の2次元コードであっても、可変データとは別に固定パターンを有するものであれば、本発明を同様に適用することができる。例えばData Matrix(データ・マトリクス)の場合には、固定パターンであるアライメントパターンかタイミングセルを赤外線吸収インキで印刷し、Maxi Code(マキシコード)の場合には、固定パターンであるファインダパターンを赤外線吸収インキで印刷すれば良い。
1…複製防止2次元コード
2…ファインダパターン
3…セパレータ
4…タイミングパターン
5…データセル
6…マージン
7…アライメントパターン
10…サーマル紙
11…紙材
12…サーマル層
2…ファインダパターン
3…セパレータ
4…タイミングパターン
5…データセル
6…マージン
7…アライメントパターン
10…サーマル紙
11…紙材
12…サーマル層
Claims (3)
- 基材の上に、2次元コードのシンボルのうち、少なくとも固定パターンのいずれかが赤外線吸収インキで印刷され、それ以外の部分がプリンタで印字されていることを特徴とする複製防止2次元コード。
- 基材がサーマル紙で構成され、赤外線吸収インキで印刷された固定パターン以外の部分がサーマルプリンタで感熱印字されていることを特徴とする請求項1に記載の複製防止2次元コード。
- 赤外線吸収インキで印刷された固定パターンがファインダパターン、タイミングパターン、あるいはアライメントパターンの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の複製防止2次元コード。
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