JP2013002832A - エンコーダ用スケールの製造方法、エンコーダの製造方法、エンコーダ及びモータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩留まりの低下を防ぐことが可能なエンコーダ用スケールの製造方法、エンコーダの製造方法、エンコーダ及びモータ装置を提供すること。
【解決手段】基板の一の基板面と基板の外周面との間に設けられるエッジ部を曲面にする面取り工程と、当該面取り工程の後、一の基板面に機能材料を含む液状体の薄膜を形成する薄膜形成工程と、一の基板面にパターンを形成するパターン形成工程とを含む。
【選択図】図3
【解決手段】基板の一の基板面と基板の外周面との間に設けられるエッジ部を曲面にする面取り工程と、当該面取り工程の後、一の基板面に機能材料を含む液状体の薄膜を形成する薄膜形成工程と、一の基板面にパターンを形成するパターン形成工程とを含む。
【選択図】図3
Description
本発明は、エンコーダ用スケールの製造方法、エンコーダの製造方法、エンコーダ及びモータ装置に関する。
モーターの回転軸などを含む回転体の回転数、回転角度、回転位置といった回転情報を検出する装置として、エンコーダが知られている。このようなエンコーダの一種として、例えば反射型の光学式エンコーダが知られている(例えば、特許文献1参照)。反射型の光学式エンコーダは、例えば表面に反射領域と非反射領域とが形成された回転基板を有し、当該反射領域で反射する光を受光素子で検出して位置決めをする構成である。
回転基板を製造する際には、例えば、鏡面状に形成された基板の表面に光吸収層がパターニングする。このように光吸収層をパターニングする場合、例えばスピンコート法によって回転基板上にレジスト液を塗布する手法が知られている。
しかしながら、例えば回転基板の上面にスピンコート法によってレジスト液を塗布する場合、回転基板の外周部でレジストが盛り上がった状態になる、いわゆるエッジビードが発生する場合がある。エッジビードが発生すると、回転基板上に光吸収層をパターニングする際に、パターニング精度が低下する場合があり、歩留まりに影響する可能性がある。
以上のような事情に鑑み、本発明は、歩留まりの低下を防ぐことが可能なエンコーダ用スケールの製造方法、エンコーダの製造方法、エンコーダ及びモータ装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様に従えば、基板の一の基板面と基板の外周面との間に設けられるエッジ部を曲面にする面取り工程と、当該面取り工程の後、一の基板面に機能材料を含む液状体の薄膜を形成する薄膜形成工程と、一の基板面にパターンを形成するパターン形成工程とを含むエンコーダ用スケールの製造方法が提供される。
本発明の第二の態様に従えば、本発明の第一の態様に従うエンコーダ用スケールの製造方法と、前記パターンを検出する検出部を検出基板に形成する検出部形成工程とを含むエンコーダの製造方法が提供される。
本発明の第三の態様に従えば、測定対象の回転子に固定される基板を有し、当該基板の一の基板面と外周面との間に設けられるエッジ部が曲面に形成され、基板にパターンが形成された回転部と、パターンを検出する検出部とを備えるエンコーダが提供される。
本発明の第四の態様に従えば、回転子と、当該回転子を回転させる駆動部と、当該回転子に固定され、当該回転子の位置情報を検出するエンコーダとを備え、当該エンコーダとして、本発明の第三の態様に従うエンコーダが用いられているモータ装置が提供される。
本発明の態様によれば、歩留まりの低下を防ぐことが可能なエンコーダ用スケールの製造方法、エンコーダの製造方法、エンコーダ及びモータ装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、モータ装置MTRの構成を示す断面図である。
図1に示すように、モータ装置MTRは、回転子である回転軸SFと、当該回転軸SFを回転させる駆動部であるモータ本体BDと、回転軸SFの位置情報を検出するエンコーダECとを備えている。エンコーダECは、回転部R及び検出部Dを有している。エンコーダECは、検出部Dを構成する筐体30内に回転部Rが収容された状態で用いられる。
図1は、モータ装置MTRの構成を示す断面図である。
図1に示すように、モータ装置MTRは、回転子である回転軸SFと、当該回転軸SFを回転させる駆動部であるモータ本体BDと、回転軸SFの位置情報を検出するエンコーダECとを備えている。エンコーダECは、回転部R及び検出部Dを有している。エンコーダECは、検出部Dを構成する筐体30内に回転部Rが収容された状態で用いられる。
回転部Rは、回転基板S及び磁石部材Mを有している。
回転基板Sは、回転軸SFに固定されている。回転基板Sは、回転軸SFを中心軸として当該回転軸SFと一体的に回転する。回転基板Sは、例えば金属材料やガラスなどによって円盤状に形成された基板50を有している。回転基板Sの構成材料として、他の材料を用いても勿論構わない。回転基板Sは、基板50に形成されたハブ20、パターン形成部21、突出部22及び溝部23をそれぞれ有している。ハブ20の下面側には、平面視中央部に挿入穴20a(図2参照)が形成されている。
回転基板Sは、回転軸SFに固定されている。回転基板Sは、回転軸SFを中心軸として当該回転軸SFと一体的に回転する。回転基板Sは、例えば金属材料やガラスなどによって円盤状に形成された基板50を有している。回転基板Sの構成材料として、他の材料を用いても勿論構わない。回転基板Sは、基板50に形成されたハブ20、パターン形成部21、突出部22及び溝部23をそれぞれ有している。ハブ20の下面側には、平面視中央部に挿入穴20a(図2参照)が形成されている。
挿入穴20aは、上記モータ装置MTRの回転軸SFが挿入されるようになっている。ハブ20は、回転軸SFが挿入穴20aに挿入された状態で回転軸SFとハブ20との間を固定する固定機構(不図示)を有している。
パターン形成部21は、ハブ20の周縁部に設けられた円環状の部分である。パターン形成部21の上面21aは平坦に形成されている。上面21aは、鏡面加工された状態となっている。上面21aには光反射パターン24が形成されている。光反射パターン24は、回転基板Sの円周方向に沿って形成された一回転情報である。
光反射パターン24は、鏡面加工された上面21aの他の部分よりも光反射率の低い光吸収層24aを有している。光吸収層24aは、例えばニッケル、クロム、鉄及び亜鉛などの金属からなる薄膜によって形成されている。光吸収層24aは、パターン形成部21の形状に沿って円周方向に所定の形状に形成されている。
この他、例えば上面21a自体を着色加工したり、粗面加工したりすることで光吸収層24aを形成しても構わない。パターン形成部21は、光反射パターン24が形成された領域を含めて、ほぼ全体がアクリル樹脂などの透明保護膜(不図示)によって被覆されている。このように、光反射パターン24は、円板状に形成された回転基板Sの第一面Sa(図中上面側)に設けられている。
突出部22は、ハブ20の平面視中央に設けられており、ハブ20の上面側に突出して形成されている。溝部23は、ハブ20の上面側において、パターン形成部21と突出部22との間に環状に形成されている部分である。
磁石部材Mは、回転基板Sの溝部23に収容されている。磁石部材Mは、回転基板Sの回転方向に沿って円環状に形成された永久磁石である。磁石部材Mには、所定の磁気パターンが形成されている。磁気パターンは、磁石部材Mの周方向に沿って形成された多回転情報である。
磁石部材Mの磁気パターンとして、例えば回転軸SFの軸方向に見て円環の半分の領域にN極に着磁され、円環の他の半分の領域がS極に着磁された磁気パターンなどが挙げられる。磁気パターンは、円板状に形成された回転部Rの第一面Sa側に形成されていることになる。回転基板Sと磁石部材Mとの間は、例えば不図示の接着剤などを介して固着されている。
検出部Dは、上記の光反射パターン24及び磁石部材Mによる磁場を検出する部分である。検出部Dは、筐体30、光センサ31及び磁気センサ32を有している。
筐体30は、例えば平面視円形のコップ状(円筒状)に形成されている。筐体30は、モータ装置MTRのうち回転軸SFを回転させるモータ本体BDに固定されており、回転軸SFとは固定されていない状態となっている。したがって、回転軸SFが回転しても、筐体30とモータ装置MTRとの相対位置が変化しないようになっている。筐体30は、一体的に形成された回転基板S及び磁石部材Mを収容する。回転基板S及び磁石部材Mは、回転軸SFの軸方向に見たときに、それぞれの中心が筐体30の中心に一致するように位置合わせされた状態で収容されている。
筐体30は、例えば平面視円形のコップ状(円筒状)に形成されている。筐体30は、モータ装置MTRのうち回転軸SFを回転させるモータ本体BDに固定されており、回転軸SFとは固定されていない状態となっている。したがって、回転軸SFが回転しても、筐体30とモータ装置MTRとの相対位置が変化しないようになっている。筐体30は、一体的に形成された回転基板S及び磁石部材Mを収容する。回転基板S及び磁石部材Mは、回転軸SFの軸方向に見たときに、それぞれの中心が筐体30の中心に一致するように位置合わせされた状態で収容されている。
光センサ31は、光反射パターン24へ向けて光を射出し、反射光を読み取ることで光反射パターン24を検出するセンサである。光センサ31は、例えば回転基板Sの光反射パターン24に対して、回転軸SFの軸方向に見て重なる位置に配置されている。光センサ31は、光を射出する発光部及び反射光を受光する受光部を有する。発光部としては、例えばLEDなどが用いられる。受光部としては、例えば光電素子などが用いられる。受光部によって読み取られた光は、電気信号として不図示の制御装置に送信されるようになっている。光センサ31を構成する各部は、筐体30に保持されている。
磁気センサ32は、例えば磁石部材Mに対して回転軸SFの軸方向に見て重なる位置に一対配置されている(磁気センサ32A及び32B)。各磁気センサ32A及び32Bは、バイアス磁石(不図示)及び磁気抵抗素子(不図示)を有している。磁気センサ32A及び32Bは、それぞれ筐体30に保持されている。
バイアス磁石は、磁石部材Mの磁場との間で合成磁場を形成する磁石である。バイアス磁石を構成する材料として、例えばサマリューム・コバルトなどの磁力の大きい希土類磁石などが挙げられる。バイアス磁石は、磁気抵抗素子に接触したり、隣接したりしない位置に配置されている。
磁気抵抗素子は、例えば金属配線などによって形成された直交する2つの繰り返しパターンを有している。磁気抵抗素子は、磁場の方向が当該繰り返しパターンに流れる電流の方向の垂直方向に近くなると電気抵抗が低下するようになっている。磁気抵抗素子は、この電気抵抗の低下を利用して磁場の方向を電気信号に変換するようになっている。磁気抵抗素子は、磁石部材Mの磁場及びバイアス磁石の磁場による合成磁場を検出するようになっている。検出結果は、電気信号として上記の制御装置(不図示)に送信されるようになっている。
検出部Dは、光センサ31において一回転情報を検出し、磁気センサ32において多回転情報を検出する。制御装置は、光センサ31から出力される一回転情報に基づいて回転軸SFの回転角度を求めると共に、磁気センサ32A及び32Bから出力される多回転情報に基づいて回転軸SFの回転数を求める処理を行う。
図2は、回転基板Sのうちパターン形成部21の断面を拡大して示す図である。なお、図2においては、磁石部材Mの図示を省略している。
図2に示すように、回転基板Sは、第一エッジ部25及び第二エッジ部26を有している。
図2に示すように、回転基板Sは、第一エッジ部25及び第二エッジ部26を有している。
第一エッジ部25は、パターン形成部21の上面21aと外周面21bとの間に形成されている。第一エッジ部25は、上面21aから外周面21bにかけて曲面を構成するように面取りされて形成されている。第二エッジ部26は、上面21aと内周面21cとの間に形成されている。第二エッジ部26は、上面21aから内周面21cにかけて曲面を構成するように面取りされて形成されている。
また、パターン形成部21には、レジスト膜27が形成されている。レジスト膜27は、光吸収層24aの周囲を囲うように形成されている。レジスト膜27は、上面21aから第一エッジ部25及び第二エッジ部26にかけての範囲に形成されている。レジスト膜27は、鏡面加工された上面21aを保護する保護層を兼ねている。レジスト膜27は、光センサ31からの光を透過可能な材料を用いて形成されている。
次に、上記のように構成されたエンコーダECの製造方法を説明する。
図3は、エンコーダECの回転基板Sを製造する工程を示すフローチャートである。また、図4〜図12は、回転基板Sの製造過程の様子を示す図である。以下、図3〜図12を参照して、エンコーダの回転基板Sの製造方法を説明する。回転基板Sを製造する際には、図4に示すように、ハブ20、パターン形成部21、突出部22及び溝部23が形成された基板50を予め形成しておく。
図3は、エンコーダECの回転基板Sを製造する工程を示すフローチャートである。また、図4〜図12は、回転基板Sの製造過程の様子を示す図である。以下、図3〜図12を参照して、エンコーダの回転基板Sの製造方法を説明する。回転基板Sを製造する際には、図4に示すように、ハブ20、パターン形成部21、突出部22及び溝部23が形成された基板50を予め形成しておく。
まず、当該基板50に対して、面取り工程を行う。面取り工程では、図5に示すように、パターン形成部21の上面21aと外周面21bとの間の第一エッジ部25を曲面に形成すると共に、上面21aと内周面21cとの間の第二エッジ部26を曲面に形成する。この工程では、第一エッジ部25及び第二エッジ部26に対して、例えば切削加工や研磨加工などの機械加工を行う。
面取り工程の後、鏡面加工工程を行う。鏡面加工工程では、図6に示すように、研磨部材28などを用いて、パターン形成部21の上面21aに鏡面加工を施す。この工程により、上面21aの光反射率が高められる。鏡面加工工程の後、上面21aに対してアブゾール洗浄を行うと共に、上面21aに対して洗浄液などを用いた本洗浄を行い、その後基板50に対してベーク処理を行う(図3参照)。
ベーク処理の後、基板50のパターン形成部21に対してレジストを塗布する。このレジスト塗布工程では、まず、図7に示すように、基板50を外周面21bの周方向に回転させた状態で、レジスト液29(例、ネガ型フォトレジストのSU−8、等)を上面21a上に配置させる。このとき、レジスト液29を上面21aと第二エッジ部26との境界部分に配置させるようにする。
基板50の回転により、上面21aに配置されたレジスト液29には遠心力が作用する。この遠心力により、図8に示すように、当該レジスト液29は、第二エッジ部26から第一エッジ部25へ向けて拡散する。また、レジスト液29は、重力により第二エッジ部26の曲面に沿って拡散する。
この結果、図9に示すように、第一エッジ部25、上面21a及び第二エッジ部26にかけてレジスト膜27が形成される。第一エッジ部25において、レジスト膜27の膜表面は、当該第一エッジ部25の曲面に沿って下方に湾曲した状態となる。また、第二エッジ部26において、レジスト膜27の膜表面は、当該第二エッジ部26の曲面に沿って下方に湾曲した状態となる。
このように、第一エッジ部25及び第二エッジ部26が曲面に形成されているため、第一エッジ部25及び第二エッジ部26に形成されるレジスト膜27に対して、表面張力の起点となる角が無い構成である。したがって、レジスト膜27の膜表面が上方に盛り上がることなく、レジスト膜27がパターン形成部21上に形成されることになる。
パターン形成部21にレジスト膜27を塗布した後、当該レジスト膜27に対してプリベーク処理を行い、レジスト膜27を乾燥させる。その後、レジスト膜27に対して露光処理を行う。露光処理では、レジスト膜27のうち高反射領域のパターンを形成する部分に対して露光光を照射する。図10に示すように、レジスト膜27のうち露光光が照射された露光部分(非露光部分27a以外の部分)は、現像液に対して溶解性が低下し硬化した状態に変質する。また、レジスト膜27のうち露光光が照射されない非露光部分27aは、現像工程において現像液に溶解する。
露光工程の後、レジスト膜27に対してポストベーク処理を行う。その後、レジスト膜27に対して現像工程を行う。現像工程では、現像液を用いてレジスト膜27の非露光部分27aを溶解する。この工程により、図11に示すように、レジスト膜27のうち非露光部分27aが形成されていた箇所に、開口部27bが形成される。
現像工程の後、レジスト膜27に対してハードベーク処理を行う。その後、レジスト膜27の開口部27bに、低反射領域のパターンを形成する。当該パターン形成工程では、メッキ処理若しくは蒸着処理により、図12に示すように、開口部27bに光吸収層24aが形成される。基板50が金属基板である場合、メッキ法として、例えば無電解メッキ法を行うことができる。
以下、基板50が金属基板であり、メッキ処理として無電解メッキ法によって光吸収層24aを形成する場合の例を説明する。
無電解メッキ法を行う場合、上記の現像処理の後、必要に応じて、レジスト膜27が形成された上面21a全体を苛性処理液に浸漬させて苛性処理を施す。この苛性処理により基板50の上面21aのうちレジスト膜27の開口部27bから露出する部分の汚れが除去される。苛性処理液の種類や苛性処理の条件(例えば、浸漬温度および浸漬時間)については、使用する基板50の材料などに応じて適宜決定することができる。
無電解メッキ法を行う場合、上記の現像処理の後、必要に応じて、レジスト膜27が形成された上面21a全体を苛性処理液に浸漬させて苛性処理を施す。この苛性処理により基板50の上面21aのうちレジスト膜27の開口部27bから露出する部分の汚れが除去される。苛性処理液の種類や苛性処理の条件(例えば、浸漬温度および浸漬時間)については、使用する基板50の材料などに応じて適宜決定することができる。
この苛性処理の後、当該基板50の上面21a全体を中和処理液に浸漬し、上記開口部27bから露出する部分を中和する。中和処理液の種類、中和処理の条件(例えば、浸漬温度および浸漬時間)は、使用する基板50の種類や苛性処理液の種類などに応じて適宜決定することができる。
中和処理を終えた後、基板50の上面21aを形成する金属のイオン化傾向よりも小さく、かつ、上記光吸収層24aを形成する金属のイオン化傾向よりも大きいイオン化傾向を有する金属のイオンを含有するアルカリ性の溶液(以下、「金属イオン含有溶液」という。)に、基板50を浸漬させる。これにより、基板50の上面21aの露出部分の金属が金属イオン含有溶液中の金属で置換され、レジスト膜27に対する上面21aの露出部分に金属置換膜が形成される。
なお、金属イオン含有溶液は、使用する基板50の材質および光吸収層24aの材質などに応じて適宜決定することができる。金属置換膜の形成条件(例えば、浸漬温度および浸漬時間)は、使用する基材および金属イオン含有溶液の種類などに応じて適宜設定することができる。また、形成する金属置換膜の膜厚は、特に限定されず、上面21aの露出部分さえ置換されればよい。なお、図示を省略するが、外周面21b及び内周面21cの表層に金属置換膜が形成されても構わない。
このようにして形成した金属置換膜を備える基板50に、そのまま無電解メッキ処理を施してもよい。また、基板50に対する密着性がより高い光吸収層24aを形成するため、例えば一度、基板50から金属置換膜を剥離し、再度、金属置換膜を形成するようにしても構わない。また、この金属置換膜の剥離と形成を繰り返すようにしても構わない。
金属置換膜を剥離する場合、例えば基板50を酸に浸漬させる。これにより、金属置換膜の金属が溶解し、再び、基板50が露出する。金属置換膜の剥離に使用する酸は、使用する基板50および金属置換膜の種類などに応じて適宜決定することができる。また、金属置換膜の剥離処理条件(例えば、浸漬温度および浸漬時間)は、使用する基板50や酸、形成された金属置換膜の種類などに応じて適宜設定することができる。
金属置換膜を剥離した後、再度金属置換膜を形成する場合には、例えば上記の金属置換膜の形成手法と同一の手法によって行うことができる。このとき、使用する金属イオン含有溶液や金属置換膜の形成条件は、上記工程と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、形成する金属置換膜の膜厚は上記工程と同様に薄くてもよい。金属置換膜の剥離と形成をさらに繰り返す場合は、それらに使用する金属イオン含有溶液や酸、および金属置換膜の剥離処理条件や形成条件は、上記各工程と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
次に、レジスト膜27及び金属置換膜が形成された基板50を無電解メッキ液に浸漬させる。金属置換膜が形成されていない状態の基板50を無電解メッキ液に浸漬させると、基板50の上面21aの露出部分にメッキ金属が析出する。一方、金属置換膜が形成された基板50を無電解メッキ液に浸漬させると、金属置換膜の金属がメッキ金属で置換される。この結果、いずれの場合にも、図12に示すように、基板50の上面21aの露出部分に無電解メッキ膜からなる光吸収層24aが形成される。なお、外周面21b及び内周面21cの表層に金属置換膜が形成されている場合には、当該外周面21b及び内周面21cにも無電解メッキ膜が形成されることになる。
無電解メッキ液としては、基板50を形成する金属のイオン化傾向よりも小さい金属(金属置換膜を備える場合にはこの金属置換膜を形成する金属のイオン化傾向よりも小さい金属)を含み、かつ、基板50の上面21aよりも光反射率の低い金属であれば、無電解メッキ液を使用することができる。このような無電解メッキ液として、例えば、無電解ニッケルメッキ液、無電解黒ニッケルメッキ液、無電解銅メッキ液などが挙げられる。無電解メッキ処理条件(例えば、浸漬温度および浸漬時間)は、使用する基板50や無電解メッキ液、形成された金属置換膜の種類などに応じて適宜設定することができる。
金属置換膜を形成した状態で無電解メッキを行う場合、金属置換膜の金属とメッキ金属とが置換され、基板50に対してより密着性の高い無電解メッキ膜を形成することができる。また、当該金属置換膜を形成する際に、金属イオン含有溶液として亜鉛イオンを含むアルカリ性溶液を使用することにより、当該無電解メッキ処理において亜鉛とニッケルまたは銅との置換が進行しやすく、アルミニウムまたはアルミニウム合金表面に無電解ニッケルメッキ膜または無電解銅メッキ膜を容易に形成することができる。
金属置換膜を形成する際に、例えば一度形成した金属置換膜を剥離して、再度金属置換膜を形成させても構わない。この場合、光吸収層24aの密着性がより高まることとなる。
光吸収層24aを形成した後、レジスト膜27(レジスト膜27)を除去しても構わない。レジスト膜27の除去方法としては、例えば当該レジスト膜27が形成された基板50をレジスト剥離液に浸漬する方法などが挙げられる。レジスト剥離液としては、例えば、使用したフォトレジストの種類に応じて適宜選択して使用することができる。また、浸漬処理条件は使用するレジスト剥離液の種類に応じて適宜設定することができる。レジスト膜27を除去することにより、基板50の上面21aの一部が光吸収層24aから露出する光反射パターン24が形成される。なお、光反射パターン24を形成した後、当該光反射パターン24上に不図示の保護膜などを形成しても構わない。このようにして、回転基板Sが得られる。
回転基板Sを形成した後、回転基板Sの溝部23に磁石部材Mを取り付け、検出部Dを別途形成することにより、エンコーダECを得ることができる。また、エンコーダECの回転基板Sをモータ装置MTRの回転軸SFに取り付け、検出部Dをモータ装置MTRの駆動部ACに取り付けることにより、図1に示すエンコーダECが取り付けられたモータ装置MTRを得ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、基板50の上面21aと外周面21bとの間に設けられる第一エッジ部25を曲面にする面取り工程を行い、当該面取り工程の後、上面21aにレジスト液29の薄膜であるレジスト膜27を形成するレジスト塗布工程を行うこととしたので、第一エッジ部25においてレジスト膜27の膜表面が上方に盛り上がることなく、すなわち、エッジビードが形成されること無く、レジスト膜27が上面21aに形成されることとなる。このため、上面21aに光反射パターン24を形成するパターン形成工程において、パターニングの精度が低下するのを防ぐことができる。これにより、回転基板Sの歩留まりの低下を防ぐことが可能となる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態においては、回転基板Sを構成する基板50が金属基板である場合の回転基板Sの製造方法の例を説明したが、例えば回転基板Sを構成する基板50がガラス基板である場合、以下のような製造方法となる。
上記実施形態においては、回転基板Sを構成する基板50が金属基板である場合の回転基板Sの製造方法の例を説明したが、例えば回転基板Sを構成する基板50がガラス基板である場合、以下のような製造方法となる。
すなわち、基板50としてガラス基板を用いる場合、面取り工程に先立ち、図13に示すように、基板50のうちパターン形成部21の上面21aに対して、蒸着法によって光反射膜21dを形成する。その後、上記同様に面取り工程、アブゾール洗浄工程、本洗浄工程及びベーク工程を行い、図14に示すように、光反射膜21d上にレジスト膜27を形成する。
その後、上記したリソグラフィー工程と同様に、プリベーク工程、露光工程、ポストベーク工程、現像工程及びハードベーク工程を行い、レジスト膜27に開口部27bを形成する。その後、図15に示すように、基板50上に光吸収層24aを構成する材料の薄膜24bを蒸着法によって形成する。薄膜24bは、レジスト膜27上及び開口部27b内に形成される。
薄膜24bを形成した後、レジスト膜27及び当該レジスト膜27上の薄膜24bを除去する。これにより、薄膜24bのうち開口部27bに形成された部分が残存する。この残存部分が光吸収層24aとなる。このように、基板50がガラスからなる場合であっても、基板50上に光反射パターン24を形成することができる。
MTR…モータ装置 SF…回転軸 BD…モータ本体 EC…エンコーダ R…回転部 D…検出部 S…回転基板 M…磁石部材 Sa…第一面 AC…駆動部 21…パターン形成部 21a…上面 21b…外周面 21c…内周面 21d…光反射膜 23…溝部 24…光反射パターン 24a…光吸収層 24b…薄膜 25…第一エッジ部 26…第二エッジ部 27…レジスト膜 29…レジスト液 50…基板
Claims (16)
- 基板の一の基板面と前記基板の外周面との間に設けられるエッジ部を曲面にする面取り工程と、
前記面取り工程の後、前記一の基板面に機能材料を含む液状体の薄膜を形成する薄膜形成工程と、
前記一の基板面にパターンを形成するパターン形成工程と
を含むエンコーダ用スケールの製造方法。 - 前記薄膜形成工程に先立ち、前記一の基板面と前記基板の内周面との間の第二エッジ部を曲面にする第二面取り工程を含む、
請求項1に記載のエンコーダ用スケールの製造方法。 - 前記薄膜形成工程は、
前記基板を円周方向に回転させ、前記液状体を前記一の基板面上に拡散させて塗布することを含む
請求項1又は請求項2に記載のエンコーダ用スケールの製造方法。 - 前記薄膜形成工程に先立ち、前記一の基板面に対して鏡面加工を行う鏡面加工工程を含む
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のエンコーダ用スケールの製造方法。 - 前記薄膜形成工程に先立ち、前記鏡面加工が行われた前記一の基板面を洗浄する洗浄工程を含む
請求項4に記載のエンコーダ用スケールの製造方法。 - 前記パターン形成工程は、前記一の基板面に形成された前記薄膜に露光することを含むリソグラフィー工程を含む
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のエンコーダ用スケールの製造方法。 - 前記リソグラフィー工程は、
前記薄膜を硬化させることと、
硬化させた前記薄膜を所定の形状に成型することと、を含む
請求項6に記載のエンコーダ用スケールの製造方法。 - 前記パターン形成工程は、めっき法又は蒸着法によって前記パターンを形成することを含む
請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載のエンコーダ用スケールの製造方法。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のエンコーダ用スケールの製造方法と、
前記パターンを検出する検出部を検出基板に形成する検出部形成工程と
を含むエンコーダの製造方法。 - 前記パターン形成工程は、前記基板に前記パターンとして光学パターンを形成することを含む
請求項9に記載のエンコーダの製造方法。 - 前記パターン形成工程は、前記基板の溝部に前記パターンとして磁気パターンを形成することを含む
請求項9又は請求項10に記載のエンコーダの製造方法。 - 測定対象の回転子に固定される基板を有し、当該基板の一の基板面と外周面との間に設けられるエッジ部が曲面に形成され、前記基板にパターンが形成された回転部と、
前記パターンを検出する検出部と
を備えるエンコーダ。 - 前記一の基板面と前記基板の内周面との間に設けられる第二エッジ部が曲面に形成されている
請求項12に記載のエンコーダ。 - 前記パターンは、前記基板に形成された光学パターンを含む
請求項12又は請求項13に記載のエンコーダ。 - 前記基板は、該基板の内周面を含んで形成された溝部を有し、
前記パターンとして磁気パターンを有する磁石が前記溝部に配置されている
請求項12から請求項14のいずれか一項に記載のエンコーダ。 - 回転子と、
前記回転子を回転させる駆動部と、
前記回転子に固定され、前記回転子の位置情報を検出するエンコーダと
を備え、
前記エンコーダとして、請求項12から請求項15のうちいずれか一項に記載のエンコーダが用いられている
モータ装置。
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CN109073412A (zh) * | 2016-02-25 | 2018-12-21 | 日本精工株式会社 | 传感器、传感器的基板以及传感器的制造方法 |
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-
2011
- 2011-06-13 JP JP2011131115A patent/JP2013002832A/ja not_active Withdrawn
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