JP2013002481A - 車両用無段変速装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シフトレバーがその時点の走行方向と逆方向の選択位置に操作された場合に、車両が低速走行中であるか否かを判定する。そして、低速走行中であれば、ガレージシフト制御を実行するが、中速乃至高速走行中であれば、クラッチ装置の接続を断った状態で、無段変速装置の速度比を、走行状態を表す状態量から得られるその時点の走行状況に応じた値に変化させる(トロイダル型無段変速機の変速比をGN値に調節する)。これにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図3
Description
尚、本発明に関連すると考えられる先行技術文献として、特許文献2〜9に記載された発明がある。但し、これら特許文献2〜9に記載された何れの発明の場合にも、上述した様な問題を解決する事はできない。
第一の機能は、車両の走行速度が所定速度未満の場合に、前記クラッチ装置を接続したままの状態で、前記無段変速装置の速度比を、その時点の走行状態に応じた値から、前記停止状態を実現できる0まで変化させる。
第二の機能は、車両の走行速度が所定速度以上である場合に、前記クラッチ装置の接続を断ち、このクラッチ装置の接続を断ったままの状態で、前記無段変速装置の速度比を、走行状態を表す状態量から得られるその時点の走行状況に応じた値に変化させる。
尚、本発明の車両用無段変速装置を実施する場合に好ましくは、前記第一の機能に、運転者のアクセルペダルの踏み込みに応じて、停止状態を実現できる0に向けての速度比の変化速度(変速速度)を大きくする機能を持たせる。
そして、請求項2に記載した発明の場合には、車両が前進走行している状態でシフトレバーが後退位置に操作された場合に、車両の走行速度が所定速度以上である場合には、それまで接続されていた前記低速用クラッチと前記高速用クラッチとのうちの一方のクラッチの接続を断つ事で、これら低速用クラッチと高速用クラッチとの両方のクラッチの接続を断つ。
これに対して、請求項3に記載した発明の場合には、車両が後退走行している状態でシフトレバーが前進位置に操作された場合に、車両の走行速度が所定速度以上である場合には、それまで接続されていた前記低速用クラッチの接続を断つ事で、この低速用クラッチと前記高速用クラッチとの両方のクラッチの接続を断つ。
即ち、本発明の場合には、シフトレバーがその時点の走行方向と逆方向の選択位置に操作された場合に、車両の走行速度が所定速度(例えば20km/h)以上である場合には、無段変速機構と差動機構との間で動力を伝達するクラッチ装置の接続を断つ。この為、駆動源の駆動力がそれ以上車輪に伝達される事を防止できる。従って、例えば運転者が進行方向への加速を意図してアクセル操作を行った場合にも、この様なアクセル操作に伴って車両が急減速する事を防止できる。しかも、アクセル操作によりエンジン回転数が上昇する(吹き上がる)為、これによりシフトレバーの選択位置が適正でない(誤操作が行われた)事を運転者に知らせる事もできる。更に、車両の走行速度が所定速度以上である場合には、前記無段変速装置の速度比をその時点の走行状況に応じた値に変化させる(進行方向に応じた通常の変速制御を行う)為、車両を緩やかに減速させる事ができる。この為、運転者に与える違和感(運転者の混乱)を十分に抑えつつ、フェールセーフ性を確保できて、中速乃至高速走行時の安全性を維持できる。
又、車両の走行速度が所定速度未満である場合には、前述した従来構造の場合と同様に、前記クラッチ装置を接続し、前記無段変速装置の速度比を車両の停止状態を実現できる0に調節する(ガレージシフト変速制御を実行する)。従って、車両の挙動が急激に変化したり、この車両や変速装置が損傷する事を防止し、安全且つ迅速に、この車両を減速、停止させられる。
以上の様に、本発明の場合には、車両の走行速度を判定し、所定速度未満(低速走行)であれば、従来構造の場合と同様にガレージシフト変速制御を実行し、所定速度以上(中速乃至高速走行)の場合には、ガレージシフト変速制御を実行せずに、クラッチ装置の接続を断った状態で進行方向に応じた通常の変速制御を実行する。従って、この様な本発明によれば、低速走行時での、安全且つ迅速な、減速、停止(更にはシフトレバーの選択位置に応じた走行)の実現と、中速乃至高速走行時の安全性の維持との両立を図れる。
先ず、前記制御器16は、ステップ1で、シフトレバーの選択位置が非走行位置(P、Nレンジ)か否かを判定する。この判定は、ポジションスイッチ37(図1参照)の検出信号に基づいて行う。この様なステップ1で、シフトレバーの選択位置が非走行位置(P、Nレンジ)であると判定された場合は、ステップ2に進み、前記クラッチ装置7(低速用クラッチ8及び高速用クラッチ9)の接続を断つ。一方、前記ステップ1で、シフトレバーの選択位置が走行位置であると判定された場合には、ステップ6に進む。
即ち、本例の場合には、シフトレバーがその時点の走行方向と逆方向の選択位置に操作された場合に、車両の走行速度が所定速度(例えば20km/h)以上である場合には、前記トロイダル型無段変速機1と遊星歯車式変速機2との間で動力を伝達する前記クラッチ装置7(低速用クラッチ8及び高速用クラッチ9)の接続が断たれる。この為、駆動原であるエンジン5の駆動力がそれ以上車輪に伝達される事を防止できる。従って、例えば運転者が進行方向への加速を意図してアクセルペダルを踏み込んだ場合にも、この様なアクセルペダルの操作に伴って車両が急減速する事を防止できる。しかも、アクセルペダルを踏み込む事によりエンジン回転数が上昇する(吹き上がる)為、これによりシフトレバーの選択位置が適正でない(誤操作が行われた事)を運転者に知らせる事もできる。更に、車両の走行速度が所定速度以上(中速乃至高速)である場合には、前記無段変速装置の速度比をその時点の走行状況に応じた値に変化させる(進行方向に応じた通常の変速制御を行う)為、車両を緩やかに減速させる事ができる。この為、運転者に与える違和感(運転者の混乱)を十分に抑えつつ、フェールセーフ性を確保できて、中速乃至高速走行時の安全性を維持できる。尚、エンジンの吹き上がりによっては、シフトレバーがその時点の走行方向と逆方向の選択位置に操作されている事までは運転者に知らせる事ができないが、少なくとも進行方向の選択位置に操作されていない事を知らせる事ができる(運転者はNレンジが選択されていると誤解する可能性があるが、この様に誤解した場合にもシフトレバーの選択位置が適正でない事を知らせるには十分である)。
2 遊星歯車式変速機
3 入力軸
4 出力軸
5 エンジン
6 ダンパ
7 クラッチ装置
8 低速用クラッチ
9 高速用クラッチ
10 入力側ディスク
11 出力側ディスク
12 パワーローラ
13 アクチュエータ
14 押圧装置
15 変速比制御ユニット
16 制御器
17 ステッピングモータ
18 ローディング圧制御用電磁開閉弁
19 モード切換制御用電磁開閉弁
20 低速クラッチ用電磁弁
21 高速クラッチ用電磁弁
22 制御弁装置
23 変速比制御弁
24 押圧力調整弁
25 オイルポンプ
26 油溜
27a、27b 油圧室
28a、28b 油圧センサ
29 油温センサ
30 入力側回転センサ
31 出力側回転センサ
32 出力軸回転センサ
33 アクセルセンサ
34 プライマリーライン
35 手動油圧切換弁
36 減圧弁
37 ポジションスイッチ
Claims (4)
- 無段変速機構と、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式の差動機構とを、クラッチ装置により動力の伝達経路を切り換え自在とした状態で組み合わせ、このうちの無段変速機構の変速比の調節に基づいて、前記差動機構を構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事で、駆動源により入力軸を一方向に回転させた状態のまま出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転及び逆転に変換自在とした車両用無段変速装置に於いて、
この無段変速装置の速度比を調節する制御器は、シフトレバーがその時点の走行方向と逆方向の選択位置に操作された場合に、車両の走行速度が所定速度未満の場合には、前記クラッチ装置を接続したままの状態で、前記無段変速装置の速度比を、その時点の走行状態に応じた値から、前記停止状態を実現できる0まで変化させる第一の機能と、車両の走行速度が所定速度以上である場合には、前記クラッチ装置の接続を断ち、このクラッチ装置の接続を断ったままの状態で、前記無段変速装置の速度比を、その時点の走行状況に応じた値に変化させる第二の機能とを備える事を特徴とする車両用無段変速装置。 - クラッチ装置は、減速比を大きくする低速モードを実現する際に接続されて同じく小さくする高速モードを実現する際に接続を断たれる低速用クラッチと、この高速モードを実現する際に接続されて前記低速モードを実現する際に接続を断たれる高速用クラッチとを備えたものであり、車両が前進走行中にシフトレバーが後退位置に操作された場合に、車両の走行速度が所定速度以上である場合には、それまで接続されていた前記低速用クラッチと前記高速用クラッチとのうちの一方のクラッチの接続を断つ事で、これら低速用クラッチと高速用クラッチとの両方のクラッチの接続を断つ、請求項1に記載した車両用無段変速装置。
- クラッチ装置は、減速比を大きくする低速モードを実現する際に接続されて同じく小さくする高速モードを実現する際に接続を断たれる低速用クラッチと、この高速モードを実現する際に接続されて前記低速モードを実現する際に接続を断たれる高速用クラッチとを備えたものであり、車両が後退走行中にシフトレバーが前進位置に操作された場合に、車両の走行速度が所定速度以上である場合には、それまで接続されていた前記低速用クラッチの接続を断つ事で、この低速用クラッチと前記高速用クラッチとの両方のクラッチの接続を断つ、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した車両用無段変速装置。
- 車両の走行速度が所定速度未満の場合には、無段変速装置の速度比を、停止状態を実現できる0まで、予め設定した条件に沿って変化させた後、シフトレバーの当該操作位置に応じた値に調節する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した車両用無段変速装置。
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