JP2013002196A - キッチンシンク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シンク形状に絞り加工されたステンレス鋼材を基材としたシンク2において、シンク底面部2aには、シンク底面部2aよりも段落ちするとともに排水部13が開口した段落部10が形成されており、段落部10のみが、耐食性を有する塗膜Tにより被覆されていることで、シンク2が高効率に耐食性を得られるばかりか、シンク全面に塗膜を被覆する場合に比べ製造コストを抑えることができるため、このシンク2を比較的低価格帯の製品として提供できる。
【選択図】図2
Description
シンク形状に絞り加工されたステンレス鋼材を基材としたキッチンシンクにおいて、シンク底面部には、該シンク底面部よりも段落ちするとともに排水部が開口した段落部が形成されており、該段落部のみが、耐食性を有する塗膜により被覆されていることを特徴としている。
この特徴によれば、キッチンシンクのシンク底面部よりも段落ちした排水部に向け排水が集中する段落部のみが、耐食性を有する塗膜により被覆されていることで、キッチンシンクが高効率に耐食性を得られるばかりか、キッチンシンク全面に塗膜を被覆する場合に比べ製造コストを抑えることができるため、このキッチンシンクを比較的低価格帯の製品として提供できる。
前記塗膜は、前記段落部における前記排水部の内周面から前記シンク底面部への境界部まで連続して被覆していることを特徴としている。
この特徴によれば、塗膜が段落部における排水部の内周面からシンク底面部への境界部まで連続して被覆していることで、塗膜に塗りムラが生じた場合でも、段落部の全面に亘り確実に被覆できる。
前記塗膜は、ウレタンエマルジョン樹脂を主剤とする塗料からなり、該塗膜の膜厚が20μm以上であることを特徴としている。
この特徴によれば、ウレタンエマルジョン樹脂を主剤とすることで、キッチンシンクに要求される耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐汚染性等を満足でき、且つ膜厚が20μm以上であるので、ステンレス鋼材の素地に対しピンホールの無い健全な塗膜を形成できる。
前記塗膜は、前記主剤に混合されるカップリング剤として、エポキシ基含有シランカップリング剤を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、カップリング剤としてのエポキシ基含有シランカップリング剤と、主剤であるウレタンエマルジョン樹脂との反応により、架橋密度の高い塗膜が得られる。
シンク形状に絞り加工されたステンレス鋼材を基材とし、シンク底面部には、該シンク底面部よりも段落ちするとともに排水部が開口した段落部が形成されたキッチンシンクの製造方法において、前記段落部まわりのシンク底面部にマスキングを施し、前記段落部に耐食性を有する塗料を吹付塗装し、前記マスキングを剥がすことを特徴としている。
この特徴によれば、段落部まわりのシンク底面部にマスキングを施し、吹付塗装後に剥がすことで、排水が集中する段落部のみを、作業手間をかけること無く耐食性を有する塗膜により被覆することができ、キッチンシンクが高効率に耐食性を得て且つ製造コストを抑えることができるため、このキッチンシンクを比較的低価格帯の製品として提供できる。
塗膜Tの主樹脂であるエマルジョン樹脂に関しては、一般的にはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などがあるが、本用途であるキッチンシンクのように、耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐汚染性などが要求される過酷な環境下に於いて、要求特性を満足できる樹脂はウレタン樹脂をおいて他にない。エポキシ樹脂は基材であるステンレスに対する初期の密着性に優れるものの、耐水性や長期の耐久性に劣る。また、アクリル樹脂やポリエステル樹脂は耐水性に優れるものの、耐薬品性に劣る。一方、ウレタン樹脂は耐水性にも耐薬品性にも優れる。ただし、どのようなウレタンエマルジョン樹脂でも良いというわけではない。その理由は、使用されるシンクの環境は、水を使用したりお湯を使用したりとステンレスシンク自体が伸縮・膨張を繰り返す。そうした素地に対しては、より追従性の高い柔軟性のあるウレタン樹脂が望ましい。そうした柔軟性のあるウレタン樹脂としては、伸び率が150%以上である必要がある。その結果、柔軟な塗膜が形成されて、伸縮・膨張を繰り返す素材に対して追従して耐久性に優れた塗膜が得られる。伸び率が150%未満では柔軟性に乏しく、伸縮・膨張を繰り返す素材に対して追従できず耐久性に優れた塗膜が得られない。
カップリング剤もシラン系、アルミ系、チタン系など色々な物が公知であるが、本用途に対しては、シラン系カップリング剤が適している。加水分解により生成された水酸基がステンレス表面に強固に結合して耐水性に優れた密着性を提供する。また、有機官能基としては、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基、アミン基などが上げられるが、その中でもエポキシ基を有機官能基として有するシランカップリング剤が特に良い。
その他塗膜として添加される物としては、色を付けるための着色剤、塗装時の塗膜の平坦性を上げるレベリング剤、塗料の攪拌時あるいは塗装時に発生する泡を消す働きのある消泡剤などがある。また、光沢を調整するためにつや消し剤も添加しても良い。
下記の配合表 表1のように塗料の調製を行った。カップリング剤の添加量を3水準として、ウレタンエマルジョン樹脂系塗料3種類を得た。なお、ここでのウレタンエマルジョン樹脂の不揮発分は30%である。
80℃の温水にサンプルを168時間連続浸漬した後、乾燥し、テープ剥離試験で温水環境下での塗膜密着性を調査した。10面積%以上の剥離が生じた塗膜を×,点状に剥離した塗膜を△,全く剥離しなかった塗膜を○として耐温水性を評価した。
市販の洗剤A(K社製)と洗剤B(U社製)をそれぞれサンプル塗膜表面に1CC滴下し、24時間放置する。その後水道水で洗浄後、外観確認を行い異常が無いか確認する。これを4回、96時間繰り返し行う。塗膜が剥げた場合は×、塗膜にシミ、変色などの外観変化が見られた場合は△、全く異常が無かった場合は○として耐洗剤性を評価した。
下記の環境条件下にサンプルを置いて、順次サイクル的に環境を変えて、1回の環境サイクルを1サイクルとして、50サイクルまで試験を行い、評価は発錆状況と腐食の最大浸食深さを測定した。
50サイクルの試験の結果、実験No.7の塗装品は全く錆が認められなかった。一方、無塗装品は、パッキン最外周部で部分的に腐食が発生しており、最大侵食深さは0.16mmであった。この結果からも塗装品は耐食性に極めて優れる事が分かった。
2 シンク
2a シンク底面部
3 排水トラップ
4 排水管
10 段落部
11 筒部
12 突部
13 排水部
14 境界部
Claims (5)
- シンク形状に絞り加工されたステンレス鋼材を基材としたキッチンシンクにおいて、シンク底面部には、該シンク底面部よりも段落ちするとともに排水部が開口した段落部が形成されており、該段落部のみが、耐食性を有する塗膜により被覆されていることを特徴とするキッチンシンク。
- 前記塗膜は、前記段落部における前記排水部の内周面から前記シンク底面部への境界部まで連続して被覆していることを特徴とする請求項1に記載のキッチンシンク。
- 前記塗膜は、ウレタンエマルジョン樹脂を主剤とする塗料からなり、該塗膜の膜厚が20μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のキッチンシンク。
- 前記塗膜は、前記主剤に混合されるカップリング剤として、エポキシ基含有シランカップリング剤を有していることを特徴とする請求項3に記載のキッチンシンク。
- シンク形状に絞り加工されたステンレス鋼材を基材とし、シンク底面部には、該シンク底面部よりも段落ちするとともに排水部が開口した段落部が形成されたキッチンシンクの製造方法において、前記段落部まわりのシンク底面部にマスキングを施し、前記段落部に耐食性を有する塗料を吹付塗装し、前記マスキングを剥がすことを特徴とするキッチンシンクの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016040439A (ja) * | 2014-08-13 | 2016-03-24 | 株式会社東栄工業 | ホッパー用カバー |
KR102074503B1 (ko) * | 2019-06-27 | 2020-02-06 | 김주학 | 싱크대용 배수장치 |
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JPS61220755A (ja) * | 1985-03-27 | 1986-10-01 | Nitto Electric Ind Co Ltd | 粉体塗装用マスキング装置 |
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2011
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