JP2013002109A - 盤ぶくれ抑止杭 - Google Patents

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Abstract

【課題】杭外周面の摩擦力に加え、盤ぶくれを抑止する支圧力を発生させる盤ぶくれ抑止杭を提供する。
【解決手段】盤ぶくれ抑止杭10は、不透水層14Bまで貫入された遮水壁18で囲まれた掘削部12に建て込まれている。掘削部12には、不透水層14Bの底面である、盤ぶくれ対象面30より下部の水を汲み上げる揚水井戸26が設けられている。盤ぶくれ抑止杭10は、不透水層14Cの下方まで建て込まれた場所打ち杭20を有し、場所打ち杭20の杭頭は掘削底面28にある。場所打ち杭20の盤ぶくれ対象面30より上方には、拡径部24が形成されている。拡径部24の下端部には、支圧力を発生させる傾斜面25が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、盤ぶくれ抑止杭に関する。
地下水の水位が高い地層での地下掘削においては、遮水壁で囲まれた掘削部に、いわゆる盤ぶくれという現象が発生する場合がある。ここに、盤ぶくれとは、掘削部の土塊が除去されたことにより、掘削部の掘削底面の下方の不透水層が、不透水層の下の透水層からの水圧(被圧水頭)に耐えられなくなり持ち上げられる現象をいう。
盤ぶくれを抑止するため、一般に次の3つの方法が、単独若しくは組み合わされて採用されている。
(1)不透水層より下の地下水を所定量汲み上げ、不透水層の底面である盤ぶくれ対象面の下部の被圧水頭を下げる方法。
(2)盤ぶくれ対象面の下部に地下水が供給されないように、盤ぶくれの恐れのない地層まで遮水壁を貫入する方法。
(3)杭の周面抵抗力を利用して、盤ぶくれ対象面の鉛直応力を増大させる方法。
しかし、(1)の方法は、処理能力の十分な排水施設を必要とする。また地盤沈下や井戸の枯渇を伴う恐れがある。(2)の方法は、深い遮水壁を必要とするためコストや工期がかかる。更に産業廃棄物が増大する。(3)の方法は、地盤が軟弱な場合には周面抵抗力が小さく効果が小さい。
そこで、(3)の方法に関して、盤ぶくれ対象面の鉛直応力を増大させる盤ぶくれ抑止杭が開示されている(特許文献1)。
特許文献1の盤ぶくれ抑止杭は、地表面から不透水層を貫通して透水層まで、安定液を用いて削孔した後、少なくとも不透水層の範囲において削孔穴を3〜4倍に拡径する。次に、コンクリート又はモルタルを削孔穴に注入し、安定液と置き換える。最後に削孔穴に鋼製杭材を挿入する。これにより、拡径部を備えた杭が構築される。増大された拡径部の外周面が不透水層との摩擦力を増大させ、盤ぶくれを抑止する。
しかし、特許文献1の盤ぶくれ抑止杭は、盤ぶくれ対象面の鉛直応力の大きさに対応させて外周面を増大させる必要がある。このため、大きな拡径部が必要とされ、構造面及びコスト面からの限界がある。
特開2010−1331159号公報
本発明は、上記事実に鑑み、杭外周面の摩擦力に加え、盤ぶくれを抑止する支圧力を発生させる盤ぶくれ抑止杭を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る盤ぶくれ抑止杭は、不透水層まで貫入された遮水壁で囲まれ前記不透水層の底面である盤ぶくれ対象面より下部の水を汲み上げる揚水井戸が設けられた掘削部に、前記不透水層の下方まで建て込まれ杭頭が掘削底面にある場所打ち杭と、前記場所打ち杭の前記盤ぶくれ対象面より上方に形成された拡径部と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、掘削部を囲む遮水壁により、掘削部への地下水の浸入が遮断される。このとき、遮水壁の深さは、遮水すべき不透水層の位置により決定される。また、揚水井戸から汲み上げる、盤ぶくれ対象面より下部の地下水の量を調整することで、地下水が不透水層(盤ぶくれ対象面)を押し上げる水圧(被圧水頭)を調整することができる。また、場所打ち杭の盤ぶくれ対象面より上方に設けられた拡径部により、盤ぶくれを抑止する支圧力を発生させることができる。
即ち、拡径部の下端部には、一般に杭外周面と90度以上の傾斜で拡大する傾斜面が形成されており、この傾斜面が、傾斜面と接する土塊を介して盤ぶくれ対象面を下方(傾斜面と直交する方向)へ抑える支圧力を発生させる。
杭外周面の摩擦力に、この支圧力を加えることにより、遮水壁で遮水する遮水工法に適用した場合においては、従来の方法よりも遮水壁の貫入深さを浅くしても、盤ぶくれを抑止することができる。また、地下水を汲み上げる揚水工法に適用した場合においては、従来の方法よりも揚水井戸からの揚水量を少なくしても、盤ぶくれを抑止することができる。即ち、杭外周面の摩擦力に加え、盤ぶくれを抑止する支圧力を発生させる盤ぶくれ抑止杭を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の盤ぶくれ抑止杭において、前記拡径部は、前記場所打ち杭の中間部に形成された中間節部であり、前記中間節部の下端部には、前記場所打ち杭の周面から上方へ向けて拡大する円錐状に形成された傾斜面が設けられていることを特徴としている。
即ち、場所打ち杭の中間部には中間節部が形成され、中間節部の下端部には、場所打ち杭の周面から上方へ向けて拡大する円錐状の傾斜面が設けられている。この傾斜面が、傾斜面と接する土塊を介して、盤ぶくれ対象面を下方へ抑えるよう作用する支圧効果を発揮する。この支圧効果により、盤ぶくれ対象面の鉛直応力が増大され、盤ぶくれを抑止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の盤ぶくれ抑止杭において、前記中間節部は、前記掘削部の前記掘削底面と前記盤ぶくれ対象面との間に複数個形成されていることを特徴としている。
即ち、場所打ち杭には、中間節部が複数個形成されている。この結果、それぞれの傾斜面の支圧効果が重ね合わされ、より大きな支圧効果がとなり、盤ぶくれをより確実に抑止することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の盤ぶくれ抑止杭において、前記拡径部は、前記場所打ち杭の頭部に形成された拡頭部であり、前記拡頭部の下端部には、前記場所打ち杭の周面から上方へ向けて拡大する円錐状に形成された傾斜面が設けられていることを特徴としている。
即ち、場所打ち杭の杭頭部には拡頭部が形成され、拡頭部の下端部には、場所打ち杭の周面から上方へ向けて拡大する円錐状の傾斜面が設けられている。この傾斜面が、傾斜面と接する土塊を介して、盤ぶくれ対象面を下方へ抑えるよう作用する支圧効果を発揮する。この支圧効果により、盤ぶくれ対象面の鉛直応力が増大され、盤ぶくれを抑止することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の盤ぶくれ抑止杭において、前記拡頭部と前記盤ぶくれ対象面との間には、請求項2に記載の中間節部が形成されていることを特徴としている。
即ち、場所打ち杭の拡頭部と盤ぶくれ対象面との間には、中間節部が形成されている。この結果、拡頭部の傾斜面の支圧効果と、中間節部の傾斜面の支圧効果とが重ね合わされてより大きい支圧効果を発揮する。この結果、盤ぶくれをより確実に抑止することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の盤ぶくれ抑止杭において、前記場所打ち杭は、逆打ち工法における構真台柱であることを特徴としている。
これにより、施工時及び施工後に発生する鉛直軸力を、場所打ち杭で構築された構真台柱に受けさせることができる。
本発明は、上記構成としてあるので、杭外周面の摩擦力に加え、支圧力を発生させて盤ぶくれを抑止する盤ぶくれ抑止杭を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る盤ぶくれ抑止杭の基本構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る盤ぶくれ抑止杭と遮水工法における従来の場所打ち杭との構成比較を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る盤ぶくれ抑止杭と揚水工法における従来の場所打ち杭との構成比較を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る盤ぶくれ抑止杭の基本構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る盤ぶくれ抑止杭の基本構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る盤ぶくれ抑止杭の基本構成を示す図である。
(第1の実施の形態)
図1の地盤断面図に示すように、第1の実施の形態に係る盤ぶくれ抑止杭10は、場所打ち杭20に、後述する支圧力P3を発生させる中間節部24を設けた構成である。
場所打ち杭20は、断面で示す地盤34が掘削された掘削部12に建て込まれている。地盤34は、複数の透水層16A〜16Dと、複数の不透水層14A〜14Cが相互に積層された地層である。地盤34における自然状態での地下水の水位32は、透水層16Aの地表近くの高い位置にある。また、掘削部12内の水位33は、掘削底面28の地表近くにある。
掘削部12は、透水層16Aと不透水層14Aを貫通して掘削され、掘削底面28は、透水層16Bに設けられている。掘削部12の四周は、不透水層14Bまで貫入された遮水壁18で囲まれている。
遮水壁18は、例えば芯材が挿入されたソイルセメント柱列壁で構築され、下端部は掘削底面28の直下にある不透水層14Bに根入れされている。遮水壁18は遮水機能を有しており、透水層16A、16Bから掘削部12への地下水の浸入を遮断している。
掘削部12には、地下水を汲み上げる揚水井戸26が掘られている。揚水井戸26は、不透水層14Bの下の透水層16Cまで到達する深さで設けられており、透水層16Cの水を汲み上げ、不透水層14Bに加わる水圧を下げることができる。
ここに、太線で示す、盤ぶくれで変形する不透水層14Bの底面が盤ぶくれ対象面30とされている。即ち、不透水層14Bに下方から加わる水圧が、不透水層14Bを押し下げる力より大きい場合には、不透水層14Bが盤ぶくれを生じる。
盤ぶくれは、掘削部12の土塊が除去されたことに起因して、不透水層14Bが持ち上げられるものであることから、適正な対応を施さないと掘削底面28の変形や、掘削部12に地下水が噴出する恐れがある。
掘削部12には、場所打ち杭20が、不透水層14B、14Cを貫通して建て込まれている。場所打ち杭20の杭頭は掘削底面28にあり、先端部22は不透水層14Cの下方にある。ここに、場所打ち杭20は、逆打ち工法における構真台柱として活用される杭である。場所打ち杭20の先端部22は拡径され、鉛直軸力Wの支持力を増大させている。これにより、施工時及び施工後に発生する鉛直軸力Wを受けて、地盤34へ伝達させることができる。
場所打ち杭20の不透水層14Bと掘削底面28の間には、中間節部(拡径部)24が形成されている。
中間節部24は、図1(B)に示すように所定の高さH1で、場所打ち杭20の外周面を拡径して形成されている。中間節部24の形状は、上端部24Uから中央部24Mへ向けて、緩やかに拡径された傾斜面24Kと、中央部24Mと24Nの間に設けられた円筒状の外周面24Fを有している。更に、中央部24Nから下端部24Dへ向けて、急激に縮径された傾斜面25を有している。
この傾斜面25が、傾斜面25と接する土塊を介して、盤ぶくれ対象面30を下方(傾斜面25と直交する方向)へ押す力(支圧力p3)を発生させている。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
本実施の形態によれば、掘削部12は、掘削底面28まで廃土され、掘削底面28の直下の不透水層14Bに根入れされた遮水壁18により囲まれ、掘削部12の内部空間への地下水の浸入が遮断されている。
また、掘削底面28の直下の不透水層14Bの下は透水層16Cとなっている。このため、太線で示す盤ぶくれ対象面30には、自然状態においては、透水層16Cからの圧力(水圧)Pw1が上向きに作用する。この水圧Pw1の値は、被圧水頭32Aで決定される。
一方、盤ぶくれ対象面30に作用する下向きの力Pdは、地下水を含む土塊重量p1、場所打ち杭20の外周面の周面摩擦力p2、及び傾斜面25による支圧力p3を合計した力となる。即ち、Pd=p1+p2+p3である。
この結果、盤ぶくれ対象面30に作用する力のバランスから、Pw1≦Pdならば盤ぶくれは発生しない。しかし、Pw1>Pdならば盤ぶくれが発生する。
Pw1>Pdの条件においては、揚水井戸26からの地下水の汲み上げ量を調整し、地下水の水位32Bを所定値まで下げることで、盤ぶくれを抑止することができる。
例えば、一定量の地下水を揚水井戸26から汲み上げたとき、被圧水頭は32Aから32Bに低下する。このとき、盤ぶくれ対象面30に作用する水圧Pw2は、自然状態の水圧Pw1より小さくなる。従って、Pw2≦Pdの条件を確保することができれば、盤ぶくれを抑止することができる。
ここに、被圧水頭は32Aと32Bの水頭差S1を必要水位低下量という。即ち、必要水位低下量S1を、揚水井戸26からの地下水の汲み上げで確保できれば、盤ぶくれを抑止することができる。
本実施の形態においては、傾斜面25による支圧力p3が、盤ぶくれ対象面30に作用する下向きの力Pdに加算されるため、被圧水頭32Bを高くでき、必要水位低下量S1を小さくできる。この結果、揚水井戸26からの地下水の汲み上げ量を減らすことができる。
次に、効果について、従来の遮水工法及び揚水工法の構成と対比しながら説明する。
先ず、図2に示す遮水工法に適用した場合について説明する。ここに、遮水工法とは、掘削部12の周囲を遮水壁で遮水し、盤ぶくれを抑止する工法である。
図2(A)に、従来の遮水工法の構成を示す。図2(B)は、図1と同じ構成であり、対比のために記載している。地盤34の構成は既述した図1と同じである。
図2(A)においては、遮水壁38は不透水層14Cの深さまで構築され、揚水井戸40は、透水層16Dまで達する深さまで掘られている。また、盤ぶくれ面42は、不透水層14Bの下層の不透水層14Cの底面に形成されている。
場所打ち杭44は、不透水層14Cの下方まで建て込まれている。なお、場所打ち杭44には、中間節部は設けられていない。
図2(A)の構成とすることにより、盤ぶくれ面42が深い位置となり、盤ぶくれ面42より上部の土塊重量p1、及び場所打ち杭44の周面摩擦による押さえ込み力p2が増大する。この結果、盤ぶくれ面42に作用する下向きの合力力Pd2が増大する。
これにより、必要水位低下量S2は小さくなり、揚水井戸40から汲み上げる地下水の量は少なくなる。必要水位低下量S2を確保することにより盤ぶくれが抑止される。
これに対し、図2(B)に示す本実施の形態では、盤ぶくれ抑止杭10の傾斜面25が支圧力p3を生じさせる。この結果、盤ぶくれ対象面30を下方に押す力Pdは、上述したようにPd=p1+p2+p3となる。
この状態において、揚水井戸26から地下水を汲み上げ、必要水位低下量S1を確保することで盤ぶくれを抑止することができる。
即ち、本実施の形態では、支圧力p3が加えられることにより、図2(A)に示す従来の遮水工法と比較して、遮水壁38の貫入深さを浅くすることができる。さらに揚水井戸26の貫入深さを浅くすることができる。これにより、工期の短縮やコスト低減を図ることができる。
次に、図3に示す揚水工法に適用した場合について説明する。ここに、揚水工法とは、盤ぶくれ対象面の下の地下水を汲み上げ、盤ぶくれを抑止する工法である。
図3(A)に遮水工法の構成を示す。図3(B)は、図1と同じ構成であり、対比のために記載している。地盤34の構成は既述した図1と同じである。
図3(A)においては、遮水壁18は不透水層14Bの深さまで構築され、揚水井戸40は、透水層16Cまで達する深さに掘られている。また、盤ぶくれ対象面30は、不透水層14Bの底面に形成されている。
場所打ち杭44は、不透水層14Cの下方まで建て込まれている。なお、場所打ち杭44には、中間節部は設けられていない。
即ち、揚水工法においては、図3(A)の構成において、透水層16Cの地下水を大量に汲み上げることにより、大きな必要水位低下量S3を確保している。これにより、盤ぶくれ面30に作用する水圧を下げて盤ぶくれを抑止する。
これに対し、図2(B)に示す本実施の形態では、盤ぶくれ抑止杭10の傾斜面25が支圧力p3を生じさせる。この結果、盤ぶくれ対象面30を下方に押す力Pdは、上述したようにPd=p1+p2+p3となる。
この状態において、揚水井戸26から地下水を汲み上げ、必要水位低下量S1を確保することで盤ぶくれを抑止することができる。
即ち、本実施の形態では、支圧力p3が加えられることにより、図3(A)に示す従来の揚水工法と比較して、揚水井戸26からの地下水の汲み上げ量を少なくすることができる。これにより、排水費用の削減や周囲の井戸の枯渇、地盤沈下を抑制できる。
(第2の実施の形態)
図4に示すように、第2の実施の形態に係る盤ぶくれ抑止杭46は、場所打ち杭20の外周面に2個の中間節部を有している。即ち、第1の実施の形態で説明した盤ぶくれ抑止杭10に、第2の中間節部48を追加した構成である。
中間節部48は、中間節部24と盤ぶくれ対象面30との間に形成されている。ここに、中間節部48の形状は、既述した中間節部24と同じであり、下端部には、傾斜面58が形成されている。
これにより、中間節部24の傾斜面25で発生する支圧効果p3に加え、第2の中間節部48の傾斜面58の支圧効果p4が盤ぶくれ対象面30に作用する。この結果、必要水位低下量S4をより小さくでき、揚水井戸26からの地下水の汲み上げ量を少なくすることができる。この結果、不透水層14Bの盤ぶくれをより確実に抑止することができる。
他の構成は、第1の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
(第3の実施の形態)
図5に示すように、第3の実施の形態に係る盤ぶくれ抑止杭50は、場所打ち杭20の杭頭部が拡径された拡頭部52を有している。ここに、拡頭部52は、図5(B)に示すように、高さはH2とされ、場所打ち杭20の外径より大径とされた円筒状の外周面60と、拡頭部52の下端部に円錐状に形成された傾斜面53とを有している。
この傾斜面53が、上述したように、傾斜面53と接する土塊を介して盤ぶくれ対象面30を下方へ抑えるよう作用する支圧力p3を発生させる。この状態において、揚水井戸26から地下水を汲み上げ、必要水位低下量S5を確保することで盤ぶくれを抑止することができる。
他の構成は、第1の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
(第4の実施の形態)
図6に示すように、第4の実施の形態に係る盤ぶくれ抑止杭54は、杭頭部が拡径された拡頭部52、及び中間節部56を有している。即ち、第3の実施の形態で説明した盤ぶくれ抑止50に、第2の中間節部56を追加した構成である。
中間節部56は、拡頭部52と盤ぶくれ対象面30との間に形成されている。中間節部56の構成は中間節部48と同じであり、下端部には傾斜面58が形成されている。
これにより、拡頭部52の傾斜面で発生する支圧力p3に加え、第2の中間節部56の傾斜面58の支圧力p4が加算され、盤ぶくれ対象面30を下方へ抑えるよう作用する。この結果、必要水位低下量S6がより小さくなり、揚水井戸26からの地下水のを汲み上げ量が少なくなる。これにより、盤ぶくれをより確実に抑止することができる。
他の構成は、第3の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
10 盤ぶくれ抑止杭
12 掘削部
14 不透水層
16 透水層
18 遮水壁
20 場所打ち杭
24 中間節部(拡径部)
25 傾斜面
26 揚水井戸
28 掘削底面
30 盤ぶくれ対象面
52 拡頭部

Claims (6)

  1. 不透水層まで貫入された遮水壁で囲まれ前記不透水層の底面である盤ぶくれ対象面より下部の水を汲み上げる揚水井戸が設けられた掘削部に、前記不透水層の下方まで建て込まれ杭頭が掘削底面にある場所打ち杭と、
    前記場所打ち杭の前記盤ぶくれ対象面より上方に形成された拡径部と、
    を有する盤ぶくれ抑止杭。
  2. 前記拡径部は、前記場所打ち杭の中間部に形成された中間節部であり、前記中間節部の下端部には、前記場所打ち杭の周面から上方へ向けて拡大する円錐状に形成された傾斜面が設けられている請求項1に記載の盤ぶくれ抑止杭。
  3. 前記中間節部は、前記掘削部の前記掘削底面と前記盤ぶくれ対象面との間に複数個形成されている請求項2に記載の盤ぶくれ抑止杭。
  4. 前記拡径部は、前記場所打ち杭の頭部に形成された拡頭部であり、前記拡頭部の下端部には、前記場所打ち杭の周面から上方へ向けて拡大する円錐状に形成された傾斜面が設けられている請求項1に記載の盤ぶくれ抑止杭。
  5. 前記拡頭部と前記盤ぶくれ対象面との間には、請求項2に記載の中間節部が形成されている請求項4に記載の盤ぶくれ抑止杭。
  6. 前記場所打ち杭は、逆打ち工法における構真台柱である請求項1〜5のいずれか1項に記載の盤ぶくれ抑止杭。
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