JP3780191B2 - 建物の構築工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は建物の構築工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すように、不透水層15、16と、高い被圧透水層17とが互層になった地盤18に建物を構築する場合は、地下の掘削工事により盤ぶくれが発生するおそれがある。この盤ぶくれの防止対策として市街地における工事では、大量の揚水が周辺地盤の沈下を誘因するため、山留め壁19を下側の不透水層16まで根入れして内部の水位のみを掘削深度以深に低下する方法が取られている。このとき不透水層15下端面において、掘削底以深の土被り圧が被圧水圧より小さくなると盤ぶくれが発生する(図3においてはγH1/FS<uw、FS は安全率)。またこのような対策として、掘削底以深の土被り圧が被圧水圧より大きくなる深度の不透水層16まで山留め壁19を根入れする(図3においてはγH2/FS>uw)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような盤ぶくれ防止対策は、掘削底以深の土被り圧が被圧水圧より大きくなる深度の不透水層まで山留め壁を根入れするため、コストおよび工期がかかるという問題があった。
【0004】
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、不透水層と、高い被圧透水層とが互層になった地盤に建物を構築する場合に、コストの低減と工期の短縮を図ることができる建物の構築工法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための本発明の建物の構築工法は、不透水層と、高い被圧透水層とが互層になった地盤に建物の地下外壁用の山留め壁を上側の不透水層に根入れした状態で構築し、該山留め壁で囲まれた地盤における上側の不透水層の近傍に、構真柱を備えた構真柱杭を適宜間隔ごとに打設し、山留め壁内の地盤の表面を掘削して1階床を構築して山留め壁に作用する土圧を支持するとともに、この1階床を作業床にして上部構造を構築し、この逆打ち躯体の荷重を構真柱杭に負担させつつ1階床の下側地盤を掘削して地下躯体を構築することを特徴とする。また構真柱杭の下部が下側に向かって漸次大径になっていることを含む。また逆打ち荷重による被圧境界層の応力増分と、掘削底以深の土被り圧との合計が被圧水圧より大きくなる逆打ち躯体の荷重を構真柱杭に載荷することを含むものである。
【0006】
逆打ち躯体の荷重を不透水層の抑え荷重として利用することができるので、山留め壁の根入れ深さを短くすることができる。山留め壁の根入れ深さを短くすることができるので、大幅なコストダウンを図ることができる。例えば、50×50mの地下工事で山留め壁にSMW壁を使用した場合、根入れ深さが5m短くなると約一千万円のコストダウンになる。また山留め壁全体の長さが短くなるので、工期の短縮にもなり、汚泥などの産業廃棄物の発生を抑えることができ、環境負荷を低減することもできる。また逆打ち荷重による被圧境界層の応力増分と、掘削底以深の土被り圧との合計圧が被圧水圧より大きくなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の建物の構築工法(以下、構築工法という)の実施の形態を図面に基づいて説明する。各実施の形態において同じ構成は同じ符号を付して説明し、異なった構成にのみ異なった符号を付して説明する。
【0008】
図1は、第1の実施の形態の構築工法を示したものである。この構築工法における地盤1は、不透水層2、3と、高い被圧透水層4とが互層になったものであり、山留め壁で囲まれた地盤6を掘削して、不透水層2下端面における掘削底以深の土被り圧が被圧水圧より小さくなると盤ぶくれが発生するものである。
【0009】
このような地盤1において、まず建物の地下外壁用の山留め壁5、例えばSMW壁を上側の不透水層2に根入れした状態で構築する。次に、この山留め壁5で囲まれた地盤6における上側の不透水層2の近傍に、構真柱(鉄骨柱)7を備えた構真柱杭8を適宜間隔ごとに打設する。この構真柱杭8の下部は下側に向かって漸次大径になっている。
【0010】
次に、山留め壁内の地盤6の表面を掘削して1階床(梁およびスラブ)9を構築し、これを切梁りや腹起しの代わりにして山留め壁5に作用する土圧を支持する。次に、この1階床9を作業床にして上部構造を構築するとともに、1階床9の下側地盤を地下1階床10が構築される箇所まで掘削する。次に、前記の1階床9と同じ方法で地下1階床10を構築するとともに、該地下1階床10と1階床9との間の柱11を構築する。このような方法で、地下1階床10と柱11とを順次構築して地下躯体を完成させる。このように根切り工事と並行して構築される地下躯体の荷重(逆打ち躯体荷重)を構真柱杭8に負担させて不透水層2の抑え荷重として利用する。すなわち、土被り圧に代わる逆打ち躯体荷重によって、不透水層2に作用する水圧を抑えて盤ぶくれの発生を防ぐものである。この逆打ち荷重の大きさと掘削深さL1は、逆打ち荷重による被圧水層と境界(深さH1の位置)の応力をσw、安全率Fsとし、被圧力をuw、掘削以深単位体積重量γとしてFs=(σw+γH1)÷uwの関係を満たすように決定する。この関係を各掘削段階で検討することにより、各掘削ステップで安全率を保持しながら、安全に掘削することができる。この際、構真柱杭8先端から地中に伝達させる荷重を不透水層2下端面において均一に分散させるには、荷重の分散角度θを1:2とすると、構真柱杭8先端から不透水層2下端面までの長さH1を構真柱杭8の設置間隔(ピッチ)以上にする必要がある。
【0011】
また図2は、第2の実施の形態の構築工法を示したものである。この構築工法は、柱のない空間(吹き抜けなど)のある建物や、柱が均等に設置されていない建物を対象としたものである。この場合は、図2に示すように、柱が設置されない箇所に、仮設の構真柱12を備えた構真柱杭8を設置し、この構真柱杭8に地下躯体の荷重(逆打ち躯体荷重)を負担させて不透水層2の抑え荷重とした後に、前記の仮設の構真柱12を撤去するようにしたものである。このことにより前記と同じ効果を奏することができる。
【0012】
【発明の効果】
逆打ち躯体の荷重を不透水層の抑え荷重として利用することができるので、山留め壁の根入れ深さを短くすることができる。
【0013】
山留め壁の根入れ深さを短くすることができるので、大幅なコストダウンを図ることができる。
【0014】
山留め壁全体の長さが短くなるので、工期の短縮にもなり、汚泥などの産業廃棄物の発生を抑えることができ、環境負荷を低減することもできる。
【0015】
逆打ち荷重による被圧境界層の応力増分と、掘削底以深の土被り圧との合計圧を被圧水圧より大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)は第1の実施の形態の構築工法を示す断面図、(2)は(1)の平面図である。
【図2】第2の実施の形態の構築工法を示す断面図である。
【図3】従来の実施の形態の構築工法を示す断面図である。
【符号の説明】
1、18 地盤
2、3、15、16 不透水層
4、17 被圧透水層
5、19 山留め壁
6 山留め壁内の地盤
7 構真柱
8 構真柱杭
9 1階床
10 地下1階床
11 柱
12 仮設の構真柱
θ 荷重の分散角度
Claims (3)
- 不透水層と、高い被圧透水層とが互層になった地盤に建物の地下外壁用の山留め壁を上側の不透水層に根入れした状態で構築し、該山留め壁で囲まれた地盤における上側の不透水層の近傍に、構真柱を備えた構真柱杭を適宜間隔ごとに打設し、山留め壁内の地盤の表面を掘削して1階床を構築して山留め壁に作用する土圧を支持するとともに、この1階床を作業床にして上部構造を構築し、この逆打ち躯体の荷重を構真柱杭に負担させつつ1階床の下側地盤を掘削して地下躯体を構築することを特徴とする建物の構築工法。
- 構真柱杭の下部が下側に向かって漸次大径になっていることを特徴とする請求項1に記載の建物の構築工法。
- 逆打ち荷重による被圧境界層の応力増分と、掘削底以深の土被り圧との合計が被圧水圧より大きくなる逆打ち躯体の荷重を構真柱杭に載荷することを特徴とする請求項2に記載の建物の構築工法。
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