JP2013001084A - 露光装置及びその調整方法、並びに画像形成装置 - Google Patents

露光装置及びその調整方法、並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】露光装置の各レーザ光源についてAPCを行う際に必要となる基準データを、工場出荷時に、より簡易に取得する技術を提供する。
【解決手段】本発明の露光装置は、複数のレーザ光源(LD)を備え、各LDについて、APCの際に駆動電流を許容される範囲内に制限するための基準として用いる基準データを取得し、メモリに格納する。第1のレーザ光源(LD1)の基準データについては、工場出荷時に予めメモリに格納しておく。一方で、それ以外のLDについては、メモリに格納されたLD1の基準データに基づいて取得する。露光装置は、LD1以外の各LDに供給する駆動電流として、各LDの光量が、メモリに格納されているLD1の基準データに基づいてLD1を発光させた際のLD1の光量と等しくなる駆動電流を、それぞれ決定する。さらに、LD1以外の各LDについて、決定した駆動電流を基準データとしてメモリに格納する。
【選択図】図4

Description

本発明は、露光装置及びその調整方法、並びに当該露光装置を使用する画像形成装置に関するものである。
一般に、電子写真方式の画像形成装置に用いられる光走査装置などの露光装置においては、レーザ光源として用いられるレーザダイオード(LD)の画像形成中の光量を一定にするために、自動光量制御(APC:Automatic Power Control)が行われる。例えば、特許文献1には、複数の光ビーム(レーザビーム)で感光体を走査して露光するために、複数のレーザ光源を有するマルチビーム方式の画像形成装置が提案されている。このような画像形成装置は、複数のレーザ光源から出力する光ビームの本数よりも少ない数のセンサを用いて、各光ビームの光量を時分割に検出することで、全ての光ビームの光量を検出するとともに、各レーザ光源について個別に自動光量制御を行う。
また、特許文献2には、複数の発光点を備えるレーザ光源から出力された複数の光ビームで感光体を走査する光走査装置において、各発光点からの光ビームの光量をAPCにより個別に調整する技術が提案されている。特許文献2の光走査装置では、複数の発光点から出力される光ビームのそれぞれについて、感光体を光ビームで走査する際の同期処理のための光ビームの検知と、APCのための光ビームの光量のモニタリングとの双方を、1つの受光センサで行う。
露光装置に設けられるLDは、電流源から供給される駆動電流に応じた光量の光ビームを出力する。上述のように、露光装置において実行されるAPCでは、LDに対して電流源から供給する駆動電流を制御することによって、LDが発光する光ビームの光量を制御する。一般に、LDは過電流によって壊れやすい性質を有するため、LDに供給する駆動電流を制御する際には、あまりに大きな電流とならないように適切な範囲で電流値を制御する必要がある。
APCによってLDの光量を制御する際に、LDに対する駆動電流を適切な範囲で制御するためには、当該駆動電流を許容可能な範囲に制限するための基準データが必要となる。この基準データは、例えば、LDに供給すべき駆動電流の制限値(100%の光量に対応する最大値)であり、工場出荷時にLDを露光装置に組み込む際に、当該LDの特性を事前に測定することによって取得される。また、露光装置に複数のLDを組み込んで、当該露光装置をマルチビーム方式で動作させる場合には、工場出荷時に、当該複数のLDのそれぞれについて個別に基準データを取得する必要がある。
特開昭63−163872号公報 特開平09−230259号公報
上述のように、工場出荷時には、露光装置に組み込む各LD(レーザ光源)について、APCを行う際に用いる基準データを個別の測定により取得して、取得したデータを記憶装置に格納させておく必要がある。しかしながら、露光装置のマルチビーム化に伴って、測定を行うべきLDの数が増大すると、工場出荷時に、装置の組立工程における工数が増大するとともに、各LDの特性の測定に要する時間が増大することになる。従って、工場出荷時に装置を組み立てる際の生産性が低下してしまう問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、マルチビーム方式の露光装置の各レーザ光源についてAPCを行う際に必要となる基準データを、より簡易に取得する技術を提供することを目的としている。
本発明は、例えば、露光装置として実現できる。露光装置は、それぞれが電流源から供給される駆動電流によって光ビームを出力する複数のレーザ光源を備える光走査装置であって、複数のレーザ光源のうち、第1のレーザ光源に供給すべき駆動電流を制御することによって当該第1のレーザ光源の光量を所定の目標光量に制御する際に、当該駆動電流を許容される範囲内に制限するための基準として用いられる基準データが格納された記憶手段と、複数のレーザ光源のうち、第1のレーザ光源以外の第2のレーザ光源に供給する駆動電流であって、当該第2のレーザ光源の光量が、記憶手段に格納されている基準データに基づいて第1のレーザ光源を発光させた際の当該第1のレーザ光源の光量と等しくなる駆動電流を決定する決定手段と、決定手段によって決定された駆動電流を、第2のレーザ光源に供給すべき駆動電流を制御する際の基準データとして、記憶手段に格納する格納手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、マルチビーム方式の露光装置の各レーザ光源についてAPCを行う際に必要となる基準データを、より簡易に取得する技術を提供できる。その結果として、工場出荷時に、装置の組立工程における工数がマルチビーム化に伴って増大することを防ぐことが可能になる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置100の概略的な断面図である。 本発明の実施形態に係る光走査装置101の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るレーザチップ203の拡大図である。 本発明の実施形態に係る光量制御部207による制御に基づく基準データの取得処理に関連する構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る基準データの取得処理全体の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る代表LD以外のLDにつての基準データの取得処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る基準データの取得処理におけるメモリ208内のデータの変化の様子を示す図である。 本発明の実施形態に係る光走査装置101の構成について、光ビームを検出するセンサ(受光部)の異なる配置例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<画像形成装置100の構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成及び動作について説明する。画像形成装置100は、例えば、複写機、プリンタ(印刷装置)、ファクシミリ装置、又は複合機(MFP)であり、入力された画像情報に応じて記録材の表面に画像を形成する機能を有する。画像形成装置100は、露光装置の一例としての光走査装置101を備える。光走査装置101は、複数のレーザ光源として複数のレーザダイオード(LD)を備え、当該複数のLDが出力する複数の光ビーム(レーザビーム)で、露光対象である感光ドラム102の表面を走査することによって、感光ドラム102を露光する。ここで、感光ドラム102は、像担持体の一例である。画像形成の際には、複数の光ビームによる露光が行われる前に、帯電器(図示せず)が感光ドラム102の表面を予め帯電する。
光走査装置101が備える各LDは、電流源から供給される駆動電流に応じた光ビームを出力する。この駆動電流は、記録材に形成すべき画像を示す画像情報に基づいて変調される。光走査装置101は、画像情報に応じた駆動電流を各LDに供給することによって、当該画像情報に応じた複数の光ビームで感光ドラム102の表面を露光する。その結果、感光ドラム102の表面には、記録材への形成対象の画像に対応する静電潜像が形成される。
その後、感光ドラム102の回転に伴って、その表面に形成された静電潜像が、現像装置103(例:現像ローラ)と感光ドラム102との間のニップ部に搬送される。現像装置103は、当該ニップ部において、感光ドラム102の表面の静電潜像に現像剤(例:トナー)を付着させることによって、当該静電潜像を現像する。これにより、感光ドラム102の表面には、記録材に転写すべき画像が形成される。現像された画像(現像剤像)は、その後、感光ドラム102の回転に伴って、転写装置104(例:転写ローラ)と感光ドラム102との間の転写ニップ部110に搬送される。
一方で、感光ドラム102の表面に形成された画像が転写ニップ部110に到達するタイミングに合わせて、記録材積載部106から記録材Sが給紙され、搬送路上を搬送される。転写ニップ部110では、転写装置104から印加される所定の電圧の作用によって、感光ドラム102上の画像が、記録材Sの表面に転写される。転写ニップ部110において画像が転写された記録材Sは、その後、定着装置105に搬送される。定着装置105は、搬送された記録材Sに熱及び圧力を加えることにより、記録材Sの表面に画像を定着させる。定着装置105による定着処理の後、記録材Sは画像形成装置100の外部に排紙される。
<光走査装置101の構成>
次に、図2及び図3を参照して、光走査装置101の概略的な構成について説明する。本実施形態において、光走査装置101は、ポリゴンミラー201、ポリゴンモータ202、レーザチップ203、f−θレンズ204、BDセンサ205、及び折り返しミラー206を備える。また、光走査装置101は、これら各部の動作を制御する光量制御部207、及び光量制御部207が使用する種々のデータが格納されるメモリ208をさらに備える。レーザチップ203は、複数の半導体レーザであるレーザダイオード(LD)と、1個のフォトダイオード(PD)とを備え、感光ドラム102の露光に用いる複数の光ビームを当該複数のLDから出力する。なお、本実施形態において、メモリ208は記憶手段として機能する。
本実施形態では、レーザチップ203は、複数のレーザ光源として、LD1、LD2、LD3、及びLD4を含む4つのLDを備える。LD1、LD2、LD3、及びLD4は、図3に示すように、それぞれ光量制御部207内の電流源(図示せず)から供給される駆動電流によって、光ビーム301、302、303及び304を出力する。このように、光走査装置101は、これら4つのLDから出力する4つの光ビームで、露光対象である感光ドラム102の表面を露光する。本実施形態では、LD1〜LD4のうち、LD1を、供給可能な駆動電流の上限値を事前に測定する対象のLDに相当する、代表のLD(以下、「代表LD」と称する。)とする。なお、LD1は第1のレーザ光源に相当し、LD2〜L4は、第1のレーザ光源以外の第2のレーザ光源に相当する。後述するように、この上限値は、APCを行う際に駆動電流を許容される範囲内に制限するための基準として用いる基準データを決定するために使用される。
画像形成装置100において画像形成が開始されると、光量制御部207は、光走査装置101内の各部の制御を開始する。光量制御部207は、光量制御部207内の複数の電流源から、レーザチップ203内の、対応するLD(LD1〜LD4)に駆動電流を供給することによって、LD1〜LD4を発光させる。レーザチップ203のLD1〜LD4から出力された複数の光ビームは、ポリゴンミラー201に入射する。ポリゴンミラー201は、複数の鏡面を備え、光量制御部207による制御に基づいて動作するポリゴンモータ202によって回転駆動され、図3に示す矢印方向に等角速度で回転している。ポリゴンミラー201は、矢印方向への回転に伴って、入射した各光ビームが連続的な角度で偏向されるように、各光ビームを反射する。
ポリゴンミラー201によって偏向された光ビームは、f−θレンズ204に入射する。f−θレンズ204は、入射した複数の光ビームに対して、集光作用を与える。さらに、f−θレンズ204は、f−θレンズ204を通過して折り返しミラー206に反射された複数の光ビームが、感光ドラム102の表面を走査する際の時間的な直線性を保証するような歪曲収差の補正を行う。これにより、当該複数の光ビームは、感光ドラム102の表面で結合して、当該表面を矢印方向に等速で走査する。
ここで、BD(Beam Detect)センサ205(受光部)は、ポリゴンミラー201からの反射光を検出するためのセンサである。BDセンサ205は、ポリゴンミラー201の各鏡面によって反射される光ビームのうち、走査開始側における光ビームを検知する位置に配置されている。BDセンサ205は、光ビームを検出すると、光ビームを検出したことを示す信号(BD信号)を、光量制御部207に出力する。光量制御部207は、入力されたBD信号を、ポリゴンミラー201の回転と、レーザチップ203における画像信号を用いた画像の書き込み開始タイミングとの同期処理のための同期信号として用いる。
このような光走査装置101において、LD1〜LD4のそれぞれについてAPCを行う際には、各LDに供給する駆動電流を許容される範囲内に制限するための基準となるデータが必要となる。このデータは、上述のように、LDに供給する駆動電流が過電流となって当該LDが壊れることを防止するために、駆動電流を適切な範囲(許容される範囲)で制御するための基準となるデータに相当する。この基準データは、駆動電流の制限値として、例えば、光量の制御範囲の最大値(100%の光量)に対応する駆動電流として、予め用意される。
このような基準データは、工場出荷時に、光走査装置101に組み込むLD1〜LD4のそれぞれについて、測定工具(光量調整工具)を用いて事前に測定することによって、得ることができる。しかし、マルチビーム方式の光走査装置101では、複数のLDのそれぞれについてかかる測定を行うと、上述のように、工場出荷時の装置の組立工程における工数が増大し、かつ、全体の測定時間が増大し、その結果、生産性が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、光走査装置101に組み込まれるLD1〜LD4の基準データを、LD1〜LD4の全てについて事前の測定を行うことなく取得する。即ち、代表LDとするLD1(第1のレーザ光源)については、これまでと同様、事前の測定によって基準データを取得しておく。その一方で、それ以外のLD2〜LD4(第2のレーザ光源)については、事前の測定を必要とすることなく、基準データを取得する。即ち、LD2〜LD4については、LD1について測定により求めた基準データに基づいてLD1を発光させた際のLD1の光量に、LD2〜LD4の光量を合わせた場合の駆動電流を、基準データとして取得する。
より具体的には、LD1の基準データに相当する駆動電流でLD1を発光させた際の光量を検出して光量検出値を得るとともに、LD2〜LD4の光量を、LD1の光量検出値と等しくなるように、LD2〜LD4に供給する駆動電流を調整する。当該調整により、LD1に光量検出値と、LD2〜LD4のそれぞれの光量検出値とが等しくなった際に、LD2〜LD4にそれぞれ供給されている駆動電流を、それらの基準データとして取得する。以下では、光走査装置101において実行される具体的な処理について、より詳細に説明する。
なお、以下では、各LDの光量を検出するためのセンサ(受光部)として、BDセンサ205を用いる場合について説明している。しかし、各LDの光量を検出するセンサとして、図8に示すように、感光ドラム102の表面の近傍に設けられたPDセンサ801が用いられてもよい。PDセンサ801は、折り返しミラー206による反射後の、各LDからの光ビームについて、感光ドラム102の表面における実際の光量に近い光量を検出することができる。あるいは、レーザチップ203内に設けられたPDが、各LDの光量を検出するセンサ(受光部)として用いられてもよい。このような何れの場合にも、以下で説明する処理と同等の効果を得ることが可能である。
<基準データの取得処理に関するブロック構成>
次に、図4のブロック図を参照して、工場出荷時に、代表LDであるLD1(第1のレーザ光源)についての事前の測定により得られた基準データに基づいて、LD2〜LD4(第2のレーザ光源)に対応する基準データを取得する処理について説明する。なお、同図では、LD1〜LD4のそれぞれを用いて実行すべき処理を、1つの図面で共通に示している。
図4に示すように、光量制御部207は、CPU401、APC回路402、及びA/D変換回路403を備えている。APC回路402は、レーザチップ203内のLD1〜LD4のそれぞれについて、CPU401からの指示に応じて光量の制御を行うための回路であり、電流源から各LDに供給すべき駆動電流を制御することによって、各LDの光量を制御する。即ち、APC回路402は、LD1〜LD4についてのAPCを実行するための回路である。APC回路402は、さらに、工場出荷時には、代表LDに対応する基準データから、LD2〜LD4に対応する基準データを取得するために、CPU401からの指示に応じて、LD1〜LD4の光量の制御を行う。
メモリ208には、代表LD(LD1)に供給すべき駆動電流をAPCにより制御する際に基準として用いる基準データが、予め格納されている。メモリ208に格納されている代表LDに対応する当該基準データは、当該代表LDに対して供給可能な駆動電流の上限値から、所定の量だけ低減した値に相当するデータである。この駆動電流の上限値から所定の量だけ低減した値は、工場出荷時に、代表LD1を用いて、測定工具(光量調整工具)により事前に測定される。このように、駆動電流の上限値そのものをLD1の駆動電流の制御範囲の最大値(制限値)とするのではなく、ある程度の余裕度を確保するために、当該上限値から、当該余裕度に相当する所定の量だけ低減させた値に相当するデータを、基準データとすればよい。
光量制御部207は、代表LD(LD1)以外のLD2〜LD4に対応する基準データを取得するために、LD2〜LD4に供給する駆動電流であって、LD1を対応する基準データに基づいて発光させた際の光量と等しい光量で発光させる駆動電流を決定する。さらに、光量制御部207は、LD2〜LD4のそれぞれについて決定した駆動電流を、APCの際にLD2〜LD4に供給すべき駆動電流を許容される範囲内に制限するための基準として用いられる基準データとして、メモリ208に格納する。
(代表LDの光量検出値の取得)
次に、光量制御部207によって実行される処理について、図4を参照しながら、より具体的に説明する。まず、CPU401は、メモリ208に予め格納された代表LDの基準データに基づいて、当該基準データに相当する駆動電流によって当該代表LDを発光させて、当該代表LDの光量を、光量検出値として取得する。
CPU401は、メモリ208を参照して、メモリ208に予め格納されている代表LDに対応する基準データを読み出す。その後、CPU401は、読み出した基準データに相当する駆動電流に応じた光量で代表LDを発光させるため、当該基準データに対応する駆動電流を当該代表LDに供給するように、APC回路402に命令する。APC回路402は、CPU401からの命令に応じて、指定された大きさの駆動電流を電流源から代表LD(LD1)に供給する制御を実行する。
APC回路402から供給される駆動電流によって、レーザチップ203内のLD1〜LD4のうち、代表LD(LD1)が発光する。代表LDの発光により出力された光ビームは、BDセンサ205(受光部)に入射する。BDセンサ205は、受光した光ビームの光量に比例した電圧を、A/D変換回路403に出力する。A/D変換回路403は、入力されたアナログ値の電圧をデジタル値に変換して、CPU401に出力する。これにより、CPU401は、メモリ208に予め格納された基準データに相当する駆動電流によって代表LDが発光した光ビームの光量を、対応する電圧値として検出できる。CPU401は、検出した電圧値を、代表LDの光量検出値としてメモリ208に格納する。
(LD2〜LD4の基準データの取得)
次に、CPU401は、取得した代表LD(LD1)の光量検出値に基づいて、代表LD以外のLD2〜LD4に対応する基準データを取得する。CPU401は、LD2〜LD4のそれぞれについて、APC回路402から当該LDに供給する駆動電流を調整することによって、代表LDの光量検出値に基づいて、当該LDに対応する基準データとなる駆動電流を特定する。ここでは、LD2について説明するが、LD3及びLD4についても、LD2について行う処理と同様の処理を行えばよい。
まず、CPU401は、APC回路402に対して、駆動電流値として任意の初期値(例えば低い駆動電流値)を指定して、LD2に対する駆動電流の供給を開始するように命令する。APC回路402は、CPU401から指定された大きさの駆動電流を、電流源からLD2に供給する制御を実行する。APC回路402から供給される駆動電流によって、レーザチップ203内のLD2が、当該駆動電流の電流値に応じた光量で発光する。
LD2の発光により出力された光ビームは、BDセンサ205(受光部)に入射する。BDセンサ205は、上述と同様、受光した光ビームの光量に比例した電圧を、A/D変換回路403に出力する。A/D変換回路403は、入力されたアナログ値の電圧をデジタル値に変換して、CPU401に出力する。これにより、CPU401は、LD2が出力した光ビームの光量を、対応する電圧値として検出できる。
さらに、CPU401は、検出したLD2の光量検出値(電圧値)と、メモリ208に既に格納されている代表LDの光量検出値(電圧値)とを比較して、これらが等しいか否かを判断する。CPU401は、当該比較の結果、双方の光量が等しくない場合には、LD2の光量が代表LDの光量と等しくなるように、APC回路402からLD2に供給する駆動電流を調整するように、APC回路402に命令する。例えば、CPU401は、代表LDの光量検出値よりも、LD2の光量検出値の方が少ない場合、LD2の光量を増大させるために、駆動電流を増加させるようにAPC回路402に命令すればよい。
CPU401は、LD2の駆動電流の調整と光量検出値の比較とを、LD2の光量検出値が代表LDの光量検出値と等しくなるまで繰り返す。最終的に、CPU401は、双方の光量が等しくなった際に、APC回路402からLD2に供給している駆動電流を、LD2の基準データに対応する、駆動電流の決定値として特定する。CPU401は、特定した駆動電流値を、LD2の基準データとしてメモリ208に格納する。その後、CPU401は、LD2について行った上述の処理を、LD3及びLD4についても実行することによって、LD3及びLD4の基準データも取得して、同様にメモリ208に格納する。
<基準データの取得処理に関するフローチャート>
次に、上述の図4を用いて説明した、工場出荷時に行われる、LD2〜LD4(第2のレーザ光源)に対応する基準データの取得処理の流れについて、図5及び図6のフローチャートを参照しながら説明する。図5及び図6に示す各ステップの処理は、CPU401がメモリ208等に予め格納された制御プログラムをRAM(図示せず)に読み出して実行することによって実現される。なお、上述のように、代表LD(LD1)についての事前の測定により取得された、代表LDに対応する基準データが、メモリ208に予め格納されているものとする。
まず、S501で、CPU401は、代表LDの光量検出値が既にメモリ208に格納されているか否かを判定する。ここで、CPU401は、当該光量検出値が、メモリ208に格納されていると判定した場合、S504へ処理を進める一方で、格納されていないと判定した場合、S502へ処理を進める。
S502で、CPU401は、予めメモリ208に格納されている代表LDの基準データを参照して、当該基準データに相当する駆動電流を代表LDに供給することで、当該基準データに対応する光量で当該代表LDを発光させる。その後、S503で、CPU401は、発光させた代表LDの光ビームがBDセンサ205(受光部)で受光されることによって当該受光部から出力される、光量検出値を取得する。その際、CPU401は、取得した光量検出値をメモリ208に格納しておく。その後、CPU401は、処理をS504へ進める。
S504で、CPU401は、代表LD以外のLD2〜LD4に対応する基準データを取得して、メモリ208に格納するための処理を実行する。具体的には、以下で説明する、図6に示すフローチャートに従った処理を実行する。
S601で、CPU401は、代表LD以外の全LD(LD2〜LD4)についての基準データが、メモリ208に既に格納されているか否かを判定する。ここで、CPU401は、全LDの基準データが、メモリ208に格納されていると判定した場合、処理を終了する一方で、格納されていないと判定した場合、処理をS602へ進める。S602で、CPU401は、基準データを未取得のLD(LD2〜LD4の何れか)を発光させる。ここでは、CPU401は、例えば、LD2〜LD4の順に、未だ基準データを未取得のLDに対して、所定の初期値に対応する駆動電流を供給することによって発光させればよい。所定の初期値とは、設計時に把握されるLDを故障させない程度の駆動電流値である。
次に、S603で、CPU401は、発光させたLDの光ビームがBDセンサ205(受光部)で受光されることによって当該受光部から出力される、光量検出値を取得する。さらに、S604で、CPU401は、(S603で取得した)発光させたLDの光量検出値が、(S503で取得してメモリ208に格納されている)代表LDの光量検出値と等しいか否かを判定する。ここで、CPU401は、これらの光量検出値が等しくないと判定した場合、S605へ処理を進める。
S605で、CPU401は、発光させているLDに供給する駆動電流を、異なる電流値の駆動電流に調整することによって、当該LDの光量を調整する。その後、CPU401は、S603及びS604の処理を再び実行する。S604で、発光させたLDの光量検出値が代表LDの光量検出値と等しいと判定した場合、S606へ処理を進める。このように、S603〜S605の処理は、発光させたLDの光量と代表LDの(基準データに基づく)光量とが等しくなるまで繰り返される。
S606で、CPU401は、発光させたLDへその時点で供給している駆動電流の電流値を、当該LDについての基準データとしてメモリ208に格納する。さらに、S607で、CPU401は、基準データの取得が完了したLDを消灯させて、処理をS601へ戻す。S601で、CPU401は、再び、代表LD以外の全LDについての基準データが、メモリ208に格納されているかを判定することによって、基準データが未取得のLDについての基準データの取得処理を行う。さらに、CPU401は、全てのLDの基準データの取得が完了すると(S601で「YES」)、一連の処理を終了する。
ここで、図7を参照して、図5及び図6に示したフローチャートに従った基準データの取得処理における、メモリ208のデータの変化について説明する。当該処理の開始時には、工場出荷時に光量調整工具を用いて代表LDについて測定して得られた基準データが、701に示すように、メモリ208に既に格納された状態となっている。次に、S503で、代表LDの光量検出値が取得されると、702に示すように、メモリ208に追加的に格納される。さらに、代表LD以外のLD2〜LD4についての基準データが取得されると、S606で、順にメモリ208に格納される。最終的に、703に示すように、メモリ208には、代表LD(LD1)の基準データに加えて、当該基準データに基づいて取得されたLD2〜LD4の基準データが、メモリ208に格納された状態となる。
<APCにおける基準データの使用>
光走査装置101において、代表LD(第1のレーザ光源に相当するLD1)について予め取得した基準データと、代表LD以外のLD(第2のレーザ光源に相当するLD2〜LD4)についてそれぞれ取得した基準データは、APCを実行する際に使用される。これらLD1〜LD4のそれぞれに対応する基準データは、各LDにAPC回路402が駆動電流を供給する際の、駆動電流の制限値を示すデータとして使用される。具体的には、CPU401は、APC回路402を用いた各LDのAPCを実行する際に、メモリ208に格納された各LDに対応する基準データが示す制限値を越えないように、各LDに供給する駆動電流を制御することで、各LDの光量を、所定の目標光量に制御すればよい。また、CPU401は、各LDに供給する駆動電流を所定の目標光量に制御する際に、基準データが示す制限値を最大値(100%の光量)とした場合の相対的な比率(0〜100%)によって、APC回路402に対して駆動電流を指定してもよい。
以上説明したように、本実施形態では、複数のLDを備える露光装置において、第1のレーザ光源(LD1)のAPCを行う際に、LD1に供給すべき駆動電流を許容される範囲内に制限するための基準として用いられる基準データを予めメモリ208に格納しておく。一方で、LD1以外の第2のレーザ光源(LD2〜LD4)の基準データについては、メモリ208に格納されたLD1の基準データに基づいて取得する。露光装置は、LD2〜LD4のそれぞれに供給する駆動電流として、LD2〜LD4の光量が、メモリ208に格納されているLD1の基準データに基づいてLD1を発光させた際のLD1の光量と等しくなる駆動電流を、それぞれ決定する。さらに、LD2〜LD4のそれぞれについて、決定した駆動電流を基準データとしてメモリ208に格納する。
これにより、マルチビーム方式の露光装置において、第1のレーザ光源の基準データについては、事前の測定により取得する一方で、それ以外のレーザ光源については、事前の測定を必要とすることなく、基準データを簡易に取得することが可能になる。その結果、工場出荷時に、装置の組立工程における工数がマルチビーム化に伴って増大することを防ぐことが可能になる。
なお、本実施形態によれば、第1のレーザ光源の基準データについては、工場出荷時に事前の測定により取得することが必要であるが、それ以外のレーザ光源の基準データについては、基準データを取得するタイミングは工場出荷時には限られない。即ち、工場出荷時に、第1のレーザ光源の基準データをメモリ208に格納しておけば、図5及び図6に示した処理を、装置の出荷後の何れかのタイミングにおいて実行することが可能であり、その結果、第1のレーザ光源以外の基準データを取得できよう。

Claims (9)

  1. それぞれが電流源から供給される駆動電流によって光ビームを出力する複数のレーザ光源を備える露光装置であって、
    前記複数のレーザ光源のうち、第1のレーザ光源に供給すべき駆動電流を制御することによって当該第1のレーザ光源の光量を所定の目標光量に制御する際に、当該駆動電流を許容される範囲内に制限するための基準として用いられる基準データが格納された記憶手段と、
    前記複数のレーザ光源のうち、前記第1のレーザ光源以外の第2のレーザ光源に供給する駆動電流であって、当該第2のレーザ光源の光量が、前記記憶手段に格納されている前記基準データに基づいて前記第1のレーザ光源を発光させた際の当該第1のレーザ光源の光量と等しくなる駆動電流を決定する決定手段と、
    前記決定手段によって決定された駆動電流を、前記第2のレーザ光源に供給すべき駆動電流を制御する際の前記基準データとして、前記記憶手段に格納する格納手段と
    を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 前記決定手段は、
    前記記憶手段に格納されている前記基準データに対応する駆動電流を、前記第1のレーザ光源に供給することで、当該第1のレーザ光源を発光させる手段と、
    前記記憶手段に格納されている前記基準データに対応する駆動電流によって前記第1のレーザ光源が発光する光ビームの光量を検出する手段と、
    前記第2のレーザ光源に駆動電流を供給して、当該第2のレーザ光源が発光する光ビームの光量が前記第1のレーザ光源についての前記検出された光量と等しくなるように、当該第2のレーザ光源に供給する駆動電流を調整する手段と、
    前記第2のレーザ光源が発光する光ビームの光量が、前記第1のレーザ光源についての前記検出された光量に等しくなった際に、当該第2のレーザ光源に供給されている駆動電流を、駆動電流の決定値として特定する手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記記憶手段に格納されている前記第1のレーザ光源に対応する前記基準データは、前記第1のレーザ光源に対して供給可能な駆動電流の上限値であって、当該第1のレーザ光源を用いて事前に測定された前記上限値から、所定の量だけ低減した値に相当するデータであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
  4. 前記複数の光ビームで露光対象を露光する際に、前記複数のレーザ光源のそれぞれについて、前記記憶手段に格納された当該レーザ光源に対応する前記基準データを基準として、当該レーザ光源に供給する駆動電流を制御することによって、当該レーザ光源の光量を所定の目標光量に制御する光量制御手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の露光装置。
  5. 前記複数のレーザ光源のそれぞれに対応する前記基準データは、各レーザ光源に駆動電流を供給する際の駆動電流の制限値を示すデータであり、
    前記光量制御手段は、
    前記複数のレーザ光源のそれぞれについて、前記記憶手段に格納された当該レーザ光源に対応する前記基準データが示す制限値を超えない範囲内で、当該レーザ光源に供給する駆動電流を制御することによって、当該レーザ光源の光量を前記目標光量に制御すること
    を特徴とする請求項4に記載の露光装置。
  6. 前記光量制御手段は、
    前記複数のレーザ光源のそれぞれについて、前記記憶手段に格納された当該レーザ光源に対応する前記基準データが示す制限値を最大値とした場合の相対的な比率によって駆動電流を指定して、当該レーザ光源に供給する駆動電流を制御することによって、当該レーザ光源の光量を前記目標光量に制御すること
    を特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  7. 像担持体を備える画像形成装置であって、
    前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    画像情報に応じた駆動電流を電流源から複数のレーザ光源に供給することによって当該複数のレーザ光源から出力される、当該画像情報に応じた複数の光ビームで前記像担持体の表面を走査することにより当該像担持体の表面を露光する、請求項1乃至6の何れか1項に記載の露光装置と、
    前記露光装置による露光により前記像担持体の表面に形成された、前記画像情報に対応する静電潜像を現像して、記録材に転写すべき画像を当該像担持体の表面に形成する現像手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  8. それぞれが電流源から供給される駆動電流によって光ビームを出力する複数のレーザ光源と、前記複数のレーザ光源のうち、第1のレーザ光源に供給すべき駆動電流を制御することによって当該第1のレーザ光源の光量を所定の目標光量に制御する際に、当該駆動電流を許容される範囲内に制限するための基準として用いられる基準データが格納された記憶手段とを備える露光装置の調整方法であって、
    前記露光装置の決定手段が、前記複数のレーザ光源のうち、前記第1のレーザ光源以外の第2のレーザ光源に供給する駆動電流であって、当該第2のレーザ光源の光量が、前記記憶手段に格納されている前記基準データに基づいて前記第1のレーザ光源を発光させた際の当該第1のレーザ光源の光量と等しくなる駆動電流を決定する決定工程と、
    前記露光装置の格納手段が、前記決定工程において決定された駆動電流を、前記第2のレーザ光源に供給すべき駆動電流を制御する際の前記基準データとして、前記記憶手段に格納する格納工程と
    を含むことを特徴とする露光装置の調整方法。
  9. 前記決定工程は、
    前記記憶手段に格納されている前記基準データに対応する駆動電流を、前記第1のレーザ光源に供給することで、当該第1のレーザ光源を発光させる工程と、
    前記記憶手段に格納されている前記基準データに対応する駆動電流によって前記第1のレーザ光源が発光する光ビームの光量を検出する工程と、
    前記第2のレーザ光源に駆動電流を供給して、当該第2のレーザ光源が発光する光ビームの光量が前記第1のレーザ光源についての前記検出された光量と等しくなるように、当該第2のレーザ光源に供給する駆動電流を調整する工程と、
    前記第2のレーザ光源が発光する光ビームの光量が、前記第1のレーザ光源についての前記検出された光量に等しくなった際に、当該第2のレーザ光源に供給されている駆動電流を、駆動電流の決定値として特定する工程と
    を含むことを特徴とする請求項8に記載の調整方法。
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