JP2013000885A - 感熱記録体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録感度および記録画質に優れた感熱記録体を、生産効率良く製造する方法を提供する。
【解決手段】 機械的に発泡させた下塗り層用形成用の塗液と、ロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱層形成用塗液とを液膜状態で支持体上に積層配置し乾燥させることよりなる、発泡下塗り層を有する感熱記録体の製造方法。該下塗り層用形成用の塗液と、ロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱層形成用塗液とを液膜状態で支持体上に積層配置する手段としては、両液の同時多層カーテン塗布方式が採用できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ロイコ染料と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体の製造方法に関するものである。
無色または淡色のロイコ染料と、有機または無機の呈色剤との発色反応を利用し、熱により両発色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も容易なため、例えばファクシミリ、計算機、ハンディーターミナル、POSシステム(店舗販売時点情報管理システム)、医療用画像診断機器、プロッター、交通機関での乗車券、定期券、くじ等幅広い分野において使用されているが、最近このような用途展開の多様化、システムの高機能化により、感熱記録シートに対する要求品質も高度なものとなっている。
すなわち、記録の高速化に伴い、感熱記録体についても高速記録に耐え得る高感度化と情報の高密度化を満足させる高画質化が要求されている。高画質化の技術として特開昭59−204594号公報(特許文献1)などに記載されているように支持体表面に特定の組成からなる下塗り層を設け、感熱記録層の平滑化を図る方法がある。また、特開昭57−212094号公報(特許文献2)などに記載されているように、特定の組成の下塗り層用塗布液と感熱記録層用塗布液を、同時多層塗工する方法もある。しかし、これらの技術は下塗り層部分が緻密になって、断熱性が低くなり熱エネルギー効率が悪くなるため、高速記録を行うと十分な熱エネルギーを与えられなくなり、十分な印字濃度が得られないという欠点がある。
また、高感度化の技術として、熱エネルギー効率を高める為、特開昭49−133113号公報(特許文献3)には支持体の表面に多孔質下塗り層を設けることが、特開昭59−5093号公報(特許文献4)、特開昭59−225987号公報(特許文献5)、特開昭59−171685号公報(特許文献6)などには下塗り層に有機発泡性顔料を配合して支持体の断熱性を上げ、熱エネルギー効率をあげる方法がある。しかし、これらの技術は、発泡に加熱処理工程が必要であったり、均一な面が得られないなどの問題があり、十分な品質を得るところまでは至っていないのが現状である。
これらの問題点を解決する為に、特開平1−275184号公報(特許文献7)には、整泡剤と共に機械的に発泡させた泡塗工層を支持体と感熱記録層との間に設けた感熱記録体が記載されている。また、特開平5−32052号公報(特許文献8)には、基材と感熱発色層の中間に、顔料成分と樹脂成分を含む泡塗工層を設けた感熱記録体が記載されている。しかし、これらの方法でも感熱発色層用塗液の塗布乾燥時に、感熱発色層用塗液が発泡樹脂層に浸透してしまうため、得られた感熱記録体では、画像の均一性の低下、記録感度の低下、記録像の保存性の低下などが発生する恐れがある。
さらに、これらの問題を解決する為に、特開平9−254544号公報(特許文献9)には、機械的に発泡させた下塗り層用塗液を支持体に塗布した後、塗布面を加熱された金属ドラム面に圧接しながら乾燥して設けた下塗り層上に、感熱記録層を設けた感熱記録体が記載されている。また、特開平9−254547号公報(特許文献10)には、支持体と感熱記録層との間に、機械的に発泡させた下塗り層用塗液を塗布乾燥して形成される下塗り層、およびフィルム層を支持体上に順次設けた感熱記録体が記載されている。しかし、これらの方法は工程数の増加により、生産効率が低下する恐れがある。
特開昭59−204594号公報 特開昭57−212094号公報 特開昭49−133113号公報 特開昭59−5093号公報 特開昭59−225987号公報 特開昭59−171685号公報 特開平1−275184号公報 特開平5−32052号公報 特開平9−254544号公報 特開平9−254547号公報
本発明の課題は、記録感度および記録画質に優れた感熱記録体を、生産効率良く製造する方法を提供することにある。
上記の課題を達成するために、本発明は、機械的に発泡させた塗液を塗布して形成される下塗り層、ロイコ染料と顕色剤を含有する塗液を塗布して形成される感熱記録層を支持体上に順次設けることからなる感熱記録体の製造方法として、機械的に発泡させた下塗り層形成用の塗液とロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層形成用の塗液とを液膜状態で支持体上に積層配置し乾燥させるという塗布層の積層形成方式を採用することを基本とする以下の発泡下塗り層を有する感熱記録体の製造方法に関する。
(1)機械的に発泡させた下塗り層形成用の塗液とロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層形成用の塗液とを液膜状態で支持体上に積層配置し乾燥させることよりなる、発泡下塗り層を有する感熱記録体の製造方法。
(2)前記発泡下塗り層形成用の塗液と感熱記録層形成用の塗液を液膜状態で支持体上に積層配置する方法が、両塗液を同時多層カーテン塗布方式により支持体上に供給する塗布方法である、請求項1に記載の発泡下塗り層を有する感熱記録体の製造方法。
(3)前記機械的に発泡させた塗液が、スチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスを含有する塗液よりなる、請求項1または2に記載の発泡下塗り層を有する感熱記録体の製造方法。
(4)前記発泡下塗り層の見掛け比重が0.2〜0.8である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡下塗り層を有する感熱記録体の製造方法。
(5)前記感熱記録層上に、顔料と接着剤を主成分として含有する保護層形成用塗液を塗布して保護層を形成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡下塗り層を有する感熱記録体の製造方法。
本発明の製造方法により、生産効率が良く、かつ記録感度および記録画質に優れた感熱記録体が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、支持体上に、機械的に発泡させた塗液を塗布して形成される泡塗工層よりなる下塗り層と、ロイコ染料と顕色剤を含有する塗液を塗布して形成される感熱記録層を順次設けることからなる感熱記録体の製造方法において、機械的に発泡させた下塗り層形成用の塗液とロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層形成用の塗液とを液膜状態で支持体上に積層配置し乾燥させる方式で、発泡下塗り層上に感熱記録層を積層した感熱記録シートを製造する方法である。
上記のように支持体上に形成されている発泡下塗り層は、断熱性と弾力性に優れ、感熱記録体の記録感度を高めるが、該下塗り層用塗液を塗布し乾燥して形成される発泡下塗り層は多孔質層となるため、下塗り層を塗布乾燥した後に感熱記録層用塗液を塗布する、所謂逐次塗布方式を採用すると、感熱記録層用塗液が下塗り層に浸透してしまい、形成された感熱記録体の記録感度および記録画質が低下する恐れがある。これは、下塗り層内に浸透した感熱記録材料部分に十分な熱エネルギーが伝達しないためと考えられる。
これに対して、機械的に発泡させた下塗り層形成用の塗液とロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層形成用の塗液とを液膜状態で支持体上に積層配置し乾燥させるという方式を採用すると、感熱記録層用塗液の湿潤状態の下塗り層への浸透(含浸)がないので、記録感度および記録画質の優れた感熱記録体が得られる。また、下塗り層用塗液の発泡工程において、空気の含有率をコントロールすることが容易である機械的な発泡手段を採用することにより、所望の断熱性を備えた発泡下塗り層を形成することができる発泡塗液を容易に調製することができるし、さらに、同時多層塗布方式を採用することにより製造工程数を削減することができ、生産効率良く感熱記録体を製造することもできる。
下塗り層用の発泡塗液は、一般に水性樹脂を含有する水を分散媒体として、好ましくは見掛け比重が0.8以下となるように機械的に発泡して調製される。下塗り層用塗液を機械的に発泡させる方法としては、ホモミキサーや、塗液に空気を混合しながら撹拌発泡させる二重円筒型連続発泡機などの各種公知の装置を利用した発泡方法を採用することができる。発泡塗液中に形成される泡の平均粒子径は、50μm 以下が好ましい。50μmを越えると、記録画質が低下する恐れがある。平均粒子径が50μm 以下の泡を得るには、塗液に対して高いシェアがかかる構造を有する発泡機が特に適している。
発泡塗液の調製に使用できる水性樹脂の具体例としては、例えば完全(部分)ケン化ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体のアルカリ塩、アルギン酸ソーダ、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性樹脂、アクリル樹脂系ラテックス、コロイダルシリカ含有アクリル樹脂系ラテックス、ポリエステルポリウレタン系ラテックス、ポリエーテルポリウレタン系ラテックス、スチレンアクリル樹脂系ラテックス、スチレン・ブタジエン共重合体系ラテックス、カルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体系ラテックス、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体系ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体系ラテックスなどの水分散性樹脂が挙げられる。中でも、スチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスは比較的安価な上、比較的微細な泡を得やすいので、コストの面で有利である。前記水性樹脂は、二種以上を併用することもできる。発泡塗液における水性樹脂の含有量としては特に限定されないが、下塗り層の全固形分量に対して20質量%以上が好ましい。
更に、下塗り層用塗液中には、必要によりカオリン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、タルク、無定形シリカ、焼成カオリン等の無機顔料、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、メラミン樹脂フィラーなどの有機顔料、ステアリン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの界面活性剤が添加される。
下塗り層は、支持体上に下塗り層用塗液を乾燥質量で1〜20g/m 、好ましくは2〜15g/mとなるように塗布し、乾燥して形成される。乾燥質量で1g/m 未満になるような塗布量では均一な塗工面が得られず、断熱効果が十分でなくなるなどの問題が生じる。また、乾燥質量で20g/mを越える塗布量となると、表面強度が悪くなり感熱記録層、或いは保護層上に印刷できなくなる恐れがある。
発泡下塗り層の見掛け比重としては0.2〜0.8の範囲が好ましい。見掛け比重が0.2未満になると下塗り層が潰れ易くなるし、0.8を越えると下塗り層の断熱性が低下して記録感度が低下する恐れがある。
感熱記録層に含有されるロイコ染料としては、各種のものが使用できる。例えば、黒色発色を与えるロイコ染料としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N-イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等の少なくとも1種を用いることができる。また、必要に応じて、黒とは異なる色調に発色する、例えば赤、赤紫、オレンジ、青、緑等の発色色調を与えるロイコ染料を使用してもよい。
本発明で使用されるロイコ染料はこれらの単独使用に限定されるものではなく、2種以上を併用することもできる。かかるロイコ染料の使用量としては、感熱記録層の全固形分に対して3〜30質量%程度である。
本発明において、前記ロイコ染料を固体微粒子状態として使用する場合、ロイコ染料を、水を分散媒体として、サンドグラインダー、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、これをポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩およびそれらの誘導体等の水溶性合成高分子化合物とともに、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等をも加えて分散媒体中に分散させて分散液とし、この分散液を感熱記録層用塗液の調製に用いることができる。
また、ロイコ染料を溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から溶剤を蒸発させロイコ染料を固体微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も、固体微粒子状態で使用するロイコ染料の分散粒子の平均粒子径は、適切な発色感度を得るために0.2〜3.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmである。
本発明においては、ロイコ染料の使用方法として、上記固体微粒子状態で使用する以外に、有機高分子とロイコ染料とからなる複合粒子としても使用することができる。複合粒子の作製については、公知の方法により可能である。例えば、前記有機高分子がポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種である複合粒子の作製方法について記載する。上記複合粒子は、ロイコ染料、並びに重合によりポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種を形成する高分子形成性原料を、100℃以下の沸点を有する水不溶性有機溶剤に溶解混合し、この有機溶剤溶液をポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に平均粒子径が0.5〜3μm程度となるように乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加熱して前記有機溶剤を揮発除去し、その後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製されたもの、あるいは前記ロイコ染料を高分子形成性原料に溶解し、この溶解液を前述の方法で平均粒子径が0.5〜3μm程度に乳化分散後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製される。
本発明において、感熱記録層に使用される顕色剤としては、公知の化合物を使用することができる。かかる顕色剤の具体例としては、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、及び3,3’-ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル等のフェノール性化合物、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、または安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム等の多価金属との塩等の有機酸性物質、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−ブトキシカルボニル)フェニルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−フェニルウレア等のウレア化合物が挙げられる。
これらの中でも2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ビス(N−p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルホン、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアから選ばれる少なくとも1種を用いることが特に記録感度、地肌カブリ性、記録部の保存性に優れる点で好ましい。
本発明において、感熱記録層中のロイコ染料と顕色剤の使用比率は、用いるロイコ染料と顕色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので、特に限定するものではないが、一般にロイコ染料1質量部に対して1〜7質量部程度、好ましくは1〜4質量部程度の顕色剤が使用される。これらの物質を含む塗液の調製は、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌、粉砕機により染料前駆体と顕色剤とを一緒に、または別々に分散する等して塗液として調製される。
更に、目的に応じて増感剤を併用することもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。これらの増感剤の使用量は特に限定されないが、一般に顕色剤1質量部に対して4質量部以下程度の範囲で調節するのが望ましい。
また、所望の効果を損なわない限り、目的に応じて記録像の保存性を更に高めるために、保存性改良剤を併用することもできる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ等が挙げられる。
本発明においては、感熱記録層の白色度向上、および画像の均一性向上のために、白色度が高く、平均粒径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることもできる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。顔料の配合量は、発色濃度を低下させない程の量、即ち感熱記録層の全固形分に対して50質量%以下であることが好ましい。
本発明において、感熱記録層を構成する他の成分材料として、必要により、架橋剤、ワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔料、及び蛍光染料等を用いることができる。
また、感熱記録層の耐水性を向上させるために、接着剤を三次元硬化させるための架橋剤を感熱記録層中に含有させることができる。例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、カルボン酸ジヒドラジド系化合物並びに過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、及び塩化マグネシウム、四硼酸ソーダ、四硼酸カリウム等の無機化合物または硼酸、硼酸トリエステル、硼素系ポリマー等から選ばれた少なくとも1種の架橋性化合物を、感熱記録層の全固形分に対して1〜10質量%の範囲で用いることが好ましい。
感熱記録層に添加されるワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、及びポリエチレンワックス等のワックス類、並びに例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。
感熱記録層に添加される金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。また、白紙部の色調調節のために有色染料、及び/または有色顔料を感熱記録層中に含有させることもできる。必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、感熱記録層中に、更に撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等、各種添加剤を添加することができる。
感熱記録層中に添加される接着剤の具体例としては、例えば、酸化澱粉、酸変性澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉及び酢酸ビニル変性グラフト化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等の併用が可能である。
本発明においては、より製品の付加価値を高めるため、多色感熱記録材料とすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、または熱エネルギーの差を利用するものであり、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層した構造を有している。
感熱記録層用塗液の塗布量は特に制限はなく、乾燥状態で1〜12g/m程度、特に2〜10g/m程度であれば所望の品質を達成できる。
本発明の方法では、機械的に発泡させた下塗り層形成用の塗液とロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層形成用の塗液とを液膜状態で支持体上に積層配置する方式にて多層塗布する。塗布方式は特に限定されないが、同時多層塗布方式の場合は、カーテンコーター、スライドビードコーター、スリットダイコーター等を用いて、支持体上に同時多層塗布される。支持体上に塗布された下塗り層が湿潤状態にある間に感熱記録層用塗液を塗布する方式を採用することもできる。例えば、下塗り層用塗液がカーテン方式で塗布され、さらに下塗り層が湿潤状態にある間に感熱層用塗液がカーテン方式で塗布される。これにより、感熱記録層用塗液の下塗り層への含浸がなく、記録感度および記録画質の優れた感熱記録体が得られる。また、下塗り層を塗布乾燥した後に、感熱記録層用塗液を塗布する、所謂逐次塗布方式に比べて製造工程数を削減することができ、生産効率良く感熱記録体を製造することができる。
前記塗布方式の中でも、カーテン方式は高速塗工がしやすく、生産効率の面で有利である。カーテン方式は、塗液を流下して自由落下させ支持体に非接触で塗布する方法であり、スライドカーテン法、カップルカーテン法、ツインカーテン法等の公知のものを採用することができ、特に制限されるものではない。また、特開2006−247611号公報に記載のように、カーテンヘッドから塗液を下向きに噴出させて斜面上で塗液層を形成させ、斜面の終端部の下向きのカーテンガイド部から塗液のカーテンを形成してウエブ面上に塗液層を移行させることもできる。
下塗り層と感熱記録層の間には、一方の層内の成分が意図せず他方の層内に混入するのを防ぐ目的や、下塗り層と感熱記録層の安定した積層を補助すること等を目的に、中間層を設けることができる。
本発明の感熱記録体の製造方法では、かくして得られた感熱記録層上に、必要により保護層を設ける工程を採用することができる。かかる保護層を形成する塗液中には水性樹脂と、必要により顔料が含有される。保護層形成用の塗液には、形成された保護層のサーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的で、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛等の滑剤を含有させることが好ましく、紫外線吸収剤を含有させることもできる。また、光沢のある保護層を設けることにより、製品の付加価値を高めることもできる。
保護層用塗液に使用される接着剤は、水溶性接着剤および/または水分散性接着剤を主成分とすることが好ましい。水溶性接着剤としては、例えば、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、ゼラチン、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩等が挙げられる。水分散性接着剤としては、例えば、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等のラテックスが挙げられる。これらの中でも、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコールは表面のバリア性を高め、耐薬品性等の保存性を向上できるため、好ましく用いられる。
水溶性接着剤および/または水分散性接着剤の含有量は、合計で保護層の全固形量に対して10〜80質量%程度が好ましい。10質量%以上とすることにより、バリア性を向上でき、しかも表面強度を向上し、紙粉の発生を抑制できる。一方、80質量%以下とすることにより、耐スティッキング性を向上できる。
水溶性接着剤と水分散性接着剤を併用する場合、その使用比率は固形分の質量比で、水溶性接着剤100質量部に対して水分散性接着剤5〜100質量部程度が好ましい。
顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン等の無機顔料、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒子等の有機顔料が挙げられる。これらの中でも、カオリン、水酸化アルミニウムは、可塑剤や油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下が小さいため、好ましい。
顔料の使用量は、保護層の全固形量に対して5〜80質量%程度が好ましい。5質量%以上とすることにより、サーマルヘッドとの滑りを高め、耐スティッキングを向上でき、ヘッド粕の発生を抑制できる。一方、80質量%以下とすることにより、バリア性を向上して、保護層としての機能を大幅に向上できる。
保護層用塗液中には各種助剤を含有させることができる。助剤の具体例としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の安定化剤、グリオキザール、硼酸、ジアルデヒド澱粉、メチロール尿素、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物等の架橋剤(耐水化剤)、疎水性ポリカルボン酸共重合物、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。助剤の使用量は、広い範囲から適宜設定することができる。
保護層は、一般に水を媒体とし、例えばポリビニルアルコール等の水溶性接着剤、ウレタン系ラテックスから得られる樹脂、顔料、必要により架橋剤類、滑剤類、界面活性剤を混合することにより調製された保護層用塗液を、乾燥後の塗布量が0.5〜10g/m程度、好ましくは1〜5g/m程度となるように、感熱記録層上に塗布および乾燥して設けられる。
上記の各塗液は、例えばダイコーティング、エアナイフコーティング、ロッドブレードコーティング、バーコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、スロットコーティング、エクストルージョンコーティング、カーテンコーティング、スライドコーティング等の塗布法により塗布される。保護層塗液を単独で塗布乾燥してもよいし、下塗り層、感熱層と同時多層塗布することもできる。同時多層塗布する方法としては、カーテンコーター、スライドビードコーター、スロットダイコーター等が用いられる。また、塗布された下層が湿潤状態時に、上層を塗布する方式を用いることもできる。
本発明において、感熱記録体の支持体としては、例えば上質紙、アート紙、合成紙、PETフィルム、不織布中質紙、コート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム等のほか、各種透明支持体等も適宜選択して使用することができる。
本発明においては、感熱記録体の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録体とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等の塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙として使用することができる。或いは磁気加工を施すことにより裏面に磁気記録可能な層を有する感熱記録体とすることもできる。特に、粘着加工、及び磁気加工を施したものは感熱ラベルや、感熱磁気乗車券等の用途に有用である。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録体とすることもできる。勿論、両面感熱記録体とすることもできる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明は、これらに限定されるものではない。また、特に断らない限り例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2100(島津製作所社製)を用いて測定した。
実施例1
(下塗り層用塗液の調製)
スチレン−ブタジエン共重合体系ラテックス(商品名:SBラテックス0589、固形分濃度50%、JSR社製)200部、ステアリン酸アンモニウム(商品名:DC-100A、固形分濃度33%、サンノプコ社製)15部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(商品名:AGガム、第一工業製薬製)の3%水溶液38部、及び水70部を均一に混合して発泡前塗液を得た。株式会社愛工舎製発泡機 ターボホイップTW−70を用いて、得られた発泡前塗液を見掛け比重が0.6となるように発泡させ、下塗り層用塗液を得た。
(ロイコ染料分散液(A液)調製)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン15部、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの15%水溶液10部、及び水30部からなる組成物を、サンドミルで平均粒子径が1μmになるまで粉砕してロイコ染料分散液(A液)を得た。
(顕色剤分散液(B液)調製)
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン95部、メチルセルロースの5%水溶液100部、および水55部からなる組成物をサンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式粉砕して顕色剤分散液(B液)を得た。
(感熱記録層用塗液の調製)
A液55部、B液165部、微粒子状無水シリカ5部、軽質炭酸カルシウム25部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−110、重合度1000、鹸化度98.5mol%、クラレ社製)の15%水溶液80部、アジピン酸ジヒドラジドの30%水分散液10部、ステアリン酸亜鉛の30%水分散液10部、及び水40部、更にジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ社製)の5%水溶液20部、および水膨潤性合成雲母(商品名:NHT−ゾルB、トピー工業社製)の5%水分散液60部を混合して感熱記録層用塗液を得た。
(保護層用塗液の調製)
カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)50部を水50部に分散して得られた分散液に、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ―200、日本合成化学社製)の10%水溶液600部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)25部、更にジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ社製)の5%水溶液20部を混合して保護層用塗液を得た。
(感熱記録体の作製)
坪量60g/mの上質紙の片面に、下塗り層用塗液及び感熱記録層用塗液を、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、原紙に近い側から下塗り層用塗液および感熱層用塗液の順で構成される塗液膜を形成し、各層の固形分塗布量が下塗り記録層10g/m、感熱層3.0g/mとなるように、塗布速度300m/分にてカーテン塗布法で同時多層塗布および乾燥した後、スーパーカレンダー処理を施し、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、スチレン−ブタジエン共重合体系ラテックス(商品名:SBラテックス0589、固形分濃度50%、JSR社製)200部に代えて、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体系ラテックス(商品名:SBラテックス0545、固形分濃度54%、JSR社製)185部を用い、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(商品名:AGガム、第一工業製薬製)の3%水溶液の添加部数を20部とし、水の添加部数を100部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の感熱記録体の製造方法において、下塗り層塗液および感熱記録層塗液の二塗液を同時多層塗布する方式に代えて、下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液および保護層用塗液の三塗液を、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、原紙に近い側から下塗り層用塗液、感熱層用塗液および保護層用塗液の順で構成される塗液膜を形成し、各層の固形分塗布量が下塗り記録層10g/m、感熱層3.0g/m、および保護層2.0g/mとなるように塗布した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例3の下塗り層用塗液の調製において、スチレン−ブタジエン共重合体系ラテックス(商品名:SBラテックス0589、固形分濃度50%、JSR社製)200部に代えて、アクリル樹脂系ラテックス(商品名:ET−111、固形分濃度50%、中央理化工業社製)200部を用い、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(商品名:AGガム、第一工業製薬製)の3%水溶液の添加部数を15部とし、水の添加部数を39部とした以外は、実施例3と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、得られた発泡前塗液を見掛け比重が0.6となるように発泡させるのに代えて、見掛け比重が0.5となるように発泡させて下塗り層用塗液を得た以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例5の下塗り層用塗液の調製において、スチレン−ブタジエン共重合体系ラテックス(商品名:SBラテックス0589、固形分濃度50%、JSR社製)200部に代えて、スチレンアクリル樹脂系ラテックス(商品名:ネオクリルA−655、固形分濃度45%、楠本化成社製)222部を用い、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(商品名:AGガム、第一工業製薬製)の3%水溶液の添加部数を33部とし、水の添加部数を49部とした以外は、実施例5と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録体の作製において、坪量60g/mの上質紙の片面に、下塗り層用塗液を、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、固形分塗布量が10g/mとなるように、塗布速度300m/分にて塗布乾燥した後、感熱記録層用塗料を固形分塗布量が3.0g/mとなるようにメイヤーバー塗工方式にて塗布乾燥し、さらにスーパーカレンダー処理した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、株式会社愛工舎製発泡機ターボホイップTW−70による発泡処理を行わず、未発泡のまま塗布に供した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例3の感熱記録体の作製において、坪量60g/mの上質紙の片面に、下塗り層用塗液を、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、固形分塗布量が10g/mとなるように塗布速度300m/分にて塗布乾燥した後、感熱記録層用塗液および保護層用塗液を、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、原紙に近い側から感熱層用塗液および保護層用塗液の順で構成される塗液膜を形成し、各層の固形分塗布量が感熱層3.0g/m、および保護層2.0g/mとなるように、塗布速度300m/分にて同時多層塗布及び乾燥してスーパーカレンダー処理した以外は、実施例3と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例5の感熱記録体の作製において、坪量60g/mの上質紙の片面に、下塗り層用塗液を、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、固形分塗布量が10g/mとなるように、塗布速度300m/分にて塗布乾燥した後、感熱記録層用塗料を固形分塗布量が3.0g/mとなるようにメイヤーバー塗工方式にて塗布乾燥し、さらにスーパーカレンダー処理した以外は、実施例5と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価試験を行った。その結果を表1に示す。
(記録感度及び画質)
感熱記録用シミュレーター(TH−PMD、大倉電気社製)を用い、印加エネルギー0.3mJ/dotにて記録し、ベタ記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、ベタ記録部の画質を目視評価した。
◎:抜けがなく画質が極めて優れている。
○:抜けがほとんど見られず、画質が良好。
△:抜けが見られるが実用レベル。
×:抜けが著しく多く見られ、画質が悪く実用上問題である。
Figure 2013000885
本発明により、ファクシミリ、計算機、ハンディーターミナル、POSシステム(店舗販売時点情報管理システム)、医療用画像診断機器、プロッター、交通機関での乗車券、定期券、くじ等の幅広い分野におけるシステムの高機能化による高度な要求品質を満たす記録感度および記録画質に優れた感熱記録体を生産効率良く製造する方法が提供される。

Claims (4)

  1. 機械的に発泡させた下塗り層形成用の塗液とロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層形成用の塗液とを液膜状態で支持体上に積層配置し乾燥させることよりなる、発泡下塗り層を有する感熱記録体の製造方法。
  2. 前記発泡下塗り層形成用の塗液と感熱記録層形成用の塗液を液膜状態で支持体上に積層配置する方法が、両塗液を同時多層カーテン塗布方式により支持体上に供給する塗布方法である、請求項1に記載の発泡下塗り層を有する感熱記録体の製造方法。
  3. 前記機械的に発泡させた塗液が、スチレン・ブタジエン共重合体系ラテックスを含有する塗液よりなる、請求項1または2に記載の発泡下塗り層を有する感熱記録体の製造方法。
  4. 前記発泡下塗り層の見掛け比重が0.2〜0.8である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡下塗り層を有する感熱記録体の製造方法。
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