上述した本発明の内容を明確にするために、本発明の構成を、以下のような回胴式遊技機に適用した実施例について、次のような順序に従って説明する。尚、以下では、図柄変動遊技を単に遊技とも表記する。
A.回胴式遊技機の装置構成:
A−1.全体構成:
A−2.電気的構成:
B.遊技の概要:
C.回胴式遊技機の制御内容:
C−1.遊技制御処理:
C−2.遊技状態設定処理:
C−3.投入操作受付処理:
C−4.回胴回転停止処理:
C−5.取りこぼし目確認処理:
D.演出制御処理:
D−1.ATモードの選択受付からAT実行開始までの処理:
D−2.それぞれのATモードを実行する処理:
D−2−1.AT−A実行処理:
D−2−2.AT−B実行処理:
D−2−3.AT−C実行処理:
D−3.それぞれのシミュレートを実行する処理:
D−3−1.シミュレートA実行処理:
D−3−2.シミュレートB実行処理:
D−3−3.シミュレートC実行処理:
D−4.AT−A終了処理:
D−5.シミュレートA終了処理:
D−6.ATモードやシミュレートの初期化に関する処理:
A.回胴式遊技機の装置構成 :
A−1.全体構成 :
図1は、回胴式遊技機1(以下、「遊技機1」と略記)の外観を示す正面図である。図1に示すように、遊技機1には、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うようにして設けられた前面扉2などが設けられている。前面扉2は、実際に遊技が行われる中段の領域と、遊技の進行に応じて種々の演出が行われる上段の領域2uと、遊技メダルが払い出される下段の領域2dとの大きく3つの領域から構成され、更に中段の領域は、遊技の状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊技を行うための操作部2mbとから構成されている。
上段の領域2uには、中央に演出表示装置10が設けられ、演出表示装置10の左右にはスピーカ14が設けられ、演出表示装置10およびスピーカ14の上方には、各種のランプ類12が設けられている。演出表示装置10は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。
前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設けられており、内部に設けられた3つの回胴20a,20b,20cが回転する様子を視認可能となっている。また、表示窓20の左右および下方には、遊技の状態を表示する各種の表示パネル類22が設けられている。
前面扉2の中段下方に設けられた操作部2mbは、手前に向かって突出した形状に形成されており、上面には、遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口30と、クレジットとして貯留されている遊技メダルを、1ゲームに要する枚数だけ投入するための投入ボタン34などが設けられている。尚、遊技メダルの貯留とは、遊技メダル投入口30から遊技機1に投入された遊技メダルの枚数が規定数(1ゲームに要する遊技メダル枚数の上限)を超えた場合にその超えた分をデータとして記憶しておくこと、あるいは、遊技メダルを実際に払い出す代わりにメダルの払い出し枚数をデータとして記憶しておくことをいう。また、操作部2mbの前面には、遊技メダルの投入後に回胴20a,20b,20cの回転を開始するためのスタートレバー36と、3つの回胴20a,20b,20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cなどが設けられている。
加えて、操作部2mbには、上面に精算ボタン40、および前面に返却ボタン42が設けられている。ここで、精算ボタン40とは、遊技機1の内部に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す際に操作するボタンである。遊技メダルの投入後も、スタートレバー36を操作して回胴20a,20b,20cの回転を開始するまでの間であれば、投入済みの遊技メダルも精算ボタン40を操作することによって払い出すことが可能である。また、返却ボタン42とは、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルが遊技機1の内部で詰まった場合に、遊技メダルの詰まりを解消するために操作されるボタンである。
前面扉2の下段の領域2dには、遊技メダルが払い出される遊技メダル払出口50と、払い出された遊技メダルを受け止める受け皿52などが設けられている。
図2は、前面扉2を開いて遊技機1の内部の構成を示した斜視図である。前面扉2の裏面側上部には、演出表示装置10が取り付けられており、その左右には一対のスピーカ14が取り付けられている。
前面扉2のほぼ中央には表示窓20が設けられており、その下方には、後述する扉基板240が設けられている。また、扉基板240の下方には、回胴停止ボタン38a,38b,38cや、スタートレバー36が取り付けられている。
回胴停止ボタン38a,38b,38cの左方には、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルの通路となるメダルセレクタ106が設けられており、その下方には、遊技メダルを遊技メダル払出口50に導くためのコインシュータ108などが設けられている。メダルセレクタ106は、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有している。遊技者がスタートレバー36を操作する前に遊技メダルが投入されると、遊技メダルはメダルセレクタ106によって選別され、規格を満足しているものだけがホッパー116内に受け入れられ、規格を満たしていないメダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却されるようになっている。
これに対して、スタートレバー36が操作された後に遊技メダルが遊技メダル投入口30から投入された場合は、メダルセレクタ106内の通路が切り換わり、該遊技メダルはコインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却される。また、メダルセレクタ106の内部には、図示しないメダルセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け入れられた遊技メダルが通過すると、メダルセンサによって検出されて、その信号が後述する主制御基板200に供給されるようになっている。
このような前面扉2が取り付けられる筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a,20b,20cが設けられており、各回胴の外周面には、後述するように複数種類の図柄が描かれている。これら回胴の上方には、遊技全体の制御を司る後述する主制御基板200が格納された主制御基板ユニット110が設けられており、回胴の背後には、各回胴を駆動するための後述する回胴基板260が格納された回胴基板ユニット112が設けられている。また、回胴の左方には、図1に示した演出表示装置10や、各種ランプ類12、スピーカ14などを用いて行われる各種演出の制御を司る後述するサブ制御基板220が格納されたサブ制御基板ユニット111が設けられている。
3つの回胴20a,20b,20cの下方には、リアスピーカ114が設けられ、更にその下方には、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための後述する電源基板280が格納された電源ユニット120などが搭載されている。メダル払出装置118から払い出された遊技メダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50から払い出されるようになっている。また、電源ユニット120の前面には、遊技機1の電源を入れるための電源スイッチ120sも設けられている。
図3は、3つの回胴20a,20b,20cの外周面に描かれた図柄の配列を示す説明図である。各回胴には、何れも21個の図柄が外周面に描かれている。また、何れの回胴についても、描かれている図柄の種類は同じであるが、図柄の配列については回胴毎に異なる配列に設定されている。
A−2.電気的構成 :
図4は、本実施例に係る遊技機1の電気的構成を示す説明図である。図4に示すように、遊技機1には、主制御基板200を中心として、サブ制御基板220、扉基板240、回胴基板260、電源基板280、中継基板300等がデータを通信可能に接続されて構成されている。
主制御基板200は、遊技機1で行われる遊技全体の進行や演出を司る基板である。この主制御基板200には、CPU201、ROM202、RAM203などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて搭載されており、前面扉2に搭載された扉基板240から、スタートレバー36が操作されたことを示す信号などを受け取って、後述する遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板220や、扉基板240、回胴基板260などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を送信することにより、これら各種基板の動作を制御している。
サブ制御基板220も、上述した主制御基板200と同様に、CPU221や、ROM222、RAM223などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて構成されている。また、サブ制御基板220には、各種のランプ類12や、各種のスピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどが接続されている。ここで回胴バックライト20Lとは、各回胴20a,20b,20cの内部に設けられ、回胴の表面に描かれた図柄(図3参照)を裏側から照らすライトである。サブ制御基板220は、主制御基板200から受け取った制御コマンドを解析して、各種ランプ類12、各種スピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lにそれぞれ駆動信号を出力することにより、各種の演出を行っている。
扉基板240には、メダルセレクタ106や、貯留されている遊技メダルを投入するための投入ボタン34、回胴の回転を開始するためのスタートレバー36、回転している回胴を停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38c、貯留されている遊技メダルや投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタン40、遊技の状態を表示する各種の表示パネル22などが接続されている。また、この扉基板240は、前述した主制御基板200とデータを通信可能に接続されている。このため、前面扉2に設けられたスタートレバー36や、回胴停止ボタン38a,38b,38c、投入ボタン34、精算ボタン40などを操作すると、扉基板240を介して、その信号が主制御基板200に供給されるようになっている。また、メダルセレクタ106が、内蔵するメダルセンサによって遊技メダルの通過を検出した信号も、扉基板240を介して主制御基板200に供給される。
回胴基板260には、3つの回胴20a,20b,20cをそれぞれ回転させるための回胴モータ24a,24b,24cと、それぞれの回胴の回転位置を検出するための回胴センサ26a,26b,26cなどが接続されている。回胴基板260は、回胴センサ26a,26b,26cによって、各回胴20a,20b,20cの回転位置を検出しながら、回胴モータ24a,24b,24cを駆動することにより、それぞれの回胴20a,20b,20cを、所望の位置で停止させることが可能となっている。尚、本実施例の遊技機1では、回胴モータ24a,24b,24cには、いわゆるステッピングモータが使用されている。
また、メダル払出装置118は、中継基板300を介して、主制御基板200に接続されており、主制御基板200からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払い出す動作を行う。
これら各種制御基板、および基板で消費される電力は、電源基板280から供給されている。図4では、電源基板280から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。図示されているように、主制御基板200およびサブ制御基板220には、電源基板280から直接電力が供給されており、各種基板(扉基板240、回胴基板260、中継基板300)には、主制御基板200を介して電力が供給されている。電源基板280には100Vの交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧の直流電圧に変換した後、それぞれの制御基板および基板に供給している。
B.遊技の概要 :
以下では、上記の構成を有する回胴式の遊技機1において、遊技を進行するために行われる制御の内容について説明するが、その準備として、回胴式遊技機で行われる遊技の概要を説明しておく。
遊技を開始するにあたっては、遊技メダル投入口30から遊技メダルを入れて、遊技を開始するのに必要な枚数(規定数)の遊技メダルの投入を行う。本実施例の遊技機1では、規定数は「3枚」に固定されており、3枚の遊技メダルを投入すると、スタートレバー36の操作が有効化される。また、遊技メダルがクレジットとして予め内部に貯留されている場合は、投入ボタン34を押すことによって規定数の遊技メダルを投入することも可能である。
規定数の遊技メダルを投入して、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a,20b,20cが回転を開始する。図3を用いて前述したように、各回胴には複数の図柄が描かれているため、回胴が回転すると、表示窓20では、これら図柄が変動表示されることになる。また、図1を用いて前述したように、前面扉2の前面側には、各回胴に対応して3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cが設けられている。回胴20a,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作すると、操作したボタンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、表示窓20では、変動表示されていた図柄が何れかの図柄で停止表示される。このようにして、3つの回胴20a,20b,20cの回転を停止させると、それぞれの回胴で何れかの図柄が停止表示される。本実施例の遊技機1では、表示窓20の大きさは、各回胴あたり3つずつ、図柄が表示されるような大きさに設定されている。結局、3つの回胴20a,20b,20cが停止表示されると、表示窓20には、3行3列の合計9つの図柄が表示されるようになる。また、これら9つの図柄が表示される位置には、複数本の入賞ラインが予め設定されている。
図5は、本実施例の遊技機1に設定されている入賞ラインを示した説明図である。図示されているように、本実施例の遊技機1では、上段の入賞ラインL1と、中段の入賞ラインL2と、下段の入賞ラインL3と、右斜め上方向きの入賞ラインL4と、右斜め下方向きの入賞ラインL5の合計5本の入賞ラインが設定されている。そして、3つの回胴20a,20b,20cが停止すると、これらの入賞ライン上には、何らかの図柄組合せが得られることになる。そして、入賞ライン上に揃った図柄組合せが、何れかの遊技役に対応する図柄組合せであった場合には、その遊技役の入賞が成立し、遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。
図6および図7は、本実施例の遊技機1に設定されている遊技役の種類を、その遊技役の入賞を成立させる図柄組合せ、および遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典と対応付けて示した説明図である。なかでも、図6には、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序とは関係なく入賞成立させることができる遊技役である「操作順序非対応遊技役」が示されており、図7には、回胴停止ボタン38a,38b,38cを予め設定された操作順序で操作しないと入賞成立させることができない遊技役である「操作順序対応遊技役」が示されている。
図6では、左端の欄に操作順序非対応遊技役の種類が表示され、中央の欄には操作順序非対応遊技役の入賞を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄には操作順序非対応遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典が表示されている。例えば、最上部の二段に示したビッグボーナス役(以下、ボーナス役)と呼ばれる遊技役には、「赤セブン」と呼ばれる図柄の揃った図柄組合せ、および「青セブン」と呼ばれる図柄の揃った図柄組合せが対応付けられており、この図柄組合せで揃うと、特典として、ビッグボーナス状態(以下、BB状態)と呼ばれる遊技者にとって有利な遊技状態が開始される。本実施例のBB状態は、通常の遊技状態(以下、通常状態)に比べて後述の遊技役の入賞確率が高まり、遊技メダルを払い出す頻度が向上する遊技状態であり、BB状態の開始後に所定枚数(例えば、400枚)の遊技メダルが払い出されるまで継続される。そのため、BB状態が開始されると、遊技者は多量の遊技メダルを獲得することができる。尚、以下では、「赤セブン」の揃った図柄組合せのボーナス役を「赤セブンのボーナス役」、「青セブン」の揃った図柄組合せのボーナス役を「青セブンのボーナス役」とも表記し、これらを特に区別しない場合は単に「ボーナス役」と表記する。
また、スイカ役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「スイカ」の図柄で揃った図柄組合せが設定されており、このスイカ役の入賞成立に対する特典としては、10枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。チェリー役という遊技役には、左回胴20aの図柄が「チェリー」の図柄であれば、中回胴20bおよび右回胴20cの図柄はどのような図柄であっても構わない図柄組合せが設定されており、チェリー役の入賞成立に対する特典としては、2枚の遊技メダルが払い出されるように設定されている。また、再遊技役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「リプレイ」の図柄で揃った図柄組合せが設定されており、この再遊技役の入賞成立に対する特典としては、新たな遊技メダルを投入することなく、もう一度、遊技を行う権利が付与される。すなわち、再遊技役の入賞成立時に投入していた遊技メダルと同じ枚数だけ、遊技メダルが投入されたものとして、もう一度遊技を行うことが可能となる。また、増加役という遊技役には、左回胴20aが「リプレイ」の図柄、中回胴20bが「ベル」の図柄、右回胴20cが「リプレイ」の図柄の図柄組合せ(以下では、「リプレイ」−「ベル」−「リプレイ」と表記する)が設定されており、この増加役の入賞成立に対する特典としては、15枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。
図7では、左端の欄に操作順序対応遊技役の種類が表示され、中央の欄には操作順序対応遊技役の入賞を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄には操作順序対応遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典が表示されている。図7に示すように、操作順序対応遊技役としては、「左中ベル役」と呼ばれる遊技役、「中右ベル役」と呼ばれる遊技役、「左右ベル役」と呼ばれる遊技役が設定されており、何れの遊技役にも、3つの回胴20a,20b,20cが「ベル」の図柄で揃った図柄組合せが設定されている。また、これらの遊技役の何れにも、特典として、15枚の遊技メダルが払い出されるように設定されている。ただし、これらの遊技役は、各遊技役を入賞成立させることが可能な回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序、すなわち、回胴20a,20b,20cの停止順序が互いに異なっている。左中ベル役は、左回胴停止ボタン38aあるいは中回胴停止ボタン38bを最初に操作した場合、すなわち、左回胴20aあるいは中回胴20bを最初に停止させた場合にのみ入賞成立し、右回胴停止ボタン38cを最初に操作した場合、すなわち、右回胴20cを最初に停止させた場合は、図7の下段に示した「取りこぼし目」が停止表示されるように設定されている。「取りこぼし目」には、左回胴20aおよび中回胴20bが「ベル」の図柄、右回胴20cが「リプレイ」の図柄の図柄組合せ(以下では、「ベル」−「ベル」−「リプレイ」と表記する)が設定されており、取りこぼし目が停止表示された場合は、遊技メダルが払い出されず、特典は付与されない。
また、中右ベル役は、中回胴停止ボタン38bあるいは右回胴停止ボタン38cを最初に操作した場合、すなわち、中回胴20bあるいは右回胴20cを最初に停止させた場合にのみ入賞成立し、左回胴停止ボタン38aを最初に操作した場合、すなわち、左回胴20aを最初に停止させた場合は、「取りこぼし目」が停止表示されるように設定されている。また、左右ベル役は、左回胴停止ボタン38aあるいは右回胴停止ボタン38cを最初に操作した場合、すなわち、左回胴20aあるいは右回胴20cを最初に停止させた場合にのみ入賞成立し、中回胴停止ボタン38bを最初に操作した場合、すなわち、中回胴20bを最初に停止させた場合は、「取りこぼし目」が停止表示されるように設定されている。
もちろん、回胴20a,20b,20cが停止したときに、何れかの遊技役の入賞が成立するとは限らない。この場合は、再び規定数の遊技メダルを投入した後、スタートレバー36を操作して回胴を回転させることによって、次の遊技を行う。本実施例の遊技機1では、こうした操作を繰り返し行うことによって遊技が進行するようになっている。こうした遊技の進行は、主制御基板200に搭載されたCPU201によって制御されている。以下では、主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行っている処理内容について説明する。
C.回胴式遊技機の制御内容 :
C−1.遊技制御処理 :
図8は、本実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の前半部分を示すフローチャートである。また、図9は、本実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が行う遊技制御処理の後半部分を示すフローチャートである。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が入れられて、更に主制御基板200や、サブ制御基板220に搭載されたROMのチェックサムなどの初期化処理が行われた後に実行される処理である。
図8に示すように、遊技制御処理を開始すると、先ず初めに遊技状態設定処理(ステップ100。以下、ステップを「S」と略記する)を行う。遊技状態設定処理の詳細については後述するが、この処理では、大まかには次のような処理を行う。本実施例の遊技機1では、遊技状態として、前述した通常状態およびBB状態の他に、後述するリプレイタイム状態(RT状態)が設けられており、遊技状態に応じて遊技役の入賞の成立し易さや、入賞の成立し得る遊技役の種類等が異なっている。遊技状態設定処理では、現在の遊技状態が何れであるかを検出するとともに終了条件が満たされたか否かを判断し、終了条件が満たされた場合には、その遊技状態を終了させて、遊技状態を切り換える処理を行う。こうして遊技状態を切り換えることで、遊技が単調になることを回避することが可能となる。尚、各遊技状態についても、後に詳しく説明する。
遊技状態設定処理に続いて、投入操作有効化処理を行う(S102)。前述したように、本実施例の遊技機1は、規定数の遊技メダルが投入された後、スタートレバー36の操作を検出すると回胴20a,20b,20cが回転を開始する。投入操作有効化処理では、このような遊技メダルを投入する操作の受付を有効にする(遊技メダルの投入操作を検出可能にする)ための処理を行う。
投入操作有効化処理を行ったら(S102)、精算ボタン40が操作されたか否かの確認を行う(S106)。すなわち、後述のスタートレバー36の操作が検出される前であれば、投入した遊技メダルも含めてメダルを精算することが可能となっている。そして、精算ボタン40が操作されていた場合には(S106:yes)、精算処理を行うことにより、データとして貯留されている遊技メダルおよび投入した遊技メダルを払い出す処理を行う(S122)。遊技メダルの払い出しは、主制御基板200からメダル払出装置118に向けて、払い出すべき遊技メダルの枚数を指示する制御信号を出力することによって行われる。こうして遊技メダルを払い出したら、遊技の開始前の状態(S100)に戻って、以降の処理を行う。
投入操作有効化処理を行った後(S102)、精算ボタン40が操作されていないと判断した場合は(S106:no)、続いて、投入操作受付処理を行う(S108)。詳しくは後述するが、投入操作受付処理では、規定数の遊技メダルが投入されたか否かを判断して、規定数の遊技メダルが投入された場合には投入完了フラグをONに設定する処理を行う。投入完了フラグは、規定数の遊技メダルが投入されたか否かを示すフラグであり、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。
投入操作受付処理を行ったら(S108)、投入完了フラグがONに設定されているか否か、すなわち、規定数の遊技メダルが投入されたか否かを判断する(S110)。その結果、規定数の遊技メダルが投入されていない場合は(S110:no)、精算ボタン40の操作の有無を確認しながら(S106)、規定数の遊技メダルが投入されるまで待機する。これに対して、規定数の遊技メダルが投入されている場合は(S110:yes)、今度は、スタートレバー36が操作されたか否かを判断する(S112)。前述したように遊技者がスタートレバー36を操作すると、その操作信号が主制御基板200に供給されるので、主制御基板200は、スタートレバー36の操作信号に基づいて、スタートレバー36が操作されたか否かを判断することができる。その結果、スタートレバー36が操作されていない場合は(S112:no)、精算ボタン40の操作の有無を確認しながら(S106)、スタートレバー36が操作されるまで待機する。
一方、スタートレバー36が操作されたら(S112:yes)、すなわち、主制御基板200のCPU201がスタートレバー36の操作信号を受信すると、後述の内部抽選処理(S116)で利用する内部抽選用乱数を取得する(S113)。本実施例の遊技機1では、内部抽選用乱数は2バイトデータとなっており、0〜65535の範囲の乱数値を取ることが可能である。この抽選用の乱数は、主制御基板200に搭載された専用の乱数発生回路を用いてハードウェア的に生成することもできるし、乱数発生用のプログラムを用いてソフトウェア的に生成することも可能である。内部抽選用乱数を取得したら(S113)、内部抽選用乱数伝達コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S114)。内部抽選用乱数伝達コマンドには今回取得した内部抽選用乱数の値が含まれており、サブ制御基板220のCPU221は、内部抽選用乱数伝達コマンドを受信することによって、今回取得した内部抽選用乱数の値を把握する。
内部抽選用乱数伝達コマンドを送信したら(S114)、投入操作無効化処理を行う(S115)。投入操作無効化処理では、遊技メダルの投入操作を無効にする処理を行う。遊技メダルの投入操作が無効になっている状態では、遊技メダル投入口30から入れられた遊技メダルは、投入された遊技メダルとして検出されないままコインシュータ108を通って、遊技メダル排出口50に返却される。加えて、遊技メダルの投入操作が無効になっている状態では、投入ボタン34が押されても遊技メダルは投入されない。すなわち、スタートレバー36が操作された後は、何れの操作を行っても遊技メダルを投入することはできないように構成されている。こうして、遊技メダルの投入操作を無効にする処理が終了したら(S115)、内部抽選処理を開始する(S116)。
内部抽選処理では、図6および図7を用いて前述した遊技役の何れかの入賞成立を許容するか否かを、S113の処理で取得した内部抽選用乱数に基づいて決定する処理を行う。尚、この内部抽選処理で何れかの遊技役の入賞成立が許容された(何れかの遊技役に内部当選した)としても、直ちに遊技役の入賞が成立するわけではなく、回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作することにより、当選した遊技役に対応する図柄組合せを有効な入賞ライン上に揃えなければ遊技役の入賞を成立させることはできない。また、この内部抽選処理で、図7を用いて前述した何れかの操作順序対応遊技役の入賞成立が許容されたとしても(何れかの操作順序遊技役に内部当選したとしても)、各遊技役に対応した操作順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作しなければ遊技役の入賞を成立させることはできない。
また、内部抽選処理で入賞成立が許容された遊技役でなければ、どのようなタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したとしても、有効な入賞ライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできないようになっている。その意味で、この内部抽選処理は、図柄組合せを揃えて遊技役の入賞を成立させるための前提条件として、内部的に行われる抽選であることから「内部抽選」と呼ばれている。また、内部抽選に当選していずれかの遊技役の入賞成立が許容された状態は、内部当選状態(あるいは単に、内部当選)と呼ばれている。尚、この内部抽選処理は、抽選テーブルと呼ばれる「遊技役と内部抽選用乱数との対応関係が設定される専用のテーブルデータ」を用いて何れの遊技役を内部当選させるかを決定している。
図10は、最も一般的な遊技状態である通常状態中(BB状態中あるいはRT状態中以外)に用いられる抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図10(a)には、各遊技役に対して割り当てられた内部抽選用乱数の範囲がまとめて示されている。また、図10(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図示されているように、通常状態用の抽選テーブルでは、「左中ベル役」に対しては0〜3639の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、左中ベル役に内部当選することを表している。同様に、「中右ベル役」に対しては3640〜7279の乱数値が設定され、「左右ベル役」に対しては7280〜10919の乱数値が設定されている。また、「スイカ役」には10920〜12919の乱数値が設定され、「チェリー役」には12920〜14919の乱数値が設定され、「赤セブンのボーナス役」には14920〜15419の乱数値が設定され、「青セブンのボーナス役」には15420〜15919の乱数値が設定され、「再遊技役」には15920〜24919の乱数値が設定されている。尚、24920〜65535の乱数値には、何れの遊技役も設定されておらず、従って、取得した乱数値がこの範囲にあった場合は「ハズレ」となる。
内部抽選処理では、以上のようにして、スタートレバー36が操作を検出したときに取得した内部抽選用乱数に基づいて、抽選テーブルを参照することにより、何れの遊技役に内部当選したか、若しくは何れの遊技役にも内部当選しなかったかを判断する。そして、何れかの遊技役に内部当選したら、当選した遊技役の内部当選フラグをONに設定する。ここで内部当選フラグとは、内部抽選の結果を記憶しておくために用いられるフラグであり、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている。
図11は、本実施例の遊技機1における内部当選フラグの構成を例示した説明図である。図示されているように、本実施例の遊技機1では、ボーナス役以外の遊技役についての内部当選フラグと、ボーナス役についての内部当選フラグ(ボーナス役内部当選フラグ)とに分けて記憶されており、それぞれに対して領域が確保されている。図11(a)は、ボーナス役以外の遊技役の内部当選フラグが設定される領域のデータ構造を例示した説明図である。図示されているように、ボーナス役以外の遊技役の内部当選フラグには1バイト分の領域が確保されている。これら1バイト分の領域のうち、7ビット分がこれらのフラグとして利用されている。これら7ビットのうち、先頭のビットは、増加役に内部当選したことを記憶しておくためのビットであり、次のビットはスイカ役に内部当選したことを記憶しておくためのビットである。以下の5つのビットも同様に、それぞれ、チェリー役、再遊技役、左中ベル役、中右ベル役、左右ベル役に内部当選したことを記憶しておくために用いられるビットである。
また、図11(b)は、ボーナス役内部当選フラグが設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した説明図である。図示されているように、1バイトデータのうち下位側の2ビット分がボーナス役内部当選フラグとして用いられている。これら2ビット中の上位側のビットは、赤セブンのボーナス役に内部当選したことを記憶しておくためのビットであり、下位側のビットは青セブンのボーナス役に内部当選したことを記憶しておくためのビットである。図8に示した内部抽選処理(S116)では、S113の処理で取得した内部抽選用乱数に基づいて、抽選テーブルを参照しながら、何れかの遊技役に内部当選しているか否かを判断し、何れかの遊技役に内部当選していれば、図11に示した内部当選フラグの対応するビットに「1」を設定する(内部当選フラグをONに設定する)処理を行う。
内部抽選処理(S116)を終了すると、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に対して内部抽選結果伝達コマンドを送信する(S118)。内部抽選結果伝達コマンドには、先の内部抽選処理(S116)で行われた内部抽選の結果を示す情報(遊技役に当選したか否かの情報、当選している場合はその遊技役の情報が含まれる)が含まれている。
内部抽選結果伝達コマンドをサブ制御基板220に向けて送信すると(S118)、主制御基板200のCPU201は、続いて回胴回転始動処理を開始する(図9のS128)。回胴回転始動処理では、所定の条件が満足されているか否かを判断して、条件が満たされている場合は、3つの回胴20a,20b,20cを回転させる処理を行う。本実施例の回胴回転始動処理では、スタートレバー36が操作され、且つ、前回に回胴20a,20b,20cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)を経過した場合に回胴の回転を開始することとして、各回胴20a,20b,20cにそれぞれ設けられた回胴モータ24a,24b,24cに対して駆動信号を出力することにより、3つの回胴20a,20b,20cを回転させる。
こうして3つの回胴20a,20b,20cを回転させたら、主制御基板200は、回胴の回転を停止させる処理(回胴回転停止処理)を行う(S130)。回胴回転停止処理の詳細については後述するが、この処理では、先に行われた内部抽選の結果(何れの遊技役に内部当選したか否か)や、遊技者によって回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたタイミングあるいは順序などに基づいて、3つの回胴20a,20b,20cのそれぞれの停止位置を決定し、決定した位置で停止させる処理を行う。
主制御基板200のCPU201は、3つの回胴20a,20b,20cを停止させると、その停止位置に基づいて何れかの遊技役の入賞が成立したか否かを判断する(S132)。ここで、「遊技役の入賞が成立する」とは、遊技役に対応する図柄組合せが、入賞ライン上に揃って停止表示されることをいう。前述したように、本実施例の遊技機1では、内部抽選処理(S116)で何れかの遊技役に内部当選していても、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すタイミングや順序によっては、その遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200は、回胴の回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役の入賞が成立しているか否かを判断する。
尚、本実施例の遊技機1では、前述した内部抽選処理(S116)で何れかのボーナス役(赤セブンのボーナス役または青セブンのボーナス役)に当選した場合において、入賞ライン上に対応する図柄組合せが停止表示されず、何れのボーナス役の入賞も成立しなかったときに限り、ボーナス役の内部当選が持ち越され、次回の遊技以降も、そのボーナス役に対応する内部当選フラグがONに設定されている状態で遊技が行われる。これに対して、ボーナス役以外の遊技役に内部当選した場合は、その遊技で当選した遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に停止表示されたか否かに拘わらず、その内部当選は次遊技以降に持ち越されることなくリセットされてしまう。
S132の判断処理の結果、何れかの遊技役の入賞が成立したと判断された場合は(S132:yes)、先ず初めに、入賞の成立した遊技役が、ボーナス役であるか否かを判断する(S136)。図6を用いて前述したように、ボーナス役は、入賞ライン上に「赤セブン」あるいは「青セブン」の図柄が揃った場合に入賞が成立する遊技役である。そして、ボーナス役の入賞が成立したと判断された場合は(S136:yes)、ボーナス役の内部当選フラグをOFFに設定した後(S138)、BB状態フラグをONに設定するとともに、その他の遊技状態フラグをOFFに設定する(S140)。ここで、BB状態フラグとは、遊技状態を、前述したビッグボーナス状態(BB状態)と呼ばれる遊技者にとって有利な遊技状態とすることを示すフラグであり、現在の遊技状態を表すための「遊技状態フラグ」と呼ばれる専用のフラグの一種である。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1には、BB状態や、後述のRT状態といった特殊な遊技状態のそれぞれに対応する遊技状態フラグが設けられており、これら遊技状態フラグの設定(ON/OFF)に応じて遊技状態を切り換えながら遊技が進行していく。こうした遊技状態フラグは、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている。
図12は、遊技状態フラグ等が設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した説明図である。本実施例の遊技機1では、RAM203上の所定アドレスの1バイトデータのうち、2ビット分が遊技状態フラグとして用いられている。これら2ビットの先頭のビットがBB状態中であることを示すBB状態フラグに設定されており、その次のビットがRT状態中であることを示すRT状態フラグに設定されている。S140では、BB状態に対応するビットに「1」を設定する。また、S140では、ボーナス役が入賞成立するとBB状態フラグをONに設定するとともに、その他の遊技状態フラグ(ここではRT状態フラグ)をOFFに設定する。すなわち、RT状態中であってもボーナス役が入賞成立するとRT状態を終了してBB状態が開始される。
S140の処理が終了すると、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向けてBB状態開始コマンドを送信する(S142)。サブ制御基板220のCPU221はBB状態開始コマンドを受信することによって、BB状態が開始されることを把握する。
一方、入賞した遊技役がボーナス役ではない場合は(S136:no)、今度はその遊技役が再遊技役か否かを判断する(S146)。そして、再遊技役の入賞が成立していた場合は(S146:yes)、再遊技フラグをONに設定する(S148)。ここで、再遊技フラグとは、再遊技役の入賞が成立したことを記憶しておくためのフラグである。この再遊技フラグがONにセットされていると、次回の投入操作受付処理(図8のS108)において、遊技者によって投入されなくても自動的に遊技メダルが再投入される(投入完了フラグがONに設定される)。また、遊技メダルを自動的に再投入した遊技が終了した後は、再遊技フラグはOFFに戻される。このような再遊技フラグも、前述した遊技状態フラグと同様に、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている。本実施例の遊技機1では、図12に示すように、遊技状態を示すフラグが設定されているビットの下位側のビットが再遊技フラグに設定されている。
一方、入賞の成立した遊技役が再遊技役ではなかった場合は(S146:no)、何れかの遊技役の入賞が成立しているものの(図7のS132:yes)、その遊技役は、ボーナス役、再遊技役の何れでもないことから、その他の遊技役であると判断される。そこで、入賞の成立した遊技役に応じた枚数の遊技メダルを払い出す処理を行う(S150)。すなわち、入賞の成立した遊技役が左中ベル役、中右ベル役、左右ベル役、増加役であれば15枚の遊技メダルを払い出し、スイカ役であれば10枚の遊技メダルを払い出し、チェリー役であれば2枚の遊技メダルを払い出す処理を行う。この処理は、主制御基板200の内部で払い出すべき遊技メダルの枚数を求めた後、主制御基板200からメダル払出装置118に対して制御信号を出力することによって行われる。
こうして遊技メダルを払い出すと、主制御基板200のCPU201は、払出枚数計数処理を行う(S152)。前述したように、本実施例のBB状態は、上限枚数(例えば、BB状態は400枚)の遊技メダルが払い出されると終了するように設定されていることから、BB状態の開始後に払い出された遊技メダルの枚数(払出枚数)を計数しておく必要がある。そこで、払出枚数計数処理では、先ず、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判断して、BB状態中であると判断された場合には、S150の処理で払い出した遊技メダルの枚数を、既に払い出した枚数(払出枚数)に加算する処理を行う。一方、BB状態中ではないと判断された場合には、払出枚数の加算処理を行うことなく、そのまま払出枚数計数処理を終了する。こうして払出枚数計数処理を行ったら、遊技終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S154)。遊技終了コマンドは、1回の遊技が終了するたびに(回胴20a,20b,20cが回転した後、停止するたびに)、送信されるコマンドであり、サブ制御基板220のCPU221は、遊技終了コマンドを受信することによって、1回の遊技が終了したことを把握する。また、遊技終了コマンドには、「今回の遊技で何れかの遊技役が入賞成立したか否か、入賞成立したのであればその遊技役の種類(以下、入賞結果ともいう)」、「今回の遊技で払い出された遊技メダルの枚数(以下、獲得枚数ともいう)」、「今回の遊技における遊技者による回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序(以下、操作順序ともいう)」の情報が含まれている。従って、サブ制御基板220のCPU221は、遊技終了コマンドを受信することによって、1回の遊技が終了したことだけでなく、該遊技における「入賞結果」、「獲得枚数」、「操作順序」も把握する。こうして遊技終了コマンドを送信したら(S154)、遊技制御処理の先頭に戻って、図8および図9に示した遊技状態設定処理(図8のS100)以降の上述の処理を行う。
以上は、回胴の通常回転を停止させた結果(S130)、何れかの遊技役の入賞が成立した場合(S132:yes)の処理について説明した。これに対して、何れの遊技役の入賞も成立していない場合は(S132:no)、取りこぼし目確認処理を行う。前述したように、本実施例の遊技機1の遊技状態としては、通常状態、BB状態の他に、RT状態がある。また、詳しくは後述するが、RT状態は通常状態よりも再遊技役に内部当選する確率を高めた遊技者に有利な遊技状態であって、RT状態中に図7を用いて前述した「取りこぼし目」が停止表示されると該RT状態は終了するように構成されている。取りこぼし目確認処理では、RT状態中に取りこぼし目が停止表示されていればRT状態を終了するための処理が実行される。取りこぼし目確認処理を行ったら(S134)、上述した遊技終了コマンドを送信した後(S154)、遊技制御処理の先頭に戻って、図8および図9に示した遊技状態設定処理(図8のS100)以降の上述の処理を行う。
C−2.遊技状態設定処理 :
図13は、本実施例の遊技機1が行う遊技状態設定処理を示すフローチャートである。遊技状態設定処理を開始すると、先ず初めに主制御基板200のCPU201は、図12に示した遊技状態フラグを参照して、BB状態フラグがONに設定されているか否かを判断する(S170)。前述したように、BB状態フラグは、遊技状態をBB状態とすることを示す遊技状態フラグである。その結果、BB状態フラグがONに設定されていると判断された場合は(S170:yes)、BB状態の終了条件が満たされているか否かを判断する(S172)。本実施例では、BB状態の終了条件として、BB状態の開始後に払い出した遊技メダルの枚数が設定されており、払い出した遊技メダルの枚数が第1の所定枚数(例えば、400枚)に達するとBB状態が終了するように設定されている。図8および図9を用いて前述した遊技制御処理では、払い出した遊技メダルの枚数を計数しており(図9のS152)、BB状態開始後に払い出した遊技メダルの枚数が第1の所定枚数に達すると、そのことを検出することができる。そして、この遊技メダルの枚数が第1の所定枚数に達したことを未だ検出していなければ、BB状態の終了条件が満たされていないと判断して(S172:no)、BB状態を継続するべく、BB状態用抽選テーブルを選択する(S174)。以下、BB状態用抽選テーブルについて説明する。
図14は、BB状態中に用いられるBB状態用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図14(a)には、遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲が示されており、図14(b)には、遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図14に示したBB状態用抽選テーブルには、図9を用いて前述した通常状態用抽選テーブルに設定されていた「左中ベル役」、「中右ベル役」、「左右ベル役」、「スイカ役」、「チェリー役」、「再遊技役」、「ボーナス役」の遊技役が設定されておらず、「増加役」が設定されている。「増加役」には全体の半分以上の乱数値が設定されている。図6を用いて前述したように、「増加役」の入賞が成立すると、15枚の遊技メダルが払い出されることから、BB状態中は高い確率で増加役の入賞が成立し、入賞成立の度に15枚の遊技メダルが払い出されることになる。
上述のBB状態用抽選テーブルを利用したBB状態の進行に伴い、増加役が繰り返し入賞して第1の所定枚数の遊技メダルを払い出した場合は、図13のS172で、BB状態の終了条件が成立したと判断して(S172:yes)、BB状態を終了するべくBB状態フラグをOFFに設定する(S176)。RT状態を開始するべく、図12を用いて前述したRT状態フラグをONに設定する(S178)。すなわち、本実施例の遊技機1では、BB状態が終了するとRT状態が開始される。こうして、RT状態フラグをONに設定したら、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向けてRT状態開始コマンドを送信する(S180)。サブ制御基板220のCPU221は、RT状態開始コマンドを受信することによって、BB状態が終了してRT状態が開始することを把握する。RT状態開始コマンドを送信すると、RT状態での遊技を行わせるべく、RT状態用抽選テーブルを選択した後(S182)、遊技状態設定処理を終了して、図8および図9に示した遊技制御処理に復帰する。
図15は、RT状態中に用いられるRT状態用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図15(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲が示されており、図15(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図10を用いて前述した通常状態用抽選テーブルと比較すると明らかなように、図15に示したRT状態用抽選テーブルでは、全体の半分以上の乱数値が「再遊技役」に設定されている。従って、RT状態中は通常状態中よりも高い確率で再遊技役の入賞が成立するので、遊技メダルの使用量(消費量)を通常状態中よりも抑制しながらボーナス役の入賞成立を狙うことが可能となる。
尚、図8に示した内部抽選処理では、スタートレバー36の操作時に取得された内部抽選用乱数を、上述のように選択した抽選テーブルに参照して、内部抽選結果(何れの遊技役に内部当選したか、若しくは何れの遊技役にも内部当選しなかったか)が決定されることになる。その結果、通常状態用抽選テーブルが選択された場合は通常状態中の遊技が行われることとなり、BB状態用抽選テーブルが選択された場合はBB状態中の遊技が行われることとなり、RT状態用抽選テーブルが選択された場合はRT状態中の遊技が行われることとなる。
以上は、S170の処理で、BB状態フラグがONに設定されていると判断した場合の処理について説明した(S170:yes)。これに対して、BB状態フラグがONに設定されていないと判断した場合は(S170:no)、今度はRT状態フラグがONに設定されているか否かを判断する(S184)。前述したように、RT状態フラグは、遊技状態がRT状態であることを示す遊技状態フラグであり、S184の処理では、RT状態中か否かが判断される。その結果、RT状態中であると判断された場合は、上述のRT状態用抽選テーブルを選択する(S182)。一方、RT状態中でないと判断された場合は(S184:no)、既にBB状態中でもないと判断されていることから(S170:no)、現在の遊技状態は通常状態中であるので、図10に示した通常状態用抽選テーブルを選択する(S186)。尚、ボーナス役に内部当選してからボーナス役の入賞が成立するまでは、内部当選する遊技役としてボーナス役が設定されていない抽選テーブル(図示略)が選択される。これにより、ボーナス役が内部当選している状態では、更に別のボーナス役が当選しないようになっている。
C−3.投入操作受付処理 :
図16は、本実施例の遊技機1で行われる投入操作受付処理の流れを示すフローチャートである。前述したように、投入操作受付処理は、主制御基板200のCPU201によって、図8および図9に示した遊技制御処理の中で実行される(図8のS108)。
投入操作受付処理を開始すると、先ず初めに、再遊技フラグがONに設定されている否かの判断を行う(S200)。その結果、再遊技フラグがONに設定されている場合は(S200:yes)、投入完了フラグをONに設定した後(S202)、投入操作受付処理を終了して、図8および図9に示した遊技制御処理に復帰する。すなわち、再遊技フラグがONに設定されている場合は再遊技役が入賞成立した状態であることから、遊技メダルの投入操作が行われなくても遊技メダルの投入が完了した状態にする必要がある。そこで、投入操作受付処理の中のS200の判断処理の結果が否定判断結果であった場合に行われる遊技メダルの投入に係る処理は行わないまま、投入完了フラグをONに設定する。この状態で、図8および図9に示した遊技制御処理に復帰すると、投入完了フラグがONであると判断され(S110:yes)、スタートレバー36の操作待ちの状態になる。これにより、再遊技役が入賞成立した場合は、遊技メダルの投入操作を行わなくても、遊技を進行させることができる状態となる。投入完了フラグをONに設定したら(S202)、遊技メダルの投入が完了したことを示す投入完了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S203)。サブ制御基板220のCPU221は、投入完了コマンドを受信することによって、遊技メダルの投入が完了したことを把握する。
S200の判断処理で、再遊技フラグがOFFであると判断した場合、すなわち、前回の遊技で再遊技役が入賞成立しなかったと判断した場合は(S200:no)、遊技メダル投入口36から遊技メダルが入れられたか否か(遊技メダルを検出したか否か)の判断を行う(S204)。その結果、遊技メダルを検出した場合は(S204:yes)、投入完了フラグがONに設定されているか否か、すなわち、既に規定数(本実施例では3枚)の遊技メダルが投入されている(以下、「遊技メダルの投入が完了している」ともいう)か否かの判断を行う(S206)。未だ遊技メダルの投入が完了していない場合は(S206:no)、投入カウンタの値に「1」を加算する。投入カウンタは、投入された遊技メダルの枚数を計数するためのカウンタであって、主制御基板200に搭載されているRAM203の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。投入カウンタの値に「1」を加算すると(S208)、その結果、投入カウンタの値が「3」になったか否か、すなわち、規定数(3枚)の遊技メダルが投入されたか否かを判断する(S210)。規定数(3枚)の遊技メダルが投入された場合は、すなわち遊技メダルの投入が完了した場合は(S210:yes)、次回の投入枚数の計数に備えて投入カウンタの値を「0」に戻した後(S212)、スタートレバー36の操作を可能にするべく投入完了フラグをONに設定する(S214)。投入完了フラグをONに設定したら(S214)、遊技メダルの投入が完了したことを示す投入完了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S215)。
一方、投入カウンタに「1」を加算したものの投入カウンタの値が「3」に到達していない場合、すなわち、今回遊技メダル投入口36から入れられた遊技メダルを合わせても規定数に到達していない場合は(S210:no)、投入完了フラグをONに設定することなく、そのまま投入操作受付処理を終了して、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。
遊技メダルを検出した場合において(S204)、遊技メダルの投入が既に完了している場合は(S206:yes)、今度は、貯留カウンタの値に「1」を加算する(S222)。貯留カウンタは、遊技メダルの投入が完了している状態で遊技メダル投入口30から入れられた遊技メダルの枚数を計数するためのカウンタである。換言すると、貯留カウンタは、遊技メダルの投入が完了している状態で遊技メダル投入口30から入れられた遊技メダルをクレジットとして貯留するためのカウンタである。詳しくは後述するが、貯留カウンタに貯留された遊技メダルは、投入ボタン34が操作されることによって投入カウンタに移行させられる(投入される)。尚、貯留カウンタは、主制御基板200のRAM203の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。貯留カウンタの値に「1」を加算したら、投入操作受付処理を終了して、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。
以上は、遊技メダル投入口30から入れられた遊技メダルを検出した場合(S204:yes)の処理について説明した。これに対して、該遊技メダルを検出しなかった場合は(S204:no)、先ず、投入完了フラグがONに設定されているか、すなわち、遊技メダルの投入が完了しているか否かを判断する(S216)。その結果、遊技メダルの投入が既に完了している場合は(S216:yes)、そのまま投入操作受付処理を終了して、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、遊技メダルの投入が完了していない場合は(S216:no)、今度は、投入ボタン34の操作を検出したか否かを判断する(S218)。その結果、投入ボタン34の操作を検出した場合は(S218:yes)、貯留カウンタおよび投入カウンタの値を更新する(S220)。本実施例の遊技機1では、遊技メダルの投入が完了しておらず且つ貯留カウンタに遊技メダルが貯留されている状態で、投入ボタン34が操作されると、貯留カウンタに貯留されている遊技メダルは、遊技メダルの投入枚数が規定数になるまで投入される。すなわち、S220の処理では、投入カウンタの値が「3」に到達していないので(S216:no)、貯留カウンタの値が「0」ではなければ、投入カウンタの値が「3」に到達するまで加算される。
その結果、投入カウンタの値が「3」に到達した場合、すなわち、遊技メダルの投入が完了した場合は(S210:yes)、次回の投入枚数の計数に備えて投入カウンタの値を「0」に戻した後(S212)、スタートレバー36の操作を可能にするべく投入完了フラグをONに設定する(S214)。そして、投入完了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信して(S215)、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。
ここで、S220の処理では、投入カウンタの値に加算された数だけ、貯留カウンタの値から減算される。従って、投入カウンタの値が「3」に到達する前に貯留カウンタの値が「0」になった場合、例えば、投入カウンタの値が「0」、貯留カウンタの値が「2」であって、投入カウンタの値に「2」を加算することにともなって、貯留カウンタの値から「2」を減算した結果、投入カウンタの値が「2」、貯留カウンタの値が「0」になった場合は、投入カウンタの値が「3」に到達していないので(S210:no)、投入完了フラグをONに設定することなく、投入操作受付処理を終了して、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。
以上のように、本実施例の遊技機1では、遊技メダル投入口30から遊技メダルが入れられること、あるいは投入ボタン34が操作されることによって、遊技メダルが投入され、遊技メダルの投入が完了すると、サブ制御基板220に向けて投入完了コマンドが送信される。
C−4.回胴回転停止処理 :
図17は、本実施例の遊技機1で行われる回胴回転停止処理の流れを示すフローチャートである。前述したように、回胴回転停止処理は、主制御基板200のCPU201によって、図8および図9に示した遊技制御処理の中で実行される(図9のS130)。
回胴回転停止処理を開始すると、先ず初めに、この処理に先立って行われた内部抽選(図8のS116)の結果に応じて第1停止テーブルを抽出する処理を行う(S250)。ここで、停止テーブルとは、回胴20a,20b,20cを停止する際に参照する専用のテーブルである。詳しくは後述するが、遊技者が回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したときに、回胴の外周面に描かれた図柄のうち(図3参照)、何れの図柄を表示窓20に表示して回胴20a,20b,20cを停止するかは、停止テーブルに予め設定されている。前述したように、内部抽選で所定の遊技役に内部当選している(内部当選フラグがONに設定されている)場合は、適切なタイミングで(内部当選している遊技役によっては、適切なタイミングおよび適切な操作順序で)回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作すると、その遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うように、各回胴20a,20b,20cを停止する必要がある。逆に、内部当選していない遊技役については、どのようなタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したとしても、対応する図柄組合せが有効な入賞ライン上に揃わないように、各回胴20a,20b,20cを停止する必要がある。そのため、何れの遊技役に内部当選しているかに応じて、異なる停止テーブルが設けられている。
また、このような停止テーブルには、回胴20a,20b,20cの全てが回転しているときに参照する第1停止テーブルと、既に何れかが停止しているときに参照する第2停止テーブルとが設定されている。そこで、回胴回転停止処理を開始した直後のS250では、内部抽選の結果に応じて、先ず初めに第1停止テーブルを抽出する。例えば、「スイカ役」に内部当選したと判断された場合は、「スイカ役」当選時用に設定された第1停止テーブルを抽出する。もちろん、何れの遊技役にも当選していない場合には、ハズレ用に設定された第1停止テーブルを抽出する。
こうして第1停止テーブルを選択したら、回胴20a,20b,20cの回転速度が所定値に達したか否かを判断する(S252)。回胴20a,20b,20cが回転を開始した直後は、回転速度が上昇中で、未だ所定の回転速度に達していないと判断されるので(S252:no)、回転速度が所定値に達するまで、判断を繰り返しながら待機状態となる。そして、回転速度が所定速度に達していると判断したら(S252:yes)、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作を有効化する(S254)。
続いて、有効となった回胴停止ボタン38a,38b,38cの何れかが操作されたか否かを判断する(S256)。前述したように、遊技者が回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作すると、その操作信号が主制御基板200に供給されるので、主制御基板200はこの操作信号に基づいて、回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたか否かを判断することができる。そして、何れの回胴停止ボタンも操作されていない場合は(S256:no)、操作されるまで待機する。
一方、何れかの回胴停止ボタンが操作された場合は(S256:yes)、操作された回胴停止ボタンを無効化するとともに(S258)、回胴停止ボタンが操作された時に、そのボタンに対応する回胴が何れの回転位置にあったかを検出する(S260)。前述したように、回胴20a,20b,20cのそれぞれに対応して回胴センサ26a,26b,26cが設けられており(図4参照)、回胴20a,20b,20cの回転位置を検出可能である。また、本実施例の遊技機1では、回胴停止ボタンの操作時に、対応する回胴に描かれた複数の図柄(図3参照)の中の何番目の図柄が所定の「基準位置」に表示されていたかに基づいて、その回胴の回転位置を検出するようになっている。ここで、基準位置は、各回胴の回転位置を相対的に検出するために予め定められた特別な位置であり、本実施例の遊技機1では、何れの回胴も表示窓20の中段の位置が基準位置に設定されている。
このようにして、回胴停止ボタンが操作された回胴の回転位置を検出したら、その回胴を適切な位置で停止させるための処理(回胴停止制御処理)を開始する(S262)。この回胴停止制御処理の詳細な内容については後述する。
回胴停止制御処理を行って、回胴停止ボタンが操作された回胴を停止させると、3つの回胴20a,20b,20cの全てを停止させたか否かを判断する(S264)。そして、未だ回胴停止ボタンが操作されずに回転中の回胴がある場合は(S264:no)、S256の処理に戻って、有効な回胴停止ボタンが操作されるまで待機し、操作されたら続く上述した一連の処理を実行する。こうした処理を繰り返すうちに、全ての回胴を停止させたと判断されたら(S264:yes)、図17の回胴回転停止処理を終了して、図8および図9に示した遊技制御処理に復帰する。
次に、上述した回胴回転停止処理(図17)の中で回胴停止ボタンが操作された場合に、対応する回胴を適切な位置で停止させるために行われる回胴停止制御処理(S262)の内容について説明する。
図18は、回胴回転停止処理の中で実行される回胴停止制御処理の流れを示したフローチャートである。回胴停止制御処理を開始すると、先ず初めに、停止させる回胴が第1回胴であるか否かを判断する(S290)。ここで、第1回胴とは、3つの回胴20a,20b,20cの中で最初に停止する回胴をいう。すなわち、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cは、どのような順序で操作してもよいことから、3つの回胴20a,20b,20cの停止する順序は種々の順序を取り得る。そこで、3つの回胴20a,20b,20cの中で最初に停止する回胴を「第1回胴」と呼び、2番目に停止する回胴を「第2回胴」、3番目に停止する回胴を「第3回胴」と呼んで区別する。そして、第1回胴を停止させると判断された場合は(S290:yes)、今度は、今回の内部抽選処理(図8のS118)で「操作順序対応遊技役」に内部当選したか否かの判断を行う。「操作順序対応遊技役」は、図7を用いて前述したように、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序(何れの回胴20a,20b,20cを最初に停止させるか(第1回胴とするか))によって、「操作順序対応遊技役」が入賞成立するか、「取りこぼし目」が停止表示されるかが決定される遊技役である。以下では、先ず、今回の内部抽選処理で「操作順序対応遊技役」に内部当選していない場合について説明する。
「操作順序対応遊技役」に内部当選していないと判断された場合は(S292:no)、回胴回転停止処理の開始直後(図17のS250)に抽出しておいた第1停止テーブルを参照しながら、先に検出した回胴停止ボタン操作時の第1回胴の回転位置(図17のS260)に基づいて、第1回胴の停止位置を決定する(S302)。本実施例の遊技機1では、回胴の停止位置として、基準位置に停止表示させる図柄(停止図柄)を決定するようになっている。
図19は、本実施例の遊技機1に設定されている第1停止テーブルの1つを例示した説明図である。停止テーブルには、回胴停止ボタンが操作された時の回胴の回転位置と、回胴停止ボタンが操作されてからその回胴を停止するまでの時間(停止時間)との対応関係が設定されている。上述したように、本実施例では、回胴20a,20b,20cの回転位置を、基準位置に表示されていた図柄よって検出していることから、図19では、回転位置として、回胴20a,20b,20cの外周面に描かれた図柄の番号(図3の図柄配列に付された番号に対応する)が設定されている。また、前述したように、回胴停止ボタンの操作が有効化された時点では、対応する回胴は一定の速度で回転しているので(図17のS252:yes)、停止時間が決まれば、その間に回胴上に描かれた図柄にして何コマ分回転が進むかも決定される。そこで、図19に示した例では、停止時間に代えて、回胴停止ボタンが操作されてから何コマ分回転を進めて(滑らせて)その回胴を停止するかを示す「滑りコマ数」が設定されている。従って、このような停止テーブルを参照すれば、回胴停止ボタンの操作時に基準位置に表示されていた図柄に対応する滑りコマ数を読み出して、停止図柄を決定することができる。
一例として、左回胴20aを第1回胴として停止させる場合について説明する。遊技者が左側の回胴停止ボタン(左停止ボタン)38aを操作した時点で、図20に示すように、表示窓20の中段の位置(基準位置)に10番の「赤セブン」の図柄が表示されていたとする。この場合に、図19の第1停止テーブルを参照すると、10番の「赤セブン」の図柄に対して滑りコマ数が「2」と設定されている。そのため、図柄2コマ分滑らせて12番の「ベル」の図柄を、基準位置に表示させる停止図柄に決定する。図20では、白抜きの矢印によって回胴の回転方向を示しており、破線の円で囲んだ図柄が停止図柄となることを表している。
ここで、停止テーブルに設定される停止時間は、最大で190msecとなっており、この190msecの間に、回胴20a,20b,20cは図柄にして4コマ分回転する。換言すれば、回胴停止ボタンが操作されると、その時点で基準位置に表示されている図柄から最大で4コマ以内にある図柄(基準位置の図柄を含めて5つの図柄)の中から停止図柄を決定することになる。このことと対応して、停止テーブル(図19)では、基準位置の図柄に応じて、滑りコマ数として0〜4の数値が設定されている。
このように、回胴の停止位置は、停止テーブルに設定されている停止時間(滑りコマ数)によって決定される。従って、停止テーブルを予め適切に設定しておけば、内部当選した遊技役に対応する図柄組合せは、有効な入賞ライン上に比較的容易に揃うように、逆に、内部当選していない遊技役の図柄組合せは、有効な入賞ライン上に決して揃わないように、各回胴20a,20b,20cを停止することが可能となる。
以上のようにして第1回胴の停止位置を決定したら、決定した位置で第1回胴を停止させる(S304)。その後、第1回胴に停止表示された図柄に応じて第2停止テーブルを抽出したら(S306)、図18の回胴停止制御処理を一旦終了して、図17に示した回胴回転停止処理に復帰する。ここで、第1停止テーブルと第2停止テーブルとの関係について補足して説明する。
図21は、第1停止テーブルと第2停止テーブルとの関係を示した説明図である。上述したように第1停止テーブルは、第1回胴を停止する際、すなわち、回胴20a,20b,20cの全てが回転しているときに参照するテーブルであり、3つの回胴の全てを対象に設定されている。これに対して、第2停止テーブルは、第2回胴および第3回胴を停止する際に参照するテーブルであり、既に停止している第1回胴が3つの回胴20a,20b,20cのうちの何れであるかに応じて、第1回胴を除く残り2つの回胴を対象に設定されている。また、前述したように、内部当選した遊技役の入賞を成立させるには、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃う必要があり、逆に、内部当選していない遊技役の図柄組合せは、入賞ラインの何れにも揃わないようにする必要がある。このことから、第2回胴あるいは第3回胴に何れの図柄を停止表示させるかは、既に停止した第1回胴に表示された図柄に影響される場合がある。従って、第2停止テーブルは、第1回胴に停止表示された図柄に応じて複数用意されており、図18のS306では、第1回胴に何れの図柄が停止表示されたかに応じて適切な第2停止テーブルを抽出する。尚、前述したように、各回胴20a,20b,20cの停止位置は、内部当選している遊技役に左右されるため、第1停止テーブルも第2停止テーブルも共に、内部当選している遊技役に応じてそれぞれ設定されている。
以上では、「操作順序対応遊技役」に内部当選しておらず、且つ停止させる回胴が第1回胴であった場合(図18のS290:yes、S292:no)に行われる処理について説明したが、停止させる回胴が第1回胴ではなかった場合、すなわち、既に何れかの回胴が停止している場合には(S300:no)、停止させる回胴が第2回胴であるか否かを判断する(S310)。そして、第2回胴であると判断された場合は(S308:yes)、S306で抽出した第2停止テーブルを参照しながら、先に検出した回胴停止ボタン操作時の第2回胴の回転位置(図17のS260)に基づいて、前述した第1回胴の場合と同様に、第2回胴の停止位置を決定した後(S312)、決定した位置で第2回胴を停止する(S312)。
これに対して、停止させる図柄が第2回胴ではなかった場合(S308:no)、すなわち既に第1回胴および第2回胴は停止しており第3回胴を停止させる場合は、第2停止テーブルを参照しながら、先に検出した回胴停止ボタン操作時の第3回胴の回転位置(図17のS260)に基づいて、第3回胴の停止位置を決定する(S314)。第2停止テーブルには、図19に示したような第2回胴および第3回胴の両方の停止情報(停止時間)が設定されていることから、第3回胴の停止位置を決定する際にも第2停止テーブルを参照する。こうして決定した位置で第3回胴を停止したら(S314)、図18の回胴停止制御処理を終了して、図17に示した回胴回転停止処理に復帰する。
以上に説明したように、回胴回転停止処理では、内部当選している遊技役に応じて適切な停止テーブルを抽出するとともに、回胴停止ボタン38a,38b,38cの何れかが操作されると、対応する回胴のボタン操作時の回転位置に基づいて、停止テーブルを参照しながら停止位置を決定することによって、各回胴20a,20b,20cを適切な位置で停止させるようになっている。
以上は、「操作順序対応遊技役」に内部当選していない場合に、第1停止テーブルおよび第2停止テーブルを抽出して、各回胴を停止する処理について説明した。以下では、「操作順序対応遊技役」に内部当選している場合について説明する。図7を用いて前述したように、「操作順序対応遊技役」は、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序(何れの回胴20a,20b,20cを最初に停止させるか(第1回胴とするか))によって、「操作順序対応遊技役」が入賞成立するか、「取りこぼし目」が停止表示されるかが決定される遊技役である。従って、内部当選した操作順序対応遊技役に対応する操作順序(以下、「正解の操作順序」ともいう)で回胴停止ボタンが操作されたら、該操作順序対応遊技役が入賞成立する第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出され、内部当選した操作順序対応遊技役に対応しない操作順序(以下、「不正解の操作順序」ともいう)で回胴停止ボタンが操作されたら、取りこぼし目が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出される。すなわち、図7に示す「左中ベル役」に内部当選している場合は、最初に左回胴停止ボタン38aあるいは中回胴停止ボタン38bが操作されたときに「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出され、最初に右回胴停止ボタン38cが操作されたときに「取りこぼし目」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出される。また、図7に示す「中右ベル役」に内部当選している場合は、最初に中回胴停止ボタン38bあるいは右回胴停止ボタン38cが操作されたときに「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出され、最初に左回胴停止ボタン38aが操作されたときに「取りこぼし目」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出される。また、図7に示す「左右ベル役」に内部当選している場合は、最初に左回胴停止ボタン38aあるいは右回胴停止ボタン38cが操作されたときに「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出され、最初に中回胴停止ボタン38bが操作されたときに「取りこぼし目」が停止表示される第1停止テーブルおよび第2停止テーブルが抽出される。
以上のように、「操作順序対応遊技役」に内部当選した場合に第1停止テーブルおよび第2停止テーブルを選択するために、本実施例の遊技機1では、「操作順序対応遊技役」に内部当選している場合は、図17に示す回胴回転停止処理における処理(S250)で、一旦、「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルを抽出する。そして、最初の回胴停止ボタンが操作されると(S256:yes)、図18に示す回胴停止制御処理で、その最初に操作された回胴停止ボタンが内部当選した操作順序対応遊技役に対応しているか否か(正解の操作順序か否か)を判断する(S294)。その結果、正解の操作順序である場合は(S294:yes)、既に抽出されている「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルに従って第1回胴を停止した後(S304)、該第1停止テーブルに対応する第2停止テーブル(「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第2停止テーブル)を抽出して(S306)、第2回胴および第3回胴を停止する(S312、S316)。その結果、操作順序対応遊技役が入賞成立する。
一方、回胴停止ボタンの操作順序が不正解である場合は(S294:no)、既に抽出してある「ベルの図柄が揃った図柄組合せ」が停止表示される第1停止テーブルに代えて、「取りこぼし目」が停止表示される第1停止テーブルを抽出する。その後、この「取りこぼし目」が停止表示される第1停止テーブルに従って第1回胴を停止した後(S304)、該第1停止テーブルに対応する第2停止テーブル(「取りこぼし目」が停止表示される第2停止テーブル)を抽出して(S306)、第2回胴および第3回胴を停止する(S312、S316)。その結果、「取りこぼし目」が停止表示される。
以上に説明したように、図7を用いて前述した操作順序対応遊技役の何れかに内部当選した場合において、回胴停止ボタンの操作順序が正解である場合はその「操作順序対応遊技役」が入賞成立し、回胴停止ボタンの操作順序が不正解である場合は「取りこぼし目」が停止表示される。
全ての回胴20a,20b,20cを停止させたら、図8および図9に示した遊技制御処理に復帰した後、何れかの遊技役の入賞が成立していた場合には(S132:yes)、成立した遊技役に応じて遊技状態フラグを設定したり(図9のS136〜S148)、遊技メダルを払い出したりする処理を行ったりした後(S150〜S152)、遊技終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S154)。そして、再び遊技制御処理の先頭に戻って、遊技状態設定処理に続く上述した一連の処理を繰り返す。
C−5.取りこぼし目確認処理 :
図22は、取りこぼし目確認処理を示すフローチャートである。取りこぼし目確認処理は、図8および図9に示す遊技制御処理の中で、全ての回胴の回転を停止させた結果(図9のS130)、何れの遊技役も入賞成立しなかった場合に(S132:no)行われる処理である(S134)。図22に示すように、取りこぼし目確認処理を開始すると、先ず初めに、RT状態フラグがONに設定されているか否か、すなわち、RT状態中か否かの判断を行う(S500)。その結果、RT状態中である場合は、回胴の通常回転を停止させた結果、取りこぼし目が停止表示されたか否かの判断を行う(S502)。その結果、取りこぼし目が停止表示された場合は、RT状態を終了するべくRT状態フラグをOFFに設定する(S504)。RT状態フラグをOFFに設定したら(S504)、RT状態終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信した後、取りこぼし目確認処理を終了して図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。S500の処理でRT状態中でないと判断した場合(S500:no)、あるいは、S502の処理で取りこぼし目が停止表示されていないと判断した場合は(S502:no)、そのままS504およびS506の処理をスキップして、取りこぼし目確認処理を終了した後、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。尚、取りこぼし目が停止表示されることによってRT状態が終了すると、BB状態フラグもRT状態フラグもOFFに設定された状態となるので、次の遊技状態設定処理(図13)で通常状態用抽選テーブルが選択されて遊技状態が通常状態に移行する。
以上のように、RT状態中に操作順序対応遊技役に内部当選したものの回胴停止ボタンの操作順序が不正解である場合は、取りこぼし目が停止表示されるとともにRT状態が終了されて、通常状態が開始される。遊技者にとっては、通常状態よりもRT状態の方が遊技メダルの使用量を抑制しながら遊技を進行させることができる有利な遊技状態である。従って、遊技者は、RT状態中に操作順序対応遊技役が内部当選した場合は、該遊技役が入賞成立すること、すなわち、取りこぼし目が停止表示されないことに期待する。そして、操作順序対応遊技役のうち何れかの遊技役が内部当選している可能性があるものの、それが「左中ベル役」か「中右ベル役」か「左右ベル役」かを認識できない場合は(すなわち、正解の操作順序を認識できない場合は)、遊技者は、正解の操作順序を推測し、回胴停止ボタンを操作する。その結果、該推測が正しい場合は操作順序対応遊技役の入賞を成立させることが可能であり、該推測が誤りである場合は取りこぼし目が停止表示されて、RT状態が終了されることになる。
D.演出制御処理 :
次に、サブ制御基板220に搭載されているCPU221が実行する演出制御処理について説明する。演出制御処理が行われることによって、演出表示装置10や、各種ランプ類12、スピーカ14などを用いた各種演出が実行される。
図23〜図26は、本実施例の遊技機1においてサブ制御基板220に搭載されているCPU221が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、演出制御処理を開始すると、先ず初めに、主制御基板200からBB状態開始コマンドを受信したか否かを確認する(S1002)。図9を用いて前述したように、BB状態開始コマンドは、ボーナス役に入賞成立すると主制御基板200のCPU201からサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドである。BB状態開始コマンドを受信した場合は(S1002:yes)、BB状態開始時用のATモード終了処理(BB状態開始時ATモード終了処理)を行う(S1004)。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、前述したRT状態が開始されると、同時にアシストタイム遊技状態(以下、ATモードという)という遊技状態が開始される。ATモードは、前述した操作順序対応遊技役に内部当選した場合に「正解の操作順序」を高い頻度で遊技者に報知する遊技状態である。ATモードが開始されると、「正解の操作順序」が高い頻度で報知されるので、操作順序対応遊技役を高い頻度で入賞させることができるとともに、取りこぼし目が停止表示されるのを高い頻度で回避してRT状態が終了するのを防止することができる。従って、ATモード中の遊技は遊技者にとって有利な遊技であり、遊技者は、ATモードがより長く継続することに期待することになる。詳しくは後述するが、S1004のBB開始時ATモード終了処理では、BB状態が開始されるにあたって、実行中のATモードを終了させるための処理が行われる。続いて、BB状態に連動した演出であるBB状態用演出を開始する(S1008)。
尚、本実施例の遊技機1では、互いに継続条件(終了条件)の異なる複数種類(3種類)のATモード(後述の「AT−Aモード」、「AT−Bモード」、「AT−Cモード」)を実行することが可能であり、該複数種類のATモードに対応させて複数種類のAT実行フラグ(後述の「AT−A実行フラグ」、「AT−B実行フラグ」、「AT−C実行フラグ」)が用意されている。AT実行フラグは、それぞれのAT実行フラグに対応する種類のATモードの開始時にONに設定され、該ATモードの終了時にOFFに設定されるフラグであり、サブ制御基板220に搭載されているRAM223にその記憶領域が確保されている。
次に、RT状態開始コマンドを受信したか否かを判断する(S1010)。図13を用いて前述したように、RT状態開始コマンドは、BB状態が終了してRT状態が開始されるときに、主制御基板220から送信されるコマンドである。そして、RT状態開始コマンドを受信している場合は、AT−A受付中フラグをONに設定する(S1012)。ここで、前述したように本実施例の遊技機1では複数種類のATモードが実行可能であり、ATモードを開始するにあたって、複数種類のATモードの中から遊技者の所望するATモードを選択させることとしている。また、本実施例の遊技機1では、RT状態を開始すると同時にATモードを開始することから、RT状態開始コマンドを受信したときに遊技者による上述のATモードの選択を受け付けることとしている。AT−A受付中フラグは、複数種類のATモードのうちの1つである「AT−Aモード」の選択を受け付け中であることを示すフラグである。AT−A受付中フラグは、AT−Aモードの選択受付が開始されるとONに設定され、該選択受付が終了するとOFFに設定されるフラグであり、サブ制御基板220に搭載されているRAM223にその記憶領域が確保されている。AT−A受付中フラグをONに設定すると、AT−Aモードの選択を受け付け中であることを遊技者に報知するための演出(AT−A受付演出)を開始する。以上のように、RT状態と同時にATモードを開始するにあたって、AT−A受付演出を開始したら、選択受付時間を「0」に設定するとともに(S1016)、選択受付時間の計測を開始する(S1017)。選択受付時間は、何れかの種類のATモード(ここではAT−Aモード)の選択受付を開始してからの時間であって、サブ制御基板220に搭載されているRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。
D−1.ATモードの選択受付からAT実行開始までの処理 :
次に、AT選択受付切換処理(S1020)について説明する。AT選択受付切換処理は、演出制御処理が行われるたびに実行される。この処理では、遊技者による選択を受け付け中であるATモードの種類を切り換える処理が行われる。
図27は、本実施例のAT選択受付切換処理を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、AT選択受付切換処理を開始すると、先ず初めに、何れかのAT受付中フラグがONに設定されているか否かの判断を行う(S1200)。前述したように、本実施例の遊技機1では、AT−Aモードの選択受付中はAT−A受付中フラグがONに設定された状態となる。同様に、本実施例の遊技機1では、AT−Bモードの選択受付中はAT−B受付中フラグがONに設定された状態となり、AT−Cモードの選択受付中はAT−C受付中フラグがONに設定された状態となる。S1200の処理では、これらのAT受付中フラグ(「AT−A受付中フラグ」、「AT−B受付中フラグ」、「AT−C受付中フラグ」)のうち何れかがONに設定されているか否か、すなわち、何れかのATモードの選択受付中か否かが判断される(S1200)。その結果、何れかのATモードの選択受付中である場合は(S1200:yes)、該ATモードの選択を受け付けてから2秒が経過したか否かを判断する(S1202)。
その結果、何れかのATモードの選択を受け付けてから2秒が経過したと判断した場合は(S1202:yes)、今度は、AT−A受付中フラグがONに設定されているか否か、すなわち、AT−Aモードの選択受付中か否かを判断する(S1204)。そして、AT−Aモードの選択受付中であれば(S1204:yes)、AT−A受付中フラグをOFFに設定するとともに(S1208)、AT−B受付中フラグをONに設定して(S1210)、AT−Bモードの選択受付中であることを示すAT−B受付演出を開始する(S1212)。すなわち、AT−Aモードの選択受付(AT−A受付演出)を開始してから(S1204:yes)、2秒が経過したら(S1202:yes)、AT−Aモードの選択受付を終了して(S1208)、AT−Bモードの選択受付(AT−B受付演出)を開始する(S1210、S1212)。こうして、AT−B受付演出を開始したら(S1212)、選択受付時間を「0」に設定して(S1214)、AT−Bモードの選択受付時間の計測を開始した後(S1216)、AT選択受付切換処理を終了して、図23〜図26に示す演出制御処理に復帰する。
以上は、AT−Aモードの選択を受け付けてから2秒が経過した場合の処理について説明した(S1202:yes、S1204:yes)。これに対して、S1204の処理で、AT−Aモードの選択受付中でないと判断された場合は(S1204:no)、今度は、AT−B受付中フラグがONに設定されているか否か(S1218)、すなわち、AT−Bモードの選択を受け付けてから2秒が経過したか否かを判断する。その結果、AT−Bモードの選択を受け付けてから2秒が経過した場合は、AT−B受付中フラグをOFFに設定するとともに(S1220)、AT−C受付中フラグをONに設定して(S1222)、AT−Cモードの選択受付中であることを示すAT−C受付演出を開始する(S1224)。すなわち、AT−Bモードの選択受付(AT−B受付演出)を開始してから(S1218:yes)、2秒が経過したら(S1202:yes)、AT−Bモードの選択受付を終了して(S1220)、AT−Cモードの選択受付(AT−C受付演出)を開始する(S1222、S1224)。こうして、AT−C受付演出を開始したら(S1224)、選択受付時間を「0」に設定して(S1214)、AT−Cモードの選択受付時間の計測を開始した後(S1216)、AT選択受付切換処理を終了して、図23〜図26に示す演出制御処理に復帰する。
一方、S1204の処理で、AT−Bモードの選択受付中でないと判断された場合は(S1218:no)、何れかのATモードの選択を受け付けてから2秒が経過したものの(S1200:yes、S1202:yes)、それがAT−AモードでもAT−Bモードでもないことから(S1204:no、S1218:no)、AT−Cモードの選択受付中である場合であって、換言すると、AT−Cモードの選択を受け付けてから2秒が経過した場合である。この場合は、AT−C受付中フラグをOFFに設定するとともに(S1226)、AT−A受付中フラグをONに設定して(S1228)、AT−Aモードの選択受付中であることを示すAT−A受付演出を開始する(S1230)。すなわち、AT−Aモードの選択受付(AT−A受付演出)を開始してから(S1218:no)、2秒が経過したら(S1202:yes)、AT−Cモードの選択受付を終了して(S1226)、AT−Aモードの選択受付(AT−A受付演出)を開始する(S1228、S1230)。こうして、AT−A受付演出を開始したら(S1230)、選択受付時間を「0」に設定して(S1214)、AT−Aモードの選択受付時間の計測を開始した後(S1216)、AT選択受付切換処理を終了して、図23〜図26に示す演出制御処理に復帰する。
尚、何れのATモードの選択も受け付けてない場合や(S1200:no)、何れかのATモードの選択を受け付けているものの該選択を受け付けてから2秒が経過していない場合は(S1202:no)、そのままAT選択受付切換処理を終了して、図23〜図26に示す演出制御処理に復帰する。
以上のように、RT状態が開始されると同時にATモードを開始するにあたって、AT−A受付演出の開始に係る処理を行った後(図23のS1012〜S1018)、図27に示すAT選択受付切換処理を行うことによって、AT−A受付演出、AT−B受付演出、AT−C受付演出を2秒ごとに切り換えながら実行させることが可能となる。
図28は、本実施例の演出表示装置の表示画面上でATモードの受付演出が行われる様子を示す説明図である。図28に示すように、演出表示装置10の表示画面には、AT−Aモードに対応するキャラクタA、AT−Bモードに対応するキャラクタB、AT−Cモードに対応するキャラクタCが表示されている。そして、AT−A受付演出中はキャラクタAに「選択受付中」の文字が付されて表示され、AT−Aモードの選択受付中であることを遊技者に報知する。この状態で2秒が経過すると、今度は、キャラクタBに「選択受付中」の文字が付されて表示される(すなわち、AT−Bモードの選択受付中であることを遊技者に報知するAT−B受付演出が開始される)。さらに、この状態で2秒が経過すると、キャラクタCに「選択受付中」の文字が付されて表示される(すなわち、AT−Cモードの選択受付中であることを遊技者に報知するAT−C受付演出が開始される)。そして、さらに2秒が経過すると、再びAT−A受付演出が開始されて、上述した一連のAT受付演出を繰り返す。
以上のようにして、AT選択受付切換処理を終了したら(図23のS1020)、続いて、AT開始設定処理を行う(図24のS1050)。AT開始設定処理では、選択受付中のATモードを実行するための処理が行われる。
図29は、本実施例のAT開始設定処理を示すフローチャートである。図29に示すように、先ず初めに、投入完了コマンドを受信したか否かを判断する(S1300)。図16を用いて前述したように、投入完了コマンドは、遊技メダルの投入が完了した場合に主制御基板200から送信されるコマンドである。その結果、投入完了コマンドを受信したら(S1300:yes)、AT−A受付中フラグがONに設定されているか否か、すなわち、AT−Aモードの選択受付中であるか否かを判断する(S1302)。その結果、AT−Aモードの選択受付中である場合は(S1302:yes)、AT−Aモードを開始する処理を行う。すなわち、AT−Aモードを開始するべくAT−A実行フラグをONに設定するとともに(S1304)、ATカウンタの値に「30」を設定して(S1306)、AT−A用の演出を開始する(S1308)。ここで、ATカウンタとは、ATモード中の遊技回数を計数するためのカウンタであり、サブ制御基板220に搭載されているRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。詳しくは後述するが、AT−Aモードは、該AT−Aモードが開始されてから30回目の遊技で該AT−Aモードを継続するか否か(終了するか否か)が判断されることから、AT−Aモードを開始するにあたってはATカウンタの値を「30」に設定する。
以上のように、AT−Aモードの選択受付中である場合に投入完了コマンドを受信したら、すなわち、遊技者にとっては、図28を用いて前述したAT−A受付演出が行われているときに遊技メダルの投入を完了させると、AT−Aモードが開始される。
ここで、本実施例の遊技機1では、複数種類のATモードのうち1つのATモード(ここでは、AT−Aモード)を選択して開始する場合は、該開始するATモード以外のATモード(ここでは、AT−Bモード、AT−Cモード)を仮想的に実行する処理も行う。以下では、AT−Aモードを仮想的に実行することを「シミュレートAを実行する」とも表記し、AT−Bモードを仮想的に実行することを「シミュレートBを実行する」とも表記し、AT−Cモードを仮想的に実行することを「シミュレートCを実行する」とも表記する。
ここでは、AT−Aモードを開始するので(S1304〜S1308)、その他のATモード(AT−BモードおよびAT−Bモード)に対応するシミュレートBおよびシミュレートCを開始するための処理を行う。
この処理では、先ず、シミュレートBを開始するべく、「シミュレートB実行フラグ」をONに設定する(S1310)。「シミュレートB実行フラグ」は、シミュレートBが実行中であることを示すフラグであって、シミュレートBを開始するときにONに設定され、終了するときにOFFに設定される。
シミュレートB実行フラグをONに設定したら(S1310)、続いて、シミュレートカウンタBの値に「30」を設定する(S1312)。ここで、前述したように、「シミュレートB」は「AT−Bモード」を仮想的に行うものである。そして、詳しくは後述するが、AT−Bモードは、該AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技で該AT−Bモードを継続するか否か(終了するか否か)が判断される。そこで、シミュレートBを実行するにあたっても、該シミュレートBを開始してから30回目の遊技で該シミュレートBを継続するか否か(終了するか否か)を判断するために、シミュレートカウンタBの値に「30」を設定する。
こうしてシミュレートBを開始したら、次に、シミュレートCを開始するべく、「シミュレートC実行フラグ」をONに設定する(S1314)。「シミュレートC実行フラグ」は、シミュレートCが実行中であることを示すフラグであって、シミュレートCを開始するときにONに設定され、終了するときにOFFに設定される。
シミュレートC実行フラグをONに設定したら(S1314)、続いて、シミュレートナビカウンタの値に「5」を設定する(S1316)。ここで、前述したように、「シミュレートC」は「AT−Cモード」を仮想的に行うものである。そして、詳しくは後述するが、AT−Cモードは、該AT−Cモードが開始されてから、前述した操作順序対応遊技役が内部当選した場合における回胴停止ボタンの「正解の操作順序」あるいは「不正解の操作順序」の報知を行う演出(以下、「ナビ演出」ともいう)が5回行われた後に、該AT−Cモードを継続するか否か(終了するか否か)が判断される。そこで、シミュレートCを実行するにあたっても、該シミュレートCを開始してから「ナビ演出」が5回行われた後に該シミュレートCを継続するか否か(終了するか否か)を判断するために、シミュレートC実行中の「ナビ演出」回数を計数するためのシミュレートナビカウンタの値に「5」を設定する。
以上のように、AT−A受付演出が行われているときに(AT−Aモードの選択受付中に)、遊技メダルの投入が完了されると、AT−Aモードを開始するとともに、AT−Bモードを仮想的に行うシミュレートB、AT−Cモードを仮想的に行うシミュレートCを開始した後、AT開始設定処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。
尚、上述した「シミュレートB実行フラグ」、「シミュレートカウンタB」、「シミュレートC実行フラグ」、「シミュレートナビカウンタ」は、サブ制御基板220のRAM223の所定アドレスにそれぞれの記憶領域が確保されている。
以上は、AT−A受付演出が行われているときに(AT−Aモードの選択受付中に)(S1302:yes)、遊技メダルの投入が完了された場合の処理について説明した。これに対して、AT−B受付演出が行われているときに(AT−Bモードの選択受付中に)(S1302:no、S1320:yes)、遊技メダルの投入が完了された場合は、AT−Bモードを開始するとともに、AT−Aモードを仮想的に行うシミュレートA、AT−Cモードを仮想的に行うシミュレートCを開始する処理を行う。
この処理では、先ず、AT−Bモードを開始するべくAT−B実行フラグをONに設定するとともに(S1322)、ATカウンタの値に「30」を設定して(S1324)、AT−B用の演出を開始する(S1326)。詳しくは後述するが、前述のとおり、AT−Bモードは、該AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技で該AT−Bモードを継続するか否か(終了するか否か)が判断されることから、AT−Bモードを開始するにあたってはATカウンタの値を「30」に設定する。
こうしてAT−Bモードを開始したら、次に、シミュレートAを開始するべく、「シミュレートA実行フラグ」をONに設定する(S1328)。「シミュレートA実行フラグ」は、シミュレートAが実行中であることを示すフラグであって、シミュレートAを開始するときにONに設定され、終了するときにOFFに設定される。
シミュレートA実行フラグをONに設定したら(S1328)、続いて、シミュレートカウンタAの値に「30」を設定する(S1330)。ここで、前述したように、「シミュレートA」は「AT−Aモード」を仮想的に行うものである。そして、AT−Aモードは、該AT−Aモードが開始されてから30回目の遊技で該AT−Aモードを継続するか否か(終了するか否か)が判断される。そこで、シミュレートAを実行するにあたっても、該シミュレートAが開始されてから30回目の遊技で該シミュレートAを継続するか否か(終了するか否か)を判断するために、シミュレートカウンタAの値に「30」を設定する。尚、「シミュレートA実行フラグ」、「シミュレートカウンタA」は、サブ制御基板220のRAM223の所定アドレスにそれぞれの記憶領域が確保されている。
こうしてシミュレートAを開始したら、続いて、シミュレートCを開始する処理を行う。この処理は、上述したS1314〜S1316の処理と同様であり、シミュレートC実行フラグをONに設定するとともに(S1332)、シミュレートナビカウンタの値に「5」を設定する(S1334)。
以上のように、AT−B受付演出が行われているときに(AT−Bモードの選択受付中に)、遊技メダルの投入が完了されると、AT−Bモードを開始するとともに、AT−Aモードを仮想的に行うシミュレートA、AT−Cモードを仮想的に行うシミュレートCを開始した後、AT開始設定処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。
以上は、AT−B受付演出が行われているときに(AT−Bモードの選択受付中に)(S1320:yes)、遊技メダルの投入が完了された場合の処理について説明した。これに対して、AT−C受付演出が行われているときに(AT−Cモードの選択受付中に)(S1320:no、S1340:yes)、遊技メダルの投入が完了された場合は、AT−Cモードを開始するとともに、AT−Aモードを仮想的に行うシミュレートA、AT−Bモードを仮想的に行うシミュレートBを開始する処理を行う。
この処理では、先ず、AT−Cモードを開始するべくAT−C実行フラグをONに設定するとともに(S1342)、ナビカウンタの値に「5」を設定して(S1342)、AT−C用の演出を開始する(S1344)。詳しくは後述するが、前述したとおり、AT−Cモードは、該AT−Cモードが開始されてから、前述した操作順序対応遊技役が内部当選した場合における回胴停止ボタンの「正解の操作順序」あるいは「不正解の操作順序」の報知(ナビ演出)が5回行われた後に、該AT−Cモードを継続するか否か(終了するか否か)が判断される。ナビカウンタは、AT−Cモード中の「ナビ演出」の回数を計数するためのカウンタであって、AT−Cモード中の「ナビ演出」の回数が5回に達したか否かを判断するために、ナビカウンタの値に「5」を設定する。尚、「ナビカウンタ」は、サブ制御基板220のRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。
こうしてAT−Cモードを開始したら、次に、シミュレートAを開始する処理を行う。この処理は、上述したS1328〜S1330の処理と同様であり、シミュレートA実行フラグをONに設定するとともに(S1348)、シミュレートカウンタAの値に「30」を設定する(S1350)。そして、シミュレートAを開始したら、次に、シミュレートBを開始する処理を行う。この処理は、上述したS1310〜S1312の処理と同様であり、シミュレートB実行フラグをONに設定するとともに(S1352)、シミュレートカウンタBの値に「30」を設定する(S1354)。
以上のように、AT−C受付演出が行われているときに(AT−Cモードの選択受付中に)、遊技メダルの投入が完了されると、AT−Cモードを開始するとともに、AT−Bモードを仮想的に行うシミュレートA、AT−Bモードを仮想的に行うシミュレートBを開始した後、AT開始設定処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。
尚、シミュレートA、シミュレートB、シミュレートCを開始するときに、各シミュレートの開始を遊技者に報知する演出を行うように構成しても良い。
図30は、本実施例の各ATモードの選択受付中に遊技メダルの投入が完了されたときのATモードおよびシミュレートが開始される様子を示す説明図である。図30に示すように、AT−Aモードの選択受付中、AT−Bモードの選択受付中、AT−Cモードの選択受付中は2秒ごとに切り換わる。そして、AT−Aモードの選択受付中に遊技メダルの投入が完了されると、AT−Aモード、シミュレートB、シミュレートCを開始する。また、AT−Bモードの選択受付中に遊技メダルの選択受付中に遊技メダルの投入が完了されると、AT−Bモード、シミュレートA、シミュレートCを開始する。また、AT−Cモードの選択受付中に遊技メダルの選択受付中に遊技メダルの投入が完了されると、AT−Cモード、シミュレートA、シミュレートBを開始する。
D−2.それぞれのATモードを実行する処理 :
以上のようにして、AT開始設定処理(図24のS1050)を行ったら、今度は、何れかのATモードが実行中か否かを判断して、何れかのATモードが実行中であれば該ATモードに対応する処理を行う。すなわち、AT−A実行フラグがONであるか否か、すなわち、AT−Aモードの実行中か否かを判断して(S1052)、AT−Aモードの実行中であれば(S1052:yes)、AT−Aモード中の遊技を進行させるためのAT−A実行処理を行う。また、AT−Bモードの実行中であれば(S1056:yes)、AT−Bモード中の遊技を進行させるためのAT−B実行処理を行って(S1058)、AT−Cモードの実行中であれば(S1060:yes)、AT−Cモード中の遊技を進行させるためのAT−C実行処理を行う(S1062)。以下では、これらのAT−A実行処理、AT−B実行処理、AT−C実行処理について、順に説明する。
D−2−1.AT−A実行処理 :
図31は、本実施例のAT−A実行処理を示すフローチャートである。AT−A実行処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、内部抽選結果伝達コマンドを受信したか否かを判断する(S1400)。内部抽選結果伝達コマンドは、図8を用いて前述したように、内部抽選が行われるたびに(スタートレバー36が操作されるたびに)主制御基板200から送信されるコマンドであって、内部抽選の結果が含まれている。内部抽選結果伝達コマンドを受信したら(S1400:yes)、該内部抽選結果伝達コマンドが、何れかの操作順序対応遊技役(図7参照)に内部当選したことを伝達するコマンドか否か、すなわち、今回の遊技における内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選したか否かを判断する。その結果、何れかの操作順序対応遊技役に内部当選したと判断した場合は(S1402:yes)、回胴停止ボタンの「正解の操作順序」(操作順序対応遊技役が入賞成立する操作順序、すなわち、「取りこぼし目」の停止表示を回避する操作順序)を報知する演出(ナビ演出)を行う(S1404)。つまり、図7を用いて前述した「左中ベル役」が内部当選した場合は、左回胴停止ボタン38aあるいは中回胴停止ボタン38bを最初に操作することを催促する報知する演出を行い、「中右ベル役」が内部当選した場合は、中回胴停止ボタン38bあるいは右回胴停止ボタン38cを最初に操作することを報知する演出を行い、「左右ベル役」が内部当選した場合は、左回胴停止ボタン38aあるいは右回胴停止ボタン38cを最初に操作することを報知する演出を行う。遊技者にとっては、これらの演出に従って回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作することによって、操作順序対応遊技役を入賞成立させることができるとともに、取りこぼし目の停止表示が回避することできるのでRT状態中であればRT状態が終了することを免れることが可能となる。尚、「ナビ演出」として、回胴停止ボタンの「正解の操作順序」(操作順序対応遊技役が入賞成立する操作順序、すなわち、「取りこぼし目」の停止表示を回避する操作順序)を報知する演出を行う構成に代えて、回胴停止ボタンの「不正解の操作順序」(操作順序対応遊技役が入賞成立しない操作順序、すなわち、「取りこぼし目」が停止表示する操作順序)、つまり、遊技者にとって避けるべき操作順序を報知する演出を行う構成としてもよい。
AT−A実行処理では、上述した内部抽選結果伝達コマンドを受信した場合の処理に加えて、遊技終了コマンドを受信した場合の処理を行う。図9を用いて前述したように、遊技終了コマンドは、1回の遊技が終了するたびに主制御基板200から送信されるコマンドであって、遊技終了コマンドには、「今回の遊技で何れかの遊技役が入賞成立したか否か、入賞成立したのであればその遊技役の種類(入賞結果)」、「今回の遊技で払い出された遊技メダルの枚数(獲得枚数)」、「今回の遊技における遊技者による回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序(操作順序)」の情報が含まれている。遊技終了コマンドを受信した場合は(S1406:yes)、先ず、「AT−A継続回数」を演算して表示を更新する(S1408)。「AT−A継続回数」とは、現在実行中のAT−Aモードが開始されてからの遊技回数である。この処理では、遊技終了コマンドを受信したことにより、AT−Aモードが開始されてからの遊技回数が1回増加したことが把握できるので、「AT−A継続回数」を1回加算して演出表示装置10の表示画面に表示する。
続いて、「AT−A獲得枚数」を演算して表示を更新する(S1410)。「AT−A獲得枚数」とは、現在実行中のAT−Aモードが開始されてから払い出された遊技メダルの枚数(AT−Aモード中における遊技メダルの獲得枚数)である。上述したように、遊技終了コマンドには、今回の遊技で払い出された遊技メダルの枚数(獲得枚数)の情報が含まれていることから、該情報に基づいて「AT−A獲得枚数」を演算して演出表示装置10の表示画面に表示する。尚、獲得枚数は、遊技メダルの払出枚数を加算することによって演算しても、遊技メダルの払出枚数を加算することに加えて、投入枚数を減算することによって(いわゆる純増枚数を)演算してもよい。
こうして、「AT−A継続回数」および「AT−A獲得枚数」の表示を更新したら、ATカウンタの値から「1」を減算する(S1412)。前述したように、AT−Aモードは開始されてから30回目の遊技でAT−Aモードを継続するか否かの判断を行うこととしており、ATカウンタの値はAT−Aモードを開始する際に「30」に設定される(図29のS1306参照)。S1412の処理では、この30回の計数を進めるためにATカウンタの値から「1」を減算する。ATカウンタの値から「1」を減算したら(S1412)、ATカウンタの値が「0」になったか否か、すなわち、今回の遊技がAT−Aモードが開始されてから30回目の遊技か否かを判断する(S1414)。その結果、ATカウンタの値が「0」でない場合は(S1414:no)、AT−A実行処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。
一方、ATカウンタの値が「0」である場合、すなわち、今回の遊技が、AT−Aモードが開始されてから30回目の遊技である場合は(S1414:yes)、AT−Aモードを継続させるか終了させるかの抽選である継続抽選処理を行う(S1416)。この継続抽選処理では、3分の2が「継続」に対応する乱数であり3分の1が「終了」に対応する乱数である継続抽選用乱数から1個の乱数を取得して、該乱数が「継続」に対応する乱数か、「終了」に対応する乱数かによって、AT−Aモードを継続させるか終了させるかを決定する。すなわち、3分の2の確率でAT−Aモードが継続される。継続抽選処理の結果、AT−Aモードを終了させることに決定したら(S1422:no)、AT−Aモードを終了させるべくAT−A実行フラグをOFFに設定するとともに(S1422)、AT−A終了回フラグをONに設定する(S1424)。AT−A終了回フラグは、今回の遊技がAT−Aモードの最後の回であること(すなわち、次回の遊技はAT−Aモードではないこと)を示すフラグであり、サブ制御基板220に搭載されているRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。AT−A終了回フラグは、後述する処理の中で参照される。AT−A終了回フラグをONに設定したら(S1424)、AT−A実行処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。
継続抽選処理の結果、AT−Aモードを継続させることに決定したら(S1418:yes)、再度、ATカウンタの値に「30」を設定した後(S1420)、AT−A実行処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。すなわち、継続抽選の結果、AT−Aモードを継続させることに決定した場合は、AT−A実行フラグはONに設定されたまま、ATカウンタの値が「30」に設定されるので、AT−Aモードを開始する状態と同じ状態となる(すなわち、AT−Aモードの継続が決定される)。この状態で、演出制御処理を行うと、AT−A実行フラグがONであると判断され(図24のS1052:yes)、AT−A実行処理が行われることとなる。そして、少なくともATカウンタの値が「0」になるまでは(すなわち、さらに遊技が30回行われるまでは)AT−Aモードが継続して、ATカウンタの値が「0」になると、再度、継続抽選処理が行われる。すなわち、AT−Aモードの継続が決定した場合の処理は、上述の説明中の「AT−Aモードが開始されてから」を、「ATモードの継続が決定してから」に読み替えた処理が実行される。
このように、AT−Aモードが開始されると、30回の遊技が行われるたびに継続抽選が行われて、該継続抽選に当選している限りは、AT−Aモードが継続する。尚、「AT−A継続回数」および「AT−A獲得枚数」は、AT−Aモードが開始されてからAT−Aモードの継続が決定するたびに「0」にするのではなく、AT−Aモードが継続している期間の累積の値が演算される。AT−Aモードは、遊技者にとって、「ナビ演出」が行われることによって、操作順序対応遊技役を入賞成立させることができるとともに、RT状態中であればRT状態が終了することを免れることができる有利な遊技状態である。従って、遊技者に、AT−Aモードが継続すること、すなわち、「AT−A継続回数」が増加することに期待させる。従って、AT−Aモードが開始されると、30回の遊技が行われるたびに、AT−Aモードが継続するか否かに注目させて、遊技興趣を高めることが可能となる。
以上では、AT−Aモード中の遊技を進行させるためのAT−A実行処理について説明した。次は、AT−Bモード中の遊技を進行させるためのAT−B実行処理について説明する。尚、AT−A実行処理と同様の処理については簡単に説明する。
D−2−2.AT−B実行処理 :
図32および図33は、本実施例のAT−B実行処理を示すフローチャートである。AT−B実行処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、内部抽選結果伝達コマンドを受信したか否かを判断する(S1500)。内部抽選結果伝達コマンドを受信したら(S1500:yes)、ATカウンタの値が「1」か否かを判断する。AT−Bモードの実行中も、AT−Aモードの実行中と同様に、ATモードの開始時にATカウンタの値を「30」に設定して、遊技終了コマンドを受信するたびに「1」ずつ減算することから、この処理では、AT−Bモードが開始されてから29回の遊技が終了して(29回の遊技終了コマンドを受信して)30回目の遊技が開始されたか否か、すなわち、今回の遊技が、AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技か否かが判断される。その結果、今回の遊技が、AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技でなければ(S1502:no)、今回の遊技における内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選したか否かを判断する(S1504)。その結果、何れかの操作順序対応遊技役に内部当選したと判断した場合は(S1504:yes)、「ナビ演出」を行う(S1506)。
一方、今回の遊技がAT−Bモードが開始されてから30回目の遊技であれば(S1502:yes)、今回の遊技における回胴停止ボタンの操作順序(最初に操作する回胴停止ボタン)に応じて、AT−Bモードが継続するか終了するかが決定されることを報知する演出(以下、「警告演出」ともいう)を行う(S1507)。「警告演出」を行うことによって、遊技者に、AT−Bモードが継続する回胴停止ボタンの操作順序を推測させる。続いて、今回の遊技における内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選したか否かを判断する(S1508)。その結果、操作順序対応遊技役に内部当選していたとしても今回の遊技(AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技)では「ナビ演出」は行わず(S1508:yes)、今回の遊技における内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選していなければ(S1508:no)、AT−Bモードを継続させることのできる回胴停止ボタンの操作順序である「AT継続操作順序」を抽選で決定する(S1510)。尚、これらの処理を行う理由については後述する。
AT−B実行処理でも、上述した内部抽選結果伝達コマンドを受信した場合の処理に加えて、遊技終了コマンドを受信した場合の処理を行う。遊技終了コマンドを受信した場合は(図33のS1512:yes)、先ず、「AT−B継続回数」を演算して表示を更新する(S1514)。「AT−B継続回数」とは、現在実行中のAT−Bモードが開始されてからの遊技回数である。この処理では、遊技終了コマンドを受信したことにより、AT−Bモードが開始されてからの遊技回数が1回増加したことが把握できるので、「AT−B継続回数」を1回加算して演出表示装置10の表示画面に表示する。
続いて、「AT−B獲得枚数」を演算して表示を更新する(S1516)。「AT−B獲得枚数」とは、現在実行中のAT−Bモードが開始されてから払い出された遊技メダルの枚数(AT−Bモード中における遊技メダルの獲得枚数)であり、遊技終了コマンドに含まれている獲得枚数の情報に基づいて「AT−B獲得枚数」を演算して演出表示装置10の表示画面に表示する。
こうして、「AT−B継続回数」および「AT−B獲得枚数」の表示を更新したら、ATカウンタの値から「1」を減算する。前述したように、AT−Bモードは遊技が開始されてから30回目の遊技でAT−Bモードを継続するか否かの判断を行うこととしており、ATカウンタの値はAT−Bモードを開始する際に「30」に設定される(図29のS1324参照)。S1518の処理では、この30回の計数を進めるためにATカウンタの値から「1」を減算する。ATカウンタの値から「1」を減算したら(S1518)、ATカウンタの値が「0」になったか否か、すなわち、今回の遊技が、AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技か否かを判断する(S1520)。その結果、ATカウンタの値が「0」でない場合は(S1520:no)、AT−B実行処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。
一方、ATカウンタの値が「0」である場合、すなわち、今回の遊技が、AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技である場合は(S1520:yes)、今度は、遊技終了コマンドに含まれる遊技結果の情報に基づいて、今回の遊技で「取りこぼし目」が停止表示されたか否かを判断する(S1522)。AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技で「取りこぼし目」が停止表示されるということは、該遊技における内部抽選で「操作順序対応遊技役」に内部当選したものの「不正解の操作順序」で回胴停止ボタンが操作されたということである。また、前述したように、AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技では、「操作順序対応遊技役」に内部当選したとしても、「警告演出」だけが行われて(S1507)、「ナビ演出」は行われない(S1508:yes)。まとめると、「取りこぼし目」が停止表示されたと判断される場合は、AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技で「操作順序対応遊技役」に内部当選した状態で「警告演出」が行われて、遊技者がAT−Bモードを継続させる操作順序(ここでは、抽選で決定される「AT継続操作順序」ではなく、操作順序対応遊技役に対応する「正解の操作順序」)を推測して回胴停止ボタンを操作したものの、該推測が外れて「取りこぼし目」が停止表示された場合である。この場合は(S1522:yes)、AT−Bモードを終了させるべくAT−B実行フラグをOFFに設定するとともに(S1524)、AT−B終了回フラグをONに設定する(S1526)。AT−B終了回フラグは、今回の遊技がAT−Bモードの最後の回であること(すなわち、次回の遊技はAT−Bモードではないこと)を示すフラグであり、サブ制御基板220に搭載されているRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。AT−B終了回フラグは、後述する処理の中で参照される。AT−B終了回フラグをONに設定したら(S1526)、AT−B実行処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。
AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技(今回の遊技)において「取りこぼし目」が停止表示されなかった場合は(S1522:no)、今度は、今回の遊技において「操作順序対応遊技役」が入賞成立したか否かを判断する。「操作順序対応遊技役」が入賞成立したと判断される場合は、AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技で「操作順序対応遊技役」に内部当選した状態で「警告演出」が行われて、遊技者がAT−Bモードを継続させる操作順序(ここでは、抽選で決定される「AT継続操作順序」ではなく、操作順序対応遊技役に対応する「正解の操作順序」)を推測して回胴停止ボタンを操作した結果、該推測が当たって「操作順序対応遊技役」が入賞成立した場合である。この場合は(S1528:yes)、再度、ATカウンタの値に「30」を設定した後、AT−B実行処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。すなわち、この場合は、AT−B実行フラグはONに設定されたまま、ATカウンタの値に「30」に設定されるので、AT−Bモードを開始する状態と同じ状態となる。
AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技(今回の遊技)において「取りこぼし目」が停止表示されず(S1522:no)、且つ、「操作順序対応遊技役」が入賞成立しなかった場合は(S1528:no)、今度は、今回の遊技における回胴停止ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」であるか否かを判断する(S1530)。「取りこぼし目」が停止表示されず、且つ、「操作順序対応遊技役」が入賞成立していない場合というのは、「操作順序対応遊技役」に内部当選していない場合である。「操作順序対応遊技役」に内部当選していない遊技では、前述したように、「AT継続操作順序」が抽選で決定されている(図32のS1510)。「AT継続操作順序」は、AT−Bモードを継続させる回胴停止ボタンの操作順序であって、最初に操作する回胴停止ボタンとして、「左回胴停止ボタン38a」、「中回胴停止ボタン38b」、「右回胴停止ボタン38c」のうち何れかが決定される。S1530の処理では、遊技終了コマンドに含まれる「操作順序」の情報から今回の遊技における回胴停止操作ボタンの操作順序を把握して、該操作順序が「AT継続操作順序」と同じか否かを判断する。その結果、今回の遊技における回胴停止操作ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じでない場合は(S1530:no)、AT−Bモードを終了させるべくAT−B実行フラグをOFFに設定するとともに(S1524)、AT−B終了回フラグをONに設定する(S1526)。
これに対して、今回の遊技における回胴停止操作ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じである場合は(S1530:yes)、ATカウンタの値に「30」を設定した後、AT−B実行処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。すなわち、この場合は、AT−B実行フラグはONに設定されたまま、ATカウンタの値に「30」に設定されるので、AT−Bモードを開始する状態と同じ状態となる。
以上のように、(1)AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技で「操作順序対応遊技役」に内部当選して、遊技者がAT−Bモードを継続させる操作順序(操作順序対応遊技役に対応する「正解の操作順序」)を推測して回胴停止ボタンを操作した結果、該推測が当たって「操作順序対応遊技役」が入賞成立した場合、および、(2)AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技で「操作順序対応遊技役」に内部当選せず、遊技者がAT−Bモードを継続させる操作順序(AT継続操作順序)を推測した結果、該推測が当たって回胴停止操作ボタンの操作順序と「AT継続操作順序」が同じである場合は、AT−B実行フラグはONに設定されたままATカウンタの値に「30」が設定されて、AT−Bモードを開始する状態と同じ状態となる(すなわち、AT−Bモードの継続が決定される)。
この状態で、演出制御処理を行うと、AT−B実行フラグがONであると判断され(図24のS1056:yes)、AT−B実行処理が行われることとなる。そして、少なくともATカウンタの値が「0」になるまでは(すなわち、さらに遊技が30回行われるまでは)AT−Bモードが継続して、ATカウンタの値が「0」になると、再度、「操作順序対応遊技役」に内部当選していれば取りこぼし目が停止表示されたか操作順序対応遊技役の入賞が成立したかの判断が行われ、「操作順序対応遊技役」に内部当選していなければ回胴停止ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じか否かの判断が行われる。すなわち、AT−Bモードの継続が決定した場合の処理は、上述の説明中の「AT−Bモードが開始されてから」を、「AT−Bモードの継続が決定してから」に読み替えた処理が実行される。
このように、AT−Bモードが開始されると、30回の遊技が行われるたびに上述の判断が行われて、上述の判断でAT−Bモードが継続される判断がなされる限りは、AT−Bモードが継続する。尚、「AT−B継続回数」および「AT−B獲得枚数」は、AT−Bモードが開始されてからAT−Bモードの継続が決定するたびに「0」にするのではなく、AT−Bモードが継続している期間の累積の値が演算される。AT−Bモードは、遊技者にとって、操作順序対応遊技役を入賞成立させることができるとともに、RT状態中であればRT状態が終了することを免れることができる有利な遊技状態であることから、遊技者に、AT−Bモードが継続すること、すなわち、「AT−B継続回数」が増加することに期待させることとなる。従って、AT−Bモードが開始されると、30回の遊技が行われるたびに(「警告演出」が行われるたびに)、遊技者に回胴停止操作ボタンの操作順序の推測が正しいか否かに注目させて、遊技興趣を高めることが可能となる。
以上では、AT−Bモード中の遊技を進行させるためのAT−B実行処理について説明した。次は、AT−Cモード中の遊技を進行させるためのAT−C実行処理について説明する。尚、AT−A実行処理あるいはAT−B実行処理と同様の処理については簡単に説明する。
D−2−3.AT−C実行処理 :
図34および図35は、本実施例のAT−C実行処理を示すフローチャートである。AT−C実行処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、内部抽選結果伝達コマンドを受信したか否かを判断する(S1600)。内部抽選結果伝達コマンドを受信したら(S1600:yes)、操作順序抽選回フラグはONに設定されているか否かの判断を行う(S1602)。
ここで、前述したように、AT−B実行処理では、AT−Bモード中に遊技が30回行われるたびに、「操作順序対応遊技役」に内部当選していれば取りこぼし目が停止表示されたか操作順序対応遊技役の入賞が成立したかの判断が行われて、操作順序対応遊技役の入賞が成立すればAT−Bモードを継続する処理を行い、「操作順序対応遊技役」に内部当選していなければ回胴停止ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じか否かの判断が行われて、回胴停止ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じであればAT−Bモードを継続する処理を行った。これに対して、AT−C実行処理では、AT−Cモード中に「ナビ演出」が5回行われるたびにその次の回の遊技で、「操作順序対応遊技役」に内部当選していれば取りこぼし目が停止表示されたか操作順序対応遊技役の入賞が成立したかの判断が行われて、操作順序対応遊技役の入賞が成立すればAT−Cモードを継続する処理を行い、「操作順序対応遊技役」に内部当選していなければ回胴停止ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じか否かの判断が行われて、回胴停止ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じであればAT−Cモードを継続する処理を行う。
操作順序抽選回フラグは、今回の遊技が「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」であることを示すフラグであって、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。S1602の処理では、操作順序抽選回フラグがONに設定されているか否か、すなわち、今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」であるか否かが判断される。その結果、今回の遊技が「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」でない場合は(S1602:no)、今度は、今回の遊技における内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選したか否かを判断する(S1604)。その結果、何れかの操作順序対応遊技役に内部当選したと判断した場合は(S1604:yes)、「ナビ演出」を行う(S1606)。
続いて、ナビカウンタの値から「1」を減算した後(S1608)、ナビカウンタの値が「0」であるか否かを判断する(S1610)。前述したように、ナビカウンタはAT−Cモードを開始する際に値が「5」に設定されるカウンタである(図29のS1344)。そして、ナビカウンタの値は「ナビ演出」が行われるたびに「1」ずつ減算されるので(S1608)、S1610の処理では、今回の遊技はAT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技であるか否かが判断される。
その結果、今回の遊技が、AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技である場合は、ナビ5回フラグをONに設定する(S1612)。ナビ5回フラグは、今回の遊技が「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技」であることを示すフラグであって、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。ナビ5回フラグをONに設定したら、次回以降の「ナビ演出」の計数に備えてナビカウンタの値に「5」を設定する(S1614)。
一方、今回の遊技が「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」であれば(S1602:yes)、今回の遊技における回胴停止ボタンの操作順序(最初に操作する回胴停止ボタン)に応じて、AT−Cモードが継続するか終了するかが決定されることを報知する演出(警告演出)を行う(S1615)。「警告演出」を行うことによって、遊技者に、AT−Cモードが継続する回胴停止ボタンの操作順序を推測させる。続いて、今回の遊技における内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選したか否かを判断する(S1616)。その結果、操作順序対応遊技役に内部当選していたとしても今回の遊技(5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技)では「ナビ演出」は行わず(S1616:yes)、今回の遊技における内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選していなければ(S1616:no)、AT−Cモードを継続させることのできる回胴停止ボタンの操作順序である「AT継続操作順序」を抽選で決定する(S1618)。
AT−C実行処理でも、上述した内部抽選結果伝達コマンドを受信した場合の処理に加えて、遊技終了コマンドを受信した場合の処理を行う。遊技終了コマンドを受信した場合は(図35のS1650:yes)、先ず、「AT−C継続回数」を演算して表示を更新する(S1652)。「AT−C継続回数」とは、現在実行中のAT−Cモードが開始されてからの遊技回数である。この処理では、遊技終了コマンドを受信したことにより、AT−Cモードが開始されてからの遊技回数が1回増加したことが把握できるので、「AT−C継続回数」を1回加算して演出表示装置10の表示画面に表示する。
続いて、「AT−C獲得枚数」を演算して表示を更新する(S1654)。「AT−C獲得枚数」とは、現在実行中のAT−Cモードが開始されてから払い出された遊技メダルの枚数(AT−Cモード中における遊技メダルの獲得枚数)であり、遊技終了コマンドに含まれている獲得枚数の情報に基づいて「AT−C獲得枚数」を演算して演出表示装置10の表示画面に表示する。
こうして、「AT−C継続回数」および「AT−C獲得枚数」の表示を更新したら、ナビ5回フラグがONに設定されているか否か、すなわち、今回の遊技が「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技」であるか否かを判断する(S1656)。その結果、今回の遊技が「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技」であれば、ナビ5回フラグをOFFに設定して(S1660)、操作順序抽選回フラグをONに設定する(S1662)。この状態で、次にAT−C実行処理が行われると(次の遊技で)、今回の遊技が「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」であると判断されて(S1602:yes)、前述のS1615〜S1618の処理が行われる。そして、S1656の処理でも、今回の遊技が「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」であると判断されるので(S1658:yes)、操作順序抽選回フラグをOFFに設定した後(S1664)、遊技終了コマンドに含まれる遊技結果の情報に基づいて、今回の遊技で「取りこぼし目」が停止表示されたか否かを判断する(S1666)。
「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」で「取りこぼし目」が停止表示されるということは、該遊技における内部抽選で「操作順序対応遊技役」に内部当選したものの「不正解の操作順序」で回胴停止ボタンが操作されたということである。また、前述したように、「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」では、「操作順序対応遊技役」に内部当選したとしても、「警告演出」だけが行われて(S1615)、「ナビ演出」は行われない(S1616:yes)。まとめると、「取りこぼし目」が停止表示されたと判断される場合は、「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」で「操作順序対応遊技役」に内部当選した状態で「警告演出」が行われて、遊技者がAT−Cモードを継続させる操作順序(ここでは、抽選で決定される「AT継続操作順序」ではなく、操作順序対応遊技役に対応する「正解の操作順序」)を推測して回胴停止ボタンを操作したものの、該推測が外れて「取りこぼし目」が停止表示された場合である。この場合は(S1666:yes)、AT−Cモードを終了させるべくAT−C実行フラグをOFFに設定するとともに(S1674)、AT−C終了回フラグをONに設定する(S1674)。AT−C終了回フラグは、今回の遊技がAT−Cモードの最後の回であること(すなわち、次回の遊技はAT−Cモードではないこと)を示すフラグであり、サブ制御基板220に搭載されているRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。AT−C終了回フラグは、後述する処理の中で参照される。AT−C終了回フラグをONに設定したら(S1674)、AT−C実行処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。
「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」(今回の遊技)において「取りこぼし目」が停止表示されなかった場合は(S1666:no)、今度は、今回の遊技において「操作順序対応遊技役」が入賞成立したか否かを判断する。「操作順序対応遊技役」が入賞成立したと判断される場合は、「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」で「操作順序対応遊技役」に内部当選した状態で「警告演出」が行われて、遊技者がAT−Cモードを継続させる操作順序(ここでは、抽選で決定される「AT継続操作順序」ではなく、操作順序対応遊技役に対応する「正解の操作順序」)を推測して回胴停止ボタンを操作した結果、該推測が当たって「操作順序対応遊技役」が入賞成立した場合である。この場合は(S1668:yes)、そのまま、AT−C実行処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。すなわち、この場合は、AT−C実行フラグはONに設定されたままであり、且つ、前回の遊技でナビカウンタの値に「5」が設定されているので(図34のS1614)、AT−Cモードを開始する状態と同じ状態となる。
「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」(今回の遊技)において「取りこぼし目」が停止表示されず(S1666:no)、且つ、「操作順序対応遊技役」が入賞成立しなかった場合は(S1668:no)、今度は、今回の遊技における回胴停止ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」であるか否かを判断する(S1670)。「取りこぼし目」が停止表示されておらず、且つ、「操作順序対応遊技役」が入賞成立していない場合というのは、「操作順序対応遊技役」に内部当選していない場合である。「操作順序対応遊技役」に内部当選していない場合は、前述したように、「AT継続操作順序」が抽選で決定されている(図34のS1618)。ここでの「AT継続操作順序」は、AT−Cモードを継続させる回胴停止ボタンの操作順序であって、最初に操作する回胴停止ボタンとして、「左回胴停止ボタン38a」、「中回胴停止ボタン38b」、「右回胴停止ボタン38c」のうち何れかが決定される。S1670の処理では、遊技終了コマンドに含まれる「操作順序」の情報から今回の遊技における回胴停止操作ボタンの操作順序を把握して、該操作順序が「AT継続操作順序」と同じか否かを判断する。その結果、今回の遊技における回胴停止操作ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じでない場合は(S1670:no)、AT−Cモードを終了させるべくAT−C実行フラグをOFFに設定するとともに(S1672)、AT−C終了回フラグをONに設定する(S1674)。
これに対して、今回の遊技における回胴停止操作ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じである場合は(S1670:yes)、そのまま、AT−C実行処理を終了して、図24に示す演出制御処理に復帰する。すなわち、この場合は、AT−C実行フラグはONに設定されたままであり、且つ、前回の遊技でナビカウンタの値に「5」が設定されているので(図34のS1614)、AT−Cモードを開始する状態と同じ状態となる。
以上のように、(1)「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」で「操作順序対応遊技役」に内部当選して、遊技者がAT−Cモードを継続させる操作順序(操作順序対応遊技役に対応する「正解の操作順序」)を推測して回胴停止ボタンを操作した結果、該推測が当たって「操作順序対応遊技役」が入賞成立した場合、および、(2)「AT−Cモードが開始されてから5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」で「操作順序対応遊技役」に内部当選せず、遊技者がAT−Cモードを継続させる操作順序(AT継続操作順序)を推測した結果、該推測が当たって回胴停止操作ボタンの操作順序と「AT継続操作順序」が同じである場合は、AT−C実行フラグはONに設定されたままであり、且つ、ATカウンタの値は「5」に設定されているので、AT−Cモードを開始する状態と同じ状態となる(すなわち、AT−Cモードの継続が決定される)。
この状態で、演出制御処理を行うと、AT−C実行フラグがONであると判断され(図24のS1060:yes)、AT−C実行処理が行われることとなる。そして、少なくともナビカウンタの値が「5」になる遊技の次の遊技までは(すなわち、さらに「ナビ演出」が5回行われて、5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技までは)AT−Cモードが継続して、ナビカウンタの値が「0」になると次の遊技で、再度、「操作順序対応遊技役」に内部当選していれば取りこぼし目が停止表示されたか操作順序対応遊技役の入賞が成立したかの判断が行われ、「操作順序対応遊技役」に内部当選していなければ回胴停止ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じか否かの判断が行われる。すなわち、AT−Cモードの継続が決定した場合の処理は、上述の説明中の「AT−Cモードが開始されてから」を、「AT−Cモードの継続が決定してから」に読み替えた処理が実行される。
このように、AT−Cモードが開始されると、「ナビ演出」が5回行われるたびに次の遊技で上述の判断が行われて、上述の判断でAT−Cモードが継続される判断がなされる限りは、AT−Cモードが継続する。尚、「AT−C継続回数」および「AT−C獲得枚数」は、AT−Cモードの継続が決定するたびに「0」にするのではなく、AT−Bモードが継続している期間の累積の値が演算される。AT−Cモードは、遊技者にとって、操作順序対応遊技役を入賞成立させることができるとともに、RT状態中であればRT状態が終了することを免れることができる有利な遊技状態であることから、遊技者に、AT−Cモードが継続すること、すなわち、「AT−C継続回数」が増加することに期待させることとなる。従って、AT−Cモードが開始されると、5回の「ナビ演出」が行われるたびに次の遊技で(「警告演出」が行われるたびに)、遊技者に回胴停止操作ボタンの操作順序の推測が正しいか否かに注目させて、遊技興趣を高めることが可能となる。
以上のように、本実施例の遊技機1では、AT−Aモード、AT−Bモード、AT−Cモードを実行することが可能である。図36は、本実施例の各ATモードの概要を示した説明図である。図36に示すように、AT−Aモードは、30回の遊技が行われるたびに継続抽選が行われて、該継続抽選に当選するとさらに30回の遊技が行われるまでAT−Aモードが継続し、該継続抽選に落選すると終了する。AT−Bモードは、30回の遊技が行われるたびに回胴停止ボタンの操作順序がAT−Bモードを継続させる操作順序(操作順序対応遊技役を入賞成立させる操作順序、あるいはAT継続操作順序)(以下、まとめて「継続順序」ともいう)か否かが判断されて、継続順序であればさらに30回の遊技が行われるまでAT−Bモードが継続し、継続順序とは異なる操作順序(以下、「終了順序」ともいう)であれば終了する。AT−Cモードは、5回のナビ演出が行われるたびに次の遊技で回胴停止ボタンの操作順序がAT−Cモードを継続させる「継続順序」か「終了順序」かが判断されて、継続順序であればさらに5回目のナビ演出が行われる遊技の次の遊技まで継続し、終了順序であれば終了する。
ここで、図29を用いて前述したように、BB状態が終了してRT状態が開始するときに、遊技者は、開始させるATモードをAT−Aモード、AT−Bモード、AT−Cモードの中から1つを選択して開始させる。もちろん、ATモードは遊技者にとって有利な状態であることから、できるだけ長く継続しそうなATモードを選択するものの、該選択が遊技者にとって適切であったか否かを知ることができない。この点、本実施例の遊技機1では、遊技者によって選択されたATモードを実行するとともに、遊技者によって選択されなかったATモードについても仮想的に実行して(ATモードのシミュレートを実行して)、その結果を遊技者に報知する構成を有している。以下では、各ATモードを仮想的に実行する処理(シミュレート実行処理)について説明する。
尚、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が、上述の処理を実行することによって、BB状態が終了してRT状態が開始すると(特定条件が成立すると)ATモード(遊技者にとって通常状態よりも有利な特定状態)を発生させる。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「特定状態発生手段」に対応している。遊技者に付与される利益量に差異が生ずる可能性のある複数の進行パターン(AT−Aモードであれば遊技30回毎の継続抽選に当選すること、AT−Bモードであれば遊技30回毎の操作順序の判断で継続順序であると判断されること、AT−Cモードであれば5回の「ナビ演出」が行われるたびに次の遊技で継続順序であると判断されること)は、上述の処理を実行するプログラムとしてサブ制御基板220に搭載されたROM222の所定アドレスに記憶されている。従って、サブ制御基板220のROM222は、本発明における「進行パターン記憶手段」に対応している。
また、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が、上述の処理を実行することによって、ATモードが開始するときに(特定状態が発生するときに)、遊技者による選択操作に応じて、複数種類のATモード(複数種類の進行パターン)の中の1つのATモードを、遊技者が実際に行うこととなるATモードとして設定(選択)する。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「選択手段」に対応している。また、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が、上述の処理を実行することによって、各ATモードでの遊技(進行パターンに従う特定状態での図柄変動遊技)が進行される。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「図柄変動遊技進行手段」に対応している。
D−3.それぞれのシミュレートを実行する処理 :
サブ制御基板220のCPU221は、演出制御処理の中でシミュレートA実行フラグがONに設定されていると判断すると、すなわち、AT−Aモードを仮想的に実行するシミュレートAが実行中であると判断すると(図25のS1070:yes)、シミュレートA実行処理を行う。この処理は、遊技者によってAT−Aモードが選択されなかった場合、すなわち、AT−BモードあるいはAT−Cモードが選択された場合に、AT−Aモードでの遊技を仮想的に進行させる(シミュレートAを実行する)処理である。尚、以下では、主制御基板200のCPU201が前述の遊技制御処理を行うことにより進行する遊技、および、サブ制御基板220のCPU221がAT−A実行処理、AT−B実行処理、AT−B実行処理を行うことにより進行する遊技(すなわち、シミュレートではない遊技)を、まとめて「実遊技」とも表記する。
D−3−1.シミュレートA実行処理 :
図37は、本実施例のシミュレートA実行処理を示すフローチャートである。シミュレートA実行処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、AT−Aモードが実行されていれば導出されていたと推測される内部抽選の結果を判定するために、S2000とS2002の処理を行う。先ず、内部抽選用乱数伝達コマンドを受信したか否かを判断する(S2000)。内部抽選用乱数伝達コマンドは、図8を用いて前述したように、スタートレバー36への操作を検出して内部抽選用乱数が取得されたときに主制御基板220から送信されるコマンドであり、該内部抽選用乱数の情報が含まれている。内部抽選用乱数伝達コマンドを受信したら、シミュレート用抽選テーブルを参照して、該コマンドから把握した内部抽選用乱数に対応する結果を判定する(S2002)。このシミュレート用抽選テーブルとしては、仮にATモードが実行されているとすればRT状態も併せて実行されているはずであることから、図15を用いて前述したRT状態用抽選テーブルと同様のものが利用される。シミュレート用抽選テーブルは、サブ制御基板220に搭載されたROM222に予め記憶されている。以下では、シミュレート用抽選テーブルを利用した内部抽選用乱数に対応する結果の判定を「シミュレート内部抽選」とも表記する。
このように、シミュレートAでは、主制御基板200のCPU201による内部抽選で利用される(すなわち、「実遊技」で利用される)内部抽選用乱数に基づいて「シミュレート内部抽選」を行うので、実遊技での遊技者によるスタートレバー36が操作されるタイミング(内部抽選用乱数を取得するタイミング)をシミュレートに反映させることができ、AT−Aモードを進行させた場合により近い状況でシミュレートAを進行させることができる。また、主制御基板200のCPUによる内部抽選の結果(実遊技での内部抽選の結果)をAT−Aモードが実行されていれば導出されていたと推測される内部抽選の結果とせずに、実遊技で利用されている判定テーブルとは別のシミュレート用判定テーブルを利用してシミュレート内部抽選の結果を判定するので、実遊技の遊技状態が切り換わることにより(ここでは、RT状態から通常状態に切り換わることにより)、抽選用テーブルが切り換わっても、安定してシミュレート内部抽選の結果を判定して、AT−Aモードが実行されていれば導出されていたと推測される内部抽選の結果を判定することができる。
こうして、シミュレート内部抽選を行ったら(S2002)、シミュレートA中の遊技メダルの獲得枚数、すなわち、AT−Aモードが実行されていれば該AT−Aモード中に獲得していたと推測される遊技メダルの獲得枚数(以下、「シミュレートA獲得枚数」ともいう)を演算する(S2004)。すなわち、シミュレート内部抽選処理で、遊技役に内部当選していれば、該遊技役に対応する遊技メダルの払出枚数をシミュレートA獲得枚数として加算する処理を行う。尚、シミュレートA獲得枚数は、シミュレート内部抽選で内部当選した遊技役に対応する払出枚数を加算することに加えて、1回の遊技に必要な投入枚数を遊技が行われるたびに減算することによって(いわゆる推定される純増枚数を)演算してもよい。
シミュレートA実行処理では、上述した内部抽選用乱数伝達コマンドを受信した場合の処理に加えて、遊技終了コマンドを受信した場合の処理を行う。図9を用いて前述したように、遊技終了コマンドは、1回の遊技が終了するたびに主制御基板200から送信されるコマンドであって、遊技終了コマンドには、「今回の遊技で何れかの遊技で何れかの遊技役が入賞成立したか否か、入賞成立したのであればその遊技役の種類(入賞結果)」、「今回の遊技で払い出された遊技メダルの枚数(獲得枚数)」、「今回の遊技における遊技者による回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序(操作順序)」の情報が含まれている。遊技終了コマンドを受信した場合は(S2006:yes)、先ず、「シミュレートA継続回数」を演算する(S2008)。「シミュレートA継続回数」とは、AT−Aモードが実行されていれば該AT−Aモードが継続していたと推測される遊技回数である。この処理では、遊技終了コマンドを受信したことにより、AT−Aモードが実行されていれば該AT−Aモードが開始されてからの遊技回数が1回増加したことが推測されるので、「シミュレートA継続回数」を1回加算する。
こうして、「シミュレートA継続回数」を演算したら、シミュレートカウンタAの値から「1」を減算する(S2010)。前述したように、「シミュレートA」は「AT−Aモード」を仮想的に行うものである。また、AT−Aモードは、該AT−Aモードが開始されてから30回目の遊技で継続抽選が行われて該AT−Aモードを終了するか否かが判断される。よって、シミュレートAを実行するにあたっても、該シミュレートAが開始されてから30回目の遊技で該シミュレートAを終了するか否かの継続抽選を行うために、シミュレートAを開始する際にシミュレートカウンタAの値に「30」が設定される(図29のS1330、S1350参照)。S2010の処理では、この30回の計数を進めるためにシミュレートカウンタAの値から「1」を減算する。シミュレートカウンタAの値から「1」を減算したら(S2010)、シミュレートカウンタAの値が「0」になったか否か、すなわち、今回の遊技が、シミュレートAが開始されてから30回目の遊技(AT−Aモードを実行していたとすれば該AT−Aモードが開始されてから30回目の遊技)か否かを判断する(S2012)。その結果、シミュレートカウンタAの値が「0」でない場合は(S2012:no)、シミュレートA実行処理を終了して、図25に示す演出制御処理に復帰する。
一方、シミュレートカウンタAの値が「0」である場合、すなわち、今回の遊技が、シミュレートAが開始されてから30回目の遊技(AT−Aモードを実行していたとすれば該AT−Aモードが開始されてから30回目の遊技)である場合は(S2012:yes)、シミュレートAを継続させるか終了させるかの抽選である継続抽選処理を行う(S1416)。つまり、AT−Aモードを実行していたとすれば該AT−Aモードが開始されてから30回目の遊技で継続抽選を行うことので、シミュレートAが開始されてから30回目の遊技でも、同様の継続抽選を行う。
継続抽選処理の結果、シミュレートAを継続させることに決定したら(S2016:yes)、再度、シミュレートカウンタAの値に「30」を設定した後、シミュレートA実行処理を終了して、図25に示す演出制御処理に復帰する。すなわち、継続抽選の結果、シミュレートAを継続させることに決定した場合は、シミュレートA実行フラグはONに設定されたまま、ATカウンタの値が「30」に設定されるので、シミュレートAを開始する状態と同じ状態となる(すなわち、シミュレートAの継続が決定される)。この状態で、演出制御処理を行うと、シミュレートA実行フラグがONであると判断され(図25のS1070:yes)、シミュレートA実行処理が行われることとなる。そして、少なくともシミュレートカウンタAの値が「0」になるまでは(すなわち、さらに遊技が30回行われるまでは)シミュレートA遊技が継続して、シミュレートカウンタAの値が「0」になると、再度、継続抽選処理が行われる。すなわち、シミュレートAの継続が決定した場合の処理は、上述の説明中の「シミュレートAが開始されてから」を、「シミュレートAの継続が決定してから」に読み替えた処理が実行される。
一方、継続抽選の結果、シミュレートAを終了させることに決定したら(S2016:no)、シミュレートA実行フラグをOFFに設定するとともに(S2018)、今回の遊技がシミュレートAの最後の遊技であることを示すシミュレートA終了回フラグをONに設定する(S2020)。シミュレートA終了回フラグは、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。また、シミュレートA終了回フラグは、後述する処理の中で参照される。
以上のように、シミュレートAが開始されると、30回の遊技が行われるたびに継続抽選が行われて、該継続抽選に当選している限りは、シミュレートA遊技が継続する。尚、「シミュレートA獲得枚数」および「シミュレートA継続回数」は、シミュレートAが開始されてからシミュレートAの継続が決定するたびに「0」にされるのではなく、シミュレートAが継続している期間の累積の値が演算される。「シミュレートA獲得枚数」は、AT−Aモードが実行されていれば該AT−Aモード中に獲得できたと推定される遊技メダルの枚数であり、「シミュレートA継続回数」は、AT−Aモードが実行されていれば該AT−Aモードが継続したと推定される遊技回数であることから、遊技者は、自己が選択したATモード(ここでは、AT−BモードあるいはAT−Cモード)における獲得枚数および継続回数と、「シミュレートA獲得枚数」および「シミュレートA獲得枚数」とを比較することによって、自己の選択が適切であったか否かを認識することができる。従って、「シミュレートA獲得枚数」および「シミュレートA継続回数」に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
以上では、AT−Aモードを仮想的に実行するシミュレートAを進行させるためのシミュレートA実行処理について説明した。次は、AT−Bモードを仮想的に実行するシミュレートBを進行させるためのシミュレートB実行処理について説明する。尚、シミュレートA実行処理と同様の処理については簡単に説明する。
D−3−2.シミュレートB実行処理 :
図38および図39は、本実施例のシミュレートB実行処理を示すフローチャートである。シミュレートB実行処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は、シミュレートA実行処理と同様に(図37のS2000、S2002)、内部抽選用乱数伝達コマンドを受信したか否かを判断し(S2100)、内部抽選用乱数伝達コマンドを受信していれば(S2100:yes)、シミュレート用抽選テーブルを参照して、該コマンドから把握した内部抽選用乱数に対応する結果を判定する(S2102)。すなわち、「シミュレート内部抽選」を行う。
シミュレート内部抽選を行ったら(S2102)、今度は、シミュレートカウンタBの値が「1」か否かを判断する。前述したように、「シミュレートB」は「AT−Bモード」を仮想的に行うものである。また、AT−Bモードは、該AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技で回胴停止ボタンへの操作順序が継続順序か終了順序かの判断が行われて該AT−Bモードを終了するか否かが判断される。よって、シミュレートBを実行するにあたっても、該シミュレートBが開始されてから30回目の遊技で回胴停止ボタンへの操作順序が継続順序か終了順序かの判断を行うために、シミュレートBを開始する際にシミュレートカウンタBの値に「30」が設定される(図29のS1312、S1354参照)。また、シミュレートBの実行中も、シミュレートAの実行中と同様に、遊技終了コマンドを受信するたびにシミュレートカウンタBの値は「1」ずつ減算されることから、S2104処理では、シミュレートBが開始されてから29回の遊技が終了して(29回の遊技終了コマンドを受信して)30回目の遊技が開始されたか否か、すなわち、今回の遊技が、シミュレートBが開始されてから30回目の遊技か否かが判断される。その結果、今回の遊技が、シミュレートBが開始されてから30回目の遊技でなければ(S2104:no)、シミュレートB中の遊技メダルの獲得枚数、すなわち、AT−Bモードが実行されていれば該AT−Bモード中に獲得していたと推測される遊技メダルの獲得枚数(以下、「シミュレートB獲得枚数」ともいう)を演算する(S2106)。すなわち、シミュレート内部抽選処理で、遊技役に内部当選していれば、該遊技役に対応する遊技メダルの払出枚数をシミュレートB獲得枚数として加算する処理を行う。尚、シミュレートB獲得枚数は、シミュレート内部抽選で内部当選した遊技役に対応する払出枚数を加算することに加えて、1回の遊技に必要な投入枚数を遊技が行われるたびに減算することによって(いわゆる推定される純増枚数を)演算してもよい。
一方、今回の遊技が、シミュレートBが開始されてから30回目の遊技(AT−Bモードを実行していたとすれば該AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技)である場合は(S2104:yes)、今回のシミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選したか否かを判断して(S2108)、操作順序対応遊技役に内部当選していなければ(S2108:no)、シミュレートBを継続させることのできる回胴停止ボタンの操作順序(AT−Bモードが実行されていれば該AT−Bモードを継続させることのできる「AT継続操作順序」)である「シミュレートB継続操作順序」を抽選で決定する(S2110)。
シミュレートB実行処理でも、上述した内部抽選用乱数伝達コマンドを受信した場合の処理に加えて、遊技終了コマンドを受信した場合の処理を行う。遊技終了コマンドを受信した場合は(図39のS2120:yes)、先ず、「シミュレートB継続回数」を演算する(S2122)。「シミュレートB継続回数」とは、AT−Bモードが実行されていれば該AT−Bモードが継続していたと推測される遊技回数である。この処理では、遊技終了コマンドを受信したことにより、AT−Bモードが実行されていれば該AT−Bモードが開始されてからの遊技回数が1回増加したことが推測されるので、「シミュレートB継続回数」を1回加算する。
こうして、「シミュレートB継続回数」を演算したら、シミュレートBが開始されてからの30回の遊技の計数を進めるべく、シミュレートカウンタBの値から「1」を減算する(S2124)シミュレートカウンタBの値から「1」を減算したら(S2124)、シミュレートカウンタBの値が「0」になったか否か、すなわち、今回の遊技が、シミュレートBが開始されてから30回目の遊技(AT−Bモードを実行していたとすれば該AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技)か否かを判断する(S2126)。その結果、シミュレートカウンタBの値が「0」でない場合は(S2126:no)、シミュレートB実行処理を終了して、図25に示す演出制御処理に復帰する。
一方、シミュレートカウンタBの値が「0」である場合、すなわち、今回の遊技が、シミュレートBが開始されてから30回目の遊技(AT−Bモードを実行していたとすれば該AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技)である場合は(S2126:yes)、次回以降のシミュレートBの遊技の計数に備えてシミュレートカウンタBの値に「30」を設定した後(S2127)、今回の遊技における回胴停止ボタンの操作順序が、AT−Bモードを実行していたとすれば、継続順序か終了順序かを判断する処理を行う。この処理では、先ず、今回の遊技におけるシミュレート内部抽選の結果、操作順序対応遊技役に内部当選したか否かの判断を行う(S2128)。
その結果、シミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選しなかった場合は(S2128:no)、シミュレートBが開始されてから30回目の遊技におけるシミュレート内部抽選に基づいてシミュレートB獲得枚数を演算する(S2129)。続いて、遊技終了コマンドに含まれる「操作順序」の情報に基づいて、今回の遊技における回胴停止ボタンの操作順序が「シミュレートB継続操作順序」であるか否かを判断する(S2130)。すなわち、今回の遊技で、シミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選していない場合は、「シミュレートB継続操作順序」が既に決定されていることから(図38のS2110参照)、該「シミュレートB継続操作順序」(AT−Bモードを実行していたとすれば「AT継続操作順序」に相当するもの)と今回の遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が同じか否かを判断する(S2130)。その結果、今回の遊技における回胴停止操作ボタンの操作順序が「シミュレートB継続操作順序」と同じでない場合は(S2130:no)、AT−Bモードが実行されていたとした場合の回胴停止ボタンの操作順序と「AT継続操作順序」とは異なっており(すなわち、終了順序であり)、AT−Bモードが終了すると推測されるので、シミュレートBを終了させるべくシミュレートB実行フラグをOFFに設定するとともに(S2134)、シミュレートB終了回フラグをONに設定する(S2136)。シミュレートB終了回フラグは、後述する処理の中で参照される。このように、シミュレートBでは、AT−Bモードと同様に、実際の回胴停止操作ボタンの操作順序に基づいて継続順序か終了順序かを判断するので、AT−Bモードを進行させた場合により近い状況でシミュレートBを進行させることができる。
これに対して、今回の遊技における回胴停止操作ボタンの操作順序が「シミュレートB継続操作順序」と同じである場合は(S2130:no)、そのまま、シミュレートB実行処理を終了して、図25に示す演出制御処理に復帰する。すなわち、この場合は、シミュレートカウンタBの値に「30」に設定された状態で(S2127)、シミュレートB実行フラグはONに設定されたままであるので、シミュレートBを開始する状態と同じ状態となる(すなわち、シミュレートBの継続が決定される)。この状態で、演出制御処理を行うと、シミュレートB実行フラグがONであると判断され(図25のS1074:yes)、シミュレートB実行処理が行われることとなる。そして、少なくともシミュレートカウンタBの値が「0」になるまでは(すなわち、さらに遊技が30回行われるまでは)シミュレートB遊技が継続して、シミュレートカウンタBの値が「0」になると、再度、遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が継続順序か終了順序かに応じて、シミュレートBを継続させるか否かが決定される。すなわち、シミュレートBの継続が決定した場合の処理は、上述の説明中の「シミュレートBが開始されてから」を、「シミュレートBの継続が決定してから」に読み替えた処理が実行される。
一方、シミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選している場合は(S2128:yes)、今回の遊技における遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が、該操作順序対応遊技役が入賞成立する操作順序か否かを判断する(S2138)。その結果、遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が、操作順序対応遊技役が入賞成立する操作順序でなければ(S2138:no)、AT−Bモードが実行されているとすると、遊技者による操作順序は終了順序であり、取りこぼし目が停止表示されて、該AT−Bモードが終了すると推測される。そこで、シミュレートBを終了させるべくシミュレートB実行フラグをOFFに設定するとともに(S2134)、シミュレートB終了回フラグをONに設定する(S2136)。その後、シミュレートB実行処理を終了して、図25に示す演出制御処理に復帰する。
これに対して、遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が、操作順序対応遊技役が入賞成立する操作順序であれば(S2138:yes)、AT−Bモードが実行されているとすると、操作順序対応遊技役が入賞成立して、AT−Bモードが継続すると推測される。そこで、シミュレートBが開始されてから30回目の遊技におけるシミュレート内部抽選に基づいてシミュレートB獲得枚数を演算する(S2140)。その後、シミュレートB実行処理を終了して、図25に示す演出制御処理に復帰する。すなわち、この場合は、シミュレートB実行フラグはONに設定されたまま、シミュレートカウンタBの値に「30」に設定されるので、シミュレートBを開始する状態と同じ状態となり(すなわち、シミュレートBの継続が決定され)、上述の説明中の「シミュレートBが開始されてから」を、「シミュレートBの継続が決定してから」に読み替えた処理が実行される。
尚、上述したように、本実施例の遊技機1では、シミュレートBが開始されてから29回目までの遊技では、シミュレートB獲得枚数の演算はシミュレート内部抽選のみに基づいて行われる。これは、AT−Bモードが開始されてから29回目までの遊技では、操作順序対応遊技役に内部当選したとしても「ナビ演出」が行われるので、操作順序対応遊技役も含めて何れかの遊技役に内部当選したら必ず該遊技役が入賞成立すると推測されるためである。これに対して、シミュレートBが開始されてから30回目の遊技では、シミュレートB獲得枚数の演算は、シミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選していなければシミュレート内部抽選のみに基づいて行われ、シミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選していれば遊技者による回胴停止ボタンの操作順序にも基づいて行われる。これは、AT−Bモードが開始されてから30回目の遊技では、操作順序対応遊技役に内部当選しても「ナビ演出」が行われないので、遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が該操作順序対応遊技役を入賞成立させることができる操作順序でない場合があるためである。
以上のように、シミュレートBが開始されると、30回の遊技が行われるたびに遊技者による回胴停止ボタンの操作が継続順序か終了順序か判断されて、遊技者による回胴停止ボタンの操作が継続順序である限りは、シミュレートBが継続する。尚、「シミュレートB獲得枚数」および「シミュレートB継続回数」は、シミュレートBが開始されてからシミュレートBの継続が決定するたびに「0」にされるのではなく、シミュレートBが継続している期間の累積の値が演算される。「シミュレートB獲得枚数」は、AT−Bモードが実行されていれば該AT−Bモード中に獲得できたと推定される遊技メダルの枚数であり、「シミュレートB継続回数」は、AT−Bモードが実行されていれば該AT−Bモードが継続したと推定される遊技回数であることから、遊技者は、自己が選択したATモード(ここでは、AT−AモードあるいはAT−Cモード)における獲得枚数および継続回数と、「シミュレートB獲得枚数」および「シミュレートB獲得枚数」とを比較することによって、自己の選択が適切であったか否かを認識することができる。従って、「シミュレートB獲得枚数」および「シミュレートB継続回数」に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
以上では、AT−Bモードを仮想的に実行するシミュレートBを進行させるためのシミュレートB実行処理について説明した。次は、AT−Cモードを仮想的に実行するシミュレートCを進行させるためのシミュレートC実行処理について説明する。尚、シミュレートA実行処理あるいはシミュレートB実行処理と同様の処理については簡単に説明する。
D−3−3.シミュレートC実行処理 :
図40および図41は、本実施例のシミュレートC実行処理を示すフローチャートである。シミュレートC実行処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は、シミュレートB実行処理と同様に(図38のS2100、S2102)、内部抽選用乱数伝達コマンドを受信したか否かを判断し(S2200)、内部抽選用乱数伝達コマンドを受信していれば(S2200:yes)、シミュレート用抽選テーブルを参照して、該コマンドから把握した内部抽選用乱数に対応する結果を判定する(S2202)。すなわち、「シミュレート内部抽選」を行う。シミュレート内部抽選を行ったら(S2202)、シミュレート操作順序抽選回フラグがONに設定されているか否かを判断する(S2204)。
ここで、前述したように、本実施例の遊技機1では、AT−Cモード中に「ナビ演出」が5回行われるたびにその次の回の遊技で、「操作順序対応遊技役」に内部当選していれば取りこぼし目が停止表示されたか操作順序対応遊技役の入賞が成立したかの判断が行われて、操作順序対応遊技役の入賞が成立すればAT−Cモードを継続し、「操作順序対応遊技役」に内部当選していなければ回胴停止ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じか否かの判断が行われて、回胴停止ボタンの操作順序が「AT継続操作順序」と同じであればAT−Cモードを継続する。
シミュレート操作順序抽選回フラグは、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」であると推測されることを示すフラグであって、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。
S2204の処理では、シミュレート操作順序抽選回フラグがONに設定されているか否か、すなわち、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」であると推測される否かが判断される。その結果、今AT−Bモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」であると推測されない場合は(S2204:no)、シミュレートC中の遊技メダルの獲得枚数、すなわち、AT−Cモードが実行されていれば該AT−Cモード中に獲得していたと推測される遊技メダルの獲得枚数(以下、「シミュレートC獲得枚数」ともいう)を演算する(S2206)。すなわち、シミュレート内部抽選処理で、遊技役に内部当選していれば、該遊技役に対応する遊技メダルの払出枚数をシミュレートC獲得枚数として加算する処理を行う。尚、シミュレートC獲得枚数は、シミュレート内部抽選で内部当選した遊技役に対応する払出枚数を加算することに加えて、1回の遊技に必要な投入枚数を遊技が行われるたびに減算することによって(いわゆる推定される純増枚数を)演算してもよい。
シミュレートC獲得枚数を演算したら(S2206)、今回のシミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選したか否かを判断して(S2208)、操作順序対応遊技役に内部当選していれば(S2208:yes)、シミュレートナビカウンタの値から「1」を減算した後(S2210)、シミュレートナビカウンタの値が「0」であるか否かを判断する(S2212)。前述したように、シミュレートナビカウンタはシミュレートC遊技を開始する際に値が「5」に設定されるカウンタである(図29のS1316、S1334)。そして、シミュレートナビカウンタの値は、AT−Cモードが実行されていれば「ナビ演出」が行われたと推測されるたびに、すなわち、シミュレート操作順序抽選回フラグがONに設定されていない遊技におけるシミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選するたびに(S2204:no、S2208:yes)、「1」ずつ減算されるので(S2210)。従って、S2212の処理では、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技」であると推測されるか否かが判断される。
その結果、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技」であると推測される場合は、シミュレートナビ5回フラグをONに設定する(S1612)。シミュレートナビ5回フラグは、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技」であると推測されることを示すフラグであって、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。シミュレートナビ5回フラグをONに設定したら、次回以降の「AT−Cモードが実行されていれば行われたと推測される「ナビ演出」」の計数に備えてナビカウンタの値に「5」を設定する(S2216)。
一方、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」であると推測される場合(S2204:yes)、今回のシミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選したか否かを判断して(S2218)、操作順序対応遊技役に内部当選していなければ(S2218:no)、シミュレートCを継続させることのできる回胴停止ボタンの操作順序(AT−Cモードが実行されていれば該AT−Cモードを継続させることのできる「AT継続操作順序」)である「シミュレートC継続操作順序」を抽選で決定する(S2220)。
シミュレートC実行処理でも、上述した内部抽選用乱数伝達コマンドを受信した場合の処理に加えて、遊技終了コマンドを受信した場合の処理を行う。遊技終了コマンドを受信した場合は(図41のS2250:yes)、先ず、「シミュレートC継続回数」を演算する(S2252)。「シミュレートC継続回数」とは、AT−Cモードが実行されていれば該AT−Cモードが継続していたと推測される遊技回数である。この処理では、遊技終了コマンドを受信したことにより、AT−Cモードが実行されていれば該AT−Cモードが開始されてからの遊技回数が1回増加したことが推測されるので、「シミュレートC継続回数」を1回加算する。
こうして、「シミュレートC継続回数」を演算したら、シミュレートナビ5回フラグがONに設定されているか否か、すなわち、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技」であると推測されるか否かを判断する(S2254)。その結果、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技」であると推測される場合は(S2254:yes)、シミュレートナビ5回フラグをOFFに設定した後、次回の遊技において、該遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技の次の遊技」であると推測されることを把握可能にするべく、シミュレート操作順序抽選回フラグをONに設定する(S2260)。その後、AT−Cシミュレート処理を終了して、図25に示す演出制御処理に復帰する。
一方、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた遊技」でないと推測される場合は(S2254:no)、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた次の遊技」であるか否かを判断する(S2256)。その結果、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた次の遊技」でないと推測される場合は(S2256:no)、そのままAT−Cシミュレート処理を終了して、図25に示す演出制御処理に復帰する。
これに対して、AT−Cモードが実行されていれば今回の遊技が「5回目の「ナビ演出」が行われた次の遊技」であると推測される場合は(S2256:yes)、今回の遊技における回胴停止ボタンの操作順序が、AT−Cモードを実行していたとすれば、継続順序か終了順序かを判断する処理を行う。この処理では、先ず、今回の遊技におけるシミュレート内部抽選の結果、操作順序対応遊技役に内部当選したか否かの判断を行う(S2264)。
その結果、シミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選しなかった場合は(S2264:no)、今回の遊技におけるシミュレート内部抽選に基づいてシミュレートC獲得枚数を演算する(S2270)。続いて、遊技終了コマンドに含まれる「操作順序」の情報に基づいて、今回の遊技における回胴停止ボタンの操作順序が「シミュレートC継続操作順序」であるか否かを判断する(S2272)。すなわち、今回の遊技で、シミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選していない場合は、「シミュレートC継続操作順序」が既に決定されていることから(図40のS2220参照)、該「シミュレートC継続操作順序」(AT−Cモードを実行していたとすれば「AT継続操作順序」に相当するもの)と今回の遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が同じか否かを判断する(S2272)。その結果、今回の遊技における回胴停止操作ボタンの操作順序が「シミュレートC継続操作順序」と同じでない場合は(S2272:no)、AT−Cモードが実行されていたとした場合の回胴停止ボタンの操作順序と「AT継続操作順序」とは異なっており(すなわち、終了順序であり)、AT−Cモードが終了すると推測されるので、シミュレートCを終了させるべくシミュレートC実行フラグをOFFに設定するとともに(S2274)、シミュレートC終了回フラグをONに設定する(S2276)。シミュレートC終了回フラグは、後述する処理の中で参照される。
これに対して、今回の遊技における回胴停止操作ボタンの操作順序が「シミュレートC継続操作順序」と同じである場合は(S2272:no)、そのまま、シミュレートC実行処理を終了して、図25に示す演出制御処理に復帰する。すなわち、この場合は、シミュレートナビカウンタの値に「5」に設定された状態で(図40のS2216)、シミュレートC実行フラグはONに設定されたままであるので、シミュレートCを開始する状態と同じ状態となる(すなわち、シミュレートCの継続が決定される)。この状態で、演出制御処理を行うと、シミュレートC実行フラグがONであると判断され(図25のS1078:yes)、シミュレートC実行処理が行われることとなる。そして、少なくともシミュレートナビカウンタの値が「0」になった遊技の次の遊技までは(すなわち、さらに「ナビ演出」が5回行われたと推測されて、その次の遊技までは)シミュレートC遊技が継続して、シミュレートカウンタナビカウンタの値が「0」になった遊技の次の遊技で、再度、遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が継続順序か終了順序かに応じて、シミュレートCを継続させるか否かが決定される。
一方、シミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選している場合は(S2264:yes)、今回の遊技における遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が、該操作順序対応遊技役が入賞成立する操作順序か否かを判断する(S2266)。その結果、遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が、操作順序対応遊技役が入賞成立する操作順序でなければ(S2266:no)、AT−Cモードが実行されているとすると、遊技者による操作順序は終了順序であり、取りこぼし目が停止表示されて、該AT−BC技が終了すると推測される。そこで、シミュレートCを終了させるべくシミュレートC実行フラグをOFFに設定するとともに(S2174)、シミュレートC終了回フラグをONに設定する(S2176)。その後、シミュレートC実行処理を終了して、図25に示す演出制御処理に復帰する。
これに対して、遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が、操作順序対応遊技役が入賞成立する操作順序であれば(S2166:yes)、AT−Cモードが実行されているとすると、操作順序対応遊技役が入賞成立して、AT−Cモードが継続すると推測される。そこで、今回のシミュレート内部抽選に基づいてシミュレートB獲得枚数を演算する(S2168)。その後、シミュレートC実行処理を終了して、図25に示す演出制御処理に復帰する。すなわち、この場合は、シミュレートナビカウンタの値に「5」に設定された状態で(図40のS2216)、シミュレートC実行フラグはONに設定されたままであるので、シミュレートCを開始する状態と同じ状態となる(すなわち、シミュレートCの継続が決定される)。
尚、上述したように、本実施例の遊技機1では、シミュレートCが開始されてから、あるいはシミュレートCの継続が決定されてから、5回目の「ナビ演出」が行われたと推測される遊技までは、シミュレートC獲得枚数の演算はシミュレート内部抽選のみに基づいて行われる。これは、AT−Cモードが開始されてから、あるいAT−Cの継続が決定されてから、5回目の「ナビ演出」が行われる遊技までは、操作順序対応遊技役に内部当選したとしても「ナビ演出」が行われるので、操作順序対応遊技役も含めて何れかの遊技役に内部当選したら必ず該遊技役が入賞成立すると推測されるためである。
これに対して、シミュレートCが開始されてから、あるいはシミュレートCの継続が決定されてから、5回目の「ナビ演出」が行われたと推測される遊技の次の遊技では、シミュレートC獲得枚数の演算は、シミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選していなければシミュレート内部抽選のみに基づいて行われ、シミュレート内部抽選で操作順序対応遊技役に内部当選していれば遊技者による回胴停止ボタンの操作順序にも基づいて行われる。これは、AT−Cモードが開始されてから、あるいはAT−Cモードの継続が決定されてから、5回目の「ナビ演出」が行われる遊技の次の遊技では、操作順序対応遊技役に内部当選しても「ナビ演出」が行われないので、遊技者による回胴停止ボタンの操作順序が該操作順序対応遊技役を入賞成立させることができる操作順序でない場合があるためである。
以上のように、シミュレートCが開始されると、5回の「ナビ演出」が行われたと推測されるたびに次の遊技で、遊技者による回胴停止ボタンの操作が継続順序か終了順序か判断されて、遊技者による回胴停止ボタンの操作が継続順序である限りは、シミュレートCが継続する。尚、「シミュレートC獲得枚数」および「シミュレートC継続回数」は、シミュレートCが開始されてからシミュレートCの継続が決定するたびに「0」にされるのではなく、シミュレートCが継続している期間の累積の値が演算される。「シミュレートC獲得枚数」は、AT−Cモードが実行されていれば該AT−Cモード中に獲得できたと推定される遊技メダルの枚数であり、「シミュレートC継続回数」は、AT−Cモードが実行されていれば該AT−Cモードが継続したと推定される遊技回数であることから、遊技者は、自己が選択したATモード(ここでは、AT−AモードあるいはAT−Bモード)における獲得枚数および継続回数と、「シミュレートC獲得枚数」および「シミュレートC獲得枚数」とを比較することによって、自己の選択が適切であったか否かを認識することができる。従って、「シミュレートC獲得枚数」および「シミュレートC継続回数」に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
以上では、AT−Cモードを仮想的に実行するシミュレートCを進行させるためのシミュレートC実行処理について説明した。次は、シミュレートC実行処理に続いて行われるAT−A終了処理(図26のS1100)について説明する。
D−4.AT−A終了処理 :
図42は、本実施例のAT−A終了処理を示すフローチャートである。AT−A終了処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、AT−A終了回フラグがONに設定されているか否かの判断を行う(S2300)。図31を用いて前述したように、AT−A終了回フラグは今回の遊技でAT−Aモードが終了することを示すフラグである。すなわち、S2300の処理では、今回の遊技でAT−Aモードが終了するか否かの判断を行う。
その結果、今回の遊技でAT−Aモードが終了する場合は(S2300:yes)、AT−A終了回フラグをOFFに設定した後(S2302)、AT−Aモードが終了することを遊技者に報知するAT−A終了演出を実行する(S2304)。次に、今回終了するAT−Aモードの「AT−A継続回数」および「AT−A獲得枚数」を表示する(S2306)。続いて、次のAT−Aモードの開始に備えてAT−A継続回数およびAT−A獲得枚数を「0」に設定する(S2308)。尚、表示されている「AT−A継続回数」および「AT−A獲得枚数」はそのままにしておく。
次に、AT−BシミュレートフラグがONに設定されているか否か、すなわち、シミュレートBが実行中か否かを判断する(S2310)。その結果、シミュレートBが実行中である場合は(S2310:yes)、シミュレートBが継続中であること(遊技者がAT−Bモードを選択して実行させていたとしたら該AT−Bモードは未だ継続中であったこと)、および、今回の遊技までのシミュレートB継続回数、シミュレートB獲得枚数(遊技者がAT−Bモードを選択して実行させていた場合のAT−B継続回数、AT−B獲得枚数)を表示するとともに、AT−A獲得枚数とシミュレートB獲得枚数との差分を演算して表示する(S2312)。これに対して、シミュレートBが終了していた場合は(S2310:no)、シミュレートBが終了していること(遊技者がAT−Bモードを選択して実行させていたとしたら該AT−Bモードは終了していたこと)、および、今回の遊技までのシミュレートB継続回数、シミュレートB獲得枚数(遊技者がAT−Bモードを選択して実行させていた場合のAT−B継続回数、AT−B獲得枚数)を表示するとともに、AT−A獲得枚数とシミュレートB獲得枚数との差分を演算して表示する(S2318)。
次に、AT−CシミュレートフラグがONに設定されているか否か、すなわち、シミュレートCが実行中か否かを判断する(S2314)。その結果、シミュレートCが実行中である場合は(S2314:yes)、シミュレートCが継続中であること(遊技者がAT−Cモードを選択して実行させていたとしたら該AT−Cモードは未だ継続中であったこと)、および、今回の遊技までのシミュレートC継続回数、シミュレートC獲得枚数(遊技者がAT−Cモードを選択して実行させていた場合のAT−C継続回数、AT−C獲得枚数)を表示するとともに、AT−A獲得枚数とシミュレートC獲得枚数との差分を演算して表示する(S2316)。これに対して、シミュレートCが終了していた場合は(S2314:no)、シミュレートCが終了していること(遊技者がAT−Cモードを選択して実行させていたとしたら該AT−Cモードは終了していたこと)、および、今回の遊技までのシミュレートC継続回数、シミュレートC獲得枚数(遊技者がAT−Cモードを選択して実行させていた場合のAT−C継続回数、AT−C獲得枚数)を表示するとともに、AT−A獲得枚数とシミュレートC獲得枚数との差分を演算して表示する(S2320)。その後、AT−A終了処理を終了して、図26に示す演出制御処理に復帰する。
以上のように、AT−A終了処理では、AT−Aモードが終了するときに、「AT−A継続回数」、「AT−A獲得枚数」を表示するとともに、他のATモードを選択していた場合の状況、すなわち、「シミュレートBが継続中か否か」、「シミュレートB継続回数」、「シミュレートB獲得枚数」、「AT−A獲得枚数とシミュレートB獲得枚数との差分」、「シミュレートCが継続中か否か」、「シミュレートC継続回数」、「シミュレートC獲得枚数」、「AT−A獲得枚数とシミュレートC獲得枚数との差分」を表示する演出を実行する。
以上のような処理は、AT−A終了処理に続く、AT−B終了処理およびAT−C終了処理(図26のS1012、S1014)においても行われる。すなわち、AT−B終了処理では、AT−Bモードが終了するときに、「AT−B継続回数」、「AT−B獲得枚数」を表示するとともに、他のATモードを選択していた場合の状況と比較結果、すなわち、「シミュレートAが継続中か否か」、「シミュレートA継続回数」、「シミュレートA獲得枚数」、「シミュレートCが継続中か否か」、「シミュレートC継続回数」、「シミュレートC獲得枚数」、「AT−B獲得枚数とシミュレートA獲得枚数との差分」、「AT−B獲得枚数とシミュレートC獲得枚数との差分」を表示する演出を実行する。AT−C終了処理では、AT−Cモードが終了するときに、「AT−C継続回数」、「AT−C獲得枚数」を表示するとともに、他のATモードを選択していた場合の状況と比較結果、すなわち、「シミュレートAが継続中か否か」、「シミュレートA継続回数」、「シミュレートA獲得枚数」、「シミュレートBが継続中か否か」、「シミュレートB継続回数」、「シミュレートB獲得枚数」、「AT−C獲得枚数とシミュレートA獲得枚数との差分」、「AT−C獲得枚数とシミュレートB獲得枚数との差分」を表示する演出を実行する。
図43は、本実施例のAT−Aモード終了時の表示内容を例示する説明図である。上述したように、AT−Aモード終了時には、「AT−A継続回数」、「AT−A獲得枚数」を表示するとともに、他のATモードを選択していた場合の状況と比較結果、すなわち、「シミュレートBが継続中か否か」、「シミュレートB継続回数」、「シミュレートB獲得枚数」、「AT−A獲得枚数とシミュレートB獲得枚数との差分」、「シミュレートCが継続中か否か」、「シミュレートC継続回数」、「シミュレートC獲得枚数」、「AT−A獲得枚数とシミュレートC獲得枚数との差分」を表示する演出を実行する。図中、演出表示装置10の表示画面上には、表示領域10aには、ATモードが終了したこと、および、「AT−A継続回数」、「AT−A獲得枚数」が表示されている。表示領域10bには、「シミュレートBが継続中か否か」、「シミュレートB継続回数」、「シミュレートB獲得枚数」、「AT−A獲得枚数とシミュレートB獲得枚数との差分」が表示されている。表示領域10cには、「シミュレートCが継続中か否か」、「シミュレートC継続回数」、「シミュレートC獲得枚数」、「AT−A獲得枚数とシミュレートC獲得枚数との差分」が表示されている。
ここで、遊技者は、開始させるATモードをAT−Aモード、AT−Bモード、AT−Cモードの中から1つを選択して開始させる。もちろん、ATモードは遊技者にとって有利な状態であることから、できるだけ長く継続しそうなATモードを選択する。遊技者によってATモードが選択されると、該選択されたATモードを実行するとともに、遊技者によって選択されなかったATモードについても仮想的に実行する(ATモードのシミュレートを実行する)。そして、図43に示すように、選択されたATモードの結果(あるいか途中経過)と、選択されなかったATモードを仮想的に実行した結果(あるいは途中経過)を、同時に報知するとともに、それらの差分(比較結果)を報知する構成を有している。従って、遊技者に対して、自己のATモードの選択が適切であったか否かを推測させることができるとともに、次回からのATモードの選択の参考とさせることが可能となり、「遊技者にとって最も有利な継続条件を推測させる遊技性」を効果的に実現できるので、遊技興趣を高めることが可能となる。特に、選択したATモードの結果が、選択しなかったATモードを仮想的に実行した結果よりも、遊技者にとって有利であった場合は、遊技者に対して、遊技者によるATモードの選択が適切であったことを示唆することとなり、遊技者に満足感を与えることが可能となる。
以上では、各ATモードを終了させる際のAT−A終了処理、AT−B終了処理、AT−C終了処理について説明した。次は、これらの処理に続いて行われるAT−A終了処理(図26のS1100)について説明する。
D−5.シミュレートA終了処理 :
図44は、本実施例のシミュレートA終了処理を示すフローチャートである。シミュレートA終了処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、シミュレートA終了回フラグがONに設定されているか否かを判断する(S2400)。図41を用いて前述したように、シミュレートA終了回フラグは今回の遊技でシミュレートAが終了することを示すフラグである。すなわち、S2300の処理では、今回の遊技でシミュレートAが終了するか否かの判断を行う。
その結果、今回の遊技でシミュレートAが終了する場合は(S2400:yes)、シミュレートAが終了したこと、および、「シミュレートA継続回数」、「シミュレートA獲得枚数」(AT−Aモードが実行されていれば該AT−Aモードが終了したこと、AT−Aモードが実行されていた場合の「AT−A継続回数」、「AT−A獲得枚数」)を表示する(S2402)。
続いて、シミュレートA実行フラグ以外のシミュレート実行フラグ(シミュレートB実行フラグあるいはシミュレートC実行フラグ)がONに設定されているか否か、すなわち、シミュレートA以外のシミュレート(シミュレートAあるいはシミュレートB)が実行されているか否かを判断する(S2404)。
その結果、何れかのシミュレートが実行されている場合は(S2404:yes)、該シミュレートが実行されていること、該シミュレートの「継続回数」、「獲得枚数」を表示する(S2406)。そして、シミュレートA終了処理を終了して、図26に示す演出制御処理に復帰する。
以上のような処理は、シミュレートA終了処理に続く、シミュレートB終了処理およびシミュレートC終了処理(図26のS1108、S1110)においても行われる。すなわち、シミュレートB終了処理およびシミュレートC終了処理では、それぞれのシミュレートが終了するときに、該シミュレートが終了すること、「該シミュレートの継続回数」、「該シミュレートの獲得枚数」を表示するとともに、他のシミュレートが実行されている場合の状況を表示する演出を実行する。
尚、本実施例の遊技機1では、シミュレートが終了するときにATモードが実行されていれば、ATモード中は該ATモードの途中経過(継続回数や獲得枚数)は表示することとした、シミュレートが終了するときに既にATモードが終了されている場合にも該ATモードの結果(継続回数や獲得枚数)を表示するようにしてもよい。
また、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が、上述の処理を実行することによって、選択されたATモード(選択された進行パターンに従った特定状態)での遊技の進行に並行して、シミュレートでの遊技(選択手段により選択されなかった進行パターンに従う特定状態での仮想的な図柄変動遊技)を進行させる。また、シミュレートでの遊技は、遊技者に選択されたATモードでの遊技(図柄変動遊技進行手段が進行させる図柄変動遊技)中に行われたスタートレバー36(回転開始部材)または回胴停止ボタン38a,38b,38c(回転停止部材)の操作結果を反映して、進行される。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「シミュレート進行手段」に対応している。また、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が、上述の処理を実行することによって、遊技者に選択されたATモードでの遊技(図柄変動遊技進行手段による図柄変動遊技)の継続回数や獲得枚数(進行内容)を報知する。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「第1報知手段」に対応している。
また、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が、上述の処理を実行することによって、遊技者に選択されたATモードでの遊技(図柄変動遊技進行手段による図柄変動遊技)の継続中や終了時に(進行過程で)、シミュレートでの遊技(シミュレート進行手段による図柄変動遊技)の継続回数や獲得枚数(進行内容)を報知する。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「第2報知手段」に対応している。また、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が、上述の処理を実行することによって、ATモードでの遊技(図柄変動遊技進行手段による図柄変動遊技)の進行に応じて計数されるAT獲得枚数(第1計数値)と、シミュレートでの遊技(シミュレート進行手段による図柄変動遊技)の進行に応じて計数されるシミュレート獲得枚数(第2計数値)との差分(比較)を演算する。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「演算手段」に対応している。
以上は、シミュレートA終了処理、シミュレートB終了処理、シミュレートC終了処理について説明した。次に、ATモードやシミュレートの初期化に関する処理ついて説明する。
D−6.ATモードやシミュレートの初期化に関する処理 :
図45は、本実施例のシミュレート継続回数・獲得枚数初期化処理を示すフローチャートである。この処理は、図26に示すAT終了処理(S1100〜S1104)や、シミュレート終了処理(S1106〜S1110)に続いて行われる(S1112)。すなわち、「シミュレート継続回数」や「シミュレート獲得枚数」は、ATモードあるいは他のシミュレートの少なくとも1つが実行されていると、これらが終了する際に図43に示すように比較して表示される。従って、「シミュレート継続回数」や「シミュレート獲得枚数」はシミュレートが終了する際に直ちに初期化されない場合がある。シミュレート継続回数・獲得枚数初期化処理では、ATモードあるいはシミュレートのうち、最後まで継続しているものが終了する際に、全ての「シミュレート継続回数」や「シミュレート獲得枚数」を初期化する処理が行われる。
シミュレート継続回数・獲得枚数初期化処理を開始すると、先ず初めに、何れかのAT終了回フラグがONに設定されているか否か、すなわち、今回の遊技がATモード(遊技者が選択したATモード)の最後の遊技か否かを判断する(S2500)。その結果、今回の遊技がATモードの最後の遊技であれば(S2500:yes)、該AT終了回フラグをOFFに設定した後(S2502)、今度は、何れかのシミュレート終了回フラグがONに設定されているか否か、すなわち、何れかのシミュレートの最後の遊技か否かを判断する(S2504)。その結果、何れかのシミュレートの最後の遊技であれば(S2504:yes)、該シミュレート終了回フラグをOFFに設定する(S2506)。
シミュレート終了回フラグをOFFに設定した後(S2506)、あるいは、今回がシミュレートの最後の遊技でない場合は(S2504:no)、今度は、何れかのシミュレート実行フラグがONに設定されているか否か、すなわち、何れかのシミュレートが実行中か否かを判断する(S2508)。その結果、シミュレートが終了している場合は(S2508:no)、次回以降の遊技で「シミュレート継続回数」および「シミュレート獲得枚数」を表示することはないので、全ての「シミュレート継続回数」および「シミュレート獲得枚数」を初期化する(S2520)。その後、シミュレート継続回数・獲得枚数初期化処理を終了して、図26に示す演出制御処理に復帰する。一方、シミュレートが実行されている場合は(S2508:yes)、該シミュレートが終了する際に「シミュレート継続回数」および「シミュレート獲得枚数」を表示するので、「シミュレート継続回数」および「シミュレート獲得枚数」を初期化せずに、そのままシミュレート継続回数・獲得枚数初期化処理を終了して、図26に示す演出制御処理に復帰する。
一方、S2500の処理で、今回の遊技がATモード(遊技者が選択したATモード)の最後の遊技でないと判断した場合は(S2500:no)、今度は、何れかのシミュレート終了回フラグがONに設定されているか否か、すなわち、何れかのシミュレートの最後の遊技か否かを判断する(S2512)。その結果、何れかのシミュレートの最後の遊技でなければ(S2512:yes)、すなわち、ATモードの最後の遊技でも何れかのシミュレートの最後の遊技でもなければ、これらのうち何れかが実行中であるか、何れもが終了済みであるかのどちらかであるので、「シミュレート継続回数」および「シミュレート獲得枚数」を初期化せずに、そのままシミュレート継続回数・獲得枚数初期化処理を終了して、図26に示す演出制御処理に復帰する。
これに対して、何れかのシミュレートの最後の遊技であれば(S2512:yes)、該シミュレート終了回フラグをOFFに設定した後(S2514)、今度は、何れかのAT実行フラグがONに設定されているか否か、すなわち、ATモードが実行されているか否かを判断する(S2516)。その結果、ATモードが実行されている場合は(S2516:yes)、該ATモードが終了する際に「シミュレート継続回数」および「シミュレート獲得枚数」を表示するので、「シミュレート継続回数」および「シミュレート獲得枚数」を初期化せずに、そのままシミュレート継続回数・獲得枚数初期化処理を終了して、図26に示す演出制御処理に復帰する。
一方、ATモードが終了している場合は(S2516:no)、今度は、何れかのシミュレート実行フラグがONに設定されているか否か、すなわち、シミュレートが継続しているか否かを判断する(S2518)。その結果、シミュレートが継続している場合は(S2518:yes)、該シミュレートが終了する際に「シミュレート継続回数」および「シミュレート獲得枚数」を表示するので、「シミュレート継続回数」および「シミュレート獲得枚数」を初期化せずに、そのままシミュレート継続回数・獲得枚数初期化処理を終了して、図26に示す演出制御処理に復帰する。これに対して、シミュレートが終了している場合は(S2518:no)、次回以降の遊技で「シミュレート継続回数」および「シミュレート獲得枚数」を表示することはないので、全ての「シミュレート継続回数」および「シミュレート獲得枚数」を初期化する(S2520)。その後、シミュレート継続回数・獲得枚数初期化処理を終了して、図26に示す演出制御処理に復帰する。
以上のように、シミュレート継続回数・獲得枚数初期化処理では、ATモードあるいはシミュレートのうち、最後まで継続しているものが終了する際に、全ての「シミュレート継続回数」や「シミュレート獲得枚数」を初期化する。これによって、シミュレートが終了した後も、該シミュレートの「シミュレート継続回数」や「シミュレート獲得枚数」を他のシミュレートあるいはATモードが終了するまでは表示することができ、該シミュレートの「シミュレート継続回数」や「シミュレート獲得枚数」を、「ATモード中の遊技の継続回数」や「ATモード中の遊技メダルの獲得枚数」、他のシミュレートの「シミュレート継続回数」や「シミュレート獲得枚数」と比較して表示することが可能となる。
次に、BB状態が開始する際に、ATモードやシミュレートを終了させる(初期化する)処理について説明する。図46は、本実施例のBB状態開始時ATモード終了処理を示すフローチャートである。この処理は、図23に示す演出制御処理の中でBB状態開始コマンドを受信した場合に実行される(図23のS1004)。
BB状態開始時ATモード終了処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず初めに、何れかのAT実行フラグがONに設定されているか否か、すなわち、ATモードが実行中か否かを判断する(S2600)。その結果、ATモードが実行中である場合は(S2600:yes)、該ATモードを終了するべく、ONに設定されているAT実行フラグをOFFに設定するとともに(S2602)、「ATモード中の遊技の継続回数」および「ATモード中の遊技メダルの獲得枚数」を初期化する。
次に、何れかのシミュレート実行フラグがONに設定されているか否か、すなわち、シミュレートが実行中か否かを判断する(S2606)。その結果、シミュレートが実行中である場合は(S2606:yes)、該シミュレートを終了するべく、ONに設定されているシミュレート実行フラグをOFFに設定するとともに(S2608)、「シミュレート継続回数」や「シミュレート獲得枚数」を初期化する(S2610)。
以上のように、本実施例の遊技機1では、ATモード中およびシミュレート中にBB状態を開始する場合は、ATモードおよびシミュレートを終了するとともに、それぞれにおける継続回数および獲得枚数を初期化する。
尚、ATモード中およびシミュレート中にBB状態を開始する場合は、それぞれにおける継続回数および獲得枚数を初期化しない構成としてもよい。この場合、BB状態終了後にATモードおよびシミュレートを再び開始するにあたり、BB状態開始前の継続回数および獲得枚数に、BB状態終了後の継続回数および獲得枚数を加算していく構成としてもよい。また、この場合は、BB状態終了後は、ATモードの選択は受け付けずに、BB状態開始前に実行されていたATモードと同じATモードが開始されるように構成する。これは、複数の種類のATモードの継続回数や獲得枚数が混同されて加算されることを防止するためである。また、シミュレートのみが実行されている状態で、新たにATモードが開始された場合は、本実施例と同様に、実行されているシミュレートを終了させ、何れの継続回数および獲得枚数も初期化することが好ましい。これは、古いシミュレートと新たなシミュレートとが重複して実行されてしまい、ATモードの結果とシミュレートの結果とを適切に比較することができなくなることを防止するためである。
以上、本発明について実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例では、ATモードの種類はAT−Aモード、AT−Bモード、AT−Cモードの3種類としたが、2種類でも4種類以上でもよい。また、ATモードの具体的態様も、各モードにおいて遊技者に付与する利益量が異なる態様であれば、上述した実施例と異なる態様としてもよい。また、上述した実施例では、遊技者に選択されなかった複数のATモードのすべてについてシミュレートを行う構成としたが、遊技者に選択されなかった複数のATモードの少なくとも1つについてシミュレートを行う構成としてもよい。