JP2012524204A - 容積形ポンプのための粗引き法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、容積形ポンプ(10)の入口(18)と出口(20)との間で最大差圧(△Pmax)を生成すべく使用される容積形ポンプ(10)のための簡単でありエネルギー効率が良い粗引き法に関する。粗引き法では、容積形ポンプ(10)の入力動力(3,4) が、最大差圧(△Pmax)を生成すべく気体を圧縮するために必要な最小動力(2) に近いように、容積形ポンプ(10)の回転速度(Ω)が、生成されるべき最大差圧(△Pmax)に応じて調整される。
Description
本発明は、容積形ポンプのための粗引き法と、おおよその差圧を生成するための容積形ポンプ装置とに関する。
現在の状況では、おおよその差圧は、低真空という意味の負の差圧であるか、又はおおよその圧力の加圧という意味での正の差圧であると理解される。一般的な低真空の大きさは、差圧が500 mbarまでであり、一般的には差圧が100 乃至300 mbarである。
様々な適用のために、主として一軸形遠心圧縮機又はサイドチャネル送風機として設計される低真空ポンプが非常に必要である。サイドチャネル送風機は、所定の体積流量能力を有しており、連続的に高い回転速度で継続的に作動される必要がある。サイドチャネル送風機は、圧縮性流体に関するオイラーのエネルギー方程式に従ったトルク伝達の原理に基づいて作動する。対応して低い体積流量を発生させるために、大きな差圧が圧縮機又は送風機の入口と出口との間に存在する場合であっても、サイドチャネル送風機は最大限の体積流量能力で作動される必要がある。圧縮機に必要とされる動力は、体積流量能力に比例し、少量の気体流を圧縮して運ぶために理論上必要な最小動力は、実際の体積流量能力に比例する。実際の動力出力と気体の圧縮に物理的に必要な動力との差異により、このような従来の低真空圧縮機の使用は非効率的である。
例えばルーツ式ポンプのような容積形ポンプは、大量の体積流量が搬送されない状態での低圧の維持、又は小さな差圧の生成に特に効果的である。差圧が大きい低真空を生成するために、例えばルーツ式ポンプのような容積形ポンプは、現在使用されていない。
本発明は、簡単でありエネルギー効率が良い粗引き法と、対応する粗引きポンプ装置とを提供することを目的とする。
本発明の粗引き法は、請求項1の特徴によって定義されている。本発明の容積形ポンプは、請求項9の特徴によって定義されている。
請求項1は、容積形ポンプの入口と出口との間での差圧の生成用の容積形ポンプのための粗引き法を定義している。容積形ポンプの入力動力が、気体の圧縮及び差圧の生成のために物理的に必要な最小動力に近くなるように、容積形ポンプの回転速度は、生成されるべき最大差圧に応じて調整される。容積形ポンプは、ポンプ動力が回転速度又はピストンストロークを変えることにより変えられ得る点で、例えばサイドチャネル送風機のような従来の粗引き真空ポンプよりも有利である。回転速度の低減により、容積形ポンプの発生圧力及び入力動力が低減され得る。容積形ポンプは、最大回転速度での最大入力動力が、所望の差圧を生成すべく気体を圧縮するために理論上必要な最小動力より大きいように設計されている。言い換えれば、容積形ポンプは、より大きな圧力差を本質的に可能にする。ここで、容積形ポンプの入力動力が気体を圧縮するための最小動力に近くなるように、容積形ポンプによって生成される差圧は、容積形ポンプの回転速度を低減することにより低減され得る。従来のサイドチャネル送風機ではなく、電子的に制御された容積形ポンプを用いてのみ、入力動力を気体の圧縮に必要な動力に調整することが可能になる。容積形ポンプは、制御された気体容積をポンプ入口からポンプ出口まで可変回転速度で搬送することを可能にする。
回転速度は、流れがない状態で以下の関係式を使用して設定されることが好ましい。
Ω=CI/Vs(Pout/Pin,min−1)Ωmax
但し、VSは容積形ポンプの圧縮機の掃引能力であり、
CIは容積形ポンプ内の後方漏れコンダクタンスであり、
Poutは容積形ポンプの出口圧力であり、
Pin,min は、容積形ポンプの発生させられるべき最小入口圧力であり、最大差圧ΔPmaxはPout−Pin,min に等しく、
Ωmax は、Ω<Ωmax の場合の容積形ポンプの最大回転速度である。
Ω=CI/Vs(Pout/Pin,min−1)Ωmax
但し、VSは容積形ポンプの圧縮機の掃引能力であり、
CIは容積形ポンプ内の後方漏れコンダクタンスであり、
Poutは容積形ポンプの出口圧力であり、
Pin,min は、容積形ポンプの発生させられるべき最小入口圧力であり、最大差圧ΔPmaxはPout−Pin,min に等しく、
Ωmax は、Ω<Ωmax の場合の容積形ポンプの最大回転速度である。
設定されるべきおおよその差圧ΔPmaxは、−500 mbarまでの範囲内にあるか又は+500 mbarまでの範囲内にあることが可能である。特には、一般的なおおよその差圧は±200 乃至±400 mbarの範囲内にある。
出口圧力Poutと入口圧力Pin との間の差圧△P が増大し、容積形ポンプの回転速度が増大するに従って、ポンプ駆動装置のトルクT が低減されることが好ましい。トルクは回転速度閾値Ωv/f を超えると低減され、回転速度閾値Ωv/f まで一定のトルクが存在していることが好ましい。回転速度閾値Ωv/f は0以上であるべきであり、好ましくは30Hz未満であるべきである。トルクは、差圧に対して回転速度閾値Ωv/f を超えると直線的に減少することが好ましい。電動機では、トルクのこのような減少は電子インバータを使用して達成されることが可能であり、回転速度閾値Ωv/f は可能な限り小さく選択されるべきである。電子インバータを用いて、10Hzの回転速度閾値Ωv/f に達することが可能である。差圧の増大に従ったトルクの減少は、以下の式に従ったトルクT が入口圧力により決まるため有利である。
T=Vs/Ωmax・(Pout−Pin)/36
但し、VSは体積流量能力であり、
Ωmax は容積形ポンプの最大回転速度であり、
Poutは出口圧力であり、Pin は入口圧力である。
T=Vs/Ωmax・(Pout−Pin)/36
但し、VSは体積流量能力であり、
Ωmax は容積形ポンプの最大回転速度であり、
Poutは出口圧力であり、Pin は入口圧力である。
言い換えれば、所定の入口圧力Pin に達するためには、所定のトルクのみが必要である。動力P がトルクT と回転速度Ωとの積であるので、動力は容積形ポンプの回転速度により決まる。加えられるべきポンプ動力を最小限度に抑えるために、発生させられるべき最小入口圧力Pin,min は、可能な限り最も低い回転速度Ωで達成される。
請求項9に定義されている本発明の容積形ポンプ装置は、容積形ポンプだけでなく、ポンプ駆動装置と、請求項1に定義された方法に従って容積形ポンプの回転速度を低減する制御手段とを備えている。容積形ポンプ装置は、好ましくは達成されるべき差圧△Pmaxのためのメモリを備えており、該メモリは制御手段の一部である。特には、メモリは、請求項1に定義された関係に従って回転速度Ωを調整するためのプログラムを有している。
ポンプ駆動装置は、好ましくは電動機であり、制御手段はこの場合には電子インバータであってもよい。電動機は、誘導モータ、リラクタンスモータ又はブラシレスDCモータであってもよい。容積形ポンプは、好ましくはルーツ式ポンプ、クロースクリュー式ポンプ又は乾式回転翼ポンプである。容積形ポンプは単段設計であってもよく、又は多段設計であってよく、多段は様々な排出容積能力を有してもよい。容積形ポンプは空冷式であってもよく、又は例えば水若しくは油による液冷式であってもよい。
本発明を、添付図面を参照して更に詳細に以下に説明する。
図1に示された容積形ポンプ装置16は、容積形ポンプ10、容積形ポンプ10のためのポンプ駆動装置12、及びポンプ駆動装置12に接続された制御手段14によって形成されている。容積形ポンプ10はルーツ式ポンプであり、ポンプ駆動装置12は電動機である。制御手段14は電子インバータであり、電子インバータを用いて、ポンプ駆動装置12及び容積形ポンプ10の回転速度が設定されてもよい。
容積形ポンプ10の吸込み側の入口18では、入口圧力Pin が容積形ポンプ10の吸込みチャネルに存在する。容積形ポンプ10の圧力側の出口20では、出口圧力Poutが容積形ポンプ10の出口チャネルに存在する。図2を参照して以下に述べるように、容積形ポンプ10は、存在する入口圧力Pin 及び出口圧力Poutと、結果として生じる差圧ΔPmax(Pout−Pin )とを生成するには能力過剰であり、そのため、制御手段14によりポンプ駆動装置12及び容積形ポンプ10の回転速度を低減することによって、容積形ポンプ10の入力動力3,4 が、差圧ΔPmaxを生成するための気体の圧縮に必要な最小動力2 に近くなる。能力過剰とは、容積形ポンプ10がより大きな圧力差を生成する能力があることを意味する。
図2では、入口圧力Pin が水平軸上にミリバールで示されており、体積流量V が右側の垂直軸上に毎時立方メートルで示されており、生じる電力Pwr が左側の垂直軸上にワットで示されている。図示された実施形態では、容積形ポンプ10は低真空を生成するために粗引きモードで使用される。ここで、大気圧に近い圧力が容積形ポンプ10の出口20に存在し、つまり出口圧力Poutは1000mbarである。容積形ポンプ10の入口18で容積形ポンプ10によって発生させられるべき最小入口圧力Pin,min は700 mbarであり、つまり、得られるべき差圧ΔPmax(Pout−Pin,min )は300 mbarである。言うまでもなく、容積形ポンプ10は1300mbarの入口圧力Pin を発生させるために使用されてもよく、この場合には、生成されるべき差圧ΔPmaxは300 mbarになる。
図2では、参照番号1 が、最小入口圧力Pin,minに達するための動作中に容積形ポンプ10で得られる体積流量V を表している。容積形ポンプ10が始動する際にはまだ、大気圧が入口側に存在する。つまり入口圧力Pin は出口圧力Poutに等しい。この場合、生じる差圧ΔP (Pout−Pin )は0である。容積形ポンプ10の体積流量V は、最大値であり、つまり容積形ポンプ10の体積流量能力VSに等しい。入口側の入口圧力Pin の減少に従って、700 mbarの最小入口圧力Pin,min に達するまで、搬送される体積流量V は直線的に減少する。その結果、生成されるべき最大差圧、つまりΔPmax(Pout−Pin,min )は300 mbarに達し、容積形ポンプ10によって搬送される体積流量V は0になる。
ここで、容積形ポンプ10のポンプ動力は、差圧△P に比例し、図2の参照番号3 によって表されている。入口圧力Pinが出口圧力Poutに等しく、生じる差圧ΔP が0である状態では、ポンプ動力3 は0である。ポンプ動力3 は、得られた入口圧力Pin が最小入口圧力Pin,min に等しく、生じる差圧ΔPmaxがPout−Pin,min に等しい状態に対して最大値まで直線的に上昇する。
差圧ΔPmaxを生成すべく気体を圧縮するために物理的に必要な動力は、以下の関係式から計算される。
Pwr=V・ΔP=V・(Pout−Pin)
Pwr=V・ΔP=V・(Pout−Pin)
この関係式から、差圧ΔPmaxを生成すべく気体を圧縮するために物理的に必要な容積形ポンプ10の最小入力動力が与えられる。図2では、この物理的な最小入力動力は参照番号2 によって表されている。最小の差圧△P が0である状態、及び最小体積流量V が0である状態では、物理的な最小入力動力2 は夫々0であり、Pin,min <Pin <Poutに関する最大値を有する双曲線状の経路をたどる。
容積形ポンプ10の最大動力3 を物理的な最小入力動力2 と比較することによって、これら2つの動力間の差異が、入口圧力Pin の減少に従って増加し、特に最大差圧△Pmaxに近い差圧が大きい状態では2つの動力間の差異が相当大きいことが明らかにである。しかしながら、差圧△P が0に近い差圧がより小さい状態では、容積形ポンプ10の最大動力3 は、物理的に必要な最小動力2 より僅かに高いだけである。従って、容積形ポンプ10は、差圧△P が小さい状態で最も効率的に作動し、差圧の増大に従って非効率的になる。この理由により、容積形ポンプ10はこれまで、相当小さな差圧を生成するか又は維持するためにのみ使用されている。粗引きで一般的に生じるような大きな差圧では、容積形ポンプは、低効率のためにこれまで使用されていなかった。代わりに、サイドチャネル圧縮機が、粗引きの領域で一般的に使用されている。しかしながら、サイドチャネル圧縮機は、吸込能力に達するために一定の回転速度で連続的に駆動されなければならないという不利点を有する。従って、粗引きの分野ではポンプの効率を改善するための回転速度制御という選択肢は全くなかった。
本発明は、容積形ポンプが一定に制御された体積を搬送し、容積形ポンプの回転速度は、搬送される制御された体積に影響を及ぼさないという原理に基づいている。容積形ポンプでは、回転速度は、搬送される制御された体積の可能性に影響を及ぼすだけである。本発明は、本質的に能力過剰な容積形ポンプ10を十分に可能な動力3 を用いて作動することを回避し、代わりに、容積形ポンプ10の回転速度を低減することにより、ポンプ動力3,4 を物理的に必要な最小入力動力2 に近似するためにこの利点を使用している。これまでこのような方法は、例えばサイドチャネル圧縮機のような既知の低真空ポンプでは不可能であった。
容積形ポンプ10の回転速度は、電子インバータ14を使用して電動機12の回転速度を低減させることにより低減される。この場合、容積形ポンプ10の回転速度Ωは以下の関係式によって調整される。
Ω=CI/Vs(Pout/Pin−1)Ωmax
Ω=CI/Vs(Pout/Pin−1)Ωmax
Pin は、容積形ポンプ10の入口18側に存在する吸込み側の入口圧力である。容積形ポンプ10が始動するとき入口圧力Pin は出口圧力Poutに等しく、従って、差圧ΔP は0に等しい。入口圧力Pin の減少に従って、容積形ポンプ10内で漏れにより引き起こされる後方の漏れが増大する。ここで、CIは、毎時立方メートルでの関連した後方漏れコンダクタンスである。後方漏れコンダクタンスCIは、以下の式から計算される。
CI=(Pin・VS−Q)/(Pout−Pin)
但し、Q は、毎時立方メートルによるミリバールでの質量流量である。質量流量Q は、以下の式から計算される。
Q=Pin・VS−CI・(Pout−Pin)
CI=(Pin・VS−Q)/(Pout−Pin)
但し、Q は、毎時立方メートルによるミリバールでの質量流量である。質量流量Q は、以下の式から計算される。
Q=Pin・VS−CI・(Pout−Pin)
容積形ポンプ10の動力3 (Pwr =VS・(Pout−Pin ))から始めて、物理的な最小入力動力2 に近似すべく低減される回転速度Ωが、以下の通り決定される。
容積形ポンプの体積流量能力VSが与えられる。本実施形態のルーツ式ポンプでは420 m3/hである。一般的には、低真空送風機の能力は、1乃至2000m3/hである。入口圧力Pin の減少に従ってポンプ動力3 が増加するように、出口圧力Poutは1000mbarの大気圧として与えられる。入口圧力Pin が減少している間に、容積形ポンプ10内の後方漏れコンダクタンスCIの影響が増大する。最大回転速度Ωmax が100 Hzであるとき、420 m3/hの体積流量能力VSに達する。回転速度の低減によって、Vs・Ω/Ωmax の体積流量能力の引下げが達成され得る。
ポンプ駆動装置12のトルクT は、Pwr =VS・ΔP/36を考慮して、T =Pwr /Ωから計算される。従って、減少したトルクに関して、T=Vs/Ωmax・(Pout−Pin)/36が与えられる。
上記から、入口圧力Pin が、適用されたトルクT により決まることが明らかである。この相関関係は、電動機12の電流を制御することによりトルクT を制御するために、電子インバータ14の本質的な電流制御を使用することにより採用され得る。電子インバータ14を使用することにより、差圧△P 及び容積形ポンプ10の回転速度の増大に応じて10Hzの限界回転速度Ωv/f を超えると、ポンプ駆動装置12のトルクT は連続的に低減される。電子インバータ14のトルク域は、限界回転速度Ωv/f まで一定であり、この限界回転速度Ωv/f を超えると一定の割合で0まで直線的に低下する。これは、上記の式に従ったトルクT が入口圧力Pin により決まり、従って、所定の入力圧力Pin に達するためには、所定のトルクのみが必要とされるので有利である。
トルクT と回転速度Ωとの積である動力P が容積形ポンプ10の回転速度によっても決まるので、加えられるべきポンプ動力3,4 を最小限度に抑えるために、最小入口圧力Pin,min が可能な限り最も低い回転速度Ωで達するように、容積形ポンプ10の回転速度Ωがまず設定される。その後、容積形ポンプ10が、この低減された回転速度Ωで作動されるとき、容積形ポンプ10の入力動力3 を物理的に必要な最小動力2 に近似するために、上述されたトルク域が、連続的に減少するトルクと共に使用される。
体積流量V が0である状態での最小入口圧力Pin,min では、入口圧力Pinは、以下の式により与えられる。
Pin=Pin,min=Pout−(36TΩmax/Vs)
Pin=Pin,min=Pout−(36TΩmax/Vs)
後方漏れコンダクタンスCIを考慮すると、体積流量V が0である場合、以下の式が適用される。
Pin=(CI・Pout)/(Vs・Ω/Ωmax+CI)
Pin=(CI・Pout)/(Vs・Ω/Ωmax+CI)
この式から、回転速度Ωが計算されることが可能であり、回転速度Ωに関して、容積形ポンプ内の漏れによる後方漏れコンダクタンスCIを考慮したポンプ動力が物理的な最小入力動力2 に近くなる。ここで、Pin は、近似されたポンプ入口圧力であり、容積形ポンプ10内の後方漏れコンダクタンスCIにより物理的な最小入力動力2 とは異なる。図2では、近似されたポンプ入力動力に参照番号4 が付与されている。近似されたポンプ入力動力4 は、以下の回転速度で達する。
Ω=CI/Vs(Pout/Pin,min−1)Ωmax
Ω=CI/Vs(Pout/Pin,min−1)Ωmax
図2に図示されているように、低減されたポンプ入力動力4 は、容積形ポンプ10の最大回転速度Ωmax でのポンプ動力3 と比較すると、物理的な最小入力動力2 に明らかに近い。言い換えれば、容積形ポンプ10は、最大回転速度Ωmax より低減された回転速度Ωで明らかにより効果的に作動する。上記の関係式で定められているように、低減された回転速度Ωで作動される、相応して能力過剰な容積形ポンプ10は、例えばサイドチャネル圧縮機のような従来の粗引き真空ポンプよりも効果的に作動する。
本発明は特定の具体的な実施形態を参照して説明され図示されているが、本発明はこれらの具体的な実施形態に制限されることを意図していない。当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の真の範囲から逸脱せずに、変更及び調整が行われ得ることを認識する。従って、このような変更及び調整を全て、添付の特許請求の範囲及びこれらの等価物の範囲内に含めるように本発明の範囲内に含めることを意図している。
Claims (21)
- 容積形ポンプ(10)の入口(18)と出口(20)との間での最大差圧(△Pmax)の生成用の容積形ポンプ(10)のための粗引き法であって、
前記容積形ポンプ(10)の入力動力(3,4) が、最大差圧(△Pmax)を生成すべく気体を圧縮するために物理的に必要な最小動力(2) に近くなるように、前記容積形ポンプ(10)の回転速度(Ω)が、生成されるべき最大差圧(△Pmax)に応じて調整されることを特徴とする粗引き法。 - 最大差圧(△Pmax)に達するための前記回転速度(Ω)は、以下の関係式を用いて設定されることを特徴とする請求項1に記載の粗引き法。
Ω=CI/Vs(Pout/Pin,min−1)Ωmax
但し、VSは前記容積形ポンプの圧縮機の掃引能力であり、
CIは前記容積形ポンプ内の後方漏れコンダクタンスであり、
Poutは前記容積形ポンプの出口圧力であり、
Pin,min は、前記容積形ポンプの発生させられるべき最小入口圧力であり、前記最大差圧ΔPmaxはPout−Pin,min に等しく、
Ωmax は、Ω<Ωmax の場合の前記容積形ポンプの最大回転速度である。 - 差圧及び前記容積形ポンプの回転速度の増大に応じて、0Hz以上であり且つ30Hz以下である限界回転速度(ΩV,f)を超えると、ポンプ駆動装置(12)のトルク(T) が連続的に低減されることを特徴とする請求項1又は2に記載の粗引き法。
- 前記容積形ポンプの可能な最大回転速度(Ωmax )での前記容積形ポンプの入口圧力(Pin)に対する出口圧力(Pout)の割合は、3より大きく、特には10より小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粗引き法。
- 生成されるべき最大差圧(△Pmax)の大きさは、1000mbarまでの範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の粗引き法。
- 生成されるべき最大差圧(△Pmax)の大きさは、500 mbarまでの範囲内にあり、特には200 乃至400 mbarの範囲内にあることを特徴とする請求項5に記載の粗引き法。
- 前記回転速度(Ω)は、ポンプ駆動装置としての電動機のための電子インバータを使用して低減されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の粗引き法。
- 前記電動機は、誘導モータ、リラクタンスモータ又はブラシレスDCモータであることを特徴とする請求項7に記載の粗引き法。
- 前記容積形ポンプは、ルーツ式ポンプ、クロースクリュー式ポンプ又は乾式回転翼ポンプであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の粗引き法。
- 前記容積形ポンプは、少なくとも2つのポンプ段を有する多段容積形ポンプであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の粗引き法。
- 容積形ポンプ(10)の入口(18)と出口(20)との間でおおよその差圧(△Pmax)を生成するための容積形ポンプ装置(16)であって、
前記容積形ポンプ(10)の入力動力(3,4) が、最大差圧(△Pmax)を生成すべく気体を圧縮するために物理的に必要な最小動力(2) に近くなるように、前記容積形ポンプの回転速度(Ω)を、生成されるべき最大差圧(△Pmax)に応じて調整するためのポンプ駆動装置(12)を備えていることを特徴とする容積形ポンプ装置。 - 制御手段(14)が、生成されるべき差圧(△Pmax)のためのメモリを備えていることを特徴とする請求項11に記載の容積形ポンプ装置(16)。
- 前記メモリは、以下の関係式を使用して、低減される回転速度(Ω)を決定するためのプログラムを有していることを特徴とする請求項12に記載の容積形ポンプ装置(16)。
Ω=CI/Vs(Pout/Pin,min−1)Ωmax
但し、VSは前記容積形ポンプの圧縮器の掃引能力であり、
CIは前記容積形ポンプ内の後方漏れコンダクタンスであり、
Poutは前記容積形ポンプの出口圧力であり、
Pin,min は、前記容積形ポンプの発生させられるべき最小入口圧力であり、前記最大差圧ΔPmaxはPout−Pin,min に等しく、
Ωmax は、Ω<Ωmax の場合の前記容積形ポンプの最大回転速度である。 - 制御手段(14)は、差圧及び前記容積形ポンプの回転速度の増大に応じて限界回転速度(ΩV,f )を超えると前記ポンプ駆動装置(12)のトルク(T) を連続的に低減するトルク低減手段であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の容積形ポンプ装置(16)。
- 前記容積形ポンプの可能な最大回転速度(Ωmax )で、前記容積形ポンプ(10)の入口圧力(Pin) に対する出口圧力(Pout)の割合が3より大きく、特には10以下であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の容積形ポンプ装置(16)。
- 生成されるべきおおよその差圧(△Pmax)の大きさが、1000mbarまでの範囲内にあることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の容積形ポンプ装置(16)。
- 生成されるべきおおよその差圧(△Pmax)の大きさは、500 mbarまでの範囲内であり、特には200 乃至400 mbarの範囲内であることを特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載の容積形ポンプ装置(16)。
- 前記ポンプ駆動装置(12)は電動機であり、回転速度減少手段(14)が電子インバータであることを特徴とする請求項11乃至17のいずれかに記載の容積形ポンプ装置(16)。
- 前記電動機は、誘導モータ、リラクタンスモータ又はブラシレスDCモータであることを特徴とする請求項18に記載の容積形ポンプ装置(16)。
- 前記容積形ポンプは、ルーツ式ポンプ、クロースクリュー式ポンプ又は乾式回転翼ポンプであることを特徴とする請求項11乃至19のいずれかに記載の容積形ポンプ装置(16)。
- 前記容積形ポンプは、少なくとも2つのポンプ段を有する多段容積形ポンプであることを特徴とする請求項11乃至20のいずれかに記載の容積形ポンプ装置(16)。
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