JP2012523377A - 静脈内イブプロフェンの投与 - Google Patents

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Abstract

手術患者に6時間毎に投与される有効量の静脈内イブプロフェンは疼痛及びモルヒネの必要性の両方を軽減するための安全且つ効果的な方法である。好ましい実施形態では、静脈内イブプロフェンの投与は麻酔開始と共に開始される。

Description

有効量の2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸を含む医薬組成物を静脈内投与することによる、術後に疼痛を処置し且つ/又は麻薬性鎮痛薬の必要性を軽減する方法を提供する。
2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸は、国際一般名称をイブプロフェンといい、分子量が206.28で以下の化学構造を有する周知の抗炎症薬である(非特許文献1)。
Figure 2012523377
イブプロフェンは1960年代に最初に特許化され、現在は、疼痛、炎症、及び発熱の処置を目的として、Motrin(登録商標)、Advil(登録商標)、及びNuprin(登録商標)の商標名の他に、一般的にも(generically)販売されている。最近、静脈内投与用の新規イブプロフェン製剤のCaldolor(登録商標)の商標での販売が米国食品医薬品局に承認された。
イブプロフェンは2つのエナンチオマー(R)−イブプロフェン及び(S)−イブプロフェンのラセミ混合物((RS)−イブプロフェン)として容易に入手可能である。(S)エナンチオマーが生物学的に活性な形態であるが、(R)エナンチオマーは生体内で活性な(S)体に変換されるため、ほとんどの製剤はラセミ混合物を含む。簡潔にするために、以降、「イブプロフェン」という用語は、(R)エナンチオマー、(S)エナンチオマー、又はラセミ体のいずれか1つを指して使用される。
イブプロフェンは、関節炎、手術、日焼け、月経、及び発熱による軽度から中等度の疼痛の経口処置における使用が現在承認されている。NSAIDファミリーに含まれるアスピリン等の薬物同様、イブプロフェンは、プロスタグランジンの形成を阻害することで炎症反応を低減すると考えられている。経口イブプロフェン又は直腸イブプロフェンが発熱及び発熱に関連する自覚症状を軽減することが複数の研究により実証されている。
イブプロフェンはまた、治験中の静脈内製剤としても利用可能であり、発熱及び重度の敗血症を有する患者における第2相及び第3相のプラセボ対照試験で研究がなされている。これらの研究において、静脈内イブプロフェン(intravenous ibuprofen)は、敗血症患者において発熱及び脈拍数を低減し、乳酸アシドーシスを軽減した。これらの研究により、静脈内投与されたイブプロフェンが、腎機能、消化管出血、輸血の必要量、及びその他の重篤有害事象(SAE)の詳細な評価によって決定されるように、安全であることも実証された。更なる臨床研究により、健康な成人ボランティアに与えられた静脈内イブプロフェン製剤の安全性及び薬物動態が評価された。
イブプロフェンはアスピリン及びアセトアミノフェン等の他の鎮痛薬にない多くの利点を有するが、水溶性が非常に低い。そのため、特定の剤形のイブプロフェン、特に注射可能な液体は、開発が困難であった。複数の米国特許がこの問題に取り組んできた。
例えば、特許文献1は、非経口投与に適したイブプロフェンとリン脂質の水溶性複合体を記載しているようである。特許文献2及び特許文献3は、液体イブプロフェン製剤を調製するための、イブプロフェンのアルカリ金属塩の合成を記載しているようである。
その他の米国特許は、活性薬剤成分として塩基性アミノ酸とのイブプロフェン塩を調製し、その後、この塩を可溶化して液体剤形を形成することによって、この問題に取り組んでいるようである。
例えば、特許文献4は、注射可能な溶液を初めとする種々の剤形のL及びDアミノ酸(例えばアルギニン)の塩としてのS(+)イブプロフェンの、向上された鎮痛効果を記載しているようである。特許文献5は、疼痛の緩和及び炎症状態の処置のための、プロピオン酸の塩基性アミノ酸塩の使用を記載しているようである。同様に、特許文献6は、イブプロフェンと塩基性アミノ酸の塩の製造を記載しているようである。最後に、特許文献7は、イブプロフェン及びアルギニンを含む経口使用のための液体組成物を記載しているようである。
特許文献8は、とりわけ、アルギニンとイブプロフェンのモル比が1:1未満であるアルギニンとイブプロフェンの水溶液を含む医薬組成物並びにその製造方法を記載している。上記特許は、アルギニンとイブプロフェンのモル比が1:1未満であるアルギニンとイブプロフェンの水溶液を含む医薬組成物を投与することを含む、疼痛、炎症、発熱、及び/又はイブプロフェンにより軽減されるその他の状態から選択される状態の処置方法も提供している。特許文献8の内容全体を参照により本明細書に援用する。
米国食品医薬品局は、最近、カンバーランド・ファーマスーティカルズ社(Cumberland Pharmaceuticals,Inc.)からCaldolor(登録商標)の商標で販売される静脈内投与用の新規なイブプロフェン製剤を承認した。Caldolor(登録商標)は、活性成分イブプロフェンを含む。Caldolor(登録商標)のラベリングに記載されているように、「溶液1mLは注射用蒸留水(USP)中に100mgのイブプロフェンを含む。本製品は78mg/mLのアルギニンも含み、アルギニン:イブプロフェンのモル比は0.92:1である。溶液のpHは約7.4である」。Caldolor(登録商標)は無菌であり、静脈内投与のみが意図される。
Caldolor(登録商標)は、抗炎症、鎮痛、及び解熱の活性を有する。したがって、Caldolor(登録商標)は、成人における、軽度から中等度の疼痛の管理及びオピオイド鎮痛薬の補助剤としての中等度から重度の疼痛の管理が適応である。疼痛を処置するために必要に応じて400〜800mgのCaldolor(登録商標)が6時間毎に静脈内投与される。Caldolor(登録商標)は成人の発熱軽減も適応である。発熱処置の必要に応じて、400mgのCaldolor(登録商標)が静脈内投与され、その後、4〜6時間毎に400mg又は4時間毎に100〜200mgが静脈内投与される。
医師は、疼痛及び発熱の管理に関して選択肢を有するが、いずれもトレードオフの関係にあるようである。患者のケアを改善する、疼痛及び発熱の管理における新規な開発を実現することが非常に望ましい。
以前の刊行物に、オピオイドとNSAID又はアセチルサリチル酸若しくはアセトアミノフェン等の鎮痛薬とを、NSAID及び鎮痛薬の両方の総投与量を減らすことができるような相乗的鎮痛効果が得られるように組み合わせることで、望ましくない効果を軽減しつつ鎮痛効力を向上させることができると報告されている。例えば、1986年2月11日付でBaker et al.に付与された特許文献9は、オキシコドン/イブプロフェンの比が1:6〜約1:400のオキシコドンとイブプロフェンの組合せを記載している。1987年9月1日付でVoss et al.に付与された特許文献10は、NSAIDジクロフェナクとコデインの重量比が約1:1〜約3:1のジクロフェナクとコデインの組合せを記載している。1993年3月2日付でRiess et al.に付与された特許文献11は、ジクロフェナク−コデイン塩([2−[2,6−ジクロロフェニル)−アミノ]−フェニル]−酢酸)を記載している。1989年7月4日付でElger et al.に付与された特許文献12は、麻薬性鎮痛薬相とNSAID相を別個の層に組み合わせた多相錠剤を記載している。1986年5月6日付でArnold et al.に付与された特許文献13は、ヒドロコドンとイブプロフェンの組合せを用いた疼痛の処置プロセスを記載している。
米国特許第4,309,421号明細書 米国特許第4,859,704号明細書 米国特許第4,861,797号明細書 米国特許第5,200,558号明細書 米国特許第4,279,926号明細書 米国特許第5,463,117号明細書 米国特許第6,005,005号明細書 米国特許第6,727,286(B2)号明細書 米国特許第4,569,937号明細書 米国特許第4,690,927号明細書 米国特許第5,190,947号明細書 米国特許第4,844,907号明細書 米国特許第4,587,252号明細書 Merck Index 12th ed., n4925, page 839
本発明の目的は、当業者によって使用されている他の公知の薬剤を使用した場合よりも短期間で患者を歩行可能にする、ヒト患者の疼痛及び/又は発熱を処置する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、優れた安全性プロフィールを有する疼痛及び/又は発熱の処置を提供することである。
本発明の別の目的は、オピオイド鎮痛薬で処置されているヒト患者をオピオイドの副作用が低減されるように処置する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、オピオイド鎮痛薬で処置されているヒト患者をオピオイドが節約されるように処置する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、静脈内イブプロフェン投与により軽度から重度の疼痛及び発熱を有する患者を処置する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、例えば視覚的アナログスコアによって測定される疼痛強度を軽減する、軽度から重度の疼痛を有する患者を処置する方法を提供することである。
上記の目的及びその他の目的に従い、本発明は、部分的には、手術前、手術中、又は手術後におけるヒト患者への静脈内イブプロフェンの投与に関する。
本発明は更に、患者の術後疼痛を有意に軽減するのに有効な量のイブプロフェンを手術前に患者に静脈内投与することを含む、外科手術を受けるヒト患者の疼痛を軽減する方法に関する。場合によっては、このようにイブプロフェンを投与することにより、オピオイド鎮痛薬の投与を必要とせずに疼痛を軽減することができ且つ/又は患者にモルヒネが必要になる時間を遅らせることができる。
本発明はまた、部分的には、疼痛に対してオピオイド鎮痛薬で処置されている患者に静脈内イブプロフェンを投与することでオピオイド節約効果を得、患者へのオピオイドの投与量を減らすことを可能にすることに関する。そのような状況での静脈内イブプロフェン投与は更に、オピオイド鎮痛薬の投与に関連する副作用を軽減する。更に、オピオイド鎮痛薬のみを投与されている患者と比べて、静脈内イブプロフェン投与は、オピオイド鎮痛薬を同時に投与されている患者の疼痛スコア(例えばVASスコア)を減少させることが見出された。
別の実施形態では、本発明は、部分的には、手術前に有効量の静脈内イブプロフェンを投与すること含む、外科手術に関連する疼痛に対してヒト患者を処置する方法に関する。
本発明の別の実施形態では、患者の手術開始前に有効量の静脈内イブプロフェンを投与し、その後、患者に手術を行い、その後、患者の手術に関連する疼痛が緩和されるように有効量のオピオイド鎮痛薬を患者に投与する。この場合、オピオイド鎮痛薬の投与量は、静脈内イブプロフェンが投与されない場合に同じレベルの疼痛緩和を得るのに必要なオピオイド鎮痛薬の投与量よりも少ない。
別の実施形態では、手術環境中で静脈内イブプロフェンを投与することにより、静脈内イブプロフェンが投与されない場合よりも早い時点で患者が手術後に歩行可能になることができる。
別の実施形態では、方法は、手術開始前の麻酔開始時に患者に有効量のイブプロフェンを静脈内投与することを含む。
本発明の別の実施形態は、麻酔開始と同時に開始されて6時間毎に行われる約800mgの静脈内イブプロフェン投与により、ヒト患者の疼痛を手術開始前に処置する方法に関する。
特定の好ましい実施形態では、患者は整形外科手術を受ける。
更なる実施形態では、本発明は、患者の手術開始前に有効量(例えば約800mg)の静脈内イブプロフェンを投与し、その後、患者に手術を行い、その後、患者の手術に関連する疼痛が緩和されるように患者に有効量のオピオイド鎮痛薬を投与することを含む、ヒト患者の術後疼痛を軽減する方法に関する。好ましい実施形態では、方法は更に、術後6時間毎に800mgのイブプロフェンを患者に静脈内投与することを含む。好ましくは、この静脈内イブプロフェン及びオピオイドによる治療は、患者の術後疼痛がなくなるまで続けられる。
特定の好ましい実施形態では、本明細書に記載されているように800mgの静脈内イブプロフェンを受けているヒト患者は、例えば術後期(外科手術完了後6〜28時間目)の体動時VAS−AUCによって測定される疼痛が有意に軽減される。
特定の好ましい実施形態では、本明細書に記載されているようにイブプロフェン投与を受けているヒト患者では、オピオイド鎮痛薬(例えばモルヒネ)の投与が、静脈内イブプロフェン投与なしで同等なレベルの疼痛緩和を得るために通常必要なオピオイドの投与量よりも少なくて済む。
特定の好ましい実施形態では、本明細書に記載されているようにイブプロフェン投与を受けているヒト患者は、術後期(外科手術完了後6〜28時間目)に安静時VAS曲線下面積及びVRSにより測定される疼痛が有意に軽減される。
特定の好ましい実施形態では、ヒト患者は、静脈内イブプロフェンの投与により、イブプロフェンの静脈内投与の利益なしに同じ手術を受ける通常の患者よりも疼痛が少ない。
好ましい実施形態では、イブプロフェンの静脈内投与を受けているヒト患者はオピオイド鎮痛薬の使用が有意に少なかった。特定の好ましい実施形態では、静脈内イブプロフェンを受けているヒト患者は、平均モルヒネ消費量が約30%減少する。
本発明は更に、手術前に患者に800mgのイブプロフェンを静脈内投与することを含む、ヒト患者の整形外科手術に関連する疼痛を管理するための安全且つ効果的な方法に関する。好ましい実施形態では、方法は更に、術後6時間毎に800mgのイブプロフェンを患者に静脈内投与することを含む。別の実施形態では、術後、好ましくはヒト患者の疼痛管理に通常必要な(オピオイド鎮痛薬の)量よりも少ない量(静脈内イブプロフェンの同時投与による)の1又は複数のオピオイド鎮痛薬をヒト患者に投与する。
本発明は更に、手術前に800mgのイブプロフェンを患者に静脈内投与することを含む、整形外科手術を受けるヒト患者に投与されるオピオイド鎮痛薬の量を減らす安全且つ効果的な方法に関する。好ましい実施形態では、方法は更に、術後6時間毎に800mgのイブプロフェンを患者に静脈内投与することを含む。別の実施形態では、術後、好ましくはヒト患者の疼痛管理に通常必要な(オピオイド鎮痛薬の)量よりも少ない量(静脈内イブプロフェンの同時投与による)の1又は複数のオピオイド鎮痛薬をヒト患者に投与する。
本発明は更に、歩行可能になるまでの時間が改善されるのに有効な量のイブプロフェンを手術前に患者に静脈内投与することを含む、整形外科手術を受けるヒト患者が手術後に歩行可能になるまでの時間を改善する方法に関する。好ましい実施形態では、静脈内投与されるイブプロフェンの1回投与量は約400〜約800mgである。好ましい実施形態では、方法は更に、術後6時間毎に患者に1回投与量のイブプロフェンを静脈内投与することを含む。別の実施形態では、術後、好ましくはヒト患者の疼痛管理に通常必要な(オピオイド鎮痛薬の)量よりも少ない量(静脈内イブプロフェンの同時投与による)の1又は複数のオピオイド鎮痛薬をヒト患者に投与する。
本発明の好ましい実施形態では、800mgのイブプロフェンを受けている患者において24時間にわたりオピオイド鎮痛薬(例えばモルヒネ)の使用量が減少する。特定の実施形態では、800mgのイブプロフェンを受けている患者でモルヒネ消費量の中央値がプラセボと比べて少なくとも25パーセント減少する。特定の好ましい実施形態では、患者のオピオイド消費量の中央値が少なくとも30パーセント減少し、特定の更に好ましい実施形態では、患者のオピオイド消費量の中央値が少なくとも40パーセント減少する。
好ましい実施形態では、400mg及び800mgのイブプロフェンを静脈内投与されている患者の両方で、術後最初の24時間、6〜24時間、及び12〜24時間の体動時及び安静時のVAS曲線下面積によって測定される疼痛が有意に軽減され、最初の24時間、6〜24時間、12〜24時間の安静時VAS曲線下面積によって測定される疼痛が軽減される。
したがって、本発明は更に、最初の24時間の体動時及び安静時のVAS曲線下面積によって測定される患者の術後疼痛を有意に軽減するのに有効な量のイブプロフェンを手術前に患者に静脈内投与することを含む、オピオイド鎮痛薬の投与を伴う整形外科手術を受けるヒト患者の疼痛を軽減する方法に関する。
NSAIDは、中等度から重度の疼痛に対するイピオイド鎮痛薬の効果的な補助剤であり、疼痛緩和及びオピオイド投与量の節約をもたらす。軽度から中等度の疼痛が予想される場合には、NSAID単独で効果的な術後鎮痛を得ることができる。NSAIDは、オピオイドの使用を避ける又は減らすことで、オピオイド関連有害事象の発生を減少させることができることも示されている。
本発明のいくつかの実施形態では、手術後の麻薬性鎮痛薬モルヒネの必要量の減少により測定される術後疼痛処置のために患者に静脈内イブプロフェンが投与される。静脈内イブプロフェンを投与され得る患者としては、適切な静注アクセス(IV access)で手術後に24時間を超えるIVモルヒネ鎮痛の必要性が予想される、単一施設での待機手術が予定されている患者が含まれる。手術の種類の例としては、整形外科手術(膝、殿部、又は肩の関節置換術又は再建術)、子宮摘出術等の産婦人科の手術、胆嚢、腸、又は下腹部の一般的な検査用手術を含む腹部の大手術が含まれる(2ヶ所の骨移植整形外科手術も含まれる)。静脈内イブプロフェンの投与量は約400〜約800mgであってよく、特定の実施例では投薬は6時間毎に30分間かけて行われる。手術後の静脈内イブプロフェン投与は最大8回まで行うことができ、あるいは6時間毎に又は必要に応じて更に続けることもできる。
本明細書に記載の特定の方法は、イブプロフェンを含む静脈内医薬組成物を手術後の患者に投与することを含む。イブプロフェンの静脈内医薬組成物には、ボーラスを初めとする任意の静脈内投与による患者への投与に適した任意の製剤が含まれる。いくつかの実施形態では、注入速度は、投与量が約30分間かけて投与されるような速度である。いくつかの実施形態では、注入速度は、投与量が30分未満の時間で投与されるような速度である。いくつかの実施形態では、注入速度は、投与量が30分超の時間をかけて投与されるような速度である。
本明細書に記載の処置方法の別の実施形態では、イブプロフェンを含む医薬製剤が注射法により患者に投与される。そのような実施形態では、イブプロフェンの医薬製剤は注射法により患者に投与するのに適した製剤である。好適な注射法としては、静脈内注射に加えて、動脈内注入、筋肉注射、経皮注射、及び皮下注射が含まれる。
静脈内投与に適したキャリアとしては、生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、並びにグルコース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びその混合物等の可溶化剤を含む溶液が含まれる。
製剤には水性賦形剤が含まれ得る。水性賦形剤としては、限定されるものではないが例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張デキストロース注射液、滅菌注射液、デキストロース、及び乳酸リンゲル注射液が含まれる。非水性非経口賦形剤としては、限定されるものではないが例えば、植物由来の不揮発性油、綿実油、コーン油、ゴマ油、及びピーナッツ油が含まれる。複数回投与用の容器にパッケージ化された非経口製剤には静菌濃度又は静真菌濃度の抗菌剤を添加する必要があり、これには、フェノール又はクレゾール、水銀類、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルpヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、及び塩化ベンゼトニウムが含まれる。等張剤としては、限定されるものではないが例えば、塩化ナトリウム及びデキストロースが含まれる。バッファーとしては、リン酸バッファー及びクエン酸バッファーが含まれる。酸化防止剤としては重硫酸ナトリウムが含まれる。局所麻酔薬としては塩酸プロカインが含まれる。懸濁分散剤としては、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンが含まれる。乳化剤としてはポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)が含まれる。金属イオンの金属イオン封鎖剤又はキレート剤としてはEDTAが含まれる。薬学的キャリアとして、限定されるものではないが例えば、水混和性賦形剤としてのエチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、並びにpH調節のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、又は乳酸も含まれる。
通常、濃度が少なくとも約0.1%w/wから約90%w/w以上、例えば1%w/w超のイブプロフェンを含むように治療有効量が製剤化される。
本明細書において、「投与計画(dosage regimen)」とは、イブプロフェンを含む静脈内医薬製剤を患者に投与するために使用されるプロトコールを指す。いくつかの実施形態では、投与計画は、投与量及び投与間隔を含む。いくつかの実施形態では、投与計画は投与期間を更に含む。本明細書において、「投与期間」とは、投与量が投与される期間を意味する。例えば、400mgのイブプロフェンを含む医薬組成物が30分間の投与期間にわたって投与され、投与が6時間毎に開始される場合、投与計画は、400mg、6時間毎、30分間の投与である。いくつかの実施形態では、投与期間は簡便に400mg、6時間毎と定義される。
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、術後患者への投与計画は、麻薬性鎮痛薬の使用量減少及び/又は疼痛の知覚軽減及び麻薬性鎮痛薬の使用による副作用の減少をもたらすものと定められる。
本明細書及び特許請求の範囲中で使用される成分、反応条件等の量を表す全ての数は、全ての場合において、「約」という語で修飾されていると理解される。したがって、特に断りのない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲中に記載されている数値パラメータは、本発明により得られるべき所望の特性に応じて変わり得る概数である。特許請求の範囲への均等論の適用を限定しようとするものではないが、少なくとも、各数値パラメータは、有効桁数及び通常の丸め手法に鑑みて解釈されるべきである。
本発明は更に、(i)400mgイブプロフェン又は(ii)800mgイブプロフェンの用量のイブプロフェンを含む静脈内医薬組成物を患者に投与することを含む、疼痛緩和の必要がある術後患者を処置する方法に関する。本方法の特定の好ましい実施形態では、このイブプロフェン投与は、麻薬性鎮痛薬の必要性を低減し、麻薬性鎮痛薬の使用による副作用を軽減し、且つ/又は疼痛の知覚を軽減する。
複数の処方薬ブランド及び非処方薬ブランドのイブプロフェンが、発熱、疼痛、及びその他の適応症の処置に承認されている。成人の軽度から中等度の疼痛処置に推奨される一般に市販されている経口イブプロフェンの単回投与量は4〜6時間毎に400mgである。間接リウマチ、変形性関節炎等の慢性的な適応症には3200mg/日まで投与され得る(300mgを1日4回、又は400/600/800mgを1日3回若しくは4回)。
本発明の静脈内イブプロフェン製剤は、成人における軽度から重度の疼痛の処置並びに子供及び成人における発熱の軽減に利用可能な、最初で唯一のイブプロフェンの静脈内製剤である。経口イブプロフェンは30年以上前から利用可能であり、有効性及び安全性に関する記録が優れている。米国では現在、静脈内製剤は生理食塩水又はデキストロース溶液で希釈する4mL及び8mLのバイアル(それぞれ100mg/mL)で市販されている。
本発明に係る好適なIVイブプロフェン処置の例としては以下が含まれる:成人の疼痛に対する簡便な投与として、6時間毎に800mg;成人の発熱に対する簡便な投与として、4〜6時間毎に400mg。危篤状態の患者は発熱管理により多くの投与量を必要とし得る。更に、危篤状態の患者ですら、1日合計投与量が3200mgを超えないように、1回投与量は最大800mgまでに調整され得る。直感的な小児発熱への投与は、小児用の経口投与に合わせ、4時間毎の単回投与当たり10〜15mg/kgから400mgまである。この投与量は、例えば5〜10分間の静脈内注入により投与することができる。
本明細書に記載するように、臨床試験では、静脈内イブプロフェンはヒト患者に投与された時に、安静時及び体動時に測定された術後疼痛を有意に軽減し、臨床的に意義のあるオピオイド節約効果を有する。IVイブプロフェン処置群では、プラセボ患者と比べてモルヒネの副作用の少なくとも1つを有する患者が有意に少なかった。静脈内イブプロフェンは入院患者の発熱軽減にも非常に効果的であった。静脈内イブプロフェンを用いた臨床研究中、出血及び腎毒性は報告されなかった。
例えば後述の実施例に詳細に説明されている臨床研究が示すように、本発明に従って使用される静脈内イブプロフェンは、静脈内投与経路を用いた疼痛及び/又は発熱の処置を提供し、成人及び12歳未満の子供において軽度から重度の疼痛の処置及び発熱の軽減に有用である。本発明の方法に従って使用される静脈内イブプロフェンは、例えば腹部外科手術及び整形外科手術のための疼痛管理を実現し;危篤状態の患者ですら発熱を効果的に軽減し;術後疼痛に使用された時にオピオイドを節約することができ;オピオイド副作用を減少させ;より短期間で患者を歩行可能にし;安全性プロフィールが優れている。
本発明に係る静脈内イブプロフェン製剤の使用により例えば以下の利点が得られる:病院又は病院のような施設からの退院を早める疼痛及び/又は発熱の迅速な緩和;IVイブプロフェンは、成人における軽度から重度の疼痛及び発熱並びに12歳未満の子供における発熱の迅速な軽減により示されるように、緩和を速め、退院を早める;腹部手術及び整形外科手術後の視覚的アナログスコア(VAS)により測定される安静時及び体動時の疼痛の軽減;オピオイド副作用(悪心、嘔吐、便秘)の軽減;臨床試験による観察で、出血又は腎臓の問題が生じない;歩行までの時間を改善し、施設が外来による更なる措置を計画することを可能にし得る。
術後環境における疼痛管理及び救命救急診療における発熱は大きな問題となることがある。現在、発熱を管理するためにIVで利用可能なものはない。病院/外来診療施設は、患者に早く歩けるようになって退院して欲しいが、一部の疼痛管理法は、入院期間を長期化させ得る副作用及び安全性の問題がある。疼痛管理は課題である。医師はJCAHOの指針を十分承知しており、疼痛管理により多くのことをすることに関心がある。一部の薬剤の投与制限がこの課題を更に困難にしており、オピオイドの副作用は患者に自身でないように感じさせる。イブプロフェンは医師に公知であり、医師は疼痛及び発熱の管理のためのイブプロフェンを信頼している。しかし、Caldolor(登録商標)導入前には、イブプロフェンは経口製剤の形態でしか利用できず、その使用は病院/外来診療施設内に限定されている。
IVイブプロフェンの臨床使用を記載している後述の実施例に詳説するように、疼痛の軽減に関して、IVイブプロフェン及びモルヒネを用いた処置は、PCAによってモルヒネだけが送達された患者と比べて、術後24時間の安静時及び体動時の疼痛を有意に軽減した。モルヒネ節約効果に加えて、IVイブプロフェンは、腹部手術及び整形外科手術において、モルヒネPCAだけの場合よりも疼痛を20%軽減した(P=0.003)(視覚的アナログスコアの安静時AUC)。モルヒネ節約効果に加えて、IVイブプロフェンは、腹式子宮摘出患者においてモルヒネPCAだけの場合よりも疼痛を21%軽減した(P=0.003)(視覚的アナログスコアの安静時AUC)。術後9〜24時間目までにおいても、モルヒネPCAだけの場合よりIVイブプロフェンの患者は疼痛の報告が有意に少なかった(P<0.027)。また、IVイブプロフェンは、プラセボと比べて歩行までの時間を有意に改善した(P−0.009)。IVイブプロフェンを手術中に開始した場合に患者の安静時及び体動時の疼痛報告が少なかった(術後24時間とプラセボではP=0.003、術後48時間とプラセボではP<0.040)。
オピオイド節約特性に関して、IVイブプロフェンを投与することで、整形外科手術及び腹部手術の疼痛軽減においてオピオイドが有意に減少する。IVイブプロフェンは、オピオイド副作用の少ない効果的な疼痛緩和を実現する。PCAによってモルヒネが送達された患者と比べて、腹部手術及び整形外科手術の後にオピオイド使用量の有意な減少が報告された(P−0.030)。腹部/整形外科手術において、術後最初の24時間以内のモルヒネ消費量中央値が26%減少したことが報告された。PCAによってモルヒネが送達された患者と比べて腹式子宮摘出後のオピオイド使用量の有意な減少が報告され(P<0.001)、腹式子宮摘出術において術後最初の24時間以内のモルヒネ消費量の中央値は21%減少した。
発熱に対して本発明に従って投与される静脈内イブプロフェンに関して、第3相臨床試験の結果、プラセボの32%に対して、4時間以内に患者の77%で有意に発熱が軽減されることが示された。観察されたこの処置効果は投薬期間中維持された(P=0.0005)。後述の実施例に詳細に記載しているように、例えばマラリア患者において、30分という迅速な発熱軽減が見られた。温度の有意な低下は危篤状態の患者において48時間の研究期間にわたり維持された(P=0.05)。IVイブプロフェン処置患者の100%で4時間目に発熱が軽減されていた。IVイブプロフェン処置患者のほぼ4倍の数のプラセボ処置患者が24時間目に発熱がコントロールされていなかった。
本発明の別の態様では、危篤状態の患者は、発熱を処置するために最初にアセトアミノフェンも受ける。サブセット解析に基づくと、実剤IVイブプロフェン治療群の患者は、アセトアミノフェン単独治療群よりもその後のアセトアミノフェンの要求が少なく、発熱管理が良好であった。IVイブプロフェンは、発熱用の経口製剤に耐えられないICU患者及び非ICU患者を処置するための更なる選択肢を医師に提供する。
安全性に関して、今日まで行われた全ての臨床研究において、IVイブプロフェンは主要な代謝パラメータ及び血液学的パラメータに影響を与えなかった。クレアチニンレベル、ヘマトクリット、又は輸血必要量はプラセボと同様であった。平均血小板数は正常範囲であった。IVイブプロフェン処置の5日目まで、術後の消化管出血又は腎臓合併症は見られなかった(腹部外科手術及び整形外科手術を含む)。全ての臨床試験において、出血及び腎機能障害はプラセボと同程度であった。IVイブプロフェンは危篤状態で入院している患者集団において安全且つ十分に許容されることが示された。IVイブプロフェンの有害事象プロフィールはプラセボと同様であった。
研究により、集学的鎮痛技術により、外来手続き後の回復及び患者の転帰が向上し、病院の処理量が改善されることが示された。本発明では、集学的(multimodal)とは「バランス(balanced)」鎮痛を意味する。換言すると、オピオイド関連副作用を減少させつつ有益な鎮痛効果を得るために、2様式以上の疼痛管理が使用され得る。NSAID(イブプロフェンを含む)のメタ分析により、鎮痛及び/又はオピオイド投与量の節約への強い効果及び対応するオピオイド副作用の減少が示された。
本発明は、部分的には、オピオイド鎮痛薬の投与を伴う外科手術を受けるヒト患者の疼痛を軽減する方法であって、最初の24時間の体動時及び安静時のVASの曲線下面積により測定される患者の術後疼痛を有意に軽減するのに有効な量のイブプロフェンを手術前に患者に静脈内投与することを含む、方法に関する。特定の実施形態では、方法は更に、術後少なくとも24時間にわたり術後6時間毎に患者にイブプロフェンを静脈内投与する工程を含む。特定の実施形態では、方法は、手術前に有効量のイブプロフェンを静脈内投与することを含む。イブプロフェンの1回投与量は約400〜約800mgが好ましい。
本発明の別の態様は、術後にヒト患者に1又は複数のオピオイド鎮痛薬を投与することを含む。好ましくは、同じ外科手術を受けたヒト患者の疼痛管理に通常必要な量よりも少ない量の1又は複数のオピオイド鎮痛薬である。換言すると、十分な投与量の静脈内イブプロフェンを患者に静脈内投与することで、オピオイド節約効果が得られ、患者へのオピオイドの投与量を減らすことができる。そのような実施形態では、イブプロフェンの1回投与量は約800mgである。好ましくは、静脈内イブプロフェンを受けているヒト患者では、平均モルヒネ消費量が少なくとも20%、25%、少なくとも30%、又は少なくとも40%減少する。
別の実施形態では、方法は更に、オピオイド鎮痛薬の投与に関連する副作用を減少させるのに十分な投与量の静脈内イブプロフェンを静脈内投与することを含む。
更に別の実施形態では、方法は更に、オピオイド鎮痛薬だけを受けている患者と比べて、オピオイド鎮痛薬が同時に投与される患者の疼痛スコアを減少させるのに十分な投与量の静脈内イブプロフェンを静脈内投与することを含む。
特定の好ましい実施形態では、本発明は、静脈内イブプロフェンが投与されなかった場合よりも早い時点で術後に患者の歩行が可能になるのに十分な投与量のイブプロフェンを静脈内投与することを含む。
特定の実施形態では、本発明は更に、400mg及び800mgから選択される投与量のイブプロフェンを患者に静脈内投与することで、術後最初の24時間以内の時点の体動時のVAS及び/又は安静時のVASの曲線下面積によって測定される患者の疼痛を有意に軽減することを含む。特定の好ましい実施形態では、そのような時点は、手術後0〜24時間、6〜24時間、及び12〜24時間である。
本発明の特定の好ましい実施形態では、イブプロフェンの静脈内投与は、麻酔開始と同時に開始され、6時間毎に行われる。
本発明は更に、ヒト患者の術後疼痛を軽減する方法であって、患者の手術開始前に約800mgのイブプロフェンを静脈内投与すること、患者の手術に関連する疼痛が緩和されるように、同じ外科手術を受けたヒト患者の疼痛管理に通常必要な量よりも少ない量である有効量のオピオイド鎮痛薬を患者に投与すること;及び少なくとも手術の24時間後まで術後6時間毎に800mgのイブプロフェンを患者に更に静脈内投与すること、を含む方法に関する。
好ましい実施形態では、静脈内イブプロフェンにより、オピオイド節約効果が得られ、患者へのオピオイドの投与量を減らすことができる。好ましくは、静脈内イブプロフェンを受けているヒト患者では、平均モルヒネ消費量が少なくとも20%、25%、少なくとも30%、又は少なくとも40%減少する。
本発明は更に、整形外科手術を受けるヒト患者が術後に歩行できるようになるまでの時間を改善する方法であって、静脈麻酔の開始から術後少なくとも24時間まで6時間毎に、歩行までの時間を改善するのに有効な量のイブプロフェンを静脈内投与すること、を含む方法に関する。好ましくは、イブプロフェンの1回投与量は約400〜約800mgである。好ましくは、この実施形態は更に、同じ外科手術を受けたヒト患者の疼痛管理に通常必要な量よりも少ない量の少なくとも1つのオピオイド鎮痛薬を術後にヒト患者に投与することを含む。
オピオイドは、中枢作用性鎮痛薬として主に使用され、アヘン又はモルヒネ様の特性をした、天然及び合成の一群の薬物である。オピオイドとしては、モルヒネ及びモルヒネ様ホモログ、例えば、多くの誘導体の中でもとりわけ、半合成誘導体コデイン(メチルモルヒネ)及びヒドロコドン(ジヒドロコデイノン)が含まれる。モルヒネ及び関連オピオイドは、中枢神経系すなわちCNS(脳及び脊髄を指す)のμオピオイド受容体でアゴニスト活性を示し、また、δ及びκオピオイド受容体に親和性を示し、鎮痛、嗜眠状態、気分の変化、意識混濁等の様々な効果を生じる。強力な鎮痛効果に加えて、モルヒネ関連オピオイドは、例えば呼吸抑制、悪心、嘔吐、めまい、意識混濁、不快気分、掻痒、便秘、胆道の圧力上昇、尿貯留、低血圧等の複数の望ましくない効果も生じ得る。
実施例1〜3に報告した研究ではオピオイド鎮痛薬としてモルヒネを使用したが、モルヒネの一部又は全部の代わりに他のオピオイド鎮痛薬を使用することもできることが当業者には理解されよう。本発明に従って使用され得るオピオイド鎮痛薬としては、限定されるものではないが、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、シクラゾシン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン(diamorphone)、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェン−アシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メサドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメサドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン(propheptazine)、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、これらの塩、これらの複合体;上記のいずれかの混合物、混合μアゴニスト/アンタゴニスト、μアンタゴニストの組合せ塩又はその複合体等が含まれる。特定の好ましい実施形態では、オピオイド鎮痛薬はμ又はκオピオイドアゴニストである。特定の好ましい実施形態では、オピオイド鎮痛薬はモルヒネ、ジヒドロコデイン、ヒドロモルホン、フェンタニル、オキシコドン、オキシモルホン、その塩、及び上記のいずれかの混合物である。
以下の実施例は、上記発見の具体的な実施形態を示すものであり、本発明の全範囲を表すものではない。
実施例1は術後成人患者における疼痛処置を評価するためのランダム化二重盲検プラセボ対照研究である。本研究の主要な目的は、術後の麻薬性鎮痛薬モルヒネの必要量の減少により測定される術後疼痛処置に対するプラセボと比べた静脈内イブプロフェンの有効性を決定することである。副次的目的は、1)術後疼痛処置に最適なイブプロフェン投与量を決定すること;2)疼痛の患者自己評価によって決定される術後疼痛処置に対するプラセボと比較したイブプロフェンの有効性を決定すること;3)術後疼痛処置に対するプラセボと比較したイブプロフェンの安全性を決定すること;及び4)イブプロフェンの使用がオピオイド関連副作用の発生を減少させるかどうかを決定すること、である。
合計406名の参加者を無作為に3群に分け、2つの群は異なる投与量のイブプロフェンを受け、第3群はプラセボ参照製品を受けた。被験製品の投与量及び投与形態は静脈内イブプロフェン:400mg又は800mg、静脈内とした。参照製品の投与量及び投与形態は、通常生理食塩水、100ml、静脈内とした。盲検化を確実にし、処置効果の解析が可能になるように、本研究の対照群(プラセボ)に生理食塩水を選択した。処置期間は術後最大5日間とした。投薬は6時間毎に1回、計8回行い、その後、疼痛に必要であれば、最大で手術後5日間、6時間毎に投薬を行った。2つの年齢群(<45歳及び>45〜70歳)及び2つの体重群(<75kg及び>75kg)で群を層別化した。
有効性評価可能集団(efficacy evaluable population:EEP)とintent to treat集団(ITT)の基準に基づいて本研究の参加者をランダム化した。ITTには、ランダム化されてイブプロフェン投与の少なくとも一部を受けた全ての患者が含まれる。ITTに含まれる患者のうち、選択・除外規準又は研究実施に関して大きなプロトコール違反がなく主要有効性評価が全て評価された患者がEEPへの組込みに適格であり、具体的には、そのような患者は、少なくとも最初の4回のイブプロフェン投与を計画された投与時間の+60分以内に受けた、ITTに含まれる患者である。
適格患者を3つの処置群のいずれかにランダム化した。全ての患者は、外科手術終了の約45分前までモルヒネを受けることができた(必須ではない)。その後は、手術終了までフェンタニルのみが許された。イブプロフェン初回投与は皮膚の吻合開始とほぼ同時に行った。手術室退室後、患者は要求によりモルヒネを利用可能であり(5分毎に約1〜2mg)、すなわち患者管理鎮痛法(PCA)によりモルヒネを送達された。プロトコールに従い、その後の2日間にわたり、6時間毎に30分間かけてその後7回イブプロフェンを静脈内投与し、合計で8回投与を行った。特定の患者では以下の理由により24時間(4回投与)後に投薬を中止した:1)経口疼痛治療薬に耐えることができる;2)疼痛の解消;3)静注アクセスの欠如;又は4)退院。計画された8回のイブプロフェンを受けた患者は、疼痛に必要であれば、手術後5日間、6時間毎に更にイブプロフェンが投与されてよい。疼痛に対してイブプロフェン又はプラセボ以外にはモルヒネだけが投与された。手術室退室後、患者は要求により、すなわち患者管理鎮痛法(PCA)により、5分毎に1mgのモルヒネが利用可能であった。適切な疼痛管理が得られなかった場合、モルヒネの投与量を5分毎にモルヒネ2mgまで増加させてもよい。それでも適切な疼痛管理が達成されない場合、処置する医師の裁量で更にモルヒネを投与してもよい。非モルヒネ鎮痛薬を与えられた患者を処置失敗に分類した。処置失敗は交換しなかった。
全体のα水準を0.05とした分散分析及び共分散分析の手法を用いて、実剤投与とプラセボで、モルヒネ必要量について患者を評価及び比較した。プロトコールの統計解析セクションに記載されている適切な統計方法を用いて、処置群間で副次的な有効性パラメータも評価及び比較した。カイ二乗検定又はCochran−Mantel−Haenszel検定を用いて、処置群間で安全性情報を比較した。処置群間の人口統計学的情報、背景情報、及び基準値情報も記載した。
最適投与量の決定において、術後24時間における麻薬性鎮痛薬モルヒネの必要量の減少による測定で、投与量400mg及び800mgのイブプロフェンとプラセボの比較を行った。投与量選択は、イブプロフェン処置とプラセボを比較した際のp≦0.05の統計的有意性(有効性)に基づいた。有効性の基準に基づいて400mgのイブプロフェンと800mgのイブプロフェンの投与量選択を比較する場合は、p≦0.10の統計的有意性に基づいた。イブプロフェンとプラセボを比較して有効性が実証されたものの、400mgの投与量と800mgの投与量で統計的有意差が見られない場合、より少ない投与量の400mgが実施例2の研究に選択される。大きな安全上の問題が800mgの投与量で明らかであったが400mgの投与量では観察されなかった場合、800mgの投与量が400mgの投与量より効果的であることが示されたとしても400mgの投与量が実施例2の研究に選択される。本実施例1の研究から選択された最適な投与量(400mg又は800mg)を、次いで、実施例2の研究中で、有効性及び安全性を評価するために、モルヒネの必要量についてプラセボと比較した。
実施例1の研究の主要評価項目(primary endpoint)は、プラセボと比較したモルヒネ総使用量により測定される、手術後24時間におけるモルヒネ必要量の減少である。分散分析及び共分散分析の手法を用いて、術後24時間におけるモルヒネ必要量の減少を処置群の間で比較した。多重比較検定としてダネット検定を用いて、全体的なα水準を0.05とし、実剤投与群とプラセボ群を比較した。イブプロフェン実剤投与間でのモルヒネ使用量の比較には、有意性を示すためのα水準を0.10とした。
術後24時間におけるモルヒネ必要量の減少を有効性の主要な測定項目とした。以下を有効性の副次的評価項目(secondary efficacy endpoint)とした:(1)疼痛強度の患者自己評価により測定され、0を無痛、10を激痛とする0〜10の視覚的アナログ尺度(VAS)により報告される疼痛強度の減少;(2)突出痛に対するその後最初の麻薬性鎮痛までの時間;(3)疼痛による夜間覚醒;(4)腸の音、鼓腸、又は腸の活動の回復により測定される消化管運動までの時間、複合安全性評価(びまん性の掻痒の発生、明らかな呼吸抑制、術後尿路留置カテーテルの必要性、術後嘔吐の発生又は制吐薬の必要性、Richmond Agitation Sedation Scale<−3)を含む、オピオイド関連副作用の発生をイブプロフェンの投与が減少させたかどうかの決定;(5)歩行の再開;(6)液体摂取及び固形食の再開;及び(7)入院期間の長さ。
Intent to Treat(ITT)集団及び有効性評価可能集団(EEP)に対して有効性の解析を行った。更に、腹式子宮摘出術(AH)を受けたEEP患者亜集団を別に解析して、より均一な集団における有効性を評価した。
以下の表24に示すように、プラセボと比較して、800mgのイブプロフェンを受けた患者において、EEPでは最大25.6%、ITTでは21.6%の手術後24時間におけるモルヒネ使用量の統計的に有意であり且つ臨床的に意義のある減少が見られた。同様な手術(腹式子宮摘出術)のより均一な集団における効果の評価では、モルヒネの減少は、400mgイブプロフェン群で16%、800mgイブプロフェン群で41%であった。
Figure 2012523377
0を無痛、10を激痛とした0〜10の視覚的アナログ尺度(VAS)を用いた患者自己評価により疼痛を測定した。これは安静時及び体動時の両方で測定した。安静時及び体動時におけるVAS評価は1、2、3、6、9、12、15、18、24、27、30、33、36、39、42、45、48時間目及び5日目まで1日毎に行った。プロトコールは、疼痛評価を得るために起きていることを患者に要求しないため、欠測した疼痛評価は予想された。欠測した疼痛評価を埋めるために、統計解析計画に記載したように2種類の欠測値アプローチを用いて値を帰属した。異なる時点における全体的疼痛の差を求めるために、最初の24時間、6〜24時間、及び12〜24時間におけるVAS疼痛曲線下面積を解析した。
ITT集団では、800mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)と比較して、モルヒネの使用が少ないことに加え、研究時間9〜48時間目(39時間目を除く)に疼痛が有意に少なかった。400mgのイブプロフェン投与を受けた患者も、モルヒネだけ(プラセボ)と比較して、研究時間9〜48時間目(12、24、27、及び33時間目を除く)に疼痛が少なかった。800mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)を受けた患者と比べて、24時間(p=0.004)、6〜24時間(p<0.001)、及び12〜24時間(p<0.001)にわたる体動時のVASのAUCが小さかった。400mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)を受けた患者と比べて、24時間(p=0.033)、6〜24時間(p=0.008)、及び12〜24時間(p=0.006)にわたる体動時のVASのAUCが小さかった。疼痛の減少率を以下に示す。
Figure 2012523377
EEP集団では、800mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)の場合と比べて、モルヒネの使用が少ないことに加え、研究時間9〜24時間目に疼痛が有意に少なかった。400mgのイブプロフェンを受けた患者も、モルヒネだけ(プラセボ)の場合と比べて、研究時間9〜24時間目(12時間目を除く)における疼痛が有意に少なかった(p<0.10)。800mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)を受けた患者と比べて、24時間(p=0.090)、6〜24時間(p=0.015)、及び12〜24時間(p=0.005)にわたる体動時のVASのAUCが小さかった。400mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)を受けた患者と比べて、24時間(p=0.218)、6〜24時間(p=0.064)、及び12〜24時間(p=0.035)にわたる体動時のVASのAUCが小さかった。疼痛の減少率を以下に示す。
Figure 2012523377
ITT集団では、800mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)の場合と比べて、モルヒネの使用が少ないことに加え、研究時間9〜24時間目に疼痛が有意に少なかった。400mgのイブプロフェンを受けた患者も、モルヒネだけ(プラセボ)の場合と比べて、研究時間9〜24時間目(12時間目を除く)に疼痛が有意に少なかった(p<0.10)。800mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)を受けた患者と比べて、24時間(p=0.003)、6〜24時間(p<0.001)、12〜24時間(p<0.001)にわたる安静時のVASのAUCが小さかった。400mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)を受けた患者と比べて、24時間(p=0.095)、6〜24時間(p=0.028)、12〜24時間(p=0.013)にわたる安静時のVASのAUCが小さかった。疼痛の減少率を以下に示す。
Figure 2012523377
EEP集団では、800mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)の場合と比べて、モルヒネの使用が少ないことに加え、研究時間9〜24時間目に疼痛が有意に少なかった。400mgのイブプロフェンを受けた患者も、モルヒネだけ(プラセボ)の場合と比べて、研究時間9〜24時間目(12時間目を除く)に疼痛が有意に少なかった(p<0.10)。800mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)を受けた患者と比べて、24時間(p=0.095)、6〜24時間(p=0.021)、及び12〜24時間(p=0.006)にわたる安静時のVASのAUCが小さかった。400mgのイブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)を受けた患者と比べて、24時間(p=0.408)、6〜24時間(p=0.184)、及び12〜24時間(p=0.082)にわたる安静時のVASのAUCが小さかった。疼痛の減少率を以下に示す。
Figure 2012523377
処置期間にモルヒネ以外の麻薬性疼痛治療薬又は別のNSAIDの使用等の非麻薬性治療薬を必要とした患者を処置失敗(treatment failure)と定義した。別の麻薬性治療薬(モルヒネ以外)又はNSAIDを開始した場合、イブプロフェン/プラセボは中止した。ITT集団では、プラセボ群と比べてイブプロフェン群は処置失敗が少ない数的傾向があったが、統計的に有意ではなかった(プラセボでは10例(7%);400mgイブプロフェンでは7例(5%)、p=0.452;800mgイブプロフェンでは4例(3%)、p=0.089)。
ITTにおいて消化管運動までの時間を解析した結果、400mgイブプロフェン処置群とプラセボ群では統計的有意差が見られたが、800mgイブプロフェン処置群とプラセボでは統計的有意差は見られなかった:(時間単位で)プラセボ(N=132)では24.6+1.78 SD;400mgイブプロフェン(N=131)では20.1+1.28 SD、p=0.039;800mgイブプロフェン(N=136)では21.6+1.50 SD、p=0.220。EEPにおいて消化管運動までの時間を解析した結果、400mgイブプロフェン処置群又は800mgイブプロフェン処置群とプラセボの間に統計的有意差はなかった:(時間単位で)プラセボ(N=115)では23.0+1.80 SD;400mgイブプロフェン(N=110)では20.2+1.30 SD、p=0.189;800mgイブプロフェン(N=116)では21.2+1.63 SD、p=0.389。
ITT集団において歩行できるようになるまでの時間を解析した結果、イブプロフェン処置群はプラセボ群と比べて統計的に有意に早くなかった。同様に、ITTにおいて液体摂取までの時間及び固形物摂取までの時間を解析した結果、イブプロフェン処置群とプラセボの間に統計的有意差はなかった。ITTにおいて入院期間の長さを解析した結果、処置群とプラセボ群の間で統計的有意差はなかった。
複合安全性評価では、びまん性の掻痒の発生、明らかな呼吸抑制、術後尿路留置カテーテルの必要性、術後嘔吐の発生又は制吐薬の必要性、Richmond Agitation Sedation Scale<−3を1点として記録し、群間で平均スコアを比較した。ITTにおいて複合安全性評価スコアを解析した結果、400mgイブプロフェン処置群とプラセボの間では統計的有意差が見られたが、800mgイブプロフェン処置群では統計的有意差は見られなかった:プラセボ(N=134)では1.0+0.71 SD;400mgイブプロフェン(N=133)では0.8+0.63 SD、p=0.011;800mgイブプロフェン(N=137)では0.9+0.78 SD、p=0.154。EEPにおいて複合安全性評価スコアを解析した結果、実剤群とプラセボ群の間に統計的有意差は見られなかった:プラセボ(N=115)では0.9+0.67 SD;400mgイブプロフェン(N=111)では0.8+0.62 SD、p=0.119;800mgイブプロフェン(N=116)では0.9+0.76 SD、p=0.520。
結論
手術後24時間における有効性に関して、800mgの静脈内イブプロフェンはオピオイドの使用量を減少させ、プラセボと比べて患者の自己評価で安静時及び体動時の疼痛を軽減した。一方、400mgの静脈内イブプロフェンは安静時及び体動時の疼痛を軽減したが、オピオイドの使用量は減少させなかった。
具体的には、プラセボと比べて、800mgのイブプロフェンを受けた患者では24時間におけるモルヒネの使用量が減少した(p=0.030)が、400mgのイブプロフェンでは減少しなかった(p=0.458)。342名の有効性評価可能患者において、800mgのイブプロフェンを受けた患者ではモルヒネ消費量の中央値が25.6%減少し、400mgのイブプロフェンを受けた患者ではモルヒネ消費量の中央値が4.4%減少した。腹式子宮摘出術を受けた161名の患者では、800mgのイブプロフェンを受けた患者においてモルヒネ消費量の中央値が41.1%減少し、400mgのイブプロフェンを受けた患者においてモルヒネ消費量の中央値が15.9%減少した。モルヒネ節約効果に加えて、400mg及び800mgのイブプロフェンを受けた患者はどちらも、手術後の最初の24時間、6〜24時間、及び12〜24時間にわたる体動時及び安静時のVASの曲線下面積により測定される疼痛が有意に減少しており、最初の24時間(p=0.003)、6〜24時間(p<0.001)、及び12〜24時間(p<0.001)にわたる安静時のVASの曲線下面積により測定される疼痛が減少していた。400mgのイブプロフェンを受けた患者は、手術後の最初の24時間(p=0.033)、6〜24時間(p=0.008)、及び12〜24時間(p=0.006)にわたる体動時のVASの曲線下面積により測定される疼痛が減少しており、最初の24時間(p=0.095)、6〜24時間(p=0.0281)、及び12〜24時間(p=0.013)にわたる安静時のVASの曲線下面積により測定される疼痛も減少していた。
プラセボ群と比べてイブプロフェン群で処置失敗の数が少なかったが、統計的有意差はなかった:プラセボでは10例(7%);400mgイブプロフェンでは7例(5%)、p=0.452;800mgイブプロフェンでは4例(3%)、p=0.089(プラセボに対するp値)。したがって、イブプロフェン群において処置失敗数がわずかに少なかった。
群間で重篤有害事象を経験する患者数に有意な差がなかったことから、安全上の問題は特定されなかった。更に、イブプロフェンの経口使用に通常関連する有害事象及び臨床検査室での評価に関して処置群間で差はなかった。プラセボと比較して、静脈内イブプロフェンでの処置は、有害事象、重篤有害事象、又は研究室での安全性測定値における異常を増加させなかった。具体的には、イブプロフェンの使用による更なる出血又は腎臓の合併症はなかった。400mgのIVIb及び800mgのIVIbで処置された参加者の両方において、モルヒネだけ(プラセボ)で処置された参加者と比べて、消化管障害及び発熱を経験する患者数が有意に減少した。400mgのIVIbでは悪心を催す患者の数が有意に減少し、800mgのIVIb処置された参加者では有意性への傾向があった。800mgのIVIbで処置された群では、モルヒネだけ(プラセボ)の群と比べて、下痢をする患者の数が有意に減少した。800mgのIVIbで処置された参加者は、プラセボで処置された参加者と比べてめまいが多かった。14日間の研究中、患者の死亡はなかった。
静脈内イブプロフェンは、術後患者に6時間毎に800mgの投与量で投与された場合、安全であり且つ十分に許容される効果的な鎮痛薬である。
実施例2は、術後成人患者の疼痛処置を評価するためのランダム化二重盲検プラセボ対照研究である。本研究の主要な目的は、手術後の麻薬性鎮痛薬モルヒネの必要量の減少により測定される術後疼痛処置に対するプラセボと比較した静脈内イブプロフェンの有効性を決定することである。副次的目的は、1)疼痛の患者自己評価により決定される術後疼痛処置に対するプラセボと比較したIVIbの有効性を決定すること;2)術後疼痛処置に関してプラセボと比較したIVIbの安全性を決定すること;3)IVIbの使用がオピオイド関連副作用の発生を減少させるかどうかを決定し、術後疼痛処置に最適なイブプロフェン投与量を決定すること、である。
本研究に適格である患者は以下の選択基準を満たす:1)腹式子宮摘出術の待機手術が予定されており、手術後に24時間を超えるIVモルヒネ鎮痛薬の使用が必要であると予想される;2)適切な静注アクセス;及び3)24時間を超える入院が予想される。研究除外基準による要求は、患者が18〜70歳であることだけである。実施例1の研究結果に基づき、800mgのIVIbイブプロフェン投与を選択した。手術直後の24時間におけるモルヒネ使用量の減少を比較することで有効性を測定した。手術後24時間における麻薬性鎮痛薬モルヒネの必要量の減少により有効性を測定した。
合計185名の参加者を、1)プラセボ(通常生理食塩水、100ml、静脈内生理食塩水)を受ける群又は(2)6時間毎に30分間かけて800mgのイブプロフェンを静脈内注入される群の2群のいずれかにランダム化した。臨床試験材料(「CTM」)は250mLの通常生理食塩水と混合した。盲検化を確実にし、処置効果の解析が可能となるように、本研究の対照群(プラセボ)に生理食塩水を選択した。
プロトコールに従い、患者は6時間毎に5回投薬され、その後、疼痛の必要に応じて(PRN)、最大で手術後5日まで6時間毎に投薬された。しかし、24時間後から5日目まででモルヒネ以外の麻薬性疼痛治療薬又は別のNSAIDの使用等の非麻薬性治療薬が必要となった場合、CTMは中止されねばならない。更に、24時間後から5日目までで、疼痛の解消、静注アクセスの欠如、又は退院があった場合、CTMを中止することがあった。処置群全体で投与回数は1〜13回であり、中央値は5回であり、処置群の平均は800mgの静脈内イブプロフェンで6回(+SD2.2)、プラセボで5回(+SD1.5)であった。
185名の全患者が処置5日目の前にCTMを中止した。中止の主な理由は静注アクセスがなくなったことであった:静脈内イブプロフェンでは48例(48%);プラセボでは37例(43%)。2つの年齢群(<45歳及び>45〜80歳)及び2つの体重群(<75kg及び>75kg)で群を層別化した。
有効性評価可能集団(EEP)とintent to treat集団(ITT)の基準に基づいて本研究の参加者をランダム化した。ITTには、ランダム化されてイブプロフェン投与の少なくとも一部投与を受けた全ての患者が含まれる。intent−to−treat集団(ITT)は、突出痛に対して少なくとも1回の術後CTM投与又は少なくとも1回のモルヒネ投与を受けたAT患者からなる。有効性評価可能集団(EEP)は、最初の5回の各CTMを計画された時間の60分以内に受け、6時間目及び28時間目の体動時のVAS評価を有する全てのITT患者からなる。
適格患者を2つの処置群のいずれかにランダム化した。全ての患者が外科手術終了の約45分前までモルヒネを受けることができた(必須ではない)。その後は、手術終了までフェンタニルのみが許された。イブプロフェンの初回投与を皮膚の吻合開始とほぼ同時に行った。手術室退室後、患者は要求によりモルヒネを利用することができ(5分毎に約1〜2mg)、すなわち患者管理鎮痛法(PCA)よりモルヒネを送達された。プロトコールに従い、その後の2日間にわたり、6時間毎に30分間かけてその後7回イブプロフェンを静脈内投与し、合計8回投与を行った。特定の患者では以下の理由により24時間(4回投与)後に投薬を中止した:1)経口疼痛治療薬に耐えることができる;2)疼痛の解消;3)静注アクセスの欠如;又は4)退院。計画された8回のイブプロフェンを受けた患者は、疼痛に必要であれば、手術後5日間、6時間毎に更にイブプロフェンが投与されてもよい。疼痛に対してイブプロフェン又はプラセボ以外にはモルヒネだけが投与された。手術室退室後、患者は要求により、すなわち患者管理鎮痛法(PCA)により、5分毎に1mgのモルヒネが利用可能であった。適切な疼痛管理が得られなかった場合、モルヒネの投与量を5分毎にモルヒネ2mgまで増加させてもよい。それでも適切な疼痛管理が達成されない場合、処置する医師の裁量で更にモルヒネを投与してもよい。非モルヒネ鎮痛薬を与えられた患者を処置失敗に分類した。処置失敗は交換しなかった。
全体のα水準0.05として分散分析及び共分散分析の手法を用いて、実剤投与とプラセボの間でモルヒネ必要量について患者を評価及び比較した。プロトコールの統計解析セクションに記載されている適切な統計方法を用いて、処置群間で副次的な有効性パラメータも評価及び比較した。カイ二乗検定又はCochran−Mantel−Haenszel検定を用いて、処置群間で安全性情報を比較した。処置群間の人口統計学的情報、背景情報、及び基準値情報も記載した。
ITT集団及びEEP集団の両方で主要有効性パラメータの分析を行った。
本研究の主要評価項目は、プラセボと比較したモルヒネ総使用量により測定される、術後24時間におけるモルヒネ必要量の減少である。分散分析及び共分散分析の手法を用いて、処置群間で術後24時間におけるモルヒネ必要量の減少を比較した。多重比較検定としてダネット検定を用いて、全体のα水準を0.05とし、実剤投与群とプラセボ群を比較した。一次モデルでは、共変量として施設を導入した。主要有効性評価項目である術後のモルヒネ必要量について施設間の結果の一貫性を評価するために、Center−by−Treatment交互作用を調べた。手術の種類、体重、性別、及び人口統計、背景、及び基準値の分析により特定されたその他の共変量を、感度解析及び頑健性のための二次共変量(secondary covariate)として導入した。
48時間の処置期間中、3時間毎に前回の評価からのモルヒネ使用量を得た。
副次的評価項目には、疼痛強度の患者自己評価により測定され、0を無痛、10を激痛とした0〜10の視覚的アナログ尺度(VAS)により報告される疼痛強度;突出痛に対するその後最初の麻薬性鎮痛までの時間;及び疼痛による夜間覚醒の減少が含まれる。
IVIbの投与がオピオイド関連副作用の発生を減少させるかを決定する副次的目的を評価するために、以下の評価項目を測定した:(a)腸の音、鼓腸、又は腸の動きの回復によって評価される消化管運動、(b)複合安全性評価(48時間の処置期間中における下のいずれかの発生に1点を付けた:びまん性の掻痒、処置を必要とする明らかな呼吸抑制;組み合わせた合計発生数及び個々の発生数を評価した)、(手術用カテーテルを最初に除去した後の)術後尿路留置カテーテルの必要性、術後嘔吐の発生又は制吐薬の必要性、Richmond Agitation Sedation Scale(<−3)、(c)歩行の再開、(d)液体摂取及び固形食の再開、並びに(e)入院期間の長さ。
ITTでは、イブプロフェン群の患者は平均47.3mgのモルヒネを使用し、中央値は43.5mgであり、プラセボ群の患者は平均55.9mgのモルヒネを使用し、中央値は54.0mgであった。EEPでは、イブプロフェン群の患者は平均45.5mgのモルヒネを使用し、中央値は42.0mgであり、プラセボ群の患者は平均54.3mgのモルヒネを使用し、中央値は53.5mgであった。モルヒネ消費量に関してITT及びEEPの両方において処置群間で差が見られた(ITTイブプロフェンとプラセボではp<0.001;EEPイブプロフェンとプラセボではp<0.001)。統計を以下の表6に要約する。
統計解析計画(SAP)中で予め定められた解析法に従い、変換したモルヒネ必要量に対して統計試験を行った。
Figure 2012523377
表7に、対照群と比較したイブプロフェン群の術後24時間におけるモルヒネ使用量の中央値の減少を示す。
Figure 2012523377
0を無痛、10を激痛とした0〜10の視覚的アナログ尺度(VAS)を用いた患者自己評価により、安静時及び体動時の疼痛を測定した。VAS評価は1、3、6、9、12、15、18、24、27、30、33、36、39、42、45、48時間目及び5日目まで1日毎に行った。プロトコールは、疼痛評価を得るために起きていることを患者に要求しないため、欠測した疼痛評価は予想された。欠測した疼痛評価を埋めるために、2つの方法を用いて値を帰属した。異なる時点における全体的疼痛の差を求めるために、最初の24時間、6〜24時間、及び12〜24時間におけるVAS疼痛曲線下面積を解析した。
ITT集団では、イブプロフェンを受けた患者は、モルヒネだけ(プラセボ)の患者と比べて、モルヒネの使用が約20%少なかったにも関わらず、研究時間15〜24時間目に疼痛が少なかった。イブプロフェン患者は、モルヒネだけ(プラセボ)の患者と比べて、24時間(p=0.009)、6〜24時間(p<0.001)、及び12〜24時間(p<0.001)にわたる体動時のVASのAUCが小さかった。疼痛の減少率を以下に示す。
Figure 2012523377
EEP集団では、800mgの群は、モルヒネだけ(プラセボ)の場合と比べて、モルヒネ節約効果に加えて、研究時間15〜24時間目の疼痛評価スコアが統計的に有意に減少していた。個別の時点における疼痛減少率を示す。イブプロフェン患者は、モルヒネだけ(プラセボ)の患者と比べて、24時間(p=0.021)、6〜24時間(p=0.004)、及び12〜24時間(p<0.001)にわたる体動時のVASのAUCが小さかった。疼痛減少率を以下に示す。
Figure 2012523377
ITT集団では、イブプロフェン群の患者は、モルヒネだけ(プラセボ)の患者と比べて、モルヒネ節約効果に加えて、研究時間9〜24時間目の疼痛が統計的に有意に少なかった。個別の時点における疼痛減少率を示す。イブプロフェン患者は、モルヒネだけ(プラセボ)の患者と比べて、24時間(p=0.003)、6〜24時間(p<0.001)、及び12〜24時間(p<0.001)にわたる安静時のVASのAUCが小さかった。疼痛減少率を以下に示す。
Figure 2012523377
EEP集団では、イブプロフェン群は、モルヒネだけ(プラセボ)の群と比べて、研究時間9〜24時間目(12時間目を除く)に疼痛が統計的に有意に減少していた。イブプロフェン患者は、モルヒネだけ(プラセボ)の患者と比べて、24時間(p=0.009)、6〜24時間(p<0.001)、及び12〜24時間(p<0.001)にわたる安静時のVASのAUCが小さかった。疼痛の減少率を以下に示す。
Figure 2012523377
処置期間にモルヒネ以外の麻薬性疼痛治療薬又は別のNSAIDの使用等の非麻薬性治療薬を必要とした患者を処置失敗と定義した。別の麻薬性治療薬(モルヒネ以外)又はNSAIDを開始した場合、CTMは中止した。ITT集団では、モルヒネだけ(プラセボ)の群と比べてイブプロフェン群は処置失敗の数が少なかったが、これは統計的に有意な差ではなかった(イブプロフェンでは7例(4%); プラセボでは11例(7%)、p=0.250)。
ITTにおいて消化管運動までの時間(単位は時間)は群間で同様であった:イブプロフェン(N=166)では9.4+0.87 SD;プラセボ(N=153)では11.2+1.40 SD、p=0.512。同様に、EEPにおける消化管運動までの時間(単位は時間)も群間で差はなかった:イブプロフェン(N=150)では9.2+0.90 SD;プラセボ(N=137)では11.1+1.49 SD、p=0.520。
ITT集団において、歩行までの時間(単位は時間)は、モルヒネだけ(プラセボ)の群(N=153;25.3+0.94)よりイブプロフェン処置群(N=166;23.4+0.50)の方が短かった(p=0.009)。同様に、EEP集団における歩行までの時間も、プラセボ群(N=137;25.6+1.01)よりイブプロフェン処置群(N=150;23.5+0.53)が短かった(p=0.018)。
ITTコホートにおける液体摂取までの時間はイブプロフェン群(N=166;12.1+0.83)とプラセボ群(N=153;13.4+0.75)で差はなかった(p=0.520)。同様に、EEPコホートにおける液体摂取までの時間もイブプロフェン群(N=150;12.4+0.89)とプラセボ群(N=137;13.0+0.77)で差はなかった(p=0.923)。
ITTコホートにおける固形食までの時間(単位は時間)はイブプロフェン群(N=166;41.0+2.46)とプラセボ群(N=153;41.1+1.75)で差はなかった(p=0.397)。同様に、EEPコホートにおける固形食までの時間も、イブプロフェン群(N=150;39.1+1.42)とプラセボ群(N=137;41.9+1.88)で差はなかった(p=0.161)。
ITTコホートにおける入院期間は、イブプロフェン群(N=166;62.4+21.01)とプラセボ群(N=153;64.9+19.57)で統計的な差はなかった(p=0.142)。同様に、EEPにおける入院期間もイブプロフェン群(N=150;62.8+21.58)とプラセボ群(N=137;65.7+19.73)で差はなかった(p=0.088)。
複合安全性評価では、びまん性の掻痒の発生、明らかな呼吸抑制、術後尿路留置カテーテルの必要性、術後嘔吐の発生又は制吐薬の必要性、Richmond Agitation Sedation Scale<−3を1点として記録し、群間で平均値を比較した。ITTにおいて複合安全性評価のスコアを解析した結果、イブプロフェン処置群とプラセボの間で統計的な差は見られなかった:800mgイブプロフェン(N=166)では0.7+0.71;プラセボ(N=153)では0.8+0.73、p=0.228。EEPにおいて複合安全性評価スコアを解析した結果、実剤群とプラセボ群の間に統計的な差は見られなかった:イブプロフェン(N=150)では0.7+0.70;プラセボ(N=137)では0.8+0.73、p=0.174。
24時間のモルヒネ使用量の帰属値をSAS(登録商標)PROC GLM(version 9.1.3)を用いて解析した。処置、年齢群、体重群、及び施設の因子をモデルに組み込んだ。(統計解析計画に予め定めたように、また、以下の表19に示すように)有効性変数の評価に以下のアプローチを用いた。最も簡単なモデル(線形)の残差を正規性に関して評価した。残差が正規性に関するモデルの仮定に反したため(後述するコルモゴロフ・スミルノフ検定により示される)、結論の頑健性を調べるために更なる手法を適用した。利用した方法には、対数変換及びボックス・コックス変換並びにその後のノンパラメトリック検定法が含まれる。結果を確認するためにランク変換を適用した。
表27は、主要評価項目である手術後の最初の24時間に使用されたモルヒネの合計(mg)の解析結果を要約したものである。2つの帰属方法、2つの研究集団、及び主要評価項目の4つの変換を以下に示す。2つの帰属方法から得られた結果は、2つの研究集団ITT及びEEPから得られた結果と同じであった。
結論
術後24時間において、静脈内イブプロフェンは、プラセボと比べて、オピオイドの使用量を減らし、患者自己評価で安静時及び体動時の疼痛を減少させた。
IVイブプロフェン処置患者はプラセボ患者よりもモルヒネの使用が有意に少なかった(p<0.001)。IVイブプロフェン処置された有効性評価可能患者は、プラセボ患者と比べて、モルヒネ消費量の中央値が21%減少していた。モルヒネ節約効果に加えて、800mgのIVイブプロフェンを受けた患者では、手術後の最初の24時間、6〜24時間、及び12〜24時間における体動時及び安静時のVASの曲線下面積による測定で、15〜42%の有意な疼痛の減少が見られた。歩行までの時間はイブプロフェン処置群で有意に短く、処置失敗はイブプロフェン群でわずかに少なかった。
群間で有害事象又は重篤有害事象を生じた患者の数に有意な差がなかったことから、安全性の問題は特定されなかった。更に、イブプロフェンの経口使用に通常関連する有害事象及び臨床検査室での評価に関して処置群間で差はなかった。
静脈内イブプロフェンは、手術後の患者に6時間毎に800mgの投与量で投与された場合に安全であり且つ十分に耐えられる効果的な鎮痛薬であり、安全であり且つオピオイドの使用量を減らすのに効果的である。
実施例3は、視覚及び言語による疼痛評価並びに潜在的モルヒネ節約効果の測定による、整形外科手術を受ける患者の疼痛管理に対する静脈内イブプロフェンの有効性及び安全性を評価するためのランダム化二重盲検プラセボ対照研究である。本研究の主要目的は、視覚的アナログ尺度(VAS)を用いた体動時疼痛の患者自己評価によって示される術後疼痛処置に対するプラセボと比べた静脈内イブプロフェンの有効性を決定することである。本研究の副次的目的は以下の通りである:1)VASを用いた安静時疼痛の患者自己評価により示される術後疼痛処置に対するプラセボと比べた静脈内イブプロフェンの有効性を決定すること;2)言語応答尺度(verbal response scale:VRS)を用いた安静時疼痛の患者自己評価により示される術後疼痛処置に対するプラセボと比べた静脈内イブプロフェンの有効性を決定すること;3)VRSを用いた体動時疼痛の患者自己評価により示される術後疼痛処置に対するプラセボと比べた静脈内イブプロフェンの有効性を決定すること;4)手術後の麻薬性鎮痛薬モルヒネの必要量の減少により示される術後疼痛処置に対するプラセボと比べた静脈内イブプロフェンの有効性を決定すること;5)手術後に麻薬性鎮痛薬モルヒネが最初に必要になるまでの時間により示される術後疼痛処置に対するプラセボと比べた静脈内イブプロフェンの有効性を決定すること;6)術後疼痛処置に対するプラセボと比べた静脈内イブプロフェンの安全性を決定すること;7)静脈内イブプロフェンの使用がオピオイド関連副作用の発生を減少させるかどうかを決定すること。
本研究に適格である患者は以下の選択基準を満たす:1)股関節又は膝関節の置換術、再建、又は関節形成術の待機手術が予定されており、術後に28時間を超えるIVモルヒネ鎮痛が必要であると予想される;2)適切な静注アクセス;3)24時間を超える入院が予想される。研究除外基準による要求は、患者が18〜80歳であることだけである。実施例1の結果に基づき、800mgのIVIbイブプロフェン投与を選択した。手術直後の24時間におけるモルヒネ使用量の減少を比較することで有効性を測定した。手術後24時間における麻薬性鎮痛薬モルヒネの必要量減少により有効性を測定した。
合計185名の参加者を、1)プラセボ(通常生理食塩水、100ml、静脈内生理食塩水)を受ける群又は(2)6時間毎に30分間かけて800mgのイブプロフェンを静脈内に注入される群の2群のいずれかにランダム化した。臨床試験材料(「CTM」)は250mLの通常生理食塩水と混合した。盲検化を確実にし、処置効果の解析が可能となるように、本研究の対照群(プラセボ)として生理食塩水を選択した。処置期間は術後最大5日間とした。投薬は、6時間毎に1回、計8回行い、その後、疼痛に必要であれば、最大で術後5日間、6時間毎に行った。
本研究では、手術後の最初の疼痛測定と同じ位早く疼痛の軽減が見られるかどうかを調べるために、外科手術の前にCTM初回投与を行った。本研究では、有効性評価可能集団(EEP)とintent to treat集団(ITT)の基準に基づいて参加者をランダム化して登録した。2つの年齢群(<45歳及び>45〜70歳)及び2つの体重群(<75kg及び>75kg)に基づいて群を層別化した。
有効性評価可能集団(EEP)とintent to treat集団(ITT)の基準に基づいて本研究の参加者をランダム化した。ITTには、ランダム化されてイブプロフェン投与の少なくとも一部を受けた全ての患者が含まれる。ITTに含まれる患者のうち、選択・除外規準又は研究実施に関して大きなプロトコール違反がなく、主要有効性評価が全て評価された患者が、EEPへの組込みに適格であり、具体的には、そのような患者は、少なくとも最初の4回のイブプロフェン投与を計画された投与時間の+60分以内に受けた、ITTに含まれる患者である。
適格患者を2つの処置群のいずれかにランダム化した。研究期間は7日間とした。CTMの初回投与は外科手術の前に麻酔開始とほぼ同時に行った。プロトコールに従い、その後の24時間にわたり、6時間毎にその後の4回のCTM投与を行った。患者が計画された5回のCTM投与を受けた場合、120時間の処置期間中、必要に応じて6時間毎に更にCTMを投与してもよい。疼痛に対してイブプロフェン又はプラセボ以外にはモルヒネだけが投与された。
全体のα水準を0.05とした分散分析及び共分散分析の手法を用いて、実剤投与とプラセボで、モルヒネ必要量について患者を評価及び評価した。プロトコールの統計解析セクションに記載されている適切な統計方法を用いて、処置群間で副次的な有効性パラメータも評価及び比較した。有害事象については、非調整カイ二乗検定及び施設について調整したCochran−Mantel−Haenszel検定を用いてAEが報告された患者の数に関して処置群を比較する代わりに、フィッシャー直接検定を用いて、5名以上の患者に報告された全てのAEについて処置群を比較した。
視覚的アナログ尺度を用いた疼痛の患者自己評価により示される術後疼痛処置に対するプラセボと比べた静脈内イブプロフェンの有効性を決定する主要目的を評価するために、以下の評価項目を測定した:プラセボ処置と比較した、術後期の体動時に評価したAUC−VAS(実剤処置)(研究時間6〜28時間目)。
術後疼痛処置に対するプラセボと比べた静脈内イブプロフェンの有効性を決定する副次的目的を評価するために、以下の評価項目を測定した:プラセボと比較したモルヒネ総使用量によって測定される、手術後から研究時間28時間目までの術後モルヒネ使用量の減少;プラセボ処置と比べた、術後期(研究時間6〜28時間目)の安静時に評価したAUC−VAS(実剤処置);プラセボ処置と比べた、術後期の処置期間全体の安静時に評価したAUC−VAS(実剤処置);プラセボ処置と比べた、術後期の処置期間全体の体動時に評価したAUC−VAS(実剤処置);プラセボ処置と比べた、術後期(研究時間6〜28時間目)に評価したAUC−VRS(実剤処置);プラセボ処置と比べた、術後期の処置期間全体の体動時に評価したAUC−VRS(実剤処置);疼痛強度の患者自己評価により測定され、術後最初に評価されたVASにより報告される安静時又は体動時の疼痛強度の減少;及びプラセボと比べた、モルヒネ総使用量により測定される術後から研究時間28時間目までの術後モルヒネ使用量の減少。
静脈内イブプロフェン投与がオピオイド関連副作用の発生を減少させるかどうかを決定するという副次的目的を評価するために、以下の個別評価を行った:腸の音、鼓腸、又は腸の活動の回復により測定される消化管運動までの時間;びまん性の掻痒;明らかな呼吸抑制;(手術用カテーテルを最初に除去した後の)術後尿路留置カテーテルの必要性;術後嘔吐の発生又は制吐薬の必要性;Richmond Agitation Sedation Scale(RASS);歩行の再開;液体摂取及び固形食の再開;及び入院期間の長さ。
静脈内イブプロフェン投与がオピオイド関連副作用の発生を減少させるかどうかを決定するという副次的目的を評価するために、以下の複合評価を行った:複合安全性評価:処置期間中における以下のそれぞれの発生に1点を付けた:(a)びまん性の掻痒、(b)明らかな呼吸抑制、(c)(手術用カテーテルを最初に除去した後の)術後尿路留置カテーテルの必要性、(d)術後嘔吐の発生又は制吐薬の必要性、(e)Richmond Agitation Sedation Scale<−3。各患者について、全事象の発生の平均合計数(合計0〜5)を処置群の間で比較した。
術後期(研究時間6〜28時間目)の視覚的アナログ尺度を用いた体動時疼痛の患者自己評価を測定することで、術後疼痛処置に対するの静脈内イブプロフェンの有効性が実証された。(主要評価項目の)VAS評価は、手術直後並びに6、8、12、16、20、24、及び28時間目に行った。
800mgの静脈内イブプロフェンを受けた患者は疼痛が少なかったことが、視覚的アナログ尺度用いた疼痛の患者自己評価により示された(体動時のAUC−VASを評価)。表12は、全処置群の患者で術後期の平均AUC−VASが25.8%減少したことを示している。
Figure 2012523377
表13は、ITTの患者で術後期の平均AUC−VASが25.8%減少したことを示している。
Figure 2012523377
表14は、EEPの患者で術後期の平均AUC−VASが22.7%減少したことを示している。
Figure 2012523377
副次的評価項目:モルヒネ使用量
手術後から研究時間28時間目までのモルヒネ使用量の減少を測定することで、プラセボと比較した静脈内イブプロフェンの術後疼痛処置に対する有効性が実証された。
800mgの静脈内イブプロフェンを受けた患者は、プラセボを受けた患者と比べて、モルヒネの使用が少なかった。表15は、AT集団の患者で術後期の平均モルヒネ使用量が30.9%減少したことを示している。
Figure 2012523377
表16は、ITTの患者で術後期の平均モルヒネ使用量が30.3%減少したことを示している。
Figure 2012523377
表17は、EPPの患者で術後期の平均モルヒネ使用量が33.3%減少したことを示している。
Figure 2012523377
術後期(研究時間6〜28時間目)の視覚的アナログ尺度を用いた安静時疼痛の患者自己評価を測定することで、術後疼痛処置に対する静脈内イブプロフェンの有効性が実証された。(主要評価項目の)VAS評価は、手術直後並びに6、8、12、16、20、24、及び28時間目に行った。
800mgの静脈内イブプロフェンを受けた患者は疼痛が少なかったことが、安静時に評価された視覚的アナログ尺度を用いた疼痛の患者自己評価により示された。表18は、全処置集団の患者で術後期の平均AUC−VASが31.8%減少したことを示している。
Figure 2012523377
表19は、ITTの患者で術後期の平均AUC−VASが31.9%減少したことを示している。
Figure 2012523377
表20は、EEPの患者で術後期の平均AUC−VASが26.9%減少したことを示している。
Figure 2012523377
術後期(研究時間6〜28時間目)の言語応答を用いた安静時疼痛の患者自己評価を測定することで、術後疼痛処置に対する静脈内イブプロフェンの有効性が実証された。(主要評価項目の)VRS評価は、手術直後並びに6、8、12、16、20、24、及び28時間目に行った。
800mgの静脈内イブプロフェンを受けた患者は疼痛が少なかったことが、AUC−VRSを用いた疼痛の患者自己評価によって実証された。表21は、AT集団の患者で術後期の平均AUC−VRSが20.2%減少したことを示している。
Figure 2012523377
表22は、ITTの患者で術後期の平均AUC−VASが20.2%減少したことを示している。
Figure 2012523377
表23は、EEPの患者で術後期の平均AUC−VASが21.2%減少したことを示している。
Figure 2012523377
CTMの初回投与は外科手術の開始前に行った。そこで、副次的目的として、手術直後の視覚的アナログ尺度を用いた疼痛の患者自己評価により示される術後疼痛処置に対するプラセボと比較した静脈内イブプロフェンの有効性を評価した。
手術直後の視覚的アナログ尺度を用いた疼痛の患者自己評価により、800mgの静脈内イブプロフェンを受けた患者では疼痛が少なかったことが示された。AT集団の患者では、手術直後における安静時の平均VASが15.8%減少し、体動時の平均VASが13.9%減少した。intent−to−treat集団の患者では、手術直後における安静時の平均VASが16.5%減少し、体動時の平均VASが14.3%減少した。
有効性評価可能集団の患者では、手術直後における安静時の平均VASが14.7%減少し、体動時の平均VASが13.6%減少した。
術後期(術後から120時間目まで)の視覚的アナログ尺度を用いた安静時又は体動時の疼痛の患者自己評価を測定することで、術後疼痛処置に対する静脈内イブプロフェンの有効性が実証された。VAS評価は手術直後並びに6、8、12、16、20、24、28、32、38、44、50、56、62、68、>72〜96、及び>96〜120時間目に行った。患者の大部分は5回しか投与を受けなかったが、術後から48時間目までについて時間加重したAUC−VASも計算した。術後から48時間までに取られた欠測のない全VAS評価を計算に用いた。欠測値の帰属は行わなかった。
術後から48時間目までの期間の視覚的アナログ尺度を用いた疼痛の患者自己評価により、800mgの静脈内イブプロフェンを受けた患者では疼痛が少なかったことが実証された。AT集団の患者では、術後から48時間目までの期間における安静時の平均AUC−VASが32.7%減少し、体動時の平均AUC−VASが26.4%減少した。
intent−to−treat集団の患者では、術後から48時間目までの期間における安静時の平均AUC−VASが32.7%減少し、体動時の平均AUC−VASが26.4%減少した。
有効性評価可能集団の患者では、術後から48時間目までの期間にける安静時の平均AUC−VASが27.6%減少し、体動時の平均AUC−VASが23.7%減少した。
処置失敗の発生、消化管運動までの時間、歩行再開までの時間、液体摂取再開までの時間、固形食再開までの時間、入院期間の長さを有効性の更なる指標とした。これらの有効性の更なる指標のいずれについても処置群の間で有意な差はなかったが、処置失敗の発生は処置群の間で数的な差があった。
結論
結論として、整形外科手術患者において麻酔開始と共に開始され、6時間毎に投与された、800mgの静脈内イブプロフェンは、疼痛及びモルヒネの必要性を軽減した。
プラセボと比べて、800mgの静脈内イブプロフェンを受けた患者では、術後期の研究時間6〜28時間目の体動時VAS−AUCにより測定される疼痛が有意に軽減された。全処置集団では、静脈内イブプロフェンを受けた患者において平均VAS−AUC(6〜28時間目、体動時)が25.8%減少した(p<0.001)。疼痛が少なかったことに加え、800mgの静脈内イブプロフェンを受けた患者はモルヒネの使用が少なかった。全処置集団では、術後期、研究時間6〜28時間目に、静脈内イブプロフェンを受けた患者のモルヒネ平均消費量が30.9%減少した(p<0.001)。
術後期、研究時間6〜28時間目の安静時のVAS曲線下面積及びVRSによって測定される疼痛も有意に軽減された(p<0.001)。全処置集団では、静脈内イブプロフェンを受けた患者で、平均VAS−AUC(安静時)が31.8%減少し、平均VRSが20.2%減少した(p<0.001)。
疼痛が少なかったことに加え、800mgの静脈内イブプロフェンを受けた患者はモルヒネの使用が少なかった。全処置集団では、静脈内イブプロフェンを受けた患者における平均モルヒネ消費量が30.9%減少した(p<0.001)。
少なくとも3名の患者で発生した処置による緊急有害事象では、静脈内イブプロフェン群で有意に多くの患者が嘔吐し、プラセボ群で有意に多くの患者が消化不良を生じた。プラセボを受けた患者と800mgの静脈内イブプロフェンを受けた患者の間で重篤有害事象の発生に統計的有意差はなかった。本研究中、死亡報告はなかった。
本研究の結果から、静脈内イブプロフェンが、整形外科手術に関連する疼痛管理に安全且つ効果的な鎮痛の選択肢であることが示された。手術前に投与することで、手術直後の疼痛の患者自己評価に有意な差が生じ、疼痛管理のためのモルヒネ必要量が減少した。処置患者における安全性プロフィールはプラセボ群と同様であり、深刻な安全性の問題はなかった。
〔結論〕
本明細書に記載の方法及び応用例への他の好適な改変及び適応が好適であり且つ本発明の範囲又はその任意の実施形態から逸脱することなくなされ得ることは、当業者に明らかである。本発明を特定の実施形態に関連して記載したが、これは記載した特定の形態に本発明を限定することを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神及び範囲に含まれ得る代替例、改変例、及び均等物も含まれることが意図される。

Claims (22)

  1. 手術を受けるヒト患者の疼痛軽減におけるイブプロフェンの使用であって、前記患者の術後疼痛を有意に軽減するのに有効な量の静脈内イブプロフェン製剤が手術前に前記患者に投与されることを含む、使用。
  2. 前記患者の前記術後疼痛が、最初の24時間の体動時及び安静時のVASの曲線下面積によって測定される、請求項1に記載の使用。
  3. 前記静脈内イブプロフェンが、術後少なくとも24時間にわたり術後6時間毎に前記患者に投与される、請求項1に記載の使用。
  4. 手術前に有効量のイブプロフェンが静脈内投与される、請求項1〜3に記載の使用。
  5. 前記イブプロフェンの1回投与量が約400〜約800mgである、請求項1及び4に記載の使用。
  6. 術後に前記ヒト患者に1又は複数のオピオイド鎮痛薬が投与される、請求項1及び4に記載の使用。
  7. 前記1又は複数のオピオイド鎮痛薬が、同じ外科手術を受けたヒト患者の疼痛管理に通常必要な量よりも少ない量で投与される、請求項6に記載の使用。
  8. 前記イブプロフェンの1回投与量が約800mgである、請求項7に記載の使用。
  9. 400mg及び800mgから選択される1回投与量のイブプロフェンが前記患者に静脈内投与されることで、術後最初の24時間以内の時点における体動時VAS及び/又は安静時VASの曲線下面積によって測定される疼痛が前記患者で有意に軽減される、請求項1に記載の使用。
  10. 前記時点が、手術後6〜24時間及び12〜24時間である、請求項9に記載の使用。
  11. オピオイド節約効果が得られるのに十分な投与量の前記静脈内イブプロフェンを前記患者に静脈内投与し、前記患者へのオピオイドの投与量を減らすことを可能にすることを更に含む、請求項1に記載の使用。
  12. オピオイド鎮痛薬の投与に関連する副作用を減少させるのに十分な投与量の前記静脈内イブプロフェンを静脈内投与することを更に含む、請求項1に記載の使用。
  13. オピオイド鎮痛薬だけを受けている患者と比べてオピオイド鎮痛薬を同時に投与されている患者の疼痛スコアを減少させるのに十分な投与量の前記静脈内イブプロフェンを静脈内投与することを更に含む、請求項1に記載の使用。
  14. 前記静脈内イブプロフェンが投与されない場合よりも早い時点で前記患者が術後に歩行可能になるような十分な投与量の前記イブプロフェンを静脈内投与することを更に含む、請求項1に記載の使用。
  15. 約800mgのイブプロフェンを、麻酔開始と同時に開始して6時間毎に静脈内投与することを更に含む、請求項11に記載の使用。
  16. 静脈内イブプロフェンを受けている前記ヒト患者で平均モルヒネ消費量が約30%減少する、請求項6に記載の使用。
  17. ヒト患者の術後疼痛軽減におけるイブプロフェンの使用であって、
    (i)患者に手術を開始する前に約800mgのイブプロフェンを静脈内投与する工程;
    (ii)前記患者の前記手術に関連する疼痛が緩和されるように前記患者に有効量のオピオイド鎮痛薬を投与する工程であって、前記有効量が、同じ外科手術を受けたヒト患者の疼痛管理に通常必要な量より少ない量である、工程;及び
    (iii)少なくとも手術の24時間後まで術後6時間毎に前記患者に800mgのイブプロフェンを更に静脈内投与する工程
    を含む、使用。
  18. 前記静脈内イブプロフェンにより、オピオイド節約効果が得られ、前記患者へのオピオイド投与量を減らすことが可能になる、請求項16に記載の使用。
  19. 前記静脈内イブプロフェンを受けているヒト患者の平均モルヒネ消費量が約30%減少する、請求項17に記載の使用。
  20. 整形外科手術を受けるヒト患者の術後歩行までの時間を改善するためのイブプロフェンの使用であって、前記イブプロフェンが、歩行までの時間を改善するのに有効な量で、麻酔開始と同時に開始されて少なくとも手術の24時間後まで6時間毎に静脈内投与される、使用。
  21. 前記イブプロフェンの1回投与量が約400〜約800mgである、請求項20に記載の使用。
  22. 同じ外科手術を受けたヒト患者の疼痛管理に通常必要な量よりも少ない量の少なくとも1つのオピオイド鎮痛薬が投与される、術後に前記ヒト患者に、請求項21に記載の使用。
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