JP2006515861A - イブプロフェンとオキシコドンを含有する単位剤形での急性痛の治療方法 - Google Patents

イブプロフェンとオキシコドンを含有する単位剤形での急性痛の治療方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、治療を必要とする患者における急性痛の鎮痛作用の速やかな発現を達成する方法において、有効鎮痛量の(a)オキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と、(b)イブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含む単位製剤(又は経口剤形)を経口投与する方法である。好ましくは、単位製剤は、(a)オキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と(b)イブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を、それぞれオキシコドン塩酸塩とイブプロフェンのモル当量の重量に対して約1:20から約1:100、より好ましくは約1:40から約1:80までの重量比で含む。好ましくは、部分的又は完全な鎮痛作用を30分以内にもたらすのに有効なオキシコドンとイブプロフェンの量が投与される。より好ましくは、その量は部分的又は完全な鎮痛作用を25分以内にもたらすのに十分である。オキシコドンとイブプロフェンの双方を含む経口剤形の投与により、何れの活性剤を単独で投与した場合よりも速い鎮痛作用の発現がもたらされることが見出された。更に、鎮痛作用の速やかな発現は、オキシコドンとイブプロフェンを別個の経口剤形で投与(つまり、オキシコドンを含む第一剤形とイブプロフェンを含む第二剤形の投与)するのではなく、双方の活性成分を含む単一の剤形の投与に少なくとも部分的には起因しているものであろう。本発明の方法は、限定されないが、中程度の及び/又は激しい急性術後疼痛(例えば歯の手術から生じるもの)を含む、急性術後疼痛を治療するのに特に有用である。

Description

この出願は、2002年11月29日出願の米国仮特許出願第60/429944号、2003年3月7日出願の米国仮特許出願第60/453044号、及び2003年9月26日出願の米国仮特許出願第60/506632号に基づく利益を主張し、これらの全てを出典明示によりここに取り込む。
発明の分野
本発明は、イブプロフェンとオキシコドンを含有する組成物を投与し、鎮痛作用の速やかな発現を達成することにより、急性痛(例えば急性術後疼痛)を治療する方法に関する。
発明の背景
経口鎮痛薬、例えばイブプロフェン(米国特許第3228831号及び3385886号)及び麻薬性鎮痛薬(例えばオキシコドン)は数十年前から知られている。しかし、麻薬性鎮痛薬は常習性になり、非経口投与により乱用される場合がある。そのため、鎮痛作用を得るために必要な麻薬性鎮痛薬の投薬量を減少させる研究がなされている。例えば、米国特許第4569937号は相乗的有効量のオキシコドンとイブプロフェンを含む鎮痛薬組成物を開示している。
経口鎮痛薬は、典型的には、速やかな鎮痛が主要目的である場合には、中程度の及び激しい急性痛には投与されない。Basics of Anesthesia, 第4版, R.K. Stoelting及びR.D. Miller (2000), p428にあるように、
「鎮痛薬の経口投与は、主に滴定可能性の欠如とピーク効果までの長い時間のために、中程度ないしは激しい急性術後疼痛への対応には最適であるとは思われない。伝統的には、術後患者は、鎮痛レベルの迅速な調節の必要性がないと思われる程度まで痛みが消えた場合には[非経口鎮痛薬から]経口鎮痛薬(アスピリン、アセトアミノフェニン、NSAID)に切り替えられる。・・・中程度ないしは激しい急性術後疼痛の治療に効果がある経口鎮痛薬に対する必要性が増している。」
Cooper等, Clinical Pharmacology & Therapeutics, PII-9 (Feb 1993)は、(1)5mgのオキシコドンカプセルと2x200mgのイブプロフェンカプセル、(2)2x200mgのイブプロフェンカプセルとプラセボカプセル、又は(3)3のプラセボカプセルが埋伏歯の外科切除のための痛みを有する患者に投与された臨床試験結果を報告している。またDionne, J. Oral Maxillofac Surg., 57:673-678 (1999)を参照のこと。
速やかな鎮痛作用をもたらす経口鎮痛薬が必要とされている。
発明の概要
本発明は、治療を必要とする患者における急性痛の鎮痛作用の速やかな発現を達成する方法において、有効量の(a)オキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と、(b)イブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含む単位製剤(又は経口剤形)を経口投与する方法である。好ましくは、単位製剤は、(a)オキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と(b)イブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を、約1:20(それぞれオキシコドン塩酸塩とイブプロフェンの遊離酸のモル当量の重量に対して)から約1:100、より好ましくは約1:40から約1:80までの重量比で含む。好ましくは、部分的又は完全な鎮痛作用を30分以内にもたらすのに有効なオキシコドンとイブプロフェンの量が投与される。より好ましくは、その量は部分的又は完全な鎮痛作用を25分以内にもたらすのに十分である。オキシコドンとイブプロフェンの双方を含む経口剤形の投与により、何れの活性剤を単独で投与した場合よりも速い鎮痛作用の発現がもたらされることが見出された。更に、鎮痛作用の速やかな発現は、オキシコドンとイブプロフェンを別個の経口剤形で投与(つまり、オキシコドンを含む第一剤形とイブプロフェンを含む第二剤形の投与)するのではなく、双方の活性成分を含む単一の剤形の投与に少なくとも部分的には起因しているものであろう。本発明の方法は、限定されないが、中程度の及び/又は激しい急性術後疼痛(例えば歯の手術から生じるもの)を含む、急性術後疼痛を治療するのに特に有用である。
好適な一実施態様によれば、経口剤形は、(それぞれオキシコドン塩酸塩とイブプロフェンの遊離酸のモル当量の重量に対して)約5mgから約10mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と、約350から約500mgのイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含む。例えば、経口剤形は、約5mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩(例えばオキシコドンHCl)と約400mgのイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含むことができる。他の例は、約10mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩(例えばオキシコドンHCl)と約400mgのイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含む経口剤形である。
本発明はまた治療を必要とする患者における急性痛を治療する方法において、約5から約10mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と、約350から約500mgのイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含む経口剤形を経口投与する方法を提供する。好適な実施態様では、経口剤形は約5から約10mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩(例えばオキシコドンHCl)と、約400mgのイブプロフェンを含む。
更に他の実施態様は、(a)イブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩と(b)オキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩(例えばオキシコドンHCl)を20:1から100:1の範囲内の重量比で含む経口剤形を患者に投与することを含む、麻酔後の患者が経験する急性術後疼痛における鎮痛作用の発現を促進する方法である。好ましくは、重量比は約40:1から約80:1の範囲である。経口剤形は約5から約10mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩を含む。「麻酔後」という用語は、麻酔が部分的に又は完全に消えるかなくなった後の痛みを被っている過去に麻酔がされた患者を意味する。
意外にも、本発明による急性痛の治療方法、つまりそのような痛みを被っている患者へのオキシコドンとイブプロフェンを含む単位剤形の投与は、何れかの成分を単独で投与するよりも鎮痛作用が統計的に有意に速やかな発現をもたらす。単一の剤形は異なった(より速やかな)イブプロフェン薬物動態学的性状を有することが示されており、これは鎮痛作用の有意に速やかな発動と一致している。単位剤形で最大イブプロフェン血漿中濃度が二つの剤形の組み合わせと比較して早く達成されている図4及び実施例8を参照のこと。更に、単一剤形は、より速やかなオキシコドン溶解速度を有しており、オキシコドンのより迅速な吸収が達成されることが示された。図12及び13(30−60分)及び実施例10を参照のこと。
本発明の単位剤形はまたこの鎮痛薬の投与に伴う副作用の妨害増加なしに剤形中に多くの量のイブプロフェンを使用することが可能になる。
更に他の実施態様は、(a)オキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と(b)イブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩と、(c)抗ピッキング有効量のシリカ化微結晶性セルロースを含む単位剤形である。単位剤形は直接圧縮法又は湿式造粒法によって調製することができる。錠剤は好ましくは約12から約18kpの硬度を有する。
本発明の好適な直接圧縮単位剤形は(a)(オキシコドン塩酸塩のモル当量の重量に対して)約0.7から約1.7重量%のオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と、(b)(イブプロフェンの遊離酸のモル当量の重量に対して)約64から約77重量%のイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩と、(c)直接圧縮された単位剤形の100重量%に対して、約15から約22重量%のシリカ化微結晶性セルロースを含む。
発明の詳細な記載
ここで使用される「約」という用語は、与えられた値の10%以内、好ましくは5%以内、より好ましくは与えられた値の1%以内を意味する。あるいは、「約」という用語は、値がその種類の値に対する科学的に許容可能な誤差範囲内に入り得ることを意味し、利用可能なツールが与えられた場合に測定が如何なる質になるかに依存する。
オキシコドンとその薬学的に許容可能な塩に対して特定された重量及び重量比は全てオキシコドン塩酸塩のモル当量の重量に基づく。
イブプロフェンとその薬学的に許容可能な塩に対して特定された重量及び重量比は全てイブプロフェンの遊離酸のモル当量の重量に基づく。
「急性痛」という用語は、短い時間、典型的には一ヶ月より短い間、続くか続くことが予想される痛みを意味する。「急性痛」という用語には、限定されるものではないが、中程度の、激しい、及び中程度から激しい急性痛が含まれる。
「急性術後疼痛」という用語は手術(例えば歯科手術(例えば臼歯の抜歯、特に第3大臼歯の抜歯))から生じる急性疼痛を意味する。急性術後疼痛は組織損傷、内臓膨満、又は疾病に対する生理的応答である。
ここで使用する「患者」という用語は哺乳動物、好ましくはヒトを意味する。
「薬学的に許容可能な」という語句は、哺乳動物に投与されたときに、生理学的に耐えられ、典型的にはアレルギー性又は同様な有害な反応、例えば異常亢進、目まい等を生じない添加剤又は組成物を意味する。
「治療」及び「治療する」という用語は痛みを低減させ又は軽減することを意味する。
ここで用いられる「有効鎮痛量」及び「有効量」という用語は、痛みを治療するために哺乳動物に投与されると痛みを治療するのに十分なオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩及びイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩の量を意味する。「有効鎮痛量」は痛みの重症度及び治療される哺乳動物に依存して変わりうる。好ましくは、投与されるオキシコドン及びイブプロフェンの量は投与30分以内に部分的な又は完全な鎮痛をもたらすのに有効なものである。より好ましくは、その量は投与22、23、24、25、26、27、28又は29分以内に部分的な又は完全な鎮痛をもたらすのに十分なものである。
オキシコドンの薬学的に許容可能な塩には、限定されるものではないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、二酒石酸塩、リン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、テレフタル酸塩及びパモン酸塩が含まれる。オキシコドンの好適な薬学的に許容可能な塩はオキシコドン塩酸塩である。
イブプロフェンは、任意の形態であってもよく、イブプロフェンUSP90%(DCI-90)を含む。イブプロフェンの薬学的に許容可能な塩には、限定されるものではないが、アルミニウム、カルシウム、カリウム、及びナトリウムのイブプロフェン塩が含まれる。
毎日投与される本発明の剤形中のオキシコドンの量は、好ましくは、体重1キログラム当たり約0.025又は0.05から約7.50ミリグラム(mg/kg)の範囲である。毎日投与される組成物中のイブプロフェンの量は、好ましくは、体重1キログラム当たり約5から約120ミリグラム(mg/kg)の範囲である。
好ましくは、オキシコドン及びその薬学的に許容可能な塩の少なくとも95重量%が15分後に経口剤形からFaSSIF中に放出される。イブプロフェンの最大血漿中濃度に好ましくは経口剤形投与後1.5時間以内に達する。
好適な実施態様では、経口剤形は約5から約10mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と約400mgのイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含む。例えば、経口剤形は約5又は約10mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩(例えばオキシコドンHCl)と400mgのイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含みうる。そのような経口剤は好ましくは毎日1から5回、より好ましくは毎日1から4回、患者に投与される。一実施態様によれば、そのような経口剤は1週間まで患者に投与される。
経口剤形は錠剤、丸薬、カプセル剤、カプレット剤、ボーラス、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、シロップ又は懸濁剤でありうる。経口剤形は好ましくは固形剤、例えば錠剤、丸薬、カプレット剤又はカプセル剤である。固形剤形は薬学的に許容可能な添加剤、例えば賦形剤、担体、希釈剤、安定剤、可塑剤、結合剤(バインダー)、流動促進剤(glidants)、崩壊剤、充填剤(bulking agents)、滑沢剤、可塑剤、着色料、皮膜形成剤(例えばOpadry White 及びOpadry II White)、香料添加剤、保存料、投与媒体(ビヒクル)、及び上記のものの任意のものの任意の組み合わせを含みうる。好ましくは、これら添加剤は薬学的に許容可能な添加剤、例えば出典明示によりここに取り込まれるRemington, The Science and Practice of Pharmacy, (Gennaro, A.R.編, 19版, 1995, Mack Pub. Co.)に記載されているものである。
イブプロフェンとオキシコドン塩酸塩を含む錠剤が調製すると、それらはピッキング(picking)の欠陥を示した。例えば以下の実施例2Aを参照のこと。特に、ロゴ及びデボス加工製品表示がピッキングされ読み取ることが難しくなり美的に満足できないものとなった。「ピッキング」という用語は、錠剤表面からの材料(例えばフィルム断片)の除去と他の物体(例えば他の錠剤又はパンチングマシーン)の表面へのその付着を意味する。Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets Volume 3, H. A. Lieberman及びL. Lachman編, Marcel Dekker, Inc. (1982)の101及び272頁を参照のこと。ピッキングは例えば錠剤が圧縮され又は転がった場合に起こりうる。除去される材料には、錠剤の表面に現れることが意図されているロゴ、モノグラム、レタリング、番号が含まれうる。
錠剤が直接圧縮法によって調製されたか湿式造粒法によって調製されたかに拘わらず、錠剤にシリカ化微結晶性セルロースを含ませるとピッキングの欠陥を取り除くことができることが意外にも見出された。そのため、より高価な印字技術がピッキング欠陥を防止するために必要となることはない。しかしながら、シリカ化微結晶性セルロースではなく、微結晶性セルロースとコロイド状二酸化ケイ素の混合物の配合ではピッキング欠陥を取り除けなかった。またシリカ化微結晶性セルロースは製剤の直接圧縮性を全く喪失させることはなく、又は投与時のイブプロフェン又はオキシコドン塩酸塩の放出を遅延させることはないことが見出された。
「抗ピッキング有効量」という用語は、ピッキング欠陥を実質的に排除するのに十分な量を意味する。好ましくは、錠剤は、それらが(1)ANSI/ASQC基準に従う許容可能な品質限界(Acceptable Quality Limits(AQL))に合致し、及び/又は(2)有意なデボス又はロゴ欠陥を示さないのに十分な量を含む。好ましくは、ANSI/ASQC基準に従うAQLに合致しない錠剤数は製造される錠剤の1%又は0.1%未満である。
シリカ化微結晶性セルロースは充填剤及び流動促進剤として作用する。「シリカ化微結晶性セルロース」という用語は、微結晶性セルロースの重量で、約0.1から約20重量%の二酸化ケイ素と同時加工された微結晶性セルロースの粒状凝集体を意味する。粒状凝集体中の微結晶性セルロースと二酸化ケイ素は互いに密接に結合している。シリカ化微結晶性セルロースの二酸化ケイ素部分は、好ましくは約1nmから約100μmの平均一次粒径を有する二酸化ケイ素から誘導される。一実施態様では、二酸化ケイ素の平均一次粒径は約5nmから約40又は50μmの範囲である。「一次粒径」とは凝集していない場合の粒子の径を意味する。
二酸化ケイ素は約10m/gから約500m/g、約50m/gから約500m/g、又は約175m/gから約350m/gの表面積を持ちうる。
一実施態様では、シリカ化微結晶性セルロースは、微結晶性セルロースの全100重量%に対して、約0.5重量%から約10重量%の二酸化ケイ素を含む。他の実施態様では、シリカ化微結晶性セルロースは、微結晶性セルロースの全100重量%に対して、約1.25重量%から約5重量%の二酸化ケイ素を含む。
一実施態様では、シリカ化微結晶性セルロースの含水量は約0.5から約2.5LOD(乾燥減量)、約0.5から約1.8LOD、約0.5から約1.5%LOD、又は約0.8から約1.2%LODの範囲である。
好適なシリカ化微結晶性セルロースには、限定されるものではないが、全てを出典明示によりここに取り込む米国特許第5725884号、第6103219号及び第6471994号に記載されているもの、及びプロソルブ(Prosolv)SMCC90(ニュージャージ州パターソンのペンウエスト・ファーマシュウティカルズ社から入手可能なコロイド状二酸化ケイ素NFと微結晶性セルロースNFの混合物である)が含まれる。
好適な結合剤には、限定されるものではないが、デンプン、ゼラチン、糖(ショ糖、糖蜜及び乳糖)、天然及び合成ガム(例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びロウ)が含まれる。
好適な流動促進剤には、限定されるものではないが、タルク及び二酸化ケイ素(例えばコロイド状二酸化ケイ素)が含まれる。
好適な崩壊剤には、限定されるものではないが、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウム、クロスポビドン(crospovidone)、クレー、セルロース(例えば、精製セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、アルギン酸塩、プレゼラチン化コーンスターチ、及びガム(例えば、寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン及びトラガカントガム)が含まれる。好適な崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。
好適な充填剤には、限定されるものではないが、デンプン(例えばコーンスターチ)、微結晶性セルロース、乳糖(例えばラクトース一水和物)、ショ糖、デキストロース、マンニトール、リン酸カルシウム及びリン酸二カルシウムが含まれる。
好適な滑沢剤には、限定されるものではないが、ステアリン酸、ステアリン酸塩(例えばステアリン酸カルシウム及びステアリン酸マグネシウム)、タルク、フマル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、水添された綿の実、及びヒマシ油が含まれる。
好適な錠剤製剤には以下の表に示すものが含まれる。
Figure 2006515861
固形剤形は、例えば湿式又は乾式造粒法によって、イブプロフェンとオキシコドンを薬学的に許容可能な担体と任意の他の所望添加剤と混合することによって調製することができる。混合物は、典型的には、オキシコドン、イブプロフェン、担体、及び任意の他の所望添加剤の均質な混合物が形成されるまで、つまり活性剤が混合物全体にわたって均一に分散されるまで、混合される。混合物は、例えば出典明示によりここに取り込まれるPharmaceutical Dosage Forms: Tablets, H. Liebermand及びL. Lachman, 1982に記載されたものを含む当該分野で知られている任意の方法(例えば直接圧縮法及び湿式造粒法)によって錠剤にすることができる。
経口剤形は好ましくは「即放性」剤形として処方される。経口剤形はまた「徐放」剤形として処方することもできる。「制御」、「持続」、「長期」又は「時間放出」剤形は、活性剤が、消化管に入った後又は胃液に接触した際に直ぐに分散されるのではなく、一般的には分、時間又は日数のオーダーで、典型的には約60分から約3日の範囲である所定の時間にわたって確かめることができ操作することができる速度で送達ビヒクルから放出されるときに生じる活性剤送達のタイプを記述する等価な用語である。制御放出速度は複数の因子の関数として変化しうる。制御放出の送達速度に影響を及ぼす因子には、粒径、組成、多孔性、電荷構造、送達ビヒクルと活性成分の水和度、環境(送達ビヒクルの内部か外部の何れか)の酸度、及び生理環境中、つまり消化管に沿った特定の位置での活性剤の溶解度が含まれる。制御放出形態の溶解試験の典型的なパラメータは米国薬局方基準<724>に見出される。
次の実施例は本発明を限定しないで例証するものである。特に別の定義を示さない限り、部及びパーセントの全ては重量基準である。
実施例1
オキシコドン/イブプロフェン錠剤の調製
イブプロフェン90%(DCI-90)(454.54mg/錠剤、400mg/錠剤イブプロフェンに等価)、オキシコドン塩酸塩(5.17mg/錠剤、5.00mg/錠剤オキシコドン塩酸塩に等価)及びポビドンUSP(ニュージャージ州ウェインのインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ・コーポレーションのプラスドン(Plasdone)K-30として入手可能)(4.55mg/錠剤)を5分間混合した。成分を精製水で粒状にした。湿った顆粒を乾燥させた後、コロイド状二酸化ケイ素NF(2.30mg/錠剤)、微結晶性セルロースNF(199.84mg/錠剤)及びステアリン酸NF(13.60mg/錠剤)を添加した。混合物を圧縮し、錠剤に水性コーティング濃縮物(Colorcon処方番号YSI-7085又はYSI-7411、ペンシルベニア州ウエストポイントのColorcon)(27.00mg/錠剤)をコーティングした。
実施例2
イブプロフェンUSP90%(DCI-90)(444.40mg/錠剤、400mg/錠剤イブプロフェンに等価)、オキシコドン塩酸塩USP(5.10mg/錠剤)及びポビドンUSP(4.50mg/錠剤)を高剪断造粒機で混合した。成分を精製水で粒状にし、湿った塊を流動床乾燥機を使用して乾燥させた。乾燥した顆粒を挽き、コロイド状二酸化ケイ素NF(2.80mg/錠剤)、デンプングリコール酸ナトリウムNF(22.80mg/錠剤)、微結晶性セルロースNF(40.90mg/錠剤)、ラクトース一水和物NF(41.40mg/錠剤)、ステアリン酸NF(13.60mg/錠剤)及びステアリン酸カルシウムNFの一部(7.50mg/錠剤)と共にツインシェルブレンダーで35分間混合した。ステアリン酸カルシウムNFの残りの部分をブレンダーに添加し、更に5分混合した。混合物をロータリー錠剤プレスを使用して圧縮した。ついで、穴あきコーティングパンを用いて錠剤にOpadry White(17.50mg/錠剤)をコーティングした。
実施例2A
Opadry Whiteコーティングをしないで実施例2の手順に従って錠剤を調製した。全ての材料を一緒にし、それらを20rpmで回転する10-ftのブレンダーで40分混合した。ついで、混合物をロータリー錠剤プレスで圧縮した。圧縮操作後殆ど直ぐにスティッキングを観察した。10分後、錠剤の外観は許容できないものと思われ、圧縮を終了した。
実施例3
イブプロフェンUSP90%(DCI-90)(222.22mg/錠剤、200mg/錠剤イブプロフェンに等価)、オキシコドン塩酸塩USP(5.10mg/錠剤)及びポビドンUSP(2.25mg/錠剤)を高剪断造粒機で混合した。成分を精製水で粒状にし、湿った塊を流動床乾燥機を使用して乾燥させた。乾燥した顆粒を挽き、コロイド状二酸化ケイ素NF(1.40mg/錠剤)、デンプングリコール酸ナトリウムNF(11.40mg/錠剤)、微結晶性セルロースNF(28.45mg/錠剤)、ラクトース一水和物NF(28.63mg/錠剤)、ステアリン酸NF(6.80mg/錠剤)及びステアリン酸カルシウムNFの一部(3.75mg/錠剤)と共にツインシェルブレンダーで35分間混合した。ステアリン酸カルシウムの残りの部分をブレンダーに添加し、更に5分混合した。混合物をロータリー錠剤プレスを使用して圧縮した。ついで、穴あきコーティングパンを用いて錠剤にOpadry White(9.30mg/錠剤)をコーティングした。
実施例4
イブプロフェンUSP90%(DCI-90)(444.40mg/錠剤、400mg/錠剤イブプロフェンに等価)、オキシコドン塩酸塩USP(5.10mg/錠剤)及びポビドンUSP(4.50mg/錠剤)を高剪断造粒機で混合した。成分を精製水で粒状にし、湿った塊を流動床乾燥機を使用して乾燥させた。乾燥した顆粒を挽き、コロイド状二酸化ケイ素NF(2.80mg/錠剤)、デンプングリコール酸ナトリウムNF(22.80mg/錠剤)、微結晶性セルロースNF(40.90mg/錠剤)、ラクトース一水和物NF(41.00mg/錠剤)、ステアリン酸NF(13.60mg/錠剤)及びステアリン酸カルシウムNFlotの一部(7.50mg/錠剤)と共にツインシェルブレンダーで35分間混合した。ステアリン酸カルシウムの残りの部分をブレンダーに添加し、更に5分混合した。混合物をロータリー錠剤プレスを使用して圧縮した。ついで、穴あきコーティングパンを用いて錠剤にOpadry II White(17.50mg/錠剤)をコーティングした。
実施例4A
10.2mg/錠剤のオキシコドン塩酸塩USP、22.8mg/錠剤のデンプングリコール酸ナトリウムNF及び35.8mg/錠剤の微結晶性セルロースNFを用いて実施例4の手順を繰り返した。
実施例5
プロソルブ(Prosolv)SMCC90(ニュージャージ州パターソンのペンウエスト・ファーマシュウティカルズ社から入手可能なコロイド状二酸化ケイ素NFと微結晶性セルロースNFの混合物である)(104.2mg/錠剤)とオキシコドン塩酸塩USP(5.0mg/錠剤)をツインシェルブレンダーで10分間混合した。イブプロフェンUSP90%(DCI-90)(全450.0mg/錠剤)の一部(およそ25%又は112.5mg/錠剤)を添加し、10分間混合した。ステアリン酸NF(13.6mg/錠剤)、ステアリン酸カルシウムNF(4.5mg/錠剤)、デンプングリコール酸ナトリウムNF(22.7mg/錠剤)、及び残りのイブプロフェンUSP90%(およそ337.5mg/錠剤)をブレンダーに添加し、40分混合した。混合物をロータリー錠剤プレスを使用して圧縮した。ついで、穴あきコーティングパンを用いて錠剤にOpadry II White(18.0mg/錠剤)をコーティングした。
実施例6
10.0mg/錠剤のオキシコドン塩酸塩USPと99.2mg/錠剤のプロソルブSMCC90で実施例5の手順を繰り返した。
実施例7
オキシコドンHClとイブプロフェンを含む単位製剤の鎮痛効果を評価するために次の二種の臨床試験を実施した。
試験1
498名の患者に対して無作為に二重盲検プラセボ対照及びアクティブ対照、多施設パラレル試験を実施した。少なくとも2つの同側骨埋伏智歯の外科切除後の中程度から激しい痛みを持つ患者にオキシコドンHCl/イブプロフェン5/400mgの組み合わせ(単一錠剤として)(実施例4に記載のようにして調製)、5mgオキシコドンHCl、400mgイブプロフェン、又はプラセボの単一用量を与えた。全鎮痛及び痛み強度差の合計の一次効能パラメータを投薬後6時間の間、評価した。
5mgオキシコドンHCl/400mgイブプロフェンの錠剤(21.4分)は、400mgイブプロフェン(29.7分)(P<0.01)又は5mgオキシコドンHCl(>360分)(P<0.001)と比較して鎮痛作用の早期の発現を生じさせた。オキシコドンHCl/イブプロフェン錠剤は鎮痛作用の発現についてイブプロフェン単独の場合よりも28%早い中央時間を有していた(21.4対29.7分)。
試験2
マルチサイト二重盲検パラレルグループ試験において、少なくとも2つの同側骨埋伏智歯の外科切除後の中程度から激しい痛みを持つ患者に無作為にオキシコドンHCl/イブプロフェン5/400mg(単一錠剤)(n=171)(実施例4に記載のようにして調製)、オキシコドンHCl/イブプロフェン10/400mg(単一錠剤)(実施例4Aに記載のようにして調製)(n=169)、400mgイブプロフェン(n=171)、5mgオキシコドンHCl(n=57)、10mgオキシコドンHCl(n=57)、及びプラセボ(n=57)の単一用量を与え、投薬後6時間の間、評価した。5mgオキシコドンHCl/400mgイブプロフェン、10mgオキシコドンHCl/400mgイブプロフェン、400mgイブプロフェン、5mgオキシコドンHCl及び10mgオキシコドンHClに対する鎮痛作用の発現の中間時間はそれぞれ25.4、22.5、28.0、67.3及び63.4分であった。
これらの二通りの試験の結果をプールした。図1−3は、5mgオキシコドン/400mgイブプロフェン、400mgイブプロフェン、5mgオキシコドンHCl、及びプラセボに対してのプールデータについてそれぞれ6時間にわたる痛み強度差(PID)、鎮痛(PR)スコア、及び鎮痛と痛み強度差の組み合わせ(PRID)を示す。プールした分析では、5mgオキシコドンHCl/400mgイブプロフェンに対する鎮痛作用の発現の中央値は22.9分で、これはイブプロフェン単独の場合(29.0分)よりも有意に(p<0.05)短かった。中央時間はオキシコドン及びプラセボ群に対しては、これらの群の患者が鎮痛作用を受けたのは50%未満であったので、推定できなかった。
実施例8
健康な男性被験者における無作為2方向交差試験を実施した。被験者はランダムな順で次の処置を受けた:
A.一晩絶食後、240mLの水と共に実施例1の方法(5mgオキシコドンHClと400mgイブプロフェン)で調製された一錠の錠剤、及び
B.一晩絶食後、240mLの水と共にオキシコドン錠剤(5mg)1錠と2x200mgの即時放出メディプレン(登録商標)イブプロフェンカプレット(ニュージャージ州ニューブランズウィックのジョンソン・アンド・ジョンソンから入手可能)。
期間中7日の中止期間があった。
24名の男性被験者が試験を受けた。被験者全員が試験を完了した。被験者の平均年齢は25±5歳(範囲、20−38歳)であった。
2回の治療剤の投与後、0.0時間(投薬前)及び0.5、1、1.5、2、3、4、6、7、及び10時間に血液試料を採取した。血液試料を収集し、血漿を、オキシコドン及び全イブプロフェン濃度について分析した。
イブプロフェンとオキシコドンに対する平均血漿中濃度の時間特性を図4及び5にそれぞれ示す。対数変換データを使用する二の片側検定法に基づく、オキシコドンとイブプロフェンに対する平均Cmax、AUG0−t、AUG0−∞、Tmax、及びT1/2(±標準偏差)を表1及び2にそれぞれ示す。
Figure 2006515861
Figure 2006515861
実施例9
この試験の目的はCaco-2細胞単層を通るその透過性特性に対するイブプロフェンとオキシコドン管の潜在的薬物間相互作用の効果を研究することである。5mgのオキシコドン(塩酸塩、この試験に使用したオキシコドンの全質量濃度は、その遊離塩ではなく、塩酸塩の全重量に基づいた)と400mgのイブプロフェンを含むイブプロフェン/オキシコドンHCl錠剤を使用した。イブプロフェンに対するオキシコドンの用量比は1:80(w/w)であった。オキシコドン塩酸塩の分子量は351.87であり、イブプロフェンの分子量は206.28であった;従って、オキシコドン/イブプロフェン(5mg/400mg)のモル比は1:136である。文献によれば、オキシコドンの絶対生物学的利用能は87%と報告されており、イブプロフェンの生物学的利用能は100%に近いと報告されている。Leow, K.P., Smith, M.T., Williams, B.及びCramond, T., "Single-Dose and Steady State Pharmacokinetics and Pharmacodynamics of Oxycodone in Patients with Cancer", Clin. Pharmacol. Ther., 52: 487-495 (1992); Hall, S.D., Rudy, A.C., Knight, P.M.及びBrater, D.C., "Lack of Presystemic Inversion of (R)- to (S)-Ibuprofen in Humans", Clin Pharmacol. Therap., 53: 393-400 (1993)。Caco-2細胞単層は経口薬物吸収を予測するための腸粘膜モデルとして使用されている(P. Artursson. Epithelial transport of drugs in cell culture. I: A model for studying the passive diffusion of drugs over intestinal absorptive (Caco-2) cells. J Pharm Sci. 79:476-482. (1990))。オキシコドンとイブプロフェンの輸送実験を、Caco-2細胞単層にわたる基底外側(BL)方向の先端(AP)において実施した。
材料
Caco-2細胞単層を実験室で成長させた。ハンクスバランス塩液バッファー(HBSS)を実験室で調製した。
オキシコドンとイブプロフェンの投与液の調製
0.02mg/mlのオキシコドン塩酸塩と0、0.8、1.6又は3.2mg/mlのイブプロフェンを含む溶液を次のようにして調製した。DMSO中のオキシコドンの一原液(10mg/ml、塩酸塩)を調製した。DMSO中のイブプロフェンの二の原液(100mg/ml及び200mg/ml)を調製した。オキシコドンの溶液(0.02mg/ml、塩酸塩)を、HBSS中に原液を希釈することにより(pH=6.8)、作製した。全体で40及び80μlのイブプロフェンDMSO原液(100mg/ml)及び80μlのイブプロフェンDMSO原液(200mg/mlイブプロフェン)を5mlのオキシコドン溶液(0.02mg/ml)にそれぞれ移した。投与液中のイブプロフェンの濃度はそれぞれ0、0.8、1.6及び3.2mg/mlであった。全ての供与側及び受取側溶液中のDMSO濃度は1.6%に調節した。
イブプロフェンの溶液(0.2mg/ml)を、10mlのHBSS(pH=6.8)中にイブプロフェン原液(10mg/ml)200μl移して調製した。0、2.5、5及び10μlのオキシコドンDMSO原液(10mg/ml)を10mlの上述のイブプロフェン溶液(200μg/ml)にそれぞれ移した。これら溶液中のオキシコドン(塩酸塩)の濃度はそれぞれ0、2.5、5及び10μg/mlであり、供与側区画中のDMSO濃度は約2%であった。受取側溶液中のDMSO濃度は2%に調節した。
実験
12ウェルのトランスウェル(TRANSWELL(登録商標))システム(マサチューセッツ州ケンブリッジのCostar)でCaco-2細胞単層を使用して輸送実験を実施した。全ての実験は水振盪浴中で絶えず混合しながら(60rpm)37℃で実施した。各挿入物のAP及びBL区画の双方を37℃HBSS(pH=7.4)で2回洗浄し、15分間インキュベートした。HBSSのpH値は供与側(AP)が6.8、受取側(BL)溶液が7.4とした。500μlの溶液をAP区画に加え、1500μlの溶液をBL区画に配した。一定分量(750μl)を20分の時間間隔で80分まで受取側から取り出した。HBSSを採取後に受取側に配した。一定分量(50μl)を10分と80分で供与側から取り出した。各処理を三組実施した。細胞単層の膜完全性を、細胞単層の経上皮電気抵抗(TEER)を測定することにより輸送実験の前後でモニターした。ついで、試料をLC/MS/MS分析にかけた。
APからBLへの方向へのCaco-2細胞単層にわたるオキシコドン(0.02mg/ml)の輸送を、イブプロフェンの濃度の増加がある場合(0、0.8mg/ml、1.6mg/ml及び3.2mg/ml)とそれがない場合において測定した。イブプロフェンに対するオキシコドンの用量比はそれぞれ0、1:40、1:80及び1:160(w/w)であった。
APからBLへの方向へのCaco-2細胞単層にわたるイブプロフェン(0.2mg/ml)の輸送を、オキシコドンの濃度の増加がある場合(0、2.5μg/ml、5μg/ml及び10μg/ml)とそれがない場合において実施した。イブプロフェンに対するオキシコドンの用量比はそれぞれ0、1:80、1:40及び1:20(w/w)であった。
見かけ透過係数(Papp)値を、式:
app=ΔQ/Δt/(A*C) (1)
ここで、ΔQ/Δtは受取側液中の質量の線形見かけ速度で、Aはフイルター/細胞表面積(1cm)であり、Cは試験化合物の初期濃度である。
二つの平均値間でスチューデントの両側t検定を使用して統計解析を実施した。0.05未満の確率(p<0.05)は統計的に有意であると考えた。
結果
以下の表3と図6に示すように、オキシコドンはCaco-2細胞単層にわたる5.42±0.09x10−5cm/sのPapp値を有していた。0.8mg/mlのイブプロフェンの存在下で、オキシコドンの透過性は5.69±0.14x10−5cm/sまで増加した。1.6mg/mlの濃度のイブプロフェンは、効果は有意ではなかったけれども、オキシコドンの透過性を辛うじて増加させたようであった。3.2mg/mlのイブプロフェンをHBSS中で調製した場合、イブプロフェンは沈殿物を生成し、オキシコドンの透過性を5.05±0.05x10−5cm/sまで僅かに減少させた。オキシコドンの一部は輸送媒体から共沈殿し、輸送に利用できるオキシコドンの量が少なくなり、よってオキシコドンの全透過性を減少させるかもしれない。Caco-2細胞単層の膜完全性を輸送実験の前後でモニターした。細胞単層のTEER値は輸送実験の前で980−1002Ωcmの範囲であり、値は輸送実験の実施後に変化しなかった。従って、実験で使用したイブプロフェンとオキシコドンはCaco-2細胞単層の完全性を損なわなかった。
Figure 2006515861
イブプロフェン単独は80分の輸送時間にわたってオキシコドンの全透過性に対して僅かな効果を示したが、Caco-2細胞単層にわたるオキシコドンの初期輸送速度を有意に増大させた。表4と図7に示されるように、最初の20分の輸送時間後に、頂端から基底外側区画まで輸送されたオキシコドンの割合は、0.8mg/ml及び1.6mg/mlのイブプロフェンの存在下でそれぞれ15%から20%及び19%まで増加した。3.2mg/mlの濃度でのイブプロフェンは輸送媒体からのその沈殿のためにオキシコドンの輸送を増加させなかった。薬剤の作用の発現速度は薬剤が吸収されその治療範囲の下限濃度まで蓄積される時間に依存するので、GI管中でのオキシコドンとイブプロフェンの初期吸収速度は作用のより速やかな発現に重要な役割を果たしているかもしれない。イブプロフェンによるオキシコドンの初期輸送速度の増加は、オキシコドン/イブプロフェン製剤の作用の速やかな発現に寄与している蓋然性が高い。
Figure 2006515861
オキシコドンは第3級アミン分子である。そのpKaは約9である。それはあらゆる生理的pHにおいて高い電荷を持っている。1:40(オキシコドン:0.02mg/ml、イブプロフェン0.8mg/ml)及び1:80(オキシコドン:0.02mg/ml、イブプロフェン1.6mg/ml)のオキシコドン/イブプロフェン用量比では、輸送バッファー中におけるイブプロフェンに対するオキシコドンのモル比はそれぞれ1:68及び1:136であった。溶液中の各オキシコドン分子はそれを囲む多数のイブプロフェン分子を有していた。オキシコドンは、ベンゼン酢酸誘導体のイブプロフェンと相互作用して、極性がより低い有機イオン対を形成し、それによってその生体膜透過速度を増加させうる。
イブプロフェンは高度に透過性の薬剤であると報告されている(FDA CDER, Guidance for Industry: Waiver of In Vivo Bioavailability and Bioequivalence Studies for Immediate Release Solid Oral Dosage Forms Containing Certain Active Moieties/ Active Ingredients Based on a Biopharmaceutics Classification System. Food and Drug Administration: Rockville, MD, 2000. 1197-1204)。上に記されているように、イブプロフェンの生物学的利用能は100%に近い。以下の表5と図8に示すように、イブプロフェンは5.65±0.43x10−5cm/sのCaco-2透過性値を有しており、これはその高度に透過性の特性に一致している。1:80、1:40及び1:20(w/w)のオキシコドン/イブプロフェン用量比でのオキシコドンの存在下では、イブプロフェンのCaco-2透過性は対照と変わらなかった(表5及び図8)。輸送バッファー中での1:80、1:40及び1:20(w/w)のオキシコドン/イブプロフェン用量比では、イブプロフェンに対するオキシコドンのモル比はそれぞれ1:136、1:68及び1:34であった。
Figure 2006515861
まとめると、イブプロフェンはCaco-2細胞単層を越えるオキシコドンの初期輸送速度を増大させた。患者におけるオキシコドンの速やかな蓄積は鎮痛作用の速やかな発現を生じうる。
実施例10
実施例4において調製された400mgのイブプロフェンと5mgのオキシコドン塩酸塩を含む単位錠剤、200mgのイブプロフェンを含む錠剤(ニュープリン(Nuprin)(登録商標)錠剤)及び5mgのオキシコドン塩酸塩を含む錠剤(ロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤)からのイブプロフェンとオキシコドンの溶解及びCaco-2細胞単層透過特性を、図9に示す連続溶解/Caco-2細胞単層系において比較した。連続溶解/Caco-2系はVankel溶解装置(I又はII)(ノースカロライナ州カリーのVarian社から入手可能)と並んでいる拡散細胞を含む。この系では、溶解とCaco-2細胞単層を越える薬剤の透過が連続的に生じる。従って、Caco-2細胞単層の受取側に現れる薬剤の蓄積のモニタリングにより、剤形の経口薬剤吸収を予測することができる。
実験
Caco-2細胞単層を実験室で成長させた。絶食状態模擬小腸液(FaSSIF)バッファーとハンクスバランス塩液バッファー(HBSS)を、J. B. Dressman, G. L. Amidon, C. Reppas及びV. P. Shah, "Dissolution testing as a prognostic tool for oral drug absorption: immediate release dosage forms", Pharm Res. 15:11-22 (1998);及びF. Tang及びR. T. Borchardt, "Characterization of the efflux transporter(s) responsible for restricting intestinal mucosa permeation of a coumarinic acid-based cyclic prodrug of the opioid peptide DADLE", Pharm. Res. 19: 787-793 (2002)に記載されているようにして、実験室で調製した。
FaSSIFバッファーは、経口投与された剤形のインビボ特性を予想するためにバイオ関連バッファーとして使用されている(J. B. Dressman, G. L. Amidon, C. Reppas及びV. P. Shah, "Dissolution testing as a prognostic tool for oral drug absorption: immediate release dosage forms",Pharm Res. 15: 11-22 (1998))。FaSSIFバッファーはまたCaco-2細胞単層と適合性があることが見出されている(F. Ingels, S. Deferme, E. Destexhe, M. Oth, G. Van den Mooter and P. Augustijns. Simulated intestinal fluid as transport medium in the Caco-2 cell culture model. Int J Pharm. 232:183-192 (2002))。従って、溶解試験をUSP装置II(50rpm、37℃)でFaSSIFバッファー中で実施した。図9に示すように、各溶解容器において、5/400単位錠剤一錠、ニュープリン(Nuprin)(登録商標)錠剤二錠(一錠当たり200mgのイブプロフェン、ニューヨーク州ニューヨークのブリストルマイヤースクイブ社から入手可能)、ロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤一錠(オハイオ州コロンバスのロキサン・ラボラトリーズ社から入手可能)、又はニュープリン(Nuprin)(登録商標)錠剤二錠とロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤一錠の組み合わせを、USP装置I(100rpm)にて、37℃で500mlのFaSSIFバッファーにそれぞれ溶解させた。溶解媒体を10μm溶解フィルターで濾過し、蠕動ポンプによって並んでいる拡散細胞の供与側区画に移した。拡散細胞の供与側及び受取側区画の間にはCaco-2細胞単層が設けられており、該単層はポリカーボネートスナップウェル(Snapwell(登録商標))フィルター(マサチューセッツ州ケンブリッジのCostarから入手可能)上で成長させ、21−28日培養したものである。溶解-透過試験の間、溶解媒体は供与側区画から溶解容器に連続的に再循環されており、従って、並んでいる拡散細胞の供与側区画中の薬剤濃度は溶解バッファーの濃度と同時に変化した。並んでいる拡散細胞の供与側区画中の媒体の容積は7mlに維持した。並んでいる拡散細胞の受取側区画を7mlのHBSSで満たした。一定分量(5ml)を5、10、15、20、30、40、50及び60分に溶解媒体から取り出した。溶解容器からCaco-2細胞単層表面に薬剤を循環させるのに約3分かかったことを考慮して、4mlのHBSSを8、13、18、23、33、43、53及び63分に拡散細胞の受取側から取り出した。4mlの予め温めた37℃のHBSSを受取側区画に戻した。試料をHPLC又はLC/MSを使用して分析した。定量下限(LLQ)はオキシコドンのLC/MS分析で5ng/mlであった。LLQ以下の薬剤濃度は計算では0ng/mlと考えた。
数学モデル
浸漬条件では、溶解バッファー中の薬剤濃度は、単純化されたノイズ-ホイットニーの式2を使用して計算することができる
dC/dt=K x Cs (2)
ここで、Kは製剤の見かけ溶解速度定数であり、Csは溶解バッファー中の薬物物質の溶解度である。
従って、時間tにおける薬剤濃度(Ct)は式3によって計算することができる。
Ct=K x Cs x t (3)
Caco-2単層を越える薬剤透過性は、修正されたフィックの第一法則の式4を使用して計算することができる。
dM/dt=Papp x A x Ct (4)
ここで、dM/dtは受取側に現れる薬物の量の速度で、RappはCaco-2細胞単層を越える見かけの薬剤透過定数であり、AはCaco-2細胞単層の表面積で、スナップウェル(Snapwell(登録商標))系では1cmであり、Ctは供与側区画の薬剤濃度で、溶解バッファー中の濃度に等しく、式2で計算される。
式3を式4に代入すると、次式を得る。
dM/dt=Papp x A x K x Cs x t (5)
式5を積分すると、次式を得る。
Mt=1/2 x Papp x A x K x Cs x t (6)
ここで、Mtは並んだ拡散細胞の受取側中の薬剤蓄積量である。Mtは全薬剤吸収動態学への溶解及び透過過程の寄与をまとめるものである。よって、Mtのモニタリングにより、剤形の経口薬剤吸収を予想することができる。
二つの平均値間でスチューデントの両側t検定を使用して統計解析を実施した。0.05未満の確率(p<0.05)は統計的に有意であると考えた。
結果
図10は、5/400単位錠剤、ニュープリン(Nuprin)(登録商標)錠剤、及びニュープリン(Nuprin)(登録商標)及びロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤の組み合わせからのイブプロフェンの溶解速度を示している。全ての製剤はFaSSIFバッファー中で速いイブプロフェン溶解速度を有していた、つまり80%を越えるイブプロフェンが20分で溶解した。全製剤から溶解バッファー中に溶解したイブプロフェンは40、50及び60分の後の時点で100%に近づいた。溶解/Caco-2細胞単層系におけるイブプロフェンに対する吸収データ(図11)は溶解結果と一致していた。図11に示すように、Caco-2拡散系の受取側において吸収されたイブプロフェンの蓄積量は3通りの処置に対して同様であった。
5/400単位錠剤、ロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤、及びニュープリン(Nuprin)(登録商標)及びロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤の組み合わせからのオキシコドンの溶解速度は速かった。図12に示すように、90%を越えるオキシコドンが3通りの処置に対して30分以内に溶解した。5/400単位錠剤からのオキシコドンの溶解速度は極めて速く、つまりオキシコドンの100%が15分で溶解した。5/400単位錠剤から溶解したオキシコドンの量は、10、15及び20分においてロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤、及びニュープリン(Nuprin)(登録商標)及びロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤の組み合わせからのオキシコドンの量よりも多かった(図12)。図13はCaco-2系の受取側でのオキシコドンの蓄積量を示す。5/400単位錠剤から吸収されたオキシコドンの蓄積量は他の二通りの処置からよりも多くの蓄積の傾向を示した(図13)。ニュープリン(Nuprin)(登録商標)及びロキシコドン(Roxicodone)TMの組み合わせの処置に対してCaco-2系の受取側区画に現れるオキシコドンの蓄積量は、30、40、50及び60分の時点での5/400単位錠剤及びロキシコドン(Roxicodone)TM処置の場合のオキシコドンの蓄積量よりも少なかった(図13)。数学モデルのセクションにおいて検討したように、溶解/Caco-2細胞単層系の受取側における薬剤の蓄積量(Mt)により、剤形の経口薬剤吸収を予想できる。従って、上述のデータは5/400単位錠剤からのオキシコドンの経口吸収がニュープリン(Nuprin)(登録商標)及びロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤の組み合わせよりも速いことを示していると思われる。オキシコドンがイブプロフェンの鎮痛効果を改善するために5/400単位錠剤に含められているため、オキシコドンの速やかな吸収速度により、ニュープリン(Nuprin)(登録商標)及びロキシコドン(Roxicodone)TMの組み合わせよりも5/400単位錠剤の作用がより速やかに発現しうる。
溶解/Caco-2細胞単層系における5/400単位錠剤からのオキシコドンのより速やかな溶解速度と多量の吸収は、5/400単位錠剤からのオキシコドンの速やかな経口吸収がこの薬剤製剤の作用の速やかな発現の潜在的な理由であるかもしれないことを示唆する。
ここで引用した全ての文献を出典明示により取り込む。明細書と文献の間に矛盾がある場合には、ここで示した開示が優先する。
5mgのオキシコドンHCl/400mgのイブプロフェン、400mgのイブプロフェン、5mgのオキシコドンHCl及びプラセボに対して実施例7に記載された二組の臨床試験からのプールされたデータに対しての、6時間にわたる、痛み強度差(PID)スコアを示す。 5mgのオキシコドンHCl/400mgのイブプロフェン、400mgのイブプロフェン、5mgのオキシコドンHCl及びプラセボに対して実施例7に記載された二組の臨床試験からのプールされたデータに対しての、6時間にわたる鎮痛(PR)スコアを示す。 5mgのオキシコドンHCl/400mgのイブプロフェン、400mgのイブプロフェン、5mgのオキシコドンHCl及びプラセボに対して実施例7に記載された二組の臨床試験からのプールされたデータに対して、6時間にわたる、鎮痛と痛み強度差の組み合わせ(PRID)を示す。 実施例8の(1)5mgオキシコドンHCl/400mgイブプロフェン錠剤と(2)5mgオキシコドンHCl錠剤と2x200mgイブプロフェン錠剤の投与後のイブプロフェン血漿中濃度(μg/mL)対時間(時間)のグラフを示す。 実施例8の(1)5mgオキシコドンHCl/400mgイブプロフェン錠剤と(2)5mgオキシコドンHCl錠剤と2x200mgイブプロフェン錠剤の投与後のオキシコドン血漿中濃度(μg/mL)対時間(時間)のグラフを示す。 Caco-2細胞単層へのオキシコドンの透過係数(Papp)に対するイブプロフェンの増加濃度の効果を示す棒グラフである。星印(*)は、イブプロフェンがない場合の透過性値と比較して、p<0.05の有意水準を示す。 最初の20分の輸送期間後のCaco-2細胞単層を輸送されたオキシコドンの量に対するイブプロフェンの増加濃度の効果を示す棒グラフである。星印(*)は、イブプロフェンがない場合の透過性値と比較して、p<0.05の有意水準を示す。 Caco-2細胞単層へのイブプロフェンの透過係数(Papp)に対するオキシコドンの増加濃度の効果を示す棒グラフである。 実施例10に記載された連続溶解/Caco-2系の概略図である。 実施例10に記載の溶解方法によって定量した、絶食状態模擬腸液(FaSSIF)バッファー中に400mgイブプロフェン/5mgオキシコドン塩酸塩錠剤(塗り潰した菱形)、ニュープリン(Nuprin)(登録商標)錠剤2錠(一錠当たり200mgのイブプロフェン)(塗り潰した四角形)、及びニュープリン(Nuprin)(登録商標)錠剤2錠(一錠当たり200mgのイブプロフェン)とロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤1錠(5mgオキシコドン塩酸塩)の組み合わせ(塗り潰した三角形)から60分かけて溶解したイブプロフェンの重量パーセント(平均±標準偏差、n=3)のグラフである。 実施例10に記載の溶解方法によって定量した、FaSSIFバッファー中に400mgイブプロフェン/5mgオキシコドン塩酸塩錠剤(塗り潰した菱形)、ニュープリン(Nuprin)(登録商標)錠剤2錠(一錠当たり200mgのイブプロフェン)(塗り潰した四角形)、及びニュープリン(Nuprin)(登録商標)錠剤2錠(一錠当たり200mgのイブプロフェン)とロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤1錠(5mgオキシコドン塩酸塩)の組み合わせ(塗り潰した三角形)から60分かけて吸収されたイブプロフェンの重量パーセント(平均±標準偏差、n=3)のグラフである。 実施例10に記載の溶解方法によって定量した、FaSSIFバッファー中に400mgイブプロフェン/5mgオキシコドン塩酸塩錠剤(塗り潰した菱形)、ロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤1錠(5mgオキシコドン塩酸塩)(塗り潰した四角形)、及びニュープリン(Nuprin)(登録商標)錠剤2錠(一錠当たり200mgのイブプロフェン)とロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤1錠(5mgオキシコドン塩酸塩)の組み合わせ(塗り潰した三角形)から60分かけて溶解したオキシコドンの重量パーセント(平均±標準偏差、n=3)のグラフである。 実施例10に記載の溶解方法によって定量した、FaSSIFバッファー中に400mgイブプロフェン/5mgオキシコドン塩酸塩錠剤(塗り潰した菱形)、ロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤1錠(5mgオキシコドン塩酸塩)(塗り潰した四角形)、及びニュープリン(Nuprin)(登録商標)錠剤2錠(一錠当たり200mgのイブプロフェン)とロキシコドン(Roxicodone)TM錠剤1錠(5mgオキシコドン塩酸塩)の組み合わせ(塗り潰した三角形)から60分かけて溶解したオキシコドンの重量パーセント(平均±標準偏差、n=3)のグラフである。

Claims (14)

  1. 治療を必要とする患者における急性痛を治療する方法において、有効量のオキシコドンとイブプロフェンを一経口剤形で少なくとも一日に一回経口投与し、部分的又は完全な鎮痛作用を30分以内にもたらすことを含み、上記剤形が、オキシコドンとその薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される第一剤とイブプロフェンとその薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される第二剤とを、それぞれオキシコドン塩酸塩とイブプロフェンのモル当量の重量に対して約1:20から約1:100の範囲内の重量比で含む方法。
  2. 急性痛が急性術後疼痛である、請求項1に記載の方法。
  3. 経口剤形が、オキシコドン塩酸塩のモル当量の重量に対して約5mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と、イブプロフェンの遊離酸のモル当量の重量に対して約400mgのイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 経口剤形が錠剤又はカプセルである、請求項3に記載の方法。
  5. 経口剤形が、オキシコドン塩酸塩のモル当量の重量に対して約10mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と、イブプロフェンの遊離酸のモル当量の重量に対して約400mgのイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 経口剤形が錠剤又はカプセルである、請求項3に記載の方法。
  7. 治療を必要とする患者における急性痛を治療する方法において、オキシコドン塩酸塩のモル当量の重量に対して約5から約10mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と、イブプロフェンの遊離酸のモル当量の重量に対して約350から約500mgのイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含む経口剤形を経口投与する方法。
  8. 経口剤形が、オキシコドン塩酸塩のモル当量の重量に対して約5mgのオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩と、イブプロフェンの遊離酸のモル当量の重量に対して約400mgのイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項7に記載の方法。
  9. オキシコドンとその薬学的に許容可能な塩の少なくとも95重量%が、絶食状態疑似腸液に15分後に経口剤形から放出される、請求項1に記載の方法。
  10. 経口剤形の経口投与後1.5時間以内にイブプロフェンの最大血漿中濃度に達する、請求項1に記載の方法。
  11. 麻酔後の患者が経験する急性術後疼痛における鎮痛作用の発現を促進する方法において、(a)イブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩と(b)オキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩を、それぞれオキシコドン塩酸塩とイブプロフェンのモル当量の重量に対して約20:1から約100:1の範囲内の重量比で含む経口剤形を患者に投与することを含み、上記剤形中のオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩の量が、オキシコドン塩酸塩のモル当量の重量に対して約5mgと約10mgの範囲内にある方法。
  12. (a)オキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩;
    (b)イブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩;
    (c)シリカ化微結晶性セルロース
    を含有する単位剤形。
  13. (a)オキシコドン塩酸塩のモル当量の重量に対して約0.7から約1.7重量%のオキシコドン又はその薬学的に許容可能な塩;
    (b)イブプロフェンの遊離酸のモル当量の重量に対して約64から約77重量%のイブプロフェン又はその薬学的に許容可能な塩;
    (c)直接圧縮された単位剤形の100重量%に対して約15から約22重量%のシリカ化微結晶性セルロース
    を含む、請求項12に記載の直接圧縮単位剤形。
  14. 錠剤が12−18kpの硬度を有する、請求項13に記載の錠剤。
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