JP2012522686A - 周方向補強要素の層を有する大型車両用タイヤ - Google Patents

周方向補強要素の層を有する大型車両用タイヤ Download PDF

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Abstract

本発明は、半径方向カーカス構造体を備えたタイヤであって、半径方向カーカス構造体が、周方向と10°〜45°の角度をなした状態で一方のプライから他方のプライにクロス掛けされた非伸張性補強要素の少なくとも2つの実働ブレーカー層(41,43)で形成されているブレーカー構造体を有し、カーカス構造体それ自体が2つのフランクによって2つのビードに連結されたトレッド(5)を備え、ブレーカー構造体が周方向補強要素の少なくとも1つの層を有するタイヤに関する。本発明によれば、一方のショルダ端のところにおけるブレーカーブロックの厚さ(12)と周方向中間平面におけるブレーカーブロックの厚さ(15)の比は、1.20を超え、最大摩耗面と周方向中間平面における周方向補強要素層を補強する要素との間の距離(15)と周方向補強要素層の端のところにおける最大摩耗面と周方向補強要素層を補強する要素との間の距離(17)の比は、0.95〜1.05である。

Description

本発明は、半径方向カーカス補強材を備えたタイヤ、特に、重量物を運搬し、持続速度で駆ける車両、例えばローリ、トラクタ、トレーラ又は路上を走行するバスに取り付けられるようになったタイヤに関する。
タイヤ、特に重車両型の車両用のタイヤの補強構造体又は補強材は、現時点では―そして通常―従来「カーカスプライ」、「クラウンプライ」等と呼ばれている1枚又は2枚以上のプライのスタックで構成されている。補強材をこのように命名する仕方は、細線状補強材を備えた、多くの場合、長手方向のプライの形態をした一連の半完成状態の製品を作り、次に、これらを組み立て又は積み重ねて生(グリーン)タイヤを作るという製造方法に由来している。プライを寸法が大きな状態で平らに作り、次に、所与の製品の寸法に合わせて裁断する。また、プライを、当初、実質的に平らに組み立てる。次に、このようにして作られた生タイヤをシェーピングしてタイヤについて典型的なドーナツ形状を与える。次に、半完成状態の「完成途上」製品を生タイヤに張り付けていつでも硬化させることができる製品を得る。
このような方法の「従来」形式では、特に生タイヤを製造する段階の間、カーカス補強材をタイヤのビード領域内に繋留し又は保持するための繋留要素(一般にビードワイヤ)が用いられる。かくして、このような形式の方法では、カーカス補強材を構成するプライの全て(又はその何割かだけ)の一部をタイヤのビード内に納められたビードワイヤ周りに折り返す又は巻き上げる。すると、これにより、カーカス補強材がビード中に繋留される。
この従来型方法がタイヤ製造業界全体に普及していることにより、プライを構成して組み立てる仕方に多くの別法が存在しているにもかかわらず、当業者は、この方法に基づく語彙を用いており、それ故、一般に用いられている用語として、特に「プライ」、「カーカス」、「ビードワイヤ」、平らな輪郭形状からドーナツ形輪郭形状への移行等を意味する「シェーピング」という用語等が挙げられる。
今日、厳密に言えば、上述の定義から理解されるような「プライ」又は「ビードワイヤ」を備えていないタイヤが存在する。例えば、欧州特許第0582196号明細書は、プライの形態の半完成状態の製品を用いないで製造されたタイヤを記載している。例えば、種々の補強構造体の補強要素を隣接のゴムコンパウンド層に直接張り付け、次に、これら全てを連続した層の状態でドーナツ形コアに張り付け、このドーナツ形コアの形状が、製造中のタイヤの最終プロフィールとほぼ同じプロフィールを直接生じさせる。かくして、この場合、「半完成状態」の製品又は「プライ」若しくは「ビードワイヤ」は存在しない。基本的製品、例えばゴムコンパウンド及び細線又はフィラメントの形態をした補強要素は、コアに直接張り付けられる。このコアの形状は、ドーナツ形のものなので、平らなプロフィールからトーラス形状のプロフィールにするために生タイヤを形成することはもはや不要である。
さらに、この特許文献に記載されたタイヤは、ビードワイヤ周りのカーカスプライの「伝統的な」折り返し又は巻き上げを用いていない。この種の繋留に代えて、周方向細線がサイドウォール補強構造体に隣接して位置決めされる構造が用いられ、全てのものは、繋留又は結合ゴムコンパウンド中に埋め込まれる。
また、中央コア上への迅速且つ効率的で、しかも簡単な積層向けに特に設計された半完成状態の製品を採用するドーナツ形コアへの組み付け方法が存在する。最後に、或る特定のアーキテクチャ上の観点を達成する或る幾つかの完成状態の製品(例えばプライ、ビードワイヤ等)を組み合わせたハイブリッド又は混成体を用いる一方で他のものをコンパウンド及び(又は)補強要素の直接的張り付けによって製作することも又、可能である。
上記特許文献では、製品製造分野と製品設計分野の両方における最近の技術進歩を考慮に入れるためには、従来の用語、例えば「プライ」、「ビードワイヤ」等に代えて、中立的な用語又は用いられる方法の形式とは無関係の用語を用いると好都合である。それ故、「カーカス型補強材」又は「サイドウォール補強材」という用語は、従来方法におけるカーカスプライの補強要素及び半完成状態の製品が用いられない方法に従って製作されたタイヤの対応の補強要素(これら補強要素は、一般的にサイドウォールに張り付けられる)を表すのに有効に用いられる。「繋留領域」という用語は、その一部について、従来方法におけるビードワイヤ周りへのカーカスプライの「伝統的」折り返し部又は巻き上げ部をまさしく容易に表すことができる。というのは、これは、周方向補強要素、ゴムコンパウンド及びドーナツ形コアへの張り付けを含む方法を用いて形成された底部領域の隣接のサイドウォール補強部分により形成された組立体だからである。
一般に、重量物運搬型のタイヤでは、カーカス補強材は、ビードの領域で各側が繋留され、半径方向上側には、互いに重ね合わされた少なくとも2つの層により構成されるクラウン補強材が設けられ、これら層は、各層内で互いに平行であり、1つの層から次の層にクロス掛けされ、周方向と10°〜45°の角度をなす細線又はコードで形成されている。実働補強材を形成する実働層も又、補強要素で作られていて保護層と呼ばれる少なくとも1つの層で覆われるのが良く、これら補強要素は、有利には、金属であり且つ伸張性であり、弾性補強要素と呼ばれている。保護層は、周方向と45°〜90°の角度をなす伸張性の低い金属コード又は細線の層を更に含み、三角形構造形成プライと呼ばれるこのプライは、カーカス補強材と絶対値でいってせいぜい45°の角度をなして互いに平行なコード又は細線で作られた第1のいわゆる実働クラウンプライとの間に半径方向に位置する。三角形構造形成プライは、少なくとも実働プライと一緒になって三角形構造形成補強材を形成し、この三角形構造形成補強材は、これが受ける種々の応力下において、生じる変形量が非常に僅かであり、三角形構造形成プライの本質的役割は、補強要素の全てがタイヤのクラウンの領域で受ける横方向圧縮力に反作用することにある。
「重量物運搬」車両用のタイヤの場合、通常、保護層が1つだけ設けられ、その保護要素は、大抵の場合、同一方向に且つ半径方向最も外側の、それ故に半径方向に隣接した実働層の補強要素の角度と絶対値として同一の角度で差し向けられている。幾分凸凹の路面上を走行するようになった土木工学作業車両用のタイヤの場合、2枚の保護プライが存在することは、有利であり、補強要素は、或る1つの層から次の層にクロス掛けされ、半径方向内側の保護層の補強要素は、半径方向外部に位置すると共にこの半径方向内側保護層に隣接して位置する実働層の非伸張性補強要素とクロス掛け関係をなしている。
コードは、かかるコードが破断強さの10%に等しい引張力を受けたときに、せいぜい0.2%に等しい相対伸び率を示す場合に非伸張性であると呼ばれる。
コードはかかるコードが、破断強さに等しい引張力を受けたときに、少なくとも3%に等しい相対伸び率を示し、150GPa未満の最大接線モジュラスを有する場合に弾性であると呼ばれる。
周方向補強要素は、周方向と約0°±2.5°の角度をなす補強要素である。
タイヤの周方向又は長手方向は、タイヤの周囲に対応すると共にタイヤの走行方向によって定められる方向である。
タイヤの横方向又は軸方向は、タイヤの回転軸線に平行である。
半径方向は、タイヤの回転軸線と交差し且つこれに垂直な方向である。
タイヤの回転軸線は、タイヤが通常の使用中に回転する中心となる軸線である。
半径方向面又は子午線面は、タイヤの回転軸線を含む平面である。
周方向中間平面又は赤道面は、タイヤの回転軸線に垂直であり且つタイヤを2つの半部に区分する平面である。
「ロード(road)」タイヤと呼ばれている或る特定の現行のタイヤは、道路ネットワークが向上していると共に自動車専用道路ネットワークワールドワイドが広がっているので、高速で且つますます長い距離にわたって走行するようになっている。タイヤが問題なく走行するための必要条件の全てにより、走行可能距離数を増大させることができるが、タイヤ耐摩耗性が低くなるので、このことによりタイヤの耐久性、特にクラウン補強材の耐久性が犠牲になっている。
これは、クラウン補強材に応力が生じ、特に、クラウン層相互間に剪断応力が生じ、かかる応力が軸方向に最も短いクラウン層の端部のところの動作温度の取るに足らないとはいえないほどの増大と組み合わさり、その結果として、かかる端部のところでゴムに亀裂の発生及び進展が生じるからである。同じ問題は、補強要素の2つの層の縁部に生じ、他方の層は、必ずしも第1の層に対して半径方向に隣接しているわけではない。
検討中の形式のタイヤのクラウン補強材の耐久性を向上させるため、プライの端部、特に軸方向に最も短いプライの端部相互間且つ/或いはこれらの周りに位置決めされた層の構造及び品質並びに/或いはゴムコンパウンドの異形要素に関する解決策が既に提案されている。
仏国特許第1389428号明細書は、クラウン補強材の縁部の近くに位置するゴムコンパウンドの耐劣化性を向上させるため、低ヒステリシストレッドと連携して、クラウン補強材の少なくとも側部及び辺縁部を覆い、低ヒステリシスゴムコンパウンドから成るゴム異形要素の使用を推奨している。
仏国特許第2222232号明細書は、クラウン補強材プライ相互間の分離を回避する目的で、ショアAスケール硬度が、クラウン補強材を包囲しているトレッドのショアAスケール硬度とは異なり、しかもクラウン補強材の縁部とカーカス補強プライとの間に配置されたゴムコンパウンドの異形要素のショアAスケール硬度よりも高いゴムのクッションで補強材の端部を被覆することを教示している。
仏国特許出願第2728510号明細書は、一方において、カーカス補強材と回転軸線の半径方向最も近くに位置するクラウン補強材実働プライとの間に、周方向と少なくとも60°の角度をなす非伸張性金属コードで形成され、少なくとも最短の実働クラウンプライの軸方向幅に等しい軸方向幅の軸方向に連続したプライを配置し、他方において、2枚の実働クラウンプライ相互間に、実質的に周方向に全く平行に差し向けられた金属要素で作られた追加のプライを配置することを提案している。
このようにして構成されたタイヤを特に過酷な条件下において長時間にわたって走行させると、これらタイヤの耐久性の面で限度のあることが分かった。
かかる欠点を解決すると共にこれらタイヤのクラウン補強材の耐久性を向上させるため、実質的に周方向に平行な補強要素の少なくとも1つの追加の層を角度をなして実働クラウン層と組み合わせることが提案された。国際公開第99/24269号パンフレットは、特に、赤道面の各側で且つ周方向に実質的に平行な補強要素の追加のプライの直近の軸方向連続部として、或る1つのプライから次のプライにクロス掛けされた補強要素で形成されている2つの実働クラウンプライが、或る特定の軸方向距離にわたって互いに結合され、次に、少なくとも2つの実働プライに共通の幅の残部にわたってゴムコンパウンドの異形要素により互いに分離され又は結合解除されることを提案している。
欧州特許第0582196号明細書 仏国特許第1389428号明細書 仏国特許第2222232号明細書 仏国特許出願第2728510号明細書 国際公開第99/24269号パンフレット
本発明の一目的は、耐久性が路上使用について維持されると共に重量が従来型タイヤと比較して軽量化された「大型」車両用のタイヤを提供することにある。
この目的は、本発明によれば、半径方向カーカス補強材を備えたタイヤであって、半径方向カーカス補強材が、周方向と10°〜45°の角度をなした状態で一方のプライから他方のプライにクロス掛けされた非伸張性補強要素の少なくとも2つの実働クラウン層で形成されているクラウン補強材を有し、クラウン補強材それ自体がトレッドによって半径方向に覆われ、トレッドが2つのサイドウォールによって2つのビードに連結され、クラウン補強材が周方向補強要素の少なくとも1つの層を有する、タイヤにおいて、ショルダ端のところにおけるクラウンブロックの厚さと周方向中間平面におけるクラウンブロックの厚さの比は、1.20を超え、周方向中間平面における末端摩耗面と周方向補強要素層の補強要素との間の距離と周方向補強要素層の端のところにおける末端摩耗面と周方向補強要素層の補強要素との間の距離の比は、0.95〜1.05であることを特徴とするタイヤを用いて達成される。
ショルダ端は、タイヤの外面上への一方においてトレッドの軸方向外端(トレッドパターンの頂部)の表面及び他方においてサイドウォールの半径方向外端の表面の接線の交点の直角投影像により前記タイヤのショルダ領域に定められる。
周方向中間平面におけるクラウンブロックの厚さは、周方向中間平面におけるトレッドの頂部の接線と周方向中間平面におけるタイヤの半径方向最も内側のゴムコンパウンドの接線との間の半径方向における距離として定義される。
ショルダ端のところにおけるクラウンブロックの厚さは、タイヤの半径方向最も内側寄りに位置したゴムコンパウンドの層上へのショルダ端の直角投影像の長さにより定められる。
タイヤの末端摩耗面は、本発明の意味の範囲内において、タイヤに存在する摩耗指標から推定される表面であると定義される。
末端摩耗面と周方向補強要素層の補強要素との間の距離は、周方向補強要素層にとって適当な測定箇所を通るトレッドの外面の垂線に沿って測定される。
種々の測定値は、タイヤの断面で取られ、従って、タイヤは、非インフレート状態にある。
本発明に従ってこのように構成されたタイヤにより、サイズが所与の場合、耐久性及び摩耗速度の面で路上使用における満足の行くタイヤ性能を維持することが可能であり、タイヤは、実質的に軽量である。
同一サイズの従来型タイヤと比較して、本発明のタイヤは、中心が周方向中間平面上に位置する領域において際立って小さなクラウンブロック厚さを示す。
クラウンブロックの領域における、即ち、トレッドの下の補強材のアーキテクチャの観点において、かかるアーキテクチャは、軸方向(又は子午線方向)曲率が事実上、摩耗面及びかくしてトレッドの輪郭形状のあらゆる点のところで同心であるようなカーカス補強材による補強層及びクラウン補強材による補強層の形態を取っている。
従来型タイヤは、通常、トレッドの下に挿入されていて、中心が周方向中間平面上に位置したゴムコンパウンドの追加の層を有する。かかる追加の層が設けられていることにより、クラウン補強材中の補強層の軸方向曲率半径よりも小さなトレッドの軸方向曲率半径を得ることができる。本発明のタイヤは、かかる層を備えておらず、これにより、タイヤは、軽量のものとなることができる。また、かかる層が設けられていないことは、タイヤの加熱を制限する役割を果たすことができ、従って、その耐久性に寄与することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、周方向補強要素層の補強要素は、補強要素の初期状態とタイヤから取り出されたときの補強要素の状態との間で、最大接線モジュラスにおいて15GPaを超え、好ましくは20GPaを超える減少を示す撚りコードである。
上述のモジュラス値は、5Nの予荷重により得られる引張り応力/伸び率曲線で測定され、引張り応力は、張力を補強要素中の金属の断面積で除算した値に対応する。この測定値は、1984ISO規格ISO6892に従って張力下で取られる。
測定が行われるタイヤから取ったコードは、問題のコード以外の構成部品、特にかかるコードに侵入しがちなコンパウンドが、大型車両用タイヤ型の用途にとって従来の構成部品であるようなタイヤから取られる。
有利には、本発明のこの実施形態によれば、周方向補強要素の層の補強要素は、空気をコード中に取り込むことができるツイスティング法によって組み立てられた撚りコードである。
かかるツイスティング法では、特に、ストランドの製造中にツイスティングを行うのが良い。この場合、ツイスティング法は、本質的に、次のステップ、即ち、
‐外側層の細線を所与の過渡的ツイスティングピッチでつる巻線をなして内側層上に巻回するステップ、
‐この過渡的ピッチを減少させる目的で、即ち、外側層のつる巻線及びかくしてそのつる巻曲率を増大させる目的でオーバーツイスティング(overtwisting)又はクリーピング(creeping)するステップ、及び
‐ゼロ残留トルクを得るためにアンツイスティング(untwisting)により得られたストランドを安定化するステップを含む。
ツイスティング法は、又、ストランドの組み立てに関する場合がある。したがって、ツイスティング法は、本質的には、次のステップ、即ち、
‐ストランドを所与の過渡的ツイスティングピッチで巻回するステップ、
‐この過渡的ピッチを減少させる目的で(即ち、ストランドの組立体のつる巻き角及びかくしてつる巻曲率を増大させる目的で)オーバーツイスティング又はクリーピングするステップ、及び
‐ゼロ残留トルクを得るためにアンツイスティングにより得られたストランドを安定化するステップを含む。
ツイスティング法は、最終的には、ストランドの各々の形成中におけるツイスティングとコードを得るためのストランドの組み立て中におけるツイスティングの組み合わせであるのが良い。
本発明のコードを得るために実施される上述のツイスティング法は、ストランドの外側層を構成する細線及び/又はコードを構成するストランドに大きな曲率を与え、かかる大きな曲率は、これら細線やストランドを軸方向に分ける(この場合、軸方向は、細線の場合にはストランドの軸線の方向に垂直であり又はストランドの場合にはコードの軸線の方向に垂直な方向である)。この曲率は、一方において、この外側層のつる巻直径により、他方において、外側層のつる巻ピッチ又はつる巻角(コードの軸線から測定した角度)により定められる。
注目されるべきこととして、上述のツイスティング法により、つる巻直径とつる巻角の両方を増大させることができる。
本発明によれば、このつる巻角は、有利には、25°〜45°である。
1本及び/又は複数本のストランドを構成する細線に適応される上述のツイスティング法は、tan2(つる巻角)に比例したコードの構造的伸びを著しく増大させる役割を果たす。
本発明者は、初期状態とタイヤから取り出された状態との間において最大接線モジュラスにおいて15GPaを超える減少を示す上述したように作られたコードは、構成が同一であるがツイスティングステップなしで且つ小さなつる巻ピッチで作られたコードと比較して、生の状態において及びタイヤから取り出されたときに高い構造的伸び率を示すことを実証することができた。さらに、本発明のこれら同一のコードは、これらの初期状態において、同一の構成であるがツイスティングステップなしで且つ小さなつる巻ピッチで作られたコードと比較して、依然としてタイヤからの取り出し時に高い最大接線モジュラスを示すが、非常に驚くべきこととして、同一の構成であるがツイスティングステップなしで且つ小さなつる巻ピッチで作られたコードと比較して、低い最大接線モジュラスを示す。
クラウン補強材の補強層が、トレッドの輪郭形状のあらゆる点のところで事実上同心である軸方向曲率を示す本発明のタイヤの場合、かかるコードの使用により、タイヤの耐久性を一段と向上させることができる。これは、特にタイヤから抽出されたコードについて特に低い最大接線モジュラスを構成が同一であるがツイスティングステップなしで作られたコードと比較して大きな構造的伸び率と組み合わせることにより、特に周方向補強要素層が湾曲した形状を有する場合にかかる層の端のところでのかかる層中の補強要素の受ける張力を減少させることができる。というのは、この周方向補強要素層は、本発明の場合、この層がタイヤを変形させる接触パッチを通過する際に湾曲した形状を取るからである。
また、かかる補強要素を周方向補強要素の少なくとも1つの層中に用いることにより、従来の製造方法における付形及び硬化ステップ後であっても、層中の十分な剛性を維持することができる。
本発明の有利な一実施形態によれば、周方向補強要素の少なくとも1つの層の補強要素は、10〜120GPaの0.7%伸び率における割線モジュラスを有すると共に150GPa未満の最大接線モジュラスを有する金属補強要素である。
好ましい実施形態によれば、補強要素の0.7%伸び率における割線モジュラスは、100GPa未満であり且つ好ましくは20GPaを超え、より好ましくは30〜90GPa、より好ましくは80GPa未満である。
この場合も又、好ましくは、補強要素の最大接線モジュラスは、130GPa未満、好ましくは120GPa未満である。
上述のモジュラス値は、5Nの予荷重により得られる引張り応力/伸び率曲線で測定され、引張り応力は、張力を補強要素中の金属の断面積で除算した値に対応する。
好ましい実施形態によれば、周方向補強要素の少なくとも1つの層の補強要素は、低い伸び率については浅い勾配を有し、高い伸び率については実質的に一定で且つ急な勾配を有する引張り応力/相対伸び率曲線を示す金属補強要素である。追加のプライ中のかかる補強要素は、一般に「バイモジュラス(bi-modulus)」要素と呼ばれている。
本発明の好ましい実施形態によれば、実質的に一定で且つ急な勾配は、0.4%〜0.7%の相対伸び率から始まって現われる。
上述の補強要素の種々の特性は、タイヤから取られた補強要素について測定される。
本発明の周方向補強要素の少なくとも1つの層を作るのに特に適した補強要素は、例えば構成21.23の組立体であり、その構成は3×(0.26+6×0.23)5.0/7.5SSであり、この撚りコードは、構成3×(1+6)の21本の単位細線で構成され、ピッチ7.5mmの3本の撚り合わせストランドは各々、7本の細線から成り、1本の細線は、直径が26/100mmに等しい中央コアを形成し、6本の巻き細線の直径は、5mmのピッチで23/100mmに等しい。かかるコードは、0.7%伸び率における割線モジュラスが45GPaに等しく、最大接線モジュラスが100GPaに等しく、これらは、5N予荷重で求められた引張り応力/伸び率曲線で測定され、引張り応力は、測定張力を補強要素の金属の断面で除算した値に対応している。
有利には、本発明により、クラウンアーキテクチャを構成する少なくとも1つの層が軸方向最も外側の「リブ」又は主として長手方向に差し向けられたトレッドパターンの下に半径方向に存在する。この実施形態により、トレッドパターンの剛性が改善する。
本発明の好ましい実施形態によれば、軸方向に最も幅の広い実働クラウン層の軸方向幅と軸方向に幅の最も狭い実働クラウン層の軸方向幅との差は、10〜30mmである。
この場合も又、好ましくは、軸方向に最も幅の広い実働クラウン層は、他の実働クラウン層の半径方向内側に位置する。
本発明の有利な一実施形態では、少なくとも1つの周方向補強要素の軸方向幅は、軸方向に最も幅の広い実働クラウン層の軸方向幅よりも小さい。
特に、周方向補強要素の少なくとも1つの層のかかる幅により、実働層相互間の剪断応力を減少させることができ、従って、その結果として、タイヤの耐久性が一段と向上する。
本発明の周方向補強要素の層は、有利には、軸方向幅の全体にわたって連続した層である。
本発明の変形形態によれば、少なくとも1つの周方向補強要素層は、2つの実働クラウン層相互間に半径方向に配置されている。
この変形形態によれば、周方向補強要素の層により、実働層の半径方向外側に配置された同様な層よりもカーカス補強材中の補強要素の圧縮を大幅に制限することができる。かかる層は、これら補強要素に過度の疲労を加えないように、好ましくは、補強要素に加わる応力を減少させるよう少なくとも1つの実働層だけカーカス補強材から半径方向に隔てられる。
これ又有利には、2つの実働クラウン層相互間に半径方向に位置決めされた周方向補強要素の層の場合、周方向補強要素の層に対して半径方向に隣接して位置する実働クラウン層の軸方向幅は、周方向補強要素の層の軸方向幅よりも大きく、好ましくは、周方向補強要素の層に隣接して位置する上述の実働クラウン層は、赤道面の各側で且つ前記周方向補強要素層の直近の軸方向延長部内において、軸方向幅にわたり結合され、次に、少なくとも前記2つの実働クラウン層に共通の幅の残部にわたりゴムコンパウンドの異形要素によって結合解除される。
周方向補強要素の層に隣接して位置する実働クラウン層相互間のかかる結合が行われていることにより、この結合部の最も近くに位置した軸方向最も外側の周方向要素に加わる引張り応力を一段と減少させることができる。
最も幅の狭い実働層の端のところで測定した実働プライ相互間の結合解除を可能にする異形要素の厚さは、少なくとも2ミリメートルに等しく、好ましくは2.5mmよりも大きい。
結合状態のプライは、各補強要素がせいぜい1.5mmだけ半径方向に隔てられたプライを意味するものと理解されるべきであり、ゴムの厚さは、上述の補強要素のそれぞれの上側母線と下側母線との間で半径方向に測定される。
軸方向に最も外側の周方向要素に作用する引張り応力を減少するため、本発明によれば、これ又有利には、実働クラウン層の前記補強要素と周方向とのなす角度は、30°未満、好ましくは25°未満である。
本発明の実施形態の別の有利な変形形態によれば、実働クラウン層は、一方のプライから他方のプライにクロス掛けされ、周方向とは軸方向に従って変化する角度をなす補強要素から成り、かかる角度は、周方向中間平面のところで測定された補強要素の角度と比較して、補強要素の層の軸方向外縁部についての方が大きい。本発明のかかる実施形態により、特に、カーカス補強材の圧縮度を減少させるため、周方向剛性を或る特定のゾーンでは増大させるが、周方向剛性を他のゾーンでは減少させることができる。
また、本発明の好ましい一実施形態では、クラウン補強材の半径方向外側には、保護プライと呼ばれる弾性補強要素の少なくとも1つの追加のプライが補完的に設けられ、弾性補強要素は、周方向に対して10°〜45°の角度をなして差し向けられると共に追加のプライに半径方向に隣接して位置する実働プライの非伸張性要素のなす角度と同一の方向のものである。
保護層は、幅の最も狭い実働層の軸方向幅よりも小さな軸方向幅を有するのが良い。かかる保護層は、幅の最も狭い実働層の軸方向幅よりも大きな軸方向幅を有しても良く、その結果、保護層は、幅の最も狭い実働層の縁とオーバーラップし、この保護層が、幅の最も狭い半径方向最も内側の層である場合、保護層は、追加の補強材の軸方向連続部として、軸方向幅にわたって幅の最も広い実働クラウン層に結合され、その後、厚さが少なくとも2mmの異形要素によりこの幅の最も広い実働層から軸方向外部が分離されるようになる。弾性補強要素で形成された保護層は、上述の場合、一方において、2つの実働層の縁を互いに分離する異形要素の厚さよりも実質的に小さい厚さの異形要素により上述の幅の最も狭い実働層の縁部から分離される場合があり、他方、幅の最も広いクラウン層の軸方向幅よりも小さな又は大きな軸方向幅を有する。
上述の本発明の実施形態のうちのいずれか1つによれば、カーカス補強材の半径方向内側には、カーカス補強材とこのカーカス補強材の最も近くに位置する半径方向内側実働層との間で、半径方向に最も近いカーカス補強層の補強要素相互間のなす角度と同一の方向で周方向と60°よりも大きな角度をなすスチールで作られた非伸張性金属補強要素の三角形構造形成層が更に補完的に設けられるのが良い。
本発明の他の細部及び他の有利な特徴は、図1〜図3を参照して行われる本発明の幾つかの例示の実施形態の説明から以下において明らかになろう。
本発明のタイヤの概略子午面図である。 図1のタイヤの単純化された概略子午面図である。 本発明のコードと従来型コードに関する力/伸び率曲線を示す図である。
理解を容易にするために、図は、縮尺通りには示されていない。図は、タイヤの半分しか示しておらず、タイヤの他方の半分は、タイヤの周方向中間平面又は赤道面を表すXX′軸線に関して対称に連続している。
図1では、サイズが315/70R22.5XFのタイヤ1は、0.70に等しいアスペクト比H/Sを有し、Hは、タイヤ1の取り付けリム上におけるタイヤ1の高さであり、Sは、最大軸方向幅である。タイヤ1は、図示されていない2つのビード内に繋留された半径方向カーカス補強材2を有している。カーカス補強材は、金属コードの単一の層で形成されている。このカーカス補強材2は、クラウン層4で覆われており、このクラウン層4は、次のように内側から外側に半径方向に、即ち、
‐プライの幅全体にわたって連続していて、18°に等しい角度に差し向けられた非被覆状態の非伸張性11.35金属コードで形成された第1の実働層41、
‐スチール製の21×23金属コードで形成された「バイモジュラス」型の周方向補強要素の層42、
‐プライの幅全体にわたって連続していて、18°の角度に差し向けられると共に層41の金属コードとクロス掛け関係をなす非被覆状態の非伸張性11.35金属コードで形成された第2の実働層43、
‐18×23弾性金属コードで作られた保護層44で形成されている。
クラウン補強材それ自体には、トレッド5が被せてある。
第1の実働層41の軸方向幅L41は、248mmに等しく、これは、従来型形状のタイヤの場合、検討対象の場合において262mmに等しいトレッドの幅Lよりも実質的に小さい。したがって、トレッドの幅と幅L41との差は、本発明によれば、14mmに等しく、従って15mmよりも小さい。
第2の実働層43の軸方向幅L43は、230mmに等しい。幅L41,L43相互間の差は、本発明によれば、18mmに等しく、従って、10〜30mmである。
周方向補強要素の層42の全体的軸方向幅L42に関し、これは、188mmに等しい。
保護プライと呼ばれている最後のクラウンプライ44は、188mmに等しい幅L44を有する。
本発明によれば、補強要素42の層の幅全体にわたり、クラウン補強材の層の全ては、トレッドの曲率半径に事実上等しい曲率半径を有する。
図1は又、末端摩耗面3を示しており、これは、タイヤに存在しているが、図示されていない摩耗指標から推定されている。
図2は、タイヤ1の単純化された略図の子午面図であり、トレッド8の軸方向外端の表面の第1の接線7を示しており、トレッドの表面は、図2のこの単純化された略図には示されていないトレッドパターンの半径方向外面又は頂面により構成されている。サイドウォール10の半径方向外端の表面の第2の接線9が点11のところで第1の接線7と交差している。タイヤの外面上への直角投影像は、ショルダ端6を定めている。
かくして、図2は、タイヤの半径方向最も内側寄りに位置したゴムコンパウンドの層14上へのショルダ端6の直角投影像13の長さ12により定められたショルダ端6のところのクラウンブロックの厚さの測定値を示している。
図2は又、周方向中間平面におけるトレッド8の頂部の接線と周方向中間平面におけるタイヤの半径方向最も内側のゴムコンパウンド14の接線との間の半径方向における距離15として定義される、周方向中間平面XX′におけるクラウンブロックの厚さの測定値を示している。
本発明によれば、ショルダ端6の各々のところにおけるクラウンブロックの厚さ12の測定値は、39.4mmに等しい。周方向中間平面XX′において(周方向中間平面XX′で見て)、クラウンブロックの厚さ15の測定値は、31.7mmに等しい。ショルダ端のところにおけるクラウンブロックの厚さと周方向中間平面におけるクラウンブロックの厚さの比は、1.24に等しく、従って、1.2よりも大きい。
再度、本発明によれば、周方向中間平面における末端摩耗面と周方向補強要素層の補強要素との間の距離16と周方向補強要素層の端のところにおける末端摩耗面と周方向補強要素層の補強要素との間の距離17の比は、1に等しく、従って、0.95〜1.05である。具体的に言えば、末端摩耗面と周方向中間平面における周方向補強要素の層の補強要素との間の距離16と、摩耗面と周方向補強要素の層の端のところにおける周方向補強要素の層の補強要素との間の距離17は、互いに同一であり、10mmに等しい。
図3は、上述したようにツイスティングにより組み立てられた周方向補強要素の層を形成する本発明の一変形形態としてのコードに関してこの種の用途における慣用的使用における同一の構成のコードと比較した強度/伸び率曲線のグラフ図である。
このグラフ図は、1984ISO規格ISO6892に従ってコードに張力の状態で加えられた力19に関して観察された伸び率18を示している。
本発明のコードは、「バイモジュラス」型の21×23スチールコードであり、その構成は3×(0.26+6×0.23)5.0/7.5SSであり、この撚りコードは、3×(1+6)の21本の単位細線で構成され、ピッチ7.5mmの3本の撚り合わせストランドは各々、7本の細線から成り、1本の細線は、直径が26/100mmに等しい中央コアを形成し、6本の巻き細線の直径は、5mmのピッチで23/100mmに等しい。
本発明との比較対象をなす基準コードは、「バイモジュラス」型の同一の21×23構成のスチールコードであり、3×(0.26+6×0.23)4.4/6.6SSの構造を有している。
曲線20は、初期状態における本発明のコードに対応し、曲線21は、タイヤから取り出した同一コードに対応し、このコードにはゴムを含浸させてあり、このコードは、タイヤの硬化を受けている。
同様に、曲線22,23は、それぞれ、初期状態及びタイヤから取り出された状態の基準コードに対応している。
これらの曲線から明らかなこととして、本発明のコードの構造的伸び率は、基準コードの伸び率よりも大きい。さらに、本発明のコードの弾性率又は最大接線モジュラスは、100GPaに等しく、基準コードの弾性率又は最大接線モジュラスは、90GPaに等しい。
これらの値の差は、本発明のコードの場合、ツイスティングによる組み立て方法及び組み立てピッチの差によって説明でき、これらは、本発明のコードの場合に大きい。
タイヤから取り出されたコードから取られた測定値に関し、本発明のコードの構造的伸び率は、高いままであるが、最大接線モジュラスの値は、基準コードの最大接線モジュラスと比較して本発明のコードについては低く、基準コードの場合には85GPaであるのに比べて本発明のコードでは78GPaである。
タイヤから取り出されたコードに関するかなり低い最大接線モジュラスが大きな構造的伸び率と組み合わさることによって、構成が同一であるがツイスティングステップなしで作られたコードと比較して、特に周方向補強要素の層が湾曲した形状を有する場合にかかる層の端のところでのかかる層中の補強要素の受ける張力を減少させることができる。というのは、この層は、本発明の場合、この層がタイヤを変形させる接触パッチを通過する際に湾曲した形状を取るからである。
本発明によれば、本発明のコードは、これらの初期状態とこれらがタイヤから取り出された状態との間において、22(100−78)GPaに等しい減少を示し、従って、最大接線モジュラスに関して15GPaを超える減少を示している。
図1に示されている本発明に従って製造されたタイヤであって、上述した本発明の補強コードを備えた状態で製造された周方向補強要素の層を有するタイヤについて試験を行った。同一の試験を、同一であるが、周方向補強要素の層のコードが上述した基準コードであり補強材を構成する層の全てがトレッドの表面の曲率半径とは異なる曲率半径(なお、これら曲率半径は、ほぼ無限大である)を有する異なる構成で製造された基準タイヤについて行った。
本発明のタイヤの重量は、基準タイヤの重量よりも2%少ない。
初期実験では、タイヤの各々についてフライホイール転動試験を実施し、これらタイヤが直線経路と同等の道筋を辿るようにし、この種の試験を加速するためにタイヤには通常の荷重よりも大きな荷重を加えた。
タイヤ1本当たりの荷重は、試験の開始時には3800kgであり、この荷重を試験の終了時には4800kgの荷重まで増大させた。
これら初期試験の結果の示すところによれば、2つの形式のタイヤについて得られた結果は、同等であった。
さらに、荷重及びコーナリング角度をタイヤに与えた試験機械で耐久性試験を行った。
この場合も又得られた試験結果の示すところによれば、2つの形式のタイヤは、極めて類似した結果を示した。

Claims (14)

  1. 半径方向カーカス補強材を備えたタイヤであって、前記半径方向カーカス補強材が、周方向と10°〜45°の角度をなした状態で一方のプライから他方のプライにクロス掛けされた非伸張性補強要素の少なくとも2つの実働クラウン層で形成されているクラウン補強材を有し、前記クラウン補強材それ自体がトレッドによって半径方向に覆われ、前記トレッドが2つのサイドウォールによって2つのビードに連結され、前記クラウン補強材が周方向補強要素の少なくとも1つの層を有する、タイヤにおいて、ショルダ端のところにおけるクラウンブロックの厚さと周方向中間平面におけるクラウンブロックの厚さの比は、1.20を超え、周方向中間平面における末端摩耗面と前記周方向補強要素層の前記補強要素との間の距離と前記周方向補強要素層の端のところにおける前記末端摩耗面と前記周方向補強要素層の前記補強要素との間の距離の比は、0.95〜1.05である、タイヤ。
  2. 前記周方向補強要素層の前記補強要素は、前記補強要素の初期状態と前記タイヤから取り出されたときの前記補強要素の状態との間で、最大接線モジュラスにおいて15GPaを超え、好ましくは20GPaを超える減少を示す撚りコードである、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記周方向補強要素の少なくとも1つの層の前記補強要素は、10〜120GPaの0.7%伸び率における割線モジュラス及び150GPa未満の最大接線モジュラスを有する金属補強要素である、請求項1又は2記載のタイヤ。
  4. 0.7%伸び率における前記補強要素の割線モジュラスは、100GPa未満、好ましくは20GPaを超え、より好ましくは30〜90GPaである、請求項3記載のタイヤ。
  5. 前記補強要素の前記最大接線モジュラスは、130GPa未満であり、好ましくは120GPa未満である、請求項3又は4記載のタイヤ。
  6. 前記周方向補強要素層の前記補強要素は、低い伸び率については浅い勾配を有し、高い伸び率については実質的に一定の且つ急な勾配を有する引張り応力/相対伸び率曲線を示す金属補強要素である、請求項1〜5のうちいずれか一に記載のタイヤ。
  7. 前記軸方向に最も幅の広い実働クラウン層は、他の実働クラウン層の半径方向内側に位置している、請求項1〜6のうちいずれか一に記載のタイヤ。
  8. 前記軸方向に最も幅の広い実働クラウン層の軸方向幅と軸方向に幅の最も狭い実働クラウン層の軸方向幅との差は、10〜30mmである、請求項1〜7のうちいずれか一に記載のタイヤ。
  9. 前記少なくとも1つの周方向補強要素の軸方向幅は、前記軸方向に最も幅の広い実働クラウン層の軸方向幅よりも小さい、請求項1〜8のうちいずれか一に記載のタイヤ。
  10. 前記少なくとも1つの周方向補強要素層は、2つの実働クラウン層相互間に半径方向に配置されている、請求項1〜9のうちいずれか一に記載のタイヤ。
  11. 前記周方向補強要素層に対して半径方向に隣接して位置する実働クラウン層の軸方向幅は、前記周方向補強要素層の軸方向幅よりも大きい、請求項10記載のタイヤ。
  12. 前記周方向補強要素層に隣接して位置する実働クラウン層は、赤道面の各側で且つ前記周方向補強要素層の直近の軸方向延長部内において、軸方向幅にわたり結合され、次に、少なくとも前記2つの実働クラウン層に共通の幅の残部にわたりゴムコンパウンドの異形要素によって結合解除されている、請求項11記載のタイヤ。
  13. 前記クラウン補強材の半径方向外側には、保護プライと呼ばれている補強要素の少なくとも1つの追加のプライが補足され、前記補強要素は、弾性であると言われていて、周方向と10°〜45°の角度をなすと共に前記追加プライに対して半径方向に隣接して位置する前記実働層の非伸張性要素のなす角度と同一の方向に差し向けられている、請求項1〜12のうちいずれか一に記載のタイヤ。
  14. 前記クラウン補強材は、周方向と60°を超える角度をなす金属補強要素で形成された三角形構造形成層を更に有する、請求項1〜13のうちいずれか一に記載のタイヤ。
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