詳細な説明
ある実施形態では、増殖性疾患の治療、対処または予防方法が本明細書中で提供され、該方法は、そのような治療、対処または予防を必要とする哺乳動物などの対象に対して、治療的または予防的に有効な量の上記の構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグを、ヌクレオシドアナログ、アントラサイクリン、トポイソメラーゼ阻害剤またはそれらの組み合わせから選択される第2の薬剤との組み合わせで投与することを含む。
ある実施形態では、増殖性疾患を治療、対処または予防する方法が本明細書中で提供され、該方法は、そのような治療、対処または予防を必要とする哺乳動物などの対象に対して、治療的または予防的に有効な量のAC220または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物を、ヌクレオシドアナログ、アントラサイクリン、トポイソメラーゼ阻害剤またはそれらの組み合わせから選択される第2の薬剤との組み合わせで投与することを含む。
ある実施形態では、増殖性疾患を治療、対処または予防する方法が本明細書中で提供され、該方法は、そのような治療、対処または予防を必要とする哺乳動物などの対象に対して、治療的または予防的に有効な量のAC220または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物を、アントラサイクリンおよびトポイソメラーゼ阻害剤から選択される第2の薬剤との組み合わせで投与することを含む。
ある実施形態では、ヌクレオシドアナログ、アントラサイクリン、トポイソメラーゼ阻害剤またはそれらの組み合わせと、上記の構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグとを併用することによる、血液腫瘍性疾患を治療するための方法および組成物が本明細書中で提供される。
ある実施形態では、ヌクレオシドアナログと、上記の構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグとを併用することによる、血液腫瘍性疾患を治療するための方法および組成物が本明細書中で提供される。
一つの実施形態では、該方法は、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、CNS癌、結腸癌、食道癌、頭頸部癌、肝癌、肺癌、鼻咽頭癌、神経内分泌癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、唾液腺癌、小細胞肺癌、皮膚癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌または血液悪性腫瘍から選択される様々な癌を治療、予防または対処することを包含する。癌は、再発性、または従来の療法に対して難治性もしくは抵抗性のものであってもよい。
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法において、AC220または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物は、クロファラビン、シタラビン、ダウノルビシンおよびエトポシドまたはそれらの組み合わせから選択される第2の活性薬剤との組み合わせで投与される。ある実施形態では、本明細書中で提供される方法において、AC220または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物は、ダウノルビシンおよびエトポシドから選択される第2の活性薬剤との組み合わせで投与される。これらの組み合わせのための具体的な用量および投与レジメンは以下に提供される。
A.定義
本明細書中に示す開示の理解を促進するために、多くの用語について以下に定義する。
本明細書中で使用される用語体系ならびに本明細書中に記載される有機化学、医薬品化学、生化学、生物学、薬理学およびその他における実験的手順は、一般的に、周知のものであって、当該技術分野において一般に用いられているものである。別途に定義しない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、一般的に、本開示が属する分野において当業者によって通常理解されているものと同様の意味を有する。
用語「腫瘍(tumor)」、「腫瘍(新生物;neoplasm)」および「腫瘍性(neoplastic)障害または疾患」は本明細書中では交換可能に使用されており、多細胞生物における細胞の1以上の部分集団の望ましくない細胞増殖であって、該多細胞生物に対する害(すなわち、不快症状または平均余命の減少)を生じるものをいうことが意図されている。ある実施形態では、腫瘍は良性(非侵襲性)または悪性(侵襲性)であり得る。
用語「癌」とは、悪性の腫瘍であって、細胞が、そうでなければ細胞増殖速度を統御するであろう通常の調節制御を失っている、制御されない細胞増殖によって特徴付けられるものをいうことが意図されている。これらの調節されない分裂細胞は、全身に拡大して、「転移」と呼ばれる過程で正常組織を侵すことが起こり得る。
用語「天然に存在する(天然に生じる)」または「天然の」とは、核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞などの生物学的物質と関連して使用される場合、天然に見出され、人間によって操作されていない物質をいう。同様に、「天然に存在しない(天然には生じない)」または「非天然の」とは、天然に見出されないか、あるいは人間によって構造的に改変されたか、または合成された物質をいう。
FMS関連チロシンキナーゼ3を表す用語「FLT3」、胎児肝臓キナーゼ2を表す「FLK−2」、幹細胞キナーゼ1を表す「STK1」、およびクラスター・オブ・ディファレンシエーション135(CD135)とは、本明細書中では交換可能に使用されており、例えばSmall et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:459-463に記載されているような、FLT3受容体タンパク質またはその変異体をいう。FLT3の変異体としては、天然のFLT3に実質的に相同のタンパク質、すなわち、天然のFLT3のアミノ酸配列と比較して、1以上の天然に生じるまたは天然には生じないアミノ酸の欠失、挿入または置換を有するタンパク質が挙げられる[例えば、FLT3の誘導体、ホモログおよびフラグメント]。FLT3変異体のアミノ酸配列は、天然のFLT3に対して、少なくとも約80%同一であり、少なくとも約90%同一であり、または少なくとも約95%同一である。天然のFLT3の天然に生じる変異形態の例としては、Nakao et al. (1996) Leukemia 10:1911-1918にも記載されているFLT3 ITD(内部タンデム重複;internal tandem duplication)変異、すなわち内部タンデム重複挿入変異、および、FLT3チロシンキナーゼドメインの変異、すなわちYamamoto et al. (2001) Blood 97(8):2434-2439にも記載されているFLT3 D835などのミスセンス変異が挙げられる。
用語「増殖性障害または疾患」とは、多細胞生物における1以上の部分集団の細胞の望ましくない細胞増殖であって、該多細胞生物に対する害(すなわち、不快症状または平均余命の減少)を生じるものをいう。増殖性障害または疾患は、様々な種類の動物およびヒトにおいて起こり得る。例えば、本明細書中で使用される場合、「増殖性障害または疾患」には、腫瘍性障害および他の増殖性障害が含まれる。
用語「腫瘍性障害または疾患」あるいは「癌」とは、異常なまたは制御されない細胞増殖に起因する腫瘍をいう。腫瘍性障害の例としては、以下に限定されないが、造血性障害(例えば、骨髄増殖性障害、血小板血症、本態性血小板増加症(ET)、血管由来(angiogenic)の骨髄化生、骨髄線維症(MF)、骨髄化生を伴う骨髄線維症(MMM)、慢性特発性骨髄線維症(IMF)、真性赤血球増加症(PV)、血球減少症、および前癌性骨髄異形成症候群など);癌(例えば、グリオーマ癌、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、胃癌、食道癌、結腸癌、膵臓癌、卵巣癌、および血液学的悪性腫瘍など)が挙げられる。
用語「血液学的悪性腫瘍」とは、生体の造血系および免疫系−骨髄およびリンパ組織の癌をいう。血液学的悪性腫瘍の例としては、例えば、骨髄異形成、リンパ腫、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、ホジキン病(ホジキンリンパ腫とも呼ばれる)、および骨髄腫(例えば、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化白血病(AUL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、前リンパ球性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞ALL、3血球系骨髄異形成を伴うAML(AML/TMDS)、混合系統白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、および多発性骨髄腫(MM))が挙げられる。
用語「白血病」とは、造血組織の悪性腫瘍をいい、以下に限定されないが、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病および急性骨髄芽球性白血病が挙げられる。白血病は、再発性、または従来の治療に対して難治性もしくは抵抗性のものであり得る。
用語「再発」とは、治療後に癌の寛解を得た対象または哺乳動物が、また癌細胞の復帰を有する状態を言う。
用語「難治性または抵抗性」とは、対象または哺乳動物が、徹底的な治療の後でも、その体内に癌細胞が残存する状況をいう。
用語「薬物抵抗性」とは、疾患が単数または複数の薬物での治療に対して反応しない状態をいう。薬物抵抗性は、内因性(疾患が単数または複数の薬物に対して反応性であったことがないことを意味する)であり得、あるいは獲得性(疾患が、以前には反応した単数または複数の薬物に対して反応しなくなることを意味する)であり得る。ある実施形態では、薬物抵抗性は内因性である。ある実施形態では、薬物抵抗性は獲得性である。本明細書中で使用される場合、用語「薬物抵抗性」は、イマチニブ抵抗性、ダサチニブ抵抗性および/またはニロチニブ抵抗性を含むことが意図される。
用語「過剰発現する」または「過剰発現」は、ある疾患、障害または状態と関連する細胞が、ある疾患、障害または状態と関連しない、それ以外では同一の細胞よりも、検出できる程度に高いレベルのタンパク質(FLT3またはFLT3など)を含むことが意図される。
用語「対象」とは、動物のことをいい、以下に限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラットまたはマウスが挙げられる。用語「対象」および「患者」は、例えば哺乳動物対象(例えばヒト対象など;一つの実施形態ではヒト)に関して、本明細書中では交換可能に使用されている。
用語「治療する」、「治療すること」および「治療」は、障害、疾患もしくは状態、または障害、疾患もしくは状態に関連する1以上の症状を軽減または抑止すること;あるいは障害、疾患または状態の原因そのものを軽減または根絶することを含むことが意図される。
用語「予防する」、「予防すること」および「予防」は、特定の疾患または障害の症状を抑制することを含む。ある実施形態では、癌または白血病の家族歴を有する患者が予防レジメンの候補である。一般に、用語「予防すること」とは、症状の発現前に、特に癌のリスクがある患者に対して、薬物を投与することをいう。
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、用語「対処する」、「対処すること」および「対処」は、特定の疾患または障害を罹患していた患者において該疾患または障害の再発を防止すること、該疾患または障害を罹患していた患者が寛解期のままである時間を長期化すること、該患者の死亡率を低減すること、および/または、対処されている疾患または状態と関連する症状の重症度の低減または回避を維持することを包含する。
用語「接触すること」または「接触」とは、そのような接触の結果として生理学的および/または化学的な作用が起こるように、治療剤と細胞または組織とを一緒にすることをいうことが意図される。接触は、インビトロ、生体外または生体内で生じ得る。一つの実施形態では、治療剤の細胞に対する効果を決定するために、該治療剤は細胞培養物中の該細胞(インビトロ)と接触される。別の実施形態では、細胞または組織との治療剤の接触は、接触されるべき細胞または組織を有する対象に対して治療剤を投与することを含む。
用語「治療有効量」は、ある化合物の量であって、それが投与されたときに、治療されている障害、疾患または状態の1つ以上の症状の発生を予防するか、またはある程度まで緩和させるのに十分な量を含むことが意図される。用語「治療有効量」とはまた、ある化合物の量であって、研究者、獣医、医師または臨床医によって探求されている、生体分子(例、タンパク質、酵素、RNAまたはDNA)、細胞、組織、系、動物または人間の生物学的または医学的な反応を惹起するのに十分な量をいう。
用語「併用投与」および「組み合わせて」は、2つの治療剤(例えば、AC220、およびダウノルビシンまたはエトポシドなどの第2の抗癌剤)を、同時に、並行して、または特定の時間的な制限なく順次に、のいずれかで投与することを含む。一つの実施形態では、両薬剤は、細胞中または患者の身体中に同時に存在するか、あるいは、生物学的または治療的な効果を同時に及ぼす。一つの実施形態では、2つの治療剤は、同一の組成物中または単位投与剤形中に存在する。別の実施形態では、2つの治療剤は、別々の組成物中または単位投与剤形中に存在する。
本明細書中で使用される場合、用語「ヌクレオシドアナログ」は、核酸塩基を含有する有機化合物であって、該核酸塩基が、該核酸塩基の窒素原子を介して炭水化物環に結合しているものを示す。一つの実施形態では、該核酸塩基は、窒素含有塩基である。別の実施形態では、該炭水化物環は糖環である。ヌクレオシドアナログは、リン酸部分を含有していてもよい。窒素含有塩基の例としては、以下に限定されないが、プリンおよびその誘導体(アデニン、グアニンおよびヒポキサンチンなど)、ならびにピリミジンおよびその誘導体(シトシン、ウラシル、チミンおよび4−アミノ−トリアジン−2(1H)−オン(シトシンのアザ誘導体)など)が挙げられる。本発明で使用するためのヌクレオシドアナログは、腫瘍細胞代謝拮抗剤(antimetaboite)、すなわち、腫瘍細胞の生物学的な機能を妨げる化合物である。例えば、ヌクレオシドアナログは、DNAメチル化、DNA合成、および細胞分裂に関連する他の機能を妨げるものであり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「アントラサイクリン」とは、特定の種類のストレプトミセス属の細菌に由来するある種類の抗腫瘍性の抗生物質、またはその誘導体をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「トポイソメラーゼ阻害剤」とは、トポイソメラーゼ酵素を妨害する物質をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「非間隙日(non-void day)」は、式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラック、あるいはヌクレオシドアナログ、アントラサイクリンまたはトポイソメラーゼ阻害剤などの第2の薬剤の少なくとも一つが投与される日を意図する。
「同時投与」は、ヌクレオシドアナログ、アントラサイクリンまたはトポイソメラーゼ阻害剤と、構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラックとが同じ日に投与されることを意図する。同時投与のためには、ヌクレオシドアナログ、アントラサイクリンまたはトポイソメラーゼ阻害剤と、構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラックとが、同時に投与されてもよいし、一つずつ投与されてもよい。
「順次投与」は、間隙日を何ら伴わない2日以上の連続的な併用投与の期間の間に、ヌクレオシドアナログ、アントラサイクリンまたはトポイソメラーゼ阻害剤、および、構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラックのうちの一方のみが任意の所定の日に投与されることを意図する。
「重複投与」は、間隙日を何ら伴わない2日以上の連続的な併用投与の期間の間に、同時投与の日が少なくとも一日あり、かつ、ヌクレオシドアナログ、アントラサイクリンまたはトポイソメラーゼ阻害剤、および、構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラックのうちの一方のみが投与される日が少なくとも一日あることを意図する。
「間隔投与」は、ある期間の併用投与であって、少なくとも一日の間隙日を伴うものを意図する。「連続的な投与」は、ある期間の併用投与であって、間隙日を何ら伴わないものを意図する。連続的な投与は、上述したような同時的、順次的または重複的なものであり得る。
用語「医薬的に許容される担体」、「医薬的に許容される賦形剤」、「生理学的に許容される担体」または「生理学的に許容される賦形剤」とは、例えば液体もしくは固体の増量剤、希釈剤、溶媒または封入物質などの、医薬的に許容される物質、組成物またはビヒクルをいう。一つの実施形態では、各構成要素は、医薬製剤の他の成分と適合性であるという意味において、そして合理的な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、または他の問題もしくは合併症なく、ヒトおよび動物の組織または器官と接触して使用するのに適しているという意味において、「医薬的に許容される」ものである。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Lippincott Williams & Wilkins: Philadelphia, PA, 2005;Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th Edition; Rowe et al., Eds., The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: 2005;およびHandbook of Pharmaceutical Additives, 3rd Edition, Ash and Ash Eds., Gower Publishing Company: 2007;Pharmaceutical Preformulation and Formulation, 2nd Edition, Gibson Ed., CRC Press LLC: Boca Raton, FL, 2009を参照されたい。
用語「約」または「およそ」は、当業者により決定される特定の値についての許容可能な誤差を意味し、部分的には、その値がどのように測定または決定されるかに依存する。ある実施形態では、用語「約」または「およそ」は、1、2、3または4標準偏差の範囲内を意味する。ある実施形態では、用語「約」または「およそ」は、所定の値または範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%または0.05%の範囲内を意味する。
用語「活性成分」および「活性物質」とは、状態、障害または疾患の1以上の症状を治療、予防または緩和するために、対象に対して単独でまたは1以上の医薬的に許容される賦形剤との組み合わせで投与される化合物をいう。本明細書中で使用される場合、「活性成分」および「活性物質」は、本明細書中に記載される化合物の光学活性異性体であってもよい。
用語「薬物」、「治療剤」および「化学療法剤」とは、状態、障害または疾患の1以上の症状を治療、予防または緩和するために対象に対して投与される化合物またはその医薬組成物をいう。
本明細書中で使用される場合、別段の記載がなければ、用語「水和物」は、本明細書中で提供される化合物またはその塩であって、非共有的な分子間力により結合した化学量論的または非化学量論的な量の水を更に含むものを意味する。
本明細書中で使用される場合、別段の記載がなければ、用語「溶媒和物」は、本明細書中で提供される化合物に対する1以上の溶媒分子の会合により形成された溶媒和物を意味する。用語「溶媒和物」には、水和物(例えば、その一水和物、二水和物、三水和物および四水和物など)が含まれる。
「アルキル」とは、直線または分岐した炭化水素鎖であって、炭素および水素原子のみから構成され、不飽和を含まず、1〜10個の炭素原子を有し、分子の残部に単結合で結合しているものをいい、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)などである。
「アルケニル」とは、直線または分岐した炭化水素鎖であって、炭素および水素原子のみから構成され、少なくとも1つの二重結合を含み、2〜10個の炭素原子を有し、分子の残部に単結合または二重結合で結合しているものをいい、例えば、エテニル、プロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニルなどである。
「アルキニル」とは、直線または分岐した炭化水素鎖であって、炭素および水素原子のみから構成され、少なくとも1つの三重結合を含み、2〜10個の炭素原子を有し、分子の残部に単結合または三重結合で結合しているものをいい、例えば、エチニル、プロパ−1−イニル、ブタ−1−イニル、ペンタ−1−イニル、ペンタ−3−イニルなどである。
「アルキレン」および「アルキレン鎖」とは、直線または分岐した二価炭化水素鎖であって、炭素および水素のみから構成され、不飽和を含まず、1〜8個の炭素原子を有するものをいい、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレンなどである。アルキレン鎖は、鎖中の任意の2つの炭素を介して分子の残部に結合され得る。
「アルコキシ」とは、式−OR(式中、Rはアルキルまたはハロアルキルである)を有する基をいう。「置換されていてもよいアルコキシ」は、式−OR(式中、Rは、本明細書中で定義される通りの置換されていてもよいアルキルである)を有する基をいう。
「アミノ」とは、式−NR’R’’(式中、R’およびR’’はそれぞれ独立して水素、アルキルまたはハロアルキルである)を有する基をいう。「置換されていてもよいアミノ」とは、式−NR’R’’(式中、R’およびR’’の一方または両方は、本明細書中で定義される通りの置換されていてもよいアルキルである)を有する基をいう。
「アリール」とは、炭素環系(carbocylic ring system)の基であって、環の少なくとも一つが芳香族であるものをいう。アリールは、完全に芳香族であってもよく、その例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、アセナフチレニル、アズレニル、フルオレニル、インデニルおよびピレニルである。アリールはまた、非芳香族環との組み合わせで芳香族環を含有するものであってもよく、その例としては、アセナフェン、インデンおよびフルオレンである。
「アラルキル」とは、式−RaRb(式中、Raは上で定義した通りのアルキル基であって、それが上で定義した通りのアリール基であるRbにより置換されている)の基をいい、例えばベンジルである。アルキル基およびアリール基の両方は、本明細書中で定義されるように置換されていてもよい。
「シクロアルキル」とは、安定な一価の単環式または二環式炭化水素基であって、炭素および水素原子のみから構成され、3〜10個の炭素原子を有し、飽和しており、かつ分子の残部に単結合で結合しているものをいい、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカリニル、ノルボルナン(norbomane)、ノルボルネン(norbomene)、アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタンなどである。
「シクロアルキルアルキル」とは、式−RaRd(式中、Raは上で定義した通りのアルキル基であり、Rdは上で定義した通りのシクロアルキル基である)の基をいう。アルキル基およびシクロアルキル基は、本明細書中で定義されるように置換されていてもよい。
「ハロ」、「ハロゲン」または「ハライド」とは、F、Cl、BrまたはIをいう。
「ハロアルキル」とは、アルキル基であって、1以上の水素原子がハロゲンで置換されているものをいう。そのような基としては、以下に限定されないが、クロロメチル、トリフルオロメチルおよび1−クロロ−2−フルオロエチルが挙げられる。
「ハロアルケニル」とは、アルケニル基であって、1以上の水素原子がハロゲンで置換されているものをいう。そのような基としては、以下に限定されないが、1−クロロ−2−フルオロエテニルが挙げられる。
「ヘテロシクリル」とは、安定な3〜15員の環であって、炭素原子と、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1〜5個のへテロ原子とから構成されるものをいう。一つの実施態様では、ヘテロシクリル環系(複素環系)は、単環式、二環式または三環式の環または四環式の環系であってもよく、それらは、縮合または架橋環系を含んでいてもよく;複素環系中の窒素または硫黄原子は、酸化されていてもよく;窒素原子は、第4級化されていてもよく;かつ複素環系基は、部分的または完全に飽和しているかあるいは芳香族であってもよい。複素環系は、主要構造に、安定な化合物の創生をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子において結合できる。例示的なヘテロシクリル基としては、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ピロリジニルなどが挙げられる。
「ヘテロアラルキル」とは、式−RaRf(式中、Raは上で定義した通りのアルキル基であり、Rfは本明細書中で定義される通りのヘテロアリール基である)の基をいう。アルキル基およびヘテロアリール基は、本明細書中で定義されるように置換されていてもよい。
「ヘテロアリール」とは、上で定義した通りのヘテロシクリル基であって、芳香族であるものをいう。ヘテロアリール基は、主要構造に、安定な化合物の創生をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子で結合していてもよい。このようなヘテロアリール基の例としては、以下に限定されないが、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、ベンズイソオキサジニル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ベンゾフラニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、β−カルボリニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、フラニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾチエニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキサゾロピリジニル、オキサゾリル、オキシラニル、ペルイミジニル、フェナントリジニル、フェナトロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリドピリジニル、ピリミジニル、ピロリル;キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チオフェニル、トリアジニルおよびトリアゾリルが挙げられる。
「ヘテロシクリルアルキル」とは、式−RaRe(式中、Raは上で定義した通りのアルキル基であり、Reは本明細書中で定義される通りのヘテロシクリル基である)の基をいう。アルキル基およびヘテロシクリル基は、本明細書中で定義されるように置換されていてもよい。
「ヘテロシクリルアルコキシ」とは、式−ORaRe(式中、−RaReは上で定義した通りのヘテロシクリルアルキル基である)の基をいう。アルキル基およびヘテロシクリル基は、本明細書中で定義されるように置換されていてもよい。
「置換されていてもよいアルキル」、「置換されていてもよいアルケニル」および「置換されていてもよいアルキニル」とは、それぞれアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基であって、ニトロ、ハロ、アジド、シアノ、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−ORx、−N(Ry)(Rz)、−SRx、−C(J)Rx、−C(J)ORx、−C(J)N(Ry)(Rz)、−C(J)SRx、−S(O)tRw(ここで、tは1または2である)、−OC(J)Rx、−OC(J)ORx、−OC(J)N(Ry)(Rz)、−OC(J)SRx、−N(Rx)C(J)Rx、N(Rx)C(J)Rx、−N(Rx)C(J)N(Ry)(Rz)、−N(Rx)C(J)SRx、−Si(Rw)3、−N(Rx)S(O)2Rw、−N(Rx)S(O)2N(Ry)(Rz)、−S(O)2N(Ry)(Rz)、−P(O)(Rv)2、−OP(O)(Rv)2、−C(J)N(Rx)S(O)2Rw、−C(J)N(Rx)N(Rx)S(O)2Rw、−C(Rx)=N(ORx)および−C(Rx)=NN(Ry)(Rz)からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいものをいい、ここで、
Rxは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり、
RyおよびRzは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであるか、あるいは
RyおよびRzは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールを形成し、
Rwは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり、
Rvは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヒドロキシ、−ORxまたは−N(Ry)(Rz)であり、かつ、Jは、O、NRxまたはSである。
明細書中で別段に具体的に記載されていない限り、置換はアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基の任意の炭素で生じ得ることが理解される。
「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいシクロアルキル」、「置換されていてもよいヘテロアリール」および「置換されていてもよいヘテロシクリル」とは、それぞれアリール基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基であって、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、アジド、シアノ、オキソ、チオキソ、イミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、−RuORx、−RuN(Ry)(Rz)、−RuSRx、−RuC(J)Rx、−RuC(J)ORx、−RuC(J)N(Ry)(Rz)、−RuC(J)SRx、−RuS(O)tRw(ここで、tは1または2である)、−RuOC(J)Rx、−RuOC(J)ORx、−RuOC(J)N(Ry)(Rz)、−RuOC(J)SRx、−RuN(Rx)C(J)Rx、−RuN(Rx)C(J)ORx、−RuN(Rx)C(J)N(Ry)(Rz)、−RuN(Rx)C(J)SRx、−RuSi(Rw)3、−RuN(Rx)S(O)2Rw、−RuN(Rx)S(O)2N(Ry)(Rz)、−RuS(O)2N(Ry)(Rz)、−RuP(O)(Rv)2、−RuOP(O)(Rv)2、−RuC(J)N(Rx)S(O)2Rw、−RuC(J)N(Rx)N(Rx)S(O)2Rw、−RuC(Rx)=N(ORx)および−RuC(Rx)=NN(Ry)(Rz)からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよいものをいい、ここで、
各Ruは、独立して、アルキレンまたは直接結合であり、
各Rvは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヒドロキシ、−ORxまたは−N(Ry)(Rz)であり、
Rwは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり、
各Rxは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり、
RyおよびRzは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり、
RyおよびRzは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、複素環またはヘテロアリールを形成し、かつ、
Jは、O、NRxまたはSである。
明細書中で別段に具体的に記載されていない限り、置換はシクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基またはヘテロアリール基の任意の原子で生じ得ることが理解される。
「オキソ」とは、=Oをいう。
本発明において使用するための化合物、すなわち、ヌクレオシドアナログならびに式(I)の化合物およびその下位の属(subgenus)および特定の実施形態としては、それらの化合物およびそれらの医薬的に許容される誘導体が挙げられる。本明細書中で使用される場合、化合物の「医薬的に許容される誘導体」には、その塩、エステル、エノールエーテル、エノールエステル、アセタール、ケタール、オルトエステル、ヘミアセタール、ヘミケタール、酸、塩基、溶媒和物および/またはプロドラッグが含まれる。当業者は、このような誘導体を、このような誘導体化のための公知の方法を用いて容易に調製できる。製造された化合物は、実質的な毒性効果なしに動物またはヒトに投与することができ、医薬として活性があるか、あるいはプロドラッグである。
「塩」は、本明細書中で提供される化合物の任意の酸付加塩および/または塩基付加塩を意味し、医薬的に許容されるその塩である。医薬的に許容される塩は、本明細書中で提供される化合物の塩であって、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒトおよびより下等な動物の組織との接触に使用するために好適であり、妥当な利益/リスク比に相応しく、一般に水または油に溶けるかまたは分散し、意図する使用のために効果的であるものを意味する。適用可能であり、かつニコチン性減感剤の化学的特性と適合する場合には、該用語は、医薬的に許容される酸付加塩および医薬的に許容される塩基付加塩を含む。好適な塩の一覧は、例えばS. M. Birge et al., J. Pharm. Sci., 1977, 66, pp. 1-19に見られる。医薬的に許容される塩としては、以下に限定されないが、アミン塩(例えば、以下に限定されないが、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミンおよびその他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、1−パラ−クロロベンジル−2−ピロリジン−1’−イルメチル−ベンズイミダゾール、ジエチルアミンおよびその他のアルキルアミン、ピペラジンおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどの塩);アルカリ金属塩(例えば、以下に限定されないが、リチウム、カリウムおよびナトリウムなどの塩);アルカリ土類金属塩(例えば、以下に限定されないが、バリウム、カルシウムおよびマグネシウムなどの塩);遷移金属塩(例えば、以下に限定されないが、亜鉛などの塩);およびその他の金属塩(例えば、以下に限定されないが、リン酸水素ナトリウムおよびリン酸二ナトリウムなどの塩)が挙げられ、また、以下に限定されないが、鉱酸の塩(例えば、以下に限定されないが、塩酸および硫酸などの塩);および有機酸の塩(例えば、以下に限定されないが、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、酪酸、吉草酸およびフマル酸などの塩)も挙げられる。
「エステル」は、本発明の化合物の任意のエステルであって、該分子の−COOH官能基のいずれかが−COOR官能基(ここで、該エステルのR部分は、以下に限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルおよびそれらの置換された誘導体を含む、安定なエステル部分を形成する任意の炭素含有基である)で置換されているものを意味する。用語「エステル」には、以下に限定されないが、医薬的に許容されるそのエステルが含まれる。医薬的に許容されるエステルとしては、以下に限定されないが、カルボン酸、リン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、スルフィン酸およびボロン酸を含む酸性基の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルおよびヘテロシクリルとのエステルが挙げられる。
医薬的に許容されるエノールエーテルとしては、以下に限定されないが、式C=C(OR)(ここで、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである)の誘導体が挙げられる。医薬的に許容されるエノールエステルとしては、以下に限定されないが、式C=C(OC(O)R)(ここで、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである)の誘導体が挙げられる。
「プロドラッグ」は、インビボで投与されると、1つ以上のステップまたは過程によって代謝されるか、あるいは別の方法で変換されて、その化合物の生物学的、医薬的または治療的に活性のある形態になる化合物である。プロドラッグを製造するには、医薬的に活性のある化合物を、代謝過程により該活性化合物が再び生成されるように改変する。プロドラッグは、薬物の代謝安定性または輸送特性を変更するように、副作用または毒性をマスクするように、薬物の風味を改善するように、または薬物のその他の性質または特性を変えるように設計することができる。インビボでの薬力学的過程および薬物代謝の知識によって、当業者は、医薬的に活性のある化合物が分かれば、該化合物のプロドラッグを設計することができる(例えば、Nogrady (2005) Medicinal Chemistry A Biochemical Approach, Oxford University Press, New Yorkを参照されたい)。
本明細書中で使用される場合、「実質的に純粋」は、そのような純度を評価するために当業者によって使用される薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および質量分光法(MS)などの標準的な分析方法によって測定した場合に、容易に検出可能な不純物を含まないと思われるほど十分に均質であるか、あるいはさらに精製しても、物質の酵素活性および生物学的活性などの物理的および化学的特性が検出可能な程には変化しない程十分に純粋であることを意味する。実質的に化学的に純粋な化合物を製造するための化合物の精製方法は、当業者に公知である。しかしながら、実質的に化学的に純粋な化合物は、立体異性体の混合物であってもよい。このような場合には、さらに精製すると、化合物の比活性が増加する可能性がある。
別途具体的に記載しない限り、化合物が、代替的な互変異性、位置異性および/または立体異性の形態をとり得る場合には、全ての代替的な異性体が、特許を請求される主題の範囲内に包含されることが意図される。例えば、化合物が、2つの互変異性形の一方を有するとして記載される場合には、両方の互変異性体がその中に包含されることが意図される。
したがって、本明細書中で提供される化合物は、鏡像異性体として(enantiomericaily)純粋であってもよいし、あるいは立体異性体またはジアステレオマーの混合物であってもよい。
本明細書中で提供される化合物はキラル中心を含み得ることを理解すべきである。このようなキラル中心は、(R)または(S)のどちらかの立体配置を有していてもよいし、あるいはそれらの混合物であってもよい。本明細書中で提供される化合物のキラル中心は、インビボでエピマー化を受け得ることを理解すべきである。かくして、当業者は、その(R)型の化合物を投与することが、インビボでエピマー化を受ける化合物にとって、その(S)型の化合物を投与することと等価であることを認識するであろう。
光学活性の(+)および(−)、(R)−および(S)−、または(D)−および(L)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製することができ、あるいは逆相HPLCなどの従来技術を用いて分割できる。
本明細書中で使用する場合、用語「鏡像異性体として純粋」または「純粋な鏡像異性体」は、その化合物が、75重量%を超える、80重量%を超える、85重量%を超える、90重量%を超える、91重量%を超える、92重量%を超える、93重量%を超える、94重量%を超える、95重量%を超える、96重量%を超える、97重量%を超える、98重量%を超える、98.5重量%を超える、99重量%を超える、99.2重量%を超える、99.5重量%を超える、99.6重量%を超える、99.7重量%を超える、99.8重量%を超える、または99.9重量%を超える鏡像異性体を含むことを示す。
任意の与えられた置換基の個数が特定されない(例えば、ハロアルキル)場合、1つ以上の置換基が存在し得る。例えば、「ハロアルキル」は、1つ以上の同一または異なるハロゲンを含み得る。
本明細書中の説明で、化学名と化学構造の間に何らかの不一致がある場合、構造が優先する。
本明細書中で使用される場合、任意の保護基、アミノ酸およびその他の化合物に関する省略形は、特記しない限り、それらの一般的な使用法、認められた省略形、または生化学命名法に関するIUPAC−IUB委員会(Biochem. 1972, 11:942-944を参照されたい)に従う。
上記の式(I)のイミダゾロチアゾール化合物は、当業者に公知の方法により合成することができる。イミダゾロチアゾール化合物を得るためのある具体的な手順は、「Imidazolothiazole Compounds for the Treatment of Disease」というタイトルでWO 2007/109120として公開された国際出願番号PCT/US2007/006613(その内容は、参照することにより、全ての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
B.式(I)の化合物
ある実施形態では、式(I)のイミダゾロチアゾール化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグであって、増殖性疾患を治療するために、本明細書中に記載されるようにヌクレオシドアナログ、アントラサイクリンまたはトポイソメラーゼ阻害剤との組み合わせで使用され得るものが本明細書中で提供される。ある実施形態では、式(I)のイミダゾロチアゾール化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグであって、血液腫瘍性疾患を治療するために、本明細書中に記載されるようにヌクレオシドアナログとの組み合わせで使用され得るものが本明細書中で提供される。
式(I)の一つの実施形態では、X2は−O−である。
式(I)の別の実施形態では、Xは−S−である。
式(I)の別の実施形態では、3つのR0のうちの2つが水素であり;かつ他方のR0が
である。一つの実施形態では、Yは−O−である。別の実施形態では、Kは−O(CH2)q−(式中、酸素原子は縮合三環核のフェニル環に結合している)である。別の実施形態では、pは整数1である。別の実施形態では、qは整数2である。
式(I)の別の実施形態では、R2は水素である。
式(I)の別の実施形態では、R3は水素である。
式(I)の別の実施形態では、R10の一つは水素であり、他のR10は置換されていてもよいアルキルである。
式(I)の一つの実施形態では、該化合物は構造式(Ia):
(式中、
Kは−O(CH2)q−、−(CH2)qO−、−(CH2)q−または−(CH2)qO(CH2)q−であり;
各qは独立して1〜4であり;
Yは−O−、−S−または−N(R14)−であり;
R2は独立して、水素、ハロ、置換されていてもよいアルキル、または−OR12であり;
R10は水素、ハロ、置換されていてもよいアルキルまたは置換されていてもよいシクロアルキルであり;かつ、
R12は水素または置換されていてもよいアルキルである)
で表すことができる。
式(I)の別の実施形態では、R3は水素である。
具体的な実施形態では、構造式(I)の化合物は以下のものからなる群から選択される。
3−(2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−イル)−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−プロピオンアミド;
3−(2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−イル)−N−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−プロピオンアミド;
3−(2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−イル)−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−プロピオンアミド;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(4−メチル−ピペラジン−l−イル)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
l−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−(4−{7−[2−(4−メチル−ピペラジン−l−イル)−エトキシ]−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−2−イル}−フェニル)−尿素;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−(4−{7−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−2−イル}−フェニル)−尿素;
l−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−(4−{7−[3−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−l−イル)−プロポキシ]−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−2−イル}−フェニル)−尿素;
N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−(4−{7−[3−(4−エチル−ピペラジン−1−イル)プロピル]イミダゾ[2,1−b][l,3)ベンゾチアゾール−2−イル}フェニル)尿素;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロピル)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−l−メチル−1−{4−[7−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,1−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素;
l−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−[4−(7−モルホリン−4−イル−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−2−イル)−フェニル]−尿素;
N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)イミダゾ[2,1−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素;
N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[5−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,1−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素;
2−(2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−イル)−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アセトアミド;
2−(2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−イル)−N−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−アセトアミド;
2−(2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−イル)−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−アセトアミド;
l−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−(4−{7−[2−(4−エチル−ピペラジン−l−イル)−2−オキソ−エチル]−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−2−イル}−フェニル)−尿素;および
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−[4−(7−モルホリン−4−イルメチル−イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−2−イル)−フェニル]−尿素;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−[4−(7−ピペリジン−1−イルメチル−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル)−フェニル]−尿素;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソ−エチル)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
l−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−イミダゾ[2,l−b][1,3]ベンゾチアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
l−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(2−ピペリジン−l−イル−エチル)−イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−(4−{7−[2−(4−エチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−2−イル}−フェニル)−尿素;
N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[6−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,1−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素;
2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−カルボン酸(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アミド;
2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−カルボン酸(2−ピペリジン−l−イル−エチル)−アミド;
2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−カルボン酸(2−ピロリジン−l−イル−エチル)−アミド;
2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−カルボン酸(2−ジエチルアミノ−エチル)−アミド;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(4−エチル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
l−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−ピペラジン−l−カルボニル)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;および
l−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(4−メチル−ピペラジン−l−カルボニル)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素.
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−[4−(7−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル)−フェニル]−尿素;
l−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−[4−(7−メトキシ−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−2−イル)−フェニル]−尿素;
1−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−3−{4−[7−(2−ジエチルアミノ−エトキシ)−ベンゾ[d]イミダゾ[2,1−b]チアゾール−2−イル]−フェニル}−尿素;
エチル{2−[4−({[(5−tert−ブチルイソオキサゾール−3−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−7−イル}アセテート;
3−{2−[4−({[(5−tert−ブチルイソオキサゾール−3−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]イミダゾ[2,l−b][1,3]ベンゾチアゾール−7−イル}酢酸;
ピロリジン−2−カルボン酸2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−イルエステル;
エチル3−{2−[4−({[(5−tert−ブチルイソオキサゾール−3−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]イミダゾ[2,1−b][l,3]ベンゾチアゾール−7−イル}プロパノエート;
3−{2−[4−({[(5−tert−ブチルイソオキサゾール−3−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]イミダゾ[2,1−b][l,3]ベンゾチアゾール−7−イル}プロパン酸
3−(2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−イル)−N,N−ジエチル−プロピオンアミド;
2−(2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−イル)−N−(2−ジエチルアミノ−エチル)−アセトアミド;
3−(2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−イル)−N−(2−ジエチルアミノ−エチル)−プロピオンアミド;
2−アミノ−3−メチル−酪酸2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−イルエステル;
2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−カルボン酸エチルエステル;および
2−{4−[3−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−ウレイド]−フェニル}−ベンゾ[d]イミダゾ[2,l−b]チアゾール−7−カルボン酸
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法において使用するのに好適な化合物は、式A:
の構造を有するN−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素(これはAC220としても知られている)、または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物である。
ある実施形態では、AC220は、米国特許公開第2007/0232604号(その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載の方法に従って調製できる。ある実施形態では、AC220は、仮特許出願第61/258,550号(その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載の方法に従って作製できる。該化合物はまた、本明細書の教示に基づいて当業者に明らかな他の方法に従って合成することもできる。
一つの実施形態では、本明細書中で提供される方法において使用される化合物は、AC220の遊離塩基または医薬的に許容されるその溶媒和物である。一つの実施形態では、該遊離塩基は固体である。別の実施形態では、該遊離塩基は非晶質形態の固体である。また別の実施形態では、該遊離塩基は結晶形態の固体である。固体形態のAC220は、米国特許公開第2009/0123418号(その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載の方法に従って、あるいは当該分野において公知の他の方法を用いて作製することができる。
別の実施形態では、該遊離塩基は、医薬的に許容される溶媒和物である。一つの実施形態では、該遊離塩基は水和物である。別の実施形態では、医薬的に許容される溶媒和物は、メタノール溶媒和物である。AC220のメタノール溶媒和物は、米国特許公開第2009/0123418号に記載の方法に従って、あるいは当該分野において公知の他の方法を用いて作製することができる。
また別の実施形態において、本明細書中において提供される方法において使用される化合物は、AC220の医薬的に許容される塩であり、以下に限定されないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、1,2−エタンジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミスルホン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、2−ナフタレンスルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩またはウンデカン酸塩が含まれる。
一つの実施形態では、医薬的に許容される塩は、AC220の、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メシル酸塩、エシル酸塩、エジシル酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩またはナプシル酸塩である。別の実施形態では、医薬的に許容される塩は、AC220の塩酸塩である。また別の実施形態では、医薬的に許容される塩は、AC220の臭化水素酸塩である。また別の実施形態では、医薬的に許容される塩は、AC220の硫酸塩である。また別の実施形態では、医薬的に許容される塩は、AC220のメシル酸塩である。また別の実施形態では、医薬的に許容される塩は、AC220のエシル酸塩である。また別の実施形態では、医薬的に許容される塩は、AC220のエジシル酸塩である。また別の実施形態では、医薬的に許容される塩は、AC220のベシル酸塩である。また別の実施形態では、医薬的に許容される塩は、AC220のトシル酸塩である。更に別の実施形態では、医薬的に許容される塩は、AC220のナプシル酸塩である。AC220の医薬的に許容される塩は、米国特許公開第2009/0123418号(その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載の方法に従って作製することができる。AC220の医薬的に許容される塩はまた、当該分野において公知の他の方法を使用して作製することもできる。
本明細書中で使用される場合、AC220は、特定の立体化学が明記されない限り、全ての可能な立体異性体を包含することが意図される。AC220の構造異性体が、低いエネルギー障壁により相互変換可能な場合、AC220は、単一の互変異性体または互変異性体の混合物として存在し得る。これは、例えば尿素基を含有する化合物においてはプロトン互変異性の形をとり得;または芳香族部分を含有する化合物においてはいわゆる原子価互変異性の形をとり得る。
本明細書中で提供される化合物はまたプロドラックとして提供されてもよく、これは式(I)の化合物の機能的な誘導体であって、生体内で親化合物に容易に変換し得る。プロドラッグはしばしば有用である。いくつかの状況では、それらは、親化合物よりも容易に投与し得るためである。プロドラックは例えば、経口投与によって生物学的に利用可能であり得るが、親化合物はそうではない。プロドラッグはまた、親化合物に対して、医薬組成物中での溶解性が向上していることもあり得る。プロドラッグは酵素過程および代謝による加水分解を含む様々なメカニズムにより親薬物に変換され得る。Harper, Progress in Drug Research 1962, 4, 221-294; Morozowich et al. in "Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs," Roche Ed., APHA Acad. Pharm. Sci. 1977; "Bioreversible Carriers in Drug in Drug Design, Theory and Application," Roche Ed., APHA Acad. Pharm. Sci. 1987; "Design of Prodrugs," Bundgaard, Elsevier, 1985; Wang et al, Curr. Pharm. Design 1999, 5, 265-287; Pauletti et al., Adv. Drug. Delivery Rev. 1997, 27, 235-256; Mizen et al, Pharm. Biotech. 1998, 11, 345-365; Gaignault et al., Pract. Med. Chem. 1996, 671-696; Asgharnejad in "Transport Processes in Pharmaceutical Systems," Amidon et al., Ed., Marcell Dekker, 185-218, 2000; Balant et al., Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet. 1990, 15, 143-53; Balimane and Sinko, Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 183-209; Browne, Clin. Neuropharmacol. 1997, 20, 1-12; Bundgaard, Arch. Pharm. Chem. 1979, 86, 1-39; Bundgaard, Controlled Drug Delivery 1987, 17, 179-96; Bundgaard, Adv. Drug Delivery Rev. 1992, 8, 1-38; Fleisher et al., Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 115-130; Fleisher et al., Methods Enzymol. 1985, 112, 360-381; Farquhar et al., J. Pharm. Sci. 1983, 72, 324-325; Freeman et al., J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1991, 875-877; Friis and Bundgaard, Eur. J. Pharm. Sci. 1996, 4, 49-59; Gangwar et al., Des. Biopharm. Prop. Prodrugs Analogs, 1977, 409-421; Nathwani and Wood, Drugs 1993, 45, 866-94; Sinhababu and Thakker, Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 241-273; Stella et al., Drugs 1985, 29, 455-73; Tan et al., Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 117-151; Taylor, Adv. Drug Delivery Rev. 1996, 19, 131-148; Valentino and Borchardt, Drug Discovery Today 1997, 2, 148-155; Wiebe and Knaus, Adv. Drug Delivery Rev. 1999, 39, 63-80;およびWaller et al., Br. J. Clin. Pharmac. 1989, 28, 497-507を参照されたい。
C.第2の薬剤
本明細書中で提供される方法および組成物において、式(I)の化合物、AC220または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物は、1以上の第2の活性薬剤と共にまたはそれらと組み合わせて使用され得る。いかなる理論に限定されるものではないが、特定の組み合わせは癌の治療において相乗的に機能するものと思われる。当該方法はまた、式(I)の化合物、AC220または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物を、特定の第2の活性薬剤と関連する副作用を緩和、低減または回避する様式で使用することを包含する。式(I)の化合物、AC220または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物と関連する有害なまたは望ましくない作用を緩和、低減または回避する様式で第2の活性薬剤が使用される方法もまた提供される。
1以上の第2の活性成分または薬剤が、本明細書中で提供される方法および組成物において、式(I)の化合物またはAC220、または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物と共に使用され得る。
ある実施形態では、第2の薬剤は、ヌクレオシドまたはそのアナログである。用語「ヌクレオシドアナログ」は、核酸塩基を含有する有機化合物であって、該核酸塩基が該核酸塩基の窒素原子を介して炭水化物環に結合しているものを示す。一つの実施形態では、該核酸塩基は窒素含有塩基である。別の実施形態では、該炭水化物環は糖環である。ヌクレオシドアナログは、リン酸部分を含有していてもよい。
窒素含有塩基の例としては、以下に限定されないが、プリンおよびその誘導体(アデニン、グアニンおよびヒポキサンチンなど)、ならびにピリミジンおよびその誘導体(シトシン、ウラシル、チミンおよび4−アミノ−トリアジン−2(1H)−オン(シトシンのアザ誘導体)など)が挙げられる。ある実施形態では、ヌクレオシドアナログは、腫瘍細胞代謝拮抗剤(antimetaboite)、すなわち、腫瘍細胞の生物学的な機能を妨げる化合物である。例えば、ヌクレオシドアナログは、DNAメチル化、DNA合成、および細胞分裂に関連する他の機能を妨げるものであり得る。
ある実施形態では、ヌクレオシドアナログは式(II):
(式中、Ra、Rb、RcおよびRdは以下の(i)、(ii)および(iii)から選択される:
(i)Raは
であり、Rbはヒドロキシであり、RcおよびRdはフルオロである;
(ii)Raは
であり、Rbはヒドロキシであり、RcおよびRdの一方は水素であり、RcおよびRdのもう一方は水素またはヒドロキシである;そして
(iii)Raは
(式中、Xはフルオロまたはクロロである)
であり、Rbは−OP(O)(OH)2またはヒドロキシであり、RcおよびRdの一方は水素であり、RcおよびRdのもう一方は水素、フルオロまたはヒドロキシである。)
を有する化合物である。
一つの実施形態では、ヌクレオシドアナログはDNA合成阻害剤である。別の実施形態では、ヌクレオシドアナログはDNAメチル化阻害剤(脱メチル化剤としても知られる)である。一つの実施形態では、ヌクレオシドアナログはリン酸部分を含む。例えば、ヌクレオシドアナログはリン酸フルダラビンであり得る。別の実施形態では、ヌクレオシドアナログはリン酸部分を含まない。例えば、ヌクレオシドアナログは、デシタビン、アザシチジン(5−アザ−シチジン、Aza−C、5−Aza−CおよびVIDAZA(登録商標)としても知られる)、クロファラビン(Clolar(登録商標)としても知られる)、クラドリビン(2CdAおよびロイスタチン(登録商標)としても知られる)、シタラビン(シトシンアラビノシド、AraC、CYTOSAR−U(登録商標)、タラビンPFSおよびデポサイト(登録商標)としても知られる)、デシタビン、フルダラビン、ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標)としても知られる)およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
一つの実施形態では、ヌクレオシドアナログはエピジェネティック剤である。「エピジェネティック剤」は、主要な細胞周期制御遺伝子および腫瘍抑制遺伝子を調節できる化合物を意図する。例えば、エピジェネティック剤は、DNAメチル化および/またはヒストン脱アセチル化(これらは、遺伝子発現のエピジェネティックな調節因子のうちの2つである)を通じて、主要な細胞周期制御遺伝子および腫瘍抑制遺伝子をサイレンシングし得る。エピジェネティック剤の例としては、以下に限定されないが、アザシチジンが挙げられる。
上述のヌクレオシドアナログは、当業者に公知の方法を通じて合成され得るか、あるいは商業的な供給源を通じて入手できる。
ある実施形態では、第2の活性薬剤は、アントラサイクリンおよびトポイソメラーゼ阻害剤から選択される。一つの実施形態では、トポイソメラーゼ阻害剤は、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシドおよびテニポシドから選択される。一つの実施形態では、トポイソメラーゼ阻害剤はエトポシドである。
上述のトポイソメラーゼ阻害剤は、当業者に公知の方法を通じて合成され得るか、あるいは商業的な供給源を通じて入手できる。
一つの実施形態では、アントラサイクリンは、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、アムルビシンおよびバルルビシンから選択される。一つの実施形態では、アントラサイクリンはダウノルビシンである。ある実施形態では、式(I)の化合物またはAC220、または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物は、シタラビンおよびダウノルビシンとの組み合わせで投与される。
上述のアントラサイクリンは、当業者に公知の方法を通じて合成され得るか、あるいは商業的な供給源を通じて入手できる。
本明細書中で提供される併用療法では、AC220および第2の薬剤は、AC220と同時にまたは順次に投与され得る。ある実施形態では、AC220ならびにヌクレオシドアナログ、アントラサイクリンおよびトポイソメラーゼ阻害剤から選択される第2の薬剤は、1以上の他の療法の使用もまた含んでいてもよい併用方法において使用され、該療法としては、以下に限定されないが、癌抗原に特異的に結合する治療抗体、造血成長因子、サイトカイン、他の抗癌剤、抗生物質、cox−2阻害剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、コルチコステロイドまたは医薬的に活性なその変異体もしくは誘導体、抗癌剤、放射線療法および制吐薬を用いる治療などが挙げられる。
ある実施形態では、式(I)の化合物と組み合わせた第2の活性薬剤の使用は、当業者によって適当と判断されるように、式(I)の化合物の投与の間またはそのすぐ後に改変または遅延されてもよい。ある実施形態では、第2の薬剤と組み合わせて式(I)の化合物(comound)を投与される対象は、適当である場合には、制吐薬を含む補助的なケアを受けてもよい。
ある実施形態では、AC220と組み合わせた第2の活性薬剤の使用は、当業者によって適当と判断されるように、AC220の投与の間またはそのすぐ後に改変または遅延されてもよい。ある実施形態では、第2の薬剤と組み合わせてAC220を投与される対象は、適当である場合には、制吐薬を含む補助的なケアを受けてもよい。
D.治療方法および予防方法
一つの実施形態では、哺乳動物における増殖性疾患を治療するための方法が本明細書中で提供され、該方法は、増殖性疾患を有する哺乳動物に対して、治療有効量の式(I)の化合物または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を、ヌクレオシドアナログ、アントラサイクリンおよびトポイソメラーゼ阻害剤またはそれらの組み合わせから選択される治療有効量の第2の活性薬剤との組み合わせで投与することを含む。
一つの実施形態では、構造式(I)を有する化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグは、約12mg/日〜約500mg/日の用量で投与される。一つの実施形態では、構造式(I)を有する化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグは、約30mg/日〜約500mg/日の用量で投与される。一つの実施形態では、ヌクレオシドアナログは、約5mg/m2〜約3g/m2の用量で投与される。一つの実施形態では、ヌクレオシドアナログは、約5mg/m2〜約150mg/m2の用量で投与される。例えば、アザシチジンは、約50mg/m2/日〜約100mg/m2/日、または約75mg/m2/日の用量で投与され得る;クロファラビンは、約11.25mg/m2/日〜約70mg/m2/日、または約40mg/m2/日〜約52mg/m2/日の用量で投与され得る;シタラビンは、髄腔内に約5mg/m2〜約75mg/m2の用量で1日1回、または4日毎に約30mg/m2の用量で4日毎に1回投与され得るか、あるいは静脈内に約5mg/m2/日〜約3g/m2/日の用量、約100mg/m2/日〜約200mg/m2/日の用量で投与され得る;デシタビンは、約33mg/m2/日〜約45mg/m2/日、または約45mg/m2/日の用量で投与され得る;フルダラビンは、約15mg/m2/日〜約40mg/m2/日、または約25mg/m2/日の用量で投与され得る。
投与の用量は、mg/m2/日の単位で表すことができ、ここで患者の体表面積(BSA)は、患者の身長および体重を用いて様々な利用可能な公式を用いてm2で算出され得る。投与の用量は、代替的には、mg/日の単位で表すこともでき、これは患者のBSAを考慮に入れないものである。当業者は、患者の身長および体重に基づいて、ある単位から別の単位に変換することができる。
ある実施形態では、AC220の治療有効量の範囲は、1日あたり約12〜約1,000mg、1日あたり約12〜約500mg、1日あたり約12〜約450mg、1日あたり約12〜約300mg、1日あたり約12〜約200mg、1日あたり約12〜約100mg、1日あたり約12〜約90mg、1日あたり約12〜約80mg、1日あたり約12〜約70mg、1日あたり約15〜約65mg、または1日あたり約20〜約60mgである。一つの実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12〜約1000mgである。別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12〜約500mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12〜約450mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12〜約400mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12〜約300mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12〜約200mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12〜約150mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12〜約100mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12〜約90mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12〜約80mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12〜約70mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約15〜約65mgである。更に別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約20〜約60mgである。
ある実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり、約12mg、約18mg、約20mg、約25mg、約27mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約90mg、約100mg、約135mg、約150mg、約200mg、約300mgまたは約450mgである。ある実施形態では、併用レジメンにおけるAC220の治療有効量は、1日あたり、約12mg、約18mg、約20mg、約25mg、約27mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約75mg、約90mg、約100mg、約125mg、約135mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約300mg、約450mgまたは約500mgである。一つの実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約12mgである。別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約18mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約20mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約25mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約27mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約30mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約35mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約40mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約45mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約50mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約55mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約60mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約75mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約90mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約100mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約125mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約135mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約150mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約175mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約200mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約225mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約250mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約275mgである。更に別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約300mgである。また別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約350mgである。更に別の実施形態では、AC220の治療有効量は、1日あたり約450mgである。
ある実施形態では、AC220の治療有効量は、約0.2〜約20mg/kg/日の範囲、約0.2〜約15mg/kg/日の範囲、約0.2〜約10mg/kg/日の範囲、約0.2〜約9mg/kg/日の範囲、約0.2〜約8mg/kg/日の範囲、約0.2〜約7mg/kg/日の範囲、約0.2〜約6mg/kg/日の範囲、約0.2〜約5mg/kg/日の範囲、約0.2〜約5mg/kg/日の範囲、約0.2〜約5mg/kg/日の範囲、約0.2〜約4mg/kg/日の範囲、約0.2〜約3mg/kg/日の範囲、約0.2〜約2mg/kg/日の範囲、約0.2〜約1mg/kg/日の範囲、または約0.24mg/kg/日〜約9mg/kg/日の範囲である。
一つの実施形態では、AC220の治療有効量は、約0.2〜約20mg/kg/日である。別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約15mg/kg/日である。また別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約10mg/kg/日である。また別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約9mg/kg/日である。また別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約8mg/kg/日である。また別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約7mg/kg/日である。また別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約6mg/kg/日である。また別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約5mg/kg/日である。また別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約5mg/kg/日である。また別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約4mg/kg/日である。また別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約3mg/kg/日である。また別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約2mg/kg/日である。また別の実施形態では、該治療有効量は、約0.2〜約1mg/kg/日である。更に別の実施形態では、該治療有効量は、約0.24〜約9mg/kg/日である。
投与の用量はまた、mg/kg/日以外の単位で表すこともできる。例えば、非経口投与のための用量は、mg/m2/日として表すことができる。与えられた対象の身長または体重のいずれかまたはその両方に対して、用量をmg/kg/日からmg/m2/日に変換する方法を当業者は容易に分かるであろう(www.fda.gov/cder/cancer/animalframe.htmを参照)。例えば、65kgのヒトに対して、1mg/kg/日の用量は38mg/m2/日におよそ等しい。
ある実施形態では、化合物Iは、約0.0.02〜約100μMの範囲、約0.1〜約10μMの範囲、約0.3〜約10μMの範囲、約0.9〜約5μMの範囲、約1〜約4μMの範囲、約1〜約3μMの範囲、または約1.5〜約3μMの範囲の定常状態での該化合物の血漿濃度を提供するのに十分な量で投与される。一つの実施形態では、該化合物の投与量は、約0.02〜約100μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。別の実施形態では、該化合物の投与量は、約0.1〜約10μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約0.3〜約10μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約0.9〜約5μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約1〜約4μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約1〜約3μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約1.5〜約3μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。本明細書中で使用される場合、用語「定常状態での血漿濃度」は、化合物の投与期間の後に達する濃度である。一旦定常状態に達すると、化合物の血漿濃度の時間依存的な曲線上に、微小なピークおよびトラフが存在する。
また別の実施形態では、化合物Iは、約0.0.02〜約100μMの範囲、約0.1〜約10μMの範囲、約0.3〜約10μMの範囲、約0.9〜約5μMの範囲、約1〜約4μMの範囲、約1〜約3μMの範囲、または約1.5〜約3μMの範囲の該化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分な量で投与される。一つの実施形態では、該化合物の投与量は、約0.02〜約100μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。別の実施形態では、該化合物の投与量は、約0.1〜約10μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約0.3〜約10μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約0.9〜約5μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約1〜約4μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約1〜約3μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約1.5〜約3μMの該化合物の最大血漿濃度を提供するのに十分なものである。
また別の実施形態では、化合物Iは、1回よりも多くの用量が投与されたときに、約0.02〜約10μMの範囲、約0.1〜約10μMの範囲、約0.3〜約10μMの範囲、約0.6〜約5μMの範囲、約0.6〜約3μMの範囲、約0.9〜約3μMの範囲、または約1.5〜約3μMの範囲の該化合物の最小血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分な量で投与される。一つの実施形態では、該化合物の投与量は、約0.02〜約10μMの該化合物の最小血漿濃度を提供するのに十分なものである。別の実施形態では、該化合物の投与量は、約0.1〜約10μMの該化合物の最小血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約0.3〜約10μMの該化合物の最小血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約0.6〜約5μMの該化合物の最小血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約0.6〜約3μMの該化合物の最小血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約0.9〜約3μMの該化合物の最小血漿濃度を提供するのに十分なものである。また別の実施形態では、該化合物の投与量は、約1.5〜約3μMの該化合物の最小血漿濃度を提供するのに十分なものである。
更に別の実施形態では、化合物Iは、約100〜約50000ng*hr/mLの範囲、約1000〜約50000ng*hr/mLの範囲、約1500〜約40000ng*hr/mLの範囲、約2000〜約35000ng*hr/mLの範囲、約2000〜約35000ng*hr/mLの範囲、約9,000〜約35000ng*hr/mLの範囲、または約10000〜約25000ng*hr/mLの範囲の該化合物の曲線下面積(AUC)を提供するのに十分な量で投与される。
治療されている疾患および対象の状態に応じて、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、嚢内への注射または注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下、または局所(topical)(例えば、経皮または局所(local))の経路での投与によって投与され得る。AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、好適な投与単位において、単独で、または、各投与経路のために適切である医薬的に許容される賦形剤、担体、アジュバントおよびビヒクルと共に製剤化され得る。
一つの実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、例えば単回ボーラス注射または経口用錠剤もしくは丸薬などの単回用量として送達されてもよいし、あるいは、例えば時間をかけた連続注入、または時間をかけた分割ボーラス用量など、時間をかけて送達されてもよい。
一つの実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、1日1回(QD)で投与されてもよいし、あるいは、1日2回(BID)、1日3回(TID)、1日4回(QID)など、1日用量が複数回に分割されてもよい。また、投与は連続的(すなわち毎日)であってもよいし、間欠的であってもよい。本明細書中で使用される場合、用語「間欠的」または「間欠的に」は、規則的または不規則のいずれかの間隔で、中止および開始することを意味することが意図される。例えば、該化合物の間欠的な投与は、1週間あたり1〜6日間の投与、サイクルでの投与(例えば、2〜8の連続する週の間の毎日の投与の後、最大1週間の投与しない休止期間)、または交互の日での投与である。
ある実施形態では、AC220の投与の頻度は、およそ毎日の投与からおよそ毎月1回の投与の範囲内である。ある実施形態では、AC220の投与は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日おきに1回、1週間に2回、毎週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、または4週間毎に1回である。一つの実施形態では、本明細書中で提供されるAC220は、1日1回投与される。別の実施形態では、本明細書中で提供されるAC220は、1日2回投与される。また別の実施形態では、本明細書中で提供されるAC220は、1日3回投与される。更に別の実施形態では、本明細書中で提供されるAC220は、1日4回投与される。
ある実施形態では、AC220は、21日間のサイクル中で7日間投与される。ある実施形態では、AC220は、28日間のサイクル中で7日間投与される。ある実施形態では、AC220は、28日間のサイクル中で14日間投与される。ある実施形態では、AC220は、28日間のサイクル中で28日間投与される。
ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物は、約1週間、2週間、3週間、約4週間、約6週間、約9週間、約12週間、約15週間、約18週間、約21週間または約26週間、1日1回投与される。ある実施形態では、AC220は間欠的に投与される。ある実施形態では、AC220は、1日あたり約40〜450mgの量で間欠的に投与される。ある実施形態では、AC220は連続的に投与される。ある実施形態では、AC220は、1日あたり約12mg〜1000mgの範囲の量で連続的に投与される。ある実施形態では、AC220は、1日あたり約12mg〜2000mgの範囲、または1日あたり約27mg〜1000mgの範囲の量で連続的に投与される。ある実施形態では、AC220は、1日あたり約200mg〜1000mgの範囲の量で連続的に投与される。ある実施形態では、AC220は、1日あたり約200mg〜675mgの範囲の量で連続的に投与される。ある実施形態では、AC220は、1日あたり約200mg〜450mgの範囲の量で連続的に投与される。ある実施形態では、AC220は、28日間連続的に投与される。ある実施形態では、AC220は、約200mgの量で連続的に投与される。ある実施形態では、AC220は、約450mgの量で連続的に投与される。ある実施形態では、AC220は、約675mgの量で連続的に投与される。ある実施形態では、AC220は、約1000mgの量で連続的に投与される。
一つの実施形態では、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、10週間、15週間または20週間、単回または分割用量として毎日投与された後、約1日〜約10週間の休止期間が続く。例えば、当該方法は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、10週間、15週間または20週間のサイクルを用いることを企図している。別の実施形態では、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間または6週間、単回または分割用量として毎日投与され、それに1日、3日、5日、7日、9日、12日、14日、16日、18日、20日、22日、24日、26日、28日、29日または30日の休止期間が伴う。ある実施形態では、休止期間は14日である。ある実施形態では、休止期間は28日である。一つの実施形態では、休止期間は、骨髄の回復のために十分な期間である。投与サイクルの頻度、回数および長さは、増減され得る。
ある実施形態では、AC220の投与経路は、第2の療法の投与経路とは独立である。一つの実施形態では、AC220は経口的に投与される。別の実施形態では、AC220は静脈内に投与される。すなわち、これらの実施形態によれば、AC220は経口的または静脈内に投与され、第2の療法は、経口的、非経口的、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮的、舌下、筋肉内、直腸内、経頬的、鼻腔内、リポソーム、吸入を介した投与、膣内、眼内、カテーテルもしくはステントによる局所送達を介した投与、皮下、脂肪内、関節内、髄腔内、あるいは徐放剤形での投与によって投与され得る。一つの実施形態では、AC220および第2の療法は、同一の投与様式(経口的またはIVによる)によって投与される。別の実施形態では、AC220はある投与様式(例えばIVによる)によって投与され、第2の薬剤は別の投与様式(例えば経口的)によって投与される。
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法は、ヒトの治療用である。
一つの実施形態では、増殖性疾患は腫瘍である。別の実施形態では、増殖性疾患は固形腫瘍である。別の実施形態では、増殖性疾患は癌である。別の実施形態では、該疾患は血液学的腫瘍である。
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法で治療可能な癌としては、以下に限定されないが、(1)白血病(以下に限定されないが、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、赤白血病性白血病など)、および骨髄異形成症候群またはその症候(貧血、血小板減少症、好中球減少症、二血球減少症または汎血球減少症など)、不応性貧血(RA)、鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)、移行期RAEB(RAEB−T)、前白血病および慢性骨髄単球性白血病(CMML)が挙げられる)、(2)慢性白血病(以下に限定されないが、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病および有毛細胞白血病が挙げられる);(3)真性赤血球増加症;(4)リンパ腫(以下に限定されないが、ホジキン病および非ホジキン病が挙げられる);(5)多発性骨髄腫(以下に限定されないが、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞性白血病、孤立性形質細胞腫、および髄外性形質細胞腫が挙げられる);(6)ヴァルデンストレームマクログロブリン血症;(7)意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症;(8)良性単クローン性ガンマグロブリン血症;(9)重鎖病;(10)骨および結合組織の肉腫(以下に限定されないが、骨肉腫(bone sarcoma)、骨肉腫(osteosarcoma)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫、骨線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織の肉腫、血管肉腫(angiosarcoma, hemangiosarcoma)、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、転移性癌、神経鞘腫、横紋筋肉腫および滑膜肉腫が挙げられる);(11)脳腫瘍(以下に限定されないが、神経膠腫、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、乏突起膠腫、非神経膠腫、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体細胞腫、松果体芽細胞腫および原発性脳リンパ腫が挙げられる);(12)乳癌(以下に限定されないが、腺癌、小葉(小細胞)癌、乳管癌、乳房髄様癌、粘液性乳癌、乳腺管状癌、乳頭状乳癌、原発性癌、パジェット病および炎症性乳癌が挙げられる);(13)副腎癌(以下に限定されないが、褐色細胞腫および副腎皮質癌が挙げられる);(14)甲状腺癌(以下に限定されないが、甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞癌、甲状腺髄様癌および甲状腺未分化癌が挙げられる);(15)膵臓癌(以下に限定されないが、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫瘍およびカルチノイドまたは島細胞腫瘍が挙げられる);(16)下垂体癌(以下に限定されないが、クッシング病、プロラクチン分泌腫瘍、末端肥大症および尿崩症(diabetes insipius)が挙げられる);(17)眼癌(以下に限定されないが、虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫および毛様体黒色腫などの眼内黒色腫、ならびに網膜芽細胞腫が挙げられる);(18)膣癌(以下に限定されないが、扁平上皮癌、腺癌および黒色腫が挙げられる);(19)外陰癌(以下に限定されないが、扁平上皮癌、黒色腫、腺癌、基底細胞癌、肉腫およびパジェット病が挙げられる);(20)子宮頸癌(以下に限定されないが、扁平上皮癌および腺癌が挙げられる);(21)子宮癌(以下に限定されないが、子宮内膜癌および子宮肉腫が挙げられる);(22)卵巣癌(以下に限定されないが、上皮性卵巣癌、境界型腫瘍、胚細胞腫瘍および間質性腫瘍が挙げられる);(23)食道癌(以下に限定されないが、扁平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、黒色腫、形質細胞腫、いぼ状癌および燕麦細胞(小細胞)癌が挙げられる;(24)胃癌(以下に限定されないが、腺癌、菌状発育性(ポリープ様)、潰瘍性、表在性拡大型の、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫および癌肉腫が挙げられる);(25)結腸癌;(26)直腸癌;(27)肝癌(以下に限定されないが、肝細胞癌および肝芽腫が挙げられる);(28)胆嚢癌(以下に限定されないが、腺癌が挙げられる);(29)胆管癌(以下に限定されないが、乳頭状(pappillary)、結節性およびびまん性のものが挙げられる);(30)肺癌(以下に限定されないが、非小細胞肺癌、扁平上皮癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌および小細胞肺癌が挙げられる);(31)精巣癌(以下に限定されないが、胚腫瘍、精上皮腫、未分化型、古典型(典型型)、精母細胞の、非精上皮腫、胎生期癌、奇形腫癌および絨毛癌(卵黄嚢腫)が挙げられる);(32)前立腺癌(以下に限定されないが、腺癌、平滑筋肉腫および横紋筋肉腫が挙げられる);(33)陰茎癌(penal cancer);(34)口腔癌(以下に限定されないが、扁平上皮癌が挙げられる);(35)基底癌;(36)唾液腺癌(以下に限定されないが、腺癌、粘表皮癌および腺様嚢胞癌が挙げられる);(37)咽頭癌(以下に限定されないが、扁平上皮癌およびいぼ状癌(verrucous)が挙げられる);(38)皮膚癌(以下に限定されないが、基底細胞癌、扁平上皮癌および黒色腫、表在性拡大型黒色腫、結節型黒色腫、悪性黒子黒色腫ならびに末端性黒子性黒色腫が挙げられる);(39)腎臓癌(以下に限定されないが、腎細胞癌、腺癌、副腎腫、線維肉腫および移行上皮癌(腎盂および/または尿管(uterer))が挙げられる);(40)ウィルムス腫瘍;(41)膀胱癌(以下に限定されないが、移行上皮癌、扁平上皮癌、腺癌および癌肉腫が挙げられる);ならびに他の癌(以下に限定されないが、粘液肉腫、骨肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽細胞腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支原性癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、および乳頭腺癌が挙げられる)(Fishman et al., 1985, Medicine, 2d Ed., J.B. Lippincott Co., Philadelphiaand Murphy et al., 1997, Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery, Viking Penguin, Penguin Books U.S.A., Inc., United States of Americaを参照)が挙げられる。
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法で治療され得る癌としては、以下に限定されないが、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌(例、結腸直腸癌)、子宮内膜癌、胃癌、神経膠腫(例、膠芽腫)、頭頸部癌、肝癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、膵臓癌および前立腺癌が挙げられる。
ある実施形態では、該癌は、転移性癌であり、該転移性癌としては、以下に限定されないが、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌(例、結腸直腸癌)、食道癌、頭頸部癌、肝癌、肺癌(例、小細胞および非小細胞肺癌)、黒色腫、骨髄腫、神経芽腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、肉腫(例、骨肉腫)、皮膚癌(例、扁平上皮癌)、胃癌、精巣癌、甲状腺癌および子宮癌が挙げられる。一つの実施形態では、該転移性癌は乳癌または前立腺癌である。別の実施形態では、該転移性癌は乳癌である。また別の実施形態では、該転移性癌は前立腺癌である。
一つの実施形態では、白血病は、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病および急性骨髄芽球性白血病である。
別の実施形態では、白血病は急性白血病である。一つの実施形態では、急性白血病は、急性骨髄性白血病(AML)である。一つの実施形態では、急性骨髄性白血病は、未分化AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3もしくはM3バリアント[M3V])、骨髄単球性白血病(M4もしくは好酸球増加症を伴うM4バリアント[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)または巨核芽球性白血病(M7)である。別の実施形態では、急性骨髄性白血病は、未分化AML(M0)である。また別の実施形態では、急性骨髄性白血病は、骨髄芽球性白血病(M1)である。また別の実施形態では、急性骨髄性白血病は、骨髄芽球性白血病(M2)である。また別の実施形態では、急性骨髄性白血病は前骨髄球性白血病(M3もしくはM3バリアント[M3V])である。また別の実施形態では、急性骨髄性白血病は、骨髄単球性白血病(M4もしくは好酸球増加症を伴うM4バリアント[M4E])である。また別の実施形態では、急性骨髄性白血病は単球性白血病(M5)である。また別の実施形態では、急性骨髄性白血病は赤白血病(M6)である。また別の実施形態では、急性骨髄性白血病は巨核芽球性白血病(M7)である。また別の実施形態では、急性骨髄性白血病は前骨髄球性白血病である。また別の実施形態では、白血病は、FLT3の内部タンデム重複(ITD)変異に起因する。また別の実施形態では、白血病は、FLT3の点変異に起因する。更に別の実施形態では、FLT3の点変異は、アミノ酸D835における点変異である。
別の実施形態では、急性白血病は急性リンパ性白血病(ALL)である。一つの実施形態では、急性リンパ性白血病は、骨髄(B細胞)、胸腺(T細胞)またはリンパ節の芽細胞に由来する白血病である。急性リンパ性白血病は、L1−成熟様リンパ芽球(T細胞または前B細胞)、L2−未成熟かつ多形性の(種々の形の)リンパ芽球(T細胞または前B細胞)、およびL3−リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)として、フレンチ−アメリカン−ブリティッシュ(FAB)形態学的分類体系に従って分類される。別の実施形態では、急性リンパ性白血病は、骨髄の芽細胞(B細胞)に由来する。また別の実施形態では、急性リンパ性白血病は、胸腺(T細胞)に由来する。また別の実施形態では、急性リンパ性白血病は、リンパ節に由来する。また別の実施形態では、急性リンパ性白血病は、成熟様リンパ芽球(T細胞または前B細胞)により特徴付けられるL1型である。また別の実施形態では、急性リンパ性白血病は、未成熟かつ多形性の(種々の形の)リンパ芽球(T細胞または前B細胞)により特徴付けられるL2型である。また別の実施形態では、急性リンパ性白血病は、リンパ芽球(B細胞;バーキット細胞)により特徴付けられるL3型である。
また別の実施形態では、白血病はT細胞白血病である。一つの実施形態では、T細胞白血病は末梢性T細胞白血病、T細胞リンパ芽球性白血病、皮膚T細胞白血病および成人T細胞白血病である。別の実施形態では、T細胞白血病は末梢性T細胞白血病である。また別の実施形態では、T細胞白血病はT細胞リンパ芽球性白血病である。また別の実施形態では、T細胞白血病は、皮膚T細胞白血病である。更に別の実施形態では、T細胞白血病は成人T細胞白血病である。
また別の実施形態では、白血病はフィラデルフィア陽性である。一つの実施形態では、フィラデルフィア陽性白血病はフィラデルフィア陽性AMLであり、フィラデルフィア陽性AMLとしては、以下に限定されないが、未分化AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白血病(M3もしくはM3バリアント[M3V])、骨髄単球性白血病(M4もしくは好酸球増加症を伴うM4バリアント[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)または巨核芽球性白血病(M7)が挙げられる。別の実施形態では、フィラデルフィア陽性白血病はフィラデルフィア陽性ALLである。
更に別の実施形態では、白血病は薬物抵抗性である。一つの実施形態では、対象は抗癌療法に対して薬物抵抗性を発現している。別の実施形態では、対象はFLT3キナーゼ阻害剤に対して薬物抵抗性を発現している。また別の実施形態では、対象は、PKC 412、MLN 578、CEP−701、CT 53518、CT−53608、CT−52923、D−64406、D−65476、AGL−2033、AG1295、AG1296、KN−1022、PKC−412、SU5416、SU5614、SU11248、L−00021649またはCHIR−258で治療されている。更に別の実施形態では、対象は構成的に活性化するFLT3変異体を有する。
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法の一つで治療される哺乳動物は、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、水和物もしくは溶媒和物の投与前に、抗癌療法により治療されていない。ある実施形態では、本明細書中で提供される方法の一つで治療される哺乳動物は、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、水和物もしくは溶媒和物の投与前に、抗癌療法により治療されている。
いくつかの疾患または障害は特定の年齢集団においてより一般的であるが、本明細書中で提供される方法は、患者の年齢に関わらず対象を治療することを包含する。更に、問題となっている疾患または状態を治療する試みにおいて手術を受けた対象を治療するための方法、および該手術を受けていない対象を治療するための方法が本明細書中で提供される。癌を有する対象は、種々の臨床症状および様々な臨床転帰を有するため、特定の対象に与えられる治療は、彼/彼女の予後に応じて変わり得る。熟練した臨床医は、癌を有する個々の対象を治療するために効果的に使用され得る具体的な第2の薬剤、手術の種類、および非薬物ベースの標準的療法の種類を、過度の実験を行なうことなく、容易に決定することができるであろう。
別の実施形態では、細胞増殖の阻害方法が本明細書中で提供され、該方法は、該細胞を、有効量のアントラサイクリンおよびAC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと接触させることを含む。一つの実施形態では、アントラサイクリンはダウノルビシンである。別の実施形態では、細胞増殖の阻害方法が本明細書中で提供され、該方法は、該細胞を、有効量のトポイソメラーゼ阻害剤およびAC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと接触させることを含む。一つの実施形態では、トポイソメラーゼ阻害剤はエトポシドである。別の実施形態では、細胞増殖の阻害方法が本明細書中で提供され、該方法は、該細胞を、有効量のヌクレオシドアナログおよびAC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと接触させることを含む。
ある実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。ある実施形態では、哺乳動物はヒト細胞である。ある実施形態では、細胞は腫瘍細胞である。ある実施形態では、細胞は哺乳動物の腫瘍細胞である。ある実施形態では、細胞はヒトの腫瘍細胞である。ある実施形態では、細胞は癌細胞である。ある実施形態では、細胞は哺乳動物の癌細胞である。ある実施形態では、細胞はヒトの癌細胞である。ある実施形態では、腫瘍細胞は、FLT3 ITD変異を示す。ある実施形態では、腫瘍細胞は、FLT3タンパク質を過剰発現する。
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法で治療され得る癌細胞には、以下に限定されないが、膀胱癌;乳癌;子宮頸癌;結腸癌(例、結腸直腸癌);子宮内膜癌;食道癌;胃癌;神経膠腫(例、膠芽腫);頭頸部癌;肝癌、肺癌(例、小細胞および非小細胞肺癌);黒色腫、骨髄腫;神経芽腫;卵巣癌;膵臓癌;前立腺癌;腎癌;肉腫(例、骨肉腫);皮膚癌(例、扁平上皮癌);胃癌;精巣癌;甲状腺癌;子宮癌;白血病(球性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病、球性骨髄芽球性白血病、急性単芽球性白血病、急性単球性(moncytic)白血病、急性赤白血病、急性巨核芽球性白血病、急性好塩基球性白血病、急性汎骨髄症、骨髄肉腫、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性(lymophoblastic)白血病(ALL)および骨髄異形成症候群(MDS)が挙げられる)、ならびにリンパ腫(B細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、バーキットリンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、T細胞リンパ腫、T細胞前リンパ球性白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、ナチュラルキラー(NK)細胞リンパ腫、アグレッシブナチュラルキラー細胞白血病、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫が挙げられる)の細胞が含まれる。
ある実施形態では、癌細胞は、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌(例、結腸直腸癌)、子宮内膜癌、胃癌、神経膠腫(例、膠芽腫)、頭頸部癌、肝癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、膵臓癌または前立腺癌の細胞である。
ある実施形態では、該細胞は、該細胞をトポイソメラーゼ阻害剤またはアントラサイクリンと接触させる前に、該細胞をAC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと接触させることにより処理される。ある実施形態では、該細胞は、該細胞をヌクレオシドアナログと接触させる前に、該細胞をAC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと接触させることにより処理される。ある実施形態では、該細胞は、該細胞をヌクレオシドアナログ、トポイソメラーゼ阻害剤またはアントラサイクリンと接触させる約2日前、約1日前、約12時間前、約6時間前、約4時間前、約2時間前、約60分前、約30分前または約10分前に、本明細書中で提供される化合物で処理される。
ある実施形態では、該細胞は、該細胞をアントラサイクリンと接触させるのと並行して、該細胞をAC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと接触させることにより処理される。ある実施形態では、該細胞は、該細胞をトポイソメラーゼ阻害剤と接触させるのと並行して、該細胞をAC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと接触させることにより処理される。ある実施形態では、該細胞は、該細胞をヌクレオシドアナログと接触させるのと並行して、該細胞をAC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと接触させることにより処理される。
ある実施形態では、該細胞は、該細胞をアントラサイクリンと接触させた後に、該細胞をAC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと接触させることにより処理される。ある実施形態では、該細胞は、該細胞をヌクレオシドアナログと接触させた後に、該細胞をAC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと接触させることにより処理される。ある実施形態では、該細胞は、該細胞をトポイソメラーゼ阻害剤と接触させた後に、該細胞をAC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと接触させることにより処理される。ある実施形態では、該細胞は、該細胞をヌクレオシドアナログ、トポイソメラーゼ阻害剤またはアントラサイクリンと接触させた約2日後、約1日後、約12時間後、約6時間後、約4時間後、約2時間後、約60分後、約30分後または約10分後に、本明細書で提供されるAC220で処理される。一つの実施形態では、ヌクレオシドアナログは、AZA、シタラビンまたは(of)クロファラビンである。一つの実施形態では、アントラサイクリンはダウノルビシンである。一つの実施形態では、トポイソメラーゼ阻害剤はエトポシドである。
細胞増殖の阻害は、例えば、対象とする化合物と接触させた細胞の数を数え、該化合物と接触されていないこと以外は同一の細胞と細胞増殖を比較するか、または該細胞を含む腫瘍の大きさを測定することによって測定できる。細胞の数、および細胞の大きさは、当該分野で公知の任意の方法(例、トリパンブルー排除および細胞計数、細胞中の新生DNA中への3Hチミジンの取り込みの測定)を使用して容易に評価できる。また、細胞の生存は、蛍光定量アッセイ測定(例えば、CellTiter-BlueTM)を使用して測定してもよい。
E.AC220と第2の薬剤との併用投与
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法は、構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグを、癌治療用の1以上の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。一つの実施形態では、第2の薬剤は、アザシチジン(AZA)、シタラビン(Ara−CまたはAraC)、イダルビシン、ミトキサトロン(mitoxatrone)、クロファラビン、クラドリビン、ダウノルビシンおよびエトポシド、またはそれらの組み合わせから選択される。一つの実施形態では、第2の薬剤はGDC−0941である。本明細書で提供される第2の薬剤は、構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグの投与の前、投与と並行して、または投与の後のいずれかで投与され得る。ある実施形態では、第2の薬剤は、皮下的または静脈内に投与され得る。ある実施形態では、第2の薬剤は皮下的に投与される。ある実施形態では、第2の薬剤は静脈内に投与される。
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法は、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物を、シタラビン、ダウノルビシンおよびエトポシドから選択される1以上の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法は、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物を、ダウノルビシンおよびエトポシドから選択される1以上の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。ある実施形態では、本明細書中で提供される方法は、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物を、シタラビンおよびダウノルビシンから選択される1以上の第2の活性薬剤と組み合わせて投与することを含む。
ある実施形態では、併用レジメンは、必要な場合、例えば、患者が安定な疾患(stable disease)もしくは退縮を経験するまで、または患者が疾患進行もしくは許容できない毒性を経験するまで、反復して投与され得る。例えば、固形腫瘍についての安定な疾患とは、一般に、測定可能な病変の直交する直径が、前回の測定から25%以上増加していないことを意味する。Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)のガイドライン,Journal of the National Cancer Institute 2000, 92, 205-216。安定な疾患またはその欠如は、患者の症状の評価、肉体的診断、X線、CAT、PETまたはMRIスキャンを使用して画像化された腫瘍の視覚化、および他の一般に認められている評価モダリティなどの、当該分野で公知の方法により決定される。
ある実施形態では、併用レジメンは、1日〜約12ヶ月の範囲、2日〜約6ヶ月の範囲、3日〜約5ヶ月の範囲、3日〜約4ヶ月の範囲、3日〜約12週間の範囲、3日〜約10週間の範囲、3日〜約8週間の範囲、3日〜約6週間の範囲、3日〜約5週間の範囲、3日〜約4週間の範囲、3日〜約3週間の範囲、3日〜約2週間の範囲、または3日〜約10日間の範囲の長期間にわたって対象に投与される。
ある実施形態では、併用レジメンは、21日間のサイクルで投与される。ある実施形態では、併用レジメンは、28日間のサイクルで投与される。ある実施形態では、併用レジメンは、1ヶ月間のサイクルで投与される。
ある実施形態では、併用レジメンは、サイクルで対象に投与される。サイクルによる療法は、本明細書中で提供される併用レジメンをある期間投与した後、ある期間休止し、そしてこの順次的投与を繰り返すことを伴う。サイクルによる療法は、1以上の療法に対する抵抗性の発生を低減することができ、該療法の1つの副作用を回避もしくは低減することができ、かつ/または治療効果を向上させることができる。
結果として、一つの実施形態では、本明細書中で提供される併用レジメンは、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、10週間、15週間または20週間、毎日投与された後、約1日〜約10週間の休止期間がそれに続くものである。例えば、該方法は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、10週間、15週間または20週間のサイクルの使用を企図している。別の実施形態では、本明細書中で提供される併用レジメンは、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間または6週間、毎日投与され、それに1日、3日、5日、7日、9日、12日、14日、16日、18日、20日、22日、24日、26日、28日、29日または30日の休止期間が伴う。ある実施形態では、休止期間は14日である。ある実施形態では、休止期間は28日である。一つの実施形態では、休止期間は、骨髄の回復のために十分な期間である。投与サイクルの頻度、回数および長さは、増減され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「併用レジメン」は、1つより多くの療法(例、1以上の予防および/または治療剤)を使用することを含む。しかしながら、用語「併用レジメン」の使用は、療法(例、予防および/または治療剤)が対象に投与される順序を制限するものではない。第1の療法(例、AC220)は、第2の療法(例、本明細書中に記載されるアントラサイクリンまたはトポイソメラーゼ阻害剤などの予防または治療剤)を対象に投与する前(例、5分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前または12週間前)、投与と同時、または投与後(例、5分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後または12週間後)に投与され得る。3つからなる療法もまた、本明細書では企図されている(例、第3の療法としてシタラビンまたはチオグアニン)。
ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、ヌクレオシドアナログの投与の前に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、ヌクレオシドアナログの投与の約7日前、約5日前、約3日前、2日前、約1日前、約12時間前、約6時間前、約4時間前、約2時間前、約60分前、約30分前、約10分前に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、ヌクレオシドアナログの投与の約2日前に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、ヌクレオシドアナログの投与の約1日前に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、ヌクレオシドアナログの投与と同じ日に対象に投与される。
ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、トポイソメラーゼ阻害剤の投与の前に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、トポイソメラーゼ阻害剤の投与の約7日前、約5日前、約3日前、2日前、約1日前、約12時間前、約6時間前、約4時間前、約2時間前、約60分前、約30分前、約10分前に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、トポイソメラーゼ阻害剤の投与の約2日前に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、トポイソメラーゼ阻害剤の投与の約1日前に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、トポイソメラーゼ阻害剤の投与と同じ日に対象に投与される。
ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、アントラサイクリンの投与の前に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、アントラサイクリンの投与の約7日前、約5日前、約3日前、約2日前、約1日前、約12時間前、約6時間前、約4時間前、約2時間前、約60分前、約30分前、約10分前に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、アントラサイクリンの投与の約2日前に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、アントラサイクリンの投与の約1日前に対象に投与される。
ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、ヌクレオシドアナログの投与の後に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、ヌクレオシドアナログの投与の約7日後、約5日後、約3日後、2日後、約1日後、約12時間後、約6時間後、約4時間後、約2時間後、約60分後、約30分後、約10分後に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、ヌクレオシドアナログの投与の約2日後に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、ヌクレオシドアナログの投与の約1日後に対象に投与される。
ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、トポイソメラーゼ阻害剤の投与の後に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、トポイソメラーゼ阻害剤の投与の約7日後、約5日後、約3日後、2日後、約1日後、約12時間後、約6時間後、約4時間後、約2時間後、約60分後、約30分後、約10分後に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、トポイソメラーゼ阻害剤の投与の約2日後に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、トポイソメラーゼ阻害剤の投与の約1日後に対象に投与される。
ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、アントラサイクリンの投与の後に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、アントラサイクリンの投与の約7日後、約5日後、約3日後、約2日後、約1日後、約12時間後、約6時間後、約4時間後、約2時間後、約60分後、約30分後、約10分後に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、アントラサイクリンの投与の約2日後に対象に投与される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、アントラサイクリンの投与の約1日後に対象に投与される。
ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、ヌクレオシドアナログ、トポイソメラーゼ阻害剤またはアントラサイクリンの投与と並行して対象に投与される。
本明細書中で提供される各実施形態では、当該方法は、腫瘍の細胞上のFLT3タンパク質の発現レベルを決定するための診断工程を更に含んでもよい。一つの実施形態では、診断工程は、本明細書中で提供される併用レジメンの投与の前に行なわれる。対象が、FLT3の過剰発現を伴う腫瘍を有する場合、本明細書中で提供される併用レジメンが投与される。別の実施形態では、診断工程は、治療の過程の間に行われる。
本明細書中で提供される各実施形態では、当該方法は、腫瘍の細胞上のFLT3タンパク質の発現レベルを決定するための診断工程を更に含んでもよい。一つの実施形態では、診断工程は、化合物の投与の前に行なわれる。別の実施形態では、診断工程は、治療の過程の間に行われる。
本明細書中で提供される各実施形態では、当該方法は、腫瘍の細胞上または芽細胞上のリン酸化されたFLT3タンパク質のレベルを測定するための診断工程を更に含んでもよい。一つの実施形態では、診断工程は、化合物の投与の前に行なわれる。別の実施形態では、診断工程は、治療の過程の間に行われる。
本明細書中で提供される各実施形態では、当該方法は、腫瘍の細胞または芽細胞におけるFLT3のITD変異の存在を決定するための診断工程を更に含んでもよい。一つの実施形態では、診断工程は、化合物の投与の前に行なわれる。別の実施形態では、診断工程は、治療の過程の間に行われる。
本明細書中で提供される方法は、本明細書中に記載される疾患の治療および/または予防において有用な他の治療剤を投与することを更に含んでもよい。
ある実施形態では、本明細書中で提供される各方法は、独立して、追加の治療剤を投与する工程を更に含んでもよい。本明細書中の併用療法と組み合わせて使用され得る追加の治療剤としては、以下に限定されないが、外科手術、内分泌療法、生物学的反応修飾物質(例、インターフェロン、インターロイキンおよび腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法および低温療法、任意の副作用を軽減する薬剤(例、制吐剤)、ならびに他の認可されている化学療法剤(以下に限定されないが、代謝拮抗剤(例、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、フルダラビン)、抗微小管剤(例、ビンクリスチン、ビンブラスチンなどのビンカアルカロイド類;パクリタキセル、ドセタキセルなどのタキサン類)、アルキル化剤(例、シクロホスファミド、メルファラン、カルムスチン、ビスクロロエチルニトロソウレア(bischloroethylnitrosurea)およびヒドロキシウレアなどのニトロソウレア類)、白金剤(例、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、JM−216、CI−973)、アントラサイクリン類(例、ドキソルビシン(doxrubicin))、抗腫瘍抗生物質(例、マイトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例、エトポシドおよびカンプトテシン)、または任意の他の細胞毒性剤(リン酸エストラムスチン、プレドニムスチン)、ホルモン類またはホルモン作動薬、拮抗薬、部分作動薬もしくは部分拮抗薬、キナーゼ阻害剤が挙げられる)、および放射線療法が挙げられる。最新の癌治療のより総合的な考察については、http://www.nci.nih.gov/、http://www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe.htmのFDAに認可された腫瘍学薬剤(oncology drugs)のリスト、およびThe Merck Manual, Seventeenth Ed. 1999を参照されたい(これらの内容全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)。
ある実施形態では、本明細書中の併用療法と組み合わせて使用され得る追加の治療剤としては、以下に限定されないが、チオグアニン、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、ビンブラスチン、ゲムシタビン、マイトマイシン、ベバシズマブおよびエトポシドが挙げられる。
本明細書中で提供される併用レジームはまた、当業者に周知の包装材料を使用した製品として提供されてもよい。例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号および同第5,033,252号を参照されたい。医薬品包装材料の例としては、以下に限定されないが、ブリスターパック、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、および、選択された処方ならびに意図する様式の投与および治療のために好適な任意の包装材料が挙げられる。
i)AC220とAZAとの組み合わせ
一つの実施形態では、式(I)の化合物、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物は、下記の表1A〜1Gの一つから選択される用量レベル−3、−2、−1または0のうちのいずれか一つを用いて、AZAの皮下または静脈内投与と組み合わせて経口的に投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、連続する14日間の式(I)の化合物またはAC220の投与の前に、AZAが連続する7日間投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、連続する7日間のAZAの投与の前に、式(I)の化合物が連続する14日間投与される。また別の実施形態では、1治療サイクルのために、AZAが最初の連続する7日間投与され、式(I)の化合物が最初の連続する14日間投与される。また別の実施形態では、1治療サイクルのために、AZAが最初の連続する7日間投与され、式(I)の化合物が最初の連続する28日間投与される。また別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物が連続する28日間投与され、AZAが式(I)の化合物の投与と重複する連続する7日間投与される。別の実施形態では、AZAが治療サイクルの1日目から7日目まで投与され、式(I)の化合物が1日目から14日目まで投与される。別の実施形態では、AZAが治療サイクルの1日目から7日目まで投与され、式(I)の化合物が1日目から28日目まで投与される。別の実施形態では、AZAが治療サイクルの1日目から7日目まで投与され、式(I)の化合物が8日目から21日目まで投与される。また別の実施形態では、式(I)の化合物が治療サイクルの1日目から14日目まで投与され、AZAが15日目から21日目まで投与される。別の実施形態では、治療サイクルは、28日、29日、30日または31日である。別の実施形態では、治療サイクルは、4週間から6週間までの任意の長さである。
別の具体的な実施形態では、本発明の併用療法は、1治療サイクルのために、以下:
A.60mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、
B.60mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで、
C.90mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、
D.90mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで、
E.135mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、
F.135mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで、
G.200mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、
H.200mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで、
I.300mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、
J.300mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで、
K.450mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、および
L.450mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで
からなる群から選択されるレジメンを用いた式(I)の化合物の経口投与、
ならびに、以下:
I.100mg/m2/日で5日間、
II.100mg/m2/日で1日目から5日目まで、
III.75mg/m2/日で7日間、
IV.75mg/m2/日で1日目から7日目まで、
V.75mg/m2/日で5日間、
VI.75mg/m2/日で1日目から5日目まで、
VII.75mg/m2/日で5日間の後、2日間の休止、その後更に2日間、
VIII.75mg/m2/日で1日目から5日目までの後、6日目および7日目は休止し、その後75mg/m2/日で8日目および9日目、
IX.50mg/m2/日で7日間、
X.50mg/m2/日で1日目から7日目、
XI.50mg/m2/日でqod(1日おき)で最初の14日間、
XII.50mg/m2/日で1日目、3日目、5日目、7日目、9日目、11日目および13日目、
XIII.50mg/m2/日で5日間、
XIV.50mg/m2/日で1日目から5日目、
XV.50mg/m2/日で5日間の後、2日間の休止、その後50mg/m2/日で更に5日間、
XVI.50mg/m2/日で1日目から5日目の後、6日目および7日目は休止し、その後50mg/m2/日で8〜13日目、
XVII.50mg/m2/日で5日間の後、2日間休止し、その後50mg/m2/日で更に4日間、
XVIII.50mg/m2/日で1日目から5日目の後、6日目および7日目は休止し、その後50mg/m2/日で8〜12日目、
XIX.37.5mg/m2/日で7日間、
XX.37.5mg/m2/日で1日目から7日目、
XXI.8mg/m2/日で5日間、
XXII.8mg/m2/日で1日目から5日目、
XXIII.75mg/m2/日で5日間、
XXIV.75mg/m2/日で最初の連続する5日間
からなる群から選択されるレジメンを用いたAZAの皮下または静脈内投与
を含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
別の具体的な実施形態では、併用レジメンは、以下:
A.60mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、
B.60mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで、
C.90mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、
D.90mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで、
E.135mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、
F.135mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで、
G.200mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、
H.200mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで、
I.300mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、
J.300mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで、
K.450mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から14日目まで、および
L.450mg/日で式(I)の化合物またはAC220を1日目から28日目まで
からなる群から選択されるレジメンを用いた式(I)の化合物またはAC220の経口投与、
ならびに、以下:
aa.100%の皮下曝露(AUC)を与えるように算出された用量で1日目から7日目まで、
bb.100mgで1日目から7日目まで、
cc.120mgで1日目から7日目まで、
dd.180mgで1日目から7日目まで、
ee.240mgで1日目から7日目まで、
ff.200mgで1日目から7日目まで、
gg.300mgで1日目から7日目まで、
hh.360mgで1日目から7日目まで、
ii.420mgで1日目から7日目まで、
jj.480mgで1日目から7日目まで、
kk.540mgで1日目から7日目まで、
11.600mgで1日目から7日目まで、
mm.660mgで1日目から7日目まで、
nn.720mgで1日目から7日目まで、
oo.780mgで1日目から7日目まで、
pp.840mgで1日目から7日目まで、
qq.900mgで1日目から7日目まで、
rr.960mgで1日目から7日目まで、
ss.1000mgで1日目から7日目まで、
tt.1020mgで1日目から7日目まで、
uu.1080mgで1日目から7日目まで、
vv.1140mgで1日目から7日目まで、および
ww.1200mgで1日目から7日目まで
からなる群から選択されるレジメンを用いたAZAの経口投与
を含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、AC220が14日間経口投与され、AZAが50mg/m2または75mg/m2で最初の7日間、皮下的にまたは静脈内に毎日投与される。
ii)AC220とシタラビンとの組み合わせ
本発明の方法の別の実施形態では、上記の構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグはAC220またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグを含み、かつ、ヌクレオシドアナログはシタラビンを含む。
一つの実施形態では、併用レジメンは、1治療サイクルのために、以下:
A.12mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
B.20mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
C.25mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
D.50mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
E.60mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
F.75mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
G.90mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
H.100mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
I.125mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
J.135mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
K.200mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
L.225mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
M.250mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
N.300mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間
からなる群から選択されるレジメンを用いた式(I)の化合物またはAC220の経口投与、
ならびに、以下:
i.5mg/m2/日でシタラビンを7〜25日間、
ii.5mg/m2/日でシタラビンを10〜14日間、
iii.10mg/m2/日でシタラビンを7〜14日間、
iv.10mg/m2/日でシタラビンを7日間、
v.10mg/m2/日でシタラビンを10日間、
vi.20mg/m2/日でシタラビンを7〜25日間、
vii.20mg/m2/日でシタラビンを10〜14日間、
viii.20mg/m2/日でシタラビンを10日間、
ix.20mg/m2/日でシタラビンを14日間、
x.20mg/m2/日でシタラビンを21日間、
xi.5〜30mg/m2/日でシタラビンを1〜4週間、
xii.100mg/m2/日でシタラビンを7日間、
xiii.150mg/m2/日でシタラビンを7日間、
xiv.200mg/m2/日でシタラビンを7日間、
xv.100〜200mg/m2/日でシタラビンを7日間、
xvi.1g/m2/日でシタラビンを7日間、
xvii.1g/m2/日でシタラビンを5日間、
xviii.1g/m2/日でシタラビンを4日間、
xix.1g/m2/日でシタラビンを3日間、
xx.1g/m2/日でシタラビンを7日間、
xxi.1.5g/m2/日でシタラビンを4日間、
xxii.1.5g/m2/日でシタラビンを3日間、
xxiii.2g/m2/日でシタラビンを3日間、
xxiv.2g/m2/日でシタラビンを4日間、
xxv.2g/m2/日でシタラビンを5日間、
xxvi.2g/m2/日でシタラビンを6日間、
xxvii.2g/m2/日でシタラビンを12時間毎の12回の投与、
xxviii.4g/m2/日でシタラビンを6日間、
xxix.3g/m2/日でシタラビンを3日間、
xxx.3g/m2/日でシタラビンを4日間、
xxxi.3g/m2/日でシタラビンを5日間、
xxxii.3g/m2/日でシタラビンを6日間、
xxxiii.3g/m2のシタラビンを12時間毎の12回の投与、
xxxiv.3g/m2でシタラビンを12時間毎の8回の投与、
xxxv.3g/m2/日でシタラビンを12時間毎の6回の投与、
xxxvi.3g/m2でシタラビンを1日目、3日目および5日目に12時間毎、
xxxvii.3g/m2/日でシタラビンを12時間毎の12回の投与、
xxxviii.1g/m2のシタラビンを1日目、3日目および5日目に12時間毎、
xxxix.6g/m2/日でシタラビンを6日間、
xl.20mg/日でシタラビンを10日間、および
xli.40mg/日でシタラビンを10日間
からなる群から選択されるシタラビンの静脈内または皮下投与レジメン
を含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
一つの実施形態では、併用レジメンは、1治療サイクルのために、以下:
A.60mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14日間、
B.60mg/日で式(I)の化合物またはAC220を28日間、
C.60mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
D.90mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14日間、
E.90mg/日で式(I)の化合物またはAC220を28日間、
F.90mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
G.135mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14日間、
H.135mg/日で式(I)の化合物またはAC220を28日間、
I.135mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
J.200mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14日間、
K.200mg/日で式(I)の化合物またはAC220を28日間、
L.200mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
M.300mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14日間、
N.300mg/日で式(I)の化合物またはAC220を28日間、
O.300mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間、
P.450mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14日間、
Q.450mg/日で式(I)の化合物またはAC220を28日間;および
R.450mg/日で式(I)の化合物またはAC220を14〜32日間
からなる群から選択されるレジメンを用いた式(I)の化合物またはAC220の経口投与、
ならびに、以下:
xlii.5mg/m2/日でシタラビンを7〜25日間、
xliii.5mg/m2/日でシタラビンを10〜14日間、
xliv.10mg/m2/日でシタラビンを7〜14日間、
xlv.10mg/m2/日でシタラビンを7日間、
xlvi.10mg/m2/日でシタラビンを10日間、
xlvii.20mg/m2/日でシタラビンを7〜25日間、
xlviii.20mg/m2/日でシタラビンを10〜14日間、
xlix.20mg/m2/日でシタラビンを10日間、
1.20mg/m2/日でシタラビンを14日間、
Ii.20mg/m2/日でシタラビンを21日間、
lii.5〜30mg/m2/日でシタラビンを1〜4週間、
liii.100mg/m2/日でシタラビンを7日間、
liv.150mg/m2/日でシタラビンを7日間、
Iv.200mg/m2/日でシタラビンを7日間、
lvi.100〜200mg/m2/日でシタラビンを7日間、
lvii.1g/m2/日でシタラビンを7日間、
lviii.1g/m2/日でシタラビンを5日間、
lix.1g/m2/日でシタラビンを4日間、
Ix.1g/m2/日でシタラビンを3日間、
lxi.1g/m2/日でシタラビンを7日間、
lxii.1.5g/m2/日でシタラビンを4日間、
lxiii.1.5g/m2/日でシタラビンを3日間、
lxiv.2g/m2/日でシタラビンを3日間、
lxv.2g/m2/日でシタラビンを4日間、
lxvi.2g/m2/日でシタラビンを5日間、
lxvii.2g/m2/日でシタラビンを6日間、
lxviii.2g/m2/日でシタラビンを12時間毎の12回の投与、
lxix.4g/m2/日でシタラビンを6日間、
lxx.3g/m2/日でシタラビンを3日間、
lxxi.3g/m2/日でシタラビンを4日間、
lxxii.3g/m2/日でシタラビンを5日間、
lxxiii.3g/m2/日でシタラビンを6日間、
lxxiv.3g/m2でシタラビンを12時間毎の12回の投与、
lxxv.3g/m2でシタラビンを12時間毎の8回の投与、
lxxvi.3g/m2/日でシタラビンを12時間毎の6回の投与、
lxxvii.3g/m2でシタラビンを1日目、3日目および5日目に12時間毎、
lxxviii.3g/m2/日でシタラビンを12時間毎の12回の投与、
lxxix.1g/m2のシタラビンを1日目、3日目および5日目に12時間毎、
lxxx.6g/m2/日でシタラビンを6日間、
lxxxi.20mg/日でシタラビンを10日間、および
lxxxii.40mg/日でシタラビンを10日間
からなる群から選択されるシタラビンの静脈内または皮下投与レジメン
を含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
別の実施形態では、併用レジメンは、以下の群:
ia:45mg/m2/日でダウノルビシンを3日間、
ib:50mg/m2/日でダウノルビシンを3日間、
ic:60mg/m2/日でダウノルビシンを3日間、
id:45〜60mg/m2/日でダウノルビシンを3日間、
ie:70mg/m2/日でダウノルビシンを3日間、
if:12mg/m2/日でイダルビシンを3日間、
ig:8mg/m2/日でイダルビシンを2日間、および
ig:12mg/m2/日でミトキサントロンを3日間
から選択されるレジメンを用いたアントラサイクリンの静脈内投与を更に含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
別の実施形態では、式(I)の化合物(comound)またはAC220およびシタラビンの併用レジメンは、以下の群:
i.50〜100mg/m2/日でエトポシドを5日間、
ii.50〜100mg/m2/日でエトポシドを1日目から5日目まで、
iii.5〜100mg/m2/日でエトポシドを3日間、
iv.5〜100mg/m2/日でエトポシドを3日間、
v.50〜100mg/m2/日でエトポシドを1日目から5日目まで、
vi.35mg/m2/日でエトポシドを4日間、
vii.40mg/m2/日でエトポシドを4日間、
viii.45mg/m2/日でエトポシドを4日間、
ix.50mg/m2/日でエトポシドを4日間、
x.35mg/m2/日でエトポシドを4日間、
xi.40mg/m2/日でエトポシドを4日間、
xii.45mg/m2/日でエトポシドを4日間、および
xiii.50mg/m2/日でエトポシドを4日間
から選択されるレジメンを用いたエトポシドの静脈内投与を更に含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物(comound)またはAC220およびシタラビンの併用レジメンは、以下の群:
i.50〜150mg/m2/日でエトポシドを5日間、
ii.50〜150mg/m2/日でエトポシドを1日目から5日目まで、および
iii.150mg/m2/日でエトポシドを5日間
から選択されるレジメンを用いたエトポシドの静脈内投与を更に含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
一つの実施形態では、シタラビンは、24時間の連続注入により毎日投与される。別の実施形態では、シタラビンは、1〜2時間にわたる静脈内注入により12時間毎に投与される。別の実施形態では、シタラビンは皮下的に1日2回投与される。別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは、1日おきに合計3日の投与で投与される。別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは、1日おきに合計4日の投与で投与される。別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは、1日目、3日目および5日目に投与される。また別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは、1日目、3日目、5日目および7日目に投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは、最初の連続する7日間投与され、アントラサイクリンは、シタラビンの投与と重複する連続する3日間投与され、式(I)の化合物またはAC220は、シタラビンおよびアントラサイクリンの投与完了後に連続する14日間投与される。別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは、最初の連続する7日間投与され、アントラサイクリンは、シタラビンの投与と重複する連続する3日間投与され、式(I)の化合物またはAC220は、シタラビンおよびアントラサイクリンの投与完了から1週間後に、連続する14日間投与される。別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは、最初の連続する7日間投与され、アントラサイクリンは、シタラビンの投与と重複する連続する3日間投与され、式(I)の化合物またはAC220は、シタラビンおよびアントラサイクリンの投与完了から2週間後に、連続する14日間投与される。別の実施形態では、1治療サイクル中、式(I)の化合物またはAC220は、最初の連続する14日間投与され、シタラビンは、式(I)の化合物またはAC220の投与完了後に連続する7日間投与され、アントラサイクリンはシタラビンの投与と重複する3日間投与される。別の実施形態では、1治療サイクル中、式(I)の化合物またはAC220は、最初の連続する28日間投与され、シタラビンは、式(I)の化合物またはAC220の14日間の投与の完了後に連続する7日間投与され、アントラサイクリンはシタラビンの投与と重複する3日間投与される。
別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは最初の連続する7日間投与され、アントラサイクリンは、シタラビンの投与と重複する連続する3日間投与され、式(I)の化合物またはAC220は、最初の連続する28日間投与される。別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは最初の連続する7日間投与され、アントラサイクリンは、シタラビンの投与と重複する連続する3日間投与され、式(I)の化合物またはAC220は、最初の連続する14日間投与される。別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは1日目から7日目まで投与され、アントラサイクリンは1日目から3日目まで投与され、式(I)の化合物またはAC220は1日目から14日目まで投与される。別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは1日目から7日目まで投与され、アントラサイクリンは1日目から3日目まで投与され、式(I)の化合物またはAC220は1日目から28日目まで投与される。一つの実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは1日目から7日目まで投与され、アントラサイクリンは1日目から3日目まで投与され、かつ式(I)の化合物またはAC220は4日目から17日目まで投与される。一つの実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは1日目から7日目まで投与され、アントラサイクリンは1日目から3日目まで投与され、式(I)の化合物またはAC220は、4日目から21日目まで投与される。別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは1日目から7日目まで投与され、アントラサイクリンは1日目から3日目まで投与され、かつ式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで投与される。一つの実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは1日目から7日目まで投与され、アントラサイクリンは1日目から3日目まで投与され、かつ式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで投与される。一つの実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは1日目から7日目まで投与され、アントラサイクリンは1日目から3日目まで投与され、式(I)の化合物またはAC220は4日目から35日目まで投与される。一つの実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは1日目、3日目および5日目に投与され、式(I)の化合物またはAC220は6日目から28日目まで投与される。
別の実施形態では、1治療サイクル中、シタラビンは1日目から7日目まで投与され、アントラサイクリンは1日目から3日目まで投与され、式(I)の化合物またはAC220は8日目から21日目まで投与される。別の実施形態では、シタラビンは1日目から7日目まで投与され、アントラサイクリンは1日目から3日目まで投与され、式(I)の化合物またはAC220は1日目から7日目までおよび15日目から21日目まで投与される。一つの実施形態では、シタラビンは、100mg/m2/日または200mg/m2/日で静脈内に投与される。一つの実施形態では、アントラサイクリンはダウノルビシンである。別の実施形態では、ダウノルビシンは、60mg/m2/日で静脈内に投与される。また別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は、12mg/m2/日、20mg/m2/日、25mg/m2/日、40mg/m2/日、50mg/m2/日、60mg/m2/日、75mg/m2/日、90mg/m2/日、100mg/m2/日、125mg/m2/日、135mg/m2/日、150mg/m2/日または200mg/m2/日の用量で経口投与される。
別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は1日目から14日目まで60mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物は1日目から28日目まで60mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。また別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物は1日目から7日目までおよび15日目から21日目まで60mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで60mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は8日目から21日目まで60mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は4日目から35日目まで60mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。
別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は1日目から14日目まで90mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は1日目から28日目まで90mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。また別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は1日目から7日目までおよび15日目から21日目まで90mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は4日目から35日目まで90mg/日で経口投与される。
別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は1日目から14日目まで135mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は1日目から28日目まで135mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。また別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は1日目から7日目までおよび15日目から21日目まで135mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は4日目から35日目まで135mg/日で経口投与される。
別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は1日目から14日目まで200mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は1日目から28日目まで200mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。また別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は1日目から7日目までおよび15日目から21日目まで200mg/日で経口投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与される。一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は4日目から35日目まで200mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は8日目から21日目まで200mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与され、AC220は4日目から28日目まで200mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から7日目まで200mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間200mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から21日目まで200mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から35日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は8日目から21日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は8日目から22日目まで200mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から7日目まで200mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間135mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から21日目まで135mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで135mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から35日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は8日目から21日目まで135mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は8日目から22日目まで135mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から7日目まで200mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間90mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から21日目まで90mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで90mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から35日目まで90mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は8日目から21日目まで90mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は8日目から22日目まで90mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から7日目まで200mg/m2/日で静脈内に投与され、ダウノルビシンは1日目から3日目まで60mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間60mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から21日目まで60mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで60mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から35日目まで60mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は8日目から21日目まで60mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は8日目から22日目まで60mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、AC220は60mg/m2/日、90mg/m2/日、135mg/m2/日または200mg/m2/日の用量で投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目、3日目および5日目に、12時間毎に3時間にわたって3g/m2で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間経口投与される。一つの実施形態では、AC220は1日目から14日目まで投与される。一つの実施形態では、AC220は1日目から28日目まで投与される。一つの実施形態では、AC220は4日目から17日目まで投与される。一つの実施形態では、AC220は4日目から21日目まで投与される。一つの実施形態では、AC220は4日目から31日目まで投与される。一つの実施形態では、AC220は4日目から35日目まで投与される。一つの実施形態では、AC220は6日目から28日目まで投与される。一つの実施形態では、AC220は6日目から33日目まで投与される。一つの実施形態では、AC220は8日目から21日目まで投与される。一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目、3日目および5日目に、12時間毎に3時間にわたって3g/m2で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は8日目から21日目まで経口投与される。一つの実施形態では、AC220は60mg/m2/日、90mg/m2/日、135mg/m2/日または200mg/m2/日の用量で投与される。一つの実施形態では、AC220は12mg/m2/日、20mg/m2/日、25mg/m2/日、40mg/m2/日、50mg/m2/日、60mg/m2/日、75mg/m2/日、90mg/m2/日、100mg/m2/日、125mg/m2/日、135mg/m2/日、150mg/m2/日または200mg/m2/日の用量で投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目、3日目および5日目に、12時間毎に3g/m2で静脈内に投与され、AC220は6日目から28日目まで200mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目、3日目および5日目に、12時間毎に1g/m2で静脈内に投与され、AC220は6日目から28日目まで200mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは3日間または4日間3g/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間90mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで90mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は6日目から28日目まで90mg/日で経口投与される。別の実施形態では、シタラビンは1日目、3日目および5日目に投与される。別の実施形態では、シタラビンは1日目、3日目、5日目および7日目に投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは3日間または4日間3g/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間135mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで135mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は6日目から28日目まで135mg/日で経口投与される。別の実施形態では、シタラビンは1日目、3日目および5日目に投与される。
別の実施形態では、シタラビンは1日目、3日目、5日目および7日目に投与される。一つの具体的な実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは3日間または4日間3g/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間200mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は6日目から28日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、シタラビンは1日目、3日目および5日目に投与される。別の実施形態では、シタラビンは1日目、3日目、5日目および7日目に投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、AC220は14日間経口投与され、イダルビシンは1日目、2日目および3日目に毎日1時間にわたって12mg/m2で静脈内に投与され、シタラビンは1日目から4日目まで毎日24時間にわたって1.5g/m2で連続注入として静脈内に投与され、シタラビンと共に3〜4日間(1日目から4日目まで)、ソルメドロールが毎日50mgで投与されるか、またはデキサメタゾンが毎日10mgで静脈内に投与される。ある実施形態では、AC220は75mg/m2/日、100mg/m2/日、125mg/m2/日または150mg/m2/日の用量で投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から4日目まで1.5g/m2/日で静脈内に投与され、イダルビシンは1日目から3日目まで12mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間90mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は1日目から14日目まで90mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から21日目まで90mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで90mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から4日目まで1.5g/m2/日で静脈内に投与され、イダルビシンは1日目から3日目まで12mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間135mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は1日目から14日目まで135mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から21日目まで135mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで135mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から4日目まで1.5g/m2/日で静脈内に投与され、イダルビシンは1日目から3日目まで12mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間200mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は1日目から14日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から21日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで200mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは6日間2g/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間90mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで90mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は6日目から28日目まで90mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは6日間2g/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間135mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで135mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は6日目から28日目まで135mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは6日間2g/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間200mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は6日目から28日目まで200mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、AC220は最長で4週間毎日経口投与され、イダルビシンは2日間、毎日1時間にわたって8mg/m2で静脈内に投与され、シタラビンは3日間、毎日24時間にわたって1.5g/m2で静脈内に投与され、シタラビンと共に3日間(1日目から3日目まで)、ソルメドロールが毎日50〜100mgで投与されるか、またはデキサメタゾンが毎日l0mgで静脈内に投与される。ある実施形態では、AC220は75mg/m2/日、100mg/m2/日、125mg/m2/日または150mg/m2/日の用量で投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から3日目まで0.75g/m2/日で静脈内に投与され、イダルビシンは1日目および2日目に8mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間まで90mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は1日目から14日目まで90mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から21日目まで90mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで90mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から33日目まで90mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から3日目まで0.75g/m2/日で静脈内に投与され、イダルビシンは1日目および2日目に8mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間135mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は1日目から14日目まで135mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から21日目まで135mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで135mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から33日目まで135mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1日目から3日目まで0.75g/m2/日で静脈内に投与され、イダルビシンは1日目および2日目に8mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は約14日間から約32日間200mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は1日目から14日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から21日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から28日目まで200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220は4日目から33日目まで200mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、イダルビシンは1日目、3日目および5日目に12mg/m2で静脈内に投与され、シタラビンは1日目から7日目まで100mg/m2で連続注入として静脈内に投与され、AC220は4〜21日目に200mg/日の用量で経口投与される。一つの実施形態では、該治療サイクルは、6〜8日目に45mg/m2の用量でおよび9〜21日目に15mg/m2の用量でオールトランスレチノイン酸(ATRA)を投与することを更に含む。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、シタラビンは1〜3日目に12時間毎に3g/m2で静脈内に投与され、AC220は3〜21日目に200mg/日の用量で経口投与される。一つの実施形態では、該治療サイクルは、4〜21日目に15mg/m2の用量でオールトランスレチノイン酸(ATRA)を投与することを更に含む。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、エトポシドは1〜5日目に150mg/m2/日で静脈内に投与され、シタラビンは1日目から5日目まで12時間毎に1000mg/m2/日で静脈内に投与され、AC220は5〜28日目に毎日経口投与され、メトトレキセート(methotrxate)は、0日目に8mg、10mg、12mgまたは15mgの用量で髄腔内に投与される。一つの実施形態では、AC220は75mg/m2/日、100mg/m2/日、125mg/m2/日または150mg/m2/日の用量で投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、エトポシドは1〜5日目に150mg/m2/日で静脈内に投与され、シタラビンは1日目から5日目まで12時間毎に1000mg/m2/日で静脈内に投与され、AC220は5〜28日目に毎日経口投与され、シタラビンは0日目に30mg、50mgまたは70mgの用量で髄腔内に投与される。
iii)式(I)の化合物またはAC220とクロファラビンとの組み合わせ
本発明の方法の一つの実施形態では、上記の構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグはAC220を含み、ヌクレオシドアナログはクロファラビンを含む。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、併用レジメンは、以下:
A.60mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、
B.60mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間、
C.90mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、
D.90mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間、
E.135mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、
F.135mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間、
G.200mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、
H.200mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間、
I.300mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、
J.300mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間、
K.450mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、および
L.450mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間
からなる群から選択されるレジメンを用いた式(I)の化合物またはAC220の経口投与、
ならびに、以下:
ii.10mg/m2/日のクロファラビンを5日間、
iia.15mg/m2/日のクロファラビンを5日間、
iib.20mg/m2/日のクロファラビンを5日間、
iic.22.5mg/m2/日のクロファラビンを5日間、
iid.30mg/m2/日のクロファラビンを5日間、
iie.40mg/m2/日のクロファラビンを5日間、および
iif.52mg/m2/日のクロファラビンを5日間
からなる群から選択されるクロファラビンの静脈内投与レジメンを含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
別の実施形態では、併用レジメンは、以下の群:
iiia.1g/m2/日のシタラビンを5日間、
iiib.1g/m2/日のシタラビンを7日間、
iiic.1.5g/m2/日のシタラビンを3日間、
iiid.1.5g/m2/日のシタラビンを5日間、
iiie.2g/m2/日のシタラビンを3日間、
iiif.2g/m2/日のシタラビンを4日間、
iiig.2g/m2/日のシタラビンを5日間、
iiih.2g/m2/日のシタラビンを6日間、
iiii.3g/m2/日のシタラビンを3日間、
iiij.3g/m2/日のシタラビンを4日間、
iiik.3g/m2/日のシタラビンを5日間、
iiil.3g/m2/日のシタラビンを6日間、
iiim.4g/m2/日のシタラビンを3日間、
iiin.4g/m2/日のシタラビンを4日間、
iiio.4g/m2/日のシタラビンを5日間、
iiip.4g/m2/日のシタラビンを6日間、
iiiq.6g/m2/日のシタラビンを3日間、
iiir.6g/m2/日のシタラビンを4日間、
iiis.6g/m2/日のシタラビンを5日間、および
iiit.6g/m2/日のシタラビンを6日間
から選択されるレジメンを用いたシタラビンの静脈内投与を更に含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220およびクロファラビンを含む併用レジメンは、以下の群:
ia:45mg/m2/日のダウノルビシンを3日間、
ib:50mg/m2/日のダウノルビシンを3日間、
ic:60mg/m2/日のダウノルビシンを3日間、
id:45〜60mg/m2/日のダウノルビシンを3日間、
ie:70mg/m2/日のダウノルビシンを3日間、
if:12mg/m2/日のイダルビシンを3日間、および
ig:12mg/m2/日のミトキサントロンを3日間
から選択されるレジメンを用いたアントラサイクリンの静脈内投与を更に含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、クロファラビンは最初の連続する5日間40mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220はクロファラビンの投与の完了後、連続する14日間200mg/日で経口投与される。一つの実施形態では、1治療サイクルのために、クロファラビンは最初の連続する5日間52mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220はクロファラビンの投与の完了後、連続する14日間200mg/日で経口投与される。
別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は連続する14日間200mg/日で経口投与され、クロファラビンは式(I)の化合物またはAC220の投与の完了後、連続する5日間40mg/m2/日で静脈内に投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、式(I)の化合物またはAC220は連続する14日間200mg/日で経口投与され、クロファラビンは式(I)の化合物またはAC220の投与の完了後、連続する5日間52mg/m2/日で静脈内に投与される。
別の実施形態では、1治療サイクルのために、クロファラビンは最初の連続する5日間40mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は最初の連続する14日間200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、クロファラビンは最初の連続する5日間40mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は最初の連続する28日間200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、クロファラビンは最初の連続する5日間52mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は最初の連続する14日間200mg/日で経口投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、クロファラビンは最初の連続する5日間52mg/m2/日で静脈内に投与され、式(I)の化合物またはAC220は最初の連続する28日間200mg/日で経口投与される。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、AC220は14日間経口投与され、クロファラビンは最初の5日間、10mg/m2、15mg/m2、20mg/m2、25mg/m2または30mg/m2で毎日投与される。
iv)AC220とクラドリビンとの組み合わせ
本発明の方法の一つの実施形態では、上記の構造式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、エステルおよび/もしくはプロドラッグはAC220を含み、ヌクレオシドアナログはクラドリビンを含む。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、併用レジメンは、以下:
A.60mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、
B.60mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間、
C.90mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、
D.90mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間、
E.135mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、
F.135mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間、
G.200mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、
H.200mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間、
I.300mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、
J.300mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間、
K.450mg/日の式(I)の化合物またはAC220を14日間、および
L.450mg/日の式(I)の化合物またはAC220を28日間
からなる群から選択されるレジメンを用いた式(I)の化合物またはAC220の経口投与、
ならびに以下:
ii.0.09mg/kg/日のクラドリビンを7日間、
iia.12mg/m2/日のクラドリビンを5日間、
iib.0.15mg/kg/日のクラドリビンを5日間、
iic.5.6mg/m2/日のクラドリビンを5日間、
iid.0.875mg/kg/日のクラドリビンを2日間、
iie.0.875mg/kg/日のクラドリビンを4日間
からなる群から選択されるクラドリビンの静脈内投与レジメンを含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
一つの実施形態では、クラドリビンは1.5mg/m2の用量で7日間、1日3回皮下注射により投与される。
別の実施形態では、併用レジメンは、以下の群:
iiia.1g/m2/日のシタラビンを5日間、
iiib.1g/m2/日のシタラビンを7日間、
iiic.1.5g/m2/日のシタラビンを3日間、
iiid.1.5g/m2/日のシタラビンを5日間、
iiie.2g/m2/日のシタラビンを3日間、
iiif.2g/m2/日のシタラビンを4日間、
iiig.2g/m2/日のシタラビンを5日間、
iiih.2g/m2/日のシタラビンを6日間、
iiii.3g/m2/日のシタラビンを3日間、
iiij.3g/m2/日のシタラビンを4日間、
iiik.3g/m2/日のシタラビンを5日間、
iiil.3g/m2/日のシタラビンを6日間、
iiim.4g/m2/日のシタラビンを3日間、
iiin.4g/m2/日のシタラビンを4日間、
iiio.4g/m2/日のシタラビンを5日間、
iiip.4g/m2/日のシタラビンを6日間、
iiiq.6g/m2/日のシタラビンを3日間、
iiir.6g/m2/日のシタラビンを4日間、
iiis.6g/m2/日のシタラビンを5日間、および
iiit.6g/m2/日のシタラビンを6日間
から選択されるレジメンを用いたシタラビンの静脈内投与を更に含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
別の実施形態では、式(I)の化合物またはAC220およびクロファラビンを含む併用レジメンは、当業者に公知のレジメンを用いたアントラサイクリンの投与を更に含む。
v)AC220とエトポシドとの組み合わせ
一つの実施形態では、第2の薬剤はエトポシドであり、エトポシドの用量は約10mg/m2〜約150mg/m2、約20mg/m2〜約120mg/m2または約30mg/m2〜100mg/m2である。別の実施形態では、エトポシドの用量は約35mg/m2である。別の実施形態では、エトポシドの用量は約50mg/m2である。別の実施形態では、エトポシドの用量は約100mg/m2である。一つの実施形態では、エトポシドの用量は5日間、1日あたり約50〜100mg/m2である。一つの実施形態では、エトポシドの用量は4日間、1日あたり約35mg/m2である。一つの実施形態では、エトポシドの用量は5日間、1日あたり約50mg/m2である。一つの実施形態では、エトポシドの用量は1日目、3日目および5日目に1日あたり約100mg/m2である。一つの実施形態では、エトポシドの投与は5日間、1日1回であり、AC220は、1週間、2週間、3週間、4週間または5週間、1日1回投与される。一つの実施形態では、エトポシドの投与は1日目、3日目および5日目に1日1回であり、AC220は、1週間、2週間、3週間、4週間または5週間、1日1回投与される。一つの実施形態では、エトポシドの投与は4日間、1日1回であり、AC220は、1週間、2週間、3週間、4週間または5週間、1日1回投与される。
エトポシドの投与は、静脈内注入、静脈内プッシュ、ボーラス注射または皮下注射により行われ得る。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、エトポシドは、AC220の投与前に3日間、4日間または5日間投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、エトポシドは、AC220の投与と重複する3日間、4日間または5日間、投与される。
ある実施形態では、当該癌の治療方法は、約約60mg/日のAC220および約35mg/m2のエトポシド;約90mg/日のAC220および約35mg/m2のエトポシド;約135mg/日のAC220および約35mg/m2のエトポシド;約200mg/日のAC220および約35mg/m2のエトポシド;または約450mg/日のAC220および約35mg/m2のエトポシドを投与することを含む。
ある実施形態では、当該癌の治療方法は、約60mg/日のAC220および約35mg/m2のエトポシド;約90mg/日のAC220および約35mg/m2のエトポシド;約135mg/日のAC220および約35mg/m2のエトポシド;約200mg/日のAC220および約35mg/m2のエトポシド;または約450mg/日のAC220および約35mg/m2のエトポシドを投与することを含む。
ある実施形態では、当該癌の治療方法は、約60mg/日のAC220および約50mg/m2のエトポシド;約90mg/日のAC220および約50mg/m2のエトポシド;約135mg/日のAC220および約50mg/m2のエトポシド;約200mg/日のAC220および約50mg/m2のエトポシド;または約450mg/日のAC220および約50mg/m2のエトポシドを投与することを含む。
ある実施形態では、当該癌の治療方法は、約60mg/日のAC220および約100mg/m2のエトポシド;約90mg/日のAC220および約100mg/m2のエトポシド;約135mg/日のAC220および約100mg/m2のエトポシド;約200mg/日のAC220および約100mg/m2のエトポシド;または約450mg/日のAC220および約100mg/m2のエトポシドを投与することを含む。
ある実施形態では、当該癌の治療方法は、約60mg/日のAC220および約150mg/m2のエトポシド;約90mg/日のAC220および約150mg/m2のエトポシド;約135mg/日のAC220および約150mg/m2のエトポシド;約200mg/日のAC220および約150mg/m2のエトポシド;または約450mg/日のAC220および約150mg/m2のエトポシドを投与することを含む。
一つの実施形態では、併用レジメンは、1治療サイクルのために、以下:
A.60mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、
B.60mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間、
C.90mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、
D.90mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間、
E.135mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、
F.135mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間、
G.200mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、
H.200mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間、
I.300mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、
J.300mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間、
K.450mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、および
L.450mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間
から選択されるレジメンを用いたAC220の経口投与、
ならびに、以下の群:
i.50〜100mg/m2/日でエトポシドを5日間、
ii.50〜100mg/m2/日でエトポシドを1日目から5日目まで、
iii.5〜100mg/m2/日でエトポシドを3日間、
iv.5〜100mg/m2/日でエトポシドを3日間、
v.150mg/m2/日でエトポシドを1日目から5日目まで、
vi.150mg/m2/日でエトポシドを5日間、
vii.35mg/m2/日でエトポシドを4日間、
viii.40mg/m2/日でエトポシドを4日間、
ix.45mg/m2/日でエトポシドを4日間、
x.50mg/m2/日でエトポシドを4日間、
から選択されるレジメンを用いたエトポシドの静脈内投与を含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
別の実施形態では、併用レジメンは、1治療サイクルのために、以下:
A.25mg/日で化合物式(I)またはAC220を14〜32日間、
B.25mg/日で化合物式(I)またはAC220を23日間、
C.50mg/日で化合物式(I)またはAC220を14〜32日間、
D.50mg/日で化合物式(I)またはAC220を23日間、
E.75mg/日で化合物式(I)またはAC220を14〜32日間、
F.75mg/日で化合物式(I)またはAC220を23日間、
G.100mg/日で化合物式(I)またはAC220を14〜32日間、
H.100mg/日で化合物式(I)またはAC220を23日間、
I.125mg/日で化合物式(I)またはAC220を14〜32日間、
J.125mg/日で化合物式(I)またはAC220を23日間、
K.150mg/日で化合物式(I)またはAC220を14〜32日間、
L.150mg/日で化合物式(I)またはAC220を23日間、
M.200mg/日で化合物式(I)またはAC220を14〜32日間、
N.200mg/日で化合物式(I)またはAC220を23日間
から選択されるレジメンを用いたAC220の経口投与、
ならびに、以下の群:
i.50〜150mg/m2/日でエトポシドを5日間、および
ii.150mg/m2/日でエトポシドを5日間
から選択されるレジメンを用いたエトポシドの静脈内投与、
ならびに、以下の群:
a.1g/m2/日でシタラビンを5日間、
b.1g/m2/日でシタラビンを7日間、
c.1.5g/m2/日でシタラビンを3日間、
d.1.5g/m2/日でシタラビンを5日間、
e.2g/m2/日でシタラビンを3日間、
f.2g/m2/日でシタラビンを4日間、
g.2g/m2/日でシタラビンを5日間、および
h.2g/m2/日でシタラビンを6日間
から選択されるレジメンを用いたシタラビンの静脈内投与を含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。一つの実施形態では、シタラビンおよびエトポシドは共に1日目から5日目まで投与され、AC220は5〜28日目に投与される。一つの実施形態では、シタラビンおよびエトポシドは共に1日目から5日目まで投与され、AC220は6〜28日目に投与される。一つの実施形態では、シタラビンおよびエトポシドは共に1日目から5日目まで投与され、AC220は6〜19日目に投与される。
vi)AC220とダウノルビシンとの組み合わせ
一つの実施形態では、第2の薬剤はエトポシドであり、ダウノルビシンの用量は、約10mg/m2〜約100mg/m2、約10mg/m2〜約60mg/m2、約10mg/m2〜約50mg/m2、約20mg/m2〜約50mg/m2または約20mg/m2〜45mg/m2である。別の実施形態では、ダウノルビシンの用量は約25mg/m2である。別の実施形態では、ダウノルビシンの用量は約30mg/m2である。別の実施形態では、ダウノルビシンの用量は約45mg/m2である。別の実施形態では、ダウノルビシンの用量は約60mg/m2である。一つの実施形態では、ダウノルビシンの投与は、1日目、2日目および3日目に1日1回であり、AC220は、1週間、2週間、3週間、4週間または5週間、1日1回投与される。一つの実施形態では、ダウノルビシンの投与は、1日目および2日目に1日1回であり、AC220は、1週間、2週間、3週間、4週間または5週間、1日1回投与される。一つの実施形態では、ダウノルビシンの投与は、1日目に1日1回であり、AC220は、1週間、2週間、3週間、4週間または5週間、1日1回投与される。ダウノルビシンの投与は、静脈内注入、静脈内プッシュ、ボーラス注射または皮下注射によって行われ得る。
一つの実施形態では、1治療サイクルのために、アントラサイクリンは、AC220の投与の前に3日間投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、アントラサイクリンは、AC220の投与と重複する3日間、投与される。別の実施形態では、1治療サイクルのために、アントラサイクリンは、AC220の投与の後に3日間投与される。
ある実施形態では、当該癌の治療方法は、約60mg/日のAC220および約25mg/m2のダウノルビシン;約90mg/日のAC220および約25mg/m2のダウノルビシン;約135mg/日のAC220および約25mg/m2のダウノルビシン;約200mg/日のAC220および約25mg/m2のダウノルビシン;または約450mg/日のAC220および約25mg/m2のダウノルビシンを投与することを含む。
ある実施形態では、当該癌の治療方法は、約60mg/日のAC220および約30mg/m2のダウノルビシン;約90mg/日のAC220および約30mg/m2のダウノルビシン;約135mg/日のAC220および約30mg/m2のダウノルビシン;約200mg/日のAC220および約30mg/m2のダウノルビシン;または約450mg/日のAC220および約30mg/m2のダウノルビシンを投与することを含む。
ある実施形態では、当該癌の治療方法は、約60mg/日のAC220および約45mg/m2のダウノルビシン;約90mg/日のAC220および約45mg/m2のダウノルビシン;約135mg/日のAC220および約45mg/m2のダウノルビシン;約135mg/日のAC220および約45mg/m2のダウノルビシン;約200mg/日のAC220および約45mg/m2のダウノルビシン;または約450mg/日のAC220および約45mg/m2のダウノルビシンを投与することを含む。
ある実施形態では、当該癌の治療方法は、約60mg/日のAC220および約60mg/m2のダウノルビシン;約90mg/日のAC220および約60mg/m2のダウノルビシン;約135mg/日のAC220および約60mg/m2のダウノルビシン;約200mg/日のAC220および約45mg/m2のダウノルビシン;または約450mg/日のAC220および約60mg/m2のダウノルビシンを投与することを含む。
一つの実施形態では、併用レジメンは、1治療サイクルのために、以下:
A.60mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、
B.60mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間、
C.90mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、
D.90mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間、
E.135mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、
F.135mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間、
G.200mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、
H.200mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間、
I.300mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、
J.300mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間、
K.450mg/日で化合物式(I)またはAC220を14日間、および
L.450mg/日で化合物式(I)またはAC220を28日間
から選択されるレジメンを用いたAC220の経口投与、
ならびに、以下の群:
i:45mg/m2/日でダウノルビシンを3日間、
ii:50mg/m2/日でダウノルビシンを3日間、
iii:60mg/m2/日でダウノルビシンを3日間、
iv:45〜60mg/m2/日でダウノルビシンを3日間、
vi:70mg/m2/日でダウノルビシンを3日間
から選択されるレジメンを用いたアントラサイクリンの静脈内投与を含み、該併用レジメンは、同時に、並行して、別々に、または順次に投与される。
F.AC220および第2の薬剤の例示的な投与スケジュール
ある実施形態では、本明細書中で提供されるAC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物ならびに第2の薬剤は、当業者により好適であると判断される任意のスケジュールに従って投与され得る。この節では、第2の薬剤と組み合わせたAC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物の、本明細書中で提供される方法において実施され得る例示的な投与スケジュールを提供する。
ある実施形態では、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物ならびに第2の薬剤は、サイクルで投与される。ある実施形態では、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物ならびに第2の薬剤は、少なくとも1サイクル投与される。ある実施形態では、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物ならびに第2の薬剤は、少なくとも2サイクル投与される。ある実施形態では、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物ならびに第2の薬剤は、少なくとも3サイクル投与される。ある実施形態では、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物ならびに第2の薬剤は、少なくとも4サイクルで投与される。ある実施形態では、各サイクルは少なくとも28日である。一つの実施形態では、第2の薬剤はエトポシドである。一つの実施形態では、第2の薬剤はダウノルビシンである。一つの実施形態では、第2の薬剤はイダルビシンである。一つの実施形態では、第2の薬剤はシタラビンである。一つの実施形態では、第2の薬剤はAZAである。一つの実施形態では、第2の薬剤はクロファラビンである。
ある実施形態では、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物の最初の用量は、第2の薬剤の投与の前に投与される。ある実施形態では、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物の最初の用量は、第2の薬剤の投与の直前に投与される。ある実施形態では、第2の薬剤の投与は、AC220の投与から1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、8時間後、12時間後、16時間後、24時間後もしくは32時間後、または1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後もしくは7日後に開始され、例えば、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物の投与の完了から1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、8時間後、12時間後、16時間後、24時間後もしくは32時間後、または1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後もしくは7日後に開始される。
ある実施形態では、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物の最初の用量は、第2の薬剤の投与の後に投与される。ある実施形態では、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物の最初の用量は、第2の薬剤の投与の直後に投与される。ある実施形態では、AC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物の投与は、第2の薬剤の投与から1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、8時間後、12時間後、16時間後、24時間後もしくは32時間後、または1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後もしくは7日後に開始され、例えば、第2の薬剤の投与の完了から1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、8時間後、12時間後、16時間後、24時間後もしくは32時間後、または1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後もしくは7日後に開始される。
G.患者集団
ある実施形態では、本明細書中で提供されるAC220および/または医薬的に許容されるその塩、プロドラッグ、溶媒和物もしくは水和物ならびに第2の薬剤は、当業者により好適であると判断される任意の癌患者に対して投与され得る。
一つの実施形態では、本明細書中で提供される方法は、再発した患者、または以前の癌治療に対して難治性の患者の治療用である。ある実施形態では、患者は、1つ目、2つ目、3つ目またはそれ以後の癌治療後に再発した者である。
ある実施形態では、患者は60歳以上であり、かつ第1選択の癌治療後の、再発した者である。ある実施形態では、患者は18歳以上であり、かつ第2選択の癌治療後の、再発したかまたは難治性の者である。ある実施形態では、患者は18歳以上であり、かつ第3選択もしくはそれ以後の癌治療後の、再発したかまたは難治性の者である。ある実施形態では、患者は60歳以上であり、かつ第1選択の癌治療に対して難治性の者である。ある実施形態では、患者は70歳以上であり、かつ以前には治療されていない者である。ある実施形態では、患者は70歳以上であり、かつ、癌治療に不適格でありかつ/または癌治療の恩恵を受ける可能性が低い者である。
ある実施形態では、癌治療に不適格でありかつ/または癌治療の恩恵を受ける可能性が低い、以前に治療されていない患者としては、以下の悪要因のうちの少なくとも一つを有する患者が挙げられる:過去にMDSであった、診断時に細胞遺伝学的に望ましくない、ECOG(米国東海岸癌臨床試験グループ;Eastern Cooperative Oncology Group)のパフォーマンス・ステータスが1、2または3である、あるいは75歳以上である。
ある実施形態では、患者は、
a)60歳以上であり、かつ第1選択の癌治療後の再発した者、
b)60歳以上であり、かつ第1選択の癌治療に対して難治性の者、
c)18歳以上であり、かつ第2選択の癌治療後の、再発したかまたは難治性である者、あるいは
d)70歳以上であり、かつ、癌治療に不適格でありかつ/または癌治療の恩恵を受ける可能性が低い、以前に治療されていない者
である。
ある実施形態では、患者は、第3選択の癌治療またはサルベージ療法後の再発した者である。
ある実施形態では、患者は、60歳以上、65歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、85歳以上であり、かつ第1選択の癌治療後の再発した者である。ある実施形態では、患者は、60歳以上、65歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、85歳以上であり、かつ第1選択の癌治療に対して難治性の者である。ある実施形態では、患者は、18歳以上、20歳以上、25歳以上、30歳以上、35歳以上、40歳以上、45歳以上、50歳以上、55歳以上、60歳以上、65歳以上、70歳以上、75歳以上、80歳以上、85歳以上であり、かつ第2選択の癌治療後の再発した者である。ある実施形態では、患者は、70歳以上、75歳以上、80歳以上、85歳以上であり、かつ癌治療に不適格でありかつ/または癌治療の恩恵を受ける可能性が低い、以前に治療されていない者である。
ある実施形態では、化学療法に不適格でありかつ/または化学療法の恩恵を受ける可能性が低い、以前に治療されていない患者としては、以下の悪要因のうちの少なくとも一つを有する患者が挙げられる:過去にMDS(骨髄異形成症候群)であった、診断時に細胞遺伝学的に望ましくない、ECOG(米国東海岸癌臨床試験グループ)のパフォーマンス・ステータスが2である、あるいは75歳以上である。
ある実施形態では、患者は、白血病についての該患者の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンス・ステータスのスコアに基づいて治療される。ECOGのパフォーマンス・ステータスは、0〜5の尺度でスコア付けされ得るものであり、0は無症候性を示し;1は症候性であるが、完全に動き回れる(ambulant)ことを示し;2は症候性であり、かつ寝込んでいるのが日中の50%未満であることを示し;3は症候性であり、かつ50%より多く寝込んでいるが、寝たきりではないことを示し;4は寝たきりであることを示し;5は死亡を示す。ある実施形態では、患者は、ECOGのパフォーマンス・ステータスのスコアが0、1、2または3である。他の実施形態では、患者は、ECOGのパフォーマンス・ステータスのスコアが0、1または2である。他の実施形態では、患者は、ECOGのパフォーマンス・ステータスのスコアが1または2である。ある実施形態では、患者は、ECOGのパフォーマンス・ステータスのスコアが2または3である。他の実施形態では、患者は、ECOGのパフォーマンス・ステータスのスコアが2である。
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法は、食事から少なくともおよそ、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、7時間後、8時間後、9時間後、10時間後、11時間後または12時間後に該化合物を投与することを含む。ある実施形態では、該化合物は、食事のおよそ、1時間前、2時間前、3時間前、4時間前、5時間前または6時間前に投与される。ある実施形態では、該化合物は、食事から少なくとも約2時間後かつ食事の約1時間前またはそれよりも前に投与される。
いくつかの疾患または障害は、特定の年齢集団においてより一般的であるが、ある実施形態では、本明細書中に提供される方法は、患者の年齢に関わらず対象を治療することを包含する。更に、問題となっている疾患または状態を治療する試みにおいて手術を受けた対象を治療するための方法、および該手術を受けていない対象を治療するための方法が本明細書中で提供される。癌を有する対象は、種々の臨床症状および様々な臨床転帰を有するため、特定の対象に与えられる治療は、彼/彼女の予後に応じて変わり得る。熟練した臨床医は、癌を有する個々の対象を治療するために効果的に使用され得る具体的な第2の薬剤、手術の種類、および非薬物ベースの標準的療法の種類を、過度の実験を行なうことなく、容易に決定することができるであろう。
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法は、以前に重点的に治療された患者を治療するために使用される。以前に重点的に治療された患者は、以前に例えば3つまたはそれより多くの癌治療の過程で治療されている患者と定義される。ある実施形態では、以前に重点的に治療された患者は、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたは10の癌療法治療レジメンで治療されている。以前に重点的に治療された患者は、当業者により好適であると判断される任意の癌治療レジームにより以前に治療された者であり得る。ある実施形態では、以前に重点的に治療された患者は、1つ以上のFLT3阻害剤、例えばCEP701、PKC412、MLN−518、スニチニブおよびソラフェニブで以前に治療されている。
ある実施形態では、本明細書中で提供される方法は、以前に為された治療が最小限である患者を治療するために使用される。以前に治療されていないか、または治療されているが以前に重点的に治療された患者とはみなれない患者は、以前に為された治療が最小限である患者である。
ある実施形態では、患者は、新たにAMLまたはMDSと診断された65歳以下の者である。
ある実施形態では、患者は、FLT3−ITD変異を呈するAMLと新たに診断された18歳以上の者である。ある実施形態では、患者は、NPM1変異により分類されたFLT3−ITDを呈するAMLと新たに診断された18歳以上の者である。
ある実施形態では、患者は、以前の治療がうまくいかなかった、高リスクのMDS、CMMLまたはAMLを有する18歳以上の者である。ある実施形態では、MDSを有する患者は、低メチル化剤および/またはレナリドミドを用いた以前の治療がうまくいかなった者である。ある実施形態では、AMLを有する患者は、あらゆる以前の導入療法がうまくいかなかったか、または以前の治療後に再発した者である。ある実施形態では、MDSを有する患者は、低メチル化剤による治療を受けており、かつAMLに対するあらゆる以前の治療にもかかわらずAMLに進行した者である。ある実施形態では、患者は、いかなる以前の治療も受けておらず、かつ標準的な治療を受ける候補ではない者である。
ある実施形態では、患者は、CBF−AMLと新たに診断された18歳以上の者である。
ある実施形態では、患者は以下の基準を満たす:
1. 1)AML(WHOの分類定義で、芽球(blasts)が20%以上)、または2)中リスク−2(intermediate-2)もしくは高リスクのMDS(IPSS分類により定義される)と診断された;
2. 年齢が15〜65歳;
3. 患者は再発したかもしくは難治性の疾患または続発の治療されていない疾患を有し、ある実施形態では、患者は以前にはFLT3阻害剤に暴露されていない;
4. ECOGのパフォーマンス・ステータスが2以下
5. 正常な臓器機能。
ある実施形態では、患者は、AMLまたはMDSに対するいかなる化学療法も受けていない(ハイドレアを除く)。ある実施形態では、患者は、以前のMDSに対する低メチル化剤、および輸血、造血成長因子またはビタミンを受けている。
ある実施形態では、患者は以下の基準を満たす:
1. 患者は再発のリスクが高い。その基準は以下である。
a)FLT3のITDまたはD835変異、(b)複合的な核型(少なくとも3つの異なる異常)(c)CRpまたはCRi、(d)2度目またはそれ以降のCR。
2. 患者は同種HCTの候補でない。
3. 患者は、治療開始の1週間前以内にCR、CRpまたはCRiである。
4. 患者は血清(seum)ビリルビンおよびクレアチニンがそれぞれ2mg/dl未満である。
5. 患者はQTc延長を有しない。
6. 患者は、(a)平均余命を1年未満に制限するまたはAC220治療の順守を妨げるであろう他の疾患を有さず、(b)HIVに感染しておらず、かつ、(c)以前にはAC220を受けていない。
ある実施形態では、患者は18歳以上であり、かつ以下の基準を満たす:
1 患者はMDS、CMMLまたはAMLを有し、以前の治療がうまくいかなかった者である。
a.MDSを有する患者は、低メチル化剤および/またはレナリドミドでの以前の治療がうまくいかなかった者である。
b.AMLを有する患者は、あらゆる以前の導入療法がうまくいかなかったか、または以前の治療後に再発した者である。
c.MDSを有する患者は、低メチル化剤(asgent)での治療を受け、AMLに進行した者である。
d.患者は、以前には治療を受けておらず、かつ標準的な療法を受ける候補でない者である。
2. ECOGのパフォーマンス・ステータスが2以下である。
3. 十分な肝機能(ビリルビン(bilirrubin)が2mg/dl以下)および腎機能(クレアチニンが2mg/dl以下)である。
ある実施形態では、患者の年齢は1〜21歳である。ある実施形態では、患者は、再発性/難治性のAML、ALLまたは系統不明な急性白血病と診断され、かつ以下の基準を満たす:
1. 患者はAMLまたは系統不明の白血病を有し、かつ骨髄中の芽球が5%より多い;
2. ALLを有する患者はM3骨髄(骨髄芽球が25%より多い)を有する;
3. ALLを有する患者は、MLL遺伝子再構成または高二倍体(50より多い染色体数)を有する;
4. 治療に関連するAML(t−AML)を有する患者は、他の全ての適格性基準を満たせば適格である。
H.医薬組成物
本明細書中で提供される方法は、AC220および/または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物ならびに医薬的に許容される担体(希釈剤またはアジュバントなど)を含有する医薬組成物を、あるいは第2の薬剤と組み合わせて使用する。ある実施形態では、第2の薬剤、例えば、シタラビン、クロファラビン(clofarabie)、AZA、エトポシド、イダルビシンまたはダウノルビシンが、当該分野で公知の医薬組成物として投与される。
AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物の例示的な医薬組成物は、米国特許出願公開第US 2007/0232604号、同第US 2009/0123418号、同第US 2009/0131426号、および米国仮出願第61/243,977号に記載されている。一つの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの非放出制御性の賦形剤または担体を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの放出制御性の賦形剤または担体、および少なくとも1つの非放出制御性の賦形剤または担体を含む。一つの実施形態では、本明細書中で提供される医薬組成物は、噴霧乾燥組成物である。
別の実施形態では、医薬組成物は、1以上の医薬的に許容される担体と組み合わせて、有効成分としてAC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含み、各担体は、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、マンニトール、デンプングリコール酸ナトリウム(EXPLOTAB(登録商標))、クエン酸、PEG400、PEG6000、ポリビニルピロリドン(PVP)、ラウロイルポリオキシルグリセリド(lauroyl polyoxylglycerides)(GELUCIRE(登録商標)44/14、Gattefosse Corp.、パラマス、N.J.)、PLURONIC(登録商標)F68、二酸化珪素(silicone dioxide)、および水からなる群から選択される。PLURONIC(登録商標)F68(Poloxamer 188としても知られる)は、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体である。
別の実施形態では、医薬組成物は、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物ならびにヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)を含む。ある実施形態では、HPBCD含有組成物は、水溶液として製剤化される。該水溶液は、適切な量のAC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物に、所望の濃度でHPBCD水溶液を添加し、化合物の所望の終濃度(約1、約2、約3、約5、約10、約15、約50または約100mg/mLの終濃度が挙げられるが、それらに限定されない)を達成することにより得られる。一つの実施形態では、HPBCD組成物は、約5%のHPBCDを含有する。別の実施形態では、HPBCD組成物は、約22%のHPBCDを含有する。ある実施形態では、医薬組成物は、5%HPBCD中に、2、3または5mg/mLのAC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含有する。ある実施形態では、医薬組成物は、22%HPBCD中に、1、3または10mg/mLのAC220の化合物または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含有する。例示的な医薬組成物を表2に示す。
また別の実施形態では、AC220の医薬組成物は、投与前に1以上の医薬的に許容される担体を含む水溶液で再構成される。一つの実施形態では、医薬組成物は、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、バイアル中にAC220を含む。また別の実施形態では、医薬組成物は、約1〜約200mg、約10〜約100mg、または約10〜60mg、あるいは10mg、12mg、14mg、16mg、18mg、20mg、25mg、27mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mgまたは60mgの該化合物または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。一つの実施形態では、再構成に使用される水溶液はHPBCDを含む。ある実施形態では、該水溶液は、5重量%のHPBCDを含む。ある実施形態では、該水溶液は22重量%のHPBCDを含む。
また別の実施形態では、医薬組成物は、PEG400および水と組み合わせて、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。ある実施形態では、PEG400と水との比は、3対1である。
また別の実施形態では、医薬組成物は、マンニトールおよびEXPLOTAB(登録商標)と組み合わせて、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、カプセルとして製剤化される。例示的な医薬組成物を表3に示す。
また別の実施形態では、医薬組成物は、マンニトール、EXPLOTAB(登録商標)およびクエン酸と組み合わせて、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、カプセルとして製剤化される。ある実施形態では、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物は、例えばジェットミルを使用して、微粉化される。例示的な医薬組成物を表4に示す。
また別の実施形態において、医薬組成物は、PEG6000、マンニトールおよびEXPLOTAB(登録商標)と組み合わせて、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、カプセルとして製剤化される。例示的な医薬組成物を表5に示す。
また別の実施形態において、医薬組成物は、ポリビニルピロリドン(PVP)、マンニトールおよびEXPLOTAB(登録商標)と組み合わせて、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、カプセルとして製剤化される。例示的な医薬組成物を表6に示す。
また別の実施形態では、医薬組成物は、GELUCIRE(登録商標)と組み合わせてAC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、カプセルとして製剤化される。ある実施形態では、医薬組成物は、N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素の二塩酸塩およびGELUCIRE(登録商標)44/14を含む。例示的な医薬組成物を表7に示す。
また別の実施形態では、医薬組成物は、GELUCIRE(登録商標)およびPEG6000と組み合わせてAC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、カプセルとして製剤化される。ある実施形態では、医薬組成物は、3重量部のGELUCIRE(登録商標)および1重量部のPEG6000を含む。
また別の実施形態において、医薬組成物は、マンニトール、EXPLOTAB(登録商標)、およびPLURONIC(登録商標)F68と組み合わせてAC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、カプセルとして製剤化される。例示的な医薬組成物を表8に示す。
また別の実施形態では、医薬組成物は、GELUCIRE(登録商標)、PEG6000、二酸化珪素(silicone dioxide)、マンニトールおよびEXPLOTAB(登録商標)と組み合わせてAC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、カプセルとして製剤化される。例示的な医薬組成物を表9に示す。
また別の実施形態において、医薬組成物は、HPBCD、マンニトールおよびEXPLOTAB(登録商標)と組み合わせてAC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、カプセルとして製剤化される。例示的な医薬組成物を表10に示す。
更に別の実施形態では、医薬組成物は、HPBCDと組み合わせて、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物を含む。ある実施形態では、医薬組成物は、凍結乾燥粉末として製剤化される。ある実施形態では、医薬組成物中で使用されるAC220は、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物とHPBCDとの共結晶である。本明細書中で使用される場合、用語「共結晶」とは、結晶格子(単位格子)内に、2以上の異なる分子成分を含有する結晶をいう。例示的な医薬組成物を表11に示す。
一つの実施形態では、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物ならびにHPBCDを含む噴霧乾燥医薬組成物が本明細書中で提供される。ある実施形態では、該噴霧乾燥組成物は、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物の水溶液を噴霧乾燥することにより得られる。
ある実施形態では、該水溶液は、適切な量のAC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物に対して所望の濃度でHPBCD水溶液を添加し、化合物の所望の終濃度(約1、約2、約3、約5、約10、約15、約30、約40、約50、約75または約100mg/mLの終濃度が挙げられるが、それらに限定されない)を達成することにより得られる。一つの実施形態では、本明細書中で提供される組成物は約5%のHPBCDを含む。別の実施形態では、本明細書中で提供される組成物は約22%のHPBCDを含む。一つの実施形態では、本明細書中で提供される組成物は約20%のHPBCDを含む。一つの実施形態では、本明細書中で提供される組成物は約40%のHPBCDを含む。一つの実施形態では、本明細書中で提供される組成物は約50%のHPBCDを含む。
ある実施形態では、本明細書中で提供される組成物は、40%HPBCD溶液1mLにつき40mgの溶解したAC220、総量2.5mLの40%HPBCD溶液中に溶解した総量100mgの該化合物を含む。ある実施形態では、本明細書中で提供される組成物は、40%HPBCD溶液1mLにつき40mgの溶解したAC220、総量5mLの40%HPBCD溶液中に溶解した総量200mgの該化合物を含む。
ある実施形態では、本明細書中で提供される組成物は、およそ、1:5、1:7、1:10、1:13、1:15または1:20の重量比でAC220およびHPBCDを含む。ある実施形態では、本明細書中で提供される組成物は、約1:10の重量比でAC220およびHPBCDを含む。例示的な実施形態では、本明細書中で提供される約1.1gの噴霧乾燥組成物は、約100mgのAC220および約1000mgのHPBCDを含む。別の例示的な実施形態では、本明細書中で提供される約2.2gの噴霧乾燥組成物は、約200mgのAC220および約2000mgのHPBCDを含む。
ある実施形態では、投与前に、水溶液で再構成するための噴霧乾燥医薬組成物が本明細書中で提供される。一つの実施形態では、バイアル中の噴霧乾燥医薬組成物である。一つの実施形態では、本明細書中で提供される噴霧乾燥組成物は、水で再構成されて、水1mLあたりおよそ、1〜10mg、2〜10mg、3〜10mg、2〜8mgまたは3〜7mgの噴霧乾燥組成物を含む水溶液を与える。一つの実施形態では、本明細書中で提供される噴霧乾燥組成物は、水で再構成されて、水1mLあたりおよそ、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mgまたは10mgの噴霧乾燥組成物を含む水溶液を与える。
ある実施形態では、医薬組成物は、約1〜約100mg、または約1〜約60mg、または約10〜約60mg、約10〜約40mg、約10〜約27mg、または約10〜約25mgの量のAC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物の投与量で製剤化される。
ある実施形態では、本明細書中で提供される医薬組成物において使用されるAC220は、固体形態である。適切な固体形態としては、以下に限定されないが、AC220の遊離塩基を含む固体剤形、および、AC220の塩(以下に限定されないが、HCl塩、HBr塩、硫酸塩、メシル酸塩、エシル酸塩、エジシル酸塩、ベシル酸塩、トシル酸塩およびナプシル酸塩が挙げられる)を含む固体形態が挙げられる。ある実施形態では、AC220のHCl塩は、モノHCl塩およびビスHCl塩を含む。ある実施形態では、本明細書中で提供される固体形態は、AC220および/またはその塩を含む多形、溶媒和物(水和物を含む)および共結晶を含む。ある実施形態では、固体形態は、AC220または医薬的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは水和物と、HPBCDとの共結晶である。ある実施形態では、本明細書中で提供される医薬組成物において使用されるAC220は、N−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,l−b][l,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素の二塩酸塩である。これらの固体形態の一部は、US 2009/0123418(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
医薬組成物は、経口、非経口および局所投与用に様々な剤形で製剤化され得る。医薬組成物はまた、放出調節剤形として製剤化されてもよく、該放出調節剤形としては、遅延放出剤形、徐放性(extended-)剤形、持続(prolonged-)放出剤形、持続(sustained-)放出剤形、パルス放出剤形、制御(controlled-)放出剤形、加速放出剤形および高速放出剤形、標的放出剤形、プログラム放出剤形、ならびに胃貯留剤形が挙げられる。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法および技術に従って調製され得る(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 上掲; Modified-Release Drug Deliver Technology, Rathbone et al., Eds., Drugs and the Pharmaceutical Science, Marcel Dekker, Inc.: New York, NY, 2003; Vol. 126を参照されたい)。
一つの実施形態では、医薬組成物は、経口投与用の剤形として提供される。別の実施形態では、医薬組成物は、非経口投与用の剤形として提供される。また別の実施形態では、医薬組成物は、局所投与用の剤形として提供される。
AC220の医薬組成物は、単位投与剤形または複数回投与剤形として提供され得る。本明細書中で使用される場合、単位投与剤形とは、ヒトおよび動物対象に投与するために好適であって、当該分野で公知のようにして個別に包装された、物理的に分離した単位をいう。各単位用量は、必要な医薬担体または賦形剤と共に、所望の治療効果を生じさせるのに十分な所定の量の活性成分を含有する。単位投与剤形の例としては、アンプル、シリンジ、ならびに個別に包装された錠剤およびカプセルが挙げられる。単位投与剤形は、それらの分数でまたは倍数で投与されてもよい。複数回投与剤形は、分離された単位投与剤形で投与される複数の同一の単位投与剤形が単一の容器に包装されたものである。複数回投与剤形の例としては、バイアル、錠剤もしくはカプセルのボトル、またはパイントもしくはガロンのボトルが挙げられる。
AC220の医薬組成物は、一度に投与されてもよいし、あるいは時間間隔を置いて複数回で投与されてもよい。正確な投与量および治療の期間は、治療されている患者の年齢、体重および状態により変化し得、公知の試験プロトコールを使用して実験的に、あるいはインビボもしくはインビトロの試験または診断データからの外挿により、決定され得ることが理解される。さらに、任意の特定の個体に対して、具体的な投与レジメンは、個々の必要性、そして製剤を投与するまたは製剤の投与を監督する人物の専門的判断に従って、時間と共に調整されるべきであることが理解される。
A.経口投与
上で議論したことに加えて、AC220の医薬組成物は、経口投与用に、固体剤形、半固体剤形または液体剤形として提供されてもよい。本明細書中で使用される場合、経口投与には、経頬投与、舌投与および舌下投与も含まれる。適切な経口投与剤形としては、以下に限定されないが、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、香錠(pastilles)、サシェ剤、ペレット剤、薬用チューイングガム、顆粒剤、原末剤、発泡性もしくは非発泡性の粉末剤もしくは顆粒剤、液剤、乳剤、懸濁剤、液剤、ウエハース剤、散剤(sprinkles)、エリキシル剤およびシロップ剤が挙げられる。活性成分に加えて、医薬組成物は、1以上の医薬的に許容される担体または賦形剤を含有してもよく、該担体または賦形剤としては、以下に限定されないが、結合剤、増量剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、色素移動阻害剤(dye-migration inhibitors)、甘味料および香味料が挙げられる。
結合剤または造粒剤は、錠剤に凝集性を与え、圧縮後に錠剤が形を保つようにする。適切な結合剤または造粒剤としては、以下に限定されないが、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンおよびアルファ化デンプン(例えば、STARCH 1500));ゼラチン;糖(例えば、ショ糖、グルコース、デキストロース、糖蜜および乳糖);天然および合成ゴム(例えば、アカシアゴム、アルギン酸、アルギン酸塩、アイリッシュ・モスの抽出物、パンワー(panwar)ゴム、ガッティ(ghatti)ゴム、イサゴール(isabgol)殻の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム(Veegum)、カラマツアラボガラクタン(arabogalactan)、粉末トラガカントおよびグアーガム);セルロース(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC));微結晶性セルロース(例えば、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC Corp.、マルクスフック、PA));ならびにそれらの混合物が挙げられる。適切な増量剤としては、以下に限定されないが、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート(dextrates)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられる。結合剤または増量剤は、本明細書中で提供される医薬組成物中に約50〜約99重量%で存在してもよい。
適切な希釈剤としては、以下に限定されないが、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、乳糖、ソルビトール、ショ糖、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、および粉末糖が挙げられる。特定の希釈剤(例えば、マンニトール、乳糖、ソルビトール、ショ糖、およびイノシトール)は、十分な量で存在する場合、そしゃくによる口の中での崩壊を可能にする特性を一部の圧縮錠に与え得る。このような圧縮錠は、チュアブル錠として使用され得る。
適切な崩壊剤としては、以下に限定されないが、寒天;ベントナイト;セルロース(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース);木製品;天然のスポンジ;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;ゴム(例えば、グアーガムおよびビーガムHV);柑橘類の果肉;架橋セルロース(例えば、クロスカルメロース);架橋ポリマー(例えば、クロスポビドン);架橋デンプン;炭酸カルシウム;微結晶性セルロース(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム);ポラクリリンカリウム;デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、およびアルファ化デンプン);粘土;アライン(aligns);およびそれらの混合物が挙げられる。本明細書中で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の種類によって変化し、これは当業者であれば容易に認識できる。本明細書中で提供される医薬組成物は、約0.5〜約15重量%または約1〜約5重量%の崩壊剤を含有し得る。
適切な滑沢剤としては、以下に限定されないが、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリコール(例えば、グリセロールベヘネートおよびポリエチレングリコール(PEG)(例えば、PEG400およびPEG6000));ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;水素化植物油(ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油が挙げられる);ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル(ethyl laureate);寒天;デンプン;ヒカゲノカズラ;シリカ(二酸化珪素(silicone dioxide))またはシリカゲル(例えばAEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace Co.,ボルチモア,MD)およびCAB−O−SIL(登録商標)(Cabot Co.,ボストン,MA)など);およびそれらの混合物が挙げられる。本明細書中で提供される医薬組成物は、約0.1〜約5重量%の滑沢剤を含有し得る。
適切な流動促進剤としては、コロイド状二酸化珪素、CAB−O−SIL(登録商標)(Cabot Co. ,ボストン,MA)、およびアスベストを含まないタルクが挙げられる。着色剤としては、認可・認証された水溶性FD&C色素、およびアルミナ水和物に懸濁された非水溶性のFD&C色素、およびレーキ顔料のいずれか、ならびにそれらの混合物が挙げられる。レーキ顔料は、重金属の水和酸化物への水溶性色素の吸着(その結果不溶性形態の色素となる)による組み合わせである。香味料としては、植物(例えば、果物)から抽出された天然香味料、ならびに心地よい味覚を生じさせる化合物(例えば、ペパーミントおよびサリチル酸メチル)の合成ブレンドが挙げられる。甘味料としては、ショ糖、乳糖、マンニトール、シロップ、グリセリン、および人工甘味料(例えば、サッカリンおよびアスパルテーム)が挙げられる。適切な乳化剤としては、ゼラチン、アカシアゴム、トラガカント、ベントナイト、ならびに界面活性剤(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、TWEEN(登録商標)20)、ポロキサマー(例えば、PLURONIC(登録商標)F68)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン80(例えば、TWEEN(登録商標)80)、およびオレイン酸トリエタノールアミン)が挙げられる。懸濁剤および分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム、アカシアゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、およびラウロイルポリオキシルグリセリド(例えば、GELUCIRE(登録商標)44/14)が挙げられる。保存剤としては、グリセリン、メチルおよびプロピルパラベン、安息香酸(benzoic add)、安息香酸ナトリウムならびにアルコールが挙げられる。湿潤剤としては、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ジエチレングリコール、およびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、およびシロップが挙げられる。乳液において使用される非水性液体の例としては、鉱油および綿実油が挙げられる。有機酸としては、クエン酸および酒石酸が挙げられる。二酸化炭素源としては、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。
適切な錯化剤としては、以下に限定されないが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル 7−β−シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標),CyDex,レネックサ,KS)を含む、シクロデキストリンが挙げられる。
多くの担体および賦形剤が、同じ製剤内においても、いくつかの機能を果たし得ることが理解されるべきである。
AC220の医薬組成物は、圧縮錠剤、粉薬錠剤、チュアブルロゼンジ、速溶性錠剤、複数回圧縮錠剤、または腸溶性コーティング錠剤、糖衣錠もしくはフィルムコート錠として提供され得る。腸溶性コーティング錠剤は、胃酸の作用に耐えるが、腸内で溶解または崩壊する物質でコートされ、したがって活性成分を胃の酸性環境から保護する圧縮錠剤である。腸溶性コーティングとしては、以下に限定されないが、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、シェラック、アンモニア処理シェラック、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。糖衣錠は、糖衣により包まれた圧縮錠剤であり、糖衣は、不快な味または匂いを覆い隠すのに、また錠剤を酸化から保護するのに有益であり得る。フィルムコート錠は、水溶性材料の薄層またはフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングとしては、以下に限定されないが、ヒロドキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的特徴を与える。複数回圧縮錠剤は、1回を超える圧縮サイクルにより作られる圧縮錠剤であり、層状錠剤、および圧縮コートまたは乾燥コート錠を含む。
錠剤剤形は、粉末、結晶、もしくは顆粒形態の活性成分のみから、または本明細書中に記載される1以上の担体もしくは賦形剤(結合剤、崩壊剤、放出制御ポリマー、滑沢剤、希釈剤、および/または着色剤を含む)と組み合わせて、調製され得る。香味料および甘味料は、チュアブル錠およびロゼンジの形成に特に有用である。
AC220の医薬組成物は、ソフトまたはハードカプセル(ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、またはアルギン酸カルシウムから作られ得る)として提供され得る。ハードゼラチンカプセル(乾燥充填カプセル(dry-filled capsule)(DFC)としても知られる)は、2つの部分からなり、一方が他方の上にかぶさり、したがって活性成分を完全に封入する。軟カプセル剤(soft elastic capsule)(SEC)は、グリセリン、ソルビトール、または類似のポリオールの添加により可塑性を与えられた、ゼラチンシェルなどの、柔らかい球形のシェルである。ソフトゼラチンシェルは、微生物の増殖を防止するために保存剤を含有してもよい。適切な保存剤は、メチル−およびプロピル−パラベン、ならびにソルビン酸を含む、本明細書中に記載される保存剤である。本明細書中で提供される液体剤形、半固体剤形および固体剤形は、カプセル中に封入され得る。適切な液体剤形および半固体剤形としては、プロピレンカーボネート、植物油、またはトリグリセリド中の溶液および懸濁液が挙げられる。このような溶液を含有するカプセルは、米国特許第4,328,245号;同第4,409,239号;および同第4,410,545号に記載されるようにして調製され得る。カプセルはまた、活性成分の溶解を調整または持続させるために、当業者に知られるようにしてコートされ得る。
AC220の医薬組成物は、乳液、溶液、懸濁液、エリキシル、およびシロップを含む、液体剤形および半固体剤形として提供され得る。乳液とは、1つの液体が別の液体全体に小さな球の形態で分散している二相系のことを言い、水中油または油中水であり得る。乳液は、医薬的に許容される非水性の液体または溶媒、乳化剤、および保存剤を含み得る。懸濁液は、医薬的に許容される懸濁剤および保存剤を含み得る。水性アルコール溶液は、医薬的に許容されるアセタール(例えば、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール(例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール));および1以上の水酸基を有する水混和性溶媒(例えば、プロピレングリコールおよびエタノール)を含み得る。エリキシルは、透明で甘い、含水アルコール溶液である。シロップは、糖(例えば、ショ糖)の濃縮水溶液であり、保存剤を含有してもよい。液体剤形のために、例えば、ポリプロピレングリコール中の溶液は、十分量の医薬的に許容される液状担体(例えば、水)で希釈されて、投与のために都合よく計量され得る。
他の有用な液体剤形および半固体剤形としては、以下に限定されないが、本明細書中で提供される活性成分、およびジアルキル化されたモノまたはポリアルキレングリコール(1,2−ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテル(ここで350、550、および750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を示す)が挙げられる)を含有するものが挙げられる。これらの製剤はさらに、1以上の抗酸化剤(例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸およびそのエステル、ならびにジチオカルバミン酸塩など)を含んでもよい。
AC220の医薬組成物は、液体剤形に再構成される、非発泡性または発泡性の、顆粒剤および粉末剤として提供され得る。非発泡性の顆粒剤または粉末剤において使用される医薬的に許容される担体および賦形剤は、希釈剤、甘味剤、および湿潤剤を含み得る。発泡性の顆粒剤または粉末剤において使用される医薬的に許容される担体および賦形剤は、有機酸および二酸化炭素源を含み得る。
着色剤および香味料は、上記投与剤形の全てにおいて使用され得る。
AC220の医薬組成物は、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出形態を含む、即時放出または放出調節型の剤形として製剤化され得る。
AC220の医薬組成物は、所望の治療作用を損なわない他の活性成分と共に、または所望の作用を補う物質と共に、共製剤化され得る。
B.非経口投与
AC220の医薬組成物は、局所または全身投与のために、注射、注入、またはインプラントにより非経口的に投与され得る。本明細書中で使用される場合、非経口投与には、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、および皮下投与が含まれる。
AC220の医薬組成物は、非経口投与に適した任意の剤形として製剤化されてもよく、該剤形としては、溶液、懸濁液、乳液、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステム、および注射前に液体中の溶液または懸濁液とするのに適した固体形態が挙げられる。このような投与剤形は、薬学分野の当業者に公知の従来の方法に従って調製され得る(上記Remington:The Science and Practice of Pharmacyを参照のこと)。
非経口投与用に意図されたAC220の医薬組成物は、1以上の医薬的に許容される担体および賦形剤を含んでもよく、該担体および賦形剤としては、以下に限定されないが、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の増殖に対する抗菌剤もしくは保存剤、安定化剤、溶解促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤および分散剤、湿潤剤もしくは乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤もしくはキレート剤、凍結防止剤(cryoprotectants)、凍結乾燥保護剤(lyoprotectants)、増粘剤、pH調整剤、および不活性ガスが挙げられる。
適切な水性ビヒクルとしては、以下に限定されないが、水、食塩水、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、等張デキストロース注射液、無菌水注射液、デキストロースおよび加乳酸リンガー注射液が挙げられる。非水性ビヒクルとしては、以下に限定されないが、植物由来の固定油、ひまし油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、水素化植物油、水素化大豆油、ならびにココナッツ油およびヤシ種子油の中鎖トリグリセリドが挙げられる。水混和性ビヒクルとしては、以下に限定されないが、エタノール、1,3−ブタンジオール、液状ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300およびポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドが挙げられる。
適切な抗菌剤または保存剤としては、以下に限定されないが、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸メチルおよびプロピル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチルおよびプロピル−パラベン、ならびにソルビン酸が挙げられる。適切な等張剤としては、以下に限定されないが、塩化ナトリウム、グリセリン、およびデキストロースが挙げられる。適切な緩衝剤としては、以下に限定されないが、リン酸塩およびクエン酸塩が挙げられる。適切な抗酸化剤は、本明細書中に記載されるものであり、亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムが含まれる。適切な局所麻酔薬としては、以下に限定されないが、塩酸プロカインが挙げられる。適切な懸濁剤および分散剤は、本明細書中に記載されるものであり、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが含まれる。適切な乳化剤としては、本明細書中に記載されるものが挙げられ、モノラウリル酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン80、およびオレイン酸トリエタノールアミンが含まれる。適切な金属イオン封鎖剤またはキレート剤としては、以下に限定されないが、EDTAが挙げられる。適切なpH調整剤としては、以下に限定されないが、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、および乳酸が挙げられる。適切な錯化剤としては、以下に限定されないが、シクロデキストリン(α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル−7−β−シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標),CyDex,レネックサ,KS)が挙げられる。
AC220の医薬組成物は、単回または複数回用量投与用に製剤化され得る。単回用量製剤は、アンプル、バイアル、またはシリンジ中に包装される。複数回用量非経口製剤は、静菌的または静真菌的濃度で抗菌剤を含有しなければならない。全ての非経口製剤は、当該分野において知られ且つ実施されるように、無菌的でなければならない。
一つの実施形態では、AC220の医薬組成物は、そのまま使用できる無菌溶液として提供される。別の実施形態では、AC220の医薬組成物は、使用前にビヒクルで再構成される、無菌の乾燥可溶性製品(凍結乾燥粉末および皮下注射用錠剤を含む)として提供される。また別の実施形態では、AC220の医薬組成物は、そのまま使用できる無菌懸濁液として提供される。また別の実施形態では、AC220の医薬組成物は、使用前にビヒクルで再構成される、無菌の乾燥不溶性製品として提供される。更に別の実施形態では、医薬組成物は、そのまま使用できる無菌乳液として提供される。
AC220の医薬組成物は、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出形態を含む、即時放出または放出調節型の投与剤形として製剤化され得る。
AC220の医薬組成物は、埋め込みデポー剤としての投与用に、懸濁液、固体、半固体、またはチキソトロピック液体として製剤化され得る。一つの実施形態では、本明細書中で提供される医薬組成物は、外側の高分子膜(体液中では不溶性であるが、それを通して医薬組成物中の活性成分が拡散するのを許容する)により囲まれた、固形の内部マトリクス中に分散される。
適切な内部マトリクスとしては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーン炭酸塩(silicone carbonate)共重合体、親水性ポリマー(例えば、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲルなど)、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、および架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニルが挙げられる。
適切な外側の高分子膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル,塩化ビニリデン,エチレンおよびプロピレンとの塩化ビニル共重合体、アイオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体が挙げられる。
C.局所投与
AC220の医薬組成物は、坐薬、膣坐薬、ブジー、湿布もしくはパップ、ペースト、粉末、包帯、クリーム、貼り薬(plasters)、避妊薬、軟膏、溶液、乳液、懸濁液、タンポン、ジェル、泡、スプレー液、または浣腸剤の形態で、直腸、尿道、膣、または膣周囲に投与され得る。これらの投与剤形は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(上記)に記載される従来の工程を使用して製造され得る。
直腸、尿道および膣坐薬は、身体開口部への挿入のための固形物であり、常温では固体であるが、体温で融解または軟化し、開口部の内側に活性成分を放出する。直腸および膣坐薬に利用される医薬的に許容される担体としては、本明細書中で提供される医薬組成物と共に製剤化されたときに融点を体温付近にする、硬化剤などの基剤またはビヒクル;ならびに、亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書中に記載の抗酸化剤が挙げられる。適切なビヒクルとしては、以下に限定されないが、ココアバター(カカオ脂)、グリセリン−ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨蝋、パラフィン、白蝋および黄蝋、ならびに脂肪酸の、モノ、ジおよびトリグリセリドの適切な混合物、ヒドロゲル(例えば、ポリビニルアルコール、メタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸);グリセリンゼラチンが挙げられる。種々のビヒクルの組み合わせが使用され得る。直腸および膣坐薬は、圧縮法または成形により調製され得る。直腸および膣坐薬の典型的な重量は、約2〜約3gである。
AC220の医薬組成物は、鼻腔内投与、または気道への吸入により投与され得る。AC220の医薬組成物は、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(例えば微細な霧を作り出すために電気流体力学を使用するアトマイザー)、もしくはネブライザーを使用する送達用のエアロゾルまたは溶液の形態で、単独でもしくは適切な噴霧剤(例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)と組み合わせて、提供され得る。AC220の医薬組成物はまた、吹送(insufflation)のための乾燥粉末として、単独でまたは不活性担体(例えば乳糖またはリン脂質)と組み合わせて;そして点鼻薬として提供され得る。鼻腔内使用のために、粉末は、生体接着剤(キトサンまたはシクロデキストリンを含む)を含み得る。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーにおいて使用するための溶液または懸濁液は、エタノール、含水エタノール、または本明細書中で提供される活性成分の分散、溶解、もしくは持続放出のための適切な別の薬剤、溶媒としての噴霧剤;および/または界面活性剤(例えば、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、またはオリゴ乳酸(oligolactic acid))を含有するように処方され得る。
本明細書におけるAC220の医薬組成物は、約50マイクロメートル以下、または約10マイクロメートル以下といった、吸入による送達に適したサイズに微粒子化され得る。このようなサイズの粒子は、スパイラルジェットミル、流動床ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流体処理、高圧ホモジナイズ、または噴霧乾燥などの当業者に公知の粉砕法を使用して調製され得る。
吸入器(inhaler)または吹送器(insufflator)に使用するためのカプセル、ブリスターおよびカートリッジは、本明細書中で提供される医薬組成物の粉末混合物;乳糖またはデンプンなどの適切な粉末基剤;および1−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの性能修飾剤を含有するように製剤化され得る。乳糖は、無水物であってもよいし、一水和物の形態であってもよい。他の適切な賦形剤または担体としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、ショ糖、およびトレハロースが挙げられる。吸入/鼻腔内投与のために本明細書中で提供される医薬組成物は、適切な香味料(例えば、メントールおよびレボメントール(levomenthol))、または甘味料(例えば、サッカリンもしくはサッカリンナトリウム)をさらに含み得る。
局所投与用の化合物式(I)またはAC220の医薬組成物は、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出を含む、即時放出または調節放出が為されるように製剤化され得る。
I.製品およびキット
本明細書中で提供される併用レジームはまた、当業者に周知の包装材料を使用した製品として提供されてもよい。例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号および同第5,033,252号を参照されたい。医薬品包装材料の例としては、以下に限定されないが、ブリスターパック、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、および、選択された処方ならびに意図する投与および治療の様式のために好適な任意の包装材料が挙げられる。
医療従事者により使用されたときに、適量の活性成分を対象に投与するのを簡単にし得るキットもまた本明細書中で提供される。ある実施形態では、本明細書中で提供されるキットは、容器、および、本明細書中で提供される併用レジメン中の化合物の投与剤形を含む。
ある実施形態では、キットは、1以上の容器中、本明細書中で提供される併用レジメン中の化合物の投与剤形を含む容器を含む。
本明細書中で提供されるキットはさらに、活性成分を投与するために使用されるデバイスを含み得る。そのようなデバイスの例としては、以下に限定されないが、シリンジ、無針注射器の点滴用バッグ、パッチ、および吸入器が挙げられる。本明細書中で提供されるキットはまた、活性成分の投与用のコンドームも含み得る。
本明細書中で提供されるキットはさらに、1以上の活性成分の投与に使用され得る医薬的に許容されるビヒクルを含み得る。例えば、活性成分が、非経口投与用に再構成されなければならない固体形態で提供される場合、該キットは、適切なビヒクルの密封容器を含み得、該ビヒクル中に活性成分が溶解して、非経口投与のために好適である微粒子なしの無菌溶液を形成することができる。医薬的に許容されるビヒクルの例としては、以下に限定されないが、水性ビヒクル(以下に限定されないが、USPの注射用水、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液、および加乳酸リンガー注射液が挙げられる);水混和性ビヒクル(以下に限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールが挙げられる);および非水性ビヒクル(以下に限定されないが、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジルが挙げられる)が挙げられる。
以下の非限定的な実施例により本開示はさらに理解されるであろう。
実施例1.臨床研究
難治性または再発性のAMLおよび/またはMDSを有する患者におけるアザシチジン(“AZA”)とN−(5−tert−ブチル−イソオキサゾール−3−イル)−N’−{4−[7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール−2−イル]フェニル}尿素(“AC220”)との組み合わせの、臨床活性を決定するためおよび毒性プロファイルを決定するために、臨床試験が行われる。臨床反応に加えて、患者は、低メチル化、DNA損傷およびFLT−3シグナル伝達の誘導など、特定の相関研究についてモニタリングされる。
この試験は、第I/II相の単一群非盲検研究であり、患者は、各28日間の治療サイクルの間、最初の14日間の化合物式(I)またはAC220の毎日の経口投与、および最初の7日間のAZAの毎日の皮下または静脈内投与を含む治療を受ける。サイクルはおよそ28日毎に繰り返され、治療は、疾患が進行するまでまたは許容できない毒性が記録されるまで継続される。
およそ30人の患者がこの研究に参加することが期待される。登録に適格な患者は以下の通りである:
1. MDS、CMMLまたはAMLを有し、以前の治療がうまくいかなかった患者。
a.MDSを有する患者は、低メチル化剤および/またはレナリドミドでの以前の治療がうまくいかなかった者であるべきである。
b.AMLを有する患者は、あらゆる以前の導入療法がうまくいかなかったか、または以前の治療後に再発した者であるべきである。
c.低メチル化剤での治療を受け、AMLに進行したMDSを有する患者は、AMLに対する以前の治療に関わらず、AMLと診断された時点で適格である。
d.以前には治療を受けていない、いずれかの適格なる診断を有する患者は、標準的な療法を受けるのに適しなければ適格である。
2. 年齢が18歳以上である。
3. ECOGのパフォーマンス・ステータスが2以下である。
4. 十分な肝機能(ビリルビンが2mg/dl以下)および腎機能(クレアチニンが2mg/dl以下)である。
この試験の一つの目的は、最初の6患者に対して、用量レベル−1から開始して、最大投与量でAZAおよびAC220を投与することである(下記の表A〜Eを参照)。この研究は、無益性および毒性について早期終了規則を伴うベイズ設計の臨床試験である。わずか1人の患者であっても、許容できない毒性を経験した場合には、その後の全ての患者は用量レベル0で治療されることになる。最初の6患者は、用量レベル−1で治療される。用量レベル0で治療される最初の6患者のうちの2人以上が許容できない毒性を経験した場合には、その後の全ての患者は、用量レベル−1で治療されることになる。そうでなければ、全ての患者は用量レベル0で治療される。合計で30患者が治療される。
アザシチジンは、28日間の治療サイクルのうちの1日目から7日目まで、75mg/m2/日で皮下的または静脈内のいずれかで投与される。AC220は用量レベル−1で投与され、これは最大耐量(MTD)より1レベル下の用量である。AC220のMTDには達しておらず、AZAとの組み合わせで経口投与される可能なAC220の投与の強度およびスケジュールを以下の表に示す。
第一次の有効性の変数は、CR、CRp、PRおよびHIの率(この研究の第I相部分についての毒性)である。第二次の有効性の変数は、寛解および生存の継続期間、毒性、および生活の質である。毒性はNCI CTC v3.0に従って評価される。
治療サイクルはおよそ28日毎に繰り返され、治療は、疾患が進行するまでまたは許容できない毒性が記録されるまで継続される。反応は、MDS(Cheson et al. Blood 2006; 108: 419-25)およびAML(Cheson et al. J Clin Oncol 2003; 21: 4642-9)についての国際的なワーキンググループにより提案された基準に従って評価される。全体として20%の反応率が有意であるとみなされる。
実施例2.
MV4−11固形腫瘍脇腹モデルにおけるAC220+シタラビンの有効性研究
SCIDマウスにおけるMV4−11固形腫瘍脇腹モデルを用いて、AC220+シタラビンの有効性研究(インビボ)を行った。群あたり10動物の集団を用い、接種から14日後に投与を開始した。腫瘍サイズの平均は約222mm3であった。AC220は、5%ヒドロキシベータシクロデキストリン水溶液の処方中(5ml/kg/日;週毎に調製)、QDでPOにより1.0mg/kg/日(mkd)で送達し、用量は体重に対して調節した。シタラビンは、無菌生理食塩水の処方中(5ml/kg/日;週毎に調製)、QDでIPにより約30または約60mkdで送達し、用量は体重に対して調節した。集団の開始時の体重の平均は約20gであった。臨床徴候および体重を週に2回測定した。シタラビン投与期間の終了時および薬剤治療の7日後に再度、白血球(WBC)数を測定した。1回または複数回の治療サイクルで研究が行われ、各24日間のサイクルにおいてシタラビンは10日間送達された。下記表12に示されるように、シタラビンはAC220より前または並行してのいずれかで送達され、AC220は最初の投与サイクルにおいてのみ投与された。
図1は、AC220およびシタラビンの重複投与(グループ7)または単一薬剤およびビヒクル(グループ3および5)を受けた群についての脇腹腫瘍の体積を示す。グループ5をグループ7と比較すると、シタラビンはAC220に対して拮抗的な作用を有しておらず、更には、AC220とのシタラビンの並行投与は、AC220単独での治療と比較して、腫瘍増殖のリバウンドの早さをより遅くするようである。実際、このスケジュールでは、該組み合わせは、20%の治癒率(持続的な完全な退縮)をもたらす一方、いずれかの薬剤単独での治療は持続的な完全な退縮をもたらさない。このデータは、シタラビンおよびAC220の並行投与が、癌の治療のための有効なスケジュールであり得ることを示唆している。
図2は、AC220およびシタラビンの順次投与(グループ6)またはAC220およびビヒクル(グループ4)を受けた群についての脇腹腫瘍の体積を示す。グループ4をグループ6と比較すると、シタラビンはAC220に対して拮抗的な作用を有しておらず、また、シタラビンは、Ara−Cの第2の投与の前に2週間のAC220治療を受けた動物において腫瘍組織量を減少できることが観察される。このデータは、最初にシタラビン、続いてAC220という順次投与が、癌の治療のための有効なスケジュールであり得ることを示唆している。
実施例3
MV4−11固形腫瘍脇腹モデルにおけるAC220+Aza−Cのインビボ研究
SCIDマウスにおけるMV4−11固形腫瘍脇腹モデルを用いて、AC220+Aza−Cの有効性研究(インビボ)を行った。群あたり10動物の集団を用い、接種から15日後に投与を開始した。腫瘍サイズの平均は約230mm3であった。AC220は、5% ヒドロキシベータシクロデキストリン水溶液の処方中(10ml/kg/日;週毎に調製)、QDでPOにより0.5mg/kg/日(mkd)で送達し、用量は体重に対して調節した。Aza−Cは、無菌生理食塩水の処方中(10ml/kg/日;5日分のバッチで調製)、QDでIPにより約3または約1mkdで送達し、用量は体重に対して調節した。集団の開始時の体重の平均は約20.6gであった。臨床徴候および体重を週に2回測定した。Aza−C投与期間の終了時および薬剤治療の7日後に再度、白血球(WBC)数を測定した。1回または複数回の治療サイクルで研究を行い、各15日のサイクルにおいてAza−Cは5日間送達された。下記表13に示すように、Aza−CはAC220より前または並行してのいずれかで送達され、AC220は最初の投与サイクルにおいてのみ投与された。
図3は、AC220およびAza−Cの並行投与(グループ9および10)または単一薬剤およびビヒクル(グループ3、4および6)を受けた群における脇腹腫瘍の体積を示す。この図は、接種から15日後のAC220治療が腫瘍の停滞をもたらすこと、および、3mkg用量でのAza−Cが、およそ50%の腫瘍体積減少をもたらすことを示す。この図から、Aza−CはAC220の作用と拮抗しないようである。AC220とのAza−Cの並行投与はまた、動物における軽度から中度の重量減少に関与しており、これは、Aza−C単独の治療と同等であった。これらのデータに基づいて、Aza−CとのAC220の並行投与によって治療ウインドウが達成され得ることが予期される。
図4は、AC220およびAza−Cの順次投与(グループ7および8)または単一薬剤およびビヒクル(グループ5および6)を受けた群における脇腹腫瘍の体積を示す。この図は、接種から20日後のAC220治療が腫瘍の停滞をもたらすこと、および、Aza−CがAC220の作用と拮抗しないことを示す。AC220とのAza−Cの順次投与はまた、動物における軽度から中度の重量減少に関与しており、これは、Aza−C単独の治療と同等であった。これらのデータに基づいて、Aza−CとのAC220の順次投与によって治療ウインドウが達成され得ることが予期される。
実施例4
エトポシドと組み合わせたAC220の細胞生存研究
このアッセイでは、AC220およびエトポシドの投与の順序を、その細胞毒性作用について調べた。試験した併用スケジュールのために、MV4−11細胞株を10%ウシ胎仔血清およびペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI培地中で3e5/mL〜1e6/mLの密度まで培養し、ウェルあたり6e5細胞で播種した。細胞を、2倍段階希釈のAC220(EC50値である0.35nMの1/16倍から開始して最大8倍までの作用濃度)と組み合わせた2倍段階希釈のエトポシド(報告されているEC50値である34.57nMの1/4倍から開始して最大4倍までの作用濃度)に暴露し、5%CO2下37℃で、AC220およびエトポシドの同時処理の場合は24時間培養し、細胞が最初にエトポシドで前処理され(24時間)、次いでAC220で更に処理される(48時間)場合には合計で72時間培養した。CellTiter-BlueTMViability Assay(#G8081 Promega)を用いて細胞毒性を評価した。市販のソフトウェアプログラム(Calcusyn; Biosoft, マンチェスター, 英国)を用いて、各併用実験に対して併用インデックス(CI)値を生成した。2つの薬剤の相互作用を、ChouおよびTalalay(Adv. Enyme Regul. 1984;22:27-55)の半数影響方法(the median effect method)を用いて分析した。併用インデックスおよび重み付き併用インデックスを、Chou, Pharmacol. Rev. 58:621-681, 2006に記載されるようにして算出した。
上掲のChouに記載されるように、CIの範囲は、下記の通り、相乗作用、相加作用、および拮抗作用を示す:
CI<1−相乗作用、CI=1−相加作用、CI>1−拮抗作用
表14は、AC220およびエトポシドへの同時暴露について得られた併用インデックス(CI)値を示す。図5Aは、相乗作用を示す特定の組み合わせを強調している。[表14は、組み合わせについて得られた併用インデックス(CI)に基づいて、AC220およびエトポシドへの同時暴露を受けた細胞の相乗的な組み合わせを示す。対応するグラフが図5Aに示されている。]
表15は、エトポシドでの前処理およびその後AC220の追加を受けた細胞から得られた併用インデックス(CI)値を示す。図5Bは、相乗作用を示す特定の組み合わせを強調している。[表15は、エトポシドでの前処理およびその後AC220の追加を受けた細胞の相乗的な組み合わせを示し、ここで相乗作用は併用インデックス(CI)値により決定される。対応するグラフが図5Bに示されている。]
実施例5
ダウノルビシンと組み合わせたAC220の細胞生存研究
このアッセイでは、AC220およびダウノルビシンの投与の順序を、その細胞毒性作用について調べた。試験した併用スケジュールのために、MV4−11細胞株を10%ウシ胎仔血清およびペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI培地中で3e5/mL〜1e6/mLの密度まで培養し、ウェルあたり6e5細胞で播種した。細胞を、2倍段階希釈のAC220(EC50値である0.35nMの1/16倍から開始して最大8倍までの作用濃度)と組み合わせた2倍段階希釈のダウノルビシン(報告されているEC50値である12.65nMの1/4倍から開始して最大4倍までの作用濃度)に暴露し、5%CO2下37℃で、AC220およびダウノルビシンの同時処理の場合は24時間培養し、細胞が最初にダウノルビシンで前処理(24時間)された後、AC220が追加される(48時間)場合、あるいは細胞が最初にAC220で前処理(24時間)された後、ダウノルビシンが追加される(48時間)場合は合計で72時間培養した。CellTiter-BlueTMViability Assay(#G8081 Promega)を用いて細胞毒性を評価した。市販のソフトウェアプログラム(Calcusyn; Biosoft, マンチェスター, 英国)を用いて、各併用実験に対して併用インデックス(CI)値を生成した。2つの薬剤の相互作用を、ChouおよびTalalay (Adv. Enyme Regul. 1984;22:27-55)の半数影響方法を用いて分析した。
表16は、AC220およびダウノルビシンへの細胞の同時暴露について得られた併用インデックスを示す。対応するグラフが図6Aに示されている。
表17は、ダウノルビシンでの前処理およびその後AC220の追加を受けた細胞から得られた併用インデックス(CI)値を示す。対応するグラフが図6Bに示されている。
表18は、AC220での処理およびその後ダウノルビシンでの処理を受けた細胞から得られた併用インデックス(CI)値を示す。対応するグラフが図6Cに示されている。
実施例6
クラドリビンと組み合わせたAC220の細胞生存研究
このアッセイでは、AC220およびクラドリビンの投与の順序を、その細胞毒性作用について調べた。試験した併用スケジュールのために、MV4−11細胞株を10%ウシ胎仔血清およびペニシリン/ストレプトマイシンを含有するIscove培地中で3e5/mLの密度まで培養し、ウェルあたり6e4細胞で播種した。細胞を、2倍段階希釈のAC220(EC50値である0.35nMの1/16倍から開始して最大8倍までの作用濃度)と組み合わせた2倍段階希釈のクラドリビン(報告されているEC50値である16.2nMの1/4倍から開始して最大4倍までの作用濃度)に暴露し、5%CO2下37℃で、AC220およびクラドリビンの同時処理の場合は72時間培養し、細胞が最初にクラドリビンで前処理(24時間)された後、AC220で更に処理(48時間)される場合、あるいは細胞が最初にAC220で前処理(24時間)された後、クラドリビンで更に処理(48時間)される場合は合計で72時間培養した。CellTiter-BlueTMViability Assay(#G8081 Promega)を用いて細胞毒性を評価した。市販のソフトウェアプログラム(Calcusyn; Biosoft, マンチェスター, 英国)を用いて、各併用実験に対して併用インデックス(CI)値を生成した。2つの薬剤の相互作用を、ChouおよびTalalay (Adv. Enyme Regul. 1984;22:27-55)の半数影響方法を用いて分析した。
表19は、AC220およびクラドリビンへの同時暴露について得られた重み付き併用インデックス(CI)値を示す。
表20は、クラドリビンでの前処理およびその後AC220の追加を受けた細胞から得られた重み付き併用インデックス(CI)値を示す。
表21は、AC220での前処理およびその後クラドリビンの追加を受けた細胞について得られた重み付き併用インデックス(CI)値を示す。
実施例7
シタラビンと組み合わせたAC220の細胞生存研究
このアッセイでは、AC220およびシタラビンの投与の順序を、その細胞毒性作用について調べた。試験した併用スケジュールのために、MV4−11細胞株を10%ウシ胎仔血清およびペニシリン/ストレプトマイシンを含有するIscove培地中で3e5/mLの密度まで培養し、ウェルあたり6e4細胞で播種した。細胞を、2倍段階希釈のAC220(EC50値である0.35nMの1/16倍から開始して最大8倍までの作用濃度)と組み合わせた2倍段階希釈のシタラビン(報告されているEC50値である380nMの1/4倍から開始して最大4倍までの作用濃度)に暴露し、5%CO2下37℃で、AC220およびシタラビンの同時処理の場合は72時間培養し、細胞が最初にシタラビンで前処理(24時間)された後、AC220で更に処理(72時間)される場合、あるいは細胞が最初にAC220で前処理(24時間)された後、シタラビンで更に処理(72時間)される場合は合計で72時間培養した。CellTiter-BlueTMViability Assay(#G8081 Promega)を用いて細胞毒性を評価した。市販のソフトウェアプログラム(Calcusyn; Biosoft, マンチェスター, 英国)を用いて、各併用実験に対して併用インデックス(CI)値を生成した。2つの薬剤の相互作用を、ChouおよびTalalay (Adv. Enyme Regul. 1984;22:27-55)の半数影響方法を用いて分析した。
表22は、AC220およびシタラビンへの同時暴露を受けた細胞について得られた重み付き併用インデックス(CI)値を示す。
表23は、シタラビンでの前処理およびその後AC220の追加を受けた細胞について得られた重み付き併用インデックス(CI)値を示す。
表24は、AC220での前処理およびその後シタラビンの追加を受けた細胞について得られた重み付き併用インデックス(CI)値を示す。
実施例8
PI3K阻害剤であるGDC−0941と組み合わせたAC220の細胞生存研究
このアッセイでは、AC220、およびPI3K阻害剤であるGDC−0941の投与の順序を、その細胞毒性作用について調べた。試験した併用スケジュールのために、SEM−K2細胞株を10%ウシ胎仔血清およびペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI培地中で3e5/mL〜1e6/mLの密度まで培養し、ウェルあたり6e4細胞で播種した。先ず、併用で用いる各薬剤の各治療スケジュールについて、EC50値をGDC−0941およびAC220について独立に算出した。細胞を、2倍段階希釈のAC220(算出したEC50値の1/16倍から開始して最大8倍までの作用濃度)と組み合わせた2倍段階希釈のGDC−0941(算出したGDC−0941のEC50値の1/4倍から開始して最大4倍までの作用濃度)に暴露し、5%CO2下37℃で合計4日間、以下のスケジュールの一つに従って培養した:(i)AC220およびGDC−0941の同時処理の場合には、4日間、AC220およびGDC−0941と共に培養した;(ii)GDC−0941から始まる準並行投与の場合には、GDC−0941のみと共に最初の24時間培養し、その後AC220およびGDC−0941の両方と共に培養した;(iii)GDC−0941から始まる順次投与の場合には、最初の24時間GDC−0941と共に培養し、その後GDC−0941を除去し、AC220を追加した;(iv)AC220で始まる準並行投与の場合には、最初の24時間AC220のみと共に培養し、その後AC220およびGDC−0941を並行投与した;そして最後に、(v)AC220で始まる順次投与の場合には、最初の24時間AC220のみと共に培養し、その後AC220を除去し、GDC−0941を追加した。CellTiter-BlueTM Viability Assay(#G8081 Promega)を用いて細胞毒性を評価した。市販のソフトウェアプログラム(Calcusyn; Biosoft, マンチェスター, 英国)を用いて、各併用実験に対して併用インデックス(CI)値を生成した。2つの薬剤の相互作用を、ChouおよびTalalay(Adv. Enyme Regul. 1984;22:27-55)の半数影響方法を用いて分析した。
表25は、様々なスケジュールのAC220およびGDC−0941を受けた細胞について得られた重み付き併用インデックス(CI)値を示す。
実施例9
MV4−11固形腫瘍モデルにおけるダウノルビシンと組み合わせたAC220
C.B−17 SCIDマウス(Harlan Laboratories)におけるMV4−11固形腫瘍脇腹モデルを用いて、AC220+ダウノルビシンのインビボ研究を行った。雌性SCIDマウスの右脇腹に、MV4−11細胞およびマトリゲルの50/50混合物200μLを接種した。動物あたり5e6細胞を接種した。各10動物の9集団を用い、15日目に投与を開始した。腫瘍体積の平均は約274mm3であった。開始時の体重の平均は約20.8gであった。ダウノルビシン(Sigma Aldrich)は、無菌生理食塩水の処方中、2.5mg/mLで、5日毎に静脈内に送達し(Q5D,IV)、用量は体重に対して調節した。AC220は、5%ヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン水溶液の処方中、QDでPOにより0.5mg/kg/日(mkd)で送達し、用量は体重に対して調節した。投与スケジュールは表26に示す通りであり、体重および臨床徴候を週に2回測定した。20日目、31日目および37日目に全血球数を測定した。31日目およびそれ以降、グループ8および9ならびに毎日AC220を受けた他の全てのグループは、腫瘍体積が少なくとも1500mm3に達するまで、AC220を受け続けた。図7は、この実験から生成した中央値腫瘍増殖曲線を示す。
図7は、AC220およびダウノルビシンの並行投与(グループ6および7)が腫瘍増殖の退縮を与え、これはAC220およびダウノルビシンの順次投与を受けたグループ(グループ8および9)では見られないことを実証している。グループ8および9において、ダウノルビシン後の31日目のAC220の投与は、最初に腫瘍増殖の退縮をもたらすが、全体としては、最初から並行治療を受けたグループ(グループ6および7)が腫瘍増殖における最大の遅延を示している。
AC220およびダウノルビシンの並行および順次投与の効果を調べる同様のインビボ研究が、NOD/SCIDマウスにおけるMOLM−14白血病モデルで開始されている。MV4−11細胞株は、FLT3のITD変異についてホモ接合型であり、AC220に対して反応するが、MOLM−14はFLT3のITD変異についてヘテロ接合型であって、AC220への反応性がより低い細胞株である。従ってこれは、AC220の効果に圧倒されることのない疾患モデルを表すものであり、それ故、AC220の併用効果について試験するためのより良いモデルであり得る。
上に示した実施例は、当業者に対し、特許請求する実施形態をいかに製造および使用するかを完全に開示し記載するために提供されるものであって、本明細書中に開示されるものの範囲を制限することを意図するものではない。当業者に自明な変更は添付の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。本明細書中に引用される全ての出版物、特許、および特許出願は、このような出版物、特許、または特許出願それぞれが、参照により本明細書中に組み込まれるよう具体的且つ個別に示されているように、参照により本明細書中に組み込まれる。