本発明は、リピータユニットを介して装置へ制御信号を送信することで装置を制御するシステム及び方法について記載する。また、本発明は、リピータユニット及び遠隔制御インターフェースユニットについて記載する。
今日利用可能な多くの家庭用電子機器は、通常は手持ち式の、無線遠隔制御ユニットを用いることによって、遠隔制御可能である。ユーザは、例えば、遠隔制御ユニット上の適切なボタン又はボタン配列を押すことによって、装置の所望の機能を容易に選択することができる。一部の遠隔制御ユニットは、複数の電子機器を制御することができるようにプログラミング可能である。例えば、ユニバーサル遠隔制御ユニットは、テレビ受像機、CDプレーヤ、衛星受信機等を制御するために使用されてよい。
被制御装置による検出のために遠隔制御ユニットによって発せられる制御信号は、赤外線信号又は無線周波数信号であってよい。通常は、遠隔制御装置の電源は、バッテリ又はバッテリパックである。遠隔制御ユニットは、使用中に楽に持たれるよう十分に小さく且つ軽くなければならない。従って、使用の容易さのために、遠隔制御装置の電源も軽くなければならない。サイズにおけるそのような制限は、また、遠隔制御ユニットによって生成可能な信号強さに制約を設けることがある。つまり、それは、遠隔制御ユニットが装置と通信することができる範囲を制限しうる。
リピータの使用は、発信源と目標とが直接に通信するには離れすぎている場合に、発信源から目標までの信号を中継することが知られている。しかし、従来のリピータユニットは、本線電源又はバッテリのいずれかからの別個の電力供給を必要とし、従って、一方で全体の電力消費量を増大させる。家庭用電子機器の多くのユーザは、エネルギの過剰消費によって引き起こされる環境に対する悪影響に気付きつつあり、不必要な電力損失の量を減らすことを好むので、そのような従来のリピータの付加的な電力消費は受け入れられないとされることが期待される。スタンバイ動作モードを備えるリピータユニットでさえ、電力消費量を、つまり、スタンバイモード電力でさえも減らす必要性に対する認識が高まりつつあるので、多くの消費者に受け入れられないことがある。
従って、本発明は、上記問題を回避しながら、遠隔制御ユニットの範囲外で装置を遠隔制御する方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、請求項1に係る、装置を制御するシステムによって、請求項6に係るリピータユニットによって、及び請求項10に係る、装置を制御する方法によって、達成される。
本発明に従うシステムは、電磁放射の形で信号を送信する遠隔制御ユニット、リピータユニット、及び制御される装置を有する。本発明に従って、前記リピータユニットは、
リピータ受信信号を得るよう電磁放射を検出する検出器;当該リピータユニットによって引き込まれる電流がないように当該リピータユニットが第1の電源から完全に切り離されている非アクティブモードと、前記第1の電源から前記リピータユニットによって電流が引き込まれる動作モードとの間で当該リピータユニットを切り換えるよう、前記リピータ受信信号を第1のスイッチを作動させるためのリピータスイッチ作動信号へと受動的に変換する第1の信号変換ユニット;前記リピータ受信信号に基づきリピータ送信信号を生成するよう前記第1の電源によって給電される信号モジュール;及び電磁放射の形で前記リピータ送信信号を送信するリピータ送信インターフェースを有する。本発明に従うシステムにおいては、前記制御される装置は、装置受信信号を得るよう、前記リピータ送信インターフェースによって送信された電磁放射を検出する遠隔制御インターフェースモジュールを有し、前記装置受信信号は、当該装置を制御するための根拠としてその後に用いられる。
ここで使用される意味における「装置」は、適切な制御信号に応答する何らかの電子機器、例えば、何らかの遠隔制御可能な家庭用電子機器、家庭用器具、照明器具等であってよい。
本発明に従うシステムにおいては、電磁放射は、検出器又は検出アンテナによって全く受動的に前記リピータユニットにおいて自動検出される。検出器又は検出アンテナは、電磁放射におけるエネルギによって共振して、前記リピータ受信信号を与える。また、このようにAC電気信号をDCリピータスイッチ作動信号に変換することは、全く受動的に、すなわち、電力供給を必要としない電気部品を用いることによって、行われる。信号伝送のためにリピータを用いるシステムの利点は、装置をアクティブ又は非アクティブにするために使用される遠隔制御ユニットがその伝送範囲外にあってよい点である。それは、リピータユニットが、装置を対象とした信号を検出し、この信号を再送信するためである。更に、遠隔制御ユニットは、装置のLOS(line of sight)において保たれる必要がない。それは、リピータユニットが、明らかに、如何なる方向においても信号を再送信することができるためである。本発明に従うシステムの特定の利点は、リピータが非アクティブにされている場合に、それは、真にゼロ電力状態において、その電力供給から完全に切り離されており、通常スタンバイモードと呼ばれている、最先端の装置において知られている低電力動作モードというものではない点である。本発明に従って、リピータは、如何なる電流も引き込まず且つ如何なる電力も消費しないので、オフされている場合に完全に静止している。これより、本発明に従うシステムの明らかな利点は、遠隔制御ユニットの範囲を良好に拡大させながら達成することができるエネルギの節約である。他の利点は、リピータが遠隔制御によって依然として再アクティブ化可能である点である。これより、使用の便利さ及び容易さは多少なりとも妥協されない。完全に、これは、システムの全体的な電力消費量を有意に増大させることなしに、1又はそれ以上の装置が遠隔制御ユニットの範囲外にある場合でさえ、それらの装置を制御する便利且つ快適な方法を可能にする。
本発明に従って、遠隔制御ユニットから制御される装置へ信号を送信するリピータユニットは、リピータ受信信号を得るよう電磁放射を検出する検出器と、リピータスイッチ作動信号を得るよう前記リピータ受信信号を受動的に変換する第1の信号変換ユニットとを有する。前記リピータスイッチ作動信号の目的は、前記リピータユニットによって電流が引き込まれないように前記リピータユニットがリピータ電源から完全に切り離されている非アクティブモードと、電流が前記リピータユニットによって前記リピータ電源から引き込まれる動作モードとの間で前記リピータユニットを切り換えることである。本発明に従う前記リピータユニットは、前記リピータ受信信号に基づきリピータ送信信号を生成するよう前記リピータ電源によって給電される信号モジュールと、電磁放射の形で前記リピータ送信信号を送信するリピータ送信インターフェースとを更に有する。
装置を制御する本発明に従う方法は、電磁放射の形で遠隔制御ユニットから制御信号を送信するステップと、リピータ受信信号を得るようリピータユニットにおいてリピータ受信ユニットにより電磁放射を検出するステップと、前記リピータ受信信号をリピータスイッチ作動信号へと受動的に変換するステップと、前記リピータユニットによって電流が引き込まれないように前記リピータユニットがリピータ電源から完全に切り離されている非アクティブモードと、前記リピータ電源から前記リピータユニットによって電流が引き込まれる動作モードとの間で前記リピータユニットを切り換えるよう、前記リピータスイッチ作動信号を用いて前記リピータユニットのリピータスイッチを作動させるステップとを有する。本発明に従う方法は、リピータ送信信号を生成するよう前記リピータ受信信号に基づき前記リピータユニットの信号モジュールを駆動するために前記リピータ電源を用いるステップと、前記リピータユニットのリピータ送信インターフェースによって電磁放射の形で前記リピータ送信信号を送信するステップとを更に有する。本発明に従う方法においては、前記リピータ送信インターフェースによって送信された電磁放射は、装置受信信号を得るよう前記制御される装置の遠隔制御インターフェースモジュールにおいて検出され、前記装置受信信号は、前記装置を制御するための根拠として用いられる。
従属請求項及び以下の記載は、本発明の特に有利な実施形態及び特徴を開示する。
本発明の特に好ましい実施形態においては、前記リピータユニットの受動変換ユニットは、受動整流器回路を有し、それにより、検出器、すなわち、受信アンテナで引き起こされたAC電気信号は、如何なる能動部品も使用せずに、DC信号に変換される。従って、ここで記載される受動変換ユニットは、感応電気スイッチを作動させるのに十分な信号強さを有する平滑化されたDCスイッチ作動信号を生成するために、単純に、キャパシタとともに、例えば高周波ダイオードのような受動部品を有してよい。このように、遠隔制御ユニットによって送信される信号は、リピータの機能ユニット又はモジュールをリピータ電源に接続するために、全く受動的な態様で、リピータスイッチ作動信号に変換され得る。
近年の技術的発展は、より良い且つより反応が良い電気スイッチ(例えば、MEMS(microelectromechanical systems)もたらした。そのようなスイッチは、最先端のスイッチとは違って、ブースター(例えば、演算増幅器)を必要としない。従って、本発明の一実施形態においては、前記リピータスイッチは、低強度リピータスイッチ作動信号によってスイッチング可能なMEMSスイッチを有する。代替的に、前記リピータスイッチ作動信号は、リピータ電源とリピータユニットとの間でCMOS FETを切り換えてよい。そのようなスイッチの能力は、当業者には知られており、ここではこれ以上説明される必要がない。
遠隔から送信された信号を用いて電源を完全に接続する又は切り離すことができる利点は、リピータユニットに限られない。明らかに、遠隔制御ユニット世って制御可能な如何なる装置も、使用されない場合に、電源から完全に切り離される利点を享受することができる。従って、本発明の好ましい実施形態においては、前記制御される装置の前記遠隔制御インターフェースユニットは、受動信号変換ユニット及び装置電力スイッチを有する。従って、前記装置受信信号は、スイッチ作動信号に受動的に変換可能であり、前記装置電力スイッチは、動作中の装置によって装置電源から電流が引き込まれる動作モードと、前記装置によって電流が引き込まれないように前記装置が前記装置電源から完全に切り離されている非アクティブモードとの間で前記装置を切り換えるよう、前記スイッチ作動信号により作動することができる。遠隔制御インターフェースユニットにおける受動信号変換は、装置スイッチ作動信号を得るよう受動回路部品を用いて、上述されたのと同じように達成されてよい。従って、遠隔制御インターフェースユニットの装置電力スイッチは、望ましくは、動作中に前記装置によって電流が引き込まれる動作モードと、前記装置によって電流が引き込まれないように前記制御される装置が装置電源から完全に切り離されている非アクティブモードとの間で前記制御される装置を切り換えるよう、前記装置スイッチ作動信号よって切り替えられ得る又は作動することができる。先と同じく、前記装置電力スイッチは、前述のMEMSスイッチ、又はCMOS FETであってよい。代替的に、本発明の更なる実際的な実施形態においては、例えば、光源としてのLED及びセンサとしての光トランジスタ又は光トライアックを有する、光遮断器又は光カプラが、遠隔制御インターフェースの信号変換ユニットと装置との間の装置電力スイッチとして用いられてよい。それは、光遮断器が、信号変換ユニットを装置から電気的に分離する有利な利点を有するためである。
既に示されたように、ユーザは、通常の態様において、例えば、遠隔制御ユニット上の1又はそれ以上の適切なボタンを押すことによって、装置を制御することができる。従って、本発明の更なる好ましい実施形態においては、遠隔制御ユニットは、制御入力を入力するユーザインターフェースと、前記制御入力に従って制御信号を生成する信号発生器とを有する。1つの可能な認識において、例えば、遠隔制御ユニットは、リピータユニットを電源から離接させるために特定の信号をリピータユニットへ送信する専用のオン/オフボタンを有し、遠隔制御ユニットのユーザインターフェース上のその他のボタン又は相互作用手段は、通常の態様において装置機能に割り当てられ得る。しかし、十分な強さの電磁放射はリピータユニットを作動させる働きをすることができるので、そのような専用のオン/オフボタンは明示的には必要でなく、リピータユニットの動作の原理は、単に、何らかのリピータ受信信号の検出によって(従前非アクティブであった場合に)作動することであってよい。次いで、検出された信号は、単に、リピータ電源へ接続されているリピータ送信アンテナによって再送信される。そのような認識の利点は、本発明に従うシステムが、既に存在する遠隔制御ユニット及び対応する装置を用いて用途を見出すことができる点であってよい。
多くの従来の遠隔制御ユニットは、上述されたように、制御される装置と赤外線インターフェースにより通信する。このような遠隔制御ユニットは、通信の成功のために、装置がLOS内にある必要がある。本発明に従うシステム及び方法は、やはり、上述されたように、電源から切り離されている装置を作動させるために、そのような遠隔制御ユニットとともに用いられてよい。従って、そのような遠隔制御ユニットは、望ましくは、リピータユニットによって検出されて、対応する赤外線遠隔制御インターフェースモジュールにより装置へ再送信され得る無線周波数信号を生成することができる追加のインターフェースを備える。例えば、追加の無線周波数信号発生器及び送信アンテナを備える遠隔制御ユニットは、リピータユニットによる検出のために、信号強度の弱いウェイクアップ信号を発するために用いられてよい。次いで、リピータユニットは、ウェイクアップ信号を対象の装置へ中継する。装置電力スイッチが装置を電源へ接続するよう作動すると、遠隔制御ユニットは、赤外線インターフェースにより新たに動作する装置と通信するために使用され得る。しかし、本発明の他の認識においては、リピータユニットは、遠隔制御ユニットと、赤外線制御信号によって制御される1又はそれ以上の装置との間の範囲を拡大するために、赤外線インターフェースを有してもよい。望ましくは、そのようなリピータユニットは、赤外線信号を受信及び中継するための適切な赤外線インターフェースを備える。リピータユニットは、赤外線制御信号を再送信するまえにそれらの信号強さを増大させる増幅器を更に有してよく、それにより、遠隔制御ユニットと装置との間の相互作用の範囲をより一層拡大することができる。赤外線放射のビームは、望ましくは、正確に受信され得るように装置に向けられるので、本発明に従うリピータユニットは、この認識においては、望ましくは、制御される装置の方向において送信するよう構成されてよい。このような構成ステップは、手動で、例えばユーザによって、行われてよい。代替的に、使用の更なる容易さのために、リピータユニットは、より広い範囲にわたって赤外線信号を広げるためのレンズ(例えば、フラクタルレンズ又はフレネルレンズ)を有してよく、それにより、複数の装置を制御することができる。
最近になって、無線周波数インターフェースを備えた遠隔制御ユニットが、家庭用電子機器を制御するために使用されている。このタイプの遠隔制御は、LOS接続を必要とせず、それにより、本発明に従うシステム及び方法においては、赤外線に基づく装置と比較して、はるかに広い範囲が達成され得る。ここで、リピータユニットは、装置へウェイクアップ信号を中継するのみならず、ユーザ入力に従って、遠隔制御ユニットによって発せられて装置に向けられたあらゆる制御信号を中継するために使用されてよい。遠隔制御ユニットは、必ずしも手持ち式の装置である必要はなく、固定された物(例えば、ジグビー(ZigBee)配置における壁付け無線制御)の一部であってよい。
明らかに、そのような遠隔制御ユニットを用いると、本発明に従うシステムは、単一のリピータユニットの使用に限られない。例えば、一連のリピータユニットが、遠隔制御ユニットと、制御される装置との間に配置されてよい。これは、遠隔制御ユニットのユーザが、依然として装置を遠隔制御することができる一方で、自由に動き回ることを可能にする。リピータユニットは、遠隔制御ユニットから又はリピータユニットから発せられた信号が最も近いリピータユニットによって検出可能であるように、配置される。次いで、その最も近いリピータユニットは、信号を再送信する。
ジグビー環境又は同様の規格に基づく環境においては、例えば、別々の物理的エンティティが、遠隔制御ユニット、リピータユニット、及び装置の機能を組み合わせることができる。例えば、単一の物理的エンティティは、1又はそれ以上の装置機能を備えた装置であってよく、且つ、遠隔制御ユニットから発せられた制御信号を他のリピータユニット又は他の装置へ転送するためのリピータユニットを更に有してよい。可能な認識は、そのような環境において制御可能な多数の照明器具であってよく、夫々の照明器具(「装置」とも呼ばれる。)は、制御信号を対象の受信装置へ転送するためのリピータユニットを有する。
本発明に従うシステムのより簡単な認識においては、ホームエンターテイメントシステムは、異なった部屋又は異なった階に置かれているラウドスピーカ配置を有して中央に配置されるCDプレーヤを有することができる。ユーザは、遠隔制御ユニットを用いて、いずれかの部屋からホームエンターテイメントシステムを制御することができる。有利に配置されている多数のリピータユニットは、遠隔制御ユニットから発せられた制御信号を検出して再送信することができる。装置(この場合には、CDプレーヤ)に最も近いリピータユニットは、制御信号を装置の遠隔制御インターフェースへ伝える。このように、ユーザは、どのような距離において配置された装置であっても快適に制御することができる。
リピータユニットが遠隔制御ユニットによって発せられた信号を転送又は中継するために使用される場合に、信号自体は、本質的に変更されずに転送され得る。しかし、信号が対象の装置によって検出可能であることをより確かにするよう、信号強度は高められてよい。従って、本発明の更なる実施形態においては、リピータユニットのリピータ信号モジュールは、望ましくは、リピータ送信信号を得るようリピータ受信信号を増幅する増幅器を有する。このような実施形態においては、リピータ送信信号は、より高い信号強度を有し、装置によってより良く検出され、従って、より遠い距離がカバーされることを可能にする。
既に上述されたように、記載される作動スイッチと組み合わされる受動的な信号検出及び変換に係る1つの特定の利点は、電子機器(例えば、リピータユニット)が、使用されない場合に電源から完全に切り離され得る点である。この非アクティブ化は、例えば、遠隔制御ユニットによって発せられた適切な信号の検出により起こってよい。しかし、これは、リピータ受信信号中の信号を認識するために、そのような信号の特定及び専用の回路の使用を必要とする。従って、本発明の特に好ましい実施形態においては、リピータユニットは、所定の時間存続期間が前記リピータ受信信号の検出の後に経過した後、時間に関連した出力信号を供給して、当該リピータユニットによって電流が引き込まれないように当該リピータユニットがリピータ電源から完全に切り離されている非アクティブモードへと当該リピータユニットを切り換えるよう前記リピータスイッチ作動信号を制御するタイマモジュールを有する。リピータ受信信号が検出されるたびに、タイマ又はカウンタがトリガされ得る。タイマ又はカウンタが所定値、例えば、5分若しくは30分に対応する値又は何らかの適切な値に達すると、リピータスイッチ作動信号は、リピータ電源からリピータユニットを切り離すよう駆動され得る。このように、ユーザは、リピータユニットが非アクティブにされるための何らかの付加的なステップを実行する必要がない。代替的に、更なる実施形態においては、タイマモジュールの機能は、最先端のタイプのスタンバイ動作モードと組み合わされてよく、それにより、制御信号間のインターバルにおいて、タイマが経過時間をカウントしている場合に、リピータユニットの他の回路は、その回路が中継すべき次の制御信号を待っている間最低限の電流量しか引き込まないように、スタンバイに置かれる。タイマが依然としてカウントしている間に他のリピータ受信信号が検出される場合に、これは、回路に、通常動作を再開させる、すなわち、制御信号を中継させる。如何なるリピータ受信信号も検出されることなく所定長さの時間が経過した場合には、タイマモジュールは、上述されたように、リピータユニットをゼロ電力状態へと切り換えるよう、リピータスイッチを制御することができる。
ユーザにフィードバックを供給するよう、リピータユニットは、リピータが作動しているかどうか、すなわち、リピータユニットの回路モジュールが電源へ接続されているかどうかを光で知らせるLEDを備えてよい。このように、ユーザは、リピータユニットが機能していると確信を持つことができる。例えば、所定長さの時間が経過した後に、リピータ電源が再び切り離される場合には、LEDも自動的にオフされる。
無線信号を交換する装置間の干渉を最小限とするために、無線通信は、とりわけ、異なるタイプの装置によって使用されるよう周波数バンドを割り当てる規格によって、管理される。例えば、ローカル又はパーソナルエリアネットワーク(LAN又はPAN)における無線通信は、最大でも100メートル範囲を有し、ISM(International Scientific Medical)周波数バンドにおいて達成されてよい。従って、本発明の特に好ましい実施形態においては、遠隔制御ユニットによって生成されて、リピータユニットによって再送信される電磁気信号は、ISM周波数バンドにある周波数を有する高周波信号を有する。幾つかのそのようなバンドが、2.45ギガヘルツ(GHz)、915メガヘルツ(MHz)、又は5.8GHzにおいて中心周波数を有して利用可能である。
本発明に従うシステムが使用されている用途、又はリピータユニットと装置との間の距離に依存して、他の周波数バンドが使用されてよい。例えば、システムのリピータユニットは、短距離(ブルートゥース)、中距離(ジグビー)、又は長距離(DECT,GSM)の通信システム用途に対応した周波数で動作するよう実現されてよい。そのような環境で使用されることを目的とする装置は、ここで記載されるシステム及び方法に従うゼロ電力機能により容易に拡張され得、それにより、そのような環境における全体の電力消費量は、機器が遠隔制御によって真のオフ状態にスイッチオフされて再びスイッチオンされることを可能にすることによって、有利に低減可能である。
遠隔制御ユニットにおいて生成される無線周波数信号は、連続的に、すなわち、中断のない連続的な信号として生成され得る。しかし、本発明の好ましい実施形態においては、信号はパルス状の高周波数信号を有する。すなわち、遠隔制御ユニットの信号発生器は、当業者に知られているように、おそらく適切なキャパシタを用いて、一連の高周波パルスを出力する。この技術の利点の1つは、信号発生器に給電するバッテリの寿命が延びる点である。更に重要なことには、パルスは、電気信号のエネルギ、すなわち、振幅が有効に増大されることを可能にし、それにより、スイッチング工程の信頼性は改善される。同時に、信号が安全規格を満足するように、信号の全体的な平均エネルギ値が突破されないことが確かにされ得る。また、この技術は、信号範囲が広げられることを可能にする。先と同じく、このようにして生成される信号は、所定の存続期間を有することができ、あるいは、ユーザが遠隔制御ユニットにより適切な動作を行う限りは生成されてよい。本発明に従うリピータユニットは、望ましくは、そのようなパルス信号を再送信するよう実現される。例えば、信号は、リピータユニットによって変更なしに再送信され得、あるいは、上述されたように増幅されてもよい。
従って、本発明の特に好ましい実施形態においては、リピータ受信信号の性質に関わらず、リピータ送信信号の情報コンテンツは、リピータ受信信号の情報コンテンツに対応する。言い換えると、信号モジュールは、リピータ受信信号に含まれるあらゆる情報がリピータ送信信号に置いて転送されるように、実現される。例えば、リピータ受信信号に置いてエンコードされている何らかの装置識別子、装置コード、変調情報等は、望ましくは、リピータ送信信号においてもエンコードされる。
既に上述されたように、本発明に従うシステム及び方法は、ユーザが複数の装置を制御することを可能にするよう用いられ得る。手持ち式の遠隔制御ユニットが複数の装置を制御するために利用可能であり、例えば、ユーザは、コマンドがテレビ受像機、衛星受信機等に向けられるべきかどうかを選択することができる。そのような遠隔制御ユニットは、異なる周波数で変調された制御信号を生成してよく、相異なる周波数が特定の装置と関連づけられる。代替的に、異なる装置のための制御信号は、前記制御される装置のための装置識別情報、例えば、装置識別コードを搬送するよう変調されたキャリア信号を有してよい。そのような装置識別コードは、例えば、当業者によく知られているRFID(radio-frequency identifier)タイプであってよい。そのような識別手段は、複数の装置が本発明に従う方法を用いる遠隔制御ユニットによって制御される場合に、すなわち、より具体的に、単一の遠隔制御ユニットが1よりも多い装置を制御するために用いられる場合に、有利でありうる。そのような場合において、遠隔制御ユニットは、異なる装置をアドレッシングするための異なるボタンを備えることができ、この遠隔制御ユニットによりアクティブ又は非アクティブにされる装置ごとに、作動スイッチは、装置識別情報に基づき開かれる又は閉じられる。従って、本発明の更なる好ましい実施形態においては、受信信号は、装置識別コードを決定するようデコードされ、装置電力スイッチは、その装置識別コードに基づき作動する。例えば、リピータによって転送される信号は多数の装置の遠隔制御インターフェースユニットによって受信されてよいが、信号が向けられている装置の装置電力スイッチのみが実際には作動する。
更にこの概念によれば、本発明に従うシステムは、装置制御信号のインテリジェント転送を可能にすることができる。これは、ジグビーシステムと同じように、複数のリピータユニット及び制御可能な多くの装置を用いるシステムにおいて有利でありうる。装置は、例えば、オフィスビルにおける、照明器具、電子ドアロック、換気装置等であってよい。このような場合おいて、本発明に従うリピータユニットは、望ましくは、装置制御信号が向けられている装置がリピータユニットの範囲内にある場合にのみ装置制御信号を再送信するよう実現される。リピータユニットの範囲は、その送信範囲であってよいが、その論理的範囲であってもよい。例えば、ジグビー又は同様の環境においては、リピータユニットは、信号が向けられている装置が当該リピータユニットによっては到達し得ない場合には、検出された信号を転送しないよう選択してよい。このために、システムのリピータユニットは、各リピータユニットが、どの装置が自身の送信範囲内にあるのかを知るように、初期設定ステップにおいて設定されてよい。次いで、リピータユニットによって検出された信号はデコードされて、信号に含まれる装置コードが、当該信号がリピータユニットの範囲内の装置に向けられていることを示している場合にのみ、再送信される。そのようなシステムにおいて、装置制御信号は簡単な手持ち式の遠隔制御ユニットからは発せられず、例えば、無線周波数送信器へ接続されているコンピュータを用いて、システムコントローラによって生成されてよい、と考えられる。
既に述べられたように、装置制御信号は、最初は、遠隔制御ユニットによって生成され、その送信アンテナによって送信される。最も簡単なタイプのアンテナは、送信される信号のエネルギも全ての方向において分配されるように、全ての方向において放射する。その結果として、信号エネルギのごく一部しか検出アンテナ(この場合には、リピータユニットの受信アンテナ)に到達しないことが起こる。従って、そのような信号は、確実に検出されるために、十分な振幅を有していなければならない。そのような簡単なアンテナの一例はダイポールアンテナである。しかし、無線信号の範囲は、当業者に知られているように、指向性アンテナが用いられる場合に広げられ得る。短距離無線通信における使用に適した最先端のアンテナの例は、パッチアンテナ又はマイクロパッチアンテナである。代替的に、例えば、国際公開第2005/086281(A1)号パンフレットに記載されているように、フェーズドアレイアンテナが使用されてもよい。従って、本発明に従うシステムにおいては、遠隔制御ユニットの送信アンテナは指向性アンテナを有してよく、それにより、送信される信号のエネルギは、本質的に、1つの主たる方向に集中する。ユーザは、信号がリピータユニットによって確実に検出されるために、(最も近い)リピータユニットの一般的な方向に遠隔制御ユニットを向ける必要しかない。
更なる好ましい発展において、送信アンテナの放射特性は、受信アンテナの放射特性と整合される。これは、遠隔制御ユニット/リピータユニット;リピータユニット/リピータユニット;及びリピータユニット/被制御装置のための送信/受信アンテナ対に適用される。本発明に従うシステムにおける1又はそれ以上のそのようなアンテナ対においては、送信アンテナの放射特性は、送信アンテナから発せられる電磁放射が対応する受信アンテナによって最適に検出されるように、対応する受信アンテナの放射特性と整合される。例えば、放射特性は、その場合に送信/受信アンテナ対において整合される偏光特性を有してよい。
本発明に従うリピータユニットは、受信及び送信機能を有する。基本的に、リピータユニットは、自身が受信したのと同じ信号を再送信する。従って、本発明の更なる好ましい実施形態においては、リピータユニットは、受信機能と送信機能との間で共有される1つのアンテナを有する。リピータユニットが本質的に同時に信号を受信し且つ増幅後に同じ信号を再送信することを可能にするよう、適切な電子スイッチが用いられてよい。代替的に、4分の1波変換が、共有アンテナの使用を可能にするために、リピータ受信信号に対して行われてよい。
本発明の他の目的及び特徴は、添付の図面に関連して検討される以下の詳細な記載から明らかになるであろう。なお、当然に、図面は、本発明の限定の定義としてではなく、単に例示のために設計されている。
スタンバイモードにおける最先端の遠隔制御ユニット及び最先端の装置を示す。
本発明に従うシステムの第1実施例を示す。
本発明に従うシステムの第2実施例を示す。
本発明に従うシステムの第3実施例を示す。
本発明に従うシステムの第4実施例を示す。
本発明に従うリピータユニットの実施例を示す。
本発明に従うリピータユニットにおける信号変換ユニットの第1実施例を示す。
図7aの回路について電圧対電力比のグラフを示す。
本発明に従うリピータユニットにおける信号変換ユニットの第2実施例を示す。
図8aの回路について電圧対電力比のグラフを示す。
本発明に従うシステムにおける被制御装置の遠隔制御インターフェースユニットにおける信号変換ユニットの実施例を示す。
図9aの回路について電圧及び電流対電流比のグラフを示す。
図面において、同じ参照符号は、全ての図を通して同じ対象を指し示す。図中の対象は、必ずしも実寸で描かれているわけではない。
図1は、遠隔制御可能な装置1(この場合には、テレビ受像機)と、遠隔制御ユニット2とを備える従来の場合を示す。遠隔制御ユニット2は、通常は、装置8から可変な距離dでユーザ(図示されず。)によって操作される。ユーザは、装置8をオンし、装置設定を変更し(例えば、チャネルを変更し、又はラウドスピーカの音量を調整し)、又は装置8をスタンバイモードに置くよう、遠隔制御ユニット2の特定のボタンを押す。図示されている従来の遠隔制御ユニット2は、電磁放射4として送信される無線周波数制御信号を発生させることによって、操作する。遠隔制御ユニット2が装置8に向けられている場合に、信号4は、装置8の適切なインターフェース6によって検出され、適切な装置制御信号へと変換され得る。この従来のシステムにおいて、装置8は、距離dが遠隔制御ユニット2の範囲Rを超えない場合にのみ、遠隔制御ユニット2によって発せられた信号を検出することができる。言い換えると、ユーザが、装置8が遠隔制御ユニット2の範囲Rの外にあるほど装置8から遠隔制御ユニット2を離す場合には、遠隔制御ユニット2によって発せられた如何なる信号も、もはや装置8の遠隔制御インターフェース7によって容易に検出可能でないほど減衰している。
装置8は、メインソケット7によって図中に示されている電源から電流を引き込む。スタンバイモードにあるとき、装置8は、インターフェース6が、遠隔制御ユニット2からの作動信号4に反応することができるのに少量の電力しか必要としないので、主電源から完全に切り離されている。更に、少量の電流が、装置8がスタンバイモードにある限りは光を発する典型的なスタンバイLED5によって、連続的に引き込まれる。ユーザが装置8を、使用されない場合に、電源から完全に切り離したいと望む場合には、ユーザは、例えば、装置8自体のオン/オフボタンを押すことによって、又は装置8の電源プラグをメインソケット7から抜くことによって、これを直接に行わなければならない。
図2は、本発明に従うシステム1の第1実施例の図を示す。システム1の主たる要素は、リピータユニット10、被制御装置D、及び無線周波数信号によって装置制御コマンドを発する遠隔制御ユニット30である。遠隔制御ユニット30は、通常のタイプの手持ち式ユニットであってよい。装置Dは、主電源P20へ接続されている家庭用電子機器(例えば、テレビ受像機、衛星受信機、照明器具、等)のような如何なる適切な装置であってもよく、ここでは、動作中の装置Dの負荷に相当する実効負荷24を有するように示されている。また、装置Dは、例えば、ジグビー又はブルートゥースセットアップにおいて制御可能な如何なる装置であってもよい。明りょうさのために、遠隔制御ユニット30、リピータユニット10及び装置10の関連する構成要素は、それらの機能がより良く説明され得るように、他の構成要素に対して強調されている。
リピータユニット10は、本質的に遠隔制御ユニット30と被制御装置Dとの間に置かれている小型ユニットであってよい。例えば、リピータユニット10は、目立たないように天井に取り付けられてよい。リピータユニット10は、それ自身の電源P10を有する。電源P10は、バッテリ、太陽電池、又は主電源等の如何なる適切な電源であってもよい。使用されない場合、すなわち、リピータユニット10が非アクティブである場合に、それはリピータ電源P10から完全に切り離されている。使用される場合、すなわち、リピータユニット10がアクティブである場合に、以下で詳細に説明されるように、リピータ電源P10は、動作するために電源を必要とするリピータユニット10のモジュールへ接続される。
遠隔制御ユニット30は、例えば、バッテリパック32、圧電センサ等を用いて、通常通りに給電され得る。装置Dの機能を選択するよう、ユーザ(図示せず。)は、遠隔制御ユニット30のインターフェース31(例えば、ボタンの配列)を使用することができる。ボタンが押されると、対応する制御信号33は、電力を信号発生器36に接続するようスイッチ34に作用し、信号発生器36に電気信号35を発生させる。次いで、電気信号35は、遠隔制御ユニット30の送信アンテナT30を然るべく共振させ、それにより、電磁放射EM1が送信アンテナT30によって送信される。信号発生器36は、ユーザがインターフェース31上のボタンを押下している限り、(信号エネルギを増大させる)パルス状信号として、又はRFIDのような装置識別情報を伝えるよう変調されたキャリア信号として、連続的に電気信号35を生成することができる。当業者には、どのように適切な信号発生器36がそのような機能を実行するために実現され得るのかが知られており、それにより、それらについてはここでこれ以上詳述される必要はない。
遠隔制御ユニット30によって送信される電磁放射EM1はリピータユニット10に到達し、リピータユニット10では、検出器R10(この場合には、リピータ受信アンテナR10)は、ACリピータ受信信号11が生成されるように、然るべく共振させられる。リピータ受信信号11は、信号変換ユニット12において、DCリピータスイッチ作動信号13へと受動的に変換される。リピータユニット10が従前非アクティブであった場合には、スイッチS10は開放状態にある。すなわち、リピータ電源P10は、従前、リピータユニット10のモジュールから切り離されており、それにより、リピータユニット10のいずれの部分も全く電流を引き込んでいなかった。しかし、リピータスイッチ作動信号13が記載されるように生成されると、スイッチS10は閉じられ、リピータユニット10のモジュールは電源P10へ接続される。
リピータ受信信号11は、本質的にはユーザ入力に応答して生成される制御信号33に対応し、次いで、制御信号33が向けられた装置Dへリピータユニット10によって転送され得る。このために、リピータ受信信号11は、リピータユニット10の信号モジュール14へ送られる。信号モジュール14では、リピータ受信信号11は、リピータ送信信号15を与えるよう増幅され、又は別なふうに処理され得る。次いで、リピータ送信信号15は、リピータ送信アンテナT10によって、電磁放射EM2として送信される。
関連するモジュール14における電気及び電子部品、すなわち、リピータユニット10のT10の適切な選択によって、送信される電磁放射EM2は、少なくとも、遠隔制御ユニット30によってそもそも送信された電磁放射EM1と同じエネルギを有することができる。例えば、信号モジュール14は、増幅器を有してよい。このように、遠隔制御ユニット30と装置Dとの間の、無線周波数装置制御信号によってカバー可能な範囲は、作動するリピータユニット10の側で如何なる有意な追加の電力消費も伴うことなく、有利に拡大され得る。これは、リピータユニット10が、遠隔制御ユニット30によって発せられた信号が受信アンテナR10によって検出された場合にのみ作動する、すなわち、電源P10へ接続されるためである。
装置側では、電磁放射EM2は、装置受信信号21を与えるよう、検出器(この場合には、受信アンテナR20)によって検出される。装置受信信号21は、装置の遠隔制御インターフェース20の装置制御インターフェース27によって、通常通りにデコード又は処理され、装置制御インターフェース27は、然るべく装置制御信号28を、例えば、装置Dがテレビ受像機である場合にはチャネルを変更し又は音量を調整する装置制御信号28を発生させる。そのような装置制御インターフェース27の機能は、当業者に知られており、ここでこれ以上詳細に記載される必要がない。
図3は、本発明に従うシステム1の第2実施例を示す。先と同じく、遠隔制御ユニット30は、装置Dを制御するために、電磁放射EM1の形で自由空間を通って制御信号を発するよう使用される。遠隔制御ユニット30と装置Dとの間のリピータユニット10は、遠隔制御ユニット30によって発せられた電磁放射EM1を検出し、それを装置Dへ転送することができる。
ここで、装置Dは、装置制御インターフェース27を有するのみならず、装置Dを電源P20へ完全に接続し又は装置Dを電源P20から完全に切り離すよう受動信号変換ユニット22及びスイッチS20を備えた遠隔制御インターフェースユニット20も有する。受動信号変換ユニット22及びスイッチS20の機能は、本質的には、リピータユニット10における対応するユニット12と同じである。実際に、リピータ信号変換ユニット12及び装置信号変換ユニット22における電気部品は同じであってよい。しかし、装置Dは、通常、より大きい負荷24を示すので、装置電源P20は然るべく選択されるべきである。
図示されているシステムは、装置Dも使用されていないとき(例えば、ユーザが遠隔制御ユニット30のオフボタンを押した場合)に電源P20から完全に切り離され得、且つ、遠隔制御ユニット30によって発せられた無線周波数装置オン/オフ信号を増幅して再送信するリピータユニット10のおかげで、従来の遠隔制御ユニット30を用いて可能であるよりも長い距離にわたって(例えば、ユーザが遠隔制御ユニット30のオンボタンを押した場合に)、依然として、遠隔制御ユニット30によって発せられる信号によって容易にアクティブにされ得るという利点を有する。
装置制御信号によってカバー可能な範囲は、システムの遠隔制御ユニット及び装置の間で更なるリピータユニットを使用することで、更に拡大され得る。図4は、そのような実施形態の例を示す。ここで、遠隔制御ユニット30は、ユーザ入力を、遠隔制御ユニット30に最も近い第1のリピータユニット10によって検出される電磁放射EM1に変換する。この第1のリピータユニット10は、信号を検出し、増幅し、電磁放射EM2として再送信する。次いで、電磁放射EM2は、遠隔制御ユニット30から更に離れているが装置Dにより近い第2のリピータユニット10によって検出される。この第2のリピータユニット10は、信号を増幅して、電磁放射EM2’として再送信する。電磁放射EM2’は、最終的に、装置Dによって検出される。装置Dのオン/オフ状態及び制御信号の内容に依存して、装置Dの遠隔制御インターフェース20は、装置を電源に接続することができ、装置を電源から切り離すことができ、又は、ユーザによって選択された機能に従って装置を駆動するよう装置制御信号を生成することができる。また、図4は、同じ遠隔制御ユニット30によって制御可能な第2の装置D’を示す。ここで、第2の装置D’は、第1のリピータユニット10によって発せられた電磁放射EM2を検出することができる。
図5は、本発明に従うシステム1の第4実施例を示す。先と同じく、遠隔制御ユニット30は、装置Dを制御するために使用される。遠隔制御ユニット30と装置Dとの間のリピータユニット10は、遠隔制御ユニット30によって発せられた電磁放射EM1を検出し、それを装置Dへ転送することができる。
この実施例では、遠隔制御ユニット30は、赤外線ダイオード38を備えた赤外線インターフェース37を有する。遠隔制御ユニット30は、上述されたような無線周波数信号発生器36及び送信アンテナT30を更に有する。明りょうさのために、遠隔制御ユニット30のバッテリは図示されていないが、含まれていると理解される。ここで、遠隔制御ユニット30は、送信アンテナT30による送信のための無線周波数装置オン/オフ信号33と、赤外線ダイオード38による送信のための赤外線装置機能制御信号39とを生成することができる。これらの信号33及び39は、例えば、オン/オフボタン、チャネル選択ボタン等の専用のボタンの使用によって、通常の態様で、ユーザインターフェース31において生成されてよい。
装置Dは、遠隔制御ユニット30から発せられる赤外線信号を検出して解釈するための赤外線装置制御インターフェース27のみならず、図3において上述されたように、装置Dを電源P20から完全に切り離すための遠隔制御インターフェース20及びスイッチS20も有する。第2の信号変換ユニット22は、装置受信信号21を装置スイッチ作動信号23に変換する。
また、リピータユニット10は、遠隔制御ユニット30と、本例では赤外線インターフェースしか有さない装置Dとの間の範囲を拡大するためにも使用されてよい。このために、リピータユニット10は、上記の無線周波数インターフェースに加えて、赤外線信号を受信して中継するための赤外線インターフェース(図示せず。)を更に備えてよい。このように、そのようなリピータユニット10は、遠隔制御ユニット30から発せられた赤外線信号を容易に検出することができ、且つ、それらを対象の装置Dに向け直すことができる。明らかに、LOSは、そのような遠隔制御ユニット30とリピータユニット10との間、及びリピータユニット10と装置Dとの間に必要とされる。
図2乃至5を用いて上述されたリピータユニットの実施形態において、スイッチS10は、リピータ受信信号11が検出される限りは閉じられ得る。リピータ受信信号11がゼロ(null)レベルに達すると直ぐに、スイッチは再び開くことができる。しかし、ユーザと装置との間の遠隔制御相互作用の性能を高めるために、より長い存続期間の間スイッチS10を閉じられたままとする方が都合がよい。本発明の目的、すなわち、電力消費量を最小限に保ちながら遠隔制御システムにおける補償範囲の拡大及びユーザ相互作用の改善を提供することは、所定の存続期間の後に、自身をオフすることができる、すなわち、自身の電力スイッチを開くことができるリピータユニットによって、更に高められ得る。そのようなリピータユニット10の実施形態が図6に示されている。ここで、リピータユニット10は、既に記載された構成要素及びモジュール、すなわち、信号変換ユニット12と、リピータスイッチS10と、受信アンテナR10及び送信アンテナT10と、信号発生器14とに加えて、付加的なタイマモジュール17を有する。上述されたように受信アンテナR10によって検出されてリピータスイッチ作動信号13へと受動的に変換された信号は、スイッチS10を作動させる。スイッチS10は、図において破線によって囲まれているリピータユニット10の非受動部品へ電力を供給する。従って、スイッチS10が閉じられると、タイマモジュール17はトリガされる。タイマモジュール17は、時間制限に対応する記憶された所定の上限値を有するカウンタを有してよい。所定値に達すると、タイマモジュール17は、スイッチS10を再び開かせるように、スイッチ制御信号16を発する。このように、リピータユニット10は、最後に検出されたリピータ受信信号後に所定時間(例えば、2、3分)が経過した後、電源P10から完全に切り離され得る。これは、遠隔制御ユニット30からの連続した制御信号が、リピータユニット10を電源P10から切り離すことなく、装置Dへ再送信されることを可能にすることができる。そのような時間存続期間は、ユーザがホームエンターテイメントシステムを設定する(例えば、CDプレーヤをオンしてトラックを選択する、又はテレビ受像機及び衛星受信機をオンしてチャネルを選択する)のに十分である。その後、リピータユニット10は、非アクティブ状態でもう一度休止し、電源P10から切り離され得る。次にユーザが遠隔制御ユニット(図示せず。)のボタンを押したときに、スイッチS10は再び閉じられ、リピータユニット10はもう一度アクティブにされる。
以下では、図7a、7b、8a、8b、9a及び9bが、遠隔制御ユニットの送信アンテナによって送信されてリピータユニットによって検出される制御信号から派生する電磁放射レベルを例示することによって、リピータユニットにおける受動信号変換を記載するために使用される。なお、当然、記載されている回路は、リピータユニットから発せられて被制御装置の遠隔制御インターフェースユニットにおける受信アンテナによって検出される電磁放射に対する信号変換にも同じく適切に適用されてよい。リピータユニット及び遠隔制御インターフェースユニットのいずれにおいても、受動信号変換回路は、以下で記載されるように実現され得る。しかし、スイッチの選択は、被制御装置によって示される実効負荷に依存しうる。この実効負荷は、リピータユニットのものよりも著しく大きいことがある。
図7aは、被制御装置NO遠隔制御インターフェースユニット又はリピータユニットにおいて使用される受動変換ユニットの第1実施例を示す。ここで、電磁放射EM1は、検出アンテナR10によって検出される。検出アンテナR10は、受信側において誘導AC信号を与えるよう共振する。次いで、誘導AC信号は、リピータ受信信号11を与えるよう、(1.5ピコファラッド(pF)のキャパシタンスを有する)デカップリングキャパシタ100によってデカップリングされる。リピータ受信信号11は、整流ダイオード101(例えば、アジレントテクノロジーのHSMS285xシリーズ・ショットキーダイオード)によって整流される。その後、47pFのキャパシタンスを有する平滑キャパシタ103が、リピータスイッチ作動信号13を与えるよう、整流された出力を平滑化する。10キロオーム(kΩ)の抵抗を有する小さな抵抗器102は、最低限の電流が受動変換ユニットを流れることを可能にする。動作中に電源P10から電流を引き込むリピータユニット10の要素は、抵抗負荷14によって表される。
図7bは、送信アンテナT30によって送信される電磁放射EM1の電力比(単位dBm)に対する、平滑キャパシタ103の両端で測定される電圧U(単位V)のグラフを示す。グラフから明らかなように、遠隔制御ユニット30が20dBmで電磁放射EM1を供給する場合には、約1.77Vの電圧が平滑キャパシタ103の両端で得られる。この電圧は、MEMSスイッチS10を作動させるのに十分である。このスイッチS10が閉じられると、負荷14は電源P10へ接続され、スイッチS10が開かれると、負荷14は電源P10から切り離される。
より高い電圧の整流信号は、図8aに示されるような代替だの受動変換ユニットを用いて得られる。ここで、共振回路は、デカップリングキャパシタ100(1.5pF)とともに22ナノヘンリ(nH)のインダクタンスを有するインダクタ105によって、与えられる。それらの値は、受信器側で引き起こされる信号周波数が本質的に送信側での信号周波数と同じであるように、共振回路のためのよく知られている式:fc=1/(2π√(LC))を用いて選択される。ここで、Lは共振回路のインダクタのインダクタンスであり、Cは共振回路のキャパシタのキャパシタンスである。部品105及び100の値は、引き起こされる信号の周波数fcが本質的に遠隔制御ユニット30で生成される信号の周波数と同じであるように、選択される(この場合に、876MHz)。共振回路の後には、同じ整流器回路部品、すなわち、図7aにおいて上述された整流ダイオード101及び平滑キャパシタ103が続く。
この回路は、送信側で必要とされる信号エネルギレベルがより低い一方で、平滑キャパシタ103の両端でより高い電圧を生じさせる。この例においても、MEMS(micro-electromechanical system)がスイッチS10に対して用いられてよい。図8bのグラフから明らかなように、約1.76Vの電圧が、ほんの10dBmの信号電力で達成される。これは、有利に、図7aの回路を用いて得られる値と対照的である。このことは、スイッチS10が、送信側での信号電力が比較的低い場合でさえ、確実に且つ正確に切り換えられ得ることを意味する。
また、リピータユニットは、考えられる限りでは、バッテリ又は太陽電池の代わりに、主電源へ接続されてもよい。そのような実施形態では、MEMSスイッチによって許容されるよりも高い電圧を切り換える必要があり、そのため、図9aに示されるように、半導体スイッチが用いられてよい。この例では、半導体スイッチは、トランジスタスイッチS10(例えば、アジレントテクノロジーのHBFP0450)を有する。トランジスタスイッチS10は、より重い負荷を切り換えることができる。この点において、本例における回路は極めて簡単にしか概説されておらず、且つ、他の構成要素及び回路がリピータユニットを主電源P10から切り離し、又は低電圧半導体回路を装置側の高電圧回路とインターフェース接続するために必要とされることが強調される。このことは、当業者に知られており、ここでは詳細に記載される必要がない。
図9bは、dBmにおける電力比に対する電圧U(単位V、実線)及び負荷電流I(単位mA、破線)の対応するグラフを示す。グラフから明らかなように、ほんの10dBmの信号電力でさえ、平滑キャパシタ103の両端で0.915Vの電圧を得て、28mAの電流が負荷14を流れることを可能にするには十分である。電圧及び電流の得られた値は、夫々、20dBm(0.937V、29mA)及び30dBm(0.962V、29mA)の信号電力比について得られる値よりもほんの僅かに小さい。
この回路解決法は、また、リピータユニット10がオフされる場合に、リピータユニット10を主電源P10から切り離す。リピータユニット10がオフされる場合に、この回路は如何なる電流も引き込まない。リピータユニット10がオンされた場合にのみ、従来の解決法に従ってスタンバイモードにある典型的な電子機器によって消費されるスタンバイ電力と比較して無視可能な、少量の電力が半導体回路によって消費される。
本発明は、多数の好ましい実施形態の形で開示されてきたが、当然、更なる変更及び変形が、本発明の適用範囲を逸脱しない範囲内で、記載される実施形態に対して行われてよい。例えば、リピータユニット又は遠隔制御インターフェースユニットに到達する信号は、特定の条件下では、比較的弱いことがある。弱入力信号は、対応して低いDC信号レベルをもたらし、そのため、信号は、例えば、スイッチを作動させるのに十分な強さを有さないことがある。従って、リピータユニット又は遠隔制御インターフェースモジュールの整流器出力での弱DC信号は、より強い出力信号を供給するよう適切な電圧ダブラー又は電圧乗算器を用いて信号変換ユニットにおいて昇圧されてよい。そのような電圧乗算器の例は、キャパシタ及びダイオードの配置を有するヴィラード(Villard)カスケード回路である。当業者には明らかなように、他の代替の電圧ダブラー回路も可能である。
明りょうさのために、本願を通じて“1つの(a又はan)”の使用は複数個を除かず、“有する(comprising)”は他のステップ又は要素を除かないことが理解されるべきである。“ユニット(unit)”及び“モジュール(module)”は、別なふうに述べられない限りは、多数のユニット又はモジュールを有してよい。
本発明は、リピータユニットを介して装置へ制御信号を送信することで装置を制御するシステム及び方法について記載する。また、本発明は、リピータユニット及び遠隔制御インターフェースユニットについて記載する。
今日利用可能な多くの家庭用電子機器は、通常は手持ち式の、無線遠隔制御ユニットを用いることによって、遠隔制御可能である。ユーザは、例えば、遠隔制御ユニット上の適切なボタン又はボタン配列を押すことによって、装置の所望の機能を容易に選択することができる。一部の遠隔制御ユニットは、複数の電子機器を制御することができるようにプログラミング可能である。例えば、ユニバーサル遠隔制御ユニットは、テレビ受像機、CDプレーヤ、衛星受信機等を制御するために使用されてよい。米国特許出願公開第2007/0139214(A1)号明細書(特許文献1)は、遠隔制御ユニットが特定の装置に結び付けられず、マスタコントローラからあらゆる装置のための遠隔制御コマンドをえることができるシステムについて記載している。
被制御装置による検出のために遠隔制御ユニットによって発せられる制御信号は、赤外線信号又は無線周波数信号であってよい。通常は、遠隔制御装置の電源は、バッテリ又はバッテリパックである。遠隔制御ユニットは、使用中に楽に持たれるよう十分に小さく且つ軽くなければならない。従って、使用の容易さのために、遠隔制御装置の電源も軽くなければならない。サイズにおけるそのような制限は、また、遠隔制御ユニットによって生成可能な信号強さに制約を設けることがある。つまり、それは、遠隔制御ユニットが装置と通信することができる範囲を制限しうる。
リピータの使用は、発信源と目標とが直接に通信するには離れすぎている場合に、発信源から目標までの信号を中継することが知られている。しかし、従来のリピータユニットは、本線電源又はバッテリのいずれかからの別個の電力供給を必要とし、従って、一方で全体の電力消費量を増大させる。家庭用電子機器の多くのユーザは、エネルギの過剰消費によって引き起こされる環境に対する悪影響に気付きつつあり、不必要な電力損失の量を減らすことを好むので、そのような従来のリピータの付加的な電力消費は受け入れられないとされることが期待される。スタンバイ動作モードを備えるリピータユニットでさえ、電力消費量を、つまり、スタンバイモード電力でさえも減らす必要性に対する認識が高まりつつあるので、多くの消費者に受け入れられないことがある。欧州特許出願公開第1857911(A1)号明細書(特許文献2)は、ウェイクアップ信号を検出して、装置のメインユニットを電源へ接続するウェイクアップユニットを備えた装置について記載している。また、米国特許出願公開第2006/0101298(A1)号明細書(特許文献3)は、信号をリッスンする増幅器を含むウェイクアップユニットを備えた装置について記載している。ウェイクアップ信号が検出されると、装置は電源へ接続され、増幅器は電源から切り離される。しかし、ウェイクアップ信号をリッスンしている間は、増幅器は継続的に電源から電流を引き込む。
米国特許出願公開第2007/0139214(A1)号明細書
欧州特許出願公開第1857911(A1)号明細書
米国特許出願公開第2006/0101298(A1)号明細書
従って、本発明は、上記問題を回避しながら、遠隔制御ユニットの範囲外で装置を遠隔制御する方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、請求項1に係る、装置を制御するシステムによって、請求項6に係るリピータユニットによって、及び請求項10に係る、装置を制御する方法によって、達成される。
本発明に従うシステムは、電磁放射の形で信号を送信する遠隔制御ユニット、リピータユニット、及び制御される装置を有する。本発明に従って、前記リピータユニットは、
リピータ受信信号を得るよう電磁放射を検出する検出器;当該リピータユニットによって引き込まれる電流がないように当該リピータユニットが第1の電源から完全に切り離されている非アクティブモードと、前記第1の電源から前記リピータユニットによって電流が引き込まれる動作モードとの間で当該リピータユニットを切り換えるよう、前記リピータ受信信号を第1のスイッチを作動させるためのリピータスイッチ作動信号へと受動的に変換する第1の信号変換ユニット;前記リピータ受信信号に基づきリピータ送信信号を生成するよう前記第1の電源によって給電される信号モジュール;及び電磁放射の形で前記リピータ送信信号を送信するリピータ送信インターフェースを有する。本発明に従うシステムにおいては、前記制御される装置は、装置受信信号を得るよう、前記リピータ送信インターフェースによって送信された電磁放射を検出する遠隔制御インターフェースモジュールを有し、前記装置受信信号は、当該装置を制御するための根拠としてその後に用いられる。
ここで使用される意味における「装置」は、適切な制御信号に応答する何らかの電子機器、例えば、何らかの遠隔制御可能な家庭用電子機器、家庭用器具、照明器具等であってよい。
本発明に従うシステムにおいては、電磁放射は、検出器又は検出アンテナによって全く受動的に前記リピータユニットにおいて自動検出される。検出器又は検出アンテナは、電磁放射におけるエネルギによって共振して、前記リピータ受信信号を与える。また、このようにAC電気信号をDCリピータスイッチ作動信号に変換することは、全く受動的に、すなわち、電力供給を必要としない電気部品を用いることによって、行われる。信号伝送のためにリピータを用いるシステムの利点は、装置をアクティブ又は非アクティブにするために使用される遠隔制御ユニットがその伝送範囲外にあってよい点である。それは、リピータユニットが、装置を対象とした信号を検出し、この信号を再送信するためである。更に、遠隔制御ユニットは、装置のLOS(line of sight)において保たれる必要がない。それは、リピータユニットが、明らかに、如何なる方向においても信号を再送信することができるためである。本発明に従うシステムの特定の利点は、リピータが非アクティブにされている場合に、それは、真にゼロ電力状態において、その電力供給から完全に切り離されており、通常スタンバイモードと呼ばれている、最先端の装置において知られている低電力動作モードというものではない点である。本発明に従って、リピータは、如何なる電流も引き込まず且つ如何なる電力も消費しないので、オフされている場合に完全に静止している。これより、本発明に従うシステムの明らかな利点は、遠隔制御ユニットの範囲を良好に拡大させながら達成することができるエネルギの節約である。他の利点は、リピータが遠隔制御によって依然として再アクティブ化可能である点である。これより、使用の便利さ及び容易さは多少なりとも妥協されない。完全に、これは、システムの全体的な電力消費量を有意に増大させることなしに、1又はそれ以上の装置が遠隔制御ユニットの範囲外にある場合でさえ、それらの装置を制御する便利且つ快適な方法を可能にする。
本発明に従って、遠隔制御ユニットから制御される装置へ信号を送信するリピータユニットは、リピータ受信信号を得るよう電磁放射を検出する検出器と、リピータスイッチ作動信号を得るよう前記リピータ受信信号を受動的に変換する第1の信号変換ユニットとを有する。前記リピータスイッチ作動信号の目的は、前記リピータユニットによって電流が引き込まれないように前記リピータユニットがリピータ電源から完全に切り離されている非アクティブモードと、電流が前記リピータユニットによって前記リピータ電源から引き込まれる動作モードとの間で前記リピータユニットを切り換えることである。本発明に従う前記リピータユニットは、前記リピータ受信信号に基づきリピータ送信信号を生成するよう前記リピータ電源によって給電される信号モジュールと、電磁放射の形で前記リピータ送信信号を送信するリピータ送信インターフェースとを更に有する。
装置を制御する本発明に従う方法は、電磁放射の形で遠隔制御ユニットから制御信号を送信するステップと、リピータ受信信号を得るようリピータユニットにおいてリピータ受信ユニットにより電磁放射を検出するステップと、前記リピータ受信信号をリピータスイッチ作動信号へと受動的に変換するステップと、前記リピータユニットによって電流が引き込まれないように前記リピータユニットがリピータ電源から完全に切り離されている非アクティブモードと、前記リピータ電源から前記リピータユニットによって電流が引き込まれる動作モードとの間で前記リピータユニットを切り換えるよう、前記リピータスイッチ作動信号を用いて前記リピータユニットのリピータスイッチを作動させるステップとを有する。本発明に従う方法は、リピータ送信信号を生成するよう前記リピータ受信信号に基づき前記リピータユニットの信号モジュールを駆動するために前記リピータ電源を用いるステップと、前記リピータユニットのリピータ送信インターフェースによって電磁放射の形で前記リピータ送信信号を送信するステップとを更に有する。本発明に従う方法においては、前記リピータ送信インターフェースによって送信された電磁放射は、装置受信信号を得るよう前記制御される装置の遠隔制御インターフェースモジュールにおいて検出され、前記装置受信信号は、前記装置を制御するための根拠として用いられる。
従属請求項及び以下の記載は、本発明の特に有利な実施形態及び特徴を開示する。
本発明の特に好ましい実施形態においては、前記リピータユニットの受動変換ユニットは、受動整流器回路を有し、それにより、検出器、すなわち、受信アンテナで引き起こされたAC電気信号は、如何なる能動部品も使用せずに、DC信号に変換される。従って、ここで記載される受動変換ユニットは、感応電気スイッチを作動させるのに十分な信号強さを有する平滑化されたDCスイッチ作動信号を生成するために、単純に、キャパシタとともに、例えば高周波ダイオードのような受動部品を有してよい。このように、遠隔制御ユニットによって送信される信号は、リピータの機能ユニット又はモジュールをリピータ電源に接続するために、全く受動的な態様で、リピータスイッチ作動信号に変換され得る。
近年の技術的発展は、より良い且つより反応が良い電気スイッチ(例えば、MEMS(microelectromechanical systems)もたらした。そのようなスイッチは、最先端のスイッチとは違って、ブースター(例えば、演算増幅器)を必要としない。従って、本発明の一実施形態においては、前記リピータスイッチは、低強度リピータスイッチ作動信号によってスイッチング可能なMEMSスイッチを有する。代替的に、前記リピータスイッチ作動信号は、リピータ電源とリピータユニットとの間でCMOS FETを切り換えてよい。そのようなスイッチの能力は、当業者には知られており、ここではこれ以上説明される必要がない。
遠隔から送信された信号を用いて電源を完全に接続する又は切り離すことができる利点は、リピータユニットに限られない。明らかに、遠隔制御ユニット世って制御可能な如何なる装置も、使用されない場合に、電源から完全に切り離される利点を享受することができる。従って、本発明の好ましい実施形態においては、前記制御される装置の前記遠隔制御インターフェースユニットは、受動信号変換ユニット及び装置電力スイッチを有する。従って、前記装置受信信号は、スイッチ作動信号に受動的に変換可能であり、前記装置電力スイッチは、動作中の装置によって装置電源から電流が引き込まれる動作モードと、前記装置によって電流が引き込まれないように前記装置が前記装置電源から完全に切り離されている非アクティブモードとの間で前記装置を切り換えるよう、前記スイッチ作動信号により作動することができる。遠隔制御インターフェースユニットにおける受動信号変換は、装置スイッチ作動信号を得るよう受動回路部品を用いて、上述されたのと同じように達成されてよい。従って、遠隔制御インターフェースユニットの装置電力スイッチは、望ましくは、動作中に前記装置によって電流が引き込まれる動作モードと、前記装置によって電流が引き込まれないように前記制御される装置が装置電源から完全に切り離されている非アクティブモードとの間で前記制御される装置を切り換えるよう、前記装置スイッチ作動信号よって切り替えられ得る又は作動することができる。先と同じく、前記装置電力スイッチは、前述のMEMSスイッチ、又はCMOS FETであってよい。代替的に、本発明の更なる実際的な実施形態においては、例えば、光源としてのLED及びセンサとしての光トランジスタ又は光トライアックを有する、光遮断器又は光カプラが、遠隔制御インターフェースの信号変換ユニットと装置との間の装置電力スイッチとして用いられてよい。それは、光遮断器が、信号変換ユニットを装置から電気的に分離する有利な利点を有するためである。
既に示されたように、ユーザは、通常の態様において、例えば、遠隔制御ユニット上の1又はそれ以上の適切なボタンを押すことによって、装置を制御することができる。従って、本発明の更なる好ましい実施形態においては、遠隔制御ユニットは、制御入力を入力するユーザインターフェースと、前記制御入力に従って制御信号を生成する信号発生器とを有する。1つの可能な認識において、例えば、遠隔制御ユニットは、リピータユニットを電源から離接させるために特定の信号をリピータユニットへ送信する専用のオン/オフボタンを有し、遠隔制御ユニットのユーザインターフェース上のその他のボタン又は相互作用手段は、通常の態様において装置機能に割り当てられ得る。しかし、十分な強さの電磁放射はリピータユニットを作動させる働きをすることができるので、そのような専用のオン/オフボタンは明示的には必要でなく、リピータユニットの動作の原理は、単に、何らかのリピータ受信信号の検出によって(従前非アクティブであった場合に)作動することであってよい。次いで、検出された信号は、単に、リピータ電源へ接続されているリピータ送信アンテナによって再送信される。そのような認識の利点は、本発明に従うシステムが、既に存在する遠隔制御ユニット及び対応する装置を用いて用途を見出すことができる点であってよい。
多くの従来の遠隔制御ユニットは、上述されたように、制御される装置と赤外線インターフェースにより通信する。このような遠隔制御ユニットは、通信の成功のために、装置がLOS内にある必要がある。本発明に従うシステム及び方法は、やはり、上述されたように、電源から切り離されている装置を作動させるために、そのような遠隔制御ユニットとともに用いられてよい。従って、そのような遠隔制御ユニットは、望ましくは、リピータユニットによって検出されて、対応する赤外線遠隔制御インターフェースモジュールにより装置へ再送信され得る無線周波数信号を生成することができる追加のインターフェースを備える。例えば、追加の無線周波数信号発生器及び送信アンテナを備える遠隔制御ユニットは、リピータユニットによる検出のために、信号強度の弱いウェイクアップ信号を発するために用いられてよい。次いで、リピータユニットは、ウェイクアップ信号を対象の装置へ中継する。装置電力スイッチが装置を電源へ接続するよう作動すると、遠隔制御ユニットは、赤外線インターフェースにより新たに動作する装置と通信するために使用され得る。しかし、本発明の他の認識においては、リピータユニットは、遠隔制御ユニットと、赤外線制御信号によって制御される1又はそれ以上の装置との間の範囲を拡大するために、赤外線インターフェースを有してもよい。望ましくは、そのようなリピータユニットは、赤外線信号を受信及び中継するための適切な赤外線インターフェースを備える。リピータユニットは、赤外線制御信号を再送信するまえにそれらの信号強さを増大させる増幅器を更に有してよく、それにより、遠隔制御ユニットと装置との間の相互作用の範囲をより一層拡大することができる。赤外線放射のビームは、望ましくは、正確に受信され得るように装置に向けられるので、本発明に従うリピータユニットは、この認識においては、望ましくは、制御される装置の方向において送信するよう構成されてよい。このような構成ステップは、手動で、例えばユーザによって、行われてよい。代替的に、使用の更なる容易さのために、リピータユニットは、より広い範囲にわたって赤外線信号を広げるためのレンズ(例えば、フラクタルレンズ又はフレネルレンズ)を有してよく、それにより、複数の装置を制御することができる。
最近になって、無線周波数インターフェースを備えた遠隔制御ユニットが、家庭用電子機器を制御するために使用されている。このタイプの遠隔制御は、LOS接続を必要とせず、それにより、本発明に従うシステム及び方法においては、赤外線に基づく装置と比較して、はるかに広い範囲が達成され得る。ここで、リピータユニットは、装置へウェイクアップ信号を中継するのみならず、ユーザ入力に従って、遠隔制御ユニットによって発せられて装置に向けられたあらゆる制御信号を中継するために使用されてよい。遠隔制御ユニットは、必ずしも手持ち式の装置である必要はなく、固定された物(例えば、ジグビー(ZigBee)配置における壁付け無線制御)の一部であってよい。
明らかに、そのような遠隔制御ユニットを用いると、本発明に従うシステムは、単一のリピータユニットの使用に限られない。例えば、一連のリピータユニットが、遠隔制御ユニットと、制御される装置との間に配置されてよい。これは、遠隔制御ユニットのユーザが、依然として装置を遠隔制御することができる一方で、自由に動き回ることを可能にする。リピータユニットは、遠隔制御ユニットから又はリピータユニットから発せられた信号が最も近いリピータユニットによって検出可能であるように、配置される。次いで、その最も近いリピータユニットは、信号を再送信する。
ジグビー環境又は同様の規格に基づく環境においては、例えば、別々の物理的エンティティが、遠隔制御ユニット、リピータユニット、及び装置の機能を組み合わせることができる。例えば、単一の物理的エンティティは、1又はそれ以上の装置機能を備えた装置であってよく、且つ、遠隔制御ユニットから発せられた制御信号を他のリピータユニット又は他の装置へ転送するためのリピータユニットを更に有してよい。可能な認識は、そのような環境において制御可能な多数の照明器具であってよく、夫々の照明器具(「装置」とも呼ばれる。)は、制御信号を対象の受信装置へ転送するためのリピータユニットを有する。
本発明に従うシステムのより簡単な認識においては、ホームエンターテイメントシステムは、異なった部屋又は異なった階に置かれているラウドスピーカ配置を有して中央に配置されるCDプレーヤを有することができる。ユーザは、遠隔制御ユニットを用いて、いずれかの部屋からホームエンターテイメントシステムを制御することができる。有利に配置されている多数のリピータユニットは、遠隔制御ユニットから発せられた制御信号を検出して再送信することができる。装置(この場合には、CDプレーヤ)に最も近いリピータユニットは、制御信号を装置の遠隔制御インターフェースへ伝える。このように、ユーザは、どのような距離において配置された装置であっても快適に制御することができる。
リピータユニットが遠隔制御ユニットによって発せられた信号を転送又は中継するために使用される場合に、信号自体は、本質的に変更されずに転送され得る。しかし、信号が対象の装置によって検出可能であることをより確かにするよう、信号強度は高められてよい。従って、本発明の更なる実施形態においては、リピータユニットのリピータ信号モジュールは、望ましくは、リピータ送信信号を得るようリピータ受信信号を増幅する増幅器を有する。このような実施形態においては、リピータ送信信号は、より高い信号強度を有し、装置によってより良く検出され、従って、より遠い距離がカバーされることを可能にする。
既に上述されたように、記載される作動スイッチと組み合わされる受動的な信号検出及び変換に係る1つの特定の利点は、電子機器(例えば、リピータユニット)が、使用されない場合に電源から完全に切り離され得る点である。この非アクティブ化は、例えば、遠隔制御ユニットによって発せられた適切な信号の検出により起こってよい。しかし、これは、リピータ受信信号中の信号を認識するために、そのような信号の特定及び専用の回路の使用を必要とする。従って、本発明の特に好ましい実施形態においては、リピータユニットは、所定の時間存続期間が前記リピータ受信信号の検出の後に経過した後、時間に関連した出力信号を供給して、当該リピータユニットによって電流が引き込まれないように当該リピータユニットがリピータ電源から完全に切り離されている非アクティブモードへと当該リピータユニットを切り換えるよう前記リピータスイッチ作動信号を制御するタイマモジュールを有する。リピータ受信信号が検出されるたびに、タイマ又はカウンタがトリガされ得る。タイマ又はカウンタが所定値、例えば、5分若しくは30分に対応する値又は何らかの適切な値に達すると、リピータスイッチ作動信号は、リピータ電源からリピータユニットを切り離すよう駆動され得る。このように、ユーザは、リピータユニットが非アクティブにされるための何らかの付加的なステップを実行する必要がない。代替的に、更なる実施形態においては、タイマモジュールの機能は、最先端のタイプのスタンバイ動作モードと組み合わされてよく、それにより、制御信号間のインターバルにおいて、タイマが経過時間をカウントしている場合に、リピータユニットの他の回路は、その回路が中継すべき次の制御信号を待っている間最低限の電流量しか引き込まないように、スタンバイに置かれる。タイマが依然としてカウントしている間に他のリピータ受信信号が検出される場合に、これは、回路に、通常動作を再開させる、すなわち、制御信号を中継させる。如何なるリピータ受信信号も検出されることなく所定長さの時間が経過した場合には、タイマモジュールは、上述されたように、リピータユニットをゼロ電力状態へと切り換えるよう、リピータスイッチを制御することができる。
ユーザにフィードバックを供給するよう、リピータユニットは、リピータが作動しているかどうか、すなわち、リピータユニットの回路モジュールが電源へ接続されているかどうかを光で知らせるLEDを備えてよい。このように、ユーザは、リピータユニットが機能していると確信を持つことができる。例えば、所定長さの時間が経過した後に、リピータ電源が再び切り離される場合には、LEDも自動的にオフされる。
無線信号を交換する装置間の干渉を最小限とするために、無線通信は、とりわけ、異なるタイプの装置によって使用されるよう周波数バンドを割り当てる規格によって、管理される。例えば、ローカル又はパーソナルエリアネットワーク(LAN又はPAN)における無線通信は、最大でも100メートル範囲を有し、ISM(International Scientific Medical)周波数バンドにおいて達成されてよい。従って、本発明の特に好ましい実施形態においては、遠隔制御ユニットによって生成されて、リピータユニットによって再送信される電磁気信号は、ISM周波数バンドにある周波数を有する高周波信号を有する。幾つかのそのようなバンドが、2.45ギガヘルツ(GHz)、915メガヘルツ(MHz)、又は5.8GHzにおいて中心周波数を有して利用可能である。
本発明に従うシステムが使用されている用途、又はリピータユニットと装置との間の距離に依存して、他の周波数バンドが使用されてよい。例えば、システムのリピータユニットは、短距離(ブルートゥース)、中距離(ジグビー)、又は長距離(DECT,GSM)の通信システム用途に対応した周波数で動作するよう実現されてよい。そのような環境で使用されることを目的とする装置は、ここで記載されるシステム及び方法に従うゼロ電力機能により容易に拡張され得、それにより、そのような環境における全体の電力消費量は、機器が遠隔制御によって真のオフ状態にスイッチオフされて再びスイッチオンされることを可能にすることによって、有利に低減可能である。
遠隔制御ユニットにおいて生成される無線周波数信号は、連続的に、すなわち、中断のない連続的な信号として生成され得る。しかし、本発明の好ましい実施形態においては、信号はパルス状の高周波数信号を有する。すなわち、遠隔制御ユニットの信号発生器は、当業者に知られているように、おそらく適切なキャパシタを用いて、一連の高周波パルスを出力する。この技術の利点の1つは、信号発生器に給電するバッテリの寿命が延びる点である。更に重要なことには、パルスは、電気信号のエネルギ、すなわち、振幅が有効に増大されることを可能にし、それにより、スイッチング工程の信頼性は改善される。同時に、信号が安全規格を満足するように、信号の全体的な平均エネルギ値が突破されないことが確かにされ得る。また、この技術は、信号範囲が広げられることを可能にする。先と同じく、このようにして生成される信号は、所定の存続期間を有することができ、あるいは、ユーザが遠隔制御ユニットにより適切な動作を行う限りは生成されてよい。本発明に従うリピータユニットは、望ましくは、そのようなパルス信号を再送信するよう実現される。例えば、信号は、リピータユニットによって変更なしに再送信され得、あるいは、上述されたように増幅されてもよい。
従って、本発明の特に好ましい実施形態においては、リピータ受信信号の性質に関わらず、リピータ送信信号の情報コンテンツは、リピータ受信信号の情報コンテンツに対応する。言い換えると、信号モジュールは、リピータ受信信号に含まれるあらゆる情報がリピータ送信信号に置いて転送されるように、実現される。例えば、リピータ受信信号に置いてエンコードされている何らかの装置識別子、装置コード、変調情報等は、望ましくは、リピータ送信信号においてもエンコードされる。
既に上述されたように、本発明に従うシステム及び方法は、ユーザが複数の装置を制御することを可能にするよう用いられ得る。手持ち式の遠隔制御ユニットが複数の装置を制御するために利用可能であり、例えば、ユーザは、コマンドがテレビ受像機、衛星受信機等に向けられるべきかどうかを選択することができる。そのような遠隔制御ユニットは、異なる周波数で変調された制御信号を生成してよく、相異なる周波数が特定の装置と関連づけられる。代替的に、異なる装置のための制御信号は、前記制御される装置のための装置識別情報、例えば、装置識別コードを搬送するよう変調されたキャリア信号を有してよい。そのような装置識別コードは、例えば、当業者によく知られているRFID(radio-frequency identifier)タイプであってよい。そのような識別手段は、複数の装置が本発明に従う方法を用いる遠隔制御ユニットによって制御される場合に、すなわち、より具体的に、単一の遠隔制御ユニットが1よりも多い装置を制御するために用いられる場合に、有利でありうる。そのような場合において、遠隔制御ユニットは、異なる装置をアドレッシングするための異なるボタンを備えることができ、この遠隔制御ユニットによりアクティブ又は非アクティブにされる装置ごとに、作動スイッチは、装置識別情報に基づき開かれる又は閉じられる。従って、本発明の更なる好ましい実施形態においては、受信信号は、装置識別コードを決定するようデコードされ、装置電力スイッチは、その装置識別コードに基づき作動する。例えば、リピータによって転送される信号は多数の装置の遠隔制御インターフェースユニットによって受信されてよいが、信号が向けられている装置の装置電力スイッチのみが実際には作動する。
更にこの概念によれば、本発明に従うシステムは、装置制御信号のインテリジェント転送を可能にすることができる。これは、ジグビーシステムと同じように、複数のリピータユニット及び制御可能な多くの装置を用いるシステムにおいて有利でありうる。装置は、例えば、オフィスビルにおける、照明器具、電子ドアロック、換気装置等であってよい。このような場合おいて、本発明に従うリピータユニットは、望ましくは、装置制御信号が向けられている装置がリピータユニットの範囲内にある場合にのみ装置制御信号を再送信するよう実現される。リピータユニットの範囲は、その送信範囲であってよいが、その論理的範囲であってもよい。例えば、ジグビー又は同様の環境においては、リピータユニットは、信号が向けられている装置が当該リピータユニットによっては到達し得ない場合には、検出された信号を転送しないよう選択してよい。このために、システムのリピータユニットは、各リピータユニットが、どの装置が自身の送信範囲内にあるのかを知るように、初期設定ステップにおいて設定されてよい。次いで、リピータユニットによって検出された信号はデコードされて、信号に含まれる装置コードが、当該信号がリピータユニットの範囲内の装置に向けられていることを示している場合にのみ、再送信される。そのようなシステムにおいて、装置制御信号は簡単な手持ち式の遠隔制御ユニットからは発せられず、例えば、無線周波数送信器へ接続されているコンピュータを用いて、システムコントローラによって生成されてよい、と考えられる。
既に述べられたように、装置制御信号は、最初は、遠隔制御ユニットによって生成され、その送信アンテナによって送信される。最も簡単なタイプのアンテナは、送信される信号のエネルギも全ての方向において分配されるように、全ての方向において放射する。その結果として、信号エネルギのごく一部しか検出アンテナ(この場合には、リピータユニットの受信アンテナ)に到達しないことが起こる。従って、そのような信号は、確実に検出されるために、十分な振幅を有していなければならない。そのような簡単なアンテナの一例はダイポールアンテナである。しかし、無線信号の範囲は、当業者に知られているように、指向性アンテナが用いられる場合に広げられ得る。短距離無線通信における使用に適した最先端のアンテナの例は、パッチアンテナ又はマイクロパッチアンテナである。代替的に、例えば、国際公開第2005/086281(A1)号パンフレットに記載されているように、フェーズドアレイアンテナが使用されてもよい。従って、本発明に従うシステムにおいては、遠隔制御ユニットの送信アンテナは指向性アンテナを有してよく、それにより、送信される信号のエネルギは、本質的に、1つの主たる方向に集中する。ユーザは、信号がリピータユニットによって確実に検出されるために、(最も近い)リピータユニットの一般的な方向に遠隔制御ユニットを向ける必要しかない。
更なる好ましい発展において、送信アンテナの放射特性は、受信アンテナの放射特性と整合される。これは、遠隔制御ユニット/リピータユニット;リピータユニット/リピータユニット;及びリピータユニット/被制御装置のための送信/受信アンテナ対に適用される。本発明に従うシステムにおける1又はそれ以上のそのようなアンテナ対においては、送信アンテナの放射特性は、送信アンテナから発せられる電磁放射が対応する受信アンテナによって最適に検出されるように、対応する受信アンテナの放射特性と整合される。例えば、放射特性は、その場合に送信/受信アンテナ対において整合される偏光特性を有してよい。
本発明に従うリピータユニットは、受信及び送信機能を有する。基本的に、リピータユニットは、自身が受信したのと同じ信号を再送信する。従って、本発明の更なる好ましい実施形態においては、リピータユニットは、受信機能と送信機能との間で共有される1つのアンテナを有する。リピータユニットが本質的に同時に信号を受信し且つ増幅後に同じ信号を再送信することを可能にするよう、適切な電子スイッチが用いられてよい。代替的に、4分の1波変換が、共有アンテナの使用を可能にするために、リピータ受信信号に対して行われてよい。
本発明の他の目的及び特徴は、添付の図面に関連して検討される以下の詳細な記載から明らかになるであろう。なお、当然に、図面は、本発明の限定の定義としてではなく、単に例示のために設計されている。
スタンバイモードにおける最先端の遠隔制御ユニット及び最先端の装置を示す。
本発明に従うシステムの第1実施例を示す。
本発明に従うシステムの第2実施例を示す。
本発明に従うシステムの第3実施例を示す。
本発明に従うシステムの第4実施例を示す。
本発明に従うリピータユニットの実施例を示す。
本発明に従うリピータユニットにおける信号変換ユニットの第1実施例を示す。
図7aの回路について電圧対電力比のグラフを示す。
本発明に従うリピータユニットにおける信号変換ユニットの第2実施例を示す。
図8aの回路について電圧対電力比のグラフを示す。
本発明に従うシステムにおける被制御装置の遠隔制御インターフェースユニットにおける信号変換ユニットの実施例を示す。
図9aの回路について電圧及び電流対電流比のグラフを示す。
図面において、同じ参照符号は、全ての図を通して同じ対象を指し示す。図中の対象は、必ずしも実寸で描かれているわけではない。
図1は、遠隔制御可能な装置1(この場合には、テレビ受像機)と、遠隔制御ユニット2とを備える従来の場合を示す。遠隔制御ユニット2は、通常は、装置8から可変な距離dでユーザ(図示されず。)によって操作される。ユーザは、装置8をオンし、装置設定を変更し(例えば、チャネルを変更し、又はラウドスピーカの音量を調整し)、又は装置8をスタンバイモードに置くよう、遠隔制御ユニット2の特定のボタンを押す。図示されている従来の遠隔制御ユニット2は、電磁放射4として送信される無線周波数制御信号を発生させることによって、操作する。遠隔制御ユニット2が装置8に向けられている場合に、信号4は、装置8の適切なインターフェース6によって検出され、適切な装置制御信号へと変換され得る。この従来のシステムにおいて、装置8は、距離dが遠隔制御ユニット2の範囲Rを超えない場合にのみ、遠隔制御ユニット2によって発せられた信号を検出することができる。言い換えると、ユーザが、装置8が遠隔制御ユニット2の範囲Rの外にあるほど装置8から遠隔制御ユニット2を離す場合には、遠隔制御ユニット2によって発せられた如何なる信号も、もはや装置8の遠隔制御インターフェース7によって容易に検出可能でないほど減衰している。
装置8は、メインソケット7によって図中に示されている電源から電流を引き込む。スタンバイモードにあるとき、装置8は、インターフェース6が、遠隔制御ユニット2からの作動信号4に反応することができるのに少量の電力しか必要としないので、主電源から完全に切り離されている。更に、少量の電流が、装置8がスタンバイモードにある限りは光を発する典型的なスタンバイLED5によって、連続的に引き込まれる。ユーザが装置8を、使用されない場合に、電源から完全に切り離したいと望む場合には、ユーザは、例えば、装置8自体のオン/オフボタンを押すことによって、又は装置8の電源プラグをメインソケット7から抜くことによって、これを直接に行わなければならない。
図2は、本発明に従うシステム1の第1実施例の図を示す。システム1の主たる要素は、リピータユニット10、被制御装置D、及び無線周波数信号によって装置制御コマンドを発する遠隔制御ユニット30である。遠隔制御ユニット30は、通常のタイプの手持ち式ユニットであってよい。装置Dは、主電源P20へ接続されている家庭用電子機器(例えば、テレビ受像機、衛星受信機、照明器具、等)のような如何なる適切な装置であってもよく、ここでは、動作中の装置Dの負荷に相当する実効負荷24を有するように示されている。また、装置Dは、例えば、ジグビー又はブルートゥースセットアップにおいて制御可能な如何なる装置であってもよい。明りょうさのために、遠隔制御ユニット30、リピータユニット10及び装置10の関連する構成要素は、それらの機能がより良く説明され得るように、他の構成要素に対して強調されている。
リピータユニット10は、本質的に遠隔制御ユニット30と被制御装置Dとの間に置かれている小型ユニットであってよい。例えば、リピータユニット10は、目立たないように天井に取り付けられてよい。リピータユニット10は、それ自身の電源P10を有する。電源P10は、バッテリ、太陽電池、又は主電源等の如何なる適切な電源であってもよい。使用されない場合、すなわち、リピータユニット10が非アクティブである場合に、それはリピータ電源P10から完全に切り離されている。使用される場合、すなわち、リピータユニット10がアクティブである場合に、以下で詳細に説明されるように、リピータ電源P10は、動作するために電源を必要とするリピータユニット10のモジュールへ接続される。
遠隔制御ユニット30は、例えば、バッテリパック32、圧電センサ等を用いて、通常通りに給電され得る。装置Dの機能を選択するよう、ユーザ(図示せず。)は、遠隔制御ユニット30のインターフェース31(例えば、ボタンの配列)を使用することができる。ボタンが押されると、対応する制御信号33は、電力を信号発生器36に接続するようスイッチ34に作用し、信号発生器36に電気信号35を発生させる。次いで、電気信号35は、遠隔制御ユニット30の送信アンテナT30を然るべく共振させ、それにより、電磁放射EM1が送信アンテナT30によって送信される。信号発生器36は、ユーザがインターフェース31上のボタンを押下している限り、(信号エネルギを増大させる)パルス状信号として、又はRFIDのような装置識別情報を伝えるよう変調されたキャリア信号として、連続的に電気信号35を生成することができる。当業者には、どのように適切な信号発生器36がそのような機能を実行するために実現され得るのかが知られており、それにより、それらについてはここでこれ以上詳述される必要はない。
遠隔制御ユニット30によって送信される電磁放射EM1はリピータユニット10に到達し、リピータユニット10では、検出器R10(この場合には、リピータ受信アンテナR10)は、ACリピータ受信信号11が生成されるように、然るべく共振させられる。リピータ受信信号11は、信号変換ユニット12において、DCリピータスイッチ作動信号13へと受動的に変換される。リピータユニット10が従前非アクティブであった場合には、スイッチS10は開放状態にある。すなわち、リピータ電源P10は、従前、リピータユニット10のモジュールから切り離されており、それにより、リピータユニット10のいずれの部分も全く電流を引き込んでいなかった。しかし、リピータスイッチ作動信号13が記載されるように生成されると、スイッチS10は閉じられ、リピータユニット10のモジュールは電源P10へ接続される。
リピータ受信信号11は、本質的にはユーザ入力に応答して生成される制御信号33に対応し、次いで、制御信号33が向けられた装置Dへリピータユニット10によって転送され得る。このために、リピータ受信信号11は、リピータユニット10の信号モジュール14へ送られる。信号モジュール14では、リピータ受信信号11は、リピータ送信信号15を与えるよう増幅され、又は別なふうに処理され得る。次いで、リピータ送信信号15は、リピータ送信アンテナT10によって、電磁放射EM2として送信される。
関連するモジュール14における電気及び電子部品、すなわち、リピータユニット10のT10の適切な選択によって、送信される電磁放射EM2は、少なくとも、遠隔制御ユニット30によってそもそも送信された電磁放射EM1と同じエネルギを有することができる。例えば、信号モジュール14は、増幅器を有してよい。このように、遠隔制御ユニット30と装置Dとの間の、無線周波数装置制御信号によってカバー可能な範囲は、作動するリピータユニット10の側で如何なる有意な追加の電力消費も伴うことなく、有利に拡大され得る。これは、リピータユニット10が、遠隔制御ユニット30によって発せられた信号が受信アンテナR10によって検出された場合にのみ作動する、すなわち、電源P10へ接続されるためである。
装置側では、電磁放射EM2は、装置受信信号21を与えるよう、検出器(この場合には、受信アンテナR20)によって検出される。装置受信信号21は、装置の遠隔制御インターフェース20の装置制御インターフェース27によって、通常通りにデコード又は処理され、装置制御インターフェース27は、然るべく装置制御信号28を、例えば、装置Dがテレビ受像機である場合にはチャネルを変更し又は音量を調整する装置制御信号28を発生させる。そのような装置制御インターフェース27の機能は、当業者に知られており、ここでこれ以上詳細に記載される必要がない。
図3は、本発明に従うシステム1の第2実施例を示す。先と同じく、遠隔制御ユニット30は、装置Dを制御するために、電磁放射EM1の形で自由空間を通って制御信号を発するよう使用される。遠隔制御ユニット30と装置Dとの間のリピータユニット10は、遠隔制御ユニット30によって発せられた電磁放射EM1を検出し、それを装置Dへ転送することができる。
ここで、装置Dは、装置制御インターフェース27を有するのみならず、装置Dを電源P20へ完全に接続し又は装置Dを電源P20から完全に切り離すよう受動信号変換ユニット22及びスイッチS20を備えた遠隔制御インターフェースユニット20も有する。受動信号変換ユニット22及びスイッチS20の機能は、本質的には、リピータユニット10における対応するユニット12と同じである。実際に、リピータ信号変換ユニット12及び装置信号変換ユニット22における電気部品は同じであってよい。しかし、装置Dは、通常、より大きい負荷24を示すので、装置電源P20は然るべく選択されるべきである。
図示されているシステムは、装置Dも使用されていないとき(例えば、ユーザが遠隔制御ユニット30のオフボタンを押した場合)に電源P20から完全に切り離され得、且つ、遠隔制御ユニット30によって発せられた無線周波数装置オン/オフ信号を増幅して再送信するリピータユニット10のおかげで、従来の遠隔制御ユニット30を用いて可能であるよりも長い距離にわたって(例えば、ユーザが遠隔制御ユニット30のオンボタンを押した場合に)、依然として、遠隔制御ユニット30によって発せられる信号によって容易にアクティブにされ得るという利点を有する。
装置制御信号によってカバー可能な範囲は、システムの遠隔制御ユニット及び装置の間で更なるリピータユニットを使用することで、更に拡大され得る。図4は、そのような実施形態の例を示す。ここで、遠隔制御ユニット30は、ユーザ入力を、遠隔制御ユニット30に最も近い第1のリピータユニット10によって検出される電磁放射EM1に変換する。この第1のリピータユニット10は、信号を検出し、増幅し、電磁放射EM2として再送信する。次いで、電磁放射EM2は、遠隔制御ユニット30から更に離れているが装置Dにより近い第2のリピータユニット10によって検出される。この第2のリピータユニット10は、信号を増幅して、電磁放射EM2’として再送信する。電磁放射EM2’は、最終的に、装置Dによって検出される。装置Dのオン/オフ状態及び制御信号の内容に依存して、装置Dの遠隔制御インターフェース20は、装置を電源に接続することができ、装置を電源から切り離すことができ、又は、ユーザによって選択された機能に従って装置を駆動するよう装置制御信号を生成することができる。また、図4は、同じ遠隔制御ユニット30によって制御可能な第2の装置D’を示す。ここで、第2の装置D’は、第1のリピータユニット10によって発せられた電磁放射EM2を検出することができる。
図5は、本発明に従うシステム1の第4実施例を示す。先と同じく、遠隔制御ユニット30は、装置Dを制御するために使用される。遠隔制御ユニット30と装置Dとの間のリピータユニット10は、遠隔制御ユニット30によって発せられた電磁放射EM1を検出し、それを装置Dへ転送することができる。
この実施例では、遠隔制御ユニット30は、赤外線ダイオード38を備えた赤外線インターフェース37を有する。遠隔制御ユニット30は、上述されたような無線周波数信号発生器36及び送信アンテナT30を更に有する。明りょうさのために、遠隔制御ユニット30のバッテリは図示されていないが、含まれていると理解される。ここで、遠隔制御ユニット30は、送信アンテナT30による送信のための無線周波数装置オン/オフ信号33と、赤外線ダイオード38による送信のための赤外線装置機能制御信号39とを生成することができる。これらの信号33及び39は、例えば、オン/オフボタン、チャネル選択ボタン等の専用のボタンの使用によって、通常の態様で、ユーザインターフェース31において生成されてよい。
装置Dは、遠隔制御ユニット30から発せられる赤外線信号を検出して解釈するための赤外線装置制御インターフェース27のみならず、図3において上述されたように、装置Dを電源P20から完全に切り離すための遠隔制御インターフェース20及びスイッチS20も有する。第2の信号変換ユニット22は、装置受信信号21を装置スイッチ作動信号23に変換する。
また、リピータユニット10は、遠隔制御ユニット30と、本例では赤外線インターフェースしか有さない装置Dとの間の範囲を拡大するためにも使用されてよい。このために、リピータユニット10は、上記の無線周波数インターフェースに加えて、赤外線信号を受信して中継するための赤外線インターフェース(図示せず。)を更に備えてよい。このように、そのようなリピータユニット10は、遠隔制御ユニット30から発せられた赤外線信号を容易に検出することができ、且つ、それらを対象の装置Dに向け直すことができる。明らかに、LOSは、そのような遠隔制御ユニット30とリピータユニット10との間、及びリピータユニット10と装置Dとの間に必要とされる。
図2乃至5を用いて上述されたリピータユニットの実施形態において、スイッチS10は、リピータ受信信号11が検出される限りは閉じられ得る。リピータ受信信号11がゼロ(null)レベルに達すると直ぐに、スイッチは再び開くことができる。しかし、ユーザと装置との間の遠隔制御相互作用の性能を高めるために、より長い存続期間の間スイッチS10を閉じられたままとする方が都合がよい。本発明の目的、すなわち、電力消費量を最小限に保ちながら遠隔制御システムにおける補償範囲の拡大及びユーザ相互作用の改善を提供することは、所定の存続期間の後に、自身をオフすることができる、すなわち、自身の電力スイッチを開くことができるリピータユニットによって、更に高められ得る。そのようなリピータユニット10の実施形態が図6に示されている。ここで、リピータユニット10は、既に記載された構成要素及びモジュール、すなわち、信号変換ユニット12と、リピータスイッチS10と、受信アンテナR10及び送信アンテナT10と、信号発生器14とに加えて、付加的なタイマモジュール17を有する。上述されたように受信アンテナR10によって検出されてリピータスイッチ作動信号13へと受動的に変換された信号は、スイッチS10を作動させる。スイッチS10は、図において破線によって囲まれているリピータユニット10の非受動部品へ電力を供給する。従って、スイッチS10が閉じられると、タイマモジュール17はトリガされる。タイマモジュール17は、時間制限に対応する記憶された所定の上限値を有するカウンタを有してよい。所定値に達すると、タイマモジュール17は、スイッチS10を再び開かせるように、スイッチ制御信号16を発する。このように、リピータユニット10は、最後に検出されたリピータ受信信号後に所定時間(例えば、2、3分)が経過した後、電源P10から完全に切り離され得る。これは、遠隔制御ユニット30からの連続した制御信号が、リピータユニット10を電源P10から切り離すことなく、装置Dへ再送信されることを可能にすることができる。そのような時間存続期間は、ユーザがホームエンターテイメントシステムを設定する(例えば、CDプレーヤをオンしてトラックを選択する、又はテレビ受像機及び衛星受信機をオンしてチャネルを選択する)のに十分である。その後、リピータユニット10は、非アクティブ状態でもう一度休止し、電源P10から切り離され得る。次にユーザが遠隔制御ユニット(図示せず。)のボタンを押したときに、スイッチS10は再び閉じられ、リピータユニット10はもう一度アクティブにされる。
以下では、図7a、7b、8a、8b、9a及び9bが、遠隔制御ユニットの送信アンテナによって送信されてリピータユニットによって検出される制御信号から派生する電磁放射レベルを例示することによって、リピータユニットにおける受動信号変換を記載するために使用される。なお、当然、記載されている回路は、リピータユニットから発せられて被制御装置の遠隔制御インターフェースユニットにおける受信アンテナによって検出される電磁放射に対する信号変換にも同じく適切に適用されてよい。リピータユニット及び遠隔制御インターフェースユニットのいずれにおいても、受動信号変換回路は、以下で記載されるように実現され得る。しかし、スイッチの選択は、被制御装置によって示される実効負荷に依存しうる。この実効負荷は、リピータユニットのものよりも著しく大きいことがある。
図7aは、被制御装置NO遠隔制御インターフェースユニット又はリピータユニットにおいて使用される受動変換ユニットの第1実施例を示す。ここで、電磁放射EM1は、検出アンテナR10によって検出される。検出アンテナR10は、受信側において誘導AC信号を与えるよう共振する。次いで、誘導AC信号は、リピータ受信信号11を与えるよう、(1.5ピコファラッド(pF)のキャパシタンスを有する)デカップリングキャパシタ100によってデカップリングされる。リピータ受信信号11は、整流ダイオード101(例えば、アジレントテクノロジーのHSMS285xシリーズ・ショットキーダイオード)によって整流される。その後、47pFのキャパシタンスを有する平滑キャパシタ103が、リピータスイッチ作動信号13を与えるよう、整流された出力を平滑化する。10キロオーム(kΩ)の抵抗を有する小さな抵抗器102は、最低限の電流が受動変換ユニットを流れることを可能にする。動作中に電源P10から電流を引き込むリピータユニット10の要素は、抵抗負荷14によって表される。
図7bは、送信アンテナT30によって送信される電磁放射EM1の電力比(単位dBm)に対する、平滑キャパシタ103の両端で測定される電圧U(単位V)のグラフを示す。グラフから明らかなように、遠隔制御ユニット30が20dBmで電磁放射EM1を供給する場合には、約1.77Vの電圧が平滑キャパシタ103の両端で得られる。この電圧は、MEMSスイッチS10を作動させるのに十分である。このスイッチS10が閉じられると、負荷14は電源P10へ接続され、スイッチS10が開かれると、負荷14は電源P10から切り離される。
より高い電圧の整流信号は、図8aに示されるような代替だの受動変換ユニットを用いて得られる。ここで、共振回路は、デカップリングキャパシタ100(1.5pF)とともに22ナノヘンリ(nH)のインダクタンスを有するインダクタ105によって、与えられる。それらの値は、受信器側で引き起こされる信号周波数が本質的に送信側での信号周波数と同じであるように、共振回路のためのよく知られている式:fc=1/(2π√(LC))を用いて選択される。ここで、Lは共振回路のインダクタのインダクタンスであり、Cは共振回路のキャパシタのキャパシタンスである。部品105及び100の値は、引き起こされる信号の周波数fcが本質的に遠隔制御ユニット30で生成される信号の周波数と同じであるように、選択される(この場合に、876MHz)。共振回路の後には、同じ整流器回路部品、すなわち、図7aにおいて上述された整流ダイオード101及び平滑キャパシタ103が続く。
この回路は、送信側で必要とされる信号エネルギレベルがより低い一方で、平滑キャパシタ103の両端でより高い電圧を生じさせる。この例においても、MEMS(micro-electromechanical system)がスイッチS10に対して用いられてよい。図8bのグラフから明らかなように、約1.76Vの電圧が、ほんの10dBmの信号電力で達成される。これは、有利に、図7aの回路を用いて得られる値と対照的である。このことは、スイッチS10が、送信側での信号電力が比較的低い場合でさえ、確実に且つ正確に切り換えられ得ることを意味する。
また、リピータユニットは、考えられる限りでは、バッテリ又は太陽電池の代わりに、主電源へ接続されてもよい。そのような実施形態では、MEMSスイッチによって許容されるよりも高い電圧を切り換える必要があり、そのため、図9aに示されるように、半導体スイッチが用いられてよい。この例では、半導体スイッチは、トランジスタスイッチS10(例えば、アジレントテクノロジーのHBFP0450)を有する。トランジスタスイッチS10は、より重い負荷を切り換えることができる。この点において、本例における回路は極めて簡単にしか概説されておらず、且つ、他の構成要素及び回路がリピータユニットを主電源P10から切り離し、又は低電圧半導体回路を装置側の高電圧回路とインターフェース接続するために必要とされることが強調される。このことは、当業者に知られており、ここでは詳細に記載される必要がない。
図9bは、dBmにおける電力比に対する電圧U(単位V、実線)及び負荷電流I(単位mA、破線)の対応するグラフを示す。グラフから明らかなように、ほんの10dBmの信号電力でさえ、平滑キャパシタ103の両端で0.915Vの電圧を得て、28mAの電流が負荷14を流れることを可能にするには十分である。電圧及び電流の得られた値は、夫々、20dBm(0.937V、29mA)及び30dBm(0.962V、29mA)の信号電力比について得られる値よりもほんの僅かに小さい。
この回路解決法は、また、リピータユニット10がオフされる場合に、リピータユニット10を主電源P10から切り離す。リピータユニット10がオフされる場合に、この回路は如何なる電流も引き込まない。リピータユニット10がオンされた場合にのみ、従来の解決法に従ってスタンバイモードにある典型的な電子機器によって消費されるスタンバイ電力と比較して無視可能な、少量の電力が半導体回路によって消費される。
本発明は、多数の好ましい実施形態の形で開示されてきたが、当然、更なる変更及び変形が、本発明の適用範囲を逸脱しない範囲内で、記載される実施形態に対して行われてよい。例えば、リピータユニット又は遠隔制御インターフェースユニットに到達する信号は、特定の条件下では、比較的弱いことがある。弱入力信号は、対応して低いDC信号レベルをもたらし、そのため、信号は、例えば、スイッチを作動させるのに十分な強さを有さないことがある。従って、リピータユニット又は遠隔制御インターフェースモジュールの整流器出力での弱DC信号は、より強い出力信号を供給するよう適切な電圧ダブラー又は電圧乗算器を用いて信号変換ユニットにおいて昇圧されてよい。そのような電圧乗算器の例は、キャパシタ及びダイオードの配置を有するヴィラード(Villard)カスケード回路である。当業者には明らかなように、他の代替の電圧ダブラー回路も可能である。
明りょうさのために、本願を通じて“1つの(a又はan)”の使用は複数個を除かず、“有する(comprising)”は他のステップ又は要素を除かないことが理解されるべきである。“ユニット(unit)”及び“モジュール(module)”は、別なふうに述べられない限りは、多数のユニット又はモジュールを有してよい。