JP2012520333A - 芳香族カルバメートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ZnO(OAc)を触媒として用いることを特徴とする、触媒の存在下での芳香族アミンと有機カーボネートとの反応を含む芳香族カルバメートを製造するための方法を対象とする。

Description

本発明は、芳香族アミンおよび有機カーボネートから四核亜鉛触媒の存在下で芳香族カルバメートを製造するための新規方法に関する。
芳香族カルバメートは、フィトドラッグ、染料、医薬品およびポリウレタンの合成に用いる芳香族イソシアネートの製造に用いることができる有用な中間体である。
芳香族カルバメートの中でも、商業的観点から非常に興味深い芳香族カルバメートは、4,4’−ジアミノジフェニルメタンとして知られる4,4’−メチレンジフェニルアミン(MDA)、その異性体および/または同族体またはアニリンおよびホルムアルデヒドの酸触媒縮合/転移反応により得られる上記化合物の混合物、並びに2,4−トルエンジアミン(TDA)または2種類のTDA異性体2,4−TDAおよび2,6−TDAの工業混合物(約80/20混合物)から誘導されたカルバメートである。上記芳香族アミンは、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)およびトルエンジイソシアネート(TDI)の製造に用いられる。現在、これらのイソシアネートは、対応するアミンとホスゲンとのホスゲン化により工業的に製造される。
先行技術では、カルバメートの製造について、以下の式:
Figure 2012520333
で示される、芳香族アミンAr−NHと有機カーボネートRCOとの適当な触媒の存在下での官能基化に基づく方法が知られている。
芳香族ジアミンAr(−NHの場合には、ビスカルバメートが、2段階反応により形成され、各モノカルバメートが、以下の式:
Figure 2012520333
で示される第1段階において形成される。
有機カーボネートのアルキル化特性を考慮すれば、N−アルキル化は、N−アルコキシカルボニル化と競合し、その結果、N−アルキル化生成物が、該反応に従って形成され得る。
米国特許US−A−3763217では、ルイス酸は、有機カーボネートと芳香族アミンを反応させてカルバメートを製造するのに適した触媒であることが開示されている。以下の触媒が、この米国特許に開示される:SbCl、SbCl、SbCl、AlCl、SbF、FeCl、UO(NO、UO、UO、NbClおよびThCl
米国特許US−A−4268683には、少なくとも2.8のpKa値を有する一価有機化合物の亜鉛塩および二価錫塩が、米国特許US−A−3763217に開示される特定のルイス酸より高い収率および/または選択性によって所望のカルバメートをもたらすことが開示されている。とりわけ、以下の亜鉛化合物が開示されている:酢酸亜鉛、酢酸亜鉛二水和物、亜鉛ナフテネート、脂肪酸の亜鉛塩、亜鉛ピバレート、亜鉛ベンゾエート、亜鉛アクリレート、亜鉛p−クロロベンゾエート、亜鉛フェノキシド、亜鉛オキシアセテート((AcOZn)O)、塩化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、亜鉛ホルメート、亜鉛クロロアセテート、トリフルオロ酢酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、シュウ酸亜鉛およびアセチルアセトン酸亜鉛。
欧州特許出願EP−A−0065026では、カルバメートを、有機カーボネートおよび芳香族アミンから、反応条件にて反応混合物中に可溶性であり、および亜鉛ハライドまたは二価錫ハライド、少なくとも2.8のpKa値を有する一価有機化合物の亜鉛塩または二価錫塩、およびトリフルオロ酢酸の亜鉛塩または二価錫塩からなる群の1種であるルイス酸触媒の触媒量の存在下で製造する方法が開示されている。亜鉛塩の中でも、以下のものが記載されている:塩化亜鉛、酢酸亜鉛、酢酸亜鉛二水和物、亜鉛オキシアセテート((AcOZn)O)、亜鉛ナフテネート、オクタン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、亜鉛ピバレート、亜鉛アクリレート、亜鉛p−クロロベンゾエート、亜鉛フェノラート、亜鉛ホルメート、亜鉛クロロアセテート、アセチルアセトン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛およびトリフルオロ酢酸亜鉛。
Baba等の論文、Catalytic Synthesis of Dimethyltoluene−2,4−dicarbamate by the Methoxycarbonylation of 2,4−Toluenediamine with Dimethyl Carbonate Using Zn(OAc)2HO、Science and Technology in Catalysis、2002年、149には、対応するジカルバメートを得るための、アミンMDAおよびTDAとジメチルカーボネートとの触媒としての金属塩の存在下での反応が開示されている。幾つかの亜鉛、錫、鉛およびビスマスの塩が開示されている。また、金属塩の選択は、カルバメートの形成について重要であることが開示されている。触媒の中でも、幾つかの亜鉛カルボキシレートは触媒活性を示し、他のものは不活性であった。例えばTDAとジメチルカーボネートとの反応では、触媒としての酢酸亜鉛二水和物は92%のジカルバメートを生じ、プロピオン酸亜鉛は20%であるのに対し、亜鉛ホルメートは不活性であった。
Baba等の論文、Catalytic methoxycarbonylation of aromatic diamines with dimethyl carbonate to their dicarbamates using zinc acetate、Catalysis Letters、2002年、第82巻(3−4)、第193〜197頁には、ジカルバメートの、触媒としての酢酸亜鉛二水和物、Zn(OAc)2HOまたは酢酸亜鉛、Zn(OAc)を用いるTDAおよびMDAとジメチルカーボネートとのメトキシカルボニル化による製造方法が開示されている。水和触媒を用いるTDAとジメチルカーボネートとのメトキシカルボニル化における収率は、92%であり、非水和触媒を用いるTDAとジメチルカーボネートとのメトキシカルボニル化における収率は、98%である。MDAの場合には、触媒としての酢酸亜鉛二水和物での収率は98%である。
Baba等の論文、Characteristics of methoxycarbonylation of aromatic diamine with dimethyl carbonate to dicarbamate using zinc acetate as catalysts、Green Chem.、2005年、第7巻、第159〜165頁には、芳香族アミン、TDAおよびm−フェニレンジアミンとジメチルカーボネートとの、触媒としての酢酸亜鉛二水和物の存在下での反応が開示されている。
EP−A−1268409には、2種のTDA異性体2,4−TDAおよび2,6−TDAの80/20混合物とジメチルカーボネートとの反応による芳香族カルバメートを製造するための連続法における触媒としての酢酸亜鉛二水和物の使用が記載されている。他の化合物の中でも、Zn塩(例えば酢酸亜鉛または酢酸亜鉛二水和物)は、芳香族カルバメートの、2種のTDA異性体2,4−TDAおよび2,6−TDAの80/20混合物のような芳香族アミンとジメチルカーボネートとの反応による合成のための触媒としてEP−A−1255728に記載されている。
特にSn、ZnまたはPbの化合物または塩は、EP−A−520273における2,4−TDAまたは2種のTDA異性体2,4−TDAおよび2,6−TDAの工業混合物とジエチルカーボネートとの反応のため、またはEP−A−510459におけるMDA(すなわち、4,4’−MDA、その異性体および/または同族体またはアニリンおよびホルムアルデヒドの酸触媒縮合/転移反応により得られる上記化合物の混合物)とジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートのようなジアルキルカーボネートとの反応のための触媒として記載されている。
欧州特許出願EP−A−1958940には、一般式Zn(OCOR7)Z2(式中、R7は、必要に応じて置換されたアルキル基または必要に応じて置換されたアリール基を表し、Z2は、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表し、「a」は1または4を表し、「b」は2または6を表し、および「c」は0または1を表し、但し、「a」が1である場合、「b」は2「c」は0であり、および「a」が4である場合、「b」は6および「c」は1である)により定義された金属触媒の使用を含む、アゾリン、シアノアゾリン、対称および非対称ビスアゾリン、アミド、ビスアミド、シアノアミドおよびペプチドを製造するための方法が開示される。以下の亜鉛塩がこの特許出願に開示される:酢酸亜鉛、トリフルオロ酢酸亜鉛、アセトアセトネート亜鉛、アセチルアセトン酸亜鉛、亜鉛トリフルオメタンスルホネートおよび亜鉛p−トルエンスルホネート。また、多核亜鉛クラスター、例えばZn(OAc)O、Zn(OCOEt)O、Zn(OPv)O、Zn[OCO(CH16CHO、Zn(OCOPh)OおよびZn(OCOCFO(式中、Acはアセチル基を表し、Etはエチル基を表し、Pvはピバロイル基を表しおよびPhはフェニル基を表す)を触媒として用い得ることが開示されている。亜鉛クラスターZn(OAc)Oは、オキサゾリンおよびペプチドの製造に用いられる。しかしながら、EP−A1958940は、芳香族カルバメートの製造のための上記の触媒、例えばZn(OAc)O等の使用は開示も示唆もしない。
米国特許第3763217号明細書 米国特許第4268683号明細書 欧州特許出願第0065026号明細書 欧州特許出願第1268409号明細書 欧州特許出願第1255728号明細書 欧州特許出願第520273号明細書 欧州特許出願第510459号明細書 欧州特許出願第1958940号明細書
Baba外、「Catalytic Synthesis of Dimethyltoluene−2,4−dicarbamate by the Methoxycarbonylation of 2,4−Toluenediamine with Dimethyl Carbonate Using Zn(OAc)22H2O」、Science and Technology in Catalysis、2002年、第149巻 Baba外、「Catalytic methoxycarbonylation of aromatic diamines with dimethyl carbonate to their dicarbamates using zinc acetate」、Catalysis Letters、2002年、第82巻(3−4)、第193〜197頁 Baba外、「Characteristics of methoxycarbonylation of aromatic diamine with dimethyl carbonate to dicarbamate using zinc acetate as catalysts」、Green Chem.、2005年、第7巻、第159〜165頁
イソシアネート前駆物質としてのカルバメートの経済的重要性を考慮すれば、高収率および副生成物の少ない量でカルバメートを製造するための新規かつ改良された代替法を開発することが必要である。
従って、本発明の目的は、芳香族カルバメートを高収率において製造するための新規な方法を提供することである。かかる目的は、芳香族アミンと有機カーボネートとの、触媒としてのZnO(OAc)の存在下での反応を含む本発明による方法の提供により達成される。
図1は、Hiltunen等によりActa Chemica Scandinavica A、1987年、第41巻、第548頁に記載される四核クラスターZnO(OAc)の構造を示す。 図2は、実施例1(本発明による)と比較例による触媒としてのZnO(OAc)または酢酸亜鉛水和物の存在下でのMDAとジメチルカーボネートとの反応におけるモノ−およびビスカルバメートの形成の曲線を示す。
芳香族アミン
本発明の方法では、芳香族アミンは、好ましくは、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V):
Figure 2012520333
〔式中、各R、R1、R2、R3は、独立して、水素または8個まで、好ましくは4個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基(好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アルキレン基)またはヒドロカルビルオキシ基(好ましくはアルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアリール−オキシ基、アルキレン−オキシ基)であり、
Aは、1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する二価炭化水素基(すなわち、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基)であり、
nは、0または1の値を有し、nが0の場合には芳香族環はいずれも結合し、
mは、0または1以上の任意の自然数の値を有する〕
で示される芳香族アミンの群から選択される。
本発明の方法では、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)で示される芳香族アミンの2以上は、触媒としてのZnO(OAc)の存在下での有機カーボネートと反応させ得る。
より好ましくは、芳香族アミンは、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジン、2,5−キシリジン、4−エチルアニリン、3−プロピルアニリン、1,2−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン(2,4−TDA)、2,6−ジアミノトルエン(2,6−TDA)、2種類のTDA異性体2,4−TDAおよび2,6−TDA(約80/20混合物)の工業混合物、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(4,4’−MDA)、2,4’−ジアミノジフェニルメタン(2,4’−MDA)、2,2’−ジアミノジフェニルメタン(2,2’−MDA)、アニリンおよびホルムアルデヒドの酸触媒縮合/転移反応により得られ、4,4’−MDA、その異性体および高級同族体(通常、MDAまたはPMDAと称される)の混合物を含むジフェニルメタン系列のアミン、1,5−ジアミノナフタレン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
さらに好ましくは、芳香族アミンは、2,4−ジアミノトルエン(2,4−TDA)、2,6−ジアミノトルエン(2,6−TDA)、2種類のTDA異性体2,4−TDAおよび2,6−TDA(約80/20混合物)の工業混合物、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(4,4’−MDA)、2,4’−ジアミノジフェニルメタン(2,4’−MDA)、2,2’−ジアミノジフェニルメタン(2,2’−MDA)、アニリンおよびホルムアルデヒドの酸触媒縮合/転移反応により得られ、4,4’−MDA、その異性体および高級同族体(通常、MDAまたはPMDAと称される)の混合物を含むジフェニルメタン系列のアミン、1,5−ジアミノナフタレンからなる群から選択される。
芳香族アミンを出発物質として用いるだけでなく、脂肪族モノ−、ジ−および/またはポリアミン、混合脂肪族−脂環式モノ−、ジ−および/またはポリアミン、脂環式モノ−、ジ−および/またはポリアミンのような他の第1級アミンも適している。このようなアミンの特定の、非限定例は、メチルアミン、エチルアミン、プロピルの異性体、ブチルまたはペンチルアミンおよびその高級同族体、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパンのようなα,ω−ジアミノアルカンならびに例えば1,6−ジアミノヘキサンのようなその高級同族体、置換α,ω−ジアミノアルカン、シクロへキシルアミン、置換シクロヘキシルアミン、ジアミノシクロヘキサンの異性体、脂環式環上に置換基を有するジアミノシクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタンの異性体、イソホロンジアミン、ベンジルアミン、2−フェニルエチルアミン、1−フェニルエチルアミンである。
本発明の1つの実施態様では、反応は、単一アミンを用いて行う。他の実施態様では、2以上のアミンの混合物を出発物質として用いる。
本発明の方法では、適当な有機カーボネートは、環式および非環式有機カーボネートであり、これらは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、スチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネートおよびその混合物からなる群から好ましく選択される。
より好ましくは、有機カーボネートは、ジメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートからなる群から選択され、より好ましくは、有機カーボネートは、ジメチルカーボネート(Me)COである。
触媒
本発明の方法では、触媒は、ZnO(OAc)、いわゆる塩基性酢酸亜鉛またはヘキサキス(μ−アセテート)−μ−オキサテトラ亜鉛である。誤解を避けるために、官能基Ac−は、式CH−CO−である。この触媒は、異なった方法、例えば論文、Gordon等、Canadian Journal of Chemistry、1982年、第61巻、第1218頁に開示の方法により酢酸亜鉛水和物の昇華、または欧州特許EP−A−0049671に開示のZn金属と酢酸および過酸化水素との反応により製造し得る。Industrial and Engineering Chemistry Research、第22巻(1983年)、第380〜381頁は、酸化亜鉛と酢酸との反応からのZnO(OAc)の合成を記載する。Inorganica Chimica Acta、第181巻、(1991年)、第285〜289頁は、同じ方法を提案するが、溶媒としてCCl4を用いる。酢酸亜鉛水和物をエタノール中で沸騰させることもまた、ZnO(OAc)を製造する方法として、The Journal of Physical Chemistry B (2003年)、第107巻、第568〜574頁に記載されている。
方法
本発明の方法では、芳香族アミンおよび有機カーボネートを、四核亜鉛触媒の存在下で反応させる。
反応は、好ましくは80℃〜250℃の温度で、より好ましくは100℃〜230℃、さらに好ましくは150℃〜220℃の温度で行う。この温度が非常に低い場合には、反応速度は著しく低下することがあり、非常に高い反応温度では、収率および/または選択性を著しく低下させる望ましくない副反応の恐れが増加する。
本発明の方法の圧力は、選択反応温度にて発展する自己生成圧力である。本発明の方法の圧力は、選択反応温度にて発展する自己生成圧力である。あるいは、その圧力は、変更させるかまたは反応条件下で不活性の、窒素、希ガス、二酸化炭素または前述の化合物の混合物から選択することができるが、これらに限定されないガスを反応混合物に加えることにより調節することもできる。好ましくは、絶対圧は、約1〜50バール、より好ましくは約1〜40バール、さらにより好ましくは2〜30バール、特に好ましくは約3〜25バールである。
反応時間は、他の反応条件に依存し、定位実験により決定することができる。典型的には、反応時間は、12時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは1〜6時間、さらに好ましくは2〜4時間である。
反応は、好ましくは、反応物または生成物が分解しない条件下で行う。
反応物は、好ましくは、等モル塩基中で用いることができるか、または1つの反応物を他の反応物に対して過剰に存在させ得る。
好ましい実施態様では、芳香族アミンに対して過剰の反応物は、有機カーボネートである。この場合、過剰の有機カーボネートは、反応が完了すると容易に回収し得る。
通常、有機カーボネートと芳香族アミンに由来する第1級アミノ基とのモル比は、1:50、好ましくは1〜40、より好ましくは1:5〜35、さらにより好ましくは1:7〜30、特に好ましくは1:10〜25である。
用いる触媒の量は、通常、芳香族アミンと反応条件に依存する。用いる触媒の量は、触媒および芳香族アミンに由来する第1級アミノ基の亜鉛含有量に基づいて記載され、通常、第1級アミノ基100モル当たり0.001〜10モル亜鉛(すなわち、第1級アミノ基を基準に0.001〜10モル%)、好ましくは第1級アミノ基100モル当たり0.005〜8モル亜鉛、より好ましくは第1級アミノ基100モル当たり0.01〜5モル亜鉛、さらに好ましくは第1級アミノ基100モル当たり0.05〜3モルである。当然、より多い量の触媒もまた、適切と考えられる場合には適用することができる。より多い量の触媒は、適切と考えられる場合には反応器中に局所的に存在させることができる。
本発明によれば、上記方法は、更なる溶媒の使用に拘らず行うことができる。
本発明の好ましい実施態様によれば、上記方法は、更なる使用を用いずに行うことができる。この場合には、過剰のジアルキルカーボネートは、溶媒として働く。
本発明の他の好ましい実施態様によれば、上記方法は、更なる溶媒の存在下に行う。表現更なる溶媒には、単一の更なる溶媒ならびに2以上のさらなる溶媒の混合物の使用が含まれる。脂肪族および芳香族炭化水素およびそのハロゲン化誘導体は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、エーテル等の異性体のような適当な溶媒である。
適当な極性溶媒の種類の例としては、これらに限定されないが、ケトン、アミド、スルホキシド、スルホン、イオン液体が挙げられる。特定の実施例としては、これらに限定されないが、アセトン、ブタノン、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート([C−mim]BF)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート([C−mim]BF)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート([bmim]BF)等が挙げられる。
本発明の他の好ましい実施態様によれば、本発明の方法は、溶媒としてヒドロキシル成分R−OHの存在下で行う。この場合、該方法は、溶媒としてヒドロキシル成分R−OH(式中、前記ヒドロキシル成分R−OHの有機基Rは、反応物として適用されるジアルキルカーボネートのものと同じである)の存在下で好ましく行う。反応を従来法により促進させる溶媒に加えて、前記ヒドロキシル成分R−OHの存在は、副反応物を低下させ、生成物選択性を向上させるのを支援する。ヒドロキシル成分R−OHは、エチレングリコール、プロピレングリコール、スチレングリコール、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、フェノールおよびこれらの混合物からなる群から好ましく選択する。好ましくは、ヒドロキシル成分R−OHを選択して芳香族アミンおよび有機カーボネートの反応中に遊離したヒドロキシル成分R−OHに適合させる。
反応は、連続的に、半連続的にまたは回分式に行うことができる。原料および/または触媒の反応器への添加の順序は、重要ではなく、材料および触媒を添加する好ましい方法および/またはより有利な順序は、定位実験に決定することができる。さらに、反応中に形成されるヒドロキシル成分R−OHは、生成物側に反応平衡が連続的または断続的にシフトする適切な手段により反応器から取り出すことができる。
適切な反応器としては、これらに限定されないが、撹拌反応器、挿入物を有するまたは有さない管反応器、混合要素を有するかまたは有さない管反応器、再分散要素を有するまたは有さない管反応器、挿入物、混合要素および再分散要素を含む群の2以上の組み合わせを有する管反応器、反応カラム、または異なった反応器の適切な組み合わせが挙げられる。
得られる反応混合物は、反応器から取り出す。仕上げおよび/または生成物単離の方法は、任意の適切な技術/手段/プロセス工程により得られる。適切な技術/手段/プロセス工程としては、これらに限定されないが、蒸留、結晶化、ろ過、沈殿、傾斜法、遠心分離、抽出、膜処理を適用する分離もしくは他の方法、または2以上の前述の技術/手段の2以上の組み合わせによる方法が挙げられる。
同様に、触媒は、回収し、任意の適切な技術/手段/プロセス工程による方法において再生することができる。適切な技術/手段/プロセス工程としては、これらに限定されないが、蒸留、結晶化、ろ過、沈殿、傾斜法、遠心分離、抽出、膜処理を適用する分離もしくは他の方法、または2以上の前述の技術/方法の2以上の組み合わせによる方法が挙げられる。
記載した通り、出発材料、中間体、溶媒および/または触媒を回収し、適切と考えられる任意のプロセス工程に経路変更することができる。
意外にも、芳香族アミンおよび触媒としてZnO(OAc)を用いる有機カーボネートの反応は、高収率および選択性で芳香族カルバメートの製造を可能とする。N−アルキル化副生成物の量は、低い(通常、2%を超えない)。さらに、反応を開始する誘導期は、先行技術と比べて著しく低減される。
その場合、本発明により得られるカルバメートは、各イソシアネートの製造のための方法に好ましく用いる。好ましくは、イソシアネートは、カルバメートの熱処理(例えば50〜300℃少なくとも1分〜3時間)により得られる。従って、本発明はまた、第1工程において、芳香族カルバメートを、芳香族アミンと有機カーボネートとの触媒としてのZnO(OAc)の存在下での反応により製造し、次いで、第2工程において、第1工程において得られたカルバメートを熱処理(好ましくは50〜300℃少なくとも1分〜3時間)するイソシアネートの製造方法を対象とする。
図の説明
図1は、Hiltunen等によりActa Chemica Scandinavica A、1987年、第41巻、第548頁に記載される四核クラスターZnO(OAc)の構造を示す。四核クラスターでは、各亜鉛原子は、4つの酸素原子、異なった二座アセテート基からの3つの酸素原子および中央の酸素からの第4の酸素原子について、四面体的に調整される。
図2は、実施例1(本発明による)と比較例による触媒としてのZnO(OAc)または酢酸亜鉛水和物の存在下でのMDAとジメチルカーボネートとの反応における、モノ−およびビスカルバメートの形成の曲線を示す。モノ−およびビスカルバメートは、酢酸亜鉛水和物と比べた場合、より早くおよびZnO(OAc)を触媒として用いる場合にはより急な斜面で形成されることが確認される。最終生成物の収率は、いずれの場合にも極めて類似している。以下の記号を図2に用いる。
Figure 2012520333
ジメチルカーボネート(99%純度)およびジエチルカーボネート(99%純度)は、Aldrichから購入し、4Åモレキュラーシーブにより乾燥した。有機カーボネートの含水量分析を行い、水分濃度は、常に30ppmより下であった。
アニリン(99%純度)、2,4−ジアミノトルエン(98%純度)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(97%純度)およびZn(OAc)2HO(99%純度)をAldrichから購入し、更なる精製を行わずに用いた。
製造例−触媒ZnO(OAc)の製造
塩基性酢酸亜鉛、ZnO(OAc)を、Gordon等、Canadian Journal of Chemistry、1982年、第61巻、第1218頁に記載の方法により製造した。
酢酸亜鉛水和物(99%純度)を250℃および約0.08ミリバールにて6時間加熱して昇華固体を得た。
昇華により得られた触媒を、元素分析により更に特性評価した。C121813Znについての計算値は、22.81%Cおよび2.87%Hであり、23.02%Cおよび2.87%Hを検出した。
実施例1−MDAおよびDMCから誘導されたカルバメートの製造
0.5g(2.45ミリモル)の4,4’−ジフェニルメタンジアミン(MDA)、5.6g(61ミリモル)のジメチルカーボネート、および製造例において製造した3.9mgのZn(OAc)(0.0061ミリモル、MDAについて0.25モル%または存在するアミノ基を基準に0.125モル%)を、25mLオートクレーブ中にテフロン製容器中にマグネチックスターラーと共に設置した。
雰囲気を窒素でパージし、オートクレーブを180℃の内部温度に達するまで(約40分)予備加熱し、次いで該混合物を、この温度で2時間維持した。180℃にて生成した自己生成圧は、8バールである。該混合物を810rpmで撹拌した。
次いで、オートクレーブを加熱マントルから取り出し、室温にて30分間冷却し、その後、氷水浴中で冷却した。
MDAの変換および生成物の収率は、較正曲線を用いてHPLCにより決定した。
MDA変換は99%より高く、ビスカルバメートの97%収率、モノカルバメートの1%の収率および1%未満のN−アルキル化生成物を得た。
実施例2〜7−試薬および触媒の異なった量を用いるMDAおよびDMCから誘導されるカルバメートの製造
これらの実施例では、実施例1に記載の方法に従って、試薬および触媒として ZnO(OAc)の異なった量を用いてMDAおよびDMCから誘導した芳香族カルバメートを調製した。内部温度は180℃であり、予備加熱時間は40分であり、反応時間は、実施例2〜6では2時間、実施例7では4時間20分であった。180℃で生成した自己生成圧は、8バールである。
表1は、MDA、DMCおよび触媒としてのZnO(OAc)の用いた量およびビスカルバメートの収率を示す:
Figure 2012520333
表1から、本発明の触媒の使用は、低い触媒濃度でさえ高収率でのビスカルバメートの製造を可能とすることが明らかである。
実施例2および6は、3回繰り返し、収率の平均値はそれぞれ97%±0%および95%±1%であり、良好な再現性であった。
実施例8−MDAおよびDECから誘導したカルバメートの製造
0.4g(2ミリモル)の4,4’−ジフェニルメタンジアミン(MDA)、5.8g(49ミリモル)のカーボネートおよび製造例において製造した12.5mgのZnO(OAc)(0.0196ミリモル、MDAについて1モル%または存在するアミノ基を基準に0.5モル%)を、マグネチックスターラーと共に25mLオートクレーブ中のテフロン製容器中に設置した。
雰囲気を窒素でパージし、オートクレーブを180℃の内部温度に達するまで(約30分)予備加熱し、次いで該混合物を、この温度で2時間維持した。該混合物を810rpmで撹拌した。180℃にて生成した自己生成圧は、5バールである。
次いで、オートクレーブを加熱マントルから取り出し、室温にて30分間冷却し、その後、氷水浴中で冷却した。
MDAの変換および生成物の収率は、較正曲線を用いてHPLCにより決定した。
MDA変換は99%より高く、ビスカルバメートの97%収率および1%未満のN−アルキル化生成物を得た。モノカルバメートは検出されなかった。
実施例9−TDAおよびDMCから誘導したカルバメートの製造
0.62g(5ミリモル)の2,4’−トルエンジアミン(TDA)、11.3g(125ミリモル)のジメチルカーボネートおよび製造例において製造した19.8mgのZn4O(OAc)6(0.031ミリモル、TDAについて0.625モル%または存在するアミノ基を基準に0.3125モル%)を、マグネチックスターラーと共に25mLオートクレーブ中のテフロン製容器中に設置した。
雰囲気を窒素でパージし、オートクレーブを190℃の内部温度に達するまで(約60分)予備加熱し、次いで該混合物を、この温度で2時間維持した。該混合物を810rpmで撹拌した。180℃にて生成した自己生成圧は、10バールである。
次いで、オートクレーブを加熱マントルから取り出し、室温にて30分間冷却し、その後、氷水浴中で冷却した。
TDAの変換および生成物の収率は、較正曲線を用いてHPLCにより決定した。
MDA変換は99%より高く、ビスカルバメートの97%収率、モノカルバメートの1%収率および1%未満のN−アルキル化生成物を得た。
実施例10−TDAおよびDECから誘導したカルバメートの製造
0.45g(3.64ミリモル)の2,4’−トルエンジアミン(TDA)、10.9g(91ミリモル)のジエチルカーボネートおよび製造例において製造した14.3mgのZn4O(OAc)6(0.0227ミリモル、TDAについて0.625モル%または存在するアミノ基を基準に0.3125モル%)を、マグネチックスターラーと共に25mLオートクレーブ中のテフロン製容器中に設置した。
雰囲気を窒素でパージし、オートクレーブを190℃の内部温度に達するまで(約55分)予備加熱し、次いで該混合物を、この温度で4時間維持した。該混合物を810rpmで撹拌した。180℃にて生成した自己生成圧は、8バールである。
次いで、オートクレーブを加熱マントルから取り出し、室温にて30分間冷却し、その後、氷水浴中で冷却した。
TDAの変換および生成物の収率は、較正曲線を用いてHPLCにより決定した。
MDA変換は99%より高く、ビスカルバメートの97%収率、モノカルバメートの2%収率および1%未満のN−アルキル化生成物を得た。
実施例11−アニリンおよびDMCから誘導したカルバメートの製造
0.48g(5.1ミリモル)のアニリン、11.6g(128ミリモル)のジメチルカーボネートおよび製造例において製造した8.2mgのZnO(OAc)(0.0129ミリモル、アニリンについてまたは存在するアミノ基を基準に0.25モル%)を、マグネチックスターラーと共に25mLオートクレーブ中のテフロン製容器中に設置した。
雰囲気を窒素でパージし、オートクレーブを180℃の内部温度に達するまで(約40分)予備加熱し、次いで該混合物を、この温度で2時間維持した。該混合物を810rpmで撹拌した。180℃にて生成した自己生成圧は、8バールである。
次いで、オートクレーブを加熱マントルから取り出し、室温にて30分間冷却し、その後、氷水浴中で冷却した。
アニリンの変換および生成物の収率は、原生成物をシリカゲルカラムにより精製した後、溶離剤としてヘキサン/酢酸エチル(90/10v/v)の混合物を用いて決定した。
アニリン変換は99%より高く、カルバメートの96%収率を得た。
実施例12−アニリンおよびDECから誘導したカルバメートの製造
0.48g(5.1ミリモル)のアニリン、15.2g(128ミリモル)のジエチルカーボネートおよび製造例において製造した16.3mgのZnO(OAc)(0.0255モル、アニリンについてまたは存在するアミノ基を基準に0.5モル%)を、マグネチックスターラーと共に25mLオートクレーブ中のテフロン製容器中に設置した。
雰囲気を窒素でパージし、オートクレーブを180℃の内部温度に達するまで(約30分)予備加熱し、次いで該混合物を、この温度で2時間維持した。該混合物を810rpmで撹拌した。180℃にて生成した自己生成圧は、5バールである。
次いで、オートクレーブを加熱マントルから取り出し、室温にて30分間冷却し、その後、氷水浴中で冷却した。
アニリンの変換および生成物の収率は、原生成物をシリカゲルカラムにより精製した後、溶離剤としてヘキサン/酢酸エチル(90/10v/v)の混合物を用いて決定した。
アニリン変換は99%より高く、カルバメートの91%収率を得た。
比較例−触媒として酢酸亜鉛水和物を用いるMDAおよびDMCから誘導されるカルバメートの製造
0.56g(2.74ミリモル)の4,4’−ジフェニルメタンジアミン(MDA)、6.2g(69ミリモル)のジメチルカーボネートおよび6.1mgの酢酸亜鉛水和物(0.0247ミリモル、MDAについて1モル%または存在するアミノ基を基準に0.5モル%)を、25mLオートクレーブ中にテフロン製容器中にマグネチックスターラーと共に設置した。
雰囲気を窒素でパージし、オートクレーブを180℃の内部温度に達するまで(約40分)予備加熱し、次いで該混合物を、この温度で2時間維持した。該混合物を810rpmで撹拌した。180℃にて生成した自己生成圧は、8バールである。
次いで、オートクレーブを加熱マントルから取り出し、室温にて30分間冷却し、その後、氷水浴中で冷却した。
MDAの変換および生成物の収率は、較正曲線を用いてHPLCにより決定した。
MDA変換は99%より高く、ビスカルバメートの98%収率、モノカルバメートの1%の収率および1%未満のN−アルキル化生成物を得た。

Claims (14)

  1. 芳香族アミンと有機カーボネートとの触媒の存在下での反応を含む、芳香族カルバメートの製造方法であって、ZnO(OAc)を触媒として用いることを特徴とする、前記方法。
  2. 芳香族アミンは、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V):
    Figure 2012520333
    〔式中、各R、R1、R2、R3は、独立して、水素または8個まで、好ましくは4個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基またはヒドロカルビルオキシ基であり、
    Aは、1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する二価炭化水素基であり、
    nは、0または1の値を有し、nが0の場合には芳香族環はいずれも結合し、
    mは、0または1以上の任意の自然数の値を有する〕
    で示される芳香族アミンの群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 芳香族アミンは、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジン、2,5−キシリジン、4−エチルアニリン、3−プロピルアニリン、1,2−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエンおよび2,6−ジアミノトルエンの工業混合物、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、アニリンおよびホルムアルデヒドの酸触媒縮合および/または転移反応により得られ、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、その異性体および高級同族体の混合物を含むジフェニルメタン系列のアミン、1,5−ジアミノナフタレン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジンおよびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 芳香族アミンは、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエンおよび2,6−ジアミノトルエンの工業混合物、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、アニリンおよびホルムアルデヒドの酸触媒縮合および/または転移反応により得られ、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、その異性体および高級同族体の混合物を含むジフェニルメタン系列のアミン、1,5−ジアミノナフタレンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 有機カーボネートは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、スチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネートおよびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 有機カーボネートは、ジメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートからなる群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 有機カーボネートは、ジメチルカーボネートであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 反応は、80℃〜250℃の温度で行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 反応時間は、12時間以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 絶対処理圧は、約1〜50バールであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 有機カーボネートと芳香族アミンに由来する第1級アミノ基とのモル比は、1:1〜50であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 触媒の量は、第1級アミノ基100モル当たり亜鉛0.001〜10モルであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. イソシアネートの製造方法であって、第1工程において、芳香族カルバメートを、芳香族アミンと有機カーボネートとの、請求項1に記載の触媒としてのZnO(OAc)の存在下での反応により製造し、次いで、第2工程において、第1工程において得られたカルバメートを熱処理する、前記方法。
  14. 熱処理は、第2工程において50〜300℃の温度への少なくとも1分〜3時間のカルバメートの暴露を含む、請求項13に記載の方法。
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