JP2012515651A - 雌ねじ部品の製造方法、雌ねじ部品、およびねじ接続部 - Google Patents
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Abstract
【課題】大きい力を吸収するのに好適な、および/または自動の螺合を行うのに好適な雌ねじ部品の製造方法、該雌ねじ部品、および該雌ねじ部品を含むねじ接続部を提供する。
【解決手段】本発明の雌ねじ部品の製造方法は、内径Dkの内径部3とこれよりも大きい内径Dfの内径部5とを有するブランク13をプレス加工で作製し、開口部14にマンドレル17を挿入し、ブランク13にプレス加工を施して両方の内径部3,5の内径を同一とし、開口部14からマンドレル17を取り出し、両方の内径部3,5に雌ねじ4,6を加工して雌ねじ部20,21を形成し、雌ねじ部20,21に相対的な調節を施して螺合時に制動トルクが生じるように両方の雌ねじ部20,21を互いに位置決めし、雌ねじ部20,21を、軸方向の寸法が互いに同一になるように、かつ、その両端部の接触面の寸法が互いに同一になるように形成する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の雌ねじ部品の製造方法は、内径Dkの内径部3とこれよりも大きい内径Dfの内径部5とを有するブランク13をプレス加工で作製し、開口部14にマンドレル17を挿入し、ブランク13にプレス加工を施して両方の内径部3,5の内径を同一とし、開口部14からマンドレル17を取り出し、両方の内径部3,5に雌ねじ4,6を加工して雌ねじ部20,21を形成し、雌ねじ部20,21に相対的な調節を施して螺合時に制動トルクが生じるように両方の雌ねじ部20,21を互いに位置決めし、雌ねじ部20,21を、軸方向の寸法が互いに同一になるように、かつ、その両端部の接触面の寸法が互いに同一になるように形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、請求項1の前提部に記載された第1の雌ねじ部および第2の雌ねじ部を有する雌ねじ部品の製造方法、特に、ナットの製造方法、このような製造方法で製造される請求項13に記載された雌ねじ部品、およびこのような雌ねじ部品を含む請求項15に記載されたねじ接続部に関する。
単一の雌ねじ部を有する従来のナットの課題は、時間が経つにつれてねじからナットが緩む点であり、例えば、装置に設けられたナットは、当該装置の動作時の振動などによって経時的に緩む。これは安全性に影響を及ぼす。
上記のような短所を解消するために、特許文献1から、不測の緩みを自律的に防止するねじナットが知られている。この目的のために、その公知のねじナットは、軸方向に互いに離れた2つの雌ねじ部を有しており、雌ねじ部間には、金属切削によって内周に沿って凹部が設けられている。制動作用は、前記凹部が加工されたことによって雌ねじピッチにとぎれ(jump)が生じ、その2つの雌ねじ部で共通の雄ねじ部品を締めた際に、当該雌ねじ部が互いに向かって軸方向に移動して、前記雄ねじ部品のねじ巻き内に軸方向に(若干)締めつけられることで得られる。この公知のねじナットの短所は、当該ねじナットを必ず金属切削で製造しなければならない点である。
特許文献2からは、制動作用が成形工程だけで得られる改良ねじナットが知られている。この目的を達成するために、ブランクにおいて軸方向の隣りに位置する内径部よりも壁厚が薄くされた正面の内径部をフランジ加工することにより、互いに同一の内径を有する2つの内径部が得られる。これら2つの内径部は、軸方向の長さおよび壁厚が互いに異なる。この公知のねじナットの短所は、大きい力を吸収するのに好適でない点と、自動スクリュードライバー(ロボット)による自動螺合に適していない点である。目的を達成するために、この公知のねじナットは、ねじ接続部の常に同じ位置に制動トルク(ねじの回転を制動する)が作用するようにそのねじナットを所定の向きで送り込む必要があり、かつ、そのねじナットを「所定の」接触面(支持面)で軸方向に自立支持させる必要がある。
本発明の目的は、比較的大きい力を吸収するのに好適な、および/または自動スクリュードライバーを使用するのに好適な、セルフロック式の雌ねじ部品の製造方法を提供することである。さらなる目的は、このような製造方法で製造された雌ねじ部品、およびこのような雌ねじ部品を用いたねじ接続部を提供することである。
製造方法にかかる上記目的は、請求項1に記載された構成によって達成され、雌ねじ部品にかかる目的は、請求項13に記載された構成によって達成され、ねじ接続部にかかる目的は、請求項15に記載された構成によって達成される。本発明の他の有利な改良形態は、従属請求項に記載されている。本発明の範囲には、明細書および/または特許請求の範囲および/または図面に開示された少なくとも2つの特徴のあらゆる組合せが含まれる。重複記載を避けるために、発明物について開示された特徴は、方法についても開示されたものとし、また、方法に関する請求項に記載可能であるとする。同様に、方法について開示された特徴は、発明物についても開示されたものとし、また、発明物に関する請求項に記載可能であるとする。
自動で完全に螺合させることができ、且つ制動トルクを生成するねじナット(雌ねじ部品)を提供するために、本発明は、2つの互いに同一の接触面(好ましくは、リング状の接触面)が互いに対向する端部にそれぞれ設けられたことにより、螺合時の螺合方向または向きに関係なく接触面の面圧が互いに同一となる、金属切削を必要とせずに製造可能な雌ねじ部品を提案する。さらに、本発明は、各雌ねじ部の軸方向の寸法が互いに同一になるように形成する。これにより、制動トルクは、そのような雌ねじ部品を用いた本発明にかかるねじ接続部の常に同じポイントに作用する。特許文献2から知られた方法では、そのような雌ねじ部品を製造できない。というのも、軸方向部をフランジ加工するので、各端部の接触面が常に不均一になるからである。これに加えて、この公知の方法で製造されるねじナットは、軸方向の大きな力を吸収することができず、これは、特に、フランジ加工された軸方向部の壁厚が薄いことに起因する。本発明にかかる雌ねじ部品の好ましいさらなる改良形態において、両方の雌ねじ部の径方向厚さは同一であり、より好ましくは、これら2つの雌ねじ部の径方向厚さは、それらの軸方向の全体にわたって同一である。これにより、特許文献2に記載された実施形態のような、薄肉にするリング状の溝を、うまくなくすことができる。
本発明の解決手段のさらなる重要な特徴は、金属切削工程の代わりに成形工程のみで、雌ねじ部間を隔てる周溝を内周に形成することができ、制動トルク作用が得られる点である。これを達成するために、第1の方法工程では、貫通孔(好ましくは、段差状の貫通孔)または段差状の有底孔として形成された開口部を備え、当該開口部が第1の内径部および第2の内径部を有し、これら2つの内径部は内径の寸法が互いに異なっており、第1の内径部の第1の内径が第2の内径部の第2の内径よりも小さいブランクが、プレス加工、好ましくは冷間プレス加工によって作製される。好ましくは、前記第1の内径は、後に形成される両方の雌ねじ部の山径に相当する。
第2の方法工程では、前記ブランクの前記開口部(特には、貫通孔または有底孔の開口部)に、堅牢なマンドレルが導入され、好ましくは、前記開口部が貫通孔として形成される場合には前記マンドレルは当該開口部を貫通する。第2の方法工程のマンドレルの挿入後の第3の方法工程として、前記ブランクにプレス加工を施し、好ましくは、当該プレス加工後の両方の内径部が互いに同一の内径を有するように、より好ましくは、当該同一の内径が前記ブランクの前記第1の内径に相当するようにプレス加工を施す第2のプレス加工工程、好ましくは第2の冷間プレス加工工程が実行される。この工程では、後述するように、例えば、前記マンドレルの直径を、前記第1の内径部の前記第1の内径から最小限の遊びを減算したものに少なくともほぼ相当するものとしてもよい。これにより、前記開口部への前記マンドレルの挿入が可能となる。
上述の(第2の)プレス加工工程(第3の方法工程)後、前記開口部から前記マンドレルを取り出し、2つの前記内径部に雌ねじを加工(好ましくは、ねじ転造または切削)する。好ましくは、前記雌ねじ(場合によっては、前記内径部の軸方向の寸法にわたって形成されている)は、互いに同一であり、すなわち、ねじピッチ、ねじの種類、またはねじ寸法が互いに異ならない。このように、ねじ山を有さない前記内径部に雌ねじを加工することにより、前記雌ねじ部が形成される。
その次の(第4の)方法工程として、前記内径部から形成された前記雌ねじ部に、相対的な調節が施される。この相対的な調節は、前記雌ねじ部品を雄ねじ部品に螺合させた際に制動トルク(保持トルク、ロックトルク)が生じるように、当該相対的な調節後の前記第1の雌ねじ部のねじ巻き終端部、または前記第2の雌ねじ部に対向する第1の雌ねじのねじ巻き終端部を、前記第2の雌ねじ部のねじ巻き開始部、または前記第1の雌ねじ部に対向する第2の雌ねじのねじ巻き開始部に対して位置決めする(好ましくは、互いに離す)ものである。
さらに好ましくは、2つの前記雌ねじ部のピッチおよびねじ寸法は互いに同一である。なおいっそう好ましくは、両方の雌ねじ部は互いに同一のねじ(例えば、メートルねじ)を有する。
本発明の思想に基づく上述の製造方法により、金属切削を必要とせずに、高精度で再現性が良く且つ最適な製造コストでセルフロック式の雌ねじ部品を、必要に応じて大量生産することができる。好ましくは、2つの前記雌ねじ部の相対的な調節は、制動トルク(ロックトルク、保持トルク)を再現性良く確実に得るために所定の力で行われる。このようにして得られるねじナットは、大きな力を吸収するのに適しており、かつ、自動でも完全に螺合させることができる。
本発明のさらなる好ましい改良形態では、2つの接触面(より好ましくは、それぞれ、長手方向軸心に対して垂直な平面に位置している)の寸法が同一であり、より好ましくは当該2つの接触面が同一に形成されているだけでなく、両端部の全体が互いに同一に形成されている。特に好ましくは、雌ねじ部品(場合によっては、その雌ねじが形成されている範囲)は、長手方向軸心に対して垂直な平面を鏡対称面とする鏡対称である。これにより、雌ねじ部品は、どの向きで雄ねじ部品と螺合されても、同一の効果をもたらす。
特に好ましい一実施形態において、2つの前記雌ねじ部は、互いに同一の壁厚を有すると同時に、それらの周壁には溝も中空空間も形成されていない。すなわち、特許文献2とは異なり、リング状の溝がフランジ加工によって内周に形成されていない。周壁を中実な材料からなるものとし且つ両方の雌ねじ部の厚さを互いに同一に設定することにより、自動の螺合を行うのに最適な制動トルクねじナット(ロックトルク雌ねじ部品)が得られる。
より好ましい一実施形態では、2つの前記雌ねじ部は、それらの外周において互いに同一の輪郭を有しており、すなわち、当該2つの雌ねじ部は、それらの輪郭が雌ねじ部品の長手方向軸心に対して垂直な平面を仮想対称面とする対称となるように形成される。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、雌ねじ部品を製造するための少なくとも1つのプレス加工工程、好ましくは全てのプレス加工工程が、冷間プレス加工であり、すなわち、ブランクは冷間プレス加工によって得られ、および/または冷間プレス加工によって互いに異なる寸法を有する2つの内径部が形成される。好ましくは、この構成に加えて、または変形例として、前記接触面(特には、リング状の接触面)が冷間プレス加工によって形成される。
より好ましくは、第2の方法工程で前記ブランクの開口部に挿入されるマンドレルは、少なくとも前記開口部内に配される部分が円筒状に形成されている。さらに好ましくは、前記マンドレルは、前記開口部において前記第1の内径部の形状に合致するように形成されている。
冒頭で述べたように、使用されるマンドレルは、前記第1の内径部の前記第1の内径にほぼ相当する直径を有しているのが特に好都合である。
本発明のさらなる好ましい改良形態において、前記開口部に前記マンドレルが収容された状態で前記ブランクに施されるプレス加工(第3の方法工程)により、このプレス加工を施した後であって相対的な調節が施される前の内径部は、軸方向に互いに離れている。より好ましくは、このプレス加工は、(当該プレス加工後の)前記内径部間に周溝が形成されるように、さらに好ましくは当該周溝が径方向外方の先端に集まるように、なおいっそう好ましくは当該周溝の断面が三角形状になるように施される。変形例として、他の断面形状になるように施されてもよい。前記周溝により、軸方向のある程度のばね効果を確保することができ、かつ、前述の相対的な調節を前記内径部に施して所望の制動トルクを設定することができる。
前記製造方法の特に好都合な一実施形態において、プレス加工、好ましくは冷間プレス加工で作製されたブランクは、前記第1の内径部と前記第2の内径部(好ましくは、いずれも円状の輪郭の開口部を内側に有する)との軸方向の間に、前記第1の内径部の方向にテーパする軸方向部、より好ましくは前記第1の内径部の方向に円錐状にテーパする(直径が次第に減少する)軸方向部を有するように形成されている。このようにして作製されたブランクは、前述のテーパする部分と前記第2の内径部との間の遷移部が、後のプレス加圧工程時に曲がるかまたは(特に、スチール製の場合)流動する。2つの前記内径部は、そのプレス強度に応じて、端部で軸方向に互いに直接圧接するか、あるいは、当該内径部間に前述の周溝を形成する。他の実施形態では、前記内径部間にテーパ状の軸方向部は設けられず、互いに異なる内径を有する内径部が互いに直接重なり合い、段差部が形成される。また、円錐状ではなく、例えば、凹状、凸状などの他の輪郭の軸方向部が、遷移部として設けられてもよい。
既述したように、セルフロック機能を得るために雌ねじ部に施される相対的な調節には、様々な選択肢がある。好ましくは、この目的のために、前記雌ねじ部に対し、軸方向の調節は、当該雌ねじ部の互いに向かう方向に施される。軸方向の調節に加えて、または変形例として、ねじり加工、すなわち、雌ねじ部に対する相対的な周方向の調節が施されてもよい。雌ねじ部品の特に好ましい一実施形態では、前記雌ねじ部間または前記雌ねじ部の雌ねじ間にねじピッチのとぎれ(jump)が生じるように、前記第1の雌ねじ部が、当該第1の雌ねじ部と隣合う前記第2の雌ねじ部のねじ巻き開始部から離されることにより、制動トルクが得られる。すなわち、2つの前記雌ねじ部(好ましくは、互いに同一のねじピッチを有する)は、それらのねじ山がねじ巻き方向に正確に互いに合致していないので、第1の雌ねじ部および第2の雌ねじ部に対する共通の雄ねじ部品と当該第2の雌ねじ部との螺合時の接触により、雄ねじ部品のねじ山間に締めつけられて制動トルクが生じる。
ねじ巻きの前記とぎれは、例えば、前記第1の雌ねじ部のねじ巻き終端部を前記第2の雌ねじ部のねじ巻き開始部から軸方向に離すことによって実現してもよい。好ましくは、前記第2の雌ねじ部のねじ巻き開始部に対する前記第1の雌ねじ部のねじ巻き終端部の周方向のオフセットは、これらの雌ねじ部に相対的な軸方向の調節を施すことによって製造時に自動的に達成される。すなわち、前記第1の雌ねじ部のねじ巻き終端部の周方向中心が前記第2の雌ねじ部のねじ巻き開始部の周方向中心に対してオフセットされることにより、雌ねじのとぎれが形成される。また、雌ねじ部品の製造時に雌ねじ部に相対的なねじり加工を施すことにより、前記第1の雌ねじ部のねじ巻き終端部を前記第2の雌ねじ部のねじ巻き開始部に対して周方向にオフセットさせてもよい。軸方向のオフセット量および/または周方向のオフセット量の選択しだいで、制動トルクの大きさを設定することができる。好ましくは、前記雌ねじ部間で設定される軸方向間隔、詳細には、前記第1の雌ねじ部のねじ巻き終端部と前記第2の雌ねじ部のねじ巻き開始部との間で設定される軸方向間隔が、前記雌ねじ部のねじピッチに正確に一致せず、かつ、前記雌ねじ部のねじピッチの整数倍に正確に一致しないように、雌ねじ部は雌ねじ部品の製造時に互いに位置決めされる。もし前記軸方向間隔が前記雌ねじ部のねじピッチまたはねじピッチの整数倍に合致していたならば、雌ねじ部品の両方の雌ねじ部で雄ねじ部品を螺合させても、制動トルク作用は生じない。ねじピッチとは、雌ねじ部品を一回転させた際に雌ねじ部が雄ねじ部品に対して軸方向に移動する軸方向距離のことを指す。
雌ねじ部品の好ましい一実施形態において、2つの前記雌ねじ部は、それぞれ、メートルねじの雌ねじである。
本発明は、さらに、前述の製造方法で製造される雌ねじ部品を提供する。好ましくは、この雌ねじ部品の特徴は、制動トルク作用が、金属切削によってもたらされるものでない点である。さらに好ましくは、当該雌ねじ部品の両方の雌ねじ部間には、金属切削によって形成されたものでない周溝が内周に設けられている。本発明にかかる雌ねじ部品の特徴は、軸方向に隣合う2つの雌ねじ部の軸方向の寸法が互いに同一であり、かつ、軸方向に螺合させた際に被接触部材と接触する2つの接触面(好ましくは、リング状の接触面)の寸法が互いに同一な点である。これにより、本発明にかかる雌ねじ部品(ねじナット)は、最初に所定の向きに配置する必要がなく、自動での処理や自動スクリュードライバーの使用に極めて適している。
本発明は、さらに、完全に自動で螺合させることのできる制動雌ねじ部品(ロック雌ねじ部品)を提供する。
好ましくは、前記周溝の幅(より好ましくは、当該周溝の2つの最小径部の幅)は、約0.1mmから約1mmから選択され、より好ましくは約0.3mmから約0.7mmから選択される。すなわち、2つの前記雌ねじ部を隔てる前記周溝の軸方向の最大の寸法は、上記の数値範囲から選択される。このような小さい溝断面は、金属切削ではほぼ実現不可能である。前記雌ねじ部間にこのような狭幅の周溝を有する雌ねじ部品は、軸方向の最小限の寸法、または許容荷重支持量の増大(すなわち、一定の軸方向の範囲内に存在するねじ山によって支持可能な荷重の増大)を特徴とする。
雌ねじ部品の特に好都合な一実施形態では、周壁における溝底の部分の壁厚、すなわち、周溝において最も深い部分である、周壁で最も薄肉な領域の壁厚は、当該雌ねじ部品における前記雌ねじ部の部分の周壁の壁厚の約20%から約75%である。より好ましくは、前記壁厚、すなわち、前記周壁における前記溝底の部分の径方向の寸法は、前記雌ねじ部の周壁の壁厚の約25%から約70%、さらに好ましくは35%から65%である。
好ましくは、前記周壁における溝底の部分の壁厚、すなわち、前記溝底の部分に残っている周壁の壁厚は、前記雌ねじ部品を整合する雄ねじ部品に螺合させた際に当該雌ねじ部品が弾性作用を示すように、好ましくは前記雌ねじ部品を整合する雄ねじ部品に螺合させた際に雌ねじ部品が弾性的に約0.1mmから約0.3mm引っ張られるように選択される。これにより、雌ねじ部品は、様々な多数の用途に対して有用である。また、これにより、本発明にかかる雌ねじ部品を含むねじ接続部では、固着を防ぐことができる。また、雄ねじ部品に螺合させた際には、弾性的な引張作用が生じて、ねじ接続部から遊びがなくなるので、所望の制動トルクが得られる。より好ましくは、前述の弾性作用を得るために、前記周壁における溝底の部分の壁厚は、前記雌ねじ部の領域の前記周壁の壁厚の約20%から約75%、さらに好ましくは約25%から約70%、なおいっそう好ましくは35%から約65%である。
本発明は、さらに、前述の雌ねじ部品を含み、その2つの雌ねじ部品によって共通の雄ねじ部品が螺合されたねじ接続部に関する。好ましくは、この場合、両方の雌ねじ部間にねじ山のとぎれ(jump)が形成されており、これにより、第2の雌ねじ部を雄ねじ部品に螺合させた際に、ねじ巻きに軸方向の締めつけが生じる。
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、図面を参照しながら行う、好ましい例示的な実施形態についての以下の説明から明らかになる。
図1に雌ねじ部品1を示す。図示の雌ねじ部品は、外周(外表面)にスパナ用の二面ペア2を含むねじナット(ナット)として形成されている。
図1に示すように、雌ねじ部品1には、第1の雌ねじ4を持つ第1の雌ねじ部20が設けられている。第1の雌ねじ部20の軸方向には、第2の雌ねじ6を持つ第2の雌ねじ部21が隣合う(図示の例では、軸方向に互いに離れている)。両方の雌ねじ4,6は互いに同一であり、すなわち、両方の雌ねじ4,6は互いに同一の巻き方向、同一のピッチ、および同一のねじ寸法を有している。雌ねじ部20,21は、雌ねじ4,6を加工することで形成される。また、図1に示すように、雌ねじ部20,21の軸方向の寸法は互いに同一である。さらに、雌ねじ部20,21の周壁の壁厚の寸法(径方向寸法)も互いに同一である。この周壁は、中実な材料で構成されており、特許文献2に記載された雌ねじ部品とは異なり、軸方向に延設されたリング状の溝を有していない。
また、図1に示すように、雌ねじ部品1(場合によっては、雌ねじ以外の部分)は、当該雌ねじ部品1の長手方向軸心に対して垂直な平面を鏡対称面Eとする対称に構成されている。
これに加えて、互いに対向する2つの接触面(支持面)22,23は同一の寸法であり、雌ねじ部品1は、当該接触面22,23によって軸方向に自立支持することができる。図示の実施形態では、これら互いに対向する端部の全体の形状が同一である。
本発明の思想にしたがって作製される雌ねじ部品(ロック雌ねじ部品)は、自動スクリュードライバーを使用するのに最適である。
さらに図1に示すように、2つの雌ねじ部20,21の内径(山径および有効径)は互いに同一である。いずれの雌ねじ部20,21も、一体品である雌ねじ部品1に形成されており、かつ、リング状の連結部(薄肉部)7を介して互いに一体的に連結されている。連結部7の壁厚は雌ねじ部20,21の壁厚よりも小さい。連結部7の壁厚の大きさにより、当該連結部7の軸方向のばね効果が決まる。
第1の雌ねじ部20の第1の雌ねじ4は、ねじ巻き終端部9を含む第1のねじ巻き8(分かり易くするため、一部しか図示しない)を有している。第2の雌ねじ部21の第2の雌ねじ6は、第1の雌ねじ部20に対向するねじ巻き開始部11を含む第2のねじ巻き10(分かり易くするため、一部しか図示しない)を有している。雌ねじ部20,21を一緒に雄ねじ部品(図示せず)に螺合させた際に制動トルクが生じるように、第1の雌ねじ部20のねじ巻き終端部9は第2の雌ねじ部21のねじ巻き開始部11に対して位置決めされている。
図1に示すように、雌ねじ部20,21のねじ巻き8,10間にはねじピッチのとぎれ(jump)が形成されている。このねじピッチのとぎれがなければ、第2のねじ巻き10は、図示の点線で示すように、第1のねじ巻き8とねじ巻き方向が合致するので、雌ねじ部20,21を一緒に雄ねじ部品に螺合した際に制動トルクは生じない。第1の雌ねじ部20のねじ巻き終端部9と第2のねじ巻き10のねじ巻き開始部11との間隔はねじ巻き8,10のピッチと(若干)異なる。そのため、雌ねじ部20,21を一緒に雄ねじ部品に螺合させると、軸方向に締めつけが生じ、制動トルク、すなわち、ロックトルク(保持トルク)が生じる。また、図1に示すように、ねじ巻き終端部9の周方向中心とねじ巻き開始部11の周方向中心とは同一の周方向角度に正確に位置しておらず、むしろ、前述のねじピッチのとぎれにより、周方向に互いに(若干)オフセットしている。
図1に示す雌ねじ部20,21のねじ巻き8,10の位置決めは、これらに相対的な調節を施すことによって、この例では、互いに向かう方向に調節が施されている。このような相対的な調節は、断面視で三角形状の輪郭を有する周溝12によって雌ねじ部20,21が軸方向に互いに離されていることにより可能となる。周溝12は、後述するように、金属切削ではなくて成形のみによって形成されている。この周壁の最大幅a、すなわち、溝において最も幅広な部分の軸方向の寸法は、約0.1mmから約1mmであり、特に好ましくは約0.5mmである。
図1に示すような雌ねじ部品1を製造するための好ましい一製造方法を、図2a〜図2cを参照しながら以下で説明する。
連結部7の中央部分、すなわち、雌ねじ部20,21間の周溝12の溝底の部分の壁厚、つまり、その径方向の寸法は、周壁15の最大の壁厚、すなわち、雌ねじ部20,21の領域の周壁15の最大の壁厚の約20%から約70%である。
図2aに示す第1の方法工程において、ブランク13は、プレス加工(この例の場合、冷間プレス加工)によってスチール(鋼)から作製される。ブランク13は、貫通孔として形成された開口部14を有している。図示例とは別の実施形態において、開口部14は、例えば有底孔として形成されてもよい。開口部14およびブランク13は、2つの内径部3,5に分けられていてもよく、図示の例示的な実施形態では、軸方向に互いに離れており、かつ、内径の寸法が互いに異なる。つまり、第2の内径部5の直径Dfは、第1の内径部3の内径Dkよりも大きい。第1の内径部3の第1の内径Dkは、完成後の雌ねじ部品1の山径Dkに相当する(図1を参照)。また、2つの内径部3,5は、開口部14を画定する周壁15の壁厚についても互いに異なる。第1の内径部3の領域の周壁15の壁厚は、第2の内径部5の領域の周壁15の壁厚よりも明らかに大きく、この例では、第2の内径部5の領域の周壁15の壁厚の3倍超である。
好ましくは、第1の内径部3の周壁15の壁厚、すなわち、径方向の寸法は、第2の内径部5の周壁15の壁厚の約20%から約75%、より好ましくは約25%から約70%である。さらに好ましくは、第1の内径部3の領域の周壁15の壁厚、すなわち、径方向の寸法は、第2の内径部5の周壁15の壁厚の約35%から約60%である。なおいっそう好ましくは、第1の内径部3の周壁15の壁厚は、第2の内径部5の周壁15の壁厚のほぼ半分である。
図2aに示すように、ブランク13の内径部3と内径部5との軸方向の間には、内径Dfから内径Dkに連続的に減少する軸方向部16が設けられる。すなわち、この場合、内径部3と内径部5との間の軸方向に、円錐状にテーパしてその内径が第2の内径部5から第1の内径部3にかけて減少する軸方向部16が設けられる。さらに、図2aの例示的な実施形態では、第1の内径部3の軸方向の寸法と軸方向部16の軸方向の寸法とを加算したものが、DM/2、すなわち、ねじ山の有効径DM(図2bを参照)の半分に相当するものとされている。第2の内径部5の軸方向の寸法が、第1の内径部3の軸方向の寸法よりも大きく、この例の場合、第1の内径部3の軸方向の寸法のほぼ2倍である。
図2bに例示されているように、その次の方法工程では、図2aのブランク13の開口部14に、例えば図2bに示されているような円筒状のマンドレル17が挿入される。図示の例では、マンドレル17の外径が、開口部14における第1の内径部3の部分の内径Dkにほぼ相当する。これにより、第1の内径部3の内周の周壁がマンドレル17の外周に接触すると同時に、第2の内径部5(または第2の内径部の内周)とマンドレル17の外周との間には径方向の比較的幅広な隙間が生じる。この自由空間は、その次の方法工程であるプレス加工時にこの領域に流動する周壁15の材料によって満たされ、図2bに示す中間段階へと達する。この段階では、内径部3,5間に周溝が形成されており、かつ、同一の内径(この例では、(後の)山径Dk)も得られている。
次の方法工程では、互いに同一の内径を有する内径部3,5のそれぞれに、例えばねじ転造によって雌ねじ4,6が加工される。好ましくは、これらの雌ねじ4,6は、同一の動作で両方の内径部3,5に加工され、特には、共通の転造ローラによって加工される。このようにして、内径部3,5から、図1に示す雌ねじ部20,21が形成される。このように雌ねじが加工された雌ねじ部品は、そのままの状態では、雄ねじ部品に螺合させても所望の制動トルクを生じることができない。
図2bに示すように、2つの内径部3,5は、互いに同一の軸方向の寸法を有する。これら2つの内径部の周壁の壁厚も、互いに同一に形成される。図2bに示す部品は、鏡対称面Eに対して完全に対称であり、かつ、その両端部の接触面が互いに同一に形成されている。
セルフロック機能を得るために、雌ねじ部20,21は、さらなる方法工程において、相対的な調節、好ましくは、相対的な軸方向の調節および/または相対的なねじり加工を施される。特に好ましくは、前記相対的な調節は、互いの方向に向かう軸方向の調節のみからなる。その過程で、雌ねじ部20,21は、好ましくはピストンシリンダユニットを用いて、より好ましくは流体圧(油圧)ピストンシリンダユニットを用いて軸方向の所定の力に曝される。
図2cは、完成後の雌ねじ部品1を示す平面図である。図2cからは、その外周にスパナ用の二面ペア2(六角形駆動)(変形例として、他の駆動形状が使用されてもよい)が設けられており、かつ、貫通孔として形成された開口部14において両方の内径部が互いに同一の山径Dkを有することが明らかである。図2cには、さらに、ねじ山の有効径DM、および周溝12の最大の内径Dfが示されており、周溝12のこの内径Dfは、第2の内径部5における開口部14の、当該第2の内径部5の加工前の内径に相当する(図2aを参照)。また、図2cに、最大の外径Deおよび二面ペア2の幅Dsを示す。
図3に、ねじ接続部18を示す。ねじ接続部18は、雌ねじ部品1の2つの雌ねじ部20,21が一緒に螺合した雄ねじ部品19を含み、雌ねじ部20,21は、当該雌ねじ部品が一緒に螺合した際に制動トルク(保持トルク、ロックトルク)が作用するように互いに離されている(図1を参照)。図3の断面図から明白なように、内周の周溝12は成形のみで形成されている。
1 雌ねじ部品
2 スパナ用の二面ペア
3 第1の内径部
4 第1の雌ねじ
5 第2の内径部
6 第2の雌ねじ
7 連結部
8 ねじ巻き
9 ねじ巻き終端部
10 ねじ巻き
11 ねじ巻き開始部
12 周溝
13 ブランク
14 開口部
15 周壁
16 軸方向部
17 マンドレル
18 ねじ接続部
19 雄ねじ部品
20 第1の雌ねじ部
21 第2の雌ねじ部
22 接触面
23 接触面
a 周壁の最大幅
De ナットの外径
Df 第2の内径
Dk 山径(第1の内径)
DM ねじ山の有効径
Ds 二面ペアの幅
E 鏡対称面
2 スパナ用の二面ペア
3 第1の内径部
4 第1の雌ねじ
5 第2の内径部
6 第2の雌ねじ
7 連結部
8 ねじ巻き
9 ねじ巻き終端部
10 ねじ巻き
11 ねじ巻き開始部
12 周溝
13 ブランク
14 開口部
15 周壁
16 軸方向部
17 マンドレル
18 ねじ接続部
19 雄ねじ部品
20 第1の雌ねじ部
21 第2の雌ねじ部
22 接触面
23 接触面
a 周壁の最大幅
De ナットの外径
Df 第2の内径
Dk 山径(第1の内径)
DM ねじ山の有効径
Ds 二面ペアの幅
E 鏡対称面
Claims (15)
- 第1の雌ねじ部(20)および第2の雌ねじ部(21)を有し、これら2つの雌ねじ部(20,21)を雄ねじ部品(19)に螺合接合させた際に制動トルクが生じるように前記第2の雌ねじ部(21)が前記第1の雌ねじ部(20)に位置決めされた雌ねじ部品(1)を製造する方法であって、
−貫通孔として形成された開口部(14)を備え、当該開口部(14)が第1の内径(Dk)を持つ第1の内径部(3)と前記第1の内径(Dk)よりも大きい第2の内径(Df)を持つ第2の内径部(5)とを有するブランク(13)を、プレス加工で作製する工程と、
−前記開口部(14)にマンドレル(17)を挿入する工程と、
−前記ブランク(13)にプレス加工を施し、好ましくは、当該プレス加工後の前記第1の内径部(3)および第2の内径部(5)が同一の内径を有するように、より好ましくは、当該プレス加工後の前記第1の内径部(3)および第2の内径部(5)がいずれも前記第1の内径(Dk)を有するようにプレス加工を施す工程と、
−前記開口部(14)から前記マンドレル(17)を取り出す工程と、
−前記第1の内径部(3)に第1の雌ねじ(4)を加工し、前記第2の内径部(5)に第2の雌ねじ(6)を加工することによって前記第1と第2の雌ねじ部(20,21)を形成し、好ましくは前記第1の雌ねじ部(20)および前記第2の雌ねじ部(21)が同一のピッチ、同一のねじ寸法、および同一の巻き方向を有するように形成し、より好ましくは当該第1の雌ねじ部(20)および当該第2の雌ねじ部(21)がメートルねじの雌ねじ(6)を有するように形成する工程と、
−前記第1と第2の雌ねじ部(20,21)に相対的な調節を施すことにより、両端部に接触面(22,23)を有する前記雌ねじ部品(1)を前記雄ねじ部品(19)に螺合させた際に制動トルクが生じるように、前記第1の雌ねじ部(20)のねじ巻き終端部(9)を前記第2の雌ねじ部(21)のねじ巻き開始部(11)に対して位置決めする工程と、
を含む、雌ねじ部品の製造方法において、
前記第1と第2の雌ねじ部(20,21)を、軸方向の寸法が互いに同一になるように、かつ、その前記両端部の接触面の寸法が互いに同一になるように形成することを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。 - 請求項1において、前記雌ねじ部品(1)を、互いに同一の2つの対向する端部を有するように形成することを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。
- 請求項1または2において、2つの前記雌ねじ部(20,21)の中実な材料からなるそれぞれの周壁の壁厚を、同一とすることを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。
- 請求項1から3のいずれか一項において、前記第1と第2の雌ねじ部(20,21)の輪郭が長手方向軸心に対して垂直な平面を仮想対称面(E)とする対称となるように、前記ブランク(13)にプレス加工を施すことを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。
- 請求項1から4のいずれか一項において、前記ブランクを冷間プレス加工で作製すること、および/または、前記ブランクを、前記第1と第2の内径部(3,5)の軸方向の寸法が互いに同一になるように冷間プレス加工することを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。
- 請求項1から5のいずれか一項において、前記マンドレル(17)の直径が、少なくとも前記開口部(14)内において、前記第1の内径(Dk)から最小限の遊びを減算したものに少なくともほぼ相当することを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。
- 請求項1から6のいずれか一項において、前記第1と第2の内径部(3,5)が軸方向に互いに離れるように、好ましくはこれら内径部(3,5)間の内周に周溝(12)が形成されるように、より好ましくは当該周溝(12)が径方向外方の先端に集まるように、さらに好ましくは当該周溝(12)の最大幅が約0.1mmから約1mmになるように、なおいっそう好ましくは当該最大幅が約0.3mmから約0.7mmになるように、前記ブランク(13)にプレス加工を施すことを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。
- 請求項1から7のいずれか一項において、前記第1と第2の内径部(3,5)間に、軸方向部(16)、好ましくはテーパ状の軸方向部、より好ましくは前記第1の内径部(3)の方向にテーパする軸方向部が設けられるように、前記ブランク(13)をプレス加工で作製することを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。
- 請求項1から8のいずれか一項において、前記第1と第2の雌ねじ部(20,21)に対し、軸方向において互いに向かう方向に、および/または周方向に所定の調節を施すことを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。
- 請求項1から9のいずれか一項において、前記第1と第2の雌ねじ部(20,21)に相対的な調節を施すことにより、前記第1と第2の内径部(3,5)間にねじピッチのとぎれが生じるように前記第1の雌ねじ部(20)の前記ねじ巻き終端部(9)を前記第2の雌ねじ部(21)のねじ巻き開始部(11)に対して軸方向に位置決めすることを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。
- 請求項1から10のいずれか一項において、前記第1の雌ねじ部(20)の前記ねじ巻き終端部(9)が前記第2の雌ねじ部(21)のねじ巻き開始部(11)に対して周方向にオフセットするように、前記第1と第2の雌ねじ部(20,21)に相対的な調節を施すことを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。
- 請求項1から11のいずれか一項において、前記第1の雌ねじ部(20)の前記ねじ巻き終端部(9)と前記第2の雌ねじ部(21)の前記ねじ巻き開始部(11)との間の軸方向間隔が、前記第1の雌ねじ部(20)および前記第2の雌ねじ部(21)のねじピッチよりも大きくもしくは小さくなるように、および/または、前記第1の雌ねじ部(20)および前記第2の雌ねじ部(21)のねじピッチの整数倍よりも大きくもしくは小さくなるように、前記第1と第2の雌ねじ部(20,21)に相対的な調節を施すことを特徴とする、雌ねじ部品の製造方法。
- 請求項1から12のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された雌ねじ部品。
- 請求項13において、前記第1と第2の雌ねじ部(20,21)間の周溝(12)の最大幅(a)が約0.1mmから約1mm、好ましくは約0.3mmから約0.7mmであること、および/または前記周溝(12)の溝底における周壁(15)の壁厚が前記第1と第2の雌ねじ部(20,21)における当該周壁(15)の壁厚の約20%から約75%、好ましくは約25%から約70%、より好ましくは35%から約65%であることを特徴とする、雌ねじ部品。
- 請求項12に記載の雌ねじ部品(1)が、雄ねじ部品(19)に対し、当該雌ねじ部品(1)とその雄ねじ部品(19)との間で制動トルクが作用するように螺合されたねじ接続部。
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