JP2012514629A - 経口送達のための生細胞の配合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、乾燥生細胞、及び小量の胆汁酸結合剤、例えば陰イオン交換樹脂、例えばコレスチラミンを含む、生きた微生物細胞の経口送達のための固体配合物に関する。配合物中における胆汁酸結合剤の存在が、腸管における細胞の生存性を顕著に増大させ、腸への生細胞の送達を促進する。
【選択図】なし

Description

本発明は、生細胞、例えば細菌細胞の経口送達のための配合物に関する。
現在、経口での生きた細菌の送達が、2つの主要な種類の治療用途において使用されている。第1に、腸の単離物から同定された非改変の腸内細菌株は、抗生物質処置後の腸の再定着化[1]において、炎症性腸疾患の患者に関する症候の軽減[2]において、また生物療法剤(例えばIL−10[3])の送達に関して遺伝子操作した形態において、治療上の関心が持たれる。第2に、生きた細菌は魅力的なワクチン候補である。現在、多数のヒトの臨床試験が進行中であり、疾患、例えばコレラ、腸管毒性エシェリキア・コリ(E. coli:大腸菌)及び腸チフスに対する保護に関して、生きた弱毒化細菌の様々な株を試験している([4])。生きた細菌のワクチンは、経口投与され注射及び針が回避されるという、従来のワクチンに対する利点を有する。遺伝子操作した生きた細菌のワクチンは、病原体又は腫瘍由来の異種DNA又は異種抗原を保有して病原体又は腫瘍細胞に対する免疫応答を刺激又は予備刺激することもある。
生きたまま送達するための細菌は、安定性の理由のために乾燥させることが一般的である。生きた細菌の送達のための乾燥配合物に対する代替物は、「湿った(wet)」形態、例えば食品製品、例えばヨーグルトである。生きた細菌は、たとえ冷蔵したとしても、液体形態において重大な安定性の問題を有する。細菌の経口送達のための多数のマイクロカプセル化のシステムが提唱されている[5]が、全てが、貯蔵中の細菌の分解、及び分解を低減させるための費用のかかる冷蔵の必要性という同じ問題を抱えている。
乾燥細菌を製造する様々な技法が当該技術分野において既知である。最も一般的には、従来の凍結乾燥が使用される。加えて、近年は、生体分子を安定化すると共に室温で乾燥細菌をより安定にする二糖、例えばトレハロース及びスクロースの使用に重点が置かれている([6]、[7])。二糖により安定化された乾燥細菌は、例えば、室温で都合良く貯蔵することができる。
現在、生きた乾燥細菌は、2種類の一般的な形式(凍結乾燥細菌の腸溶カプセル、及び重炭酸塩緩衝液中に再懸濁される凍結乾燥細菌の分包剤)で経口投与される。多くの場合、非常に高用量の細菌が与えられ、穏やかな効果を得るためにのみ複数の用量が必要とされる。興味深いことに、臨床データにより、腸溶カプセル配合物は重炭酸塩緩衝液系より顕著に有効性が低いことが示されている([8]、[15])が、腸溶カプセルが相対的に効果的でない理由についてはほとんど分かってない。
重炭酸塩緩衝液系の作用のメカニズムについてはほとんど分かっていない。嚥下された重炭酸塩緩衝液の量は胃中に分泌される酸を吸収しそうにないため、この方法で投与された細菌が或る程度の酸性度に遭遇する可能性があると考えられる。これらの考え得る制限にも関わらず、重炭酸塩緩衝液又は同様の酸中和緩衝液との同時投与は現在では、疾患、例えばコレラ[9]及び腸管毒性エシェリキア・コリ[10]に対するワクチン株の進行中のヒト臨床試験における送達の標準様式である。
胃は、塩酸を分泌し内容物のpHを1未満に低減させる能力を有する。このpHに対して生存することができる細菌はほとんど存在せず[11]、生きた乾燥細菌は、フレッシュな培養物由来の細菌よりさらに感受性が高いことが示されている[12]。胃酸中における生きた細菌の配合物の死を回避するために、「腸溶」コーティングが使用されることがある。腸溶コーティングは、酸性条件で溶解せず胃内容排出後に腸で溶解し、上部小腸中に乾燥細菌を放出するポリマー層である。上で記されたように、生きた細菌のワクチンの既存の腸溶カプセルは、細菌を胃酸から保護するその能力にも関わらず、相対的に効果的でない[8]。
腸は、酵素及び他の殺菌因子の複雑な混合物を含有する。胆汁は、胆嚢から十二指腸中に分泌される。胆汁は一般的に、脂肪性の食品成分を溶解及び消化する洗浄剤として作用する少なくとも50%の胆汁酸を含む。胆汁酸も、細菌を殺す上で強力である。通常腸部位に存在する細菌株、例えばサルモネラ属(Salmonella)の種は、洗浄剤、例えば胆汁塩に対する抵抗性メカニズムを発達させ、腸内で生存及び成長することが可能となった。
細菌は一般的に、乾燥又は凍結後、胆汁酸に対する抵抗性を失う。腸溶配合物から腸中に放出される乾燥細菌は、胆汁酸に対して感受性を有し、腸内環境に生存しない[12]。
本発明は、乾燥生細胞の配合物への小量の胆汁酸結合剤の組込みにより、腸管における細胞の生存性が顕著に増大するという知見に関する。したがって、これらの配合物は、腸への生きた細胞、例えば細菌細胞の経口送達に有用であり得る。
本発明の一態様は、乾燥生細胞及び胆汁酸結合剤(bile acid binding agent)を含む、個体への経口投与のための固体配合物を提供する。
胆汁結合剤(bile binding agent)は、水性液体を配合物に浸透させるが、胆汁酸を吸収し、配合物への胆汁酸の浸透を遅らせる。これにより乾燥生細胞が、水性液体を浸透させることにより再水和しその胆汁耐性を回復するまで、胆汁酸の毒性から保護される。これにより、例えば、腸への細胞の送達の有効性が増大し得る。
乾燥生細胞は、微生物細胞であり得る。本明細書に記載される配合物に任意の微生物細胞を利用することができ、細胞の型(type)(単数又は複数)は、配合物が使用される具体的な目的に応じて異なる。
幾つかの実施の形態では、細菌細胞、例えば腸内細菌種由来の細胞を利用することができる。腸内細菌は、当該技術分野において既知であり、病原体及び非病原体種、例えばエンテロバクター科(Enterobacteriaceae:腸内細菌科)、例えばエシェリキア属(Escherichia:大腸菌属)、サルモネラ属、クレブシエラ属(Klebsiella:肺炎桿菌属)、エンテロバクター属(Enterobacter)、セラチア属(Serratia)、プロテウス属(Proteus)の種、並びにまたビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、バクテロイデス属(Bacteroides)、クロストリジウム属(Clostridium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ルミノコッカス属(Ruminococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、カンピロバクター属(Campylobacter)及びストレプトコッカス属(Streptococcus)の種を含む。
本明細書に記載される配合物を使用する腸への腸内細菌細胞の送達は、例えば、患者の腸管内菌叢を(例えば抗生物質処置後に)回復させる際に、及び炎症性腸疾患を有する患者の症候の軽減において、有用であり得る。
他の実施の形態では、乾燥生微生物細胞は、真核生物細胞、例えば酵母又は真菌細胞、例えばサッカロマイセス属(Saccharomyces)、アスペルギルス属(Aspergillus)の種、又はカンジダ属(Candida)の種であり得る。
幾つかの実施の形態では、特定の酵素特性又は他の特性を有する微生物細胞を利用することができる。腸へのかかる細胞の送達は、腸管吸収に影響を及ぼすことにより、例えば、疾患関連化合物若しくは毒素、例えばシュウ酸塩(腎結石形成に関するリスク因子である)の分解若しくは代謝において、又はコレステロールレベルを低減させるのに、有用であり得る。
幾つかの実施の形態では、微生物細胞は、治療因子、例えば組換えタンパク質を発現することができる。好適な組換えポリペプチドは、細菌細胞に対して外因性のもの(すなわち細菌細胞により自然には発現されないポリペプチド、例えばヒトポリペプチド)であってもよく、患者に対する治療効果を有していてもよい。好適な組換えポリペプチドは、サイトカイン、例えばインターロイキン、例えばIL−10;ケモカイン;及び免疫応答のメディエーター、例えばサイトカインと結合する抗体、抗体断片又は関連する結合性分子(例えば、炎症性腸疾患においてTNF−αを中和するためのもの)を含む。
組換えポリペプチドの発現のための好適な微生物細胞は、乳酸菌の種、例えばラクトコッカス属(Lactococci)の種、例えばラクトコッカス・ラクティス(L. lactis)(European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics (2005)60:349)、エンテロバクター科及び上で記載されるような他の腸内細菌由来の細胞、並びに他の微生物細胞、例えば酵母及び真菌、例えばサッカロマイセス属又はカンジダ属の種由来の細胞を含む。
幾つかの実施の形態では、乾燥生細胞は、生きた細菌のワクチンの細胞であり得る。生きた細菌のワクチンは一般的に、例えば1つ又は複数の病原性遺伝子の不活性化によりその病原性が弱毒化された細菌細胞である。ワクチンとしての使用に好適な弱毒化細菌細胞の多くの例が、当該技術分野において既知である。
細菌ワクチンは、細菌病原体の弱毒化細胞であり得る。弱毒化ワクチンによる病原体の天然の内在性抗原の発現は、病原体の病原性非ワクチン株に対する防御免疫応答を刺激又は予備刺激し得る。好適な細菌ワクチンは、ビブリオ・コレレ(Vibrio cholerae:コレラ菌)、エシェリキア・コリの腸管毒性株、例えばO157:H7、O121及びO104:H21、シゲラ属(Shigella)の種、例えばシゲラ・ディセンテリエ(S. dysenteriae)、シゲラ・ソネイ(S. sonnei)、シゲラ・ボイディ(S. boydii)及びシゲラ・フレックスネリ(S. flexneri)、カンピロバクター属の種、例えばカンピロバクター・ジェジュニ(C. jejuni)、並びにサルモネラ属の種、例えばサルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)(特にセロバ・チフィ(serovar Typhi)の細胞の弱毒化細胞を含む。
チフスの治療処置又は予防処置における使用のための生きた細菌のワクチンは当該技術分野において既知であり、サルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)Ty21a(Vivotif(商標))株、Ty800株、CVD908株、CVD908−htr株、CVD915株及びZH9株を含む。
コレラの治療処置又は予防処置における使用のための生きた細菌のワクチンも当該技術分野において既知であり、JBK−70、CVD101、CVD102、CVD104、CVD105、395N1、JJM43、TCP2、CVD103、CVD103−RM、CVD103−HgR(Mutachol(登録商標))、CVD110、Bahrain−3、Peru−3、Peru−5及びPeru−15を含む。
赤痢菌感染症(shigellosis)及び細菌性赤痢(bacterial dysentry)の治療処置又は予防処置における使用のための生きた細菌のワクチンも当該技術分野において既知であり、弱毒化したシゲラ属の弱毒化ワクチン株、例えばCVD1204及びWRSS1を含む。
下痢の治療処置又は予防処置における使用のための生きた細菌のワクチンも当該技術分野において既知であり、弱毒化腸管毒性エシェリキア・コリ細胞、例えばPTL002及びPTL003を含む。
リステリア症の治療処置又は予防処置における使用のための生きた細菌のワクチンも当該技術分野において既知であり、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)の弱毒化株、例えばLmddを含む。
細菌ワクチンは、外因性抗原、すなわちワクチン細胞により自然には発現されない抗原(例えばヒト抗原若しくはウイルス抗原、又は異なる細菌種由来の抗原)をコードする異種核酸を含み得る。細菌ワクチンは、例えば、病原体、又は疾患細胞、例えば癌細胞若しくはウイルス感染細胞の表面上に外因性抗原が提示されたときに、該抗原に対する防御免疫応答を刺激又は予備刺激し得る。
「異種(heterologous)」という用語は、核酸配列が、遺伝子操作又は組換え手段を人為的に使用して、すなわちヒトの介入により構築物、ベクター又は細胞中に導入された組換え配列であることを示す。異種のヌクレオチド配列は自然には同時発生しない。或る細胞に対して異種のヌクレオチド配列又はアミノ酸配列は、その型、変種(variety)又は種の細胞中には自然に発生しない(すなわち外因性又は外来)。或る細胞に対して異種の核酸配列は、異種アミノ酸配列、すなわち該細胞に対して外因性又は外来のアミノ酸配列をコードし得る。
幾つかの実施の形態では、異種核酸を微生物細胞により発現させて、外因性抗原を製造することができる。外因性抗原は、微生物細胞から分泌されることがあり、微生物細胞の表面上に提示されることがあり、又は微生物細胞内に残存することがある。
他の実施の形態では、異種核酸が微生物細胞により発現されなくてもよい。例えば、異種核酸を、腸への送達後に個体の宿主細胞に移入することができ、宿主細胞中で発現させることができる。例えばDNAワクチン接種若しくはDNA移入の方法で、異種核酸を発現させて外因性抗原を製造することができ、又は例えばRNA干渉の方法で、異種核酸を発現させてセンスRNA分子若しくはアンチセンスRNA分子を製造することができる。
異種核酸によりコードされ得る好適な外因性抗原は、疾患関連抗原、例えば腫瘍抗原、並びにウイルス病原体、細菌病原体及び他の病原体の抗原、例えばストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、シゲラ・ソネイ(Shigella sonnei)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、マイコバクテリウム・レプレ(Mycobacterium leprae)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、ビブリオ・コレレ、エルシニア・ペスチス(Yersinia pestis)、バチルス・アントラシス(Bacillus anthracis)、HIV、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、パピローマウイルス、プラスモジウム・ファルシパルム(Plasmodium falciparum)、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)及びシストソーマ・マンソニ(Schistosoma mansoni)由来の抗原、又は腫瘍由来の抗原、例えばHer2/neu若しくは前立腺特異的抗原(PSA)を含む。
他の好適な外因性抗原は、個体由来の分子、例えば、例えば抗イディオタイプ免疫応答の生成のための、抗体イディオタイプを含む。
必要に応じて、細菌ワクチンは、組換え異種免疫調節ポリペプチド、例えばサイトカイン、例えばTNF−α、GM−CSF、IL−1、IL−6、IL−12、IL−18、IFN−α、IFN−γ、ケモカイン、例えばCCL−25、又はサイトカイン(例えばIL−10、TGF−β)若しくは他の免疫応答メディエーター若しくは免疫細胞(例えば調節性T細胞又はサプレッサーT細胞)を阻害する抗体若しくは抗体断片若しくは他の結合性ポリペプチドも同時発現し得る。これは、外因性抗原に対する免疫応答を増大させるのに有用であり得る。
外因性抗原の発現のための好適な細菌ワクチンは、生きた細菌のワクチン株、例えば弱毒化病原性細菌、例えばサルモネラ・エンテリカ(Salmonella enteric)、ビブリオ・コレレ、腸管毒性エシェリキア・コリ、シゲラ属の種、及びカンピロバクター・ジェジュニ、並びに非病原性細菌細胞、例えば腸内細菌、例えばエンテロバクター科、並びに他の細菌、例えばバチルス・サブティリス(Bacillus subtlis:枯草菌)、及び乳酸菌の種、例えばラクトコッカス属の種、例えばラクトコッカス・ラクティス(Nature Reviews Microbiology (2008) 6:349)を含む。
固体配合物中の乾燥生細胞は、同型の細胞(例えば、微生物の同じ株の細胞)の同種集団であり得る。代替的には、固体配合物中の乾燥生細胞は、異なる型の細胞の混合物を含有する異種集団であり得る。例えば、配合物は、2つ以上、3つ以上、4つ以上又は5つ以上の異なる型の細胞を含み得る。異なる型の細胞は、微生物の異なる株若しくは種の細胞、及び/又は異なる遺伝子修飾を含む細胞を含み得る。
本明細書に記載される配合物を、任意の好適な個体に投与することができる。例えば、個体は、ヒト又は非ヒト動物、例えば齧歯動物(例えばモルモット、ハムスター、ラット、マウス(mouse))、ネズミ科動物(murine)(例えばマウス)、イヌ科動物(canine)(例えばイヌ(dog))、ネコ科動物(feline)(例えばネコ(cat))、ウマ科動物(equine)(例えばウマ(horse))、ブタ科動物(porcine)(例えばブタ(pig))、霊長類動物(primate)、サル科動物(simian)(例えばサル(monkey)又は類人猿(ape))、サル(例えばマーモセット、ヒヒ)、類人猿(例えばゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)、鳥類生物(bird)(例えばニワトリ)、又は魚類生物(fish)(例えばサケ、マス)であり得る。
例えば、サルモネラ属の乾燥生細胞を含む本明細書に記載されるような配合物は、非ヒト動物、例えばブタ及びウマの獣医学的処置におけるワクチンとして有用であり得る。
好適な個体を、処置を必要とするとして特定又は選択することができる。
配合物は好ましくは、治療上の有効量又は予防上の有効量の乾燥生細胞を含む。
本明細書で使用する場合の「治療上の有効量」又は「予防上の有効量」という用語は、合理的なベネフィット/リスク比に見合う幾つかの所望の治療効果又は予防効果をそれぞれもたらすのに効果的な乾燥生細胞の量に関する。
本明細書に記載される配合物は、例えば、10個以上、10個以上、10個以上、10個以上、10個以上、10個以上、10個以上又は1010個以上の乾燥生細胞を含み得る。
本明細書に記載される配合物中の乾燥生細胞は、再水和後に少なくとも0.1%、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも40%又は少なくとも60%の生存度を保持する。したがって配合物内のかなりの数の細胞が、再水和後に代謝活動及び細胞分裂の能力を有する。細胞の生存度を評価する方法は当該技術分野において既知であり、例えばコロニー形成単位(CFU)に関するプレートアッセイを含む。
好ましくは、本明細書に記載される配合物中の乾燥生細胞は、該配合物が室温で長期間(例えば15℃〜30℃で24ヶ月間又はそれ以上の期間)貯蔵される場合、上で示されるような生存度を保持する。
乾燥細胞は、乾燥させていない細胞に対して低減した水分含有量を有する。例えば、乾燥細胞は、乾燥前の同じ細胞に対して10%以下、5%以下、4%以下、3%以下又は1%以下の残留水分を含有し得る。
本明細書に記載されるような使用に好適な細胞を、細胞生存度に顕著に影響を及ぼさない任意の都合の良い方法により乾燥させることができる。様々な好適な方法が当該技術分野において既知であり、凍結乾燥、常温乾燥、噴霧乾燥、流動床式乾燥、泡沫乾燥(foam drying)、錠剤形成用の造粒時の直接乾燥、及び冷凍保護剤の存在下での凍結を含む(Potts (2004) Micro Rev 58:755-805、Crowe et al (1990) Cryobiol. 27:219-231、Lievense et al (1994) Adv Biochem Eng Biotechnol. 51 45-89)。必要に応じて、乾燥を、安定化剤、例えば二糖、及び/又は薬学的賦形剤、例えばポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースの存在下で実施することができる。
幾つかの実施の形態では、細胞をフリーズドライ(freeze-drying)により凍結乾燥する(lyophilised)ことができる。凍結乾燥は、凍結した材料からの減圧下での昇華及び脱着(desorption)による水の除去を伴う。好適な凍結乾燥技法は、当該技術分野において既知である(F. Franks European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 1997 (45)221-229、Fundamentals of freeze-drying JD Mellor Academic Press 1978)。必要に応じて、細胞を、安定化剤、例えば二糖、例えばトレハロース(Israeli et al (1993)Cryobiol 30 519-523、Leslie et al (1995) Appl. Env. Microbiol. 61 3592-3597)、及び/又は薬学的賦形剤、又は配合物の他の成分の存在下で凍結乾燥することができる。
幾つかの実施の形態では、細胞を、二糖での安定化を伴う乾燥に供することができる。これは、細胞中の二糖、例えばトレハロースの細胞内レベルを増大させること、並びにその後例えば減圧下及び非凍結温度下での蒸発により、炭水化物安定化剤の存在下で細胞を乾燥させることを含み得る。好適な炭水化物安定化剤は、二糖、例えばトレハロース、マルチトール、ラクチトール、パラチニット、GPS(α−D−グルコピラノシル−1→6−ソルビトール)、GPM(α−D−グルコピラノシル−1→6−マンニトール)、マルトオリゴ糖(maltooligosaccarides)及び水素化マルトオリゴ糖を含む。二糖での安定化を伴う好適な乾燥方法は当該技術分野において既知であり、例えばCrowe JH et al Annu Rev Physiol 1998; 60:73-103、Bullifent HL, et al. Vaccine 2000 Dec 8; 19 (9-10): 1239-45、Garcia De Castro A, et al Appl Environ Microbiol 2000 Sep; 66 (9): 4142-4、米国特許第6468782号及び米国特許第6610531号に記載されている。
胆汁酸は、コレステロールの酸化により肝臓で産生され胆汁の成分として腸中に分泌されるステロイド酸である。胆汁酸は、コール酸、デオキシコール酸及びケノデオキシコール酸を含む。
胆汁酸結合剤又は胆汁酸捕捉剤は、胆汁酸を結合、吸収又は捕捉する化合物である。好適な胆汁結合剤は、胆汁酸の負に荷電したカルボン酸頭部基と結合する正に荷電したポリマーを含む。胆汁酸と結合する正に荷電したポリマーは、陰イオン交換樹脂、例えばコレスチラミン(例えばクエストラン(商標)又はDowex 1X2(商標))、コレスチラン、コレスチミド、コレキストラン塩酸塩、コレセベラム塩酸塩、コレスチポール、DEAE−デキストラン、アミノ化セルロース、DEAE−セルロース、TEAE−セルロース、Q−セファロース、QAEセファデックス、四級化ヒドロキシエチルセルロースエトキシレート及びアミノ化キトサンを含む。
好適な正に荷電したポリマーは、コレステロール低下剤としての使用に関して当該技術分野において既知であり、例えば米国特許第4557930号、米国特許第3308020号、米国特許第3383281号、米国特許第3499960号、米国特許第3780171号、国際公開第2005023305号及び英国特許第929,391号に記載されている。
他の好適な胆汁結合剤は、胆汁酸の疎水性のコレステロール尾部と結合する疎水性ポリマーを含む。好適な疎水性ポリマーは、ポリスチレン関連ポリマーを含む。
他の好適な作用剤は、天然の作用剤、例えば食物繊維、例えばイナゴマメ(Dongowski Food Chemistry 2007 104:p390-397)又はアルファルファ(Kritchevsky and Story Journal of Nutrition 1974, 104 (4):p458-462)、活性炭及び骨炭も含み得る。
胆汁結合剤は、配合物内で任意の形状又は形態、例えば顆粒、粉末、ビーズ、膜又は多孔性モノリスの形状又は形態であり得る。
本明細書中で示されるデータにより、少量の胆汁結合剤が、乾燥生細胞を胆汁酸の毒性から保護するのに十分であることが示される。本明細書に記載される配合物中の胆汁結合剤の量は概して、個体の腸内で配合物が曝露される胆汁酸の全てを結合するのに必要とされる量より顕著に少ない。
固体配合物は、単位投与形態であってもよく、5g以下、2g以下、1g以下又は0.5g以下の固体材料を含み得る。
本明細書に記載されるような固体配合物は、95%(w/w)未満、90%(w/w)未満、80%(w/w)未満、70%(w/w)未満、60%(w/w)未満、50%(w/w)未満、40%(w/w)未満、30%(w/w)未満、20%(w/w)未満、10%(w/w)未満、1%(w/w)未満又は0.1%(w/w)未満の上記胆汁酸結合剤を含み得る。
本明細書に記載されるような固体配合物は、5%(w/w)超、10%(w/w)超、又は20%(w/w)超、30%(w/w)超、40%(w/w)超、50%(w/w)超、60%(w/w)超、70%(w/w)超、80%(w/w)超、90%(w/w)超、又は95%(w/w)超の上記胆汁酸結合剤を含み得る。
配合物中の胆汁酸結合剤に対する細胞の重量比は、5以下、1以下、0.5以下、0.1以下、0.01以下、0.001以下又は0.0001以下であり得る。
配合物中の細胞に対する胆汁酸結合剤の重量比は、0.2以上、1以上、10以上、100以上、1000以上、又は10000以上であり得る。
幾つかの好ましい実施の形態では、乾燥生細胞、胆汁酸結合剤、及び配合物の他の成分を、ポリマーシェルに封入することができる。
ポリマーシェルは、配合物の胆汁抵抗性をさらに増大させるのに有用であり得る。
好ましくは、ポリマーシェルは、両親媒性の疎水性−親水性ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。好適なポリマーシェルは市販されている。
幾つかの好ましい実施の形態では、本明細書に記載されるような固体配合物を、腸溶コーティングで覆うことができる。
腸溶コーティングは、配合物が胃を通過する際に乾燥生細胞を酸による損傷から保護し、その後配合物が腸に到達した時に細胞を放出させる不浸透性の外層である。腸溶コーティングの使用は、当該技術分野において既知である。
腸溶コーティングは、pH感受性であり得る。例えば、腸溶コーティングは、胃内の酸性条件下(例えばpH1〜3)では不安定でないことがあるが、腸内のより高いpH(例えばpH5.5超)では不安定なことがある。
腸溶コーティングにおける使用のための好適なポリマー材料は当該技術分野において既知であり、例えば、脂肪酸、ワックス、シェラック(商標)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、メタクリル酸コポリマー、メチルアクリレート−メタクリル酸コポリマー、セルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシル(hydroxyl)プロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、セルロースアセテートトリメリテート、カルボキシメチルエチルセルロース、及びメチルメタクリレートメタクリル酸コポリマーを含み得る。
本明細書に記載されるような固体配合物は、例えば特定の用途に関して配合物の特性を変更又は調整するための、1つ又は複数のさらなる成分をさらに含み得る。
例えば、配合物は、例えばゆっくりと侵食されて細胞を放出する安定なゼラチン層を形成することにより、腸溶コーティングの溶解後における腸中への配合物からの細胞の放出を制御する遅延放出剤をさらに含み得る。
好適な遅延放出剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース、他の修飾セルロース、天然ガム、例えばグァーガム、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、及びポリ(乳酸−co−グリコール酸)を含む。
乾燥生細胞は、胆汁酸以外の腸内の毒素、例えばリゾチーム;抗微生物ペプチド、例えばデフェンシン;並びに消化酵素、例えばペプシン、トリプシン及びリパーゼに感受性を有し得る。配合物は、細胞をかかる毒素から保護する作用剤をさらに含み得る。例えば、配合物は、正に荷電した酵素、例えばリゾチームを結合し、乾燥生細胞をこれらから保護する陽イオン交換樹脂を含み得る。
好適な陽イオン交換樹脂は、イオン交換樹脂、例えばDowex 50wX1樹脂、ナトリウムポリスチレンスルホネート、又はポリマー、例えばカルボキシメチルセルロース若しくはアルギン酸を含む。
配合物は、乾燥細胞の生存度を維持する安定化剤をさらに含み得る。好適な安定化剤の例は、上で記載されるような炭水化物を含む。
配合物は、1つ又は複数の薬学的に許容される担体、アジュバント、賦形剤、結合剤、崩壊剤、増量剤、流動促進剤、希釈剤、充填剤、緩衝剤、安定化剤、保存料、滑沢剤、又は当業者に既知の他の材料、及び必要に応じて他の治療剤又は予防剤をさらに含み得る。幾つかの実施の形態では、配合物は、細菌の放出時に腸内に配合物を保持する1つ又は複数の粘膜付着剤をさらに含み得る。好適な粘膜付着剤は、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、キトサン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及び他のセルロース誘導体を含む。
本明細書で使用する場合の「薬学的に許容される」という用語は、合理的なベネフィット/リスク比に見合う、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答、又は他の問題若しくは合併症をもたらすことなく被験体(例えばヒト)の組織と接触させて使用するのに(適切な医学的判断の範囲内において)好適な化合物、材料、組成物及び/又は投与形態に関する。各担体、賦形剤等も、配合物の他の成分と適合的(compatible)であるという意味で「許容可能」でなければならない。
好適な担体、賦形剤等を、標準的な薬学のテキスト、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st edition, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 2005及びHandbook of Pharmaceutical Excipients, 5th edition, 2006, Pharmaceutical Press, Londonに見出すことができる。
本明細書に記載される配合物の製造においては、製造プロセスにおける任意の段階で、胆汁酸結合剤を生細胞と組み合わせることができる。
例えば、配合物を、生細胞を乾燥させること、並びにその後、乾燥させた生細胞を胆汁酸結合剤、並びに必要に応じて薬学的に許容される担体及び/又は上で記載される他の材料と混和することにより製造することができる。代替的には、配合物を、生細胞を胆汁酸結合剤、並びに必要に応じて薬学的に許容される担体及び/又は上で記載される他の材料と混和して混和物を製造することにより製造することができ、該混和物をその後乾燥させることができる。
好適な乾燥方法を、上でより詳細に記載している。
乾燥生細胞及び胆汁酸結合剤を、さらなる薬学的に許容される担体、アジュバント、賦形剤及び/若しくは上で記載される他の材料と混和することができ;圧縮し、成型し、若しくはそれ以外の方法で経口送達に好適な配合物とすることができ;並びに/又は腸溶コーティングで覆って、配合物を製造することができる。
胆汁への曝露に対する配合物中の細胞の抵抗性を決定することができる。配合物中の細胞及び/又は胆汁結合剤の量を変化させて、胆汁に対する細胞の抵抗性を最適化することができる。例えば、胆汁への曝露後に配合物から回収することができる生細胞の数が対照と比較して低減した場合、配合物中の胆汁酸結合剤の量を増大させることができる。
経口投与のための好適な固体配合物は、1つ又は複数の分離した単位、例えば錠剤、ペレット、丸剤又はカプセルからなり得る。幾つかの実施の形態では、分離した単位、例えば丸剤又はカプセルは、複数の小さい下位単位、例えば顆粒又は粉末を含み得る。
経口投与のための固体配合物を、単位投与形態で都合良く提供することができ、当該技術分野において既知の任意の方法により調製することができる。かかる方法は、乾燥生細胞及び胆汁酸結合剤を1つ又は複数の補助成分を構成する担体と組み合わせる工程を含み得る。
概して、配合物を、乾燥生細胞及び胆汁酸結合剤の混和物を微粉化した固体担体と均一に及び密接に組み合わせること、並びにその後必要に応じて生成物を成形することにより調製する。
(例えば摂取による)経口投与に好適な配合物を、分離した単位、例えばカプセル、カシェ剤又は錠剤(各々が所定量の乾燥生細胞及び胆汁酸結合剤を含有する)として;例えば粉末又は顆粒として提供することができる。
錠剤を、必要に応じて1つ又は複数の補助成分、例えば結合剤(例えばポビドン、ゼラチン、アカシア、ソルビトール、トラガカント、ヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤又は希釈剤(例えばラクトース、微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ);崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム);界面活性剤又は分散剤又は湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム);及び保存料(例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸)と共に、従来の手段、例えば圧縮、成型、湿式造粒又は乾式造粒を施すことにより製造することができる。例えば、圧縮錠剤を、自由に流動する形態、例えば粉末形態又は顆粒形態の活性化合物を必要に応じて1つ又は複数の補助成分と混合して好適な機械において圧縮することにより調製することができる。成型錠剤を、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化した化合物の混合物を好適な機械において成型することにより製造することができる。錠剤を、必要に応じてコーティング又は分割する(scored)ことができ、所望の放出プロファイルをもたらす種々の割合の例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース又は他の遅延放出剤を使用して、該錠剤中の活性化合物の持続放出又は制御放出がもたらされるように製剤化することができる。上で記載されるように、錠剤、ペレット、丸剤、カプセル、及び他の固体配合物に、必要に応じて腸溶コーティングを施して、胃以外の消化管の部分における放出をもたらすことができる。
ポリマーシェルにより封入される粉末形態又は顆粒形態の乾燥細胞及び胆汁酸結合剤を含むカプセルを、従来の手段により製造することができる。
成分を、本明細書に記載される配合物内に様々な異なる配置で配置することができ、成分の正確な配置は、所定の用途に必要とされる具体的な特性に依存する。例えば、配合物は均一であり得る、すなわち乾燥生細胞及び胆汁結合剤が配合物内に均一に分布し得る、又は配合物は不均一であり得る、すなわち乾燥生細胞及び胆汁結合剤が配合物内に不均一に分布し得る。
本明細書に記載される配合物中の成分の異なる配置の例を、図6に示す。
幾つかの実施の形態では、配合物は、生きた乾燥細菌及び胆汁結合剤を含むコア、並びに該コアを囲むコーティング、好ましくは腸溶コーティングを含み得る。必要に応じて、コーティングは、コアを封入するポリマーシェルであり得る。
代替的には、配合物は、乾燥生細菌の顆粒及び乾燥胆汁結合剤の顆粒を含む薬学的に許容される賦形剤のコアを含み得る。必要に応じて、コアは、遅延放出材料の顆粒をさらに含み得る。必要に応じて、コアは、ポリマーシェルに封入され得る。必要に応じて、配合物は、コアを囲む腸溶コーティングをさらに含み得る。
代替的には、配合物は、胆汁結合剤の層により囲まれる乾燥生細菌のコアを含み得る。必要に応じて、胆汁結合剤の層は、遅延放出材料をさらに含み得る。必要に応じて、コア及び胆汁結合剤の層は、ポリマーシェルに封入され得る。必要に応じて、配合物は、胆汁結合剤の層を囲む腸溶コーティングをさらに含み得る。
本明細書に記載されるような配合物は、室温で安定である、すなわち細胞は、室温(例えば15℃〜30℃)での長期貯蔵後に生きたままである。
例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せは、個体の腸へ生きた細胞を送達するのに有用である。
本明細書に記載されるような配合物は、医薬品用途、治療用途又は予防用途に有用であり得る。例えば、例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せは、ヒト又は動物の身体の治療処置又は予防処置に有用であり得る。
或る病態に関する個体の処置との関連で本明細書で使用する場合の「治療処置」という用語は、包括的に、ヒト又は非ヒト動物(例えば獣医学的用途における)のいずれを対象とするかに関わらず、処置及び治療法であって、幾つかの所望の治療効果、例えば該病態の進行の阻害が達成され、該治療効果は進行の速度の低減、進行の速度の停止、該病態又はその1つ又は複数の症状の改善、及び該病態の治癒を含む、処置及び治療法に関する。
或る病態に関する個体の処置との関連で本明細書で使用する場合の「予防処置」という用語は、包括的に、該病態又はその1つ又は複数の症状の発生又は再発のリスクを防止する又は低減させる処置に関する。予防処置は、例えば、処置の時点で該病態を患っていない、又は該病態の症状を示していない個体(例えばヒト又は非ヒト動物)に対して実施することができる。
特に、例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せは、個体における病原体感染症の治療処置又は予防処置に有用であり得る。個体において病原体感染症を処置する方法は、例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せをそれを必要とする個体に経口投与することを含み得る。
病原体感染症は、細菌感染症、例えばコレラ(ビブリオ・コレレ(V. cholerae))、チフス(サルモネラ・チフィ(S. typhi))、赤痢(シゲラ属の種)、炭疽(バチルス・アントラシス)、ペスト(エルシニア・ペスチス)、結核(マイコバクテリウム・ツベルクローシス)、ライ病(マイコバクテリウム・レプレ)、カンピロバクター症(カンピロバクター属の種)及び胃腸炎(腸管毒性エシェリキア・コリ及びサルモネラ属の種);ウイルス感染症、例えばインフルエンザ、HIV−AIDS、天然痘及びSARS、並びに寄生虫感染症、例えばマラリア(プラスモジウム属(Plasmodium)の種)、住血吸虫症(シストソーマ属(Schistosoma)の種)を含む。
例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せは、例えばコードされ好ましくは細胞により発現される疾患関連抗原に対する免疫応答を刺激又は予備刺激することによる、免疫付与の方法及び/又は免疫療法にも有用であり得る。免疫付与又は免疫療法により個体を処置する方法は、例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せをそれを必要とする個体に経口投与することを含み得る。
上で記載されるように、疾患関連抗原は、(例えば弱毒化細菌ワクチンにおいて)細胞により自然に発現され得るか、又は疾患関連抗原は、細胞において異種核酸から発現される外因性抗原であり得る。
細胞は、免疫調節ポリペプチド、例えばサイトカイン、例えばTNF−α、GM−CSF、IL−1、IL−6、IL−12、IFN−α若しくはIFN−γ;ケモカイン、例えばCCL−25、又はサイトカイン(例えばIL−10、TGF−β)若しくは他の免疫応答メディエーター若しくは細胞(例えば調節性T細胞又はサプレッサーT細胞)を阻害し、免疫応答の増強をもたらす抗体若しくは他の結合性分子をコードする異種核酸をさらに含み得る。
疾患関連抗原は、上で記載されるような腫瘍抗原、並びにウイルス病原体、細菌病原体及び他の病原体の抗原を含む。例えば、細胞は、病原体又は腫瘍に対する免疫応答を誘発又は予備刺激するために、病原体、例えばストレプトコッカス・ミュータンス、シゲラ・ソネイ、カンピロバクター・ジェジュニ、エシェリキア・コリ、マイコバクテリウム・レプレ、マイコバクテリウム・ツベルクローシス、ビブリオ・コレレ、エルシニア・ペスチス、バチルス・アントラシス、HIV、インフルエンザウイルス、肝炎ウイルス、プラスモジウム・ファルシパルム、フランシセラ・ツラレンシス若しくはシストソーマ・マンソニ由来の抗原、又は腫瘍由来の抗原、例えばHer2/neu若しくは前立腺特異的抗原(PSA)を発現し得る。したがって本明細書に記載されるような配合物は、病原体感染症及び癌の治療処置及び予防処置において有用であり得る。
例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せは、例えば個体において腸の微生物叢を回復させるために、生細胞を腸に送達するのにも有用であり得る。これは、例えば抗生物質での処置後に有用であり得る。腸の微生物叢を回復させる方法は、例えば抗生物質での処置後に、例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せをそれを必要とする個体に経口投与することを含み得る。
例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せは、個体における炎症性腸疾患又はその1つ又は複数の症状の治療処置及び予防処置にも有用であり得る。炎症性腸疾患又はその1つ又は複数の症状を処置する方法は、例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せをそれを必要とする個体に経口投与することを含み得る。
例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せは、個体における腎結石形成の治療処置及び予防処置にも有用であり得る。腎結石形成を処置する方法は、例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せをそれを必要とする個体に経口投与することを含み得る。
例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せは、個体においてコレステロールレベルを低減させるのにも有用であり得る。コレステロールレベルを低減させる方法は、例えば上で記載されるような配合物中の胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞の組合せをそれを必要とする個体に経口投与することを含み得る。
胆汁酸結合剤及び乾燥生細胞を、上で記載される治療用途及び予防用途並びに処置のいずれかにおける使用のための薬物の製造に使用することができる。
好適な配合物、胆汁酸結合剤及び乾燥生細菌細胞を、上でより詳細に記載している。
本明細書に記載される方法は、例えば乾燥生細胞を含む治療剤、例えば細菌ワクチンの有効性を向上させるのに有用であり得る。このような治療剤の有効性を向上させる方法は、本明細書に記載されるように、該治療剤を胆汁酸結合剤と共に製剤化すること(formulating)を含み得る。
本明細書に記載される方法は、例えば、個体の腸における乾燥生細胞の生存性を増大させるのにも有用であり得る。腸における乾燥生細菌細胞の生存性を増大させる方法は、本明細書に記載されるように、該細胞を胆汁酸結合剤と共に製剤化することを含み得る。
本発明の別の態様は、本明細書に記載される方法、例えば乾燥生細胞を含む経口投与のための固体配合物を製造する方法;個体の腸における乾燥生細菌細胞の生存性を増大させる方法、又は乾燥生細胞を含む治療剤の有効性を向上させる方法における、本明細書に記載されるような胆汁酸結合剤の使用を提供する。
本発明の様々なさらなる態様及び実施の形態は、本開示に照らして当業者に明らかである。本明細書で言及される全ての文書は、その全体が参照により本明細書に援用される。
本明細書で使用する場合の「及び/又は」という用語は、もう一方を伴う又は伴わない2つの特定の特徴又は構成要素の各々の具体的な開示であると解釈すべきである。例えば「A及び/又はB」は、各々が本明細書に個々に示されているのと同様の、(i)A、(ii)B並びに(iii)A及びBの各々の具体的な開示であると解釈すべきである。
文脈上他に特に指定がない限り、上で示される特徴の説明及び定義は、本発明の任意の特定の態様又は実施の形態に限定されず、記載される全ての態様及び実施の形態に等しく適用される。
ここで本発明の或る特定の態様及び実施形態を、例示の目的で、以下に記載の図面を参照して示す。
再水和後の胆汁耐性の迅速な回復を示す図である。 BARを使用して胆汁溶液から胆汁酸を除去することにより乾燥細菌に対する胆汁溶液の毒性が防止されることを示す図である。 コレスチラミンが胆汁の毒性を防止することを示す図である。 細菌を乾燥させる前に乾燥用賦形剤(drying excipient)にBARを添加することにより、乾燥細胞を胆汁溶液中に再懸濁したときの毒性に対する顕著な保護がもたらされることを示す図である。 圧縮マトリクス錠剤にBARを添加することにより、1%胆汁溶液の毒性に対する顕著な保護がもたらされることを示す図である。 経口投与形態に関して考え得る配合物の3つの例を示す図である。 胆汁からの生きた乾燥細菌のワクチンの細胞の保護に関する最適化した配合物の検討(validation)を示す図である。 腸溶コーティングカプセル及びBARコレスチラミンを使用する酸及び胆汁からの生きた乾燥サルモネラワクチンの保護を示す図である。 BARコレスチラミンを使用するカプセルにおける胆汁溶液からの乾燥乳酸菌の保護を示す図である。
実験
本発明者らは、経口での細菌の送達に関するモデルとして、生きた細菌のワクチン株SLDAPD pUC18Iを使用した[13]。250mM NaClを加えたM9培地(必須アミノ酸及び栄養素を含む)において細菌を終夜成長させた後、10μlの試料を、記載([14])のように、デシケーター中、40%トレハロース及び1.5%PVPを加えたリン酸緩衝食塩水(PBS)において乾燥させた。複数の(Replicate)試料を乾燥させたままとするか又は200μlのPBS若しくは水で再水和させ、表示されるように1分間、5分間又は20分間放置した。乾燥試料若しくは回復させた試料又は対照細胞(富栄養ブロス培養液由来)をその後、表示されるように酸又は胆汁溶液又は対照緩衝液に十分に(extensively)希釈して1時間インキュベーションし、その後希釈し、寒天プレート上でプレート培養し、終夜培養後のコロニー(overnight colonies)を計数することにより試験した。細菌数を回復時及び試験時の希釈率に関して補正し、元の10μlの試料体積に対するcfu/mlとして表現した。
乾燥細菌は、胆汁への曝露前に水又は緩衝液中に再水和させると、非常に迅速に胆汁耐性を回復することが見出された。再水和させると胆汁中では50×の生存度を失った細菌の乾燥調製物が、5分以内の再水和で5×良好な生存性を、20分後には20×良好な生存性を獲得した(図1)。
緩衝液及び水中での再水和により同様の結果が得られた。再水和後1時間で、細菌の挙動は液体培養物由来の対照細胞と区別がつかないものとなった。
生きた細菌のワクチン株SLDAPD pUC18I[13]及びエシェリキア・コリK12 DH5a株(Invitrogen)を、250mM NaClを加えたM9培地において終夜増殖させた後、10μlの試料を、記載[12]のようにデシケーター中、PBS/40%トレハロース/1.5%PVPにおいて乾燥させた。PBS中における胆汁(Sigma、ウシ胆汁)の5%(w/v)溶液を、10%(w/v)のコレスチラミン(Dowex 1x2、Sigma、Poole UK)の存在下又は非存在下で、室温で1時間混合した。コレスチラミンを、遠心分離しその後濾過(0.2ミクロン、ミリポア)することにより除去した。酵素アッセイ(Randox Total Bile Acid Assay、Randox labs、Co. Antrim)を使用する胆汁塩の測定により、コレスチラミン処理により胆汁塩の濃度が130mMから0.8mMまで低減することが実証された。得られた溶液を、乾燥細菌の複数の試料に添加し、1時間培養した後、希釈し、プレート培養し、終夜培養後のコロニーを計数し、相対(relative)cfu/mlを算出した。
BARによる胆汁酸の除去が、乾燥細菌に対する胆汁溶液の毒性を効果的に防止することが見出された(図2)。図2により、異なる細菌株(エシェリキア・コリK12)の乾燥試料に対する胆汁の毒性の高さも実証され、コレスチラミンでの前処理によりこれらの乾燥細胞も保護されることが示される。
SLDAPD pUC18I(アンピシリン抵抗性遺伝子を含有する)の乾燥試料10μlを6ml容試験管中で乾燥させた。複数の試料に対して、何も添加しないか、又は150mgのコレスチラミンを乾燥細胞の上面に添加した。その後、PBS中における胆汁の2%溶液又は対照PBS 2mlをコレスチラミン上に添加し、その後37℃で1時間インキュベーションした。インキュベーション後、試料を採取し、希釈し、プレート培養し、アンピシリンを含む寒天プレート又は含まない寒天プレート上で終夜培養後のコロニーを計数し、相対cfu/mlを算出した。コレスチラミンを、70%エタノールでの前処理により細菌試料に添加する前に滅菌し、十分に乾燥させた。さらに、同数のコロニーがアンピシリンの存在下又は非存在下で見出され、細菌の試験株のみが存在しコンタミネーションは起こらないことが示された。
乾燥細菌の上面へのBARの添加、その後の胆汁溶液の添加は、胆汁溶液の毒性を遮断することが見出された。これにより、逐次的な胆汁の除去とその後の乾燥細菌に対する胆汁酸を除去した(cleared)液体の投与とが細菌を保護するのに必要とされないことが実証され、BARと結合した(complexed)胆汁酸は乾燥細菌に対する毒性を有しないことが実証される(図3)。
SLDAPD pUC18Iの複数の10μlの試料を対照賦形剤(PBS中における40%トレハロース、1.5%PVP)又はBAR含有賦形剤(PBS中における40%トレハロース、1.5%PVP+5%又は10%コレスチラミン)中に懸濁し、6ml容試験管中で乾燥させた。複数の試料に、2mlの2%若しくは0.4%の胆汁溶液又は対照緩衝液を添加し、試験管を37℃で1時間インキュベートし、その後サンプリングし、希釈し、寒天プレート上でプレート培養した。乾燥用賦形剤中にBARを含めることが、試験溶液中に存在する胆汁酸の総量を結合することができない量でも、胆汁からの乾燥細菌の効果的な保護をもたらすことが見出された(図4)。
重要なことには、乾燥用賦形剤に添加した小量のコレスチラミンと共に細菌を単に乾燥させることが、BARが胆汁酸を単に結合及び捕捉するのならば保護が期待されないと考えられる条件において顕著な保護をもたらすことが見出された。図4では、存在するコレスチラミンの量は、試験培地中に存在する胆汁酸の総量より大幅に小さい。コレスチラミンは、1mg当たり胆汁塩1.2mgの結合容量(capacity)(典型的な値、正確な値はどの胆汁酸が結合するかに依存する[14])を有する。したがって、10μlの乾燥細菌試料中に、1.2mgの胆汁酸に対する結合容量を有する1mgのコレスチラミンが存在するが、2%胆汁溶液2ml中には、計20mgの胆汁酸が存在し(典型的には、使用したウシ胆汁は、50重量%を超える胆汁酸を含有する)、これは胆汁酸の15倍過剰を超える。
標準的な賦形剤(PBS中における40%トレハロース、1.5%PVP)においてSLDAPD pUC18I細胞を乾燥させた後、乳鉢中で粉砕して粉末を作製した。粉末化した乾燥細菌を、以下のように慎重に秤りとった割合で混合した:
対照錠剤−スクロース充填剤:粉末化乾燥細菌9%/スクロース粉末91%
対照錠剤−MCC充填剤:粉末化乾燥細菌8%/微結晶性セルロース(MCC、Avicel PH101)92%
BAR錠剤−コレスチラミン:粉末化乾燥細菌8%/コレスチラミン33%/MCC充填剤58%
BAR錠剤−Dowex 1X2:粉末化乾燥細菌6%/Dowex 1X2 400メッシュ樹脂63%/MCC充填剤32%
混合した粉末の70mg〜90mgの試料をその後、プレス機(International Crystal LaboratoriesのPort−A−Press、Crystan Ltdにより供給、10N・mのトルクを使用)における7mmの金型(die)中で加圧して、およそ1mmの厚さの圧縮マトリクス錠剤を作製した。錠剤をその後、以下のような模擬腸条件で試験した:錠剤を秤量し、17mlの国際薬局方の模擬腸液、すなわちリン酸ナトリウム/カリウム緩衝液(pH7.0)単独又はそれに1%ウシ胆汁溶液を加えたものに個々に添加し、37℃で45分間インキュベートした。試料を採取し、希釈し、終夜プレート培養し、生菌のcfuを計測した。回収された細菌数を、元の乾燥細菌重量との関係で、すなわち乾燥細菌1mg当たりのcfuで表現し、各々のバーは単一の錠剤を表し、エラーバーはこの錠剤に関する複数の細菌数計測結果を表す。
乾燥細菌を加えたBARを含有するヒト用錠剤の試作品が、模擬腸放出モデルにおいて胆汁からの顕著な保護をもたらすことが見出された(図5)。本発明者らは、BARコレスチラミン、又は等価のイオン交換樹脂Dowex 1x2を添加した又は添加しない、生きた乾燥細菌を含有する錠剤を、緩衝液対胆汁溶液に溶解することにより試験した。充填剤としてのスクロース中に希釈した乾燥細菌を含有する対照錠剤では、緩衝液単独中への溶解と比較して、1%胆汁溶液中への溶解後に1228倍少ない細胞が回収され、顕著な胆汁の毒性が示された。同様に、充填剤としてMCCを使用して作製した錠剤では、緩衝液単独と比較して、1%胆汁溶液中への溶解後に638倍少ない細胞が回収された。対照的に、乾燥細菌及びMCC充填剤に加えてコレスチラミン又はDowex 1X2樹脂を含有する錠剤では、胆汁中への溶解は、生きた細胞の回収の2.5倍〜3.1倍の低減しかもたらさなかった。これは、対照錠剤と比較してBAR錠剤では生きた細胞が208倍〜254倍多いという向上を表す。重要なことに、コレスチラミン錠剤は最大29mgの胆汁酸を結合する結合容量を有する最大24mgのコレスチラミンを含有するが、17mlの1%胆汁溶液はおよそ85mgの胆汁酸を含有するため、コレスチラミンは試験溶液中に過剰に存在する総胆汁酸を単に捕捉するのではない。
決して理論に拘束されるものではないが、配合物は以下のように働き得る:賦形剤中のコレスチラミンが、乾燥試料中に吸収される限られた体積の緩衝液中に存在する胆汁酸を結合することにより、乾燥細菌は、図1に示されるような迅速な回復を可能とする「浄化された(cleaned)」水中で再水和する。その後、再水和した試料が胆汁溶液中に崩壊及び分散する時には、細菌は顕著な胆汁抵抗性を既に回復している。
乾燥用賦形剤に添加されたBARからなる単純な実験的配合物でさえも、2%胆汁溶液中に再懸濁した場合、BAR配合物(10%コレスチラミン)では対照配合物より50倍多い生きた細菌が回収され、顕著な向上を表した。これは、従来の乾燥用賦形剤を用いる従来の対照配合物での生きた細胞の回収の270倍の低減と比較すると、2%胆汁中に再懸濁した場合、配合物での生きた細胞の回収の5倍の低減を表す。同様に、錠剤圧縮の前に乾燥細菌と混合したBARからなる圧縮マトリクス錠剤配合物では、2%胆汁溶液中に再懸濁した場合、BAR含有錠剤配合物では対照配合物より208倍〜254倍多い生きた細菌が回収され、顕著な向上を表した。これは、従来の対照錠剤配合物での生きた細胞の回収の1228倍〜638倍の低減と比較すると、1%胆汁中に溶解させた場合、生きた細胞の回収の2.5倍〜3.1倍の低減を表す。
生きた乾燥細菌のワクチンを胆汁から保護する最適な配合物の能力を試験した。
これらの実験では、マウスペストワクチン株SL3261/pAHLを使用した[17]。抗生物質を含まないプラスミド維持株SLDAPD/pUC18Iを使用して、同様の結果を得た[12、16、13]。SLDAPD/pUC18Iに関してはアンピシリン、又はSL3261/pAHLに関してはカナマイシンを含有するLB寒天プレートを使用して細菌を計数して、ワクチン細菌のみが計数される状態を確保した。[12、16]に記載のように細菌を成長及び乾燥させ、その後幾つかの複数の乾燥調製物をプールし、乳鉢中で粉砕して均一な粉末とし、乾燥MCCと混合して、製剤化及びカプセル中への充填のための自由に流動する粉末を作製した。この粉末は、典型的には2×10cfu/mg〜5×10cfu/mgを含有するものであり、真空デシケーター中、室温で試験まで貯蔵した。調製物は、2ヶ月の期間にわたり生存度の10%未満の減少を示した。
この粉末を、BARを25%加えたMCC充填剤と混合した後、試験管中に直接秤量するか、又は表示されるシェル材料のサイズ00のカプセル中に充填し、試験管中に秤量した。全粉末1g当たり20mg〜30mgの細菌を添加し、カプセル1つ当たり6mg〜10mgの粉末化乾燥細菌が含まれることを確実にした。混合した粉末をCap−M−Quick(Value Healthcare Company、Sheffield UK)を使用して表示されるシェル材料のサイズ00のカプセル中に手作業で充填した。溶解時にカプセルを沈ませるために、直径6.4mmのスチールボールベアリングをカプセルに添加した。
25mlの緩衝液又は1%若しくは4%のウシ胆汁を添加し、37℃で50分間インキュベートし、その後試験管を十分に混合し、試料を採取し、希釈し、カナマイシンを含む寒天プレート上にプレーティングし、終夜インキュベートした。コロニーを計数し、それを使用して生きた細胞数を決定し、最初の乾燥ワクチン粉末1mg当たりのCFUとして表現した。マウスペストワクチン株SL3261/pAHLの乾燥させ安定化させた細胞を利用した。ワクチン株SLDAPD/pUC18Iの乾燥細胞を使用する別々の実験で同様の保護が見られた。
Quick−release HPMCカプセルシェル内での胆汁からの保護に対する種々のBARのタイプの効果を研究した(studies)。Quick−release HPMCカプセルは、従来のHPMCカプセルと比較してはるかに高速の放出をもたらすように設計された改良HPMCカプセルである。画像研究により、単に水分を除去して自由に流動する非凝集粉末を生成することにより、400メッシュ Dowex 1x2によりもたらされる保護を顕著に向上させることができることが予測され、実際に、乾燥させた400メッシュ Dowex 1x2を乾燥させたLBV及びMCC充填剤に25%添加すると、印象的な差異が見られ、乾燥させた400メッシュ Dowex 1x2はカプセルを有しない粉末と比較して92倍の保護をもたらした。対照的に、400メッシュ Dowex 1x2の湿った調製物は、顕著な保護をもたらさなかった(図7a)。さらに、コレスチラミンは、カプセルを有しない粉末と比較して120倍の保護という、乾燥させた400メッシュ Dowex 1x2よりさらに良好な保護をもたらし、緩衝液と比較して1%胆汁中における細菌の顕著な減少を示さなかった(図7a)。
次に、本発明者らは、胆汁濃度の増大において最適化した配合物を作製及び試験した。この配合物は、画像研究及び理論研究により予測された保護特徴−25%コレスチラミン、用量の大きさの増大、及びカプセルの形状−を組み込んだものであり、従来のHPMCカプセルも使用して試験した。
25%コレスチラミンBARの添加により、4%胆汁条件下でHPMCカプセル中の生細胞の100%の回収がもたらされ、胆汁と緩衝液との間に細胞の回収の差異はなかった(図7b)。さらに、Quick−release HPMCカプセルに25%コレスチラミン及び乾燥LBVを充填したときにも、緩衝液と比較して4%胆汁中での細菌の顕著な減少は検出されなかった(図7b)。したがって乾燥LBV調製物中に25%コレスチラミンを単に添加することにより、4%胆汁からの4200倍の保護をもたらすことができる。ブタ胆汁の組成はヒト胆汁の組成により近く[8]、1%、4%及び8%のブタ胆汁からの同様の高度の保護も観察され、この最適化した配合物により乾燥ワクチン細菌を過剰濃度の胆汁酸から保護することができることが確認された。
錠剤中にBARを含めることにより、錠剤内のBARの最大結合容量をはるかに超える多量の胆汁酸を含有する胆汁の溶液からの保護がもたらされる[16]。同様に、カプセル実験においては、コレスチラミンの総量は、最大218μモル〜292μモルの胆汁酸を結合することができる75mg(300mgの粉末の25%)であった[4]。これを、BARの結合容量に対して8倍〜11倍過剰の胆汁酸に相当する計2500μモルの胆汁酸を含有する25mlの4%胆汁溶液に添加したが、これにより、錠剤と同様に、BARを含有するカプセルが、試験試料内の全ての胆汁酸を単に捕捉するのではなく、乾燥細菌が胆汁耐性を回復する間、一時的な保護をもたらすことが示された。
生きた乾燥サルモネラワクチンを酸及び胆汁から保護する腸溶コーティングカプセル及びBARコレスチラミンの能力を試験した。
SL3261/pAHL細菌を、先の実験と同じ方法で成長及び乾燥させた。粉末化乾燥細菌を、微結晶性セルロース及びコレスチラミンと、細胞:MCC:コレスチラミン=1:75:25の比率で混合した。この粉末を、サイズ00の標準的なHPMCカプセル中に、溶解試験時に沈むようにボールベアリングと共に、カプセル1つ当たりおよそ300mgで充填した。カプセルを、コーティングしないか、又はメタノール及びジクロロメタンの3:2(v/v)混合物中に溶解させた腸溶ポリマーであるメタクリル酸:アクリル酸エチルコポリマー(Kollicoat MAE 100P、BASF、Mannheim Germany)の10%(w/v)溶液中に各側面から2回浸漬させ、その後終夜乾燥させた。
5つの腸溶コーティングカプセルを、20mlの0.1M HCl中に37℃で40分間個々に浸漬させ、胃内の胃酸を模擬した。予想されたように、腸溶コーティングは、酸によるカプセルシェルの溶解又は浸透を防止した。これらの5つのカプセルをその後、リン酸緩衝液(pH7.0)中に溶解させた2%ウシ胆汁中に移した。同時に、2つのコーティングしたカプセル、及び3つのコーティングしていないカプセルを、20mlのリン酸緩衝液(pH7.0)に個々に添加した(緩衝液)。同時に、2つのコーティングしていないカプセルを、20mlの0.1M HClに個々に添加した。全てのカプセルをその後、37℃で1時間インキュベートし、その後十分に混合した。コーティングしていないカプセルは、1時間以内に酸中に完全に溶解した。さらに1時間後(総インキュベーション時間は2時間)、試料を採取し、希釈し、カナマイシンを含有する寒天プレート上にプレーティングし、その後終夜インキュベートした。コロニーを計数し、生きた細胞の回収を算出し、1ml当たりのコロニー形成単位として表現した。各々のバーは1つのカプセルを表し、エラーバーは1つの標準偏差を示す。
コーティングしていないカプセルは緩衝液中に多数の生細胞を放出することが見出されたが、酸中で生きた細胞は回収されなかった。対照的に、腸溶コーティングカプセルでは、同様の数の生細胞が、緩衝液中に、及び酸浸漬後の胆汁中に回収された(図8を参照されたい)。これにより、BARコレスチラミンを含有する腸溶コーティング固体投与物(dose)が、生きた乾燥異種抗原細菌ワクチンの細胞を、胃酸、その後腸の胆汁から保護することが実証される。
乾燥乳酸菌を胆汁溶液から保護するBARコレスチラミンを含有するカプセルの能力を試験した。生きた乳酸菌は、発酵プロセス及び凍結乾燥により粉末形態で商業的に製造されたものである。培養物は、製造者によりサルモネラ属の菌及び他の病原体に関して試験され、ヒトによる摂取に好適な食品サプリメントとして供給されたものである。
ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus caseii)を含有する乾燥乳酸菌粉末を、50%(w/w)のBARコレスチラミンの存在下又は非存在下で微結晶性セルロース(MCC)充填剤と混合した後、カプセルを沈ませるために1gのボールベアリングを含有するHPMCカプセル中に充填した。カプセル内容物の13%(w/w)〜15%(w/w)が細菌であったが、これは300mgのカプセルのうちの39mg〜45mg、すなわちカプセル1つ当たり9.8×10CFU〜11×10CFUの範囲と関連する。個々のカプセルを、対照リン酸緩衝液(pH7.0)、又はリン酸緩衝液中における表示される濃度のウシ胆汁及びブタ胆汁25mlを含有する50ml容試験管に37℃で1時間添加した。試料を採取し、希釈し、一部を(portions)寒天培養プレート上にプレーティングし、37℃で72時間インキュベートし、その後コロニーを計数し、コロニー形成単位(CFU)を算出して、カプセルに添加した乾燥乳酸菌粉末の元の重量に対する生きた細胞の数を示した。各々のバーは、4つの個々に試験したカプセルの平均値を表す。
対照緩衝液中に分散させた場合、MCC充填剤単独と混合した細胞を含有する対照カプセルが、期待された多数の生きたラクトバチルス・カゼイ(L. caseii)細胞を放出することが見出された。対照的に、胆汁の用量を増大させることにより、生きた細胞の回収の低減がもたらされ、4%ウシ胆汁は30倍超の殺菌(killing)をもたらした。コレスチラミンを細菌及び充填剤粉末と混合してカプセル中に添加した場合、4%ウシ胆汁では3倍未満の減少が見られ、この高用量の胆汁に対する10倍超の保護がもたらされた。同様の結果がブタ胆汁で見られた(図9)。これにより、BARコレスチラミンを使用して、市販の凍結乾燥された乳酸菌の食品グレードの調製物を、胆汁から保護することができることが実証される。
上で示した実験データにより、胆汁への曝露の前に再水和させた場合、胆汁感受性の乾燥細菌が胆汁に対する耐性を迅速に回復すること、及び胆汁酸捕捉剤での胆汁溶液の前処理により乾燥細菌に対する胆汁の毒性が防止されることが示される。さらに、乾燥細菌の上面への胆汁酸捕捉剤の添加が胆汁の毒性を防止することが示され、乾燥前における賦形剤への胆汁酸捕捉剤の添加も、従来の賦形剤において乾燥させた細菌と比較して、胆汁の毒性に対する顕著な保護をもたらす。胆汁酸捕捉剤を含有するマトリクス錠剤及びカプセルも、胆汁溶液に添加した場合、胆汁酸捕捉剤を含まない対照錠剤又はカプセルと比較して生細菌の放出の増大を示す。
胆汁酸の非存在下における再水和後に、乾燥細菌が胆汁抵抗性を非常に迅速に回復することが見出された。これにより、乾燥細菌を、胆汁からの保護を伴う再水和を介して、経口送達形態において腸内で回収することができることが実証される。
BARは、胆汁酸を捕捉し再吸収を阻止するために従来より使用されているが、過去には、腸内での胆汁酸の影響を調節することは示されていなかった。
上で示したデータにより、乾燥細菌及び胆汁酸結合剤が共に存在する場合、胆汁酸の毒性が遮断される、すなわち胆汁酸結合剤の存在下では胆汁酸は乾燥細菌を殺すことができないことも示される。これにより、乾燥細菌をin vivoで胆汁酸の毒性から保護することができることが示される。
上で示したデータにより、胆汁酸結合剤の存在下で細菌を乾燥させた場合、試験管内の胆汁酸の総量が乾燥細菌配合物中に存在する胆汁酸結合剤の総結合容量をはるかに超える状況においてさえ、胆汁の毒性からの十分な保護がもたらされることも示される。
したがって胆汁酸捕捉剤を、投与用(dose)配合物中に組み込んで、腸への生きた細菌の送達の有効性を増大させることができる。従来の腸内送達システムにより腸中に放出された場合、胆汁酸捕捉剤は、乾燥細菌を胆汁酸から保護し、胆汁酸の毒性の非存在下で再水和するための時間を細菌に与え、これにより胆汁耐性の回復を可能とし、腸への生きた細菌の送達を向上させる。例えば、組換え抗原(プラスミド中のペストF1抗原)を含有する細菌ワクチン(SL3261/pAHL株)、及び乳酸菌ラクトコッカス・カゼイ(Lactococcuscaseii)の市販の乾燥調製物が、本明細書に記載される配合物により胆汁から保護される。さらに、腸溶コーティング及び胆汁酸捕捉剤の存在により、酸とその後の胆汁溶液とへの連続的な曝露(模擬された摂取)から投与用配合物が保護される。
Figure 2012514629

Claims (28)

  1. 乾燥生細胞及び胆汁酸結合剤を含む、個体への経口投与のための固体配合物。
  2. 前記細胞が細菌細胞である、請求項1に記載の固体配合物。
  3. 前記胆汁結合剤が正に荷電したポリマーである、請求項1又は2に記載の固体配合物。
  4. 前記正に荷電したポリマーが陰イオン交換樹脂である、請求項3に記載の固体配合物。
  5. 前記陰イオン交換樹脂がコレスチラミンである、請求項4に記載の固体配合物。
  6. 前記生細胞を、該細胞中における二糖の細胞内レベルを増大させること、及び炭水化物安定化剤の存在下で前記細胞を乾燥させることにより乾燥させる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固体配合物。
  7. 前記二糖及び前記炭水化物安定化剤がトレハロースである、請求項6に記載の固体配合物。
  8. 乾燥生細菌の顆粒及び乾燥胆汁結合剤の顆粒を含むコアを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の固体配合物。
  9. 乾燥生細菌を含むコアを含み、該コアが胆汁結合剤を含む層により囲まれる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の固体配合物。
  10. 前記乾燥生細胞がリゾチーム感受性である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の固体配合物。
  11. 陽イオン交換樹脂をさらに含む、請求項10に記載の固体配合物。
  12. 前記乾燥生細胞が異種核酸を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の固体配合物。
  13. 前記異種核酸が外因性抗原をコードする、請求項12に記載の固体配合物。
  14. 前記乾燥生細胞及び前記胆汁結合剤がポリマーシェルに封入される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の固体配合物。
  15. 前記ポリマーシェルがヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項14に記載の固体配合物。
  16. 腸溶コーティングで覆われる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の固体配合物。
  17. 生きた乾燥細菌及び胆汁結合剤を含むコア、並びに
    前記コアを囲む腸溶コーティング
    を含む、請求項16に記載の固体配合物。
  18. 前記コアが、前記腸溶コーティングでコーティングされるポリマーシェルに封入される、請求項17に記載の固体配合物。
  19. 経口投与のための固体配合物を製造する方法であって、
    生細胞を乾燥させること、並びに
    前記乾燥させた生細胞を胆汁酸結合剤、及び必要に応じて薬学的に許容される賦形剤と混和して固体配合物を製造すること
    を含む、方法。
  20. 経口投与のための固体配合物を製造する方法であって、
    生細胞を胆汁酸結合剤、並びに必要に応じて薬学的に許容される担体及び/又は上で記載される他の材料と混和して混和物を製造すること、並びに
    前記混和物を乾燥させて固体配合物を製造すること
    を含む、方法。
  21. ヒト又は動物の身体の治療処置又は予防処置における使用のための乾燥生細胞及び胆汁酸結合剤の組合せ。
  22. 個体の腸への生細胞の送達における使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の固体配合物。
  23. ヒト又は動物の身体の治療処置又は予防処置における使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の固体配合物。
  24. 病原体感染症、炎症性腸疾患の治療処置又は予防処置、免疫付与、免疫療法、及び腸の微生物叢の再定着化から選択される方法における使用のための乾燥生細胞及び胆汁酸結合剤の組合せ。
  25. 病原体感染症、炎症性腸疾患の治療処置又は予防処置、免疫付与、免疫療法、及び腸の微生物叢の再定着化から選択される方法における使用のための、請求項1〜18のいずれか一項に記載の固体配合物。
  26. 病原体感染症、炎症性腸疾患の治療処置又は予防処置、免疫付与、免疫療法、及び腸の微生物叢の再定着化から選択される方法であって、乾燥生細胞及び胆汁酸結合剤の組合せをそれを必要とする個体に投与することを含む、方法。
  27. 病原体感染症、炎症性腸疾患の治療処置又は予防処置、免疫付与、免疫療法、及び腸の微生物叢の再定着化から選択される方法であって、請求項1〜18のいずれか一項に記載の固体配合物をそれを必要とする個体に投与することを含む、方法。
  28. 治療法に関する乾燥生細菌細胞の有効性を増大させる方法であって、該細胞を胆汁酸結合剤と共に製剤化することを含む、方法。
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