JP2012512525A - 超伝導システム - Google Patents

超伝導システム Download PDF

Info

Publication number
JP2012512525A
JP2012512525A JP2011540207A JP2011540207A JP2012512525A JP 2012512525 A JP2012512525 A JP 2012512525A JP 2011540207 A JP2011540207 A JP 2011540207A JP 2011540207 A JP2011540207 A JP 2011540207A JP 2012512525 A JP2012512525 A JP 2012512525A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconductor
magnetic
magnetization
wave
magnetic field
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011540207A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012512525A5 (ja
JP5878019B2 (ja
Inventor
アーサー クームス,ティモシー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Magnifye Ltd
Original Assignee
Magnifye Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Magnifye Ltd filed Critical Magnifye Ltd
Publication of JP2012512525A publication Critical patent/JP2012512525A/ja
Publication of JP2012512525A5 publication Critical patent/JP2012512525A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5878019B2 publication Critical patent/JP5878019B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F6/00Superconducting magnets; Superconducting coils
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F6/00Superconducting magnets; Superconducting coils
    • H01F6/006Supplying energising or de-energising current; Flux pumps
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/38Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field
    • G01R33/381Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field using electromagnets
    • G01R33/3815Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field using electromagnets with superconducting coils, e.g. power supply therefor
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F13/00Apparatus or processes for magnetising or demagnetising
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/80Constructional details
    • H10N60/84Switching means for devices switchable between superconducting and normal states

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

本発明は、主として超伝導体を磁化するための方法および装置に関するものである。磁石を自動制御して超伝導体の表面の近傍で磁束の波、特に磁束の定常波を生成することにより超伝導体の磁化を変化させる方法について述べる。本手法の好ましい実施形態では、超伝導体が強磁性またはフェリ磁性材料を含む磁気回路の中に設置され、さらに本手法には超伝導体の磁化の変化期間または変化終了後に行う磁気回路の制御が含まれる。

Description

本発明は、主として超伝導体を磁化するための方法および装置に関するものであり、フラックス・ポンプや新型の磁化された超伝導体に関係する。
超伝導フラックス・ポンプの概念は比較的簡単である。小さい磁界を繰り返し加えることで、超伝導体内に非常に大きな閉じ込め磁界を生み出す。この磁界は超伝導体の体積とその臨界電流によって制限されるが、励起場には依存しない。超伝導体が冷却された状態にある限り、外部から電流を流すことなくその磁界は持続する。
ここでは、高磁場、例えば1T以上の範囲のものの生成を容易にする実施形態を持つ新しい技術について述べる。さらに、実施形態では、磁化方向が本質的に平面状の磁石とほぼ垂直となる。さらに他の実施形態では、磁石は、例えば一様場や伝搬する波動場を生成するよう時間と空間の両方で変化する場合も含めて好ましい磁界パターンの範囲で磁化される。
大まかには、ここで述べる技術の実施形態では、磁界を貯えるための媒体、通常は超伝導体、を用いる。また実施形態では、その媒体が磁性を帯びるような媒体の機能化は、例えば常磁性から強磁性や反磁性へと磁気状態を変化させることができる材料によりもたらされる。そのような材料が自らの磁気状態を変化させる時、磁界の変化が超伝導体内に誘導電流を発生させ、超伝導体の磁化(あるいは減磁)が生じる。ここで述べる技術の実施形態、例えば前述の幾何形状及び/又は手法の実施形態は、潜在的に非常に幅広い応用例を有している。
本発明の最初の態様によれば、超伝導体の磁化を変化させる方法が提供され、磁石を自動的に制御して, 超伝導体にて、特に超伝導体の表面またはその近傍にて磁束の波動(特に定常波)を発生させる。
いくつかの実施形態では、その磁束波動の上昇時間と下降時間とは異なる。例えば、上昇時間は下降時間よりも長いかもしれない。上昇時間と下降時間とが重要となる理由は、磁化が、超伝導体内に誘導された後減衰していく電流に依存するためである(これが実際に生じることである)。反対向きの磁束密度の変化は反対向きの電流を誘導する(そして、減衰がなければこれらは完全に打ち消し合い、1サイクル後に磁化は変化しないだろう。)。補足的にまたは代替的に、波の周期と、その(定常または伝搬)波の作用時間の間隔とは10%、50%、100%、200%以上異なる。すなわち、波の周期と印加間隔とは大きく異なる。
いくつかの好ましい実施形態としては、電磁石が超伝導体の磁化を増加するのに利用される(超伝導体表面の磁場が磁化の過程で作用する磁場(の最大値)よりも大きくなるまで、超伝導体は磁化される。)。その手法の実施形態では、作用する磁場は時間的に変化する振幅を持つ周期的波形で、特に時間と共に振幅は減少する。これは磁化時間を長くするが、そのような手法により、徐々に変化する磁場はより大きくなりうる。
いくつかの好ましい実施例では、超伝導体は磁気回路の一部となり、磁気回路は、生成された場の磁化(または反磁化)や減衰の両方または1つを制御するために制御される。したがって、実施形態では、磁気回路は強磁性またはフェリ磁性材料を含んでおり、それらの材料は磁化の変化中または変化終了後に磁気回路の調整に利用され、磁化過程の期間または終了後に損出を低減するまたは磁化減衰を低減する。また、実施形態では、(材料の透磁率を制御するために)強磁性またはフェリ磁性材料の温度を制御することにより、その調整がなされる。また、他の実施形態では、その調整は磁気回路を開放してなされ、例えば、キュリー点を超えて材料を加熱する。
もっと詳細に述べると、例えば磁化過程期間に、最初に超伝導体がほとんど磁化していない時は、磁気回路は作用させる場の強さを増大するほど有利となる。しかしながら、超伝導体が充電されると、それ自身が磁場の発生源となり、磁気回路の存在はそれほど重要ではなくなる。その時には、磁気回路を開放し、超伝導体を回路から切り離して損出を低減する方が好ましくなる。利便性を考えると、磁気回路の一部又は一素子を温度で切り替え可能な磁性素材で構成し、この要素の温度を調整することで磁気回路を制御する。もっと一般的には、電気回路との類似性から、例えば、回路内の磁性素子の透磁率を調整するようにして、磁気抵抗を制御することで磁気回路の有効抵抗は調整可能である。実施形態では、回路内の要素を動かせば機械的に制御することができる。しかしながら、この要素の温度調整により強磁性またはフェリ磁性材料を回路内で制御することが好ましい(キューリー点でさえ多くの磁性素材は鋭いスイッチング特性を示さないことを当業者は認めるだろう。)。
上で述べた手法の実施形態は、例えばMRI(磁気共鳴画像)装置のような磁気画像装置の関連で特に役立つと考えられる。そのような装置では、磁化の低い減衰率が重要であり、これは磁化後に超伝導体の中で磁化減衰を相殺するために磁気回路を制御することで可能となる。したがって、超伝導体の磁化が減衰するにつれて、磁気回路内の場は磁気回路の磁気抵抗を低減することで保持される。しかしながら、もっと一般的には、超伝導体の磁化の変化期間または終了後に磁気回路を調整しても良いことがわかるだろう。補足すると、磁気回路内の磁束密度は超伝導体の磁化と回路の磁気抵抗との関数であり、磁気回路の調整により高くしたり、低くしたりすることができる。
磁気回路の全体または一部の動作を(完全に)止められる(開放できる)設備があることが好ましい。例えば、ロータとステータの一部から磁気回路が構成されるモータでは、このような機能は有益である。ステータは変動磁場にさらされるので、損失源となる。もしキューリー点を超えさせることで材料(回路)が動作を止めるのであれば、このような損失は低減または十分に取り除くことができる。
上に述べた磁気回路の調整を利用する手法は、後で述べる変動・伝播波の手法にも応用可能である。
したがって、もう1つの態様として、本発明は超伝導体の磁化を変化させる方法を提供する。特に(自動的に)磁石、好ましくは電磁石を制御することで磁束の波を生成する。この方法では、超伝導体は強磁性またはフェリ磁性材料を含む磁気回路内に設置されており、特に強磁性またはフェリ磁性材料素子の温度を変化させることで、磁化の変動中またはその終了後に磁気回路を制御する。実施形態としては、磁束の波は伝搬波または定常波であり、さらに別の実施形態では時間と共に減少する振幅を有しても良い。本発明のこの態様は、提案方法を実行する手段を有する対応装置を提供する。
上記の手法は前述のMRIのように多くの応用対象を考えることができる。例えば、本手法は特に同期型のモータや発電機においてステータ部の磁場を抑えて損出を低減するために利用しても良い。例としては、船舶向け大型モータや風力や波力等の発電装置を挙げることができる。他の応用例としては、磁性媒体の非磁性化の改善手法や異なる磁気特性を有する要素間の磁気分離手法が考えられる。
本発明の関連態様により、超伝導体の磁化を変化させる装置が提供される。この装置は、磁石を自動制御して超伝導体の表面近傍に磁束の定常波を発生させる手段を有する。
当業者は、他にもいくつかの方法でそのような定常波を生成できることを認めるだろう。例えば、コイルに流れる電流の増減を可変電源を用いて行えば良い。
本発明の他の態様により、超伝導体の磁化を変化させる手法が提供される。この方法は、磁場を自動制御して前記超伝導体の表面を伝搬する磁束の波を生成するものである。
この方法では、磁束の伝搬波を超伝導体に繰り返し加えることが好ましい。このようにして、伝搬波の通過の度に永久電流を発生させることで超伝導体内に貯えられる磁束を増加させることができる。実施形態では、磁束の波は超伝導体の臨界磁場より大きな磁場を与える。ここで、臨界磁界とは、例えば、第一種超伝導体では第一臨界磁場(のみ)である。第一種超伝導体が用いられるとすると、伝搬磁界は超伝導体を貫く磁束線を動かすのに充分な強さでなければならない。そのような磁束線は超伝導体内のある領域、例えば超伝導体の真ん中まで掃引されるかもしれない。
本方法のより好ましい実施形態としては、超伝導体として第二種超伝導体を採用し、磁束が超伝導体の下部臨界磁界(Hc1)よりも大きい場合である。通常のHc1は、例えば20 mT前後のように小さい値になる。しかしながら、この手法の実施形態では、 1、5、または10 Tよりは大きいと考えられる上部臨界磁界(Hc2)まで、例えば40または50 Tまで、少なくとも原理上は超伝導体を磁化させる。実際には、そのような大きな磁界によって発生する反発力(2つの平行電流に起因する)は大きな応力を発生させ、特に高温超伝導材料では何らかの形の機械的固定が磁場の上限値では好ましい。
本発明は、超伝導体を磁化または減磁する、あるいは超伝導体の磁化を動的に変化させるために用いられる。磁化の動的変化については、磁束の伝搬波(つまり磁界の伝搬波)を超伝導体の磁化を増大、または減少するように印加するかどうかに関係している。超伝導体を磁化する際には、超伝導体の表面上を磁束が掃引する度に、磁束が超伝導体内に閉じ込められるように制御される。このようにして、比較的小さな磁場で繰り返し掃印することで非常に大きな磁場を超伝導体内に形成することができる。
変動磁場内の超伝導体には、磁場の変化を妨げる向きに誘導電流が流れる。超伝導体は完全な伝導体ではなく、温度依存の割合で誘導電流は減少していく。温度が低いほど、誘導電流の減少率は小さくなる。電流の誘導率と減少率の関係は、臨界電流と合わせて最終的な超伝導体の磁化の値を示す。後述の熱的な伝搬波のような横方向に運動する磁場源により、磁気的な伝搬波は生成されうる。また、横方向に固定された磁石を超伝導体近傍でオン(またはオフ)したり、超伝導体へ接近(または離反)させても、波が生成されるだろう。磁石のオン(またはオフ)と磁場の増加(または減少)につれて、超伝導体は変動磁場にさらされて、誘導電流を発生させる。超伝導体の出会う波は、磁石のオン・オフや、超伝導体への磁石の接近・離反および/または横断運動により生成される。ここで述べた磁石とは、磁界の供給源であれば何でもよく、永久磁石、コイルシステム、または永久磁石またはコイルセットによる駆動される鉄芯磁石の磁極端のようなものが挙げられる。
原理的には、伝搬波はコイルセットによって発生させても良いが、固体物理の手法を用いることが好ましい。したがって、より好ましい実施形態としては、超伝導体表面上に広がる磁性材料の層内で磁気秩序の波を磁界により自動的に制御する。当業者は、磁性材料が超伝導体表面と接触している必要がないことを理解するだろう。後述のように超伝導体表面と磁性材料を分離すると、いくつかの利点が生じる可能性がある。しかしながら、両者を鎖交する磁束を増大させ効率を高めるために、磁性材料は超伝導体表面の充分近くに配置することが好ましい。また、磁性材料の層は超伝導体と同じような大きさを持つことが望ましく、それゆえに、数マイクロメートルから数ミリメートルまたはそれ以上の厚みを持つ場合がある。いくつかの好ましい実施形態においては、厚膜または薄膜技術が使われる。
磁気秩序は、既知の磁気秩序の型を広範囲で含んでおり、限定するわけではないが強磁性、フェリ磁性、反磁性、そしてそれらの変化したもの、例えば、傾斜磁性、らせん磁性、低次元磁性等である。しかしながら、概略的には、磁気秩序の波は、何らかの型への磁気的な整列化の波である。例えば、伝搬波は、磁気秩序の伝搬パルスや、磁化した材料内では逆に磁気秩序の無いパルス(これが好ましい磁束変化となる場合には)から構成される。
磁性材料はそれ自身大きな磁界を発生させる必要はない。その代わりに、本手法の実施形態としては、磁性材料内に磁気抵抗を減少(または等価的に増加)された領域を作り出すことにより、外部印加磁界を超伝導体内で局所的に集中させる。したがって、外部印加磁界を局所的に増加させるために磁気抵抗の小さな経路を生成するような磁気秩序を行っても良い。
いくつかの特に好ましい実施形態では、電流パルスの印加による電気的導体の加熱(または冷却)が熱的な伝搬波の発生に使用される。また、使用状態において熱的な伝搬波が磁気秩序を制御できるように、導体の特性(抵抗率や寸法)や印加電流の大きさを選定する必要がある。したがって、例えば、電流パルスにより導体に沿って流れる熱パルスを発生させる場合には、キュリーポイントよりも高い温度まで材料を局所的に加熱することにより、磁気秩序の無いパルスを秩序ある磁化された材料内に次々に発生させる。当業者は、他に多くのものがあることを認識しているであろうが、プルシアンブルー(およびその類似物)は適切な磁気材料の一例である。磁性材料の選択にあたっては、例えば、熱的な波の大きさや超伝導体が超伝導状態になる臨界温度が考慮される。しかしながら、実施形態では、磁気秩序はその秩序温度で発生し、熱的な波による温度変化で材料内にこの秩序温度の転移が発生する。
関連した態様の1つとして、本発明は超伝導体の磁化方法を提供する。この方法は、前記超伝導体の臨界磁界より大きな磁界を前記超伝導体に繰り返し印加する。
この方法のいくつかの好ましい実施形態においては、印加磁界よりも少なくとも50%大きい磁気モーメントをもつように、超伝導体は磁化される。しかしながら、印加を繰り返すことで、超伝導体の磁気モーメントが印加磁界の2、5、10、または100倍以上にまで到達し得ることが認識されるだろう。
また、印加磁界の振幅を変化させることで、磁界の蓄積速度や到達磁界の最大値を変化させることが可能となることも認識されるだろう。例えば、初期段階では、超伝導体を早く磁化するために大きな磁界を印加することが好ましいが、後の段階で小さな磁界が印加されると、これにより閉じ込め磁界の大きさを厳密に制御することが可能となり、さらに超伝導体内での閉じ込め磁界全体の最終的な大きさも増加することになる。
したがって、本発明の別の態様として、超伝導体表面の近傍で磁束の波の大きさを自動的に調整することで超伝導体の磁化速度を制御する方法を提供する。
また、本発明は超伝導体表面の近傍で磁束の波の大きさを自動的に調整することで超伝導体の最大磁化を制御する方法を提供する。
上述の方法では、磁化の各段階で磁束の波の振幅を変化させることが好ましい。
本発明者は、印加磁気波の振幅が比較的小さい場合と大きい場合の2つについてどのように磁化が進むか調査を行った。最大値m0については実質上両者は同じであるが、シミュレーション結果から特に次の2点が明らかにされた。より大きい磁界を用いるとより早く目標点まで到達できることと、さらに特には、驚くべきことにより小さい磁界を用いるとより大きな全平均m0を生成できることである。この原因としては、最大磁界はサイクルの中間部分で発生し、サイクル後半では波が離れていくにつれて絶対値m0が減少するためだと考えられる。したがって、磁化方法としては、最初は超伝導体の中を十分に通るように大きな磁界を印加し、最良の磁化m0を得られるように小さな磁界で終了させることが好ましい。
したがって、さらに関連の態様として、本発明は、超伝導体の磁化を変化させる、特に超伝導体を磁化させる方法を提供する。この方法は、変動磁束の波を印加することを含む。ここで、変動磁束の前記波は、時間と共に減少する振幅を持ち、特に連続する変動磁束の前記波は、連続的に小さくなる前記振幅を有する。
また、本発明は、超伝導体の磁化を制御または変化させるシステムであって、前述の方法を実行する手段を備えるシステムを提供する。
したがって、本発明は、超伝導体の磁化を変化させるための装置であって、振幅が時間と共に減少する変動磁束の波を印加する手段を備える装置を提供する。
実装時には、前述の手法は1つの超伝導体の磁化に使用され、そしてもう一つ別の(次の)超伝導体も変化させていることが好ましい。したがって、実施形態では、最初の超伝導体を磁化するとともに磁束を鎖交させて次の超伝導体を磁化させるようにして、前述の方法や装置が物理的に隣接した一連の超伝導体群の磁化のために利用される/のための手段を有する。
補足的態様としては、本発明は超伝導体を磁化するためのシステムを提供する。このシステムは前記超伝導体の表面上を伝搬する変動磁束の波を発生させる装置を含む。
したがって、好ましくは、その装置は、伝搬波を発生させて材料内の磁気秩序を制御する制御システムを含む。特に、材料内に磁気秩序の伝搬波を発生させるために熱的な伝搬波を発生させるように制御システムを構成しても良い。したがって、制御システムは、例えば、パルスのような電流波形を出力できる電流源によって駆動される電気導体を含んでもよい。
さらに関連の態様としては、本発明は、超伝導体の臨界磁界より大きな磁界を超伝導体に繰り返し印加する手段を備える超伝導体磁化システムを提供する。
前述のように、磁界は、プルシアンブルーまたはその類似物のような磁性材料の層内で磁気秩序を制御することによって、繰り返し印加されることができる。また、好ましい実施形態においては、熱的な波が磁化を制御するのに使われるが、後述の表に示されるプルシアンブルーの類似物等の磁性材料では、例えばレーザーのような光を使って切り替えが可能である。したがって、前述の方法やシステムの別の実施形態では、磁性材料に光の変動パターンを印加することで(例えば、材料を横断するようにレーザ光を掃引する)、変動磁界が超伝導体に印加される。
また別の態様としては、本発明は、超伝導フラックスポンプを提供する。超伝導フラックスポンプは、超伝導材料層、磁性材料層、および電気導体を備える。磁性材料層は、前記超伝導体層上に配置され、2つの磁気相間で熱的な切り替え制御が可能であり、且つ少なくとも1つの磁気相にて前記超伝導体層と磁気的に結合している。電気導体は、前記磁性材料層と熱接触し、該導体を流れる電流の制御により前記磁性層の熱的な切り替え制御が可能となるように構成される。
磁性材料と超伝導材料との間にはスペーサ材料の層を設け、熱的な絶縁(例えば、温度の伝播パルスにより磁束の伝搬波を生成するような実施形態)、および/または、電気的な絶縁(磁性材料の電気伝導度や導体の配置にもよるが、電気導体により温度変化の伝搬を生成する場合)を設けることが好ましい。補足的にまたは代替的に、磁性材料と超伝導材料は物理的に分離しても良く、あるいは、超伝導フラックスポンプ装置の別の要素内に分離可能であり、分離した容器内に設置しても良い。例えば、フラックスポンプの実施形態においては、超伝導体を棒状などのホルダ上に設置し、フラックスポンプが動作するように超伝導体と磁性材料を充分近づけて超伝導体の充電または放電を行うことが可能である。したがって、実施形態においては、プルシアンブルーの類似物などの磁性材料と、好ましくは関連の電子回路や磁場源の磁石またはコイルから構成される磁気的な充電および/または放電ユニット内に、そのホルダは差し込まれることになる。
したがって、本発明の更なる態様としては、超伝導体を含む第1の部分、および超伝導体の磁化を変化させる充電および/または放電ユニットを含む第2の部分の2部から構成される超伝導フラックスポンプ装置を提供する。充電および/または放電ユニットは、少なくとも切替え可能磁性材料とその磁性材料を切り替えるためのシステムを含む。このシステムにより、超伝導体は、磁性材料の切替え制御によって超伝導体磁化を変化できるよう、磁性材料に近づけられるまたは磁性材料近傍に位置される。磁性材料切替えシステムは、磁性材料を熱的に変化させるシステムを備えることが好ましく、また、磁場源として磁石かコイルを含んでもよい。
好ましくは超伝導体は、いわゆる銅酸化物超伝導体、好ましくはYBCO(イットリウムバリウム銅酸化物)、のような高温超伝導体を含む。
本発明はまた、各々が前述のフラックスポンプを含む複数の微小要素を持つ超伝導デバイスを提供する。(当業者は、超伝導デバイスやフラックスポンプについて言及する場合には、そのデバイスやフラックスポンプが超伝導状態にあるとは限らないことを理解するだろう。)
実施形態においては、一度1つの微小要素が磁化されると、隣接する微小要素に作用する周囲磁界が増加し、プルシアンブルーに作用する周囲磁界はより大きくなる。したがって、第2の微小要素上のポンプは第1の微小要素上のポンプより大きな磁化を生成する。したがって、第1の磁化された超伝導体は第2の超伝導体の磁化を補助し、さらに第2が第3にという具合に続く。
したがって、本発明はまた、物理的に隣接する超伝導体群からなる一連の超伝導体を磁化する方法を提供する。この方法は、一連の超伝導体の中で、磁束が第2の超伝導体と鎖交するように第1の超伝導体を磁化すること、および第2の超伝導体の磁化にその鎖交磁束を利用することを含む。
同様に、本発明は、物理的に隣接する超伝導体群からなる一連の超伝導体を磁化するシステムを提供する。このシステムは、一連の超伝導体の中で、磁束が第2の超伝導体と鎖交するように第1の超伝導体を磁化する手段、および第2の超伝導体の磁化にその鎖交磁束を利用する手段を備える。
そのようなデバイスを、微小要素で構成される磁界、特に各要素の磁化を定義することで定義可能なデバイス平面に垂直な形の磁界を発生するために利用しても良い。このようにすると、通常とは異なる形状の磁界、例えば、ある平面領域にわたってほぼ平坦な磁界の発生が可能となる。
したがって、更に別の態様としては、本発明は、ある領域に広がる磁界を定める方法を提供する。この方法は、超伝導磁性要素を複数用意すること、および前記超伝導磁性要素の磁化を制御することで前記磁界を前記領域に定めることを含む。
当業者は、先の超伝導磁性要素は全て同じ超伝導体の一部でも良いことを理解するだろう。すなわち、磁化可能層および/または超伝導体は、例えば微小要素群になるようにパターン化された単一の連続的な層でも良い(これは後述の図1bおよび1cに描かれている。)。更に好ましい実施形態としては、磁化可能(磁気的に切り替え可能な)層は、(例えば後述の図1bで示されるような)連続した層として構成しても良い。いくつかの好ましい実施形態では、磁化可能または切り替え可能な磁気層と、超伝導体または超伝導層との間にスペーサまたは熱的な絶縁層を設置する。しかしながら、例えば、超伝導体の臨界温度よりも低い温度、望ましくは、臨界温度よりも十分に低い温度で、切替え可能磁気層が動作するような実施形態では、絶縁層は省略可能である(例えばプルシアンブルーやその類似物とYBCOの場合)。
さらに関連の態様としては、本発明は超伝導磁気デバイスを提供する。このデバイスは、超伝導体領域と磁気的な伝搬波を前記超伝導体領域に印加するシステムを含む超伝導磁性要素を備える。
選択された超伝導磁性要素を参照し、参照された要素を磁化(または減磁)をするために磁気的な伝搬波を印加するシステムを駆動するために、そのデバイスは複数の電極を含む方が好ましい。また、前述のように、そのデバイスは複数の磁気的な微小要素を含む方が好ましい。さらに、各微小要素は超伝導フラックスポンプとして構成可能であり、特に微小要素にパターン化された磁化可能層と、これに対応する複数の超伝導磁性要素とを使用して良い。実施形態としては、磁化可能または切り替え可能な磁気層および/または超伝導体は、連続した層として構成可能であり、連続層を、絶縁材料層によって超伝導体から分離するという、必須ではないが、選択肢もある。また、磁気的な波を印加するシステムは、超伝導体を磁化(または減磁)するために磁化可能材料の領域を含む方が好ましい。またさらに、磁化可能材料に熱的な伝搬波を印加し、磁性材料における磁気秩序の変化により磁気的な伝搬波(変動磁界)を発生させるために、そのシステムは少なくとも1つの電気導体を有している方が好ましい。
さらに、本発明は、表面を有する超伝導体、前記表面に広がる磁化可能材料層、および前記超伝導体表面と前記磁化可能材料との間の熱的な絶縁領域を備える、磁化可能な超伝導体を提供する。
実施形態では、その熱的な絶縁領域は、空気層でも良く、たとえば磁化可能材料と磁化または減磁される超伝導体とを分離する。また、超伝導体の表面は平面である必要はない。
外部(磁)界の無い場合に超伝導体が超伝導状態を示す上限温度より100 Kまでは温度が高くなければ自然に磁気秩序の整う材料で、磁化可能材料層を構成する方が好ましい。例えば、強磁性またはフェリ磁性の材料のキュリー温度は、超伝導体が超伝導を示す温度、例えば、10K、50K、または100K以下の温度に比較的近い方が好ましい。しかしながら、熱絶縁の程度にも依存するが、例えば500Kとか1000Kのような大きな温度差が両者に存在する場合でも、まだ動作可能な実施形態も考えられる。また、いくつかの実施形態では、熱絶縁領域とは部分的に熱的な分離を必要とするだけか、または省略可能でさえあることが理解されるだろう。
別の態様としては、本発明は、表面を有する磁化された超伝導体を提供する。前記表面に垂直に軸を定義すると、外部印加磁界の存在しない場合に、磁化された超伝導体は、前記軸からの距離の増加に対して単調に変化しない磁界を有する。
いくつかの好ましい実施形態では、超伝導体表面は十分に平面であり、前述の軸は超伝導体の対称軸としても良い。ここで記述される磁化技術は、超伝導体が新しい方法により磁化されるこを可能ならしめる。
したがって、更なる態様としては、本発明は、表面を有する磁化された超伝導体を提供する。前記表面に垂直に軸を定義すると、外部印加磁界の存在しない場合に、磁化された超伝導体は、前記軸からの距離の増加に対して強さがほぼ一定である磁界領域を少なくとも有する。
従来の平面磁石形状の場合には、減磁は、表面上にほぼ一定の磁気モーメントを持つ磁石を製作するのを困難にする。この形の磁石では、磁気モーメントが磁石中心に向って減少してしまうのが普通である。対照的に、ここで述べる技術の実施形態では、例えば超伝導体ディスクの磁気モーメントは中心に向って十分直線的に増加するように描く。この時、円電流の配置は、概念的には同心円状のホットケーキ型コイルの集合と等価と考えられる。これら仮想コイルにほぼ同じ大きさの電流が流れる所では、磁界は超伝導体の対称軸に向って増加する。前述の伝搬磁界により仮想コイル電流の大きさが異なるような場所では、対称軸に向って減少する磁界と増加する磁界との中間的なもの、特に、十分に平坦な磁界が得られる(磁気モーメントは平坦な表面に垂直であり、少なくとも表面の中心付近では十分に一定とみなすことができる。)。大きさの異なる円電流を配置する方法は多くある。1つには、超伝導体の対称軸に向って厚さが徐々に薄くなるような導体を使うことである。別の方法としては、前述のような微小要素化された磁化可能超伝導体を使い、平坦表面領域上に十分一定の磁界を発生することである。
したがって、更なる態様としては、本発明は、循環方向が同じで大きさの異なる複数のほぼ同心円状の円電流を有する、磁化された超伝導体を提供する。
ここで述べる磁化技術の実施形態では、中心円電流が前述の複数の同心状円電流に対して逆向きに循環する。
ここで述べる技術は、例えば、少なくとも1T、2.2T、2.3Tまたはそれ以上の最大磁気モーメントを持つような非常に強い磁界を発生できる(超伝導体について磁気モーメントと磁化は同じことを表していると、当業者は理解するだろう。)。この磁気モーメントは、現在の材料を使って得られるよりも大きい。
したがって、本発明はさらに、十分に平坦な形状で、少なくとも1Tの磁気モーメントを持つ、磁化された磁性超伝導体を提供する。
例えば、実施形態では、1010 A/m2の臨界電流(Jc)をもつ典型的な高温超伝導体を使用し、1.4Tの磁界を発生させるためには、厚み90μmおよび直径1mmの超伝導体ディスクが要求される。また、直径5mmのディスクで同じ強さの磁界を発生させるためには、厚み約45μmで充分であることが計算上示されている。わずか20から30mTの範囲の励磁を繰り返し印加すれば、この種の超伝導体は1.4Tまで磁化される。
ここで使用している基本的な原理は熱を使用して変動磁界を誘導することである。この誘導磁界は電界を作り出して、電流が発生する。記述された実施形態では、超伝導体内に電流を誘起すると、電流が持続し、持続可能な磁界が生成される。実際には、ここで述べられた技術は(超伝導体に限らず)何らかの電気的な導体を使用しても良い。本発明の実施形態としては、超伝導体は従来の電気導体へと変更可能であり、その結果、例えばデバイスが電力を生成する熱機関として動作することになる。
したがって、本発明はまた、光または熱エネルギーから電力を生成する熱または光機関を提供する。これらの機関は、光または温度の変化を磁界の変化に転換する手段、および磁界の変化を電力に変換する手段を有する。
本発明者は、類似の概念が高効率の太陽電池の基礎として使用可能であることを確認している。
したがって、本発明の更なる態様としては、太陽電池が提供される。この太陽電池は、磁気的に変更可能な光伝送を持った窓口を供給する材料の第1層、前記第1材料層の下にある磁気的に切り替え可能な材料の第2層であって、該磁気的に切り替え可能な材料は光に反応する磁化を持つ第2材料層、および前記の磁気的に適当な材料の磁界中の導体を備える。そして、運用中には、前記の磁気的に切り替え可能な材料へと伝達される光を振動させると、前記磁化の変化が起こり、前記導体内に電流が誘導される。
第一材料層は液晶材料で構成することが好ましい。実施形態では、切り替え可能な磁性材料に対して磁界を発生させるために、太陽電池は永久磁石のような手段を有している。
本発明のこれらとその他の態様は、添付の図面を参照しながら、単なる例として更に説明される。
超伝導フラックスポンプの正面図を示す。 超伝導フラックスポンプの正面図を示す。 超伝導フラックスポンプの正面図を示す。 フラックスポンプを上から見た図で、複数のフラックスポンプ微小要素を示している。各微小要素は、例えば図1に示すようなタイプとなる。 図1のようなデバイスを上から見た図で、図2のデバイス用にフラックスポンプの微小要素を参照する例も合わせて示されている。 モデル幾何形状の例を示す。 磁界が超伝導体の中心へと掃引される時に何が起きるかを段階的に示している(左右両側で対称であるため超伝導体の右半分のみが示されている)。 磁界が超伝導体の中心へと掃引される時に何が起きるかを段階的に示している(左右両側で対称であるため超伝導体の右半分のみが示されている)。 磁界が超伝導体の中心へと掃引される時に何が起きるかを段階的に示している(左右両側で対称であるため超伝導体の右半分のみが示されている)。 超伝導体リングの中央における閉じ込め磁束密度を示す(ポンプの数に対する平均磁束密度)。 図7と類似しているが補足的な減磁過程を示す。 図7と類似しているが補足的な減磁過程を示す。 減磁プロセスにおける超伝導リング中央における閉じ込め磁束密度を示す(ポンプの数に対する平均磁束密度)。 磁化された超伝導体の例を示す。そして、 磁束を掛け合わせた時の効果を描いている。 磁束を掛け合わせた時の効果を描いている。 太陽電池の例を示す。 本発明の態様に関する実装技術を実際に行う実験装置を示す。 NdFeBのB-H曲線の例を示す。 半分に切断したプルシアンブルー円板の例について上から見たものと断面を示す。 異なる温度におけるプルシアンブルー類似物のM-H曲線を示す。 図14の装置内の中央および中央外のプローブにより測定された温度(K)に対する磁束密度(mT)のグラフを冷却時と加熱時について示している。 図14の装置内の中央および中央外のプローブにより測定された温度(K)に対する磁束密度(mT)のグラフを冷却時と加熱時について示している。 臨界温度におけるマイスナー転移を示しており、冷却時(左側の目盛)および加熱時(右側の目盛)または中央および中央外プローブの場合を取り上げている。 中央と中央外のプローブについて、温度(K)に対する磁束密度(mT)のグラフを示しており、複数のポンプ周期が現れている。 単一と複数両方のポンプ周期について、温度(K)に対する磁束密度(mT)のグラフを示す。単一周期の中央プローブの場合には、超伝導体が常伝導状態になる時にその軌跡に不連続性が現れる。そして、 超伝導体が無い場合の制御軌跡を示す。 超伝導体が無い場合の制御軌跡を示す。 矩形波、非対称上昇・下降波、対称上昇・下降波および伝搬磁石について波の数に対する(完全に貫通した磁化の一部としての)磁化を示している。また、図a)からc)は、種類の異なる定常波を印加した時の影響を示し、同振幅の磁界を伝搬波として印加した時の影響は図d)に示されている。 矩形波、非対称上昇・下降波、対称上昇・下降波および伝搬磁石について波の数に対する(完全に貫通した磁化の一部としての)磁化を示している。また、図a)からc)は、種類の異なる定常波を印加した時の影響を示し、同振幅の磁界を伝搬波として印加した時の影響は図d)に示されている。 矩形波、非対称上昇・下降波、対称上昇・下降波および伝搬磁石について波の数に対する(完全に貫通した磁化の一部としての)磁化を示している。また、図a)からc)は、種類の異なる定常波を印加した時の影響を示し、同振幅の磁界を伝搬波として印加した時の影響は図d)に示されている。 矩形波、非対称上昇・下降波、対称上昇・下降波および伝搬磁石について波の数に対する(完全に貫通した磁化の一部としての)磁化を示している。また、図a)からc)は、種類の異なる定常波を印加した時の影響を示し、同振幅の磁界を伝搬波として印加した時の影響は図d)に示されている。 図24aのi)−v)は、図23a)に示されている1周期を5等分した時の各時刻において、矩形波を印加した場合の磁場プロファイルおよび超伝導体内の誘導電流を示している。また、同様にして、図24b)のi)−v)は図23b)の非対称上昇・下降波に対応しており、図24c)のi)−v)は図23c)の対称上昇・下降波に、そして図24d)のi)−v)は図23d)の伝搬波に対応する。 図24aのi)−v)は、図23a)に示されている1周期を5等分した時の各時刻において、矩形波を印加した場合の磁場プロファイルおよび超伝導体内の誘導電流を示している。また、同様にして、図24b)のi)−v)は図23b)の非対称上昇・下降波に対応しており、図24c)のi)−v)は図23c)の対称上昇・下降波に、そして図24d)のi)−v)は図23d)の伝搬波に対応する。 図24aのi)−v)は、図23a)に示されている1周期を5等分した時の各時刻において、矩形波を印加した場合の磁場プロファイルおよび超伝導体内の誘導電流を示している。また、同様にして、図24b)のi)−v)は図23b)の非対称上昇・下降波に対応しており、図24c)のi)−v)は図23c)の対称上昇・下降波に、そして図24d)のi)−v)は図23d)の伝搬波に対応する。 図24aのi)−v)は、図23a)に示されている1周期を5等分した時の各時刻において、矩形波を印加した場合の磁場プロファイルおよび超伝導体内の誘導電流を示している。また、同様にして、図24b)のi)−v)は図23b)の非対称上昇・下降波に対応しており、図24c)のi)−v)は図23c)の対称上昇・下降波に、そして図24d)のi)−v)は図23d)の伝搬波に対応する。 図25a)は、大振幅の波が(図25b)のような)小振幅の場合よりも速やかに超伝導体の磁化を増加させることを示しており、また図25b)は、小振幅の場合には最終的な磁化の値がより大きくなることを示している。 図25a)は、大振幅の波が(図25b)のような)小振幅の場合よりも速やかに超伝導体の磁化を増加させることを示しており、また図25b)は、小振幅の場合には最終的な磁化の値がより大きくなることを示している。
図1を参照すると、これは超伝導フラックスポンプの正面図を示している。また、図2は、フラックスポンプを上から見た図で、多数のフラックスポンプ微小要素(cell)を示している。各微小要素は、例えば図1に示すようなタイプとなる。
いくつかの好ましい実施形態において、システムを構成する要素は次のようになる。
1)超伝導層
2)絶縁層
3)切り替え可能な磁気層
4)熱源/伝導層
その幾何形状は、図1および2に図式的に示されている。図1は一つの要素の正面図である。図2は、要素の集合を上から見た図である。図1および2は両方共に、その原理を示すために提供されている。これらの図は最終的なデバイスを精密に表現するように意図されたものではない。超伝導体を常伝導状態にさせる熱源の供給方法には、急速な減磁を行うために多くの変種がある。あるいは、図1bのような連続的な超伝導層および/または図1cのような連続的な絶縁層を有する場合に製造を容易にするために。
図1をより詳細に参照すると、図1aから1cの全てで超伝導層1は冷却器5に(直接的に)熱接触している。熱的な絶縁層2は超伝導層1上に設置され、図1aでは、超伝導層を完全に覆い、さらに冷却層に接触している。図1bでは、超伝導層の上表面を覆い、そして、図1cでは、超伝導層の上表面を部分的に覆っている。これら3つの実施形態のそれぞれで、絶縁層2は、切り替え可能な磁気層を下方の超伝導層からほとんどまたは完全に分離している(図1cでは、切り替え可能な磁気層3が、特に端部の所で超伝導層と部分的に接触している。)。熱源および/または電気的もしくは熱的な導体から構成される第4層は、切り替え可能な磁気層3に直接接触していることが好ましく、選択肢としては絶縁層2との直接接触も可能であり(図1c)、そして冷却器5と接触しても良い(図1a)。図1aから1cに示される構造はある領域へと複製可能なので、超伝導層、絶縁層および切り替え可能な磁気層のうち1つまたはそれ以上は連続層を構成しても良い。図示された例の変種としては、第4層(線材)は図1bのように層の中に組み込むよりも、むしろ切り替え可能な磁気層の上部に設置しても良い。さらに別の実施形態としては、例えば、もし切り替え可能な磁気層(例えば、プルシアンブルーやその類似物)が、例えばYBCOのような超伝導層の臨界温度よりも低い、できれば十分に低い温度で動作するなら、絶縁層は省略可能である。
図2では、導体や熱源の格子は一様に表現されている。実際は、特に固定した磁界パターンが要求される場合には、このようでなくても良い。例えば、異なる要素を異なる回数だけ切り替えるか、または各要素を異なる形状にするかのどちらかにより、一様な磁界パターンは生成可能である。図2は、全ての微小要素(pixel)が十分に同じ大きさとなるような微小要素のマップを示しているが、当業者は(1つのデバイス内で)各微小要素が異なる大きさでも良いことを認識するだろう。
フラックスポンプの好ましい実施形態について言及するのを続けると、超伝導層は下方から冷たい状態に保ち、絶縁層によって最上層から熱的に分離される。コールドヘッドと切り替え可能な磁気層は熱的に結合している。典型的には、第4層は、最上部の(磁気)層の温度を制御するために電流が流れる1本の線材(または複数の線材)となるだろう。この配置を使うと、熱的なパルスを切り替え可能な磁気層に沿って送り出すことが可能であり、磁気層を磁性から非磁性へまたはその逆向きへと切り替え、したがって超伝導体を横断する磁気的な波を生成する。熱的なパルスが超伝導体を横断すると、磁束は超伝導体内に閉じ込められ、閉じ込め磁束の総量は送り出されたパルスの回数に依存する。(応用対象に依存するが)微小要素の数はいくらでも良く、そして異なる要素が異なる回数注入可能なようにデバイスは配線される。したがって、正しい磁界パターンの生成が可能となる。磁束はより大きな振幅まで吸い上げるか、または吸い下げるかのどちらでも可能である。1度確立されると、超伝導体の温度が保持される限り、磁界パターンは安定している。
図3は、図1のようなデバイスを上から見た図で3つの単位区画が描かれており、図2のデバイス用にフラックスポンプの区画を参照する例も示されている。その図には、磁気層の縁に沿って熱せられた領域を作り出すために中央の区画に方向転換するように電流が示される。スイッチは、普通はトランジスタになると考えられるが、供給用のレールから電流を導体へまたは導体から方向転換させる。なお、導体は、図ではハッチングされており、磁気層に隣接して設置される。
磁性材料
現在、切り替え可能な磁気層として試験された材料は、プルシアンブルーの類似物である。 一般に、これらの材料は、YBCOの臨界温度と同じような温度で強磁性とフェリ磁性の磁気秩序を受容する。一連のこれら材料は下の表に示されている(Molecular Magnetism from Molecular Assemblies to the Devices, Ed. Eugenio Coronado et alより)。今までに使用された材料の例は、

であり、より詳細な実験内容については後に示す。しかしながら、当業者は、まさに何らかの磁性材料が原理的には切り替え可能な磁性材料として使用可能であることを認めるだろう。この技術はまた、反磁性になる材料を適用しても良い。必要なことは、変動磁界が超伝導体に隣接して誘起されることである。
化合物CsNiII [CrIII (CN) 6]・2H2Oは、YBCOのTcが93Kなので有用である。化合物CuII 3 [CrIII (CN) 6] 2・15H2Oは、そのTc (66K)が窒素の凝固点(64K)の近くにあるので有用である。
プルシアンブルーの類似物;FとF1は、それぞれ強磁性とフェリ磁性の秩序を意味する。
多くの材料が本技術に応用可能であり、特筆すべき材料としては、ガドリニウムとジスプロシウムの2つの金属が挙げられる。ガドリニウムのキュリー点は摂氏23度(すなわち、室温)であり、磁化の固定が超伝導体と分離されるのなら、特に有用である。ジスプロシウムはYBCOの臨界温度と非常に近いキュリー点を持つので、極低温で有用となる。
超伝導体
好ましい超伝導体は、例えばYBCOのような銅酸化物であり、これは薄いフィルム、厚いフィルム、そしてバルク材料の形に作られ、また適度に高いTc(臨界温度)をもち、高磁界を閉じ込めることができる。しかしながら、原理的には何らかの第II種超伝導体が使用可能である。加えて、イットリウムがガドリニウムやルビジウムのような他の希土類に置き換えられたYBCOの変種もある(これらは、一般にReBCOと呼ばれる。)。他の候補としては、2212か2223のいずれかの形態をもつBSCCOと、非常に安いという長所がありながら、Tcの低い(30K台の中央付近)マグネシウムの2ホウ素化合物(MgB2)がある。例えば、ランタニド、水銀化合物、またはタリウム化合物のように他にも使用可能な材料がある。
また有機超伝導体として記述できる多数の材料がある。これらの中には、ベクガード塩とファブレ塩のような擬一次元材料、Kappa-BEDT-TTF2X、lambda-BETS2X、およびグラファイト層間化合物のような擬二次元の材料、およびアルカリ添加フラーレンのような三次元材料を含まれている。
銅酸化物の候補のリストは、 “Superconducting materials - a topical overview”, Hott, Roland; Kleiner, Reinhold; Wolf, Thomas et al. (2004-08-10) oai:arXiv.org:cond-mat/0408212の中に見つけることができる。これらには、次のような高温超伝導体の仲間が含まれている。すなわち、BiHTS (Bi-m2 (n-1) n,BSCCO); T1-HTS (T1-m2 (n-1) n,TBCCO); Hg-HTS (Hg-m2 (n-1) n,HBCCO); Au-HTS (Au-m2 (n-1) n); 123-HTS (RE-123,RBCO); Cu-HTS (Cu-m2 (n-1) n); Ru-HTS (Ru-1212); B-HTS (B-m2 (n-1) n); 214-HTS (LSCO“0202”); (電子添加されたHTS PCCO NCCO); (“02 (n-1) n”); 無限層HTS (電子添加されたI.L.)である。
原理の証明として、上述の機構によって超伝導体リング外側から超伝導体内部へと磁界が掃引されるモデルを作成した。モデルで使用する幾何形状は計算の容易さのためである。デバイスは、上述の四角形状(または何らかの幾何形状)において同様に動作する。
モデルで使用されるパラメータは、1×1010 A/m2のJcを有する厚さ3.5mmの超伝導体である。磁石の厚さは2 mmで超伝導体表面と垂直に20-30mTを供給する。
図4は例のモデルの幾何形状を示す。図5は、磁界が超伝導体の中心へと掃引される時に起きることを段階的に示している(左右両側で対称であるため超伝導体の右半分のみが示されている)。この例では、右から左へ伝搬する小さな磁石により、磁界は生成されると仮定している。ここで、各ステップにおいて磁石の位置はマーカー500のすぐ下にある。(ステップ2の位置502のところで、ステップ1からの磁界と新しい磁石の位置からの磁界とは打ち消し合うことはない。なぜなら、ステップ1で誘起された全ての磁束が超伝導体に閉じ込められるわけではないためである。)。2回目のポンプの様子が段階的に示されており(図6)、またさらに10、50、150、250、300ポンプ後の状態も示されている(図7)。各図の中で、青色領域(B)は紙面の中へと伝搬する電流を示しており、赤色領域(R)は紙面から外へと伝搬する電流を表している。サイクル数が増えるにつれ、青色領域はどんどん大きくなり、そして、超伝導体が電流で完全に満たされた時に閉じ込め磁束が物理的な限界に達する。これは、Jc(臨界電流密度)と超伝導体の体積に依存している。
図8のグラフは、磁界がポンプの回数とともにどのように大きくなるかを示している。したがって、図8はSCリングの中心の閉じ込め磁束密度(ポンプ回数に対するBの平均値)を示す。
本システムはスイッチオフされる磁石とちょうど同じように動作する。スイッチオンされる場合とも同様である。それは単に逆の効果を示す。このことは、図9に描かれおり、図7と似ているが補足的な減磁プロセスを示している。図10は、減磁プロセスに対するSCリング中心の閉じ込め磁束密度(ポンプ回数に対するBの平均値)を示している。
図11は、円柱断片の超伝導体における磁束を図式的に示している。磁束線の間隔は局所的な磁束密度を表している。等間隔の磁束線は一定の磁束密度と等価である。
図12を参照すると、これは磁束を掛け合わせた時の効果を描いている。図12aでは、微小要素1を磁化するために弱い背景印加磁界が使用されている(矢印は磁界の向きを表し、矢印の間隔は磁束密度を表す。)。図12bでは、隣接する微小要素は今、背景印加磁界に加えて微小要素1からの磁界をもつ。したがって、微小要素2へのポンプは今、微小要素1への最初のポンプより結果的に大きな磁界を作り出す。
より詳細には、例えば、30mTの磁界を繰り返し印加することにより、微小要素1が300mTまで磁化されると仮定する。微小要素2と3はそれぞれ150mTを共有し、したがって、これらの微小要素にかかる有効な磁界は180mT(150mT+30mT)であり、このようにして、超伝導体の一連の微小要素における連続する微小要素を磁化する磁界は掛け合わせられて、非常に大きくなる(与えられている例では、次の段階で1800mTに達し、さらに18Tへと)。ある時点で磁性材料(プルシアンブルー)は飽和するであろう。しかしながら、この種の技術を使って、非常に高い磁界が速やかに得られ得ることが認められるだろう。
上の記述は、フラックスポンプの基本動作を示し、その原理を示すモデルを提供している。デバイスの最も単純なレベルでの説明目的のために、その実装は示されており、原理的にはもっと多くの磁気層が存在しても良いということに注意するべきである。その磁気層では、ポンプのスピードを改善するために磁石が連続してスイッチオンされるか、またはその事ならやはり、他の層が減らす間に、ある層が超伝導体内の閉じ込め磁界を増加させるように、異なる層が異なる臨界温度を持つ。
実際は、2つのアイデアがここに組み込まれている。その第1は、非磁性と磁性(強磁性、フェリ磁性、または反磁性)の状態間の転移を受ける材料を使用して、磁界の「入れ物」(“receptacle”)(典型的には超伝導体であろう)を横切って磁界を掃引することである。このプロセスは、何回でも(1回も含む)行うことができ、結果として生じる磁界を上げるまたは下げるために使用しても良い。
第2のアイデアは、磁界パターンの設置を可能にするために磁界を「微小要素化」(“pixellating”)する原理である。ここで、磁界を微小要素化する目的は、磁界の密度と強さを局所的に変化させることを可能にするためである。このことは多くの理由で重要であるが、例えば、一様磁界分布が要求されても、全ての微小要素がその平面にわたって等磁化または等分布を持つ場合にはこれは生成されないだろうということを一度認識すれば理解されるかもしれない。
このアイデアは多くの理由で重要であるが、下記のものを含んでいる。
1)幾何形状は特徴的である(短軸に平行、すなわち平面に垂直な高い磁界を生成するのは一般に可能ではない。)
2)現在、少なくとも同程度の高い磁界を印加することなしに、超伝導体の断片に高磁界を閉じ込める実用的な方法はない。この方法は低い磁束密度の磁界を使い、数多く印加を行う。
3)磁界を空間と大きさで量子化することは、多くの磁界パターンを静的または動的に生成できることを意味している。そして、実施形態では、コイルの無いことは、インダクタンスによる制限が適用されないことを意味している。
上述した概念はまた、前述のように熱機関や高効率太陽電池を構成するために適合されうる。そのようなデバイスの1つの例が図13に示されており、3層で構成される。第1層は、磁界の存在する場合に、望ましくは十分に透明な最初の状態と、望ましくは十分に不透明な二番目の状態との間を切り替わる液晶材料で構成される。適合する液晶材料の例は、4-n-pentyl-4’-cyanobiphenylで、5CBとも呼ばれるものである。第1層の下方(光が太陽電池に当たる方向に)にあるデバイスの第2層は、光によって切り替わる磁性材料の層から構成され、例えば、1、3、5-trithia-2、4、6-triazapentalenyl (TTTA) や光誘起磁化効果または光誘起スピン転移(LIESST)を示す他の化合物が挙げられる。デバイスはまた電気的導体から構成される第3層を含んでいる。動作時には、光が透明状態にある液晶を通して差し込み、磁界の変化を引き起こす磁気層(プルシアンブルー)の磁気状態を切り替える。これは導体内に電界、結果として電流を誘起し、磁界もまた液晶層を不透明にさせる。切り替え可能な磁気層は今や暗闇にあるので、状態が再び切り替わり、磁界をさらに変化させ、電流をまた励起する。液晶は再び透明状態になり、そしてサイクルは再始動する。
図13をより詳細に参照すると、これは外部印加磁界が永久磁石により供給される場合の太陽電池の例を示している。切り換え可能な磁性材料が非常に低い温度で動作するような場合には(多くがそうであるように)、切り替え可能な磁性材料の下に1つまたはそれ以上のコイル/導体が設置される。
上述したように、液晶材料には多くの候補が存在する。1つの例としては、転移がおよそ400 G(ガウス)または0.04T(テスラ)で生じる4-n-pentyl-4’-cyanobiphenyl(5CB)である。この転移は、偏光の中で、不透明から透明へ、または、全くの黒から全くの透明へなることである(“Magnetic-field-induced Freedericksz transition and the dynamic response of nematic liquid-crystal films with a free surface” Shyu-Mou Chen and Ting-Chiang Hsieh, Phys. Rev. A43, 2848-2857 (1991), [Issue 6-15 March 1991]を参照)。
室温またはその近傍で、光シフトする磁性材料が存在する。296KのTcをもち、また反磁性と常磁性の間を切り替わる1つの例が、1,3,5-trithia-2,4,6-triazapentalenyl (TTTA) (H. Matsuzaki,W. Fujita,K. Awaga and H. Okamoto,“Photoinduced phase transition in an organic radical crystal with room-temperature optical and magnetic bistability”,PHYSICAL REVIEW LETTERS 91 (1): Art. No. 017403 JUL 4 2003)である。
本発明によるフラックスポンプの実施形態で使用可能な、極低温で光に反応するプルシアンブルー類似物は多く存在する。これらの第1号は橋本のグループにより発見され、コバルト・鉄に基づいていた。例えば、K0.2Co1.4 [Fe (CN) (6)].6.9H (2) O、そしてK0.4Co1.3 [Fe (CN) (6)].5H (2) O (Sato O,Iyoda T. Fujishima A, et al. “Photoinduced magnetisation of a cobalt-iron cyanide”SCIENCE 272 (5262): 704-705 MAY 3 1996、および、Sato O, Einaga Y, Iyoda T. et al. “Reversible photoinduced magnetization”JOURNAL OF THE ELECTROCHEMICAL SOCIETY 144 (1): L11-L13 JAN 1997を参照)。モリブデンに基づくもう一つの例は、CuII2[MoIV(CN8] ・ 8H20 (S. Ohkoshi et al., Chem Lett., 4, 312 (2001); J. Am. Chem. Soc., 128, 270 (2006); T. Hozumi et al., J. Am. Chem. Soc., 127, 3684 (2005) であるが、いくつかの応用ではこの化合物は十分な磁界を提供しないかもしれない。もう1つの例は、Rb0.91Mn1.05[Fe(CN)6]・0.6H2O (“Temperature- and photo-induced phase transition in rubidium manganese hexacyanoferrate”, Shin-ichi Ohkoshi, Hiroko Tokoro and Kazuhito Hashimoto JOURNAL OF MATERIALS CHEMISTRY 15 (32): 3291-3295 2005)。更なる例は、Epsteinにより報告されたようなマンガン化合物Mn[tetracyanoethanide]2である( Arthur J. Epstein “New Bases for Flexible, Light-weight, Low-cost, and Scalable Electronics: Organic-based Magnetism and Doped Conducting Polymers for Field Effect Devices”)。
本発明の実施形態で使用可能な磁気秩序または無秩序を受ける他の化合物(光シフトしない)のうち、プルシアンブルー類似物でないものは次の通りである: シュウ酸塩、例えば、tris-dithiooxalatoの塩A [MIICr (C2S2O2) 3](ここで、A+ = PPh4 +、N (n-CnH2n+1)4 +、 n = 3-5、またMIIはMn、Fe、CoおよびNiとする(Inorg. Chem.,42(4), 986-996,2003.10.1021/ic020302x S0020-1669 (02) 00302-6)。)や(R4N)[MnIICrIII(C2O4)3]のような金属シュウ酸塩の磁石がある。さらに、2価のシアン化合物が挙げられる。これは、MII[N(CN)2]2やMII[N(CN)2]2Lx (L = pyridine、 pyrazine、 2,2'-bipyridine、 4,4'-bipyridine)のようなもの (Manson, J. L.; Incarvito, C. D.; Rheingold, A. L.; Miller, J. S. J. Chem. Soc., Dalton Trans. 1998, 3705)や、trithiatriazapentalenyl 基、すなわちC2S3N3 (McManus GD, Rawson JM, Feeder N, et al. “Synthesis, crystal structures, electronic structure and magnetic behaviour of the trithiatriazapentalenyl radical”, C2S3N3 JOURNAL OF MATERIALS CHEMISTRY 11 (8): 1992-2003 2001) や、それに、V(TCNE)2・0.5CH2Cl2 (MANRIQUEZ JM, YEE GT, MCLEAN RS, et al. A ROOM-TEMPERATURE MOLECULAR ORGANIC BASED MAGNET SCIENCE 252 (5011): 1415-1417 JUN 7 1991) などである。
更にまた全ての磁性材料にキュリーポイントがあり、可能性としては、これは適切な温度までドーピングによって減らすことができるだろう。
実験結果
図14を参照すると、これは実験装置の垂直断面の半分を示しており(もう片方の半分はこれと符号する。)、各要素の振舞いが、分離された状態と組み合わされた状態の両方で試験できるように設計されている。その組み立てはモジュール式であり、プルシアンブルーや超伝導体の有無にかかわらず測定可能であり、またホール素子が超伝導体に隣接するか磁石に隣接するかのいずれかで測定できる。図14の配置は、実際の縮尺とは異なることに注意すべきである。
この図で、AおよびBと表示された矢印は磁石やプルシアンブルーのための熱の通り道を指し示している。超伝導体とプルシアンブルーの間には、ファイバーワッシャーによって提供される付加的な熱の通り道がある。装置は真空槽内に入っており、またプルシアンブルーと磁石の上下に隙間がある。装置は2つのバージョンが製作された。1つは、良い熱伝導性を提供するために黄銅に入れ、もう一方は磁気的な経路を提供するために鉄に入れた。図14は鉄のバージョンである。後の図18と19に示されている結果は、鉄のバージョンの装置を使って得られたものである。実験成果の大部分が行われたプルシアンブルー類似物は、
であり、非常に低い比透磁率(およそ3)を有している。また、この材料を用いると、例証された実験結果を生み出すために鉄バージョンの装置を使う必要性がわかる。測定は、2番目のプルシアンブルー類似物である
についても行われた。また、この材料についてなされたSQUID測定が、例示システムでの実際的な運用を証明する後述の測定の裏付けとなった。
前にも述べたように、磁性材料(この場合プルシアンブルー)は、それ自身が大きな磁界を発生させる必要はなく、分離して印加される磁界を単に集中させればよい。したがって、例えば図1の実施形態では、磁石または更なる磁気層を切り替え可能な磁気層3の上に与えても良い。図14の装置は、磁界がNdFeBの磁石によって供給される配置を示しており、磁界はプルシアンブルーの類似物によって高められる。
図15を参照すると、これは異なる等級のNdFeBの磁化曲線(B-H曲線)の例である。これらの曲線から、磁界の変化は完全に可逆的であることが見てとれる。温度に対する磁化の変化は図14の装置を用いて測定されており、磁石が室温に戻った時、磁化の純減はなかったことが分かった。したがって、NdFeBの熱サイクルにより、超伝導体を磁化する磁界の好ましい変化を達成できる。図15を参照すると、NdFeB自体がYBCOにとっておおよそ正しい温度での磁気転移を経験し、それゆえそれ自体が「切り替え」(“switching”)磁性材料の候補であるということがわかる。
プルシアンブルー類似物は、溶解物から粉の形態で沈殿し、悪い熱伝導性を持つ傾向にある。バルク構造を形成する1つの実用的な方法は、銀のDag(登録商標)のような金属接合剤を使用することであり、これは、熱的および電気的な伝導率を増加させるが、一方で充填率、したがって磁気モーメント総量には逆に影響しない。図16はこのように形成されたプルシアンブルーのパックの例を示す。
プルシアンブルーの類似物
の異なる温度でのM-H曲線を図17は示している。印加磁界(X軸)が一定であるとき、温度の減少は全磁界を増加させる効果をもつ。その類似物は、わずか3という等価比透磁率をもっており、40Kにおいて飽和磁化はおよそ60mTである。印加磁界が2.5×105 A/m (0.3T)のところで、45Kと70Kの間の温度変化はおよそ3×104 A/m (38mT)の磁化の変化を生じさせる。我々の試験装置で20-30 mTの桁の振幅をもつ磁気的な伝搬波を作り出すには、モデリングにより、これで十分だと示されており、それでこれが使用された。しかしながら、もっと良い組成が型にはまった実験により識別されるかもしれないことを、当業者は認識するだろう。図18aと18bは、熱サイクルによる磁界の変化を示すループ線図である。2つのホール素子が使われたが、1つは装置(図18a)の中心線の近くに、もう一つは中心線からずらして設置されている。2つの場合とも、上方の曲線は冷却時のものであり、下方は加熱時を示している。
図18および19は、単一のポンプを示す。図20は二重ポンプを示す。そして、図21は、図18と19のデータを1つの図上に示している。
装置が温められるにつれて磁束密度が減少するということが図18から分かるが、これは超伝導体が磁化されていることを示している。この図では加熱はコールドヘッド(冷却台)に供給している圧縮機のスイッチを切ることによってなされ、熱の通り道はおそらく図14に示されたファイバーワッシャーを通ることになることに注意されたい。
図18を理解する際に注意が必要である。温度はシステムの1点で測定されているに過ぎず、またその点と超伝導体との熱的結合は、意図的にほんの弱いものなので、測定値と超伝導体には温度差があるだろう。超伝導体が臨界温度に達する点で起こるマイスナー転移で明白である。冷却時には、測定温度(本体の温度)がおよそ122Kと記録される時に、これが起きる。加熱の軌跡では、転移はおよそ98Kで起きる。
上述の件にもかかわらず、システムの動作について堅実な実験的証拠を提供する2つの特色がある。
第1は、加熱時の軌跡で、温度が上昇するにつれて全磁界は減少していること(超伝導体は励磁と逆向きに磁化され、それゆえ全磁界は減る。)。
第2は、加熱時には中心のプローブの軌跡に大きな不連続があること。これは、超伝導体が常伝導状態になり(すなわち超伝導性を失い)、それゆえ磁化を失うときに起きる。このジャンプのいくつかはマイスナー磁束排除によるものであるが、図19(下方)では全く示されていない。
図19は、冷却と加熱の両セクションに対する超伝導転移を拡大したものである。注意すべき重要なことは、超伝導体がその臨界温度を通過して冷却され、マイスナー磁束排除が起こる時の磁束密度の変化は、中心と中心外のプローブの両方について再び加熱される時よりも小さい。このことは、超伝導体がマイスナー効果単独で説明できるよりも大きな正味の磁化を持つことを意味している。
より詳細には、超伝導体がその臨界温度を通過する時、磁束は排除されるが、このことはマイスナー効果として知られている。これは、デバイスが冷却される時の図19の磁束密度の低下に見ることができる。もし磁化がなければ、臨界温度を通過する加熱は同様の測定磁束密度の上昇を生じさせるであろう。図19では、その上昇は超伝導体が加熱される時により大きくなるが、これは超伝導体の磁化が成功していることを意味している。可動部分もなくコイルに通じる電流も使わないで何かを磁化することができるシステムを実証しているので、これは非常に重要な結果である。
したがって、図20を参照すると、これは2つのサイクルを示しているが、単一より多いポンプが適用可能なことを実証している。図21は、単一サイクルと二重サイクルを重ねて示している。図22aとbは、超伝導体のない場合に動作する装置からの結果を示しており、「ポンピング」の証拠が無いことを実証している。そして、その装置が前と同じ方法で加熱される時、磁束密度はヒステリシスをほとんどまたは全く示さない(図22bは、温度が循環されていることを実証するために、温度と磁束密度の進展過程を分離してプロットしている)。
この特別な実証機における制限は、プルシアンブルーそれ自体にある。というのは、さらにポンプが動作する時、プルシアンブルーによって見られる全磁界は減少する。それゆえ、我々は図17の左側(y軸に向って)へ動き、そして温度に対する磁界の変化は減少する。言い換えると、磁気的な伝搬波の振幅は減少し、そしてそれを用いるとポンプの有効性も減少する。
しかしながら、多数の要素がある時は、これは問題とならない。というのは、ひとたび1つの要素が磁化されると隣接する要素に作用する磁界が強化されるからである。加えて現状では、システムの中で、冷却期間中に最初の熱的な波が動き始めるように見える。もし代わりに、加熱期間中にこれが起こるようにシステムが構成されるとすると、超伝導体は反対方向に磁化され、磁界は増加し、それゆえにy軸から動き離れる。(波は単一の外乱または階段状の変化から成るが、もし周期的な波を使ったと仮定すると、何がしかの周期的なものとなり、(もし1つなら)後方端は、先端の後ろにミリ秒か、秒、または時間のオーダーすら続く。)
定常波
図23は異なる定常波の影響を示している。その図は、異なる波形でポンピングを行う場合の飽和磁化で割った磁化の進行過程を示している。図23a)では、ほぼ瞬間的に場の印加と除去が行われている(ほぼ鋸波と同じである。)。図23b)では、場の印加が徐々に行われ、ほぼ瞬間的に除去されている。図23c)では、場の印加が徐々に行われ、除去も徐々に行われている。また、参考のために含まれている図23d)では、a)からc)と同じ振幅の横方向への伝搬波が使用された場合の磁化が示されている。図23では、外乱は周期的に示されているが、(実際の図に見られるような)上昇時間および下降時間と同様に、場の印加期間と除去期間は異なる時間となる可能性がある。
図23のグラフは、計算機モデルにより生成された。そのモデルでは、左端は対称軸であり、底辺もまた対称軸である。そのモデルは、例示目的のために生成されたものであり、その手法は対称軸のないシステムにも適用可能だろう。図24は、図23のグラフに示されたサイクルの多数の点での印加磁界および生成された電流を示している。左下部の薄い灰色の部分は超伝導体であり、紙面に対して垂直上向きの電流は黒で示されており(上部端および右端)、紙面に対して垂直下向きの電流は白で示されている(灰色と黒の間の広範囲)。
定常磁気波はたくさんの方法で生成可能であるが、典型的には、零から徐々に上がって再び零に戻るような電流をコイルに与えて生成される。その波は定常である。なぜなら、電流の上昇および下降につれて場の分布がほとんど変化しない、変化するのは場の振幅のみだからである。
定常波においては、場の大きさはただ上昇して、下降する。伝搬波においては、場の分布もまた変化する。これは、典型的には、超伝導体を横断して動いていく場のピーク位置として時間的に視覚化されても良い。一方、定常波においては、場のピーク位置はほとんど固定されたままである。波は異なる周期や振幅を有する定常波や伝搬波の結合として考えても良い。加えて、両方共にピーク振幅が変化するように時間的に減衰しても良い。すでに記述されたように、波が伝搬するにつれて熱が周りに散逸されるような熱誘導型の伝搬波の場合には、これは明らかである。
図25a)およびb)は合わせて、印加される波の大きさを変化させた場合の影響を示している。大きな印加磁界は、より急速に上昇する磁化を生成し、これは図a)のM0/Ms(M0=磁化、Ms=飽和磁化)が約5周期後に最大値に到達していることから理解できる。図b)からわかるように、小振幅の波はより長い時間をかけて最大値まで到達する(約10周期)が、より大きな最終磁化を生成する。
この理由は、波が超伝導体に印加される時、電流は両方向に生成されるということである。これは、磁化曲線の周期的性質と図24の電流のマップからもまた理解できる。図24からわかるように、電流は主に単一方向を向いているが(図24では、電流は白色で表示されている)、波の通過に伴い反対向きの(黒色)電流が必ず生成される。波の振幅が小さいほど、1周期あたりに生成される電流は少なくなる。したがって、黒の電流は少なくなり、最終的な磁化はより大きくなる。したがって、システム操作の好ましい方法は、可変振幅の波を使用することである。
上で述べた手法の実施形態での使用に関して特に好ましい材料のいくつかは、フェライト、特にマンガン銅フェライトである。例は次の文献に記述されている: Maturials Letters, Volume 57, Issue 3, December 2002, Pages 598-603, ”Synthesis of CMR manganate compounds: the consequences of the choice of a precursor method”, B. Vertruyena, A. Rnlmonta, R. Clootsa, M. Ausloosb, S. Dorboloc and P. Vanderbemden、および, Journal of Magnetism and Magnetic Materials, Volume 264, Issues 2-3, August 2003, Pages 258-263, ”Magnetic and electrical properties of low-temperature sintered Mn-doped NiCuZn ferrites”, Zhenxing Yue, Ji Zhou, Zhilun Gui and Longtu Li.。
潜在的に特に有益なフェライト材料のいくつかは、次の文献に記述されている:”The characteristics of ferrite cores with low Curie temperature and their application”, Murakami, K., , IEEE Transactions on Magnetics, June 1965, volume 1, issue 2, at pages 96- 100 (ISSN: 0018-9464)。これらの材料の透磁率−温度曲線は、ゆるやかな傾斜の部分があり、例えば超伝導体から構成される磁気回路または磁気ループの透磁率の制御を容易にする。また、キューリー温度近くの傾斜の急峻な部分では、切り替えを容易にする。
上で記述した実施形態のいくつかは、特に超伝導体のリングに言及する。しかしながら、しばしば円形または擬円形の幾何形状がたぶん最も良い配置と信じられているけれども、システムの配置はこの幾何形状に制限されず、また円状の波(すなわち周囲へ広がるか狭まる波)よりも平面波(すなわち十分直線状に伝搬する波)で機能する。
数ある中で、パーツを動かすことなく、さらにコイルに電流を流すことなく、目的物を磁化できる方法やシステムについて説明した。より明確には、ここで説明した技術は、高い磁界の発生を容易にする。 ここで説明した技術について、高レベルの先端応用が潜在的には数多く存在する。例えば、NMRのような応用で要求される非常に一様で高安定な磁界の分野で、また、モーター、発電機のような応用においておよび光学用の磁気切り替え液晶において要求される伝搬波や単に変化する磁界の分野である。この技術はまた、磁気揮発性メモリや磁気CMOSに基づくコンピュータのためすら使用できる。
確かに多くの他の有効な代案が当業者に思い浮かぶであろう。本発明は説明された実施形態に限定されず、またここに添えられた請求項の及ぶ精神と範囲内にある技術の当業者に明白である修正を包含することが理解されるであろう。

Claims (31)

  1. 磁石を自動制御して超伝導体表面近傍に磁束の波を発生させることで、超伝導体の磁化を変化させる方法。
  2. 前記超伝導体が強磁性またはフェリ磁性の材料を含む磁気回路内に設置され、前記磁化の前記変化の期間または後に前記磁気回路を調整することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記調整が前記強磁性またはフェリ磁性の材料の温度を制御することでなされる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記調整が前記磁気回路を開放することを含む、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記開放が前記材料のキューリー温度の上まで前記強磁性またはフェリ磁性材料を加熱することでなされる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記磁石の前記自動制御が前記超伝導体表面近傍に磁束の定常波を生成する、請求項1〜5のいずれかに記載の超伝導体の磁化を変化させる方法。
  7. 波の上昇時間と下降時間とが異なる、請求項1〜6のいずれかに記載の超伝導体の磁化を変化させる方法。
  8. 波が印加される周期は、定常波印加の時間間隔とは10%、50%、100%、200%以上異なる、請求項1〜7のいずれかに記載の超伝導体の磁化を変化させる方法。
  9. 前記磁石が電磁石であり、前記超伝導体の前記磁化が前記電磁石により増加されて、前記超伝導体の前記表面にて、前記超伝導体により生成される磁場が前記磁化の前記増加の間に前記電磁石により印加される最大磁場よりも大きくなる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記磁石は電磁石であり、前記制御は前記電磁石により印加される磁界を制御することを含み、前記磁界が時間的に変化する振幅を有する周期波形を持つことになる、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記振幅が時間と共に減少する、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の方法を使用した磁気画像装置内の超伝導体の磁化を制御する方法。
  13. 超伝導体の磁化を変化させる装置であって、磁石を自動制御して前記超伝導体表面近傍に磁束の波を生成する手段を備える、装置。
  14. さらに磁気回路を備え、前記超伝導体が前記磁気回路内に設置され、さらに前記磁化の前記変化の期間または後に前記磁気回路の磁気抵抗を調整する手段を備える、請求項13に記載の装置。
  15. 前記磁石が電磁石であり、さらに該電磁石により印加される磁界を制御する手段を備え、該磁界が時間的に変化する振幅を有する周期波形を持つ、請求項13または14に記載の装置。
  16. 磁石を自動制御して前記超伝導体表面近傍に磁束の波を生成する前記手段が、前記超伝導体表面近傍に磁束の定常波を生成する手段を含む、請求項13、14または15に記載の装置。
  17. 請求項13、14、15または16の装置を含む磁気画像装置。
  18. 超伝導体表面近傍で磁束の波の大きさを自動制御することで、超伝導体の磁化の変化速度を制御する方法。
  19. 超伝導体表面近傍で磁束の波の大きさを自動制御することで、超伝導体の磁化の最大値を制御する方法。
  20. 請求項18または19に記載した超伝導体の磁化の制御を含む、超伝導体の磁化を変化させる方法であって、異なる大きさの波が磁化の異なる段階で印加される、方法。
  21. 超伝導体の磁化を変化させる方法であって、変動磁束の波を印加することを含み、変動磁束の前記波は時間と共に減少する振幅を有する、方法。
  22. 変動磁束の連続する前記波が連続して小さくなる前記振幅を有する、請求項21に記載の超伝導体の磁化を変化させる方法。
  23. 前記超伝導体の磁化を変化させることが前記超伝導体を磁化することを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記超伝導体が強磁性またはフェリ磁性材料を含む磁気回路内に設置され、さらに前記超伝導体の磁化の変化期間または終了後に前記磁気回路を調整することを含む、請求項18〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 前記調整が前記強磁性またはフェリ磁性材料の温度を制御することでなされる、請求項24に記載の方法。
  26. 前記調整が前記磁気回路を開放することを含む、請求項24または25に記載の方法。
  27. 前記開放が前記強磁性またはフェリ磁性材料を前記材料のキューリー温度を超えて加熱することでなされる、請求項26に記載の方法。
  28. 請求項18〜27のいずれかに記載の方法を使用した磁気画像装置内で超伝導体の磁化を制御する方法。
  29. 超伝導体の磁化を変化させる装置であって、変動磁束の波を印加する手段を備え、変動磁束の前記波は時間と共に減少する振幅を持つ、装置。
  30. さらに磁気回路を備え、前記超伝導体は前記磁気回路内に設置され、さらに前記超伝導体の磁化の期間または終了後に前記磁気回路の磁気抵抗を調整する手段を備える、請求項29に記載の装置。
  31. 請求項29または30の装置を含む磁気画像装置。
JP2011540207A 2008-12-16 2009-12-03 超伝導システム Active JP5878019B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB0822901.5A GB0822901D0 (en) 2008-12-16 2008-12-16 Superconducting systems
GB0822901.5 2008-12-16
GBGB0901768.2A GB0901768D0 (en) 2008-12-16 2009-02-04 Superconducting systems
GB0901768.2 2009-02-04
PCT/GB2009/051648 WO2010070319A1 (en) 2008-12-16 2009-12-03 Superconducting systems

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012512525A true JP2012512525A (ja) 2012-05-31
JP2012512525A5 JP2012512525A5 (ja) 2013-02-14
JP5878019B2 JP5878019B2 (ja) 2016-03-08

Family

ID=40326186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011540207A Active JP5878019B2 (ja) 2008-12-16 2009-12-03 超伝導システム

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8736407B2 (ja)
EP (1) EP2359375A1 (ja)
JP (1) JP5878019B2 (ja)
CN (1) CN102356437B (ja)
GB (2) GB0822901D0 (ja)
WO (1) WO2010070319A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8107211B2 (en) * 2007-08-29 2012-01-31 Advanced Magnet Lab, Inc. High temperature superconducting electromechanical system with frequency controlled commutation for rotor excitation
WO2012018265A1 (en) * 2010-08-04 2012-02-09 Hts-110 Limited Superconducting flux pump and method
WO2016024214A1 (en) 2014-08-11 2016-02-18 Victoria Link Limited Superconducting current pump
GB2550376B (en) * 2016-05-17 2018-07-11 Thales Holdings Uk Plc Magnetic phase transition exploitation for enhancement of electromagnets
WO2018183579A1 (en) * 2017-03-28 2018-10-04 NAITO, Allison Superconducting magnet engine
WO2020167970A1 (en) * 2019-02-13 2020-08-20 Deep Science, Llc High temperature superconducting structures
US20220123194A1 (en) * 2020-10-17 2022-04-21 Carlo A. Trugenberger High Temperature Superconducting Device
CN113628828B (zh) * 2021-08-23 2022-07-22 上海交通大学 高温超导磁通泵及其铁芯绕组电流波形控制方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08256486A (ja) * 1995-03-16 1996-10-01 Kanagawa Kagaku Gijutsu Akad 高温超電導体の着磁方法及びその装置
JPH1012429A (ja) * 1996-06-19 1998-01-16 Aisin Seiki Co Ltd 超電導磁石装置および超電導磁石装置の着磁方法
JP2002217020A (ja) * 2000-12-27 2002-08-02 Siemens Ag 高温超伝導体を備えた磁束ポンプとこれにより駆動される超伝導電磁石
WO2007045929A2 (en) * 2005-10-21 2007-04-26 Magnify Limited Superconducting systems

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2431519A (en) 1944-09-19 1947-11-25 United Dairies Ltd Inspection apparatus for transparent vessels
US3359516A (en) * 1966-10-03 1967-12-19 Gen Electric Aysmmetric superconductive device
US3519894A (en) * 1967-03-30 1970-07-07 Gen Electric Low temperature voltage limiter
US3612742A (en) * 1969-02-19 1971-10-12 Gulf Oil Corp Alternating current superconductive transmission system
US3614301A (en) * 1970-01-19 1971-10-19 Comp Generale Electricite Superconducting conductor
JPH06314609A (ja) * 1993-04-30 1994-11-08 Fujikura Ltd ABaCuO系超電導コイルおよびその製造方法
JP3329127B2 (ja) * 1995-03-24 2002-09-30 松下電器産業株式会社 超伝導発振器
US6111490A (en) 1996-06-19 2000-08-29 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Superconducting magnet apparatus and method for magnetizing superconductor
JP2002008917A (ja) 2000-06-26 2002-01-11 Inst Of Physical & Chemical Res 超伝導体磁場応用装置の制御方法とこの方法を用いた核磁気共鳴装置と超伝導磁石装置
DE10033869C2 (de) 2000-07-12 2003-07-31 Karlsruhe Forschzent HTS-Kryomagnet und Aufmagnetisierungsverfahren
WO2002085662A1 (de) * 2001-04-24 2002-10-31 Leibniz-Institut Für Festkörper- Und Werkstoffforschung Dresden E.V. Magnetanordnung für die aufhängung und führung schwebender fahrzeuge und transportsysteme
US7073513B2 (en) 2003-05-27 2006-07-11 The University Of Chicago Superconducting magnetic control system for manipulation of particulate matter and magnetic probes in medical and industrial applications
EP1653485B1 (en) * 2003-07-17 2016-12-14 Fuji Electric Co., Ltd. Superconducting wire and superconducting coil employing it
US7212004B2 (en) * 2005-07-19 2007-05-01 Magnetica Limited Multi-layer magnet
US7718897B2 (en) * 2006-05-19 2010-05-18 General Electric Company Low AC loss superconductor for a superconducting magnet and method of making same
JP4266232B2 (ja) * 2006-11-17 2009-05-20 株式会社日立製作所 超伝導磁石装置および磁気共鳴イメージング装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08256486A (ja) * 1995-03-16 1996-10-01 Kanagawa Kagaku Gijutsu Akad 高温超電導体の着磁方法及びその装置
JPH1012429A (ja) * 1996-06-19 1998-01-16 Aisin Seiki Co Ltd 超電導磁石装置および超電導磁石装置の着磁方法
JP2002217020A (ja) * 2000-12-27 2002-08-02 Siemens Ag 高温超伝導体を備えた磁束ポンプとこれにより駆動される超伝導電磁石
WO2007045929A2 (en) * 2005-10-21 2007-04-26 Magnify Limited Superconducting systems
JP2009513010A (ja) * 2005-10-21 2009-03-26 マグニファイ リミテッド 超伝導システム

Also Published As

Publication number Publication date
CN102356437A (zh) 2012-02-15
GB0901768D0 (en) 2009-03-11
US20110227677A1 (en) 2011-09-22
CN102356437B (zh) 2016-01-20
JP5878019B2 (ja) 2016-03-08
US8736407B2 (en) 2014-05-27
EP2359375A1 (en) 2011-08-24
GB0822901D0 (en) 2009-01-21
WO2010070319A1 (en) 2010-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5878019B2 (ja) 超伝導システム
JP5562556B2 (ja) 超伝導システム
Coey Magnetism and magnetic materials
CN107924744B (zh) 改变超导体磁化的仪器和方法
US20040057255A1 (en) Power generation within a motionless electromagnetic generator
Padam et al. Magnetic compensation effect and phase reversal of exchange bias field across compensation temperature in multiferroic Co (Cr0. 95Fe0. 05) 2O4
Deng et al. Trapped flux and levitation properties of multiseeded YBCO bulks for HTS magnetic device applications—Part II: Practical and achievable performance
Zhang et al. Ferrimagnets for spintronic devices: From materials to applications
Geng et al. A wireless rectifier for inductively energizing high direct-current high-temperature superconducting magnets
Honda et al. Pressure-induced superconductivity in antiferromagnet CePd5Al2
Yan et al. A novel design of thermally actuated magnetization flux pump for high temperature superconducting bulks
EP1446862B1 (en) Motionless electromagnetic generator
Ninomiya et al. Neutron diffraction study of antiferromagnetic ErNi3Ga9 in magnetic fields
Shull Nanocrystalline and nanocomposite magnetic materials and their applications
Wang et al. Analyses on critical current density and magnetic fields of a REBCO annular plate excited by flux pump with thermal switch
Zhai et al. Modeling and simulation of thermomagnetic materials for thermally actuated magnetization flux pumping method
Li et al. Magnetization of bulk superconductors using thermally actuated magnetic waves
Chen et al. Optimization of Pulsed-Current Profile for Magnetizing High $ T_rm C $ Bulk YBCO Superconductors
Li et al. Numerical analysis of thermally actuated magnets for magnetization of superconductors
Sun et al. Special topics
Chapai AN EXPERIMENTAL STUDY ON THE STRUCTURAL AND MAGNETIC PROPERTIES OF Ni2+ xMn1. 4-xGa0. 6 AND Ni2-xMn1. 4+ xGa0. 6 HEUSLER TYPE ALLOYS
Nakagawa Research in steady high magnetic fields at Sendai
White et al. A Thermally Actuated Flux Pump for Energizing YBCO Pucks
JP2002143120A (ja) 均一磁場発生方法
Nam et al. Effects of anisotropy and frustration in La/sub 0.5/Si/sub 0.3/CoO/sub 3/cluster-glass compound

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121128

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140110

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140313

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140320

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140508

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140515

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140528

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5878019

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250