JPH1012429A - 超電導磁石装置および超電導磁石装置の着磁方法 - Google Patents

超電導磁石装置および超電導磁石装置の着磁方法

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JPH1012429A
JPH1012429A JP18005896A JP18005896A JPH1012429A JP H1012429 A JPH1012429 A JP H1012429A JP 18005896 A JP18005896 A JP 18005896A JP 18005896 A JP18005896 A JP 18005896A JP H1012429 A JPH1012429 A JP H1012429A
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陽介 柳
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徹雄 岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い磁場を発生させるとともに、様々な用途
および機器における利用を可能にすること。 【解決手段】 冷凍機20によって冷却される断熱容器
1内に配設されたコールドヘッド2と、前記断熱容器1
内で該コールドヘッド2に接触させて配設され熱伝導に
より超電導遷移温度以下に冷却される超電導体3と、前
記断熱容器1の外部に配設され前記超電導体3に磁場を
印加するための着磁コイル4と、該着磁コイル4に前記
超電導体3内に捕捉される磁場を考慮した印加磁場にな
るように制御されたパルス電流を通電するパルス電源5
とからなる超電導磁石装置および超電導磁石装置の着磁
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導磁石装置に
関し、特にバルク形状の高温超電導体に高い磁場を捕捉
させて磁石として用いる装置およびその着磁方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】Y系など一部の高温超電導体では、その
組織制御により永久磁石では不可能な液体窒素温度でも
1Tを超える大きな磁場が捕捉できるものが得られるよ
うになった。さらに低温まで冷却すればより大きな磁場
が捕捉可能であり、また、材料開発により特性の向上が
見込まれることから、最近、強力な磁石として使うこと
が検討されるようになってきた。
【0003】さて、バルク状の超電導体を磁石にする方
法としては、その超電導体に磁場を印加した状態でその
超電導遷移温度(Tc)以下に冷却するいわゆるFCと、そ
の超電導体の超電導遷移温度以下に冷却したあと、外部
から磁場を印加して超電導体内部に磁場を侵入させるい
わゆるZFCの方法とがある。いずれにしても、一度は
超電導体に捕捉させる磁場と同等以上の磁場を印加する
必要があり、またその後超電導体の捕捉した磁場を維持
するためには、着磁の際の温度以下に維持する必要があ
る。
【0004】従来、その特性の評価などの目的で高温超
電導体に磁場を捕捉させるときの着磁方法としては、一
般には上記したFCが用いられていた。特開平7-111213
は、FCにより超電導体に磁場を捕捉させ、コイルと超
電導体を組み合わせて磁石とするものであった。
【0005】一方、ZFCは、超電導体に外部磁場をゆ
っくり印加しその後0までゆっくり下げるものであり、
超電導体が冷却により既に超電導状態になっているた
め、超電導体に外部磁場を印加する際に一定量の磁場が
排除されるので、着磁には前記FCより大きな印加磁場
が必要となるため、定常的な磁場を用いて着磁する場合
には、実用的にはZFCではなくFCで行われていた。
【0006】また、ZFCの特別な方法として、定常的
な磁場ではなく、パルス磁場で着磁する方法が特開平6
−168823に開示されている。この方法は簡易なコ
イルで超電導体を着磁するのには有効である。
【0007】上記のバルク形状の超電導体を直接磁石と
して用いる方法とは別に、公開特許公報特開平5−17
5034には、バルク状の超電導体をコイルと同等の形
状に加工して通電し、磁石にする方法が開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のFCにおい
ては、前記超電導体を冷却する間は定常的な磁場を超電
導体に印加しなければならないが、定常的な磁場は、簡
易な装置では発生できる磁場が小さいために十分な印加
磁場が得られず、超電導体に捕捉できる磁場は通常の永
久磁石の発生磁界を大きく超えることはできないという
問題があった。
【0009】上記従来のFCにおいてNb-Ti の超電導コ
イルを用いる方法は、定常的に高磁場を発生できる方法
だが、この超電導コイルは極低温まで冷却する必要があ
るため、超電導体に高い磁場を捕捉させるには、装置全
体が大がかりなものになった。また、FCでは磁場をか
けたまま超電導体を冷却するので着磁に長い時間がかか
った。さらに着磁後に超電導体を冷却したまま使用場所
に配置することが必要となるため、使用できる場所が極
めて限られてしまうという問題もあった。このように、
上記従来のFCでは、装置等の内部で超電導体自体を強
力な磁石として用いることは困難だった。
【0010】また上記従来のZFCで定常的な磁場を用
いる場合には、上記のFCと同じ問題点がそのままある
うえ、さらにFCよりも大きな印加磁場が必要なことか
ら、上記のFCよりもいっそう困難であった。
【0011】また、特開平6−168823で開示され
た上記従来のパルス磁場では、コイルと超電導体とがと
もに同じ冷媒容器中に収められているため、着磁の際に
着磁コイルが発熱すると、大量の冷媒が蒸発する、ある
いは超電導体の温度が上昇して磁石性能が低下するなど
の問題があるとともに、冷媒の維持管理が必要であると
いう問題があった。
【0012】さらに上記バルク状の超電導体をコイルと
同等の形状に加工する方法においては、超電導体に複雑
な加工を施す必要があり、セラミックスである高温超電
導体では加工が非常に困難であるとともにコストがかか
った。また、加工の際に材料の劣化が起こりやすく、安
定した特性のものを得ることが困難だった。
【0013】以上述べたように、上記従来技術において
は、特性のよいバルク形状の超電導体があっても、それ
を高い磁場を発生する磁石として種々の機器で使うこと
は困難であった。
【0014】そこで本発明者らは、超電導体の特性が低
温になるほど向上するという事実と、パルス着磁では簡
便な装置で超電導体を着磁できることに着目し、バルク
形状の超電導体をそのまま用いて、簡易な装置および方
法により従来得られなかった高い磁場を捕捉させ、様々
な用途および機器で超電導体を磁石として利用できるよ
うにすることを課題とした。
【0015】上記課題を解決するために、本発明者らは
パルス着磁の方法を改良する努力を重ねた。従来、パル
ス着磁では、着磁されていない状態で冷却された超電導
体に後から磁場を印加して着磁する場合には超電導体が
侵入する磁場を排除しようとする性質を持つため、着磁
コイルと超電導体の間の空間をできる限り小さくする必
要があると考えられていた。しかしながら種々の装置で
超電導体を磁石として用いるためには、着磁コイルと超
電導体をもっと自由に配置できることが望ましい。そこ
で、本発明者らは種々の自由な配置の磁石装置を構成す
ることを念頭に置き、超電導体と着磁コイルとの配置
や、パルス磁場の大きさおよび印加時間等を鋭意検討し
た結果、以下の技術的手段が極めて有効であることを見
いだしたのである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載
の第1発明)の超電導磁石装置は、断熱容器内に配設さ
れた冷却用のコールドヘッドと、該コールドヘッドに接
触させて前記容器内に配設された超電導体と、前記超電
導体に磁場を印加するための着磁コイルと、該着磁コイ
ルにパルス電流を通電するパルス電源とからなるもので
ある。
【0017】本発明(請求項2に記載の第2発明)の超
電導磁石装置は、前記第1発明において、前記コールド
ヘッドが、冷凍機によって冷却され、前記超電導体を熱
伝導により超電導遷移温度以下に冷却するように構成さ
れているものである。
【0018】本発明(請求項3に記載の第3発明)の超
電導磁石装置は、前記第2発明において、前記着磁コイ
ルが、前記断熱容器の外部にあって前記超電導体に対し
て断熱されて配設されているものである。
【0019】本発明(請求項4に記載の第4発明)の超
電導磁石装置は、前記第3発明において前記パルス電源
が、前記超電導体内に捕捉される目的の磁場分布を得る
ために必要な印加磁場になるようにパルス電流が制御さ
れるように構成されているものである。
【0020】本発明(請求項5に記載の第5発明)の超
電導磁石装置は、前記第4発明において、前記超電導体
が、RE−Ba−Cu−O系(REは、Yまたは希土類
元素およびこれらの元素の組み合わせ)のバルク形状の
超電導体によって構成されているものである。
【0021】本発明(請求項6に記載の第6発明)の超
電導磁石装置は、超電導体を超電導遷移温度以下に冷却
できる冷媒の充填された冷媒容器と、該冷媒容器中に配
置された超電導体と、該超電導体に磁場を印加するため
の着磁コイルと、該着磁コイルにパルス電流を通電する
パルス電源とからなり、該着磁コイルが該冷媒容器の外
にあって該超電導体と断熱されているものである。
【0022】本発明(請求項7に記載の第7発明)の超
電導磁石装置の着磁方法は、超電導体を超電導遷移温度
以下に冷却し、前記超電導体内に侵入する磁場の最小値
が前記超電導体内に捕捉される磁場の最大値以上になる
ような印加磁場が発生するように、ピーク値が決定され
ているパルス電流を前記着磁コイルに通電するものであ
る。
【0023】本発明(請求項8に記載の第8発明)の超
電導磁石装置の着磁方法は、前記第7発明において、前
記超電導体内に捕捉される磁場の最大値と前記超電導体
内に侵入する磁場の最小値が等しくなるような印加磁場
が発生するように、ピーク値が決定されているパルス電
流を前記着磁コイルに通電するものである。
【0024】本発明(請求項9に記載の第9発明)の超
電導磁石装置の着磁方法は、前記第7発明において、前
記着磁コイルに通電されるパルス電流の通電時間が一定
時間以内になるように制御されるものである。
【0025】
【発明の作用および効果】上記構成より成る第1発明の
超電導磁石装置は、前記パルス電源により前記着磁コイ
ルにパルス電流を通電することにより、前記着磁コイル
の発生するパルス磁場が、前記断熱容器内に配設された
冷却用の前記コールドヘッドにより超電導遷移温度以下
に冷却された前記超電導体に印加され、その磁場が該超
電導体に捕捉されることにより磁石として機能するもの
である。該超電導体に捕捉される磁場の大きさは、前記
着磁コイルに発生させる磁場の大きさにより制御でき
る。また、超電導体は1回でもパルス磁場が印加されれ
ば磁場を捕捉でき、そのパルス幅も数msec以下でよいた
め、パルス着磁を用いた本発明の装置では、小さく簡便
な着磁コイルで超電導体が着磁できるという作用があ
る。また、超電導体がコールドヘッドにより冷却されて
いるので、冷媒を用いる場合のように温度が限定される
がことなく、任意の動作温度で利用することができる。
超電導体は一般に温度が低いほど特性が高いので、コー
ルドヘッドを用いると、動作温度を低くできることによ
り、より大きな磁場を発生できる効果がある。
【0026】上記構成より成る第2発明の超電導磁石装
置は、前記第1発明の構成において、前記コールドヘッ
ドが、冷凍機により冷却され、前記超電導体が熱伝導に
より超電導遷移温度以下に冷却されるものである。本発
明の装置では、コールドヘッドが冷凍機で冷却されるの
で、ヒーターと組み合わせることによりコールドヘッド
および超電導体の温度を自由かつ自動的に制御できると
いう効果がある。さらに、冷媒の維持管理が不要になる
という効果もある。
【0027】上記構成より成る第3発明の超電導磁石装
置は、前記第2発明の構成において、前記着磁コイル
が、前記断熱容器の外部にあって前記超電導体に対して
断熱されて配設されているため、着磁される超電導体
は、着磁の際に着磁コイルにパルス電流を通電した際の
コイルの発熱による影響を受けないという効果がある。
すなわち、超電導体の余分な温度上昇が避けられるた
め、より安定したパルス着磁が可能になるという効果が
ある。さらに、着磁コイルが超電導体の入った断熱容器
の外部にあるため、着磁後は磁場を捕捉して磁石として
機能している超電導体を含む断熱容器の部分と、着磁コ
イルおよび着磁電源とを切り離すことが容易にでき、様
々な用途でその磁場を使うことが容易になるという効果
もある。
【0028】上記構成より成る第4発明の超電導磁石装
置は、前記第3発明の構成において、前記超電導体内に
捕捉される目的の磁場分布を得るために必要な印加磁場
になるようにパルス電流が制御されるように構成されて
いるため、1回のパルス着磁で必要な磁場を超電導体に
捕捉させ、すぐにその磁場を種々の用途で利用できると
いう効果がある。
【0029】上記構成より成る第5発明の超電導磁石装
置は、前記第4発明の構成において、前記超電導体が、
RE−Ba−Cu−O系(REは、Yまたは希土類元素
およびこれらの元素の組み合わせ)のバルク形状の超電
導体によって構成されているため、その強いピン止め力
により大きな磁場を捕捉できるという効果がある。
【0030】上記構成より成る第6発明の超電導磁石装
置は、前記超電導体を超電導遷移温度以下に冷却できる
冷媒の充填された冷媒容器と、該冷媒容器中に配置され
た超電導体と、該超電導体に磁場を印加するための着磁
コイルと、該着磁コイルにパルス電流を通電するパルス
電源とからなり、該着磁コイルが該冷媒容器の外にあっ
て該超電導体と断熱されているため、着磁される前記超
電導体は、着磁コイルにパルス電流を通電して着磁する
際にコイルの発熱による影響を受けないという効果があ
る。すなわち、超電導体の余分な温度上昇が避けられる
ため、より安定したパルス着磁が可能になるという効果
がある。さらに、着磁コイルが超電導体の入った冷媒容
器の外部にあるため、着磁後は磁場を捕捉して磁石とし
て機能している超電導体を含む冷媒容器の部分と、着磁
コイルおよび着磁電源とを切り離すことが容易にでき、
様々な用途でその磁場を使うことが容易になるという効
果もある。
【0031】上記構成より成る第7発明の超電導磁石装
置の着磁方法は、超電導体を超電導遷移温度以下に冷却
し、前記超電導体内に侵入する磁場の最小値が前記超電
導体内に捕捉される磁場の最大値以上になるような印加
磁場が発生するように、ピーク値が決定されているパル
ス電流を前記着磁コイルに通電するため、前記超電導体
の特性によって決まる捕捉可能な最大の磁場にほぼ近い
磁場を捕捉できるとともに、着磁直後より該超電導磁石
装置の捕捉磁場変化が少なくなるという効果がある。
【0032】上記構成より成る第8発明の超電導磁石装
置の着磁方法は、前記第7発明の構成において、前記超
電導体内に捕捉される磁場の最大値と前記超電導体内に
侵入する磁場の最小値が等しくなるような印加磁場が発
生するように、ピーク値が決定されているパルス電流を
前記着磁コイルに通電するため、必要十分な磁場のみが
超電導体内に侵入し、余分な磁場の侵入による発熱が起
こらないため、前記超電導体の特性から捕捉しうる最大
の磁場を捕捉できるという効果がある。さらに、必要最
小限の磁場を発生できる着磁コイルを用いるため、着磁
コイルの大きさが可能な限り小さくできるという効果が
ある。
【0033】上記構成より成る第9発明の超電導磁石装
置の着磁方法は、前記第8発明の構成において、前記着
磁コイルに通電されるパルス電流の通電時間が一定時間
以内になるように制御されるため、着磁の際の着磁コイ
ルの発熱する時間が短い。そのため、細い線でできた着
磁コイルに大きな電流を通電しても発熱量が大きくなら
ず、溶断することがないので、簡便な着磁コイルで、容
易に大きな磁場を着磁できるという効果がある。
【0034】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき、
図面を用いて説明する。
【0035】(第1実施形態)本第1実施形態の超電導
磁石装置および超電導磁石装置の着磁方法は、図1に示
されるように、冷凍機20によって冷却される断熱容器
1内に配設されたコールドヘッド2と、前記断熱容器1
内で該コールドヘッド2に接触させて配設され熱伝導に
より超電導遷移温度以下に冷却される超電導体3と、前
記断熱容器1の外部に配設され前記超電導体3に磁場を
印加するための着磁コイル4と、該着磁コイル4に前記
超電導体3内に捕捉される磁場を考慮した印加磁場にな
るように制御されたパルス電流を通電するパルス電源5
とからなるものである。
【0036】前記断熱容器1は、図1に示されるように
内部が真空排気されており、前記超電導体3および前記
コールドヘッド2と該断熱容器の外部とを断熱する構造
になっている。
【0037】前記冷凍機20は、図2に示されるように
ギフォード・マクマホンによって開発された蓄冷式冷凍
サイクルを用いたGM冷凍機によって構成され、気体を
圧縮する圧縮機21と、該圧縮機21の吐出口に連通す
る高圧弁22および吸入口に連通する低圧弁23と、シ
リンダー24内に介挿されステッピングモータおよびク
ランクよりなる駆動機構25によって往復動するピスト
ンとしてのディスプレーサ26と、前記シリンダー24
に連通するとともに前記高圧弁22および低圧弁23に
連通する蓄冷器27と、該蓄冷器27と前記シリンダー
24の一方の部屋241との間に形成される前記コール
ドヘッド2を構成する冷凍部28とから成る。
【0038】動作原理を示す図3に示されるように、前
記ディスプレーサ26は前記ステッピングモータによっ
て前記シリンダー24内を数10rpmで往復動し、前
記高圧弁22と低圧弁23は前記ディスプレーサ26の
往復動に同期して開閉制御される。
【0039】図3において前記ディスプレーサ26が下
にある時、前記高圧弁22が開き高圧気体が前記ディス
プレーサ26の上部空間V1に入り、次に前記ディスプ
レーサ26が上昇し、気体は同じ圧力を保ったまま下部
空間V2に移動する。この時下部空間の温度が低いので
気体が収縮し、余分の気体が補給される。
【0040】前記ディスプレーサ26がほぼ上昇した位
置で前記高圧弁22を閉じ前記低圧弁23を開くと、気
体は低圧側に吐出され膨張して最大容積Vの下部空間V
2内で冷凍が得られる。次にディスプレーサ26を下
げ、前記下部空間V2内の気体を吐出させた後、前記低
圧弁23を閉じ前記高圧弁22を開くことにより1サイ
クルが完了する。
【0041】前記冷凍機20は、1段のGM冷凍機で、
80Kにおける冷凍出力は100W、冷凍機単体での最
低到達温度は25Kである。本実施形態の前記超電導体
3、コイル4、コールド・ヘッド2を取り付けた状態で
の最低到達温度は30Kであった。
【0042】前記超電導体3は、図1に示されるように
前記冷凍機20の前記冷凍部28によって構成される前
記コールドヘッド2の上面に充分な厚さの銅ブロック3
0が載置され、その上に載置される。なお、前記コール
ドヘッド2にはヒーター線が巻かれており、これを用い
て温度制御することにより、最低到達温度までの希望の
温度に保つことが出来るようになっている。
【0043】該超電導体3は、YBa2Cu3O7−x
およびY2BaCuO5の微細な粉末をモル比で3:2
に秤量し、これに0.5wt%のPtを加え十分混合したもの
を原料粉末とし、これを円筒形に圧粉していわゆる溶融
法で熱処理することにより得られた、外径φ35mm、厚さ
14mmのY系溶融バルクを用いた。
【0044】この超電導体は、1Tの静磁場中で液体窒
素により冷却して着磁したところ、最大0.5Tの磁場
を捕捉できたものである。
【0045】前記パルス電源5は、コンデンサ51に溜
めた電荷を放電するもので、ダイオード52による整流
により一方向のみに電流を通じることができるようにな
っている。この電源の発生可能な最大電流は10000 アン
ペア(A)である。
【0046】前記着磁コイル4は50ターンで、内径45m
m、外径60mmのボビンの中に樹脂で含浸し固定したもの
を用い、パルス電流を供給するための電流供給線41によ
り、前記パルス電源の端子53に結線されている。
【0047】着磁コイルは、その形状から通電する電流
の単位電流値あたりの発生磁界(コイル定数)を計算で
きるので、コイルに流す電流を調べれば発生磁界が求め
らる。前記着磁コイル4コイルでは10000アンペア
(A)通電すると、10Tの磁場をコイル中心部に発生
できる。図4に示すように、パルス着磁では、着磁コイ
ルには瞬間的に電流が流れるだけであり、電流値は通電
開始直後立ち上がり時間Aで最大値に達した後、すぐに
0になる。すなわち、着磁コイル4が磁場を発生するの
はパルス着磁を行う一瞬の間のみであり、その発生磁界
は流れている電流値の変化に応じて時間的に変化する。
そこで、図4に線Bで示したパルス電流が最大になると
きの着磁コイルの発生磁界を、超電導体3の印加磁場と
して定義した。
【0048】本第1実施形態において、前記超電導3に
大きな磁場を捕捉させるのに最適な印加磁場を決めるた
めに行った実験について以下に述べる。印加磁場は前記
着磁コイル4に供給するパルス電流の大きさで決まるの
で、前記パルス電源5から前記着磁コイル4に供給する
パルス電流の大きさをいろいろ変えて前記超電導体3を
着磁して、それぞれの場合の捕捉磁場を比較した。この
実験は、前記超電導体の温度を液体窒素温度と同じ77K
に保持して行った。
【0049】図5に示したのは、超電導体3を0.64T
(A)、1.13T (B)および1.86T (C)の印加磁場で
着磁した場合のそれぞれについて、図4に示したパルス
磁場の発生している間の各時点(1)立ち上がり途中、
(2)ピーク時、(3)立ち下がり途中および(4)静
定後における、超電導体3内部の磁場分布である。
【0050】上記図5から、パルス着磁の過程では超電
導体内部に侵入する磁束線が常にその運動を妨げる方向
に力を受けるため印加された磁場がシールドされるの
で、超電導体内部まで磁場を侵入させるには、超電導体
の外部表面にかかる印加磁場(すなわち着磁コイルの発
生する最大の磁場)を十分大きくする必要があることが
わかる。すなわち図5のAまたはBのような場合には、
超電導体中心部に十分な磁場が侵入していないために、
超電導体の特性から捕捉可能な磁場を十分に捕捉できて
いない。
【0051】したがって、図5から明らかなように、前
記超電導体3の捕捉磁場が最大になる中心部にそこで捕
捉可能な磁場より大きな磁場が侵入するような外部磁場
を印加した場合、すなわち、図5より、1.86T 以上の磁
場を印加した場合には、前記超電導体に捕捉可能な磁場
を十分捕捉させられることがわかる。
【0052】次に、さらに大きな磁場を前記超電導体3
に印加した場合と、上記1.86T の磁場を印加した場合と
で、前記超電導体3の捕捉磁場を比較した結果を図6に
示した。これより、必要以上に大きな磁場が超電導体3
に印加された場合は、捕捉できる磁場が少なくなること
がわかる。これは、4.97T の磁場を超電導体3に印加し
た場合は、捕捉できる磁場に比べて余分な磁場が超電導
体3の内部に侵入しており、そのため多量の磁束線が動
くことにより超電導体3の内部で発熱が起こって超電導
体3の内部の温度が上昇し、磁束線のピン止め力が下が
るためである。
【0053】また、前記パルス電流の最適パルス幅につ
いて以下に検討する。すなわち、パルス幅およびコイル
形状によるパルス着磁特性の差について検討する。パル
ス電源において大容量のコンデンサを用いる場合は、そ
の充電電圧で発生磁界の大きさを制御することができ
る。着磁コイルが同じなら充電電圧を上げると、発生す
るパルス磁場はその充電電圧に比例して大きくなるが、
パルス幅はほとんど変化しない
【0054】また、着磁コイルの巻き数を増やすと、あ
るいは着磁コイルの内径を大きくするとパルス幅が長く
なる。図7に作製した代表的な3種類の着磁コイルのパ
ルス電流波形を示した。これら、種々の作製した着磁コ
イルを用いて、超電導体の着磁特性への影響を調べた。
【0055】その結果、内径が同じで巻き数の異なる着
磁コイルを用いて、立ち上がり時間が異なるパルス磁場
で超電導体を着磁したところ、パルスの立ち上がり時間
が0.8msec ないし2.4msec の範囲では、そのパルス幅に
よる着磁特性の差がないことがわかった。
【0056】また外径34mmの超電導体を、内径がそれぞ
れ35mmおよび55mmで巻き数が同じ着磁コイルで着磁した
場合でも、その捕捉磁場の印加磁場依存性には差がなか
った。
【0057】これらの結果から、パルス着磁による超電
導体の捕捉磁場は、そのパルス幅や着磁コイルの形状に
はよらず、超電導体に印加される印加磁場の大きさだけ
で決まることがわかった。
【0058】本第1実施形態における最適な着磁条件を
調べるために、印加磁場を変えたときの捕捉磁場分布が
どのように変化するか検討した。上記従来技術とも比較
するために、FC、ZFCと本第1実施形態のパルス着
磁で、液体窒素温度の77K でそれぞれ印加磁場を変えて
同じ超電導体の着磁後の捕捉磁場を測定して比較した。
【0059】試料全体の特性で比較するため、試料表面
上で磁場センサを走査して、試料上の各地点で捕捉され
ている磁場の強さを測定し、試料に捕捉された磁束の総
量を求めた。同じ試料を種々の印加磁場で着磁して、そ
れぞれ捕捉磁束量を測定してプロットすると、図10の
ようになる。
【0060】これより、パルス着磁の場合には、この試
料においては1.9Tのような最適な印加磁場があり、それ
以上の磁場をかけると試料に捕捉される磁場が減少する
ことがわかる。これより超電導体に強い磁場を捕捉させ
て利用する場合には、使う超電導体の捕捉磁場の印加磁
場依存性を測定して、最適な印加磁場を予め調べておく
必要があることがわかった。
【0061】また、用途によっては、超電導体が最も磁
場を多く捕捉できる印加磁場よりも大きな印加磁場で着
磁する使い方もある。超電導体の捕捉磁場は、着磁直後
より対数関数的に一定の割合で減少するいわゆるクリー
プ現象により減少する。着磁後ある程度時間が経過すれ
ばその減少量は実用的には支障ない程度になるが、パル
ス着磁で超電導体が最も磁場を多く捕捉できる印加磁場
よりも大きな印加磁場で着磁した場合には、他の着磁方
法に比べ、着磁直後より磁場の減少量の少ない状態にな
る。したがって、捕捉磁場の強さより、安定性を重視す
る用途では、超電導体が最も磁場を多く捕捉できる印加
磁場よりも大きな印加磁場で着磁することも有効であ
る。
【0062】本第1実施形態の超電導磁石装置の着磁方
法を以下に述べる。初めに、前記超電導体3を前記銅ブ
ロック30を介して前記冷凍機20によって冷却された
前記コールドヘッドにより、超電導遷移温度以下まで冷
却する。温度が十分定常になった後、前記着磁コイル4
に前記パルス電源5から図4に示したものと同様なパル
ス状の電流を通電し、前記超電導体3に磁場を印加す
る。
【0063】磁場の印加により、該超電導体3は磁場を
捕捉して磁石となるが、その後温度を一定に保っている
間は、この超電導磁石は磁束クリープと呼ばれる現象に
よりわずかな発生磁界の減少はあるものの実質的にはほ
ぼ一定の磁場を保ち続ける。その後、必要に応じて前記
端子53で前記電流供給線41を取り外して、前記パル
ス電源5と超電導磁石を切り離すこともできる。また、
発生磁界を変えるなどの目的で再度着磁し直すことも可
能である。
【0064】このようにして得られた超電導磁石装置の
特性は次のようになった。印加する磁場を順次増やした
ときに、超電導体上の2ヶ所でそれぞれ捕捉磁場の大き
さを磁場センサで測定した結果が図9である。その測定
個所は、図10に示した。この測定では超電導体を50K
まで冷却した。
【0065】これより、印加磁場を大きくしていくと、
まず超電導体の周辺部に捕捉される磁場が先に増える
が、印加磁場が3T以上になると超電導体の中心部に捕捉
される磁場が急激に増え、超電導体の周縁部に捕捉され
る磁場を越える。さらに、印加磁場が4Tを越えると場所
によらず捕捉磁場が減少することがわかる。
【0066】このように、本第1実施形態では、3.8Tの
パルス磁場の印加により前記超電導体3に1.5Tの磁場を
捕捉させることができ、最大発生磁界1.5Tの超電導磁石
装置が得られた。液体窒素温度(77K )では、前記超電
導体3の捕捉できる磁場は0.5Tであり、冷凍機を利用し
た本実施形態の超電導磁石装置では、同じ超電導体を用
いて液体窒素温度の3倍の性能が得られている。また、
前記超電導体3の捕捉磁場の印加磁場依存性のデータを
用いて、前記超電導体3のその動作温度での最大捕捉磁
場までの範囲で任意の発生磁界を持つ超電導磁石装置を
得ることができる。
【0067】また、着磁後の超電導体の捕捉磁場の時間
変化を調べたところ図11のような結果が得られた。こ
れより、印加磁場が3.8Tを越えると超電導体の捕捉磁場
は小さくなるが、その着磁後の減衰がかなり少なくなる
ということがわかった。すなわち、印加磁場を大きくす
ることにより、発生磁界の減衰の少ない発生磁界の安定
した超電導磁石装置が得られる。
【0068】上記作用を奏する第1実施形態の超電導磁
石装置は、前記断熱容器1内に配設された前記コールド
ヘッド2に接触させて直接低温に冷却された前記超電導
体3に、該超電導体に近い位置に配設されている前記着
磁コイル4がパルス電流の通電により瞬間的に発生する
磁場をそのまま捕捉させて磁石とするものであり、簡易
に超電導体が着磁されて高い磁場を発生できるため、様
々な用途および機器における利用が可能となるという効
果を奏する。
【0069】また第1実施形態の超電導磁石装置は、前
記冷凍機20によって前記コールドヘッド2が冷却され
るので、簡易に冷媒として用いられる液体窒素の温度よ
り低い温度を容易に実現でき、同じ超電導体を用いても
液体窒素を冷媒に用いる場合よりも大きな磁場を発生さ
せることができるという効果を奏する。
【0070】すなわち、前記超電導体3が前記冷凍機2
0の冷凍部である前記コールドヘッド2によって十分な
容量の銅ブロック30を介して冷却されるので、該コー
ルドヘッド2にヒーター線を配設して30K程度までの
任意の動作温度における着磁を可能にするとともに、そ
のヒーター線の出力を制御することにより、自動的に温
度を維持管理でき、非常に容易に低温を利用できる。液
体冷媒を用いる上記従来技術においては、動作温度が冷
媒の温度(液体酸素90K 、液体窒素77K 、液体ネオン27
K 、液体水素20K 、液体ヘリウム4K)に限定され、この
うち本発明の用途で実用的に簡易に利用できるのは液体
窒素に限られる。そのため、超電導体の特性の上がる77
K 以下の温度領域で動作できる本実施例の装置は、同じ
超電導体を用いても液体冷媒を使う場合に比べて、容易
に強い磁場を発生させることができるという効果を奏す
る。
【0071】また第1実施形態の超電導磁石装置は、前
記超電導体3が前記冷凍機20の前記コールドヘッド2
によって直接冷却されるため、上記従来技術における冷
媒容器が不要になり、その分だけ前記超電導体3と前記
真空断熱容器1の外部までの距離を短くすることができ
るので、様々な用途や機器において超電導体に捕捉させ
た磁場をより有効に利用できるという効果を奏する。
【0072】さらに第1実施形態の超電導磁石装置は、
前記パルス電源5からのパルス電流が通電される前記着
磁コイル4が前記真空断熱容器1の外部に配設され、前
記超電導体3に対して断熱されているので、前記超電導
体3は着磁の際に前記着磁コイル4の発熱による影響を
受けないため、超電導磁石装置の性能が向上するという
効果を奏する。
【0073】さらに第1実施形態の超電導磁石装置は、
前記超電導体3がRE−Ba−Cu−O 系( RE は、Yま
たは希土類系元素およびこれらの元素の組み合わせ)の
バルク形状の超電導体によって構成されているので、捕
捉できる磁場が大きく、高い磁場を発生するという効果
を奏する。
【0074】さらに第1実施形態の超電導磁石の着磁方
法は、前記超電導体3内に侵入する磁場の最小値が前記
超電導体内に捕捉される磁場の最大値以上になるような
印加磁場が発生するように、ピーク値が決定されている
パルス電流を前記着磁コイル4 に通電するため、前記超
電導体の特性によって決まる捕捉可能な最大の磁場にほ
ぼ近い磁場を捕捉できるとともに、着磁直後より該超電
導磁石装置の捕捉磁場変化が少なくなり、安定した磁界
を発生させることができ、超電導磁石装置の磁石性能を
向上させるという効果を奏する。
【0075】また第1実施形態の超電導磁石の着磁方法
は、前記超電導体3内に捕捉される磁場の最大値と前記
超電導体3内に侵入する磁場の最小値が等しくなるよう
な印加磁場が発生するように、ピーク値が決定されてい
るパルス電流を前記着磁コイル4 に通電するため、必要
十分な磁場のみが超電導体内に侵入し、余分な磁場の侵
入による前記超電導体3内の発熱が起こらないため、前
記超電導体3の特性から捕捉しうる最大の磁場を捕捉で
き、超電導磁石装置の磁石性能を向上させるという効果
を奏する。さらに、必要最小限の磁場を発生できる着磁
コイルを用いることにより、着磁コイルの大きさが可能
な限り小さくでき、より簡便な超電導磁石装置を設計で
きるという効果を奏する。
【0076】さらに第1実施形態の超電導磁石の着磁方
法は、前記着磁コイル4に通電されるパルス電流の通電
時間が一定時間以内になるように制御されるため、着磁
の際の着磁コイルの発熱量が一定以下になる。そのた
め、簡便なコイルに大きな電流を通電することができ、
大きな磁場を前記超電導体3に捕捉させる際に必要な大
きな印加磁場を、容易に発生できるという効果を奏す
る。
【0077】(第2実施形態)本第2実施形態の超電導
磁石装置および超電導磁石装置の着磁方法は、図12に
示されるように、超電導体3を超電導遷移温度以下に冷
却できる冷媒の充填された冷媒容器6と、該冷媒容器6
中に配置された前記超電導体3と、該超電導体3に磁場
を印加するための着磁コイル4と、該着磁コイル4にパ
ルス電流を通電するパルス電源5とからなり、該着磁コ
イル4が該冷媒容器6の外部に配設されているものであ
る。
【0078】前記冷媒容器6は、冷媒として液体窒素が
充填されている。また、超電導体3、着磁コイル4およ
びパルス電源5は第1実施形態のものと同じものを用い
た。
【0079】本第2実施形態においても、前記パルス電
源5が、前記超電導体3に大きな捕捉磁場を得るための
最適な磁場を印加するために前記着磁コイル4に出力す
る最適な印加磁場を求めるため、前記第1実施形態と同
様の実験を行った。
【0080】その結果、前記超電導体3の捕捉磁場は、
前記第1実施形態で77K で行ったときと同様の印加磁場
依存性を示し、最大捕捉磁場は0.5Tだった。すなわち、
温度が同じであれば、前記超電導体3の捕捉磁場はその
冷却手段にはよらず、同じになるということが確かめら
れた。
【0081】本第2実施形態では、該着磁コイル4が該
冷媒容器6の外にあって該超電導体3と断熱されている
ため、着磁される前記超電導体3 は、着磁コイルにパル
ス電流を通電して着磁する際にコイルの発熱による影響
を受けない。すなわち、超電導体の余分な温度上昇が避
けられるため、より安定したパルス着磁が可能になると
いうという効果を奏する。
【0082】さらに、本第2実施形態では、着磁コイル
が超電導体の入った該冷媒容器6の外部にあるため、着
磁後は磁場を捕捉して磁石として機能している超電導体
を含む冷媒容器の部分と、着磁コイルおよび着磁電源と
を切り離すことが容易にできる。そのため、着磁後は着
磁の際だけに必要となる着磁コイルおよび着磁電源を超
電導体を含む冷媒容器の部分から切り離して、超電導磁
石装置の磁場を発生する機能部分のみを、様々な用途や
機器において利用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の超電導磁石装置ならび
にその着磁方法の基本的な構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本第1実施形態における冷凍機を示すブロック
図である。
【図3】本第1実施形態における冷凍機の動作原理を説
明するためのブロック図である。
【図4】本第1実施形態における着磁コイルに通電され
る電流波形の一例を示す線図であり、印加磁場を定義す
るための線図である。
【図5】本第1実施形態における超電導体のパルス着磁
過程の各時点における超電導体内部の磁場分布を示す線
図である。
【図6】本第1実施形態における印加磁場と超電導体の
捕捉磁場の関係を示す線図である。
【図7】本第1実施形態における着磁コイルの巻き数と
パルス電流の立ち上がり時間との関係を示す線図であ
る。
【図8】本第1実施形態における印加磁場と超電導体の
捕捉磁束量(捕捉磁場の総量)を示す線図である。
【図9】本第1実施形態における超電導体の捕捉磁場の
総量である捕捉磁束量の印加磁場依存性を示す線図であ
る。
【図10】本第1実施形態における超電導体の捕捉磁場
を測定する磁場センサの配置を示す説明図である。
【図11】本第1実施形態における超電導体の着磁後の
捕捉磁場の時間変化の種々の印加磁場で調べた結果を示
す線図である。
【図12】本発明の第2実施形態の超電導磁石装置なら
びにその着磁方法の基本的な構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 断熱容器 2 コールドヘッド 20 冷凍機 3 超電導体 4 着磁コイル 5 パルス電源 6 冷媒容器
フロントページの続き (72)発明者 吉川 雅章 愛知県刈谷市八軒町5丁目50番地 株式会 社イムラ材料開発研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱容器内に配設された冷却用のコール
    ドヘッドと、 該コールドヘッドに接触させて前記容器内に配設された
    超電導体と、 前記超電導体に磁場を印加するための着磁コイルと、 該着磁コイルにパルス電流を通電するパルス電源とから
    なることを特徴とする超電導磁石装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記コールドヘッドが、冷凍機によって冷却され、前記
    超電導体を熱伝導により超電導遷移温度以下に冷却する
    ように構成されていることを特徴とする超電導磁石装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記着磁コイルが、前記断熱容器の外部にあって前記超
    電導体に対して断熱されて配設されていることを特徴と
    する超電導磁石装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記パルス電源が、前記超電導体内に捕捉される目的の
    磁場分布を得るために必要な印加磁場になるようにパル
    ス電流が制御されるように構成されていることを特徴と
    する超電導磁石装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記超電導体が、RE−Ba−Cu−O系(REは、Y
    または希土類元素およびこれらの元素の組み合わせ)の
    バルク形状の超電導体によって構成されていることを特
    徴とする超電導磁石装置。
  6. 【請求項6】 超電導体を超電導遷移温度以下に冷却で
    きる冷媒の充填された冷媒容器と、 該冷媒容器中に配置された超電導体と、 該超電導体に磁場を印加するための着磁コイルと、 該着磁コイルにパルス電流を通電するパルス電源とから
    なり、 該着磁コイルが該冷媒容器の外にあって該超電導体と断
    熱されていることを特徴とする超電導磁石装置。
  7. 【請求項7】 超電導体を超電導遷移温度以下に冷却
    し、 前記超電導体内に侵入する磁場の最小値が前記超電導体
    内に捕捉される磁場の最大値以上になるような印加磁場
    が発生するように、ピーク値が決定されているパルス電
    流を前記着磁コイルに通電することを特徴とする超電導
    磁石装置の着磁方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記超電導体内に捕捉される磁場の最大値と前記超電導
    体内に侵入する磁場の最小値が等しくなるような印加磁
    場が発生するように、ピーク値が決定されているパルス
    電流を通電することを特徴とする超電導磁石装置の着磁
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項7において、 前記超電導体に通電されるパルス電流の通電時間が一定
    時間以内になるように制御されることを特徴とする超電
    導磁石装置の着磁方法。
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