本発明は、新規な置換ナフタレン−2−イル酢酸、それらの製造、それらを含有する医薬組成物及びCRTH2アンタゴニスト又は部分アゴニストとしてのそれらの使用に関する。プロスタグランジンD2(PGD2)は、活性化された肥満細胞により産生される主要なプロスタノイドであり、アレルギー性喘息及びアトピー性皮膚炎のようなアレルギー性疾患の病因に関与している。Tヘルパー型細胞上に発現される化学誘因性受容体−相同分子(CRTH2)は、プロスタグランジンD2受容体の1つであり、Tヘルパー2型(Th2)細胞、好酸球、及び好塩基球のようなアレルギー性炎症に関与するエフェクター細胞上で発現する(Nagata et al., FEBS Lett 459: 195-199, 1999)。これは、Th2細胞、好酸球、及び好塩基球のPGD2刺激走化性を仲介することが示されている(Hirai et al., J Exp Med 193: 255-261, 2001)。また、CRTH2は、呼吸性バースト及び好酸球の脱顆粒を仲介し(Gervais et al., J Allergy Clin Immunol 108: 982-988, 2001)、Th2細胞における炎症性サイトカインの産生を誘起し(Xue et al., J Immunol 175: 6531-6536)、好塩基球からのヒスタミンの放出を増大させる(Yoshimura-Uchiyama et al., Clin Exp Allergy 34:1283-1290)。そのmRNA安定性に異なる影響を与える、CRTH2をコードする遺伝子の配列変異は、喘息に関連していることが示されている(Huang et al., Hum Mol Genet 13, 2691-2697, 2004)。循環するCRTH2発現T細胞の数の増大は、また、アトピー性皮膚炎の重篤度に相関している(Cosmi et al., Eur J Immunol 30, 2972-2979, 2000)。これらの知見は、アレルギー性疾患においてCRTH2が炎症誘発性の役割を果たすことを示唆している。したがって、CRTH2のアンタゴニスト又は部分アゴニストは、喘息、アレルギー性炎症、アレルギー性鼻炎、COPD、及びアトピー性皮膚炎のような障害を処置するために有用である。
本発明は、式I:
(式中、X、Q及びR
1〜R
6は、詳細な説明及び特許請求の範囲に定義のとおりである)の化合物並びにその薬学的に許容されうる塩及びエステルに関する。さらに、本発明は、式Iの化合物の製造及び使用方法並びにこのような化合物を含有する医薬組成物に関する。式Iの化合物は、CRTH2受容体のアンタゴニスト又は部分アゴニストであって、その受容体と関連している疾患及び障害(例えば喘息)を処置する上で有用でありうる。
特に明記しない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用する次の特定の用語及び語句は、以下のように定義される:
用語「部分」は、1個以上の化学結合によって他の原子又は分子に結合し、それにより分子の一部を形成している原子又は化学的に結合している原子の基を指す。例えば、式Iの変数R1〜R6は、式Iのコア構造に共有結合によって結合している部分を指す。
1個以上の水素原子を有する特定の部分に関して、用語「置換されている」は、その部分の水素原子のうちの少なくとも1個が、他の置換基又は部分によって置き換えられていることを指す。例えば、用語「ハロゲンで置換されている低級アルキル」は、低級アルキル(以下に定義されるとおり)の1個以上の水素原子が、1個以上のハロゲン部分(例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、クロロメチル等)によって置き換えられていることを指す。同様に、用語「低級アルキル又は低級アルコキシカルボニルで置換されている低級ヘテロシクロアルキル」は、低級ヘテロシクロアルキル(以下に定義されるとおり)の1個以上の水素原子が、1個以上の低級アルキル(例えば4−メチルピペラジン−1−イル等)によって置き換えられているか、又は1個以上の低級アルコキシカルボニル(例えば4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル、4−メトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル、又は4−エトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル等)によって置き換えられていることを指す。
用語「場合により置換されている」は、(1個以上の水素原子を有する)部分の1個以上の水素原子が、他の置換基で置換され得るが、必ずしも置換されている必要はないことを指す。
用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードの部分を指す。
特に明記しない限り、用語「水素」又は「ヒドロ」は、水素原子の(−H)の部分を指し、H2ではない。
用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を有する脂肪族直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素部分を指す。特定の実施態様において、アルキルは、1〜10個の炭素原子を有する。
用語「低級アルキル」は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル部分を指す。特定の実施態様において、低級アルキルは1〜4個の炭素原子を有し、他の特定の実施態様においては、低級アルキルは1〜3個の炭素原子を有する。低級アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert−ブチルを包含する。用語「低級シクロアルキル」は、一緒に結合して環構造を形成した3〜7個の炭素原子を有する飽和又は部分的に不飽和の、非芳香族炭化水素環部分を指す。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを包含する。
用語「低級アルコキシ」は、部分 −O−Rを指し、ここで、Rは、先に定義されたとおりの低級アルキルである。低級アルコキシ部分の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシを包含する。
用語「低級アルコキシカルボニル」は、部分 −C(O)−O−Rを指し、ここで、Rは、先に定義されたとおりの低級アルキルである。低級アルコキシカルボニル部分の例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、及びtert−ブトキシカルボニルを包含する。
用語「低級アルカンスルホニルメチル」は、部分 −CH2−S(O)2−Rを指し、ここで、Rは先に定義したとおりの低級アルキルである。低級アルカンスルホニルメチルの一例は、メタンスルホニルメチルである。
用語「低級アルキルアミノ」は、部分 −N(R)(H)を指し、ここで、Rは先に定義されたとおりの低級アルキルである。低級アルキルアミノの一例は、メチルアミノである。
用語「低級ジアルキルアミノ」は、部分 −N(R)(R’)を指し、ここで、R及びR'は、先に定義したとおりの低級アルキルである。低級ジアルキルアミノの一例は、ジメチルアミノである。
用語「N−アセチル−N−低級アルキルアミノ」は、部分 −N(R)(C(O)(CH3))を指し、ここで、Rは先に定義したとおりの低級アルキルである。N−アセチル−N−低級アルキルアミノの一例は、N−アセチル−N−メチルアミノである。
用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素又は硫黄を指す。
用語「低級ヘテロシクロアルキル」は、一緒に結合して環構造を形成する、3〜7個の環原子を有する飽和又は部分的に不飽和の、非芳香族環部分を指し、ここで、環原子のうちの1個、2個又は3個は、ヘテロ原子であり、残りの環原子は、炭素原子である。低級ヘテロシクロアルキルの例は、モルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、及びピペラジン−1−イルを包含する。
用語「ヘテロアリール」は、一緒に結合して環構造を形成する、5〜6個の環原子を有する不飽和の芳香族環部分を指し、ここで、環原子のうちの1個、2個、3個又は4個は、ヘテロ原子であり、残りの環原子は、炭素原子である。ヘテロアリールの例は、ピリミジル、イミダゾリル、ピラゾール−1−イル及びテトラゾール−5−イルを包含する。
特に明記しない限り、用語「式の化合物」(「a compound of the formula」又は「a compound of formula」又は「compounds of the formula」又は「compounds of formula」)は、式で定義される化合物の属(特に断りのない限り、任意のこのような化合物の、任意の薬学的に許容されうる塩又はエステルを包含する)から選択される任意の化合物を意味する。
用語「薬学的に許容されうる塩」は、生物学的にもその他の点でも望ましくないものではない、遊離塩基又は遊離酸の生物学的な有効性および特性を保持する塩を指す。本発明の塩は、本発明の酸化合物に無機又は有機の塩基を付加させて形成され得る。無機塩基から得られる塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が含まれるが、これらに限定されない。有機塩基から得られる塩は、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂等の塩を含むが、これらに限定されない。
本発明の化合物は、薬学的に許容されうる塩の形で存在しうる。本発明の化合物は、また、薬学的に許容されうるエステル(すなわちプロドラッグとして使用される式Iの酸のメチル及びエチルエステル)の形で存在しうる。本発明の化合物は、また、溶媒和、すなわち水和されることがありうる。溶媒和は、製造過程で起こるか、又は、例えば、最初は無水である式Iの化合物の吸湿性の結果として起こりうる(水和)。
同じ分子式を有するが、空間におけるそれらの原子の結合の性質若しくは順序、又はそれらの原子の配列が異なる化合物は、「異性体」と称される。空間における原子の配列が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。ジアステレオマーは1個以上のキラル中心において反対の立体配置を有する、鏡像異性体でない立体異性体である。互いに重ね合わせることのできない鏡像であり、1個以上の不斉中心を有する立体異性体は、「鏡像異性体」と称される。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、炭素原子が4個の異なる基に結合しているとき、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心(単数または複数)の絶対配置によって特徴づけられ、カーン、インゴルード、プレローグのR−、S−配列規則によって記載されるか、又は、分子が偏光面を回転させる様式で記載され、右旋性若しくは左旋性(すなわち、それぞれ、(+)若しくは(−)−異性体)と表される。キラル化合物は、個別の鏡像異性体、又はそれらの混合物のいずれかとして表すことができる。鏡像異性体を等しい比率で含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
化合物の「治療有効量」という用語は、疾患の症状を予防、緩和若しくは改善するか、又は処置される対象の生存を延長するのに有効な化合物の量を意味する。治療有効量の決定は、当該技術の範囲内である。本発明の化合物の治療有効量又は用量は、広い範囲で変更することができ、当該技術において公知の方法で決定しうる。このような用量は、投与される特定の化合物(一種又は複数)、投与経路、処置される状態、並びに処置される患者等のそれぞれ特定の事例における個別の要件に適合される。一般に、体重ほぼ70Kgである成人への経口若しくは非経口投与の場合、約0.1mg〜約5,000mg、1mg〜約1,000mg又は1mg〜100mgの一日用量が適切であるが、必要な場合には、上限および下限を超えてもよい。一日用量は、単回投与または分割投与として投与することができ、あるいは非経口投与については、連続的注入として投与してもよい。
用語「薬学的に許容されうる担体」は、液剤、分散剤、コーティング剤、抗菌および抗真菌剤、等張及び吸収遅延剤を包含する薬剤投与に適合するありとあらゆる物質、並びに薬剤投与に適合する他の物質及び化合物を包含することを意図する。活性化合物と不適合でない限りにおいて、任意の従来の媒体又は薬剤の本発明の組成物における使用が考慮される。補足の活性化合物もまた、本組成物に組み込まれうる。
本明細書の組成物の調製に有用な医薬担体は、固体、液体又は気体でありうる;したがって、組成物は、錠剤、丸剤、カプセル、坐薬、散剤、腸溶性コーティング製剤又は他の保護された製剤(例えば、イオン交換樹脂上の結合又は脂質−タンパク質小胞中の封入)、徐放製剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、エアロゾル等の形態をとることが可能である。担体は、石油、動物、植物又は合成起源のものを含む種々の油、例えば、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油等から選択可能である。水、生理食塩水、デキストロース水溶液及びグリコールが好ましい液体担体であり、特に(血液と等張である場合)注射溶液に好ましい。例えば、静脈内投与用の製剤は、固体有効成分(単数又は複数)を水中に溶解して水溶液を作製し、そして溶液を滅菌することによって調製される、有効成分(単数又は複数)の無菌水溶液を含む。適切な医薬賦形剤としては、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、タルク、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、グリセリンモノステアラート、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール等が挙げられる。組成物は、保存料、安定化剤、湿潤又は乳化剤、浸透圧調整用の塩、緩衝剤等の従来の医薬添加剤に添加することができる。適切な医薬担体及びそれらの処方は、E. W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。投与対象に適切に投与するための適切な剤形を調製するために、このような組成物は、いずれにしても、適切な担体と一緒に有効量の活性化合物を含有する。
本発明の方法の実施において、有効量の、本発明の化合物のいずれか又は本発明の化合物のいずれかの組み合わせ又はその薬学的に許容されうる塩又はエステルを、当該分野で公知の通常の許容されうる方法のいずれかを介して、単独又は組み合わせて投与する。したがって化合物又は組成物は経口的に(例えば頬側口腔)、舌下に、非経口的に(例えば筋肉内、静脈内又は皮下)、経直腸的に(例えば坐薬又は洗浄液により)、経皮的に(例えば皮膚電気穿孔)又は吸入によって(例えばエアロゾルによって)、固体、液体又は気体製剤の形態(錠剤及び懸濁剤を含む)で投与可能である。投与は、適宜連続治療での単一単位剤形で、又は単一用量治療で行うことができる。治療組成物はまた、パモ酸等の親油性塩と組み合わせた油乳濁剤又は分散剤の形態、あるいは皮下又は筋肉内投与用の生分解性徐放組成物の形態でもありうる。
詳しく述べると、本発明は、式I:
{式中:
Qは、C(H)又はNであり;
Xは、以下からなる群:
(1) C(O)、
(2) C(H)(H)、
(3) C(H)(OH)、
(4) C(F)(F)、
(5) C(H)(O−CH
3)、及び
(6) C(H)(CH
3);
より選択され
R
1及びR
2は、互いに独立して、以下からなる群:
(1) 水素、
(2) ハロゲン、
(3) ハロゲンで場合により置換されている低級アルキル、及び
(4) 低級アルコキシ、
より選択されるか、
あるいは、R
1及びR
2は、一緒に結合して、メチレンジオキシを形成し;
R
3は、以下からなる群:
(1) 水素、
(2) ハロゲン、
(3) ハロゲンで場合により置換されている低級アルキル、
(4) 低級アルコキシ、及び
(5) シアノ
より選択され;
R
4は、以下からなる群:
(1) ハロゲン、
(2) ハロゲンで場合により置換されている低級アルキル、
(3) 低級シクロアルキル、
(4) ハロゲンで場合により置換されている低級アルコキシ、
(5) 低級アルコキシカルボニル、
(6) ベンジルオキシ又はベンジルスルファニル、
(7) 低級アルキルで場合により置換されているヘテロアリール、
(8) シアノ、
(9) メタンスルホニルで場合により置換されているフェニル、
(10)低級アルカンスルホニルメチル、及び
(11)S(O)
2−R
7
[式中、R
7は、以下からなる群:
(a) ハロゲン又はフェニルで場合により置換されている低級アルキル、
(b) アミノ、
(c) 低級アルキルアミノ、
(d) 低級ジアルキルアミノ、
(e) アセチルアミノ、
(f) N−アセチル−N−低級アルキルアミノ、
(g) 低級ヘテロシクロアルキル
((i)低級アルキル、
(ii)ハロゲンで場合により置換されているフェニル、及び
(iii)低級アルコキシカルボニル
からなる群より選択される置換基で場合により置換されている);そして
(h)フェニル又はベンジル(ここで、フェニル又はベンジルは、ハロゲン又はトリフルオロメチルで場合により置換されている)
より選択される]
より選択され;そして
R
5及びR
6は、互いに独立して、水素又はメチルである}の化合物並びにその薬学的に許容されうる塩及びエステルに関する。
別途示されない限り、R3及びR4部分は(各々独立して)、R3又はR4で置換されなければその炭素原子に結合したであろう水素原子の代わりに、Qを含有するフェニル環の環炭素原子の1個に結合する(式Iに示すとおり)(したがって、R3及びR4は、同時に同じ炭素原子には結合せず、また、同様に、QがNである場合は、R3及びR4のいずれもQに結合しないことが理解される)。したがって、別途示されない限り、式I又は式Iの亜属によれば、用語「QはC(H)である」は、QがC(H)であるときのQの炭素原子が、水素原子に結合しているか、又はその水素原子の代わりに、R3若しくはR4で置換されていることを示す。
別途示されない限り、語句「R1及びR2は、一緒に結合してメチレンジオキシを形成し」は、以下に図示するとおり、式IにおけるR1及びR2による次の構造:
[式中、X、Q、及びR
3〜R
6は、式Iに定義したとおりである]の形成を指す。
別途示されない限り、式Iの属及びその任意の亜属は、あらゆる可能な立体異性体(すなわち、(R)−鏡像異性体、(S)−鏡像異性体、ジアステレオマー)並びにそのラセミ及びスケールミック混合物を包含する。
1つの実施態様において、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関し、ここで、以下に式IA:
[式中、R
1〜R
3及びR
5〜R
7は、式Iに定義したとおりである]
において図示するように、Xは、C(O)であり、Qは、C(H)であり、そしてR
4はS(O)
2−R
7である。
もう1つの実施態様において、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関し、ここで、以下に式IB:
[式中、R
1〜R
3及びR
5〜R
7は、式Iに定義したとおりである]
において図示するように、Xは、C(H)(H)であり、Qは、C(H)であり、そしてR
4は、S(O)
2−R
7である。
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関し、ここで、以下に式IC:
[式中、R
1〜R
3及びR
5〜R
7は、式Iに定義したとおりである]
において図示するように、Xは、C(H)(OH)であり、Qは、C(H)であり、そしてR
4は、S(O)
2−R
7である。
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関し、ここで、以下に式ID:
[式中、R
1〜R
3及びR
5〜R
7は、式Iに定義したとおりである]
において図示するように、Xは、C(F)(F)であり、Qは、C(H)であり、そしてR
4は、S(O)
2−R
7である。
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関し、ここで、以下に式IE:
[式中、R
1〜R
3及びR
5〜R
7は、式Iに定義したとおりである]
において図示するように、Xは、C(H)(O−CH
3)であり、Qは、C(H)であり、そしてR
4は、S(O)
2−R
7である。
別の実施態様において、本発明は、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関し、ここで、以下に式IF:
[式中、Q、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は、式Iに定義したとおりである]
において図示するように、Xは、C(H)(H)であり、そしてR
6は、水素である。
1つの実施態様において、本発明は、Xが、C(H)(H)である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの実施態様において、本発明は、Xが、C(F)(F)である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの実施態様において、本発明は、Xが、C(H)(OH)である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの実施態様において、本発明は、Xが、C(O)である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの実施態様において、本発明は、R1が、以下の群からなる:
(1) 水素;
(2) フルオロ;
(3) メチル;
(4) クロロ;
(5) トリフルオロメチル;及び
(6) メトキシ
より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
特定の実施態様において、本発明は、R1が、水素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R1が、フルオロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R1が、メチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R1が、クロロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R1が、トリフルオロメチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R1が、メトキシである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの実施態様において、本発明は、R2が、以下からなる群:
(1) 水素;
(2) フルオロ;
(3) メチル;
(4) トリフルオロメチル;及び
(5) メトキシ
より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
特定の実施態様において、本発明は、R2が、水素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R2が、フルオロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R2が、メチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R2が、トリフルオロメチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R2が、メトキシである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の実施態様において、本発明は、R1及びR2が、一緒に結合してメチレンジオキシを形成する、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の実施態様において、本発明は、R1及びR2が共に水素ではないこと以外は、R1及びR2が、式Iに関して先に定義したとおりである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の実施態様において、本発明は、R1、R2、及びR5の中の1個が水素ではないこと以外は、R1、R2、及びR5が、式Iに関して先に定義したとおりである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの特定の実施態様において、本発明は、R3が、以下からなる群:
(1) 水素、
(2) フルオロ、
(3) クロロ、
(4) 低級アルキル、
(5) トリフルオロメチル、
(6) 低級アルコキシ、及び
(7) シアノ
より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
特定の実施態様において、本発明は、R3が、以下からなる群:
(1) 水素、
(2) ハロゲン、
(3) ハロゲンで場合により置換されている低級アルキル、及び
(4) シアノ
より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
特定の実施態様において、本発明は、R3が、水素又は低級アルキルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
特定の実施態様において、本発明は、R3が、水素、フルオロ、又はクロロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
特定の実施態様において、本発明は、R3が、メチル又はエチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
特定の実施態様において、本発明は、R3が、水素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R3が、フルオロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R3が、クロロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R3が、メチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R3が、エチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R3が、トリフルオロメチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R3が、メトキシである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R3が、シアノである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの特定の実施態様において、本発明は、R4が、ハロゲンである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、シアノである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、低級アルキルで場合により置換されているヘテロアリールである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、ベンジルオキシ又はベンジルスルファニルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、メチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、トリフルオロメトキシである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、メトキシカルボニルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、フェニルであり、そのフェニルがメタンスルホニルで場合により置換されている、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、低級アルカンスルホニルメチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、以下からなる群:
(1) ハロゲンで場合により置換されている低級アルキル;
(2) アミノ;
(3) メチルアミノ又はエチルアミノ;
(4) ジメチルアミノ又はジエチルアミノ;
(5) モルホリン−4−イル;
(6) ピペリジン−1−イル;
(7) ピペラジン−1−イル;
(8) 4−メチル−ピペラジン−1−イル;
(9) 4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル;
(10) 4−メトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル又は4−エトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル;
(11) 4−(2−フルオロフェニル)−ピペラジン−1−イル;
(12) アセチルアミノ又はN−アセチル−N−メチルアミノ;
(13) ベンジル;及び
(14) ハロゲン又はトリフルオロメチルで場合により置換されているフェニル
より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、以下からなる群:
(1) 低級アルキル、
(2) トリフルオロメチル、
(3) ベンジル、
(4) メチルアミノ又はエチルアミノ、
(5) ジメチルアミノ又はジエチルアミノ、
(6) フェニル
より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、ハロゲンで場合により置換されている低級アルキルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、メチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、トリフルオロメチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、ハロゲンで場合により置換されているフェニルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、ベンジルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、エチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、アミノである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、メチルアミノである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、エチルアミノである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、ジメチルアミノである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、ジエチルアミノである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、モルホリン−4−イルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、ピペリジン−1−イルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、ピペラジン−1−イルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、4−メチル−ピペラジン−1−イルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル、4−エトキシカルボニル−ピペラジン−1−イル又は4−メトキシカルボニル−ピペラジン−1−イルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、4−(2−フルオロフェニル)−ピペラジン−1−イルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、アセチルアミノ又はN−アセチル−N−メチルアミノである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、フェニルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、クロロ又はフルオロで置換されているフェニルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R4が、S(O)2−R7であり、R7が、トリフルオロメチルで置換されているフェニルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの特定の実施態様において、本発明は、R5が、水素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R5が、メチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの特定の実施態様において、本発明は、R6が、水素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、R6が、メチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
式Iのフェニル環上のR3及びR4の部分の位置は、本明細書においてQがNである場合は、R3及びR4のいずれもQに結合しないという理解の上で、以下に示すとおり、以下の番号付けされた位置(2、3、4、5、及び6)により示される:
1つの特定の実施態様において、本発明は、R3部分が、式Iにおけるフェニル環上の2、3、5、又は6位に結合し、そしてR4部分が、4位に結合している、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
別のさらなる特定の実施態様において、R3は、式Iにおけるフェニル環上の2位又は6位に結合し、そしてR4は、4位に結合している。
別の特定の実施態様において、R3は、式Iにおけるフェニル環上の3位又は5位に、そしてR4は、4位に結合している。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、以下からなる群:
[4−(4−ジメチルスルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−スルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−スルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(2−クロロ−4−エタンスルホニル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{4−[4−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−ベンゾイル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−6−メトキシ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[7−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−2−メチル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6,7−ジフルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[8−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−イル]−酢酸;
[4−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−7−メトキシ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(3−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(3−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[8−(3−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフト[2,3−d][1,3]ジオキソール−6−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−ジメチルスルファモイル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{6−フルオロ−4−[4−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[6−フルオロ−4−(2−フルオロ−4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(3−エチル−4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−2−メチル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{6−フルオロ−4−[4−(ピペリジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[4−(4−ジエチルスルファモイル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{6−フルオロ−4−[2−メチル−4−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[4−(4−ジメチルスルファモイル−2−メチル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(2−メチル−4−メチルスルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
(6−フルオロ−4−{4−[4−(2−フルオロ−フェニル)−ピペラジン−1−スルホニル]−ベンゾイル}−ナフタレン−2−イル)−酢酸;
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−6−トリフルオロメチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−クロロ−4−(3−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−フルオロ−3−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−ベンゾイル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
2−[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸;
[4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−6−トリフルオロメチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−トリフルオロメチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−2−メチル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−2−メチル−ベンジル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−ジメチルスルファモイル−ベンジル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(3−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−3−メチル−4−(3−トリフルオロメタンスルホニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−フェニルメタンスルホニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{4−[(2−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−6−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{6−クロロ−4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−2−メチル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{4−[(4−エタンスルホニル−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{4−[(4−エタンスルホニル−2−メチル−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{4−[(2−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{4−[ジフルオロ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{4−[(4−エタンスルホニル−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{6−フルオロ−4−[(4−メタンスルホニル−フェニル)−メトキシ−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
(6−フルオロ−4−{ヒドロキシ−[4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル]−メチル}−ナフタレン−2−イル)−酢酸;
{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メチルスルファモイル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{6−フルオロ−4−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
4−[4−(3−カルボキシメチル−7−フルオロ−ナフタレン−1−カルボニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル;
4−[4−(3−カルボキシメチル−7−フルオロ−ナフタレン−1−カルボニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;
{6−フルオロ−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[4−(2−ベンゼンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−ベンゼンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−ピラゾール−1−イル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{6−フルオロ−3−メチル−4−[3−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−ベンジル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[4−(3−シアノ−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−シアノ−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−メチル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−ブロモ−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(3−クロロ−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−フルオロ−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
3−(3−カルボキシメチル−7−フルオロ−2−メチル−ナフタレン−1−イルメチル)−安息香酸メチルエステル;
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−ベンジル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−ピリミジン−5−イル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イルメチル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−ベンジルスルファニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニルメチル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−7−トリフルオロメチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
より選択される式Iの化合物、並びに任意のその薬学的に許容されうる塩及びエステルに関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸に関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、[4−(3−エチル−4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸に関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、[4−(4−ジメチルスルファモイル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸に関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−2−メチル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸に関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸に関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−2−メチル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸に関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、[4−(4−エタンスルホニル−ベンゾイル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸に関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸に関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸に関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸に関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸に関する。
さらなる特定の実施態様において、本発明は、[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸に関する。
本発明の化合物は、任意の従来の方法で調製することができる。これらの化合物の適切な合成方法は、実施例に記載されている。概ね、式Iの化合物は、以下に示すスキームに従って、調製することができる。特に断りのない限り、変数X及びR1〜R7は、式Iの属に先に定義したものと同様に定義される。
対象の化合物Iaは、スキーム1に従って調製することができる。2−ブロモ−ベンズアルデヒドIIa及びトリメチルシリルアセチレン(III)から出発して、薗頭カップリングで、2−トリメチルシラニルエチニルベンズアルデヒドIVを生成する。化合物IV中のトリメチルシラニル基の除去は、末端アセチレンVを与え、これは、薗頭カップリング条件下でアリールブロミド又はヨウ化物VIで処理すると、中間体VIIを与えうる。臭化金(III)で触媒する、o−アルキニルベンズアルデヒドVIIと4−オキソ−酪酸エステルVIIIとのベンゾ環付加反応は、ナフタレニル誘導体IXaを生成する。エステルIXaの加水分解は、対象化合物Iaを生成する。
この一連の反応の第1工程において、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド)及び銅(I)触媒(例えば、ヨウ化銅(I))の存在下で、適切に置換された2−ブロモ−ベンズアルデヒドIIaとトリメチルシリルアセチレン(III)とのカップリング反応により、中間体IVを生成することができる。この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、酢酸エチル、トルエン、ジクロロメタン、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下で、室温〜80℃の間の温度(又は還流温度)で数時間かけて行うことができる。あるいは、この反応は、マイクロ波照射下80℃〜150℃で、より短い反応時間で行うこともできる。
末端アセチレンVを与える、化合物IVからのトリメチルシラニル基の除去は、適切な溶媒(例えば、水、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、又はそれらの混合物)中、フッ化カリウム又はフッ化テトラブチルアンモニウムを用いて、室温で数時間で簡便に実施できる。あるいは、塩基(例えば、炭酸カリウム又は水酸化カリウム)を使用することもできる。この反応は、適切な溶媒(例えば、メタノール、テトラヒドロフラン、水、又はそれらの混合物)中、室温で数時間で行うことができる。
中間体VIIは、上記の第1工程と同様の方法で、末端アセチレンVとアリールブロミド又はヨウ化物VIとの薗頭カップリング反応で得ることができる。通常、この反応は、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド)及び銅(I)触媒(例えば、ヨウ化銅(I))、並びに塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下で行うことができる。この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、酢酸エチル、トルエン、ジクロロメタン又はそれらの混合物)中で、室温〜80℃の温度(又は還流温度)で数時間で行うことができる。あるいは、この反応は、マイクロ波照射下80℃〜150℃で、より短い反応時間で行うことができる。
ナフチル酢酸エステルIXaは、適切な不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、又はそれらの混合物)中、金触媒(例えば、臭化金(III))の存在下、o−アルキニルベンズアルデヒドVIIと4−オキソ−酪酸メチルエステル(又はエチルエステル)(VIII)とのベンゾ環付加反応を、60℃〜100℃の温度(又は還流温度)で数時間で行うことにより生成することができる(Asao, N., Aikawa, H., Yamamoto, Y., J. Am. Chem. Soc. 126 (2004) 7458)。
幾つかの実施例においては、対象の化合物Iaを、VIIとVIIIとの金(III)触媒を用いたベンゾ環付加反応における重要な副産物として単離することができた。おそらく、ベンゾ環付加反応において生成したエステル化合物IXaは、反応混合物中の臭化金(III)触媒及び微量の水の存在下で、加水分解を受ける。
対象の化合物Iaを与える、エステルIXaの加水分解は、当業者に周知の方法を用いて容易に達成できる。例えば、この反応は、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)水溶液の存在下で、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
あるいは、上記主要な中間体VIIは、以下に示すスキーム2に従って合成することができ、次にそれを利用して、スキーム1において先に概説したように、対象の化合物Iaを調製することができる。
この方法において、まず、トリメチルシリルアセチレン(III)を、アリールブロミド又はヨウ化物VIとの薗頭反応により、R3を有するアリール環上にカップリングさせる。化合物Xのトリメチルシラニル基の除去は、中間体XIを与え、これをさらに置換ベンズアルデヒドIIa〜IIc(X’=Br、I又はOTf)とカップリングさせ、中間体VIIを生成する。その次に、中間体VIIを、ベンゾ環付加反応、続いて、得られたエステルの加水分解により、対象の化合物Iaに変換する。
化合物Xを与える、アリールブロミド又はヨウ化物VIとトリメチルシリルアセチレン(III)との薗頭カップリング反応は、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド)及び銅(I)触媒(例えば、ヨウ化銅(I))の存在下で、達成することができる。この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、酢酸エチル、トルエン、ジクロロメタン、又はそれらの混合物)中で、塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下、室温〜80℃の間の温度(又は還流温度)で数時間で行うことができる。あるいは、この反応は、マイクロ波照射下80℃〜150℃で、より短い反応時間で行うことができる。
末端アセチレンXIを与える、化合物Xのトリメチルシラニル基の除去は、溶媒(例えば、水、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、又はそれらの混合物)中、フッ化カリウム又はフッ化テトラブチルアンモニウムを用いて、室温で数時間かけて、簡便に行うことができる。あるいは、塩基(例えば、炭酸カリウム又は水酸化カリウム)を用いることもできる。この反応は、適切な溶媒(例えば、メタノール、テトラヒドロフラン、水、又はそれらの混合物)中、室温で数時間で行うことができる。
中間体VIIは、末端アセチレンXIと置換ベンズアルデヒドIIa〜IIcとの薗頭カップリング反応により、上記の第1工程と同様の方法で得ることができる。通常、この反応は、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド)及び銅(I)触媒(例えば、ヨウ化銅(I))並びに塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)存在下で行われる。この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、酢酸エチル、トルエン、又はそれらの混合物)中、室温〜80℃間の温度(又は還流温度)で数時間で行うことができる。あるいは、この反応は、マイクロ波照射下、80℃〜150℃で、より短い反応時間で行うことができる。
次に、中間体VIIを、先にスキーム1に記載したように、エステルIXaを生成するベンゾ環付加反応、続くエステルの加水分解により対象の化合物Iaに変換する。
R7がピペラジン−1−イル置換基である特定のケースに関しては、スキーム3に概説したように別の合成を用いてもよい。N−(tert−ブトキシカルボニル)−ピペラジンXIIIのスルホニルクロリドXIIでのスルホニル化は、構造式XIVの対応するスルホンアミドを与える。トリメチルシリルアセチレン(III)は、薗頭反応により、XIVとカップリングして、アセチレンXVを与えることができる。化合物XVのトリメチルシラニル基の除去、続いてインサイチューでの置換ベンズアルデヒドIIa〜IIc(X’=Br、I又はOTf)とのカップリングは、中間体XVIを生成する。XVIのtert−ブトキシカルボニル基の除去は、中間体XVIIを与える。続いて、中間体XVIIはベンゾ環付加反応を経て、中間体XVIIIを与える。R7がピペラジン−1−イル部分である化合物の精製を容易にするために、粗エステルXVIIIを、ジカルボナートXIX(R’=tert−ブチル)との反応により、tert−ブチルカルバマートXXに変換してもよい。tert−ブチルカルバマート基の除去、続いてエステルの加水分解は、対象の化合物Iaを与える。
スルホンアミドXIVを与える、N−(tert−ブトキシカルボニル)−ピペラジンXIIIのスルホニルクロリドXIIでのスルホニル化は、当業者に周知の方法を用いて容易に達成できる。この反応は、通常、適切な不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、又はピリジン)の存在下で、0℃〜室温で数時間で行われる。
化合物XVを与える、アリールブロミドXIVとトリメチルシリルアセチレン(III)との薗頭カップリング反応は、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド)及び銅(I)触媒(例えば、ヨウ化銅(I))の存在下で、達成することができる。この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、酢酸エチル、トルエン、ジクロロメタン、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下で、室温〜80℃の間の温度(又は還流温度)で数時間で行うことができる。
化合物XVのトリメチルシラニル基の除去、続く置換ベンズアルデヒドIIa〜IIcとの薗頭カップリングは、フッ化カリウム、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド)及び銅(I)触媒(例えば、ヨウ化銅(I))、並びに塩基(例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンの存在下で実施できる。この反応は、未希釈(無溶媒)で、又は不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、酢酸エチル、トルエン、又はそれらの混合物)中、室温〜80℃の間の温度(又は還流温度)で数時間で行うことができる。
中間体XVIIを与える、XVI中のtert−ブトキシカルボニル基の除去は、溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジオキサン、メタノール、アセトニトリル、又はそれらの混合物)中、酸(例えば、トリフルオロ酢酸又は塩酸)の存在下で、0℃〜室温の間の温度で数時間で容易に達成できる。
中間体XVIIは、次に、先にスキーム1に記載したように、金(III)触媒を用いた、VIIIとのベンゾ環付加反応により、化合物XVIII変換される。
カルバマートXXは、適切な不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、N,N,−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物)中、アミン塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン又はピリジン)の存在下、化合物XVIIIとXIX(R’=tert−ブチル)との反応により、0℃〜室温で数時間で得ることができる。
XXにおけるtert−ブトキシカルボニル基の除去は、溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジオキサン、メタノール、アセトニトリル、又はそれらの混合物)中、酸(例えば、トリフルオロ酢酸又は塩酸)の存在下で、0℃〜室温の間の温度で数時間で容易に達成できる。続いて、対象の化合物Iaを与える、エステルの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
R7が4−(低級アルコキシカルボニル)−ピペラジン−1−イル置換基である特定のケースに関しては、スキーム4に概説したように、別の合成を用いてもよい。中間体XVIII(これはスキーム3に従って合成することができる)から出発して、カルバマート形成により中間体XXを与える。続いて、対象の化合物Iaを、XXからエステル加水分解反応を経て得る。
カルバマート中間体XXは、XVIIIを低級アルキルクロロホルマート(XXI)(例えば、エチルクロロホルマート又はメチルクロロホルマート)と、適切な不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、N,N,−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物)中、アミン塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン又はピリジン)存在下で、0℃〜室温で数時間反応させることにより容易に得ることができる。あるいは、中間体XXは、XVIIIを低級アルキルジカルボナート(XIX)(例えば、ジ−tert−ブチルジカルボナート)と、適切な不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、N,N,−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物)中、アミン塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン又はピリジン)存在下で、0℃〜室温で数時間反応させることにより得ることができる。
対象の化合物Iaを与える、エステルXXの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
R7が4−メチル−ピペラジン−1−イル置換基である特定のケースに関しては、スキーム5に記載の別の合成を利用することができる。中間体XVIIIの還元アルキル化反応は、(4−メチル−ピペラジン−1−イル)スルホニル化合物XXIIを与える。続いて、XXIIのエステル基の加水分解により、対象の化合物Iaを得る。
(4−メチル−ピペラジン−1−イル)スルホニル中間体XXIIは、ホルムアルデヒド及び適切な還元剤(例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム又はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)の存在下で、化合物XVIIIから容易に得ることができる。この反応は、溶媒(例えば、アセトニトリル、メタノール、テトラヒドロフラン、又は塩化メチレン)中、0℃〜室温の温度で数時間で行うことができる。
対象の化合物Iaを与える、中間体XXIIの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
メチル置換基をナフタレン環の3位に有する対象の化合物Ibは、スキーム6(スキーム1及びスキーム2とは、ベンゾ環付加工程で使用するカルボニル化合物のみ異なる)に従って合成することができる。3−置換ナフタレニル誘導体IXbは、臭化金(III)触媒を用いた、o−アルキニルベンズアルデヒドVIIとエステルXXIIIとのベンゾ環付加によって得ることができる。IXbの塩基性加水分解は、対象の化合物Ibを生ずる。
エステルIXbは、適切な不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、又はそれらの混合物)中、金触媒(例えば、臭化金(III))の存在下で、60℃〜100℃の間の温度(又は還流温度)で数時間で、o−アルキニルベンズアルデヒドVIIとエステルXXIIIとの縮還反応により生成することができる。
対象の化合物Ibを与える、エステル化合物IXbの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
酢酸の鎖上にメチル置換基を有する対象化合物Icは、スキーム7に従って、塩基性条件下での、ヨウ化メチル(XXIV)を用いる化合物IXaのメチル化反応により、中間体XXVを与える、続くエステル加水分解反応により、調製することができる。
化合物IXa(スキーム1又は2に概説したとおり調製した)のメチル化は、当業者に周知の方法で達成できる。例えば、この反応は、まず、ベンジルメチレン(benzylic methylene)を強塩基(例えば、リチウムジイソプロピルアミド(LDA))を用いて脱プロトン化してエノラートを生成し、次にエノラートをヨウ化メチルでアルキル化する2工程反応で行うことができる。この反応は、非プロトン性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、ジメトキシエタン(DME)、ヘキサン、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、又はそれらの混合物)中、不活性雰囲気下で、−78℃のような低温で行うことができる。
対象の化合物Icを与える、エステルXXVの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
対象の化合物IBは、スキーム8に示すように、IAから、パラジウム触媒を用いた水素化により、生成することができる。あるいは、IBは、ケトエステルIGの水素化により中間体IHとし、続いてエステルを加水分解して得ることができる。
ケトンIAの化合物IBへの変換、又は、ケトエステルIGの中間体IHへの変換は、アルコール溶媒(例えば、エタノール又はメタノール)中、10%パラジウム担持炭の存在下で、水素1気圧以上で、ほぼ室温又は少し高い温度で、数時間で、水素化反応を完全に行うことより達成できる。この反応は、水素ガスバルーン下、大気圧の水素化容器中で、パー水素化装置(Parr hydrogenator)中で、又は連続流水素化反応器(例えば、H-Cube)中で行うことができる。
対象の化合物IBを与える、エステル化合物IHの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
対象の化合物Id(式中、R1〜R5は、式Iの属に関して先に定義したものと同様に定義され、R6=Hである)は、通常、スキーム9に従って調製することができる。ベンズアルデヒドXXVI及びコハク酸エステルXXVIIから出発して、ストッブ縮合反応により、3−カルボアルコキシ−4−フェニル−3−ブテン酸XXVIIIを得る。化合物XXVIIIのベンゾ環付加は、4−アセトキシ−ナフタレンカルボン酸エステルXXIXaか、4−トリフルオロアセトキシ−ナフタレンカルボン酸エステルXXIXbを与える。化合物XXIXa中の酢酸エステルの加水分解、又はXXIXb中のトリフルオロ酢酸エステルの除去は、4−ヒドロキシ−ナフタレンカルボン酸エステルXXXを生成する。XXX中のヒドロキシル基のベンジルエーテルとしての保護は、4−ベンジルオキシ−ナフタレンカルボン酸エステルXXXIを与える。XXXI中のエステル基の還元は、ナフタレン−2−イルメタノール化合物XXXIIを与え、これは、クロロメチル置換ナフタレンXXXIIIに変換することができる。メタノール又はエタノール存在下でのXXXIIIのカルボニル化反応は、4−ベンジルオキシ−ナフチル酢酸エステルXXXIVを与える。XXXIV中のベンジルエーテルの脱保護は、4−ヒドロキシ−ナフチル酢酸エステルXXXVを与え、これをスルホニル化させ、トリフルオロメタンスルホナートXXXVIを与えることができる。トリフルオロメタンスルホナートXXXVIと生成したベンジル亜鉛クロリドXXXVIIとの根岸カップリング反応は、ナフチル酢酸エステルXXXVIIIを生じる。XXXVIIIの加水分解は、対象の化合物Idを生成する。
中間体XXVIIIを与える、XXVIとコハク酸エステルXXVIIとのストッブ縮合反応は、適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、tert−ブタノール、トルエン、ベンゼン、又はそれらの混合物)中で、塩基(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、又は水素化ナトリウム)を用いて、室温〜80℃の温度で、1時間〜数時間で行うことができる(Bloomer, J. L.; Stagliano, K. W.; Gazzillo, J. A. J. Org. Chem. 58 (1993) 7906)。
4−アセトキシ−ナフタレンカルボン酸エステルXXIXaを生成する、化合物XXVIIIの環化は、塩基(例えば、酢酸ナトリウム又は酢酸カリウム)を用いて、無溶媒中無水酢酸で、120℃〜160℃の温度(又は還流温度)で数時間で達成できる(El-Abbady, A. M.; El-Assal, L. S. J. Chem. Soc. (1959) 1024)。R2が水素でないケースに関しては、XXVIIIが関与する環化反応において、ナフタレン位置異性体の混合物を得ることができる。これらの位置異性体は、従来のクロマトグラフィー方法により分離して、構造式XXIXaの所望の中間体を与えることができる(Castellano, S.; Milite, C.; Campiglia, P.; Sbardella, G. Tetrahedron Lett. 48 (2007) 4653)。
4−ヒドロキシ−ナフタレンカルボン酸エステルXXXを与える、XXIXa中のアセタート基の選択的加水分解は、適切な溶媒(例えば、メタノール、アセトン、水、又はそれらの混合物)中の塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド又はカリウムtert−ブトキシド)の存在下で、0℃〜80℃の間の温度で、数時間で達成できる。
あるいは、化合物XXXは、不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン)中、トリフルオロ酢酸無水物及びトリエチルアミンの存在下、室温での、化合物XXVIIIの環化により得ることができる。得られた4−トリフルオロアセトキシ−ナフタレンカルボン酸エステルXXIXbは、アルコール溶媒(例えば、メタノール)中、水素化ホウ素ナトリウムで、0℃〜室温の間の温度での還元反応により化合物XXXに変換することができる(Fuganti, C.; Serra, S. J. Chem. Research (S) (1998) 638)。
中間体XXXIは、塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、又は炭酸セシウム)の存在下で、XXXを、ベンジルクロリド又はベンジルブロミドで処理することにより調製できる。この反応は、不活性有機溶媒(例えば、アセトン、アセトニトリル又はN,N−ジメチルホルムアミド)中で、室温〜80℃の間の温度で数時間で実施することができる。
XXXI中のエステル基の水素化アルミニウムリチウムでの還元は、ナフタレン−2−イルメタノール化合物XXXIIを与える。この反応は、不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、又はそれらの混合物)中、0℃〜80℃の間の温度で数時間で行うことができる。
クロロメチルナフタレン中間体XXXIIIは、不活性有機溶媒(例えば、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はテトラヒドロフラン)中、0℃〜120℃の間の温度(又は還流温度)で数時間で、化合物XXXIIを、四塩化炭素及びトリフェニルホスフィンと反応させることにより調製することができる。あるいは、塩素化反応は、無溶媒で、又は適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、ベンゼン又はトルエン)中のいずれかで、0℃〜80℃の温度(又は還流温度)で数時間で、塩化チオニルを用いて、達成することもできる。
クロリドXXXIIIのナフチル酢酸エステルXXXIVへの変換は、メタノール又はエタノール中、塩基(例えば、炭酸カリウム、トリエチルアミン、又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下、及び共溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)の存在下若しくは不在下で、パラジウム触媒を用いた、一酸化炭素1気圧下でのカルボニル化反応により達成できる。この変換は、パラジウム触媒(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0))を用いて、配位子(例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスファイト、又はトリフェニルホスフィン)の存在下若しくは不在下、室温〜90℃の間の温度で10分間〜数時間で行うことができる(Schoenberg, A.; Bartoletti, I.; Heck, R. F. J. Org. Chem. 39 (1974) 3318)。
XXXIV中のベンジル保護基の接触水素化分解による除去は、4−ヒドロキシ−ナフチル酢酸エステルXXXVを与える。この反応は、水素1気圧下で、溶媒(例えば、メタノール又はエタノール)中、触媒(例えば、10%パラジウム担持炭又は20%水酸化パラジウム担持炭)の存在下で、室温で数時間で行うことができる。あるいは、ベンジルエーテルは、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート存在下で除去することができる。この反応は、アセトニトリル中、添加剤として、ヨウ化ナトリウムを用いて、0℃〜室温の間の温度で、1時間〜数時間の反応時間で行うことができる(Vankar, Y. D.; Rao, T. J. Chem. Research (S) (1985) 232)。
アミン塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)の存在下若しくは不在下で、0℃〜室温の間の温度で数時間、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させることにより、化合物XXXVは、トリフルオロメタンスルホン酸エステルXXXVIに変換することができる。あるいは、トリフルオロメタンスルホン酸エステルXXXVIは、化合物XXXVとN−フェニルビス(トリフルオロメタン−スルホンイミド)とを、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、又は炭酸セシウム)の存在下、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中で、0℃〜室温で数時間で反応させることより得ることができる。
ベンジル−置換ナフチル酢酸エステルXXXVIIIは、トリフルオロメタンスルホン酸エステルXXXVIとベンジル亜鉛クロリドXXXVIIとの根岸カップリング反応により合成することができる。これらの反応は、テトラヒドロフラン中、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム(II))及びホスフィン配位子(例えば、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S-Phos))の存在下で60℃〜70℃の温度で数時間で行われる(Metzger, A.; Schade, M. A.; Knochel, P. Org. Lett. 10 (2008) 1107)。
対象の化合物Idを与える、エステルXXXVIIIの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
中間体XXXVIが関与する根岸カップリング反応に用いるベンジル亜鉛クロリドXXXVIIは、スキーム10に従って容易に調製することができる。無水テトラヒドロフラン中の1,2−ジブロモエタン、クロロトリメチルシラン及び塩化リチウムの存在下、0℃〜40℃の間の温度で数時間の、ベンジルクロリドXXXIXと活性化亜鉛金属との反応は、中間体ベンジル亜鉛クロリドXXXVII(Krasovskiy, A.; Malakhov, V.; Gavryushin, A.; Knochel, P. Angew. Chem. Int. Ed. 45 (2006) 6040)を与える。
R4が、SO2R7であり、R7が、低級アルキル、トリフルオロメチル、ベンジル、フェニル、又はハロゲンで置換されているフェニルに限定されている特定のケースに関しては、スキーム11に従って、スルファニル−置換ベンジル亜鉛クロリドXLを用いて、トリフルオロメタンスルホナート中間体XXXVIとの根岸カップリング反応を実施することもできる。得られたスルファニル−ベンジル置換ナフチル酢酸エステルXLIを酸化させて、スルホニル−ベンジル置換ナフチル酢酸エステルXXXVIII(ここで、R4はSO2R7であり、R7は、低級アルキル、トリフルオロメチル、ベンジル、フェニル、又はハロゲンで置換されているフェニルに限定されている)にすることができる。XXXVIIIの加水分解は、対象の化合物Idを与える。
XLIを与える、トリフルオロメタンスルホン酸エステルXXXVIとベンジル亜鉛クロリドXLとの根岸カップリング反応は、テトラヒドロフラン中、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム(II))及びホスフィン配位子(例えば、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S-Phos)の存在下で、60℃〜70℃の間の温度で数時間で行うことができる(Metzger, A.; Schade, M. A.; Knochel, P. Org. Lett. 10 (2008) 1107)。
中間体XLIのナフチル酢酸メチルエステルXXXVIIIへの酸化は、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン又はジクロロエタン(又は過酸化水素を使用する場合は、水溶液)中で、酸化剤(例えば、m−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)又は過酸化水素)を用いて、0℃〜室温の間の温度で数時間で達成できる。あるいは、水と有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)との混合物中で、0℃〜室温間の温度で数時間、酸化剤としてペルオキシ一硫酸カリウム(OXONE(登録商標))を用いることもできる。
対象の化合物Idを与える、エステルXXXVIIIの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
根岸カップリング反応で用いられ、スルファニル中間体XLIを与えるベンジル亜鉛クロリドXLは、スキーム12に従って容易に調製することができる。無水テトラヒドロフラン中、1,2−ジブロモエタン、クロロトリメチルシラン、及び塩化リチウムの存在下、0℃〜40℃の間の温度で数時間の、ベンジルクロリドXLIIと活性化亜鉛金属との反応は、中間体ベンジル亜鉛クロリドXLを与える(Krasovskiy, A.; Malakhov, V.; Gavryushin, A.; Knochel, P. Angew. Chem. Int. Ed. 45 (2006) 6040)。
R3が水素に、そしてR4が、ヘテロアリール(低級アルキルで場合により置換されている)か、又はフェニル(メタンスルホニルで場合により置換されている)のいずれかに限られている特定のケースに関しては、対象の化合物Id型は、スキーム13に従って、トリフルオロメタンスルホン酸エステルXXXVIから調製することもできる。このシーケンスでは、XXXVIとベンジルオキシ−置換ベンジル亜鉛クロリドXLIIIとの根岸カップリング反応は、ナフチル酢酸エステル中間体XLIVを与える。XLIV中のベンジルエーテル基の除去は、フェノール化合物XLVを与え、これはスルホニル化反応を経て中間体XLVIを与えることができる。XLVIとボロン酸XLVIIとの鈴木カップリング反応により、R4がヘテロアリール(低級アルキルで場合により置換されている)であるか、又はフェニル(メタンスルホニルで場合により置換されている)のいずれかに限定されている、ナフチル酢酸エステル化合物XXXVIIIを生じる。エステルの加水分解は、対象の化合物Idを与える。
XLIVを与える、トリフルオロメタンスルホン酸エステルXXXVIとベンジルオキシ−置換ベンジル亜鉛クロリドXLIIIとの根岸カップリング反応は、テトラヒドロフラン中、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム(II))及びホスフィン配位子(例えば、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S-Phos))の存在下、60℃〜70℃の間の温度で、数時間で行うことができる(Metzger, A.; Schade, M. A.; Knochel, P. Org. Lett. 10 (2008) 1107)。
XLIVのベンジル保護基の接触水素化分解による除去は、フェノールXLVを与える。この反応は、水素1気圧下、溶媒(例えば、メタノール又はエタノール)中、触媒(例えば、10%パラジウム担持炭又は20%水素化パラジウム担持炭)存在下で、室温で数時間で行うことができる。
フェノール化合物XLVは、アミン塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、又はジイソプロピルエチルアミン)存在下、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン)の存在下若しくは不在下で、数時間で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させることにより、トリフルオロメタンスルホン酸エステルXLVIに変換することができる。あるいは、トリフルオロメタンスルホン酸エステルXLVIは、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、又は炭酸セシウム)の存在下で、化合物XLVをN−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)と0℃〜室温で数時間で反応させることによって得ることができる。
ナフチル酢酸エステルXXXVIII(R3が水素に限定され、そしてR4がヘテロアリール(低級アルキルで場合により置換されている)又はフェニル(メタンスルホニルで場合により置換されている)のいずれかに限定されている)は、トリフルオロメタンスルホン酸エステルXLVIとボロン酸XLVIIとの鈴木カップリング反応により合成することができる。これらの反応は、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、酢酸パラジウム(II))、又は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)及び塩基(例えば、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、若しくはトリエチルアミン)の存在下で実施することができる。このカップリング反応は、トルエン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン又はN,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中で、還流温度で数時間でも実施しうる。
対象の化合物Idを与える、エステルXXXVIIIの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
根岸カップリング反応に用いて中間体XLIVを得るベンジルオキシ−置換ベンジル亜鉛クロリドXLIIIは、スキーム14に従って容易に調製することができる。無水テトラヒドロフラン中、1,2−ジブロモエタン、クロロトリメチルシラン及び塩化リチウムの存在下で、0℃〜40℃の間の温度で数時間、ベンジルオキシ−置換ベンジルクロリドXLVIIIを活性化亜鉛金属と反応させることにより、中間体ベンジル亜鉛クロリドXLIIIを得る(Krasovskiy, A.; Malakhov, V.; Gavryushin, A.; Knochel, P. Angew. Chem. Int. Ed. 45 (2006) 6040)。
スキーム9に示される4−ヒドロキシ−ナフタレンカルボン酸エステル中間体XXXは、あるいは、3−カルボアルコキシ−4−フェニル−3−ブテン酸化合物XXVIIIから出発して、スキーム15に従って調製することができる。中間体XXVIIIの加水分解は、ジカルボン酸XLIXを生成し、これは、4−ヒドロキシナフタレンカルボン酸Lに環化することができる。Lのエステル化反応は、4−ヒドロキシ−ナフタレンカルボン酸エステル中間体XXXを与える。このように調製した中間体XXXは、スキーム9に概説した方法を用いて、対象の化合物Idに変換しうる。
中間体XXVIII(上記スキーム9に記載のとおりに合成することができる)は、容易に加水分解され、ジカルボン酸中間体XLIXを与える。この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
4−ヒドロキシ−ナフタレンカルボン酸Lを生成する、ジカルボン酸XLIXの環化は、無溶媒中トリフルオロメタンスルホン酸で、室温で数時間かけて達成できる(Hong, W. P.; Lim, H. N.; Park, H. W.; Lee, K.-J. Bull. Korean Chem. Soc. 26 (2005) 655)。
中間体Lは、触媒量の濃硫酸及びアルコール溶媒(例えば、メタノール又はエタノール)の存在下で、室温〜80℃の間の温度(又は還流温度)で数時間で、4−ヒドロキシ−ナフタレンカルボン酸エステル中間体XXXに容易に変換することができる。あるいは、このエステル化反応は、塩化チオニルの存在下、適切なアルコール溶媒(例えば、メタノール又はエタノール)中、65℃〜80℃の間の温度(又は還流温度)で数時間で行うことができる。
スキーム9に記載のトリフルオロメタンスルホン酸エステル中間体XXXVIは、あるいは、スキーム16に従って、4−アセトキシナフタレンカルボン酸エステル中間体XXIXaから出発して合成することができる。化合物XXIXaの還元は、中間体LIを与え、これを続いて塩素化反応に付して、クロロメチルナフタレン化合物LIIを与える。化合物LIIは、トリフルオロメタンスルホン酸エステルLIIIに変換することができる。メタノール又はエタノール存在下でのLIIIのカルボニル化反応は、中間体XXXVIを与え、これは、上記スキーム9に記載のように、対象の化合物Idに変換することができる。
4−アセトキシ−ナフタレンカルボン酸エステル中間体XXIXa(上記スキーム9に記載のように調製することができる)は、不活性有機溶媒(例えば、塩化メチレン、ヘキサン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物)中、適切な還元剤(例えば、水素化ジイソブチルアルミニウム又は水素化アルミニウムリチウム)の存在下で還元反応に付し、アルコールLIを生成することができる。この反応は、−78℃〜室温の範囲の温度で数時間で実施できる。
中間体LIIを生成する、アルコールLIの塩素化は、不活性有機溶媒(例えば、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はテトラヒドロフラン)中で、四塩化炭素及びトリフェニルホスフィンを用いて、0℃〜120℃の間の温度で数時間で達成できる。
化合物LIIは、アミン塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、又はジイソプロピルエチルアミン)存在下及び不活性溶媒(例えば、塩化メチレン)の存在下若しくは不在下、0℃〜室温間の温度で数時間で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物との反応により、トリフルオロメタンスルホン酸エステルLIIIに変換することができる。
化合物LIIIのトリフルオロメタンスルホン酸エステル中間体XXXVIへの変換は、一酸化炭素1気圧下で、メタノール中の塩基(例えば、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、又はナトリウムメトキシド)の存在下及び共溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)の存在下若しくは不在下で、パラジウム触媒を用いたカルボニル化反応により達成できる。この変換は、パラジウム触媒(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0))を用いて、配位子(例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスファイト、又はトリフェニルホスフィン)の存在下若しくは不在下、室温〜90℃の間の温度で10分間から数時間で行うことができる(Schoenberg, A.; Bartoletti, I.; Heck, R. F. J. Org. Chem. 39 (1974) 3318)。
スキーム9に上記の4−ヒドロキシ−ナフチル酢酸エステル中間体XXXVは、あるいは、スキーム17に従って調製することができる。スキーム15に記載のナフタレンカルボン酸化合物Lから出発して、還元反応によりアルコール中間体LIを与え、これは、次に塩素化反応を経て、化合物LIIを与える。メタノール又はエタノールの存在下でのカルボニル化反応は、中間体XXXVを与え、これは、スキーム9に概説した方法を用いて対象の化合物Idに変換することができる。
中間体L(スキーム15に従って合成することができる)中のカルボキシル基の還元は、水素化アルミニウムリチウムの存在下で達成し、アルコールLIを与えることができる。この反応は、不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン又はそれらの混合物)中、室温〜80℃の間の温度で数時間で行うことができる。
アルコールLIのクロリドLIIへの変換は、トリフェニルホスフィン存在下で四塩化炭素を用いて進行させることができる。この反応は、不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はジクロロメタン)中、0℃〜120℃の間の温度で数時間で実施することができる。
クロリドLIIの中間体XXXVへの変換は、一酸化炭素1気圧下、メタノール又はエタノール中の塩基(例えば、炭酸カリウム、トリエチルアミン、又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下及び共溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)の存在下若しくは不在下で、パラジウム触媒を用いたカルボニル化反応により達成することができる。この変換は、配位子(例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスファイト、又はトリフェニルホスフィン)の存在下若しくは不在下、室温〜90℃の間の温度で10分間〜数時間、パラジウム触媒(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0))を用いて実施することができる(Schoenberg, A.; Bartoletti, I.; Heck, R. F. J. Org. Chem. 39 (1974) 3318)。
あるいは、対象の化合物Idは、スキーム9に上記の4−ヒドロキシ−ナフタレンカルボン酸エステル中間体XXXから出発して、スキーム18に従って調製することができる。XXXのスルホニル化は、ペルフルオロアルキルスルホン酸エステルLIVを与える。中間体LIVとベンジル亜鉛クロリドXXXVIIとの根岸カップリング反応は、ナフタレンカルボン酸エステルLVを与える。LV中のエステル基の還元は、ナフタレン−2−イルメタノール化合物LVIを与え、これは、クロロメチル置換ナフタレンLVIIに変換することができる。メタノール又はエタノールの存在下のカルボニル化反応は、4−ベンジル置換ナフチル酢酸エステルXXXVIIIを与える。エステルの加水分解は、対象の化合物Idを与える。
ペルフルオロアルキルスルホン酸エステルLIVは、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又は水素化ナトリウム)の存在下で、0℃〜室温で数時間で、中間体XXXとスルホニル化試薬(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、N−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)又はペルフルオロブタンスルホニルフルオリド)とを反応させることにより、調製することができる。
ナフタレンカルボン酸エステルLVは、ペルフルオロアルキルスルホン酸エステルLIVとベンジル亜鉛クロリドXXXVIIとの根岸カップリング反応により合成することができる。これらの反応は、テトラヒドロフラン中、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム(II)又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)及びホスフィン配位子(例えば、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S-Phos))の存在下で、60℃〜70℃の間の温度で数時間で行われる(Metzger, A.; Schade, M. A.; Knochel, P., Org. Lett. 10 (2008) 1107)。根岸カップリング反応に用いられるベンジル亜鉛クロリドXXXVIIは、スキーム10に従って上記のとおり容易に調製することができる。
LV中のエステル基の水素化アルミニウムリチウムでの還元は、ナフタレン−2−イルメタノール化合物LVIを与える。この反応は、不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、又はそれらの混合物)中、0℃〜80℃の間の温度で数時間で行うことができる。
クロロメチルナフタレン中間体LVIIは、不活性有機溶媒(例えば、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はテトラヒドロフラン)中で、0℃〜120℃の間の温度(又は還流温度)で数時間で、化合物LVIを四塩化炭素及びトリフェニルホスフィンで処置することにより調製できる。あるいは、塩素化反応物は、無溶媒、又は適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、ベンゼン又はトルエン)中の塩化チオニルを用いることにより、0℃〜80℃の温度(又は還流温度)で数時間で達成できる。
クロリドLVIIのナフチル酢酸エステルXXXVIIIへの変換は、一酸化炭素1気圧下、メタノール又はエタノール中、塩基(例えば、炭酸カリウム又はトリエチルアミン)の存在下及び共溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)の存在下若しくは不在下で、パラジウム触媒を用いたカルボニル化反応によって達成できる。この変換は、パラジウム触媒(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))の存在下、配位子(例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスファイト、又はトリフェニルホスフィン)の存在下若しくは不在下で、室温〜90℃の間の温度で10分間〜数時間で行うことができる(Schoenberg, A.; Bartoletti, I.; Heck, R. F. J. Org. Chem. 39 (1974) 3318)。
上記のように、対象の化合物Idを与える、エステルXXXVIIIの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
対象の化合物Idは、また、スキーム19に従って調製することもできる。スキーム18に記載のペルフルオロアルキルスルホナート中間体LIVから出発して、パラジウム触媒を用いたボリル化(borylation)反応は、ボロン酸エステル化合物LIXを与える。LIXとベンジルブロミドLX又はベンジルクロリドXXXIXとの鈴木カップリング反応は、スキーム18に上記の中間体ナフタレンカルボン酸エステルLVを与える。中間体LVの、対象の化合物Idへの変換が、スキーム18に記載のように続いて進行する。
ボロン酸エステル中間体LIXを与える、ペルフルオロアルキルスルホナートLIVのパラジウム触媒を用いたボリル化は、ビス(ピナコラト)ジボロンLVIII、塩基(例えば、酢酸カリウム)、パラジウム触媒(例えば、ジクロロ−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)又はビス(トリフェニルホスフィン)−ジクロロパラジウム(II))の存在下、及びホスフィン配位子(例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)の存在下若しくは不在下で、実施することができる。この反応は、無水有機溶媒(例えば、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシド)中、90℃〜150℃の間の温度で3時間〜24時間の反応時間で行うことができる(Ishiyama, T.; Murata, M.; Miyaura, N. J. Org. Chem. 60 (1995) 7508)。
ベンジル置換ナフタレンカルボン酸エステル中間体LVを生成する、ボロン酸エステルLIXとベンジルブロミドLX又はベンジルクロリドXXXIXとの鈴木カップリング反応は、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、又はパラジウム(II)クロリド)、塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又はリン酸カリウム)の存在下で、ホスフィン配位子(例えば、トリフェニルホスフィン)の存在下若しくは不在下で達成できる。この反応は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、エタノール、トルエン、又はアセトン)と水との混合物中、室温〜110℃の間の温度(又は還流温度)で30分間〜20時間で容易に実施することができる(Chowdhury, S.; Georghiou, P. E., Tetrahedron Lett. 40 (1999) 7599)。
スキーム19に従い、ベンジルハライドの鈴木カップリング反応によって調製したナフタレンカルボン酸エステル中間体LVを、スキーム18に記載の化合物LVから化合物Idを調製するための上述の方法を用いて、対象の化合物Idの調製に使用することができる。
あるいは、対象の化合物Idは、スキーム20に従って合成することができる。スキーム9に記載のトリフルオロメタンスルホナート中間体XXXVIから出発して、パラジウム触媒を用いたボリル化反応は、ボロン酸エステル化合物LXIを与える。LXIとベンジルブロミドLX又はベンジルクロリドXXXIXとの鈴木カップリング反応は、中間体ナフチル酢酸エステルXXXVIIIを与える。中間体XXXVIIIのエステル基の加水分解は、対象の化合物Idを与える。
ボロン酸エステル中間体LXIを与える、トリフルオロメタンスルホナートXXXVIのパラジウム触媒を用いたボリル化は、ビス(ピナコラト)ジボロンLVIII、塩基(例えば、酢酸カリウム)、パラジウム触媒(例えば、ジクロロ−1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)(ジクロロメタン付加体)又はビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II))存在下、ホスフィン配位子(例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)存在下で、実施することができる。この反応は、無水有機溶媒(例えば、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシド)中、90℃〜150℃の間の温度で、3時間〜24時間の反応時間で行うことができる(Ishiyama, T.; Murata, M.; Miyaura, N. J. Org. Chem. 60 (1995) 7508)。
ベンジル置換ナフチル酢酸エステル中間体XXXVIIIを生成する、ボロン酸エステルLXIとベンジルブロミドLX又はベンジルクロリドXXXIXとの鈴木カップリング反応は、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(0)又はパラジウム(II)クロリド)、塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又はリン酸カリウム)の存在下で、ホスフィン配位子(例えば、トリフェニルホスフィン)の存在下若しくは不在下で達成できる。この反応は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、エタノール、トルエン、又はアセトン)と水との混合物中、室温〜110℃の間の温度で(又は還流温度)で30分間〜20時間で容易に実施することができる(Chowdhury, S.; Georghiou, P. E., Tetrahedron Lett. 40 (1999) 7599)。
上記のように、対象の化合物Idを与える、エステルXXXVIIIの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。あるいは、対象の化合物Idは、上記のトリフルオロメタンスルホナート中間体XXXVIから出発して、スキーム21に従って、調製することができる。XXXVIと4,4,5,5−テトラメチル−2−(ベンジル)−1,3,2−ジオキサボロランLXIIとの鈴木カップリング反応は、ナフチル酢酸メチルエステル中間体XXXVIIIを与える。XXXVIII中のエステル基の加水分解は、対象のナフチル酢酸化合物1dを与える。
XXXVIと4,4,5,5−テトラメチル−2−(ベンジル)−1,3,2−ジオキサボロランLXIIとの鈴木カップリング反応は、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウム(II))の存在下及びホスフィン配位子(例えば、2−ジシクロヘキシル−ホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S-Phos))の存在下で実施することができる。この反応は、適切な溶媒(例えば、トルエン)中の塩基(例えば、リン酸カリウム)の水溶液の存在下で、還流温度で数時間で行うことができる。鈴木カップリング反応に用いられる4,4,5,5−テトラメチル−2−(ベンジル)−1,3,2−ジオキサボロラン試薬LXIIは、市販されているか、又は、a) Giroux, A. Tetrahedron Lett. 44 (2003) 233 及び b) Ishiyama, T.; Oohashi, Z.; Ahiko, T.; Miyaura, N. Chem. Lett. (2002) 780 に記載の方法に従って調製する。
上記のように、対象の化合物Idを与える、エステルXXXVIIIの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
対象の化合物ICは、スキーム22に示されるように、対応するケトンIAのヒドリド還元又は部分水素化により調製することができる。あるいは、ICは、ケトエステルIGのヒドリド還元又は部分水素化、続いて化合物LXIIIのエステル加水分解により得ることができる。
ケトンIAを対応するヒドロキシル誘導体ICに、又はケトエステルIGを中間体LXIIIに、選択的還元することは、当業者に周知の方法を用いることにより達成できる。例えば、低反応性ヒドリドドナー試薬(mild hydride donor reagent)(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)を使用することができる。この反応は、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン又はメタノール)中、0℃〜室温の間の温度で数時間で行うことができる。
対象の化合物ICを与える、エステル化合物LXIIIの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
さらに、対象の化合物ICへのケトンIAの、又は中間体LXIIIへのケトエステルIGの、部分水素化は、制御条件下で実施することができる。この反応は、水素1気圧以上で、10%パラジウム担持炭の存在下、アルコール溶媒(例えば、エタノール又はメタノール)中、ほぼ室温又は少し高い温度で数時間で行うことができる。この反応は、大気圧の水素化容器中で、水素ガスバルーン下、パー水素化装置(Parr hydrogenator)中で、又は連続流水素化反応器(例えば、H-Cube)中で行うことができる。
ラセミアルコールICの、その光学的に純粋な鏡像異性体への分割は、キラルクロマトグラフィーにより達成できる。
化合物IDを生成する、gem−ジフルオロメチル基の導入を、スキーム23に示す。ケトンIGを、対応するgem-ジフルオリドLXIVに変換することは、求核フッ素化源で達成できる。エステルLXIVを加水分解して、対象の化合物IDを得る。
ケトンIGの、gem-ジフルオリドLXIVへの変換は、無溶媒か、又は溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、又はそれらの混合物)中、室温〜180℃の間の温度で数時間で、求核フッ素化源(例えば、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)、ビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(CH3OCH2CH2)2NSF3(Deoxo-Fluor試薬)、α,α−ジフルオロアミン又はN,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ−(m−メチルベンジル)アミン(DFMBA))を用いることにより達成できる(参照文献: Lal, G. S.; Pez, G. P.; Pesaresi, R. J.; Prozonic, F. M.; Cheng, H. J. Org. Chem. 64 (1999) 7048)。
対象の化合物IDを与える、エステルLXIVの加水分解は、当業者に周知の方法を使って容易に達成できる。例えば、この反応は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
対象の化合物IEは、スキーム24に従って調製することができる。酸性条件下でのアルコールLXIIIとメタノールとの反応は、メトキシ誘導体LXVを与える。エステル加水分解は、化合物IEを生成する。
ヒドロキシル中間体LXIIIの対応するメトキシ化合物LXVへの変換は、当業者に周知の方法で達成できる。例えば、この反応は、メタノール中、触媒としての濃硫酸存在下で、還流温度で数時間で容易に達成することができる。
対象の化合物IEを与える、エステルLXVの加水分解は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)の水溶液の存在下で、室温〜還流温度の間の温度で数時間で行うことができる。
主要な中間体XXXVI-a(これを、スキーム9、11、13、20、及び21における中間体XXXVIの代わりに使用して、式Idの化合物を製造することができる)もまた、スキーム25に記載のように調製することができる。(4−フルオロ−フェニル)−酢酸(LXVI)の塩化オキサリルでの処理は、対応する酸クロリドをインサイチューで生成し、これは単離せずに、塩基の存在下、ウィッティッヒ(Wittig)型試薬LXVIIで処理して、アレン誘導体LXVIIIを生成する。アレンとマロン酸tert−ブチルエステルエチルエステルとの共役付加反応は、トリエステル誘導体LXIXを生成し、これは、加水分解、続く脱カルボキシル化により、酸誘導体LXXを生成する。LXXの、無水酢酸により促進される環化は、ナフタレン誘導体LXXIを与え、そのアセチル基の加水分解は、主要中間体XXXVI-aを生成する。XXXV-aのトリフルオロメタンスルホン酸無水物での処理は、主要な中間体トリフラートXXXVI-aを生成する。Pd−触媒による、XXXVI-aとベンジル亜鉛試薬(インサイチューで生成)とのカップリングは、エステルXXXVIII-aを生成し、その酸触媒による加水分解は、所望の化合物Id-aを与える。
(4−フルオロフェニル)−酢酸の、その対応する酸クロリド誘導体への変換は、当技術分野において公知の方法により実施することができる。例えば、この反応は、エーテル溶媒中、室温で、塩化オキサリル及び触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて行うことができる。続くインサイチューで生成された、酸クロリドの塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)での処理は、対応するケテンの生成を導き、これは、エーテル溶媒中のウィッティッヒ型試薬(例えば、LXVII)で0〜10℃の間の温度で処理することにより、アレン誘導体LXVIIIを生成する。
トリエステル誘導体LXIXを与える、アレン誘導体LXVIIIとマロン酸tert−ブチルエステルエチルエステルとの共役付加反応は、溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド)中、塩基(例えば、カリウムtert−ブトキシド)の存在下で、室温で実施される。
LXIX中の2つのエチルエステルのエステル加水分解は、当技術分野において公知の方法を用いることにより達成できる。例えば、この反応は、溶媒(例えば、エタノール)の存在下、塩基(例えば、水酸化リチウム)の水溶液を用いて、室温で一晩で実施できる。続く脱カルボキシル化反応は、次に、得られた二酸の溶液を還流下で数時間加熱することにより行い、LXXを生成することができる。
不飽和酸誘導体LXXのナフタレンLXXIへの環化は、先に記載したとおり(スキーム9同様)、無水酢酸及び酢酸カリウム又は酢酸ナトリウム存在下で、約85℃の温度で数時間で達成できる。
アセタート誘導体LXXIを、次に加水分解に付し、溶媒(例えば、メタノール)中、室温で、塩基(例えば、ナトリウムメトキシド)で処理して、フェノール中間体XXXVI-aを生成する。
フェノールXXXVI-aの対応するトリフラートXXXVI-aへの変換は、当技術分野において公知の方法で達成できる。例えば、この反応は、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、塩基(例えば、ピリジン又はDMAP)の存在下、0〜25℃前後の温度で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を用いて行うことができる。
XXXVI-aと、ベンジルクロリド(例えば、1−クロロメチル−4−メタンスルホニル−ベンゼン)から調製しインサイチューで生成した亜鉛試薬との、根岸型Pd−触媒を用いたカップリング反応は、溶媒(例えば、DMF)中、65℃前後の温度で、Pd触媒(例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))を用いて行うことができ、XXXVIII-aを生成する。
対応する酸Id-aを生成する、XXXVIII-aのエステル加水分解は、当技術分野において公知の方法により達成できる。例えば、この反応は、トリフルオロ酢酸(TFA)及び水を用いて、酸触媒下で、約30〜35℃で行うことができる。
実施例
特定の例示的な実施態様が、本明細書において示され記載されるが、本発明の化合物は、適切な出発物質を用いることにより、本明細書において一般的に記載される方法及び/又は当業者が利用できる方法に従って調製することができる。
一般的な材料及び機器
中間体及び最終化合物は、フラッシュクロマトグラフィー及び/又は逆相分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)のいずれかにより精製した。特に断りのない限り、フラッシュクロマトグラフィーは、(1)Biotage SP1(商標)システム及びQuad 12/25カートリッジモジュール(Biotage AB社製)、(2)ISCO CombiFlash(登録商標)クロマトグラフィー装置(Teledyne Isco, Inc. 製)、又は(3)Analogix(登録商標) IntelliFlash280(商標)クロマトグラフィー装置(Analogix Inc.(Varian Inc.の子会社)製)を用いて行われる。特に断りのない限り、シリカゲルの種類及び孔径は、:(1)KP-SIL(商標)60Å、粒径:40〜60ミクロン(Biotage AB製);(2)シリカゲルCAS登録番号:63231−67−4、粒径:47〜60ミクロン;又は(3)ZCX(Qingdao Haiyang Chemical社製)、孔径:200〜300メッシュ又は300〜400メッシュを用いる。逆相分取HPLCは、次のカラムの1個以上を使用して、Waters Corporation製Waters(登録商標)Delta-Prep(商標)3000 HPLCシステムを用いることにより実施した:Varian 社製Varian Pursuit(登録商標)C−18カラム(10μm、20×150mm)、Waters Corporation製Xbridge(商標)Prep C18カラム(5μm、OBD(商標)20×100mm)、又はWaters Corporation製SunFire(商標)Prep C18カラム(5μm、OBD(商標)30×100mm)。
質量分析(MS)又は高分解能質量分析(HRMS)は、Waters(登録商標)ZQ(商標)4000(Waters Corporation製)、Waters(登録商標)Quattro micro(商標)API (Waters Corporation製)、Micromass(登録商標)Platform II(Micromass(Waters Corporationの事業部)製)、4.7テスラ磁石付きBruker(登録商標)Apex(登録商標)II FTICR (Bruker Corporation製)、Waters(登録商標)Alliance(登録商標)2795-ZQ(商標)2000(Waters Corporation製)、又はMDS Sciex(商標)API-2000(商標)n API(MDS Inc.製)を用いて行った。特に明記しない限り、質量スペクトルデータは、通常親イオンのみを示す。MS又はHRMSデータは、示される特定の中間体又は化合物に関して記載される。
核磁気共鳴分光法(NMR)は、共にVarian Inc.製のVarian(登録商標)Mercury 300 NMR分光器(300MHzで得られる1H NMR スペクトル)及びVarian(登録商標)Inova 400 NMR分光器(400MHzで得られる1H NMR スペクトル)を用いて行った。NMRデータは、示される特定の中間体又は化合物に関して記載される。
マイクロ波促進反応は、Biotage Initiator(商標)Sixty(又は初期モデル)(Biotage AB製)又はCEM Discover(登録商標)モデル(ガス添加アクセサリー付)(CEM Corporation製)で実施した。
連続流水素化反応は、H-Cube(登録商標)水素化反応器(Thales Nanotechnology, Inc.製)を用いて実施した。
オゾン分解反応は、Welsbach Ozonator(Welsbach(Ozone Engineeringの1事業部)製)を用いて実施した。
空気感受性試薬が関与するすべての反応を、不活性雰囲気下で実施した。試薬は、特に断りのない限り、市販品を使用した。
パートI:出発物質及び中間体の調製
4−オキソ−酪酸メチルエステルの調製
トリフルオロ酢酸(6.0mL、81mmol)を、ジクロロメタン(125mL)及び水(13mL)中の4,4−ジメトキシ酪酸メチル(5.0g、31mmol)の撹拌した溶液に徐々に滴下した。反応混合物を16時間室温で撹拌した。反応混合物を、次に飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、4−オキソ−酪酸メチルエステル(3.03g、85%)を明黄色の油状物として得た。粗生成物を、更に精製することなく、その後の反応で用いた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.81 (s, 1 H), 3.69 (s, 3 H), 2.80 (t, 2 H, J = 6.64 Hz), 2.63 (t, 2 H, J = 6.64 Hz)。
4−オキソ−酪酸エチルエステルの調製
メタノール(240mL)中の4−オクテン酸エチル(34mL、173mmol)の溶液を、3口丸底フラスコに入れ、−60℃で冷却し、次にO3/O2を反応混合物にバブリングした。約−60℃で、4時間後、反応混合物は、やや青みがかり、TLC(1:9酢酸エチル:ヘキサン(ホスホモリブデン酸(PMA)で着色))から、出発物質が残存していないことが分かった。反応混合物を、次にO2で10分間フラッシュした。反応温度を−55℃未満に維持しながら、上記反応混合物に、ジメチルスルフィド(26mL、345mmol)を徐々に加えた。添加が完了した後、反応混合物を、室温に温め、一晩撹拌した。アルゴンを次に2時間バブリングした。反応混合物を、次に減圧下で濃縮した。低圧分別蒸留により、4−オキソ−酪酸エチルエステル(14.3g、63%、少量のジメチルスルホキシドを含有)を清澄な無色の油状物として得た。あるいは、精製は、シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン〜ヘキサン中20%酢酸エチル)を用いることにより達成できた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 9.81 (s, 1 H), 4.14 (q, J = 7.2 Hz, 2 H), 2.79 (t, J = 6.6 Hz, 2 H), 2.62 (t, J = 6.6 Hz, 2 H), 1.26 (t, J = 7.2 Hz, 3 H)。
ペンタ−3−イン酸メチルエステルの調製
ジョーンズ試薬(CrO3−H2SO4)(新調した105mL、氷冷したH2SO4(35mL)を酸化クロム(VI)(35.0g、350mmol)及び氷冷水100mLと合わせて調製した)を、3口丸底フラスコ内のアセトン(800mL)中の3−ペンチン−1−オール(10g、118mmol)に、0℃で、徐々に滴下した。反応混合物を、室温に温め、2時間撹拌した。反応完了後、混合物を0℃で冷却し、そしてメタノール(45mL)を少しずつ加えた。30分間機械で撹拌した後、反応混合物を、セライトパッドで濾過した。濾液を約20mLに濃縮し、次に水(50mL)と酢酸エチル(150mL)で分液した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物ペンタ−3−イン酸(約11.66g)を清澄な油状物として得て、これを0℃未満の温度で凝固させた。粗生成物を更に精製することなく次の工程で用いた。
ペンタ−3−イン酸メチルエステル
メタノール(60mL)中のペンタ−3−イン酸(11.66g、118.8mmol)の溶液に、2,2−ジメトキシプロパン(8mL、6.51mmol)、続いて濃塩酸3滴を加えた。反応混合物を、室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチルに溶解し、10%重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して明黄色の油状物を得た。減圧蒸留して、ペンタ−3−イン酸メチルエステル(5.68g、2工程で43%)を清澄な無色の油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 3.73 (s, 3 H), 3.24 (d, J = 2.4 Hz, 2 H), 1.83 (t, J = 2.4 Hz, 3 H)。MS(EI+) C6H8O2[M+]の計算値112、実測値112。
2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−ベンズアルデヒドの調製
2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−安息香酸メチルエステル
メタノール(100mL)中の2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−安息香酸(5g、21.10mmol)の溶液に、濃硫酸(0.21mL、2.11mmol)を0℃で加えた。反応混合物を、次に80℃で4時間加熱した。室温に冷ました後、混合物を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を、飽和重炭酸ナトリウム、次にブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−安息香酸メチルエステル(1.48g、28%)を清澄な油状物として得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
(2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−フェニル)−メタノール
トルエン(42mL)中の2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−安息香酸メチルエステル(1.45g、5.78mmol)の溶液を、窒素下、−78℃で冷却した。水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中1M)(7.51mL、7.51mmol)を、20分間かけて滴下した。反応混合物を、−78℃でさらに1時間撹拌し、次に一晩かけて室温に温めた。反応混合物を、次に0℃に冷却し、酢酸エチルでクエンチし、続いて飽和ロッシェル塩溶液を加えた。2相スラリーを、次に室温に温めて、2時間撹拌した。有機層を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗(2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−フェニル)−メタノール(1.55g、90%)を得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−ベンズアルデヒド
ジクロロメタン(25mL)中の(2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−フェニル)−メタノール(1.23g、5.50mmol)、トリエチルアミン(1.39g、13.75mmol)及びジメチルスルホキシド(1.72g、22.00mmol)の溶液を、0℃に冷却した。次に、三酸化硫黄−ピリジン(1.32g、8.25mmol)を少しずつ滴下した。0℃で1時間撹拌した後、2回目のトリエチルアミン(1.39g、13.75mmol)、ジメチルスルホキシド(1.72g、22.00mmol)及び三酸化硫黄−ピリジン(1.32g、8.25mmol)を上記反応混合物に加えた。0℃でさらに30分間後、この反応溶液をジクロロメタン(50mL)で希釈し、次に飽和重炭酸ナトリウム及び飽和チオ硫酸ナトリウムで洗浄した。有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中10〜30%酢酸エチル)により、2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−ベンズアルデヒド(0.47g、39%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 10.23 (s, 1 H), 7.77 (m, 1 H), 7.52 (m, 1 H)。
2−ブロモ−4−クロロ−ベンズアルデヒドの調製
2−ブロモ−4−クロロ−安息香酸メチルエステル
濃硫酸(5mL)を、2−ブロモ−4−クロロ−安息香酸(10.14g、0.0431mol)及びメタノール(40mL)の氷冷混合物に滴下した。得られた混合物を、17時間加熱還流した。この後、反応混合物を室温に冷まし、次に氷冷水(150mL)に注ぐと、白色の懸濁液が生じた。懸濁液を、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機相を、飽和NaHCO3水溶液(100mL)、続いて飽和NaCl水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2−ブロモ−4−クロロ−安息香酸メチルエステル(10.57g、収率98%)を清澄な油状物として得た。
(2−ブロモ−4−クロロ−フェニル)−メタノール
トルエン(43mL、0.043mol)中の水素化ジイソブチルアルミニウム1.0M溶液を、−78℃で、トルエン(50mL)及びヘキサン(425mL)中の2−ブロモ−4−クロロ−安息香酸メチルエステル(10.57g、0.042mol)溶液に、徐々に滴下した。反応混合物を、−78℃で1.5時間撹拌した。この後、溶液から白色の固体が沈殿した。反応混合物を、−78℃で酢酸エチル(100mL)でクエンチした。酒石酸カリウムナトリウム飽和水溶液を加え、反応混合物を室温に温めた。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して清澄な油状物を得た。TLC(30%酢酸エチル/ヘキサン)及び1H NMRから、未反応の2−ブロモ−4−クロロ−安息香酸メチルエステルを主成分として含む混合物であることが分かった。粗物質を、トルエン(300mL)に溶解し、得られた溶液を−78℃に冷却した。トルエン(55mL、0.055mol)中の水素化ジイソブチルアルミニウム1.0M溶液を、反応混合物に徐々に滴下した。反応混合物を、−45℃に温め、この温度で35分間撹拌した。このとき、TLC(10%酢酸エチル/ヘキサン)から、出発物質がほぼ完全に消費されたことが分かった。反応混合物を、−45℃で、酢酸エチルでクエンチした。酒石酸カリウムナトリウム飽和水溶液を加え、反応混合物を室温に温め、そして室温で1時間撹拌した。有機相を分離し、NaSO4で乾燥させ、濃縮して、黄色の油状物を得た。この粗生成物及びジクロロメタン(200mL)の溶液を、シリカゲルで濃縮し、ドライシリカゲルに担持された生成物を、120gのシリカゲルカラム上に装填した。ISCO精製システム(95:5 ヘキサン−酢酸エチル〜4:1 ヘキサン−酢酸エチル勾配)を用いて、フラッシュクロマトグラフィーを行った。(2−ブロモ−4−クロロ−フェニル)−メタノールを、白色の固体5.57g(収率60%)として単離した。
2−ブロモ−4−クロロ−ベンズアルデヒド
(2−ブロモ−4−クロロ−フェニル)−メタノール(5.57g、0.025mol)、ジクロロメタン(250mL)、ジイソプロピルエチルアミン(22mL、0.126mol)、及びジメチルスルホキシド(15mL、0.211mol)の0℃の溶液に、三酸化硫黄−ピリジン(12.0g、0.075mol)を、15分間かけて少しずつ加えた。得られた溶液を、0℃で45分間撹拌した。反応混合物を、ジクロロメタン250mLで希釈し、次に飽和NaHCO3水溶液(500mL)で洗浄した。有機相を、チオ硫酸ナトリウム飽和水溶液(500mL)で洗浄し、過剰量の酸化剤を削減した。有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の油状の固体を得た。この粗生成物とCH2Cl2(200mL)との溶液を、シリカゲルで濃縮し、ドライシリカゲルに担持された生成物を、120gのシリカゲルカラム上に装填した。フラッシュクロマトグラフィーをISCO精製システム(95:5 ヘキサン−酢酸エチル)を用いることにより実施した。2−ブロモ−4−クロロ−ベンズアルデヒドを、白色の固体4.43g(収率81%)として単離した。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 10.31 (s, 1 H), 7.88 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 7.69 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 7.44 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 1 H)。
トリフルオロメタンスルホン酸2−ホルミル−5−メトキシ−フェニルエステルの調製
ジクロロメタン(200mL)中の2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(30.0g、154mmol)及びN−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(78.1g、214mmol)の混合物を、氷浴中で0℃に冷却した。反応温度を3℃未満に維持しながら、トリエチルアミン(31mL)を添加漏斗を通して徐々に加えた。反応混合物を、0℃で20分間撹拌し、次に室温に温めて、一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物に、ジエチルエーテル(600mL)を加え、得られた混合物を、水、1.0N水酸化ナトリウム水溶液、水、そしてブラインの順で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物(62.59g)を油状物として得た。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中10%〜60%ジクロロメタン)により、トリフルオロメタンスルホン酸2−ホルミル−5−メトキシ−フェニルエステル52.8g(収率95%)を明黄色の油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 10.13 (s, 1 H), 7.96 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 7.04 (d, J = 8.8 Hz, 1 H), 6.88 (s, 1 H), 3.93 (s, 3 H)。
2−ヨード−4−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒドの調製
2−アミノ−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
亜鉛末(30g)を、氷酢酸(260mL)中の2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(3.0g、14mmol)の5℃溶液に少しずつ加えた。反応混合物を、室温に温めて、次に室温で1時間撹拌した。反応混合物を、セライトプラグを通して濾過し、セライト層を氷酢酸で洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液を濃縮して、2−アミノ−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルを油状の橙色の固体として得て、これをさらに精製することなくその後の反応に用いた。
2−ヨード−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
ヨウ化カリウム(5.6g、34mmol)及び亜硝酸ナトリウム(2.4g、35mmol)を、アセトニトリル(60mL)中の2−アミノ−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(2.58g、14mmol)の溶液に加えた。得られた混合物を、氷水浴中で磁気撹拌して0℃に冷却した。氷冷濃HCl(14mL)を徐々に反応混合物に滴下すると、反応混合物が濁って深紅色になった。反応混合物を、0℃で30分間撹拌し、次に室温に温めた。室温での撹拌を3時間続けた。反応混合物を、水に注ぎ、得られた懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮して、紫色の液体を得た。この粗生成物及びジクロロメタン(200mL)の溶液を、シリカゲルで濃縮し、ドライシリカゲルに担持された生成物を、シリカゲルカラムに装填した。ヘキサン中5%酢酸エチルを用いる手動フラッシュクロマトグラフィーにより、2−ヨード−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル3.58g(87%)を紫色の結晶質固体として得た。
2−ヨード−4−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒド
トルエン(13mL、13mmol)中の水素化ジイソブチルアルミニウムの1.0M溶液を、0℃で、トルエン(11mL)中の2−ヨード−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(3.58g、12mmol)溶液に徐々に滴下した。反応混合物を、0℃で30分間撹拌した。反応混合物を、室温に温め、次に室温で24時間撹拌した。反応混合物を、0℃に冷却し、次に酢酸エチル(5mL)及びエタノール(5mL)を冷反応混合物に滴下した。0℃で10分間撹拌した後、反応混合物を濃縮して、黄色の油状の液体を得た。残留物を0℃に冷却した。塩化メチレン(10mL)を加えた。水(10mL)を徐々に滴下し、次に1.0N HCl水溶液を徐々に滴下した。0℃で10分間撹拌した後、濃HCl(1mL)を加え、続いてさらに塩化メチレン(60mL)を加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、次に室温に温めた。室温で撹拌を105分間続けた。混合物を分液漏斗に注ぎ、有機相を分離し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の油状の固体を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中0−3%酢酸エチル)を用いて精製し、2−ヨード−4−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒド1.44g(40%)を僅かに黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ ppm 10.11 (s, 1 H), 8.20 (s, 1 H), 7.97 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 7.73 (d, J = 8.2 Hz, 1 H)。
2−クロロ−1−ヨード−4−メタンスルホニル−ベンゼンの調製
アセトニトリル(500mL)中の2−クロロ−4−(メタンスルホニル)アニリン(25g、122mmol)の溶液を、0℃に冷却し、次に亜硝酸ナトリウム(20.97g、303.9mmol)及びヨウ化カリウム(50.45g、303.9mmol)を加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、濃塩酸(50mL)を滴下漏斗を通して滴下した。反応物を0℃でさらに45分間撹拌した。反応混合物を室温に温め、次に2.5時間撹拌した。反応混合物を、氷水(800mL)に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中10%−35%酢酸エチル)により2−クロロ−1−ヨード−4−メタンスルホニル−ベンゼン(13.88g、36%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 8.11 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 8.00 (d, J = 1.9 Hz, 1 H), 7.51 (dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1 H), 3.07 (s, 3 H)。
1−ブロモ−4−メタンスルホニル−2−メチルベンゼンの調製
1−ブロモ−4−メタンスルファニル−2−メチルベンゼン
氷酢酸(68mL)中の1−メチル−3−メタンスルファニルベンゼン(20g、145mmol)の溶液に、臭素(12.5mL、243.98mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を、次に室温まで温め、そして4時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(J.T. Bakerシリカゲル、60−200メッシュ、100%ヘキサン)により、1−ブロモ−4−メタンスルファニル−2−メチルベンゼン(30.5g、97%)を清澄な無色の油状物として得た。
1−ブロモ−4−メタンスルホニル−2−メチルベンゼン
ジクロロメタン(450mL)中の1−ブロモ−4−メタンスルファニル−2−メチルベンゼン(30.5g、140mmol)の溶液に、3−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)(72g、420mmol)を、0℃で少しずつ40分間かけて加えた。反応混合物を、次に室温に温め、2時間撹拌した。反応混合物に、10%亜硫酸ナトリウム溶液を加えた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して白色の固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(J.T. Bakerシリカゲル、60〜200メッシュ、ヘキサン中15〜20%酢酸エチル)により、1−ブロモ−4−メタンスルホニル−2−メチルベンゼン(20.34g、58%)を白色の結晶質固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.80 (d, J = 1.9 Hz, 1 H), 7.74 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 7.61 (dd, J = 8.3, 1.9 Hz, 1 H), 3.04 (s, 3 H), 2.50 (s, 3 H)。HRMS(EI+) C8H9BrO2S[M+]の計算値247.9507、実測値247.9508。
1−ブロモ−2−フルオロ−4−メタンスルホニル−ベンゼンの調製
ジクロロメタン(15mL)中の1−ブロモ−2−フルオロ−4−メタンスルファニル−ベンゼン(1g、4.52mmol)の溶液に、3−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)(2g、11.30mmol)を加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物に、10%亜硫酸ナトリウム水溶液を加えた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中5〜40%酢酸エチル)により、1−ブロモ−2−フルオロ−4−メタンスルホニル−ベンゼン(1g、88%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.76 - 7.87 (m, 1 H), 7.68 - 7.75 (m, 1 H), 7.64 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 3.08 (s, 3 H)。
1−ブロモ−2−クロロ−4−エタンスルホニル−ベンゼンの調製
1−クロロ−3−エタンスルファニル−ベンゼン
N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の3−クロロベンゼンチオール(1.5g、10.37mmol)、ヨードエタン(0.837mL、10.37mmol)及び炭酸カリウム(4.1g、31.11mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。氷水を加え、得られた混合物をジエチルエーテル(3×)で抽出した。有機層を合わせ、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、1−クロロ−3−エタンスルファニル−ベンゼン(1.14g、64%)を得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
1−ブロモ−2−クロロ−4−エタンスルファニル−ベンゼン
酢酸(10mL)中の1−クロロ−3−エタンスルファニル−ベンゼン(1.14g、6.63mmol)の溶液に、臭素(338μL、6.63mmol)を0℃で加えた。混合物を次に室温に温め、一晩撹拌した。反応混合物に、酢酸エチルを加え、得られた溶液を、水で2回、次に飽和重炭酸ナトリウムの順に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中0〜12.5%酢酸エチル)により、1−ブロモ−2−クロロ−4−エタンスルファニル−ベンゼン(1.4g、85%)を得た。
1−ブロモ−2−クロロ−4−エタンスルホニル−ベンゼン
ジクロロメタン(10mL)中の1−ブロモ−2−クロロ−4−エタンスルファニル−ベンゼン(1.4g、5.60mmol)の溶液に、3−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)(2.4g、14mmol)を加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。固体を濾別し、濾液を濃縮して、1−ブロモ−2−クロロ−4−エタンスルホニル−ベンゼン(1.4g、89%)を白色の固体として得て、これを更に精製することなく用いた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.98 (d, J = 2.1 Hz, 1 H), 7.84 (d, J = 8.5 Hz, 1 H), 7.64 (dd, J = 8.5, 2.1 Hz, 1 H), 3.13 (q, J = 7.5 Hz, 2 H), 1.30 (t, J = 7.5 Hz, 3 H)。
4−ブロモ−2−エチル−1−メタンスルホニル−ベンゼンの調製
水(100mL)中の亜硫酸ナトリウム(4.44g、35.3mmol)及び重炭酸ナトリウム(2.96g、35.3mmol)の混合物に、70℃で、ジオキサン(20mL)中の4−ブロモ−2−エチル−ベンゼンスルホニルクロリド(5g、17.6mmol)を、添加漏斗を通して滴下した。1時間後、混合物を100℃で加熱し、ブロモ酢酸(4.90mL、35.3mmol)を加えた。1時間後、反応混合物を90℃に冷却し、水酸化ナトリウム(2.82g、70.5mmol)を加えた。得られた混合物を、90℃で一晩撹拌した。室温に冷ました後、水を得られた懸濁液に加えた。水層をジクロロメタン(250mL×3)で抽出した。回収した有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、4−ブロモ−2−エチル−1−メタンスルホニル−ベンゼン(4.62g、100%)を得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.89 (d, J = 8.5 Hz, 1 H), 7.56 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 7.51 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1 H), 3.07 (s, 3 H), 3.05 (q, J = 7.4 Hz, 2 H), 1.33 (t, J = 7.4 Hz, 3 H)。
4−ブロモ−1−メタンスルホニル−2−トリフルオロメチル−ベンゼンの調製
4−ブロモ−1−メタンスルファニル−2−トリフルオロメチル−ベンゼン
N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の4−ブロモ−1−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(5g、20.58mmol)の溶液に、ナトリウムチオメトキシド(1.58g、22.54mmol)を室温で加えた。得られた溶液を50℃で1時間加熱し、次に室温で16時間撹拌した。反応混合物を冷水に注いだ。得られた懸濁液を、酢酸エチルで抽出した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗4−ブロモ−1−メタンスルファニル−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(5.5g)を得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
4−ブロモ−1−メタンスルホニル−2−トリフルオロメチル−ベンゼン
ジクロロメタン(62mL)中の4−ブロモ−1−メタンスルファニル−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(5.5g、20.29mmol)の溶液に、3−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)(10.5g、60.9mmol)を、0℃で30分間かけて少しずつ加えた。反応混合物を、次に室温に温め、この温度で16時間撹拌した。反応物を、10%亜硫酸ナトリウム水溶液に注いだ。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(Biotage、230〜400メッシュ、ヘキサン中20%酢酸エチル)により、4−ブロモ−1−メタンスルホニル−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(4.79g、2工程で78%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 8.18 (d, J = 8.5 Hz, 1 H), 8.04 (s, 1 H), 7.92 (d, J = 8.5 Hz, 1 H), 3.18 (s, 3 H)。HRMS(EI+) C8H6BrF3O2S[M+]の計算値301.9225、実測値301.9223。
1−ブロモ−4−エタンスルホニル−2−メチルベンゼンの調製
1−メチル−3−エタンスルファニル−ベンゼン
N,N−ジメチルホルムアミド(200mL)中の3−メチル−ベンゼンチオール(25g、0.20mol)、ヨードエタン(16.1mL、0.20mmol)及び炭酸カリウム(27.7g、0.201mmol)の混合物を、0℃で30分間かけて撹拌した。反応混合物を、徐々に室温に温め、次に室温で一晩撹拌した。反応混合物を、水に注ぎ、得られた懸濁液を、酢酸エチルで抽出した。有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、1−メチル−3−エタンスルファニル−ベンゼンを得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
1−ブロモ−4−エタンスルファニル−2−メチルベンゼン
氷酢酸(100mL)中の1−メチル−3−エタンスルファニルベンゼン(32.97g、0.217mol)の溶液を、氷水浴中で冷却した。臭素(14mL、0.238mol)を氷冷反応混合物に1時間にわたって滴下した。反応混合物を、次に室温に温め、室温で6時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(J.T. Bakerシリカゲル、60〜120メッシュ、100%ヘプタン)により、1−ブロモ−4−エタンスルファニル−2−メチルベンゼン(33.41g、67%)を明黄褐色の油状物として得た。
1−ブロモ−4−エタンスルホニル−2−メチルベンゼン
ジクロロメタン(373mL)中の1−ブロモ−4−エタンスルファニル−2−メチルベンゼン(17.01g、73.6mmol)の溶液に、3−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)(59g、342mmol)を、0℃で60分間かけて少しずつ加えた。反応混合物を、次に室温に徐々に温めて、一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO3水溶液、続いて10%亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の油状の固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中15%酢酸エチル)により、1−ブロモ−4−エタンスルホニル−2−メチルベンゼン(9.5g、49%)を、白色の結晶質固体として得た。MS(EI+) C9H11BrO2S[M+]の計算値263、実測値263.
1−ブロモ−4−N,N−ジエチルベンゼンスルホンアミドの調製
ジイソプロピルエチルアミン(10.47mL、58.79mmol)を、0℃で、テトラヒドロフラン(50mL)中のジエチルアミン(1.7g、23.5mmol)の撹拌した溶液に加え、反応混合物を室温で15分間撹拌した。テトラヒドロフラン中の4−ブロモ−ベンゼンスルホニルクロリド(6.01g、23.5mmol)の0.1M溶液を室温で加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて取り除いた。残留物を酢酸エチルで希釈し、無機塩をセライトベッドを通して濾過した。濾液を2N HCl水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1−ブロモ−4−N,N,−ジエチルベンゼンスルホンアミドを得て、これを更に精製することなくその後の反応で用いた。MS C10H14BrNO2S[M+]の計算値292、実測値293。
1−(4−ブロモベンゼンスルホニル)−ピペリジンの調製
ジイソプロピルエチルアミン(2.09mL、11.7mmol)を、0℃で、テトラヒドロフラン(10mL)中のピペリジン(0.40g、4.7mmol)の撹拌した溶液に加え、反応混合物を室温で15分間撹拌した。テトラヒドロフラン中の4−ブロモ−ベンゼンスルホニルクロリド(1.20g、4.7mmol)の0.1M溶液を室温で加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて取り除いた。残留物を酢酸エチルで希釈し、無機塩をセライトベッドを通して濾過した。濾液を、2N HCl水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1−(4−ブロモベンゼンスルホニル)−ピペリジンを得て、これを更に精製することなくその後の反応で用いた。MS C11H14BrNO2S[M+]の計算値304、実測値304。
1−(4−ブロモベンゼンスルホニル)−4−(2−フルオロ−フェニル)−ピペラジンの調製
トリエチルアミン(1.37mL、9.78mmol)を、0℃で、テトラヒドロフラン(12mL)中の1−(2−フルオロフェニル)ピペラジン(0.705g、3.91mmol)の撹拌した溶液に加え、反応混合物を室温で15分間撹拌した。4−ブロモ−ベンゼンスルホニルクロリド(1.00g、3.91mmol)を反応混合物に室温で加え、反応混合物を、室温で5時間撹拌した。テトラヒドロフランを、減圧下で蒸発させて取り除いた。残留物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、無機塩をセライトベッドを通して濾過した。濾液を、2.0N HCl水溶液(8mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、1−(4−ブロモベンゼンスルホニル)−4−(2−フルオロ−フェニル)−ピペラジン1.40g(89%)を白色の固体として得た。MS C16H16BrFN2O2S[M+]の計算値399、実測値399。
4−(4−ブロモ−3−メチル−ベンゼンスルホニル)−モルホリンの調製
ジイソプロピルエチルアミン(8.25mL、46.4mmol)を、0℃で、テトラヒドロフラン(40mL)中のモルホリン(1.62g、18.5mmol)の撹拌した溶液に加え、反応混合物を室温で15分間撹拌した。テトラヒドロフラン中の4−ブロモ−3−メチル−ベンゼンスルホニルクロリド(5.0g、19mmol)の0.1 M溶液を室温で加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を、減圧下で蒸発させて取り除いた。残留物を酢酸エチルで希釈し、無機塩をセライトベッドを通して濾過した。濾液を、2N HCl水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、4−(4−ブロモ−3−メチル−ベンゼンスルホニル)−モルホリンを得て、これを更に精製することなくその後の反応で用いた。MS C11H14BrNO3S[M+]の計算値320.2、実測値321.9。
4−ブロモ−3−メチル−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミドの調製
ジイソプロピルエチルアミン(4.95mL、27.8mmol)を、0℃で、テトラヒドロフラン(25mL)中のジメチルアミン(3.70mL、55.6mmol)の撹拌した溶液に加え、反応混合物を室温で15分間撹拌した。テトラヒドロフラン中の4−ブロモ−3−メチル−ベンゼンスルホニルクロリド(3.0g、11mmol)の0.1 M溶液を、室温で加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を、減圧下で蒸発させて取り除いた。残留物を酢酸エチルで希釈し、無機塩をセライトベッドを通して濾過した。濾液を、2N HCl水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、4−ブロモ−3−メチル−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド2.90g(94%)を得て、これを更に精製することなくその後の反応で用いた。MS C9H12BrNO2S[M+]の計算値278.2、実測値280.0。
4−ブロモ−3−メチル−N−メチル−ベンゼンスルホンアミドの調製
メチルアミン(テトラヒドロフラン中2.0M、46.37mL、92.75mmol)を、テトラヒドロフラン中の4−ブロモ−3−メチル−ベンゼンスルホニルクロリド(5.0g、19mmol)の撹拌した溶液に0℃で加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、2.0N HCl水溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、4−ブロモ−3−メチル−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(4.2g、85.7%)を白色の固体として得た。MS C8H10BrNO2S[M+]の計算値264.1、実測値263.9。
3−(メタンスルホニル)ベンジルクロリドの調製
3−メタンスルファニル安息香酸メチルエステル
濃硫酸(3.4mL)を、3−メタンスルファニル安息香酸(5.0g、30mmol)及びメタノール(30mL)の氷冷混合物に滴下した。添加が完了した後、反応混合物を室温に温め、次に一晩撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮した。得られた油状物を酢酸エチルで希釈し、次に水で、続いて飽和重炭酸ナトリウムで、洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、3−メタンスルファニル安息香酸メチルエステル5.4gを清澄な油状物として得た。この粗生成物を更に精製することなくその後の工程で用いた。
(3−メタンスルファニル−フェニル)−メタノール
トルエン(90mL、90mmol)中の水素化ジイソブチルアルミニウム1.0M溶液を、トルエン(150mL)中の3−メタンスルファニル安息香酸メチルエステル(5.4g、30mmol)の−78℃の溶液に素早く滴下した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次に室温に温めた。室温で18時間撹拌後、反応混合物を0℃に冷却した。酢酸エチル(100mL)を注意深く加えて、過剰量の水素化ジイソブチルアルミニウムをクエンチした。混合物を酒石酸カリウムナトリウム飽和水溶液(300mL)と混合し、次に室温で1.5時間撹拌した。有機相を分離し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、(3−メタンスルファニル−フェニル)−メタノール4.57gを清澄な油状物として得た。この粗生成物を更に精製することなくその後の工程で用いた。
(3−メタンスルホニル−フェニル)−メタノール
ジクロロメタン(100mL)中の(3−メタンスルファニル−フェニル)−メタノール(4.57g、30mmol)の0℃の溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸(16g、93mmol)を1時間にわたり少しずつ加えた。反応混合物を、室温に温め、次に24時間撹拌した。反応混合物を、亜硫酸ナトリウムの飽和水溶液で、続いて重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で、洗浄した。有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Analogix SuperFlash(商標)カラム、ヘキサン中35%〜50%酢酸エチル)により、(3−メタンスルホニル−フェニル)−メタノール2.68g(3工程で49%)を白色の固体として得た。
3−(メタンスルホニル)ベンジルクロリド
トリフェニルホスフィン(7.5g、29mmol)、四塩化炭素(11.0mL、114mmol)及びテトラヒドロフラン(18mL)を混合し、室温で10分間撹拌した。テトラヒドロフラン18mL中の(3−メタンスルホニル−フェニル)−メタノール(2.68g、14.3mmol)の懸濁液を加え、次に反応混合物を、75℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、次に酢酸エチルと水で分液した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を油状の固体として得た。この粗生成物及びジクロロメタンの溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、Analogix SuperFlash(商標)カラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中15%〜35%酢酸エチル)により、3−(メタンスルホニル)ベンジルクロリド2.26g(77%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.01 (s, 1 H), 7.91 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.81 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.68 (t, J = 7.8 Hz, 1 H), 4.90 (s, 2 H), 3.24 (s, 3 H)。HRMS(EI+) C8H9ClO2S[M+]の計算値204.0012、実測値204.0012。
4−(エタンスルホニル)ベンジルクロリドの調製
(4−エタンスルファニル−フェニル)−メタノール
水素化ホウ素ナトリウム(3.2g、84mmol)を、4−エタンスルファニルベンズアルデヒド(7.0g、42mmol)及びメタノール(400mL)の氷冷混合物に、少しずつ徐々に加えた。添加が完了した後、反応混合物を室温に温め、次に1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた油状の固体を酢酸エチルで希釈し、次に水で洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、(4−エタンスルファニル−フェニル)−メタノール7gを、清澄な油状物として得た。この粗生成物を更に精製することなくその後の工程で用いた。
(4−エタンスルホニル−フェニル)−メタノール
ジクロロメタン(140mL)中、(4−エタンスルファニル−フェニル)−メタノール(7g、42mmol)の0℃の溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸(20g、99mmol)を、1.5時間にわたり少しずつ加えた。反応混合物を、室温に温め、次に18時間撹拌した。反応混合物を、亜硫酸ナトリウムの10%水溶液で、続いて重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物及びジクロロメタンの溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、Analogix SuperFlash(商標)カラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%〜60%酢酸エチル)により、(4−エタンスルホニル−フェニル)−メタノール4.87g(2工程で58%)を、白色の固体として得た。
4−(エタンスルホニル)ベンジルクロリド
トリフェニルホスフィン(12.77g、48.7mmol)、四塩化炭素(19.0mL、197mmol)及びテトラヒドロフラン(40mL)を混合し、室温で15分間撹拌した。テトラヒドロフラン45mL中の(4−エタンスルホニル−フェニル)−メタノール(4.87g、24.4mmol)の溶液を加え、次に反応混合物を75℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、次に酢酸エチル(100mL)と水(100mL)で分液した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を油状の固体として得た。この粗生成物及びジクロロメタンの溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、Analogix SuperFlash(商標)カラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中15%〜35%酢酸エチル)により、4−(エタンスルホニル)ベンジルクロリド5.16g(97%)を、白色の結晶質固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.88 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.70 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 4.86 (s, 2 H), 3.29 (q, J = 7.4 Hz, 2 H), 1.07 (t, J = 7.4 Hz, 3 H)。
4−(ベンジルスルファニル)ベンジルクロリドの調製
4−(ベンジルスルファニル)−ベンズアルデヒド
炭酸セシウム(12.81g、39.33mmol)、ベンジルメルカプタン(4.7mL、39mmol)、及びN,N,−ジメチルホルムアミド(80mL)の撹拌した混合物に、4−フルオロベンズアルデヒドを、数分間かけて徐々に加えた。反応混合物を、40℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、次に水(500mL)で希釈した。得られた混合物を、1N HCl水溶液を用いてpH4に酸性化し、次に酢酸エチルで抽出した(3×150mL)。合わせた有機層を、水及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物及びジクロロメタンの溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、Analogix SuperFlash(商標)カラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(100%ヘキサン〜ヘキサン中15%酢酸エチル)により、4−(ベンジルスルファニル)−ベンズアルデヒド7.70g(90%)を、僅かに桃色の固体として得た。
4−(ベンジルスルファニル−フェニル)−メタノール
水素化ホウ素ナトリウム(2.7g、67mmol)を、4−(ベンジルスルファニル)−ベンズアルデヒド(7.70g、33.7mmol)及びメタノール(150mL)の氷冷混合物に、3回に分けて徐々に加えた。添加が完了した後、反応混合物を室温に温め、次に1時間撹拌した。反応混合物を、氷浴中で再び冷却し、次に1N HCl水溶液(80mL)を加えた。得られた混合物を、水(600mL)で希釈し、次に酢酸エチル(3×250mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Analogix SuperFlash(商標)カラム、ヘキサン中5%〜50%酢酸エチル)により、(4−ベンジルスルファニル−フェニル)−メタノール6.33g(81%)を、白色の固体として得た。
4−(ベンジルスルファニル)ベンジルクロリド
トリフェニルホスフィン(14.9g、56.8mmol)、四塩化炭素(35mL、360mmol)、(4−ベンジルスルファニル−フェニル)−メタノール(6.33g、27.5mmol)、及びテトラヒドロフラン(120mL)を混合し、還流温度で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、次に酢酸エチルと水(750mL)で分液した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(Analogix SuperFlash(商標)カラム、100%ヘキサン〜ヘキサン中25%酢酸エチル)により、4−(ベンジルスルファニル)ベンジルクロリド4.57g(67%)を、オフホワイトの固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.16-7.44 (m, 9 H), 4.72 (s, 2 H), 4.26 (s, 2 H)。
4−(ベンゼンスルホニル)ベンジルクロリドの調製
4−(ベンゼンスルホニル)−ベンズアルデヒド
4−フルオロベンズアルデヒド(6g、48mmol)、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(7.5g、4.6mmol)、及びジメチルスルホキシド(30mL)の混合物を、100℃で20時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、次に酢酸エチルと水で分液した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、白色の固体を得た。この粗生成物及びジクロロメタンの溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(Analogix SuperFlash(商標)カラム、ヘキサン中15%〜40%酢酸エチル)により精製して、4−(ベンゼンスルホニル)−ベンズアルデヒド4.29g(41%)を、白色の固体として得た。
(4−ベンゼンスルホニル−フェニル)−メタノール
水素化ホウ素ナトリウム(777mg、20.5mmol)を、4−(ベンゼンスルホニル)−ベンズアルデヒド(4.29g、18.6mmol)及びテトラヒドロフラン(60mL)の0℃の溶液に、少しずつ徐々に加えた。反応混合物を、室温に温め、次に室温で4時間撹拌した。反応混合物を、次に氷水浴で冷却し、酢酸エチルで希釈し(80mL)、次に塩化アンモニウムの飽和水溶液(10mL)で注意深くクエンチした。混合物を、水(80mL)で洗浄し、次に有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、(4−ベンゼンスルホニル−フェニル)−メタノール2.83g(61%)を、白色の固体として得た。この生成物を更に精製することなくその後の工程で用いた。
4−(ベンゼンスルホニル)ベンジルクロリド
トリフェニルホスフィン(5.98g、22.8mmol)、四塩化炭素(9mL、93mmol)、(4−ベンゼンスルホニル−フェニル)−メタノール(2.83g、11.4mmol)及びテトラヒドロフラン(42mL)を混合し、100℃で4時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、次に酢酸エチル(100mL)と水(100mL)で分液した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を、油状の固体として得た。この粗生成物及びジクロロメタンの溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、Analogix SuperFlash(商標)カラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中15%〜35%酢酸エチル)により、4−(ベンゼンスルホニル)ベンジルクロリド3.09g(100%)を、白色の結晶質固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.89-8.04 (m, 4 H), 7.53-7.75 (m, 5 H), 4.81 (s, 2 H)。
2−(ベンゼンスルホニル)ベンジルクロリドの調製
2−(ベンゼンスルホニル)−ベンズアルデヒド
2−フルオロベンズアルデヒド(4.67g、37.6mmol)、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(6.79g、41.3mmol)、及びジメチルスルホキシド(30mL)の混合物を、95℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、次に酢酸エチルと水で分液した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、白色の固体を得た。この粗混合物のNMR分析から、未反応2−フルオロベンズアルデヒドが主成分であることが分かった。粗混合物を、ジメチルスルホキシド(30mL)に再び溶かし、次にベンゼンスルフィン酸ナトリウム(5.0g、30mmol)を加えた。得られた混合物を、95℃でさらに16時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、次に酢酸エチルと水で分液した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。この粗生成物及びジクロロメタンの溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、Analogix SuperFlash(商標)カラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5%〜35%酢酸エチル)により、2−(ベンゼンスルホニル)−ベンズアルデヒド1.96g(23%)を、清澄な無色の油状物として得て、これは時間が経つと部分的に凝固した。
(2−ベンゼンスルホニル−フェニル)−メタノール
水素化ホウ素ナトリウム(690mg、18.2mmol)を、2−(ベンゼンスルホニル)−ベンズアルデヒド(1.98g、8.04mmol)及びメタノール(50mL)の溶液に加えた。反応混合物を室温で撹拌した。激しい泡立ちがおさまった時点で、反応混合物を氷水浴中で冷却し、次に1.0N HCl水溶液(20mL)で注意深くクエンチした。混合物を濃縮して、メタノールを除去し、次に残留物を水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、(2−ベンゼンスルホニル−フェニル)−メタノール1.94g(97%)を油状物として得た。この生成物を更に精製することなくその後の工程で用いた。
2−(ベンゼンスルホニル)ベンジルクロリド
トリフェニルホスフィン(4.08g、15.5mmol)、四塩化炭素(7.0mL、73mmol)、(2−ベンゼンスルホニル−フェニル)−メタノール(1.90g、7.65mmol)及びテトラヒドロフラン(40mL)を混合し、2時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷まし、次に室温で60時間撹拌した。反応混合物を、水で希釈し、次に酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を油状の固体として得た。この粗生成物及びジクロロメタンの溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、Analogix SuperFlash(商標)カラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0%〜15%酢酸エチル)により、2−(ベンゼンスルホニル)ベンジルクロリド1.73g(85%)をオフホワイトの結晶質固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.14 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.93 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 7.56 - 7.82 (m, 6 H), 5.07 (s, 2 H)。HRMS(EI+) C13H11ClO2S[M+]の計算値266.0168、実測値266.0168。
3−(1−メチルテトラゾール−5−イル)ベンジルクロリドの調製
3−(クロロメチル)−N−メチル−ベンズアミド
トルエン(125mL)中の3−(クロロメチル)−安息香酸(34.1g、200mmol)の溶液に、塩化チオニル(21.9mL、300mmol)を室温で加えた。得られた溶液を15時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷まし、減圧下で濃縮した。得られた油状残留物を、トルエンと共沸させ、高真空下で乾燥させて、粗酸クロリドを得た。ジクロロメタン(400mL)中の上記粗酸クロリド(200mmol)の懸濁液に、メチルアミン塩酸塩(14.9g、220mmol)を−5℃〜0℃で加えた。ジイソプロピルエチルアミン(69.6mL、400mmol)を、0℃で15〜20分間かけて滴下した。添加完了後、混合物を0℃で45分間撹拌し、次に室温に温めた。室温で15分間撹拌した後、反応混合物を水(300mL)で希釈し、水層をジクロロメタン(100mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過及び濃縮により粗固体を得て、これを約60〜70℃でトルエンに溶解した。得られた溶液を、冷蔵庫に一晩放置し、沈殿した固体を濾過により回収し、次にヘキサンで洗浄した。風乾させた後、3−(クロロメチル)−N−メチル−ベンズアミド(80%)を、明黄色の固体として単離した。
3−(1−メチルテトラゾール−5−イル)ベンジルクロリド
トルエン(100mL)中の3−(クロロメチル)−N−メチル−ベンズアミド(27.2g、148mmol)の懸濁液に、室温で塩化チオニル(16.2mL、222mmol)を加えた。得られた懸濁液を、15時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷まし、次に減圧下で濃縮した。残留物を、トルエンと共沸させ、高真空下で乾燥させた。アセトニトリル(140mL)中のアジ化ナトリウム(11.6g、178mmol)の懸濁液に、クロロトリメチルシラン(23.7mL、187mmol)を室温で加え、懸濁液を1.5時間撹拌した。反応混合物を、−10℃に冷却し、上記アセトニトリル(40mL)中の粗イミドイルクロリド(148mmol)を5分間かけて加えた。混合物を、0℃で2時間撹拌し、次に室温で15時間撹拌した。反応混合物を、水(200mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過及び濃縮により、明黄色の固体を得て、これをヘキサン−酢酸エチル(220mL、11:9比率)中に60〜70℃で溶解した。得られた溶液を、冷蔵庫に放置し、沈殿した固体を濾過により回収し、ヘキサンで洗浄した。風乾させた後、3−(1−メチルテトラゾール−5−イル)ベンジルクロリドを、白色の無定形の固体24.5g(79.5%)として単離した。融点63〜65℃;HRMS(ES+) C9H9ClN4[(M+H)+]の計算値209.0589、実測値209.0588。
4−(1−メチルテトラゾール−5−イル)ベンジルクロリドの調製
4−(クロロメチル)−N−メチル−ベンズアミド
トルエン(100mL)中の4−(クロロメチル)−安息香酸(8.53g、50mmol)の溶液に、塩化チオニル(14.5mL、200mmol)を室温で加えた。得られた溶液を、15時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷まし、減圧下で濃縮した。得られた油状残留物をトルエンで共沸し、高真空下で乾燥させ、粗酸クロリドを得た。ジクロロメタン(110mL)中の上記粗酸クロリド(50mmol)の懸濁液に、メチルアミン塩酸塩(3.72g、55mmol)を−5℃〜0℃で加えた。ジイソプロピルエチルアミン(19.3mL、110mmol)を0℃で15〜20分間かけて滴下した。添加完了後、混合物を0℃で45分間撹拌し、次に室温に温めた。室温で15分間撹拌後、反応混合物を水で希釈し、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過及び濃縮により、粗固体を得て、これを約60〜70℃でトルエンに溶解した。得られた溶液を、冷蔵庫に一晩放置し、沈殿した固体を濾過により回収し、次にヘキサンで洗浄した。風乾させた後、4−(クロロメチル)−N−メチル−ベンズアミドを、明黄色の固体として単離した。
4−(1−メチルテトラゾール−5−イル)ベンジルクロリド
トルエン(200mL)中の4−(クロロメチル)−N−メチル−ベンズアミド(50mmol)の懸濁液に、塩化チオニル(29.1mL、400mmol)を室温で加えた。得られた懸濁液を、15時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷まし、次に減圧下で濃縮した。残留物を、トルエンと共沸させ、高真空下で乾燥させた。アセトニトリル(100mL)中のアジ化ナトリウム(4.55g、70mmol)の懸濁液に、クロロトリメチルシラン(9.15mL、73.4mmol)を室温で加え、懸濁液を1.5時間撹拌した。反応混合物を、−10℃に冷却し、上記アセトニトリル(65mL)中の粗イミドイルクロリド(50mmol)を5分間かけて加えた。混合物を、0℃で2時間撹拌し、次に室温で15時間撹拌した。反応混合物を、水で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過及び濃縮により明黄色の固体を得て、これを、60〜70℃で、ヘキサン−酢酸エチル(220mL、11:9比率)に溶解した。得られた溶液を、冷蔵庫に一晩放置し、沈殿した固体を濾過により回収し、ヘキサンで洗浄した。風乾させた後、4−(1−メチルテトラゾール−5−イル)ベンジルクロリドを、白色の固体6.26g(60%)として単離した。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.76 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.61 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 4.67 (s, 2 H), 4.20 (s, 3 H)。HRMS(ES+) C9H9ClN4[(M+H)+]の計算値209.0589、実測値209.0588。
1−クロロメチル−4−メタンスルホニルメチルベンゼンの調製
(4−メタンスルホニルメチル−フェニル)−メタノール
トルエン(44mL、44mmol)中の水素化ジイソブチルアルミニウム1.0M溶液を、4−(メタンスルホニルメチル)安息香酸メチル(4.00g、17.5mmol)及びトルエン(220mL)の0℃の溶液に徐々に滴下した。添加が完了した後、反応混合物を室温に温め、次に室温で16時間撹拌した。この後、薄層クロマトグラフィーから、出発物質が幾分残存していることが分かった。反応混合物を、0℃に冷却し、次にさらにトルエン(44mL、44mmol)中の1.0M水素化ジイソブチルアルミニウムを、冷反応混合物に、徐々に滴下した。反応混合物を室温に温め、次に20分間撹拌した。反応混合物を再び0℃に冷却した。酢酸エチル(50mL)、続いてメタノール(1mL)を加えた。反応混合物を0℃で6分間放置すると、その間に混合物は濁って濃くなった。酒石酸カリウムナトリウムの飽和水溶液を加え、不均一な混合物を室温に温めた。水と追加の酢酸エチル(50mL)を加えた。有機相を分離し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、(4−メタン−スルホニルメチル−フェニル)−メタノール2.18g(62%)を、白色の固体として得た。
1−クロロメチル−4−メタンスルホニルメチルベンゼン
トリフェニルホスフィン(5.71g、21.8mmol)、四塩化炭素(8.4mL、87mmol)、及びテトラヒドロフラン(12mL)を、アルゴン下、丸底フラスコ内で混合し、室温で10分間撹拌した。(4−メタンスルホニルメチル−フェニル)−メタノール(2.18g、10.9mmol)及びテトラヒドロフラン(37mL)の不均一な混合物を、反応混合物に加え、次に混合物を75℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、次に酢酸エチルと水で分液した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を油状の固体として得た。この粗生成物及びジクロロメタンの溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、RediSep(登録商標)フラッシュカラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25%〜40%酢酸エチル)により、1−クロロメチル−4−メタンスルホニルメチルベンゼン1.59g(67%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.47 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.41 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 4.78 (s, 2 H), 4.50 (s, 2 H), 2.91 (s, 3 H)。
(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert−ブチルエステルの調製
4−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−ブタ−2,3−ジエン酸エチルエステル
メチルtert−ブチルエーテル100mL及びDMF250μL中の(4−フルオロ−フェニル)−酢酸(22.33g、144.9mmol)の溶液に、塩化オキサリル13.02mL(146.3mmol)を、室温で30分間かけて滴下した。得られた混合物を、室温でさらに20分間撹拌(HPLCから、反応が完了したことが分かった)し、次に、内部温度を0〜15℃の間に維持しながら、全溶液を1時間かけて、メチルtert−ブチルエーテル100mL中のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(50.48mL、289.8mmol)及び2−(トリフェニルホスホラニリデン)プロピオン酸エチル(50.0g、138.0mmol)の溶液に滴下した。添加が完了した後、反応混合物を、0〜10℃でさらに10分間撹拌すると、HPLCから、反応が完了したことが分かった。反応混合物を、次にヘプタン100mLで希釈し、0〜10℃で30分間撹拌した。得られた固体を、濾過し、1:1メチルtert−ブチルエーテル:ヘプタン(2×100mL)で洗浄した。濾液と洗浄液とを混合し、水100mL、1Mクエン酸100mL、水 2×100mLで洗浄し、次に25℃/60mmHgで共沸濃縮し全量約40mLにした。残留物をメチルtert−ブチルエーテル60mLで希釈した。この溶液をその後次の工程にそのまま使用した。
2−エトキシカルボニル−3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−4−メチル−ペンタン二酸1−tert−ブチルエステル5−エチルエステル
マロン酸tert−ブチルエステルエチルエステル(30.08g、151.8mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド200mL中のカリウムtert−ブトキシド(16.30g、138.0mmol)の溶液に、反応温度を約25℃に保持して、加えた。得られた混合物に、次に、反応温度を20〜28℃の間に保持するような速度で、上記で調製した4−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−ブタ−2,3−ジエン酸エチルエステルの溶液を加えた。添加が完了した後、反応混合物を、室温で20分間撹拌すると、HPLCから、反応が完了したことが分かった。混合物を、次に1Mクエン酸100mL及び氷水150mLで処理し、次にメチルtert−ブチルエーテル400mLで抽出した。有機抽出物を分離し、水 2×200mLで洗浄し、次に濃縮して、黄色の油状物56.36gを得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−メタ−(Z)−イリデン]−2−メチル−ペンタン二酸5−tert−ブチルエステル
上記で調製したマロン酸エステル誘導体(56.36g、138mmol)を、無水エタノール280mLに溶解した。水酸化リチウム(1M溶液、414.0mL、414.0mmol)を15分間かけて徐々に加え、得られた反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を次に3時間加熱還流した(HPLC分析から、脱カルボキシル化が完了したことが分かった)。この時点で、溶液を30℃/30mmHgで濃縮して、溶媒約350mLを除去した。残留物を10℃に冷却し、濃塩酸(32.0mL、389.7mmol)を滴下して処理し、pHを2.75に調整した。反応混合物を、次にメチルtert−ブチルエーテル(400mL)で抽出した。有機相を分離し、水200mLで洗浄し、次に水150mL中の1M炭酸ナトリウム17.00mLで処理し、さらに水200mLで洗浄し、次に30℃/80mmHgで共沸濃縮して、油状物を得た。メチルtert−ブチルエーテル(200mL)を加え、残留物を30℃/80mmHgで共沸濃縮して、黄色の油状物38.3gを得て更に精製することなく次の工程で用いた。
(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert−ブチルエステル
上記の調製した3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−メタ−(Z)−イリデン]−2−メチル−ペンタン二酸5−tert−ブチルエステル(38.3g、124.2mmol)を、無水酢酸(96.00mL、995.3mmol)に溶解した。この溶液に、酢酸カリウム(18.66g、186.3mmol)を加え、反応混合物を、85±2℃で10時間撹拌すると、HPLC分析から、反応が完了したことが分かった。反応混合物を、次に室温に冷まし、ヘプタン96mLで希釈した。この溶液に、内部温度を約23℃に維持しながら、水270mLを1時間かけて加えた。混合物を次に0〜5℃に冷却し、2時間撹拌した。生成した固体を濾過し、次に水(2×40mL)、ヘプタン(2×40mL)で洗浄し、次に減圧下で乾燥させて、黄色の固体28.5gを得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert−ブチルエステル
メタノール140mL中の上記調製した(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert−ブチルエステル(28.4g、85.44mmol)の混合物に、ナトリウムメトキシド(25%メタノール溶液、23.44mL、102.5mmol)をすばやく滴下した。得られた反応混合物を、室温で20分間撹拌すると、HPLC分析から、反応が完了したことが分かった。混合物を、0℃に冷却し、次に1N 塩酸溶液(111.1mL、111.1mmol)でpH2に酸性化した。混合物を、次に0〜5℃でさらに30分間撹拌した。得られた固体を濾過し、水(2×40mL)で洗浄し、次に減圧下で一晩乾燥(40℃)させて、(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert−ブチルエステル23.7gを、明黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.09 (s, 1 H), 7.76-7.86 (m, 2 H), 7.26-7.35 (m, 2 H), 3.71 (s, 2 H), 2.23 (s, 3 H), 1.41 (s, 9 H)。
(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert−ブチルエステル
ジクロロメタン48.0mL中の(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert−ブチルエステル(8.00g、27.52mmol)の溶液を、0〜5℃に冷却した。この溶液に、ピリジン(4.451mL、55.04mmol)を1回で加えた。次に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.556mL、33.04mmol)を、5分間かけて滴下して、内部温度を5〜15℃の間に維持した。得られた反応混合物を、10℃でさらに10分間撹拌し、次に室温まで温め、さらに5分間撹拌した。HPLC分析から、出発物質のフェノールが完全に消失したことが分かった。反応混合物を、次に水40.0mLでクエンチした。有機層を分離し、1Mクエン酸(33.33mL、33.33mmol)で、続いて水40.0mLで洗浄した。得られた有機層を次に濃縮し粘性の油状物を得て、1:1 ジクロロメタン:ヘプタン20mLに溶解し、薄層シリカゲルプラグ(1:1ジクロロメタン:ヘプタンで溶離)を通して濾過して、(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert−ブチルエステル11.5gを、オフホワイトの固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.13 (dd, J = 8.9, 5.7 Hz, 1 H), 8.00 (s, 1 H), 7.60 (dd, J = 8.9, 2.1 Hz, 1 H), 7.49-7.56 (m, 1 H), 3.91 (s, 2 H), 2.41 (s, 3 H), 1.39 (s, 9 H)。
パートII:対象化合物の調製
実施例1−1
[4−(4−ジメチルスルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
2−トリメチルシラニルエチニル−ベンズアルデヒド
無水テトラヒドロフラン(200mL)中の2−ブロモ−ベンズアルデヒド(20.0g、108.1mmol)の溶液を、室温で30分間アルゴンを用いて脱ガスした。上記溶液に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(Pd(PPh3)2Cl2)(3.79g、5.4mmol)を加え、混合物を再度さらに15分間脱ガスした。反応混合物に、トリメチルシラニルアセチレン(33.97mL、216.2mmol)、ヨウ化銅(I)(1.0g、5.4mmol)及びトリエチルアミン(29.5mL、216.2mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。テトラヒドロフランを、減圧下で除去した。残留物に水(100mL)を加え、得られた混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黒色の粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100〜200メッシュ、ヘキサン中2〜5%酢酸エチル)により、2−トリメチルシラニルエチニル−ベンズアルデヒド(18.0g、82%)を褐色の固体として得た。MS(ESI+) C12H14OSi[(M+H)+]の計算値202、実測値203。
2−エチニル−ベンズアルデヒド
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の2−トリメチルシラニルエチニル−ベンズアルデヒド(6g、29.70mmol)の溶液に、フッ化カリウム(1g、17.2mmol)を加えた。反応混合物を、室温で30分間撹拌した。得られた溶液を水に注ぎ、次にジクロロメタンで抽出した。回収した有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中0〜25%酢酸エチル)により、2−エチニル−ベンズアルデヒド(2.8g、73%)を白色の固体として得た。MS(ESI+) C9H6O[(M+H)+]の計算値130、実測値131。
4−(2−ホルミル−フェニルエチニル)−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド
4−ブロモ−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(610mg、2.31mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(Pd(PPh3)2Cl2)(33mg、0.05mmol)、ヨウ化銅(I)(5mg、0.03mmol)及びトリエチルアミン(3mL)の混合物を、アルゴンで脱ガスした。上記混合物に、アセトニトリル(3mL)中の2−エチニル−ベンズアルデヒド(300mg、2.31mmol)の脱ガスした溶液を加えた。得られた混合物を、アルゴン下で、80℃で3時間加熱し、次に室温に冷まし、酢酸エチルで処理し、次に水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中5〜40%酢酸エチル)により、4−(2−ホルミル−フェニルエチニル)−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド(454mg、63%)を、褐色の油状物として得た。MS(ESI+) C17H15NO3S[(M+H)+]の計算値313、実測値314。
[4−(4−ジメチルスルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸エチルエステル
無水ジオキサン(10mL)中の臭化金(III)(38mg、0.087mmol)、4−オキソ−酪酸エチルエステル(377mg、2.9mmol)及び4−(2−ホルミル−フェニルエチニル)−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド(454mg、1.45mmol)の懸濁液を、100℃で4時間加熱した。室温に冷ました後、混合物を酢酸エチルで処理し、次に水で洗浄した。回収した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中25〜60%酢酸エチル)により、[4−(4−ジメチルスルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸エチルエステル(180mg、29%)を得た。MS(ESI+) C23H23NO5S[(M+H)+]の計算値425、実測値426。
[4−(4−ジメチルスルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
テトラヒドロフラン:水(1:1;4mL)中の[4−(4−ジメチルスルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸エチルエステル(180g、0.42mmol)の撹拌した溶液に、水酸化リチウム(40mg、0.97mmol)を室温で加え、得られた混合物を、6時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をジエチルエーテル(5×5mL)で洗浄し、次に50%塩酸水溶液(10mL)で酸性化し、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。回収した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗固体を得て、これをさらにヘキサン/酢酸エチル/エーテル混合物で洗浄し、凍結乾燥させて、純粋な[4−(4−ジメチルスルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(130g、77%)を、褐色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.35 (br. s, 1 H), 7.96 - 8.11 (m, 5 H), 7.91 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.52 - 7.68 (m, 3 H), 3.83 (s, 2 H), 2.66 (s, 6 H);HRMS C21H19NO5S(ESI+)[(M+H)+]の計算値398.1057、実測値398.1056。
実施例1−2〜1−5
以下の実施例1−2〜1−5を、適切な市販の又は調製したアルデヒド、ハロゲン化アリール、及び4−オキソ−酪酸メチルエステル(又はエチルエステル)から出発して、実施例1−1と類似の方法で調製した。
実施例2−1
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
(4−メタンスルホニル−フェニルエチニル)−トリメチル−シラン
ブロモ−4−メタンスルホニルベンゼン(50.78g、213mmol)を、3口丸底フラスコに入れ、アルゴンでパージした。ヨウ化銅(I)(2.05g、10.6mmol)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(PdCl2(PPh3)2)(7.55g、10.6mmol)を、アルゴンでパージしながら加え、続いてトリエチルアミン(200mL)及び無水ジクロロメタン(200mL)を加えた。(トリメチルシリル)アセチレン(61mL、425mmol)を加え、反応混合物を、室温で72時間かけて撹拌した。混合物を濃縮し、次に酢酸エチルと水で分液した。合わせた有機層を、1N塩酸、水、及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗(4−メタンスルホニル−フェニルエチニル)−トリメチル−シラン(54g、213mmol)を得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。 MS(ESI+) C12H16O2SSi[(M+H)+]の計算値252、実測値253。
1−エチニル−4−メタンスルホニル−ベンゼン
テトラヒドロフラン(450mL)中の(4−メタンスルホニル−フェニルエチニル)−トリメチル−シラン(20.7g、82.0mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム水和物(8.80g、27.3mmol)を加えた。黄色から赤色への色の変化が直ちに観察された。5分間後、この反応は完了し、溶媒を減圧下で除去した。水を加え、得られた混合物を、次に3回酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をジクロロメタン中に懸濁し、不溶性物質を濾別した。濾液を濃縮して、粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中0〜25%酢酸エチル)により、1−エチニル−4−メタンスルホニル−ベンゼン(10.7g、収率72%)を、黄色の固体として得た。
4−フルオロ−2−(4−メタンスルホニル−フェニルエチニル)−ベンズアルデヒド
ジクロロメタン(10mL)中の1−エチニル−4−メタンスルホニル−ベンゼン(2.5g、13.87mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.49g、0.69mmol)、ヨウ化銅(I)(0.13g、0.69mmol)、トリエチルアミン(28mL)、及び2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド(3.38g、16mmol)の脱ガスした混合物を、80℃で3.5時間、次に室温で一晩撹拌した。反応混合物を、ジクロロメタンと水で分液し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中15〜35%酢酸エチル)により、4−フルオロ−2−(4−メタンスルホニル−フェニルエチニル)−ベンズアルデヒド(3.32g、79%)を得た。MS(ESI+) C16H11FO3S[(M+H)+]の計算値302、実測値302。
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸エチルエステル
ジオキサン(8mL)中の4−フルオロ−2−(4−メタンスルホニル−フェニルエチニル)−ベンズアルデヒド(1.74g、5.77mmol)及び臭化金(III)(0.15g、0.35mmol)の混合物に、4−オキソ−酪酸エチルエステル(1.50g、11.53mmol)を加えた。反応混合物を、窒素下、100℃で4時間加熱した。溶媒を減圧下で除去して、深紅の粘性油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中25〜65%酢酸エチル)により、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸エチルエステル(0.63g、26%)を得た。MS(ESI+) C22H19FO5S[(M+H)+]の計算値414、実測値415。幾つかのケースでは、この反応はまた、若干量の[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸が生成されたことに留意されたい。
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
テトラヒドロフラン(6mL)及び水(6mL)中の[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸エチルエステル(0.63g、1.52mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.83g、1.98mmol)を加えた。反応混合物を、3時間加熱還流した。室温に冷ました後、さらに水を加え、テトラヒドロフランを減圧下で除去した。4N塩酸約2mLでpHを2に調整した。得られた明黄褐色の固体を、濾過により回収して、純粋な[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(0.53g、90%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.48 (br. s, 1 H), 8.15 (s, 1 H), 8.12 - 8.20 (m, 1 H), 8.11 (d, J = 8.3 Hz, 2 H), 8.00 (d, J = 8.3 Hz, 2 H), 7.90 (dd, J = 11.5, 2.4 Hz, 1 H), 7.70 (s, 1 H), 7.57 (td, J = 8.8, 2.4 Hz, 1 H), 3.82 (s, 2H), 3.32 (br. s, 3 H);HRMS C20H15FO5S(ES+)[(M+Na)+]の計算値409.0516、実測値409.0515。
実施例2−2〜2−32
以下の実施例2−2〜2−32を、適切な市販の又は調製したアルデヒド及びハロゲン化アリール及び4−オキソ−酪酸エチルエステル(又はメチルエステル)から出発して、実施例2−1と類似の方法で調製した。
実施例3−1
{6−フルオロ−4−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
4−(4−ブロモ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
トリエチルアミン(0.94mL、6.71mmol)を、テトラヒドロフラン(6mL)中のN−tert−ブトキシカルボニルピペラジン(0.50g、2.68mmol)の撹拌した反応混合物に0℃で加え、次に反応混合物を室温で15分間撹拌した。テトラヒドロフラン(4mL)中の4−ブロモ−ベンゼンスルホニルクロリド(0.686g、2.68mmol)の溶液を反応混合物に加え、さらに2時間撹拌を続けた。テトラヒドロフランを減圧下で蒸発により取り除き、次に反応混合物を、酢酸エチル(20mL)で希釈した。無機物質をセライトベッドを通して濾別した。濾液を、2N HCl水溶液(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、4−(4−ブロモ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.00g(92%)を白色の固体として得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。MS C15H21BrN2O4S[(M+NH4)+]の計算値422、実測値422.1。
4−(4−トリメチルシラニルエチニル−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
トリメチルシリルアセチレン(0.70mL、4.94mmol)及びトリエチルアミン(2.80mL、19.74mmol)を、脱水ジクロロメタン(12mL)中の4−(4−ブロモ−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.00g、2.468mmol)の撹拌した溶液に加え、次に反応混合物を室温で30分間アルゴンで脱ガスした。反応混合物に、Pd(PPh3)2Cl2(0.173g、0.25mmol)及びCuI(0.047g、0.25mmol)を加え、次に反応混合物をアルゴン雰囲気下50℃で14時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、次に減圧下で濃縮して、粗残留物を得て、これをジクロロメタン(20mL)に溶解し、水(2×5mL)及びブライン(5mL)で洗浄した。有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、黒色の粗生成物を得て、これを最終的にシリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン2:23〜ヘキサン中酢酸エチル2:18)を用いて精製し、4−(4−トリメチルシラニルエチニル−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.20g(80%)を褐色の固体として得た。MS C20H30N2O4SSi[(M+NH4)+]の計算値440、実測値440.0。
4−[4−(5−フルオロ−2−ホルミル−フェニルエチニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
脱水N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中の4−(4−トリメチルシラニルエチニル−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.100g、9.70mmol)の溶液を、室温で30分間アルゴンで脱ガスした。フッ化カリウム(1.690g、29.10mmol)を加え、次に反応混合物をさらに30分間アルゴンで再度パージした。こうして生成した脱保護されたアセチレン中間体は、単離しなかった。上記反応混合物に、Pd(PPh3)2Cl2(0.681g、0.97mmol)、CuI(4.100g、0.97mmol)、2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド(1.780g、8.73mmol)及びトリエチルアミン(2.00mL、14.55mmol)を同時に加え、さらに2時間撹拌を続けた。水(60mL)を加え、次に反応混合物を、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(2×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、黒色の粗生成物を得て、これをシリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%酢酸エチル)を用いて精製し、4−[4−(5−フルオロ−2−ホルミル−フェニルエチニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル2.00g(43.9%)を黄色の固体として得た。MS C24H25FN2O5S[(M+NH4)+]の計算値490、実測値490.4。
4−フルオロ−2−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−フェニルエチニル]−ベンズアルデヒド
トリフルオロ酢酸(1.18mL、15.87mmol)を、ジクロロメタン(10mL)中の4−[4−(5−フルオロ−2−ホルミル−フェニルエチニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.500g、1.06mmol)の撹拌した溶液に、0℃で加えた。反応混合物を、室温で4時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。粘性の液体をエーテル(3×5mL)で洗浄して、4−フルオロ−2−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−フェニルエチニル]−ベンズアルデヒド0.310g(60.2%)を黄色の固体として得た。MS C19H17FN2O3S[(M+H)+]の計算値373、実測値373.3。
{6−フルオロ−4−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステル
無水1,4−ジオキサン(10mL)中の4−フルオロ−2−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−フェニルエチニル]−ベンズアルデヒド(0.500g、1.03mmol)の撹拌した溶液に、アルゴン雰囲気下、室温で、4−オキソ酪酸エチルエステル(0.200g、1.54mmol)を加えた。臭化金(III)(0.135g、0.31mmol)を加え、反応混合物を110℃で5時間撹拌した。室温に冷ました後、反応混合物を減圧下で濃縮し、次に酢酸エチル(20mL)で希釈した。有機相を、水(2×5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗{6−フルオロ−4−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステル0.466g(65%)を明褐色の油状物として得た。トリエチルアミン(0.35mL、2.51mmol)を、ジクロロメタン(10mL)中の上記粗生成物の撹拌した混合物に0℃で加えた。反応混合物を、15分間0℃で撹拌した。ジ−tert−ブチル−ジカルボナート(0.23mL、1.09mmol)を、反応混合物に0℃で滴下し、次に反応混合物を、室温で14時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(15mL)で希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(5mL)で、続いて水(5mL)で洗浄した。有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これをシリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン=1:19)で精製した。得られた精製tert−ブチルカルバマート(0.110g)を、ジクロロメタンに溶解し、次に混合物を撹拌しながら0℃に冷却した。過剰量のトリフルオロ酢酸を窒素下、冷反応混合物に加え、次に反応混合物を4時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮して、粘性の油状物を得て、これをジエチルエーテルでトリチュレートして、純粋な{6−フルオロ−4−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステルを黄色の固体として得た。MS C25H25FN2O5S[(M+H)+]の計算値485、実測値485.2。
{6−フルオロ−4−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
テトラヒドロフラン(6mL)中の{6−フルオロ−4−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステル(0.100g、0.17mmol)の撹拌した溶液に、水(1.5mL)中の水酸化リチウム一水和物(0.035g、0.83mmol)の溶液を加え、反応混合物を、室温で48時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、水(8mL)で希釈し、酢酸エチル(2×5mL)で洗浄した。水層を、1N塩酸の水溶液で酸性化し、次に酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、{6−フルオロ−4−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸0.050g(52%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.13 - 8.17 (m, 1 H), 8.12 (s, 1 H), 7.99 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.93 - 7.98 (m, 1 H), 7.89 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.67 (s, 1 H), 7.57 (td, J = 8.6, 2.0 Hz, 1 H), 3.76 (s, 2 H), 2.89 (br. s, 4 H), 2.76 (br. s, 4 H)。MS C23H21FN2O5S[M+]の計算値456、実測値456.9。
実施例4−1
4−[4−(3−カルボキシメチル−7−フルオロ−ナフタレン−1−カルボニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
4−[4−(3−エトキシカルボニルメチル−7−フルオロ−ナフタレン−1−カルボニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
トリエチルアミン(0.19mL、1.34mmol)を、ジクロロメタン(7mL)中の{6−フルオロ−4−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステル(0.200g、0.33mmol、上記のとおり調製した)の撹拌した反応混合物に、0℃で徐々に加えた。反応混合物を、室温で15分間撹拌した。エチルクロロホルマート(0.07mL、0.73mmol)を反応混合物に徐々に加え、撹拌を室温でさらに3時間続けた。混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、次に重炭酸ナトリウム(5mL)の飽和溶液及び水(5mL)で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィー(1:3酢酸エチル−ヘキサン)により精製して、4−[4−(3−エトキシカルボニルメチル−7−フルオロ−ナフタレン−1−カルボニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル0.077g(41.4%)を、粘性の黄色の固体として得た。MS C28H29FN2O7S([M+H]+)の計算値556、実測値557.2。
4−[4−(3−カルボキシメチル−7−フルオロ−ナフタレン−1−カルボニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
テトラヒドロフラン(12mL)中の4−[4−(3−エトキシカルボニルメチル−7−フルオロ−ナフタレン−1−カルボニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(0.110g、0.20mmol)の撹拌した溶液に、水(3mL)中の水酸化リチウム一水和物(0.042g、0.99mmol)の溶液を加え、反応混合物を、室温で14時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、水(6mL)で希釈し、酢酸エチル(2×5mL)で洗浄した。水層を1N塩酸の水溶液で酸性化し、次に酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、4−[4−(3−カルボキシメチル−7−フルオロ−ナフタレン−1−カルボニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル0.058(56%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.51 (br. s, 1 H), 8.10 - 8.20 (m, 2 H), 8.00 (d, J = 8.3 Hz, 2 H), 7.90 (d, J = 8.3 Hz, 2 H), 7.82 - 7.88 (m, 1 H), 7.72 (s, 1 H), 7.57 (td, J = 8.7, 2.2 Hz, 1 H), 3.99 (q, J = 6.9 Hz, 2 H), 3.82 (s, 2 H), 3.46 (br. s, 4 H), 2.96 (br. s, 4 H), 1.13 (t, J = 6.9 Hz, 3 H)。MS C26H25FN2O7S([M+H]+)の計算値529、実測値529.3。
実施例4−2
以下の実施例4−2を、{6−フルオロ−4−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステル及びジ−tert−ブチルジカルボナートから出発して、実施例4−1と類似の方法で調製した。
実施例5−1
{6−フルオロ−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
{6−フルオロ−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステル
トリエチルアミン(0.04mL、0.27mmol)を、アセトニトリル(4mL)中の{6−フルオロ−4−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステル(0.10g、0.17mmol)の撹拌した混合物に0℃で加え、反応混合物を、15分間撹拌した。ホルムアルデヒド(0.02mL、0.83mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.017g、0.27mmol)を反応混合物に0℃で加え、次に混合物をさらに15分間撹拌した。反応混合物を、酢酸を徐々に加えてpH約7に中和した。反応混合物を濃縮し、残留物を、2.0NKOH水溶液を加えてアルカリ性にした。得られた混合物を、ジエチルエーテル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲル(100〜200メッシュ)カラムクロマトグラフィー(4:1酢酸エチル−ヘキサン)により、{6−フルオロ−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステル0.05g(60%)をオフホワイトの粘着性の固体として得た。MS C26H27FN2O5S([M+H]+)の計算値499、実測値499.3。
{6−フルオロ−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
テトラヒドロフラン(6mL)中の{6−フルオロ−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステル(0.05g、0.10mmol)の撹拌した溶液に、水(1.5mL)中の水酸化リチウム一水和物(0.021g、0.50mmol)の溶液を加え、反応混合物を、室温で48時間撹拌した。溶媒を減圧下で留去し、次に残留物を水(4mL)で希釈し、酢酸エチル(2×3mL)で洗浄して、不要の有機生成物を除去した。水層を分離し、1.0N塩酸水溶液でpH約3〜4に酸性化した。得られた混合物を、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、{6−フルオロ−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゾイル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸0.020g(42%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.09 - 8.19 (m, 2 H), 7.84 - 8.05 (m, 5 H), 7.71 (s, 1 H), 7.48 - 7.61 (m, 1 H), 3.81 (s, 2 H), 2.97 (br. s, 4 H), 2.38 (br. s, 4 H), 2.15 (s, 3 H)。MS C24H23FN2O5S([M+H]+)の計算値471、実測値471.3。
実施例6−1
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
1,2−ジクロロエタン(40mL)中の4−フルオロ−2−(4−メタンスルホニル−フェニルエチニル)−ベンズアルデヒド(実施例2−1、第3工程)(2.02g、6.68mmol)及びペンタ−3−イン酸メチルエステル(3.03g、26.8mmol)の混合物に、臭化金(III)(0.264g、1.18mmol)を加えた。得られた混合物を、80℃で2時間加熱してから、さらに臭化金(III)(0.125g、0.59mmol)を加えた。さらに2時間後、別の臭化金(III)(0.125g、0.59mmol)を加えた。計6時間加熱した後、反応混合物を室温に冷まし、溶媒を除去して、褐色の油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(Aspire FlashReady(商標)、50μm、ヘキサン中30%酢酸エチル)により、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(87mg、3.1%)を得た。HRMS(ESI+) C22H19FO5S[(M+Na)+]の計算値437.0829、実測値437.0827。
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(182mg、0.44mmol)から出発して、実施例2−1、最終工程に記載したものと同様の方法を用いて、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(131mg、75%)を固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 12.55 (br. s, 1 H), 7.98 - 8.14 (m, 4 H), 7.93 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 7.38 - 7.51 (m, 1 H), 6.99 (dd, J = 10.7, 2.3 Hz, 1 H), 3.88 (s, 2 H), 3.29 (s, 3 H), 2.14 (s, 3 H); HRMS(ESI+) C20H17FO5S[(M+Na)+]の計算値423.0672、実測値423.0673。
実施例6−2〜6−3
以下の実施例6−2〜6−3を、適切な市販の又は調製したアルデヒド及びハロゲン化アリール及びペンタ−3−イン酸メチルエステルから出発して、実施例6−1と類似の方法で調製した。
実施例7−1
2−[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸
2−[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸メチルエステル
テトラヒドロフラン(1.5mL)中でインサイチューで[ジイソプロピルアミン(0.33mmol)及びn−ブチルリチウム(0.36mmol)から]生成したリチウムジイソプロピルアミド(LDA)(0.33mmol)に、−78℃で窒素下、テトラヒドロフラン(1.0mL)中の[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(0.120g、0.30mmol、スキーム2に記載の実施例2−1の前駆体と類似の方法で調製した)の溶液を滴下した。反応混合物を、−78℃で30分間撹拌した。ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)(2.4mL)中のヨウ化メチル(0.051g、0.36mmol)を次に滴下した。得られた混合物を、−78℃で20分間撹拌し、次に−30℃に温め、さらに2時間撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(2mL)でクエンチし、得られた混合物を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100〜200メッシュ、ヘキサン中20%酢酸エチル)により、2−[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸メチルエステル(0.070g、56.4%)をオフホワイトの固体として得た。MS C22H19FO5S[(M+H)+]の計算値415、実測値415。
2−[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸
2−[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸メチルエステル(0.070g、0.17mmol)から出発して、実施例1−1、最終工程に記載されたものと同様の方法を用いて、2−[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸(0.040g、59.7%)を半個体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.58 (s, 1 H), 8.17 - 8.23 (m, 2 H), 8.11 (d, J = 8.7 Hz, 2 H), 8.00 (d, J = 8.7 Hz, 2 H), 7.87 (dd, J = 11.4, 2.3 Hz, 1 H), 7.70 (d, J = 1.7 Hz, 1 H), 7.58 (td, J = 8.9, 2.6 Hz, 1 H), 3.88 - 3.98 (m, 1 H), 3.57 (s, 3 H), 1.46 (d, J = 7.1 Hz, 3 H);MS C21H17FO5S[(M+H)+]の計算値401、実測値401。
実施例8−1
[4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
メタノール(8mL)中の[6−メチル−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(実施例2−28)(70mg、0.183mmol)の溶液を、流速1mL/分、10%パラジウム担持炭触媒カートリッジ付きのH-Cube水素化反応器で、10バール水素圧下、30℃で水素化した。反応が完了した(TLCによりモニタリングした、ジクロロメタン中4%メタノール)後、溶媒を減圧下で濃縮した。逆相分取HPLC(Varian Pursuit(登録商標)C−18カラム[10μm、20×150mm]を使用したWaters(登録商標)Delta-Prep(商標)3000を用いる)により、[4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(14.4mg、21%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 7.83 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.74 (d, J = 8.7 Hz, 1 H), 7.66 (s, 1H), 7.60 (s, 1 H), 7.38 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.32 (d, J = 8.7 Hz, 1 H), 7.22 (s, 1 H), 4.48 (s, 2 H), 3.78 (s, 2 H), 3.02 (s, 3 H), 2.46 (s, 3 H); HRMS C21H20O4S(ESI+)[(M+Na)+]の計算値391.0974、実測値391.0976。
実施例8−2〜8−9
以下の実施例8−2〜8−9は、対応するケトン誘導体から出発して、実施例8−1と類似の方法で調製した。
実施例9−1
[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
メタノール(20mL)中の[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(実施例2−1のエチルエステル前駆体と類似の方法により調製した)の溶液を、流速1mL/分、10%パラジウム担持炭触媒カートリッジ付きのH-Cube水素化反応器で、10バール水素圧下、30℃で水素化した。反応により、[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]酢酸メチルエステル及び対応するアルコール{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メチルスルファモイル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸メチルエステル、実施例20−1の前駆体、の混合物を得た。逆相分取HPLC(Varian Pursuit(登録商標)C−18カラム[10μm、20×150mm]を使用したWaters(登録商標)Delta-Prep(商標)3000を用いる)を用いてこれらの生成物を分離して、[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(3.0mg)を、白色の固体として得た。MS C21H20FNO4S[(M+H+)]の計算値401、実測値402。
[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステルから出発して、実施例2−1、最終工程に記載したものと同様の方法を用いて、[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(2.8mg、96%)を黄色の油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.84 (dd, J = 9.1, 5.7 Hz, 1 H), 7.76 (d, J = 7.9 Hz, 2 H), 7.70 (s, 1 H), 7.44 (d, J = 10.6 Hz, 1 H), 7.32 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 7.28 (s, 1 H), 4.43 (s, 3 H), 3.81 (s, 2 H), 2.65 (d, J = 5.4 Hz, 3 H); HRMS C21H20O4S[(M+Na)+]の計算値410.0833、実測値410.0833。
実施例10−1
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
実施例10−1を調製するための第1の方法
2−(4−フルオロ−ベンジリデン)−3−メチル−コハク酸1−メチルエステル
滴下用添加漏斗及び撹拌機付の2Lの3口フラスコに、アルゴンガス気流下、水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)18.63g(0.466mol)を入れた。水素化ナトリウムを、ヘキサン各100mLで2回、及びトルエン100mLで1回洗浄し、鉱油を除去した。反応フラスコに、次に、トルエン(220mL)続いて触媒量のメタノール(0.5mL、12.3mmol)を入れた。4−フルオロベンズアルデヒド(21mL、0.196mol)及びメチルコハク酸ジメチル(87.61g、0.547mol)の混合物を、機械撹拌した溶液に滴下した。滴下は、反応温度が35℃より高くならず、水素ガスが、一定の、穏やかな速度で発生するように、1.5時間かけて徐々に行った。滴下完了後、反応混合物を3時間撹拌した。反応混合物を、氷水浴で冷却した。濃HCl(100mL)を、反応温度が20℃を超えないような速度で、徐々に滴下した。水(100mL)を加え、2相混合物を分液漏斗に注いだ。有機層を分離し、次に1M炭酸カリウム水溶液で2回抽出した。合わせた水性抽出物を、濃HClで、注意深くpH2に酸性化した。得られた濁った懸濁液を、ジエチルエーテル各500mLで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2−(4−フルオロ−ベンジリデン)−3−メチル−コハク酸1−メチルエステルを橙色の油状物として得たが、これは、過剰量のメチルコハク酸ジメチルを主な不純物として、そして他の不純物を少量含有していた。この粗生成物を更に精製することなく次に反応に用いた。
4−アセトキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル
無水酢酸(490mL)中の粗2−(4−フルオロ−ベンジリデン)−3−メチル−コハク酸 1−メチルエステル(約49g、0.196mol)の溶液に、酢酸ナトリウム(32.15g、0.392mol)を1回で加えた。反応混合物を、150℃で3時間撹拌した。この後、反応混合物を室温に冷まし、次に一晩撹拌した。無水酢酸を減圧下で除去して、粘性の褐色の油状物を得た。この粗生成物を酢酸エチルに溶解した。得られた溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Analogix SuperFlash(商標)、ヘキサン中10%酢酸エチル)により、4−アセトキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル18.4g(34%)を、黄色の油状物として得た。
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル
炭酸カリウム(46g、0.33mol)、水(260mL)、及びアセトン(260mL)の不均一な混合物を、0℃で、メタノール(1L)中の4−アセトキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(18.4g、0.066mol)の溶液に、3回に分けて加えた。得られた混合物を、0℃で15分間撹拌し、次に室温に温め、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残りの油状懸濁液を、酢酸エチルで希釈し、1N HCl水溶液で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮して、6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル9.64g(62%)を、帯黄褐色の固体として得た。HRMS(ES−) C13H11FO3[(M−H)−]の計算値233.0619、実測値233.0619。
4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル
ベンジルブロミド(10mL、82.51mmol)を、アセトン(300mL)中の6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(15.56g、66.43mmol)及び炭酸カリウム(19.26g、136.6mmol)の混合物に加えた。反応混合物を、3時間加熱還流した。アセトンを減圧下で除去した。残留物を水で希釈し、得られた混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。ヘキサン中の25%酢酸エチル中の粗生成物の濃縮溶液を、Analogix SuperFlash(商標)カラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25〜50%酢酸エチル)により、4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル14.27g(収率66%)を僅かに黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.34 (s, 1 H), 8.19 (dd, J = 8.9, 5.9 Hz, 1 H), 7.64 (dd, J = 10.7, 2.3 Hz, 1 H), 7.57 (d, J = 6.6 Hz, 2 H), 7.36 - 7.54 (m, 4 H), 4.98 (s, 2 H), 3.89 (s, 3 H), 2.56 (s, 3 H)。
(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−メタノール
丸底フラスコに水素化アルミニウムリチウム(3.5g、88mmol)を入れ、フラスコを食塩水/氷浴に置いた。テトラヒドロフラン(100mL)を徐々に加えた。得られた溶液を撹拌しながら−4℃に保持した。テトラヒドロフラン(30mL)中の4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(14.27g、44.00mmol)の溶液を、冷水素化アルミニウムリチウム懸濁液に、滴下漏斗で徐々に滴下した。滴下速度を反応温度が6℃を超えないように制御した。滴下完了後、反応物を室温に温めた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。この後、反応混合物を、氷浴中で4℃に冷却した。反応温度を4℃未満に維持しながら、水(3.5mL)を徐々に加えた。次に15% NaOH水溶液(3.5mL)を、続いて追加の水(10.5mL)を加えた。沈殿した固体を濾過し、次に酢酸エチルですすいだ。合わせた濾液を濃縮して、(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−メタノール13.09g(定量的収率)を、白色の固体として得た。この生成物をさらに精製することなく次の工程で用いた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.00 (dd, J = 8.9, 5.9 Hz, 1 H), 7.77 (s, 1 H), 7.54 - 7.63 (m, 3 H), 7.31 - 7.51 (m, 4 H), 5.26 - 5.35 (m, 1 H), 4.94 (s, 2 H), 4.64 (d, J = 5.1 Hz, 2 H), 2.34 (s, 3 H)。
1−ベンジルオキシ−3−クロロメチル−7−フルオロ−2−メチル−ナフタレン
3口丸底フラスコに、アルゴン雰囲気下、トリフェニルホスフィン(23.33g、88.34mmol)、テトラヒドロフラン(70mL)、及び四塩化炭素(35mL、0.36mol)を入れた。得られた混合物を、室温で20分間撹拌した。テトラヒドロフラン(50mL)中の(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−メタノール(13.09g、44.17mmol)の溶液を、反応混合物に添加漏斗を通してすばやく加えた。反応混合物を、1時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷まし、溶媒を減圧下で除去した。残留物を水で希釈し、得られた混合物を、酢酸エチルで2回抽出した。有機相を水で2回洗浄し、得られた水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Analogix SuperFlash(商標)カラム、ヘキサン中10〜25%ジクロロメタン)を用いることにより精製して、1−ベンジルオキシ−3−クロロメチル−7−フルオロ−2−メチル−ナフタレン10.8g(77%)を、白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.02 (dd, J = 8.9, 5.9 Hz, 1 H), 7.89 (s, 1 H), 7.53 - 7.65 (m, 3 H), 7.35 - 7.50 (m, 4 H), 4.97 (s, 4 H), 2.47 (s, 3 H)。
(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
1−ベンジルオキシ−3−クロロメチル−7−フルオロ−2−メチル−ナフタレン(10.84g、34.44mmol)、PdCl2(PPh3)2(1.22g、1.72mmol、0.05当量)、及び炭酸カリウム(5.04g、36.50mmol、1.06当量)を含む2Lの丸底フラスコを脱気し、次に一酸化炭素ガスを充填した。COガスを常に満たすために、一酸化炭素のバルーンをこの反応フラスコに取り付けた。テトラヒドロフラン(120mL)、続いてメタノール(58mL)を反応混合物に加えた。反応混合物を、室温で3時間撹拌し、次に水(600mL)で希釈した。得られた混合物を、酢酸エチル各300mLで2回抽出した。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物12.6gを得た。フラッシュクロマトグラフィー(Analogix SuperFlash(商標)、ヘキサン中0〜15%酢酸エチル)を用いて、(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル11.7g(定量的収率)を清澄な無色の油状物として単離し、室温で放置すると結晶化した。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.96 (dd, J = 9.1, 5.7 Hz, 1 H), 7.65 (s, 1 H), 7.52 - 7.62 (m, 3 H), 7.32 - 7.50 (m, 4 H), 4.94 (s, 2 H), 3.89 (s, 2 H), 3.64 (s, 3 H), 2.31 (s, 3 H)。
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
丸底フラスコに、エタノール(350mL)中の(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(11.7g、34.58mmol)を入れた。エタノール中、出発物質のすべてを溶解するには、多少の加熱が必要であった。10%パラジウム担持炭スパチュラ一さじをこの反応フラスコに加えた。反応混合物を、水素ガス1気圧下、室温で一晩撹拌した。この後、水素ガス約750mLが消費されたようであり、TLC(1:3酢酸エチル−ヘキサン)から、出発物質が消費されたことが分かった。反応混合物を、セライトベッドで濾過した。濾液を濃縮し、(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル7.91g(92%)を得て、更に精製することなく次の工程で用いた。MS(ES−) C14H13FO3[(M−H)−]の計算値247、実測値247.1。
(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.35mL、2.1mmol)を、ジクロロメタン(12.0mL)中の(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(400mg、1.61mmol)及びピリジン(0.195mL、2.42mmol)の溶液に0℃で滴下した。反応混合物を、0℃で30分間撹拌した。反応混合物を、室温に温め、4時間撹拌した。反応混合物を、次に0℃に冷却した。水(150mL)を加え、混合物をジクロロメタン各50mLで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、黄色の油状物を得た。ジクロロメタン中のこの粗生成物の溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された生成物をフラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中28%酢酸エチル)に付し、(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル514mg(84%)を白色の結晶質固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.82 (dd, J = 8.9, 5.6 Hz, 1 H), 7.73 (s, 1 H), 7.64 (d, J = 10.0 Hz, 1 H), 7.27 - 7.35 (m, 1 H), 3.84 (s, 2 H), 3.73 (s, 3 H), 2.49 (s, 3 H)。HRMS(ES+) C15H12F4O5S[(M+Na)+]の計算値403.0234、実測値403.0233。
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
工程1.ベンジル亜鉛クロリドの調製:オーブンで乾燥させた、250mLの3口丸底フラスコに、窒素下で、亜鉛末(13.08g、200mmol)及び事前に乾燥させた塩化リチウム(8.47g、200mmol)を入れた。混合物を171℃に加熱し、高真空下で1.5時間撹拌した。混合物を室温に冷ました。反応フラスコに窒素を充填し、温度計を備え付けた。灰色の亜鉛/塩化リチウム混合物に、新たに蒸留したテトラヒドロフラン(8mL)を窒素下で加えた。次に、1,2−ジブロモエタン(0.52mL、6.0mmol)を加えた。亜鉛懸濁液を次に穏やかにヒートガンで加熱し、沸騰させた。放冷し(50℃)た後、混合物を再加熱した。この方法を3回繰り返して、亜鉛末が完全に活性化したことを確認した。活性化された亜鉛末を次にトリメチルシリルクロリド(0.761mL、6.0mmol)で処理し、懸濁液を室温で15分間撹拌した。反応混合物を、次に脱水テトラヒドロフラン(25mL)中の4−メタンスルホニルベンジルクロリド(10.24g、50.0mmol)の溶液を5〜10℃(水を用いた氷浴)で滴下処理した。添加後、反応混合物を、周囲温度の水浴中で室温に温めた。2時間後、亜鉛挿入反応が完了(NH4Clの飽和溶液でクエンチし、次に酢酸エチルで希釈した反応混合物からの少量のアリコートのTLC分析が示したとおり)した。反応混合物を、新たに蒸留したテトラヒドロフラン(25mL)で希釈し、撹拌を停止して、過剰量の亜鉛末を15時間かけて沈降させた。
工程2.根岸カップリング反応: 別の反応フラスコにおいて、酢酸パラジウム(II)(643mg、2.86mmol)及びS-Phos(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル)(2.35g、5.73mmol)を、新たに蒸留したテトラヒドロフラン(80mL)と、窒素下、室温で混合した。得られた混合物を、室温で10分間撹拌した。新たに蒸留したテトラヒドロフラン(80mL)中の(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(10.92g、28.66mmol)の溶液を、明褐色の反応混合物に加えた。2〜3分間後、テトラヒドロフラン(上記で調製した)中のベンジル亜鉛試薬を室温で加えた。得られた暗褐色の溶液を60℃で1時間加熱した。この間に、最初の暗褐色の溶液は、濁った明褐色に変化し、その後徐々に暗褐色の溶液に変化した。反応混合物を室温に冷まし、次に飽和塩化アンモニウム溶液(200mL)で希釈した。有機化合物を酢酸エチル(2×150mL)に抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(200mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。これをまず、1kgのシリカゲルプラグ[ヘキサン(500mL)で溶離、ヘキサン中(1.0L)20%酢酸エチルとヘキサン中40%〜60%酢酸エチル(各々2.0L)]で精製した。この精製により、純粋な画分から、所望の純粋な物質9.33gと不純化合物約4.0gを得た。不純生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中0〜40%酢酸エチルで溶離)で再度精製して、所望の生成物をさらに2g得た。合わせた[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステルの収量は、11.33g(98%)であり、明黄色の固体として単離した。HRMS(EI+) C22H21FO4S [M+]の計算値400.1145、実測値400.1144。
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(11.33g、28.3mmol)から出発して、実施例2−1、最終工程に記載したものと同様の方法を用いることにより、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸を得た。アセトニトリルから再結晶化してさらに精製し、生成物2個として最終生成物を、白色の固体10.07g(92%)として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.77 - 7.85 (m, 3 H), 7.72 (s, 1 H), 7.39 (d, J = 11.8 Hz, 1 H), 7.16 - 7.26 (m, 3 H), 4.54 (s, 2 H), 3.91 (s, 2 H), 3.03 (s, 3 H), 2.38 (s, 3 H) ;HRMS(ESI+) C21H19O4SF[(M+Na)+]の計算値409.0880、実測値409.0880。
実施例10−1を調製するための第2の方法
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸tert−ブチルエステル
DMF(45.00mL)中のZn粉末(14.21g、213.1mmol)の混合物に、トリメチルクロロシラン(910.5μL、7.102mmol)をシリンジで加え、反応混合物を室温で30分間撹拌した。DMF 35.00mL中の1−クロロメチル−4−メタンスルホニル−ベンゼン(19.28g、92.33mmol)の溶液を、次にシリンジで5分間かけて加えた(シリンジをさらにDMF 5mLですすいだ)。反応温度が45℃に上昇したとき、冷水浴を用いて、35〜45℃の間の反応温度に維持し、反応混合物を、その温度範囲でさらに20分間撹拌した。トリフラートXXXVI-a(スキーム25で上述のとおり調製、30.00g、71.02mmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(254.3mg、0.355mmol)を次に加え、得られた反応混合物を10分間かけて64℃に加熱し、反応を開始させた。次に外部熱源を取り除くと、内部温度は67℃に上昇し、徐々に64℃に下がった。反応混合物を、64±3℃で3時間撹拌すると、HPLC分析から、99.7%が変換されたことが分かった。反応混合物を、次に15℃に冷却し、酢酸エチル150mL及び水15mLで希釈した。得られた混合物を、室温で20〜30分間撹拌し、次にセライトの薄層ケーキを通して濾過した。セライトケーキを酢酸エチル(3×30mL)で洗浄し、合わせた有機相を水(2×150mL)で洗浄し、次に濃縮(25℃/60mmHg)し、粗[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸tert−ブチルエステル35.1gを得て、これを更に精製することなく次の工程で直接使用した。
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
上記tert−ブチルエステル(43.00g、97.16mmol)を、新しく調製した、温かい(35℃)4:1 トリフルオロ酢酸水溶液(240mL)に溶解した。得られた混合物を、30〜35℃で30分間撹拌し、次に水(336mL)で希釈した。温かい混合物(約30℃)を、次に濾過し、水(3×200mL)で洗浄し、次に減圧下で一晩乾燥させ、白色の固体36.28gを得たが、これは、1.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含有していた。固体をさらに真空下50℃で一晩乾燥させ、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸35.7gを白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.44 (br. s, 1 H), 7.95 (dd, J = 8.8, 6.3 Hz, 1 H), 7.77-7.83 (m, 3 H), 7.68 (d, J = 12.0 Hz, 1 H), 7.36 (td, J = 8.8, 2.3 Hz, 1 H), 7.29 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 4.60 (s, 2 H), 3.84 (s, 2 H), 3.15 (s, 3 H), 2.32 (s, 3 H)。
実施例10−2〜10−13
根岸カップリング工程において、表示の置換ベンズアルデヒド及びメチルコハク酸ジメチルから出発して、表示のベンジルクロリドを、ベンジル酸亜鉛試薬の前駆体として用いることにより、以下の実施例10−2〜10−13を、実施例10−1を調製するための第1の方法と類似の方法で調製した。
実施例11−1
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンジル)−
ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルファニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
工程1.ベンジル亜鉛クロリドの調製: オーブン乾燥させた、ゴムセプタム及びL型アダプターを備えた、50mLの3口丸底フラスコに、亜鉛末(1.3g、20mmol)及びあらかじめ乾燥させた塩化リチウム(850mg、20mmol)を、窒素下で加えた。フラスコを171℃に加熱し、高真空下で1.5時間撹拌した。混合物を次に室温に冷まし、窒素で充填した。この灰色の混合物に、脱水テトラヒドロフラン(2mL)を窒素下で加えた。次に、反応混合物を、1,2−ジブロモエタン(0.170mL、2.0mmol)で処理した。懸濁液をヒートガンで穏やかに加熱し沸騰させ、次に放冷し(約50℃)、そして再度加熱還流した。この方法を3回繰り返して、亜鉛末が完全に活性化したことを確認した。活性化された亜鉛末を、次にトリメチルシリルクロリド(0.254mL、2.0mmol)で処理し、懸濁液を室温で15分間撹拌した。反応混合物を、次に脱水テトラヒドロフラン(5mL)中の(4−トリフルオロメタンスルファニル)ベンジルクロリド(1.13g、5.0mmol)の溶液で、5〜10℃(氷水浴)で5〜10分間、滴下処理した。添加が完了した後、反応混合物を、室温に温めた。周囲温度水浴を、温度が50℃を超えないように、必要に応じて用いた。反応混合物を、室温で2時間撹拌し、次に脱水テトラヒドロフラン(5mL)で希釈した。撹拌を停止し、過剰量の亜鉛末を約3時間かけて沈降させた。
工程2.根岸カップリング反応: 別の反応フラスコで、酢酸パラジウム(II)(34mg、0.15mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S-Phos)(123mg、0.3mmol)を、窒素下、脱水テトラヒドロフラン(3mL)と混合し、混合物を5分間撹拌した。脱水テトラヒドロフラン(5mL)中の(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(570mg、1.5mmol)の溶液を、上記明褐色の溶液に加えた。2〜3分間後、上記新しく調製した、テトラヒドロフラン中の清澄な有機亜鉛化合物を、室温で加えた。得られた暗褐色の溶液を、61℃(油浴温度)に1時間加熱した。この1時間の間に、最初の暗褐色の溶液は、濁った明褐色に変化し、次に徐々に暗褐色の溶液に変化した。反応混合物を室温に冷まし、飽和塩化アンモニウム溶液(50mL)で希釈した。有機化合物を酢酸エチル(2×50mL)に抽出し、合わせた有機抽出物をブライン溶液(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。これをISCO RediSep(登録商標)フラッシュカラム(230〜400メッシュ、ヘキサン中0〜15%酢酸エチルで溶離)を用いて、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルファニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(460mg、80%)を明褐色の固体として得た。:HRMS(ESI+) C22H18F4O2S [(M+H)+]の計算値423.1037、実測値423.1038。
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
ジクロロメタン(10mL)中の[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルファニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(392mg、0.93mmol)の溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸(480mg、2.78mmol)を約10℃で加えた。得られた清澄な溶液を、−10℃〜0℃の間の温度で30分間撹拌し、次にそれを室温に温めた。得られた清澄な溶液を、15時間撹拌すると、白色の固体が生じた。次に、反応混合物を、水(20mL)で希釈し、ジクロロメタンを減圧下で除去した。有機化合物を、酢酸エチル(2×40mL)に抽出し、有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液(3×50mL)で洗浄した。次に、酢酸エチル層をブライン溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物を、ISCO RediSep(登録商標)フラッシュカラム(230〜400メッシュ、ヘキサン中0〜30%酢酸エチルで溶離)を用いて、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(404mg、96%)を白色の固体として得た。HRMS(ES−) C22H18F4O4S [(M−H)−]の計算値453.0789、実測値453.0790。
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
テトラヒドロフラン(15mL)中の[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(395mg、0.87mmol)の溶液に、水(3mL)中の水酸化リチウム一水和物(208mg、8.7mmol)の溶液を室温で加えた。得られた清澄な溶液を15時間撹拌した。次に、テトラヒドロフランを、減圧下で除去し、残留物を水(10mL)で希釈した。水溶液を、1.0N塩酸で酸性化し、有機化合物を酢酸エチル(2×20mL)に抽出した。合わせた有機抽出物をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾過し、溶媒を減圧下で濃縮して、[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルホニル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸343mg(90%)を白色の固体として得た。融点=200〜201℃:1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.45 (br. s, 1 H), 8.04 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.96 (dd, J = 9.1, 6.0 Hz, 1 H), 7.81 (s, 1 H), 7.69-7.80 (m, 1 H), 7.48 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.29-7.43 (m, 1 H), 4.71 (s, 2 H), 3.84 (s, 2 H), 2.30 (s, 3 H)。ES(+)−HRMS C21H16F4O4S [(M+Na)+]の計算値463.0597、実測値463.0598。
実施例11−2〜11−3
(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステルから出発して、適切なベンジルクロリドをベンジル酸亜鉛試薬の前駆体として、以下の実施例11−2〜11−3を、実施例11−1と類似の方法で調製した。
実施例12−1
[6−フルオロ−4−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イルメチル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
工程1.ベンジル亜鉛クロリドの調製: オーブン乾燥させた、ゴムセプタム及びアルゴン注入口を備えた100mLの3口丸底フラスコに、窒素下、亜鉛末(4.82g、73.6mmol)及びあらかじめ乾燥させた塩化リチウム(3.12g、73.6mmol)を加えた。フラスコを高真空下、170℃で1.5時間加熱した。混合物を次に50℃に冷却し、アルゴンを充填した。この灰色の混合物に、脱水テトラヒドロフラン(5mL)及び1,2−ジブロモエタン(0.20mL、2.3mmol)を加えた。得られた懸濁液をヒートガンで穏やかに加熱して、沸騰させ、次に放冷し(約50℃)、再度加熱還流した。この方法を3回繰り返して、亜鉛末が完全に活性化したことを確認した。活性化された亜鉛末を、次にトリメチルシリルクロリド(0.29mL、2.3mmol)で処理し、懸濁液を室温で15分間撹拌した。反応混合物を、5℃に冷却し、次に脱水テトラヒドロフラン(14mL)中の(4−ベンジルオキシ)ベンジルクロリド(4.29g、18.4mmol)の溶液で5〜10分間かけて滴下処理した。添加が完了した後、反応混合物を室温に温め、次に室温で3時間撹拌した。温度が50℃を超えないように、周囲温度水浴を必要に応じて用いた。3時間後、撹拌を停止し、過剰量の亜鉛末を数時間かけて沈降させた。
工程2.根岸カップリング反応: 別の反応フラスコで、酢酸パラジウム(II)(236mg、1.05mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S-Phos)(891mg、2.1mmol)を、アルゴン下、乾燥テトラヒドロフラン(20mL)と混合した。混合物を室温で5分間撹拌した。脱水テトラヒドロフラン(10mL)中の(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(4.0g、1.5mmol)の溶液を上記明褐色の溶液に加えた。2〜3分間後、テトラヒドロフラン中の上記新しく調製した、清澄な有機亜鉛化合物を室温で加えた。得られた橙色の溶液を61℃(油浴温度)に30分間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)で希釈した。有機化合物を、酢酸エチル(2×100mL)に抽出し、合わせた有機抽出物をブライン溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。シリカゲルプラグ(ジクロロメタンで溶離)を用いて、[4−(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(460mg、80%)4.23g(84%)を、純度90%の固体として得た。この生成物を、更に精製することなく次の反応で用いた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.92 (dd, J = 8.9, 6.2 Hz, 1 H), 7.75 (s, 1 H), 7.65 (dd, J = 12.2, 2.0 Hz, 1 H), 7.25 - 7.47 (m, 6 H), 6.95 (d, J = 8.7 Hz, 2 H), 6.88 (d, J = 8.7 Hz, 2 H), 5.01 (s, 2 H), 4.38 (s, 2 H), 3.93 (s, 2 H), 3.64 (s, 3 H), 2.31 (s, 3 H)。
[6−フルオロ−4−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
エタノール(250mL)中の[4−(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(4.17g、9.73mmol)を丸底フラスコに入れた。スパチュラ一さじの10%パラジウム担持炭を、この反応フラスコに加えた。反応混合物を、水素ガス1気圧下、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、次にセライトベッドで濾過した。濾液を濃縮して、[6−フルオロ−4−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル3.96g(100%)を得て、これを更に精製することなく次の工程で用いた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.17 (br. s, 1 H), 7.91 (dd, J = 8.7, 6.2 Hz, 1 H), 7.74 (s, 1 H), 7.64 (dd, J = 12.2, 1.9 Hz, 1 H), 7.33 (td, J = 8.7, 1.9 Hz, 1 H), 6.83 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 6.62 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 4.32 (s, 2 H), 3.93 (s, 2 H), 3.64 (s, 3 H), 2.30 (s, 3 H)。
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.6mL、15.0mmol)を、ジクロロメタン(100mL)中の[6−フルオロ−4−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(3.9g、11.5mmol)及びピリジン(1.4mL、17.4mmol)の溶液に、−6℃で滴下した。反応混合物を、室温に温め、1時間撹拌した。反応混合物を、次に4℃に冷却した。水(20mL)を加え、有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。ジクロロメタン中のこの粗生成物の溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Analogix SuperFlash(商標)カラム、ヘキサン中5%〜20%酢酸エチル)に付して、[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル3.8g(70%)を白色の固体として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.94 (dd, J = 8.9, 6.2 Hz, 1 H), 7.79 (s, 1 H), 7.70 (dd, J = 12.1, 1.8 Hz, 1 H), 7.37 (d, J = 8.8 Hz, 2 H), 7.29-7.38 (m, 1 H), 7.20 (d, J = 8.8 Hz, 2 H), 4.53 (s, 2 H), 3.94 (s, 2 H), 3.64 (s, 3 H), 2.29 (s, 3 H)。
[6−フルオロ−4−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イルメチル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ベンジル)−ナフタレン−2−イル)]−酢酸メチルエステル(117mg、0.25mmol)、4−メタンスルホニルフェニルボロン酸(150mg、0.75mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(18mg、0.025mmol)、及び炭酸セシウム(244mg、0.75mmol)の混合物に、ジメトキシエタン(5mL)を窒素雰囲気下、室温で加えた。得られた褐色の反応混合物を95℃に加熱し、15時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、水(50mL)及び酢酸エチル(50mL)で希釈した。2つの層を分離し、水層を酢酸エチル(25mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、着色した残留物を得て、これをISCO RediSep(登録商標)フラッシュカラム(230〜400メッシュ、ヘキサン中5〜30%酢酸エチルで溶離)を用いて、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、[6−フルオロ−4−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イルメチル)−3−メチルナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル49mg(41%)を非晶質の白色の固体として得た。HRMS(ES+) C28H25FO4S [(M+Na)+]の計算値499.1350、実測値499.1350。
[6−フルオロ−4−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イルメチル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−4−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イルメチル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステルから出発して、実施例2−1、最終工程に記載された方法と同様の方法を用いて、[6−フルオロ−4−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イルメチル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸を、白色の固体39mg(83%)として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) d ppm 12.52 (br. s, 1 H), 7.94 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.87 - 7.97 (m, 1 H), 7.86 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.75 (s, 1 H), 7.69 (d, J = 11.8 Hz, 1 H), 7.62 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.33 (td, J = 8.5, 1.8 Hz, 1 H), 7.17 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 4.52 (s, 2 H), 3.81 (s, 2 H), 3.22 (s, 3 H), 2.35 (s, 3 H)。HRMS(ES−) C27H23FO4S [(M−H)−]の計算値461.1228、実測値461.1226。
実施例12−2
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル及びピリミジン−5−ボロン酸から出発して、実施例12−1と類似の方法で、以下の実施例12−2を調製した。
実施例13−1
[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.52mL、20.8mmol)を、ジクロロメタン(120mL)及びピリジン(1.95mL、24.2mmol)中の6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(3.75g、16.0mmol)の0℃の溶液に、30分間かけて滴下した。得られた混合物を、撹拌しながら徐々に室温に温め、反応混合物を室温で3.5時間撹拌した。この後、反応混合物を0℃に冷却した。水(150mL)を加え、有機相を分離した。有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、褐色の固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(Aspire FlashReady(商標)、50μm、ヘキサン中10%〜18%酢酸エチル)により、6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタン−スルホニルオキシナフタレン−2−カルボン酸メチルエステルを黄色の結晶質固体4.52g(77%)として得た。HRMS(EI+) C14H10F4O5S [M+]の計算値366.0185、実測値366.0186。
4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル
工程1:ベンジル亜鉛クロリドの調製 オーブンで乾燥させた、250mLの3口丸底フラスコに、アルゴン下、亜鉛末(1.80g、27.5mmol)及びあらかじめ乾燥させた塩化リチウム(1.17g、27.5mmol)を入れた。混合物を、高真空下、170℃(油浴温度)で2時間加熱した。混合物を室温に冷ました。反応フラスコにアルゴンを充填し、温度プローブを備え付けた。灰色の亜鉛/塩化リチウム混合物に、アルゴン下、新たに蒸留したテトラヒドロフラン(2.5mL)を加えた。次に、1,2−ジブロモエタン(0.20mL、2.3mmol)を加えた。亜鉛懸濁液を、次に激しく撹拌し、ヒートガンで穏やかに加熱し、沸騰させた。50℃に放冷した後、混合物を再度加熱した。この方法を2度繰り返して、亜鉛末が完全に活性化したことを確認した。3回目の加熱沸騰後、反応混合物を撹拌しながら35℃に冷却した。活性化した亜鉛末懸濁液を次にクロロトリメチルシラン(0.220mL、1.72mmol)で処理し、混合物を室温で10分間撹拌した。反応混合物を氷水浴中で冷却し、次に脱水テトラヒドロフラン(9mL)中の4−エタンスルホニルベンジルクロリド(3.00g、13.7mmol)の溶液で滴下処理した。添加後、反応混合物を4℃で3分間撹拌し、次に周囲温度水浴中で室温に温めた。周囲温度水浴中で2.5時間撹拌後、反応混合物を、40℃で2.5分間手短に撹拌した。反応混合物を室温に放冷し、次に新たに蒸留したテトラヒドロフラン(7mL)で希釈した。撹拌を停止し、反応混合物を、アルゴン下、亜鉛末が完全に沈降するように室温で30時間放置した。このように調製したベンジル酸亜鉛クロリドを、続いて根岸カップリング工程に用いた。
工程2:根岸カップリング反応 別の反応フラスコで、酢酸パラジウム(II)(135mg、0.601mmol)及びS-Phos(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル)(493mg、1.20mmol)を、アルゴン下、室温で、新たに蒸留したテトラヒドロフラン(8mL)と混合した。新たに蒸留したテトラヒドロフラン(24mL)中の6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(2.2g、6.0mmol)の溶液を、明褐色の反応混合物に加えた。テトラヒドロフラン中のベンジル酸亜鉛試薬(上記で調製した)を、次に室温で加えた。得られた暗褐色の溶液を60℃で1.25時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、次に塩化アンモニウムの飽和水溶液で希釈した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。ジクロロメタン中の粗生成物の溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、Analogix SuperFlash(商標)カラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25%〜35%酢酸エチル)により、4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル2.09g(87%)を明黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.37 (s, 1 H), 8.16 (dd, J = 9.1, 6.3 Hz, 1 H), 7.74 - 7.81 (m, 1 H), 7.74 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.45 (td, J = 8.6, 2.1 Hz, 1 H), 7.28 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 4.63 (s, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 3.20 (q, J = 7.3 Hz, 2 H), 2.48 (br. s, 3 H), 1.04 (t, J = 7.3 Hz, 3 H)。HRMS(ES+) C22H21FO4S [(M+Na)+]の計算値423.1037、実測値423.1036。
[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−メタノール
テトラヒドロフラン(25mL)中の水素化アルミニウムリチウム(399mg、10.5mmol)の懸濁液を、アルゴン流下、0℃に冷却した。テトラヒドロフラン(30mL)中の4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(870mg、2.18mmol)の溶液を、懸濁液に0℃で徐々に滴下した。反応混合物を、0℃で15分間撹拌した。反応混合物を室温に温め、室温で15分間撹拌した。反応混合物を、再び0℃に冷却した。酢酸エチルを滴下して、未反応の水素化アルミニウムリチウムをクエンチした。酒石酸ナトリウムカリウムの飽和水溶液を加えた。有機相を分離し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−メタノール780mg(96%)を、油状の白色の固体として得た。この生成物を、更に精製することなくその後の反応で用いた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.98 (dd, J = 8.9, 6.2 Hz, 1 H), 7.90 (s, 1 H), 7.73 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.67 (d, J = 12.4 Hz, 1 H), 7.34 (dd, J = 8.9, 2.1 Hz, 1 H), 7.29 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 5.27 (t, J = 5.1 Hz, 1 H), 4.66 (d, J = 5.1 Hz, 2 H), 4.58 (s, 2 H), 3.20 (q, J = 7.2 Hz, 2 H), 2.31 (s, 3 H), 1.04 (t, J = 7.2 Hz, 3 H)。HRMS(ES+) C21H21FO3S [(M+Na)+]の計算値395.1087、実測値395.1088。
1−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−3−クロロメチル−7−フルオロ−2−メチル−ナフタレン
トリフェニルホスフィン(1.10g、4.19mmol)、四塩化炭素(1.62mL、16.8mmol)及びテトラヒドロフラン(5mL)の混合物を、室温で10分間撹拌した。テトラヒドロフラン(2.5mL)中の[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−メタノール(780mg、2.09mmol)の混合物を加え、反応混合物を75℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、次に酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を、水で洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。ジクロロメタン中の粗生成物の溶液を、シリカゲルで濃縮し、シリカゲルに担持された粗生成物を、Analogix SuperFlash(商標)カラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10%〜30%酢酸エチル)により、1−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−3−クロロメチル−7−フルオロ−2−メチル−ナフタレン450mg(55%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.04 (s, 1 H), 7.96 - 8.04 (m, 1 H), 7.76 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.68 - 7.75 (m, 1 H), 7.41 (td, J = 8.6, 2.1 Hz, 1 H), 7.30 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 5.01 (s, 2 H), 4.63 (s, 2 H), 3.22 (q, J = 7.2 Hz, 2 H), 2.47 (s, 3 H), 1.06 (t, J = 7.2 Hz, 3 H)。MS(ES+) C21H20ClFO2S[(M−Cl)+]の計算値355、実測値355。
[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
1−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−3−クロロメチル−7−フルオロ−2−メチル−ナフタレン(450mg、1.15mmol)、炭酸カリウム(165mg、1.20mmol)、及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(40mg、0.057mmol)を含有する500mLの丸底フラスコを高真空下で脱気し、次に一酸化炭素ガスをバルーンを介して充填した。テトラヒドロフラン(3.6mL)及び無水メタノール(1.8mL)を加え、得られた混合物を、室温で、一酸化炭素のバルーン下、1.5時間撹拌した。この間に、反応混合物は、赤色に変化した。一酸化炭素バルーンを取り外し、次に反応混合物を水で希釈した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮して灰褐色の油状の固体を得た。ジクロロメタン中のこの粗生成物の溶液を、シリカゲルで濃縮した。得られたシリカゲルに担持された粗生成物をRediSep(登録商標)フラッシュカラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%〜35%酢酸エチル)により、[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル421mg(88%)を明黄色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.93 (dd, J = 8.8, 6.2 Hz, 1 H), 7.78 (s, 1 H), 7.74 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.67 (dd, J = 12.2, 2.1 Hz, 1 H), 7.34 (td, J = 8.8, 2.1 Hz, 1 H), 7.28 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 4.59 (s, 2 H), 3.93 (s, 2 H), 3.62 (s, 3 H), 3.20 (q, J = 7.2 Hz, 2 H), 2.28 (s, 3 H), 1.04 (t, J = 7.2 Hz, 3 H)。MS(ES+) C23H23FO4S[(M+Na)+]の計算値437、実測値437。
[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステルから出発して、実施例2−1、最終工程に記載したものと同様の方法をを用いることにより、[4−(4−エタンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(388mg、95%)を黄色の油状物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.45 (br. s, 1 H), 7.92 (dd, J = 9.1, 6.3 Hz, 1 H), 7.76 (s, 1 H), 7.73 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.67 (d, J = 11.8 Hz, 1 H), 7.30 - 7.40 (m, 1 H), 7.28 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 4.58 (s, 2 H), 3.81 (s, 2 H), 3.20 (q, J = 7.4 Hz, 2 H), 2.29 (s, 3 H), 1.04 (t, J = 7.4 Hz, 3 H)。MS(ES−) C22H21FO4S[(M−H)−]の計算値399、実測値399。
実施例14−1
[4−(2−ベンゼンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
オーブン乾燥させた丸底フラスコに、(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(1.00g、2.63mmol)、酢酸カリウム(1.3g、13.2mmol)、ジクロロ1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)(288mg、0.394mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(220mg、0.390mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.33g、5.25mmol)、及び1,4−ジオキサン(36mL)を入れた。得られた混合物を、120℃で10時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、次に室温で一晩撹拌した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、次にブラインで洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、暗色の油状物を得た。粗生成物及びジクロロメタンの溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、Analogix SF40スーパーフラッシュカラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0%〜10%酢酸エチル)により、[6−フルオロ−3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル290mg(31%)の清澄な油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.64 - 7.78 (m, 3 H), 7.17 (t, J = 8.6 Hz, 1 H), 3.79 (s, 2 H), 3.69 (s, 3 H), 2.56 (s, 3 H), 1.50 (s, 12 H)。MS(ES+) C20H24BFO4[(M+H)+]の計算値359、実測値359。
4−(2−ベンゼンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−
ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(83.5mg、0.233mmol)、2−ベンゼンスルホニルベンジルクロリド(72mg、0.270mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(12mg、0.010mmol)、1.2M炭酸ナトリウム水溶液(0.5mL、0.6mmol)及びテトラヒドロフラン(1.5mL)の混合物を、75℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、次にそれを酢酸エチル(30mL)で希釈した。得られた混合物を、水(30mL)で洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。ジクロロメタン中の粗生成物の溶液を、シリカゲルで濃縮し、得られたシリカゲルに担持された粗生成物を、Analogix SF40スーパーフラッシュカラムに装填した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中15%〜35%酢酸エチル)により、4−(2−ベンゼンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル180mg(46%)を清澄な油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 8.38 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 8.01 (d, J = 7.5 Hz, 2 H), 7.55 - 7.76 (m, 5 H), 7.37 - 7.48 (m, 1 H), 7.31 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.09 (td, J = 8.5, 2.0 Hz, 1 H), 6.46 - 6.60 (m, 2 H), 4.51 (s, 2 H), 3.81 (s, 2 H), 3.70 (s, 3 H), 1.98 - 2.14 (m, 3 H)。MS(ES+) C27H23FO4S[(M+H)+]の計算値463、実測値463。
4−(2−ベンゼンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
4−(2−ベンゼンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステルから出発して、実施例2−1、最終工程に記載したものと同様の方法を用いることにより、4−(2−ベンゼンスルホニル−ベンジル)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(17.6mg、31%)を、黄色の油状物として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.23 (br. s, 1 H), 8.30 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 8.05 (d, J = 7.5 Hz, 2 H), 7.91 (dd, J = 8.7, 6.3 Hz, 1 H), 7.66 - 7.86 (m, 4 H), 7.56 (t, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.46 (t, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.28 (td, J = 8.7, 2.0 Hz, 1 H), 6.58 (d, J = 11.8 Hz, 1 H), 6.43 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 4.42 (br. s, 2 H), 3.80 (br. s, 2 H), 2.07 (s, 3 H)。MS(ES+) C26H21FO4S[(M+H)+]の計算値449、実測値449.0。
実施例15−1
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−メチル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−メチル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(220mg、0.578mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−メチル−ベンジル)−1,3,2−ジオキサボロラン(402mg、1.731mmol)、酢酸パラジウム(II)(17mg、0.0757mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(53mg、0.129mmol)、リン酸カリウム(246mg、1.159mmol)、トルエン(5mL)及び水(0.5mL)の混合物を、110℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、酢酸エチル(100mL)で希釈し、ブライン(25mL)で洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(93:7 ヘキサン−酢酸エチル)により、[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−メチル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル145.7mg(74.9%)を無色の油状物として得て、これを放置して凝固させた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.92 (dd, J = 8.8, 6.2 Hz, 1 H), 7.75 (s, 1 H), 7.63 (dd, J = 12.4, 2.1 Hz, 1 H), 7.33 (td, J = 8.8, 2.1 Hz, 1 H), 7.03 (d, J = 7.8 Hz, 2 H), 6.92 (d, J = 7.8 Hz, 2 H), 4.40 (s, 2 H), 3.93 (s, 2 H), 3.64 (s, 3 H), 2.30 (s, 3 H), 2.21 (s, 3 H)。
[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−メチル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
テトラヒドロフラン(14mL)中の[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−メチル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(140.8mg、0.419mmol)の溶液を、水(3.5mL)中の水酸化リチウム一水和物(175.8mg、4.19mmol)の温かい溶液で処理した。反応混合物を、室温で20時間撹拌し、水で希釈し、3.0N HCl水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮した。逆相HPLCにより精製して、[6−フルオロ−3−メチル−4−(4−メチル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸81.7mg(60%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.43 (br. s, 1 H), 7.91 (dd, J = 8.7, 6.3 Hz, 1 H), 7.74 (s, 1 H), 7.62 (dd, J = 12.1, 1.8 Hz, 1 H), 7.33 (td, J = 8.7, 1.8 Hz, 1 H), 7.03 (d, J = 7.8 Hz, 2 H), 6.92 (d, J = 7.8 Hz, 2 H), 4.40 (s, 2 H), 3.82 (s, 2 H), 2.32 (s, 3 H), 2.21 (s, 3 H)。HRMS(ES−) C21H19FO2[(M−H)−]の計算値321.1296、実測値321.1294。
実施例15−2〜15−5
(6−フルオロ−3−メチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル及び適切な4,4,5,5−テトラメチル−2−(ベンジル)−1,3,2−ジオキサボロラン試薬から出発して、以下の実施例15−2〜15−5を、実施例15−1と類似の方法で調製した。
実施例16−1
{4−[(2−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−
6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸
メタノール(20mL)中の[4−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸(実施例2−8)(920mg、2.19mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(248mg、6.56mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で30分間撹拌してから、室温に温めた。4時間後、この反応物を再度0℃に冷却し、さらに水素化ホウ素ナトリウム(163mg、4.31mmol)を加えた。反応混合物を、次に室温に温め、室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を酢酸エチルに溶解し、0.5N塩酸溶液で一回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。逆相分取HPLC(Varian Pursuit(登録商標)C−18カラム[10μm、20×150mm]を使用したWaters(登録商標)Delta-Prep(商標)3000を用いて)により、{4−[(2−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸(500mg、54%)をオフホワイトの粉末として得た。1H NMR (300 MHz, CD3OD及びCDCl3の1.8:1混合物) δ ppm 7.92 (s, 1 H), 7.75 - 7.85 (m, 3 H), 7.62 - 7.71 (m, 2 H), 7.16 - 7.29 (m, 2 H), 6.70 (s, 1 H), 3.64 (s, 2 H), 3.09 (s, 3 H); HRMS(ESI+) C20H16ClFO5S[(M+Na)+]の計算値445.0283、実測値445.0281。
実施例16−2〜16−8
対応するケトン誘導体から出発して、実施例16−1と類似の方法で、以下の実施例16−2〜16−8を調製した。
実施例17−1
{4−[(2−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−
6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸
{4−[(2−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステル
[4−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸エチルエステル(スキーム2に従って調製した実施例2−8の前駆体)(90mg、0.20mmol)及びビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(709mg、3.21mmol)の混合物を、高圧密閉管中、85℃で2日間加熱した。粗混合物を、RediSep(登録商標)フラッシュカラムにそのまま装填して精製した。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中0〜50%酢酸エチル)により、僅かに不純な{4−[(2−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステル(22.4mg、24%)を得た。逆相分取HPLC(Varian Pursuit(登録商標)C−18カラム[10μm、20×150mm]を使用したWaters(登録商標)Delta-Prep(商標)3000を用いて)を行うことにより、更なる精製を達成した。MS(ESI+) C22H18ClF3O4S[(M+H)+]の計算値470、実測値471。
{4−[(2−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸
{4−[(2−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸エチルエステルから出発して、実施例2−1、最終工程に記載された方法と同様の方法で、{4−[(2−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−ジフルオロ−メチル]−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル}−酢酸(17.2mg、82%)を、白色の結晶質固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 8.05 (br. s, 1 H), 7.98 (br. s, 2 H), 7.85 - 7.94 (m, 2 H), 7.72 - 7.80 (m, 1 H), 7.54 (br. s, 1 H), 7.29 - 7.38 (m, 1 H), 3.83 (s, 2 H), 3.14 (s, 3 H); HRMS(ESI+) C20H14ClF3O4S[(M+Na)+]の計算値465.0145、実測値465.0144。
実施例17−2〜17−3
対応するケトンエステルから出発して、実施例17−1と類似の方法で、以下の実施例17−2〜17−3を調製した。
実施例18−1
{6−フルオロ−4−[(4−メタンスルホニル−フェニル)−メトキシ−メチル]−
ナフタレン−2−イル}−酢酸
{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸メチルエステル
メタノール(3mL)中の[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(103.5mg、0.26mmol)(実施例2−1、第4工程)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(30mg、0.78mmol)を室温で加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌し、次に酢酸エチルと水で分液した。回収した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中0〜40%酢酸エチル)により、{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸メチルエステル(90mg、86%)を黄色の油状物として得た。 MS(ESI+) C
21H
19FO
5S[(M+H)
+]の計算値402、実測値403。
{6−フルオロ−4−[(4−メタンスルホニル−フェニル)−メトキシ−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸メチルエステル
メタノール(5mL)中の{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸メチルエステル(90mg、0.23mmol)の溶液に、濃硫酸3滴を加えた。混合物を一晩加熱還流した。室温に冷ました後、反応混合物を、酢酸エチルと水で分液した。回収した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中0〜40%酢酸エチル)により、{6−フルオロ−4−[(4−メタンスルホニル−フェニル)−メトキシ−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸メチルエステル(37.6mg、39%)を清澄な油状物として得た。MS(ESI+) C
22H
21FO
5S[(M+H)
+]の計算値416、実測値417。
{6−フルオロ−4−[(4−メタンスルホニル−フェニル)−メトキシ−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
{6−フルオロ−4−[(4−メタンスルホニル−フェニル)−メトキシ−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸メチルエステルから出発して、実施例2−1、最終工程に記載された方法と同様の方法を用いて、6−フルオロ−4−[(4−メタンスルホニル−フェニル)−メトキシ−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸(36mg、99%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 7.78 - 7.93 (m, 3 H), 7.75 (br. s, 1 H), 7.50 - 7.68 (m, 4 H), 7.16 - 7.31 (m, 1 H), 5.80 (s, 1 H), 3.84 (s, 2 H), 3.45 (s, 3 H), 3.02 (s, 3 H); HRMS(ESI+) C21H19FO5S[(M+Na)+]の計算値425.0829、実測値425.0827。
実施例19−1
{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−
3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸
メタノール(12mL)中の[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゾイル)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(60mg、0.15mmol)(実施例6−1)の溶液を、流速1.7mL/分、10%パラジウム担持炭触媒カートリッジ付きH-Cube水素化反応器を用いることにより、10バール水素圧下、20℃で水素化した。反応混合物を、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(RediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ジクロロメタン中2%〜5%メタノール)を用いて精製して、{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メタンスルホニル−フェニル)−メチル]−3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸11mg(18%)を油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 7.82 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.74 (dd, J = 9.1, 6.0 Hz, 1 H), 7.61 - 7.70 (m, 2 H), 7.49 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.15 (td, J = 8.3, 2.1 Hz, 1 H), 6.73 (s, 1 H), 3.86 (br. s, 1 H), 3.48 (s, 2 H), 3.01 (s, 3 H), 2.41 (br. s, 3 H); HRMS(ESI+) C21H19FO5S[(M+Na)+]の計算値425.0829、実測値425.0827。
実施例19−2
対応するケトン誘導体から出発して、実施例19−1と類似の方法で、以下の実施例19−2を調製した。
実施例20−1
{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メチルスルファモイル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メチルスルファモイル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸メチルエステル
メタノール(20mL)中の[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンゾイル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(実施例2−1と類似の方法で調製した)の溶液を、流速1mL/分、10%パラジウム担持炭触媒カートリッジ付きのH-Cube水素化反応器を用いることにより、10バール水素圧下、30℃で水素化した。反応により、アルコール{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メチルスルファモイル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸メチルエステルと、対応する完全に水素化した生成物、[6−フルオロ−4−(4−メチルスルファモイル−ベンジル)−ナフタレン−2−イル]酢酸メチルエステルとの混合物を得た。逆相分取HPLC(Varian Pursuit(登録商標)C−18カラム[10μm、20×150mm]使用したWaters(登録商標)Delta-Prep(商標)3000を用いて)を使用して、これらの生成物を分離し、{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メチルスルファモイル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸メチルエステル(4.0mg)を白色の固体3.0mgとして得た。MS C21H20FNO5S [(M−H)−]の計算値417、実測値416。
{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メチルスルファモイル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メチルスルファモイル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸メチルエステル(3.0mg、0.007mmol)から出発して、実施例2−1、最終工程に記載したものと同様の方法を用いて、{6−フルオロ−4−[ヒドロキシ−(4−メチルスルファモイル−フェニル)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−酢酸(4.5mg、100%)を、黄色の油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.72 - 7.79 (m, 1 H), 7.71 (d, J = 8.6 Hz, 2 H), 7.63 (s, 1 H), 7.55 (dd, J = 11.5, 2.1 Hz, 1 H), 7.50 (d, J = 8.6 Hz, 2 H), 7.48 (br. s, 1 H), 7.16 (td, J = 8.6, 2.1 Hz, 1 H), 6.31 (s, 1 H), 3.70 (s, 2 H), 2.51 (s, 3 H); HRMS(ESI+) C20H18FNO5S [(M+Na)+]の計算値426.0782、実測値426.0779。
化合物の活性と使用
式Iの化合物は、有益な薬理学的特性を有する。該化合物は、CRTH2受容体でのアンタゴニスト又は部分アゴニストであり、喘息のような、その受容体に関連する疾患及び障害を処置する上で有用でありうることが見出された。本化合物のCRTH2受容体アンタゴニスト又は部分アゴニストとしての活性は、以下の生物学的アッセイにより示される。
ヒトCRTH2受容体結合アッセイ
[3H]ラマトロバン(ramatroban)を競合放射性リガンドとして用いる全細胞受容体結合アッセイを、ヒトCRTH2への化合物の結合活性を評価するために使用した。放射性リガンド[3H]ラマトロバンは、Sugimotoら(Eur. J. Pharmacol. 524, 30-37, 2005)に従って、比活性42Ci/mmolに合成した。
ヒトCRTH2を安定的に発現する細胞株は、FuGene(登録商標)6トランスフェクション試薬(Rocheより)を用いて、それぞれヒトCRTH2及びG−アルファ16cDNAを持つ2種の哺乳類発現ベクターでCHO−K1細胞をトランスフェクションすることにより構築した。CRTH2を発現する安定なクローンは、各々のクローンを、ヒトCRTH2に対するラットモノクローナル抗体であるBM16(BD Bioscience, a division of Becton, Dickinson and CompanyのBD Pharmingen(商標))で染色することにより選択した。細胞は、10%ウシ胎仔血清、100単位/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、2mMのグルタミン、0.5mg/mLのCRTH2用のG418(ジェネティシン)、及び0.2mg/mLのハイグロマイシン−B(G−アルファ16用)を含有するHamのF−12培地中で単層培養物として維持した。全細胞受容体結合アッセイのために、単層細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で一回すすぎ、エチレンジアミン四酢酸(Lonza Inc.のVersene(商標)EDTA)を用いてはがし、10mMのMgCl2及び0.06%のBSA(ウシ血清アルブミン)を含有するPBS中に1.5×106細胞/mLで懸濁した。
結合反応(0.2mL)は、96ウェルプレート中、室温で1.5×105個の細胞、10mMのMgCl2、0.06%のBSA、20nMの[3H]ラマトロバン、及び種々の濃度の試験化合物を含有するPBS中で行った。1時間の結合反応後、細胞を、Filtermate(商標)Harvester(PerkinElmer, Inc.のマイクロプレートから細胞を収集し洗浄する細胞採取器)を用いて、GF(商標)/Bフィルターマイクロプレート(PerkinElmer, Inc.のガラス繊維をはめ込んだマイクロタイタープレート)上に回収し、PBSで5回洗浄した。細胞に結合した放射能を、Microscint(商標)20シンチレーション液(PerkinElmer, Inc.より)50μLをフィルタープレートの各ウェルに加えた後、マイクロプレートシンチレーションカウンター(PerkinElmer, Inc.のTopCount(登録商標)NXT)を用いて決定した。非特異的結合からの放射能は、反応混合物中の化合物を10μMの15(R)−15−メチルPGD2(Cayman Chemical Companyより)で置き換えることにより決定した。化合物の不存在下に細胞に結合した放射能(全結合)は、反応混合物中の化合物を0.25%のDMSO(ジメチルスルホキシド)で置き換えることにより決定した。特異的結合のデータは、各々の結合データから非特異的結合の放射能を差し引くことにより得た。
IC50値は、全特異的結合の50%阻害に要する試験化合物の濃度として定義される。IC50値を算出するために、%阻害データを、各々の化合物について7つの濃度で決定した。各濃度での化合物についての%阻害は、以下の式、[1−(化合物存在下の特異的結合)/(全特異的結合)]×100に従って算出した。次いで、IC50値は、XLfit(登録商標)ソフトウエアエクセルアドインプログラム[ID Business Solutions Ltd.の、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B−A)/(1+((C/x)^D)))]の、%阻害データをS字状用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより得た。
上記の実施例(以下の表に挙げたとおり)の化合物は、上記のヒトCRTH2受容体結合アッセイを用いて試験した。アッセイの結果は、以下に示すとおり、これらの化合物のすべてが0.0021μM〜0.3859μMの範囲のIC50値を示す結合活性を有することを示した。
蛍光画像プレートリーダー(FLIPR)を用いるカルシウムフラックスアッセイ
細胞培養条件:
あらかじめG−アルファ16でトランスフェクションしたCHO−K1細胞を、その後、ヒトCRTH2受容体及びネオマイシン耐性遺伝子でトランスフェクションした。800μg/mL G418(ジェネティシン)での選択に続いて、個々のクローンを、抗ヒトCRTH2 IgGでの染色に基づいてそれらの受容体発現についてアッセイし、その後、Ca2+フラックスアッセイで13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD2(DK−PGD2)(リガンド)に対するそれらの応答についてアッセイした。次いで、陽性クローンを、限界希釈クローニングによりクローニングした。トランスフェクションした細胞を、10%ウシ胎仔血清、2mMのグルタミン、100U/mLのペニシリン/100μg/mLのストレプトマイシン、200μg/mLのハイグロマイシンB、及び800μg/mLのG418(ジェネティシン)を添加したHamのF−12培地中で培養した。細胞を、トリプシン−EDTA(トリプシン−エチレンジアミン四酢酸)で回収し、ViaCount(登録商標)試薬(Guava Technologies, Inc.、試薬使用者が生きている細胞と生きていない細胞を区別できるようにする2種のDNA結合ダイを含む)を用いてカウントした。細胞懸濁容量は、完全成長培地で2.5×105細胞/mLに調整した。アリコート50μLをBD Falcon(商標)384ウェル黒色/透明マイクロプレート(BD Biosciences, a division of Becton, Dickinson and Companyより)中に分注し、マイクロプレートを、37℃のCO2インキュベーター中に一晩置いた。翌日、マイクロプレートをアッセイに使用した。
ダイローディング及びアッセイ
ダイを含有するローディング緩衝液(Molecular Devices, a division of MDS Analytical Technologies and MDS Inc.のFLIPR(登録商標)カルシウム3アッセイキット)は、ダイ1本分を、20mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)及び2.5mMのプロベネシドを含有する200mLのHankの平衡塩溶液中に溶解することにより調製した。成長培地を細胞プレートから除去し、さらにマルチドロップディスペンサーを用いて、20mMのHEPES、0.05%のBSA及び2.5mMのプロベネシドを含有するHankの平衡塩溶液(HBSS)25μLを、続いて希釈したダイ25μLを、各々のウェルに加えた。次いで、プレートを37℃で1時間インキュベーションした。
インキュベーションの間に、試験化合物プレートは、HBSS/20mMのHEPES/0.005%のBSA緩衝液90μLを、連続希釈した化合物2μLに加えることにより調製した。連続希釈した化合物を調製するために、化合物の20mMストック液を100% DMSOに溶解した。化合物希釈プレートは、以下のようにして設定した:ウェルNo.1には、化合物5μLとDMSO10μLを入れた。ウェル2〜10には、DMSO 10μLを入れた。5μLを混合し、ウェルNo.1からウェルNo.2に移した。1:3の連続希釈を10回連続して行った。希釈した化合物2μLを384ウェルの「アッセイプレート」の二連ウェルに移し、次いで、緩衝液90μLを加えた。
インキュベーションの後に、細胞と「アッセイプレート」のプレートの双方を蛍光画像プレートリーダー(FLIPR(登録商標))に入れ、希釈化合物20μLをFLIPR(登録商標)により細胞プレートに移した。次いで、プレートを、室温で1時間インキュベーションした。1時間のインキュベーションの後に、プレートをFLIPR(登録商標)に戻し、4.5倍に濃縮したリガンド20μLを細胞プレートに加えた。アッセイの間、蛍光読み取りは、同時に細胞プレートの384ウェル全てで、1.5秒ごとに行った。5回の読み取りを行って安定なベースラインを確立し、次いで、試料20μLをすばやく(30μL/秒)かつ同時に、細胞プレートの各々のウェルに加えた。蛍光は、試料添加の前、その間、そしてその後に、100秒の全経過時間の間、連続的にモニターした。アゴニスト添加後の各々のウェルにおける応答(ピーク蛍光の増加)を測定した。リガンド刺激の前の、各々のウェルでの最初の蛍光読み取りを、そのウェルからのデータについてのゼロベースライン値として使用した。応答は、緩衝液対照の%阻害として表した。緩衝液対照の50%阻害に必要な化合物の濃度として定義される、IC50値は、Genedata Screener(登録商標)Condoseoソフトウエアプログラム[Genedata AGの、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B−A)/(1+((C/x)^D)))]を用いて、10種の濃度についての%阻害データを、S字状の用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより算出した。
結合アッセイで具体的な代表的な試験化合物を、上記のFLIPR(登録商標)アッセイを用いて試験した(実施例1−1〜1−5、2−1〜2−25、2−27〜2−30、6−1〜6−3、7−1、8−1、8−3〜8−8、9−1、10−1、10−3〜10−11、11−2、12−1、13−1、14−1、15−1、16−1、16−3〜16−7、17−1、7−3、18−1、19−1、19−2、20−1)。FLIPR(登録商標)アッセイの結果は、(3より大きいIC50値を示した)実施例1−2、1−3、2−7、2−9、2−11、2−12、2−30、及び7−1を除いて、このアッセイで試験した代表的な化合物の全てが0.0001μM〜2.1405μMの範囲のIC50値を示す活性を有していることを示した。
Th2細胞におけるDK−PGD2で誘起されたIL−13産生アッセイ
2型Tヘルパー(Th2)細胞における13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD2(DK−PGD2)で誘起されたIL−13産生の阻害を、化合物の細胞効力を評価するために適用した。
Th2細胞の培養物は、ボランティア健常者の血液から、以下の手法に従って確立した。末梢血単核球(PBMC)を、新鮮血50mLから、まず、Ficoll-Hypaque密度勾配遠心分離し、続いて、CD4+T細胞単離キットII(Miltenyi Biotec Inc.より)を用いて、CD4+細胞精製により単離した。CD4+T細胞を、次いで、10%ヒトAB血清(Invitrogen CorporationのAB型血液の血清)、50U/mLの組換えヒトインターロイキン−2(rhIL−2)(PeproTech Inc.より)及び100ng/mLの組換えヒトインターロイキン−4(rhIL−4)(PeproTech Inc.より)を含有するX-VIVO15(登録商標)培地(Cambrex BioScience Walersville Inc.から)中で7日間培養することにより、Th2細胞に分化させる。Th2細胞は、CD294(CRTH2)MicroBeadキット(Miltenyi Biotec Inc.より)を用いて単離し、10%ヒトAB血清及び50U/mLのrhIL−2を含有するX-VIVO15(登録商標)培地中で2〜5週間増殖させた。一般に、アッセイで使用されたTh2細胞の70%〜80%は、フィコエリスリン(PE)をコンジュゲートしたBM16抗体(先に記述したようなもの)を用いた蛍光活性化細胞ソーティングにより分析したときに、CRTH2陽性である。
細胞阻害効力を決定するために、種々の濃度の化合物を、10%ヒトAB血清を含有するX-VIVO 15(登録商標)培地200μL中で、2.5×104Th2細胞及び500nMのDK−PGD2と共に、37℃で4時間インキュベーションした。培地へのIL−13産生は、「インスタントELISA(商標)」キット(Bender MedSystems Inc.より)を用いて、このメーカーが推奨している手法に従ってELISA(酵素結合免疫吸着法)により検出した。Th2細胞によるIL−13の自然産生は、DK−PGD2刺激の不存在下に決定し、その値を、%阻害及びIC50算出のために各化合物の存在下のそれから差し引いた。
種々の濃度での化合物についてのインターロイキン13(IL−13)産生の%阻害は、以下の式、[1−(化合物存在下のIL−13産生)/(0.15% DMSOの存在下のIL−13産生)]×100に従って算出した。IL−13産生の50%阻害に要する化合物の濃度として定義される、IC50値は、XLfit(登録商標)ソフトウエアエクセルアドインプログラム[ID Business Solutions Ltd.の、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B=A)/(1+((C/x)^D)))]において、7種の濃度についての%阻害データをS字状用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより算出した。
結合アッセイで試験した代表的な化合物を、上記のDK−PGD2で誘起されたIL−13産生アッセイを用いて試験した(実施例1−1、1−4、1−5、2−1〜2−3、2−5、2−8、2−13〜2−29、6−1〜6−3、8−1〜8−9、9−1、10−1、11−1、16−1〜16−6、17−1〜17−3、18−1、19−1、19−2)。DK−PGD2で誘起されたIL−13産生アッセイの結果は、実施例2−29、16−2及び8−3(これらは、それぞれ、3.001μM、5.7465μM及び10μMより大きいIC50値を示した)を除いて、このアッセイで試験した代表的な化合物が、0.0006μM〜2.4637μMの範囲のIC50値の、IL−13産生を阻害する活性を示すことを示した。
このように、試験された化合物が上記の3種のアッセイの少なくとも1つにおいていくらかの活性(すなわち、CRTH2受容体での結合)を示すので、本発明の化合物は有用であり、したがって、喘息のような、この受容体に関連する疾患及び障害の処置におけるアンタゴニスト又は部分アゴニストとして有用でありうる。
1つの態様において、本発明は、CRTH2受容体の調節に関連する疾患及び障害の治療及び/又は予防方法に関し、この方法は、治療有効量の式Iの化合物をヒト又は動物に投与することを含む。炎症性又はアレルギー性の疾患又は障害の治療及び/又は予防方法が好ましい。このような疾患又は障害としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性炎症、及びアトピー性皮膚炎を挙げることができる(が、これらに限定されない)。
本発明は、また、治療有効量の式Iの化合物を、炎症性又はアレルギー性の疾患又は障害の処置用の他の薬物又は活性剤と組み合わせて又は一緒にして投与することに関する。1つの態様において、本発明は、治療有効量の式Iの化合物及び他の薬物又は活性剤(例えば、他の抗炎症性若しくは抗アレルギー性の薬物又は薬剤)をヒト又は動物に、同時に、連続的に、又は別々に投与することを含む、そのような疾患又は障害の治療及び/又は予防方法に関する。これらの他の薬物又は活性剤は、同一の、類似の、又は全く異なる作用機作を有しうる。適切な他の薬物又は活性剤として:アルブテロール又はサルメテロールのようなベータ2−アドレナリン作用性アゴニスト;デキサメタゾン又はフルチカゾンのようなコルチコステロイド;ロラチジンのような抗ヒスタミン;モンテルカスト又はザフィルルカストのようなロイコトリエンアンタゴニスト;オモリズマブのような抗IgE抗体療法薬;フシジン酸のような抗感染剤(特に、アトピー性皮膚炎の処置用);クロトリマゾールのような抗真菌剤(特に、アトピー性皮膚炎の処置用);タクロリムス及びピメクロリムスのような免疫抑制剤;DPアンタゴニストのような他の受容体で作用するPGD2の他のアンタゴニスト;シロミラストのような4型ホスホジエステラーゼの阻害剤;TNF−アルファ変換酵素(TACE)の阻害剤のようなサイトカイン産生を調節する薬物;遮断モノクローナル抗体及び可溶性受容体のようなTh2サイトカインIL−4及びIL−5の活性を調節する薬物;ロシグリタゾンのようなPPAR−ガンマアゴニスト;及びジレウトンのような5−リポキシゲナーゼ阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
別に述べられない限り、実施例中の全ての化合物は、記載したように製造されかつ特徴付けられた。本明細書中で引用した全ての特許及び刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。