JP2012505212A - クラミジア感染および疾患の診断および治療のためのクラミジア抗原に関する方法および組成物 - Google Patents

クラミジア感染および疾患の診断および治療のためのクラミジア抗原に関する方法および組成物 Download PDF

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Abstract

単離されたクラミジア・トラコマティスのタンパク質、融合タンパク質および関連抗体の作製方法、並びに診断および検出において単離されたタンパク質および抗体を使用する方法が開示される。また、単離されたタンパク質を含有し、医薬的に許容される担体、アジュバントおよび/または免疫刺激剤をさらに含有し得る組成物、並びに被験者においてクラミジアによる感染を治療または予防するために医薬組成物を使用する方法も開示される。組成物はまた、クラミジア・トラコマティス以外の病原体のタンパク質または免疫原性フラグメントも含有し得る。

Description

<優先権主張の開示>
本出願は、35 U.S.C.§119(e)の下に、その内容全体が参照することにより本明細書に組み込まれる、2008年10月9日出願の米国特許仮出願第61/104,017号の優先権を主張する。
<政府支援の言明>
本発明は、アメリカ国立衛生研究所からの助成金番号RO1 A164537の下に政府助成金により一部支援された。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
<発明の分野>
本発明は、クラミジア感染および疾患の診断並びにクラミジア感染および疾患の治療/予防の分野に関する。
クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)による感染は、細菌性感染症の主要原因である。クラミジア感染を治療するには抗生物質が有効に使用できるが、この感染の無症候性のために治療時期および治療対象を判定することが難しい。ひとたび持続的な感染が起こり、疾病が発症した時点では、治療するには手遅れであることがある。そこで、クラミジア感染および疾患のより迅速で正確な診断並びにその治療および/または予防のためのより有効で利用可能な治療法が当分野において必要とされている。
本発明は、クラミジア感染を診断するための迅速で便利な手段を開発するため並びにクラミジア感染および疾患を治療するおよび予防するための有効な治療プロトコールおよびワクチンを設計するために使用できるクラミジア抗原を提供することにより、当分野におけるこれまでの欠点を克服する。
本発明の抗原は、ヒト抗体応答をスクリーニングする抗原としてゲノム全体をカバーする融合タンパク質を使用し、それによってクラミジア抗原の相対的免疫優性のより正確な決定を可能にするアプローチによって同定された。これまでの試験は、同様の分析のために全生物に由来するあらかじめ定義された抗原または変性抗原のいずれかを使用してきた。例えば、CT681(MOMP)に対する抗体応答は防御免疫に関係づけられ、CT110(HSP60)に対する抗体応答はクラミジア病原性に関連するとされてきた。本発明で使用したより包括的なアプローチは、より適切で重要なクラミジア抗原の同定を可能にする。
抗体応答プロフィールを患者の総体的臨床症状と関連づけることにより、病因に関与し、従って診断マーカーとして開発し得る抗原を同定することができる。さらに、ワクチン候補物質としての使用のための、防御免疫に関与する抗原を同定することができる。
本発明は、(1)CT005、(2)CT019、(3)CT022、(4)CT046、(5)CT067、(6)CT099、(7)CT111、(8)CT116、(9)CT118、(10)CT149、(11)CT153、(12)CT208、(13)CT225、(14)CT228、(15)CT236、(16)CT237、(17)CT242、(18)CT260、(19)CT278、(20)CT322、(21)CT328、(22)CT376、(23)CT396、(24)CT414、(25)CT431、(26)CT450、(27)CT457、(28)CT494、(29)CT507、(30)CT532、(31)CT542、(32)CT556、(33)CT578、(34)CT673、(35)CT733、(36)CT743、(37)CT759、(38)CT791、(39)CT798、(40)CT828および(41)CT868、(1)〜(41)のいずれかの免疫原性フラグメント、異なるクラミジア種に由来する(1)〜(41)のいずれかのホモログ並びにそれらの任意の組合せからなる群より選択される1またはそれ以上(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の単離されたクラミジア・トラコマティスのタンパク質を含有する組成物を提供する。
さらなる実施形態では、本発明の組成物は、(42)CT110(HSP60)、(43)CT119(IncA)、(44)CT858(CPAF)CT681(MOMP)、(42)〜(44)のいずれかの免疫原性フラグメント、異なるクラミジア種に由来する(42)〜(44)のホモログおよび任意の組合せからなる群より選択される単離されたクラミジア・トラコマティスのタンパク質をさらに含有し得る。
なおさらなる実施形態では、本発明の組成物のいずれかは、表1のタンパク質1〜78のいずれか、表2のタンパク質1〜19のいずれか、その免疫原性フラグメント、異なるクラミジア種に由来するそのホモログおよびそれらの任意に組合せからなる群より選択される1またはそれ以上(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の単離されたクラミジア・トラコマティスタンパク質を含有し得る。
本発明の組成物は、医薬的に許容される担体中に存在することができ、ある実施形態では、CpG、IL−12およびそれらの任意の組合せであり得るが、これらに限定されないアジュバントおよび/または免疫刺激剤をさらに含有し得る。
本発明はさらに、本発明の組成物が、クラミジア・トラコマティス以外の病原体のタンパク質またはその免疫原性フラグメントも同時に含有し得る実施形態を提供する。かかる病原体は、クラミジア・ムリダルム(Chlamydia muridarium)、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)、クラミジア・キャビエ(Chlamydia caviae)、トリコモナス・ヴァギナリス(Trichomonas vaginalis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、淋菌(Neisseria gonorrheae)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、単純ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルスおよびヒト免疫不全ウイルス並びにそれらの任意の組合せであり得るが、これらに限定されない。
本発明は、加えて、試料中のクラミジア属菌に対する抗体を検出する方法であって、a)抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で、試料を本発明の組成物と接触させるステップと、b)抗原/抗体複合体の形成を検出し、それによって試料中のクラミジア属菌に対する抗体を検出するステップとを含む方法を提供する。
また、被験者におけるクラミジア感染を診断する方法であって、a)抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で、被験者からの試料を本発明の組成物と接触させるステップと、b)抗原/抗体複合体の形成を検出し、それによって被験者におけるクラミジア感染を診断するステップとを含む方法が本明細書で提供される。
本発明はさらに、試料中のクラミジアタンパク質を検出する方法であって、a)抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で、本発明のタンパク質またはその免疫原性フラグメントに特異的に結合する抗体と、試料を接触させるステップと、b)抗原/抗体複合体の形成を検出し、それによって試料中のクラミジアタンパク質を検出するステップとを含む方法を提供する。
加えて、被験者におけるクラミジア感染を診断する方法であって、a)抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で、被験者からの試料を、本発明のタンパク質またはその免疫原性フラグメントに特異的に結合する抗体と接触させるステップと、b)抗原/抗体複合体の形成を検出し、それによって被験者におけるクラミジア感染を診断するステップとを含む方法が提供される。
なおさらなる実施形態では、本発明は、被験者において免疫応答を惹起する方法であって、被験者に本発明の組成物の有効量を投与し、それによって被験者において免疫応答を惹起することを含む方法を提供する。
また、被験者においてクラミジア属菌による感染を治療または予防する方法であって、被験者に本発明の組成物の有効量を投与し、それによって被験者においてクラミジア属菌による感染を治療または予防することを含む方法が本明細書で提供される。
本発明のさらなる態様は、被験者においてクラミジア感染による不妊症の可能性を低下させる方法であって、被験者に本発明のタンパク質またはその免疫原性フラグメントの有効量を投与することを含む方法を包含する。一部の実施形態では、その方法は、被験者にアジュバントを投与することをさらに含み得る。
さらなる実施形態では、本発明は、被験者においてクラミジア感染による卵管水腫の発生率を低下させる方法であって、被験者に本発明のタンパク質またはその免疫原性フラグメントの有効量を含有する組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、その方法は、被験者にアジュバントを投与することをさらに含み得る。
本発明は、クラミジア・トラコマティスの免疫優性タンパク質の予期せぬ発見に基づく。これらの免疫優性タンパク質は、本明細書において実施例の章で述べるスクリーニング融合タンパク質アレイによって同定された。これらの免疫優性タンパク質、それらの免疫原性フラグメントおよび/または他のクラミジア種に由来するこれらのタンパク質若しくは免疫原性フラグメントのホモログは、被験者からの生物学的試料などの、試料中のタンパク質の存在またはタンパク質に対する抗体の存在を同定することによる検出および診断の方法において使用できる。さらに、これらのタンパク質、それらの免疫原性フラグメントおよび/または他のクラミジア種に由来するこれらのタンパク質若しくは免疫原性フラグメントのホモログは、クラミジア属菌によって引き起こされる感染および疾患を治療する方法において並びにクラミジア属菌によって引き起こされる感染および疾患を防止するための予防方法において(例えばワクチンとして)使用できる。
従って、本明細書で述べるように、本発明は(1)CT005、(2)CT019、(3)CT022、(4)CT046、(5)CT067、(6)CT099、(7)CT111、(8)CT116、(9)CT118、(10)CT149、(11)CT153、(12)CT208、(13)CT225、(14)CT228、(15)CT236、(16)CT237、(17)CT242、(18)CT260、(19)CT278、(20)CT322、(21)CT328、(22)CT376、(23)CT396、(24)CT414、(25)CT431、(26)CT450、(27)CT457、(28)CT494、(29)CT507、(30)CT532、(31)CT542、(32)CT556、(33)CT578、(34)CT673、(35)CT733、(36)CT743、(37)CT759、(38)CT791、(39)CT798、(40)CT828および(41)CT868、(1)〜(41)のいずれかの免疫原性フラグメント、異なるクラミジア種に由来する(1)〜(41)のいずれかのホモログ並びにそれらの任意の組合せからなる群より選択される1またはそれ以上(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の単離されたクラミジア・トラコマティスのタンパク質を含有する組成物を提供する。
さらなる実施形態では、上記に挙げた本発明の組成物は、(42)CT110(HSP60)、(43)CT119(IncA)、(44)CT858(CPAF)CT681(MOMP)、(42)〜(44)のいずれかの免疫原性フラグメント、異なるクラミジア種に由来する(42)〜(44)のホモログおよび任意の組合せからなる群より選択される単離されたクラミジア・トラコマティスのタンパク質をさらに含有し得る。
なおさらなる実施形態では、本発明の組成物のいずれかは、表1のタンパク質1〜78のいずれか、表2のタンパク質1〜19のいずれか、その免疫原性フラグメント、異なるクラミジア種に由来するそのホモログおよびそれらの任意に組合せからなる群より選択される1またはそれ以上(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10等)の単離されたクラミジア・トラコマティスのタンパク質を含有し得る。
加えて、本発明は、医薬的に許容される担体中に単離されたクラミジア・トラコマティスCT806タンパク質、CT823タンパク質、CT841タンパク質、pCT03タンパク質 CT813タンパク質、異なるクラミジア種に由来するCT806、CT823、CT841、pCT03若しくはCT813タンパク質、および/またはそれらの免疫原性フラグメントを含有する組成物を提供する。これらのタンパク質、ホモログおよび免疫原性フラグメントは、任意の組合せで、および互いに対して任意の比率で本発明の組成物中に存在し得る。
本発明はさらに、(a)CH089(CopN)、(b)CT147(EEA相同性)、(c)CT226(Inc)、(d)CT442(15kDa Crp)、(e)CT443(60kDa CRP、OmcB)、(f)CT529(Inc、CapA)、(g)CT694(HP、IB)、(h)CT795(HP、IB)、(i)CT806、(j)CT812(pmpD)、(k)CT813(Inc)、(l)CT823、(m)CT841、(n)pCT03、(a)〜(n)のいずれかの免疫原性フラグメント、異なるクラミジア種に由来する(a)〜(n)のいずれかのホモログおよびそれらの任意の組合せであり得る、2またはそれ以上の単離されたクラミジア・トラコマティスタンパク質を含有する組成物を提供する。
さらなる実施形態では、本発明の組成物は、(o)CT110(HSP60)、(p)CT119(IncA)、(q)CT858(CPAF)、(o)〜(q)のいずれかの免疫原性フラグメント、異なるクラミジア種に由来する(o)〜(q)のホモログおよびそれらの任意の組合せであり得る、単離されたクラミジア・トラコマティスタンパク質をさらに含有し得る。本明細書で述べるように、本発明のクラミジアタンパク質、免疫原性フラグメントおよびホモログは、任意の組合せで、および互いに対して任意の比率で存在し得る。
本発明はさらに、そのヌクレオチド配列が当分野において周知である、本発明のクラミジアタンパク質またはその免疫原性フラグメントをコードする単離核酸を提供する。かかる核酸は、ベクター(例えば、当分野において周知である、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レンチウイルス、ヘルペスウイルス、アルファウイルスベクター等のようなウイルスベクター)中に存在することができ、ベクターは、細胞(例えば異種核酸の導入によって形質転換された細胞)中に存在し得る。本発明の核酸、ベクターおよび/または細胞は、本発明の方法において使用することができる。例えば、本発明のタンパク質をコードする核酸は、本発明の核酸を含有することが疑われる試料を、ハイブリダイゼーション複合体が形成され得る条件下で前記核酸に相補的なヌクレオチド配列と(例えばプローブまたはプライマーとして)接触させ、ハイブリダイゼーション複合体の形成を検出して、それによって試料中の本発明の核酸を検出することにより検出できる。核酸の検出並びに感染および疾患の診断のための核酸ハイブリダイゼーションプロトコールは当分野において周知である。
本発明の核酸またはヌクレオチド配列の検出は、核酸試料およびヌクレオチド配列を分析するため並びにヌクレオチド配列内の特定ヌクレオチドを同定するために、当分野において標準的なおよび本明細書で述べるような種々のプロトコールに従って実施できる。
例えば、核酸は、核酸を含有する被験者からの任意の適切な試料より入手することができ、次に、広く確立されたプロトコールに従って核酸を調製し、分析することができる。ある実施形態では、核酸の分析は、核酸鎖および/またはその相補物を配列決定することによって、ハイブリダイゼーション反応によっておよび/または当分野で周知の増幅プロトコール(例えばポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応、鎖置換増幅法、転写に基づく増幅法、自己保持配列複製法(3SR)、Qβレプリカーゼプロトコール、核酸配列に基づく増幅法(NASBA)、修復連鎖反応(RCR)およびブーメランDNA増幅法(BDA)等)に従った対象領域の増幅によって実施できる。ある実施形態では、増幅産物を染色によってゲル中で直接視覚化することができ、または産物を検出可能なプローブとハイブリダイズすることによって若しくは遺伝子産物に翻訳することによって検出できる。増幅条件が遺伝子マーカーのすべての対立遺伝子型の増幅を許容する場合、それらの対立遺伝子型は様々な周知の方法によって、例えば対立遺伝子特異的プローブとのハイブリダイゼーション、対立遺伝子特異的プライマーによる二次増幅、制限エンドヌクレアーゼ消化および/または電気泳動などによって識別できる。従って、本発明はさらに、本発明の方法に従って遺伝子マーカーを検出するおよび/または同定するためのプライマーおよび/またはプローブとしての使用のためのオリゴヌクレオチドを提供する。
本発明のさらなる実施形態では、表IIに列挙するクラミジアタンパク質はまた、単独でまたは相互との任意の組合せ(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上)および/または任意の他のクラミジアタンパク質および/若しくは本発明の試薬との組合せで、本発明の方法および組成物において使用できる。
本発明はさらに、本明細書で述べる治療および予防方法における使用のための本発明の単離核酸、ベクターおよび細胞を提供する。従って、特定実施形態では、本発明のクラミジアタンパク質またはその免疫原性フラグメントをコードする本発明の核酸を被験者に導入することができ、核酸が被験者において発現され、コードされた産物が生成されて免疫応答を惹起し、それによってクラミジア感染および/または疾患を治療または予防する。従って、本発明の核酸、ベクターおよび/または細胞は、医薬的に許容される担体を含有する組成物中に存在し得る。
本明細書で使用される、「a」、「an」または「the」は、1またはそれ以上(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10等)を意味し得る。例えば、細胞(「a」 cell)は、単一の細胞または多数の細胞を意味し得る。
同じく本明細書で使用される、「および/または」は、関連する列挙項目の1またはそれ以上のありとあらゆる可能な組合せ、並びに選択的に解釈される場合(「または」)は組合せの欠如を指し、且つ包含する。
さらに、本明細書で使用される「約」という用語は、本発明の化合物または作用物質の量、用量、時間、温度等のような測定可能な値に言及する場合、指定される量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、さらには±0.1%の変動を包含することが意図されている。
本明細書で使用される、「医薬的に許容される」とは、生物学的でないまたはさもなければ望ましくないものではない物質を意味し、すなわち物質は、評価し得るほどの望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく被験者に投与し得る。従って、かかる医薬組成物は、例えば免疫用の組成物を調製するために使用し得る。生理的および医薬的に許容される担体は、当分野において公知である安定剤、塩、緩衝剤、アジュバントおよび/または防腐剤(例えば抗菌剤、抗真菌剤および抗ウイルス剤)を含むがこれらに限定されない他の化合物を含み得る。医薬的に許容される担体は、一部の実施形態では無菌であり得る。
本明細書で使用される「単離」という用語は、本発明のタンパク質またはポリペプチドまたは免疫原性フラグメントまたは核酸が、ポリペプチドおよび/または核酸が通常は共に存在する汚染物質または細胞成分が十分含まれていない状態であることを意味する。「単離」は、製剤が技術的に純粋(均一)であることを意味するのではなく、治療的に使用できる形態のポリペプチドまたは核酸を提供するのに十分なだけ純粋であることを意味する。
本明細書で使用される「エピトープ」または「抗原性エピトープ」または「抗原性ペプチド」は、適切な立体配座で存在する場合、抗体またはT細胞受容体に対する反応部位を提供する、限られた長さ(例えば、5〜12アミノ酸または3〜10アミノ酸、または4〜8アミノ酸または6〜15アミノ酸)の特定アミノ酸配列を意味する。抗原上のエピトープの同定は、当分野において周知である免疫学プロトコールによって実施できる。本発明の「免疫原性フラグメント」は、本発明のタンパク質の1、2、3、4またはそれ以上のエピトープを含有し得る。
本明細書で使用される、「ポリペプチド」または「タンパク質」という用語は、核酸によってコードされるものに対応するアミノ酸の鎖を表すために使用される。本発明のポリペプチドまたはタンパク質は、通常は2〜約30アミノ酸のアミノ酸鎖を表す、ペプチドであり得る。本明細書で使用されるポリペプチドという用語はまた、30個を超えるアミノ酸を有するアミノ酸鎖も表し、タンパク質のフラグメント若しくはドメインまたは完全長タンパク質であり得る。さらに、本明細書で使用されるポリペプチドという用語は、アミノ酸の直鎖を指すことができるか、またはプロセシングされ、機能性タンパク質へと混ぜられたアミノ酸の鎖を指すことができる。しかし、30はペプチドとポリペプチドとを区別することに関して恣意的な数であり、これらの用語はアミノ酸鎖に関して交換可能に使用できることが了解される。本発明のポリペプチドは、それらが天然に産生される細胞からポリペプチドを単離し、精製することによって、酵素(例えばタンパク質分解性)切断によって、および/または本発明のポリペプチド若しくはフラグメントをコードする核酸の組換え発現によって得られる。本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントは、化学合成またはポリペプチドおよびフラグメントを生成するための他の公知のプロトコールによって入手することもできる。
本発明のアミノ酸配列は、アミノからカルボキシ方向に、左から右に提示される。ヌクレオチド配列は、本明細書では、5’から3’方向に、左から右に、一本鎖だけによって提示される。しかし、本発明の核酸は一本鎖または二本鎖(すなわち相補的核酸を含む)のいずれかであり得ることが意図されている。本発明の核酸は、本明細書で述べる核酸の相補物であり得る。
「生物学的に活性なフラグメント」は、本発明のポリペプチドの生物活性の1またはそれ以上を有するのに十分な数のアミノ酸を含む本発明のポリペプチドを包含する。かかる生物活性は、任意の組合せで、結合活性および/または免疫原性活性、並びに本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントに関して現在公知のまたは今後同定される任意の他の活性を含み得るが、これらに限定されない。
本発明のポリペプチドまたはタンパク質のフラグメントは、当分野で周知の通常の方法によって作製できる。本発明のフラグメントは、例えば、天然に生じるペプチド若しくはポリペプチドの酵素切断若しくは他の切断によって、または周知の合成プロトコールによって作製できる。かかるフラグメントは、ポリペプチドの活性を試験するための通常の方法である、本明細書で述べる方法に従って、および/またはかかる活性を同定するための任意の当分野で公知の通常の方法に従って、本発明の生物活性の1またはそれ以上に関して試験することができる。本明細書で述べるポリペプチドの生物学的に活性なフラグメントおよび/または免疫原性フラグメントを同定するためのかかる作製および試験は、十分に当業者の技術範囲内であり、通常どおりである。
本明細書で使用される、「抗体」という用語は、抗原のエピトープ決定基(すなわち抗原決定基)に結合することができる、無傷免疫グロブリン分子並びにFab、F(ab’)2およびFcなどのそのフラグメントを包含する。本発明のポリペプチドに結合する抗体は、対象とする低分子ペプチドを免疫抗原として含む無傷ポリペプチドまたはフラグメントを使用して調製される。動物を免疫するために使用されるポリペプチドまたはフラグメントは、酵素切断、組換え発現、生物学的物質からの単離、合成等から誘導することができ、所望する場合は、担体タンパク質に結合することができる。抗体の作製のためにペプチドおよびタンパク質に化学的に結合される一般に使用される担体は、ウシ血清アルブミン、チログロブリンおよびキーホールリンペットヘモシアニンを含むが、これらに限定されない。結合されたペプチドまたはタンパク質は、次に、動物(例えばマウス、ラットまたはウサギ)を免疫するために使用される。ポリペプチドまたはペプチド抗原はまた、本明細書で述べるおよびさもなければ当分野で公知のアジュバントと共に投与することができる。
本明細書で使用される「(1または複数の)抗体」という用語は、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEを含む、すべての種類の免疫グロブリンを指す。抗体はモノクローナルまたはポリクローナルであり得、また、例えばマウス、ラット、ウサギ、ウマ、ヤギ、ヒツジ若しくはヒトを含む、任意の起源種であり得るか、またはキメラ若しくはヒト化抗体であり得る。例えば、Walker et al.,Molec.Immunol.26:403−11(1989)参照。抗体は、米国特許第4,474,893号または米国特許第4,816,567号に開示される方法に従って作製された組換えモノクローナル抗体であり得る。抗体はまた、米国特許第4,676,980号に開示される方法に従って化学的に構築することもできる。抗体は、さらに、一本鎖抗体または二重特異性抗体であり得る。
本発明の範囲に包含される抗体フラグメントは、例えばFab、F(ab’)2およびFcフラグメント、並びにIgG以外の抗体から得られる対応するフラグメントを含む。かかるフラグメントは公知の技術によって作製できる。例えば、F(ab’)2フラグメントは、抗体分子のペプシン消化によって作製することができ、Fabフラグメントは、F(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって生成できる。あるいは、所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速且つ容易な同定を可能にするためにFab発現ライブラリーを構築することができる(Huse et al.,(1989)Science 254:1275−1281)。
モノクローナル抗体は、Kohler and Milstein,(1975)Nature 265:495−97の技術に従ってハイブリドーマ細胞株において作製することができる。例えば、適切な抗原を含有する溶液をマウスに注射し、十分な時間後、マウスを犠死させて、脾細胞を得ることができる。次に、典型的にはポリエチレングリコールの存在下で、脾細胞を骨髄腫細胞またはリンパ腫細胞と融合することによって不死化し、ハイブリドーマ細胞を生成する。次に、ハイブリドーマ細胞を適切な培地中で増殖させ、所望の特異性を有するモノクローナル抗体に関して上清をスクリーニングする。モノクローナルFabフラグメントは、当業者に公知の組換え技術によって大腸菌などの細菌細胞において作製できる。例えば、W.Huse,(1989)Science 246:1275−81参照。
抗体はまた、当分野で公知のファージディスプレイ技術によってまたは対象とするエピトープを含む細胞で異種宿主を免疫することによって得ることもできる。
本明細書で使用される「試料」という用語は、その最も広い意味で使用される。本発明のポリペプチド、フラグメント、抗体および/または核酸を含むことが疑われる生物学的試料は、任意の生体液、細胞からの抽出物、細胞から単離された細胞外マトリックス、細胞(溶液中のまたは固体支持体に結合した)、組織、組織プリント等であり得る。
本発明による組成物の塩、担体、賦形剤、希釈剤などの「医薬的に許容される」成分は、(i)組成物をその意図される目的に対して不適切にすることなく本発明の組成物と組み合わせることができるという点で組成物の他の成分と適合性であり、並びに(ii)過度の有害副作用(毒性、刺激およびアレルギー反応など)を伴わずに本明細書で提供される被験者に関する使用に適する、成分である。副作用は、その危険性が組成物によって提供される利益を上回る場合に「過度」である。医薬的に許容される成分の非限定的な例は、限定されることなく、リン酸緩衝食塩溶液、水、油/水乳剤などの乳剤、マイクロエマルジョンおよび様々な種類の湿潤剤などの標準的な医薬担体のいずれかを含む。
本明細書で使用される「基本的に〜からなる」という用語(および文法上の変形)は、免疫原性組成物が、指示される作用物質以外に他の実質的な免疫原性物質を含まないことを意味する。「基本的に〜からなる」という用語は、アジュバント、免疫調節剤等のような他の成分の存在を排除しない。
本発明は、例えばクラミジア・トラコマティス、クラミジア・ムリダルムおよびクラミジア・ニューモニエを含むクラミジア種によって引き起こされる感染および/または疾患から被験者を防御するために実施できる。「防御する」、「防御すること」および「防御」等の用語は、防御が部分的であるか完全であるかにかかわらず、治療される被験者において疾患の発生率および/または重症度が低下するように、被験者の集団において何らかの利益となる何らかのレベルの防御を意味する。
本明細書で使用される「初回抗原刺激する」、「初回抗原刺激を受けた」または「初回抗原刺激」(およびその文法上の変形)とは、2回目の投与(ブースター)が後の時点で孵化(hatch)後に投与されるまで防御未満である、能動免疫応答を開始させることを意味する。
本明細書で使用される「低下させる」、「低下した」、「低下させること」および「低下」(およびその文法上の変形)とは、何らかの価値または利益となる、クラミジア感染または疾患に関連するパラメータの減少を意味する。
本発明はまた、クラミジア属菌に対する免疫応答を誘導するために実施できる。本明細書で使用される、「クラミジア属菌に対する免疫応答を誘導する(またはその文法上の変形)」という用語は、受動伝達および/または能動免疫応答によって、生物自体に対するおよび/または、例えば生物によって産生される毒素若しくは分泌タンパク質に対する免疫応答を誘導する作用物質を包含することが意図されている。場合により、誘導される免疫応答は、例えばワクチン接種法における、防御免疫応答である。免疫応答を誘導する何らかの他の目的がある場合、例えば研究目的のためまたは受動免疫用若しくは試薬としての(例えばクラミジア種を検出する、単離するおよび/または同定するための)抗体を作製するためである場合は、防御は必要とされない。
本明細書で使用される「免疫原量」または「有効量」または「有効免疫用量」という用語は、特に指示がない限り、治療される被験者において、免疫されていない被験者の先天性免疫よりも大きい防御免疫応答を誘導するのに十分な本発明の組成物の用量を意味する。任意の特定状況における免疫原量または有効量または有効免疫用量は、当分野で公知の方法を用いて通常どおりに決定することができる。
一部の実施形態では、有効免疫用量または免疫原量または有効量は、所望の防御レベルを達成するために免疫原性組成物の1回またはそれ以上(例えば2または3回)の用量を含み得る。
「ワクチン」、「ワクチン接種」または「免疫」という用語は、当分野において十分に理解され、本明細書では交換可能に使用される。例えば、ワクチン、ワクチン接種または免疫という用語は、(能動免疫応答を与えることによって)抗原に対する被験者の免疫反応を高める、従って感染に抵抗する、感染を克服するおよび/または感染から回復する被験者の能力(すなわち防御免疫応答)を高める過程または組成物であると理解され得る。
本明細書で使用される「防御免疫」または「防御免疫応答」という用語は、宿主動物が免疫原性組成物に対する能動免疫応答を開始すること、および/または免疫原性組成物が、その後の暴露または抗原投与時に、動物が感染および/または疾患に抵抗または感染および/または疾患を克服することができるように受動免疫を与えることを意味することが意図されている。従って、防御免疫応答は、病原体へのその後の暴露に起因する罹患率および/または死亡率を低下させる。
「能動免疫応答」または「能動免疫」は、免疫原と接触した後の宿主組織および細胞の関与として特徴づけられる。それは、抗体の合成または細胞媒介性反応性の発現またはその両方を導く、リンパ細網組織における免疫担当細胞の分化と増殖に関与することを特徴とする。Herbert B.Herscowitz,Immunophysiology:Cell Function and Cellular Interactions in Antibody Formation,in IMMUNOLOGY:BASIC PROCESSES 117(Joseph A.Bellanti ed.,1985)。あるいは、能動免疫応答は、感染またはワクチン接種による免疫原への暴露後に宿主によって開始される。能動免疫は受動免疫と対比させることができ、受動免疫は、「能動的に免疫された宿主から非免疫宿主へのあらかじめ形成された物質(抗体、伝達因子、胸腺移植片、インターロイキン2)の移入」を介して獲得される。同上。
本発明の被験者は、クラミジア種による感染に感受性のあるあらゆる動物を包含する。かかる被験者は、哺乳動物(例えばラット、マウス、モルモット、ウサギ、霊長動物等のような実験動物)、家畜または商業用動物(例えばウシ、ウマ、ヤギ、ロバ、ヒツジ等)、ペット動物(例えばネコ、イヌ、フェレット等)、鳥類であり得、特定実施形態では、ヒトである。「その必要がある被験者」は、クラミジアに感染したことが判明しているまたは疑われる被験者である。本発明の被験者はまた、これまではクラミジアに感染したことが知られていない若しくは疑われていない被験者またはクラミジア感染のための治療を必要とする被験者も包含し得る。例えば、本発明の被験者は、被験者がクラミジアに感染したことが知られていない若しくは疑われていない場合でも、本発明の組成物を投与され得る(例えば予防的に)。本発明の被験者はまた、クラミジアによる感染の危険性があることが知られているまたは危険性があると考えられる被験者である。
ある実施形態では、本発明のフラグメントおよび/またはポリペプチドは、「担体」タンパク質またはペプチドと融合して融合タンパク質を生成することができる。例えば、担体タンパク質またはペプチドは、細胞および/または被験者におけるその安定性を高める(例えば代謝回転速度を低下させる)ために本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントと融合することができる。例示的な担体タンパク質は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼまたはマルトース結合タンパク質を含むが、これらに限定されない。あるいは、担体タンパク質またはペプチドはレポータータンパク質であり得る。例えば、融合タンパク質は、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントと、検出を容易にするためのレポータータンパク質またはペプチド(例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)、β−グルクロニダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ等)を含み得る。さらなる選択肢として、ポリペプチドおよび/またはフラグメント並びに担体タンパク質またはペプチドに結合した融合タンパク質を対象とする細胞内区画に標的する、すなわちポリペプチドおよび/またはフラグメントの共局在に影響を及ぼすように標的することができる。当分野において周知である任意の適切な担体タンパク質が、本発明の融合タンパク質を生成するために使用できる。
ポリペプチド、フラグメントおよび/またはペプチドに特異的なポリクローナルまたはモノクローナル抗体のいずれかを使用して、試料中のポリペプチド、フラグメントおよび/またはペプチドの存在を検出するおよび/または量を測定するための様々なプロトコールが当分野において公知である。かかるプロトコールの例は、酵素免疫測定法(EIA)、凝集アッセイ、免疫ブロット法(ウエスタンブロット法、ドット/スロットブロット法等)、放射免疫測定法(RIA)、免疫拡散アッセイ、化学発光アッセイ、抗体ライブラリースクリーニング、発現アレイ、固相酵素免疫検定法(ELISA)、放射性免疫測定法(RIA)、免疫沈降、ウエスタンブロット法、競合結合測定法、免疫蛍光、免疫組織化学的染色沈殿/綿状反応アッセイおよび蛍光活性化細胞選別(FACS)を含むが、これらに限定されない。これらや他のアッセイは、特に、Hampton et al.(Serological Methods a Laboratory Manual,APS Press,St Paul,Minn(1990))およびMaddox et al.(J.Exp.Med.158:1211−1216(1993))に記載されている。
本発明はさらに、本発明に関して述べるものと実質的に等価である、単離されたポリペプチド、ペプチド、タンパク質および/またはフラグメントを包含する。本明細書で使用される「実質的に等価」は、1またはそれ以上の置換(例えば当分野で周知の保存的アミノ酸による置換)、欠失および/または付加によって参照配列とは異なり、その正味の影響が参照配列と対象配列との間に望ましくない有害な機能的相違点を生じさせない、核酸配列とアミノ酸配列との両方、例えば突然変異型配列を表し得る。一部の実施形態では、本発明は、有害な機能的相違点を有する実質的に等価の配列を含み得る。本発明に関して、等価の生物活性および等価の発現特性を有する配列は、実質的に等価であるとみなされる。
本発明はさらに、本発明に含まれるクラミジア属の他の株および/または他の生物に由来する、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントのホモログ並びにホモログを得る方法を提供する。本明細書で使用される、アミノ酸配列またはタンパク質は、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントの1つと有意の相同性または同一性を共有する場合、本発明のポリペプチドまたはフラグメントのホモログと定義される。有意の相同性または同一性は、もう1つ別のアミノ酸配列との少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%および/または100%の相同性または同一性を意味する。かかるホモログはまた、ヌクレオチド配列レベルで有意の同一性(すなわちもう1つ別のヌクレオチド配列と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%および/または100%の同一性)を有することによっても同定され得る。
一例として、本発明のクラミジアタンパク質またはフラグメントをコードする核酸(当分野で公知であり、参照により本明細書に組み込まれる)をプローブまたはプライマーとして使用し、並びにPCR増幅およびコロニー/プラークハイブリダイゼーションなどの技術を使用することにより、当業者は、当分野において利用可能な情報に基づきクラミジア属および/または他の生物における本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントのホモログを同定することができる。
もう1つの例として、本発明のクラミジアタンパク質のホモログは、本発明のクラミジアタンパク質または免疫原性フラグメントと特異的に反応する抗体を使用した免疫測定法において分析した場合、交差反応性を有することによって同定され得る。
1つの非限定的な例として、クラミジア・ニューモニエのタンパク質およびこれらのタンパク質のクラミジア・トラコマティスホモログのリストは、これらの教示に関してその内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,822,071号に認められる。
本発明はまた、本発明のポリペプチドおよび/または免疫原性フラグメントに特異的に結合する抗体、並びにa)動物が本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントに特異的に結合する抗体を産生する条件下で、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントで動物を免疫すること、およびb)抗体を含有する生物学的物質を動物から取り出すことを含む、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントに特異的な抗体を作製する方法を提供する。また、本明細書で述べる方法によって生成される抗体も本明細書において提供される。
本発明の抗体は、当分野で周知の方法を用いて作製することができる。本発明のかかる抗体および免疫グロブリン分子は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体(例えばscFv)、Fabフラグメント、およびFab発現ライブラリーによって生成されるフラグメントを含み得るが、これらに限定されない。
一般に、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体並びに所望の抗体を産生することができるハイブリドーマを作製するための技術は当分野において周知である。抗体を産生することが公知の任意の動物を本発明のポリペプチド、フラグメントおよび/または抗原性エピトープで免疫することができる。抗体を産生する動物の免疫のための方法は当分野において周知である。例えば、かかる方法は、本発明のポリペプチド、フラグメントおよび/または抗原性エピトープの皮下または腹腔内注射を含み得る。
免疫原として使用されるポリペプチド、フラグメントまたは抗原性エピトープは、抗原性を高めるために修飾するおよび/またはアジュバント中で投与することができる。タンパク質またはペプチドの抗原性を高める方法は当分野で周知であり、抗原を異種タンパク質(グロブリンまたはβ−ガラクトシダーゼなど)と結合することおよび/または免疫の際にアジュバントを含めることを含むが、これらに限定されない。
例えば、抗体の作製のために、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ヒトその他を含む様々な宿主を、担体タンパク質と共にまたは担体タンパク質なしで、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントの注射によって免疫することができる。加えて、免疫応答を高めるために様々なアジュバントを使用し得る。かかるアジュバントは、フロイント完全および不完全アジュバント、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲル、並びにリゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油性乳剤、キーホールリンペットヘモシアニンおよびジニトロフェノールなどの界面活性物質を含むが、これらに限定されない。ヒトにおいて使用されるアジュバントの非限定的な例は、BCG(カルメット‐ゲラン杆菌)およびコリネバクテリウム・パルヴム(Corynebacterium parvum)を含む。
本発明の抗体を作製するための抗原として使用される本発明のポリペプチド、ペプチドおよび/またはフラグメントは、少なくとも約5個のアミノ酸、ある実施形態では少なくとも約10個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有し得る。1つの実施形態では、抗原は、天然タンパク質のアミノ酸配列の一部と同一であり、天然に生じる低分子のアミノ酸配列全体を含み得る。本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントの短鎖を、担体タンパク質として働く別のタンパク質(例えばキーホールリンペットヘモシアニン)の全部またはフラグメントと融合することができ、キメラのリペプチドまたはペプチドに対する抗体を作製することができる。
本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントに対するモノクローナル抗体は、培養連続細胞株による抗体分子の産生を提供する、任意の技術を用いて作製される。これらは、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術およびEBVハイブリドーマ技術を含むが、これらに限定されない(Kohler et al.1975.Nature 256:495−497;Kozbor et al.1985.J.Immunol.Methods 81:31−42;Cote et al.1983.Proc.Natl.Acad.Sci.80:2026−2030;Cole et al.1984.Mol.Cell Biol.62:109−120)。
例えば、モノクローナル抗体を産生するために、当分野における通常の技術に従って、免疫動物の脾細胞を取り出し、骨髄腫細胞と融合して、選択培地中で培養してモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞にする。当分野で周知の多くの方法のいずれか1つが、所望の特性を有する抗体を産生するハイブリドーマ細胞を同定するために使用できる。これらは、ELISAアッセイ、ウエスタンブロット分析または放射性免疫測定法によってハイブリドーマをスクリーニングすることを含む。所望の抗体を分泌するハイブリドーマをクローニングし、当分野で公知の標準的な手順によってクラスおよびサブクラスを同定する。
ポリクローナル抗体に関しては、抗体を含有する血清を免疫動物から単離し、本明細書で述べる周知の手順のいずれかを用いて所望の特異性を有する抗体の存在についてスクリーニングする。
本発明はさらに、検出可能に標識された形態の本発明の抗体を提供する。抗体は、放射性同位体、親和性標識(ビオチン、アビジン等のような)、酵素標識(ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等のような)、蛍光標識(FITCまたはローダミン等のような)、常磁性原子、金ビーズ等の使用を介して検出可能に標識することができる。かかる標識化手順は当分野において周知である。本発明の標識抗体は、試料中の本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントを同定するインビトロ、インビボおよびインサイチューアッセイのために使用できる。
一部の実施形態では、本発明はさらに、固体支持体(例えばラテックスまたはポリスチレンなどの材料で形成された、例えばビーズ、プレート、スライドまたはウェル)上に固定された本発明の抗体および/または抗原を提供する。かかる固体支持体の非限定的な例は、ポリカーボネート、アガロース、ニトロセルロース、セファロース、アクリル樹脂、ポリアクリルアミドおよびラテックスビーズ、並びに当分野で公知の任意の他の固体支持体を含む。抗体および抗原をかかる固体支持体に結合するための技術は当分野において周知である(Weir et al.,Handbook of Experimental Immunology 4th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,England,Chapter 10(1986))。本発明の抗体および/または抗原は、同様に、公知の技術に従って放射性標識(例えば35S、125I、131I)、酵素標識(例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、蛍光標識(例えばフルオレセイン)などの検出可能な群に結合することができる。抗原/抗体複合体の形成に適する条件は、当分野では一般的であり、すべての免疫測定法の基礎を構成する。かかる条件は、当業者には容易に判断されるように、所与の免疫測定法において用いられる特定の試薬、試料および/または工程に依存して異なり得る。本発明の方法における抗体/抗原複合体の形成は、当分野で周知のように、例えば沈殿、凝集、綿状反応、放射能、発色または変色、蛍光、発光等の検出によって測定できる。
加えて、マウス抗体遺伝子をヒト抗体遺伝子にスプライシングして適切な抗原特異性および生物活性を有する分子を得ることによる、キメラ抗体またはヒト化抗体の作製のために開発された技術が使用できる(Morrison et al.1984.Proc.Natl.Acad.Sci.81:6851−6855;Neuberger et al.1984.Nature 312:604−608;Takeda et al.1985.Nature 314:452−454)。あるいは、一本鎖抗体の作製に関して記述されている技術を、当分野で公知の方法を用いて、本発明のポリペプチドおよびフラグメントに特異的な一本鎖抗体を作製するように適合させ得る。関連する特異性を有するが、イディオタイプ組成の異なる抗体は、ランダムコンビナトリアル免疫グロビンライブラリーから鎖シャッフリングによって作製できる(Burton 1991.Proc.Natl.Acad.Sci.88:11120−3)。
本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントに特異的に結合する抗体フラグメントも作製できる。例えば、かかるフラグメントは、抗体分子のペプシン消化によって生成され得るF(ab’)フラグメントおよびF(ab’)フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって生成され得るFabフラグメントを含むが、これらに限定されない。あるいは、Fab発現ライブラリーを構築して、所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速且つ容易な同定を可能にし得る(Huse et al.1989.Science 254:1275−1281)。
様々な免疫測定法が、本発明のタンパク質およびペプチドに対して所望の特異性を有する抗体を同定するスクリーニングのために使用できる。確立された特異性を有するポリクローナルまたはモノクローナル抗体のいずれかを使用した競合結合アッセイまたは免疫放射定量測定法のための数多くのプロトコールが当分野において周知である。かかる免疫測定法は、典型的には、抗原とその特異的抗体との間の複合体形成(例えば抗原/抗体複合体形成)の測定を含む。例えば、本発明のタンパク質またはペプチド上の2つの非干渉性エピトープに対して反応性のモノクローナル抗体を利用する、モノクローナル抗体に基づく2部位免疫測定法、並びに競合結合アッセイが使用できる。
本発明は、試料中の本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントおよび/または抗体の検出キットを提供することがさらに企図される。1つの実施形態では、キットは、適切な緩衝剤、洗浄液および/または抗体/抗原複合体形成を検出するための他の試薬と共に、本発明の1またはそれ以上の抗体を含み得る。選択的実施形態では、本発明のキットは、適切な緩衝剤、洗浄液および/または抗体/抗原複合体形成を検出するための他の試薬と共に、本発明のポリペプチド、本発明のポリペプチドの抗原性ペプチド、本発明のフラグメントおよび/または本発明のフラグメントの抗原性ペプチドを含み得る。
本発明はさらに、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントをコードする核酸の検出のためのキットを提供する。例えば、1つの実施形態では、キットは、適切な緩衝剤、洗浄液および/またはハイブリダイゼーション複合体形成を検出するための他の試薬と共に、本発明の1またはそれ以上の核酸を含み得る。
本発明のキットが、当分野で周知のように、適切な緩衝剤および/または洗浄液およびキットを使用するための指示書と共に、キットの試薬(例えば抗体、抗原、核酸)を保持する1またはそれ以上の入れ物および/または容器を含み得ることは当業者には十分に理解される。かかるキットは、当分野で周知のように、アジュバントおよび/または他の免疫刺激剤若しくは免疫調節剤をさらに含み得る。
さらに、本発明の組成物のいずれもが、適切なアジュバントを含み得る。本明細書で使用される「適切なアジュバント」は、被験者または被験者の細胞への有害作用を伴わずに、免疫応答をさらに増強するために本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントと組み合わせることができるアジュバントを表す。適切なアジュバントは、CpG、MONTANIDE ISA51(Seppic,Inc.,Fairfield,NJ)、リン酸緩衝食塩水中の5%(wt/vol)スクアレン(DASF,Parsippany,N.J.)、2.5%Pluronic、L121ポリマー(Aldrich Chemical,Milwaukee)および0.2%ポリソルベート(Tween80、Sigma)からなるSYNTEX adjuvant formulation 1(SAF−1)であり得るが、これらに限定されない。他の適切なアジュバントは当分野において周知であり、QS−21、フロイントアジュバント(完全および不完全)、ミョウバン、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDPと称される、CGP 11637)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PEと称される、CGP 19835A)および、2%スクアレン/Tween80乳剤中に細菌から抽出された3つの成分、すなわちモノホスホリル脂質A、ジミコール酸トレハロースおよび細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を含有するRIBIを含む。
本発明の組成物はまた、他の薬剤、医薬品、担体、希釈剤、免疫刺激性サイトカイン等を含有し得る。かかる投与形態を調製する実際の方法は、当業者に公知であるかまたは明らかである。
上述した本発明の組成物は、治療上の恩恵を与えるために被験者または被験者の細胞に投与できることが企図されている。従って、本発明はさらに、本発明のポリペプチドおよび/または免疫原性フラグメントおよび/または本発明のポリペプチドおよび/または免疫原性フラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む核酸の有効量を被験者または被験者の細胞に投与することを含む、被験者において免疫応答を生じさせる方法を提供する。被験者の細胞は、インビボまたはエクスビボであり得、CD8+Tリンパ球(例えば細胞傷害性Tリンパ球)またはMHC Iを発現する抗原提示細胞、例えば樹状細胞、マクロファージおよび/または単球であり得るが、これらに限定されない。被験者または被験者の細胞における免疫応答の検出は、体液性および/または細胞性免疫応答を検出するための当分野で標準的な方法に従って実施できる。
さらに、本発明は、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントの有効量を被験者に投与することを含む、被験者において免疫応答を惹起する方法を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、本発明の抗体の有効量を被験者に投与することを含む、被験者に受動免疫を与える方法を提供する。
本発明の組成物はまた、治療および/または予防製剤として使用することができ、その必要がある被験者に投与し得る。従って、本発明は、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメント、本発明の核酸および/またはベクター、および/または本発明の抗体の有効量を被験者に投与することを含む、被験者においてクラミジア属菌による感染を治療または予防する方法を提供する。
加えて、本発明は、被験者の免疫細胞を本発明のポリペプチド、フラグメント、核酸、ベクターおよび/または抗体のいずれかと接触させることを含む、被験者においてクラミジア属菌によって引き起こされる感染または中毒を治療または予防する方法を提供する。細胞は、インビボまたはエクスビボであり得、例えばCD8T細胞であり得、それを、可溶性分子であり得るかまたはクラスI MHC分子を発現する細胞の表面に存在し得る、クラスI MHC分子の存在下で本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントと接触させる。細胞はまた、抗原提示細胞または他のクラスI MHC発現細胞であり得、それを、核酸およびベクターの取込みのための標準的な方法によって核酸またはベクターが細胞に導入される(例えば形質転換細胞を生成するために)条件下で本発明の核酸および/またはベクターと接触させ得る。次に、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントをコードする核酸が発現され、ポリペプチドおよび/またはフラグメント産物が抗原提示細胞または他のMHC I発現細胞内でプロセシングされて、細胞表面でMHC I/抗原複合体として提示される。その後、抗原提示細胞または他のクラスI MHC発現細胞を被験者の免疫細胞と接触させると、免疫細胞はクラスI MHC/抗原複合体に結合し、被験者においてクラミジア感染を治療または予防する免疫応答を惹起する。
本発明のさらなる実施形態は、本発明の1またはそれ以上(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10等)のタンパク質またはその免疫原性フラグメントの有効量を含有する組成物を被験者に投与することを含む、被験者においてクラミジア感染による不妊症の可能性を低下させる方法を包含する。この方法は、被験者にアジュバントを投与することをさらに含み得る。
「クラミジア感染による不妊症の可能性を低下させる」とは、本発明の免疫原性組成物を投与された本発明の被験者が、クラミジア感染の結果として不妊になるのを予防すること、または被験者がクラミジア属菌に感染した結果として不妊になる可能性が、未治療の被験者がクラミジア属菌に感染した結果として不妊になる可能性に比べて低くなることを意味する。不妊症の予防または不妊症の可能性若しくは発生率の低下は、本発明の方法によって被験者におけるクラミジア感染を予防または治療することから生じる。被験者において不妊症が予防されることまたはクラミジア感染の結果としてのその可能性が低下することは、本明細書で述べるプロトコールに従っておよび当分野で周知のように測定することができる。
卵管水腫は、卵管閉塞とその後の卵管内腔での滲出液の停留の結果である。卵子と精子の受精を可能にするには、卵管の開存性が重要であること、および卵管水腫貯留液が卵子に対して毒性であることを考慮すると、卵管水腫の存在は不妊症の間接マーカーとしての役割を果たす。
従って、本発明はさらに、本発明の1またはそれ以上(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10等)のタンパク質またはその免疫原性フラグメントの有効量を含有する組成物を被験者に投与することを含む、被験者においてクラミジア感染による卵管水腫の発生率を低下させる方法を提供する。この方法は、被験者にアジュバントを投与することをさらに含み得る。
「クラミジア感染による卵管水腫の発生率を低下させる」とは、本発明の免疫原性組成物を投与された本発明の被験者が、クラミジア感染による卵管水腫を発症するのを予防する若しくは発症から保護される、またはクラミジア属菌に感染した未治療の被験者に比べてクラミジア感染による卵管水腫を発症する可能性が低い若しくはより低い程度のクラミジア感染による卵管水腫を有することを意味する。卵管水腫の予防または発生率の低下は、本発明の方法によって被験者におけるクラミジア感染を予防または治療する(例えば卵管の病変を低減する)ことから生じる。被験者においてクラミジア感染による卵管水腫が予防されることまたはその発生率および/若しくは程度が低下することは、本明細書で述べるプロトコールに従っておよび当分野で周知のように測定することができる。
一部の実施形態では、本発明のタンパク質またはその免疫原性フラグメントは、クラミジア感染を治療するおよび/または予防する免疫応答を惹起する、および/またはクラミジア感染による不妊症の可能性を低下させる、および/または卵管水腫の発生率を低下させるためのタンパク質またはペプチドとして本発明の被験者に投与することができる。他の実施形態では、本発明のタンパク質またはその免疫原性フラグメントをコードする核酸または任意の組合せでの複数の核酸を、クラミジア感染を治療するおよび/または予防する免疫応答を惹起する、および/またはクラミジア感染による不妊症の可能性を低下させる、および/または卵管水腫の発生率を低下させるために本発明の被験者に投与することができる。
上述したように、本発明の組成物が被験者または被験者の細胞に投与される方法においては、かかる方法が、適切なアジュバントを被験者または被験者の細胞に投与する工程をさらに含み得ることが企図されている。アジュバントは、本発明の組成物中に存在し得るか、または適切なアジュバントおよび医薬的に許容される担体を含有する別個の組成物中に存在し得る。アジュバントは、本発明のポリペプチド、フラグメント、核酸および/またはベクターのいずれかを含有する組成物の投与前に、投与と同時にまたは投与後に投与され得る。例えば、ミョウバンに類似するQS−21、完全フロイントアジュバント、SAF等は、本発明の組成物の投与の数日/数週間/数時間以内(前または後)に投与することができる。アジュバントの有効性は、本明細書で述べるおよび当分野で周知の標準的な手順を用いて、アジュバントと共におよびアジュバントなしで、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントに対する免疫応答を測定することによって判定できる。
本発明の組成物は、インビボまたはエクスビボで被験者の細胞または被験者に投与することができる。インビボでの被験者の細胞への投与、並びに被験者への投与に関しては、本発明の組成物は、経口的、非経口的に(例えば静脈内に)、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射によって、経皮的、体外的、局所的に、等で投与できる。また、本発明の組成物は、当分野で周知の方法に従って被験者の細胞から単離若しくは増殖された樹状細胞に、または被験者からの大量の末梢血単核球(PBMC)若しくはその種々の細胞画分にパルスすることができる。
必要とされる組成物の正確な量は、被験者の種、年齢、体重および全身状態、使用される特定の組成物、その投与方法等に依存して、被験者ごとに異なる。従って、本発明のあらゆる組成物について正確な量を指定することは不可能である。しかし、有効量は、本明細書の教示を考慮して通常の実験だけを使用して当業者によって決定され得る。
本発明の組成物は、クラミジア感染の前、感染の間および/または感染後に投与できる。一例として、クラミジア感染と診断された、またはクラミジア属菌に感染する危険性があることが知られている、またはクラミジア属菌に対する免疫応答を誘導することが望ましい被験者に、被験者の臨床パラメータの評価が、被験者がクラミジア属菌に感染していないことを示すまでおよび/または被験者が所望の免疫応答を明らかにするまで、1〜3時間/日/週の間隔で、本発明のポリペプチドおよび/または免疫原性フラグメント約50〜1000nMまたは約100〜500nMを、例えば皮下的に投与することができ、またアジュバント中で投与できる。あるいは、本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントを約10〜100μMの濃度で樹状細胞にパルスすることができ、樹状細胞を同じ時間間隔で被験者に静脈内投与し得る。被験者の臨床パラメータが、クラミジア感染が存在することを示す場合は、治療を継続または再開することができ、感染がこれらのパラメータによってもはや検出されなくなるまでおよび/または所望の免疫応答が達成されるまで治療を維持し得る。
本発明のペプチド、ポリペプチド、核酸および/またはベクターの非経口投与は、使用される場合、一般に注射を特徴とする。注射剤は、溶液または懸濁液、注射前に懸濁液に溶解するのに適した固形剤として、または乳剤として、従来の形態で調製し得る。本明細書で使用される「非経口投与」は、皮内、鼻腔内、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内および気管内経路、並びに一定投与量が維持される緩効性または徐放性システムを含む。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第3,610,795号参照。
本発明の方法によってクラミジア感染を治療または予防する効果は、当業者に周知のように、被験者の症候および/または臨床パラメータの変化によって示される臨床的改善を検出することにより、判定され得る。
本発明の組成物は、診断および治療適用おいてに使用できることがさらに企図されている。従って、本発明は、抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で試料を本発明の抗体と接触させること、および抗原/抗体複合体の形成を検出し、それによって試料中の本発明のクラミジアポリペプチドおよび/またはフラグメントの存在を検出することを含む、試料中の本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントの存在を検出する方法を提供する。
加えて、本発明は、抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で、試料を本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントと接触させること、および抗原/抗体複合体の形成を検出し、それによって試料中の本発明のクラミジア抗体の存在を検出することを含む、試料中の本発明の抗体の存在を検出する方法を提供する。
本発明の試料は、クラミジアタンパク質が存在し得る任意の試料であり得る。例えば、試料は、膣液、膣組織、膣洗液、膣スワブ、尿道スワブ、尿、血液、血清、血漿、唾液、精液、尿道分泌物、膣分泌物、痰、気管支肺胞洗浄液、滑液、脳脊髄液および細胞、肺、肝臓、心臓、脳、腎臓、脾臓、筋肉等を含む、クラミジアタンパク質が播種し得る任意の器官からの体液および/または組織、並びにそれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されない、クラミジアタンパク質を含有し得る体液、細胞または組織であり得る。
さらに、試料は、子宮頸管、子宮、ファローピウス管、精巣、肛門、咽喉、肺、皮膚、眼、胃腸管または体腔を含むが、これらに限定されない、任意の感染部位からの細胞および/または液体で構成され得る。これらの試料は、新鮮なものを使用し得るか、または後の使用のために貯蔵(適宜に、凍結、乾燥、冷蔵)し得る。試料は、それらの自然形態で使用し得るか(尿)、または処理、抽出、可溶化若しくは操作し得る。これらの試料中のクラミジア属菌は、生菌または死菌、全細胞または破壊細胞、処理されているかまたは未処理のいずれかであり得る。
加えて、本発明は、抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で被験者からの生物学的試料を本発明のポリペプチドおよび/またはフラグメントと接触させること、および抗原/抗体複合体の形成を検出して、それによって被験者におけるクラミジア感染を診断することを含む、被験者におけるクラミジア感染を診断する方法を提供する。
抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で被験者からの生物学的試料を本発明の抗体と接触させること、および抗原/抗体複合体の形成を検出し、それによって被験者におけるクラミジア感染を診断することを含む、被験者におけるクラミジア感染を診断する方法がさらに提供される。
本明細書で述べる、「免疫原性フラグメント」という用語は、被験者において体液性または細胞性免疫応答を刺激することができるタンパク質のフラグメント(例えばペプチド)を意味する。本発明の免疫原性フラグメントは、本発明のタンパク質の1、2、3、4またはそれ以上のエピトープを含む、基本的にそれらからなるおよび/またはそれらからなることができる。免疫原性フラグメントは、本発明のタンパク質の連続するアミノ酸の任意のフラグメントであり得、例えば5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75,、80、85、90、95、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600またはそれ以上のアミノ酸長であり得、本明細書で列挙する数の間またはそれを超える任意の数(例えば23、47または468アミノ酸)を含み得る。かかる任意の免疫原性フラグメントの同定は、当分野において普遍的なものである。
タンパク質および/またはその免疫原性フラグメントを使用して本明細書の方法を実施することによって惹起されるかまたは生じる免疫応答は、防御免疫応答、細胞性免疫応答、体液性免疫応答、Th1免疫応答、Th2免疫応答およびそれらの任意の組合せであり得る。
免疫系の体液性部分、すなわち抗原特異的抗体の産生を刺激するために、免疫原性フラグメントは、例えば本明細書で述べるアッセイおよび/または当分野で公知のアッセイなどの、任意の当分野で公知のアッセイによって測定した場合、問題のフラグメントが免疫原性活性を保持することを条件として、1またはそれ以上(例えば2、3、4、5、6等)のエピトープを規定する、完全長分子の少なくとも約5〜10個の連続するアミノ酸残基、または完全長分子の少なくとも約15〜25個の連続するアミノ酸残基、または完全長分子の少なくとも約20〜50個またはそれ以上の連続するアミノ酸残基、または5アミノ酸と完全長配列との間の任意の整数の連続するアミノ酸残基を含み得る。
エピトープを含む所与のポリペプチドの領域は、当分野で周知の種々のエピトープマッピング技術を用いて同定できる。(例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,Vol.66,Glenn E.Morris,Ed.,1996,Humana Press,Totowa,N.J.参照)。例えば、線状エピトープは、例えばタンパク質分子の一部に対応する多数のペプチドを固体支持体上で同時に合成し、ペプチドがまだ支持体に結合している間にペプチドを抗体と反応させることによって測定できる。かかる技術は当分野で公知であり、例えば、すべて、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,708,871号;Geysen et al.(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998−4002;Geysen et al.(1986)Molec.Immunol.23:709−715に記載されている。
同様に、配座エピトープは、例えばX線結晶学および二次元核磁気共鳴などにより、アミノ酸の空間配座を決定することによって容易に同定される。タンパク質の抗原領域も、例えばOxford Molecular Groupより入手可能なOmigaバージョン1.0ソフトウェアプログラムを使用して計算されたもののような、標準的な抗原性およびハイドロパシープロットを用いて同定できる。このコンピュータプログラムは、抗原性プロフィールを決定するためにHopp/Woods法(Hopp et al.,Proc.Natl.Acad.Sci USA(1981)78:3824−3828)を使用し、ハイドロパシープロットに関してはKyte−Doolittle技術(Kyteet al.,J.Mol.Biol.(1982)157:105−132)を用いる。
一般に、被験者の免疫系の細胞性部分の刺激に関与するT細胞エピトープは、約8〜25アミノ酸の短いペプチドであり、これらは、典型的には体液性エピトープを同定するための上述した方法によっては予測されない。T細胞エピトープを同定する一般的な方法は、オーバーラップ合成ペプチドを使用して、対象とする抗原に対して免疫性である動物に由来するT細胞によって認識されるこれらのペプチドのプールまたは個別のペプチドを、例えば酵素結合イムノスポットアッセイ(ELISPOT)を用いて分析することである。これらのオーバーラップペプチドはまた、サイトカイン放出若しくは分泌の刺激などの他のアッセイにおいても使用でき、またはペプチドを含む主要組織適合性(MHC)四量体を構築することによって評価することもできる。かかる免疫原性フラグメントはまた、対象とする抗原からの様々なフラグメントによる刺激に応答してリンパ球増殖を刺激するそれらの能力に基づいて同定することもできる。
本明細書で使用される「エピトープ」という用語は、単独でまたはより大きな配列の一部として、かかる配列に応答して生成される抗体に結合または細胞性免疫応答を刺激する配列を規定する、少なくとも約3〜5個、または約5〜約10個、または約5〜約15個の、且つ約1,000個以下のアミノ酸(またはそれらの間の任意の整数)を指す。タンパク質配列のほぼ完全長を含み得るフラグメントの長さに決定的な上限はなく、または単一若しくは複数のクラミジアタンパク質に由来する2またはそれ以上のエピトープを含む融合タンパク質でさえも長さに決定的な上限はない。本発明における使用のためのエピトープは、エピトープが由来する親タンパク質の部分の正確な配列を有するポリペプチドに限定されない。実際に、クラミジア属菌の多くの公知の株または分離株が存在し、分離株の間で比較的高度の変動性を示すいくつかの可変ドメインが存在する。従って、「エピトープ」という用語は、天然配列と同一である配列、並びに欠失、付加および置換(一般に、必ずではないが、本質的に保存的な)などの天然配列への修飾を包含する。
「ブースト」または「ブースター」とは、被験者の免疫応答を増強する最初の(または「初回抗原刺激」)免疫の後の、2回目の免疫を意味する。従って、ある実施形態では、本発明は、既往反応を誘導する量のクラミジアタンパク質免疫成分を含有する、感作された被験者においてクラミジア感染に対する既往反応を生じさせる組成物を提供する。本明細書で使用される「既往反応」という用語は、感作された被験者における二次(ブースター)免疫応答を意味する。「感作された被験者」とは、自然の暴露によってまたはクラミジアタンパク質免疫成分のワクチン接種(一次免疫)によって、以前に単一または複数のクラミジア抗原と接触したことがある被験者を意味する。
本発明の医薬組成物は、経口、経直腸、局所、吸入(例えばエアロゾルによる)、口腔内(例えば舌下)、経膣、経直腸、尿道内、非経口(例えば皮下、筋肉内、皮内、関節内、胸膜内、腹腔内、脳内、動脈内または静脈内)、局所(すなわち気道表面を含む、皮膚と粘膜との両方の表面)および/または経皮投与に適するものを含む。本明細書の組成物はまた、皮膚乱切法によって、またはパッチ若しくは液剤によって経皮的に投与され得る。組成物は、組成物を一定期間にわたって放出する生分解性材料の形態で皮下的に送達され得る。任意の所与の症例における最も適切な経路は、当分野で周知のように、被験者の種、年齢、性別および全体的症状、治療される状態の性質および重症度および/または投与される特定の組成物の性質(すなわち用量、製剤)などの因子に依存する。
例えば免疫刺激性サイトカインなどの本発明のアジュバントは、被験者への本発明の組成物の投与前に、投与と同時に、または投与の前または後の2〜3時間、数時間および/または1、2、3、4、5、6、7、8、9および/または10日以内に投与できる。
さらに、免疫刺激性サイトカインなどのアジュバントの任意の組合せを、本発明の組成物の投与前、投与後または投与と同時に被験者に共投与することができる。例えば、免疫刺激性サイトカインの組合せは、GM/CSF、インターロイキン2、インターロイキン12、インターフェロンγ、インターロイキン4、腫瘍壊死因子α、インターロイキン1、造血因子flt3L、CD40L、B7.1共刺激分子およびB7.2共刺激分子などの、本発明の2またはそれ以上の免疫刺激性サイトカインで構成され得る。アジュバントまたはアジュバントの組合せの有効性は、本明細書で述べるおよび当分野で公知の標準的な手順を使用して、アジュバントまたはアジュバントの組合せと共におよびアジュバントまたはアジュバントの組合せなしで、被験者への本発明の組成物の投与に応答して生じる免疫応答を測定することによって判定できる。
本発明の組成物と医薬的に許容される担体を含有する医薬組成物も提供される。本明細書で述べる組成物は、公知の技術に従って医薬担体中での投与用に製剤できる。例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy(latest edition)参照。本発明の実施形態による医薬組成物の製造においては、本発明の組成物を、典型的には、中でも特に医薬的に許容される担体と混合する。本明細書で提供した先の説明と一致して、「医薬的に許容される担体」とは、医薬組成物中の他の成分と適合性であり、被験者に有毒または有害でない担体を意味する。担体は、固体または液体またはその両方であり得、好ましくは、約0.01または0.5重量%から約95重量%または99重量%の組成物を含有し得る単位投与製剤として、例えば錠剤として、本発明の組成物と共に製剤される。医薬組成物は、場合により1またはそれ以上の副成分を含む、複数の成分を混合することを含むが、それに限定されない薬学の周知の技術のいずれかによって調製される。
本発明の医薬組成物は、経口、経直腸、局所、吸入(例えばエアロゾルによる)、口腔内(例えば舌下)、経膣(例えば膣内リング)、経直腸、尿道内、非経口(例えば皮下、筋肉内、皮内、関節内、胸膜内、腹腔内、脳内、動脈内または静脈内)、局所(すなわち気道表面を含む、皮膚と粘膜との両方の表面)および経皮投与に適するものを含む。本明細書の組成物はまた、皮膚乱切法によって、またはパッチ、液剤またはゲルによって経皮的に投与され得る。組成物は、経時的に組成物を放出する生分解性材料の形態で皮下的に送達され得る。任意の所与の症例における最も適切な経路は、当分野で周知のように、被験者の種、年齢、性別および全体的症状、治療される状態の性質および重症度および/または投与される特定の組成物の性質(すなわち用量、製剤)などの因子に依存する。
経口投与に適する医薬組成物は、各々があらかじめ定められた量の本発明の組成物を含有する、カプセル、カシェ剤、ロゼンジ若しくは錠剤などの個別単位で;粉末若しくは顆粒として;水性若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液として;または水中油型若しくは油中水型乳剤として提供され得る。経口送達は、動物の腸内の消化酵素による分解に耐えることができる担体に本発明の組成物を複合体化することによって実施できる。かかる担体の例は、当分野で公知のプラスチックカプセルまたは錠剤を含む。かかる製剤は、組成物と適切な担体(上述したように1またはそれ以上の副成分を含有し得る)を接触させる工程を含む、薬学の任意の適切な方法によって調製される。一般に、本発明の実施形態による医薬組成物は、液体または微細に分割された固体担体またはその両方と組成物を均一且つ緊密に混合し、次に、必要に応じて、生じた混合物を成形することによって調製される。例えば、錠剤は、場合により1またはそれ以上の副成分と共に、組成物を含有する粉末または顆粒を圧縮または成型することによって調製できる。圧縮錠剤は、場合により結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤および/または界面活性剤/分散剤と混合した、粉末または顆粒などの自由流動性の形態の組成物を適切な機械で圧縮することによって調製される。成形錠剤は、不活性液体結合剤で湿馴化した粉末化合物を適切な機械で成形することによって製造される。
口腔内(舌下)投与に適する医薬組成物は、着香基剤、通常はスクロースとアラビアゴムまたはトラガカント中に本発明の組成物を含有するロゼンジ、ゼラチンとグリセリンまたはスクロースとアラビアゴムなどの不活性基剤中に組成物を含有するトローチを含む。
非経口投与に適する本発明の医薬組成物は、本発明の組成物の滅菌水性および非水性注射液を含むことができ、前記製剤は、好ましくは意図される受容者の血液と等張である。これらの製剤は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および組成物を意図される受容者の血液と等張にする溶質を含有し得る。水性および非水性滅菌懸濁液、溶液および乳剤は、懸濁化剤および増粘剤を含有し得る。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。水性担体は、食塩水および緩衝媒質を含む、水、アルコール/水溶液、乳剤、懸濁液を含む。非経口ビヒクルは、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースと塩化ナトリウム、乳酸加リンガー液、または不揮発性油を含む。静脈内ビヒクルは、液体および栄養補充剤、電解質補給剤(リンガーデキストロースに基づくものなどの)等を含む。防腐剤および他の添加剤、例えば抗菌剤、抗酸化剤、キレート化剤、不活性ガス等も存在し得る。
組成物は、単位用量または多回用量の容器中、例えば密封アンプルおよびバイアル中で提供され得、使用の直前に滅菌液体担体、例えば食塩水または注射用蒸留水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)条件下で保存することができる。
即時注射溶液および懸濁液は、先に述べた種類の滅菌粉体、顆粒および錠剤から調製できる。例えば、密封容器中の単位投与形態の本発明の注射用の安定な滅菌組成物が提供され得る。組成物は、適切な医薬的に許容される担体で再構成して被験者への注射に適した液体組成物を形成することができる、凍結乾燥物の形態で提供され得る。単位投与形態は、本発明の組成物約1μg〜約10gであり得る。組成物が実質的に水不溶性である場合は、生理的に許容される十分な量の乳化剤が、水性担体中で組成物を乳化するのに十分な量で含有され得る。1つのかかる有用な乳化剤はホスファチジルコリンである。
経直腸投与に適する医薬組成物は、好ましくは、単位用量坐剤として提供される。これらは、例えばココアバターなどの1またはそれ以上の従来の固体担体と組成物を混合し、次に生じた混合物を成形することによって調製できる。
皮膚への局所適用に適する本発明の医薬組成物は、好ましくは、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたはオイルの形態をとる。使用できる担体は、ワクチンセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、経皮吸収促進剤およびそれらの2またはそれ以上の組合せを含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、例えば、局所送達は、皮膚内に入ることができる親油性試薬(例えばDMSO)と本発明の医薬組成物を混合することによって実施できる。
経皮投与に適する医薬組成物は、長期間にわたって被験者の表皮と密着したままであるように適合された個別パッチの形態であり得る。経皮投与に適する組成物はまた、イオン導入法によって送達することもでき(例えばPharmaceutical Research 3:318(1986)参照)、典型的には、場合により緩衝された、本発明の組成物の水溶液の形態をとる。適切な製剤は、クエン酸塩またはビス/トリス緩衝剤(pH6)またはエタノール/水を含有でき、0.1〜0.2Mの有効成分を含有し得る。
「有効量」は、治療作用および/または有益な作用であり得る、所望の作用を生じさせるのに十分な本発明の化合物または組成物の量を指す。有効量は、被験者の年齢、全身状態、治療される症状の重症度、投与される特定の薬剤、治療期間、任意の併用治療の性質、使用される医薬的に許容される担体、並びに当業者の知識および専門知識内の同様の因子に依存して異なる。適宜に、任意の個別症例における「有効量」は、適切な教科書および文献を参照しておよび/または通常の実験を使用することにより、当業者によって決定され得る(例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy(20th ed.2000)参照)。一般的な定義として、約0.01μg/kg〜約50mg/kgの用量が治療効果を有し、なお、すべての重量は組成物の重量に基づいて計算される。
また本明細書で使用される、「治療する」、「治療すること」または「治療」という用語は、当分野において周知のように、例えば、被験者の状態の改善(例えば1若しくはそれ以上の症状の改善)、重症度若しくは合併症の軽減、病的作用の軽減、障害、疾患若しくは疾病の進行の遅延、発症の遅延、および/または状態、障害、疾患若しくは疾病の臨床パラメータの変化等を含む、状態、障害、疾患または疾病に罹患した被験者に、例えば有益な作用および/または治療作用であり得る、調節作用を与えるあらゆる種類の作用を指す。
「予防する」、「予防すること」または「予防」とは、被験者において病的状態および/または疾患状況若しくは状態の発症および/または症状発現を回避または排除することを意味する。
本発明の組成物の投与頻度は、所望の治療作用を与えるのに必要な頻度であり得る。例えば、組成物は、1日当たり1、2、3、4回またはそれ以上、1週当たり1、2、3、4回若しくはそれ以上、月に1、2、3、4回若しくはそれ以上、年に1、2、3若しくは4回、または状態を管理するために必要に応じて投与できる。一部の実施形態では、被験者の生存期間にわたって1、2、3または4回の投与が所望の治療作用を達成するのに適切であり得る。一部の実施形態では、隔日投薬が使用できる(例えば1日おきに)。本発明の組成物の投与の量および頻度は、治療されるかまたは予防されるべき特定の状態および所望の治療作用に依存して異なる。
本発明のさらなる実施形態では、本発明の組成物は、異なる病原体のタンパク質および/またはその免疫原性フラグメントを任意の組合せで含有し得る[例えば、トリコモナス属(Trichomonas)(例えばトリコモナス・ヴァギナリス)、病原性酵母または真菌(例えばカンジダ・アルビカンス)、ナイセリア属(Neisseria)(例えば淋菌)、梅毒トレポネーマ、および病原性ウイルス(例えば単純ヘルペスウイルス(HSV)、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV))を含むがこれらに限定されない、性感染する病原体]。本発明の組成物はまた、クラミジア・ムリダルム、クラミジア・ニューモニエおよびクラミジア・キャビエを含むがこれらに限定されない、他のクラミジア種由来のタンパク質および/または免疫原性フラグメントを含有し得る。
本明細書で使用される「検出すること」または「検出」は、被験者におけるクラミジアタンパク質、核酸および/または抗体の存在および/または不在を試験する、スクリーニングまたは測定することを意味する。かかる検出することまたは検出は、当分野で周知の方法によって実施できる。
本明細書で使用される「有効応答」または「有効に応答すること」は、特定の治療に対する陽性または有益な応答を意味し、無効、陰性または有害な応答並びに陽性または有益な応答の欠如であり得る、「有効応答の欠如」と対照をなす。有効応答、または有効応答の欠如(すなわち無効応答)は、当分野で公知のように、公知のプロトコールに従った、様々な免疫機能(例えば細胞媒介性免疫、体液性免疫応答等)並びに薬理学的および生物学的機能の評価によって検出される。
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態を明らかにするために含めるものである。以下の実施例に開示される技術は、本発明の実施において良好に機能することが発明者によって発見された技術であることが当業者に認識されるはずである。しかし、当業者は、本開示に照らして、開示される特定実施形態に多くの変更を加えることができ、それでもなお本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果を得ることができることを理解すべきである。
[実施例I]
<156のクラミジア融合タンパク質を整列したマイクロプレートを使用したクラミジア・トラコマティス尿生殖路感染に対するヒト抗体応答のプロファイリング>
<クラミジア感染>別のところで記載されているように(Greene et al.、Infect.Immun.72:451−460)、クラミジア・トラコマティス血清型D(Cho−Chou Kuo,University of Washington,Seattleによって提供された)を使用してHeLa細胞(ATCC,Manassas,VA)を感染させた。1の感染多重度でまたは個々の実験について示す感染多重度で、個々の実験について示す様々な期間にわたって感染を進行させた。感染の最後に、培養試料を、免疫蛍光染色のために固定して透過処理するかまたは沈殿法若しくはウエスタンブロットアッセイのために溶解して全細胞溶解産物を生成させた。
<クラミジア遺伝子のクローニングおよびクラミジアタンパク質の発現>合計156のオープンリーディングフレーム(ORF)をクラミジア・トラコマティス血清型Dゲノム配列から選択した。これらのORFはゲノム全体にわたって分布し、あらゆるゲノムセクターを代表する。任意の特定の遺伝子クラスを選択的に含めるかまたは除外するために特定のプログラムは使用しなかったが、156のORFは主として仮想遺伝子からなる。血清型Dゲノムからの156のORFプラス8つの他のクラミジア・トラコマティス血清型ゲノムからのMOMP遺伝子をpGEXベクター系(Amersham Biosciences Corp.,Piscataway,NJ)にクローニングした。このベクター系は、対象とするタンパク質が、クラミジアタンパク質のN末端に融合したグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として発現されることを可能にする(Dong et al.(2004)Mol.Microbiol.52:1487−1494;Sharma et al.(2004)Infect.Immun.72:7164−7171;Zhong et al.(2001)J.Exp.Med.193:935−942)。イソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG;Invitrogen,Carlsbad,CA)を用いてタンパク質発現を誘導した。各々の融合タンパク質が完全長融合タンパク質の適切な量で生産されることを確実にするため、以下の変数を用いて融合タンパク質発現の誘導を個別に最適化した:IPTG濃度(0.1〜5mM)、出発細菌数(光学濃度[OD]、0.5〜1.5)、インキュベーション温度(10℃〜37℃)および時間(0.5時間から一晩)。タンパク質誘導後、細菌を遠心分離によって採集した。細菌ペレットをTriton溶解緩衝液(PBS[pH7.5のリン酸緩衝食塩水]中の1%Triton X−100、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド、75IU/mlアプロチニン、20μMロイペプチンおよび1.6μMペプスタチン)に再懸濁し、氷上で短いパルスの超音波処理によって溶解した。デブリを除去するための高速遠心分離後、細菌溶解産物をアリコートに分け、−80℃で保存した。グルタチオン結合アガロースビーズ(Amersham Biosciences Corp.)を使用して溶解産物の一部から融合タンパク質を精製することにより、発現された融合タンパク質の品質を評価した。融合タンパク質を、クマシーブルー染料(Sigma)で染色したドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲルで検査した。予想された分子量位置で顕著なバンドを示した細菌溶解産物試料をその後のマイクロプレートアレイアッセイのために使用した。
<グルタチオンで前被覆したマイクロプレートへのクラミジアタンパク質の整列>融合タンパク質を含む細菌溶解産物を、PBS中1:10希釈で総容量200μl/ウェルにてグルタチオン被覆96ウェルマイクロプレート(Pierce,Rockford,IL)に添加した。プレートを4℃で一晩インキュベートして、プレートに固定したグルタチオンにGST融合タンパク質を結合させた。溶解産物試料の間でプレート上に捕捉される融合タンパク質の量の差を最小化するために、過剰量の各融合タンパク質を使用してグルタチオン被覆アッセイプレートを飽和させた。細菌溶解産物20μlから沈殿した完全長融合タンパク質の量がクマシーブルー染色後にSDSゲル上で可視である場合、細菌溶解産物20μl/ウェルがアッセイプレートを飽和させるのに十分であることが認められた。PBS−0.05%Tween(Sigma)で2回洗浄し、PBS中の2.5%乳(PBS100ml中脱脂粉乳2.5g)を用いて室温で1時間ブロックした後、プレートは使用できる状態になった。
<ヒト抗体を検出するためのクラミジア融合タンパク質を整列したマイクロプレートの使用>クラミジア・トラコマティスの子宮頸部感染症と診断されていた、San Antonio,Tex.のProject SAFEリサーチクリニックで診察を受けた女性からヒト血清を収集した。この5年間の追跡調査に登録した女性を、クラミジア感染を含む性感染症に関して年に1回スクリーニングした。診断は、菌の血清型を区別せずに、リガーゼ連鎖反応法を用いた子宮頸管内分泌物中のクラミジア・トラコマティス特異的核酸の検出に基づいた(Abbott LCX;Abbot Laboratories,Chicago,IL)。血清を診療所来院時に収集し、アリコートとして−20℃で保存した。本試験において使用したヒト血清は、最初の来院時に収集したものであった。本試験には、治験審査委員会免除許可が適用される。
クラミジア・トラコマティス感染を有していない健常女性からの合計8つの血清を陰性対照として使用した。交差反応性抗体の検出を最小化するため(ヒト血清は、融合タンパク質アレイの間にマイクロプレートウェルを潜在的に汚染する細菌抗原と反応性の抗体を含有し得る)、すべての血清試料に細菌溶解産物をあらかじめ吸収させた。細菌溶解産物は、pGEX−6p−2ベクタープラスミド単独で形質転換したXL1−Blue細菌を使用したことを除き、融合タンパク質含有溶解産物と同じ方法で作製した。前吸収のために使用した細菌溶解産物は遊離GSTを含有することに留意しなければならない。前吸収後に、患者からの血清試料と健常個人からの血清試料との両方を、免疫蛍光アッセイにおいてクラミジア抗原を認識するそれらの能力に関して力価測定した。患者血清はクラミジア抗原を認識する上で高い抗体価(>1:1,000)を示したが、健常血清はクラミジア抗原への有意の結合を示さなかった(<1:20)。マイクロプレートアレイアッセイのために、前吸収させた血清試料を、10%ウシ胎仔血清を含むPBSで希釈し、結合した融合タンパク質と共にマイクロプレートに室温で2時間適用した。洗浄後、基質であるp−ニトロフェニルホスフェート(Sigma)と組み合わせたアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒト免疫グロブリンG(IgG;Jackson ImmunoResearch Laboratories,Inc.,West Grove,PA)を使用して、一次抗体結合を可視化した。マイクロプレートリーダー(Molecular Devices,Ramsey,MN)を用いて405nmで吸光度(OD)を読み取ることにより、クラミジア融合タンパク質へのヒト抗体結合を定量した。一部のアッセイでは、ヒト抗体試料に、細菌溶解産物吸収に加えて、HeLa細胞単独からまたはクラミジア・トラコマティス血清型Dに感染したHeLa細胞から作製した溶解産物も、4℃で一晩前吸収させた。
<免疫沈降法およびウエスタンブロット法>免疫沈降およびウエスタンブロット法を先に記述されているように実施した(Dong et al.(2004)Infect.Immun.72:3869−3875;Dong et al.(2004)Infect.Immun.72:3863−3868;Su et al.(2004)J.Biol.Chem.279:9409−9416;Zhong et al.(1996)J.Exp.Med.184:2061−2066;Zhong et al.(2001)J.Exp.Med.193:935−942)。免疫沈降法のために、ヒト血清をプロテインG/Aアガロースビーズ(Amersham Biosciences Corp.)に結合し、ビーズ複合体を使用して、所望のクラミジア融合タンパク質を含む細菌溶解産物または内因性クラミジアタンパク質を含むクラミジア感染HeLa細胞溶解産物を沈殿させた。沈殿物をSDS−ポリアクリルアミドゲルで分離し、ニトロセルロース膜に転写した。先に述べられているように(Dong et al.(2004)Infect.Immun.72:3869−3875;Sharma et al.(2004)Infect.Immun.72:7164−7171;Zhong et al.(2001)J.Exp.Med.193:935−942)個々のクラミジアタンパク質に特異的な抗体(クラミジアプロテアーゼ様活性因子(protease−like activity factor)[CPAF]に対するモノクローナル抗体100a、MOMPに対するマウス抗血清、およびCT089に対する別のマウス抗血清)によりブロットを検出した。一次抗体結合を、ホースラディッシュペルオキシダーゼと結合したヤギ抗マウスIgG(Jackson ImmunoResearch Laboratories)によって検出した。
本試験においてクラミジア融合タンパク質とヒト血清抗体の反応性を確認するために使用した、ウエスタンブロット法のために、精製クラミジア融合タンパク質をSDSゲルで分離してニトロセルロース膜に転写した。前吸収させたヒト血清試料を、個々の実験について示す適切な希釈後に、ニトロセルロース膜に適用した。ヒト抗体結合をホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒトIgG(Jackson ImmunoResearch Laboratories)により検出した。標準的な増感化学発光(ECL)検出システムを使用して抗体検出を可視化した(Su et al.(2004)J.Biol.Chem.279:9409−9416)。
<免疫蛍光アッセイ>個々の実験について示す様々な時間、カバーガラス上で増殖させたクラミジア・トラコマティス感染HeLa単層を、先に述べられているように抗体染色用に処理した(Greene et al.Infect.Immun.72:451−460;Xiao et al.(2004)Infect.Immun.72:5470−5474)。ヒト血清吸収効率を観測するため、上述したようにあらかじめ非感染またはクラミジア感染HeLa細胞溶解産物を吸収させておいたまたは吸収させなかったヒト抗体試料をカバーガラスに添加した。一次抗体結合をCy2結合ヤギ抗ヒトIgGで可視化した。Hoechst DNA染料(Sigma)を使用して宿主の核およびクラミジア封入体の両方を可視化した。内因性クラミジア抗原の局在化のために、対応するクラミジア融合タンパク質を用いてマウスにおいて惹起した個々のクラミジアタンパク質に対する抗体を、一次抗体としてのウサギ抗クラミジア熱ショックタンパク質と組み合わせて使用した。2つの一次抗体の反応性を、Cy3結合ヤギ抗マウスおよびCy2結合ヤギ抗ウサギ抗体をHoechst染料と共に用いて可視化した。先に述べられているようにSimplePCIソフトウエア(Olympus)を使用してOlympus(Seattle,WA)AX−70蛍光顕微鏡下で画像を取得した(Fan et al.(1998)J.Exp.Med.187:487−496;Sharma et al.(2004)Infect.Immun.72:7164−7171)。
<クラミジア融合タンパク質を用いたマイクロプレートアッセイの開発>マイクロプレートに基づくタンパク質アレイアッセイを確立するために、合計156のクラミジアタンパク質(表1)を選択した。156のクラミジアタンパク質をGST融合タンパク質として発現させた。クラミジア融合タンパク質の品質をSDS−ポリアクリルアミドゲル上で観測した。一例として、単一タンパク質発現条件下で誘導した26の代表的融合タンパク質を、クマシーブルーで染色したSDSゲル上で検査した。ほとんどの場合、予想分子量で泳動する主要なバンドが、グルタチオン結合アガロースビーズを使用することによって対応する細菌溶解産物から精製され、GST融合タンパク質が固定化グルタチオンによって細菌溶解産物から容易に捕捉されることを示す。明らかな分解および/または汚染バンド(GST−CT101、GST−CT119、GST−CT141、GST−CT449およびGST−CT618)を有する融合タンパク質については、主要完全長バンドがこれらの試料の各々において生成されるように発現条件をさらに最適化した。
GST−クラミジア融合タンパク質が、自然クラミジア感染の間に産生されるヒト抗体によって認識され得るか否かを評価するため、ヒト抗体をプロテインG/Aアガロースビーズと反応させ、ビーズ複合体を使用して、GST−クラミジア融合タンパク質を含む細菌溶解産物または内因性クラミジア抗原を含むクラミジア感染HeLa細胞溶解産物のいずれかを沈殿させた。ヒト抗体は、組換えGST−クラミジア融合タンパク質および内因性クラミジアタンパク質CT089、MOMPおよびCPAFの両方を沈殿させ、融合タンパク質がヒト抗クラミジア抗体を検出するために使用できることを示唆する。
<ヒト抗体によって認識される免疫反応性抗原の同定>156のクラミジア融合タンパク質を整列したマイクロプレートを使用して、クラミジア・トラコマティスに尿生殖器感染した女性からの15の血清の反応性を測定した。バックグラウンドより4倍高いODでの所与の融合タンパク質への所与のヒト血清の結合を陽性と判定した。種々のヒト血清試料によって認識されるクラミジア融合タンパク質の数に差が認められた。例えば、血清14は、156のクラミジア融合タンパク質のうち18を認識し、血清2は2つしか認識しなかった。各々の血清はクラミジア融合タンパク質の種類に関して独自の反応性パターンを示したが、15の血清の多くは同じ融合タンパク質を認識した。所与の融合タンパク質を陽性認識したヒト血清の数を認識頻度と定義する。より高頻度で認識されるクラミジアタンパク質は、クラミジア感染においてより免疫優性であるとみなされる。
以前の抗原性分析(Getzoff et al.(1988)Adv.Immunol.43:1−98;Geysen et al.(1987)235:1184−1190;Zhong et al.(1990)Infect.Immun.58:1450−1455)において使用された判定基準に基づき、15のヒト血清試料のうち8またはそれ以上によって認識されたクラミジア融合タンパク質を主要抗原であるとみなした。156のクラミジアタンパク質のうち7つがこの必要条件を満たす:CT089(9のヒト血清によって認識されたLcrEホモログ)、CT147(13血清によって認識された仮想タンパク質)、CT226(8血清によって認識された仮想タンパク質)、CT681(8血清によって認識されたMOMP)、CT694(8血清によって認識された仮想タンパク質)、CT795(9血清によって認識された仮想タンパク質)およびCT858(14血清によって認識されたCPAF)。所与のタンパク質の免疫優性は抗体力価によっても影響されるので、各々のクラミジア融合タンパク質に反応性の抗体の力価をさらに比較した。抗体力価を表すために各血清抗体とクラミジア融合タンパク質との間で測定された未補正ODを使用した(15の抗体試料全部の累積ODおよび平均OD)。興味深いことに、最も高頻度でヒト抗体によって認識された7つの融合タンパク質はまた、最も高い累積および平均ODも維持した。15のヒト血清を等しい比率でプールし、156の融合タンパク質と反応させた。プールしたヒト血清試料で得られた未補正ODは、個々の試料を用いて得られた平均ODに類似し、プール血清試料が個々のヒト血清の全体的反応性を測定するために使用できることを示した。陰性対照として、クラミジア感染のない8名の健常個人からの血清をプールし、クラミジア融合タンパク質とプール陰性血清試料の反応性を同様に測定した。有意の反応性は認められなかった(約0.2に近いまたは0.2以上のODはなかった)。認識頻度と力価との両方を考慮することにより、バックグラウンドを有意に上回る未補正OD(0.2またはそれ以上の平均OD)でヒト抗血清試料の>50%によって認識された融合タンパク質は、本アッセイ条件下で比較的免疫優性な抗原であると判定された。8またはそれ以上のヒト血清試料によって認識された同じ7つの抗原、すなわちCT089(LcrE)、CT147、CT226、CT681(MOMP)、CT694、CT795およびCT858(CPAF)も、免疫優性抗原についての新たな必要条件を満たす。
整列した融合タンパク質への抗体結合がクラミジア抗原に特異的であることを確認するため、内因性クラミジアタンパク質を用いてさらなる吸収実験を実施した。プールした患者血清に非感染またはクラミジア感染HeLa細胞溶解産物のいずれかを吸収させた後、血清を、プレート上に整列した融合タンパク質と反応させた。7つの免疫反応性融合タンパク質すべてへの抗体結合が、クラミジア感染HeLa細胞溶解産物の吸収によって完全に除去されたが、非感染HeLa細胞溶解産物では除去されなかった。
<同定した免疫優性抗原の抗原力価測定>15名の患者または8名の健常個人からのプール血清を連続希釈し、融合タンパク質アレイ固相酵素免疫検定法(ELISA)およびウエスタンブロットアッセイの両方によって7つの免疫反応性抗原および8つの他のMOMPに対して分析した。プール陽性血清試料を1:100から1:12,500に希釈すると共にODが低下し、クラミジアタンパク質特異的抗体がこれらの希釈下で飽和しなかったことを示唆した。GST−CPAF融合タンパク質は、1:12,500の希釈でプール陽性血清によって有意に認識され、CT795およびCT089は1:2,500で、CT147、CT226、CT694および種々のMOMPは1:500で有意に認識され、CPAF、CT795およびCT089が、分析したMOMPの種類にかかわらずMOMPよりも免疫優性であることを明らかにした。9つのMOMPを比較すると、すべてクラミジア・トラコマティス亜種B複合体に属する血清型B、Ba、D、EおよびL2に由来するMOMPに関してより高いODが得られ、血清型DおよびEの両方が、性感染したクラミジア感染症を有する個人において最も一般的なクラミジア・トラコマティス血清型であるという疫学的知見と一致して、15名の患者は主としてB複合体血清型、おそらく血清型DおよびEに感染していたことを示唆する(Bandea etal.(2001)Sex.Transm.Infect.77:419−422;Choi et al.(2001)J.Korean Med.Sci.16:15−19;Lan et al.(1995)J.Clin.Microbiol.33:3194−3197;Lan et al.(1993)J.Clin.Microbiol.31:1060−1065;Singh et al.(2003)J.Clin.Microbiol.41:2700−2702)。GST単独対照は、いずれの希釈でも有意に認識されなかった。8名の正常個人からのプール陰性血清は、1:100希釈でも最低レベルの反応性を示した。ヒト血清試料の様々な希釈で得られた上記結果は、ヒト抗体によって認識された免疫反応性抗原の同定に関する上記に示した所見を確認しただけでなく、より重要な点として、免疫優性抗原および様々なMOMPの相対的抗原性のより詳細な分析を提供した。
上記所見を確認するためにウエスタンブロットアッセイを使用した。同じ7つの免疫優性融合タンパク質を、8つの他のMOMPおよびいくつかの対照タンパク質と共に抗原として使用した。予想分子量位置で泳動する主要な完全長融合タンパク質バンドを各々の融合タンパク質試料について同定した。ウエスタンブロット上で抗原が検出された場合、プール陽性血清試料は、CPAFを1:1,000,000希釈で認識し、CT795およびCT089を1:100,000希釈で、残りのクラミジア融合タンパク質を1:10,000希釈で認識した。対照融合タンパク質であるCT112、CT574、CT606およびGST単独は、血清希釈にかかわらず検出されなかった。9つのMOMPの中で、プール患者血清は、B、Ba、D、EおよびL2を含むB複合体血清型に由来するMOMPを選択的に認識した。プール陰性血清は、1:10,000希釈でクラミジア融合タンパク質と検出可能な反応性を示さなかった。これらのウエスタンブロット法の結果はELISAデータとおおむね一致した。
<免疫反応性抗原の特性付け>内因性タンパク質の発現パターンを評価し、位置を決定するために、新たに同定された免疫反応性抗原の各々に対して抗体を作製し、クラミジア感染培養物中の内因性タンパク質を追跡するのに使用した。対照として、MOMPは感染の初期(8時間)および後期(48時間)の両方で空胞内細菌と完全に重複して検出されたが、CPAFは、感染後期に感染細胞サイトゾルにおいてのみ検出された。仮想タンパク質CT226は、感染後期に封入体膜で検出されたが、初期には検出できなかった。仮想タンパク質CT147は、感染過程全体において検出され、感染初期には封入体の内部で、後期には封入体の周辺領域で検出された。仮想タンパク質CT795は、初期に発現され、すべてではないが一部は封入体に限定されると思われ、一方CT694は、封入体内で感染後期にのみ検出された(大部分はクラミジア菌と重複して)。最後に、CT089は、空胞内クラミジア菌と重複して感染周期全体を通じて検出され、発現/局在化パターンはMOMPと同様であった。
[実施例II]
<仮想タンパク質CT813はクラミジア・トラコマティス封入体膜に局在し、クラミジア・トラコマティスに尿生殖器感染した女性において免疫原性である>
<クラミジア菌および感染>本試験のために使用したクラミジア血清型/株は、A、B、C、D、E、F、G、I、K、L1、L3およびBa(Rocky Mountain Laboratory,NIAID,NIH,Hamilton,MontanaのHarlan Caldwellより入手した)、6BC(University of Tennessee,MemphisのThomas Hatchより入手した)(Everettet al.(1991)Infect.Immun.59:2853−2855)、MoPn(University of California,IrvineのLouis De La Mazaより入手した)(Pal et al.(1996)Infect.Immun.64:5341−5348)、並びにL2およびGPICを含む。これらの生物を、先に述べられているように増殖させ、精製し、力価測定した(Greene et al.(2004)Infect.Immun.72:451−460)。生物のアリコートを使用時まで−80℃で保存した。5%COを供給したインキュベータにおいて37℃で、10%ウシ胎仔血清(GIBCO BRL)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(GIBCO BRL,Rockville,MD)中に維持したHeLa細胞(ATCC,Manassas,VA)を本試験のために使用した。免疫蛍光アッセイ用のクラミジア感染試料を調製するため、HeLa細胞を、24ウェルプレートにおいてカバーガラス上でクラミジア接種前に一晩増殖させた。10%ウシ胎仔血清および2μg/mlシクロヘキシミド(Sigma,St.Louis,MO)を添加したダルベッコ改変イーグル培地で希釈したクラミジア菌を、細胞単層に直接接種した。感染量を個々の血清型についてあらかじめ測定し、約50%の感染率をすべての血清型に適用した。細胞試料をCOインキュベータにおいて37℃で培養し、個々の実験について示す感染後の様々な時点で処理した。ウエスタンブロットアッセイのために、細胞試料を75cm組織培養フラスコ中で増殖させ、2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)試料緩衝液での溶解を介して収集したことを除き、クラミジア感染を上述したのと同様に実施した。
<クラミジア融合タンパク質の原核生物発現および抗融合タンパク質抗体の作製>CT813タンパク質を含む仮想タンパク質をコードするORF、並びにクラミジア・トラコマティス血清型Dゲノムに由来するIncG、IncA、MOMP、HSP60およびCPAFを含む様々な公知のタンパク質を、pGEXベクター(Amersham Pharmacia Biotech,Inc.,Piscataway,NJ)にクローニングし、クラミジアタンパク質のN末端に融合したグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として発現させた。イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG;Invitrogen,Carlsbad,CA)で融合タンパク質の発現を誘導し、Triton X−100溶解緩衝液(1%Triton X−100、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド、75U/mlアプロチニン、20μMロイペプチンおよび1.6μMペプスタチン)中での超音波処理を介して細菌を溶解することにより、融合タンパク質を抽出した。デブリを除去するための高速遠心分離後、融合タンパク質含有上清を様々なアッセイにおいて直接使用するかまたはグルタチオン結合アガロースビーズ(Pharmacia)を用いてさらに精製した。ビーズ結合融合タンパク質を、抗血清試料から抗原特異的抗体を枯渇させるのにも使用した。抗体作製のために、先に述べられているように精製融合タンパク質を使用してマウスを免疫した(Zhong et al.(1994)Infect.Immun.62:1576−1583;Zhong and Brunham.(1992)Infect.Immun.60:3143−3149;Zhonget al.(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:13856−13861;Zhong et al.(1993)J.Immunol.151:3728−3736;Zhong et al.(19910 Infect.Immun.59:1141−1147)。特異的抗体の力価が1:2,000またはそれ以上に達した後、マウスを犠死させた。マウス血清を収集し、使用時まで50%グリセリン中−20℃で保存した。
<哺乳動物細胞の一過性トランスフェクション>クラミジア・トラコマティス血清型Dゲノム由来のCT813タンパク質をコードするORFを、CT813の5’末端に融合した赤色蛍光タンパク質(RFP)遺伝子またはFLAGタグコード配列(24ヌクレオチド)のいずれかと共にpDsRed−Monomer−C1(BD Biosciences Clontech,San Jose,CA)およびpFLAG−CMV−4(Sigma,St.Louis,MO)哺乳動物発現ベクター系にクローニングした。製造者(Invitrogen,Carlsbad,CA)によって推奨されるプロトコールに従ってLipofectamine 2000トランスフェクション試薬を使用することにより、組換えプラスミドをHeLa細胞にトランスフェクトした。個々の実験について示す、トランスフェクション後の様々な時点で、CT813タンパク質発現を融合タグRFPまたはマウス抗D813抗体標識のいずれかによって可視化した。
<免疫蛍光染色>カバーガラス上で増殖させたHeLa細胞を、リン酸緩衝食塩水に溶解した4%パラホルムアルデヒドで室温にて20分間固定し、続いて0.1%Triton X−100でさらに4分間透過処理した。洗浄し、ブロックした後、細胞試料を抗体と化学染色との様々な組合せに供した。Hoechst(ブルー)(Sigma)を使用して核DNAを可視化した。ウサギ抗クラミジア菌抗体(クラミジア・トラコマティス血清型L2菌で惹起したR1L2)(データは示していない)、抗CT395抗体(CT395融合タンパク質で惹起した;CT395タンパク質はすべてのクラミジア種の間で>70%のアミノ酸配列同一性を有するGrpE関連シャペロニンである)または抗IncG抗体(Rocky Mountain Laboratory,NIAID,NIH,Hamilton,MontanaのTed Hackstadtによって提供された)(Scidmore−Carlson et al.(1999)Mol.Microbiol.33:753−765)、プラスCy2(グリーン)と結合したヤギ抗ウサギ免疫グロブリンG(IgG)二次抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories,Inc.,West Grove,PA)を使用して、クラミジア封入体または封入体膜を可視化した。CT813タンパク質、IncG、MOMP(モノクローナル抗体、クローンMC22)およびCPAF(モノクローナル抗体、クローン100a)プラスCy3(レッド)と結合したヤギ抗マウスIgG(Jackson ImmunoResearch)に対するマウス抗体を使用して対応する抗原を可視化した。一部の場合には、一次抗体に、細胞試料の染色の前にアガロースビーズ(Pharmacia)に固定した対応する融合タンパク質または異種融合タンパク質を前吸収させた。前吸収アプローチは、抗体をビーズ固定化抗原と共に室温で1時間または4℃で一晩インキュベートし、続いてビーズをペレット化することによって実施した。残りの上清を免疫染色のために使用した。トランスフェクトした細胞試料については、CT813タンパク質を融合タグRFPによってまたはマウス抗CT813抗体との共染色によって可視化した。加えて、トランスフェクトした細胞をまた、F−アクチンを可視化するためにAlexa488(グリーン)(Molecular Probes,Eugene,OR)と結合したファロイジンと共染色し、微小管を検出するために抗αチューブリン抗体(クローンB−5−1−2;Sigma)と、そして中間径フィラメント(IF)を検出するために抗サイトケラチン8抗体(クローンM20;Sigma)と共染色した。共染色は、Cy2(グリーン)と結合したヤギ抗マウスIgG(Jackson ImmunoResearch)によって可視化した。
<蛍光および共焦点顕微鏡検査>適切な免疫標識後、細胞試料を、先に述べられているように複数のフィルターセットを備えたOlympus AX−70蛍光顕微鏡(Olympus,Melville,NY)での画像の解析および取得のために使用した(Fan et al.(1998)J.Exp.Med.187:487−496;Greene et al.(2004)Infect.Immun.72:451−460;Xiao et al.(2005)J.Immunol.174:1701−1708;Zhong et al.(2001)J.Exp.Med.193:935−942)。簡単に述べると、複数の多色標識試料を所与のフィルターセット下で同時に露光し、Hamamatsuデジタルカメラを用いて単色画像を取得した。次に、単色画像をSimplePCIソフトウエアで重ね合わせて多色を表示した。UTHSCSAの組織コア施設(institutional core facility)において、Olympus FluoViewレーザー共焦点顕微鏡を使用して共染色試料をさらに分析した。すべての顕微鏡画像をAdobe Photoshopプログラム(Adobe Systems,San Jose,CA)を用いて処理した。
<ウエスタンブロットアッセイ>ウエスタンブロットアッセイを、別のところで述べられているように実施した(Dong et al.(2005)Infect.Immun.73:1861−1864;Dong et al.(2005)Infect.Immun.73:1868−1872;Fan et al.(1998)J.Exp.Med.187:487−496;Sharma et al.(2005)Infect.Immun.73:4414−4419;Zhong et al.(1996)J.Exp.Med.184:2061−2066)。簡単に述べると、融合タンパク質、感染全細胞溶解産物または精製クラミジア菌試料を2%SDS試料緩衝液に可溶化し、SDS−ポリアクリルアミドゲルウェルに負荷した。電気泳動後、タンパク質をニトロセルロース膜に転写し、ブロットを一次抗体で検出した。一次抗体結合をホースラディッシュペルオキシダーゼ結合二次抗体でプローブし、ECLキット(Santa Cruz Biotechnology,Inc.,Santa Cruz,CA)で可視化した。
ウエスタンブロットアッセイを以下の目的に使用した。CT813タンパク質が精製クラミジア菌に付随するかどうかを測定するため、クラミジア感染全細胞溶解産物と精製EB試料をマウス抗CT813抗体との反応性に関して比較した。前吸収効率の有効性を確認するため、マウス抗CT813および抗IncG抗体に、上述したように対応する融合タンパク質または異種融合タンパク質を前吸収させるかまたは前吸収させず、その後ニトロセルロース膜に適用した。CT813タンパク質発現の時間経過を観測するため、感染HeLa細胞試料を感染後の様々な時点で採集し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)によって分離した。細胞試料をニトロセルロース膜に転写した後、対応するタンパク質バンドを、CT813タンパク質、MOMP(クローンMC22)および宿主β−アクチン(クローンAc−15)を認識するマウス抗体で検出した。プールヒト血清をクラミジア融合タンパク質との反応性に関して力価測定するため、精製融合タンパク質を複数のセットのSDS−ポリアクリルアミドゲルの対応するレーンに等しい量で負荷した。1セットをブリリアントブルーR−250(Sigma)で染色して各レーンにおけるタンパク質の総量を可視化し、残りのセットをニトロセルロース膜に転写して、血清の連続希釈後にクラミジア融合タンパク質へのヒト抗体結合を評価した。
<ELISA>クラミジア・トラコマティス尿生殖器感染症と診断された女性から収集した10のヒト血清(陽性血清)およびクラミジア感染のない女性から収集した8のヒト血清(陰性血清)を本試験において使用した。これらのヒト血清を、CT813タンパク質および他のクラミジア融合タンパク質とのそれらの反応性に関して、融合タンパク質を、GSTとマイクロプレートに前被覆したグルタチオンの間での相互作用を介して96ウェルELISAマイクロプレート(Pierce,Rockford,IL)に固定したことを除き、別のところで述べられているように固相酵素免疫検定法(ELISA)によって測定した(Sharma et al.(2004)Infect.Immun.72:7164−7171;Zhong et al.(1993)J.Immunol.151:3728−3736;Zhong and Brunham.(1990)Infect.Immun.58:3438−3441)。簡単に述べると、GST融合タンパク質を含む細菌溶解産物をグルタチオンプレートに直接添加した。プレートを洗浄して過剰の融合タンパク質を除去し、2.5%脱脂乳(リン酸緩衝液中)でブロックした後、ヒト血清試料をおおよそ希釈し、抗原固定化マイクロプレートに添加した。血清抗体の結合を、可溶性基質2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)(ABTS)ジアンモニウム塩(Sigma)と組み合わせたホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒトIgG(Jackson ImmunoResearch Laboratories,Inc.,West Grove,PA)で検出し、マイクロプレートリーダー(Molecular Devices Corporation,Sunnyvale,CA)を用いて405nmで吸光度(光学密度[OD])を読み取ることによって定量した。
<クラミジア・トラコマティス封入体膜へのCT813タンパク質の局在化>クラミジア・トラコマティスの新しい封入体膜タンパク質を探索するため、クラミジア融合タンパク質で惹起した抗体を使用して、免疫蛍光アッセイにおいてクラミジア感染細胞中の対応する内因性タンパク質の位置を特定した。約300抗体をスクリーニングした後、CT813融合タンパク質で惹起した抗体が封入体膜を標識すると思われることが判明した。抗CT813抗体の染色パターンは、公知のクラミジア封入体膜タンパク質であるIncGを特異的に認識する抗体のパターンに類似する。対照として、抗MOMP抗体は封入体内生物を検出し、抗CPAF抗体はクラミジア感染細胞のサイトゾルを標識した。抗D813抗体と抗IncG抗体との染色パターンをより詳細に比較するため、2つの抗体を使用して同じ細胞試料を共染色した。従来の蛍光顕微鏡とレーザー共焦点顕微鏡との両方が、2つの抗体が封入体膜を共染色することおよび染色が重複することを明らかにし、抗CT813抗体がクラミジア・トラコマティス封入体膜を選択的に標識することを確認した。ウエスタンブロットアッセイにおいて、抗CT813抗体および抗IncG抗体は、感染全細胞溶解産物中の対応する内因性タンパク質を検出したが、精製EBを検出せず、一方、等しい量のMOMPが両方の試料で検出され、CT813タンパク質が主として封入体膜に局在するという概念を裏付けた。
抗CT813抗体による封入体膜標識がCT813タンパク質に特異的であるか否かを評価するために前吸収手順を使用した。この実験では、クラミジア感染細胞試料に適用する前に、抗CT813抗体および対照抗IncG抗体に、それぞれ対応する融合タンパク質および異種融合タンパク質を前吸収させるかまたは前吸収させなかった。抗D813抗体と抗IncG抗体との両方がクラミジア封入体膜を標識した。抗CT813染色は、GST−CT813の前吸収によって排除されたが、GST−IncG融合タンパク質の前吸収によっては排除されず、一方、抗IncG染色は、GST−IncGによってブロックされたが、GST−D813ではブロックされなかった。前吸収手順の効率をウエスタンブロットアッセイにおいてさらに確認した。融合タンパク質と内因性タンパク質との両方を認識する抗D813抗体および抗IncG抗体の能力は、同種融合タンパク質の前吸収によって排除されたが、異種融合タンパク質によっては排除されず、前吸収が効率的且つ特異的であることを確認した。従って、抗CT813抗体による封入体膜染色はCT813タンパク質に特異的である。
<クラミジア感染培養物中でのCT813タンパク質の発現>CT813タンパク質発現を、ウエスタンブロット法と免疫蛍光アッセイとの両方によって培養物中で経時的に観測した。抗D813抗体は、感染の24時間後にクラミジア感染培養物中で内因性CT813タンパク質に対応するバンドを検出したが、非感染培養物中では検出しなかった。構成的に発現される主要外膜タンパク質であるMOMPも感染の24時間後に初めて検出されたので、初期時点でCT813タンパク質が検出されないことは、負荷した試料の量が不十分であることによる可能性がある。レーンに負荷した細胞タンパク質の総量は、宿主β−アクチンの検出によって示されるように、同様であった。GST−CT813融合タンパク質は、抗CT813抗体によってのみ検出され、抗MOMP抗体または抗β−アクチン抗体では検出されず、抗体結合の特異性を確認した。
免疫蛍光アッセイでは、CT813タンパク質は、感染の12時間後に早くも検出され、感染過程全体を通じて封入体膜中に存在した。単一細胞に基づく免疫蛍光顕微鏡検査法は、他の新たに合成されたクラミジアタンパク質を8時間という早期に検出するのに十分な感受性があることが知られているので(Belland et al.(2003)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 100:8478−8483)、そしてMOMPは同じアッセイにおいて感染の8時間後に可視化されたので、感染の8時間後にCT813タンパク質が検出できないことは、CT813タンパク質がこの時点でクラミジア・トラコマティスによって発現されていない可能性を示唆する。この結論は、CT813がマイクロアレイ分析によって同定された前初期遺伝子ではなかったという所見と一致する(Belland et al.(2003)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 100:8478−8483)。しかし、CT813タンパク質が最初に発現される正確な時点を決定するには、より大規模で、高感度の、慎重な分析が必要である。
BLAST配列検索により、CT813タンパク質のホモログは、マウス次亜種MoPnを含む、クラミジア・トラコマティス種の株/血清型においてのみ認められた。マウスポリクローナル抗CT813抗体を使用して、4つの異なる種に由来する複数のクラミジア血清型/株に感染した細胞培養物をスクリーニングした。抗CT813抗体は、すべてのクラミジア・トラコマティスヒト血清型に感染した細胞において封入体膜を標識したが、他の株では標識しなかった。DNA配列解析は、MoPnゲノムがCT813と相同な遺伝子(Tc0199と称される[Read et al.(2000)Nucleic Acids Res.28:1397−1406])を含むと判定したが、抗CT813抗体はMoPn感染培養物を標識することができなかった。この標識失敗が、MoPnによるTC0199タンパク質発現の欠如、またはTC0199とCT813タンパク質との間の比較的低い相同性(〜36%のアミノ酸同一性)(従って十分な交差反応性の欠如)に起因するかどうかを試験するため、CT0199融合タンパク質で惹起した抗体を使用して、MoPn感染培養物を検出した。抗CT0199抗体はMoPn感染細胞の封入体膜を標識し、CT0199タンパク質が発現されるだけでなく、そのホモログと同様に、クラミジア・トラコマティスヒト次亜種に由来するCT813タンパク質が封入体膜に局在することを明らかにした。
<外因的に発現されるCT813タンパク質は細胞骨格様構造を示した>CT813タンパク質がクラミジア感染の不在下でHeLa細胞においてどのように挙動するかを評価するため、CT813タンパク質を、そのN末端に融合したRFPとの融合タンパク質(RFP−CT813と称される)として発現させた。驚くべきことに、RFP−CT813融合タンパク質は、トランスフェクトした細胞において線維を形成し、過剰発現されたRFPは単独で、核を含む細胞全体に均一に分布した。RFP−CT813融合タンパク質によって示された線維構造は、抗CT813抗体共染色と重なったが、F−アクチンまたは微小管とは重ならなかった。RFP−CT813線維のパターンは、サイトケラチン8を共染色することによって可視化されるIFのパターンと同様に見えるが、これら2つは重なり合わなかった。RFP−CT813構造とIFとの間の関係を確認するため、共染色試料を共焦点顕微鏡分析に供した。RFP−CT813線維は中間径フィラメントと重ならなかった。RFP−CT813線維は細胞骨格様構造と指定され、トランスフェクション期間(トランスフェクション後6〜24時間)を通じて認められた。RFP−CT813によって形成された細胞骨格様構造は、RFP融合タグに起因するとは考えられず、というのは、RFPタグ単独では明白な線維を形成せず、pFLAG−CMVベクターによって8アミノ酸FLAGタグとのみ共に発現されるCT813タンパク質も同様の細胞骨格様構造を示したからである。
<CT813タンパク質は、ヒトにおけるクラミジア・トラコマティス感染の間に発現され、免疫原性である>CT813タンパク質に対するヒト抗体応答を使用して、ヒトにおけるクラミジアによるその発現を間接的に評価した。クラミジア・トラコマティス尿生殖器感染症と診断された10名の女性からの血清試料を、ELISAにおいてクラミジア融合タンパク質に対して各々評価した。CT813融合タンパク質に特異的なヒト抗体の力価は、MOMP融合タンパク質に特異的なヒト抗体の力価と同じ高さであった。抗CPAF抗体の力価が最も高かったという所見は、以前の知見と一致する(Sharma et al.(2004)Infect.Immun.72:7164−7171)。HSP60およびIncAの両方に対する抗体の力価は、CT813タンパク質に対する力価よりも低かった。GST単独に対しては有意のバックグラウンド抗体レベルは検出されなかった。これはおそらく、ここで検定したすべてのヒト血清試料が、遊離GSTを含有する細菌溶解産物を前吸収していたという事実に起因する。ELISAの特異性を確認するため、プールヒト試料を、細菌溶解産物に加えてHeLa溶解産物またはクラミジア感染細胞溶解産物の前吸収に供した。様々なクラミジア融合タンパク質とヒト抗体の反応性は、クラミジア感染HeLa溶解産物の前吸収によってブロックされたが、HeLa単独溶解産物の前吸収ではブロックされなかった。さらに、クラミジア感染を有さない8名の女性からの血清は、これらのクラミジア融合タンパク質と最小限に反応した。CT813タンパク質とヒト抗体の反応性をウエスタンブロットアッセイにおいてさらに確認した。プール陽性血清は、1:500の希釈で、GST−CT813を含むすべての融合タンパク質を認識したが、GST単独を認識しなかった。ヒト血清希釈を上昇させると共に、認識される融合タンパク質が減少した。しかし、陽性血清は、1:62,500の希釈でCT813、MOMPおよびCPAF融合タンパク質をなおまだ認識したが、プール陰性血清は、1:500でも、いずれの抗原も認識できなかった。ウエスタンブロットアッセイの結果は、上記ELISA所見をおおむね支持した。
[実施例III]
<同定された付加的な免疫優性タンパク質>
使用したヒト患者抗血清のみが異なる、実施例Iで述べた方法を使用して、19の付加的なクラミジアタンパク質を免疫優性として同定した。これら19のタンパク質を表2に列挙する。
[実施例IV]
<同定されたさらなる免疫優性タンパク質>
本明細書並びにLi et al.(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Characterization of fifty putative inclusion membrane proteins encoded in the Chlamydia trachomatis genome」Infect.Immun.76(6):2746−57(2008))に記載されている方法を使用して、41の付加的なクラミジアタンパク質を免疫優性として同定した。これら41のタンパク質を表3に列挙する。
[実施例V]
<免疫優性タンパク質に関する防御および病理学試験>
本明細書で述べるタンパク質は、クラミジアに感染した患者からの抗血清によって優性に(dominantly)認識されると判定されたので、これらのタンパク質がマウスにおいてクラミジア抗原投与感染に対する防御免疫を誘導するおよび/または卵管疾病(卵管水腫)を軽減することができるかどうかを評価するためにさらなる試験を実施した。これらの試験は、CT143、pCT03(pgp3)、CT541およびCT866のマウスクラミジア種(MoPn)ホモログによる免疫が、マウス尿生殖路感染モデルにおいてMoPn生物による抗原投与感染に対する防御を誘導し得ることを示した(表4〜6)。本試験で検討した付加的な抗原は、有意の防御を誘導することができなかった(表4〜7)。さらに、本試験で検討した抗原の大部分は、卵管疾病(卵管水腫)の軽減を示した(表4〜5)。本発明の付加的なタンパク質を分析するためのさらなる試験が進行中である。
Balb/c雌性マウスを、CpGアジュバントを添加した[表5(実験4)における鼻内免疫用(i.n.)]および不完全フロイントアジュバント(IFA)に乳化した[表4、6および7(実験3、5および6)における筋肉内注射用(i.m.)]、対応する精製クラミジア抗原で免疫した。マウスを、所与の抗原20〜200μgプラスCpG10μgおよび等容量のIFA(IFAはi.m.用のみ)で各々3回免疫した。最後の注射の30日後、マウスにMoPn生菌を膣内経路で抗原投与した。感染から種々の日数後(D)に、生菌の排出を観測するために膣スワブを採取した。感染の60〜80日後に、疾病(可視卵管水腫)を可視化するためにすべてのマウスを犠死させた。生菌回収率をLog10 IFUとして表し、卵管水腫疾病を発生率および重症度スコアとして表した。陰性対照用のCpG+GST免疫および陽性対照としてのCpG+MoPn EBの2つの対照群を各々の実験に含めた。
前記は本発明の説明であり、本発明の限定と解釈されるべきではない。本発明は以下の特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲の等価物はその中に包含される。すべての出版物、特許出願、特許、特許公開、本明細書で提供されるアクセッション番号によりGenBank(登録商標)データベースまたは他の配列データベースにおいて同定された配列(ヌクレオチド配列、一塩基多型ヌクレオチド、アミノ酸配列等)、および本明細書で引用されるあらゆる他の参考文献は、参考文献が提示される文および/または項に関連する教示について、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
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Claims (18)

  1. (1)CT005、(2)CT019、(3)CT022、(4)CT046、(5)CT067、(6)CT099、(7)CT111、(8)CT116、(9)CT118、(10)CT149、(11)CT153、(12)CT208、(13)CT225、(14)CT228、(15)CT236、(16)CT237、(17)CT242、(18)CT260、(19)CT278、(20)CT322、(21)CT328、(22)CT376、(23)CT396、(24)CT414、(25)CT431、(26)CT450、(27)CT457、(28)CT494、(29)CT507、(30)CT532、(31)CT542、(32)CT556、(33)CT578、(34)CT673、(35)CT733、(36)CT743、(37)CT759、(38)CT791、(39)CT798、(40)CT828および(41)CT868、(1)〜(41)のいずれかの免疫原性フラグメント、異なるクラミジア種に由来する(1)〜(41)のいずれかのホモログ並びにそれらの任意の組合せからなる群より選択される1またはそれ以上の単離されたクラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)のタンパク質を含有する組成物。
  2. (42)CT110(HSP60)、(43)CT119(IncA)、(44)CT858(CPAF)CT681(MOMP)、(42)〜(44)のいずれかの免疫原性フラグメント、異なるクラミジア種に由来する(42)〜(44)のホモログおよびそれらの任意の組合せからなる群より選択される単離されたクラミジア・トラコマティスのタンパク質をさらに含有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 表1のタンパク質1〜78のいずれか、表2のタンパク質1〜19のいずれか、その免疫原性フラグメント、異なるクラミジア種に由来するそのホモログ、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される1またはそれ以上の単離されたクラミジア・トラコマティスのタンパク質をさらに含有する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 医薬的に許容される担体中に含まれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. アジュバントおよび/または免疫刺激剤をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記アジュバントおよび/または免疫刺激剤が、CpG、IL−12およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項5に記載の組成物。
  7. クラミジア・トラコマティス以外の病原体のタンパク質またはその免疫原性フラグメントをさらに含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記病原体が、クラミジア・ムリダルム(Chlamydia muridarium)、クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)、クラミジア・キャビエ(Chlamydia caviae)、トリコモナス・ヴァギナリス(Trichomonas vaginalis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、淋菌(Neisseria gonorrheae)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、単純ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルスおよびヒト免疫不全ウイルスからなる群より選択される、請求項7に記載の組成物。
  9. 試料中のクラミジア属菌に対する抗体を検出する方法であって、
    a)抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で、試料を請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物と接触させるステップと、
    b)抗原/抗体複合体の形成を検出し、それによって前記試料中のクラミジア属菌に対する抗体を検出するステップと
    を含む方法。
  10. 被験者におけるクラミジア感染を診断する方法であって、
    a)抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で、被験者からの試料を請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物と接触させるステップと、
    b)抗原/抗体複合体の形成を検出し、それによって前記被験者におけるクラミジア感染を診断するステップと
    を含む方法。
  11. 試料中のクラミジアタンパク質を検出する方法であって、
    a)抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で、前記試料を請求項1〜8のいずれか一項に記載のタンパク質またはその免疫原性フラグメントに特異的に結合する抗体と接触させるステップと、
    b)抗原/抗体複合体の形成を検出し、それによって前記試料中のクラミジアタンパク質を検出するステップと
    を含む方法。
  12. 被験者におけるクラミジア感染を診断する方法であって、
    a)抗原/抗体複合体が形成され得る条件下で、被験者からの試料を請求項1〜8のいずれか一項に記載のタンパク質またはその免疫原性フラグメントに特異的に結合する抗体と接触させるステップと、
    b)抗原/抗体複合体の形成を検出し、それによって前記被験者におけるクラミジア感染を診断するステップと
    を含む方法。
  13. 前記試料が、膣液、膣組織、膣洗浄液、膣スワブ、尿道スワブ、尿、血液、血清、血漿、唾液、精液、尿道分泌物、膣分泌物およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 被験者において免疫応答を惹起する方法であって、被験者に請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物の有効量を投与し、それによって前記被験者において免疫応答を惹起することを含む方法。
  15. 被験者においてクラミジア属菌による感染を治療または予防する方法であって、被験者に請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物の有効量を投与し、それによって前記被験者においてクラミジア属菌による感染を治療または予防することを含む方法。
  16. 被験者においてクラミジア感染による不妊症の可能性を低下させる方法であって、被験者に請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物の有効量を投与し、それによって前記被験者においてクラミジア感染による不妊症の可能性を低下させることを含む方法。
  17. 被験者においてクラミジア感染による卵管水腫の発生率を低下させる方法であって、前記被験者に請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物の有効量を含有する組成物を投与し、それによって前記被験者においてクラミジア感染による卵管水腫の発生率を低下させることを含む方法。
  18. 前記被験者がヒトである、請求項10、12、14または15〜17のいずれか一項に記載の方法。
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