JP2001286295A - クラミジア・トラコマチス検出用抗体 - Google Patents

クラミジア・トラコマチス検出用抗体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラミジア・トラコマチス (Chlamydia trac
homatis)に属する微生物を特異的、かつ高感度に迅速に
検出する方法、その検出に用いる検出用抗体、検出用試
薬キット、及び検出に用いる検出用抗体の製造方法を提
供する。 【解決手段】 クラミジア・トラコマチス (Chlamydia
trachomatis)に属する微生物のリボソーム蛋白質に対す
る抗体であって、該微生物を特異的に反応する抗体。該
抗体を用いるクラミジア・トラコマチス (Chlamydia tr
achomatis)に属する微生物の検出方法、検出用試薬キッ
ト。該抗体の製造方法。リボソーム蛋白質としては、Ri
bosomal Protein L7/L12蛋白質があり、STD の原因微生
物の感染検出に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最も一般的な性行
為感染症(sexually transmitted disease STD)の原因
微生物であるクラミジア・トラコマチス (Chlamydia tr
achomatis)に属する微生物を検出する抗体、該微生物の
検出方法、該微生物の検出用試薬キット、及び該微生物
検出用抗体の製造方法に関する。本発明は、医療上、特
にクラミジア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)
によって惹起される典型的な STDの診断に重要である。
本発明は、検体、例えば、腟の採取分泌物、尿サンプ
ル、組織サンプル、および体液から採取された検体中に
含まれる微生物クラミジア・トラコマチス (Chlamydia
trachomatis)を検出するのに有用である。
【0002】
【従来の技術】微生物感染症の診断は通常感染部位など
での原因菌の検出か、血清、体液中の原因菌に対する抗
体の検出により確定される。この中でも原因菌の検出が
患者への迅速な治療を可能にする意味で重要である。感
染症原因菌の検出は、一般に、培養・同定法(原因菌を
分離、培養してその生理学的、生化学的あるいは構造的
な特性に基づきこれを同定する方法)、遺伝子的診断法
(原因菌の遺伝子を PCR法または特異的核酸ハイブリダ
イゼーションにより増幅させて、これを検出する方
法)、および免疫学的方法(抗体と原因菌の抗原マーカ
ーとの特異的反応を利用して原因菌を検出する方法)に
分類される。しかしながら、培養・同定法または遺伝子
的診断法を用いる場合には、結果を得るのに長時間を要
する。従って、原因菌を短時間、高感度で検出すること
ができ、迅速かつ的確に患者を処置することのできる免
疫学的方法による診断法が多用される。
【0003】従来免疫法による感染症原因菌の検出に
は、菌種によって様々なマーカー抗原と抗体の組み合わ
せが使われている。クラミジア・トラコマチス (Chlamy
dia trachomatis)はヒトに特有な原因菌であり、最も一
般的な性行為感染症の原因菌となる。この菌は小さな、
非運動型のグラム陰性菌である。この菌により男女とも
に直腸炎および結膜炎(トラコーマ−細菌由来の病名)
を発症する。女性はクラミジア・トラコマチス (Chlamy
diatrachomatis)により子宮頚管炎、尿道炎、子宮内膜
炎、卵管炎、肝周囲炎、LGVに感染する。卵管炎は、女
性の不妊症と子宮外妊娠の最も普通の原因の1つである
骨盤炎症性疾患(PID) を引き起すおそれがある(Much an
d Yeh 1991; Kligman,Grifo et al.1997)。また、新生
児にトラコーマ(封入体性結膜炎)を発症させることも
ある。発展途上国の盲人の40%以上はトラコーマによる
ものである。
【0004】この菌は、非常に微小の、偏性寄生生物で
あり、光学顕微鏡では観察し難く、宿主細胞の細胞質中
で成長する。組織培養液中でのクラミジア・トラコマチ
ス (Chlamydia trachomatis)の成長は非常に緩慢であ
り、培養液中に菌を同定するまでに少なくとも3〜5日
間を要する。更に、試験室での組織培養で生体外感染を
起こすことは容易でない(Thomas, Evans et al.1978; P
oussin, Fuentes et al.1997; Okadome, Notomi et al.
1999) 。従って、迅速に病原菌として検出する診断法と
しては、グラム染色法と培養法などを適用することがで
きない。
【0005】いくつかのクラミジア・トラコマチス (Ch
lamydia trachomatis)検出用 PCR法または分子生物学的
手法が最近になって開発された(US pat. No.6,010,857
Lee,Helen H.2000; US pat. No.5,846,785 Burczak et
al.1998; US pat.No.5,837,469 Harris; James M.1998
など) 。これらの方法は特異的、かつ高感度であり、
検出に時間がかかる。クラミジア(Chlamydia) 属の場
合、属特異的抗原であるリポ多糖(LPS) の抗原決定基と
しての存在が知られており、様々な診断用キットにおい
て特にクラミジア・トラコマチス (Chlamydia trachoma
tis)の検出用試薬抗体に利用されている(Mearns,Richmo
nd et al.1988; Bishop, Tullo et al.1991; Thiele,
Karo etal.1992)。更に、Petersonら(Peterson, Alexan
der et al.1987)、およびその他の研究者(Barsoum,Good
man et al.1989; Mohanty, Satpathy et al.1996)はク
ラミジア(Chlamydia) 属の主要外膜蛋白質(MOMP)に対す
るモノクローナル抗体を報告している。クラミジア病原
体を検出する商業的に利用可能なモノクローナル抗体お
よび分析用キットの数はごく僅かであり、十分というに
は程遠い。最近になって、いくつかのクラミジア病原体
の血清型が報告された。LPS またはMOMPは菌株によって
異なり、一つの血清型に対する抗体がすべてをカバーす
るものではない (Tekgul,Aktepe et al.1992; Matthew
s, Pandit et al.1993; Mohanty,Satpathy et al.1996)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な課題を解決するためになされたものである。すなわ
ち、本発明は、クラミジア・トラコマチス (Chlamydia
trachomatis)に属する微生物を特異的、かつ高感度に迅
速に検出する方法、その検出に用いる検出用抗体、検出
用試薬キットを提供することを課題とする。さらに、本
発明は、その検出に用いる検出用抗体の製造方法を提供
することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、全ての微
生物において同一の機能が保存されている蛋白質を有用
な抗原蛋白質として見出した。通常、このような蛋白質
の構造変化はきわめて少ないと予想される。しかし驚く
べきことに、該蛋白質に対する抗体は、微生物の種ある
いは属特異的であり、該蛋白質に対する抗体は、微生物
の種あるいは属特異的な識別に用いることが可能な多様
性を持つとともに、対象となる微生物についてはその全
ての血清型を検出しうるものであることが見出されたの
である。
【0008】本発明者らは全ての微生物細胞に同一機能
の分子として存在し、しかもそのアミノ酸構造が微生物
間である程度の相違点をもつ細胞内分子、特にリボソー
ム蛋白質の一種である Ribosomal Protein L7/L12蛋白
質に着目した。Ribosomal Protein L7/L12蛋白質は分子
量約13キロダルトンの蛋白質であり、蛋白質合成に必須
のリボソーム蛋白質として存在することが知られてい
る。クラミジア・トラコマチス (Chlamydia trachomati
s)を含むいくつかの微生物では Ribosomal Protein L7/
L12 蛋白質の完全なアミノ酸配列が解明された。
【0009】本発明者らはこの分子が微生物間で類似し
ているにもかかわらずその一部に各微生物固有の構造部
分を持つことに着目し、このクラミジア・トラコマチス
(Chlamydia trachomatis)の Ribosomal Protein L7/L1
2蛋白質に対する抗体を利用することで様々な微生物、
細菌の種特異的でかつ全ての同一菌種内の血清型につい
て検出が可能であることを見いだした。本発明者等は、
クラミジア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)
該蛋白質に特異的な抗体が得られること、および該抗体
を用いることによりクラミジア・トラコマチス (Chlamy
dia trachomatis)の特異的な検出が可能であることを見
出し、本発明を完成した。本発明により、クラミジア・
トラコマチス (Chlamydia trachomatis)の Ribosomal P
rotein L7/L12蛋白質に対して特異的なモノクローナル
抗体が見出され、開発された。この抗体は新規であり、
従来公知のいかなる抗体とも異なり、上記蛋白質と特異
的に反応する性質を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】配列表において配列番号1及び2
はクラミジア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)
の Ribosomal Protein L7/L12 遺伝子の DNA配列及び対
応するアミノ酸配列である。完全なゲノム配列が公表さ
れ (Stephens, Kalman et al.1998; Kalman,Mitchell e
t al.1999)、World Wide Webで入手可能である(NCBI da
ta base, accession # AE001304 & 1AE001273)。なお、
配列表に記載されたアミノ酸配列の左端および右端はそ
れぞれアミノ基(以下、N 末)およびカルボキシル基末
端(以下、C 末)であり、また塩基配列の左端および右
端はそれぞれ5'末端および3'末端である。クロスマッチ
テストのアミノ酸配列のアミノ酸は1文字略字で表して
いる。また、クロスマッチテストにおける「+」の表記
は、異なるアミノ酸であるが、疎水性などの性質が類縁
のアミノ酸であること、「 」のブランクは性質も含
めて全く異なるアミノ酸であることを示す。また、本発
明で述べられる遺伝子操作の一連の分子生物学的な実験
は通常の実験書の記載方法によって行うことができる。
前記の通常の実験書としては、例えば Molecular Cloni
ng, A labolatory manual, Cold Spring Harber Labora
toryPress,Sambrook,J.ら (1989) を挙げることができ
る。
【0011】
【表1】
【0012】本発明において “微生物" とは、クラミ
ジア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)を意味
し、特に、STD の病原性を有しクラミジア(Chlamydia )
感染症の原因菌として診断の意義の高い微生物をい
う。本発明において、“ 微生物と特異的に反応する抗
体" とは、或る種または属の微生物と特異的に反応する
抗体を意味する。或る種の微生物と特異的に反応する抗
体は、特に、微生物感染症の診断に有用である。本発明
において抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクロー
ナル抗体を指し、Ribosomal Protein L7/L12蛋白質の全
長あるいはその部分ペプチドを用いて作成することがで
きる。抗体を作成するためのペプチドの長さは特に限定
されないが Ribosomal Protein L7/L12 蛋白質に対する
抗体の場合、この蛋白質を特徴づけられる長さがあれば
良く、好ましくは5アミノ酸以上、特に好ましくは8ア
ミノ酸以上のペプチドを用いれば良い。
【0013】このペプチドあるいは全長蛋白質をそのま
ま、または KLH(keyhole-limpet hemocyanin) や BSA(b
ovine serumalbumin) といったキャリア蛋白質と架橋し
た後必要に応じてアジュバントとともに動物へ接種せし
め、その血清を回収することでRibosomal Protein L7/
L12 蛋白質を認識する抗体(ポリクローナル抗体)を含
む抗血清を得ることができる。また抗血清より抗体を精
製して使用することもできる。接種する動物としてはヒ
ツジ、ウマ、ヤギ、ウサギ、マウス、ラット等であり、
特にポリクローナル抗体作製にはヒツジ、ウサギなどが
好ましい。また、ハイブリドーマ細胞を作製する公知の
方法によりモノクローナル抗体を得ることも可能である
が、この場合はマウスが好ましい。
【0014】また該蛋白質の全長または5残基以上、望
ましくは8残基以上のアミノ酸配列をGST(グルタチオン
S−トランスフェラーゼ)などとフュージョン蛋白とし
たものを精製して、または未精製のまま、抗原として用
いることもできる。成書(Antibodies a laboratory man
ual, E.Harlow et al., Cold Spring Harbor Labolator
y)に示された各種の方法ならびに遺伝子クローニング法
などにより分離されたイムノグロブリン遺伝子を用いて
培養した細胞に発現させた遺伝子組み換え抗体によって
も作製することができる。
【0015】本発明のマーカー抗原として用いることが
できる Ribosomal Protein L7/L12蛋白質に対する抗体
は、以下の方法あるいはその他の類似の方法によって取
得することができる。 a) Ribosomal Protein L7/L12蛋白質の遺伝子配列およ
びアミノ酸配列が既知の微生物については、他の微生物
における該蛋白のアミノ酸配列との類似性の少ない領域
についてペプチド断片を合成し、それを免疫原としてポ
リクローナル抗体、あるいはモノクローナル抗体を作製
することにより目的の抗体を取得することができる。ま
た、既知の該遺伝子の両端部位における DNA配列をプロ
ーブとした PCR手法による遺伝子増幅、相同部分配列を
鋳型プローブとしたハイブリダイゼーション法など通常
の遺伝子操作手法を用いることにより該遺伝子の全長配
列を取得することができる。
【0016】次いで、他の蛋白質遺伝子とのフュージョ
ン遺伝子が作成され、フュージョン遺伝子は大腸菌を宿
主細胞として用いて通常の遺伝子挿入法により宿主に挿
入され、大量に発現せしめられる。所望の蛋白質抗原
は、発現した蛋白質をアフィニティカラム法によって精
製することによって、フュージョン蛋白質として用いら
れた蛋白質の抗体とともに、得ることができる。この場
合 Ribosomal Protein L7/L12 の全長蛋白が抗原となる
ため微生物間で保存されているアミノ酸部分に対する抗
体を取得しても本発明の目的に合致しない。従って、本
法によって取得した抗原に対しては公知の手法によりモ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを取得し、
該当する微生物とのみ反応する抗体を産生するクローン
を選択することにより目的の抗体を取得することができ
る。
【0017】b) Ribosomal Protein L7/L12蛋白質のア
ミノ酸配列が未知の微生物については1つにはRibosoma
l Protein L7/L12蛋白質のアミノ酸配列が菌種間で50〜
60%相同であることにより、そのアミノ酸配列の相同部
分の配列を基にして PCR法による特定配列部分の遺伝子
増幅や相同部分配列を錫型プローブとしたハイブリダイ
ゼーション法など通常の遺伝子操作手法を用いることに
より該蛋白質遺伝子を容易に取得することができる。そ
の後他の蛋白質遺伝子とのフュージョン遺伝子が作成さ
れ、フュージョン遺伝子は大腸菌を宿主細胞として用い
て通常の遺伝子挿入法により宿主に挿入され、大量に発
現せしめられる。所望の蛋白質抗原は、発現した蛋白質
をアフィニティカラム法によって精製することによっ
て、フュージョン蛋白質として用いられた蛋白質の抗体
とともに、得ることができる。この場合 Ribosomal Pro
tein L7/L12 の全長蛋白が抗原となるため微生物間で保
存されているアミノ酸部分に対する抗体を取得しても本
発明の目的に合致しない。従って、本法によって取得し
た抗原に対しては公知の手法によりモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマを取得し、該当する微生物と
のみ反応する抗体を産生するクローンを選択することに
より目的の抗体を取得することができる。
【0018】c)あるいは Ribosomal Protein L7/L12蛋
白質のアミノ酸配列が未知な場合の別な方法として、既
知のRibosomal Protein L7/L12蛋白質のアミノ酸配列
のうち微生物間で保存されている共通配列部分に相当す
る5〜30アミノ酸の合成ペプチドを作製し、そのペプチ
ド配列に対し公知の方法でポリクローナル抗体あるいは
モノクローナル抗体を作製する。該抗体を用いたアフィ
ニティーカラムクロマトによって目的の微生物細胞破砕
液を精製することにより高度に精製された Ribosomal P
rotein L7/L12蛋白質を取得することができる。該抗体
を用いたアフィニティーカラムクロマトによって破砕し
た微生物から所望の蛋白を取得することができる。蛋白
の精製度が不足している場合は公知の精製手法であるイ
オン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィ
ー、ゲル濾過などの手法により精製したのち作製した抗
体によるウェスタンブロットなどの方法により Ribosom
al Protein L7/L12蛋白質の溶出フラクションを同定し
精製画分を得ることができる。得られた精製 Ribosoma
l Protein L7/L12蛋白質抗原を基にして公知の方法によ
りハイブリドーマを取得し、目的の微生物に特異的に反
応するハイブリドーマを選択することにより目的の抗体
を取得することができる。
【0019】上記の方法a)、b)およびc)によって
得られた、種々の微生物に特異的な本発明の抗体は、微
生物に特異的な各種の診断試薬およびキットを利用す
る、種々の免疫学的分析法に用いることができる。例え
ば、この抗体は、公知の測定手法であるポリスチレンラ
テックス粒子上に該抗体を吸着させた凝集反応、マイク
ロタイタープレート中で行う公知技術である ELISA法、
既存のイムノクロマト法、着色粒子もしくは発色能を有
する粒子、または酵素もしくは蛍光体でラベルされた該
抗体とともに捕捉(Capture) 抗体で被覆した磁気微粒子
などを用いるサンドイッチアッセイなど既知の全ての免
疫測定手法に利用できる。抗体を用いる微生物診断方法
とは、ポリスチレンラテックス粒子上に該抗体を吸着さ
せた凝集反応、マイクロタイタープレート中で行う公知
技術である ELISA法、既存のイムノクロマト法、着色粒
子もしくは発色能を有する粒子、または酵素もしくは蛍
光体でラベルされた該抗体とともに捕捉抗体で被覆した
磁気微粒子などを用いるサンドイッチアッセイなど既知
の全ての免疫測定手法を利用する診断方法を意味する。
【0020】また、特に抗体を用いる有用な微生物診断
方法として特表平7-509565号公報に記載されているシリ
コン、窒化珪素などにより形成された光学薄膜上で抗体
反応をおこない光干渉原理等により検出するいわゆるオ
プティカルイムノアッセイ(OIA,Optical Immunoassay)
などが高感度な診断方法として有用である。
【0021】また該検出方法において必要となる微生物
からの細胞内マーカー抗原の抽出方法としては、Triton
X-100,Tween-20をはじめとする種々の界面活性剤を用い
た抽出試薬による処理法、適当なプロテアーゼなどの酵
素を用いる酵素処理法、物理的方法による微生物細胞の
破砕をはじめ既知の細胞構造の破砕手法が用いられる。
界面活性剤等の組み合わせにより微生物ごとに試薬によ
る最適な抽出条件を設定することが望ましい。
【0022】また、本発明における、抗体を用いる微生
物検出用試薬キットとは、当該検出方法を用いた検出用
試薬キットに相当する。
【0023】クラミジア・トラコマチス (Chlamydia tr
achomatis)の Ribosomal Protein L7/L12蛋白質のアミ
ノ酸配列及び DNA配列を配列表に示す。従って、この微
生物の場合は Ribosomal protein L7/L12蛋白質のアミ
ノ酸配列を、配列表に「クロスマッチ」と記した類似の
微生物の同種の蛋白質と比較することが可能である。相
同性の低いセグメントのペプチドを合成し、これに対す
るポリクローナルあるいはモノクローナル抗体を作成す
ることは、微生物に対する特異性を有するものの選択を
省略することを可能とする。
【0024】特にポリクローナル抗体の場合、免疫した
動物の抗血清を Protein Aカラム等で精製しIgG 画分を
取得したのち、さらに動物の免疫に用いた合成ペプチド
によるアフィニティー精製を実施することが望ましい。
【0025】更に、当該微生物のRibosomal Protein L7
/L12の DNA配列から N末端と C末端の配列に基づいて P
CRプライマーが作成された。この PCRプライマーの相同
性を利用して、ゲノム DNAを用いて PCR法により DNA断
片を増幅させ、これを抽出し、常法によりクラミジア・
トラコマチス (Chlamydia trachomatis)を取得すること
ができる。クラミジア・トラコマチス (Chlamydia trac
homatis)のRibosomalProtein L7/L12遺伝子の全長はこ
れらの断片の DNA配列情報を分析することにより知るこ
とができる。
【0026】取得したクラミジア・トラコマチス (Chla
mydia trachomatis)のRibosomal Protein L7/L12遺伝子
は、例えば GST(グルタチオン−S−トランスフェラー
ゼ)などとフュージョン蛋白質遺伝子を構成し、適当な
発現用プラスミドを用いて発現ベクターを構築後、大腸
菌等を形質転換して該蛋白質を大量発現させうる。形質
転換した大腸菌を適当量培養し、菌体破砕液を GSTを用
いたアフィニティカラムで精製することにより、クラミ
ジア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)のRiboso
mal Protein L7/L12蛋白質と GSTのフュージョン蛋白質
が得られる。この蛋白質をそのまま、あるいは GST部分
を切断後、抗原蛋白質として公知の手法により、複数の
ハイブリドーマクローンを確立し、クラミジア・トラコ
マチス ( Chlamydia trachomatis)菌体あるいは菌体破砕
液またはクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachom
atis)の Ribosomal Protein L7/L12蛋白質に特異的な反
応を示す抗体を選択することにより目的の特異的モノク
ローナル抗体を取得することも可能である。
【0027】本発明に基づき作製された抗体は、公知の
測定手法であるポリスチレンラテックス粒子上に該抗体
を吸着させた凝集反応、マイクロタイタープレート中で
行う公知技術である ELISA法、既存のイムノクロマト
法、着色粒子もしくは発色能を有する粒子、または酵素
もしくは蛍光体でラベルされた該抗体とともに捕捉抗体
で被覆した磁気微粒子などを用いるサンドイッチアッセ
イなど既知の全ての免疫測定手法に利用できる。
【0028】また本発明に基づき作製された抗体は全て
の免疫測定手法において当該抗原蛋白質を固相あるいは
液相中で捕獲するいわゆる捕捉(capture) 抗体として機
能しうると同時にパーオキシダーゼやアルカリフォスフ
ァターゼなどの酵素を公知の方法により修飾していわゆ
る酵素標識抗体とすることにより、検出用抗体としても
機能しうる。
【0029】以下の例は本発明を具体的に説明するため
のものであって本発明について何らその範囲を限定する
ものではない。
【0030】
【実施例1】クラミジア・トラコマチス (Chlamydia tr
achomatis)からの Ribosomal Protein L7/L12 遺伝子の
クローニング クラミジア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)
(ATCC VR-885ATCC から分譲、購入)をHL細胞のモノレ
イヤー上で培養した。クラミジア・トラコマチス(Chlam
ydia trachomatis)の詳細な培養方法は Reed らおよびK
uo ら (Reed,Anderson et al.1981; Kuo and Grayston
1990)の記載に従った。CO2 インキュベータ内にて37
℃、5% CO2の条件下で微生物を5日間培養した。感
染した細胞を遠心分離により集め、最終的に5×107
個/ml 前後の濃度となるようにTE Buffer (和光純薬工
業製) に懸濁した。この懸濁液約1.5ml を微量遠心チュ
ーブに移し取り10,000rpm で2分間遠心した。上澄み液
を棄てた。沈殿部分を 567μl のTEバッファーに再懸濁
した。さらに30μl の10% SDSと3μl の20mg/ml Prot
einaseK 溶液を加えて良く混合し、37℃で1時間インキ
ュベートした。懸濁液を56℃で更に1時間インキュベー
トした。次に10%のセチルトリメチルアンモニウムブロ
マイド/0.7M NaCl溶液を80μl加え、よく混合したのち
65℃で10分間インキュベートした。同一体積の24:1のク
ロロホルム−イソアミルアルコール混合液を700 μl 加
えよく攪拌した。この溶液を微量遠心機で 12,000rpm、
5分間、4℃で遠心処理したのち、水層画分を新しい微
量遠心管に移した。そこに 0.6倍量のイソプロパノール
を加えチューブをよく振って DNAの沈殿を形成した。白
いDNA沈殿をガラス棒ですくって1mlの70%エタノール
(−20℃に冷却したもの)が入った別の微量遠心管に移
した。その後チューブを10,000rpm で5分間遠心し、上
清を静かに除去した。1mlの70%エタノールを追加し、
混合物を更に5分間遠心した。
【0031】再び上澄みを除去したのち沈殿を 100μl
のTEバッファーに溶解し DNA溶液を得た。このゲノム D
NA溶液の濃度を Molecular Cloning, A laboratory man
ual,1989,Eds.Sambrook,J.,Fritsch,E.F.,and Maniati
s,T.,Cold Spring harbor Laboratory Press の E5,Spe
ctrophotometric Determination of the Amount of DNA
or RNAに従って定量した。
【0032】このゲノム DNAのうち10ngを用いて PCR(p
olymerase chain reaction) を行った。PCR は Taqポリ
メラーゼ(宝酒造社製、コードR001A)を用いた。5μl
のバッファー、4μl のdNTP混合物、および各200pmol
のオリゴヌクレオチド(配列表配列番号:3および4に
示すもの)を酵素に加えた。全体の容量が50μl となる
ように精製水を加えた。
【0033】この混合物を、TaKaRa PCR Thermal Cycle
r 480 を用いて、95℃1分、50℃2分、72℃3分を5サ
イクル行ったのち、95℃1分、60℃2分、72℃3分を25
サイクル行った。この PCR生成物の一部を用いて、1.5
%アガロースゲル中にて電気泳動を実施した。エチジウ
ムブロマイド(日本ジーン社製)にて染色後、紫外線下
で観察し、約400bpのcDNAが増幅されていることを確認
した。制限酵素BamHIおよびXhoIを用いて切断後、1.5
%アガロースゲル中にて電気泳動とエチジウムブロマイ
ドによる染色を行った。ゲルから約 400bpのバンドを切
り取った。このバンドをSuprec01 (宝酒造株式会社製)
で精製し、一般的なベクターであるpGEX-6P-1 (Pharmac
ia社製)に挿入した。同ベクターは目的の遺伝子断片を
適当な制限酵素サイトに組み込むことにより GST蛋白質
とのフユージョン蛋白質を発現しうる目的分子の発現ベ
クターとして機能することができる。
【0034】具体的にはベクターpGEX-6P-1 と先の DNA
とをそのモル比が1:3となるように混ぜ合わせて、T4
DNA リガーゼ(Invitrogen 社製)にてベクターに DNAを
組み込んだ。 DNAを組み込んだベクターpGEX-6P-1 は大
腸菌のワンショットコンピテントセルに遺伝子学的手法
により導入し、ついで50μg/mlのアンピシリン(シグマ
社)を含む半固体状の培養プレートであるL−ブロス寒
天(宝酒造株式会社製)に接種した。プレートを37℃で
12時間インキュベートし、成長したコロニーを無差別に
選択し、同じ濃度のアンピシリンを含むL−ブロス培養
液に接種した。37℃で8時間振とう培養・集菌後、Wiza
rd Miniprep を用い、添付の説明書に従ってプラスミド
を分離した。プラスミドは制限酵素BamHI/XhoIにて切断
処理した。約 370bpの DNAを切断することによって PCR
生成物の挿入を確認した。挿入された DNAの塩基配列を
上記クローンを用いて決定した。
【0035】挿入 DNA断片の塩基配列の決定は、Applie
d Biosystems社製の蛍光シークエンサーを用いて実施し
た。シークエンスサンプルの調製はPRISM,Ready Reacti
on Dye Terminator CycleSequencing Kit(Applied Bios
ystems 社製)を用いて行なった。先ず、9.5 μlの反
応液、4.0 μl の 0.8pmol/ μl のT7プロモータープラ
イマー(Gibco BRL)、および 6.5μl の0.16μg/μl テ
ンプレート DNAを0.5ml のマイクロチューブに加え、混
合した。混合物を2層の 100μl 鉱油で覆ったのち、25
サイクルPCR増幅処理を行った。ここで、1サイクル
は、96℃での30秒間の処理、55℃での15秒間の処理、お
よび60℃での4分間の処理からなる。生成物を4℃で5
分間保持した。反応終了後、80μl の無菌精製水を加
え、攪拌した。生成物を遠心分離し、水層をフェノール
ークロロホルム混合液で3回抽出した。10μl の3M酢
酸ナトリウム(pH5.2) と 300μl のエタノールを 100μ
l の水層に加え、攪拌した。その後 14,000rpm、室温で
15分間遠心し、沈殿を回収した。沈殿を75%エタノール
で洗浄後、真空下に2分間静置して乾燥させ、シークエ
ンス用サンプルとした。シークエンスサンプルは、4μ
l の10mMのEDTAを含むホルムアミドに溶解して90℃で2
分間で変性した。このものは氷中で冷却してシークエン
スに供した。無差別に選択した5個のクローンのうち2
個は PCRに用いたプローブと配列上の相同性を有してい
た。また、Ribosomal Protein L7/L12の遺伝子配列と一
致したDNA配列が明白であった。その構造遺伝子部分
の全塩基配列及び対応するアミノ酸配列は配列表配列番
号1及び2に示すような配列であった。この遺伝子断片
は、明らかにクラミジア・トラコマチス (Chlamydia tr
achomatis)の Ribosomal Protein L7/L12 蛋白質の遺伝
子をコードするものである。
【0036】
【実施例2】クラミジア・トラコマチス (Chlamydia tr
achomatis)からの Ribosomal Protein L7/L12遺伝子の
大腸菌での大量発現と精製 発現ベクターを組み込んだ大腸菌をLB培地中で50ml 37
℃、一昼夜培養した。500mlの2倍濃度のYT培地を37℃
で1時間加熱した。1晩培養した大腸菌液50mlを 500ml
の前述の培地に入れた。1時間後、 550μl の100mM イ
ソプロピルβ-D(-)-チオガラクトピラノシド(IPTG)を導
入し、4時間培養した。生成物を回収し、250ml の遠心
チューブに移し、7000rpm で10分間遠心した。上澄みを
棄てて50mM Tris-HCl pH7.4 、25% Sucroseを含む Lys
isバッファー25mlずつに溶解した。さらに10%NP-40 1.
25ml、1M MgCl2 125μl を加えてプラスチックチュー
ブに移した。氷冷下、1分間の超音波処理を5回行っ
た。その後、12,000rpm で15分間遠心し、上清を回収し
た。
【0037】次に、PBS でコンディショニングしたグル
タチオンアガロースカラムに前記の上澄み液を吸着させ
た。次に、20mM Tris バッファー pH7.4、4.2mM MgCl2
、1mM ジチオスレイトール(DTT) を含む洗浄液でカラ
ムを2ベッドボリューム分洗浄した。5mM のグルタチオ
ンを含む50mMトリスバッフアー(pH9.6) 中で溶離処理を
した。溶出画分の蛋白質含有量をピグメント結合法 (Br
adford法; BioRadCo.)で決定し、主画分を取得した。得
られた精製Ribosomal Protein L7/L12/GSTフュージョン
蛋白の純度は電気泳動法により確認したところ約75%で
あり免疫源として充分な純度を確保できた。
【0038】
【実施例3】クラミジア・トラコマチス (Chlamydia tr
achomatis)のRibosomal Protein L7/L12の蛋白質に対す
るモノクローナル抗体の作製 まずマウスの免疫については、クラミジア・トラコマチ
ス (Chlamydia trachomatis)のGST フュージョンRiboso
mal Protein L7/L12蛋白質抗原 100μg を 200μl の P
BSに溶解後フロイントのコンプリートアジュバントを 2
00μl 加え混合した。エマルジョン化したのち 200μl
を腹腔内に注射した。同じエマルジョン化抗原を2週間
後、4週間後、および6週間後に腹腔内に注射した。2
倍濃度のエマルジョン化抗原を10週間後および14週間後
に腹腔内に注射した。最終の免疫化終了の3日後に脾臓
を摘出し、細胞融合した。無菌的に取り出したマウスの
脾細胞 108個に対し骨髄腫細胞2×107 個をガラス
チューブに取り良く混合したのち1500rpm で5分間遠心
し上澄みを棄た。その後細胞をよく混合した。
【0039】細胞融合に使用した骨髄腫細胞は、NS-1系
の細胞株を用い10%の牛胎児血清を含むRPMI1640培地で
培養し、細胞融合の2週間前から0.13mMのアザグアニ
ン、0.5 μg/mlのMC-210、10%の牛胎児血清を含む RPM
I1640 培地で1週間培養後、さらに10%の牛胎児血清を
含むRPMI1640培地で1週間培養したものを用いた。
【0040】37℃に保持したRPMI 1640 培養液50mlを混
合細胞試料に加え、1,500rpmで遠心分離した。上澄み液
を除去後、37℃に保持した50%ポリエチレングリコール
1mlを加え、1分間攪拌した。37℃に保持したRPMI 1640
培養液10mlを加え、混合液を殺菌したピペットで約5
分間吸引・排出する事により激しく攪拌した。5分間1,
000rpmで遠心分離し、上澄み液を除去したのち、細胞濃
度が5×106/mlとなるように30ml HAT培養液を加え
た。この混合物を均一になるまで攪拌し、0.1mlずつを9
6穴の培養プレートに注ぎ、37℃、7%の炭酸ガス雰囲
気下で培養した。HAT培地を、第1日、第1週、およ
び第2週にそれぞれ0.1ml ずつ加え、ELISA 法により所
望の抗体を産生する細胞をスクリーニングした。
【0041】0.05%のアジ化ソーダ含む PBS中に溶解し
たRibosomal Protein L7/L12/GST蛋白および GST蛋白を
それぞれ10μg/ml濃度で希釈した液を 100μl ずつ96穴
プレートに別々に分注し4℃で1晩吸着させた。上澄み
除去後、1%牛血清アルブミン溶液(PBS中) 200μl 添
加し室温で1時間反応しブロッキングした。上澄み液を
除去後、生成物を洗浄液 (0.02% Tween20,PBS)で洗浄
した。これに融合細胞の培養液 100mlを加え、室温にて
2時間反応させた。上澄み液を除去し、沈殿を洗浄液で
洗浄した。次いで、濃度 50ng/mlのペルオキシダーゼで
ラベルしたgoat anti-mouse IgG 抗体溶液 100μl を加
え、室温にて1時間反応させた。上澄み液を除去し、生
成物を再び洗浄液で洗浄した。TMB 溶液(KPL社製)を 1
00μl ずつ加え、混合物を室温にて20分間反応させた。
着色したところで1N の硫酸 100μl を加えて反応を停
止し、450nm の吸光度を測定した。
【0042】この結果、GST フュージョンRibosomal Pr
otein L7/L12蛋白質にのみ反応しGST には反応しない陽
性ウェルが見いだされ Ribosomal Protein L7/L12 蛋白
質に対する抗体が含まれていることが判明した。そこで
陽性ウェル中の細胞をそれぞれ回収し24穴プラスティッ
クプレート中、HAT 培地で培養した。培養した融合培地
を細胞数が約20個/ml になるようにHT培地で希釈し50μ
l を、HT培地に懸濁した6週齢のマウス胸腺細胞106
個と96穴培養プレート中で混合した。混合後、7% C
O2条件下、37℃で2週間培養した。培養上澄み中の抗
体活性を前述のELISA 法にて同様に検定し、Ribosomal
Protein L7/L12蛋白との反応陽性の細胞を回収した。さ
らに、同様の希釈検定、クローニング操作を繰り返し、
ハイブリドーマCTRB-1〜5 の計5クローンを取得した。
【0043】
【実施例4】クラミジア・トラコマチス (Chlamydia tr
achomatis)のRibosomal Protein L7/L12蛋白質を検出す
るモノクローナル抗体の選択 前述のようにして取得した陽性ハイブリドーマ細胞を用
いて定法にしたがってモノクローナル抗体を生産回収し
た。具体的には、RPMI 1640 培地 (10% FCS入り)を用
いて継代培養した細胞をあらかじめ2週間前に0.5ml の
プリスタンを腹腔内に注射したBalb/Cマウスの腹腔内に
5×106 個(PBS中)注射した。3週間後腹水を回収
し、その遠心上澄みを取得した。得られた抗体を含む溶
液をProtein A カラム(5ml bed, Pharmacia 製)に吸収
させ、3倍量の PBSで洗浄した。次いで、クエン酸バッ
ファー(pH3) で溶出した。抗体画分を回収し、各ハイブ
リドーマによって産生されたモノクローナル抗体を取得
した。この5株のハイブリドーマ由来のモノクローナル
抗体を用いてELISA 法により評価した。モノクローナル
抗体の評価にはサンドウィッチ分析法を用いた。作成さ
れたモノクローナル抗体をペルオキシダーゼに結合せし
めることにより検出用の抗体として用いた。
【0044】酵素標識はホースラディッシュパーオキシ
ダーゼ(SigmaグレードVI) を用い結合には試薬S-アセチ
ルチオ酢酸N-ヒドロキシスクシンイミドを使用し Analy
tical Bio-chemistry132(1983), 68-73 に述べられてい
る方法に従って行った。ELISA 反応においては市販の抗
クラミジア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)
リクローナル抗体(Biodesign社、ウサギ)を10μg/ml濃
度で希釈した液を 100μl ずつ96穴プレートに別々に分
注し4℃で1晩吸着させた。上澄み除去後、1%牛血清
アルブミン溶液(PBS中) 200μl 添加し室温で1時間反
応しブロッキングした。上澄み液を除去後、生成物を洗
浄液 (0.02% Tween20,PBS) で洗浄した。これに各微生
物の培養液に濃度 0.3%となる量の TritonX-100 を加
え、常温で5分間抽出することにより得られた抗原溶液
100μl を加え、室温で2時間反応させた。上澄み液を
除去し、生成物を再び洗浄液で洗浄した。次いで、濃度
5μg/mlのペルオキシダーゼ標識抗 Ribosomal Protein
L7/L12 蛋白質抗体溶液 100μl を加え、室温にて1時
間反応させた。上澄み液を除去し、生成物を再び洗浄液
で洗浄した。TMB 溶液(KPL社製)を 100μl ずつ加え、
混合物を室温にて20分間反応させた。着色したところで
1N の硫酸 100μl を加えて反応を停止した。450nm の
吸光度を測定した。
【0045】酵素標識抗体としてハイブリドーマCTRB-1
由来のモノクローナル抗体を用いた場合、試験したクラ
ミジア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)の全て
の株を106 個/ml の感度で検出すると同時に他の Hae
mophilus influenzae, Klebsiella pneumoniae, Myco
plasma pneumoniaeおよびNeisseria meningitides
の微生物について108 個/ mlの高濃度でも反応性を示
さずRibosomal Protein L7/L12蛋白に対するモノクロー
ナル抗体を用いることでクラミジア・トラコマチス (Ch
lamydia trachomatis)特異的な反応性をもつ抗体を取得
したことが明確に確認できた。この抗体はAMCT-1と名付
けられた。表2はAMCT-1を用いた結果のみを示す。別の
微生物と交差反応を示す他の抗体を使用した結果はここ
で言及しない。
【0046】
【表2】
【0047】
【実施例5】Ribosomal Protein L7/L12蛋白質固定化ア
フィニティカラムを用いたクラミジア・トラコマチス
(Chlamydia trachomatis) Ribosomal Protein L7/L12蛋
白質と特異的に反応するポリクローナル抗体の取得 実施例1に記載の方法により取得したクラミジア・トラ
コマチス (Chlamydiatrachomatis) Ribosomal Protein
L7/L12蛋白質またはTriton X-100処理した菌体の上清を
抗原として使用した。 100μg の抗原を含む生理食塩水
約 1.2mlをフロイントアジュバント1.5ml とともに乳化
した。エマルジョンを SPF日本白色ウサギに皮下注射し
てウサギを免疫化した。2週間おきに5〜6回免疫し、
抗体価を確認した。抗体価の確認はELISA 法により実施
した。0.05%のアジ化ソーダ含むPBS中に溶解したク
ラミジア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)の R
ibosomal Protein L7/L12 蛋白質を10μg/ml濃度に希釈
した液を 100μl ずつ96穴プレートに分注し4℃で1晩
吸着させた。上澄み除去後、1%牛血清アルブミン溶液
(PBS中) 200μl 添加し室温で1時間反応しブロッキン
グした。上澄み液を除去後、生成物を洗浄液 (0.02%
Tween 20,PBS) で洗浄した。正常のウサギ血清および免
疫化したウサギの抗血清を希釈して得られた溶液 100μ
l を加え、室温にて2時間反応させた。上澄み液を除去
し、生成物を再び洗浄液で洗浄した。次いで、濃度 50n
g/mlのペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG 抗体溶液 100
μl を加え、室温にて1時間反応させた。上澄み液 を
除去し、生成物を再び洗浄液で洗浄した。OPD 溶液(Sig
ma社製)を 100μlずつ加え、混合物を室温にて20分間
反応させた。着色したところで1N の硫酸 100μlを加
えて反応を停止した。492nm の吸光度を測定した。
【0048】抗体価上昇を確認後、大量採血を実施し
た。耳動脈から血液をガラス製遠心管に採取し、37℃で
1時間放置後、4℃で一晩静置した。その後3000rpm 5
分間遠心し、上清を回収した。得られた抗血清は4℃で
保存した。クラミジア・トラコマチス (Chlamydia trac
homatis)のRibosomal Protein L7/L12蛋白質を固定化し
たアフィニティカラムを調製した。HiTrap NHS活性化カ
ラム(1ml, Pharmacia 社製)を用いた。カラムを1mM HC
I で置換後直ちにRibosomal Protein L7/L12蛋白質の P
BS溶液(1mg/ml)を加えた。カラムを30分間静置後、ブロ
ッキング試薬を加え、PBS で平衡化した。このクラミジ
ア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)のRibosoma
l Protein L7/L12蛋白質固定化アフィニティカラムを使
用して、クラミジア・トラコマチス (Chlamydia tracho
matis)のTriton X-100処理した菌体の上清を抗原として
得られた抗血清中のポリクローナル抗体の精製を行っ
た。この抗血清を PBSで5倍に希釈し、0.45μm のフィ
ルターを通した後、流速0.5ml/min でクラミジア・トラ
コマチス (Chlamydia trachomatis)のRibosomal Protei
n L7/L12蛋白質固定化カラムに吸着させた。その後0.1M
グリシンpH2.1 でカラムから溶出し、直ちに1MTris-HCl
pH9.0 で中和した後、抗体価測定法と同様のELISA 法
により目的とする抗体の溶出画分を回収した。
【0049】このようにして得られたポリクローナル抗
体は特表平7-509565号公報に記載されている OIA法によ
り評価した。精製した抗体は OIA法の捕捉(capture) 抗
体として使用した。また検出(detect)抗体としては実施
例4に記載したAMCT-1モノクローナル抗体をパーオキシ
ダーゼで酵素標識したものを使用した。酵素標識はホー
スラディッシュパーオキシダーゼ(SigmaグレードVI) を
用い結合には試薬S-アセチルチオ酢酸 N−ヒドロキシス
クシンイミドを使用しAnalytical Bio-chemistry132(19
83), 68-73に述べられている方法に従って行った。OIA
反応においては0.05%アジ化ナトリウムを含む PBS中の
精製ポリクローナル抗体を10μg/ml濃度に0.1M HEPES p
H8.0で希釈した液を50μl ずつシリコンウエハー上に添
加し室温で30分反応させた後、蒸留水で洗浄し、サッカ
ロース及びアルカリ処理カゼインを含むコーティング溶
液でコーティング後、使用した。
【0050】上記操作で得られた各微生物の培養液に濃
度 0.5%となる量の TritonX-100を加え常温で5分間抽
出することにより得られた抗原溶液15μlを上記シリコ
ンウェハー上に添加し、室温で10分間反応させた。次い
で、20μg/mlペルオキシダーゼ標識化モノクローナル抗
体を15μl加え、10分間反応させた。蒸留水で洗浄後、
TMB 溶液(KPL 社製)を15μlずつ加え、混合物を室温
にて5分間反応させた。生成物を蒸留水で洗浄し、酵素
反応により生成した青色を肉眼で観察した。この結果、
表3に示すように、精製ポリクローナル抗体APCT-1を捕
捉抗体として用いることにより、クラミジア・トラコマ
チス (Chlamydia trachomatis)を 108 bacteria/mlの感
度で検知できること、および他の微生物の反応性は検知
できないことが明らかである。このようにしてクラミジ
ア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)のRibosoma
l Protein L7/L12蛋白質を固定化したアフィニティカラ
ムにより、クラミジア・トラコマチス (Chlamydia trac
homatis)に特異的に反応するポリクローナル抗体を取得
したことを確認した。
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】本発明によると微生物の進化の過程で機
能的に保持された細胞内分子に対する抗体を用いて特定
の種の微生物を特異的に検出できるだけでなく、同一種
内の全ての血清型の微生物を精度よく検出することがで
きる。このような抗体として微生物のリボソーム蛋白
質、Ribosomal Protein L7/L12蛋白質に対する抗体を用
い、クラミジア・トラコマチス (Chlamydia trachomati
s)の検出を精度良く行うことができる。また、このよう
な抗体を構成要素とする微生物検出用試薬キットを用い
ることで、微生物の検出をより汎用的に精度良く行なう
ことができる。
【0053】引用文献 (1)米国特許 No.6,010,857; Helen H.2000「子宮頸管のクラミジア・
トラコマチス (Chlamydia trachomatis)感染検出」 No.5,846,785; Burczak,et al.,1998 「MOMP遺伝子配列
に特異的なオリゴヌクレオチドおよびクラミジア・トラ
コマチス (Chlamydia trachomatis)の検出法」 No.5,837,469; Harris; James M.1998「増殖によるクラ
ミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の分析
およびクラミジア・トラコマチス (Chlamydiatrachomat
is)核酸の検出」 (2)その他の特許文献 特表平7-509565 (3)その他の文献 Barsoum,I.S.,T.A.Goodman,et al.,(1989)「ヒトの上皮
様細胞の非増殖的クラミジア・トラコマチス (Chlamydi
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in, E.V.,and Davis, R.W.
【0054】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> ASAHIKASEI KABUSHIKI KAISHA <120> クラミジア・トラコマチス検出用抗体 <130> X13-75 <150> JP 2000-062685 <151> 2000-01-31 <160> 4 <210> 1 <211> 390 <212> DNA <213> Chlamydia trachomatis <400> 1 atg act act gaa tct tta gaa act tta gtt gaa caa tta tct ggt tta 48 Met Thr Thr Glu Ser Leu Glu Thr Leu Val Glu Gln Leu Ser Gly Leu 1 5 10 15 act gtt tta gaa tta tct caa tta aaa aaa tta tta gaa gaa aaa tgg 96 Thr Val Leu Glu Leu Ser Gln Leu Lys Lys Leu Leu Glu Glu Lys Trp 20 25 30 gat gtt act gct gct gct cct gtt gtt gct gtt gct ggt gct gct gct 144 Asp Val Thr Ala Ala Ala Pro Val Val Ala Val Ala Gly Ala Ala Ala 35 40 45 gct ggt gat gct cct gct tct gct gaa cct act gaa ttt gct gtt att 192 Ala Gly Asp Ala Pro Ala Ser Ala Glu Pro Thr Glu Phe Ala Val Ile 50 55 60 tta gaa gat gtt cct tct gat aaa aaa att ggt gtt tta aaa gtt gtt 240 Leu Glu Asp Val Pro Ser Asp Lys Lys Ile Gly Val Leu Lys Val Val 65 70 75 80 cgt gaa gtt act ggt tta gct tta aaa gaa gct aaa gaa atg act gaa 288 Arg Glu Val Thr Gly Leu Ala Leu Lys Glu Ala Lys Glu Met Thr Glu 85 90 95 ggt tta cct aaa act gtt aaa gaa aaa act tct aaa tct gat gct gaa 336 Gly Leu Pro Lys Thr Val Lys Glu Lys Thr Ser Lys Ser Asp Ala Glu 100 105 110 gat act gtt aaa aaa tta caa gaa gct ggt gct aaa gct gtt gct aaa 384 Asp Thr Val Lys Lys Leu Gln Glu Ala Gly Ala Lys Ala Val Ala Lys 115 120 125 ggt tta 390 Gly Leu 130 <210> 2 <211> 130 <212> PRT <213> Chlamydia trachomatis <400> 2 Met Thr Thr Glu Ser Leu Glu Thr Leu Val Glu Gln Leu Ser Gly Leu 1 5 10 15 Thr Val Leu Glu Leu Ser Gln Leu Lys Lys Leu Leu Glu Glu Lys Trp 20 25 30 Asp Val Thr Ala Ala Ala Pro Val Val Ala Val Ala Gly Ala Ala Ala 35 40 45 Ala Gly Asp Ala Pro Ala Ser Ala Glu Pro Thr Glu Phe Ala Val Ile 50 55 60 Leu Glu Asp Val Pro Ser Asp Lys Lys Ile Gly Val Leu Lys Val Val 65 70 75 80 Arg Glu Val Thr Gly Leu Ala Leu Lys Glu Ala Lys Glu Met Thr Glu 85 90 95 Gly Leu Pro Lys Thr Val Lys Glu Lys Thr Ser Lys Ser Asp Ala Glu 100 105 110 Asp Thr Val Lys Lys Leu Gln Glu Ala Gly Ala Lys Ala Val Ala Lys 115 120 125 Gly Leu 130 <210> 3 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Chlamydia trachomatis からのRibosomal Protein L7/L12遺伝子の取得 に用いたPCR のプライマー DNA。 <400> 3 gggtggatcc gtgacaacag aaagtttgga aact 34 <210> 4 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Chlamydia trachomatis からのRibosomal Protein L7/L12遺伝子の取得 に用いたPCR のプライマー DNA。 <400> 4 cccactcgag ttacagccct ttagcaacag cctt 34
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07K 14/295 C07K 14/295 C12N 15/09 ZNA C12P 21/02 C C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラミジア・トラコマチス (Chlamydia
    trachomatis)に属する微生物のリボソーム蛋白質に対す
    る抗体であって、該微生物に特異的に反応する抗体。
  2. 【請求項2】 クラミジア・トラコマチス (Chlamydia
    trachomatis)に属する微生物のリボソーム蛋白質がRibo
    somal Protein L7/L12である、請求項1に記載の抗体。
  3. 【請求項3】 抗体がモノクローナルまたはポリクロー
    ナルである、請求項1または2に記載の抗体。
  4. 【請求項4】 抗体が酵素と結合した抗体である、請求
    項1〜3のいずれかに記載の抗体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の抗体を
    用いることを特徴とするクラミジア・トラコマチス (Ch
    lamydia trachomatis)に属する微生物の検出方法。
  6. 【請求項6】 a)検体を溶解液と接触せしめて微生物
    からリボソーム蛋白質を抽出すること、b)抽出した検
    体を、捕捉抗体、すなわち請求項1〜4のいずれかに記
    載の抗体が固体表面上に固定された抗体、と接触せしめ
    ることによりリボソーム蛋白質と捕捉抗体との間に抗原
    抗体複合体を形成せしめること、およびc)検出用抗
    体、すなわち請求項1〜4のいずれかに記載の抗体、を
    用いて抗原抗体複合体を検出することからなる、検体中
    のクラミジア・トラコマチス (Chlamydia trachomatis)
    に属する微生物の検出方法。
  7. 【請求項7】 検出用抗体が酵素と結合した抗体であ
    り、抗原抗体複合体が該酵素の特異的基質によって検出
    されるものであることを特徴とする請求項6に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれかに記載の抗体を
    用いることを特徴とするクラミジア・トラコマチス (Ch
    lamydia trachomatis)に属する微生物の検出用試薬キッ
    ト。
  9. 【請求項9】 遺伝子操作手法によりあるいは微生物か
    らの単離精製により得られたクラミジア・トラコマチス
    (Chlamydia trachomatis)に属する微生物のRibosomal
    Protein L7/L12 蛋白質、その部分ペプチド、またはそ
    の部分ペプチドに相当する合成ペプチドを免疫源とする
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗体
    の製造方法。
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