本発明は、哺乳動物において抗原特異的免疫応答を誘発するクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)由来の新規抗原の発見を包含する。かかる新規抗原、及び/又はこの抗原をコードする核酸は、免疫原性組成物に組み込まれて投与されることにより免疫応答を誘発し、それにより例えば、クラミジア感染症及びクラミジア生物により引き起こされる疾患に対する防御を提供することができる。かかる新規抗原、及び/又は新規抗原に対する応答を検出することにより、クラミジア生物に対する免疫応答を同定し、及び/又は特徴付けることができる。
従って、一態様において、本発明は、CT062ポリペプチド抗原、CT572ポリペプチド抗原、CT043ポリペプチド抗原、CT570ポリペプチド抗原、CT177ポリペプチド抗原、CT725ポリペプチド抗原、CT067ポリペプチド抗原、CT476ポリペプチド抗原、及びそれらの組み合わせから選択される単離されたクラミジア抗原を含む免疫原性組成物(例えば、ワクチン)を提供する。一部の実施形態では、クラミジア抗原は完全長クラミジアポリペプチドを含む。一部の実施形態では、クラミジア抗原は、完全長クラミジアポリペプチドの1つ又は複数の部分を含む。一部の実施形態では、クラミジア抗原は、シグナル配列及び/又は膜貫通ドメインが欠損しているクラミジアポリペプチドを含む。一部の実施形態では、クラミジア抗原は、完全長クラミジアポリペプチドと、発現宿主、例えば、大腸菌(E.coli)、昆虫細胞株(例えば、バキュロウイルス発現系)、又は哺乳動物(例えば、ヒト又はチャイニーズハムスター卵巣)細胞株によるシグナル配列のプロセシング、又は部分的プロセシングから得られる断片との混合物を含む。本明細書で使用されるとき、用語「部分」及び「断片」、又は文法上の等価語は、同義的に使用される。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT062ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、CT062ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、配列番号1に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、配列番号1に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT572ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT572ポリペプチド抗原は、CT572ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、又は750個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT572ポリペプチド抗原は、配列番号3に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、又は750個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT572ポリペプチド抗原は、配列番号3に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、又は750個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT043ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT043ポリペプチド抗原は、CT043ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、又は160個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT043ポリペプチド抗原は、配列番号5に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、又は160個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT043ポリペプチド抗原は、配列番号5に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、又は160個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT570ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT570ポリペプチド抗原は、CT570ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は350個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT570ポリペプチド抗原は、配列番号7に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は350個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT570ポリペプチド抗原は、配列番号7に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は350個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT177ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT177ポリペプチド抗原は、CT177ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、又は200個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT177ポリペプチド抗原は、配列番号9に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、又は200個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT177ポリペプチド抗原は、配列番号9に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、又は200個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT725ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT725ポリペプチド抗原は、CT725ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、又は180個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT725ポリペプチド抗原は、配列番号11に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、又は180個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT725ポリペプチド抗原は、配列番号11に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、又は180個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT067ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT067ポリペプチド抗原は、CT067ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は325個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT067ポリペプチド抗原は、配列番号23に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は325個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT067ポリペプチド抗原は、配列番号23に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は325個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT476ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT476ポリペプチド抗原は、CT476ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は320個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT476ポリペプチド抗原は、配列番号63に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は320個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT476ポリペプチド抗原は、配列番号63に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は320個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物は、クラミジアのクリプティックプラスミド由来のp6ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、p6ポリペプチド抗原は、p6ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、p6ポリペプチド抗原は、配列番号65に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、p6ポリペプチド抗原は、配列番号65に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT310ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT310ポリペプチド抗原は、CT310ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT310ポリペプチド抗原は、配列番号67に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT310ポリペプチド抗原は、配列番号67に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT638ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT638ポリペプチド抗原は、CT638ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、又は250個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT638ポリペプチド抗原は、配列番号69に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、又は250個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT638ポリペプチド抗原は、配列番号69に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、又は250個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物は、2個以上の単離されたクラミジア抗原を含む。一部の実施形態では、2個以上の単離されたクラミジア抗原は、表1から選択されるポリペプチド抗原の2個以上を含む。一部の実施形態では、2個以上の単離されたクラミジア抗原は、表1から選択されるポリペプチド抗原の3個以上を含む。一部の実施形態では、2個以上の単離されたクラミジア抗原は、表1から選択されるポリペプチド抗原の4個以上を含む。一部の実施形態では、2個以上の単離されたクラミジア抗原は、表1から選択されるポリペプチド抗原の5個、6個、7個以上を含む。一部の実施形態では、2個以上の単離されたクラミジア抗原は、表1から選択される8個のポリペプチド抗原を含む。
本明細書に記載される本発明のクラミジア抗原は、当該技術分野において公知のものなどの他のクラミジア抗原と共に使用されてもよい。一部の実施形態では、免疫原性組成物は2個以上の単離されたクラミジア抗原を含み、ここで2個以上の単離されたクラミジア抗原は、(a)表1から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原と;(b)表2から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原とを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は2個以上の単離されたクラミジア抗原を含み、ここで2個以上の単離されたクラミジア抗原は、(a)表1から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原と;(b)表3から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原とを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は2個以上の単離されたクラミジア抗原を含み、ここで2個以上の単離されたクラミジア抗原は、(a)表2から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原と;(b)表3から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原とを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は3個以上の単離されたクラミジア抗原を含み、ここで3個以上の単離されたクラミジア抗原は、(a)表1から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原と;(b)表2から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原と;(c)表3から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原とを含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表2から選択される単離されたクラミジアポリペプチド抗原を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表3から選択される単離されたクラミジアポリペプチド抗原を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表2から選択される2個、3個、4個、5個又はそれ以上の単離されたクラミジアポリペプチド抗原を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表3から選択される2個、3個、4個、5個又はそれ以上の単離されたクラミジアポリペプチド抗原を含む。
一部の実施形態では、クラミジア抗原は異種ポリペプチド(例えばエピトープタグ)と融合される。
一部の実施形態では、クラミジア抗原を含む免疫原性組成物は、薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
一部の実施形態では、クラミジア抗原を含む免疫原性組成物はアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物はミネラル含有アジュバントを含む。一部の実施形態では、ミネラル含有アジュバントは水酸化アルミニウムを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、免疫調節オリゴヌクレオチドを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物はIC31(商標)アジュバント(Intercell AG)を含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、毒素を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、エンドトキシンを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、ムラミルジペプチドを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、油乳剤を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、サポニンを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、免疫刺激複合体(ISCOM)を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、非イオン性ブロック共重合体を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物はウイルス様粒子(VLP)を含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物はレプリコンを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、リポソーム(lipososme)を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、微粒子を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、生分解性マイクロスフェアを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、サイトカインを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、リポペプチドを含むアジュバントを含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)に対する免疫応答を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、クラミジア抗原に対するT細胞媒介性免疫応答(例えば、CD4+ T細胞媒介性免疫応答及び/又はCD8+ T細胞媒介性免疫応答)を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物はTh1 T細胞応答を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物はTh17 T細胞応答を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、抗原特異的T細胞によるIFN−γ分泌を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は細胞傷害性T細胞応答を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は抗体応答(例えば、IgG応答、及び/又はIgA応答)を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物はB細胞媒介性免疫応答を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、T細胞媒介性及びB細胞媒介性の双方の応答を誘発する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は自然免疫応答を誘発する。
別の態様において、本発明は、哺乳動物においてクラミジアに対する免疫応答を誘発する方法を提供する。この方法は、例えば、表1、表2、又は表3から選択される単離されたクラミジアポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせを含む免疫原性組成物、例えば、本明細書に記載される免疫原性組成物を哺乳動物に投与するステップを含む。
一部の実施形態では、方法は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)に対する免疫応答を誘発する。一部の実施形態では、方法は、クラミジア抗原に対するT細胞応答(例えば、CD4+ T細胞媒介性免疫応答及び/又はCD8+ T細胞媒介性免疫応答)を誘発する。一部の実施形態では、方法はTh1 T細胞応答を誘発する。一部の実施形態では、方法はTh17 T細胞応答を誘発する。一部の実施形態では、方法は、抗原特異的T細胞によるIFN−γ分泌を誘発する。一部の実施形態では、方法は抗体応答(例えば、IgG応答、及び/又はIgA応答)を誘発する。一部の実施形態では、方法は細胞傷害性T細胞応答を誘発する。一部の実施形態では、方法はB細胞媒介性免疫応答を誘発する。一部の実施形態では、方法は、T細胞媒介性及びB細胞媒介性の双方の応答を誘発する。一部の実施形態では、方法は自然免疫応答を誘発する。
一部の実施形態では、方法は、組成物を投与された対象におけるクラミジア感染症の発生率を低下させる。一部の実施形態では、方法は、クラミジア生物による下部器官感染症の可能性を低下させる。一部の実施形態では、方法は、クラミジア生物による上部器官感染症の可能性を低下させる。一部の実施形態では、方法は、クラミジア生物による慢性感染症の可能性を低下させる。一部の実施形態では、方法は、クラミジア感染症に起因する骨盤内炎症性疾患に罹患する可能性を低下させる。一部の実施形態では、方法は、クラミジア感染症に続発する不妊症の可能性を低下させる。
方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物は、哺乳動物に少なくとも2回(例えば、2回、3回、4回、又は5回)投与される。
一部の実施形態では、初回投与後に(すなわちブーストとして)投与される免疫原性組成物は、最初に投与される組成物と異なり、例えば組成物は異なるクラミジア抗原若しくは異なるサブセットのクラミジア抗原、又は異なるクラミジア抗原物質(ポリペプチド又はそれをコードする核酸)、又は異なる用量の抗原、又は異なるアジュバント、又は異なる用量のアジュバントを含む。一部の実施形態では、ブーストは、前回の投与と異なる経路によって投与される。
一部の実施形態では、哺乳動物は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)による感染のリスクがある。一部の実施形態では、哺乳動物はクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)に感染している。一部の実施形態では、哺乳動物は雌性である。一部の実施形態では、哺乳動物はヒトである。
一部の実施形態では、方法で投与される免疫原性組成物はアジュバントを含む。一部の実施形態では、アジュバントはミネラル含有アジュバントである。一部の実施形態では、方法で投与される免疫原性組成物は、薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物はミネラル含有アジュバントを含む。一部の実施形態では、ミネラル含有アジュバントは水酸化アルミニウムを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、免疫調節オリゴヌクレオチドを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物はIC31(商標)アジュバント(Intercell AG)を含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、毒素を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、エンドトキシンを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、ムラミルジペプチドを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、油乳剤を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、サポニンを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、免疫刺激複合体(ISCOM)を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、非イオン性ブロック共重合体を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物はウイルス様粒子(VLP)を含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物はレプリコンを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、リポソーム(lipososme)を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、微粒子を含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、生分解性マイクロスフェアを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、サイトカインを含むアジュバントを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、リポペプチドを含むアジュバントを含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT062ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、CT062ポリペプチド配列の7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、配列番号1に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、配列番号1に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT572ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT572ポリペプチド抗原は、CT572ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、又は750個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT572ポリペプチド抗原は、配列番号3に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、又は750個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT572ポリペプチド抗原は、配列番号3に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、又は750個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT043ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT043ポリペプチド抗原は、CT043ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、又は160個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT043ポリペプチド抗原は、配列番号5に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、又は160個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT043ポリペプチド抗原は、配列番号5に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、又は160個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT570ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT570ポリペプチド抗原は、CT570ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は350個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT570ポリペプチド抗原は、配列番号7に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は350個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT570ポリペプチド抗原は、配列番号7に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は350個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT177ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT177ポリペプチド抗原は、CT177ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、又は200個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT177ポリペプチド抗原は、配列番号9に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、又は200個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT177ポリペプチド抗原は、配列番号9に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、又は200個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT725ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT725ポリペプチド抗原は、CT725ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、又は180個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT725ポリペプチド抗原は、配列番号11に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、又は180個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT725ポリペプチド抗原は、配列番号11に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、又は180個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT067ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT067ポリペプチド抗原は、CT067ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は325個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT067ポリペプチド抗原は、配列番号23に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は325個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT067ポリペプチド抗原は、配列番号23に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は325個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT476ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT476ポリペプチド抗原は、CT476ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は320個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT476ポリペプチド抗原は、配列番号63に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は320個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT476ポリペプチド抗原は、配列番号63に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は320個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物は、クラミジアのクリプティックプラスミド由来のp6ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、p6ポリペプチド抗原は、p6ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、p6ポリペプチド抗原は、配列番号65に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、p6ポリペプチド抗原は、配列番号65に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT310ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT310ポリペプチド抗原は、CT310ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT310ポリペプチド抗原は、配列番号67に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT310ポリペプチド抗原は、配列番号67に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物はCT638ポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、CT638ポリペプチド抗原は、CT638ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、又は250個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT638ポリペプチド抗原は、配列番号69に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、又は250個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT638ポリペプチド抗原は、配列番号69に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、又は250個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物は2個以上の単離されたクラミジア抗原を含む。一部の実施形態では、2個以上の単離されたクラミジア抗原は、表1から選択されるポリペプチド抗原の2個以上を含む。一部の実施形態では、2個以上の単離されたクラミジア抗原は、表1から選択されるポリペプチド抗原の3個以上を含む。一部の実施形態では、2個以上の単離されたクラミジア抗原は、表1から選択されるポリペプチド抗原の4個以上を含む。一部の実施形態では、2個以上の単離されたクラミジア抗原は、表1から選択されるポリペプチド抗原の5個、6個、7個以上を含む。一部の実施形態では、2個以上の単離されたクラミジア抗原は、表1から選択される8個のポリペプチド抗原を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、本明細書に記載される本発明のクラミジア抗原は、当該技術分野において公知のものを含む1つ以上のさらなるクラミジア抗原と共に使用される。一部の実施形態では、本発明の方法に好適な免疫原性組成物は、2個以上の単離されたクラミジア抗原を含み、ここで2個以上の単離されたクラミジア抗原は、(a)表1から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原と;(b)表2から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原とを含む。提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物は2個以上の単離されたクラミジア抗原を含み、ここで2個以上の単離されたクラミジア抗原は、(a)表1から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原と;(b)表3から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原とを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は2個以上の単離されたクラミジア抗原を含み、ここで2個以上の単離されたクラミジア抗原は、(a)表2から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原と;(b)表3から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原とを含む。提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物は3個以上の単離されたクラミジア抗原を含み、ここで3個以上の単離されたクラミジア抗原は、(a)表1から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原と;(b)表2から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原と;(c)表3から選択される1個以上のクラミジアポリペプチド抗原とを含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表2から選択される単離されたクラミジアポリペプチド抗原を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表3から選択される単離されたクラミジアポリペプチド抗原を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表2から選択される2個、3個、4個、5個又はそれ以上の単離されたクラミジアポリペプチド抗原を含む。
提供される方法の一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表3から選択される2個、3個、4個、5個又はそれ以上の単離されたクラミジアポリペプチド抗原を含む。
一部の実施形態では、免疫原性組成物は、クラミジア抗原と、異なる感染病原体由来の抗原とを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表1、表2、表3から選択されるクラミジアポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせと;パピローマウイルス(例えば、ヒトパピローマウイルス)由来の抗原とを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表1、表2、表3から選択されるクラミジアポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせと;ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス2型)由来の抗原とを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表1、表2、表3から選択されるクラミジアポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせと;淋菌(Neissiria gonorrhoeae)由来の抗原とを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表1、表2、表3から選択されるクラミジアポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせと;カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)由来の抗原とを含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、表1、表2、表3から選択されるクラミジアポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせと;パピローマウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス2型)、淋菌(Neissiria gonorrhoeae)、及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)の1つ以上に由来する抗原とを含む。
別の態様において、本発明は、本明細書に記載されるクラミジア抗原をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸を提供する。一部の実施形態では、本発明は、表1、表2、表3から選択されるクラミジア抗原をコードするヌクレオチド配列、又はそれらの組み合わせを含む単離核酸を提供する。一部の実施形態では、核酸は、クラミジア抗原と融合される異種ペプチドをコードするヌクレオチド配列をさらに含む。
本発明はまた、本明細書に記載されるとおりのクラミジア抗原をコードする核酸を含む組成物も提供する。一部の実施形態では、組成物は、表1、表2、表3から選択されるクラミジア抗原をコードするヌクレオチド配列、又はそれらの組み合わせを含む単離核酸を含み、及び薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。一部の実施形態では、組成物はアジュバントをさらに含む。
さらに別の態様において、本発明は、本明細書に記載される核酸に基づき哺乳動物においてクラミジアに対する免疫応答を誘発する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、核酸を含む組成物を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物においてクラミジアに対する免疫応答を誘発する方法を提供し、ここで核酸は、表1、表2、表3から選択されるクラミジア抗原をコードするヌクレオチド配列、又はそれらの組み合わせを含む。
別の態様において、本発明は、対象におけるクラミジア抗原(例えば、表1、表2、表3から選択されるクラミジアポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせ)に対する免疫応答を特徴付け、及び/又は検出する方法を提供する。一部の実施形態では、未感作の対象における免疫応答が特徴付けられる。一部の実施形態では、クラミジアに感染した対象、又はクラミジアに感染していることが疑われる対象における免疫応答が特徴付けられる。一部の実施形態では、クラミジア抗原を含む免疫原性組成物(例えば、本明細書に記載される免疫原性組成物)を投与された対象における免疫応答が特徴付けられる。一部の実施形態では、抗体応答が特徴付けられる。一部の実施形態では、B細胞応答が特徴付けられる。一部の実施形態では、T細胞応答が特徴付けられる。一部の実施形態では、抗原特異的T細胞によるIFN−γ分泌が特徴付けられる。一部の実施形態では、Th1 T細胞応答が特徴付けられる。一部の実施形態では、Th17 T細胞応答が特徴付けられる。一部の実施形態では、細胞傷害性T細胞応答が特徴付けられる。一部の実施形態では、T細胞応答及びB細胞応答の双方が特徴付けられる。一部の実施形態では、自然免疫応答が特徴付けられる。
本発明はさらに、クラミジア抗原を含む組成物、及びクラミジア抗原に特異的に結合する抗体の調製方法を提供する。
本明細書に記載される組成物及び方法は、任意のクラミジア疾患、障害、及び/又は病態、例えばクラミジア感染症に起因する尿道炎、子宮頸管炎、咽頭炎、直腸炎、精巣上体炎、前立腺炎、骨盤内炎症性疾患、及びトラコーマのいずれかの予防及び/又は治療に用いることができる。一部の実施形態では、本明細書に記載される免疫原性組成物は、クラミジア疾患、障害、及び/又は病態の1つ以上の症状又は特徴による感染リスクを低減し、及び/又はそれを治療し、緩和し、寛解させ、軽減し、その発症を遅延させ、その進行を抑制し、その重症度を低減し、及び/又はその発生率を低下させる。一部の実施形態では、クラミジア感染症の予防及び/又は治療は、本明細書に記載される新規クラミジア抗原を含む免疫原性組成物の治療有効量を、それを必要とする対象に対し、所望の結果を達成するために必要なだけの量及び回数で投与するステップを含む。本発明の特定の実施形態において本発明の免疫原性組成物の「治療有効量」は、クラミジア感染症の1つ以上の症状又は特徴を治療し、緩和し、寛解させ、軽減し、その発症を遅延させ、その進行を抑制し、その重症度を低減し、及び/又はその発生率を低下させるのに有効な量である。
一部の実施形態では、本発明の予防的、予後診断的及び/又は治療的プロトコルには、T細胞及びB細胞の一方又は双方における免疫応答が刺激されるように、新規クラミジア抗原を含む1つ以上の免疫原性組成物の治療有効量を対象に投与するステップが含まれる。
本発明は、治療有効量の1つ以上のクラミジア抗原(例えば、表1、表2、表3から選択されるポリペプチド抗原の1つ以上、又はそれらの組み合わせ)と、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む新規免疫原性組成物を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるとおりの免疫原性組成物を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、本発明の組成物を含む医薬組成物を、それを必要とする対象(例えばヒト、例えば、小児、青年、又は若年成人)に投与する方法が提供される。
一部の実施形態では、治療有効量の免疫原性組成物は、クラミジア疾患、障害、及び/又は病態と診断される前、診断と同時、及び/又は診断の後に患者及び/又は動物に送達される。一部の実施形態では、治療量の本発明の免疫原性組成物は、クラミジア疾患、障害、及び/又は病態の症状が発症する前、発症と同時、及び/又は発症の後に患者及び/又は動物に送達される。
一部の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、経口、筋肉内、皮下、経皮、皮内、直腸、腟内、粘膜、経鼻、口腔内、経腸、舌下を含む様々な経路のいずれかにより;気管内注入、気管支注入、及び/又は吸入により;及び/又は経口スプレー、鼻腔内スプレー、及び/又はエアロゾルとして投与される。一部の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、静脈内、動脈内、髄内、髄腔内、脳室内、経皮、腹腔内、局所(散剤、軟膏、クリーム、及び/又はドロップによるなど)、経皮を含む様々な経路により、又は気管内注入により投与される。
特定の実施形態において、免疫原性組成物は、クラミジア感染症の症状を(例えば、エリスロマイシン又はテトラサイクリンなどの抗生物質により)治療する1つ以上のさらなる治療剤と併用して投与されてもよい。
本発明は、本発明の免疫原性組成物の1つ以上を含む様々なキットを提供する。例えば、本発明は、クラミジア抗原を含む免疫原性組成物、又は抗原をコードする核酸(ここで抗原は、表1、表2、表3、又はそれらの組み合わせから選択される)と;使用説明書とを含むキットを提供する。キットは複数の異なるクラミジア抗原を含み得る。キットは、多数のさらなる構成要素又は試薬のいずれかを任意の組み合わせで含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、キットは、例えば、(i)表1、表2、表3から選択されるクラミジアポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせと;(ii)アジュバントと;(iii)クラミジア抗原及びアジュバントを含む組成物を、それを必要とする対象に投与することについての指示書とを含み得る。
本願は、様々な発行済み特許、公開特許出願、学術論文、アミノ酸及び核酸配列情報を含むデータベースエントリー、並びに他の文献を参照し、その全てが参照により本明細書に援用される。
共に図面を構成する以下に記載される図は、例示を目的としているに過ぎず、限定を目的とするものではない。
本発明がさらに容易に理解されるようにするため、初めに以下に特定の用語を定義する。以下の用語及び他の用語のさらなる定義は、本明細書全体を通じて示される。
アジュバント:本明細書で使用されるとき、用語「アジュバント」は、抗原に対する免疫応答を変化させる(例えば亢進させる)薬剤を指す。一部の実施形態では、アジュバントは、対象に投与されるペプチド抗原に対する免疫応答を亢進させるために使用される。一部の実施形態では、アジュバントは、対象に投与される核酸によってコードされる抗原に対する免疫応答を亢進させるために使用される。
抗体:本明細書で使用されるとき、用語「抗体」は、天然であるか、又は完全に若しくは部分的に合成的に産生されるかに関わらず、任意の免疫グロブリンを指す。特異的結合能を維持するその全ての誘導体もまた、この用語に含まれる。この用語はまた、免疫グロブリン結合ドメインに相同な又は概して相同な結合ドメインを有する任意のタンパク質を包含する。かかるタンパク質は、天然の供給源に由来しても、又は部分的に若しくは完全に合成的に産生されてもよい。抗体はモノクローナル又はポリクローナルであってよい。抗体は、ヒトクラス:IgG、IgM、IgA、IgD、及びIgEのいずれかを含む任意の免疫グロブリンクラスのメンバーであってもよい。本明細書で使用されるとき、用語「抗体断片」又は「抗体の特徴的部分」は同義的に使用され、全長未満の抗体の任意の誘導体を指す。一般に、抗体断片は、完全長抗体の特異的結合能力の少なくとも実質的な部分を保持している。抗体断片の例としては、限定はされないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、Fv、dsFvダイアボディ、及びFd断片が挙げられる。抗体断片は任意の手段により産生され得る。例えば、抗体断片は、インタクトな抗体を断片化することによって酵素的又は化学的に産生されてもよく、及び/又は部分抗体配列をコードする遺伝子から組換え産生されてもよい。それに代えて又は加えて、抗体断片は、完全に又は部分的に合成的に産生されてもよい。抗体断片は、場合により一本鎖抗体断片を含んでもよい。それに代えて又は加えて、抗体断片は、例えばジスルフィド結合によって互いに連結された複数の鎖を含んでもよい。抗体断片は、場合により多分子複合体を含んでもよい。機能的抗体断片は、典型的には少なくとも約50アミノ酸を含むことができ、さらに典型的には少なくとも約200アミノ酸を含むことができる。
抗原:用語「抗原」は、本明細書で使用されるとき、特異的免疫応答を誘発する分子(例えば、ポリペプチド)を指す。抗原特異的免疫応答は、適応免疫応答としても知られ、抗原受容体(例えば、T細胞受容体、B細胞受容体)を発現するリンパ球(例えば、T細胞、B細胞)によって媒介される。特定の実施形態において、抗原はT細胞抗原であり、細胞性免疫応答を誘発する。特定の実施形態において、抗原はB細胞抗原であり、体液性(すなわち、抗体)応答を誘発する。特定の実施形態において、抗原は、T細胞抗原及びB細胞抗原の双方である。本明細書で使用されるとき、用語「抗原」は、完全長ポリペプチドも、並びにかかる完全なポリペプチドの免疫原性断片(すなわち、抗原特異的なT細胞応答、B細胞応答、又はその双方を誘発する断片)に相当するポリペプチドの一部分も包含する。一部の実施形態では、抗原は、ポリペプチド配列内に存在するペプチドエピトープ(例えば、主要組織適合性複合体(MHC)分子が結合するペプチドエピトープ(例えば、MHCクラスI、又はMHCクラスII)である。従って、5〜15アミノ酸長のペプチド、及びそれより長い、例えば、60、70、75、80、85、90、100、150、200、250個、又はそれ以上のアミノ酸を有するポリペプチドは、「抗原」であり得る。一例において、本発明はCT062ポリペプチド抗原を提供する。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、完全長CT062ポリペプチドアミノ酸配列(例えば、配列番号1の完全長CT062ポリペプチド)を含む。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、CT062ポリペプチドの一部分(例えば、配列番号1のCT062ポリペプチドの一部分、この一部分は、配列番号1の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸を含む)を含む。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、天然に存在する野生型CT062ポリペプチド配列からの1つ以上のアミノ酸改変(例えば、欠失、置換、及び/又は挿入)を含む。例えば、CT062ポリペプチド抗原は、配列番号1又はその一部分(例えば、配列番号1に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸)と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含み得る。或いは、CT062ポリペプチド抗原は、配列番号1と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一である配列の一部分(例えば、少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸)を含み得る。CT062ポリペプチド抗原は例として用いられる。この概念は、限定はされないが、CT572、CT043、CT570、CT177、CT725、CT067、CT476、p6、CT310、及びCT638ポリペプチド抗原を含めた、本明細書に記載される他のポリペプチド抗原に適用可能である。
およそ:本明細書で使用されるとき、数に関連して用語「およそ(approximately)」又は「約(about)」は、概して、特に指定されない限り、又は他の形で文脈上明らかでない限り、その数の(その数より大きい又はより小さい)いずれの方向にも5%、10%、15%、又は20%の範囲内に入る数値を含む(かかる数値が可能な値の0%未満又は100%超となる場合を除く)ものと解釈される。
クラミジア抗原:本明細書で使用されるとき、用語「クラミジア抗原」は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)生物、クラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci)生物、又はクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)生物、クラミジア・スイス(Chlamydia suis)生物、クラミジア・ムリダルム(Chlamydia muridarum)生物など、クラミジア属(Chlamydia)の任意の生物に対する抗原特異的免疫応答を誘発する抗原を指す。一部の実施形態では、クラミジア抗原は、複数の種(例えば、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、クラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci)、及びクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)のうちの2つ又は3つ)のクラミジア生物に対する抗原特異的免疫応答を誘発する。一部の実施形態では、クラミジア抗原は、複数の血清型(例えば、C.トラコマチス(C.trachomatis)の血清型A、B、Ba、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L1、L2、L3の1つ以上)のクラミジア生物に対する抗原特異的免疫応答を誘発する。クラミジア抗原は、クラミジア遺伝子によりコードされる完全長ポリペプチド、並びにそのようなポリペプチドの免疫原性部分を含む。
免疫原性組成物:本明細書で使用されるとき、用語「免疫原性組成物」は、対象において免疫応答を誘導する分子を含む組成物を指す。一部の実施形態では、免疫原性組成物はポリペプチド又はペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、ポリペプチド又はペプチド抗原をコードする核酸を含む。免疫原性組成物は、複数の抗原に対する免疫応答を誘導する分子を含み得る。
インビトロ:本明細書で使用されるとき、用語「インビトロ」は、生物(例えば、動物、植物、及び/又は微生物)の体内ではなく、人工的な環境、例えば試験管又は反応槽内、細胞培養物中等で起こる事象を指す。
インビボ:本明細書で使用されるとき、用語「インビボ」は、生物(例えば、動物、植物、及び/又は微生物)の体内で起こる事象を指す。
単離された:用語「単離された」は、本明細書で使用されるとき、単離された実体が、それまで連係していた少なくとも1つの構成要素から分離されていることを意味する。他のほとんどの構成要素が取り除かれた場合、その単離された実体は「精製されている」。単離及び/又は精製及び/又は濃縮は、例えば、クロマトグラフィー、分画、沈殿、又は他の分離法を含め、当該技術分野において公知の任意の技法を用いて実施することができる。
核酸:本明細書で使用されるとき、用語「核酸」は、その広義の意味において、オリゴヌクレオチド鎖に組み込まれる、又は組み込むことのできる任意の化合物及び/又は物質を指す。一部の実施形態では、核酸は、リン酸ジエステル結合を介してオリゴヌクレオチド鎖に組み込まれる、又は組み込むことのできる化合物及び/又は物質である。本明細書で使用されるとき、用語「オリゴヌクレオチド」と「ポリヌクレオチド」とは同義的に使用することができる。一部の実施形態では、「核酸」は、RNA並びに一本鎖及び/又は二本鎖DNA及び/又はcDNAを包含する。さらに、用語「核酸」、「DNA」、「RNA」、及び/又は類似の用語には、核酸類似体、すなわちリン酸ジエステル骨格以外の骨格を有する類似体が含まれる。用語「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」には、互いの縮重種である、及び/又は同じアミノ酸配列をコードする全てのヌクレオチド配列が含まれる。核酸は、天然の供給源から精製したり、組換え発現系を使用して産生して、且つ場合により精製したり、化学的に合成したり等してもよい。適切な場合、例えば化学的に合成された分子の場合、核酸は、化学的に修飾された塩基又は糖、骨格修飾等を有する類似体などの、ヌクレオシド類似体を含むことができる。核酸配列は、特に指示されない限り5’から3’方向で提示される。
ポリペプチド:用語「ポリペプチド」は、本明細書で使用されるとき、概して、少なくとも3個のアミノ酸のポリマーというその当該技術分野で認知されている意味を有する。しかしながら、この用語はまた、特定の抗原ポリペプチドクラス、例えば、CT062ポリペプチド、CT572ポリペプチド、CT043ポリペプチド、CT570ポリペプチド、CT177ポリペプチド、及びCT725ポリペプチドなどを指しても使用される。かかるクラスの各々について、本明細書は、かかるポリペプチドの既知の配列の例をいくつか提供する。しかしながら当業者は、用語「ポリペプチド」が、本明細書で「ポリペプチド抗原」を指して使用されるとき、本明細書に記載される配列を有するポリペプチドを包含するのみならず、ポリペプチドに対する抗原特異的な応答を誘発する種類の配列を有するポリペプチドも包含するのに十分な一般性を有するように意図されることを理解するであろう。例えば、「CT062ポリペプチド」は、配列番号1に示されるCT062ポリペプチド、並びに配列番号1の配列の変種を有するポリペプチド及び配列番号1のポリペプチドに対する抗原特異的な応答を誘発する能力を維持するポリペプチドを含む。当業者は、タンパク質配列が概して免疫原性及び抗原特異性を破壊することなくいくらかの置換を許容することを理解する。従って、免疫原性を保持し、且つ同じクラスの別のポリペプチドと少なくとも約30〜40%、多くの場合に約50%、60%、70%、又は80%超の全体的な配列同一性を共有し、さらに通常は、多くの場合に1つ以上の高度に保存された領域において90%超又はさらには95%、96%、97%、98%、又は99%であるさらに高い同一性の少なくとも1つの領域であって、通常少なくとも3〜4個及び多くの場合に最大20個又はそれ以上のアミノ酸を包含する領域を含む任意のポリペプチドが、本明細書で使用されるときの関連用語「ポリペプチド」の範囲内に包含される。類似性及び/又は同一性の他の領域は、当業者により、本明細書に提示される様々なポリペプチド配列の分析によって決定され得る。抗原の定義を参照のこと。
パーセント配列同一性及び配列類似性の決定に好適なアルゴリズムの一例はBLASTアルゴリズムであり、これについては、Altschul et al.,Nuc.Acids Res.25:3389−3402,1977に記載される。本明細書に記載されるパラメータでBLASTを用いることにより、本開示の核酸及びタンパク質のパーセント配列同一性が決定される。BLAST解析を実行するソフトウェアは、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)から公的に利用可能である(以下のインターネットアドレスから利用可能:ncbi.nlm.nih.gov)。このアルゴリズムは、初めに、問い合わせ配列における長さWの短いワードであって、データベース配列における同じ長さのワードとアラインメントしたときに一致するか、或いは何らかの正値の閾値スコアTを満たすワードを特定することにより、ハイスコアリング配列対(HSP)を特定することを含む。Tは隣接ワードスコア閾値と称される(Altschul et al.、前掲)。これらの初期隣接ワードヒットが、その中に含まれるより長いHSPを見付ける検索を開始する際の種として働く。ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加し得る限り、各配列に沿って両方向に拡張される。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメータM(一致する残基ペアに対する報酬スコア;常に>0)及びN(ミスマッチを有する残基に対するペナルティスコア;常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列については、スコアリング行列を使用して累積スコアが計算される。それぞれの方向におけるワードヒットの拡張は、以下の場合に停止される:累積アラインメントスコアが、それが達成した最大値から量Xだけ減少したとき;1つ以上の負のスコアを有する残基のアラインメントが蓄積したため累積スコアがゼロ以下になったとき;又はいずれかの配列の末端に達したとき。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、及びXが、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)はデフォルトとしてワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=−4及び両鎖比較を使用する。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムはデフォルトとしてワード長3、及び期待値(E)10、及びBLOSUM62スコアリング行列(Henikoff & Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:10915(1989)を参照のこと)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=−4、及び両鎖比較を使用する。
BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計的分析も実行する(例えば、Karlin & Altschul,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA,90:5873−5787,1993を参照のこと)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の一つの尺度は最小和確率(smallest sum probability)(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド配列間又はアミノ酸配列間の一致が偶然に起こる確率の指標を提供する。例えば、被験核酸と参照核酸との比較における最小和確率が約0.2未満、より好ましくは約0.01未満、及び最も好ましくは約0.001未満である場合、核酸は参照配列と類似していると見なされる。
対象:本明細書で使用されるとき、用語「対象」又は「患者」は、本発明の組成物を、例えば実験、診断、及び/又は治療を目的として投与し得る任意の生物を指す。典型的な対象としては、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及びヒトなどの哺乳動物が挙げられる。
〜に罹患している:疾患、障害、及び/又は病態「に罹患している」個体は、その疾患、障害、及び/又は病態と診断されているか、又はその1つ以上の症状を示す。
〜に罹り易い:疾患、障害、及び/又は病態「に罹り易い」個体は、その疾患、障害、及び/又は病態とは診断されておらず、及び/又はその症状を呈していないこともある。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/又は病態は、クラミジア感染症(例えば、C.トラコマチス(C.trachomatis)感染症、C.ニューモニエ(C.pneumoniae)感染症、又はC.シッタシ(C.psittaci)感染症)と関連付けられる。一部の実施形態では、クラミジア感染症に罹り易い個体は、クラミジア微生物に(例えば、経口摂取、吸息、身体的接触等により)曝露されていることがあり得る。一部の実施形態では、クラミジア感染症に罹り易い個体は、微生物に感染している個体に曝露されていることがあり得る。一部の実施形態では、クラミジア感染症に罹り易い個体は、微生物が蔓延している場所にいる人(例えば、微生物が蔓延している場所を旅行中の人)である。一部の実施形態では、クラミジア感染症に罹り易い個体は、若齢(例えば、小児、青年、又は若年成人)に起因して罹り易い。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/又は病態に罹り易い個体は、その疾患、障害、及び/又は病態を発症する。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/又は病態に罹り易い個体は、その疾患、障害、及び/又は病態を発症しない。
治療有効量:本明細書で使用されるとき、用語「治療有効量」は、疾患、障害、及び/又は病態に罹患している又はそれに罹り易い対象に投与したとき、その疾患、障害、及び/又は病態の症状を治療し、緩和し、寛解させ、軽減し、緩和し、それを予防し、その発症を遅延させ、その進行を抑制し、その重症度を低減し、及び/又はその発生率を低下させるのに十分な治療剤、予防剤、及び/又は診断剤(例えば、本発明の免疫原性組成物)の量を意味する。
治療剤:本明細書で使用されるとき、語句「治療剤」は、対象に投与したとき、治療的、予防的、及び/又は診断的効果を有し、及び/又は所望の生物学的及び/又は薬理学的効果を誘発する任意の薬剤を指す。
治療する:本明細書で使用されるとき、用語「治療する」は、特定の疾患、障害、及び/又は病態の1つ以上の症状又は特徴を部分的に又は完全に緩和し、寛解させ、軽減し、その発症を遅延させ、その進行を抑制し、その重症度を低減し、及び/又はその発生率を低下させることを指す。例えば、微生物感染を「治療する」とは、微生物の生存、成長、及び/又は蔓延を抑制することを指し得る。治療は、疾患、障害、及び/又は病態の徴候を呈していない対象に投与されても、及び/又は疾患、障害、及び/又は病態に関連する病状が発展するリスクを低下させることを目的として、疾患、障害、及び/又は病態の初期徴候のみを呈する対象に投与されてもよい。一部の実施形態では、治療は、対象への免疫原性組成物(例えば、ワクチン)の送達を含む。
ワクチン:本明細書で使用されるとき、用語「ワクチン」は、少なくとも1つの免疫原性成分(例えば、ペプチド又はタンパク質を含む免疫原性成分、及び/又は核酸を含む免疫原性成分)を含む実体を指す。特定の実施形態において、ワクチンは、少なくとも2つの免疫原性成分を含む。一部の実施形態では、ワクチンは、T細胞及びB細胞の双方の免疫応答を刺激する能力を有する。一部の実施形態では、T細胞及び/又はB細胞が刺激されたかどうかは、当該技術分野で利用可能な任意のアッセイを用いて決定され得る。一部の実施形態では、T細胞刺激は、抗原誘導性のサイトカイン産生、抗原誘導性のT細胞増殖、及び/又は抗原誘導性のタンパク質発現の変化を観察することによりアッセイされ得る。一部の実施形態では、B細胞刺激は、抗体価、抗体親和性、中和アッセイにおける抗体性能、クラススイッチ組換え、抗原特異的抗体の親和性成熟、記憶B細胞の発生、大量の高親和性抗体を長時間産生することができる長命形質細胞の発生、胚中心反応、及び/又は中和アッセイにおける抗体性能を観察することによりアッセイされ得る。一部の実施形態では、ワクチンは、T細胞及び/又はB細胞における免疫応答の刺激を促進し得る少なくとも1つのアジュバントをさらに含む。
野生型:本明細書で使用されるとき、用語「野生型」は、自然中に存在する典型的な又は最も一般的な形態を指す。
クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)に感染すると粘膜組織に炎症及び損傷が生じ、尿道炎、子宮頸管炎、咽頭炎、直腸炎、精巣上体炎、前立腺炎、及びトラコーマなどの病態、並びにこれらの病態に続発する不妊症が引き起こされる。クラミジア菌は、主に上皮細胞に感染する細菌であり、2つの成長形態、基本小体(EB)と網様体(RB)とを交互に呈する。EB形態のクラミジアは感染性で、宿主細胞に侵入する。宿主細胞内で封入体を形成した後、EB形態はRB形態に分化し、ある期間増殖してから分化し、EB形態に戻る。C.トラコマチス(C.trachomatis)種は、主要外膜タンパク質(MOMP)に対する患者血清の応答性に基づく血清型に分類される。血清型A、B、Ba、及びCは、結膜上皮の感染に関連する。血清型D〜Kは、泌尿生殖器管の感染に関連する。血清型L1〜L3は、泌尿生殖器管の感染及び全身症状の性病性リンパ肉芽腫に関連する。
クラミジア感染に対する応答では、適応免疫系の様々な機構が役割を果たしているものと思われる。Th1サブタイプのCD4+ T細胞応答は、動物モデルにおいてクラミジア感染症の排除に重要であることが示されている(Morrison et al.,Infect.Immun.70:2741−2751,2002)。B細胞応答はヒト及び非ヒト霊長類における防御免疫に寄与していると考えられる(Brunham et al.,Infect.Immun.39:1491−1494,1983;Taylor et al.,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci 29:1847−1853,1988)。CD8+ T細胞は溶解を起こす機能を有し、これは細胞内病原体の抑制に重要である。感染したヒトからクラミジア特異的CD8+ T細胞が単離されており、クラミジア感染症への応答におけるこの細胞の役割が示唆される(Gervassi et al.,J.Immunol.171:4278−4286,2003)。
本発明は、限定はされないが、CT062ポリペプチド抗原、CT572ポリペプチド抗原、CT043ポリペプチド抗原、CT570ポリペプチド抗原、CT177ポリペプチド抗原、CT725ポリペプチド抗原、CT067ポリペプチド抗原、CT476ポリペプチド抗原、p6ポリペプチド抗原、CT310ポリペプチド抗原、及びCT638ポリペプチド抗原を含む、感染哺乳動物の免疫細胞(例えば、T細胞及び/又はB細胞)によって認識されるクラミジア抗原を提供する。本明細書の実施例に記載されるとおり、これらの抗原は、生体内でのT細胞媒介性又はB細胞媒介性免疫の標的として発見された。従ってこれらの抗原は、有益な免疫応答を誘発し、それにより例えばクラミジア感染症及び関連する病態から防御することを目的とした、免疫応答を誘発する新規組成物を提供する。これらの抗原はまた、クラミジア感染症及びクラミジア感染症に対する免疫応答を特徴付けるための新規標的も提供する。
CT062ポリペプチドは、クラミジア生物の細胞質チロシルtRNA合成酵素である。C.トラコマチス(C.trachomatis)の完全長CT062ポリペプチド由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号1及び2として以下に示される。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、CT062ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸、例えば、配列番号1に示される配列又は配列番号1と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一の配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、配列番号1に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、又は400個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は完全長CT062ポリペプチドである(例えば、この抗原は配列番号1のアミノ酸配列を含む)。一部の実施形態では、CT062ポリペプチド抗原は、1つ以上の膜貫通ドメインを欠損している(例えば、CT062ポリペプチド抗原は、配列番号1のアミノ酸55〜74位を欠損している)。
CT572ポリペプチドは、一般的な分泌経路タンパク質Dとして知られる。C.トラコマチス(C.trachomatis)の完全長CT572ポリペプチド由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号3及び4として以下に示される。一部の実施形態では、CT572ポリペプチド抗原は、CT572ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、又は750個の連続するアミノ酸、例えば、配列番号3に示される配列又は配列番号3と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一の配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、又は750個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT572ポリペプチド抗原は、配列番号3に示される配列の少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、又は750個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、CT572ポリペプチド抗原は完全長CT572ポリペプチドである(例えば、この抗原は配列番号3のアミノ酸配列を含む)。一部の実施形態では、CT572ポリペプチド抗原は、1つ以上の膜貫通ドメイン及び/又はシグナル配列を欠損している(例えば、CT572ポリペプチド抗原は、配列番号3のアミノ酸1〜24位を欠損している)。
C.トラコマチス(C.trachomatis)の完全長CT043ポリペプチド由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号5及び6として以下に示される。一部の実施形態では、CT043ポリペプチド抗原は、CT043ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、又は160個の連続するアミノ酸、例えば、配列番号5に示される配列又は配列番号5と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一の配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、又は160個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT043ポリペプチド抗原は、配列番号5に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、又は160個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、CT043ポリペプチド抗原は完全長CT043ポリペプチドである(例えば、この抗原は配列番号5のアミノ酸配列を含む)。一部の実施形態では、CT043ポリペプチド抗原は、1つ以上の膜貫通ドメインを欠損している(例えば、CT043ポリペプチド抗原は、配列番号5のアミノ酸75〜93位を欠損している)。
CT570ポリペプチドは、一般的な分泌経路タンパク質Fとして知られる。C.トラコマチス(C.trachomatis)の完全長CT570ポリペプチド由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号7及び8として以下に示される。一部の実施形態では、CT570ポリペプチド抗原は、CT570ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は350個の連続するアミノ酸、例えば、配列番号7に示される配列又は配列番号7と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一の配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は350個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT570ポリペプチド抗原は、配列番号7に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は350個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、CT570ポリペプチド抗原は完全長CT570ポリペプチドである(例えば、この抗原は配列番号7のアミノ酸配列を含む)。一部の実施形態では、CT570ポリペプチド抗原は、1つ以上の膜貫通ドメインを欠損している(例えば、CT570ポリペプチド抗原は、配列番号7のアミノ酸164〜182位及び/又は211〜230位及び/又は363〜382位を欠損している)。
CT177ポリペプチドは、ジスルフィド結合シャペロンタンパク質である。C.トラコマチス(C.trachomatis)の完全長CT177ポリペプチド由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号9及び10として以下に示される。一部の実施形態では、CT177ポリペプチド抗原は、CT177ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、又は200個の連続するアミノ酸、例えば、配列番号9に示される配列又は配列番号9と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一の配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、又は200個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT177ポリペプチド抗原は、配列番号9に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、又は200個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、CT177ポリペプチド抗原は完全長CT177ポリペプチドである(例えば、この抗原は配列番号9のアミノ酸配列を含む)。一部の実施形態では、CT177ポリペプチド抗原は、1つ以上の膜貫通ドメイン及び/又はシグナル配列を欠損している(例えば、CT177ポリペプチド抗原は、配列番号9のアミノ酸1〜30位を欠損している)。
CT725ポリペプチドはビオチン合成酵素である。C.トラコマチス(C.trachomatis)の完全長CT725ポリペプチド由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号11及び12として以下に示される。一部の実施形態では、CT725ポリペプチド抗原は、CT725ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、又は180個の連続するアミノ酸、例えば、配列番号11に示される配列又は配列番号11と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一の配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、又は180個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT725ポリペプチド抗原は、配列番号11に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、120、130、140、150、160、170、又は180個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、CT725ポリペプチド抗原は完全長CT725ポリペプチドである(例えば、この抗原は配列番号11のアミノ酸配列を含む)。一部の実施形態では、CT726ポリペプチド抗原は、1つ以上の膜貫通ドメインを欠損している(例えば、CT726ポリペプチド抗原は、配列番号11のアミノ酸51〜75位及び/又は116〜136位を欠損している)。
CT067ポリペプチドは、ABCトランスポータータンパク質である。C.トラコマチス(C.trachomatis)の完全長CT067ポリペプチド由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号23及び24として以下に示される。一部の実施形態では、CT067ポリペプチド抗原は、CT067ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は325個の連続するアミノ酸、例えば、配列番号23に示される配列又は配列番号23と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一の配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は325個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT067ポリペプチド抗原は、配列番号23に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は325個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、CT067ポリペプチド抗原は完全長CT067ポリペプチドである(例えば、この抗原は配列番号23のアミノ酸配列を含む)。一部の実施形態では、CT067ポリペプチド抗原は、1つ以上の膜貫通ドメイン及び/又はシグナル配列を欠損している(例えば、CT067ポリペプチド抗原は、配列番号23のアミノ酸1〜33位及び/又はアミノ酸11〜31位を欠損している)。
CT476ポリペプチドは、機能が不明である。C.トラコマチス(C.trachomatis)の完全長CT476ポリペプチド由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号63及び64として以下に示される。一部の実施形態では、CT476ポリペプチド抗原は、CT476ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は320個の連続するアミノ酸、例えば、配列番号63に示される配列又は配列番号63と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一の配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は320個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT476ポリペプチド抗原は、配列番号63に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、又は320個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、CT476ポリペプチド抗原は完全長CT476ポリペプチドである(例えば、この抗原は配列番号63のアミノ酸配列を含む)。一部の実施形態では、CT476ポリペプチド抗原は、1つ以上の膜貫通ドメイン及び/又はシグナル配列を欠損している(例えば、CT476ポリペプチド抗原は、配列番号63のアミノ酸1〜18位及び/又はアミノ酸1〜20位を欠損している)。
クラミジアp6ポリペプチドは、プラスミドのビルレンス因子PGP4−Dである。C.トラコマチス(C.trachomatis)の完全長p6ポリペプチド由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号65及び66として以下に示される。一部の実施形態では、p6ポリペプチド抗原は、p6ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100個の連続するアミノ酸、例えば、配列番号65に示される配列又は配列番号65と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一の配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、p6ポリペプチド抗原は、配列番号65に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、p6ポリペプチド抗原は完全長p6ポリペプチドである(例えば、この抗原は配列番号65のアミノ酸配列を含む)。一部の実施形態では、p6ポリペプチド抗原は、1つ以上の膜貫通ドメインを欠損している(例えば、p6ポリペプチド抗原は、配列番号65のアミノ酸52〜68位を欠損している)。
CT310ポリペプチドは推定ATP合成酵素サブユニットである。C.トラコマチス(C.trachomatis)の完全長CT310ポリペプチド由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号67及び68として以下に示される。一部の実施形態では、CT310ポリペプチド抗原は、CT310ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、160、170、180、190、又は200個の連続するアミノ酸、例えば、配列番号67に示される配列又は配列番号67と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一の配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、160、170、180、190、又は200個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT310ポリペプチド抗原は、配列番号67に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、160、170、180、190、又は200個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、CT310ポリペプチド抗原は完全長CT310ポリペプチドである(例えば、この抗原は配列番号67のアミノ酸配列を含む)。一部の実施形態では、CT310ポリペプチド抗原は、1つ以上の膜貫通ドメインを欠損している(例えば、CT310ポリペプチド抗原は、配列番号67のアミノ酸117〜136位を欠損している)。
CT638ポリペプチドは、機能が不明である。C.トラコマチス(C.trachomatis)の完全長CT638ポリペプチド由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号69及び70として以下に示される。一部の実施形態では、CT638ポリペプチド抗原は、CT638ポリペプチド配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、又は250個の連続するアミノ酸、例えば、配列番号69に示される配列又は配列番号69と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一の配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、又は250個の連続するアミノ酸を含む。一部の実施形態では、CT638ポリペプチド抗原は、配列番号69に示される配列の少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、45、50、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、又は250個の連続するアミノ酸と少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%)同一であるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、CT638ポリペプチド抗原は完全長CT310ポリペプチドである(例えば、この抗原は配列番号69のアミノ酸配列を含む)。一部の実施形態では、CT638ポリペプチド抗原は、1つ以上の膜貫通ドメイン及び/又はシグナル配列を欠損している(例えば、CT638ポリペプチド抗原は、配列番号69のアミノ酸1〜33位及び/又はアミノ酸13〜31位を欠損している)。
完全長CT856、CT757、CT564、CT703、P1−ORF7、CT067、CT037、CT252、CT064、CT137、CT204、CT634、CT635、CT366、CT140、CT142、CT242、CT843、CT328、CT188、CT578、CT724、CT722、CT732、及びCT788ポリペプチド抗原由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号13〜62として以下に示される。完全長CT172、CT443、CT525、CT606、CT648、及びCT870ポリペプチド抗原由来の例示的アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号71〜82として以下に示される。
表1のポリペプチド抗原は、互いの及び/又は他のクラミジア抗原との任意の組み合わせで提供され得る。一部の実施形態では、クラミジアポリペプチド抗原の組み合わせは、表1から選択される2個のポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、組み合わせは、表1から選択される3個のポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、組み合わせは、表1から選択される4個のポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、組み合わせは、表1から選択される5個のポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、組み合わせは、表1から選択される6個のポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、組み合わせは、表1から選択される7個のポリペプチド抗原を含む。一部の実施形態では、組み合わせは、表1から選択される8個のポリペプチド抗原を含む。
表1から選択される1個以上のポリペプチド抗原との組み合わせで提供され得る他の抗原には、表2から選択される1個以上のポリペプチド抗原、及び/又は表3から選択される1個以上のポリペプチド抗原が含まれる。一部の実施形態では、抗原の組み合わせは、表1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、又は8個のポリペプチド抗原と、表2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、又は6個のポリペプチド抗原とを含む。一部の実施形態では、抗原の組み合わせは、表1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、又は8個のポリペプチド抗原と、表3から選択される1個、2個、3個、4個、5個、又は6個のポリペプチド抗原とを含む。一部の実施形態では、抗原の組み合わせは、表1から選択される1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、又は8個のポリペプチド抗原と;表2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、又は6個のポリペプチド抗原と;表3から選択される1個、2個、3個、4個、5個、又は6個のポリペプチド抗原とを含む。一部の実施形態では、抗原の組み合わせは、表2から選択される1個、2個、3個、4個、5個、又は6個のポリペプチド抗原と、表3から選択される1個、2個、3個、4個、5個、又は6個のポリペプチド抗原とを含む。抗原CT062、CT843、CT242、CT732、CT788、及びこれらの抗原の特異的エピトープについては、PCT/US2007/004675号明細書(国際公開第2007/098255号パンフレットとして公開されている)、PCT/US2008/009282号明細書(国際公開第2009/020553号パンフレットとして公開されている)、PCT/US2008/013298号明細書(国際公開第2009/073179号パンフレットとして公開されている)、及びPCT/US2009/068457号明細書(国際公開第20010/078027号パンフレットとして公開されている)に記載され、これらの明細書の内容は全て、本明細書によって参照により援用される。本明細書に記載される新規抗原と組み合わせて提供され得るさらなるクラミジアポリペプチド抗原としては、多型膜タンパク質D(PmpD又はCT812;GenBank NP_220332.1 GI:15605546を参照のこと)、主要外膜タンパク質(MOMP又はompA又はCT681;GenBank NP_220200.1 GI:15605414を参照のこと)、CT858又はcpaf(GenBank NP_220380 GI:15605594)、CT713又はPorB(GenBank NP_220232.1 GI:15605446)、OMP85(GenBank NP_219746.1 GI:15604962)、CT315又はRpoB(GenBank NP_219820.1 GI:15605036)、pgp3又はpORF 5(GenBank NP_040384.1 GI:3205528)、CT316、CT737、又はCT674が挙げられる。上述のポリペプチド、及びそれらをコードする核酸の配列は公知である。例えば、GenBankにおける受託番号NC_000117、GI:15604717のC.トラコマチス(C.trachomatis)ゲノム配列、アノテートされた遺伝子、及びそこで関連付けられたポリペプチド配列を参照のこと。
本発明はまた、本明細書に記載されるクラミジア抗原と、異なる感染病原体由来の抗原とを含む組成物も提供する。一部の実施形態では、組成物は、クラミジア抗原と、性感染症を引き起こす異なる感染病原体由来の抗原とを含む。一部の実施形態では、クラミジア抗原(例えば、表1、表2、表3から選択されるポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせ)とパピローマウイルス抗原(例えば、ヒトパピローマウイルス抗原)とを含む組成物が提供される。一部の実施形態では、クラミジア抗原(例えば、表1、表2、表3から選択されるポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせ)とヘルペスウイルス抗原(例えば、ヒト単純ヘルペスウイルス2型抗原)とを含む組成物が提供される。一部の実施形態では、クラミジア抗原(例えば、表1、表2、表3から選択されるポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせ)と淋菌(Neissiria gonorrhoea)抗原とを含む組成物が提供される。一部の実施形態では、クラミジア抗原(例えば、表1、表2、表3から選択されるポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせ)とカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)抗原とを含む組成物が提供される。一部の実施形態では、クラミジア抗原(例えば、表1、表2、表3から選択されるポリペプチド抗原、又はそれらの組み合わせ)と、パピローマウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、HSV−2)、淋菌(Neissiria gonorrhoeae)、及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)の1つ以上に由来する抗原とを含む組成物が提供される。
アジュバント
免疫原性組成物の各種製剤を用いて免疫応答を誘導することができる。ヒトにおける一般的な投与経路は筋肉内(i.m.)注射によるが、免疫原性組成物はまた、経口的に、鼻腔内に、皮下に、吸入により、静脈内に、又は他の投与経路により適用されてもよい。ほとんどの場合、クラミジア抗原は、初めに所属リンパ節の未感作リンパ球に提示される。
一部の実施形態では、クラミジア抗原組成物は精製成分(例えば精製抗原)を含む。一部の実施形態では、クラミジア抗原は、他の分子、例えば、アジュバント活性を付与することのできるタンパク質、又は単離及び精製を促進する部分(例えばエピトープタグ)と融合される。
一部の実施形態では、クラミジア抗原組成物はアジュバントを含む。一部の実施形態では、アジュバントはミネラル含有アジュバントを含む。ミネラル含有アジュバント(ajduvant)は、ゲルとして、結晶形態に、非晶質形態に、粒子として等、製剤化することができる。ミネラル含有アジュバントとしては、例えば、アルミニウム塩及び/又はカルシウム塩(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、リン酸カルシウム等)が挙げられる。一部の実施形態では、クラミジア抗原組成物は水酸化アルミニウムを含む。Alhydrogel(商標)は、水酸化アルミニウムゲルアジュバントの例である。
一部の実施形態では、アジュバントは免疫調節オリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、免疫調節オリゴヌクレオチド配列はCpG(非メチル化シトシン−グアノシン)モチーフを含む。CpGモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド類似体及び/又は天然に存在しないヌクレオシド間結合(例えば、ホスホロチオエート結合)を含むことができる。CpGモチーフを含む様々なオリゴヌクレオチドの例については、Kandimalla,et al.,Nuc.Acids Res.31(9):2393−2400,2003;国際公開第02/26757号パンフレット;国際公開第99/62923号パンフレット;Krieg,Nat.Med.9(7):831−835,2003;McCluskie,et al.,FEMS Immunol.Med.Microbiol.32:179−185,2002;国際公開第98/40100号パンフレット;米国特許第6,207,646号明細書;米国特許第6,239,116号明細書及び米国特許第6,429,199号明細書を参照のこと。他の免疫調節ヌクレオチド配列 二本鎖RNA配列、パリンドローム配列、及びポリ(dG)配列。
一部の実施形態では、アジュバントはIC31(商標)(Intercell AG)を含む。IC31(商標)は、抗菌ペプチドのKLKと免疫賦活性オリゴヌクレオチドのODN1aとを含む合成アジュバントであり、Toll様受容体9(TLR9)アゴニストとして作用する。
一部の実施形態では、アジュバントは毒素を含む。一部の実施形態では、毒素は、細菌性ADPリボシル化毒素、例えば、コレラ毒素、大腸菌(E.coli)易熱性毒素、又は百日咳毒素である。一部の実施形態では、細菌毒素は無毒化形態のADPリボシル化毒素である(例えば、Beignon,et al.,Inf.Immun.70(6):3012−3019,2002;Pizza,et al.,Vaccine 19:2534−2541,2001;Pizza,et al.,Int.J.Med.Microbiol.290(4−5):455−461,2000;Scharton−Kersten et al.,Inf.Immun.68(9):5306−5313,2000;Ryan et al.,Inf.Immun.67(12):6270−6280,1999;Partidos et al.,Immunol.Lett.67(3):209−216,1999;Peppoloni et al.,Vaccines 2(2):285−293,2003;及びPine et al.,J.Control Release 85(1−3):263−270,2002を参照のこと)。
一部の実施形態では、アジュバントは、モノホスホリルリピドA又は3−デ−O−アシル化モノホスホリルリピドAなどのエンドトキシンを含む(米国特許第4,987,237号明細書及び英国特許第2122204B号明細書を参照のこと)。
一部の実施形態では、アジュバントは、ムラミルジペプチド(例えば、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−1−アラニル−d−イソグルタミン(nor−MDP)、及びN−アセチルムラミル−1−アラニル−d−イソグルタミニル−1−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−s−n−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミンMTP−PE)を含む。
一部では、アジュバントは、油乳剤及び/又は乳化剤ベースのアジュバントを含む。一部の実施形態では、油乳剤アジュバントはフロイントアジュバント(例えば、完全フロイントアジュバント(CFA)、又は不完全フロイントアジュバント(IFA))を含む。一部の実施形態では、油乳剤アジュバントはスクアレン水乳剤、例えばMF59(Novartis;例えば、国際公開第9014837号パンフレットを参照)、又はSynexアジュバント製剤(SAF))を含む。一部の実施形態では、油乳剤は分散剤、例えばソルビタン又はマンニドのモノ−又はジ−C12−C24−脂肪酸エステル、例えば、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、又はモノオレイン酸マンニドを含む。スクアレン及び分散剤を含む油乳剤の例としては、Arlacel(商標)、Montanide(商標)ISA−720、及びMontanide(商標)ISA−703が挙げられる。他の油乳剤が、例えば国際公開第95/17210号パンフレット及び欧州特許第0399842号明細書に記載されている。
一部の実施形態では、アジュバントはサポニンを含む。サポニンは、キラヤ・サポナリア(Quillaja saponaria)、サボンソウ(Saponaria officianalis)、スミラクス・オルナタ(Smilax ornata)、及び宿根カスミソウ(Gypsophilla paniculata)などの植物から得られるステロイド配糖体及び/又はトリテルペノイド配糖体である。記載があり、且つクラミジア抗原用のアジュバントとして用いることのできるサポニン含有抽出物の画分としては、Quil(商標)A、QS21、QS7、QS17、QS18、QH−A、QH−B、QH−C、及びQuilAが挙げられる(例えば、米国特許第5,057,540号明細書を参照のこと)。一部の実施形態では、QS21がアジュバントとして使用される。
一部の実施形態では、アジュバントは免疫刺激複合体(ISCOM)を含む。ISCOMは、典型的にはグリコシド(例えばサポニン)及び脂質を含む粒子である。一部の実施形態では、ISCOMはサポニン及びコレステロールを含む。一部の実施形態では、ISCOMは、サポニン、コレステロール、及びリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン及び/又はホスファチジルエタノールアミン)を含む。一部の実施形態では、ISCOMは非イオン性ブロック共重合体を含む。ISCOMは、さらなるアジュバント、例えば、本明細書に記載されるさらなるアジュバント物質を含み得る(例えば、国際公開第05/002620号パンフレットを参照のこと)。一部の実施形態では、ISCOMは、それを粘膜に標的化させる物質を含む(例えば、国際公開第97/030728号パンフレットを参照のこと)。本明細書に提供されるクラミジア抗原と組み合わせるのに好適な他のISCOM組成物及び組成物の配合物が、例えば、米国特許出願公開第20060121065号明細書、国際公開第00/07621号パンフレット、国際公開第04/004762号パンフレット、国際公開第02/26255号パンフレット、及び国際公開第06/078213号パンフレットに記載されている。一部の実施形態では、アジュバントは、AbISCO(登録商標)アジュバント(例えば、Matrix−M(商標)、Isconova)を含む。一部の実施形態では、アジュバントはAbISCO(登録商標)−100を含む。一部の実施形態では、アジュバントはAbISCO(登録商標)−300を含む。
一部の実施形態では、アジュバントは非イオン性ブロック共重合体を含む。非イオン性ブロック共重合体は、典型的には、疎水性ポリオキシプロピレンのブロックと組み合わされた様々な長さの疎水性ポリオキシエチレンの2本の鎖を含む。一部の実施形態では、非イオン性ブロック共重合体は、水中油型乳剤中に(例えば、油及びスクアレンと)製剤化される。
一部の実施形態では、アジュバントはウイルス様粒子(VLP)を含む。VLPは、典型的には1つ以上のウイルスタンパク質を含む非複製非感染性粒子であり、場合によりリン脂質などのさらなる成分と共に製剤化される。一部の実施形態では、VLPは、以下の1つ以上からのタンパク質を含む:インフルエンザウイルス(例えば、ヘマグルチニン(hemaglutinin)(HA)又はノイラミニダーゼ(NA)ポリプチド(polyptide))、B型肝炎ウイルス(例えば、コア又はカプシドポリペプチド)、E型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、シンドビスウイルス、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、レトロウイルス、ノーウォークウイルス、ヒトパピローマウイルス、HIV、RNAファージ、Qβファージ(例えば、コートタンパク質)、GAファージ、frファージ、AP205ファージ、Ty(例えば、レトロトランスポゾンTyタンパク質p1)。例えば、国際公開第03/024480号パンフレット、国際公開第03/024481号パンフレット、国際公開第08/061243号パンフレット、及び国際公開第07/098186号パンフレットを参照のこと。
一部の実施形態では、アジュバントはレプリコンを含む。レプリコンは、ウイルスタンパク質を含む非感染性の粒子である点でVLPと類似しており、ポリペプチド(例えば抗原)をコードする核酸をさらに含む。一部の実施形態では、レプリコンは、アルファウイルス由来のタンパク質を含む。アルファウイルスとしては、例えば、東部ウマ脳炎ウイルス(EEE)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEE)、エバーグレーズ(Everglades)ウイルス、ムカンボウイルス、ピクスナウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス(WEE)、シンドビスウイルス、セムリキ森林ウイルス、ミドルバーグ(Middleburg)ウイルス、チクングニヤウイルス、オニョンニョンウイルス、ロスリバーウイルス、バーマフォレストウイルス、ゲタウイルス、サギヤマウイルス、ベバルウイルス、マヤロウイルス、ウナウイルス、アウラウイルス、ワタロアウイルス、ババンキ(Babanki)ウイルス、クイズイルアガシュ(Kyzylagach)ウイルス、ハイランドJウイルス、フォートモーガン(Fort Morgan)ウイルス、ヌドゥムウイルス、及びバギークリーク(Buggy Creek)ウイルスが挙げられる。一部の実施形態では、アジュバントは、本明細書に記載される1つ以上のクラミジア抗原をコードする核酸を含むレプリコンを含む。一部の実施形態では、アジュバントは、サイトカイン(例えば、インターロイキン−12(IL−12)、IL−23、又は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF))をコードするレプリコンを含む。レプリコンの産生及び使用については、例えば、国際公開第08/058035号パンフレット、国際公開第08/085557号パンフレット、及び国際公開第08/033966号パンフレットに記載されている)。一部の実施形態では、VLP又はレプリコンアジュバントは、1つ以上のクラミジア抗原を含む(すなわち、VLP又はレプリコン粒子は、粒子の一部としてクラミジア抗原を含む)。一部の実施形態では、VLP又はレプリコンアジュバントはクラミジア抗原ポリペプチドと同時投与される。
一部の実施形態では、アジュバントはリポソームを含み、リポソームは、人工的に構築された球状の脂質小胞である(例えば、米国特許第4,053,585号明細書;同第6,090,406号明細書;及び同第5,916,588号明細書を参照のこと)。特定の実施形態において、リポソームに使用される脂質は、限定はされないが、以下の1つ又は複数であってよい:ホスファチジルコリン、リピドA、コレステロール、ドリコール、スフィンゴシン、スフィンゴミエリン、セラミド、グリコシルセラミド、セレブロシド、スルファチド、フィトスフィンゴシン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、及びリゾリン脂質であってもよい。一部の実施形態では、アジュバントは、リポソームと、Toll様受容体(TLR;例えば、国際公開第2005/013891号パンフレット、国際公開第2005/079511号パンフレット、国際公開第2005/079506号パンフレット、及び国際公開第2005/013891号パンフレットを参照のこと)に対するリガンドとを含む。一部の実施形態では、アジュバントはJVRS−100を含む。JVRS−100は、非コードオリゴヌクレオチド又はプラスミドと組み合わされたカチオン性リポソームを含む。
一部の実施形態では、アジュバントは、ポリマー、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸のポリマー、ポリホスファゼン、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸又はグリコール酸の共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、又はこれらのポリマーの単量体から調製された共重合体から構成される微粒子を含む。一部の実施形態では、アジュバントは、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、及びポリエチレングリコールからなる群から選択されるポリマーから構成される微粒子を含む(例えば、米国特許第5,500,161号明細書を参照のこと)。
一部の実施形態では、アジュバントは、生分解性マイクロスフェア(例えば、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(D,L−グリコール酸)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(α−ヒドロキシ酸)(polye(α−hydroxy actid))、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物等から構成されるマイクロスフェア)を含む。
一部の実施形態では、アジュバントはサイトカインを含む。一部の実施形態では、アジュバントはIL−12を含む。一部の実施形態では、アジュバントはIL−23を含む。一部の実施形態では、アジュバントはGM−CSFを含む。
一部の実施形態では、アジュバントはリポペプチドを含む。一部の実施形態では、アジュバントは、Pam−3−Cysリポペプチドを含む。一部の実施形態では、リポペプチドを含むアジュバントはToll様受容体(TLR)を活性化させる。
修飾
本明細書に記載されるクラミジア抗原は、修飾を伴って又は伴わずに使用され得る。一部の実施形態では、クラミジア抗原は、所望の免疫応答を誘発するように修飾され得る。一部の実施形態では、クラミジア抗原は、破傷風毒素(tetatus toxin)、ニューモリシン、キーホールリンペットヘモシアニンなどの適切な免疫原性の担体とコンジュゲートされる。一部の実施形態では、クラミジアポリペプチド抗原は、例えば、リン酸化、ミリストイル化、アシル化、グリコシル化、糖化などにより、翻訳後修飾される。一部の実施形態では、クラミジアポリペプチド抗原は脂質化される。脂質部分とのコンジュゲーションは、直接的であっても、又は(例えばリンカーを介して)間接的であってもよい。脂質部分は、合成のものであっても、又は天然に産生されてもよい。一部の実施形態では、クラミジアポリペプチド抗原は脂質部分と化学的にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、クラミジアポリペプチド抗原をコードするDNAコンストラクトが脂質化配列を含む。脂質化配列はポリペプチドのN末端側又はC末端側であってもよく、シグナル配列又は他の配列に組み込まれてもよい。例示的脂質化配列は、配列番号83として示される大腸菌(E.coli)遺伝子RlpBのシグナル配列である。
一部の実施形態では、クラミジアポリペプチド抗原は別の分子と共有結合する。これにより、例えば、抗原の半減期、溶解度、バイオアベイラビリティ、又は免疫原性が増加し得る。抗原に共有結合し得る分子には、炭水化物、ビオチン、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリシアル酸、N−プロピオニル化ポリシアル酸、核酸、多糖類、及びPLGAが含まれる。一部の実施形態では、天然に産生される形態のポリペプチドは、免疫系を刺激する部分と共有結合する。かかる部分の例は、脂質部分である。ある場合には、脂質部分はTLR2又はTLR4などのToll様受容体(TLR)によって認識され、自然免疫系を活性化する。
核酸組成物及び抗原発現
様々な種類のベクターが、発現系(例えば宿主細胞)におけるクラミジア抗原の発現に好適である。一部の実施形態では、組成物は、例えばポリペプチド組成物を産生するための、インビトロ(細胞内であろうと、又は無細胞系内であろうと)での発現に好適なベクターを含む。用語「ベクター」は、連結された別の核酸を運ぶ能力を有する核酸分子を指し、例えば、プラスミド、コスミド又はウイルスベクターが含まれ得る。ベクターは自己複製能を有することができ、又は宿主DNAに組み込むことができる。ウイルスベクターとしては、例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス及びアデノ随伴ウイルスが挙げられる。他の種類のウイルスベクターが当該技術分野において公知である。
ベクターは、宿主細胞における核酸の発現に好適な形態のクラミジア抗原をコードする核酸を含み得る。組換え発現ベクターは、典型的には、発現させる核酸配列に作動可能に連結された1つ以上の調節配列を含む。調節配列には、プロモーター、エンハンサー及び他の発現制御エレメント(例えばポリアデニル化シグナル)が含まれる。調節配列には、ヌクレオチド配列の構成的発現を誘導するもの、並びに組織特異的な調節配列及び/又は誘導性配列が含まれる。クラミジア抗原をコードする配列は、抗原が宿主細胞から分泌されるようにシグナルペプチド(例えば、異種シグナルペプチド)をコードする配列を含み得る。発現ベクターの設計は、形質転換する宿主細胞の選択、所望のタンパク質発現レベルなどの要因に依存し得る。
組換え発現ベクターは、原核細胞又は真核細胞でクラミジア抗原が発現及び産生するように設計することができる。例えば、抗原は、大腸菌(E.coli)、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現ベクターを使用)、酵母細胞又は哺乳動物細胞で発現させることができる。好適な宿主細胞は、Goeddel,Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,CA,1990でさらに考察されている。或いは、組換え発現ベクターは、インビトロで、例えばT7プロモーター調節配列及びT7ポリメラーゼを使用して転写及び翻訳されてもよい。
原核生物におけるポリペプチドの発現は、多くの場合に、大腸菌(E.coli)において、融合或いは非融合タンパク質の発現を誘導する構成的又は誘導性プロモーターを含むベクターにより実施される。融合ベクターは、そこでコードされるタンパク質、例えば組換えタンパク質のアミノ末端又はカルボキシ末端に複数のアミノ酸を付加し、それにより例えば、組換えタンパク質の発現を増加させ;組換えタンパク質の溶解度を増加させ;及び/又はアフィニティー精製においてリガンドとして作用することにより組換え抗原の精製を促進する。多くの場合に、融合タンパク質の精製後に組換え抗原を融合部分から分離することができるように、融合部分と組換え抗原との接合部にタンパク質分解切断部位が導入される。かかる酵素、及びその同種認識配列には、Xa因子、トロンビン及びエンテロキナーゼが含まれる。典型的な融合発現ベクターとしては、pGEX(Pharmacia Biotech Inc;Smith,D.B.and Johnson,K.S.Gene 67:31−40,1988)、pMAL(New England Biolabs,Beverly,MA)及びpRIT5(Pharmacia,Piscataway,NJ)が挙げられ、これらはそれぞれグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、又はプロテインAを、標的組換えタンパク質に融合する。本明細書に提供されるクラミジア抗原発現ベクターには、酵母発現ベクター、昆虫細胞での発現用ベクター(例えば、バキュロウイルス発現ベクター)及び哺乳動物細胞での発現に好適なベクターが含まれる。
哺乳動物細胞で使用される発現ベクターは、ウイルス調節エレメントを含み得る。例えば、一般的に使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス及びシミアンウイルス40に由来する。ベクターは、誘導性プロモーター、例えば、ステロイドホルモンによるか、ポリペプチドホルモンによるか(例えば、シグナル伝達経路を用いて)、又は異種ポリペプチド(例えば、テトラサイクリン誘導系の「Tet−On」及び「Tet−Off」;例えば、Clontech Inc.,CA,Gossen and Bujard,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547,1992、及びPaillard,Human Gene Therapy 9:983,1989を参照のこと)により調節されるプロモーターを含み得る。
宿主細胞は、任意の原核細胞又は真核細胞であってよい。例えば、クラミジア抗原は、細菌細胞(大腸菌(E.coli)など)、昆虫細胞、酵母又は哺乳動物細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)又はCOS細胞(アフリカミドリザル腎細胞CV−1起源のSV40細胞など;Gluzman,Cell 23:175−182,1981)で発現することができる。他の好適な宿主細胞が当業者に公知である。
ベクターDNAは、従来の形質転換又はトランスフェクション技法によって宿主細胞に導入することができる。本明細書で使用されるとき、用語「形質転換」及び「トランスフェクション」は、リン酸カルシウム又は塩化カルシウム共沈殿、DEAE−デキストラン媒介性のトランスフェクション、リポフェクション、遺伝子銃、又は電気穿孔を含め、外来核酸(例えば、DNA)を宿主細胞に導入するための当該技術分野で認知されている様々な技法を指すことが意図される。
宿主細胞を使用してクラミジア抗原を産生(すなわち発現)させることができる。従って、本発明はさらに、宿主細胞を使用してクラミジア抗原を産生する方法を提供する。一実施形態において、この方法は、宿主細胞(その中にクラミジア抗原をコードする組換え発現ベクターが導入されている)を、クラミジア抗原が産生されるような好適な培地で培養するステップを含む。別の実施形態において、この方法は、クラミジア抗原を培地又は宿主細胞から単離するステップをさらに含む。精製されたクラミジア抗原は、哺乳動物に投与することにより免疫応答の誘導、及び/又は抗原に特異的な抗体の生成に使用することができる。
本発明はまた、例えば抗原に対する免疫応答を誘発するためにインビボで対象に投与される、クラミジア抗原をコードする核酸組成物も提供する。一部の実施形態では、インビボで投与される核酸組成物には、クラミジア抗原をコードするネイキッドDNAプラスミドが含まれる。異種遺伝子の発現用の細菌ベクター、レプリコンベクター、弱毒生菌、及びウイルスベクターもまた使用することができる。弱毒生ウイルスベクター(例えば、組換えワクシニア(例えば、修飾ワクシニアアンカラ(MVA)、IDT Germany)、組換えアデノウイルス、トリポックスウイルス(例えば、カナリア痘(例えば、ALVAC(商標)、Aventis Pasteur)又は鶏痘)、ポリオウイルス、及びアルファウイルスビリオンベクター)が、抗原に対する細胞媒介性の免疫応答の誘導に成功している。トリポックスウイルスは哺乳動物宿主では欠損しているが、初期プロモーター下にある挿入された異種遺伝子を発現し得る。組換えアデノウイルス及びポリオウイルスベクターは腸で育つことができ、そのため効率的な粘膜免疫応答を刺激することができる。最後に、弱毒化した細菌はまた、DNAワクチンデリバリー用の媒体としても使用することができる。好適な細菌の例としては、S.エンテリカ(S.enterica)、ネズミチフス菌(S.tymphimurium)、リステリア属(Listeria)、及びBCGが挙げられる。細胞壁が弱い突然変異菌を使用すると、DNAプラスミドが細菌から抜け出ることが促進され得る。
免疫化に使用される核酸組成物は、アジュバント(例えば、ポリマー、サポニン、ムラミルジペプチド、リポソーム、免疫調節オリゴヌクレオチドなどのアジュバント、又は本明細書に記載される別のアジュバント)を含んでもよく、それにより核酸の取り込みを促進することができる。経路に関わらず、アジュバントは、核酸の投与前、投与中、又は投与後に投与することができる。一部の実施形態では、アジュバントにより、宿主細胞への核酸の取り込みが増加し、及び/又は細胞内での核酸からの抗原の発現が増加し、抗原提示細胞が組織のなかの抗原の発現領域に浸潤するよう誘導され、又はリンパ球によって提供される抗原特異的な応答が増加する。
抗体
本発明は、特に、本明細書に記載される新規クラミジア抗原、例えば、CT062ポリペプチド抗原、CT572ポリペプチド抗原、CT043ポリペプチド抗原、CT570ポリペプチド抗原、CT177ポリペプチド抗原、CT725ポリペプチド抗原、CT067ポリペプチド抗原、CT476ポリペプチド抗原、p6ポリペプチド抗原、CT310ポリペプチド抗原、又はCT638ポリペプチド抗原に対する抗体、又はその抗原結合断片を提供する。抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA1、IgA2、IgD、又はIgEを含む様々なアイソタイプの抗体であり得る。一部の実施形態では、抗体は、IgGアイソタイプ、例えばIgG1である。クラミジア抗原に対する抗体は完全長(例えば、IgG1又はIgG4抗体)であってもよく、又は抗原結合断片(例えば、Fab、F(ab)2、Fv又は単鎖Fv断片)のみを含んでもよい。これらには、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、及びヒト化抗体、並びに前述の抗原結合断片が含まれる。
モノクローナル抗体は、従来のモノクローナル抗体法、例えば、Kohler and Milstein,Nature 256:495,1975の標準的な体細胞ハイブリダイゼーション技法を含む様々な技法によって産生することができる。ポリクローナル抗体は、動物又はヒト対象の免疫化により産生することができる。概略的には、Harlow,E.and Lane,D.Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1988を参照のこと。本明細書に記載されるクラミジア抗原に対する抗体は、例えば、診断アッセイ、又は治療上の適用に使用することができる。
本発明の一部の実施形態では、本明細書に記載される免疫原性組成物に対する対象の応答が評価され、それにより例えば、組成物の効力が決定され、及び/又は組成物により誘発された応答が、異なる組成物により誘発された反応と比較される。
T細胞活性化アッセイ
一部の実施形態では、抗原又は組成物を特徴付け、及び/又は免疫応答がT細胞又はT細胞群で刺激されたかどうかを決定するため、様々なアッセイを利用することができる。一部の実施形態では、アッセイを用いて、免疫原性組成物を投与されて抗クラミジア応答が誘発された対象におけるT細胞応答が特徴付けられる(それにより例えば、検出可能なT細胞応答が誘発されたかどうかが評価され、及び/又は応答能が評価される)。本明細書に記載される新規クラミジア抗原はまた、クラミジア感染症に対する曝露を(例えば、ワクチン非接種の対象において)評価する診断用薬剤も提供する。一部の実施形態では、アッセイを用いて対象におけるT細胞応答が特徴付けられ、対象がクラミジア生物に感染しているかどうかが決定される。対象は、最近クラミジア生物に曝露したことが疑われる対象であってもよい(すなわち、応答を検出するアッセイは、クラミジア生物に曝露したと疑われる約3日後、4日後、5日後、6日後、7日後、8日後、9日後、10日後、14日後、30日後、又はそれ以上後に対象から採取された試料で実施することができる)。対象は、アッセイの数週間前、数ヶ月前、又は数年前にクラミジア生物に曝露したことが疑われる対象であってもよい。本明細書に記載される新規クラミジア抗原はまた、クラミジア生物に対する曝露の転帰を(例えば、クラミジア生物に感染していることが分かっている、又は感染したことがある対象において)評価する予後診断用薬剤も提供する。一部の実施形態では、アッセイを用いて対象におけるT細胞応答が特徴付けられ、クラミジア生物による感染の続発症(例えば、骨盤内炎症性疾患及び不妊症)の可能性が評価される。
一部の実施形態では、T細胞による抗原誘導性のサイトカイン産生を測定することにより、T細胞における免疫応答の刺激が決定される。一部の実施形態では、T細胞における免疫応答の刺激は、T細胞によるIFN−γ、IL−4、IL−2、IL−6、IL−10、IL−17及び/又はTNF−αの抗原誘導性の産生を測定することにより決定することができる。一部の実施形態では、T細胞による抗原誘導性のサイトカイン産生は、細胞内サイトカイン染色と、それに続くフローサイトメトリーにより測定することができる。他の好適な方法としては、表面捕捉染色と、それに続くフローサイトメトリー、又はELISA若しくはELISPOTアッセイなどの、活性化されたT細胞培養物の上清中のサイトカイン濃度を決定する方法が挙げられる。
一部の実施形態では、T細胞による抗原により生じるサイトカイン産生は、ELISPOTアッセイにより測定される。ELISPOTアッセイは、典型的にはサンドイッチ酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)技法と極めて類似した技法を用いる。抗体(例えばモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体等)が、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を敷いたマイクロプレートに無菌的にコーティングされる。抗体は、目的のサイトカインに対するその特異性について選択される。プレートが(例えば、アッセイ中の抗体のいずれとも反応性を有しない血清タンパク質により)ブロッキングされる。サイトカイン産生について試験される細胞が様々な密度で抗原又はマイトジェンと共に播かれ、次に加湿した37℃のCO2インキュベーターに特定の時間にわたり置かれる。活性化された細胞によって分泌されたサイトカインは、大きい表面積のPVDF膜上にコーティングされた抗体によって局所的に捕捉される。ウェルを洗浄して細胞、デブリ、及び培地成分を取り除いた後、サイトカインに特異的な二次抗体(例えばビオチン化ポリクローナル抗体)がウェルに添加される。この抗体は標的サイトカインの特有のエピトープと反応性を有し、従って捕捉されたサイトカインの検出に用いられる。洗浄によって未結合のビオチン化抗体を全て取り除いた後、次にアビジン−HRP、及び沈殿基質(例えば、AEC、BCIP/NBT)を使用して、検出されたサイトカインを可視化する。着色された最終産物(スポット、通常は赤色又は青色)が、典型的には個々のサイトカイン産生細胞に相当する。スポットは手動で数えてもよく(例えば、解剖顕微鏡により)、又は自動化されたリーダーを使用することによりマイクロウェルの像を取得して、スポット数及びサイズを解析してもよい。一部の実施形態では、各スポットが単一のサイトカイン産生細胞と関連付けられる。
一部の実施形態では、T細胞における免疫応答は、抗原特異的T細胞の約1%〜約100%がサイトカインを産生する場合に、刺激されたと言われる。一部の実施形態では、T細胞における免疫応答は、抗原特異的T細胞の少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、又は約100%がサイトカインを産生する場合に、刺激されたと言われる。
一部の実施形態では、T細胞における免疫応答は、免疫された対象が、未感作の対照と比べて少なくとも約10倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約500倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約5000倍、少なくとも約10,000倍、少なくとも約50,000倍、少なくとも約100,000倍、又は少なくとも約100,000倍超多いサイトカイン産生細胞を含む場合に、刺激されたと言われる。
一部の実施形態では、T細胞における免疫応答の刺激は、抗原誘導性のT細胞増殖を測定することにより検出することができる。一部の実施形態では、抗原誘導性の増殖は、分裂T細胞におけるH3−チミジンの取り込みとして測定され得る(「リンパ球芽球化試験」、又は「LTT」と称されることもある)。一部の実施形態では、抗原誘導性の増殖は、3H−チミジンの取り込み(γカウンタのカウント数として与えられる)が、未感作の対照と比べて少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約500倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約5000倍、少なくとも約10,000倍、又は少なくとも約10,000倍超高い場合に、起こったと言われる。
一部の実施形態では、抗原誘導性の増殖は、フローサイトメトリーにより測定され得る。一部の実施形態では、抗原誘導性の増殖は、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)希釈アッセイにより測定され得る。CFSEは、非毒性の蛍光性膜透過性色素であり、細胞質タンパク質のアミノ基をスクシンイミジル反応基(例えば、T細胞タンパク質)と結合させる。細胞が分裂すると、CFSE標識タンパク質が娘細胞の間に均等に分配され、従って分裂する毎に細胞蛍光が半減する。結果的に、抗原特異的T細胞は、それぞれの抗原の存在下で培養した後その蛍光を失い(CFSElow)、培養中の他の細胞(CFSEhigh)と区別される。一部の実施形態では、抗原誘導性の増殖は、CFSE希釈率(全てのCFSE+細胞のうちのCFSElow細胞の割合として与えられる)が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約100%である場合に、起こったと言われる。
一部の実施形態では、T細胞における免疫応答は、細胞活性化の細胞マーカーが、刺激されていない細胞と比べて異なるレベルで(例えば、より高い又はより低いレベル)で発現する場合、刺激されたと言われる。一部の実施形態では、CD11a、CD27、CD25、CD40L、CD44、CD45RO、及び/又はCD69が、刺激されていないT細胞と比べて活性化したT細胞でより高度に発現する。一部の実施形態では、L−セレクチン(CD62L)、CD45RA、及び/又はCCR7が、刺激されていないT細胞と比べて活性化したT細胞で発現がより低い。
一部の実施形態では、T細胞における免疫応答は、抗原によりパルスされた標的細胞に対するエフェクターCD8+ T細胞によって細胞傷害性をアッセイすることにより測定される。例えば、51クロム(51Cr)遊離アッセイを実施することができる。このアッセイでは、エフェクターCD8+ T細胞が、クラスI MHC上でウイルスペプチドを提示する感染細胞と結合し、感染細胞にアポトーシスを起こすようシグナルを送る。エフェクターCD8+ T細胞が加わる前に細胞が51Crで標識されている場合、上清中に遊離する51Crの量は、死滅した標的の数に比例する。一部の実施形態では、T細胞における免疫応答はインビボ細胞傷害性アッセイにより測定され、ここでは標的細胞が抗原パルスされ、蛍光色素で標識され、次に免疫された動物に移される。特定の細胞溶解性T細胞が、関連抗原でパルスされる蛍光標識細胞の消失を引き起こし、しかしながら対照抗原でパルスされた細胞は減少しない。例えば、Coligan et al.,Current Protocols in Immunology,3.11.14−16,John Wiley & Sons,Inc.,2007を参照のこと。一部の実施形態では、T細胞における免疫応答は、パーフォリン、グランザイムB、又はCD107aの1つ以上の発現を(例えば、ELISPOT又はフローサイトメトリーにより)検出することにより測定される。例えば、Betts et al.,J.Immunol.Meth.281(1−2):65−78,2003を参照のこと。
B細胞活性化アッセイ
一部の実施形態では、免疫応答がB細胞又はB細胞群で刺激されたかどうかを決定し、それにより例えば、クラミジアに対する免疫原性組成物を投与された対象における抗体応答を特徴付けるため、又は対象がクラミジア生物に曝露されたかどうかを決定するため、様々なアッセイを利用することができる。一部の実施形態では、B細胞における免疫応答の刺激は、抗体価を測定することにより決定することができる。一般に、「抗体価」は、抗体が特定の希釈で抗原に結合する能力を指す。例えば、高抗体価は、高希釈であっても抗体が抗原に結合する能力を指す。一部の実施形態では、B細胞における免疫応答は、免疫されていない個体又は免疫前血清と比べて少なくとも約5倍高い、少なくとも約10倍高い、少なくとも約20倍高い、少なくとも約50倍高い、少なくとも約100倍高い、少なくとも約500倍高い、少なくとも約1000倍高い、又は約1000倍超高い希釈で抗体価が陽性であると測定される場合に、刺激されたと言われる。
一部の実施形態では、B細胞における免疫応答の刺激は、抗体親和性を測定することにより決定され得る。特に、B細胞における免疫応答は、平衡解離定数(Kd)が10−7M未満、10−8M未満、10−9M未満、10−10M未満、10−11M未満、10−12M未満、又はそれ未満である抗体が誘発された場合に、刺激されたと言われる。
一部の実施形態では、B細胞におけるT細胞依存性免疫応答は、クラススイッチ組換えが起こった場合に、刺激されたと言われる。特に、IgMから別のアイソタイプへの(例えば、IgGアイソタイプへの、又はIgAへの、又はこれらの混合のアイソタイプへの)転換が、B細胞におけるT細胞依存性免疫応答を示すものである。
一部の実施形態では、B細胞における免疫応答は、抗原特異的抗体の親和性成熟を測定することにより決定される。親和性成熟は胚中心反応で起こり、それにより活性化されたB細胞が、抗原結合領域をコードする免疫グロブリン遺伝子の領域を繰り返し変異させる。B細胞により産生される変異抗体は抗原に対する親和性がより高く、選択的に生存及び増殖させることが可能である。従って、時間の経過に伴い、GCのB細胞によって作られる抗体は、漸増的により高い親和性を獲得する。一部の実施形態では、このプロセスで読み取られるのは、高抗体価(例えば高希釈であっても抗原を結合及び中和する高親和性IgG抗体)の存在である。
一部の実施形態では、B細胞における免疫応答は、大量の高親和性抗体を長時間産生することのできる記憶B細胞及び/又は長命形質細胞が形成された場合に、刺激されたと言われる。一部の実施形態では、大量の高親和性抗体を長時間産生することのできる記憶B細胞及び/又は長命形質細胞の存在を試験するため、ワクチン接種後異なる時間間隔(例えば2週間、1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月、1年、2年、5年、10年、15年、20年、25年、又はそれ以上)が経った後に抗体価が測定される。一部の実施形態では、大量の高親和性抗体を長時間産生することのできる記憶B細胞及び/又は長命形質細胞は、体液性応答を測定することにより(例えば体液性応答が著しく速まり、後のブースターワクチン接種後の力価が初回感作における力価と比べて高くなる場合に)、存在すると言われる。
一部の実施形態では、B細胞における免疫応答は、活発な胚中心反応が起こる場合に、刺激されたと言われる。一部の実施形態では、活発な胚中心反応は、組織学的実験を実施することにより視覚的に評価され得る。一部の実施形態では、活発な胚中心反応は、抗原含有リンパ組織(例えば、ワクチン流入領域リンパ節、脾臓等)の免疫組織化学を実施することによりアッセイされ得る。一部の実施形態では、免疫組織化学の後にフローサイトメトリーが行われる。
一部の実施形態では、B細胞における免疫応答の刺激は、抗体アイソタイプ(例えば、IgG、IgA、IgE、IgM)を同定することにより決定され得る。特定の実施形態では、B細胞によるIgGアイソタイプ抗体の産生が、B細胞による望ましい免疫応答である。特定の実施形態において、B細胞によるIgAアイソタイプ抗体の産生が、B細胞による望ましい免疫応答である。
一部の実施形態では、B細胞における免疫応答は、中和アッセイで抗体機能を分析することにより決定される。一例では、インビトロで血清の非存在下に感受性細胞を感染させるクラミジア生物の能力が、細胞を成長させる培養培地に異なる希釈の免疫血清及び非免疫血清が添加されるときの条件と比較される。特定の実施形態では、B細胞における免疫応答は、クラミジア生物による感染が約1:5、約1:10、約1:50、約1:100、約1:500、約1:1000、約1:5000、約1:10,000、又はそれ未満の希釈で中和される場合に、刺激されたと言われる。クラミジアの中和アッセイについては、例えば、Peeling et al.,Infect.Immun.46:484−488,1984;及びPeterson et al.,Infect.Immun.59:4147−4153,1991に記載されている。
インビボアッセイ
一部の実施形態では、免疫原性組成物は、典型的に特定の病態(例えば、上部泌尿生殖器管感染症)又は細菌負荷を生じる用量のクラミジア生物に免疫マウス群及び非免疫マウス群を(例えば、ワクチン接種の3週間以上後に)感染させることによって特徴付けられ得る(それにより例えば、動物モデルにおいて有益な応答を誘導する効力が評価され得る)。両群の感染に起因する病態又は細菌負荷の重大さ及び持続期間がモニタされ、比較される。一例では、免疫マウス由来の血清を「受動ワクチン」として導入することによりB細胞応答が特徴付けられ、それにより感染の病理学的作用又は負荷からの非免疫マウスの防御が評価される。一部の実施形態では、白血球集合の浸潤が特徴付けられる(それにより例えば、感染領域の細胞の数及び種類、例えば、存在するのがCD4+ T細胞か、CD8+ T細胞か、又は他の細胞型かどうかが評価される)。クラミジア泌尿生殖器感染症の動物モデルについては記載がある。一部の実施形態では、クラミジア生物は腟内接種として適用され、感染動物の下部及び上部生殖器官の1つ以上の感染及び病態が特徴付けられる。例えば、マウスにおける腟内感染モデルについて記載しているBarron et al.(J.Infect.Dis.143(1):63−6,1981)を参照のこと。一部の実施形態では、初感染の排除が、このモデルにおける防御免疫の尺度である。一部の実施形態では、Th1サブタイプのCD4+ T細胞応答の検出が防御と相関する(Morrison et al.,Infect.Immun.70:2741−2751,2002)。
一部の実施形態では、免疫原性組成物はクラミジア感染症の動物モデルで評価される。一部の実施形態では、クラミジアによる下部尿生殖器官感染症がモデルで評価される(例えば、感染に起因する下部器官細菌負荷及び/又は炎症が評価される)。一部の実施形態では、クラミジアによる上部器官感染症がモデルで評価される(例えば、感染に起因する上部器官細菌負荷、炎症、不妊症、コラーゲン沈着、瘢痕の1つ以上が評価される)。一部の実施形態では、下部器官から上部生殖器官へのクラミジア感染症の上昇を予防する能力が評価される。一部の実施形態では、下部器官からの細菌排除率が評価される。一部の実施形態では、上部器官からの細菌排除率が評価される。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、対象動物の複数の系統(例えば、複数のマウス系統)の動物モデルで評価される。一部の実施形態では、卵管留水症(ファロピウス管の流体による遮断)の存在及びサイズが評価される。
一部の実施形態では、望ましい免疫原性組成物は、インビボで(例えば動物モデルで)上記の作用のうちの1つ以上を有するものとして特徴付けられる。例えば、一部の実施形態では、免疫原性組成物は、クラミジア菌による下部尿生殖器官感染症を低減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は下部器官細菌負荷を低減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、感染に起因する下部器官炎症を低減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、クラミジアによる上部器官感染症を低減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、クラミジア感染症に起因する上部器官細菌負荷、炎症、不妊症、コラーゲン沈着、瘢痕のうちの1つ以上を低減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、下部器官から上部生殖器官へのクラミジア感染症の上昇を低減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、下部器官及び/又は上部器官からの細菌排除率を上昇させる。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、感染に起因する卵管留水症又は卵管炎の存在及び/又はサイズを低減する。一部の実施形態では、免疫原性組成物は、複数の動物系統(例えば、複数のマウス系統)で上記の作用のうちの1つ以上を有する。
当業者は、上記に記載されるアッセイが、T細胞活性化及び/又はB細胞活性化が起こったかどうかを決定するために利用し得る例示的な方法に過ぎないことを認識するであろう。T細胞及び/又はB細胞の活性化が起こったかどうかを決定するために用い得る当業者に公知の任意のアッセイが、本発明の範囲内に含まれる。本明細書に記載されるアッセイ並びにT細胞及び/又はB細胞の活性化が起こったかどうかを決定するために用い得るさらなるアッセイについては、Current Protocols in Immunology(John Wiley & Sons,Hoboken,NY,2007;参照により本明細書に援用される)に記載されている。
適用
本明細書に記載される組成物及び方法は、任意のクラミジア感染症、クラミジア疾患、障害、及び/又は病態の予防及び/又は治療に用いることができる。本明細書で使用されるとき、「予防」は、クラミジア感染症、クラミジア疾患、障害、及び/又は病態に起因する症状の発症前及び/又はクラミジア生物に対する予め分かっている曝露の前の使用を指す。対象としては、限定はされないが、ヒト及び/又は他の霊長類;並びにクラミジア生物に感染し易い他の動物、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、及び/又はイヌなどの商業的に関連性のある哺乳動物;及び/又は鳥類、例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、及び/又はシチメンチョウなどの商業的に関連性のある鳥類が挙げられる。
一部の実施形態では、本発明に係る免疫原性組成物を用いることにより、クラミジア疾患、障害、及び/又は病態の1つ以上の症状又は特徴を治療し、緩和し、寛解させ、軽減し、その発症を遅延させ、その進行を抑制し、それによる感染リスクを低下させ、及びその重症度を低減し、及び/又はその発生率を低下させ得る。一部の実施形態では、本発明の免疫原性組成物を用いることにより、クラミジア感染症(例えば、C.トラコマチス(C.trachomatis)感染症、C.ニューモニエ(C.pneumoniae)感染症、C.シッタシ(C.psittaci)感染症)の1つ以上の症状又は特徴を治療し、緩和し、寛解させ、軽減し、その発症を遅延させ、その進行を抑制し、その重症度を低減し、及び/又はその発生率を低下させ得る。
本発明の一態様において、クラミジア感染症の予防及び/又は治療方法が提供される。一部の実施形態では、クラミジア感染症の予防及び/又は治療は、本明細書に記載される免疫原性組成物の治療有効量を、それを必要とする対象に対し、所望の結果を達成するために必要なだけの量及び回数で投与するステップを含む。本発明の特定の実施形態において本発明の免疫原性組成物の「治療有効量」は、クラミジア感染症の1つ以上の症状又は特徴による感染リスクを低下させ、又はそれを治療し、緩和し、寛解させ、軽減し、その発症を遅延させ、その進行を抑制し、その重症度を低減し、及び/又はその発生率を低下させるのに有効な量である。治療有効量は集団に基づき決定されてもよく、特定の対象において防御反応を天然に誘導する量である必要はない。
一部の実施形態では、本発明の予防的及び/又は治療的プロトコルは、1つ以上の本発明の免疫原性組成物の治療有効量を、健康な対象(すなわち、クラミジア感染症のいかなる症状も呈していない対象及び/又はクラミジア感染症と診断されたことがない対象)に投与するステップを含む。例えば、健康な個体に、クラミジア感染の発生前及び/又はクラミジア感染症の症状の発生前に本発明の免疫原性組成物を使用して予防接種してもよい;リスクを有する個体(例えば、クラミジア感染症に罹患している人に接触した患者、性感染症のリスクが高い患者、若齢に起因するリスクを有する人(例えば、小児、青年、又は若年成人))を、症状の発生及び/又はクラミジア感染症に対する曝露と実質的に同時に(例えば、その48時間以内、24時間以内、又は12時間以内に)治療することができる。当然ながら、クラミジア感染症を有することが分かっている個体は、いつでも治療を受けることができる。
一部の実施形態では、本発明の予防的及び/又は治療的プロトコルは、1つ以上の本発明の免疫原性組成物の治療有効量を、T細胞及びB細胞の双方で免疫応答が刺激されるように対象に投与するステップを含む。
一部の実施形態では、1つ以上のクラミジア抗原及びアジュバントを組み合わせることにより、所与の徴候に最も望ましい種類の免疫応答、例えば、体液性応答、Th1 T細胞応答、Th17 T細胞応答、抗原特異的T細胞によるIFN−γ分泌、細胞傷害性T細胞応答、抗体応答、B細胞応答、自然免疫応答、又はこれらの応答の組み合わせが選択的に誘発されるように免疫応答(例えばT細胞及び/又はB細胞応答)を調整することができる。
免疫原性組成物
本発明は、新規クラミジア抗原、例えば、表1、表2、表3から選択されるポリペプチド抗原の1つ以上、又はそれらの組み合わせと、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む免疫原性組成物(例えば、ワクチン)を提供する。一部の実施形態において、本発明の免疫原性組成物を、それを必要とする対象に投与する方法が提供される。一部の実施形態では、本発明の組成物はヒトに投与される。本発明の目的上、語句「活性成分」は、概して、少なくとも1つのクラミジア抗原を含み、場合により1つ以上のさらなる薬剤、例えばアジュバントを含む本発明の免疫原性組成物を指す。
本明細書に提供される免疫原性組成物の説明は、主としてヒトへの投与に好適な組成物に関するが、当業者は、かかる組成物が概してあらゆる種類の動物への投与に好適であることを理解するであろう。組成物を様々な動物に対する投与に好適なものとするための、ヒトへの投与に好適な免疫原性組成物の修飾は、十分に理解されており、獣医薬理学分野の当業者は、たとえあったとしても通常のものに過ぎない実験で、かかる修飾を設計及び/又は実施することができる。本発明の免疫原性組成物の投与が企図される対象としては、限定はされないが、ヒト及び/又は他の霊長類;哺乳動物(ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、及び/又はイヌなどの商業的に関連性のある哺乳動物を含む);及び/又は鳥類(ニワトリ、アヒル、ガチョウ、及び/又はシチメンチョウなどの商業的に関連性のある鳥類を含む)が挙げられる。
本明細書に記載される免疫原性組成物の製剤は、ワクチンの技術分野で公知の、又はこれから開発される任意の方法によって調製され得る。一部の実施形態では、かかる調製方法は、1つ又は複数の抗原(又は核酸ベースの適用向けに、抗原をコードする核酸)を、1つ以上の賦形剤及び/又は1つ以上の他の補助的な成分と組み合わせ、次に、必要である及び/又は望ましい場合には、その生成物を所望の単回又は複数回用量単位に成形及び/又は包装するステップを含む。
本発明の免疫原性組成物は、バルクで、単回単位用量として、及び/又は複数の単回単位用量として調製、包装、及び/又は販売され得る。本明細書で使用されるとき、「単位用量」は、1つ又は複数の抗原の所定量を含む免疫原性組成物の個別の量である。
本発明の組成物中の1つ又は複数の抗原、1つ又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤、及び/又は任意のさらなる成分(例えばアジュバント)の相対的な量は、治療対象のアイデンティティ、体格、及び/又は状態に応じて異なり、さらには組成物を投与する経路に応じて異なり得る。
本発明の免疫原性製剤は薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含んでもよく、賦形剤は、本明細書で使用されるとき、詳細な所望の剤形に適するとおりのあらゆる溶媒、分散媒、希釈剤、又は他の液体媒体、分散若しくは懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤又は乳化剤、防腐剤、固体結合剤、潤滑剤などを含む。Remington’s The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,A.R.Gennaro,(Lippincott,Williams & Wilkins,Baltimore,MD,2006;参照により本明細書に援用される)が、医薬組成物の製剤化に使用される様々な賦形剤及びその公知の調製技法を開示している。任意の望ましくない生物学的作用を生じたり、又は他の有害な形で免疫原性組成物の任意の他の1つ又は複数の構成成分と相互作用したりするなど、任意の従来の賦形剤が物質又はその誘導体と適合しない場合を除き、その使用は本発明の範囲内にあるものと考えられる。
一部の実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、又は100%純粋である。一部の実施形態では、賦形剤は、ヒトにおける使用及び獣医学的使用が承認されている。一部の実施形態では、賦形剤は、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)により承認されている。一部の実施形態では、賦形剤は医薬品グレードである。一部の実施形態では、賦形剤は、米国薬局方(United States Pharmacopoeia:USP)、欧州薬局方(European Pharmacopoeia:EP)、英国薬局方(British Pharmacopoeia)、及び/又は国際薬局方(International Pharmacopoeia)の基準に適合している。
免疫原性組成物の製造に使用される薬学的に許容可能な賦形剤としては、限定はされないが、不活性な希釈剤、分散剤及び/又は造粒剤、表面活性剤及び/又は乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、潤滑剤、及び/又は油が挙げられる。かかる賦形剤は、場合により本発明の製剤中に含められ得る。
注射用製剤、例えば、無菌注射用水性又は油性懸濁液が、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、公知の技術により製剤化されてもよい。無菌注射用製剤は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液としての、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒中の無菌注射用溶液、懸濁液又は乳剤であってもよい。用いられ得る許容可能な媒体及び溶媒の中には、水、リンゲル液、U.S.P.及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の固定油が、溶媒又は懸濁媒として従来用いられている。この目的上、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の無刺激固定油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注射液の調製に用いられる。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルタによるろ過によるか、又は使用前に滅菌水若しくは他の無菌注射用媒体に溶解若しくは分散させることができる無菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことにより、滅菌することができる。
免疫原性組成物の放出を持続させ、且つ注射部位近傍での抗原提示細胞による最大限の取り込みを刺激するため、多くの場合に、皮下注射又は筋肉内注射からの吸収を減速させることが望ましい。これは、水溶性が低い結晶質又は非晶質物質の液体懸濁物を使用することにより達成され得る。或いは、非経口的に投与される薬物形態の吸収の遅延は、その薬物を油媒体中に溶解又は懸濁することにより達成され得る。
一部の実施形態では、免疫原性組成物は粘膜表面に投与される。直腸投与又は腟内投与用の組成物としては坐薬を挙げることができ、坐薬は、本発明の免疫原性組成物を好適な賦形剤、例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール又は坐薬ワックスと混合して調製することができ、このような賦形剤は、周囲温度では固体だが、体温では液体であり、従って直腸又は腟腔で溶けて抗原を放出する。
一部の実施形態では、免疫原性組成物は経口投与される。経口投与用の固形剤形としては、カプセル、錠剤、丸薬、散剤、及び顆粒が挙げられる。かかる固形剤形では、抗原は、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な、薬学的に許容可能な賦形剤、及び/又はa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸などの充填剤又は増量剤、b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、及びアカシアなど、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解抑制剤、f)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールなど、h)カオリン及びベントナイト粘土などの吸収剤、及びi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物などの潤滑剤と混合され得る。カプセル、錠剤及び丸薬の場合、剤形は緩衝剤を含み得る。
本明細書に記載される皮内経路による免疫原性組成物の送達に使用するのに好適な装置としては、米国特許第4,886,499号明細書;同第5,190,521号明細書;同第5,328,483号明細書;同第5,527,288号明細書;同第4,270,537号明細書;同第5,015,235号明細書;同第5,141,496号明細書;及び同第5,417,662号明細書に記載されるものなどの短針装置が挙げられる。液体ジェット注射器による、及び/又は角質層を穿刺してジェットを生じ、それを真皮に到達させる針による、液体の免疫原性組成物を真皮に送達するジェット注射装置が好適である。ジェット注射装置については、例えば、米国特許第5,480,381号明細書;同第5,599,302号明細書;同第5,334,144号明細書;同第5,993,412号明細書;同第5,649,912号明細書;同第5,569,189号明細書;同第5,704,911号明細書;同第5,383,851号明細書;同第5,893,397号明細書;同第5,466,220号明細書;同第5,339,163号明細書;同第5,312,335号明細書;同第5,503,627号明細書;同第5,064,413号明細書;同第5,520,639号明細書;同第4,596,556号明細書;同第4,790,824号明細書;同第4,941,880号明細書;同第4,940,460号明細書;及び国際公開第97/37705号パンフレット及び国際公開第97/13537号パンフレットに記載されている。圧縮ガスを使用して粉末形態の免疫原性組成物を加速させ、皮膚の外層を通って真皮に至らせるバリスティック粉末/粒子デリバリー装置が好適である。それに代えて又は加えて、皮内投与の古典的なマントー法で従来のシリンジを使用することができる。
医薬品の製剤化及び/又は製造における一般的な考慮事項は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 21st ed.,Lippincott Williams & Wilkins,2005に見ることができる。
投与
一部の実施形態では、本発明の免疫原性組成物の治療有効量は、クラミジア生物に曝露される又はクラミジア疾患、障害、及び/又は病態と診断される前、それと同時、及び/又はその後に、患者及び/又は動物に送達される。一部の実施形態では、本発明の組成物の治療量が、クラミジア疾患、障害、及び/又は病態の症状が発生する前、それと同時、及び/又はその後に、患者及び/又は動物に送達される。一部の実施形態では、免疫原性組成物の量は、クラミジア疾患、障害、及び/又は病態の1つ以上の症状又は特徴による感染リスクを低下させ、又はそれを治療し、緩和し、寛解させ、軽減し、その発症を遅延させ、その進行を抑制し、その重症度を低減し、及び/又はその発生率を低下させるのに十分である。
本発明の方法に係る免疫原性組成物は、治療に有効な任意の量及び任意の投与経路を用いて投与され得る。正確な所要量は、対象の種、年齢、及び全身状態、感染の重症度、詳細な組成物、その投与様式、その活性様式などに応じて対象毎に異なり得る。任意の特定の対象又は生物に対する具体的な有効用量レベルは、用いられる抗原組成物の免疫原性;用いられる具体的な組成物;使用するアジュバントの性質;対象の年齢、体重、全身状態、性別及び食事;投与時間、投与経路、及び医学分野で周知されている同様の要因を含めた、様々な要因に依存し得る。
本発明の免疫原性組成物は、免疫応答を誘発する任意の経路によって投与され得る。一部の実施形態では、免疫原性組成物は皮下投与される。一部の実施形態では、免疫原性組成物は筋肉内投与される。一部の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、経口、静脈内、動脈内、髄内、髄腔内、脳室内、経皮、皮内、直腸、腟内、腹腔内、局所(散剤、軟膏、クリーム、及び/又はドロップによるなど)、経皮、粘膜、経鼻、口腔内、経腸、舌下を含む様々な経路により;気管内注入、気管支注入、及び/又は吸入により;及び/又は経口スプレー、鼻腔内スプレー、及び/又はエアロゾルとして投与される。
特定の実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、1μg〜500μgの範囲のタンパク質抗原を含む量で投与され得る。一部の実施形態では、約10μg、20μg、30μg、50μg、又は100μgの用量がヒトに投与される。
一部の実施形態では、免疫原性組成物は、1回より多く(例えば、2回、3回、4回、5回)投与される。一部の実施形態では、初回免疫の約1週間後、2週間後、3週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後、又はそれ以上後にブーストが投与される。
キット
本発明は、本明細書に記載される抗原の1つ以上を含む様々なキットを提供する。例えば、本発明は、新規クラミジア抗原と使用説明書とを含むキットを提供する。キットは複数の異なるクラミジア抗原を含み得る。キットは、多数のさらなる構成要素又は試薬のいずれかを任意の組み合わせで含み得る。様々な組み合わせの全てを明示的に記載するわけではないが、それぞれの組み合わせが本発明の範囲内に含まれる。
本発明の特定の実施形態によれば、キットは、例えば、(i)以下のクラミジア抗原の少なくとも1つを含む免疫原性組成物:CT062、CT572、CT043、CT570、CT177、CT725、CT067、CT476、p6、CT310、又はCT638ポリペプチド抗原;及び(ii)必要とする対象への組成物の投与についての説明書を含み得る。一部の実施形態では、キットはアジュバントをさらに含む。
クラミジア抗原をコードする核酸を含むキットもまた提供される。特定の実施形態において、キットは、例えば、(i)クラミジア抗原をコードする核酸を含む組成物;(ii)核酸組成物の使用説明書(例えば、抗原を産生する核酸の発現についての説明書、又は必要とする対象に組成物を投与することによるクラミジアに対する応答の誘発についての説明書)を含み得る。
キットと共に含まれる説明書は、例えば、プロトコルを含んでもよく、及び/又は免疫原性組成物の産生及び/又は必要とする対象への免疫原性組成物の投与等に関する条件を記載してもよい。キットは、概して、個々の構成要素及び試薬の一部又は全てを個別に収容し得るように1つ以上のベッセル又は容器を含む。キットはまた、市販用に比較的厳重に密閉するようにして個々の容器を取り囲む手段、例えばプラスチック製の箱も含むことができ、そこに説明書、スタイロフォーム(styrofoam)等の包装材料が入れられてもよい。識別子、例えばバーコード、無線認証(ID)タグ等が、キット内若しくはキット上又はキットに含まれるベッセル若しくは容器の1つ以上に存在してもよい。識別子は、例えば、品質管理、在庫管理、追跡、作業場間の移動等の目的でキットを一意的に識別するために使用することができる。
実施例1:クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)感染症の病歴を有する女性からの末梢血単核球及び血漿を使用してクラミジアタンパク質抗原を同定する
クラミジア特異的T細胞の単離及びスクリーニング
ヘパリン添加全血を、確認されているクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)曝露又は性器感染症の病歴を有する女性から採取した。ドナーは、細菌に繰り返し曝露しているが感染はしていない場合、又は感染したものの医学的介入なしにその感染が排除された場合、「防御あり」に分類された。ドナーは、持続的に感染している場合、又はその感染が骨盤内炎症性疾患などのより重篤な合併症に進行した場合、「防御なし」に分類された。フィコール(Ficoll)密度勾配遠心法により血液試料から末梢血単核球(PBMC)を単離し、後日使用するため凍結保存(cyropreserve)した。PBMCの解凍時、抗体被覆磁気ビーズを使用してCD14+単球を分離し、GM−CSF及びIL−4サイトカインを含有する培養液中に置いて、樹状細胞(MDDC)となるよう誘導した。さらに、Miltenyi Pan T選別キットを製造者の指示に従い用いてPBMCから磁気ビーズ枯渇法によりT細胞を濃縮した。得られた濃縮T細胞集団を、次にCD4+ T細胞に特異的な抗体コンジュゲート磁気ビーズ(Miltenyi)を使用して選別した。CD4陰性集団をCD8+と見なした(ある場合には、T細胞が枯渇したPBMCを凍結保存(cyropreserve)した)。双方のT細胞サブセットを、抗CD3及び抗CD28抗体が被覆された磁気ビーズ(Dynal T Cell Expander)を使用して、インビトロで非特異的に展開した。T細胞は、AIM−V−5%(AIM−V、5%FCS、非必須アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム、L−グルタミン、及びβ−メルカプトエタノール)+組換えIL−2中に106細胞/mLに維持した。十分なT細胞数に達したところで、培養物からCD3/CD28磁気ビーズを取り出し、クラミジアORFeomeライブラリを使用してどの抗原が天然でT細胞応答を誘導したかを決定することにより、濃縮及び展開したCD4+及びCD8+ T細胞を個別にスクリーニングした。T細胞スクリーニングには、展開したT細胞を、プロテオームライブラリでパルスした自己抗原提示細胞(APC)と共培養する必要があった。APCは、100:1の誘導細菌対APC比でプロテオームライブラリからの誘導細菌によりパルスした。T細胞スクリーニング用の自己APCを調製する方法は2つあった。方法1は、384ウェル平底プレートにウェル当たり104個のMDCCを播いた。方法2は、96ウェル丸底プレートに、MDCCと解凍したT細胞枯渇PBMCとから構成されるウェル当たり105個のAPCを播いた。いずれの方法についても、APCとライブラリ発現細菌とを含むスクリーンプレートを、37℃の5%CO2加湿インキュベーターに置いた。2時間インキュベートした後、APCをPBSで洗浄し、次に1%パラホルムアルデヒド(PFA)で固定した。固定したAPCを十分に洗浄し、次に展開したT細胞を、パルスして固定したAPCに加えて、プレートを37℃の5%CO2加湿インキュベーターに戻した。最適には、4×104個のT細胞を、方法1に記載される384ウェルプレートの各ウェルに播いた104個のパルスしたMDCCに加えた。或いは、最大105個のT細胞を、方法2に記載される96ウェルプレートの各ウェルに播いた105個のパルスしたAPCに加えた。24時間共培養した後、ELISAによって無細胞上清中のインターフェロンγ(IFN−γ)を計測することにより(BD OptEIAキット)、T細胞応答を観察した。
T細胞応答を誘導するクラミジアタンパク質抗原の同定
ヒト対象からの110件を超える試料を、上記に記載したとおりライブラリに対してスクリーニングした。バックグラウンド補正後データ中央値の平均偏差の2倍を超えたIFN−γ応答を誘導したライブラリタンパク質を、このスクリーニングにおける陽性と見なした。各同定された抗原の同一性を検証するため、ライブラリストックからのプラスミドDNAを精製及び配列決定した。配列決定に使用したプライマーは、プラスミド内で各クローンの上流に位置するコンセンサスプライマーであった。以下のアドレスにあるインターネット上のNCBIウェブサイトのヌクレオチドBLAST機能を使用して、アラインメントを実施した:blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi。列挙される配列は、GenBankに見出されるとおりの、単離クローンに対応するアノテートされた遺伝子の配列である。
図1、図2、及び図3は、同定された抗原が防御ありドナー及び防御なしドナーから得られたCD4+及びCD8+ T細胞のそれぞれによって認識された頻度を示す例示的グラフを示す。陰性対照、ドナー及びプレート変動の評価に基づき、陰性対照に対する値の倍数比が1.63(CD4+)又は1.66(CD8+)より大きい場合、ドナーを「レスポンダー」に分類した。10%を超えるレスポンダーの割合が、偶然のみに起因するより多いレスポンダー数を示した。レスポンダーの割合が15%より多い(陰性対照を含む全ドナー)又は約19%(防御ありドナー及び防御なしドナー)であるとき、統計的に有意となった。図1及び図2は、防御ありドナー及び防御なしドナーについての別々の例示的結果を示す。4個のC.トラコマチス(C.trachomatis)タンパク質が、防御なしドナーと比較して防御ありにおいて統計的により高頻度でCD4+又はCD8+ T細胞応答を誘導した(それぞれ2個ずつのクローン)(p値0.05)。防御ありドナーにおいてより高頻度で、さらなる16個のクローンがCD8+ T細胞応答を誘導し、及び6個のクローンがCD4+ T細胞応答を誘導した(p値0.1)。臨床的にその感染から防御されているドナーでより高い頻度を示した抗原は防御免疫と相関があり、最良のワクチン製剤候補であった。図3は、全ドナー(防御あり及び防御なし)についてのCD4+、CD8+、及び混合T細胞応答を示す例示的結果を示す。最も高い総頻度を示した抗原もまた、防御ありドナーで統計的により高い頻度を示したか否かに関わらず、ワクチン、診断及び予後判定での適用に魅力的な候補である。
B細胞応答を誘導するクラミジアタンパク質抗原の同定
前の実施例に記載されるとおり、確認されているクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)曝露又は性器感染症の病歴を有する女性からのヘパリン添加全血の血漿画分を遠心によって収集し、使用時まで−80℃で保存した。大腸菌(E.coli)におけるクラミジアORFeomeライブラリの各クローンを24時間誘導してタンパク質を発現させた。細菌をペレット化し、溶解緩衝液に再懸濁し、96ウェルプレートに並べた。尿素による2ラウンドの抽出後、タンパク質を含む上清(supernanant)を20mMトリス緩衝液で1:2希釈し、クーマシー(Coomasie)染色により各タンパク質濃度を決定した。4mM尿素/トリス緩衝液を添加することにより、各タンパク質の濃度を400μg/mLに調節した。次にプレートを密封し、マイクロアレイ上へのプリンティングに発送した(Gentel Biosceinces,Inc.)。タンパク質マイクロアレイを、上記のT細胞スクリーニングのために募集した対象の血漿試料でプローブした。ヒトIgGに特異的な抗体を使用して、タンパク質特異的抗体についての結合した血漿試料をプローブし、発色基質により検出した。応答は、シグナルが陰性対照のバックグラウンド値を統計的に有意に上回った場合に陽性と見なした。選択には2つの基準を用いた:第1の基準は、全コホートにわたる応答の総頻度であり、及び第2の基準は、防御なしドナーと比較した防御あり対象における統計的により高い頻度(p値<0.05)での応答であった。
図4は、クラミジア抗原がドナー血清中に存在するIgGに結合した頻度、すなわちドナーB細胞応答を誘発した頻度を示す例示的結果を示す。パネルの左側は、全ドナー(防御あり及び防御なし)において最も高い総頻度でIgGにより検出されたクラミジア抗原を示す。パネルの右側は、防御なしドナーと比較したとき防御ありドナーにおいて統計的により高頻度でIgGにより検出されたクラミジア抗原を示す。
実施例2:同定されたクラミジアタンパク質抗原はマウスにおいて免疫原性である
免疫化プロトコル
生理食塩水中5μg抗原+アジュバント(キラヤサポニンマトリックスAとマトリックスCとの91:9混合物を含む12μg用量のISCOMマトリックス)の100μl注射を、マウスの首筋に皮下免疫した。マウスは2回の注射を21日間隔で受けた。最終回の注射の7日後、マウスを安楽死させ、さらなる分析用に血液及び組織を回収した。
エキソビボT細胞媒介性IFN−γ応答アッセイ
エキソビボIFN−γ ELISPOTを使用してT細胞応答を定量化した。上記で回収したマウス脾臓から出発し、マウス脾細胞から磁気ビーズを使用してCD4+及びCD8+ T細胞を濃縮した。IFN−γに特異的な捕捉抗体で一晩コーティングすることにより膜プレートを調製し、続いて補足培地で最低でも2時間、37℃でブロッキングした。未感作のT枯渇脾細胞を抗原によって37℃で2時間パルスすることにより、APCを調製した。CD4+ ELISPOTについては、APCは全タンパク質でパルスした。CD8+ ELISPOTについては、全タンパク質に20μg/mLの濃度のISCOMマトリックスを添加して、抗原取り込み及びプロセシングを促進した。APC及びT細胞を、予め被覆したプレートの適切なウェルに添加した。陰性対照は、さらなる抗原なしに37℃で2時間インキュベートしたAPCであり、及び陽性対照は、ホルボールミリステートアセテート(PMA)及びイオノマイシンとインキュベートしたT細胞であった。プレートは、5%CO2下37℃で18時間インキュベートさせた。IFN−γに特異的な二次ビオチン化抗体、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)及び3−アミノ−9−エチルカルバゾール(AEC)基質を使用して、スポットを視覚化した。
図5は、指示されるクラミジアタンパク質抗原で免疫したマウス由来の、且つインビトロで同じ抗原によって再刺激したCD4+及びCD8+ T細胞においてエキソビボで誘導されたIFN−γレベルを示す例示的結果を示す。図5Aは、当初T細胞応答によって同定された抗原を示す例示的結果を示す。図5Bは、当初B細胞応答によって同定された抗原を示す例示的結果を示し、これらの抗原が、ある場合にはロバストなT細胞応答も誘発し得ることを実証している。
B細胞媒介性抗体応答アッセイ
直接タンパク質ELISAにより免疫マウスの抗原特異的血清抗体価を測定した。最終回の注射の7日後に、終末心穿刺により血液を採取した。血清を処理し、−80℃で保存した。ELISAプレートを4℃で一晩、0.1Mカーボネート緩衝液pH9.5中5μgの全タンパク質によりコーティングした。TBS+0.05%ツイーン(Tween)−20(TBS−T)でプレートを洗浄し、TBS−T+1%ウシ血清アルブミンで1時間ブロッキングした。血清試料を段階希釈し、抗原被覆ウェルにおいて室温で2時間インキュベートした。プレートを洗浄し、1:10,000希釈のヤギ抗マウスアルカリホスファターゼ(AP)コンジュゲート抗IgGにより1時間プローブした。AP活性の検出は、p−ニトロフェニルリン酸(pNPP;Sigmafast、Sigma−Aldrich)を添加することによって達成し、反応は3N NaOHにより吸光度の読み取り405nmで停止させた。段階希釈の直線部分を外挿し、曲線の直線部分がバックグラウンドのカットオフと交わる希釈度としてエンドポイントを定義することにより、エンドポイント力価を計算した。データの計算に使用したカットオフは、未感作マウスからの陰性対照血清の値の2倍であった。
図6は、同じ抗原で免疫した後の指示されるクラミジア抗原に対するIgG抗体価を示す例示的結果を示す。パネルの左側に示される結果は、当初T細胞応答によって同定された抗原(例えば図1、図2及び図3)が、ある場合にはロバストなB細胞応答も誘発し得ることを実証している。
実施例3:同定されたクラミジアタンパク質抗原で免疫したマウスは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の誘発に対して防御されている
免疫化プロトコル
生理食塩水中5μg抗原+アジュバント(キラヤサポニンマトリックスAとマトリックスCとの91:9混合物を含む24μg用量のISCOMマトリックス)の100μl注射を、C57BL/6マウス(8匹/群)の首筋に皮下免疫した。マウスは2回の注射を21日間隔で受けた。腟内誘発の10日前及び3日前にデポ・プロベラ(Depo−Provera)(1.25mg)を皮下投与して発情を同期させた。
クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)による腟内感染
McCoy細胞においてクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)血清型D(D/UW−3/CX)細菌を増殖させ、RenoCal−76勾配遠心法により基本小体を精製し、スクロースホスフェート(SPG)緩衝液中に保存した。最終回の免疫の7日後に、0.5〜1×106IFUクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)血清型D基本小体を容積式ピペットで子宮頸腟部に直接腟内付着させることにより、マウスを誘発した。
感染後の子宮頸腟部におけるクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)負荷の測定
感染3日後、7日後、10日後、14日後、及び21日後に、免疫して誘発したマウスの子宮頸腟部及び腟円蓋の試料を採取した。McCoy細胞単層上での直接培養により、試料中に存在するクラミジアを定量化した。SPG緩衝液中のスワブ試料の段階希釈物をコンフルエントなMcCoy細胞単層に加え、2400RPM、37℃で1時間遠心した。上清を除去し、1μg/mLのシクロヘキサミドを含むcRPMIと交換し、37℃で44時間インキュベートした。単層を100%メタノールで固定し、FITC標識抗クラミジア抗体(Millipore)で染色し、封入体をカウントしてIFUを決定した。
図7は、指示されるクラミジアタンパク質抗原で免疫し、続いてクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)に腟内感染させたマウスにおける子宮腟部クラミジア負荷の低下を示す例示的結果を示す。図7Aは、代表的なクラミジアタンパク質抗原CT062、CT043、及びCT062+CT043の組み合わせについての例示的結果を示す。図7Bは、代表的なクラミジアタンパク質抗原の組み合わせCT638+CT476についての例示的結果を示す。
感染後の上部生殖器系におけるクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)負荷の測定
免疫して誘発したマウスから、感染後21日目に卵管及び卵巣を採取した。リアルタイム定量PCRにより、全卵管及び卵巣に存在する生菌及び死菌のクラミジアを検出した。卵管及び卵巣は、0.6mgのプロテイナーゼKを含有する組織溶解緩衝液中56℃で一晩消化させた。QIAamp DNA Miniキット(Qiagen)を製造者の指示に従い使用して、DNAを抽出した。抽出したDNAを、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)16SrRNA遺伝子に特異的なプライマーと共にPCRに供した。簡潔に言えば、15μLの抽出DNAを、0.8uMの各プライマー及び1UのTaqポリメラーゼを含有する20uLの反応容量中でプロセシングした。増幅はStepOnePlusリアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems)で実施した。既知のコピー数のクラミジア16s rRNA精製プラスミドの標準曲線を使用して外挿することにより、遺伝子コピー数を決定した。
図8は、指示されるクラミジアタンパク質抗原で免疫し、続いてクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)に腟内感染させたマウスにおける上部生殖器系クラミジア負荷の低下を示す例示的結果を示す。図8Aは、代表的なクラミジアタンパク質抗原CT062、CT043、及びCT062+CT043の組み合わせについての例示的結果を示す。UVEBは、陽性対照である紫外線で不活化された全クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)基本小体で免疫されたマウスからの応答を示す。図8Bは、代表的なクラミジアタンパク質抗原CT067、CT0788tm、及びCT328についての例示的結果を示す。
実施例4:クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)による感染後、リンパT細胞及び脾臓T細胞がプライミングされ、同定されたクラミジアタンパク質抗原に応答する。
感染後のリンパ及び脾臓T細胞媒介性IFN−γ応答アッセイ
非免疫マウスを、上記に記載したとおり1×106IFUの精製クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)血清型D基本小体に腟内感染させた。感染7〜14日後に、外側腸骨の大動脈腰及び仙骨流入領域リンパ節(DLN)及び脾臓を摘出した。上記の実施例2に記載されるとおり、保存されたCD4+又はCD8+ T細胞に対するELISPOTアッセイにより、同定されたクラミジアタンパク質抗原による刺激後の抗原特異的T細胞応答を測定した。
図9は、感染マウスの脾臓から採取し、指示されるクラミジアタンパク質抗原で刺激したCD4+及びCD8+ T細胞におけるIFN−γの誘導を示す例示的結果を示す。結果は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)による感染が同定された抗原に特異的なT細胞をプライミングし得ること、及びその抗原が再誘発時に防御性T細胞の標的となり得ることを示している。
配列
配列番号1 CT062ポリペプチド(412アミノ酸;GenBank AAC67653.1)
配列番号2 CT062 DNA
配列番号3 CT572ポリペプチド(760アミノ酸;GenBank AAC68174.1)
配列番号4 CT572 DNA
配列番号5 CT043ポリペプチド(167アミノ酸;GenBank AAC67634.1)
配列番号6 CT043 DNA
配列番号7 CT570ポリペプチド(391アミノ酸;GenBank AAC68172.1)
配列番号8 CT570 DNA
配列番号9 CT177ポリペプチド(238アミノ酸;GenBank AAC67768.2)
配列番号10 CT177 DNA
配列番号11 CT725ポリペプチド(184アミノ酸;GenBank AAC68320.1)
配列番号12 CT725 DNA
配列番号13 CT856ポリペプチド(567アミノ酸;GenBank AAC68453.1)
配列番号14 CT856 DNA
配列番号15 CT757ポリペプチド(336アミノ酸;GenBank AAC68352.1)
配列番号16 CT757 DNA
配列番号17 CT564ポリペプチド(289アミノ酸;GenBank AAC68166.1)
配列番号18 CT564 DNA
配列番号19 CT703ポリペプチド(490アミノ酸;GenBank AAC68298.1)
配列番号20 CT703 DNA
配列番号21 P1−ORF7ポリペプチド(PGP7−D;160アミノ酸;GenBank NP_040380.1)
配列番号22 P1−ORF7 DNA(PGP7−D CALCULATED_MOL_WT=34705)
配列番号23 CT067ポリペプチド(326アミノ酸;GenBank AAC67658.1)
配列番号24 CT067 DNA
配列番号25 CT037ポリペプチド(118アミノ酸;GenBank AAC67627.1)
配列番号26 CT037 DNA
配列番号27 CT252ポリペプチド(272アミノ酸;GenBank AAC67845.1)
配列番号28 CT252 DNA
配列番号29 CT064ポリペプチド(602アミノ酸;GenBank AAC67655.1)
配列番号30 CT064 DNA
配列番号31 CT137ポリペプチド(281アミノ酸;GenBank AAC67728.1)
配列番号32 CT137 DNA
配列番号33 CT204ポリペプチド(471アミノ酸;GenBank AAC67796.1)
配列番号34 CT204 DNA
配列番号35 CT634ポリペプチド(465アミノ酸;GenBank AAC68238.1)
配列番号36 CT634 DNA
配列番号37 CT635ポリペプチド(144アミノ酸;GenBank AAC68239.1)
配列番号38 CT635 DNA
配列番号39 CT366ポリペプチド(440アミノ酸;GenBank AAC67962.1)
配列番号40 CT366 DNA
配列番号41 CT140ポリペプチド(228アミノ酸;GenBank AAC67731.1)
配列番号42 CT140 DNA
配列番号43 CT142ポリペプチド(285アミノ酸;GenBank AAC67733.1)
配列番号44 CT142 DNA
配列番号45 CT242ポリペプチド(173アミノ酸;GenBank AAC67835.1)
配列番号46 CT242 DNA
配列番号47 CT843ポリペプチド(89アミノ酸;GenBank AAC68440.2)
配列番号48 CT843 DNA
配列番号49 CT328ポリペプチド(274アミノ酸;GenBank AAC67921.1)
配列番号50 CT328 DNA
配列番号51 CT188ポリペプチド(203アミノ酸;GenBank AAC67780.1)
配列番号52 CT188 DNA
配列番号53 CT578ポリペプチド(487アミノ酸;GenBank AAC68180.1)
配列番号54 CT578 DNA
配列番号55 CT724ポリペプチド(174アミノ酸)
配列番号56 CT724 DNA
配列番号57 CT722ポリペプチド(226アミノ酸;GenBank AAC68317.1)
配列番号58 CT722 DNA
配列番号59 CT732ポリペプチド(157アミノ酸;GenBank AAC68327.1)
配列番号60 CT732 DNA
配列番号61 CT788ポリペプチド(166アミノ酸;GenBank AAC68383.1)
配列番号62 CT788 DNA
配列番号63 CT476ポリペプチド(321アミノ酸;GenBank AAC68076.1)
配列番号64 CT476 DNA
配列番号65 p6ポリペプチド(pGP4−D;102アミノ酸;GenBank AAA91572.1)
配列番号66 p6 DNA
配列番号67 CT310ポリペプチド(208アミノ酸;GenBank AAC67903.1)
配列番号68 CT310 DNA
配列番号69 CT638ポリペプチド(255アミノ酸;GenBank AAC68242.1)
配列番号70 CT638 DNA
配列番号71 CT172ポリペプチド(163アミノ酸;GenBank AAC67763.1)
配列番号72 CT172 DNA
配列番号73 CT443ポリペプチド(553アミノ酸;GenBank AAC68042.1)
配列番号74 CT443 DNA
配列番号75 CT525ポリペプチド(284アミノ酸;GenBank AAC68126.1)
配列番号76 CT525 DNA
配列番号77 CT606ポリペプチド(209アミノ酸;GenBank AAC68209.1)
配列番号78 CT606 DNA
配列番号79 CT648ポリペプチド(424アミノ酸;GenBank AAC68825.1)
配列番号80 CT648 DNA
配列番号81 CT870ポリペプチド(1034アミノ酸;GenBank AAC68468.1)
配列番号82 CT870 DNA
配列番号83 大腸菌(E.coli)RlpBシグナル配列(脂質化配列)
均等物及び範囲
当業者は、本明細書に記載される本発明の具体的な実施形態の多くの均等物を認識し、又はルーチン程度の実験を用いて確認することができるであろう。本発明の範囲は上記の説明に限定されることは意図されず、むしろ添付の特許請求の範囲に記載されるとおりである。
特許請求の範囲において、「a」、「an」、及び「the」などの冠詞は、そうでない旨が示されない限り、又は他の形で文脈上明らかでない限り、1つではなく1つ以上を意味し得る。従って、例えば「細胞(a cell)」と言うとき、それは当業者に公知の1つ以上の細胞に対する参照を含むなどする。群の1つ以上の構成要素間に「又は」を含むクレーム又は説明は、そうでない旨が示されない限り、又は他の形で文脈上明らかでない限り、群の構成要素の1つ、2つ以上、又は全てが所与の物又は方法に存在する、それにおいて用いられる、又は他の形でそれに関連する場合を満たしているものと見なされる。本発明は、群のなかの正確に一つの構成要素が所与の物又は方法に存在する、それにおいて用いられる、又は他の形でそれに関連する実施形態を含む。本発明は、群の構成要素の2つ以上、又は全てが所与の物又は方法に存在する、それにおいて用いられる、又は他の形でそれに関連する実施形態を含む。さらに、本発明は、列挙されるクレームの1つ又は複数からの1つ以上の限定、要素、クローズ、記述的用語等が別のクレームに導入される全ての変形例、組み合わせ、及び並べ替えを包含することが理解されるべきである。例えば、別のクレームに従属する任意のクレームを、同じ基本クレームに従属する任意の他のクレームに見られる1つ以上の限定を含むように変更することができる。さらに、クレームが組成物について記載している場合、特に指示されない限り、又は矛盾若しくは不整合が生じるであろうことが当業者に明らかでない限り、本明細書に開示される任意の目的のために組成物を使用する方法が含まれ、及び本明細書に開示される作製方法のいずれか又は当該技術分野において公知の他の方法によって組成物を作製する方法が含まれることが理解されるべきである。
例えばマーカッシュ群形式において、要素がリストとして提示される場合、それらの要素の部分的な群の各々もまた開示され、及びその群から任意の1つ又は複数の要素が取り除かれてもよいことが理解されるべきである。一般に、本発明又は本発明の態様が特定の要素、特徴等を含むものとして言及される場合、本発明の特定の実施形態又は本発明の態様は、かかる要素、特徴等からなる、又はそれらから本質的になることが理解されなければならない。簡潔にするため、本明細書でそれらの実施形態がこの言葉で(in haec verba)具体的に記載されることはない。用語「〜を含む(comprising)」はオープンであるものと意図され、さらなる要素又はステップの包含を許容することが注記される。
範囲が示される場合、端点は含まれる。さらに、特に指示されない限り、又は他の形で文脈及び当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表現される値は、本発明の異なる実施形態では、文脈上特に明確に指示されない限りその範囲の下限値の10分の1単位までの記載される範囲内の任意の具体的な値又は部分的範囲をとり得ることが理解されるべきである。
加えて、先行技術の範囲内に含まれる本発明の任意の特定の実施形態がクレームの任意の1つ以上から明示的に除外され得ることが理解されるべきである。かかる実施形態は当業者に公知であると見なされるため、除外が本明細書に明示的に記載されない場合であっても、それらは除外され得る。本発明の組成物の任意の特定の実施形態(例えば、任意の抗原、任意の投与方法、任意の予防的及び/又は治療的適用等)は、先行技術の存在が関係するか否かに関わらず、何らかの理由で、任意の1つ以上のクレームから除外され得る。
上記で及びテキスト全体を通じて考察される文献は、単にそれらの開示が本願の出願日より前であるために提供される。本明細書のいかなる事項も、先行する開示であるという理由で本発明者らがかかる開示に先行する権利を有しないことを認めるものとして解釈されてはならない。
他の実施形態
当業者は、上記が単に本発明の特定の好ましい実施形態を表すに過ぎないことを容易に理解するであろう。以下の特許請求の範囲に記載されるとおりの本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、上記に記載される手順及び組成物に様々な変更及び改良を加えることができる。