JP2012502915A - てんかんを治療する組成物及び方法 - Google Patents

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Abstract

てんかん及びてんかん症候群を治療する組成物及び方法が本明細書に記載される。組成物及び方法は、1つ以上のジメボリンの治療有効量又はその薬学的に許容される塩を含む。

Description

本発明は、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法に関する。特に、本発明は、1つ以上のジメボリンを治療有効量投与することにより、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法に関する。
てんかんは、再発性の非挑発性発作により特徴付けられる一般的な慢性神経障害である。これらの発作は、脳における異常、過剰又は同期ニューロン活性に起因する、一過性の兆候及び/又は症状でありうる(例えば、非特許文献1参照)。前記出版物及び本明細書に引用されるそれぞれの追加の出版物は、本明細書により参照として組み込まれる。
大部分の研究において、先進国におけるてんかんの全体的な発症率は、熱性けいれん及び単発作を除いて、毎年100,000人あたりおよそ50症例であることが見出されているが、ある年では、100,000人あたり70もの症例が報告されている。驚くべきことに、発展途上国の数字は一般にこれよりも高く、毎年100,000人あたり100〜190人の範囲である。確認されてはいないが、より高い発生率は社会的剥奪に起因することが示唆されている。例えば、最近のデータは、発展途上国の社会経済的に剥奪されている背景を持つ人々のほうが、てんかんを発症しやすいことを示唆している。
発作の生涯有病率、すなわち、平均寿命のある時点で非熱性てんかん発作を有する危険性は、2〜5%である。最近の地域密着型の研究において、大部分の患者では、てんかんは一時的であり、三分の二を超える人が長期の寛解に入り、いったん寛解が生じると、後の再発はまれであることが示されている。事実、早い時期の状態の経過は、予後の重要な予測因子であり、てんかんの活性状態が長引くほど、長期予後が不十分になる。熱性発作の累積発症率、すなわち、5歳になる前に熱性発作を有する危険性は約5%であり、熱性発作は、5歳未満の小児において発作の大きな割合を占める。
てんかん発作は、典型的にはニューロンの過剰発火及び同期現象を伴う。この状態は、関与する脳の部分の正常な働きを妨げ、幾つかの場合では、認識障害をもたらす。局在関連てんかんは、新皮質、並びに海馬及び扁桃体を含む辺縁構造に生じる。一連の実験モデルによる作業は、部分発作を有するヒトのEEGにおいて多くの場合に見出される発作間スパイクと類似した短時間(約100〜500ミリ秒)のてんかん事象の発生についての詳細な理論を生み出した。しかし、重度の発作についての理論は、現在のところあまり進展していない。実験的な発作間発射は、局所領域のニューロンの大部分と同期して生じる急激な発作性脱分極シフトにより特徴付けられることが報告されている。20〜40mVのような大規模な脱分極は、ニューロンに活動電位の急速なバースト発火を起こさせる。一般に、発作性脱分極シフトは、巨大な興奮性シナプス後電位(EPSP)の特性を有し、脳における主要な興奮性シナプストランスミッターであるグルタミン酸塩に依存する。これは、同じ集団内の他の多くのニューロンの同時興奮の合計であることが報告されている。加えて、低速の活動電位を生じることができ、電位感受性ナトリウムチャンネルに起因する高速の活動電位の閾値を超えてニューロンを駆動しうる、電位感受性カルシウムチャンネルによる寄与が関連している。
多くの実験モデルにおける実験的研究と理論的研究の組み合わせは、この種類のてんかん発射には幾つかの特徴が必要であることを示す。興奮性(通常、錐体)ニューロンは、シナプスネットワークに連結していなければならない。そのような連結の可能性は、海馬において無作為に選択した錐体細胞対の1〜2%の少なさでありうる。シナプスは、シナプスの特性のため及び/又はシナプス前ニューロンの発火パターンのため、十分に強力である必要がある。例えば、バースト発火は、シナプス電位が相加的でありうることを示すことが報告されている。したがって、ニューロンは、閾値を超えて後ニューロン標的を駆動する良好な機会を有する必要があり、またニューロンの集団は、十分に大きくなければならず、最小限の集合体を構成しなければならない。この最小限の集合体は、ニューロンが数個のシナプス内で集団の他のほぼ全てと連結することを可能にし、その結果、ニューロンの小さなサブセットにおける活性が、適した条件下で集団の全体に急速に広がることができる。実験モデルにおいて、最小限のてんかん性集合体は、最低で1000〜2000個のニューロンであってもよいが、おそらくヒトのてんかん病巣ではそれよりも大きい。正常な脳組織に対する痙攣処理を使用する急性実験てんかんは、症候性発作のモデルを示唆している。
そのような急性実験てんかんは、幾つかの経路又は経路の組み合わせによりシナプスネットワークを修飾することができる。例えば、シナプスネットワークは、興奮性シナプスネットワークの興奮を通常制御する抑制性シナプスを(トランスミッターとしてGABAを使用して)遮断することによって修飾することができる。この遮断は、ペンチレンテトラゾール(PTZ)及びビククリンにより報告されているように、実験的に使用される多くの痙攣薬にとって典型的であり、特定の条件下では、ペニシリン及びキノロンにより報告されているように臨床的に生じる可能性がある。代替的に又は組み合わせて、シナプスネットワークを逆説的に修飾することができる。例えば、GABA−A仲介シナプスの過剰活性化を、抑制性から興奮性に切り替えることができ、したがって、てんかん活性を促進することができる。この効果は、膜の全体にわたる塩化物イオンの勾配の崩壊に起因する場合があり、重炭酸塩イオンをこれらのシナプスにおいて主な電荷担体として残す。シナプスネットワークは、例えばグルタミン酸レセプターのNMDAサブタイプを遮断してない異常に低レベルの細胞外マグネシウムイオンによって興奮性シナプスを強化することより又はニューロン興奮性を増加することにより修飾することができる。
他の要因もてんかん発射に寄与する。ヒト局在関連てんかんにおける適切な測定を実施することが可能である慢性実験モデルは、特定の例において多様な組み合わせで生じる複数の変化を明らかにする。例えば、シナプス連結性の増加は一般的な特徴であり、おそらく苔状線維発芽において最も報告されており、上記に概説された興奮性のグルタミン酸作動性ニューロンの連鎖反応動員を促進することができる。
加えて、固有の特性も関与する。電位開口型イオンチャンネルは多くのてんかんにおいて変化し、このことは、遺伝性チャンネル病であるごく少数のてんかんにおいて顕著でありうる。幾つかの形態のてんかんでは、カリウムチャンネルが弱く、一方、他では、ナトリウムチャンネルがより持続的となりうる。これらの場合では、突然変異がてんかん発生の主な要因であると推定される。電位開口型イオンチャンネルの変化も、明確な遺伝的基礎を有さないはるかに一般的なてんかん、例えば、ナトリウムチャンネル不活性化が(多くの場合に、カルバマゼピンに対する感受性の欠失と並行して)遅延される側頭葉てんかんにおいて見出すことができる。
シナプスレセプターも、てんかん組織において異なりうる。ここでも、遺伝性チャンネル病は、変質したGABA作動性レセプター(抑制電位を弱める傾向)及びニコチンレセプターの変化の例を示す。より一般的な突発性てんかんについての他の研究は、特定のレセプターサブユニットの発現の変質を明らかにする。
発作間発射が局在関連てんかんと一般的に関連することが報告されているが、これらはおそらく異なる又は少なくとも非同一の発作回路により生じることが示唆されている。更に、発作発生における発作間発射の役割は、十分に理解されておらず、受け入れられてもいない。幾つかの実験モデルの結果は、未だに決定されていない機構により、発作間発射が長期間の発作の開始の防止に役立ちうることを示唆している。他の研究は、発作間発射が2種類以上の多様性で発生する場合があり、そのうちの幾つかは発作を引き起こす傾向があることを示唆している。てんかん発射が重度の発作に発展するのをどの要因が決定するかについて、研究が継続されている。例えば、発作発射の最初の数秒間に、細胞外カリウムイオンの濃度が通常の約30〜40nMから高レベルの約1000mM超に増加し、次に、比較的遅い時間経過を伴ってニューロンを興奮させる。しかし、細胞外カリウムは、発作の引き金になるには蓄積が遅すぎると思われ、そのため同期活性を最初の数秒間維持する機構がより重要でありうる。発作の際のニューロン及びグリアによる細胞外カリウム及び他の神経刺激性物質の取扱いの力学も、研究の盛んな領域である。
ジメボンそれ自体(ジメボリン塩酸塩としても知られている)、その類似体及び誘導体、並びに前記の薬学的に許容される塩を含むジメボリンが、てんかん及び/又はてんかん症候群を罹患している又はその軽減を必要としている患者の治療に有用であることが発見された。
Fisher et al., Epilepsia 46(4):470-2 (2005)
本発明の一つの例示的な実施態様において、てんかんを治療する方法が記載される。本発明の別の例示的な実施態様において、てんかん症候群を治療する方法が記載される。前記のそれぞれにおいて、方法は、てんかん及び/又はてんかん症候群に罹患している又はその軽減を必要としている患者に、1つ以上のジメボリン及び/又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与する工程を含む。別の実施態様において、てんかん及び/又はてんかん症候群に罹患している又はその軽減を必要としている患者に、1つ以上のジメボリン及び/又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与する工程、並びに1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。別の実施態様において、てんかん及び/又はてんかん症候群に罹患している又はその軽減を必要としている患者に、1つ以上のジメボリン及び/又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与する工程、並びに1つ以上のAMPAレセプターアンタゴニストの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。別の実施態様において、てんかん及び/又はてんかん症候群に罹患している又はその軽減を必要としている患者に、1つ以上のジメボリン及び/又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与する工程、並びに1つ以上の追加的な抗てんかん薬の治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。別の実施態様において、てんかん及び/又はてんかん症候群に罹患している又はその軽減を必要としている患者に、1つ以上のジメボリン及び/又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与する工程、1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストの治療有効量を投与する工程、並びに1つ以上の追加的な抗てんかん薬の治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。
本発明の別の例示的な実施態様において、てんかん及びてんかん症候群を治療する医薬の製造におけるジメボリン及びその薬学的に許容される塩の使用が記載される。前記のそれぞれにおいて、医薬は、1つ以上のジメボリン及び/又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を含む。別の実施態様において、医薬は、1つ以上のジメボリン及び/又はその薬学的に許容される塩の治療有効量、並びに1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストの治療有効量を含む。別の実施態様において、医薬は、1つ以上のジメボリン及び/又はその薬学的に許容される塩の治療有効量、並びに1つ以上のAMPAレセプターアンタゴニストの治療有効量を含む。別の実施態様において、医薬は、1つ以上のジメボリン及び/又はその薬学的に許容される塩の治療有効量、並びに1つ以上の追加的な抗てんかん薬の治療有効量を含む。別の実施態様において、医薬は、1つ以上のジメボリン及び/又はその薬学的に許容される塩の治療有効量、1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストの治療有効量、並びに1つ以上の追加的な抗てんかん薬の治療有効量を含む。
別の実施態様において、本明細書に記載される方法は、1つ以上のスタチンの治療有効量の共投与を含む。1つ以上のスタチンを、前記実施態様のそれぞれ及び本明細書に記載される他の実施態様において共投与することができ、1つ以上のジメボリンとの共投与、1つ以上のジメボリン及びNMDAアンタゴニストとの共投与、1つ以上のジメボリン、NMDAアンタゴニスト及び他の抗てんかん薬との共投与などが含まれるが、これらに限定されないことが理解されるべきである。
別の例示的な実施態様において、医薬組成物が本明細書に記載される。例示的な医薬組成物は、多様な投与形態のジメボリン及び/又はその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤及び/又は希釈剤と組み合わせて含む。他の例示的な医薬組成物は、多様な投与形態の(a)1つ以上のジメボリン及び1つ以上のNMDAアンタゴニスト(これらの混合物を含む)、(b)1つ以上のジメボリン及び1つ以上の他の抗てんかん薬(これらの混合物を含む)、(c)1つ以上のジメボリン、1つ以上の他の抗てんかん薬及び1つ以上のNMDAアンタゴニスト(これらの混合物を含む)、並びに(d)1つ以上のスタチンも含む前記のいずれか(これらの混合物を含む)を含む。前記のそれぞれにおいて、ジメボリン、NMDAアンタゴニスト、他の抗てんかん薬及び/又はスタチンなどのいずれかの薬学的に許容される塩が含まれることが、理解されるべきである。混合物を含む本明細書に記載される投与形態は、また、2つ以上の別々の薬剤投与形態を同時に共投与するために、互いに接着しているサンドイッチ型製剤を含むことも、理解されるべきである。
別の例示的な実施態様において、キット及びパッケージが本明細書に記載される。例示的なキット及びパッケージは、化合物が本明細書に記載される投与プロトコールに従ってフォーマットされている、共投与に適合されている調合剤を含む。例えば、例示的なパッケージは、各セクションがジメボリン投与及び例示的にはNMDAアンタゴニスト投与のために二重バブルパックを含む、グリッドパターンを含むことができる。抗てんかん薬又はNMDAアンタゴニスト及び抗てんかん薬の両方又は代替的にはスタチンを含む他の構成も、本明細書に記載されることが理解される。
==関連出願==
本出願は、米国特許法35U.S.C.119(e)に基づき、2008年9月15日出願に出願された米国仮出願第61/096,940号、及び2009年6月2日に出願された米国仮出願第61/183,209号に基づく優先権を主張し、その開示は、それぞれその全体が参照により本明細書に援用される。
ジメボリンは、既知の抗ヒスタミン薬である。特に、ジメボリン塩酸塩は長年臨床的に使用されており(Matveeva, Farmakologiia i Toksikologiia, 46(4):27-29 (July-August 1983))、最近アルツハイマー病の治療に潜在性を示している(Doody et al., Lancet 372:207-215 (2008))。しかし、てんかんの治療におけるジメボリンの有益な使用は、今まで知られていない。理論に束縛されることなく、ジメボリンは複数の機構を介しててんかん及びてんかん症候群の治療に作用を発揮しうることが、本明細書において考えられる。例示的には、てんかん及びてんかん症候群の治療におけるジメボリンの有用性は、特定の神経変性疾患及び一般的な加齢と関連する細胞死において役割を演じると考えられている、AMPA及び/又はNMDAグルタミン酸レセプターの活性を調節する(Grigorev et al., Bull Exp Biol Med., 136(5):474-477 (2003))、L型カルシウムチャンネルを阻害する(Lermontova et al., Bulletin of Experimental Biology and Medicine, 132(5): 1079-83 (2001))、神経毒性ベータ−アミロイドタンパク質の作用を遮断する及び/又はミトコンドリア膜透過性遷移孔を遮断する(Bachurin et al., Annals of the New York Academy of Sciences, 993:334-344 (2003))能力の1つ以上から生じるうることが、本明細書において発見された。特に、グルタミン酸レセプターは、発作の開始、維持及び阻止において重要な役割を果たしうることが、本明細書において考えられる。しかし、全てのNMDA部位の遮断は、PCP麻薬において観察されるような幾つかの不要な副作用を有しうることが理解される。選択的及び/又は特異的なサブユニットにおいて活性を保持すること、同時に、特定の他のAMPA及び/又はNMDAグルタミン酸レセプターの活性を調節することが有利であることが理解される。
加えて、生化学的作用を伴う化合物は、NMDA拮抗作用の効果を緩和することができる。例えば、ジメボリンは、ミトコンドリア膜透過性遷移孔を阻害し、したがって、ミトコンドリアの分解の防止をもたらしうることが、本明細書において発見されている。
理論に束縛されることなく、治療方法又は1つ以上のジメボリン及び/若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の抗てんかん潜在性は、抗NMDA及び/又はNMDAアンタゴニスト活性だけに関連しているわけではないことが示唆される。例えば、周知のNMDAレセプターアンタゴニストは2−アミノ−5−ホスホノ吉草酸であるが(AP5又はAPV)(Evans et al., Brit. J. Pharmacol., 1982, v.75, p.65)、AP5は、運動の協調の障害及び鎮静作用を含む神経毒作用を有する欠点を被っていることが報告されており、それぞれ、AP5が抗NMDA効果を生じる用量で使用されたときに明らかになる(ED50=190mg/kg、Grigoriev et al. Chim. Pharm. Journal, 1988, No.3, p. 275-277)。したがって、理論に束縛されることはないが、ジメボリンはNMDA部位に対して選択的に作用を発揮することが、本明細書において考えられる。例えば、ジメボリンは、ヒスタミンの標的でもあるNR2Bサブユニットに位置しているNMDAレセプターのポリアミン部位に対して影響を与えることが報告されている(Grigorev et al., Bull Exp Biol Med, 136(5):474-7 (2003))。加えて、ジメボリンのH1ヒスタミンレセプターアンタゴニスト活性は、その部位への結合によってNMDAレセプターの調節活性も発揮しうることが報告されている。したがって、低濃度のジメボリンの効果は、高濃度のNR2Bサブユニットを有するニューロン集団において最も顕著でありうることが、本明細書において発見されている。そのようなニューロン集団は、主に、前頭側頭−頭頂側頭皮質(fronto-parieto-temporal cortex)及び海馬の錐体細胞において見出される。側頭皮質及び海馬がてんかん、中でも主に側頭葉サブタイプのてんかんの発生に関与することが、本明細書において理解される(Mclntyre DC, et al. Epilepsia, 49 Suppl 3:23-30 (2008))。
てんかん活性は、てんかんにより誘発されるニューロン損傷に寄与しうるミトコンドリア機能におけるCa2+イオン依存性変化をもたらすことも、本明細書において理解される(Kovacs R, et al., J Neurosci., 25(17):4260-9 (2005))。理論に束縛されることなく、ジメボリンの効能はL型カルシウムチャンネルを遮断する能力に少なくとも部分的に起因しうることも、本明細書において考えられる。更に、理論に束縛されることはないが、ジメボリンの効能は、カルシウム誘発神経毒性に関与するプロセスであるミトコンドリア膜透過性遷移を阻害する能力に少なくとも部分的に起因することができ、したがって、てんかんの治療に有益でありうることが、本明細書において考えられる。ミトコンドリア膜透過性遷移孔の阻害は、てんかん発作の際に引き起こされる傷害、特にもたらされうる認知機能に対する傷害を減少することが、本明細書において考えられる。
理論に束縛されることなく、ジメボリンの薬物動態特性及び血液脳関門透過性は、他の療法において報告されている数少ない有害事象と共に、本明細書に記載されている方法によるてんかん及びてんかん症候群の治療に有用であることも、本明細書において考えられる。対照的に、他の多くのNMDAアンタゴニストは、アプチガネル、フェンシクリジン及びレマセミドを含む治療において報告されているような、許容されない有害な予防のプロフィールに少なくとも部分的に起因する限定的な潜在性、MRZ2/596及びMDL105,519のような好ましくない薬物動態特性、又は、レマセミドのような効能の低減を有する。
本明細書で使用されるとき、用語「ジメボリン」は、一般に、本明細書に記載される化合物、並びにその類似体及び誘導体を意味する。前記のそれぞれにおいて、任意の対応する薬学的に許容される塩も、本明細書に記載される例示的な実施態様に含まれることも理解される。例示的な誘導体には、本明細書に記載される化合物から合成的に調製されうる化合物、また本明細書に記載されるものと同様の方法で調製されうるが、出発物質の選択が異なる化合物の両方が含まれるが、これらに限定されない。例えば、本明細書に記載されるものは、芳香族環において、Rのように多様な官能基を含む式(I)、(II)及び(III)の例示的なジメボリンである。これらの化合物の誘導体は、例えば、式(I)、(II)及び(III)の定義において明確に記載されているものと異なる官能基を芳香族環に有する化合物も含むことが、理解されるべきである。加えて、これらの化合物の誘導体は、芳香族環の異なる位置に同一又は異なる官能基を有する化合物も含むことが理解されるべきである。同様に、誘導体は、本明細書に記載される化合物のRなどのような他の官能基の平行変化を含む。
例示的な類似体には、本明細書に記載される化合物と機能的及び幾つかの場合においては構造的な類似性を共有する化合物が含まれるが、これらに限定されない。例えば、本明細書に記載されるものは、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリドインドール環系を含む式(I)、(II)及び(III)の例示的なジメボリンである。例示的な類似体には、対応するアゼピノインドール環系などのような対応する環拡大化合物が含まれるが、これらに限定されない。他の例示的な類似体には、対応するピリダジノインドール環系などのような付加ヘテロ原子を含む対応する環拡大化合物が含まれるが、これらに限定されない。
理論に束縛されることなく、本明細書に記載される化合物の類似体を含むジメボリンの一つの例示的な特性は、L型カルシウムチャンネルを遮断する能力と組み合わされたNMDA拮抗作用であることが、本明細書において考えられる。理論に束縛されることなく、本明細書に記載される化合物の類似体を含むジメボリンの別の例示的な特性は、MPTP阻害であることが本明細書において考えられる。
加えて、本明細書で使用されるとき、ジメボリンという用語は、本明細書に記載される化合物のプロドラッグ誘導体も意味し、多様な類似体及び誘導体のプロドラッグが含まれる。本明細書で使用されるとき、用語「プロドラッグ」は、生体系に投与されたとき、1つ以上の自発的化学反応、酵素触媒化学反応及び/若しくは代謝化学反応又はこれらの組み合わせの結果として生物学的に活性な化合物を生じる任意の化合物を一般に意味する。インビボでは、プロドラッグは、酵素(例えば、エラストラーゼ、アミダーゼ、ホスファターゼなど)、単純な生物化学的反応又はより薬理学的に活性な薬剤を遊離若しくは生成する他のインビボプロセスによって典型的に作用する。この活性化は、内在性宿主酵素又はプロドラッグの投与の前、後又は間に宿主に投与された非内在性酵素の作用を介して引き起こすことができる。プロドラッグの使用についての追加的な詳細は、米国特許第5,627,165号及びPathalk et al., Enzymic protecting group techniques in organic synthesis, Stereosel. Biocatal. 775-797 (2000)に記載されている。プロドラッグは、標的送達、安全性、安定性などのような目標が達成されると直ぐに元の薬剤に有利に変換され、続いて、プロドラッグを形成する放出された残りの基を直ぐ後で急速に排除することが理解される。
プロドラッグは、インビボで最終的に切断される基を、−OH−、−SH、−COH、−NRのような化合物に存在する1つ以上の官能基に結合することによって、本明細書に記載される化合物から調製することができる。例示的なプロドラッグは、基がアルキル、アリール、アラルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキルであるカルボン酸エステル、並びに結合した基がアシル基、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ホスフェート又は硫酸塩であるヒドロキシル、チオール及びアミンのエステルを含むが、これらに限定されない。更なる例示的なプロドラッグは、本明細書に記載される化合物の可溶性及び/又は安定性を増加するように機能するアミド又はリン基のような化学部位を含有する。アミノ基の更なる例示的なプロドラッグには、(C〜C20)アルカノイル;ハロ−(C〜C20)アルカノイル;(C〜C20)アルケノイル;(C〜C)シクロアルカノイル;(C〜C)シクロアルキル(C〜C16)アルカノイル;場合により置換されているアロイルであって、例えば、非置換アロイル、又はハロゲン、シアノ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、(C〜C)アルキル及び(C〜C)アルコキシ(それぞれ1〜3個のハロゲン原子の1個以上で場合により更に置換されている)からなる群より選択される1〜3つの置換基で置換されているアロイル;場合により置換されているアリール(C〜C16)アルカノイルであって、例えば、非置換であるか又はハロゲン、(C〜C)アルキル及び(C〜C)アルコキシ(それぞれ1〜3個のハロゲン原子で場合により更に置換されている)からなる群より選択される1〜3つの置換基で置換されているアリールラジカル;並びに、ヘテロアリール部分にO、S及びNから選択される1〜3個のヘテロ原子及びアルカノイル部分に2〜10個の炭素原子を有する、場合により置換されているヘテロアリールアルカノイルであって、例えば、非置換であるか又はハロゲン、シアノ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、(C〜C)アルキル及び(C〜C)アルコキシ(それぞれ1〜3個のハロゲン原子で場合により更に置換されている)からなる群より選択される1〜3つの置換基で置換されているヘテロアリールラジカルが含まれるが、これらに限定されない。例示された基は、例示的であって、網羅的ではなく、従来の方法により調製することができる。
プロドラッグそれ自体は、有意な生物学的活性を有さない場合があるが、代わりに、インビボでの投与の後、1つ以上の自発的な化学反応、酵素触媒化学反応及び/若しくは代謝化学反応又はこれらの組み合わせを受けて、生物学的に活性であるか又は生物学的に活性な化合物の前駆体である本明細書に記載されている化合物を生成しうることが理解される。しかし、幾つかの場合において、プロドラッグは生物学的に活性であることが理解される。プロドラッグは、多くの場合に、改善された経口生物学的利用能、薬力学的半減期などによって薬剤効能又は安定性の改善に役立ちうることも理解される。プロドラッグは、望ましくない薬剤特性を単に遮蔽する又は薬剤送達を改善する基を含む本明細書に記載される化合物の誘導体も意味する。例えば、有利に遮断される又は最小限に抑えられる望ましくない特性を示しうる1つ以上の本明細書に記載される化合物は、例えば低い経口薬剤吸収、部位特異性の欠如、化学的不安定性、毒性及び不十分な患者許容性(嫌な味、臭気、注射部位の疼痛など)他の臨床薬物適用において薬理学的、薬学的又は薬物動態的に障壁になりうる。プロドラッグ又は可逆的誘導体を使用する他の療法は、薬剤の臨床適用の最適化に有用でありうることが、本明細書において理解される。
加えて、本明細書で使用されるとき、ジメボリンという用語は、本明細書に記載される化合物のそれぞれの非晶質の形態、並びに任意及び全ての形態学的な形態の両方を意味する。加えて、本明細書で使用されるとき、ジメボリンという用語は、本明細書に記載される化合物の任意及び全ての水和物又は他の溶媒和物を意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「てんかん」には、再発性発作により特徴付けられる神経障害が含まれる。そのような発作は、脳における異常、過剰又は同期ニューロン活性に起因する一過性の兆候及び/又は症状でありうる。本明細書に記載される方法及び医薬で治療可能なてんかん発作の例示的な例には、強直間代、間代性(強直性の特徴がある又はない)、欠神(定型又は非定型)、ミオクローヌス欠神、強直性、ミオクローヌス性、両側汎発性ミオクローヌス(massive bilateral myoclouns)、陰性ミオクローヌス、眼瞼ミオクローヌス(欠神発作を伴う又は伴わない)、ミオクローヌス−無緊張性、無緊張性、反射性、焦点感覚性(後頭葉及び頭頂葉発作のような基本的な感覚症状、又は例えば側頭頭頂後頭葉接合部発作などの経験的な感覚症状を伴う)、焦点運動(基本的な間代性運動兆候、補足運動発作のような非対称性強直性運動兆候又は発作、内側側頭葉発作のような側頭葉自動症とも呼ばれる典型的な自動症、多動自動症、焦点陰性ミオクローヌスなどを伴う)、抑制運動、笑い、半間代性、二次性全般性、焦点性てんかん症候群における反射発作、全般性強直間代性てんかん発作重積状態、間代性てんかん発作重積状態、欠神性てんかん発作重積状態、強直性てんかん発作重積状態、ミオクローヌスてんかん発作重積状態、持続性部分てんかん、持続性前兆、辺縁系てんかん発作重積状態、半痙攣性てんかん発作重積状態が挙げられるが、これらに限定されない。
てんかんは、1つ以上のてんかん症候群の関連で生じうることが理解される。本明細書に記載される方法及び医薬で治療可能なてんかん症候群の例示的な例には、良性家族性新生児発作、初期ミオクローヌス脳症、オータハラ症候群、幼児期移動性部分発作、ウエスト症候群、幼児期良性ミオクローヌスてんかん、良性家族性及び非家族性幼児期発作、ドラベット症候群、HH症候群、非進行性脳症のミオクローヌス状態、中心側頭棘波を伴う良性小児期てんかん、早期発症良性小児後頭葉てんかん(パナイオトポーラス型、Panayiotopoulos型)、遅発性小児後頭葉てんかん(ガストー型)、ミオクローヌス欠神を伴うてんかん、ミオクローヌス失立発作を伴うてんかん、レンノックス・ガストー症候群、Landau-Kieffner症候群、徐波睡眠の間の連続的棘波徐波を伴うてんかん(LKS以外)、小児期欠神てんかん、進行性ミオクローヌスてんかん、多様な表現型を有する突発性全般性てんかん(若年性欠神てんかん、若年性ミオクローヌスてんかん)、反射性てんかん、突発性光過敏性後頭葉てんかん、視覚過敏性てんかん、原発性読書てんかん、驚愕てんかん、常染色体優性夜間前頭葉てんかん、家族性側頭葉てんかん、熱性発作パルスを伴う全般性てんかん、多様な焦点を有する家族性焦点てんかん、辺縁系てんかん、海馬硬化症を伴う内側側頭葉てんかん、特定の病因により定義される内側側頭葉てんかん、位置及び病因により定義される他の種類、新皮質てんかん、 ラスムッセン症候群、良性新生児発作、熱性発作、反射性発作、アルコール離脱発作、薬物又は他の化学的に誘発された発作、直後及び早期外傷後発作、単発作又は単発的な発作の群、並びにまれな反復発作(オリゴてんかん)が挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与する工程を含む、若年性ミオクローヌスてんかんを治療する方法が本明細書に記載される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、別のサブタイプ選択的又はサブタイプ特異的NMDAアンタゴニストの治療有効量と共投与する工程を含む、若年性ミオクローヌスてんかんを治療する方法が本明細書に記載される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、1つ以上の、スタチンとも呼ばれるHMG−CoAレダクターゼのインヒビターの治療有効量と共投与する工程を含む、若年性ミオクローヌスてんかんを治療する方法が本明細書に記載される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、1つ以上のGABAトランスアミダーゼインヒビターと共投与する工程を含む、若年性ミオクローヌスてんかんを治療する方法が本明細書に記載される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、1つ以上のT型カルシウムチャンネルインヒビターと共投与する工程を含む、若年性ミオクローヌスてんかんを治療する方法が本明細書に記載される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、1つ以上のスタチン及び1つ以上のGABAトランスアミダーゼインヒビターと共投与する工程を含む、若年性ミオクローヌスてんかんを治療する方法が本明細書に記載される。
別の実施態様において、1つ以上の式(I)のジメボリン:
又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与する工程を含む、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法が本明細書に記載され、式中、Rは、アルキル又はアラルキルであり;Rは、水素、ベンジル又は6−メチルピリジニル−3−エチルであり;Rは、水素、アルキル又はハロであり、そして結合(a)は、単結合又は二重結合である。
別の実施態様において、Rがメチル、エチル又はベンジルである式(I)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。別の実施態様において、Rが水素、ベンジル又は6−メチルピリジニル−3−エチルである式(I)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。別の実施態様において、Rが水素、メチル又はブロモである式(I)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。
別の実施態様において、結合(a)が単結合であり;R及びRがそれぞれメチルであり;そしてRが水素である式(I)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法が本明細書に記載される。別の実施態様において、結合(a)が単結合であり;そして環縮合がシスである式(I)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。別の実施態様において、結合(a)が二重結合であり;Rがエチル又はベンジルであり;そしてR及びRがそれぞれ水素であるか、又はR及びRがそれぞれメチルであり;そしてRがベンジルであるか、又はRがメチルであり;Rが6−メチルピリジニル−3−エチルであり;そしてRが水素であるか、又はR及びRがそれぞれメチルであり;そしてRが6−メチルピリジニル−3−エチルであるか、又はRがメチルであり;Rが水素であり;そしてRが水素又はメチルであるか、又はRがメチルであり;Rが水素であり;そしてRがブロモである、式(I)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が本明細書に記載される。
別の実施態様において、1つ以上の式(II)のジメボリン:
又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与する工程を含む、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法が本明細書に記載され、式中、Rは、アルキル又はアラルキルであり;Rは、水素、ベンジル又は6−メチルピリジニル−3−エチルであり;Rは、水素、アルキル又はハロであり、そして結合(a)は、単結合又は二重結合である。
別の実施態様において、Rがメチル、エチル又はベンジルである式(II)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法が本明細書に記載される。別の実施態様において、Rが水素、ベンジル又は6−メチルピリジニル−3−エチルである式(II)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。別の実施態様において、Rが水素、メチル又はブロモである式(II)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。別の実施態様において、R及びRがそれぞれメチルであり、そしてRが水素である式(II)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。別の実施態様において、縮合環がシスである式(II)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。別の実施態様において、薬学的に許容される第四級塩形態の式(II)のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。
別の実施態様において、1つ以上の式(III)のジメボリン:
又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与する工程を含む、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法が本明細書に記載され、式中、Rは、アルキル又はアラルキルであり;Rは、水素、ベンジル又は6−メチルピリジニル−3−エチルであり;Rは、水素、アルキル又はハロであり、そして結合(a)は、単結合又は二重結合である。
別の実施態様において、Rがメチル、エチル又はベンジルである式(III)の1つ以上のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法が本明細書に記載される。別の実施態様において、Rが水素、ベンジル又は6−メチルピリジニル−3−エチルである式(III)の1つ以上のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。別の実施態様において、Rが水素、メチル又はブロモである式(III)の1つ以上のジメボリンの治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。
別の実施態様において、Rがエチル又はベンジルであり;そしてR及びRがそれぞれ水素であるか、又はR及びRがそれぞれメチルであり;そしてRがベンジルであるか、又はRがメチルであり;Rが6−メチルピリジニル−3−エチルであり;そしてRが水素であるか、又はR及びRがそれぞれメチルであり;そしてRが6−メチルピリジニル−3−エチルであるか、又はRがメチルであり;Rが水素であり;そしてRが水素又はメチルであるか、又はRがメチルであり;Rが水素であり;そしてRがブロモである、式(III)のジメボリンの1つ以上の治療有効量を投与する工程を含む、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法が本明細書に記載される。別の実施態様において、薬学的に許容される第四級塩形態の式(III)のジメボリンの1つ以上の治療有効量を投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。
別の実施態様において、下記式のジメボリン:
又は塩酸塩のような薬学的に許容される塩の有効量を投与する工程を含む、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法が本明細書に記載される。
別の実施態様において、2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド〔4,3−b〕インドール;2,8−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド〔4,3−b〕インドール又はそのヨウ化メチル;シス−(±)2,8−ジメチル−2,3,4,4a,5,9b−ヘキサヒドロ−1H−ピリド〔4,3−b〕インドール又はその二塩酸塩;2−メチル−8−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド〔4,3−b〕インドール又はその塩酸塩;2−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド〔4,3−b〕インドール;2−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド〔4,3−b〕インドール;2,8−ジメチル−5−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド〔4,3−b〕インドール又はその塩酸塩;2−メチル−5−〔2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル〕−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド〔4,3−b〕インドール又はそのセスキ硫酸塩一水和物;及び2,8−ジメチル−5−〔2−(6−メチル−3−ピリジル)エチル〕−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド〔4,3−b〕インドール又はその二塩酸塩から選択される1つ以上の化合物の治療有効量を投与する工程を含む、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法が本明細書に記載される。前記化合物は、Horlein, Chem. Ber., 1954, Bd.87, hft 4, p. 463-472; Cattanach et al., J. Chem. Soc. (ser. C) 1968, 1235-1243; Yurovskaya and Rodionov, Khim. Geterots. Soed., 1981, No. 8, p. 1072-1078; Yakhontov and Glushkova, Synthatic Drugs (edited by A. G. Natradze), Moscow, "Meditsina Publishers", 1983, p. 234-237; Buu-Hoi et al., J. Chem. Soc, 1964, No. 2, p. 708-711; Kucherova and Kochetkov, J. Obshch. Khim., 1956, v. 26, p. 3149-3154;及びKost et al., "Khim. Geterots. Soed.", 1973, No. 2, p. 207-212に従って調製することができ、これらの開示は参照として本明細書に組み込まれる。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、サブタイプ選択的又はサブタイプ特異的NMDAアンタゴニストのような別のNMDAアンタゴニストと共投与される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、サブタイプ選択的又はサブタイプ特異的AMPAアンタゴニストのような別のAMPAアンタゴニストと共投与される。グルタミン酸レセプターは、興奮性アミノ酸ニューロトランスミッターであるグルタミン酸塩に結合する。グルタミン酸塩に結合すると、レセプターは、細胞へのナトリウムイオンとカルシウムイオンの両方の流れを促進し、一方、カリウムイオンは、細胞から流れ出て、興奮をもたらす。グルタミン酸レセプターは、5つの潜在的な結合部位を有し、刺激又は遮断部位に応じて異なる反応を引き起こす。これらの部位は、アルファ−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソオキサゾール−4−プロピオン酸(AMPA)部位、カイニン酸部位、N−メチル−D−アスパラテート(NMDA)部位、グリシン部位及び7つのサブユニットを有する代謝型部位(GluR1−7)である。これらのレセプターを修飾するAEDは、グルタミン酸塩に対して拮抗的である。
例示的なNMDAアンタゴニストには、アマンタジン、デキストロメトルファン、デキストロルファン、イボガイン、ケタミン、フェンシクリジン、リルゾール、チレタミン、メマンチン(AXURA、AKATINOL、NAMENDA、EBIXA及び1−アミノ−3,5−ジメチルアダマンタンとしても知られている)が含まれるが、これらに限定されない。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、1つ以上のリルゾール、メマンチン及びデキストロメトルファン、並びに、酸付加塩形態を含むその治療上活性で薬学的に許容される塩誘導体と共投与される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、メマンチンと共投与される。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、ジゾシルピン(MK−801としても知られている)、アプチガネル(CERESTAT、CNS−1102としても知られている)、レマシミド及びHU−211が含まれるが、これらに限定されない、非競合的アンタゴニストのような別のNMDAアンタゴニストと共投与される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、HU−211と共投与される。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、7−クロロキヌレネート、5,7−ジクロロキヌレン酸(DCKA)、キヌレン酸及び1−アミノシクロプロパンカルボン酸(ACPC)が含まれるが、これらに限定されない、グリシン結合部位に作用するグリシンアンタゴニストのような別のNMDAアンタゴニストと共投与される。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、2−アミノ−7−ホスホノヘプタン酸(AP7)、R−2−アミノ−5−ホスホノペンタノエート(APV)及びCPPene(3−〔(R)−2−カルボキシピペラジン−4−イル〕−プロパ−2−エニル−1−ホスホン酸)が含まれるが、これらに限定されない、競合的アンタゴニストのような別のNMDAアンタゴニストと共投与される。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、別の抗てんかん薬(AED)と共投与される。例示的なAEDは、主要な作用機構に従って分類することができるが、そのような分類は、多くのAEDが2つ以上の作用様式で稼働すると報告されているので、限定的として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。AEDの効能の可能性のある基礎的原理として報告されている主要な作用様式には、ナトリウムチャンネルブロッカー、カルシウム電流インヒビター、ガンマ−アミノ酪酸(GABA)エンハンサー、グルタミン酸ブロッカー、無水炭酸インヒビター及びホルモンが含まれる(Ochoa et al., "Antiepileptic Drugs: An Overview" emedicine from WebMD (April 17, 2009))。
例示的な抗てんかん薬には、アセタゾールアミド、アセタゾールアミド放出調節剤、バルベキサクロン、ブリバラセタム、カルバマゼピン、カルバマゼピン放出調節剤、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼプ酸、ジアゼパム、エトスクシミド、エトトイン、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メスクシミド、メタゾラミド、メチルフェノバルビタール、オキシカルバマゼピン、フェノバルビタール(フェノバルビトン)、フェンスクシミド、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、プロガビド、セレクトラセタム、ルフィナマイド、バルプロ酸、バルプロ酸ナトリウム、ジバルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸ナトリウム放出調節剤、チアガビン、トピラメート、ビガバトリン、及び持続放出性ゾニサミドを含むゾニサミドが含まれるが、これらに限定されない。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、オキシカルバマゼピンのような電位開口型ナトリウムチャンネルアンタゴニストと共投与される。例えば、軸索による活動電位の発火は、ナトリウムチャンネルを介して達成されることが報告されている。それぞれのナトリウムチャンネルは、以下の3つの状態で動的に存在する。すなわち、チャンネルが細胞へのナトリウムイオンの通過を可能にする静止状態;チャンネルが細胞へのナトリウムイオンの流入の増加を可能にする活性状態;及びチャンネルが細胞へのナトリウムイオンの通過を可能にしない不活性状態である。活動電位の際に、これらのチャンネルは、活性状態で存在し、ナトリウムイオンの流入を可能にする。いったん活性化又は刺激が終了すると、これらのナトリウムチャンネルのうちのある割合が、不応答期として知られている時間にわたって不活性になる。一定の刺激又は急激な発火により、これらのチャンネルの多くが不活性状態で存在し、軸索による活動電位の伝播を不可能にする。これらのナトリウムチャンネルを標的にするAEDは、これらのチャンネルの不活性形態を安定化することにより、これらのチャンネルが活性状態に戻るのを防止することができる。そうすることによって、軸索による反復発射が防止される。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、L型チャンネルブロッカーのような電位依存性カルシウムチャンネルブロッカーと共投与される。例示的なカルシウムチャンネルブロッカーには、オキシカルバマゼピンが含まれるが、これに限定されない。幾つかのAEDの作用様式はグルタミンレセプターの修飾を含むが(Sierra-Paredes and Sierra-Marcuno, Extrasynaptic GABA and glutamate receptors in epilepsy, CNS Neurol Disord Drug Targets, 6(4):288-300 (2007); Nateri et al., EMBO J., 2007 Nov 28, 26(23):4891-901 Epub 2007 Nov 1))、電位依存性カルシウムチャンネル(VDCC)の阻害は、これら及び他のAEDの効果を仲介することが報告されている。カルシウムチャンネルは、ヒトの脳においてL、N及びT型の3つの既知の形態で存在することが報告されている。これらのチャンネルは、小さく、急速に不活性化される。静止状態でのカルシウム電流の流入は、膜の部分的脱分極を生成し、細胞の急速な脱分極の後、活動電位の発生を促進する。これらは、脳の正常な律動的活性のペースメーカーとして機能する。このことは、特に視床について当てはまる。T型カルシウムチャンネルは、欠神発作の1秒あたり3つの棘波徐波発射において役割を果たすことが知られている。Tカルシウムチャンネルを阻害する抗てんかん薬は、欠神発作の制御に特に有用であることが報告されている。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、GABA模倣体又はGABAアゴニストと共投与される。例示的なGABA模倣体には、チアガビン、ビガバトリンなどが含まれるが、これらに限定されない。理論に束縛されることなく、GABAがGABA−Aレセプターに結合するとき、陰性荷電イオンである塩化物の、細胞内への通過は、塩化物チャンネルを介して促進されることが本明細書において考えられる。塩化物の流入は、細胞の陰性を増加し、より多くの陰性の静止膜電位をもたらす。この陰性は、細胞が活動電位に達することを著しく困難にする。GABAは、酵素であるグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)の仲介によるグルタミン酸塩の脱炭酸反応により生成される。特定のAEDは、GABAの生成及びグルタミン酸塩の下方制御を促進する、この酵素のモジュレーターとして作用することが報告されている。他のAEDは、薬剤のチアガビンのようにGABAの再取込みを遮断することにより、あるいは、薬剤のビガバトリンのようにGABAトランスアミナーゼにより仲介される代謝を阻害することにより、この様式の塩化物コンダクタンスに対してアゴニストとして機能し、シナプス後レセプターにおいてGABAの蓄積の増加をもたらすことができる。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、1つ以上のGABAトランスアミダーゼインヒビターと共投与する工程を含む、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法が本明細書に記載される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、1つ以上のT型カルシウムチャンネルインヒビターと共投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。
他のAEDは、水素イオンの細胞内濃度を増加しpHを減少する酵素の炭酸アンヒドラーゼの阻害により、効能を発揮することが報告されている。カリウムイオンは細胞外区画にシフトして、酸塩基状態を緩衝する。この事象は、過分極及び細胞の発作閾値の増加をもたらす。炭酸アンヒドラーゼのインヒビターであるアセタゾールアミドは、月経期あたりに集中する発作のような月経パターンを伴う難治性発作の補助療法として使用されてきた。トピラメート及びゾニサミドも、この酵素の弱いインヒビターであるが、その活性は、観察される抗発作効能において重要な機構であるとは思われない。他のAEDは、特定の性ホルモンの活性を模倣することが報告されている。例えば、プロゲステロンは、GABA−Aレセプターにおいて塩化物コンダクタンスを増加させることによって作用し、グルタミン酸興奮性反応を減衰させる、天然の抗痙攣薬である。また、GAD及びGABA−AレセプターサブユニットのメッセンジャーRNAを変質する。対照的に、エストロゲンは、塩化物コンダクタンスを低減し、海馬のCA1領域におけるNMDAレセプターのアゴニストとして作用する、痙攣促進薬として作用する。別の例示的な実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、前記AEDのそれぞれの1つ以上と共投与される。
別の例示的な実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、バルプロ酸、バルプロ酸ナトリウム、ジバルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸ナトリウム放出調節剤、チアガビン及びトピラメートのような1つ以上のGABAアゴニストと共投与される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、バルプロ酸ナトリウムと共投与される。別の例示的な実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、1つ以上のバルビツレートと共投与される。従来のバルビツレートは、これらの薬剤において観察される高い有害事象の傾向のために、広く使用されてこなかったことが理解される。そうであっても、理論に束縛されないが、本明細書に記載されるように併用治療として使用される場合、低用量を1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩と一緒に使用すると、改善された治療濃度域をもたらすことが、本明細書において理解される。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、1つ以上の、スタチンとも呼ばれるHMG−CoAレダクターゼのインヒビターと共投与する工程を含む、てんかん及びてんかん症候群を治療する方法が本明細書に記載される。例示的なスタチンには、シンバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン若しくはセリバスタチン又は前記のいずれかの治療有効酸付加塩形態を含む、その薬学的に許容される塩が含まれる。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、シンバスタチンと共投与される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、シンバスタチン及びバルプロ酸ナトリウムと共投与される。別の実施態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、1つ以上のスタチン及び1つ以上のGABAトランスアミダーゼインヒビターと共投与する工程を含む方法が、本明細書に記載される。
本明細書に記載されるいずれかの実施態様において、対応する酸付加塩を投与できることが理解されるべきである。例示的な酸塩は、塩酸又は臭化水素酸を含むハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸から、及び酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、石酒酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモン酸などのような有機酸から形成されうるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、用語「治療有効量」は、治療される疾患又は障害の症状の緩和を含む、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医により探求される組織系、動物又はヒトにおいて生物学的又は医学的反応を誘発する活性化合物又は医薬剤の量を意味する。加えて、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩と、1つ以上のNMDAアンタゴニスト及び/又は1つ以上の抗てんかん薬の投与を含む併用治療に注目した本明細書に記載されるこれらの実施態様において、「治療有効量」は、組み合わせた効果が所望の生物学的又は医学的反応を誘発するように一緒に組み合わせた作用物質の量を意味する。例えば、ジメボンとトピラメート、ジメボンとシンバスタチンなどのような、組み合わせ又は共投与した化合物及び組成物の治療有効量は、例示的に、一緒に又は連続して使用した場合に治療に効果的である組み合わせ効果を有する、ジメボンの量とトピラメートの量又はジメボンの量とシンバスタチンの量などである。更に、共投与を含むような方法の幾つかの実施態様において、ジメボン、トピラメート及び/又はシンバスタチンなどの量は、個別にすると、治療有効的である場合も、又は治療有効的でない場合もあることが理解される。
加えて、併用療法に注目した本明細書に記載されるこれらの実施態様において、「治療有効量」は、組み合わせた効果が所望の生物学的又は医学的反応を誘発するように一緒に組み合わせた作用物質の量を意味する。例えば、1つ以上のジメボリン及び1つ上の追加的なサブタイプ選択的又はサブタイプ特異的NMDAアンタゴニストの治療有効量は、一緒又は連続して使用した場合に治療に効果的である組み合わせ効果を有する各成分の量である。更に、共投与を含むような方法の幾つかの実施態様において、例えば1つ以上のジメボリン及び1つ以上の追加的なサブタイプ選択的又はサブタイプ特異的NMDAアンタゴニストの共投与量は、個別にすると、治療有効的である場合も、又は治療有効的でない場合もあることが理解される。
単剤療法又は併用療法を意味するかにかかわらず、治療有効量は、本明細書に記載される1つ以上の化合物の投与の際に生じうる任意の毒性又は他の望ましくない副作用を参照して有利に選択されることも理解される。更に、本明細書に記載される併用治療は、そのような毒性又は他の望ましくない副作用を示す化合物の低用量の投与を可能にする場合があり、その低用量は、毒性の閾値未満であるか又はそうでなければ併用治療の不在下で投与されるよりも低い治療濃度域であることが理解される。
したがって、別の例示的な実施態様において、本明細書に記載されている方法により患者に投与される1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストの量は、そのようなNMDAレセプターアンタゴニストを使用する従来の単剤療法において与えられる量以下である。別の例示的な実施態様において、本明細書に記載されている方法により患者に投与される抗てんかん薬の量は、そのような抗てんかん薬を使用する従来の単剤療法において与えられる量以下である。
NMDAレセプターアンタゴニスト及び/又は抗てんかん薬のいずれか又は両方が1つ以上のジメボリン及びその薬学的に許容される塩と共投与される別の例示的な実施態様において、共投与は、2つ以上の化合物が同時又は同時存在的に与えられる投与プロトコールを含む。共投与は、任意の特定の時間枠に限定されないことが理解されるべきである。例えば、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩が1日おきに与えられ、NMDAアンタゴニストがジメボリンの投与されない日に1日おきに与えられる投与プロトコールは、本明細書に記載される共投与方法に含まれる。
別の実施態様において、1つ以上のジメボリンの治療有効量は、NMDAレセプターを拮抗し、L型カルシウムチャンネルのようなカルシウムチャンネルを遮断することができる量である。一つの変形において、治療有効量は、NMDAレセプターの選択されたサブタイプのみを遮断し、L型カルシウムチャンネルのようなカルシウムチャンネルを遮断することができる。別の実施態様において、1つ以上のジメボリンの治療有効量は、ミトコンドリア膜透過性遷移孔を阻害又は遮断することができる量である。別の実施態様において、1つ以上のジメボリンの治療有効量は、NMDAレセプターを拮抗し、L型カルシウムチャンネルのようなカルシウムチャンネルを遮断し、ミトコンドリア膜透過性遷移孔を阻害又は遮断することができる量である。
本明細書で使用されるとき、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む任意の生成物、並びに特定の成分の特定の量の組み合わせから直接的又は間接的にもたらされる任意の生成物を一般に意味する。例示的に、組成物は1つ以上の担体、希釈剤及び/又は賦形剤を含むことができる。本明細書に記載される化合物を、1つ以上の担体、希釈剤及び/又は賦形剤を含んで、本明細書に記載される方法により従来の投与形態で治療有効量に配合することができる。そのような製剤組成物を、当該技術において認められる生成物を利用して、多種多様な投与フォーマットで本明細書に記載される方法により多種多様な従来の経路で投与することができる。概説は、Remington's Pharmaceutical Sciences, (16th ed. 1980)を参照すること。本明細書に記載される組成物を、本明細書に記載される単離化合物から、又は本明細書に記載される化合物の塩、溶液、水和物、溶媒和物及び他の形態から調製できることが理解されるべきである。組成物を、本明細書に記載される化合物の多様な非晶質、非−非晶質、部分結晶質、結晶質及び他の形態学的形態で調製できることも、理解されるべきである。
投与される最適な投与量及び投与レジメンは、当業者によって容易に決定することができ、投与様式、調合剤の強度及び疾患状態の進展によって変わる。加えて、患者の性別、年齢、体重、食事、身体活動、投与時間及び随伴疾患を含む、治療される特定の患者に関連する要因が、投与量及び/又はレジメンの調整の必要性をもたらす。
例示的な投与方法の例には、経口(経口)、静脈内(静注)、筋肉内(筋注)、皮下(皮下)、経皮及び直腸内が挙げられるが、これらに限定されない。化合物を、ポンプ装置を有する又は有さない頭蓋内若しくは脊椎内針及び/又はカテーテルを介した送達によって、脳内、脳室内(intraventricular)、側脳室内(intracerebroventricular)、髄内、槽内、脊髄内及び/又は脊髄周囲を含む経路(しかしこれらに限定されない)で神経系に直接投与することもできる。1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の共投与を含む本明細書に記載される方法において、共投与又は組み合わせにおける個別の成分を、同時、連続、別個又は単一医薬製剤により任意の適切な手段で投与できることが理解されるべきである。1つ以上のジメボリン、NMDAレセプターアンタゴニスト及び抗てんかん薬が別々の投与形態で投与される場合、各化合物の1日に投与される投与回数は、同一又は異なっていることができる。ジメボリン、並びに場合によりNMDAレセプターアンタゴニスト及び/又は抗てんかん薬を、同一又は異なった投与経路で投与することができる。ジメボリン、並びに場合によりNMDAレセプターアンタゴニスト及び/又は抗てんかん薬を、同時又は交互レジメンに従って、治療の際の同時又は異なる時点で、平行して、分割又は単一形態により投与することができる。
単独又は別の成分と組み合わせた、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の広範囲の用量を、本明細書に記載される方法及び組成物に使用できることが理解されるべきである。加えて、任意の適切な投与経路を本明細書に記載される方法において使用することができる。加えて、任意の適切な製剤を本明細書に記載される方法において使用することができる。別の例示的な実施態様において、単独又は別の成分と組み合わせた1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の経口製剤が記載される。別の例示的な実施態様において、単独又は別の成分と組み合わせた1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の非経口製剤が記載される。
別の実施態様において、本明細書に記載される方法は、本明細書に記載される化合物及び/又は化合物の組み合わせの制御放出及び/又は徐放製剤の使用を含む。1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩の制御放出及び/又は徐放製剤は、投与間の治療有効血中レベルの維持にとって有利でありうることが理解される。別の実施態様において、患者に接着させる又は患者が着用することができるポンプ及び/又はパッチに適した製剤を含む、非経口投与に適した製剤が本明細書に記載される。
本明細書に記載される方法の別の例示的な実施態様において、本明細書に記載される1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、約0.1mg/kg〜約1g/kg、約0.1mg/kg〜約1mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約1mg/kg〜約10mg/kg、約1mg/kg〜約100mg/kg、約1mg/kg〜約200mg/kg、約1mg/kg〜約500mg/kg、約1mg/kg〜約1g/kg、約10mg/kg〜約100mg/kg、約10mg/kg〜約200mg/kg、約10mg/kg〜約500mg/kg、約10mg/kg〜約1g/kg、約20mg/kg〜約50mg/kg、約20mg/kg〜約100mg/kg、約20mg/kg〜約200mg/kg、約50mg/kg〜約100mg/kg、約50mg/kg〜約200mg/kg、約100mg/kg〜約200mg/kg、約100mg/kg〜約500mg/kg又は約100mg/kg〜約1g/kgの範囲で経口により患者に例示的投与され、ここで用量は、1つ以上のジメボリンの合計に対応する。1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニスト及び/又は1つ以上のスタチン及び/又は1つ以上のAEDのような本明細書に記載されている他の化合物と組み合わせて使用される場合、低用量範囲を例示的に使用することができることも理解される。
本明細書に記載される方法の別の例示的な実施態様において、本明細書に記載される1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、約0.1mg/kg〜約1g/kg、約0.1mg/kg〜約1mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約1mg/kg〜約10mg/kg、約1mg/kg〜約100mg/kg、約1mg/kg〜約200mg/kg、約1mg/kg〜約500mg/kg、約1mg/kg〜約1g/kg、約10mg/kg〜約100mg/kg、約10mg/kg〜約200mg/kg、約10mg/kg〜約500mg/kg、約10mg/kg〜約1g/kg、約20mg/kg〜約50mg/kg、約20mg/kg〜約100mg/kg、約20mg/kg〜約200mg/kg、約50mg/kg〜約100mg/kg、約50mg/kg〜約200mg/kg、約100mg/kg〜約200mg/kg、約100mg/kg〜約500mg/kg又は約100mg/kg〜約1g/kgの範囲で非経口により患者に例示的投与され、ここで用量は、1つ以上のジメボリンの合計に対応する。1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニスト及び/又は1つ以上のスタチン及び/又は1つ以上のAEDのような本明細書に記載されている他の化合物と組み合わせて使用される場合、低用量範囲を例示的に使用することができることも理解される。
別の実施態様において、単独又は組み合わせで使用される場合、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、平均体重の成人のおよそ6.0、30、60、120又は300mgに対応する、0.1、0.5、1.0、2.0又は5.0mg/kgの1日用量で患者に経口投与される。前記に限定されることなく、そのような低用量のジメボリンは、断続的又は急性投与ではなく、継続投与のために設計された、進行中又は慢性療法のほうに適用できることが理解される。したがって、1日用量を1日2回及び/又は1日3回に分割及び投与することができるが、1日当たりの投与量が本明細書に記載されることが理解されるべきである。
本明細書に記載される例示的な用量は、1日用量を表し、したがって、1日1回、1日2回、1日3回及び追加的な投与プロトコールに従って投与できることが理解されるべきである。加えて、用量は単一又は分割でありうることが理解されるべきである。
1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニスト及び/又は1つ以上のスタチン及び/又は1つ以上のAEDのような本明細書に記載されている他の化合物と組み合わせて使用される場合、低用量範囲を例示的に使用することができることが理解される。本明細書に記載されているように、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、2つ以上の異なるの投与濃度域内で効能がありうることが更に理解される。ジメボリンは複数の機構を介して効果的に稼働するので、ジメボリンは、低用量で第1作用機構により効果的であり、また、高用量で第2作用機構により効果的でありうることが、発見されている。
したがって、また本明細書に記載されるものは、1つ以上のジメボリンの合計が5mg又は10mgのような低用量の1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩、及び1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む、経口投与用の単位投与形態である。例示的に、単位投与形態は錠剤又はカプセル剤である。
別の実施態様において、本明細書に記載される方法は、小児に使用する錠剤の使用を含む。小児投与量は、mg/kgに基づいて成人用量と直線的に関連しない場合があることが理解されるべきである。例示的に、2mg、2.5mg、3mg、5mg、10mg又は15mgを含む経口用量のようなジメボリンの小児投与量が本明細書に記載されており、それぞれ、1日1回、1日2回、1日3回又は追加的な投与プロトコールに従って、単一又は分割単位用量フォーマットで投与することができる。
前記実施態様のそれぞれの一つの変形において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は1日3回投与される。
別の実施態様において、慢性投与プロトコールが本明細書に記載される方法において記載される。一つの態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、患者がてんかんのあらゆる兆候又は症状を示しているかにかかわらず、てんかんを軽減する必要のある患者に継続的に投与される。例示的に、投与される用量は、本明細書に記載される投与量の低い範囲から選択される。別の実施態様において、急性投与プロトコールが本明細書に記載される方法において記載される。一つの態様において、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、てんかんの最近の又は予測される兆候又は症状により決定されて、てんかんを軽減する必要のある患者に断続的に投与される。例示的に、投与される用量は、本明細書に記載される投与量の高い範囲から選択される。
別の実施態様において、単独又は組み合わせで使用される場合、1つ以上のジメボリン又はその薬学的に許容される塩は、平均体重の成人のおよそ300、600、900、1200、1500又は1800mgに対応する、5.0、10、15、20、25又は30mg/kgの1日用量で患者に静脈内投与される。前記に限定されることなく、そのような高用量のジメボリンは、進行中又は慢性療法ではなく、救助又は救急の状態のような、急性療法のほうに適用できることが理解される。
別の実施態様において、本明細書に記載される方法は、以下の成人用の2工程プロトコール:2mgを毎日3回で7日間、次に5mgを毎日3回、5mgを毎日3回で7日間、次に10mgを毎日3回、又は10mgを毎日3回で7日間、次に20mgを毎日3回のような、所定の時間にわたって用量が徐々に増加する滴定工程を含む。
別の実施態様において、医薬組成物の作成方法が本明細書に記載される。この方法は、1つ以上のジメボリン及び1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニスト又は前記の薬学的に許容される塩を共投与に適合させる工程を含む。別の実施態様において、この方法は、1つ以上のジメボリン及び1つ以上の他の抗てんかん薬又は前記の薬学的に許容される塩を共投与に適合させる工程を含む。別の実施態様において、この方法は、1つ以上のジメボリン、1つ以上の他の抗てんかん薬及び1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニスト又は前記の薬学的に許容される塩を共投与に適合させる工程を含む。
別の実施態様において、医薬組成物パッケージが本明細書に記載される。一つの実施態様において、パッケージは、それぞれ共投与に適合させた、1つ以上のジメボリンの治療有効量及び1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストの治療有効量又は前記の薬学的に許容される塩を含む。別の実施態様において、パッケージは、それぞれ共投与に適合させた、1つ以上のジメボリンの治療有効量及び1つ以上の他の抗てんかん薬の治療有効量又は前記の薬学的に許容される塩を含む。別の実施態様において、パッケージは、それぞれ共投与に適合させた、1つ以上のジメボリンの治療有効量、1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストの治療有効量及び1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストの治療有効量又は前記の薬学的に許容される塩を含む。
本明細書に記載されている方法及び医薬の前記実施態様のそれぞれにおいて、任意の1つ以上のジメボリンを含めることができることが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されている方法及び医薬の前記実施態様のそれぞれにおいて、ジメボリンは、ジメボン(ジメボリン塩酸塩)又は他の薬学的に許容されるその塩であることができる。
本明細書に記載されている1つ以上の化合物を使用するてんかん又はてんかん症候群の1つ以上の作用を治療又は改善するための本明細書に記載されている方法の効果的な使用は、マウス又はウサギモデルのような動物モデルに基づくことができる。例えば、ヒトのてんかん及び/又はてんかん症候群は、機能の欠失及び/又は症状の進展により特徴付けられ、それぞれマウス及びウサギのような動物、並びに他の代用試験動物において誘発することができる。本明細書に記載される治療有効量を決定する本明細書に記載される治療方法及び医薬組成物の評価に使用することができる例示的なモデルには、ウサギ抗GluR3抗体モデル、ラット包括的低酸素モデル、ラット高温誘発モデル、ヒヒ又はネコGABA離脱、破傷風毒素モデル、マウスシスタチンB欠乏モデル、ビーグル又はラット外側流体叩打性損傷モデル、ヒヒ、ニワトリ又はラット/熱水モデル、ラット又はマウスGEPR、DBA/2マウスモデル、マウスELマウスモデル、ラットティッシュ(tish, telencephalic internal structural heterotopia)突然変異モデル、マウスGABAレセプターb3ノックアウトモデル、TNAP−欠乏マウスモデル(BALBcマウス)、黄斑部突然変異マウスモデル、痙攣マウスモデル、マウスエタノール離脱モデル、JNK3同種接合(−/−)ノックアウトマウスモデル及びマウス、ラット又はウサギコカイン誘発モデルが含まれ、これらの記載は、Sarkisian, Epilepsy & Behavior 2, 201-216 (2001)に記載されており、その中の参考文献と共に、その開示は参照として本明細書に組み込まれる。
以下の実施例は、本発明の特定の実施態様を更に例示するが、以下の例示的な実施例は、本発明をいかようにも制限するものとして解釈されるべきではない。
実施例
(例)ラットのカイニン酸又はピロカルピン誘発キンドリングモデル。1つ以上のジメボリンは、ラットにおいて効能があることを示す。簡潔には、本明細書に記載される化合物は、10mg/kgを尾静脈カテーテルにより雄CDラットに静脈内投与し、直後に30mg/kgを皮下注射する。ビヒクル対照は、同じ注射用量のPPCESビヒクル単独を接種する。30分後、規定生理食塩水中のカイニン酸の1mg/kg腹腔内注射を動物に与える(ラットに発作症候群を誘発すると以前に報告されたカイニン酸の用量、Maj et al., Eur. J. Pharm. 359:27 32, 1992)。発作挙動を、カイニン酸注射の後、4時間モニターする。挙動を以下の累積スコア系に基づいて評価する:1ポイント=運動の阻止;2ポイント=頭部及び頸部のミオクローヌス発作(中程度);3ポイント=片側又は両側前肢間代性活性;4ポイント=全身間代;5ポイント=間代強直性発作;6ポイント=てんかん発作重積状態(また、Mathis and Ungerer, Exp. Brain Res. 88:277 282, 1992; Rong et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:9897 9902, 1999; Yang et al., Nature 389:865 870, 1997, Muller-Schwarz et al., Neuroreport, vol. 10, No. 7, 1999, pp. 1517-1522; Ebert et al. Epilepsia 2002, 43 Suppl 5, 86- 95; Tober et al. European Journal of Pharmacology 1996, 303, 163-169; Clifford et al, "Effect of anti-convulsant drugs on kainic acid induced epileptiform activity," Exp. Neurol. 76: 156 (1982)を参照すること)。
(例)ラットにおけるカイニン酸発作試験を使用する慢性抗痙攣活性。本明細書に記載される化合物を含むジメボリンは、ラットカイニン酸抗痙攣活性モデルにおいて効能があることを示す。このモデルは、一般的であるが、ヒトにおいて見出される側頭葉てんかんに最も密接に対応しうる及び/又はより近い予測でありうることも、理解される。しかし、このモデルは、全ての種類のてんかんの一般的な代用であることが理解されるべきである。
雄ウイスターラット(例えば、Elevage Janvier, 53940 Le Genest-Saint-Isle, Franceから取得した雄Rj:ウイスター(ハン)ラット、試験日の体重180〜280g)を、マクロロンケージ(41×25×18cm又は44×28×19cm)の木製の寝床(Litalabo - SPPS, 95100 Argenteuil, France)に4〜6匹の群で入れ、試験日まで食餌及び水を自由に入手させ、約21℃の制御周囲温度及び30〜80%の相対湿度で7:00〜19:00に人工照明(12時間)を維持する。動物を実験室条件に少なくとも3日間順化させる。実験後に生存した動物を、O/CO(20%/80%)の混合物、続いてCOに暴露することにより、実験の終了時に屠殺する。
ジメボン又はその類似体若しくは誘導体を、単独又は本明細書に記載される1つ以上の他の化合物との組み合わせで、1日1回の腹腔内投与を7日間、投与用量が5mL/kgである3つの用量(例えば、1、3及び10mg/kg)で評価する。最後の投与(7日目)を、カイニン酸投与の30分前に注射し、ビヒクル対照群と比較する。試験物品(単一化合物又は組み合わせ)は、0.2%HPMC含有生理食塩水により下記のように調製する。試験物品を、意図される最高用量を生理食塩水中で10分間冷撹拌することにより、可溶性を試験する。可溶性であれば、生理食塩水はビヒクルの役割をし、用量を、W/V(保存)、次にV/V(連続希釈)に調製する。調製物は、それぞれの投与の日に新たに作製することができ、(適切であれば)投与している間、懸濁液の均質性を保つように対策を取ることができる。
ジアゼパム(4mg/kg、腹腔内)を、KAの30分前に0.2%HPMC含有生理食塩水で投与し、基準物質(陽性対照)として使用する。生理食塩水に溶解したカイニン酸(12mg/kg、腹腔内)を、試験物品、ジアゼパム又はビヒクル対照の7日目の投与の30分後に投与する。グルタミン酸作動機構に関連する抗痙攣活性の検出についての追加的な詳細は、Ben-Ari et al, Neuroscience, 6, 1361-1391, 1981に記載されている。
動物にカイニン酸(12mg/kg、腹腔内)を注射する。以下の症状の発生がカイニン酸注射後、120分にわたって注目される:湿性振とう、立ち上がり及び前肢間代を有する立ち上がり。主な評価項目は、それぞれのラットがKA投与後に前肢間代を示すかについての2項目である(0:なし、1:あり)。加えて、症状の最初の出現の潜伏期を測定し、前肢間代の数をカウントする。前肢間代の最初の発生から出発した時間間隔あたりの前肢間代症例の数を、重篤度スケールについて考慮した。1群あたり10匹の動物を試験する。この試験は盲検的に実施する。定量データは、独立スチューデントt検定を使用して治療群とビヒクル対照群を比較することにより分析する。量子データは、フィッシャー直接確率検定を使用して治療群とビヒクル対照群を比較することにより分析する。ジメボンの結果を以下の表に示す。

(a)ビヒクル対照を除いて、1〜6日の毎日に1日1回、次に7日目のカイニン酸投与30分前に腹腔内投与した投与量(mg/kg);(b)10匹の試験動物中、症状の観察された動物数;フィッシャー直接検定により決定された有意差であり、NS=有意ではない、=p<0.05を示す;(c)群の全ての動物で計算した平均時間(秒);スチューデントt検定(不等分散)により決定された有意差であり、NS=有意ではない、=p<0.05、**=p<0.01、***=P<0.001を示す;(d)群の全ての動物で計算した平均数;括弧内は±標準誤差を示す;スチューデントt検定(不等分散)により決定された有意差であり、NS=有意ではない、=p<0.05、**=p<0.01、***=P<0.001を示す;(e)±標準誤差;(f)±標準誤差;(g)ビヒクルと比較した変化%;(h)ビヒクルと比較した変化%。
(例)ラットにおけるカイニン酸発作試験を使用する急性抗痙攣活性。本明細書に記載される化合物を含むジメボン又はその類似体若しくは誘導体は、ラットカイニン酸抗痙攣活性モデルにおいて効能があることを示す。試験物品、ジメボン又はその類似体若しくは誘導体を、単独又は本明細書に記載される1つ以上の他の化合物との組み合わせで、カイニン酸投与の60分前、5mL/kgの投与用量で腹腔内投与した100mg/kgの単一用量を評価し、ビヒクル対照群と比較する以外は、前の例に従う。100mg/kg製剤を0.2%HP含有MC生理食塩水中で調製する。ジメボンの結果を以下の表に示す。

(a)ビヒクル対照を除いて、1〜6日の毎日に1日1回、次に7日目のカイニン酸投与30分前に腹腔内投与した投与量(mg/kg);(b)10匹の試験動物中、症状の観察された動物数;フィッシャー直接検定により決定された有意差であり、NS=有意ではない、=p<0.05を示す;(c)群の全ての動物で計算した平均時間(秒);スチューデントt検定(不等分散)により決定された有意差であり、NS=有意ではない、=p<0.05、**=p<0.01、***=P<0.001を示す;(d)群の全ての動物で計算した平均数;括弧内は±標準誤差を示す;スチューデントt検定(不等分散)により決定された有意差であり、NS=有意ではない、=p<0.05、**=p<0.01、***=P<0.001を示す;(e)±標準誤差;(f)±標準誤差;(g)ビヒクルと比較した変化%;(h)ビヒクルと比較した変化%。
(例)ジメボンのような1つ以上のジメボリン(合計20mg)を、てんかん又はてんかん状態を罹患している又はその軽減を必要としている患者に1日3回投与する。例えば、経口投与用の錠剤形態のジメボン(10mg〜20mgのジメボン、30mgのラクトース及び5mgのステアリン酸マグネシウムを含む)である。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療継続時間は、それぞれの個々の患者におけるてんかんの進行に従って決定され、用量の調整はそれに従って行われる。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療効能は、自己報告によりモニターされ、治療の結果は、スチューデントt検定及び/又はフィッシャー「Fi」基準を使用して統計的に評価する。
(例)ジメボンのような1つ以上のジメボリン(合計25mg)を、てんかん又はてんかん状態を罹患している又はその軽減を必要としている患者に1日3回投与する。例えば、経口投与用の錠剤形態のジメボン(12.5mg又は25mgのジメボン、30mgのラクトース及び5mgのステアリン酸マグネシウムを含む)である。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療継続時間は、それぞれの個々の患者におけるてんかんの進行に従って決定され、用量の調整はそれに従って行われる。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療効能は、自己報告によりモニターされ、治療の結果は、スチューデントt検定及び/又はフィッシャー「Fi」基準を使用して統計的に評価する。
(例)ジメボンのような1つ以上のジメボリン(合計30mg)を、てんかん又はてんかん状態を罹患している又はその軽減を必要としている患者に1日3回投与する。例えば、経口投与用の錠剤形態のジメボン(15mg又は30mgのジメボン、45mgのラクトース及び7.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む)である。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療継続時間は、それぞれの個々の患者におけるてんかんの進行に従って決定され、用量の調整はそれに従って行われる。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療効能は、自己報告によりモニターされ、治療の結果は、スチューデントt検定及び/又はフィッシャー「Fi」基準を使用して統計的に評価する。
(例)ジメボンのような1つ以上のジメボリン(合計30mg)を、てんかん又はてんかん状態を罹患している又はその軽減を必要としている患者に1日2回投与する。例えば、経口投与用の錠剤形態のジメボン(15mg又は30mgのジメボン、45mgのラクトース及び7.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む)である。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療継続時間は、それぞれの個々の患者におけるてんかんの進行に従って決定され、用量の調整はそれに従って行われる。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療効能は、自己報告によりモニターされ、治療の結果は、スチューデントt検定及び/又はフィッシャー「Fi」基準を使用して統計的に評価する。
(例)ジメボンのような1つ以上のジメボリン(合計40mg)を、てんかん又はてんかん状態を罹患している又はその軽減を必要としている患者に1日2回投与する。例えば、経口投与用の錠剤形態のジメボン(20mg又は40mgのジメボン、60mgのラクトース及び10mgのステアリン酸マグネシウムを含む)である。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療継続時間は、それぞれの個々の患者におけるてんかんの進行に従って決定され、用量の調整はそれに従って行われる。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療効能は、自己報告によりモニターされ、治療の結果は、スチューデントt検定及び/又はフィッシャー「Fi」基準を使用して統計的に評価する。
(例)ジメボンのような1つ以上のジメボリン(合計50mg)を、てんかん又はてんかん状態を罹患している又はその軽減を必要としている患者に1日2回投与する。例示的に、経口投与用の錠剤形態のジメボン(25mg又は50mgのジメボン、60mgのラクトース及び10mgのステアリン酸マグネシウムを含む)である。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療継続時間は、それぞれの個々の患者におけるてんかんの進行に従って決定され、用量の調整はそれに従って行われる。本明細書に記載されるこの及び他の例における治療効能は、自己報告によりモニターされ、治療の結果は、スチューデントt検定及び/又はフィッシャー「Fi」基準を使用して統計的に評価する。
(例)ジメボンを本明細書に記載されているように、例えば20mg、25mg又は30mgを1日3回経口投与し、経口シンバスタチン(20mg錠剤、Merck & Co Inc)を1日2回共投与する。
(例)ジメボンを本明細書に記載されているように、例えば20mg、25mg又は30mgを1日3回経口投与し、経口バルプロ酸ナトリウム錠剤(500mg、Sanofi-Aventis)を1日3回共投与する。
(例)ジメボンを本明細書に記載されているように、例えば20mg、25mg又は30mgの経口投与を1日3回、若年性ミオクローヌスてんかんを診断された患者に投与し、経口シンバスタチン(20mg錠剤、Merck & Co Inc)を1日2回共投与し、経口バルプロ酸ナトリウム(500mg錠剤、Sanofi-Aventis)を1日3回共投与する
(例)ジメボンを本明細書に記載されているように、例えば20mg、25mg又は30mgの経口投与を1日3回、若年性定型欠神てんかんを診断された患者に投与し、20mgの経口メマンチン(10mg、1日2回)を共投与する。一つの変形において、治療を、1週間目には5mg(1日1回)のジメボン(朝に錠剤の半分)、2週間目には1日あたり10mg(錠剤の半分を1日に2回)、3週間目には1日あたり15mg(朝に錠剤1個、午後又は晩に錠剤の半分)、次に4週目及びそれ以降は推奨用量の1日あたり20mg(1個の錠剤を1日2回)により始める。別の変形において、治療を、1週間目にはメマンチンと共に5mg(1日1回、朝に錠剤の半分)のジメボン、2週間目には1日あたり10mg(錠剤の半分を1日に2回)、3週間目には1日あたり15mg(朝に錠剤1個、午後又は晩に錠剤の半分)、次に4週目及びそれ以降は推奨用量の1日あたり20mg(1個の錠剤を1日2回)により始める。
(例)ジメボンを本明細書に記載されているように、例えば20mg、25mg又は30mgの経口投与を1日3回、若年性定型欠神てんかんを診断された患者に投与し、経口エトスクシミド(250mg錠剤、Pfizer)を1日3回共投与する。
(例)ジメボンを本明細書に記載されているように、例えば20mg、25mg又は30mgの経口投与を1日3回、若年性定型欠神てんかんを診断された患者に投与し、経口バルプロ酸ナトリウム錠剤(500mg、Sanofi-Aventis)を1日2回共投与する。
(例)ジメボンを本明細書に記載されているように、例えば20mg、25mg又は30mgの経口投与を1日3回、複雑部分発作を診断された患者に投与し、経口オキシカルバマゼピン(600mg錠剤)を1日3回共投与する。
(例)ジメボンを本明細書に記載されているように、例えば2×25、2×50又は2×100mgの経口投与を1日3回、若年性定型欠神てんかんを診断された患者に投与し、20mgの経口メマンチン(10mg、1日2回)を共投与する。一つの変形において、治療を、1週目には25mg(1日1回)のジメボン、2週目には1日あたり2×25mg、3週目には1日あたり3×25mg、次に4週目及びそれ以降には推奨された用量の1日あたり2×50mgにより始める。別の変形において、治療を、1週目にはメマンチンと共に25mg(1日1回)のジメボン、2週目には1日あたり2×25mg、3週目には1日あたり3×25mg、次に4週目及びそれ以降には推奨された用量の1日あたり2×50mgにより始める。
(例)ジメボンを本明細書に記載されているように、例えば100mgの経口投与を1日3回、若年性欠神てんかんを診断された患者に投与し、経口エトスクシミド(250mg錠剤、Pfizer)を1日3回共投与する。
(例)ジメボンを本明細書に記載されているように、例えば100mgの経口投与を1日3回、若年性欠神てんかんを診断された患者に投与し、経口バルプロ酸ナトリウム錠剤(500mg、Sanofi-Aventis)を1日2回共投与する。
(例)ジメボンを本明細書に記載されているように、例えば100mgの経口投与を1日3回、複雑部分発作を診断された患者に投与し、経口オキシカルバマゼピン(600mg錠剤)を1日3回共投与する。

Claims (43)

  1. てんかん及びてんかん症候群からなる群より選択される疾患を、その軽減が必要な患者において治療する方法であって、1つ以上のジメボリンの治療有効量又はその薬学的に許容される塩を患者に投与する工程を含む方法。
  2. 1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストの治療有効量又はその薬学的に許容される塩を共投与する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  3. 少なくとも1つのNMDAレセプターアンタゴニストが、リルゾール、メマンチン及びデキストロメトルファン、並びにそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される、請求項2記載の方法。
  4. 1つ以上の他の抗てんかん薬の治療有効量又はその薬学的に許容される塩を共投与する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  5. 他の抗てんかん薬がナトリウムチャンネルブロッカーである、請求項4記載の方法。
  6. 1つ以上のスタチンの治療有効量又はその薬学的に許容される塩を共投与する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  7. 1つ以上のAMPAアンタゴニストの治療有効量又はその薬学的に許容される塩を共投与する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  8. 疾患が全般性てんかんである、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 全般性てんかんが強直間代性てんかんである、請求項8記載の方法。
  10. 全般性てんかんが間代性てんかんである、請求項8記載の方法。
  11. 間代性てんかんが強直性の特徴を有する、請求項10記載の方法。
  12. 間代性てんかんが強直性の特徴を有さない、請求項10記載の方法。
  13. 全般性てんかんが定型欠神てんかんである、請求項8記載の方法。
  14. 全般性てんかんが非定型欠神てんかんである、請求項8記載の方法。
  15. 全般性てんかんがミオクローヌス性欠神てんかんである、請求項8記載の方法。
  16. 全般性てんかんが強直性てんかんである、請求項8記載の方法。
  17. 全般性てんかんがミオクローヌス性てんかんである、請求項8記載の方法。
  18. 全般性てんかんが両側汎発性ミオクローヌスである、請求項8記載の方法。
  19. 全般性てんかんが眼瞼ミオクローヌスである、請求項8記載の方法。
  20. 眼瞼ミオクローヌスが欠神発作を伴う、請求項19記載の方法。
  21. 眼瞼ミオクローヌスが欠神発作を伴わない、請求項19記載の方法。
  22. 全般性てんかんがミオクローヌス−無緊張性てんかんである、請求項8記載の方法。
  23. 全般性てんかんが陰性ミオクローヌスである、請求項8記載の方法。
  24. 全般性てんかんが無緊張性てんかんである、請求項8記載の方法。
  25. 全般性てんかんが反射性てんかんである、請求項8記載の方法。
  26. 疾患が焦点てんかんである、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  27. 焦点てんかんが焦点感覚性てんかんである、請求項26記載の方法。
  28. 焦点感覚性てんかんが基本的な感覚症状を伴って存在する、請求項27記載の方法。
  29. 焦点感覚性てんかんが経験的な感覚症状を伴って存在する、請求項27記載の方法。
  30. 焦点てんかんが焦点運動性てんかんである、請求項27記載の方法。
  31. 焦点運動性てんかんが基本的な間代性運動兆候を伴って存在する、請求項30記載の方法。
  32. 焦点運動性てんかんが非対称性強直性運動発作を伴って存在する、請求項30記載の方法。
  33. 焦点運動性てんかんが典型的な自動症を伴って存在する、請求項30記載の方法。
  34. 焦点運動性てんかんが多動自動症を伴って存在する、請求項30記載の方法。
  35. 焦点運動性てんかんが焦点陰性ミオクローヌスを伴って存在する、請求項30記載の方法。
  36. 焦点運動性てんかんが抑制運動性発作を伴って存在する、請求項30記載の方法。
  37. 焦点てんかんが笑いてんかんである、請求項26記載の方法。
  38. 焦点てんかんが半間代性てんかんである、請求項26記載の方法。
  39. 焦点てんかんが二次性全般性てんかんである、請求項26記載の方法。
  40. 焦点てんかんが、焦点性てんかん症候群における反射発作である、請求項26記載の方法。
  41. 1つ以上のジメボリンの治療有効量又はその薬学的に許容される塩、及び1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストの治療有効量又はその薬学的に許容される塩、及び1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤、並びにこれらの組み合わせを含み、1つ以上のジメボリン及び1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストが、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法による共投与に適合されている医薬組成物。
  42. 1つ以上のジメボリンの治療有効量又はその薬学的に許容される塩、及び1つ以上の他の抗てんかん薬の治療有効量又はその薬学的に許容される塩、及び1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤、並びにこれらの組み合わせを含み、1つ以上のジメボリン及び1つ以上の抗てんかん薬が、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法による共投与に適合されている医薬組成物。
  43. 1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストの治療有効量又はその薬学的に許容される塩を更に含み、1つ以上のジメボリン、1つ以上の他の抗てんかん薬及び1つ以上のNMDAレセプターアンタゴニストが、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法による共投与に適合されている、請求項42記載の医薬組成物。
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