JP2012255773A - 試料分析用ディスクおよび試料分析用ディスク製造方法 - Google Patents

試料分析用ディスクおよび試料分析用ディスク製造方法 Download PDF

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公二 辻田
Masayuki Ono
雅之 小野
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祐一 長谷川
Kunihisa Matsuzaki
邦久 松崎
Makoto Itonaga
誠 糸長
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Abstract

【課題】分析する試料に含まれる抗原や抗体の濃度が、低濃度から高濃度まで広い範囲で定量性の高い検出を可能とする。
【解決手段】
試料分析用ディスク面に設けられたグルーブ107およびランド108からなる溝構造またはピット109が設けられた構造を有するトラック領域105に固定化された、生体高分子が結合している標識用ビーズ110を、光学的読み取り手段によって数量を計測するための試料分析用ディスク100において、前記グルーブ107またはランド108の一方、またはピット109のみに、前記標識用ビーズ110が結合された分析用生体高分子に結合する捕捉用生体高分子が固定されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、光学的な方法により血液等の生体試料に含まれる抗原もしくは抗体などの生体高分子を分析するための、試料用分析ディスクおよび試料用分析ディスクの製造方法に関する。
近年、疾患の診断や健康診断における疾病の早期発見などを目的として、血液等に含まれる生体試料から抗原や抗体を検出する免疫検査法(イムノアッセイ)が様々な場面で用いられている。免疫検査法(イムノアッセイ)とは、生体試料に含まれる特定の抗原(または抗体)と特異的に結合する抗体(または抗原)に測定が可能な標識をつけ、両者が反応した結果を定量することで試料に含まれる抗原(または抗体)の濃度を求め疾患の判定を行う方法である。
この方法は比較的感度が高く、操作方法が簡単であることから様々な標識方法が開発された。例えば標識に放射性同位元素を使ったRIA法(ラジオイノムアッセイ)や酵素を利用したEIA法(エンザイムイムノアッセイ)、蛍光標識を使ったFIA法、化学発光を使ったCLIA法などがある。
中でも酵素を利用した方法のひとつであるELISA法(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)はマイクロプレートを用いた検査方法が広く一般に普及して利用されている。マイクロプレートを使った方法は、96穴プレートと汎用のマイクロプレートリーダーを用いて多数の検体を一度に測定することが可能で、コストが比較的安価である。また、放射性物質を使うRIA法と比べ、使用する場所の制限が少ないといったメリットがある。しかしながら、プレートに抗体を固定する前処理、抗体と抗原を反応させる反応時間、反応しなかった標識を洗い流すB/F(bond/free)分離、標識の酵素反応などそれぞれに数十分から数時間を要し、トータルの検査時間は数時間から1日程度かってしまうという問題がある。
このため検査時間を短縮するために、微細加工の技術を利用してマイクロプレートの各ウェルでの操作手順を数センチ角のチップ上に置き換えた分析用チップ(Lab on a chip)も開発されている。抗体の固定や専用の試薬をチップ上に準備し、一般的なELISA法の前処理をあらかじめチップに施しておくことで処理時間を短縮する。また、抗原−抗体反応を数十マイクロメートルから数ミリメートルの狭い流路の中で行うことで反応時間を短縮している。これは、各検査用に専用の分析チップとすることで、検査時間を数十分に短縮することが可能としている。従来、患者の検体を採取した後、検査室に送り結果が出るまでに長い時間がかかっていた検査が、心筋マーカーなど一部の検査においては、診察室や患者のベッドサイドでの検査、いわゆるPOCT(ポイント・オブ・ケア・テスト)が可能な機器が開発されている。
特開平05−5741号公報 特表2002−530786号公報
上述した問題に対して、特許文献1には抗体を固定化したディスクに被検液を接触させ、次いで抗体を固定した微粒子を反応させた後、ディスクを回転させながら光ヘッドで走査することによって、ディスク上に捕捉された微粒子の数を計数することで高感度であり短時間での検査を可能にする技術が開示されている。また特許文献2にも光ディスクの構造を利用した方法が開示されており、光ディスクのトラック形状が形成されている面と同一の面に生体試料や粒子を付着させ、光ピックアップを用いて信号の変化を検出する方法が示されている。
しかし、特許文献1および特許文献2に記載された技術において、抗体は、ディスクにおけるグルーブおよびランドの両方に固定されることとなる。このような状態で、抗体に結合した標識用ビーズを計測するには、光ピックアップをランドに対してトラッキングをかけて再生し個数をカウントするとともに、続いてグルーブにもトラッキングをかけて再生し個数をカウントし、その両方を合計しなければならない。すなわちランドおよびグルーブの両方を光ピックアップでトラッキングを取りながら再生しなければならず、そのための制御が複雑になるという問題点がある。
さらに、抗体は、ランドやグルーブの幅に比べ非常に小さいため、ランドやグルーブの中心に必ずしも固定されるとは限らない。例えばDVD基板の場合、ランドおよびグルーブの幅は約370nm、Blu−Rayディスク基板の場合、ランドおよびグルーブの幅は約160nmであるのに対して、抗体の大きさは数nm程度の物が多く、グルーブに対して標識用ビーズを読み取っているにもかかわらず、隣接するランドにおける読み取り対象のグルーブ側に固定化された抗体に結合した標識用ビーズを読み取ってしまうこともある。この場合、正確な計測ができず、計測された抗原の数量に大きな誤差が生じてしまうという問題点がある。
本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、分析する試料に含まれる抗原や抗体などの生体高分子の数量を、正確に定量性の高い検出を可能とする、試料分析用ディスクおよび試料分析用ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明に係る試料分析用ディスク(100)は、ディスク面に設けられたグルーブ(107)およびランド(108)からなる溝構造またはピット(109)が設けられた構造を有するトラック領域(105)に固定化された、生体高分子が結合している標識用ビーズ(110)を、光学的読み取り手段によって数量を計測するための試料分析用ディスク(100)において、前記グルーブ(107)またはランド(108)の一方、またはピット(109)のみに、前記標識用ビーズ(110)が結合された分析用生体高分子に結合する捕捉用生体高分子が固定されていることを特徴とする。
第2の発明に係る試料分析用ディスク(100)は、第1の発明において、前記トラック領域(105)において、前記標識用ビーズ(110)が結合された分析用生体高分子に結合する捕捉用生体高分子が固定されている前記グルーブ(107)またはランド(108)の一方、またはピット(109)以外の範囲における前記捕捉用生体高分子は、除去されていることを特徴とする。
第3の発明に係る試料分析用ディスク(100)は、第1の発明において、前記トラック領域(105)において、前記標識用ビーズ(110)が結合された分析用生体高分子に結合する捕捉用生体高分子が固定されている前記グルーブ(107)またはランド(108)の一方、またはピット(109)以外の範囲における前記捕捉用生体高分子は、特異反応が生じないように変性されていることを特徴とする。
第4の発明に係る試料分析用ディスク(100)の製造方法は、ディスク面に設けられたグルーブ(107)およびランド(108)からなる溝構造またはピット(109)が設けられた構造を有するトラック領域(105)に、標識用ビーズ(110)が結合された分析用生体高分子に結合する捕捉用生体高分子を固定させる固定ステップ、前記固定ステップにおいて固定された前記捕捉用生体高分子に対し、前記グルーブ(107)またはランド(108)の一方、またはピット(109)のみに、前記捕捉用生体高分子が固定されるよう、他の前記捕捉用生体高分子を除去する除去ステップ、を備えることを特徴とする。
第5の発明に係る試料分析用ディスク(100)の製造方法は、第4の発明において、前記除去ステップは、除去対象となるグルーブ(107)またはランド(108)の一方、またはピット(109)以外の部分に、レーザ光を照射することによって、前記他の前記捕捉用生体高分子を除去することを特徴とする。
第5の発明に係る試料分析用ディスク(100)の製造方法は、第4の発明において、前記除去ステップは、除去対象となるグルーブ(107)またはランド(108)の一方、またはピット(109)以外の部分に、レーザ光を照射することによって、前記他の前記捕捉用生体高分子に特異反応が生じないように変性させることを特徴とする。
第6の発明に係る試料分析用ディスク(100)の製造方法は、第4の発明において、前記除去ステップは、除去対象となるグルーブ(107)またはランド(108)の一方、またはピット(109)以外の部分に、レーザ光を照射することによって、前記他の前記捕捉用生体高分子に特異反応が生じないように変性させることを特徴とする。
第7の発明に係る試料分析用ディスク(100)の製造方法は、第5または第6の発明において、前記トラック領域(105)の表面に、レーザ光を吸収する色素の層を形成する層形成ステップを更に備え、
前記固定ステップにおいて、前記捕捉用生体高分子を前記色素の層が形成された前記トラック領域(105)に固定する。
本発明の試料分析用ディスクおよびその製造方法によれば、光ディスクの情報を再生する光学ピックアップと同様の構成で検出が可能であり、装置の小型化、低価格化が可能となるとともに、標識用ビーズを重複カウントすることのなく、1つずつ高速に計数することが出来るので、捕捉された生体高分子(抗原)を低濃度から高濃度の試料まで、より正確に定量性の高い検出測定をすることが出来る。
本発明に係る試料分析用ディスクの読み取り装置の概念ブロック図 本発明に係る試料分析用ディスクの構成概念図 本発明に係る試料分析用ディスクにおけるトラック領域の断面模式図 試料分析用ディスクにおける試料検出方法を表した概念図 本発明に係る試料分析用ディスクにおける断面概念図 本発明に係る試料分析用ディスクの製造方法を表した概念図 本発明に係る試料分析用ディスクの製造方法を表した概念図 本発明に係る試料分析用ディスクの製造方法を表した概念図 本発明に係る試料分析用ディスクの試料検出している状態を表した概念図
図1は、本発明における試料分析用ディスク100を光学的に読み取り、抗体や抗原の検出を行う読み取り装置1の構成ブロック図である。
読み取り装置1の構成は、データやコンテンツ情報が記録された光ディスクを読み取る装置と同一の構成である。読み取り装置1は、スピンドルモータ2、対物レンズ3、アクチュエータ4、ビームスプリッタ5、レーザ発振器6、コリメータレンズ7、集光レンズ8、光検出部9、制御部10を備える。
制御部10は、回転制御部11、計測部12、フォーカス・トラッキング制御部13を備える。読み取り装置1の構成は、上記以外にも必要に応じて他の要素を備えてもよい。
スピンドルモータ2は、回転制御部11の制御によって試料分析用ディスク100を所定の回転速度で回転させる。対物レンズ3は、例えば開口数(NA)が0.85の対物レンズであり、レーザ発振器6から出力されたレーザ光を、試料分析用ディスク100の読み取り面に集光させる。
アクチュエータ4は、フォーカス・トラッキング制御部13の制御によって、レーザ発振器6から出力されたレーザ光を、試料分析用ディスク100の読み取り面に集光させるための調整を行う、例えば2軸のアクチュエータである。ビームスプリッタ5は、レーザ発振器6から出力されたレーザ光を対物レンズ3の方向に反射させるとともに、試料分析用ディスク100からの反射光を光検出部9に導く。
レーザ発振器6は、例えばBlu-ray(BD)ディスクの再生用と同一の波長405nmの半導体レーザ発振器である。コリメータレンズ7は、レーザ発振器6から出力されたレーザ光を並行な光束とする。
集光レンズ8は、ビームスプリッタ5より導かれた光を光検出部9に導く。光検出部9は、フォトダイオードであり、試料分析用ディスク100から反射された光の光量に対応する検出信号を計測部12およびフォーカス・トラッキング制御部13に出力する。
制御部10は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)により構成され、図示しない記憶部等を備える。制御部10は、図示しない操作部による操作に応じた各種制御、光検出部9により出力された検出信号に基づく各種制御等を行う。上記各種制御のうち、本発明の説明に必要な制御として、回転制御部11による制御、計測部12による制御、フォーカス・トラッキング制御部13による制御がある。回転制御部11、計測部12、フォーカス・トラッキング制御部13は、制御部10における処理やプログラム等によって実現される。
回転制御部11は、スピンドルモータ2を制御し、試料分析用ディスク100を所定の回転数で回転させる。計測部12は、光検出部9により出力された検出信号よりRF信号を生成し、生成したRF信号によりグルーブ107やピット109上に固定化された標識用ビーズ110を計数する。
フォーカス・トラッキング制御部13は、光検出部9により出力された検出信号よりFE(フォーカスエラー)信号やTE(トラッキングエラー)信号を生成し、生成した各信号の値によって、アクチュエータ4等を制御し、試料分析用ディスク100の読み取り面に集光させる制御や、トラックに追従させる制御を行う。
次に、本発明の試料分析用ディスク100の一例の構造について、図2から図3を用いて説明する。図2は、本発明に係る試料分析用ディスク100の概念図である。
試料分析用ディスク100は、例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等と同じ直径の円盤形状であり、素材もポリカーボネートなど同様な素材を用いる。
試料分析用ディスク100は、内周側に複数の注入孔101を、試料分析用ディスク100の中心Oに対して回転対象に備えられる。注入孔101は、分析対象となる試料を滴下させるための孔であり、その容積は検査に必要な試料を計量する大きさになっている。具体的には、試料は注入孔101の容積を注入可能となっており、注入された試料は、試料分析用ディスク101の回転により、後述する流路102を伝わり、検出領域104において標識用ビーズ110が検出されるために適切な量である。
また、注入孔101の各々からは滴下された試料が流れる流路102が、試料分析用ディスク100の中心Oから見て放射状に備えられる。さらに、流路102の各々に接続され、試料分析用ディスク100の外周部に位置する検出領域104が備えられる。また、流路102の一部には、試料に含まれる特定の抗原に対して結合する抗体が修飾された標識用ビーズ110が規定量充填されているビーズ充填部103が備えられる。
検出領域104の面積は、流路102を通過して流れてきた試料が、検出領域104において均等に広がり、確実に検出されるよう、接続されている流路102の面積より大きく構成されている。
さらに、試料分析用ディスク100の外周部には、検出領域を含むように、光ディスクの信号面と同様の構造である、スパイラル状のグルーブ107またはピット109が形成される、トラック領域105が備えられる。トラック領域105にグルーブ107が形成されていることにより、試料分析用ディスク100の読み取り面には、図3(a)に示すように、溝となるグルーブ107とランド108とが存在する。また、トラック領域105にピット109が形成されている場合は、図3(b)に示すように、スパイラル状にピット109が形成されている。
このため、図3(a)においては、グルーブ107が凹部120であり、ランド108が凸部121である。また、図3(b)においては、ピット109が凹部120であり、ピット109以外が凸部121となる。
次に、図4により、試料分析用ディスク100を用いた一般的な試料分析方法について説明する。図4は、試料分析用ディスク100における試料検出方法を表した概念図である。
先ず、図4(a)に示すように、捕捉(すなわち定量分析)したい生体高分子である抗原200と特異反応を起こす抗体210を、試料分析用ディスク100上に予め固定する。この抗体210は、捕捉対象となる抗原200を捕捉するため、以下捕捉用抗体211とする。捕捉用抗体211は、捕捉用生体高分子と同意である。
次に、図4(b)に示すように、体液などの被検液220を試料分析用ディスク100上に滴下して、捕捉対象の抗原200と捕捉用抗体211との間で抗原抗体反応を生じさせ、抗原200を捕捉用抗体211に捕捉させる。この捕捉された抗原200を、以下分析用抗原201とする。分析用抗原201は、分析用生体高分子と同意である。
次に、図4(c)に示すように、試料分析用ディスク100上に滴下された被検液220を、純水等を用いてスピン洗浄し、捕捉用抗体211に捕捉された分析用抗原201以外の抗体210を除去する。
次に、図4(d)に示すように、分析用抗原201と抗原抗体反応を起こし、標識用ビーズ110が結合した抗体210が分散した液をディスクに滴下して、抗原抗体反応をさせる。
次に、図4(e)に示すように、純水等を用いて試料分析用ディスク100をスピン洗浄し、分析用抗原201抗原抗体反応を起こさなかった標識用ビーズ110が結合した抗体210を除去し、標識用ビーズ110が結合した抗体210と捕捉用抗体211とでサンドウィッチされた分析用抗原201のみを試料分析用ディスク100上に固定させる。
次に、試料分析用ディスク100をスピンドルモータ2の回転により回転させ、図4(f)に示すように、レーザ発振器6から照射され対物レンズ3により集光したレーザ光を照射し、トラッキングを取りながら、上記方法で捕捉された分析用抗原201に結合している標識用ビーズ110の有無によって、反射して戻ってくるレーザ光の強弱を光検出部9で測定し、得られる波形から標識用ビーズ110の数量すなわち生体高分子の数量を計測している。
このような試料分析用ディスク100の表面に固定される捕捉用抗体211は、通常、固定する捕捉用抗体211に適したpH値に調整された緩衝液中に捕捉用抗体211を分散させ、試料分析用ディスク100上に滴下または塗布した後、試料分析用ディスク100の表面の一部または全体に展開し、好適な温度である一定時間放置して、捕捉用抗体211を試料分析用ディスク100上に物理的に吸着もしくは化学的に結合させることによって固定させることで得られる。
次に、本発明の好ましい実施形態にについて、図面に基づいて詳細に説明をする。なお、本詳細な説明においては、試料分析用ディスク100の表面に連続溝が形成されたいわゆるランド/グルーブ基板において説明を進めるが、本発明は必ずしも連続溝であるランド/グルーブ基板だけでなく、微小な凹凸が連続したピット列として形成された、連続ピットの中心をトラッキングするいわゆるROM型の基板においても適用が可能であり、さらに連続溝のランド/グルーブとピット列が混在している基板においても適用は可能である。
さらに、読み取り装置1によるレーザ光の照射は、試料分析用ディスク100のランド108およびグルーブ107またはピット109が形成された側の表面側から一般的には行われるが、試料分析用ディスク100の基板がレーザ光の波長に対して光透過性のある透明な材料を用いるのであれば、基板の側から基板を透過して照射をしてもかまわない。
図5は、本発明の光ディスク形状のバイオチップである試料分析用ディスク100の断面概念図である。図5(a)においては、試料分析用ディスク100のランド108には捕捉用抗体211が形成されておらず、グルーブ107の底部および側壁のみに固定されている。
図5(a)のように、試料分析用ディスク100のグルーブ107のみに捕捉用抗体211が形成されていれば、その後のプロセスで分析用抗原201および標識用ビーズ110が結合した抗体210は、図5(b)に示すように、グルーブ107においてのみ固定化される。
これに対し、試料分析用ディスク100に固定される捕捉用抗体211が、グルーブ107およびランド108の両方に固定された従来の光ディスク形状のバイオチップの場合、その後のプロセスで分析用抗原201さらに標識用ビーズ110が結合した抗体210は、グルーブ107およびランド108の両方に固定化されてしまう。このような状態になると、前述したようにグルーブ107に光ピックアップでトラッキングを取ると、トラキングされているグルーブ107に隣接するランド108に固定化されている標識用ビーズ110が干渉を起こし、得られる波形変化が生じ、ランド108に固定化されている標識用ビーズ110であるのにかかわらずグルーブ107に固定化された標識用ビーズ110としてカウントしてしまう場合がある。
すなわちランド108をトレースした際にカウントされた標識用ビーズ110が、グルーブ107をトレースした際においてもカウントされる場合があり、重複してカウントされるため、結果的に実際に捕捉された分析用抗原201の数量が多い方向に大きな誤差が出てしまう。従って、本発明のように試料分析用ディスク100に固定される捕捉用抗体211は、グルーブ107のみ、またはランド108のみに予め形成されていれば、正確な定量性の高い標識用ビーズ110の数のカウントができるようになる。なお、ここではグルーブ107のみに捕捉用抗体211が固定された場合について説明しているが、ランド108のみに捕捉用抗体211が固定される場合においても適用できることは言うまでもない。
また、グルーブ107およびランド108からなる溝構造において、グルーブ107またはランド108のみに捕捉用抗体211が固定される例のみならず、ピット109が設けられた構造を有する試料分析用ディスク100であっても、ピット部のみに捕捉用抗体211が固定されるようにすることにより、同様の効果が得られる。
次に、本発明の試料分析用ディスク100において、グルーブ107のみに捕捉用抗体211形成させる方法について図6から図8に基づき説明する。図6は、本発明の試料分析用ディスク100の断面概念図であり、図7は斜視概念図、図8は他の手法による断面概念図である。
図6(a)において、先ず試料分析用ディスク100のトラック領域105に対して固定させる捕捉用抗体211を、グルーブ107およびランド108の両方に固定させる。この状態では、捕捉用抗体211はランド108およびグルーブ107の底面および側面に固定されている。捕捉用抗体211を固定させる手法は、通常、固定する捕捉用抗体211に適したpH値に調整された緩衝液中に捕捉用抗体211を分散させ、ディスク基板上に滴下または塗布してディスク表面の一部または全体に展開し、好適な温度である一定時間放置して、捕捉用抗体211を基板上に物理的に吸着もしくは化学的に結合させることによって固定させる。このため、補足用抗体211は、グルーブ107およびランド108の両方に固定される。
ここで、ディスク基板に使用される材料に特に限定はないが、通常の光ディスクに使われる射出成形が可能なプラスチックであるポリカーボネート樹脂や、脂環式アモルファスポリオレフィン樹脂が好適である。さらに上記樹脂で成形されたランド108およびグルーブ107を有する表面には、滴下または塗布される捕捉用抗体211が固定されやすいように、濡れ性の向上する物質や、捕捉用抗体211と親和性または結合能力のある物質の薄膜層を、基板のランド108およびグルーブ107の形状が損なわない範囲で形成させても良い。
次に、上述したようにして得られたランド108およびグルーブ107の両方に捕捉用抗体211が形成された試料分析用ディスク100を、読み取り装置1にて回転させながら、ランド108にフォーカスおよびトラッキングサーボをかけて、ランド108を図6(b)および図7に示すように、集光したレーザ光で連続照射する。
このとき照射するレーザ光は、通常の再生を行うレーザパワー(おおよそ0.5mW〜1mW)よりも出力の大きいレーザを照射させ、照射されたレーザ光によって生じた熱エネルギーでランド108の温度を高温にし、ランド108に形成された捕捉用抗体211を分解させる。または物理的に除去する。もしくは少なくとも捕捉用抗体211を抗原抗体反応のような特異反応が生じない程度にまで高温にして変性させる。
このように高出力のレーザ光をランド108に連続照射することで、ランド108の捕捉用抗体211は当初の生化学的な反応を起こし得る機能が消失し、結果的にグルーブ107のみに捕捉用抗体211が形成された、試料分析用ディスク100が得られる。
ここで使用するレーザは特に限定はないが、対象となる捕捉用抗体211を効率良く分解させることができる波長、例えば780〜840nmの近赤外レーザや、DVDディスク記録再生装置に使用されている650nmの赤色レーザ、Blu−Rayディスク記録再生装置に使用されている405nmの青紫色レーザのように、コンパクトで小型化が可能な半導体レーザが好ましい。
また、捕捉用抗体211の種類によって上記レーザで分解や変性が起きにくい場合は、図8に示すように、ランド108およびグルーブ107が形成された基板の表面に、予め上記レーザ光を良く吸収する材料、例えば780nm、650nmや405nmで大きな吸収を有する色素(たとえばシアニン色素など)を形成させておき、その色素がレーザ光を吸収して発する熱エネルギーを利用して捕捉用抗体211を分解、変性、除去させてもよい。
以上、詳述したような方法によって、グルーブ107のみに捕捉用抗体211を固定させることで、抗原抗体反応を起こすと、光検出に利用される標識用ビーズ110は、図9に示すようにグルーブ107のみに存在することになり、読み取り装置1でグルーブ107にトラッキングを取りながらトレースしたときに、ランド108から漏れ込んでくる標識用ビーズ110が無いため、標識用ビーズ110を重複カウントすることがなく、1つずつ高速に計数することが出来るので、捕捉された生体高分子(分析用抗原201)を低濃度から高濃度の試料まで、より正確に定量性の高い検出測定をすることが出来る。
1:読み取り装置、2:スピンドルモータ、3:対物レンズ、4:アクチュエータ、5:ビームスプリッタ、6:レーザ発振器、7:コリメータレンズ、8:集光レンズ、9:光検出部、10:制御部100:試料分析用ディスク、101:注入孔、102:流路、103:ビーズ充填部、104:検出領域、105:トラック領域、106:保護層、107:グルーブ、108:ランド、109:ピット、110:標識用ビーズ、200:抗原、210:抗体

Claims (7)

  1. ディスク面に設けられたグルーブおよびランドからなる溝構造またはピットが設けられた構造を有するトラック領域に固定化された、生体高分子が結合している標識用ビーズを、光学的読み取り手段によって数量を計測するための試料分析用ディスクにおいて、
    前記グルーブまたはランドの一方、またはピットのみに、前記標識用ビーズが結合された分析用生体高分子に結合する捕捉用生体高分子が固定されていることを特徴とする試料分析用ディスク。
  2. 前記トラック領域において、前記標識用ビーズが結合された分析用生体高分子に結合する捕捉用生体高分子が固定されている前記グルーブまたはランドの一方、またはピット以外の範囲における前記捕捉用生体高分子は、除去されていることを特徴とする、
    請求項1に記載の試料分析用ディスク。
  3. 前記トラック領域において、前記標識用ビーズが結合された分析用生体高分子に結合する捕捉用生体高分子が固定されている前記グルーブまたはランドの一方、またはピット以外の範囲における前記捕捉用生体高分子は、特異反応が生じないように変性されていることを特徴とする、
    請求項1に記載の試料分析用ディスク。
  4. ディスク面に設けられたグルーブおよびランドからなる溝構造またはピットが設けられた構造を有するトラック領域に、標識用ビーズが結合された分析用生体高分子に結合する捕捉用生体高分子を固定させる固定ステップ、
    前記固定ステップにおいて固定された前記捕捉用生体高分子に対し、前記グルーブまたはランドの一方、またはピットのみに、前記捕捉用生体高分子が固定されるよう、他の前記捕捉用生体高分子を除去する除去ステップ、
    を備えることを特徴とする試料分析用ディスクの製造方法。
  5. 前記除去ステップは、除去対象となるグルーブまたはランドの一方、またはピット以外の部分に、レーザ光を照射することによって、前記他の前記捕捉用生体高分子を除去することを特徴とする、
    請求項4に記載の試料分析用ディスクの製造方法。
  6. 前記除去ステップは、除去対象となるグルーブまたはランドの一方、またはピット以外の部分に、レーザ光を照射することによって、前記他の前記捕捉用生体高分子に特異反応が生じないように変性させることを特徴とする、
    請求項4に記載の試料分析用ディスクの製造方法。
  7. 前記トラック領域の表面に、レーザ光を吸収する色素の層を形成する層形成ステップを更に備え、
    前記固定ステップにおいて、前記捕捉用生体高分子を前記色素の層が形成された前記トラック領域に固定する、
    請求項5または6に記載の試料分析用ディスクの製造方法。
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