JP2012255684A - 圧力センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体基板の一方の面から形成することができる圧力センサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の圧力センサ1の製造方法においては、図4A〜Cに示すように、p型半導体柱7A、7Cを4方向に等分且つ外側又は内側にずらして配置し、そのp型半導体柱7A、7Cの上部に重なるように環状のn型半導体拡散層5を形成し、その環状のn型半導体拡散層5及びp型半導体柱7A、7Cのn型半導体拡散層5との重複部分をエッチングして、環状溝4で囲まれたメサ部3及び4個のブロック状のp型半導体部6A、6B、6C、6Dを半導体基板2の表面側に形成した。
【選択図】図4
【解決手段】本発明の圧力センサ1の製造方法においては、図4A〜Cに示すように、p型半導体柱7A、7Cを4方向に等分且つ外側又は内側にずらして配置し、そのp型半導体柱7A、7Cの上部に重なるように環状のn型半導体拡散層5を形成し、その環状のn型半導体拡散層5及びp型半導体柱7A、7Cのn型半導体拡散層5との重複部分をエッチングして、環状溝4で囲まれたメサ部3及び4個のブロック状のp型半導体部6A、6B、6C、6Dを半導体基板2の表面側に形成した。
【選択図】図4
Description
本発明は、ダイヤフラムを有するゲージ圧用半導体圧力センサなどの圧力センサ及びその製造方法に関する。
従来の半導体圧力センサは、その一例として、ダイヤフラムを有するn型半導体基板及び圧力検出部としての4個のp型半導体部を有する。このダイヤフラムは、半導体基板の裏面側から台形穴状にエッチングすることにより、形成されている。また、4個のp型半導体部は、ダイヤフラムの中心に対して方位角が90度となるように4方向に等分配置される位置においてp型不純物を半導体基板の表面側からブロック状にそれぞれ高濃度添加することにより、形成されている。
このような半導体圧力センサは、半導体基板の裏側から気圧変化等によりダイヤフラムがたわんだときに、p型半導体部の拡散濃度変化に応じたピエゾ抵抗効果を利用することにより、p型半導体部に接続された電極から電気的抵抗変化に応じた圧力変化を検出していた。
しかし、従来の半導体圧力センサにおいては、ダイヤフラムを形成する際、p型半導体部の形成面である半導体基板の表面と反対の裏側面からエッチングしなければならない。そのため、圧力センサの製造工程の際、特殊な製造設備を用いなければならず、製造コストの増加等の不都合が生じていた。
従って、本発明の目的は、半導体基板の一方の面から形成することができる圧力センサ及びその製造方法を提供することにある。
[1]本発明は、上記目的を達成するため、一方の面のみに形成された環状溝により囲まれたメサ部を有する半導体基板と、メサ部の中心を基準にして4方向に略等分配置されていると共に、環状溝の底部中央に対してある一対が内側に、他の一対が外側にずれて配置された4個の半導体部とを備えていることを特徴とする圧力センサを提供する。
[2]また、半導体基板の厚さは、100μm〜500μmであり、環状溝の深さは、半導体基板の厚さの半分以下であることを特徴とする上記[1]に記載の圧力センサであってもよい。
[3]本発明は、上記目的を達成するため、形成予定のメサ部の中心を基準にして4方向に略等分配置されていると共に、形成予定の環状溝の底部中央に対してある一対が内側に、他の一対が外側にずれた位置を目標にして半導体基板の一方の面側から3価不純物をイオン注入し、4個のp型半導体柱を形成するイオン注入工程と、p型半導体柱の形成後、環状溝の溝予定領域全体に5価不純物を添加し、環状のn型半導体拡散層を形成する拡散層形成工程と、不純物濃度に応じたエッチング速度の違いを利用して環状のn型半導体拡散層及びそれに重複するp型半導体柱の上部をエッチングし、環状溝及び4個のブロック状のp型半導体部を形成するエッチング工程とを備えていることを特徴とする圧力センサの製造方法を提供する。
[4]また、エッチング工程において、エッチングは、等方性エッチングであることを特徴とする上記[3]に記載の圧力センサの製造方法であってもよい。
[5]また、半導体基板の厚さは、100μm〜500μmであり、環状溝の深さは、半導体基板の厚さの半分以下であることを特徴とする上記[3]又は[4]に記載の圧力センサの製造方法であってもよい。
本発明によれば、半導体基板の一方の面から形成することができる圧力センサ及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態である圧力センサを説明する。
(圧力センサの構成)
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態に係る圧力センサの構成を説明する。図1は本発明の実施の形態に係る圧力センサを示す平面図、図2は図1のA−A断面図、図3は、図1のB−B断面であって、図2と向きを揃えて図示した回転断面図である。
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態に係る圧力センサの構成を説明する。図1は本発明の実施の形態に係る圧力センサを示す平面図、図2は図1のA−A断面図、図3は、図1のB−B断面であって、図2と向きを揃えて図示した回転断面図である。
本発明の実施の形態に係る圧力センサ1は、半導体基板2、n型半導体拡散層5及びp型半導体部6A、6B、6C、6Dを備える。なお、n型半導体部によりピエゾ抵抗(拡散抵抗)を形成して圧力センサを構成することも可能であるが、以下の説明においては、p型半導体部による圧力センサの構成例で説明する。
半導体基板2は、図1に示すように、Si(シリコン)等の4価の真性半導体を用いて矩形平板状に形成されており、一方の面としてのその表面に平面視矩形状の環状溝4を有する。半導体基板2における環状溝4により囲まれた部分は、その断面が台地状に形成されたメサ部3となる。
環状溝4の溝断面形状は、図2及び図3に示すように、略半円形状、略半楕円形状又は略逆三角形形状となる。この環状溝4の溝断面形状は、エッチングの方法によって異なる。環状溝4の溝断面形状としては、応力集中回避等の観点から、略半円形状又は略半楕円形状であることが好ましい。
半導体基板2の厚さは100μm〜500μmであることが好ましい。環状溝4の深さは半導体基板2の厚さの半分以下であることが好ましい。
n型半導体拡散層5は、図2及び図3に示すように、5価半導体を用いて、環状溝4の内部表面に形成されている。このn型半導体拡散層5は、圧力センサ1を製造する観点からは必要な層であるが、圧力センサ1の特性を発揮させる観点からは特に必要とされない層である。
4個のp型半導体部6A、6B、6C、6Dは、図1に示すように、3価半導体を用いて、環状溝4に沿って延びた略ブロック形状にそれぞれ形成されている。これら4個のp型半導体部6A、6B、6C、6Dは、メサ部3の中心3cを基準に方位角が約90度となるように、半導体基板2の環状溝4に沿って4方向に概ね等分配置されている。
また、相対するある一対のp型半導体部6A、6Cは、図2に示すように、環状溝4の底部中央4cに対して外側にずれて配置されており、相対する他の一対のp型半導体部6B、6Dは、図3に示すように、環状溝4の底部中央4cに対して内側にずれて配置されている。
なお、図1に示すように、各々のp型半導体部6A、6B、6C、6Dの両端には、本発明の実施の形態に係る圧力センサ1と接続するための電極10がそれぞれ形成されている。これらの電極10により各p型半導体部がブリッジ接続されることで、圧力変動による抵抗値変化による差分を出力することができ、高感度の圧力センサが可能となる。
(圧力センサの製造方法)
次に、図4を用いて、本発明の実施の形態に係る圧力センサ1の製造方法を説明する。図4は、図1のA−A断面部において、本実施の形態に係る圧力センサの製造方法をAからDの順に示す縦断面図である。すなわち、この断面図は図2の断面図に対応している。なお、n型半導体部によりピエゾ抵抗(拡散抵抗)を形成して圧力センサを製造することも可能であるが、以下の説明においては、p型半導体部を形成して圧力センサを製造する方法を説明する。
次に、図4を用いて、本発明の実施の形態に係る圧力センサ1の製造方法を説明する。図4は、図1のA−A断面部において、本実施の形態に係る圧力センサの製造方法をAからDの順に示す縦断面図である。すなわち、この断面図は図2の断面図に対応している。なお、n型半導体部によりピエゾ抵抗(拡散抵抗)を形成して圧力センサを製造することも可能であるが、以下の説明においては、p型半導体部を形成して圧力センサを製造する方法を説明する。
本発明の実施の形態の圧力センサ1の製造方法は、図4に示すように、イオン注入工程と、拡散層形成工程と、エッチング工程とを備える。
イオン注入工程においては、図4Aに示すように、半導体基板2の表面側において、フォトレジスト膜や多結晶シリコン膜等の第1マスク8を、図1に示した4個のp型半導体部6A、6B、6C、6Dの形成位置に応じて形成する。次に、第1マスク形成後、B(ボロン)などの3価不純物を半導体基板2の表面側からイオン注入する。この工程により、4個のp型半導体柱7A、7B、7C、7D(2個のp型半導体柱7B、7Dは図示しない。)が形成される。
4個のp型半導体柱7A、7B、7C、7Dは、図1に示した4個のp型半導体部6A、6B、6C、6Dと同様、後の工程で作成予定のメサ部3の中心3cを基準にして、4方向に略等分配置されている。また、上記と同様、後の工程で作成予定の環状溝4の底部中央4cに対して、ある一対のp型半導体柱(図示しない7B、7D)が内側にすれて配置され、他の一対のp型半導体柱7A、7Cが外側にずれて配置される。この配置を目標にして上記イオン注入が行われる。
半導体基板2の厚さは100μm〜500μmである事が好ましい。また、上記イオン注入の深さは、半導体基板2の厚さの半分と同等又はそれ以上に深さであることが好ましい。
拡散層形成工程においては、図4Bに示すように、p型半導体部6A、6B、6C、6Dの形成後、第1マスク8を再利用等することにより、半導体基板2の表面側において図1に示した環状溝4の形成位置に第2マスク9を形成する。次に、環状溝4の中空部4aとなる予定の領域の全体に、P(リン)やAs(ヒ素)などの5価不純物を高濃度添加する。この工程により、環状のn型半導体拡散層5が形成される。
エッチング工程においては、図4Cに示すように、環状のn型半導体拡散層5の一部若しくは全部及び環状のn型半導体拡散層5と重複する部分であるp型半導体柱7A、7B、7C、7Dの上部を選択的にエッチングする。この選択的エッチングを行うため、不純物濃度に応じてエッチング速度の違いが生じることを利用する。これにより、環状溝4及び4個のブロック状のp型半導体部6A、6B、6C、6Dが形成される。
上記エッチングとしては、等方性エッチングであることが好ましい。環状溝4の深さとなるエッチング深さとしては、半導体基板2の厚さの半分以下であることが好ましい。エッチング液としては、フッ硝酸であることが好ましい。
マスキング除去工程においては、マスク除去剤を使用することにより不要になったマスクが除去される。マスキング除去工程は、拡散層形成工程における第2マスク作成前に第1マスク8を部分又は全体除去したり、エッチング工程の前後いずれかにおいて第2マスク9を全体除去したりする際に行われる。
次に、本発明の実施の形態に係る圧力センサ1の作用効果を説明する。
本発明の実施の形態に係る圧力センサ1においては、図1に示すように、圧力検出部としてのメサ部3の環状溝4及び4個のp型半導体部6A、6B、6C、6Dが半導体基板2の一方の面に形成されている。これにより、半導体基板2の一方の面のみの加工により形成された圧力センサ1を提供することができる。
また、図1に示すように、4個のp型半導体部6A、6B、6C、6Dは、メサ部3の中心3cを基準にして4方向に略等分配置されている。これにより、メサ部3が部分変形してもその変化を4個のp型半導体部6A、6B、6C、6Dが検出することができる。
また、4個のp型半導体部6A、6B、6C、6Dは、環状溝4の底部中央4cに対してある一対が内側に、他の一対が外側にずれて配置されている。これにより、環状溝4の底部中央4cに対して外側にずれて配置された一対のp型半導体部6A、6Cは、図2に示すように、メサ部3の上方からメサ部3が押圧されたとき、p型半導体部6A、6B、6C、6Dの内部に圧縮応力を発生させ、p型半導体部6A、6B、6C、6Dのピエゾ抵抗値を変化させることができる。
一方、環状溝4の底部中央4cに対して内側にずれて配置された他の一対のp型半導体部6B、6Dは、図3に示すように、メサ部3の上方からメサ部3が押圧されたとき、p型半導体部6A、6B、6C、6Dの内部に引張応力を発生させ、p型半導体部6A、6B、6C、6Dのピエゾ抵抗値を変化させることができる。
また、半導体基板2の厚さは100μm〜500μmであり、環状溝4の深さは半導体基板2の厚さの半分以下である。これにより、圧力検出時にメサ部3を大きく変化させることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る圧力センサ1の製造方法の作用効果を説明する。なお、この製造方法により製造された圧力センサ1の作用効果のうち、上記の圧力センサ1の作用効果で説明した部分については、その記載を省略する。
本発明の実施の形態に係る圧力センサ1の製造方法においては、図4A〜Cに示すように、p型半導体柱7A、7B、7C、7Dを4方向に等分配置し、そのp型半導体柱7A、7B、7C、7Dの上部に重なるように環状のn型半導体拡散層5を形成し、その環状のn型半導体拡散層5及びp型半導体柱7A、7B、7C、7Dのn型半導体拡散層5との重複部分をエッチングして、環状溝4で囲まれたメサ部3及び4個のブロック状のp型半導体部6A、6B、6C、6Dを半導体基板2の表面側に形成した。これにより、圧力検出部としてのメサ部3の環状溝4及び4個のp型半導体部6A、6B、6C、6Dが半導体基板2の一方の面から形成できるので、特殊な設備を用いることなく圧力センサ1を製造することができる。
また、半導体基板2の裏面からバックグラインド処理により削ることで、板厚を制御できるので高精度の圧力センサを実現することが可能となる。
また、エッチング工程におけるエッチングは、等方性エッチングである。これにより、環状溝4の溝形状を半円形又は半楕円形にすることができるので、環状溝4の内面に生じる応力集中の回避とメサ部の応力変化の容易性向上を実現することができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る圧力センサ1によれば、半導体基板2の一方の面から形成することができる圧力センサ1及びその製造方法を提供することができる。
尚、本発明の実施の形態は、上記示した形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1・・・圧力センサ、2・・・半導体基板、3・・・メサ部、3c・・・メサ部の中心、4・・・環状溝、4a・・・環状溝の中空部、4c・・・環状溝の中央、5・・・n型半導体拡散層、6A〜6D・・・p型半導体部、7A、7C・・・p型半導体柱、8・・・第1マスク、9・・・第2マスク、10・・・電極
Claims (5)
- 一方の面のみに形成された環状溝により囲まれたメサ部を有する半導体基板と、
前記メサ部の中心を基準にして4方向に略等分配置されていると共に、前記環状溝の底部中央に対してある一対が内側に、他の一対が外側にずれて配置された4個の半導体部と
を備えていることを特徴とする圧力センサ。 - 前記半導体基板の厚さは、100μm〜500μmであり、
前記環状溝の深さは、前記半導体基板の厚さの半分以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。 - 形成予定のメサ部の中心を基準にして4方向に略等分配置されていると共に、形成予定の環状溝の底部中央に対してある一対が内側に、他の一対が外側にずれた位置を目標にして半導体基板の一方の面側から3価不純物をイオン注入し、4個のp型半導体柱を形成するイオン注入工程と、
前記p型半導体柱の形成後、前記環状溝の溝予定領域全体に5価不純物を添加し、環状のn型半導体拡散層を形成する拡散層形成工程と、
不純物濃度に応じたエッチング速度の違いを利用して環状のn型半導体拡散層及びそれに重複するp型半導体柱の上部をエッチングし、前記環状溝及び4個のブロック状のp型半導体部を形成するエッチング工程と
を備えていることを特徴とする圧力センサの製造方法。 - 前記エッチング工程において、前記エッチングは、等方性エッチングである
ことを特徴とする請求項3に記載の圧力センサの製造方法。 - 前記半導体基板の厚さは、100μm〜500μmであり、
前記環状溝の深さは、前記半導体基板の厚さの半分以下である
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の圧力センサの製造方法。
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JP2011128027A JP2012255684A (ja) | 2011-06-08 | 2011-06-08 | 圧力センサ及びその製造方法 |
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