JP2012255318A - 凸部付き拡張型ロックボルト - Google Patents

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大輔 小野塚
Mitsugu Hirano
貢 平野
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明浩 真中
Yusuke Hosoda
優介 細田
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Abstract

【課題】軟質、未固結性又は亀裂性の地山においても確実に定着させることができる拡張型ロックボルトを提供する。
【解決手段】周壁の一部分を全長にわたり内側に嵌入させて縮径させると共に長さ方向両端を閉塞した中空鋼管12を地山孔3内に挿入し且つその中空鋼管12の中空部への流体の圧入により周壁を拡径して孔3内に定着させる拡張型ロックボルト10において、中空鋼管12の非嵌入部分13の周壁表面に拡径時に所要引抜き抵抗を与える複数の凸部20を設ける。好ましくは、縮径させた中空鋼管12の非嵌入部分13の周壁表面に対するショットブラスト処理により凸部20を形成し、又は縮径させた中空鋼管12の非嵌入部分13の周壁表面に対する複数の点状突起の溶接又は溶射処理により凸部20を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は凸部付き拡張型ロックボルトに関し、とくに地山に穿った孔内に縮径状態で挿入して拡径することにより定着させる拡張型ロックボルトに関する。
岩盤E(以下、地山Eということがある)内に山岳トンネル1等を構築する場合に、図4に示すように掘削したトンネル内壁面(必要に応じて適当な支保工2で補強した後の内壁面)から地山Eの内部に複数の孔3を穿ち、その穿孔3内にロックボルト10を打ち込んで定着させることによりトンネル内壁面の崩壊や変形を防止することが行われる。例えば図4(B)に示すように、ロックボルト10の定着によってトンネル内壁面に反力プレート5を押し当てることにより、掘削時に生じた地山Eの変形(亀裂の変動等)を固定してトンネル内壁面が内空側に変形するのを防止する。穿孔3内に打ち込んだロックボルト10は、例えば穿孔3内にロックボルト10と共に定着材(セメントミルクや樹脂等のグラウト材)を注入して固化させることにより、穿孔3内に定着させることができる。ただし、定着材を用いる方法は、ある程度の固化時間が必要であるためロックボルト10を早急・早期に定着させることが難しく、軟弱で脆い岩盤や粘土層では定着の効果が低く、更に定着材を流出させる湧水等が発生している場合には適用できない問題点がある。
これに対し、図5に示すように定着材を用いずに地山Eの穿孔3内に定着させることができる拡張型ロックボルト10が開発されている(特許文献1及び2参照)。図示例の拡張型ロックボルト10は穿孔3の径以上の口径Dの中空鋼管11を用い(図5(A)参照)、その中空鋼管11の周壁の一部分を全長にわたり内側に嵌入させることにより周壁を口径D´に縮径させ(図5(C)参照)、縮径した中空鋼管12の両端をスリーブ16、17で閉塞したうえで穿孔3内に挿入し(図5(D)及び(E)参照)、挿入後の縮径中空鋼管12の中空部に高圧流体A(例えば高圧水)を注入して周壁を口径Dに拡径・拡張させることにより(図5(G)〜(I)参照)、穿孔3の内壁と鋼管11の周壁との接触圧によってロックボルト10を穿孔3内に定着させる。
図5の拡張型ロックボルト10は、先ず図5(B)のように口径Dの中空鋼管11を半径方向に押し潰したのち、図5(C)のように押し潰した鋼管11の両端を同じ片側に折り曲げて接触させることにより口径D´の縮径中空鋼管12を形成し、押し潰した鋼管11の片側面を内側に窪んだ嵌入面14とし、押し潰した鋼管11の反対側面を外側に臨む非嵌入面13としている。この方法により縮径中空鋼管12の口径D´を十分小さくすることが可能であるが、縮径中空鋼管12の形成方法(中空鋼管11の周壁の内側への嵌入方法)は図示例に限定されるものではない。次いで図5(D)に示すように、縮径中空鋼管12の一端に内径D´の注水スリーブ16を嵌合して閉塞すると共に、その注水スリーブ16の周壁に縮径中空鋼管12の非嵌入面13を貫通する注水孔16aを穿設する(図5(E)の矢印F、及び図5(F)参照)。必要に応じて、縮径中空鋼管12の一端を注水スリーブ16の端面18との溶接により閉塞してもよい。最後に図5(E)に示すように、縮径中空鋼管12の他端に内径D´の封止スリーブ17を嵌合して閉塞することにより拡張型ロックボルト10を形成する。
図5(E)の拡張型ロックボルト10は、注水スリーブ16の注水孔16aに圧液注入装置を接続したうえで、適当な打ち込み装置を用いて穿孔3内に封止スリーブ17側から挿入することができる(図4(B)参照)。図5(E)の矢印G、及び図5(G)は、穿孔3内に挿入した拡張型ロックボルト10の初期断面図を示す。圧液注入装置から注水孔16aを介して拡張型ロックボルト10の縮径中空鋼管12の中空部(嵌入面14と非嵌入面13とで囲まれた空間)に高圧流体Aを注入することにより、図5(H)及び(I)に示すように縮径中空鋼管12の周壁を穿孔3の径まで拡張させ、更に口径Dの中空鋼管11に復帰させて穿孔3の周囲の地山Eを押し広げることにより載置荷重を増加させる。圧入した流体Aを解放する段階で、穿孔3の半径方向に生じた地山Eの圧力に対して拡張した中空鋼管11が形状を保持しようとすることにより、両者の間にロックボルト10の定着に必要な接触圧を発生させることができる。
特公平2−000520号公報 特許第4107717号公報
図5のような拡張型ロックボルト10は、定着材を用いずに早急・早期に穿孔3内に定着させることができ、トンネル工事等における掘削地山面の崩壊や変形を迅速に防止することが期待できる。ただし、従来の拡張型ロックボルト10は図5(A)のように外表面が平滑な中空鋼管11を用いて造管されているため、例えば地山Eが硬質である場合は中空鋼管11との間の接触圧により充分大きな摩擦抵抗を得ることができるが、地山Eが軟質、未固結性又は亀裂性等である場合には中空鋼管11との間の接触圧によって地山Eの変形が発生し、地山Eとロックボルト10との間の接触圧が不均一となって充分大きな摩擦抵抗を確保することができない問題点がある。地山Eとロックボルト10との間の摩擦抵抗が不十分であると、ロックボルト10を穿孔3内に確実に定着させることができず、ロックボルト10が穿孔3から脱落して抜け出しやすくなる(引抜強度が低下する)おそれがある。
そこで本発明の目的は、軟質、未固結性又は亀裂性の地山においても確実に定着させることができる拡張型ロックボルトを提供することにある。
本発明者は、図5(E)のような拡張型ロックボルト10を、外表面に凹凸が設けられた中空鋼管11を用いて形成することに着目した。表面に凹凸を設けた中空鋼管11を用いれば、ロックボルト10の地山Eとの摩擦抵抗を大きくすると共に穿孔3からの引き抜き耐力(引き抜き強度)を向上させ、軟質地山E等においてもロックボルト10の定着力を高めることが期待できる。しかし、本発明者の予備的実験によれば、図5(C)のような縮径中空鋼管12を用いる拡張型ロックボルト10では、縮径中空鋼管12の内側に窪んだ嵌入面14に凹凸があると、その凹凸が中空鋼管12の拡径・拡張の障害又は抵抗となってロックボルト10の機能を損なうおそれがある。
例えば図5(G)において、縮径中空鋼管12の嵌入面14が相互に接する楕円部分(一点鎖線)に凹凸があると、縮径中空鋼管12の拡径時の抵抗が増大して流体Aの通常の注入圧力では滑らかに拡張せず、拡径後の中空鋼管11に歪を生じる可能性がある。また、縮径中空鋼管12の拡径の態様は必ずしも一様ではなく、例えば図5(H)の楕円部分(一点鎖線)において嵌入面14が相互に接触する場合もあり、そのような接触面に凹凸があるとやはり中空鋼管11の歪又は不十分な拡張の原因となりうる。縮径中空鋼管12の中空部への流体注入圧力を大きくすることで拡径する中空鋼管11の歪を避けることも考えられるが、トンネル工事等のように作業場所・作業時間が限られている場合は極力小型のポンプで流体を注入できることが望ましく、注入圧力の増大はトンネル工事等の進捗を低下させる原因となり得る。また、注入圧力の増大は中空鋼管11の破断等の原因ともなり得る。拡張型ロックボルト10を確実な定着を図るためには、縮径中空鋼管12の滑らかな拡径を妨げることなく地山Eとの摩擦抵抗を増大させることが重要である。なお、図5(G)〜(H)においては穿孔3を略円形の円滑な断面として図示したが、実際の穿孔3は穿孔壁荒れや、穿孔壁の小崩落した岩石が穿孔断面を一部塞ぐことにより略円形断面は部分的に欠損している。断面が欠損した部分では、拡径が滑らかに実現できず嵌入面14の相互の接触が顕著になり拡張が特に不十分となる。本発明は、この知見に基づく研究開発の結果、完成に至ったものである。
図1及び図2の実施例を参照するに、本発明による凸部付き拡張型ロックボルトは、周壁の一部分を全長にわたり内側に嵌入させて縮径させると共に長さ方向両端を閉塞した中空鋼管12(図5(E)も参照)を地山孔3内に挿入し且つその中空鋼管12の中空部への流体Aの圧入により周壁を拡径して孔3内に定着させる拡張型ロックボルト10において、中空鋼管12の非嵌入部分13の周壁表面に拡径時に所要引抜き抵抗を与える複数の凸部20を設けてなるものである。
好ましくは、図1(C)に示すように、中空鋼管12の周壁の所定中心角度部分R2を全長にわたり内側に嵌入させ、周壁の残りの中心角度部分R1に複数の凸部20を設ける。望ましくは、中空鋼管12の周壁の全周に対する40〜50%部分R2を全長にわたり嵌入させ、周壁の残りの60〜50%部分R1に複数の凸部20を設ける。
拡張型ロックボルト10の拡径時における引抜き抵抗は、図2に示すように、非嵌入部分13に設ける各凸部20の径又は面積rと隣接凸部20の間隔又は密度dとにより調整することができる。望ましくは、凸部20の径又は面積rと隣接凸部20の間隔又は密度dと地山孔3の孔径とによって拡張型ロックボルト10の拡径時における引抜き抵抗を調整する。
更に好ましくは、図1(A)に示すように縮径させた中空鋼管12の周壁表面に対するショットブラスト処理により非嵌入部分13の凸部20を形成し、又は図2に示すように縮径させた中空鋼管12の周壁表面に対する複数の点状突起の溶接又は溶射処理により非嵌入部分13の凸部20を形成する。
本発明による凸部付き拡張型ロックボルト10は、周壁の一部分を全長にわたり内側に嵌入させて縮径させた中空鋼管12の周壁を拡径して孔3内に定着させる拡張型ロックボルト10において、その縮径させた中空鋼管12の非嵌入部分13の周壁表面に拡径時に所要引抜き抵抗を与える複数の凸部20を設けるので、次の有利な効果を奏する。
(イ)縮径中空鋼管12の非嵌入部分13にのみ凸部20を設けることにより、中空鋼管12の内側への嵌入部分14の滑らかな拡径・拡張を妨げることなくロックボルト10と地山Eとの摩擦抵抗を増大させることができる。
(ロ)縮径させた中空鋼管12の周壁表面に対するショットブラスト処理を用いることにより、非嵌入部分13の凸部20を容易に形成することができ、また凸部20の径rや密度dを容易に調整することができる。
(ハ)非嵌入部分13に設ける凸部20の径rや密度d(面積rや間隔d)を調整することにより、地山孔3の孔径に応じて拡径時のロックボルト10に付与する所望の引抜き抵抗力を地山に応じて調整することが可能であり、軟質、未固結性又は亀裂性の地山にも確実に定着させることができる拡張型ロックボルトとすることができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態及び実施例を説明する。
は、本発明の拡張型ロックボルトの一実施例の説明図である。 は、本発明の拡張型ロックボルトの他の実施例の説明図である。 は、本発明の拡張型ロックボルトの製造方法の一例の説明図である。 は、地山に定着させるロックボルトの説明図である。 は、従来の拡張型ロックボルトの一例の説明図である。
図1は、本発明による拡張型ロックボルト10の一実施例を示す。図示例のロックボルト10は、図5(E)に示す従来のロックボルト10と同様に、中空鋼管11の周壁の一部分を全長にわたり内側に嵌入させて縮径中空鋼管12を形成したうえで(図5(C)参照)、その縮径中空鋼管12の外側に臨む非嵌入面13に凸部20を形成 したものである。中空鋼管11は従来のロックボルト11と同様のものとすことができ、例えば引張強さ400〜670N/mm、伸び16%以上、板厚2.0〜3.0mmの鋼板を素材とし、口径D=50〜55mmの中空鋼管に成型したものである。例えば、図5(B)〜(C)に示すように中空鋼管11を半径方向に押し潰したのち、その両端を同じ片側に折り曲げて接触させることにより口径D´=34〜38mmの縮径中空鋼管12とすることができる。
図1に示す非嵌入部分13の凸部20は、例えば縮径中空鋼管12の外側に臨む周壁表面に対するショットブラスト処理により形成することができる。例えば、所要粒径rのブラスト材(砂や泥等)を適当な転写材(セメントミルクや樹脂等のグラウト材等)と共にショットブラストによって縮径中空鋼管12の外表面に吹き付けて転写し、そのブラスト材の付着によって縮径中空鋼管12の非嵌入面13に多数の所要粒径rの凸部20を形成する。また、ブラスト材と転写材との混合量により、非嵌入面13に形成される凸部20の密度dを調整することができる。図1(B)に示すように非嵌入面13に形成した凸部20は、縮径中空鋼管12の中空部への流体注入によって口径Dが拡径・拡張するに応じて図1(C)のように穿孔3の内壁(地山E)と接触し、拡径時のロックボルト10の地山Eとの摩擦抵抗を大きくすると共に穿孔3からの引き抜き耐力(引き抜き強度)を向上させる。他方、縮径中空鋼管12の内側に窪んだ嵌入面14にはブラスト処理時にブラスト材が付着せず、嵌入部分14には凸部20が形成されないので、縮径中空鋼管12は凸部20に妨げられることなく通常の流体注入圧力(例えば10〜30MPa)で滑らかに拡径することができる。
図1(C)から分かるように、拡径時のロックボルト10と地山Eとの摩擦抵抗を増大させるためには、凸部20を形成する縮径中空鋼管12の非嵌入面13の嵌入面14に対する面積比率、すなわち周壁のうち非嵌入面13の中心角度部分R1を嵌入面14の所定中心角度部分R2に対してできるだけ大きくすることが望ましい。しかし、図1(C)に示すように中空鋼管11の全周に対する40〜50%部分R2を嵌入面14とし、周壁の残りの60〜50%部分R1を非嵌入面13として凸部20を設けることにより、ロックボルト10と地山Eとの摩擦抵抗を十分増大させることが可能である。例えば図5(B)のように半径方向に押し潰した中空鋼管11の片側面を嵌入面14とし、その反対側面を非嵌入面13として口径D´を十分小さくした場合に、非嵌入面13の全周に対する割合R1は約50〜60%となる。そのように非嵌入面13の全集に対する割合が60%以下であっても、凸部20の粒径r及び密度dを適切に選択することにより、拡径時のロックボルト10に十分な引き抜き耐力(引き抜き強度)を与えることができる。
或いは、図2に示すように、非嵌入部分13の凸部20を、例えば縮径させた中空鋼管12の周壁表面に対する複数の点状突起の溶接又は溶射処理によって形成することも可能である。図1のようなショットブラスト処理では比較的粒径rの小さい凸部20を形成することは可能であるが、粒径rの大きい凸部20又は突起高さの大きい凸部20を形成することは難しい。図2のような点状突起の溶接又は溶射処理により、比較的粒径rの大きい凸部20又は突起高さの大きい凸部20を形成することができる。例えば、上述したように非嵌入面13の全周に対する割合R1、ブラスト処理時による凸部20の粒径r及び密度dを選択したうえで地山Eに対するロックボルト10の引き抜き試験を行い、拡径時のロックボルト10に所望の引き抜き耐力(引き抜き強度)を与えることができない場合に、図2のような所定粒径rの点状突起を所定間隔(密度)dで非嵌入部分13に溶接又は溶射処理することにより凸部20を形成する。また、例えば図2(B)のように先ず比較的広い間隔dの点状突起によるロックボルト10の引き抜き試験を行い、拡径時のロックボルト10の引き抜き耐力が不足する場合に、図2(A)のような点状突起の間隔dを小さくしながら引き抜き試験を繰り返すことにより、所望の引き抜き耐力が得られる点状突起の相互間隔dを設計することができる。
とくに軟質の地山に定着させる場合は、図2のような点状突起の粒径rを拡大して地山孔3の孔壁に対する引き抜き耐力(引き抜き強度)を大きくことが望ましい。本発明者の予備的実験によれば、強度が低く脆弱な地山にロックボルト10を定着させるためには、ボルト径に比して十分大きい粒径rの点状突起をアーク溶接又は溶射によって形成することが有効である。また、点状突起の粒径rを大きくすることが難しい場合、或いは大きくしても十分な引き抜き耐力が得られない場合は、さらに地山孔3の孔径を縮小することも有効である。地山孔3の孔径の縮小によりロックボルト10の拡張時に地山の圧密容積を大きくして引き抜き耐力を向上させ、凸部20の粒径rおよび間隔dと地山孔3の孔径とによって拡張型ロックボルト10の拡径時における引抜き抵抗を調整することができる。地山孔3の孔径の縮小によりロックボルト10の挿入が難しくなりうるが、例えばロックボルト10の先端にコーン状の封止スリーブ17(図5参照)を装着し、打撃又は回転を加えながら挿入することで対応可能である。
なお、図1及び図2のように予め縮径させた中空鋼管12の非嵌入部分13に凸部20を形成する方法に代えて、例えば図3に示すように一部分に縞状凸部20が形成された鋼板11aを用いて本発明の拡張型ロックボルト10を製造することも可能である。例えば図5(C)のような縮径中空鋼管12は、鋼板から図5(A)のような中空鋼管(丸管)11を製造する造管ラインとその丸管から異形管を成型する成型ラインとを一体的に組み合わせたインライン成型処理により、鋼板から直接製造することができる。図3の鋼板11aは、両端縁を環状に接合する360度(中空鋼管の全周の周囲長)に相当する幅Rの帯状鋼板11a上に所定中心角度に相当する幅R1(R1<R)の縞状凸部20を形成し、その帯状鋼板11aの幅方向両側の上端縁および下端縁をインライン成型処理により環状に接合して中空鋼管(丸管)11とするとともに、続いてその中空鋼管11の縞状凸部20が非嵌入部分13となるように、すなわち中空鋼管(丸管)11の残り中心角度部分R2(=R−R1)の非縞状凸部を全長にわたり内側へ嵌入させて成型することにより、図1及び図2のように縞状凸部が外側に臨む縮径中空鋼管12を形成することができる。インライン成型した縮径中空鋼管12の長さ方向両端に、図5(D)及び(E)と同様にスリーブ16、17を嵌合させて閉塞することにより、本発明の拡張型ロックボルト10とすることができる。
本発明の拡張型ロックボルト10は、縮径中空鋼管12の非嵌入部分13にのみ凸部20を形成し、縮径中空鋼管12の内側に窪んだ嵌入部分14には凸部20を形成しないので、通常の流体注入圧力(例えば10〜30MPa)でロックボルト10の滑らかな拡径を確保しつつ、ロックボルト10と地山Eとの摩擦抵抗を凸部20により増大させることができる。また、非嵌入部分13に形成する凸部20の径rや密度d(面積rや間隔d)は、拡径時のロックボルト10に付与する所望の引抜き抵抗力を地山に応じて比較的容易に調整可能であり、軟質、未固結性又は亀裂性の地山にも確実に定着させることができる拡張型ロックボルトとすることができる。
こうして本発明の目的である「軟質、未固結性又は亀裂性の地山においても確実に定着させることができる拡張型ロックボルト」の提供を達成することができる。
1…トンネル 2…支保工
3…穿孔 5…反力プレート
10…拡張型ロックボルト 11…中空鋼管
11a…鋼板 12…縮径中空鋼管
13…非嵌入部 14…嵌入部
16…注水スリーブ 16a…注水孔
17…封止スリーブ 18…スリーブ端面(溶接又は溶射部)
20…凸部
A…高圧流体 D…中空鋼管の径
d…凸部の相互間隔(又は密度) R…中空鋼管の周囲長(全周)
r…凸部の径(又は面積) R1…非嵌入部の円弧長さ(所定中心角度)
R2…嵌入部の円弧長さ(所定中心角度)

Claims (9)

  1. 周壁の一部分を全長にわたり内側に嵌入させて縮径させると共に長さ方向両端を閉塞した中空鋼管を地山孔内に挿入し且つその中空鋼管の中空部への流体圧入により周壁を拡径して孔内に定着させる拡張型ロックボルトにおいて、前記中空鋼管の非嵌入部分の周壁表面に拡径時に所要引抜き抵抗を与える複数の凸部を設けてなる凸部付き拡張型ロックボルト。
  2. 請求項1のロックボルトにおいて、前記中空鋼管の周壁の所定中心角度部分を全長にわたり内側に嵌入させ、周壁の残りの中心角度部分に複数の凸部を設けてなる凸部付き拡張型ロックボルト。
  3. 請求項1又は2のロックボルトにおいて、前記中空鋼管の周壁の全周に対する40〜50%部分を全長にわたり嵌入させ、周壁の残りの60〜50%部分に複数の凸部を設けてなる凸部付き拡張型ロックボルト。
  4. 請求項1から3の何れかのロックボルトにおいて、前記非嵌入部分に設ける各凸部の径又は面積と隣接凸部の密度又は間隔とにより拡径時の引抜き抵抗を調整してなる凸部付き拡張型ロックボルト。
  5. 請求項4のロックボルトにおいて、前記非嵌入部分に設ける各凸部の径又は面積と隣接凸部の密度又は間隔と前記地山孔の孔径とにより拡径時の引抜き抵抗を調整してなる凸部付き拡張型ロックボルト。
  6. 請求項1から5の何れかのロックボルトにおいて、前記縮径させた中空鋼管の周壁表面に対するショットブラスト処理により非嵌入部分の凸部を形成してなる凸部付き拡張型ロックボルト。
  7. 請求項1から5の何れかのロックボルトにおいて、前記縮径させた中空鋼管の周壁表面に対する複数の点状突起の溶接又は溶射処理により非嵌入部分の凸部を形成してなる凸部付き拡張型ロックボルト。
  8. 請求項1から7の何れかのロックボルトの製造方法において、中空鋼管の周壁の所定中心角度部分を全長にわたり内側に嵌入させて縮径中空鋼管を形成し、その縮径中空鋼管の外側に臨む非嵌入面に凸部を形成してなる凸部付き拡張型ロックボルトの製造方法。
  9. 請求項1から7の何れかのロックボルトの製造方法において、両端縁を環状に接合する所定幅の帯状鋼板上に所定中心角度に相当する幅の縞状凸部を形成し、その帯状鋼板の両端縁を環状に接合するとともに非縞状凸部分を全長にわたり内側へ嵌入させて縞状凸部が外側に臨む縮径中空鋼管を形成してなる凸部付き拡張型ロックボルトの製造方法。
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