JP2014231678A - 地盤の締め固め方法及び膨張杭 - Google Patents

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一 藤野
俊哉 坂牧
Toshiya Sakamaki
俊哉 坂牧
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Abstract

【課題】小規模の敷地において効率よく実施が可能な地盤の締め固め方法及びこの方法に好適に使用することができる膨張杭を提供する【解決手段】内側の容積を縮小するように断面を変形させた鋼管11を用いた膨張杭1を地盤2中に所定の間隔で貫入する。この膨張杭の鋼管は、円形断面であった鋼管の対向する部分を接近させるように断面形状を変形させ、扁平となった断面が湾曲するように加工したものである。この膨張杭を地盤中に貫入した後、ポンプ4によって鋼管内に高圧の水を注入し、鋼管11の断面を円形に近づくように膨張させる。鋼管内の容積が膨張することによって地盤2を側方に圧縮し、地盤が締め固められるものである。【選択図】図2

Description

本発明は、軟弱な地盤を締め固めて密度を増大する地盤の締め固め方法及びこの方法に用いることができる膨張杭に関するものである。
地下水位が高い砂質地盤では、地震時に液状化現象が生じ易いことが知られており、様々な対策が提案されている。その内の一つとして、軟弱な地盤を締め固め、密度を増大することによって地盤の支持力を向上させるとともに液状化が生じにくい地盤とするものがある。地盤の密度が大きくなることによって地震時における間隙水圧の上昇が抑制されるとともに、土粒子が強固に噛み合わされて、間隙水圧の上昇時においても土粒子が分散して流動化するのを防ぐものである。
地盤を締め固める方法として、例えば特許文献1に記載されているように地盤中で砂・砕石等を締め固めた杭状体を形成するサンドコンパクションパイル工法、例えば特許文献2に記載されているように振動体を地盤中に貫入して地盤を締め固める振動締め固め方法、例えば特許文献3に記載されているように生石灰等を含む膨張性の杭状体を地盤中に形成する生石灰工法等が広く用いられている。
特開2007−309091号公報 特開2000―120056号公報 特開平10―280382号公報
上記のような広く用いられている地盤の締め固め方法は、商業施設や集合住宅等の大型建築物を構築する敷地では効率的な地盤の締め固めが可能ではあるが、戸建住宅のように小規模の建築物を構築する敷地に適用することが難しい場合が多い。つまり、大型の施工機械を必要とし、敷地内への搬入や設置が困難となったり、振動や騒音の発生が制限されたりすることから適用が難しくなるものである。また、小規模の敷地に適用した場合には施工費用が多大となり、戸建て住宅の所有者が負担可能な額を大きく超えてしまうこともある。
しかし、戸建住宅のように小規模の建築物においても、地震時の液状化現象による不等沈下等の被害例が多数生じており、小規模の敷地内で効率よく地盤を締め固める方法が求められている。
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、小規模の敷地において効率よく実施が可能な地盤の締め固め方法及びこの方法に好適に使用することができる膨張杭を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 内側の容積を縮小するように断面が変形され、下端部が閉塞された鋼管を用いた膨張杭を地盤中に貫入し、 該膨張杭を地中に貫入した後に、該膨張杭の上部から前記鋼管の内側に高圧流体を圧入し、該鋼管の断面の変形によって該鋼管内の容積を膨張させて、該鋼管の周囲の土壌を側方に締め固めることを特徴とする地盤の締め固め方法を提供する。
この方法では、膨張杭に用いる鋼管は内側の容積を縮小するように断面が変形されたものであり、地中に貫入するときの抵抗が低減され、大きな施工機械を用いることなく貫入することができる。そして、振動や打撃を与えることなく地中に圧入することができる場合も多くなる。断面を変形させた状態で地中に貫入した膨張杭の鋼管は、内側に高圧流体を圧入することによって断面が変形し、内側の容積が拡大する。これにともなって周囲の地盤が側方に圧縮され、締め固められる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の地盤の締め固め方法において、 前記高圧流体を圧入するときの圧力を予め定められた値に維持し、該圧力で前記鋼管内に圧入することができる高圧流体量を検出し、 前記検出の結果に基づいて、地盤の締め固められた程度を推定するものとする。
断面が縮小するように変形された鋼管に高圧流体を圧入して膨張させるときに、周囲の地盤の締め固めが進行していると、膨張に対する抵抗が増大する。そして、予め定められた圧力で流体を注入すると、鋼管が完全に膨張するまでに注入ができなくなることがある。この状態となるまでに鋼管内に注入した流体量を検出することによって地盤が締め固められている程度を推測することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の地盤の締め固め方法において、 前記膨張杭の上端部に断面形状がほぼ変化しない非膨張杭の下端部を接続して地盤中に貫入し、 前記膨張杭の上端が地表面より下方にある状態で前記高圧流体の圧入を行うものとする。
この方法では、軸線方向に接続した膨張杭と非膨張杭との内の膨張杭のみに高圧流体を圧入して膨張させることができる。したがって、深さ方向の限定された深さの範囲を重点的に締め固めることが可能となる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の地盤の締め固め方法において、 地盤中に既製杭を所定の間隔で貫入し、 該既製杭の貫入後、該既製杭間において前記膨張杭を地盤中に貫入し、前記高圧流体の圧入を行うものとする。
締め固める前の緩い地盤では、杭を地中に貫入することも容易であり、この方法では最初に木杭、コンクリート杭等の断面形状がほとんど変化しない既製杭を所定の間隔で貫入する。これによって杭の周辺の土が側方に圧縮され、締め固められてこれらの既製杭間にさらに杭を貫入することは難しくなる。これに対して、既に貫入された既製杭間においても該既製杭より断面寸法が小さい膨張杭は、該既製杭より容易に貫入することができる。そして、この膨張杭の鋼管に高圧流体を圧入し、容積を拡大することによって地盤をさらに締め固めることができる。したがって、膨張杭のみを貫入して地盤を締め固める場合と同等の締め固めを廉価な既製杭を一部に用いて少ない費用で行うことが可能となる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の地盤の締め固め方法において、 前記既製杭は、木杭を用いるものとし、該木杭の地下水面より上方となる部分に防腐処理を行うものとする。
この方法では、既製杭として木杭を用いることによって少ない費用で地盤を締め固めることが可能となる。そして、木杭が腐食しやすい地下水面より上方となる部分に防腐処理を行うことによって地盤が締め固められた状態を永く維持することができる。
請求項6に係る発明は、 内側の容積を縮小するように断面が変形され、下端部が閉塞された鋼管と、 該鋼管の上部から該鋼管内に高圧流体を圧入するための圧入部と、を有し、 該鋼管を地盤中に貫入した状態で、前記圧入部から高圧流体を圧入することにより、該鋼管の断面が変形して該鋼管内の容積が膨張するものであることを特徴とする膨張杭を提供するものである。
この膨張杭では、鋼管の内側の容積を縮小するように断面が変形された状態で容易に地中に貫入することができる。そして、鋼管の内側に高圧流体を圧入することによって鋼管が膨張し、周囲の土壌を圧縮して地盤を締め固めることができる。
以上、説明したように、本発明の地盤の締め固め方法では、断面を縮小するように変形された膨張杭を狭い敷地であっても容易に地中に貫入することができるとともに,地中で該膨張杭を膨張させて有効に地盤を締め固めることが可能となる。
本発明の一実施形態である地盤の締め固め方法において、膨張杭を地盤中に貫入する工程を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態である地盤の締め固め方法において、地盤中に貫入した膨張杭の鋼管に高圧流体を圧入する工程を示す概略断面図である。 図1及び図2に示す地盤の締め固め方法で用いる膨張杭の概略斜視図及び断面図である。 図1及び図2に示す地盤の締め固め方法で用いる膨張杭の端部の構造を示す概略断面図及び正面図である。 図1及び図2に示す地盤の締め固め方法で用いる膨張杭に高圧流体を注入して鋼管の内側の容積を拡大した状態を示す概略斜視図及び断面図である。 本発明の一実施形態である地盤の締め固め方法において、複数の膨張杭を地盤中に貫入して高圧流体を圧入した状態を示す概略透視図である。 本発明の他の実施形態である地盤の締め固め方法において、複数の膨張杭及び既製杭を地盤中に貫入して膨張杭の鋼管に高圧流体を圧入した状態を示す概略透視図である。 図7に示す実施形態で木杭を地中に貫入した状態を示す概略断面図及びこの木杭の概略斜視図である。 本発明の一実施形態である地盤の締め固め方法において、膨張杭を地中に貫入して鋼管の内側に高圧流体を圧入した状態を示す概略断面図である。 本発明の他の実施形態である地盤の締め固め方法の工程を示す概略図である。 本発明に係る地盤の締め固め方法で用いることができる膨張杭の他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明に係る地盤の締め固め方法における工程を示す概略断面図である。
この方法は、図1に示すように、鋼管内の容積が縮小されるように断面を変形させ、これを膨張杭1として地盤2中に所定の間隔で貫入する。その後、図2に示すように膨張杭1の鋼管11内に高圧の水を注入して鋼管11の断面の変形によって膨張させるものである。鋼管内の容積が膨張することによって地盤2を側方に圧縮し、地盤2が締め固められる。
上記膨張杭1は、図3に示すように断面が変形して内側の容積が縮小された鋼管11と、鋼管11の下端部を閉塞するともに、地盤2中に貫入するときに鋼管11の下端部を保護するための下部外筒12と、鋼管11の上端部を閉塞するとともに、鋼管11を地盤2中に貫入するための押圧力を鋼管11に伝達するための上部外筒13と、鋼管11内に水等の流体を注入するために上部外筒13に取り付けられた注入管14とを有するものである。
上記膨張杭1の鋼管11は、図3(b)中に破線で示すように円形断面であった鋼管の対向する部分11a,11bを接近させるように断面形状を変形させ、図3(b)中の実線で示すように扁平となった断面が湾曲するように加工したものである。したがって、鋼管11内の容積は縮小されており、扁平となった断面を湾曲した形状に加工した後は、断面を変形させる前の円形断面の外径d1より小さい直径d2の仮想円Rの内側に納まる形状となっている。
この鋼管11は、厚さが1.5mm〜4mm程度のものを用いることができ、内側の容積を縮小するように断面を変形させる前の円形断面において、外径d1が50mm〜300mm程度とすることができる。そして、内側の容積を縮小するように断面を変形させたときに直径d2が35mm〜200mm程度の仮想円Rの内側に納まる断面形状とすることができるものである。
上記鋼管11はメッキ等による防食加工が施されたものが望ましく、特に、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの合金による溶融メッキが施された鋼管を用いるのが望ましい。
上記下部外筒12及び上部外筒13は、図4(a)に示すように、断面が変形するように加工した鋼管11を内側に挿入することができる円筒状の鋼部材であって、厚さが5mm〜10mm程度のものが用いられる。この下部外筒12及び上部外筒13は、鋼管11の下端部及び上端部に次のように接合される。
図4(a)に示すように、下部外筒12又は上部外筒13の内側に断面が変形するように加工された鋼管11の下端部又は上端部を挿入し、図4(b)に示すように下部外筒12又は上部外筒13の中心から内周面に向かって鋼管11を押し付けるように変形させる。これによって扁平に変形されている断面の対向する部分の内周面が互いに当接され、鋼管11の断面は折り畳んだように重ね合わされた形状となって、下部外筒12又は上部外筒13の内周面に沿って接触する。この鋼管11の端面を、図4(c)に示すように溶接によって接合して鋼管11の内側を密閉するととともに、鋼管11の端部と下部外筒12又は上部外筒13の内周面とを溶接によって接合する。
また、この膨張杭1の上端部では、鋼管11の周面が折りたたんだように重ね合わされた部分より下方で、扁平に変形されて対向する内周面が離れている部分において、上部外筒13と鋼管11とを貫通する開口を設け、上部外筒13の外側から鋼管11の内側に注入管14を挿入して固定する。この注入管14の内側が注入口15となって、鋼管11の内側に高圧の水を圧入することが可能となるものである。
上記膨張杭1を、図1に示すように所定の間隔で地盤2中に貫入するものとし、施工機械3によって膨張杭1をほぼ鉛直に支持し、上部に押圧力を作用させて地盤2中に圧入する。このとき膨張杭1の鋼管11は、高圧水の圧入によって変形する程度に薄い部材となっており、軽量で小型の施工機械によって敷地内への搬入、所定の位置への建て込み及び貫入が可能となる。また、液状化が生じ易いゆるい砂質地盤等においては、膨張杭1の外径が小さいと上部を打撃したり、振動を付与したりすることなく静的な押圧力で圧入することができる。そして、膨張杭1の鋼管11は円形断面の対向する位置11a,11bが接近するように変形して扁平となっているが、対向する周面が湾曲する形状となって曲げ剛性は大きく維持されており、押圧力による座屈が生じ難いものとなっている。したがって、市街地等における狭小な敷地内でも、小型の施工機械のみで膨張杭1を地中に貫入することが可能となる。なお、膨張杭1の上部を打撃することや振動を付与することが許容される場合には、打撃又は振動の付与によってより効率的に貫入する作業を行うこともできる。
膨張杭1の貫入が完了した後、図2に示すようにポンプ4を用いて注入口から高圧で鋼管内に水を注入する。注入する圧力は、例えば5MPa〜30MPa程度に設定することができる。これによって鋼管11の断面は、図5(b)中に破線で示す形状から円形に近づくように変形して内側の容積を増大し、図5(a)に示すように膨張する。このように膨張する圧力によって周囲の地盤2が側方に圧縮され、締め固められる。
このような膨張杭1は、図6に示すように、地盤2を締め固めようとする敷地内においてほぼ鉛直下方に貫入するものとし、その間隔は地盤2の状態に応じて適宜に定めることができ、例えば50cm〜200cm程度の間隔とすることができる。また、膨張杭1を貫入する深さは、締め固めようとする層の深さの範囲に設定することができる。ゆるい砂質地盤で、地震時の液状化を抑制する目的で地盤を締め固めるときには、必ずしもゆるい砂質層の全域にわたって貫入する必要はなく、地下水位の高さ等を考慮して地表面から3m〜10m程度に設定することもできる。膨張杭1を貫入しようとする深さが大きく、この深さに相当する長さの膨張杭を敷地内に搬入することが難しい場合や、長い膨張杭を立設して上部から押圧力を付与することが難しい場合には、貫入しようとする深さより短い膨張杭を、軸線方向に複数本を接続して貫入することができる。膨張杭の接続は、下側の膨張杭の上部外筒と上側の膨張杭の下部外筒とを溶接によって接合しても良いし、上部外筒及び下部外筒の外周部又は内周部に螺条を設け、これらと螺合する接続具を用いて接合するものであっても良い。また、上側の膨張杭の鋼管と下側の膨張杭の鋼管とに同時に高圧水を注入することができるように双方の鋼管の内側が連通するように接続管(図示しない)等によって接続しておくのが望ましい。
以上に説明した実施の形態では、膨張杭1のみを所定の間隔で地盤中に貫入するものであったが、図7に示すように膨張杭1と木杭5等の既製杭を併用することもできる。
この実施の形態では、地盤2を締め固めようとする敷地内に木杭5を所定の間隔で貫入し、所定の本数の木杭5の貫入が完了した後に、これらの木杭5の間に膨張杭1を貫入するものである。
木杭5の外径は、地盤2の条件及び近隣の状況に応じた制限の範囲内で地盤2に貫入することができるものとする。例えば杭頭の打撃や振動の付与が規制される場合には、地盤中に押圧力によって圧入が可能な範囲で外径を決定する。この木杭5の圧入によって木杭5の周囲の地盤2は側方に締め固められる。
一方、膨張杭1は貫入時の断面の最大寸法が木杭の外径より小さいものを使用する。木杭5を所定の間隔で貫入することによって締め固められた地盤は、木杭5の間にさらに杭等を貫入することが難しくなっているが断面寸法が小さい状態の膨張杭1は、これより外径が大きい木杭5より容易に貫入することができる。そして、この膨張杭1の鋼管11内に高圧で注水することによって鋼管11を膨張させ、さらに地盤2を締め固めることができる。
したがって、膨張杭1より安価な木杭5を用い、少ない費用で地盤2を有効に締め固めることができる。
上記木杭は、図8(a)に示すように地下水位より高い位置となる部分には防腐処理を施しておくのが望ましい。防腐処理は、例えば図8(b)に示すように鋼板で形成された覆い部材6で上面及び側面を被覆するものを採用することができる。覆い部材6と木杭5との間には瀝青材料又は合成樹脂等を充填するのが望ましい。
木杭5の間に貫入した膨張杭1は、鋼管11の内側に高圧で注水するときに所定の圧力を維持するものとし、鋼管11の内側に注入される水量を、図2に示すようにポンプ4から鋼管11までの注水管路9に介挿した流量計7によって検出することができる。地盤2が既に締め固められて密度が高くなっているときには、所定の圧力で注水しても鋼管11の膨張に対する側面の抵抗が大きく、図9に示すように鋼管11の断面形状がほぼ円形となるまでの状態で、それ以上の断面の拡大が生じないことがある。これに対し、上記のように鋼管11に注入される水量を検出することによって鋼管11の断面の変形状態を推測することができ、地盤2の締め固められた程度を推定することができる。また、所定の圧力で鋼管11に注水し、注水できなくなった状態で膨張杭1の膨張を停止することにより、地盤2を均一に近い状態で締め固めることが可能となる。つまり、敷地内で地盤2の密度の分布にむらがあるときに、地盤の密度が高いところでは膨張杭1の膨張量が少なくなり、地盤2の密度が小さくゆるい状態のところでは膨張杭1が大きく膨張して地盤2を締め固める。これによって締め固めの程度が均一に近くなるものである。
なお、上記のように鋼管11への注入された水量の検出によって地盤の締め固めの程度を推測すること、及び所定の圧力で注水して均一に近い締め固めを行うことは、図6に示すように膨張杭1のみを所定の間隔で地盤2中に貫入して地盤を締め固めるときにも適用することができる。
図10は、本発明の他の実施形態であって、深さ方向の一部の範囲を主に締め固める場合の工程を示す概略図である。
この方法では、図10(a)に示すように膨張杭1を地盤2中に貫入し、上端部が地表面上に突き出した状態で貫入を一旦停止する。そして、図10(b)に示すように膨張杭1の上端部に非膨張杭8を接続する。この非膨張杭8は、断面の形状及び寸法がほぼ変動しない部材であって、例えば上記膨張杭1より厚肉の鋼管等を用いることができる。この非膨張杭8の外径は貫入時における膨張杭1の断面の最大寸法とほぼ同じものを用いるのが望ましい。膨張杭1の上端部と接続する方法は、膨張杭1の上部外筒13に溶接で接合するものであっても良いし、上部外筒13の外周面又は内周面に螺条を設けておき、この螺条にねじり合わせて接続するものであっても良い。
膨張杭1と非膨張杭8との接続が完了すると地盤2中への貫入を再開し、図10(c)に示すように膨張杭1を所定の深さまで押し入れる。膨張杭1の長さ及び貫入する深さは、地盤中の締め固めようとする層の厚さ及びこの層の深さと対応するように設定する。その後、図10(d)に示すようにポンプ4から膨張杭1の鋼管11内に高圧で注水し、鋼管11の断面が変形することによる膨張によって地盤2を側方に圧縮し、締め固める。
このように膨張杭1と非膨張杭8とを組み合わせ、これらを軸線方向に接合したものを地盤2中に貫入し、膨張杭1を膨張させることによって地盤2の深さ方向における限定された範囲を重点的に締め固めることが可能となる。
以上に説明した膨張杭は、図3に断面形状を示すものに限定されるものではなく、流体の圧入によって断面の形状が変化し、地盤中で土壌を側方に圧縮するものであれば他の形状のものを用いることができ、例えば図11に断面形状を示すものがある。
図11(a)は、膨張杭に用いる鋼管21の内側の容積を縮小するように断面を変形させた形状を示すものである。この形状は、図11中に破線で示すように加工前に断面が円形であった鋼管の周方向における3つの点を中心に向けて押し込むように変形させたものであり、周面が中心から3方向に張り出すような断面形状となっている。3方向に張り出した部分の断面形状は、それぞれ同一であっても良いし、異なるものであっても良い。また、張り出す位置が120°毎となっていても良いし、張り出した位置の間の角度がそれぞれ異なるものであっても良い。
また、図11(b)は膨張杭に用いる鋼管22の断面形状の他の例を示すものであり、加工前の形状が円形であったものの4点を中心に向かって押し込むように変形させたものである。
このような断面形状の鋼管21,22を用いた膨張杭でも、鋼管の内側に高圧で注水することによって鋼管の断面が変形し、断面形状が円形に近づくように膨張して周囲の地盤を側方に締め固めることができる。
一方、本発明に係る地盤の締め固め方法は、液状化の可能性がある地盤に限定して採用されるものではなく、軟弱な地盤の支持力を増大させるために採用することもできる。
また、本発明に係る地盤の締め固め方法で締め固めを行った地盤が、側方に流動して緩む虞が生じるようなときには、締め固めた地盤の周囲を拘束する手段を併用することもできる。例えば、締め固めた地盤の周囲を囲むように鋼矢板を設けることができる。この鋼矢板は、囲む範囲が狭いときには厚さが2mm〜4mm程度の薄い鋼板を矢板状に曲げ加工したものを用いることができる。そして、この鋼板の変位を抑制するために併せて鋼杭や、敷地の中央側の下方に向かって挿入したアースアンカー等を用いることもできる。一方、間隔を開けて膨張杭を地中に貫入するときに、締め固める範囲の外周部で間隔を小さくし、周辺部を中央部より強く締め固めておくこともできる。
その他の技術事項に関しても本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他の形態で実施することができる。
例えば、鋼管の内側に圧入する流体は、水に限定されるものではなく油圧装置で用いられる油類を用いることもできる。また、気体を用いることも可能ではあるが体積変化の少ない液体を用いるのが望ましい。
また、ポンプ4から鋼管11の内側に注入される流体量の検出は、上記実施の形態でポンプ4から鋼管11までに流量計7を介挿して行っているが、ポンプ4が送出した流体量を検出するものであっても良い。
流体を圧入して断面が円形に近づくように変形させた鋼管11は、そのままの状態で地盤中に維持してもよいし、側圧の変化等によって内側に変形する虞があるような場合には、内側にモルタル等のグラウトを施すこともできる。また、これらの膨張杭はこの上に構造物の基礎を支持させ、支持杭又は摩擦杭として使用することもできる。
1:膨張杭, 2:地盤, 3:施工機械, 4:ポンプ, 5:木杭, 6:覆い部材, 7:流量計, 8:非膨張杭, 9:注水管路,
11:鋼管, 12:下部外筒, 13:上部外筒, 14:注入管, 15:注入口,
21,22:鋼管

Claims (6)

  1. 内側の容積を縮小するように断面が変形され、下端部が閉塞された鋼管を用いた膨張杭を地盤中に貫入し、
    該膨張杭を地中に貫入した後に、該膨張杭の上部から前記鋼管の内側に高圧流体を圧入し、該鋼管の断面の変形によって該鋼管内の容積を膨張させて、該鋼管の周囲の土壌を側方に締め固めることを特徴とする地盤の締め固め方法。
  2. 前記高圧流体を圧入するときの圧力を予め定められた値に維持し、該圧力で前記鋼管内に圧入することができる高圧流体量を検出し、
    前記検出の結果に基づいて、地盤の締め固められた程度を推定することを特徴とする請求項1に記載の地盤の締め固め方法。
  3. 前記膨張杭の上端部に断面形状がほぼ変化しない非膨張杭の下端部を接続して地盤中に貫入し、
    前記膨張杭の上端が地表面より下方にある状態で前記高圧流体の圧入を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地盤の締め固め方法。
  4. 地盤中に既製杭を所定の間隔で貫入し、
    該既製杭の貫入後、該既製杭間において前記膨張杭を地盤中に貫入し、前記高圧流体の圧入を行うことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の地盤の締め固め方法。
  5. 前記既製杭は、木杭を用いるものとし、該木杭の地下水面より上方となる部分に防腐処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の地盤の締め固め方法。
  6. 内側の容積を縮小するように断面が変形され、下端部が閉塞された鋼管と、
    該鋼管の上部から該鋼管内に高圧流体を圧入するための圧入部と、を有し、
    該鋼管を地盤中に貫入した状態で、前記圧入部から高圧流体を圧入することにより、該鋼管の断面が変形して該鋼管内の容積が膨張するものであることを特徴とする膨張杭。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017110428A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 株式会社山本水圧工業所 流体注入治具
JP2017110426A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 パナホーム株式会社 拡張型鋼管杭圧入構造及び杭状補強体作成方法並びにそれに用いる圧入治具
JP2018172879A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 新日鐵住金株式会社 地盤補強工法および地盤補強用鋼管

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