JP2004183224A - 摩擦式定着ボルト - Google Patents
摩擦式定着ボルト Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004183224A JP2004183224A JP2002348031A JP2002348031A JP2004183224A JP 2004183224 A JP2004183224 A JP 2004183224A JP 2002348031 A JP2002348031 A JP 2002348031A JP 2002348031 A JP2002348031 A JP 2002348031A JP 2004183224 A JP2004183224 A JP 2004183224A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hollow tube
- fixing bolt
- ground
- granular material
- friction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】確実に摩擦抵抗を確保できる摩擦式定着ボルトを提供すること。
【解決手段】孔内に挿入した中空管に流体を注入することによって中空管を膨張させて孔壁との摩擦を確保する摩擦式定着ボルトであって、前記中空管2の表面に多数の粒状材3を散りばめて付着させたことを特徴とするものである。
粒状材3は、例えば接着剤4を介して前記中空管の表面に付着させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】孔内に挿入した中空管に流体を注入することによって中空管を膨張させて孔壁との摩擦を確保する摩擦式定着ボルトであって、前記中空管2の表面に多数の粒状材3を散りばめて付着させたことを特徴とするものである。
粒状材3は、例えば接着剤4を介して前記中空管の表面に付着させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地山に削孔した孔に定着して地山を補強する摩擦式定着ボルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トンネルや地下空洞を構築する場合に、地山を補強して変形や崩壊を抑えるために、ロックボルトを打設する方法が従来からおこなわれてきた。
従来から使用されているロックボルトには、鋼棒、ケーブルボルト、膨張型ボルトaなどがある。
ロックボルトとして鉄筋などの鋼棒を使用する場合は、鋼棒と孔壁の付着は孔内に注入したグラウトにより確保する。
また、ケーブルボルトにはPC鋼より線、ガラス繊維強化プラスチック製ボルトなどがあり、施工空間が狭いなどの理由でフレキシビリティが要求される場合や打設後に掘削をおこなう地山に打ち込む場合などに使用される。
【0003】
また、膨張型ボルトaを使用する場合は、まず軸方向の折れ目に沿って折り曲げた中空鋼管を孔内に挿入する(図4、図5上図参照)。そして、膨張型ボルトaの内部に高圧水dを注入して、注入水の圧力で折れ曲がった中空鋼管を膨らませる。この結果、膨張型ボルトaは孔壁に密着し、摩擦抵抗で定着をとることができる。このため、摩擦式定着ボルトと呼ばれることもある。この方式を硬質地山bに対して適用した場合、高圧水dによる膨張圧が除去後に硬質地山bによる拘束圧に変換されるため、高い摩擦抵抗を確保することができる。
【0004】
ロックボルトの適用場面は上記したトンネル等以外にもあり、例えば斜面の崩壊を抑え、安定化を図るために斜面に打設する場合に適用できる。中空のロックボルトを継ぎ足して使用するルーフボルトの公報を特許文献1として示す。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−263577号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来のロックボルトにあっては、次のような問題点がある。
<イ>グラウトによって鋼棒と地山の付着を確保する場合は、グラウトの強度が発現するまではロックボルトの効果が期待できない。また、湧水の多い地山ではグラウトが流出して、付着が確保できない場合がある。また、セメント系のグラウトに替えてウレタン系材料を使用した場合、剛性や強度の点で期待する性能が得られないおそれがある。
<ロ>ケーブルボルトは、フレキシブルな材料であるため剛性は低い。このため、変位を抑制する効果は期待しにくい。
<ハ>膨張型ボルトaは表面が滑らかな材料である。硬質地山bに設置した場合は、膨張圧がそのまま拘束圧に変換されるため定着を確保できるが、地山が軟岩などになると膨張圧によって地山が変形し、拘束圧に変換されない場合もあるため、必ずしも充分な摩擦抵抗が確保できるとはいえない。
【0007】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、確実に摩擦抵抗を確保できる摩擦式定着ボルトを提供することを目的とする。
また、硬質地山から軟質地山まで地山の地質に左右されず、広い範囲で適用が可能となる摩擦式定着ボルトを提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の摩擦式定着ボルトは、孔内に挿入した中空管に流体を注入することによって中空管を膨張させて孔壁との摩擦を確保する摩擦式定着ボルトであって、前記中空管の表面に多数の粒状材を散りばめて付着させたことを特徴とするものである。ここで、前記粒状材が前記中空管より硬質の材料であることが好ましい。また、前記粒状材は、接着剤を介して前記中空管の表面に付着させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
<イ>摩擦式定着ボルト
本発明の摩擦式の定着ボルト1は、地山に削孔した孔に挿入し、地山と定着ボルト1の表面の摩擦抵抗によって定着をおこなうボルトである。
このため、グラウトなどの固化型の注入材の付着力に頼る必要がないため、湧水が多い地山にも適用することができる。
定着ボルト1が使用できる地山は、硬岩や中硬岩などの硬質地山5a、軟岩などの軟質地山5bなどである。
また、定着ボルト1の適用場所は、トンネルや地下空洞などの内面、切土した斜面など公知のロックボルトの適用範囲と同様の箇所に適用できる。
定着ボルト1は、中空管2と粒状材3で構成する。
【0011】
<ロ>中空管
中空管2は、定着ボルト1の耐力を決定する材料である。中空管2の材質、直径などによってせん断耐力、引張り耐力が決定する。中空管2には鋼管、炭素鋼管、ステンレス管などが使用できる。
中空管2は、膨張後に孔壁に密着できるようにするため、伸縮性の小さい鋼材などを使用する場合は削孔径より大きな径を有する部材を使用するのが好ましい。このため、挿入時は削孔の孔径より小さくなるように、中空管2を折り曲げるなどの加工を施す。例えば、公知の膨張型ボルトのように、軸方向の折れ目に沿って二つ折りにして外形を小さくすることができる(図5上図参照)。
【0012】
<ハ>粒状材
粒状材3は、地山と定着ボルト1との付着力を高めるために配置するものである。
粒状材3には、珪砂等の砂、砂利、細かく砕いた砕石、硬質の金属粒子などを使用することができる。粒状材3の形状は球体に限定されるものではなく、多面体であってもよい。粒状材3には、中空管2を構成する材料よりも硬質の材料を使用するのが好ましい。
粒状材3は、後述する接着剤4を介在させて中空管2に付着させることができる。また、溶着によって中空管2に粒状材3を付着させこともできる。
【0013】
<ニ>接着剤
接着剤4は、粒状材3を中空管2に強固に固着できる材料であればどのような種類のものを用いてもよい。
接着剤4としては、例えばエポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂系、EVA系(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系)、アクリル樹脂系等の樹脂系接着剤や、クロロプレンゴム系、スチレン・ブタジエンゴム系等のゴム系接着剤や、セメント系、石膏系等の水・気硬性接着剤を用いることが可能である。
【0014】
<ホ>定着ボルトの製造方法(図1)
定着ボルト1の製造方法の実施例について以下に述べる。
まず、中空管2の表面に接着剤4を均一に塗布する。次に、中空管2の表面に粒状材3を均一に散りばめる。粒状材3は接着剤4を介して中空管2に付着する。
そして、必要に応じて中空管2の側面を径方向に押し込んで、軸方向に連続した折れ目を形成して折り曲げる。また、必要に応じて支圧板6を取り付けて定着ボルト1を完成させる。なお、中空管2の折り曲げ作業は、粒状材3を付着させる前におこなうこともできる。
【0015】
【実施例】
<イ>硬質地山に適用した場合(図2)
本発明の定着ボルト1を、硬岩や中硬岩などの硬質地山5aに定着した実施例について説明する。
まず、硬質地山5aの掘削孔に挿入した定着ボルト1に高圧水を注入して中空管2を膨張させる。
このとき、硬質地山5aの方が中空管2よりも硬いか同程度であれば、中空管2の表面に付着した粒状材3は中空管2に食い込む。図2は硬質地山5aと中空管2の両方に粒状材3が同程度食い込んだ状態の拡大断面図である。
このように粒状材3が硬質地山5a及び中空管2に食い込むことで、中空管2と粒状材3の結合力が強くなるとともに、定着ボルト1と硬質地山5aとの摩擦抵抗も増加する。
【0016】
<ロ>軟質地山に適用した場合(図3)
軟岩などの硬質地山5aよりも柔らかい軟質地山5bに定着した実施例について説明する。
ここでいう軟質地山5bは、中空管2よりも柔らかい地山をいうため、中空管2が膨張して粒状材3を介して膨張圧が軟質地山5bと中空管2の両方に作用した場合に、粒状材3は軟質地山5bにのみ食い込む。
このため、中空管2と粒状材3の付着強度は接着剤4の付着強度にのみ左右されることになる。しかし、この付着強度さえ充分に確保できれば、粒状材3が軟質地山5bに深く食い込んでいるため、定着ボルト1と孔壁の摩擦抵抗が増大するといえる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の摩擦式定着ボルトは以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>粒状材を定着ボルトの表面に付着させることによって、孔壁と定着ボルトの間の摩擦抵抗を確実に増加させることができる。
<ロ>軟質地山に適用しても摩擦抵抗を充分に確保できるため、地山の地質に左右されず、広い範囲での適用が可能となる。トンネル工事においては、掘削中に地山の地質が変化することがよくあるが、このような場合においても同じ定着ボルトを続けて使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の摩擦式定着ボルトの製造方法の実施例の説明図
【図2】硬質地山に摩擦式定着ボルトを適用した実施例の説明図
【図3】軟質地山に摩擦式定着ボルトを適用した実施例の説明図
【図4】従来の摩擦式定着ボルトの実施例の断面図
【図5】従来の膨張型ボルトの膨張する過程を示した説明図
【符号の説明】
1・・・定着ボルト
2・・・中空管
3・・・粒状材
4・・・接着剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、地山に削孔した孔に定着して地山を補強する摩擦式定着ボルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トンネルや地下空洞を構築する場合に、地山を補強して変形や崩壊を抑えるために、ロックボルトを打設する方法が従来からおこなわれてきた。
従来から使用されているロックボルトには、鋼棒、ケーブルボルト、膨張型ボルトaなどがある。
ロックボルトとして鉄筋などの鋼棒を使用する場合は、鋼棒と孔壁の付着は孔内に注入したグラウトにより確保する。
また、ケーブルボルトにはPC鋼より線、ガラス繊維強化プラスチック製ボルトなどがあり、施工空間が狭いなどの理由でフレキシビリティが要求される場合や打設後に掘削をおこなう地山に打ち込む場合などに使用される。
【0003】
また、膨張型ボルトaを使用する場合は、まず軸方向の折れ目に沿って折り曲げた中空鋼管を孔内に挿入する(図4、図5上図参照)。そして、膨張型ボルトaの内部に高圧水dを注入して、注入水の圧力で折れ曲がった中空鋼管を膨らませる。この結果、膨張型ボルトaは孔壁に密着し、摩擦抵抗で定着をとることができる。このため、摩擦式定着ボルトと呼ばれることもある。この方式を硬質地山bに対して適用した場合、高圧水dによる膨張圧が除去後に硬質地山bによる拘束圧に変換されるため、高い摩擦抵抗を確保することができる。
【0004】
ロックボルトの適用場面は上記したトンネル等以外にもあり、例えば斜面の崩壊を抑え、安定化を図るために斜面に打設する場合に適用できる。中空のロックボルトを継ぎ足して使用するルーフボルトの公報を特許文献1として示す。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−263577号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来のロックボルトにあっては、次のような問題点がある。
<イ>グラウトによって鋼棒と地山の付着を確保する場合は、グラウトの強度が発現するまではロックボルトの効果が期待できない。また、湧水の多い地山ではグラウトが流出して、付着が確保できない場合がある。また、セメント系のグラウトに替えてウレタン系材料を使用した場合、剛性や強度の点で期待する性能が得られないおそれがある。
<ロ>ケーブルボルトは、フレキシブルな材料であるため剛性は低い。このため、変位を抑制する効果は期待しにくい。
<ハ>膨張型ボルトaは表面が滑らかな材料である。硬質地山bに設置した場合は、膨張圧がそのまま拘束圧に変換されるため定着を確保できるが、地山が軟岩などになると膨張圧によって地山が変形し、拘束圧に変換されない場合もあるため、必ずしも充分な摩擦抵抗が確保できるとはいえない。
【0007】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、確実に摩擦抵抗を確保できる摩擦式定着ボルトを提供することを目的とする。
また、硬質地山から軟質地山まで地山の地質に左右されず、広い範囲で適用が可能となる摩擦式定着ボルトを提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の摩擦式定着ボルトは、孔内に挿入した中空管に流体を注入することによって中空管を膨張させて孔壁との摩擦を確保する摩擦式定着ボルトであって、前記中空管の表面に多数の粒状材を散りばめて付着させたことを特徴とするものである。ここで、前記粒状材が前記中空管より硬質の材料であることが好ましい。また、前記粒状材は、接着剤を介して前記中空管の表面に付着させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
<イ>摩擦式定着ボルト
本発明の摩擦式の定着ボルト1は、地山に削孔した孔に挿入し、地山と定着ボルト1の表面の摩擦抵抗によって定着をおこなうボルトである。
このため、グラウトなどの固化型の注入材の付着力に頼る必要がないため、湧水が多い地山にも適用することができる。
定着ボルト1が使用できる地山は、硬岩や中硬岩などの硬質地山5a、軟岩などの軟質地山5bなどである。
また、定着ボルト1の適用場所は、トンネルや地下空洞などの内面、切土した斜面など公知のロックボルトの適用範囲と同様の箇所に適用できる。
定着ボルト1は、中空管2と粒状材3で構成する。
【0011】
<ロ>中空管
中空管2は、定着ボルト1の耐力を決定する材料である。中空管2の材質、直径などによってせん断耐力、引張り耐力が決定する。中空管2には鋼管、炭素鋼管、ステンレス管などが使用できる。
中空管2は、膨張後に孔壁に密着できるようにするため、伸縮性の小さい鋼材などを使用する場合は削孔径より大きな径を有する部材を使用するのが好ましい。このため、挿入時は削孔の孔径より小さくなるように、中空管2を折り曲げるなどの加工を施す。例えば、公知の膨張型ボルトのように、軸方向の折れ目に沿って二つ折りにして外形を小さくすることができる(図5上図参照)。
【0012】
<ハ>粒状材
粒状材3は、地山と定着ボルト1との付着力を高めるために配置するものである。
粒状材3には、珪砂等の砂、砂利、細かく砕いた砕石、硬質の金属粒子などを使用することができる。粒状材3の形状は球体に限定されるものではなく、多面体であってもよい。粒状材3には、中空管2を構成する材料よりも硬質の材料を使用するのが好ましい。
粒状材3は、後述する接着剤4を介在させて中空管2に付着させることができる。また、溶着によって中空管2に粒状材3を付着させこともできる。
【0013】
<ニ>接着剤
接着剤4は、粒状材3を中空管2に強固に固着できる材料であればどのような種類のものを用いてもよい。
接着剤4としては、例えばエポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂系、EVA系(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系)、アクリル樹脂系等の樹脂系接着剤や、クロロプレンゴム系、スチレン・ブタジエンゴム系等のゴム系接着剤や、セメント系、石膏系等の水・気硬性接着剤を用いることが可能である。
【0014】
<ホ>定着ボルトの製造方法(図1)
定着ボルト1の製造方法の実施例について以下に述べる。
まず、中空管2の表面に接着剤4を均一に塗布する。次に、中空管2の表面に粒状材3を均一に散りばめる。粒状材3は接着剤4を介して中空管2に付着する。
そして、必要に応じて中空管2の側面を径方向に押し込んで、軸方向に連続した折れ目を形成して折り曲げる。また、必要に応じて支圧板6を取り付けて定着ボルト1を完成させる。なお、中空管2の折り曲げ作業は、粒状材3を付着させる前におこなうこともできる。
【0015】
【実施例】
<イ>硬質地山に適用した場合(図2)
本発明の定着ボルト1を、硬岩や中硬岩などの硬質地山5aに定着した実施例について説明する。
まず、硬質地山5aの掘削孔に挿入した定着ボルト1に高圧水を注入して中空管2を膨張させる。
このとき、硬質地山5aの方が中空管2よりも硬いか同程度であれば、中空管2の表面に付着した粒状材3は中空管2に食い込む。図2は硬質地山5aと中空管2の両方に粒状材3が同程度食い込んだ状態の拡大断面図である。
このように粒状材3が硬質地山5a及び中空管2に食い込むことで、中空管2と粒状材3の結合力が強くなるとともに、定着ボルト1と硬質地山5aとの摩擦抵抗も増加する。
【0016】
<ロ>軟質地山に適用した場合(図3)
軟岩などの硬質地山5aよりも柔らかい軟質地山5bに定着した実施例について説明する。
ここでいう軟質地山5bは、中空管2よりも柔らかい地山をいうため、中空管2が膨張して粒状材3を介して膨張圧が軟質地山5bと中空管2の両方に作用した場合に、粒状材3は軟質地山5bにのみ食い込む。
このため、中空管2と粒状材3の付着強度は接着剤4の付着強度にのみ左右されることになる。しかし、この付着強度さえ充分に確保できれば、粒状材3が軟質地山5bに深く食い込んでいるため、定着ボルト1と孔壁の摩擦抵抗が増大するといえる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の摩擦式定着ボルトは以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>粒状材を定着ボルトの表面に付着させることによって、孔壁と定着ボルトの間の摩擦抵抗を確実に増加させることができる。
<ロ>軟質地山に適用しても摩擦抵抗を充分に確保できるため、地山の地質に左右されず、広い範囲での適用が可能となる。トンネル工事においては、掘削中に地山の地質が変化することがよくあるが、このような場合においても同じ定着ボルトを続けて使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の摩擦式定着ボルトの製造方法の実施例の説明図
【図2】硬質地山に摩擦式定着ボルトを適用した実施例の説明図
【図3】軟質地山に摩擦式定着ボルトを適用した実施例の説明図
【図4】従来の摩擦式定着ボルトの実施例の断面図
【図5】従来の膨張型ボルトの膨張する過程を示した説明図
【符号の説明】
1・・・定着ボルト
2・・・中空管
3・・・粒状材
4・・・接着剤
Claims (3)
- 孔内に挿入した中空管に流体を注入することによって中空管を膨張させて孔壁との摩擦を確保する摩擦式定着ボルトであって、
前記中空管の表面に多数の粒状材を散りばめて付着させたことを特徴とする、
摩擦式定着ボルト。 - 前記粒状材が前記中空管より硬質の材料であることを特徴とする、請求項1記載の摩擦式定着ボルト。
- 前記粒状材は、接着剤を介して前記中空管の表面に付着させることを特徴とする、請求項1又は2記載の摩擦式定着ボルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002348031A JP2004183224A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 摩擦式定着ボルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002348031A JP2004183224A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 摩擦式定着ボルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004183224A true JP2004183224A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32751056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002348031A Pending JP2004183224A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 摩擦式定着ボルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004183224A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012077509A (ja) * | 2010-10-01 | 2012-04-19 | Kajima Corp | 膨張型鋼管ロックボルト及びその製造方法、地山補強工法 |
JP2012255318A (ja) * | 2011-06-10 | 2012-12-27 | Kajima Corp | 凸部付き拡張型ロックボルト |
-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002348031A patent/JP2004183224A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012077509A (ja) * | 2010-10-01 | 2012-04-19 | Kajima Corp | 膨張型鋼管ロックボルト及びその製造方法、地山補強工法 |
JP2012255318A (ja) * | 2011-06-10 | 2012-12-27 | Kajima Corp | 凸部付き拡張型ロックボルト |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101736292B1 (ko) | 자유장부 보강이 가능한 주름관 앵커 및 그 시공방법 | |
KR101912346B1 (ko) | 지반보강구조물 및 그 시공방법 | |
JP2002348859A (ja) | 拡径可能な既製杭およびその施工方法 | |
US4443132A (en) | Anchoring of tension members | |
JP4696556B2 (ja) | 地山補強土工法及び地山補強土構造 | |
JP3836848B2 (ja) | 地中アンカーの構築方法 | |
JP2004183224A (ja) | 摩擦式定着ボルト | |
KR100696309B1 (ko) | 사면보강공사용 네일앵커 | |
KR20130029906A (ko) | 주변마찰력 증가 장치 | |
JP2009235865A (ja) | 支保部材およびその支保部材の定着方法 | |
JP4205827B2 (ja) | 既設地中構造物の補強構造及び補強工法 | |
KR101017183B1 (ko) | 피에스 강연선을 이용한 앵커 조립체 및 그를 이용한 지반보강방법 | |
JP2008031759A (ja) | グラウンドアンカーおよびグラウンドアンカー工法 | |
JP2004332242A (ja) | 地山補強用鋼管 | |
CN105200990B (zh) | 一种胀管式锚索 | |
KR100742775B1 (ko) | 원추형 자켓 앵커 및 그를 이용한 시공방법 | |
JP5504463B2 (ja) | コンクリート躯体の補強方法 | |
JPH04194227A (ja) | 管状補強材による補強土工法 | |
JP2007146531A (ja) | アンカー構造体及びアンカー工法 | |
JP6351116B2 (ja) | アンカー構造及びアンカーの施工方法 | |
JP2002302939A (ja) | 連続地中壁の打ち継ぎ部用スペーサ | |
JP2009155922A (ja) | アンカー筋の固定構造及び方法 | |
JP2004068454A (ja) | アンカーおよびアンカー固定用カプセル | |
JPH04350290A (ja) | 並列トンネルの施工方法 | |
JP2002004276A (ja) | 大径ロックボルトを用いた地山補強土工法 |