JP2009155922A - アンカー筋の固定構造及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンカーホールのコンクリート面に目あらしをすることなしに、グラウト材とコンクリートの付着強度を少なくとも2[N/mm2]程度、又はそれを上回る程度にまで上げて、施工アンカーとしての引張耐力を十分に確保する。
【解決手段】コンクリート構造物2に穿設したアンカーホール20にアンカー筋11を挿入し、このアンカーホール20に膨張性を有するグラウト材を充填し、硬化させて膨張させ、この硬化体3の膨張をアンカーホール20のコンクリート面21で拘束する。
【選択図】図1
【解決手段】コンクリート構造物2に穿設したアンカーホール20にアンカー筋11を挿入し、このアンカーホール20に膨張性を有するグラウト材を充填し、硬化させて膨張させ、この硬化体3の膨張をアンカーホール20のコンクリート面21で拘束する。
【選択図】図1
Description
本発明は、コンクリート構造物にあと施工でアンカー筋を固定する、アンカー筋の固定構造及び方法に関する。
従来から、既存の鉄筋コンクリート造の構造物にアンカー筋を埋め込み、このアンカー筋を利用して、既存のコンクリート構造物に他の構造物又は固定物を定着する、あと施工が知られている。このあと施工では、コンクリート構造物にアンカーホールを穿ち、このアンカーホールにアンカー筋を固定するが、この工法には、一般に、大きく分けて、樹脂系(接着剤充填型)アンカーと、メカニカル(金属系又は金属拡張型)アンカーの2種類のアンカーが採用されている。周知のとおり、樹脂系アンカーは、コンクリートに穿設したアンカーホールに接着剤カプセルなどを装着し、攪拌してアンカー筋を固着するあと施工アンカーであり、メカニカルアンカーは、コンクリートにアンカーホールを穿設して、その部分に打設したアンカー本体とコンクリートの抵抗機構により固着するあと施工アンカーである。
このあと施工ではまた、グラウト材を使ってアンカー筋を固定する工法が提案されている。この工法は、コンクリート構造物に穿設したアンカーホールにアンカー筋を挿入し、このアンカー筋をアンカーホールにグラウト材を充填、硬化して固定するもので、この種の工法が特許文献1に記載されている。この文献1では、グラウト材に無収縮性のモルタルなどが採用されている。
本願発明者は、上記文献1の技術とはまた異なる視点で、この種のあと施工でグラウト材を使ってアンカー筋を固定する工法について着目した。そして、この工法では、アンカーの引張耐力はアンカー筋とグラウト材、グラウト材とコンクリートとの付着強度、又は鉄筋の引張耐力のうち、一番小さい値によって決定され、通常、グラウト材とコンクリートの付着強度は2[N/mm2]程度であることが要求されており、この場合、アンカーホールのコンクリート面からレイタンスを除去し、目あらしする必要があるが、アンカーホールの削孔面は平滑で、小さな孔のために、削孔面全体を目あらしすることは極めて困難で、このため付着強度は2[N/mm2]を大きく下回り、アンカーとしての引張耐力を十分に確保できない、という問題があることが分かった。本願発明者は、この問題を解決し、グラウト材を使ってアンカー筋を固定する工法を第3番目の施工アンカーとして提案することを課題とする。
そこで、本発明は、この種のグラウト材を採用するアンカー筋の固定構造及び固定方法において、アンカーホールのコンクリート面に目あらしをすることなしに、グラウト材とコンクリートの付着強度を少なくとも2[N/mm2]程度、又はそれを上回る程度にまで上げて、アンカーとしての引張耐力を十分に確保すること、を目的とする。
上記の問題を解決するために、本発明のアンカー筋の固定構造は、コンクリート構造物のアンカーホールに配置されたアンカー筋が、前記アンカーホールに充填されたグラウト材の硬化体により固定されるアンカー筋の固定構造において、前記グラウト材は硬化後に膨張する膨張性を有し、前記グラウト材の硬化体は前記アンカーホール内で膨張され、前記アンカーホール内周のコンクリート面に拘束される、ことを要旨とする。
また、上記の問題を解決するために、本発明のアンカー筋の固定方法は、コンクリート構造物に穿設したアンカーホールにアンカー筋を挿入し、前記アンカー筋を前記アンカーホールにグラウト材を充填、硬化して固定するアンカー筋の固定方法において、前記グラウト材に、硬化後に膨張する膨張性を有するグラウト材を採用し、該グラウト材を前記アンカー筋が挿入されたアンカーホールに充填、硬化し、該グラウト材の硬化後の膨張を前記アンカーホール内周のコンクリート面で拘束する、ことを要旨とする。
本願発明のアンカー筋の固定構造及び方法によれば、コンクリート構造物に穿設したアンカーホールにアンカー筋を挿入し、このアンカー筋をアンカーホールに膨張性を有するグラウト材を充填、硬化し、このグラウト材の硬化後の膨張をアンカーホールのコンクリート面で拘束して埋め込み固定するので、グラウト材の硬化体とコンクリート面との接地圧が大幅に増大し、グラウト材とコンクリートの付着強度を少なくとも2[N/mm2]程度、又はそれを上回る程度にまで上げて、アンカーとしての引張耐力を十分に確保することができる、という本願発明独自の格別な効果を奏する。
以下、この発明の一実施の形態について、図1を用いて説明する。図1に示すように、このアンカー筋の固定構造1は、鉄筋コンクリート造の構造物2(以下、コンクリート構造物2という。)に穿たれたアンカーホール20にアンカー筋11が挿入配置された状態で、このアンカーホール20に充填、硬化されたグラウト材の硬化体3により埋め込み固定される。この場合、グラウト材はセメント、膨張材、骨材、及び減水剤その他を含有するセメント系膨張性グラウト材で、特に膨張材に、例えば石灰系、カルシウムサルホアルミネート系その他の各種の膨張材が使用され、所定の添加量で他の組成物と組み合わされて、グラウト材全体が硬化後に適度の膨張性を発現させるための膨張性能を有している。
そして、このアンカー筋の固定方法は、まず、コンクリート構造物2の所定の位置にアンカー筋を設置するためのアンカーホール20を、削孔機などを使って、アンカー筋長及び径よりも大きい所定の深さ及び内径で掘削する。なお、このアンカーホール20は既述のとおり、目あらしできない状況にあり、削孔面は平滑で、小さな孔になっている。続いて、このアンカーホール20にアンカー筋11を挿入、配置する。そして、このアンカーホール20にグラウト材を充填し、硬化する。この場合、グラウト材に、既述のとおり、膨張性を有するグラウト材を採用し、このグラウト材の膨張作用により、このグラウト材をアンカーホール20内で膨張させ、この膨張をアンカーホール20内周のコンクリート面21で拘束する。
このようにしてグラウト材の硬化体3は適度の膨張率で膨張し、この膨張がアンカーホール20内周のコンクリート面21で拘束されることで、この硬化体3とコンクリート面21の接地圧は従来の無収縮性モルタルなどのグラウト材の硬化体とコンクリート面との接地圧に比べて大幅に増大し、硬化後の硬化体3とアンカーホール20内周のコンクリート面21との付着強度はコンクリート面21に目あらししていない状態であるにも拘らず、少なくとも2[N/mm2]程度、又はそれを上回る程度にまで高められる。
以上説明したように、このアンカー筋の固定構造及び固定方法によれば、コンクリート構造物2に穿設したアンカーホール20にアンカー筋11を挿入し、このアンカーホール20に膨張性を有するグラウト材を充填し、硬化させて膨張させ、この硬化体3の膨張をアンカーホール2のコンクリート面21で拘束するので、グラウト材の硬化体3とコンクリート面21との接地圧を著しく増大させて、アンカーホール20内周のコンクリート面21に目あらししていない状態でも、グラウト材とコンクリートの付着強度を少なくとも2[N/mm2]程度、又はそれを上回る程度にまで上げることができ、アンカー筋11をアンカーホール20に確実に埋め込み固定して、アンカーとしての引張耐力を十分に確保することができる。
1 アンカー筋の固定構造
11 アンカー筋
2 鉄筋コンクリート造の構造物
20 アンカーホール
21 コンクリート面
3 グラウト材の硬化体
11 アンカー筋
2 鉄筋コンクリート造の構造物
20 アンカーホール
21 コンクリート面
3 グラウト材の硬化体
Claims (2)
- コンクリート構造物のアンカーホールに配置されたアンカー筋が、前記アンカーホールに充填されたグラウト材の硬化体により固定されるアンカー筋の固定構造において、
前記グラウト材は硬化後に膨張する膨張性を有し、
前記グラウト材の硬化体は前記アンカーホール内で膨張され、前記アンカーホール内周のコンクリート面に拘束される、
ことを特徴とするアンカー筋の固定構造。 - コンクリート構造物に穿設したアンカーホールにアンカー筋を挿入し、前記アンカー筋を前記アンカーホールにグラウト材を充填、硬化して固定するアンカー筋の固定方法において、
前記グラウト材に、硬化後に膨張する膨張性を有するグラウト材を採用し、
該グラウト材を前記アンカー筋が挿入されたアンカーホールに充填、硬化し、該グラウト材の硬化後の膨張を前記アンカーホール内周のコンクリート面で拘束する、
ことを特徴とするアンカー筋の固定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007335712A JP2009155922A (ja) | 2007-12-27 | 2007-12-27 | アンカー筋の固定構造及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009155922A true JP2009155922A (ja) | 2009-07-16 |
Family
ID=40960220
Family Applications (1)
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JP2007335712A Pending JP2009155922A (ja) | 2007-12-27 | 2007-12-27 | アンカー筋の固定構造及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009155922A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016128642A (ja) * | 2015-01-09 | 2016-07-14 | 株式会社熊谷組 | 鉄筋の定着方法 |
CN109184735A (zh) * | 2018-10-25 | 2019-01-11 | 上海市政工程设计研究总院(集团)有限公司 | 一种有内水压盾构隧道接缝手孔的封堵方法 |
-
2007
- 2007-12-27 JP JP2007335712A patent/JP2009155922A/ja active Pending
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