JP2009235865A - 支保部材およびその支保部材の定着方法 - Google Patents

支保部材およびその支保部材の定着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 トンネル掘削直後において、即時にプレストレスを与えることができ、迅速に施工することができる支保部材および定着方法を提供する。
【解決手段】 支保部材10は、内部に注水または注油することにより膨張して孔壁に密着する棒状袋体を、その棒状袋体の長手方向に2つ以上連結してなる。棒状袋体の一例は、膨張鋼管型ロックボルト11、12である。この支保部材10は、孔内へ最先に挿入された膨張鋼管型ロックボルト11内に注水または注油して孔壁に密着させた後、膨張鋼管型ロックボルト11に連結される膨張鋼管型ロックボルト12を引き出す方向へ引っ張りつつ膨張鋼管型ロックボルト12内に注水または注油して孔壁に密着させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地山の変形や塑性域の拡大を効果的に抑止するために地山に定着される支保部材およびその支保部材の定着方法に関する。
山岳トンネルを構築する際の支保部材としてロックボルトが使用されている。ロックボルトは、地山が内空側に変形することを受けて張力が働き、岩盤の亀裂等が動かないように固定して地山の拘束効果を得るためのものである。このことから、ロックボルトは、トンネル壁面や地山が変形することにより初めて支保機能を発揮する待受け式の支保部材である。したがって、現状の技術では、その効果を発揮させるためには、ある程度の変位を許容せざるを得ない状況にある。
ロックボルトには、定着方式の相違により、定着材式と摩擦式とがある。定着材式は、ロックボルトを挿入するために穿孔された孔に、セメントモルタル等の定着材を充填し、その後、ロックボルトを挿入し、定着材が固化することによりロックボルトを定着させる先充填方式と、孔に、ロックボルトを挿入した後、セメントミルクや樹脂等の定着材を注入し、定着材が固化することによりロックボルトを定着させる後注入方式とがある。これらはいずれも、定着材を使用するものである。
これに対し、摩擦式は、ロックボルトを孔壁に密着させることにより得られる摩擦力により定着する方式である。この方式には、穿孔された孔の径より大きい径を有するロックボルトを強制的に挿入するスリットばね型と、その孔の中で高圧水を注入して鋼管を膨張させて孔壁に密着させる膨張鋼管型とがある。
近年、孔壁の形状に合わせて変形する等、独自の柔軟性を有し、適用範囲が広い膨張鋼管型ロックボルトが採用されるようになってきている。これは、高耐食性メッキの採用により、これまで問題とされてきた腐食の問題が解決されるようになってきたためである(非特許文献1参照)。
この膨張鋼管型ロックボルトは、定着材を使用しないため、穿孔、ロックボルトの挿入、高圧水の注入による膨張と少ない工程でロックボルト工を完成させることができ、安価で施工することが可能である。
太田英将、柏熊誠治、橘高敏晴、「斜面対策の新工法 −排水補強パイプ・膨張鋼管型ロックボルト−」、[online]、2004年8月25日、日本地すべり学会研究発表会、[平成20年3月18日検索]、インターネット<URL:http://www.chiyoda-kizai.co.jp/PN/siken/2004JLS_OHTA.pdf>
地山の変形や塑性域の拡大をより効果的に抑止するためには、上記の待受け式の支保部材ではなく、プレストレスを与えて積極的かつ早期に地山を拘束する必要がある。プレストレスとは、前もって力を加えることを意味し、具体的には引張力がかかるところへ予め圧縮力を加えること、あるいは圧縮力がかかるところへ予め引張力を加えることを意味する。なお、地山へのプレストレスの導入は、ロックボルトにプレストレスを与えた状態で定着させることにより行うことができる。
しかしながら、トンネル掘削直後において、切羽でロックボルトにプレストレスを与えることには次の問題がある。定着材式のロックボルトの施工において用いられる充填材では硬化時間が遅く、掘削直後にプレストレスを与えることはできない。特殊な薬液を使用することで硬化時間を短縮することは可能であるが、この場合は安価に施工することはできなくなる。
完成後の変状トンネルの補強として、プレストレスを導入したロックボルトを適用する事例は存在する。これは、トンネル掘削中に適用する場合に比例して、時間的に余裕があることや使用機械に比較的制約を受けないためである。しかしながら、トンネル掘削直後においては、地山の崩壊の危険性があるため、それほどの時間的な余裕はなく、重量が重い機械では施工性が悪く、時間もかかることから、使用機械にも制約がある。
また、摩擦式のロックボルトは、定着材を用いないため、短時間で施工を行うことができるが、スリットばね型については挿入するのみで定着され、膨張鋼管型については注水して膨張させると定着されるので、ロックボルトにプレストレスを与えることはできない。
このため、トンネル掘削直後において、定着材を用いることなく、容易かつ短時間で地山に定着させることができるとともに、プレストレスを与えることができる支保部材の提供、その支保部材を用いた定着方法の提供が望まれている。
本発明者らは、鋭意検討の結果、膨張鋼管型ロックボルトをその長手方向に2つ以上連結して構成し、穿孔された孔内にそれを挿入し、最先に挿入された先頭の膨張鋼管型ロックボルトのみに注水して膨張させ、それを孔壁に密着させた後、その先頭の膨張鋼管型ロックボルトに連結された萎んだ状態の後続の膨張鋼管型ロックボルトを引っ張りつつ後続の膨張鋼管型ロックボルトに注水して膨張させることにより、プレストレスを導入することができるとともに、定着材を用いることなく地山に容易かつ短時間で定着させることができることを見出した。
上記課題は、本発明の支保部材および支保部材の定着方法を提供することにより解決できる。すなわち、本発明によれば、トンネル壁面の崩壊を防止するために、前記トンネル壁面に穿孔された孔内に挿入され定着される支保部材であって、
内部に注水することにより膨張して孔壁に密着する棒状袋体を、該棒状袋体の長手方向に2つ以上連結してなり、
孔内へ最先に挿入された先頭棒状袋体内に注水して孔壁に密着させた後、先頭棒状袋体に連結される後続棒状袋体を、後続棒状袋体を引き出す方向へ引っ張りつつ後続棒状袋体内に注水して孔壁に密着させることを特徴とする支保部材が提供される。内部に注入するものは、水に限られるものではなく、油等の液体であってもよい。
上記の棒状袋体としては、膨張鋼管型ロックボルトとすることができる。この膨張鋼管型ロックボルトを採用する場合、地山に締結するための座金およびナットと、膨張鋼管型ロックボルトが挿通可能な穴を有し、トンネル壁面と座金との間に配置され、内部に注水することにより膨張して、トンネル壁面と座金との間隔を拡張させるリング状袋体とをさらに備える。
また、本発明によれば、穿孔された孔内に支保部材を定着させる方法も提供することができる。この方法は、内部に注水することにより膨張して孔壁に密着する棒状袋体が、その棒状袋体の長手方向に2つ以上連結してなる支保部材を孔内に挿入する段階と、孔内へ最先に挿入された先頭棒状袋体内に注水して膨張させ、孔壁に密着させる段階と、先頭棒状袋体に連結される後続棒状袋体を、後続棒状袋体を引き出す方向へ引っ張りつつ後続棒状袋体内に注水して孔壁に密着させる段階とを含む。
上記の後続棒状袋体を定着させる段階は、トンネル壁面と座金との間にリング状袋体を配置し、リング状袋体の内部に注水することにより膨張させ、トンネル壁面と座金との間隔を拡張させる段階を含む。
本発明の支保部材および定着方法を提供することにより、即時にプレストレスを与えることができ、その支保部材を迅速に施工することができる。
また、定着材が必要ないので、鋼管を膨張後、直ちに耐力を発揮させることができる。
さらに、リング状袋体を用いることにより、センターホールジャッキやトルクレンチ等の重量が重い機械を使用することなくプレストレスを与えることができるため、施工性が良く、施工時間を大幅に短縮することができる。
本発明の支保部材および定着方法を、図面を参照して詳細に説明する。トンネルは、シールド工法や山岳工法(NATM)等により構築されるが、掘削により地山の強度は低下し、崩れやすくなる。このため、掘削することにより形成されたトンネル壁面にはコンクリートが吹きつけられ、ロックボルト等の支保部材で地山を留め付けて補強しつつ、トンネルの掘削が行われる。本発明の支保部材は、このトンネル掘削中、トンネル壁面にボーリングマシンや削岩機等を使用して穿孔した後の孔内に挿入され、定着されて、地山を拘束するものである。その構成は、内部に注水することにより膨張する棒状袋体がその長手方向に2つ以上連結されてなるものである。なお、棒状袋体の内部へは、水に限られるものではなく、油等の液体を供給することもできる。以下、この棒状袋体の内部へは、水を供給するものとして説明する。
図1は、本発明の支保部材の1つの実施形態を示した図である。図1では、2つの膨張鋼管型ロックボルト11、12がその長手方向に連結されて支保部材10を構成しており、各ロックボルト11、12は、表面に耐食性のめっきが施された鋼製の折り畳み可能なチューブで、高圧水の注入により膨張するものとされている。この耐食性めっきには、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金等からなる材料が使用される。また、高圧水は、鋼製のチューブが膨張可能な水圧であればいかなる圧力であってもよいが、例えば約20〜50MPaの水圧で供給される。
支保部材10は、孔内へ挿入する側を先端とした場合の末端が、ねじ切りされていて、ナット13が螺合されるようになっている。この支保部材10は、ナット13により地山に締結されるが、トンネル壁面とナット13との間に、中央にロックボルトが挿通可能な穴が形成された略正方形で平坦面を有する薄板からなる座金(ワッシャー)14が配置される。この座金14は、トンネル壁面にナット13がめり込まないようにするために、また、地震動等によりナット13が緩まないようにするために設けられる。また、支保部材10は、ロックボルト11、12内に個別に注水するための注水口を備えており、各ロックボルト11、12を個別に膨張させることができる。なお、各ロックボルト11、12は膨張すると、膨張形状を保持するため、内部へ供給された水をその内部に保持しておく必要はなく、注水口は開いたままでよい。
図2は、図1に示す支保部材10の断面図である。ロックボルト11、12は、膨張部20、21と、ナット13の螺合を可能にするねじ部22、23とを有する。膨張部20、21は、鋼製の棒状袋体とされ、高圧水を注入する前は萎んだ状態であるが、高圧水の注入を開始すると膨張し、拡径する。ねじ部22、23は、ナット13の螺合を可能にするために、その表面にはねじ山およびねじ溝が形成されていて、その内部は膨張部20、21へと連続する注水路が形成されている。ここでは、ねじ部22、23を備える構成を例示したが、ナット13に代えてキャップを用いる場合には、ねじ部22、23を有していなくてもよい。
孔内へ先に挿入される先頭のロックボルト11およびそれに連結される後続のロックボルト12を孔内に挿入した後、先頭のロックボルト11のみを膨張させるために、その先頭のロックボルト11のねじ部22の末端から、トンネル壁面から突出する後続のロックボルト12のねじ部23の末端にまで延びるチューブ24が別途設けられる。なお、トンネル壁面から突出し、注水ポンプと接続可能であれば、上記のねじ部23の末端にまで延びていなくてもよい。このチューブ24は、後続のロックボルト12の膨張部21の内部を通り、後続のロックボルト12のねじ部23の中を通して、あるいは後続のロックボルト12の膨張部21を貫通してねじ部23と平行に並ぶように設けることができる。図2では、一例として、後続のロックボルト12のねじ部23の中を通して、チューブ24が設けられている。この詳細を、図3を参照して説明する。
図3(a)では、チューブ24が、後続のロックボルト12の膨張部21の内部を通り、後続のロックボルト12のねじ部23の中を通して設けられている。注水ポンプは、先にこのチューブ24に接続され、先頭のロックボルト11のみに注水し、膨張させ、先頭のロックボルト11の膨張部20を孔壁に密着させる。次に、後続のロックボルト12のねじ部23に注水ポンプを接続し、後続のロックボルト12を引っ張り、後続のロックボルト12を緊張させたまま、後続のロックボルト12の注水口から注水し、膨張させ、後続のロックボルト12の膨張部21を孔壁に密着させる。これらの密着後、トンネル壁面から突出する後続のロックボルト12のねじ部23に座金14を通し、ナット13を螺合することにより、後続のロックボルト12を緊張させたまま支保部材10を地山に締結する。
締結後は、ストレスが開放され、後続のロックボルト12には、引っ張った方向とは反対方向へ復元しようとする力が働き、地山へプレストレスが導入される。トンネル壁面31近傍の土壌等は、支保部材10によって地山の内部へと引っ張られる状態になるため、地山の拘束効果を高め、トンネル壁面の崩壊をより効果的に抑止することができる。
図3(b)では、チューブ24が、後続のロックボルト12の膨張部21の一端を貫通し、後続のロックボルト12のねじ部23と平行に並ぶように設けられている。この場合も、注水ポンプは、先にこのチューブ24に接続され、先頭のロックボルト11のみに注水し、膨張させ、先頭のロックボルト11の膨張部20を孔壁に密着させる。次に、後続のロックボルト12のねじ部23に注水ポンプを接続し、後続のロックボルト12を引っ張り、後続のロックボルト12を緊張させたまま、後続のロックボルト12内に注水し、膨張させ、後続のロックボルト12の膨張部21を孔壁に密着させる。これらの密着後、トンネル壁面から突出する後続のロックボルト12のねじ部23に座金14を通し、ナット13を螺合して、後続のロックボルト12を緊張させたまま支保部材10を地山に締結する。この場合も同様に、地山へプレストレスが導入される。
図4に、ロックボルト11の膨張部20が膨張する様子を示す。図4(a)は、このロックボルト11をボルト孔30内へ挿入する段階における萎んだ状態を示した断面図である。このときのロックボルト11は、内部に水が存在しないため、凹状に萎んだ状態で、その径は、ボルト孔30の径より小さくなっている。図4(b)では、注水を開始し、内部に水が供給されて次第に膨張しているところが示されている。この図4(b)では、高圧水が供給され続けるため、ロックボルト11がボルト孔30の孔壁に密着し、その周囲の土壌を押圧し続ける。
図4(c)は、注水を停止し、ナット13を締結したところを示した図である。注水を停止し、座金14を介してナット13を締結すると、ロックボルト11は周囲から土圧を受け、地山に定着される。
本発明の支保部材は、上記のように、膨張鋼管型ロックボルトをその長手方向に2つ以上連結してなるものである。1つの膨張鋼管型ロックボルトでは、プレストレスを導入することはできないが、2つ以上の膨張鋼管型ロックボルトをその長手方向に連結し、それぞれに注水可能とすることで、最先に挿入された膨張鋼管型ロックボルトで孔壁に固定しておき、それに連結される残りの膨張鋼管型ロックボルトをその長手方向に引っ張りつつ注水することで、プレストレスを導入することができる。このようにプレストレスを導入することにより、地山を積極的に拘束し、その結果、トンネル壁面の崩壊、地山の変形や塑性域の拡大を効果的に抑止することができる。
上記では、膨張鋼管型ロックボルトを2つ連結したものを例示したが、本発明では、3つ以上連結したものであってもよい。このロックボルトの径は、例えば、萎んだ状態における径が約36mm、膨張した状態における径が約54mmのものとすることができる。その長さは、例えば、膨張部が約1mのものとすることができる。ねじ部については、約0.1〜0.3mといったように、座金を通し、ナットを螺合させるに必要な長さとすることができる。
図5を参照して、この長手方向に2つ以上の膨張鋼管型ロックボルトを連結してなる支保部材を使用した定着方法について説明する。まず、図5(a)に示すように、トンネル壁面31の所定箇所に地山の内部へ向けてボルト孔30を穿孔する。このボルト孔30は、アーチ状に形成されたトンネルの内部から外部へ向けて放射状に複数形成される。その間隔は、例えば、約1mごととすることができる。ロックボルト11、12の萎んだ状態における径が約36mmで、注水して膨張した場合の径が約54mmである場合、ボルト孔30は、36mmより大きく、かつ54mmより小さい径で形成される。具体的には、約42mmとされる。このような径に形成するのは、萎んだ状態では容易に挿入することができ、膨張した状態では孔壁に密着した状態にならなければならないからである。
次に、図5(b)に示すように、ボルト孔30に、ロックボルト11、12が萎んだ状態の支保部材10を挿入する。そして、図5(c)に示すように、最先に挿入された先頭のロックボルト11に注水し、その先頭のロックボルト11のみを膨張させ、孔壁に密着させることにより地山に定着させる。
その後、図5(d)に示すように、先頭のロックボルト11に連結される後続のロックボルト12を矢線Aに示す方向に引っ張る。すると、孔壁と密着している先頭のロックボルト11には、矢線Aに示す方向への力が作用するが、先頭のロックボルト11は、孔壁との間に摩擦力を生じて固定され、後続のロックボルト12が、矢線Aに示す方向へ引っ張られて、プレストレスが与えられる。次に、図5(e)に示すように、後続のロックボルト12を矢線Aの方向に引っ張った状態のまま、後続のロックボルト12に注水し、ロックボルト12を膨張させ、地山に定着させる。3つ以上の膨張鋼管型ロックボルトが連結してなる場合には、その後、同様にして3つ目の膨張鋼管型ロックボルトを引っ張りつつ注水し、膨張させて地山に定着させる。
すべてのロックボルト11、12を定着させた後、図5(f)に示すように、ストレスを開放し、トンネル壁面31から突出したロックボルト12のねじ部23に座金14を通し、ナット13を螺合して地山に締結する。すると、引っ張られることにより緊張力が作用していた後続のロックボルト12は、矢線Aとは反対の方向の、復元しようとする力が作用し、それが地山へ作用して、地山へプレストレスが導入される。
図5に示す実施形態では、ロックボルト12へのプレストレスは、ロックボルト12を引っ張ることにより与えられるが、従来と同様に、センターホールジャッキやトルクレンチを使用して引っ張り、プレストレスを与えることができる。
上記構成の支保部材10を用いることで、モルタルやセメントミルクといった定着材を用いることなく、短時間で定着させることができ、地山へプレストレスを導入することができる。この支保部材10は、トンネル掘削直後の支保工に使用されるが、トンネル完成後の補強対策としても用いることができる。
上記の実施形態では、プレストレスを与える方法として、センタホールジャッキやトルクレンチを用いた。これらは、重量が重いことから施工性が悪く、施工に時間がかかるという問題がある。また、ロックボルト11、12には、注水して膨張させるために、高圧水を注入するための注水ポンプを使用する。
そこで、この注水ポンプを有効に活用することができ、プレストレスを簡単に与えることができ、かつ軽量のリング状袋体を用いることができる。このリング状袋体は、浮き輪のような構造のものとされ、中央の穴にロックボルト12のねじ部23が通るように、また、トンネル壁面31と座金14との間に萎んだ状態で配置され、内部に注水されることで膨張して、座金14とトンネル壁面31との間隔を広げることにより、ロックボルト12にプレストレスを与えるものである。
このリング状袋体は、注水ポンプと接続し、注水するための注水口を備え、その材質は、伸縮性を有し、容易に破裂しないように所定の強度を有し、かつ軽量で防水性を有するものとされる。これも、注水口に逆止弁を設けることができる。この袋の材質は、上記点を考慮し、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリイソブチレンといったゴム製のものが好ましいが、伸縮の小さいFRP(Fiber Reinforced Plastics)製等であってもよい。
図6を参照して、このリング状袋体を用いたロックボルトの定着方法を説明する。ボルト孔30を穿孔し、2つ以上の膨張鋼管型ロックボルトを長手方向に連結してなる支保部材10を萎んだ状態のままボルト孔30に挿入し、最先に挿入された先頭のロックボルト11に注水し、膨張させて地山に定着させる手順までは、上記と同様である。
その後、図6(a)に示すように、後続のロックボルト12のトンネル壁面31から突出したねじ部23に、萎んだ状態のリング状袋体32を通し、続いて座金14を通し、ナット13を螺合する。座金14が所定位置になるようにナット13を螺合する。トンネル壁面31に対する座金14の位置は、リング状袋体32が膨張し、後続のロックボルト12を適切に引っ張ることができる位置とされる。この段階では、トンネル壁面31と座金14との間にリング状袋体32が配置された状態となる。
図6(b)に示すように、先頭のロックボルト11に連結される後続のロックボルト12に注水する前に、注水口33を通してリング状袋体32の中に注水し、このリング状袋体32を膨張させる。すると、この膨張によってトンネル壁面31と座金14とにリング状袋体32が密着してそれらの両方を押圧し、トンネル壁面31と座金14との間隔を広げ、ロックボルト12を引っ張る。このため、ロックボルト12には緊張力が作用し、プレストレスが与えられる。リング状袋体32への注水を継続してこの状態を保持しつつ、図6(c)に示すように、支保部材10のねじ部23の末端にある注水口から高圧水を注水し、ロックボルト12を膨張させ、地山へ定着させる。
各ロックボルト11、12に注水した後、図6(d)に示すように、リング状袋体32の内部の水を抜き出し、ナット13を螺合し、地山にこの支保部材10を締結する。なお、内部の水を抜き出しつつ、ナット13を螺合し、締結することもできる。
このように、リング状袋体32を用い、注水ポンプを有効に活用することにより、支保部材の施工性を向上させ、その施工時間を短縮することができる。
これまで図面に示した実施形態を参照して、本発明の支保部材およびその支保部材の定着方法について詳細に説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。例えば、図3にチューブ24の配置を例示したが、これに限られるものではなく、適切に注水することができ、膨張部20、21を適切に膨張させることができればどのような配置、チューブサイズであってもよいものである。
本発明の支保部材の1つの実施形態を示した図。 図1に示す支保部材の断面図。 注水するためのチューブの配置を詳細に示した図。 膨張鋼管型ロックボルトの膨張部の断面を示した図。 本発明の支保部材を地山に定着させる1つの施工手順を示した図。 本発明の支保部材を地山に定着させる別の施工手順を示した図。
符号の説明
10…支保部材、11、12…ロックボルト、13…ナット、14…座金、20、21…膨張部、22、23…ねじ部、24…チューブ、30…ボルト孔、31…トンネル壁面、32…リング状袋体、33…注水口





















Claims (6)

  1. トンネル壁面の崩壊を防止するために、前記トンネル壁面に穿孔された孔内に挿入され定着される支保部材であって、
    内部に注水または注油することにより膨張して孔壁に密着する棒状袋体を、該棒状袋体の長手方向に2つ以上連結してなり、
    前記孔内へ最先に挿入された先頭棒状袋体内に注水または注油して前記孔壁に密着させた後、前記先頭棒状袋体に連結される後続棒状袋体を、該後続棒状袋体を引き出す方向へ引っ張りつつ該後続棒状袋体内に注水または注油して前記孔壁に密着させることを特徴とする、支保部材。
  2. 前記棒状袋体は、膨張鋼管型ロックボルトである、請求項1に記載の支保部材。
  3. 前記支保部材は、前記膨張鋼管型ロックボルトを前記トンネル壁面に締結するための座金およびナットと、前記膨張鋼管型ロックボルトが挿通可能な穴を有し、前記トンネル壁面と前記座金との間に配置されるリング状袋体とをさらに備え、
    前記リング状袋体の内部に注水または注油することにより該リング状袋体が膨張して、前記トンネル壁面と前記座金との間隔を拡張させる、請求項2に記載の支保部材。
  4. トンネル壁面の崩壊を防止するために、前記トンネル壁面に穿孔された孔内に支保部材を定着させる方法であって、
    内部に注水または注油することにより膨張して孔壁に密着する棒状袋体が、該棒状袋体の長手方向に2つ以上連結してなる前記支保部材を、前記孔内に挿入する段階と、
    前記孔内へ最先に挿入された先頭棒状袋体内に注水または注油して膨張させ、前記先頭棒状袋体を前記孔壁に密着させる段階と、
    前記先頭棒状袋体に連結される後続棒状袋体を、該後続棒状袋体を引き出す方向へ引っ張りつつ該後続棒状袋体内に注水または注油して前記孔壁に密着させる段階とを含む、方法。
  5. 前記棒状袋体は、膨張鋼管型ロックボルトである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記後続棒状袋体を定着させる段階は、前記膨張鋼管型ロックボルトにリング状袋体と座金とを通し、ナットを該膨張鋼管型ロックボルトに螺合することにより、前記トンネル壁面と前記座金との間に前記リング状袋体を配置し、前記リング状袋体の内部に注水または注油することにより該リング状袋体を膨張させ、前記トンネル壁面と前記座金との間隔を拡張させる段階を含む、請求項4または5に記載の方法。
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