JP2012254508A - 電動工具 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、モータの負荷電流が流れる電源供給用ケーブルを極力短くできるようにすることを目的とする。
【解決手段】本発明に係る電動工具は、モータハウジング３３の外周面とハンドル３５の基端部３５ｙが連結されることにより構成される工具ハウジング３０を備え、ハンドル３５の先端側にトリガスイッチ３７を備えるグリップ部３５ｇが設けられており、そのハンドル３５の基端部３５ｙの一端から工具ハウジング３０内にモータの電源供給用ケーブル４０ｐ，４０ｎ，４３ｕ，４３ｖ，４３ｗが入線される構成の電動工具であって、電源供給用ケーブル４０ｐ〜４３ｗの配線通路がハンドル３５のグリップ部３５ｇ以外の部位に設けられている。
【選択図】図２

Description

本発明は、モータを収納するモータハウジングの外周面と、ハンドルの基端部とが連結されることにより構成される工具ハウジングを備え、前記ハンドルの先端側にモータ起動用のトリガスイッチを備えるグリップ部が設けられており、前記ハンドルの途中位置から前記工具ハウジング内に前記モータの電源供給用ケーブルが入線される構成の電動工具に関する。

これに関連する電動工具が特許文献１に記載されている。
特許文献１に記載の電動工具は携帯マルノコであり、図４に示すように、平面角形のベース１０２と、そのベース１０２上に設置されたマルノコ本体１０５とを備えている。マルノコ本体１０５は、円板状の鋸刃１０４を回転させるモータ１０７ｍと減速機構を備えており、前記モータ１０７ｍ、減速機構がモータハウジング１０７に収納されている。モータハウジング１０７の外周面には、側面略コ字形に成形されたハンドル１０８の先端部と基端部とが連結されている。そして、ハンドル１０８の先端部寄りの位置にモータ起動用のトリガスイッチ１０８ｔを備えるグリップ部１０８ｇが設けられている。また、ハンドル１０８の途中位置（基端部寄りの位置）には、配線口１０８ｋが設けられており、その配線口１０８ｋからモータ１０７ｍの電源供給用ケーブル１１０ａ，１１０ｂが入線されるようになっている。

電源供給用ケーブル１１０ａ，１１０ｂはプラグ（図示省略）を介して電源コンセントに接続可能に構成されている。
プラグの一端側（＋）に接続された電源供給用ケーブル１１０ａは、図５のモータ回路図に示すように、トリガスイッチ１０８ｔの一端側に接続されている。そして、前記トリガスイッチ１０８ｔの他端側から出た渡り線１１０ｃがモータ１０７ｍの一端側に接続されている。さらに、モータ１０７ｍの他端側から出た電源供給用ケーブル１１０ｂが配線口１０８ｋを通ってプラグの他端側（−）に接続されている。
上記構成により、前記プラグをコンセントに接続した状態で、トリガスイッチ１０８ｔを引き操作することで、マルノコを駆動させることができる。

特開２００６−１１６８１５号公報

上記したマルノコでは、モータ１０７ｍの負荷電流が流される電源供給用ケーブル１１０ａ，１１０ｂ（渡り線１１０ｃ）をグリップ部１０８ｇのトリガスイッチ１０８ｔを介してモータ１０７ｍに接続する構成である。このため、電源供給用ケーブル１１０ａ、渡り線１１０ｃが、図４に示すように、グリップ部１０８ｇ内を通されるようになり、電源供給用ケーブル１１０ａ，１１０ｂ（渡り線１１０ｃ）のケーブル長が大きくなる。ケーブル長が大きくなると、線路抵抗が大きくなって電圧降下や発熱等が発生するため好ましくない。

本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、電動工具のハウジング内においてモータの負荷電流が流れる電源供給用ケーブルを極力短くできるようにして、電源供給用ケーブルの線路抵抗を小さくすることである。

上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項１の発明は、モータを収納するモータハウジングの外周面と、ハンドルの基端部とが連結されることにより構成される工具ハウジングを備え、前記ハンドルの先端側にモータ起動用のトリガスイッチを備えるグリップ部が設けられており、前記ハンドルの基端部の一端から前記工具ハウジング内に前記モータの電源供給用ケーブルが入線される構成の電動工具であって、前記電源供給用ケーブルの配線通路が前記ハンドルのグリップ部以外の部位に設けられていることを特徴とする。

本発明によると、電源供給用ケーブルの配線通路がハンドルのグリップ部以外の部位に設けられている。このため、電源供給用ケーブルは、ハンドルのグリップ部を通らずに、そのハンドルの基端部を通ってモータハウジングに至り、モータに接続されるようになる。このため、従来のように、電源供給用ケーブルがトリガスイッチを介してモータに接続される構成と比較して、電源供給用ケーブルがハンドルのグリップ部を通らない分だけその電源供給用ケーブルを短くできる。したがって、電源供給用ケーブルの線路抵抗を小さくすることができる。

請求項２の発明によると、複数のスイッチング素子を備えるモータ制御装置を備えており、モータ制御装置は、トリガスイッチからの信号に基づいて、モータに供給する電力を調整できるように構成されており、電源供給用ケーブルは、電源と前記モータ制御装置間、及び前記モータ制御装置とモータ間に配線されていることを特徴とする。
このため、トリガスイッチとモータ制御装置間には信号線を配線するだけで良くなり、ハンドルのグリップ部には前記信号線が通されるようになる。

請求項３の発明によると、モータ制御装置は、電源供給用ケーブルが工具ハウジング内に入線される位置とモータ間に配置されていることを特徴とする。
このため、電源供給用ケーブルの長さ寸法が極力短くなる。
請求項４の発明によると、モータハウジングとハンドルの先端部とが連結されており、モータ制御装置は、前記ハンドルの先端部内であってモータとトリガスイッチ間に配置されていることを特徴とする。

請求項５の発明によると、モータ制御装置は、６個のスイッチング素子からなる三相ブリッジ回路と、その三相ブリッジ回路を通過するモータ電流を遮断可能な電流遮断用スイッチング素子とを備えていることを特徴とする。
このため、三相ブリッジ回路を構成するスイッチング素子の一部が故障した場合にも、電流遮断用スイッチング素子によりモータ電流を遮断できるようになる。

本発明によると、電動工具のハウジング内においてモータの負荷電流が流れる電源供給用ケーブルを短くできるようになる。

本発明の実施形態１に係るマルノコにおけるモータ制御装置の回路構成を表す図面である。 本発明の実施形態１に係るマルノコの一部破断側面図である。 変更例に係るマルノコの一部破断側面図である。 従来のマルノコの一部破断側面図である。 従来のマルノコのモータ制御装置図である。

［実施形態１］
以下、図１から図３に基づいて、本発明の実施形態１に係る電動工具の説明を行う。
本実施形態に係る電動工具は、ＤＣブラシレスモータ（以下、モータという）を駆動源として使用するバッテリ式の携帯マルノコ１０である。
ここで、図中の前後及び上下は、携帯マルノコ１０の前後及び上下に対応している。
＜携帯マルノコ１０の概要について＞
携帯マルノコ１０は、図２に示すように、被切断材Ｗの上面に当接させる平面角形の平板形状をしたベース１２と、このベース１２上に設置されたマルノコ本体２０とを備えている。マルノコ本体２０は、駆動源であるモータ２２と減速機構（図示省略）を備えており、その減速機構の出力軸であるスピンドル（図示省略）に円板状の鋸刃２４が同軸に取付けられている。鋸刃２４は、その鋸刃２４の下部がベース１２の下面から下方に突出しており、前記鋸刃２４の突出部分が被切断材Ｗに切り込まれることで切断加工がなされるようになっている。そして、ベース１２の上側に位置する鋸刃２４の周囲がブレードケース２５によって覆われている。また、モータ２２と減速機構とが工具ハウジング３０を構成する円筒形のモータハウジング３３に収納されている。

モータハウジング３３の外周面には、前記モータ２２と減速機構との結合部付近に工具ハウジング３０を構成するハンドル３５が連結されている。ハンドル３５は、図２に示すように、モータハウジング３３の外周面上部から上方に延びる起立部３５ｓと、その起立部３５ｓの上部から斜め後方へ延びるグリップ部３５ｇと、そのグリップ部３５ｇの後部とモータハウジング３３の外周面後部とを連結する連結部３５ｙとから略逆Ｃ字形に形成されている。そして、ハンドル３５のグリップ部３５ｇの先端（前端）下側にモータ２２を駆動させるためのトリガスイッチ３７が設けられている。
また、ハンドル３５のグリップ部３５ｇの後部には、斜め下向きにバッテリ取付け台座部３８が設けられており、このバッテリ取付け台座部３８にバッテリパックＢが連結、あるいは連結解除可能に構成されている。
即ち、ハンドル３５の連結部３５ｙが本発明におけるハンドルの基端部に相当し、ハンドル３５の起立部３５ｓが本発明におけるハンドルの先端部に相当する。また、ハンドル３５のバッテリ取付け台座部３８が本発明における電源供給用ケーブルが工具ハウジング内に入線される位置に相当する。

＜モータ２２、及びモータ制御装置４０について＞
モータ２２は、上記したように、ＤＣブラシレスモータであり、永久磁石を備える回転子（図示省略）と、図１に示すように、三相の駆動コイル２２ｃを備える固定子２２０と、その固定子２２０に設けられて前記回転子の磁極の位置を検出するための三個の磁気センサ２２ｓとから構成されている。
モータ制御装置４０は、ハンドル３５のグリップ部３５ｇに設けられたトリガスイッチ３７の引き操作量に基づいてモータ２２を駆動させる装置である。モータ制御装置４０は、図１に示すように、６個のスイッチング素子４１（Ｑ１〜Ｑ６）から構成された三相ブリッジ回路部４３と、その三相ブリッジ回路部４３と直列に設けられた電流遮断用スイッチング素子４４（Ｑ７）と、トリガスイッチ３７の信号に基づいて三相ブリッジ回路部４３を制御するとともに、電流及び電圧の監視を行う制御部４６とを備えている。

モータ制御装置４０には、図１の太線に示すように、バッテリパックＢから電源ケーブル４０ｐ，４０ｎによって電力が供給される。そして、バッテリパックＢの電力により、三相ブリッジ回路部４３及び制御部４６が動作するようになっている。三相ブリッジ回路部４３は、三本（Ｕ相、Ｖ相、Ｗ相）の動力ケーブル４３ｕ，４３ｖ，４３ｗを備えており、それらの動力ケーブル４３ｕ，４３ｖ，４３ｗがモータ２２の対応する駆動コイル２２ｃに接続されている。
即ち、電源ケーブル４０ｐ，４０ｎ、及び動力ケーブル４３ｕ，４３ｖ，４３ｗが本発明におけるモータの電源供給用ケーブルに相当する。

制御部４６は、トリガスイッチ３７の引き操作量（抵抗値の変化）をパルス幅信号に変換するＰＷＭ生成回路４６１と、三相ブリッジ回路部４３のスイッチング素子４１（Ｑ１〜Ｑ６）、及び電流遮断用スイッチング素子４４（Ｑ７）を駆動させるゲート駆動信号生成回路４６２と、モータ２２の過電流を検出可能な過電流検出回路４６３と、電流遮断用スイッチング素子４４の故障判定を行うＱ７故障判定回路４６４とを備えている。
さらに、制御部４６は、電圧検出回路４６８により検出されたバッテリパックＢのバッテリ電圧を監視する監視回路（図示省略）を備えている。

制御部４６のゲート駆動信号生成回路４６２は、ＰＷＭ生成回路４６１からのパルス幅信号に基づいて三相ブリッジ回路部４３のスイッチング素子４１（Ｑ１〜Ｑ６）を動作させてモータ２２に供給する電力量を調整する。また、ゲート駆動信号生成回路４６２は、ロータ位置検出回路４６７が磁気センサ２２ｓからの信号に基づいて検出した回転子（ロータ）位置に基づいてスイッチング素子４１（Ｑ１〜Ｑ６）の動作タイミングを調整する。
これにより、モータ制御装置４０は、トリガスイッチ３７の引き操作量に基づく電力量でモータ２２を駆動させることができるようになる。
さらに、ゲート駆動信号生成回路４６２は、モータ２２の負荷電流が過電流と判定された場合に、電流遮断用スイッチング素子４４をオフして回路を遮断できるように構成されている。また、ゲート駆動信号生成回路４６２は、電流遮断用スイッチング素子４４が故障と判定された場合には、スイッチング素子４１（Ｑ１〜Ｑ６）をオフできるように構成されている。

モータ制御装置４０は、図２に示すように、工具ハウジング３０のハンドル３５における連結部３５ｙの位置に収納されている。このため、バッテリパックＢからモータ制御装置４０に電力を供給する電源ケーブル４０ｐ，４０ｎはハンドル３５のバッテリ取付け台座部３８から連結部３５ｙの間に通されている。また、モータ制御装置４０からモータ２２に電力を供給する動力ケーブル４３ｕ，４３ｖ，４３ｗはハンドル３５の連結部３５ｙからモータハウジング３３にかけて通されている。
さらに、モータ制御装置４０とモータ２２とをつなぐ磁気センサ２２ｓの信号線２２ｘはハンドル３５の連結部３５ｙからモータハウジング３３にかけて通されている。また、モータ制御装置４０とトリガスイッチ３７とをつなぐ信号線３７ｘはハンドル３５のグリップ部３５ｇから連結部３５ｙにかけて通されている。
即ち、ハンドル３５における連結部３５ｙの内側とモータハウジング３３の内側とが本発明の電源供給用ケーブルの配線通路に相当する。

＜本実施形態に係る携帯マルノコ１０の長所について＞
本実施形態に係る携帯マルノコ１０によると、モータ制御装置４０がハンドル３５の連結部３５ｙの位置に収納されている。このため、電源ケーブル４０ｐ，４０ｎ、及び動力ケーブル４３ｕ，４３ｖ，４３ｗ（電源供給用ケーブル）は、ハンドル３５のグリップ部３５ｇを通らずに、そのハンドル３５の連結部３５ｙ（基端部）を通ってモータハウジング３３に至り、モータ２２に接続される。即ち、電源ケーブル４０ｐ，４０ｎ、及び動力ケーブル４３ｕ，４３ｖ，４３ｗ（電源供給用ケーブル）の配線通路がハンドル３５のグリップ部３５ｇ以外の部位に設けられている。
このため、従来のように、電源供給用ケーブルがトリガスイッチ３７を介してモータ２２に接続される構成と比較して、前記電源供給用ケーブルがハンドル３５のグリップ部３５ｇを通らない分だけその電源供給用ケーブルを短くできる。したがって、電源供給用ケーブルの線路抵抗を小さくすることができるようになる。
このため、ハンドル３５のグリップ部３５ｇには、トリガスイッチ３７とモータ制御装置４０とをつなぐ信号線３７ｘを配線するだけで良くなる。

また、モータ制御装置４０は、電源ケーブル４０ｐ，４０ｎ（電源供給用ケーブル）が入線されるハンドル３５のバッテリ取付け台座部３８（途中位置）とモータ２２間に配置されているため、電源ケーブル４０ｐ，４０ｎ及び動力ケーブル４３ｕ，４３ｖ，４３ｗ（電源供給用ケーブル）の長さ寸法を極力短くできる。
また、モータ制御装置４０は、６個のスイッチング素子４１からなる三相ブリッジ回路部４３と、その三相ブリッジ回路部４３を通過するモータ電流を遮断可能な電流遮断用スイッチング素子４４とを備えている。このため、三相ブリッジ回路部４３を構成するスイッチング素子４１が故障した場合にも、電流遮断用スイッチング素子４４によりモータ電流を遮断できるようになる。

＜変更例＞
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、図２に示すように、モータ制御装置４０をハンドル３５の連結部３５ｙの位置に収納する例を示した。しかし、図３に示すように、モータ制御装置４０をハンドル３５の起立部３５ｓの位置、即ち、トリガスイッチ３７とモータ２２との間に配置することも可能である。この場合に、電源ケーブル４０ｐ，４０ｎ及び動力ケーブル４３ｕ，４３ｖ，４３ｗ（電源供給用ケーブル）をハンドル３５のグリップ部３５ｇに通す必要がないため、電源供給用ケーブルの長さ寸法を小さくできる。
また、本実施形態では、携帯マルノコ１０を例示した。しかし、モータハウジングの外周面と、ハンドルの基端部とが連結される構成で、前記ハンドルの先端側にモータ起動用のトリガスイッチを備えるグリップ部が設けられている電動工具であれば、携帯マルノコ以外であっても本発明を適用可能である。
また、バッテリ駆動式のマルノコを例示したが電源コンセントを使用するマルノコ等に本発明を適用することも可能である。

２２・・・・モータ
３０・・・・工具ハウジング
３３・・・・モータハウジング（配線通路）
３５・・・・ハンドル
３５ｇ・・・グリップ部
３５ｓ・・・起立部（先端部）
３５ｙ・・・連結部（基端部 配線通路）
３７・・・・トリガスイッチ
３８・・・・バッテリ取付け台座部（電源供給用ケーブルが工具ハウジング内に入線され る位置）
４０・・・・モータ制御装置
４０ｐ・・・電源ケーブル（電源供給用ケーブル）
４０ｎ・・・電源ケーブル（電源供給用ケーブル）
４１・・・・スイッチング素子
４３ｕ・・・動力ケーブル（電源供給用ケーブル）
４３ｖ・・・動力ケーブル（電源供給用ケーブル）
４３ｗ・・・動力ケーブル（電源供給用ケーブル）
４４・・・・電流遮断用スイッチング素子

Claims (5)

1. モータを収納するモータハウジングの外周面と、ハンドルの基端部とが連結されることにより構成される工具ハウジングを備え、前記ハンドルの先端側にモータ起動用のトリガスイッチを備えるグリップ部が設けられており、前記ハンドルの基端部の一端から前記工具ハウジング内に前記モータの電源供給用ケーブルが入線される構成の電動工具であって、
   前記電源供給用ケーブルの配線通路が前記ハンドルのグリップ部以外の部位に設けられていることを特徴とする電動工具。
2. 請求項１に記載された電動工具であって、
   複数のスイッチング素子を備えるモータ制御装置を備えており、
   前記モータ制御装置は、前記トリガスイッチからの信号に基づいて、前記モータに供給する電力を調整できるように構成されており、
   前記電源供給用ケーブルは、電源と前記モータ制御装置間、及び前記モータ制御装置とモータ間に配線されていることを特徴とする電動工具。
3. 請求項２に記載された電動工具であって、
   前記モータ制御装置は、前記電源供給用ケーブルが工具ハウジング内に入線される位置と前記モータ間に配置されていることを特徴とする電動工具。
4. 請求項２に記載された電動工具であって、
   前記モータハウジングと前記ハンドルの先端部とが連結されており、
   前記モータ制御装置は、前記ハンドルの先端部内であって前記モータと前記トリガスイッチ間に配置されていることを特徴とする電動工具。
5. 請求項２から請求項４のいずれかに記載された電動工具であって、
   前記モータ制御装置は、６個のスイッチング素子からなる三相ブリッジ回路と、その三相ブリッジ回路を通過するモータ電流を遮断可能な電流遮断用スイッチング素子とを備えていることを特徴とする電動工具。
   

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