JP2020093368A - 電動作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業性の改善と低消費電力をバランス良く実現可能な電動作業機を提供する。【解決手段】電動作業機1は、ブラシレスモータであるモータ6と、モータ6に通電するためのインバータ回路43と、インバータ回路43を制御する制御部40と、を備える。制御部40は、第1制御を実行可能であり、前記第1制御では、モータ6の負荷が第1閾値を超えると進角を大きくし、前記負荷が前記第1閾値よりも高い第2閾値を超えると進角を小さくする。【選択図】図8
Description
本発明は、ブラシレスモータを駆動源とする丸鋸等の電動作業機に関する。
下記特許文献1は、ブラシレスモータを駆動源とする丸鋸等の電動工具において、低負荷時に進角を大きくし、高負荷時に進角を小さくすることを開示する。
低負荷時に進角を大きくすると、作業性の改善効果が小さい一方で、効率が悪いために消費電力が大きくなる。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、作業性の改善と低消費電力をバランス良く実現可能な電動作業機を提供することにある。
本発明のある態様は、電動作業機である。この電動作業機は、
ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータに通電するためのインバータ回路と、
前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、第1制御を実行可能であり、前記第1制御では、前記ブラシレスモータの負荷が第1閾値を超えると進角を大きくし、前記負荷が前記第1閾値よりも高い第2閾値を超えると進角を小さくする。
ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータに通電するためのインバータ回路と、
前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、第1制御を実行可能であり、前記第1制御では、前記ブラシレスモータの負荷が第1閾値を超えると進角を大きくし、前記負荷が前記第1閾値よりも高い第2閾値を超えると進角を小さくする。
前記制御部は、前記第1制御では、デューティ制御により、デューティが最大となる負荷以下では前記ブラシレスモータを定速度駆動し、前記第1閾値は、デューティが最大となる負荷以下であってもよい。
本発明のもう1つの態様は、電動作業機である。この電動作業機は、
ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータに通電するためのインバータ回路と、
前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、第1制御を実行可能であり、前記第1制御では、前記ブラシレスモータの負荷が低負荷範囲内のときは進角を小さくし、前記負荷が中負荷範囲内のときは進角を大きくし、前記負荷が高負荷範囲内のときは進角を小さくする。
ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータに通電するためのインバータ回路と、
前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、第1制御を実行可能であり、前記第1制御では、前記ブラシレスモータの負荷が低負荷範囲内のときは進角を小さくし、前記負荷が中負荷範囲内のときは進角を大きくし、前記負荷が高負荷範囲内のときは進角を小さくする。
前記制御部は、前記第1制御では、デューティ制御により、デューティが最大となる負荷以下では前記ブラシレスモータを定速度駆動し、前記中負荷範囲は、デューティが最大となる負荷を包含してもよい。
互いに定格電圧の異なる2種類の電池パックを択一的に装着可能であり、
前記制御部は、定格電圧の高い電池パックが装着された場合に前記第1制御を実行し、定格電圧の低い電池パックが装着された場合に第2制御を実行し、前記第2制御では、無負荷状態から進角を大きくし、負荷が大きくなると進角を小さくしてもよい。
前記制御部は、定格電圧の高い電池パックが装着された場合に前記第1制御を実行し、定格電圧の低い電池パックが装着された場合に第2制御を実行し、前記第2制御では、無負荷状態から進角を大きくし、負荷が大きくなると進角を小さくしてもよい。
前記制御部は、負荷の変化に応じて進角を連続的に変化させてもよい。
本発明のもう1つの態様は、電動作業機である。この電動作業機は、
ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータに通電するためのインバータ回路と、
前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、デューティ制御により、デューティが最大となる負荷以下では前記ブラシレスモータを定速度駆動し、前記ブラシレスモータを定速度駆動しているときに負荷が所定値を超えると、進角を大きくすると共にデューティを低下させる。
ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータに通電するためのインバータ回路と、
前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、デューティ制御により、デューティが最大となる負荷以下では前記ブラシレスモータを定速度駆動し、前記ブラシレスモータを定速度駆動しているときに負荷が所定値を超えると、進角を大きくすると共にデューティを低下させる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、作業性の改善と低消費電力をバランス良く実現可能な電動作業機を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施の形態1)
図1〜図7を参照し、本発明の実施の形態に係る電動作業機1の機械構成を説明する。図1〜図3及び図5により、互いに直交する前後、上下、左右の各方向を定義する。前後方向は、電動作業機1の作業方向である。上下方向は、ベース30と垂直な方向である。左右方向は、前方向(切断進行方向)を見た場合を基準に定義する。なお、図1及び図5は電動作業機1に電池パック51が装着された状態を示すが、図3は電動作業機1に電池パック51が装着されていない状態を示す。電動作業機1に装着可能な電池パック51の定格電圧は、18Vと14.4Vの二種類がある。
図1〜図7を参照し、本発明の実施の形態に係る電動作業機1の機械構成を説明する。図1〜図3及び図5により、互いに直交する前後、上下、左右の各方向を定義する。前後方向は、電動作業機1の作業方向である。上下方向は、ベース30と垂直な方向である。左右方向は、前方向(切断進行方向)を見た場合を基準に定義する。なお、図1及び図5は電動作業機1に電池パック51が装着された状態を示すが、図3は電動作業機1に電池パック51が装着されていない状態を示す。電動作業機1に装着可能な電池パック51の定格電圧は、18Vと14.4Vの二種類がある。
電動作業機1は、ここでは携帯用丸鋸(携帯用切断機)であり、本体10及びベース30を備える。本体10は、周知の傾動支持機構20及び揺動支持機構25により、ベース30に連結支持される。本体10は、傾動支持機構20の支持により、ベース30に対して左右の少なくとも一方向に傾動可能である。また、本体10は、揺動支持機構(切込深さ調整機構)25の支持により、ベース30に対して上下方向に揺動可能である。ベース30は、例えばアルミ等の金属製の略長方形の板材である。ベース30の長手方向は電動作業機1の作業方向と一致する。ベース30の底面は、被削材との摺動面である。本体10のハウジング(外殻)は、相互に組み合わされて一体化された、モータハウジング11、ハンドルハウジング12、及びギヤカバー13により構成される。
モータハウジング11は、例えば樹脂成形体であり、図2に示すモータ6を内部に収容する。モータ6は、インナーロータ型のブラシレスモータであり、出力軸6aの周囲に、出力軸6aと一体に回転する磁性体からなるロータコア6bを有する。ロータコア6bには、ロータマグネット(永久磁石)6cが挿入保持される。ロータマグネット6cは、軸周り方向に等間隔(例えば90度間隔)に複数(例えば4つ)設けられる。ロータコア6bの周囲には、ステータコア6dが設けられる(モータハウジング11に固定される)。ステータコア6dにステータコイル6e(図7)が設けられる。ステータコア6dの左方には、インバータ回路基板44が、出力軸6aと略垂直に設けられる。インバータ回路基板44には、複数の(例えば6つの)FETやIGBT等のスイッチング素子44aが搭載される。スイッチング素子44aは、図8に示すスイッチング素子Q1〜Q6に対応する。
図7に示すように、ステータコア6dは、ステータコイル6eの巻軸となるティース部を軸周り方向に等間隔(例えば60度間隔)で複数(例えば6つ)有する。図7では、各ティース部を、U1、U2、V1、V2、W1、W2としている。ティース部U1、U2にはU相のステータコイル6e(以下「U相ステータコイル」とも表記)が巻かれ、ティース部V1、V2にはV相のステータコイル6e(以下「V相ステータコイル」とも表記)が巻かれ、ティース部W1、W2にはW相のステータコイル6e(以下「W相ステータコイル」とも表記)が巻かれる。
ティース部V1、W1間、ティース部W1、U2間、ティース部U2、V2間には、それぞれホール素子42が配置される。ホール素子42は、ロータコア6bの外周面に近接する配置であり、モータ6の軸周り方向に60度間隔で3つ設けられる。図7におけるロータ回転位置は、真ん中のホール素子42の軸周り方向位置と、隣り合うロータマグネット6c間の中央の軸周り方向位置と、が互いに一致する回転位置であり、進角の基準位置であると共に、ロータ回転角0度に相当する。図7における反時計回りをロータ回転方向(正転方向)とした場合、進角は、図7に示す基準位置と、U相ステータコイルへの通電を開始するロータ回転位置と、の間のロータ回転角の差である。図7に示す基準位置においてU相ステータコイルに通電を開始する場合、進角は0度である。
ハンドルハウジング12は、例えば左右二分割構造の樹脂成形体であり、ギヤカバー13に接続される。ハンドルハウジング12は、モータハウジング11及びギヤカバー13に接続されると共に制御基板41(図4)を収容する基部12a、グリップ部となるハンドル部12b、及びハンドル部12bの前端部と基部12aとを連結する連結部12c、を含む。基部12aの上面には、操作パネル17が設けられる。基部12aの後端部とハンドル部12bの後端部とが互いに接続される。ハンドル部12bには、使用者がモータの駆動、停止を切り替えるためのトリガ部(操作部)5が設けられる。トリガ部5によってオンオフが切り替えられるスイッチ5a(図4)が、ハンドル部12b内に設けられる。ハンドルハウジング12の後端部に、電池パック51(図1及び図5)が後方から着脱可能にスライド装着される。
図6に示すように、操作パネル17には、モード切替スイッチ17aと、モード表示LED17bと、ライト点灯スイッチ17cと、ライト状態表示LED17d、17eと、サイレントモードスイッチ17fと、サイレントモード表示LED17gと、を有する。モード切替スイッチ17aは、作業者が電動作業機1の動作モードを後述の通常モードと高速モードとの間で切り替えるスイッチである。高速モードは、定格電圧が14.4Vの電池パック51(定格電圧の低い電池パック51)が装着された場合にのみ有効となるモードであってもよい。すなわち、モード切替スイッチ17aによる動作モードの切り替えは、定格電圧が14.4Vの電池パック51が装着された場合にのみ有効であってもよい。通常モードは、電池パック51の定格電圧によらず有効なモードである。モード表示LED17bは、電動作業機1の動作モードを報知する報知部であり、例えば高速モードの場合に点灯し、通常モードの場合に消灯する。ライト点灯スイッチ17cは、被削材に光を照射するLEDライト49(図8)の点灯、消灯を作業者が切り替えるスイッチである。ライト状態表示LED17d、17eは、LEDライト49の点灯状態を報知する報知部である。サイレントモードスイッチ17fは、電動作業機1の動作モードをサイレントモードにするためのスイッチである。サイレントモード表示LED17gは、例えばサイレントモードの場合に点灯し、それ以外の場合に消灯する。
ギヤカバー13は、例えばアルミ等の金属製であり、ハンドルハウジング12に接続される。ギヤカバー13は、モータ6の回転を減速して鋸刃16に伝達する減速機構8(図2)を覆うと共に、鋸刃16の上半分を覆う。保護カバー15は、例えば樹脂成形体であり、鋸刃16の下半分を開閉可能に覆う。先端工具(回転具)としての鋸刃16は、円板状の回転刃であり、モータ6によって回転駆動される。鋸刃16は、ベース30の下面から下方に突出する。
図8は、電動作業機1の回路ブロック図である。制御部40は、図4に示す制御基板41に搭載される。制御部40は、インバータ回路43の駆動制御等の各種制御を行う。駆動回路としてのインバータ回路43は、三相ブリッジ接続されたIGBTやFET等のスイッチング素子Q1〜Q6を含み、制御部40の制御に従ってスイッチング動作することで、モータ6のステータコイル6e(U,V,Wの各巻線)に駆動電流を供給する。温度検出手段としてのサーミスタ47は、スイッチング素子Q1〜Q6の近傍に配置される。抵抗Rsは、モータ6の電流(以下「モータ電流」とも表記)の経路に設けられる。制御回路電圧供給回路46は、電池パック51の電圧を制御部40の動作に適した電圧に変換して制御部40に供給する。磁気センサ42は、例えばホール素子又はホールICであり、モータ6の回転位置(ロータ回転位置)に応じた信号を出力する。図8に示す各種スイッチ17a、17c、17fは、図6に示すモード切替スイッチ17a、ライト点灯スイッチ17c、及びサイレントモードスイッチ17fをまとめたブロックである。LEDライト49は、例えば被削材に光を照射するライトであり、図6に示すライト点灯スイッチ17cがオンされると、演算部34の制御で点灯される。
制御部40において、モータ電流検出回路37は、検出抵抗Rsの両端の電圧によりモータ6の駆動電流(負荷)を検出し、演算部34に送信する。スイッチ操作検出回路38は、使用者によるトリガ部5の操作を検出し、演算部34に送信する。電池パック識別回路39は、電池パック51に設けられた識別抵抗Rbに接続され、電池パック識別信号を演算部34に送信する。演算部34は、電池パック識別信号により、電池パック51の定格電圧等を認識する。
回転子位置検出回路35は、磁気センサ42からの信号に基づいてモータ6の回転位置を検出し、演算部34に送信する。モータ回転数検出回路36は、回転子位置検出回路35からの信号に基づいてモータ6の回転数を検出し、演算部34に送信する。演算部34は、マイクロコントローラ等を含み、回転子位置検出回路35で検出したモータ6の回転位置に応じて、制御信号出力回路45を駆動し、インバータ回路43のスイッチング素子Q1〜Q6をスイッチング制御(例えばPWM制御)する。また、演算部34は、回転子位置検出回路35の検出結果に基づいてモータ6の回転数を演算する。更に、設定されたモータ6と鋸刃16の減速比に基づいて回転子位置検出回路35の検出結果から鋸刃16の回転数を検出することができる。
インバータ温度検出回路48は、サーミスタ47の出力電圧を基にスイッチング素子Q1〜Q6の温度を検出し、演算部34に送信する。演算部34は、モータ電流が過電流保護の閾値(以下「過電流閾値」とも表記)を超えるとステータコイル6eへの通電を停止する過電流保護機能と、サーミスタ47の出力電圧に基づくスイッチング素子Q1〜Q6の温度検出値が温度保護の閾値(以下「温度保護閾値」とも表記)を超えるとステータコイル6eへの通電を停止する温度保護機能(高温保護機能)と、を有する。
図9は、定格電圧36Vの電池パック51を装着した場合の電動作業機1の制御フローチャートである。演算部34は、電動作業機1に装着された電池パック51の定格電圧を識別する(S1)。演算部34は、電池パック51の定格電圧が36Vの場合(S1のYes)、通常モードかサイレントモードかの確認を行う(S3)。演算部34は、サイレントモードであって(S3のYes)、トリガ部5のオン操作を検出すると(S5のYes)、モータ6を起動し(S7)、モータ6の回転数(「モータ回転数」とも表記)を2500rpmとする定速度制御(S9)を、モータ6のステータコイル6eに印加する電圧の電気進角(「進角」とも表記)を40度(S11)として行う。演算部34は、定速度制御において、デューティ制御により、モータ6にかかる負荷の変動に対してモータ回転数を一定とする。演算部34は、モータ電流が40A以下であれば(S13のNo)、2500rpmかつ進角40度での定速度制御を継続する(S9、S11)。演算部34は、モータ電流が40Aを超えると(S13のYes)、ステップS19以降の通常モードの制御に移行する。
演算部34は、通常モードであって(S3のNo)、トリガ部5のオン操作を検出すると(S15のYes)、モータ6を起動し(S17)、モータ回転数を4000rpmとする定速度制御(S19)を、進角を40度(S21)として行う。演算部34は、モータ電流が30A以下であれば(S23のNo)、進角を40度に維持する(S21)。演算部34は、モータ電流が30Aを超えると(S23のYes)、進角を80度にする(S25)。演算部34は、モータ電流が26A未満になると(S27のNo、S29のYes)、進角40度にする(S21)。演算部34は、モータ電流が50A以上になると(S27のNo、S29のNo)、進角を40度として(S31)、モータ電流が46A以上であれば(S33のNo)、進角を40度に維持し(S31)、モータ電流が46A未満になると(S33のYes)、進角を80度にする(S25)。
図10は、定格電圧18Vの電池パック51を装着した場合の電動作業機1の制御フローチャートである。演算部34は、電池パック51の定格電圧が18Vの場合(図9のS1のYes)、通常モードかサイレントモードかの確認を行う(図10のS41)。演算部34は、サイレントモードであって(S41のYes)、トリガ部5のオン操作を検出すると(S43のYes)、モータ6を起動し(S45)、モータ回転数を2500rpmとする定速度制御(S47)を、進角を40度(S49)として行う。演算部34は、モータ電流が20A以下であれば(S51のNo)、2500rpmかつ進角40度での定速度制御を継続する(S47、S49)。演算部34は、モータ電流が20Aを超えると(S51のYes)、ステップS57以降の通常モードの制御に移行する。
演算部34は、通常モードであって(S41のNo)、トリガ部5のオン操作を検出すると(S53のYes)、モータ6を起動し(S55)、モータ回転数を4000rpmとする定速度制御(S57)を、進角を80度(S59)として行う。演算部34は、モータ電流が40A以下であれば(S61のNo)、進角を80度に維持する(S59)。演算部34は、モータ電流が40Aを超えると(S61のYes)、進角を40度にする(S63)。演算部34は、モータ電流が36A以上であれば(S65のNo)、進角を40度に維持する(S63)。演算部34は、モータ電流が36A未満になると(S65のYes)、進角80度にする(S59)。
図11は、電動作業機1に定格電圧36Vの電池パック51を装着した場合の通常モードにおけるモータ6にかかる負荷に対するモータ回転数、モータ電流、及び進角の変化を、進角を40度及び80度に固定した場合の通常モードとの比較で示すグラフである。無負荷から所定のトルク範囲においてモータ回転数が4000rpmで一定となっているのは、演算部34がデューティ制御によりモータ6を定速度制御することによる。トルクが大きくなって(モータ6にかかる負荷が大きくなって)デューティが100%(最大デューティ)になると、定速度制御が終わり、トルクが大きくなるほど回転数が低下する特性となる。進角が80度の場合(進角が大きい場合)、進角が40度の場合(進角が小さい場合)と比較して、同じトルクに対してモータ回転数が高くなる一方、同じトルクに対してモータ電流が大きくなる。
演算部34は、電動作業機1に装着された電池パック51の定格電圧が36Vの場合、第1制御を行う。演算部34は、第1制御では、トルクが第1閾値としてのT1以下の低負荷(軽負荷)範囲内の場合は進角を40度に設定し、トルクがT1を超えて第2閾値としてのT2以下の中負荷範囲内の場合は進角を80度に設定し、トルクがT2以上の高負荷(重負荷)範囲内の場合は進角を40度に設定する。このため、トルクに対するモータ回転数及びモータ電流の関係は共に、低負荷範囲では進角40度の場合と一致し、中負荷範囲では進角80度の場合と一致し、高負荷範囲では進角40度の場合と一致する。
演算部34は、横軸のトルク(モータ6にかかる負荷)を、モータ電流と進角とから特定する。トルクが大きくなって進角を40度から80度に切り替えるときのトルクの値は、トルクが小さくなって進角を80度から40度に切り替えるときのトルクの値よりも大きくてもよい。トルクが大きくなって進角を80度から40度に切り替えるときのトルクの値は、トルクが小さくなって進角を40度から80度に切り替えるときのトルクの値よりも大きくてもよい。
低負荷範囲は、モータ回転数を一定とする定速度制御を行うトルク範囲に含まれる。このため、進角はエネルギー効率(省エネルギー)を優先して40度とする。低負荷範囲では、進角を40度と小さくしても、モータ回転数は定速度制御で変わらないため、作業効率への影響はない。中負荷範囲は、定速度制御からデューティが最大となってトルクが大きくなるほど回転数が低下する範囲を含むが、過電流保護が作動するほどの負荷は含まない。このため、進角は作業効率(パワー)を優先して80度とする。進角を大きくすることで、同じトルクに対して高いモータ回転数とすることができ、作業を効率的に行える。また、進角を大きくすることで、定速度制御の範囲を拡大できる。低負荷範囲から中負荷範囲になる過程で、進角を大きくしつつモータ回転数を一定とするため、演算部34は、デューティを低下させる。高負荷範囲は、過電流保護が作動する負荷を含む。このため、進角は最大トルク(高負荷作業時の粘り)を優先して40度とする。進角を小さくすることで、同じトルクに対してモータ電流を抑えられるため、過電流保護が作動する直前のトルク(最大トルク)を大きく確保でき、高負荷作業時の粘りがでる。
図12は、電動作業機1に定格電圧36Vの電池パック51を装着した場合のサイレントモードにおけるモータ6にかかる負荷に対するモータ回転数、モータ電流、及び進角の変化を、進角を40度及び80度に固定した場合の通常モードとの比較で示すグラフである。以下、図11との相違点を中心に説明する。演算部34は、トルクがT3(T3>T1)以下の低負荷範囲内の場合は、進角を40度に設定し、定速度制御の回転数を2500rpmとする。演算部34は、トルクがT3以上T2以下の中負荷範囲内の場合は、進角を80度に設定し、定速度制御の回転数を4000rpmとする。図12のその他の点は、図11と同様である。
図13は、電動作業機1に定格電圧36V、18Vの電池パック51を装着した各場合の通常モードにおけるモータ6にかかる負荷に対するモータ回転数、モータ電流、及び進角の変化を示すグラフである。図13において、定格電圧36Vの電池パック51を装着した場合のグラフは、図11の同場合のグラフと同じである。演算部34は、電動作業機1に装着された電池パック51の定格電圧が18Vの場合、トルクがT4(T1<T4<T2)以下の場合は進角を80度に設定し、トルクがT4以上の場合は進角を40度に設定する。電池パック51の定格電圧が18Vの場合、定速度制御を行う範囲が狭くなるため、無負荷の段階から進角は作業効率(パワー)を優先して80度とする。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) 演算部34は、第1制御において、トルクが低負荷範囲内の場合は進角を小さくし、トルクが中負荷範囲内の場合は進角を大きくするため、低負荷範囲内におけるモータ電流を抑制して電力効率を高くし、かつ中負荷範囲ではモータ回転数を高くして作業効率を高くすることができる。ここで、低負荷範囲は、モータ6を定速度駆動するトルク範囲に含まれるため、進角を小さくしてもモータ回転数は低下せず、作業効率は悪化しない。
(2) 演算部34は、第1制御において、トルクが高負荷範囲内の場合は進角を小さくするため、同じトルクに対してモータ電流を抑えられ、過電流保護が作動する直前のトルク(最大トルク)を大きく確保でき、高負荷作業時の粘りがでる。
(3) 演算部34は、第1制御において、モータ6を定速度駆動しているときにトルクが所定値を超えると、進角を大きくすると共にデューティを低下させるため、モータ6を定速度駆動するトルク範囲を広くすることができる。
(実施の形態2)
図14は、本発明の実施の形態2の電動作業機に定格電圧36Vの電池パック51を装着した場合の通常モードにおけるモータ6にかかる負荷に対するモータ回転数、モータ電流、及び進角の変化を、進角を40度及び80度に固定した場合の通常モードとの比較で示すグラフである。本実施の形態では、低負荷範囲と中負荷範囲との間、及び中負荷範囲と高負荷範囲との間の各々において、進角を連続的に変化させる。このため、低負荷範囲と中負荷範囲との間におけるモータ電流の変化が連続的となる。また、中負荷範囲と高負荷範囲との間におけるモータ回転数及びモータ電流の変化が連続的となる。本実施の形態のその他の点は、実施の形態1と同様である。本実施の形態も、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
図14は、本発明の実施の形態2の電動作業機に定格電圧36Vの電池パック51を装着した場合の通常モードにおけるモータ6にかかる負荷に対するモータ回転数、モータ電流、及び進角の変化を、進角を40度及び80度に固定した場合の通常モードとの比較で示すグラフである。本実施の形態では、低負荷範囲と中負荷範囲との間、及び中負荷範囲と高負荷範囲との間の各々において、進角を連続的に変化させる。このため、低負荷範囲と中負荷範囲との間におけるモータ電流の変化が連続的となる。また、中負荷範囲と高負荷範囲との間におけるモータ回転数及びモータ電流の変化が連続的となる。本実施の形態のその他の点は、実施の形態1と同様である。本実施の形態も、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
実施の形態で示した電池パックの定格電圧や進角等の具体的な数値は、一例であり、電動作業機の仕様に合わせて任意に変更できる。第1制御において、低負荷範囲内における進角と高負荷範囲内における進角とが互いに異なってもよい。本発明の電動作業機は、実施の形態で例示した携帯用丸鋸に限定されず、グラインダ等の他の種類のものであってもよい。
1 電動作業機(携帯用丸鋸)、5 トリガ部、10 本体、11 モータハウジング、12 ハンドルハウジング、12a 基部、12b ハンドル部、12c 連結部、13 ギヤカバー、15 保護カバー、16 鋸刃(回転具)、17 操作パネル、17a モード切替スイッチ(モード切替部)、17b モード表示LED、17c ライト点灯スイッチ、17d、17e ライト状態表示LED、17f サイレントモードスイッチ、17g サイレントモード表示LED、20 傾動支持機構、25 揺動支持機構(切込深さ調整機構)、30 ベース、39 電池パック識別回路、40 制御部(コントローラ)、41 制御基板、43 インバータ回路、47 サーミスタ(温度検出素子)、51 電池パック、Rb 識別抵抗、Rs 検出抵抗
Claims (7)
- ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータに通電するためのインバータ回路と、
前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、第1制御を実行可能であり、前記第1制御では、前記ブラシレスモータの負荷が第1閾値を超えると進角を大きくし、前記負荷が前記第1閾値よりも高い第2閾値を超えると進角を小さくする、電動作業機。 - 前記制御部は、前記第1制御では、デューティ制御により、デューティが最大となる負荷以下では前記ブラシレスモータを定速度駆動し、前記第1閾値は、デューティが最大となる負荷以下である、請求項1に記載の電動作業機。
- ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータに通電するためのインバータ回路と、
前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、第1制御を実行可能であり、前記第1制御では、前記ブラシレスモータの負荷が低負荷範囲内のときは進角を小さくし、前記負荷が中負荷範囲内のときは進角を大きくし、前記負荷が高負荷範囲内のときは進角を小さくする、電動作業機。 - 前記制御部は、前記第1制御では、デューティ制御により、デューティが最大となる負荷以下では前記ブラシレスモータを定速度駆動し、前記中負荷範囲は、デューティが最大となる負荷を包含する、請求項3に記載の電動作業機。
- 互いに定格電圧の異なる2種類の電池パックを択一的に装着可能であり、
前記制御部は、定格電圧の高い電池パックが装着された場合に前記第1制御を実行し、定格電圧の低い電池パックが装着された場合に第2制御を実行し、前記第2制御では、無負荷状態から進角を大きくし、負荷が大きくなると進角を小さくする、請求項1から4のいずれか一項に記載の電動作業機。 - 前記制御部は、負荷の変化に応じて進角を連続的に変化させる、請求項1から5のいずれか一項に記載の電動作業機。
- ブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータに通電するためのインバータ回路と、
前記インバータ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、デューティ制御により、デューティが最大となる負荷以下では前記ブラシレスモータを定速度駆動し、前記ブラシレスモータを定速度駆動しているときに負荷が所定値を超えると、進角を大きくすると共にデューティを低下させる、電動作業機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018234466A JP2020093368A (ja) | 2018-12-14 | 2018-12-14 | 電動作業機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018234466A JP2020093368A (ja) | 2018-12-14 | 2018-12-14 | 電動作業機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020093368A true JP2020093368A (ja) | 2020-06-18 |
Family
ID=71085880
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018234466A Pending JP2020093368A (ja) | 2018-12-14 | 2018-12-14 | 電動作業機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020093368A (ja) |
-
2018
- 2018-12-14 JP JP2018234466A patent/JP2020093368A/ja active Pending
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