JP2012247301A - ゴム摩擦・摩耗特性試験方法及びゴム摩擦・摩耗特性試験装置 - Google Patents

ゴム摩擦・摩耗特性試験方法及びゴム摩擦・摩耗特性試験装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転台の台上でゴム試験部材を転動させる際に、接地面内の周速差に伴う横力の影響を排除して評価精度を高めることができるゴム摩擦・摩耗特性試験方法とゴム摩擦・摩耗特性試験装置を提供する。
【解決手段】回転台1を回転させるとともに、その回転台1の台上に押し当てられた円盤状のゴム試験部材2を転動させる。そして、その回転台1の台上で転動するゴム試験部材2に生じた横力を検出し、その検出された横力に基づきゴム試験部材2のスリップ角SAを調整する。これにより、ゴム試験部材2に生じる横力を減じて、ゴム試験部材2の接地面内の周速差に伴う横力の影響を排除する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ゴムの摩擦・摩耗特性を試験するのに使用されるゴム摩擦・摩耗特性試験方法とゴム摩擦・摩耗特性試験装置に関する。
タイヤなどのゴム製品に関して、ゴム材料の摩擦・摩耗特性を短時間で評価するために、一般にラボ試験が実施されている。そのための試験装置として、円盤状の砥石の外周面に、その砥石の回転軸と平行な回転軸を有する円盤状のゴム試験部材を押し当て、双方を回転させることによりゴム試験部材を摩耗させる、ランボーン試験機が周知である。このような試験装置は、例えば下記特許文献1〜3に開示されている。
ランボーン試験機では、ゴム試験部材の周速に対する、ゴム試験部材と砥石との周速差の百分率、即ちスリップ率を適宜に付与することが可能である。それ故、スリップ率を所定の値に保持した条件下で摩耗試験を行うことができ、例えば、基準になるゴム材料と新しく開発したゴム材料とのそれぞれに対応するゴム試験部材を所定時間で摩耗させ、その摩耗量の比較によって耐摩耗性能を評価できる。
また、ラボ試験においては、評価精度を高めるうえで、模擬路面の性状を実際の路面に近付けることが有効であり、下記特許文献4に記載されているように、模擬路面に硬質な骨材を接着剤で固着させて、アスファルト路面などを形成することが行われている。但し、上記のように円盤の外周面を模擬路面とするランボーン試験機では、骨材を取り付けるのに煩雑な作業が強いられることになる。
これに対し、図5,6のような回転台91の台上で円盤状のゴム試験部材92を転動させる場合には、ランボーン試験機と同様にスリップ率を付与して試験できるうえ、模擬路面となる回転台91の台上に骨材を取り付ける作業が簡単になって都合が良い。下記特許文献5には、回転軸を上下方向に向けた円盤状の研磨板を具備して、その研磨板にゴム試験部材を上から押し当てて摩耗させる試験装置が記載されているが、当該装置はゴム試験部材を転動させるものではない。
ところで、図5,6の如き試験では、回転台91の周速が一定であっても、円周Aを通る接地面の内側と円周Bを通る接地面の外側とで周速差が生じることになる。図6に示した上向きの矢印は周速の大きさを表しており、接地面の外側では内側よりも周速が大きい。このため、ゴム試験部材92においては、接地面の内側が外側に引きずられて時計回りのモーメントが発生し、それが余計な横力LFを生じて偏摩耗の原因となり、評価精度を低下させるという問題があった。
加えて、模擬路面となる回転台91の台上に骨材を取り付ける場合において、特に大小の骨材が混在し得るアスファルト路面を形成する場合には、ゴム試験部材92の幅寸法や径寸法を相応に大きく確保する必要があるため、上述した接地面内の周速差が顕著になり、それに伴う横力によって評価精度の低下を避けることが困難であった。本発明者は、上記の如き短所を見出したうえで、そのような横力の影響を排除して評価精度を高めるべく、後述する本発明を想到した。
特開平11−326169号公報 特開2004−101484号公報 特開2008−185475号公報 特開平7−20030号公報 特開平3−165234号公報
本発明の目的は、回転台の台上でゴム試験部材を転動させる際に、接地面内の周速差に伴う横力の影響を排除して評価精度を高めることができるゴム摩擦・摩耗特性試験方法及びゴム摩擦・摩耗特性試験装置を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係るゴム摩擦・摩耗特性試験方法は、回転台を回転させるとともに、その回転台の台上に押し当てられた円盤状のゴム試験部材を転動させる工程と、前記回転台の台上で転動する前記ゴム試験部材に生じた横力を検出し、その検出された横力に基づき前記ゴム試験部材のスリップ角を調整して、それにより前記ゴム試験部材に生じる横力を減ずる工程とを備えるものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、回転台の台上で転動するゴム試験部材にスリップ角を付与することにより、そのゴム試験部材に生じる横力が打ち消されることに着目し、上記の如き本発明を想到した。ここで、スリップ角は、進行方向とゴム試験部材の前後方向(回転方向)とがなす角であって、換言すると進行方向に対するゴム試験部材のずれ角度であり、タイヤにおけるスリップアングルや横滑り角に相当する。
本発明に係るゴム摩擦・摩耗特性試験方法では、回転台の台上でゴム試験部材を転動させた際に、ゴム試験部材に生じた横力を検出し、それに基づくスリップ角の調整により横力を減じ得る。その結果、接地面内の周速差は無くならないものの、横力による偏摩耗の発生を阻止し、横力の影響を排除して評価精度を高めることができる。ゴム試験部材に生じる横力は、周速や摩擦係数など種々の要因に応じて変化し得るが、本発明では、単にスリップ角を付与するのではなく、検出した横力に基づいてスリップ角を調整するため、上述のように横力の影響を適切に排除できる。
本発明のゴム摩擦・摩耗特性試験方法は、検出された横力が所定の上限値に達したときに、前記ゴム試験部材のスリップ角の調整を開始して該スリップ角を徐々に変化させ、そのスリップ角が徐々に変化する過程で検出された横力が所定の下限値に達したときに、前記ゴム試験部材のスリップ角の調整を停止するものが好ましい。かかる方法によれば、ゴム試験部材に生じた横力に応じて、それを打ち消すのに適したスリップ角の調整を効率良く確実に行うことができる。
本発明のゴム摩擦・摩耗特性試験方法は、前記ゴム試験部材に生じる横力を継続的に検出するものが好ましい。この場合、スリップ角の調整によって横力を打ち消した後、ゴム試験部材の摩耗などの条件変化により横力が再び発生しても、その横力を減ずるようにスリップ角を再調整できるため、評価精度が的確に高められる。この継続的な検出は、連続的な検出でもよいし、所定の時間間隔(例えば数秒おき)での検出でもよい。
また、本発明に係るゴム摩擦・摩耗特性試験装置は、回転駆動可能に構成された回転台と、前記回転台の台上に押し当てた円盤状のゴム試験部材を転動自在に支持する支持具と、前記回転台の台上で転動する前記ゴム試験部材に生じた横力を検出する横力検出器と、前記ゴム試験部材のスリップ角を制御する制御部とを備え、前記制御部が、前記横力検出器により検出された横力に基づき、前記ゴム試験部材に生じる横力が減ずるように前記ゴム試験部材のスリップ角を調整するものである。
本発明に係るゴム摩擦・摩耗特性試験装置では、回転台の台上でゴム試験部材を転動させた際に、ゴム試験部材に生じた横力が検出され、それに基づくスリップ角の調整により横力が減じられる。そのため、接地面内の周速差は無くならないものの、横力による偏摩耗の発生を阻止し、横力の影響を排除して評価精度を高めることができる。ゴム試験部材に生じる横力は、周速や摩擦係数など種々の要因に応じて変化し得るが、本発明では、単にスリップ角を付与するのではなく、検出した横力に基づいてスリップ角が調整されるため、横力の影響を適切に排除できる。
本発明のゴム摩擦・摩耗特性試験装置では、前記制御部は、前記横力検出器により検出された横力が所定の上限値に達したときに、前記ゴム試験部材のスリップ角の調整を開始して該スリップ角を徐々に変化させ、そのスリップ角が徐々に変化する過程で検出された横力が所定の下限値に達したときに、前記ゴム試験部材のスリップ角の調整を停止するものが好ましい。かかる構成によれば、ゴム試験部材に生じた横力に応じて、それを打ち消すのに適したスリップ角の調整を効率良く確実に行うことができる。
本発明のゴム摩擦・摩耗特性試験装置では、前記横力検出器は、前記ゴム試験部材に生じる横力を継続的に検出するものが好ましい。この場合、スリップ角の調整によって横力を打ち消した後、ゴム試験部材の摩耗などの条件変化により横力が再び発生しても、その横力を減ずるようにスリップ角を調整できるため、評価精度が的確に高められる。この継続的な検出は、連続的な検出でもよいし、所定の時間間隔(例えば数秒おき)での検出でもよい。
本発明に係るゴム摩擦・摩耗特性試験装置の一例を概略的に示す斜視図 図1のゴム摩擦・摩耗特性試験装置を概略的に示すブロック図 回転台とゴム試験部材を示す平面図 ゴム試験部材にスリップ角を付与した様子を示す平面図 回転台の台上でゴム試験部材を転動させる態様を示す斜視図 図5の回転台とゴム試験部材を示す平面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、スリップ率を所定の値に保持した条件下で摩耗試験(ゴム摩擦・摩耗特性試験の一例)を行う例を示す。
図1,2には、本実施形態で使用されるゴム摩擦・摩耗特性試験装置が概略的に示されている。この試験装置は、円盤状のゴム試験部材2を、模擬路面となる回転台1の台上で転動させる構成になっている。回転台1は、上下方向に延びる回転軸11を有しており、その回転軸11にサーボモータなどの回転駆動部12が連結されている。この回転駆動部12により、回転台1は回転軸11を介して回転駆動可能に構成されている。
ゴム試験部材2には、水平方向に延びる軸部材21が取り付けられており、その軸部材21にサーボモータなどの回転駆動部22が連結されている。軸部材21は、ゴム試験部材2の中心部に嵌め込まれ、ゴム試験部材2に対して回転方向の位置ずれを生じないように固定されている。この回転駆動部22により、ゴム試験部材2は軸部材21を介して回転駆動可能に構成されている。
図1では記載を省略しているが、軸部材21は軸受を介して支持具3により支持されている。支持具3は、公知のアクチュエータで構成しうる昇降機構31によって上下方向に変位可能であり、その下方への変位によって、回転台1の台上にゴム試験部材2が上から押し当てられる。このように、支持具3は、軸部材21を介して、回転台1の台上に押し当てたゴム試験部材2を転動自在に支持する。
横力検出器4は、回転台1の台上で転動するゴム試験部材2に生じた横力を検出する。横力検出器4としては、例えばロードセルを用いることができる。本実施形態では、横力検出器4を支持具3に設置しているが、ゴム試験部材2の横力を検出できれば、これに限られない。また、図示していないが、ゴム試験部材2に作用する縦荷重や前後力を検出することを目的とした、ロードセルなどの検出器も設置されている。
揺動機構5は、ゴム試験部材2が旋回して前後方向を変えるように、支持具3を揺動させる機能を有する。回転駆動部12、回転駆動部22、昇降機構31及び揺動機構5は、それぞれ制御部6に電気的に接続されていて、制御部6からの指令信号により各動作の必要性に応じて適宜に制御されるように構成されている。
制御部6は、揺動機構5の制御により支持具3を揺動させ、延いてはゴム試験部材2のスリップ角(図4に示す角度SA)を制御する。制御部6には、横力検出器4による検出結果が入力される。詳しくは後述するように、制御部6は、横力検出器4により検出された横力に基づき、ゴム試験部材2に生じる横力が減ずるようにゴム試験部材2のスリップ角を調整する。
この装置を用いた試験方法の一例について説明する。まず、ゴム試験部材2を装着した支持具3を下方に変位させ、回転台1の台上にゴム試験部材2を押し当てる。制御部6は、支持具3の変位量または検出される縦荷重に基づいて昇降機構31を制御し、ゴム試験部材2には所定の縦荷重が負荷される。
次に、回転台1の回転駆動を開始する。制御部6は、回転駆動部12を制御し、回転台1の周速が所定の値になるように調整する。回転台1が所定の周速で回転するまでの間、ゴム試験部材2は自由回転可能な状態とされ、回転台1に連れ回って転動する。したがって、この段階ではスリップ率は付与されない。
回転台1の周速が所定の値になったら、ゴム試験部材2の回転駆動を開始する。制御部6は、回転駆動部22を制御し、ゴム試験部材2の周速が所定の値になるように調整する。このとき、ゴム試験部材2と回転台1との間に周速差を生じさせて、所定のスリップ率を付与する。スリップ率は、ゴム試験部材2の周速に対する上記周速差の百分率として表される。図3には、この段階における回転台1とゴム試験部材2が示されている。
図3では、ゴム試験部材2が回転軸11の真横に配置されており、その図面での上下方向が進行方向DDとなる。円周Cは、回転軸11を中心とし、且つ、支持具3の揺動に伴うゴム試験部材2の旋回運動の中心点Pを通る仮想ラインである。進行方向DDは、点Pにおける円周Cの接線と平行である。ゴム試験部材2の軸部材21(図3,4では不図示)は、点Pにおける円周Cの法線方向に延びており、それに直交するゴム試験部材2の前後方向LD(回転方向)は、点Pにおける円周Cの接線と平行になる。
図3において、ゴム試験部材2は、スリップ率を所定の値に保持した条件下で回転台1の台上を転動しており、その進行方向DDと前後方向LDとがなす角、即ちスリップ角は0°である。円周A,Bは、回転軸11を中心とした同心円であって、それぞれゴム試験部材2の接地面の内側,外側を通る仮想ラインである。既述のように、回転台1の周速が一定であっても、円周Aを通る接地面の内側と円周Bを通る接地面の外側とに周速差が生じるため、それに伴ってゴム試験部材2に余計な横力LFが作用する。
上記した接地面内の周速差は、回転台1の回転方向となる時計回りのモーメントを誘発し、それに応じて外向きの横力LFが発生する。このゴム試験部材2に生じた横力LFは、横力検出器4によって検出される。制御部6は、横力検出器4により検出された横力LFに基づき、図4に示した如くゴム試験部材2を旋回させ、横力LFが減ずるようにゴム試験部材2のスリップ角SAを調整する。
本実施形態では回転台1が時計回りに回転するため、これとは逆向きの反時計回りにゴム試験部材2を旋回することで、外向きの横力LFを打ち消す方向にスリップ角SAを付与できる。このようにゴム試験部材2のスリップ角SAを調整し、接地面内の周速差に伴う横力の影響を排除することで、偏摩耗の発生を阻止して評価精度を高められる。ゴム試験部材2にスリップ角SAを付与するには、回転台1に対するゴム試験部材2の相対姿勢を制御すればよいため、ゴム試験部材2ではなく回転台1の方を動かしても構わない。
制御部6は、スリップ角SAの調整において、検出された横力LFが所定の上限値に達したときに、ゴム試験部材2のスリップ角の調整を開始して該スリップ角を徐々に変化させ、そのスリップ角が徐々に変化する過程で検出された横力LFが所定の下限値に達したときに、ゴム試験部材2のスリップ角の調整を停止することが好ましい。これにより、ゴム試験部材2に生じた横力LFに応じて、それを打ち消すのに適したスリップ角SAを効率良く確実に付与できる。
上記において、上限値をX、下限値をYと設定し、制御部6に入力しておくとする。このX,Yは、X>Y≧0を満たす任意の数値であって、単位はNが例示される。この場合、図3の状態から、検出した横力LFがXに達した時点でゴム試験部材2が旋回を開始し、スリップ角SAが徐々に大きくなる。その後、スリップ角SAが徐々に変化する過程において、検出した横力LFがYに達した時点でゴム試験部材2の旋回が停止となり、図4のようにスリップ角SAが確定する。
或いは、−X´〜Xという許容範囲を設定し、この範囲を外れたときに、ゴム試験部材2のスリップ角SAの調整を開始してもよい。この場合には、X´又はXを超える数値が上限値となる。負値の横力は、ゴム試験部材2に生じる内向きの横力であり、その限度を定めることによって、路面のアンジュレーションによる横力の振れや、スリップ角が過大になった状況にも対処でき、試験を安定して行うことができる。X´は、Xと同じ数値であるものに限られない。
上記の如く内向きの横力を想定する場合には、−Y´〜Yという範囲を設定し、この範囲に入った時点でゴム試験部材2のスリップ角SAの調整を停止するようにしてもよい。この場合には、Y´及びYが下限値となる。Y´は、Yと同じ数値であるものに限られない。
また、慣性による行き過ぎ(オーバーシュート)を防ぐ観点から、ゴム試験部材2が旋回するときの移動速度(単位時間当たりの角度変化量)や、ゴム試験部材2が旋回を開始してから前記移動速度に達するまでの時間が予め設定され、これに準じた制御が制御部6により行われる。
スリップ角SAの調整を停止する際には、横力LFがゼロではない下限値に達した時点で、ゴム試験部材2の旋回を直ちに停止するのではなく、ゴム試験部材2の旋回の停止処理を開始し、そこから所定の設定時間(例えば1秒)をかけて減速したうえでゴム試験部材2の旋回を完全に停止するようにすれば、ゴム試験部材2に生じる横力LFをゼロに近付けることができて好ましい。
図3における段階以降は、回転台1の台上でゴム試験部材2が転動している間、横力検出器4が、ゴム試験部材2に生じる横力LFを継続的に検出することが好ましい。これにより、スリップ角SAの調整により横力LFを打ち消した後も横力の監視が行われ、ゴム試験部材2の摩耗などの条件変化により横力が再び発生しても、上記の如くスリップ角SAを再調整できるため、評価精度を的確に高めることができる。
以上によれば、スリップ率を所定の値に保持しながら、ゴム試験部材2の接地面内の周速差に伴う横力の影響を排除して、摩耗試験を行うことができる。したがって、例えば、基準になるゴム材料と新しく開発したゴム材料とのそれぞれに対応するゴム試験部材を所定時間で摩耗させ、その摩耗量の比較によって耐摩耗性能を評価することができる。
評価精度を高めるうえでは、模擬路面となる回転台1の台上に対し、骨材や研磨布を敷き詰めたり、或いは溶射などの表面処理を施したりして、実際の路面の性状に近付けることが望ましい。回転台1で模擬される路面は、目的に応じて種々が採用可能であり、アスファルト路面やコンクリート路面などが例示されるとともに、これらを湿潤状態にすることも可能である。
また、評価精度を高めるうえでは、ゴム試験部材2を転動させている回転台1の台上にタルク粉などの粘着防止材を吹き付け、摩耗で生じたゴム粉の路面への粘着を防ぐとともに、それらを吸塵機により回収することで、ゴム試験部材2に付着しないように対処することが望ましい。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であり、装置の構成や制御内容などは適宜に変更することが可能である。例えば、回転台は、その中心に位置する回転軸を介して回転するものに限られず、それに隣接させた回転体により回転駆動してもよく、かかる構成によれば回転速度を高精度で制御しやすくなる。
前述の実施形態では、スリップ率を所定の値に保持した条件下で摩耗試験を行う例を示したが、本発明に係る試験装置はこれ以外の試験にも使用可能であり、例えばトルク制御や鉛直荷重スィープ制御を導入しても構わない。鉛直荷重スィープは、SIN波形(正弦波形)に従って縦荷重を周期的に変化させるものである。
本発明において、試験に用いられるゴム試験部材としては、後述する実施例のようなサイズのゴム試験片に限られず、リム組みした空気入りタイヤなどのタイヤ製品自体を採用することも可能である。
本発明の構成と効果を具体的に示すため、スリップ角を0°一定としたものを比較例とし、横力に応じてスリップ角を調整したものを実施例として摩耗試験を行い、所定時間で摩耗させたときの偏摩耗の発生状況を比較した。
試験条件を表1に示す。ゴム試験部材は、幅方向に沿って外周面が平坦な円盤体である。離間距離は、回転台の回転軸の中心からゴム試験部材の旋回中心までの距離を指し、図3における円周Cの半径に相当する。また、回転台の台上では、骨材を敷き詰めてアスファルト路面を模擬してある。
偏摩耗の発生状況は、測定された偏摩耗量の逆数を算出し、比較例の結果を100としたときの指数で評価し、この指数が大きいほど偏摩耗の発生が抑制されていることを示す。偏摩耗量は、ゴム試験部材の外周面において、最も深く摩耗した箇所と最外径箇所との径方向距離として測定した。評価結果を表2に示す。
Figure 2012247301
Figure 2012247301
表2のように、実施例では、比較例よりも偏摩耗の発生が抑えられている。このことから、実施例では、ゴム試験部材の接地面内の周速差に伴う横力の影響を排除できていると考えられ、評価精度の向上が期待できる。
1 回転台
2 ゴム試験部材
3 支持具
4 横力検出器
5 揺動機構
6 制御部
11 回転軸
12 回転駆動部
21 軸部材
22 回転駆動部
31 昇降機構
SA スリップ角

Claims (6)

  1. 回転台を回転させるとともに、その回転台の台上に押し当てられた円盤状のゴム試験部材を転動させる工程と、
    前記回転台の台上で転動する前記ゴム試験部材に生じた横力を検出し、その検出された横力に基づき前記ゴム試験部材のスリップ角を調整して、それにより前記ゴム試験部材に生じる横力を減ずる工程とを備えるゴム摩擦・摩耗特性試験方法。
  2. 検出された横力が所定の上限値に達したときに、前記ゴム試験部材のスリップ角の調整を開始して該スリップ角を徐々に変化させ、そのスリップ角が徐々に変化する過程で検出された横力が所定の下限値に達したときに、前記ゴム試験部材のスリップ角の調整を停止する請求項1に記載のゴム摩擦・摩耗特性試験方法。
  3. 前記ゴム試験部材に生じる横力を継続的に検出する請求項1または2に記載のゴム摩擦・摩耗特性試験方法。
  4. 回転駆動可能に構成された回転台と、前記回転台の台上に押し当てた円盤状のゴム試験部材を転動自在に支持する支持具と、前記回転台の台上で転動する前記ゴム試験部材に生じた横力を検出する横力検出器と、前記ゴム試験部材のスリップ角を制御する制御部とを備え、
    前記制御部が、前記横力検出器により検出された横力に基づき、前記ゴム試験部材に生じる横力が減ずるように前記ゴム試験部材のスリップ角を調整するゴム摩擦・摩耗特性試験装置。
  5. 前記制御部は、前記横力検出器により検出された横力が所定の上限値に達したときに、前記ゴム試験部材のスリップ角の調整を開始して該スリップ角を徐々に変化させ、そのスリップ角が徐々に変化する過程で検出された横力が所定の下限値に達したときに、前記ゴム試験部材のスリップ角の調整を停止する請求項4に記載のゴム摩擦・摩耗特性試験装置。
  6. 前記横力検出器は、前記ゴム試験部材に生じる横力を継続的に検出するものである請求項4または5に記載のゴム摩擦・摩耗特性試験装置。
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